先日バス旅行に行った友人(ABC)は子どもが小さい頃公園や児童館で知り合ったお母さんたちだ。
なんとなく気が合って、気心が知れているために、緊張することなく付き合うことができる。
しかし、一日中いっしょにいると、やはり人それぞれの好みや都合は違うもので、多少の意見の相違や摩擦のようなものが生まれる。
先日の旅行の解散時間は8時過ぎくらいだという見込みで、そのあとみんなで夕飯を食べてから分かれようという話になっていた。実は、私は翌日の準備などがあるため、なるべく早く帰りたいと思っていたのだった。夕飯を一緒に食べるという話は前以て聞いていたものの、当日近くになっていざ集合時間と解散時間を確認すると、思っていたよりも拘束時間がかなり長いことがわかった。集合時間もバス会社が7時15分に設定しているにもかかわらず、6時半には乗車場所に着いてしまうような時刻に、仲間内で集まる時間を決められてしまったので、なんでそこまでしなきゃならないのかと思ってしまった。
そのあたりが、その旅行をどれだけ楽しみにしているかというような思い入れの違いなのだと思うが、正直、私はあまり思い入れがないと言っていい。
前日に友人Aと別用で会ったとき、当日に持っていくお菓子を買うとの話で、一緒に買物をしたので、私もいくらか買うことにしたが、お菓子を持っていって、バスの中で食べるという発想も私にはなかった。私以外の3人は今までも何回か行っていて、いつもそのようにしているらしかった。家に帰ってお菓子を見た高校生の娘は「子供の遠足かよ?」とあきれていた。
まあそれで、バスの中ではお菓子のみならずサンドイッチや飲み物など大量の食べ物が友人たちから回ってくる状況で、その真心に応じるために、一生懸命食べなければならなかった。
実家の母が「よその人はたくさん食べるし、食べるのが早い」とよく言っているが、まったくその通りだと思った。
私はバスの中で友人から食べさせられたもので満腹になってしまい、桃狩りでは1個でもう十分だったが、他の人たちはいくつも食べ続けた上に、バッグの中に忍ばせて持ち帰る人もいた。
その後は、行く先々でみやげ物屋に入り、試食ばかりしていていた。試食用のお菓子を取り、手のひらいっぱいに載せて、食べながら店の中を歩いたりし、そこで買ったお菓子や漬物をバスに戻ってあけてみんなで分けて食べる。そのたびにウェットティッシュを出してはこまめに手を拭く。きれい好きというか神経質というか、そして手拭きと食べるので忙しいわけだ。食べ終わると今度はよく寝る。口をぽっかりあけていることもある。
これってオバタリアンの行動では?
「オバタリアン」なんて今や死語かと思うが、なんと表現したらいいかな?
私にはそのような行動はどうもそぐわない。
漬物のにおいがバスの中に充満して、周りの人がどう思うかなと恥ずかしく感じてしまった。
帰りは運悪く事故渋滞に巻き込まれてしまい、道路上の掲示で、8時過ぎの段階で都内に入るのに2時間かかると出ていたのを私は見た。到着は10時も過ぎる見込みだった。
隣席のAさんは熟睡していたため、その情報を直接には見ておらず、半信半疑の様子だったが、ガイドさんも、都内まで2時間かかるので今のうちに最後のトイレ休憩をとることにしましょうと、急遽サービスエリアに入った。私はそこで何か買って夕飯を済ませたほうがいいだろうといい、3人は食べ物を買った。しかし、たこ焼きやアメリカンドックくらいしかなく、Cさんは食欲がないと言って買わなかった。Cさんは主婦の鑑のような人で、日頃の料理にも決してインスタント食品や市販のつゆの元やドレッシングなども使わない。だから、ファーストフードなどは人間の食べ物ではないと思っているのかもしれなかった。
隣席のAさんは帰ってからの外食を中止にすることが納得できないようなようすだったので、「10時過ぎに食べてもおそすぎるし、明日仕事だよね」と確かめると、「私は寝るのはいつも遅いから、翌朝早くても関係ない」という返事だった。最初から食べる予定だったのに急に中止にするのはおかしいという思いのようだ。
結局バスが到着したのは9時40分ころであり、10時までにはならなかったが、駅ビルレストランのラストオーダーは9時半だったと思うので、それから食事というのはやはり遅すぎるといえる。野菜その他のプレゼントつき旅行だったので、荷物も多く、あまり遠くまで歩くのは大変だ。
Bさんは毎晩11時には寝て、朝は5時に起きるという人で、お姑さんと同居している。お姑さんはうるさい人ではないようであるが、やはりあまり遅くならないほうがいいだろう。Bさんは「バスの中で腹ごしらえもしたので今日はもう食べないで帰りましょうよ」と言い、私とBさんは意見が一致したようだった。
しかし、Aさんは夕飯の外食をかなり楽しみにしていたようで、ゆっくり豪勢な食事をし、お酒なども飲むつもりだったようだ。
それで、「駅ビルじゃなくて、ファミレスなら遅くまでやってたんじゃないの?」と最後まで不服そうにしていた。
Cさんはサービスエリアで何も買わなかったので、Aさん同様レストランで夕飯を食べるのを楽しみにしていたのかもしれないが、特に自分の意見を主張することはなかった。
Cさんは人間関係において波風をたてるのが嫌いな人で、普段もご主人と意見の不一致があっても、自分の意見を主張しない主義だと言っていたから、本心は何を考えているのかわからなかった。
ただ、専業主婦のCさんは、「やっぱり梅雨が明けないとこの時期はダメね。それに平日じゃなかったからどこも混んでたしね。前行ったときは平日だったからスムーズにかえって来られたでしょう」と言っていた。
平日に行けなかったのは、結局のところ、私のせいなのである。
Bさんの仕事が月曜日しか休めないし、私は月曜日は仕事上週始めに前週分の集計をして社内に回覧するものがあって、極力休むことができない。Aさんは仕事をしているが休みはいつでも取れるという状況だ。
今までは、私が月曜に休めないと言い張っていたために、月曜の平日に3人で出かけていたが、今回月曜祝日にあたる海の日にやっと休日が一致して4人そろって行くことができたのだった。3人だと何かと一人があまるということで4人がいいわけである。しかし、日程は平日のほうが旅行料金も安いし、様々な点で都合がいい。
そんなわけで、人それぞれ思いはさまざまである。
そして、仕事の前夜に遊びほうけることができるかどうかという事情も違う。
私の仕事は体は使わないから体力を消耗して疲れることはないのだが、逆に体を使わないぶんだけ、前日の疲労や睡眠不足が集中力の欠如という形になって仕事に悪影響を与えてしまう。また、私だけが子供がまだ高校生なので、翌朝弁当の準備などしなければならないから、前夜に深夜帰りなどすると気分的に落ち着かないということがある。
・・・そのようなわけで、手放しに「楽しかったまた行くぞ!」と思えるような旅行ではないのでした。
なんとなく気が合って、気心が知れているために、緊張することなく付き合うことができる。
しかし、一日中いっしょにいると、やはり人それぞれの好みや都合は違うもので、多少の意見の相違や摩擦のようなものが生まれる。
先日の旅行の解散時間は8時過ぎくらいだという見込みで、そのあとみんなで夕飯を食べてから分かれようという話になっていた。実は、私は翌日の準備などがあるため、なるべく早く帰りたいと思っていたのだった。夕飯を一緒に食べるという話は前以て聞いていたものの、当日近くになっていざ集合時間と解散時間を確認すると、思っていたよりも拘束時間がかなり長いことがわかった。集合時間もバス会社が7時15分に設定しているにもかかわらず、6時半には乗車場所に着いてしまうような時刻に、仲間内で集まる時間を決められてしまったので、なんでそこまでしなきゃならないのかと思ってしまった。
そのあたりが、その旅行をどれだけ楽しみにしているかというような思い入れの違いなのだと思うが、正直、私はあまり思い入れがないと言っていい。
前日に友人Aと別用で会ったとき、当日に持っていくお菓子を買うとの話で、一緒に買物をしたので、私もいくらか買うことにしたが、お菓子を持っていって、バスの中で食べるという発想も私にはなかった。私以外の3人は今までも何回か行っていて、いつもそのようにしているらしかった。家に帰ってお菓子を見た高校生の娘は「子供の遠足かよ?」とあきれていた。
まあそれで、バスの中ではお菓子のみならずサンドイッチや飲み物など大量の食べ物が友人たちから回ってくる状況で、その真心に応じるために、一生懸命食べなければならなかった。
実家の母が「よその人はたくさん食べるし、食べるのが早い」とよく言っているが、まったくその通りだと思った。
私はバスの中で友人から食べさせられたもので満腹になってしまい、桃狩りでは1個でもう十分だったが、他の人たちはいくつも食べ続けた上に、バッグの中に忍ばせて持ち帰る人もいた。
その後は、行く先々でみやげ物屋に入り、試食ばかりしていていた。試食用のお菓子を取り、手のひらいっぱいに載せて、食べながら店の中を歩いたりし、そこで買ったお菓子や漬物をバスに戻ってあけてみんなで分けて食べる。そのたびにウェットティッシュを出してはこまめに手を拭く。きれい好きというか神経質というか、そして手拭きと食べるので忙しいわけだ。食べ終わると今度はよく寝る。口をぽっかりあけていることもある。
これってオバタリアンの行動では?
「オバタリアン」なんて今や死語かと思うが、なんと表現したらいいかな?
私にはそのような行動はどうもそぐわない。
漬物のにおいがバスの中に充満して、周りの人がどう思うかなと恥ずかしく感じてしまった。
帰りは運悪く事故渋滞に巻き込まれてしまい、道路上の掲示で、8時過ぎの段階で都内に入るのに2時間かかると出ていたのを私は見た。到着は10時も過ぎる見込みだった。
隣席のAさんは熟睡していたため、その情報を直接には見ておらず、半信半疑の様子だったが、ガイドさんも、都内まで2時間かかるので今のうちに最後のトイレ休憩をとることにしましょうと、急遽サービスエリアに入った。私はそこで何か買って夕飯を済ませたほうがいいだろうといい、3人は食べ物を買った。しかし、たこ焼きやアメリカンドックくらいしかなく、Cさんは食欲がないと言って買わなかった。Cさんは主婦の鑑のような人で、日頃の料理にも決してインスタント食品や市販のつゆの元やドレッシングなども使わない。だから、ファーストフードなどは人間の食べ物ではないと思っているのかもしれなかった。
隣席のAさんは帰ってからの外食を中止にすることが納得できないようなようすだったので、「10時過ぎに食べてもおそすぎるし、明日仕事だよね」と確かめると、「私は寝るのはいつも遅いから、翌朝早くても関係ない」という返事だった。最初から食べる予定だったのに急に中止にするのはおかしいという思いのようだ。
結局バスが到着したのは9時40分ころであり、10時までにはならなかったが、駅ビルレストランのラストオーダーは9時半だったと思うので、それから食事というのはやはり遅すぎるといえる。野菜その他のプレゼントつき旅行だったので、荷物も多く、あまり遠くまで歩くのは大変だ。
Bさんは毎晩11時には寝て、朝は5時に起きるという人で、お姑さんと同居している。お姑さんはうるさい人ではないようであるが、やはりあまり遅くならないほうがいいだろう。Bさんは「バスの中で腹ごしらえもしたので今日はもう食べないで帰りましょうよ」と言い、私とBさんは意見が一致したようだった。
しかし、Aさんは夕飯の外食をかなり楽しみにしていたようで、ゆっくり豪勢な食事をし、お酒なども飲むつもりだったようだ。
それで、「駅ビルじゃなくて、ファミレスなら遅くまでやってたんじゃないの?」と最後まで不服そうにしていた。
Cさんはサービスエリアで何も買わなかったので、Aさん同様レストランで夕飯を食べるのを楽しみにしていたのかもしれないが、特に自分の意見を主張することはなかった。
Cさんは人間関係において波風をたてるのが嫌いな人で、普段もご主人と意見の不一致があっても、自分の意見を主張しない主義だと言っていたから、本心は何を考えているのかわからなかった。
ただ、専業主婦のCさんは、「やっぱり梅雨が明けないとこの時期はダメね。それに平日じゃなかったからどこも混んでたしね。前行ったときは平日だったからスムーズにかえって来られたでしょう」と言っていた。
平日に行けなかったのは、結局のところ、私のせいなのである。
Bさんの仕事が月曜日しか休めないし、私は月曜日は仕事上週始めに前週分の集計をして社内に回覧するものがあって、極力休むことができない。Aさんは仕事をしているが休みはいつでも取れるという状況だ。
今までは、私が月曜に休めないと言い張っていたために、月曜の平日に3人で出かけていたが、今回月曜祝日にあたる海の日にやっと休日が一致して4人そろって行くことができたのだった。3人だと何かと一人があまるということで4人がいいわけである。しかし、日程は平日のほうが旅行料金も安いし、様々な点で都合がいい。
そんなわけで、人それぞれ思いはさまざまである。
そして、仕事の前夜に遊びほうけることができるかどうかという事情も違う。
私の仕事は体は使わないから体力を消耗して疲れることはないのだが、逆に体を使わないぶんだけ、前日の疲労や睡眠不足が集中力の欠如という形になって仕事に悪影響を与えてしまう。また、私だけが子供がまだ高校生なので、翌朝弁当の準備などしなければならないから、前夜に深夜帰りなどすると気分的に落ち着かないということがある。
・・・そのようなわけで、手放しに「楽しかったまた行くぞ!」と思えるような旅行ではないのでした。