ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/08/17 お盆は過密スケジュールで超疲労・・・・・・

2009-08-17 23:59:32 | つれづれなるままに

13日から妹1が名古屋から実家に来た。その日の夕方に24時間ケアコールの業者さんに合鍵を渡してもらうように妹1に頼んでおいた。
ところが先方にこちらの意図がうまく伝わっていなかったようで、妹から「待っていても来ないので先方に連絡をとってくれ」と携帯にメールが入る。問い合わせたところ、誤解があったことが判明してすぐに行ってもらった。私は新宿サザンシアターへこまつ座「兄おとうと」を観に行く途中だった。後で妹1から、買い物に行けなかったから外食にいったと聞いて謝る。とにかく1つクリア。

15日土曜日に納涼歌舞伎一部二部の観劇後、実家に飛んで行く。母親のショートステイ施設のお試し利用前に契約をしておかなければいけないのだが、8日と22日でどうかと打診したら先方の都合が悪く、15日の夕方という約束になってしまった。

母親は妹1・2と孫娘たちが買い物に行ってしまっていて、一人でお留守番中。私の姿をみると不満顔。ショートステイも本当は行きたくないとかブツブツ言うが、今回のような騒動に同じようにつきあうのは娘3人とも無理だからと同じことを繰り返す。ようやく電話が入り、約束より遅くなるということで夜7時半くらいに先方の施設の所長さんがいらっしゃった。仏壇の前で母親と私で説明を聞いたり、母親の状況を話したりして契約書類などに記入、署名、押印していく。連絡先の2番目には妹2になってもらい、御飯の仕度の合間に妹1も挨拶をしておいてもらう。優しそうな男性職員さんだったので、話をしている間に母親も緊張が融けてきて、お試し利用への不安が軽くなったようだった。
もう1つクリア!

孫娘たちは妹2の家に連泊するので車で移動。スペースもあるし、私が急遽、翌日の霊園めぐりに早く出かけることができるように泊まることにされてしまい、しぶしぶ仏壇の前で寝ることにした。睡眠導入剤をいつもの倍量飲んで夜中の12時くらいには寝てしまったが、5時過ぎには目が覚めてしまう。駅から3分で線路に近いのでそちらに窓がある部屋では始発電車が通るともうダメなのだ。昔は貨物列車が通るとレコード針が飛んだっけなぁ。
それに妹1のツレアイ氏は農家の次男坊だったせいか朝が早い。その時間にはもう起きて自分で朝御飯をつくって食べて新聞を読んでいる。さらに着替えて朝の長距離散歩に出かけていった。それからは浅い眠りを繰り返すだけだ。

なんとか8時半くらいから食事もして妹2宅からの車の出発と打ち合わせをして、霊園めぐりに出発。
この秋に公営霊園の募集があるので、まずそちらに下見に行く。ほとんど駐車場に同時に到着。思い出の里よりもこじんまりしているのは好ましい。事務所で募集箇所の地図をもらい、2箇所くらい確認したが、1区画が一律3㎡とかなり大きいので面食らう。

次に思い出の里の一時預かりの納骨堂に移動。お盆のお墓参りとやらをちゃんとしてきた。以前のようにシルバー職員さんに出してもらってお参りすることができないが、それも2回目なので慣れた母親は父に話しかけながら涙がポロリとこぼれ出て気がすんだ様子。我が家は親戚関係が疎遠で、それぞれの祖父祖母のお墓参りに行く習慣が皆無だったので父親が亡くなってはじめてのことをやっているというのが実のところなのである。

ふと思い立って、思い出の里の向かいに数年前にできた民間霊園も見学しようと提案し、全員で車で移動。今流行のガーデニング墓地とやらで、事務所棟もヨーロピアンスタイルだし、滝やら植栽やらも洒落ている。案内をお願いしたら当番の石屋さんが出てくる。貸し出しの車椅子もあって、母親を乗せて私と孫娘2人で園内を石屋さんについて歩く。
3㎡の大きな区画から案内が始まる。同じ広さでもこちらはめちゃくちゃ高い!だんだんに小さな区画へと移っていったが、0.8㎡とかのお手頃の区画はすでに完売し、1㎡からの販売になっているという。開園周年記念の墓石込みのところは138.5万円だったが、母親が「あの石は嫌い」と頑強に言う。それと後ろに植栽がついている1.5㎡のを見て、ああいう植木つきは絶対に嫌という。
2週間の仮予約をすすめられ、母親がその気になっているので絶対にダメと釘をさす。
母「私の好きなようにさせてよ」
私「長く面倒見ることになるのは私たちだから、みんなで納得できないのはダメ」
終了!である。
車の中でもう一度母親に聞くと、民間霊園のお墓はカロート(骨壺を入れる棺部分)が地上にあったのが本当はよくないのだと言い出す。理由を聞いてもとにかくよくないから、やっぱり最初に見たところで申し込んでおいて欲しいという。
とにかく、言うことがその時々でコロコロ変わるので、母親の好きなように大きなお金を使うことは許してはいけない時期にもう入っていると判断している。

お腹がペコペコの一同、埼玉スタジアムの近くの浦和美園ジャスコへ。「しゃぶ彩」の食べ放題ランチ。レイクタウンと同じような店だったので即決。肉も野菜も食べられてリーズナブルだ。
ここで妹2夫婦と別れる。お盆のお墓参りのおつとめ、お疲れ様である。

その後、孫娘二人が一番行きたいレイクタウンショッピングに連れて行き、そこで妹1と3人をおろしてツレアイ氏と母親と私が実家に戻って休むことにする。
帰宅したら、玄関には花束がジョーロに水をくんでさしてあった。

誰だろうといいながら、洗濯したままだったことを思い出し、洗濯物を干して今度こそ休憩・・・・・・していたら、インターホンが鳴る。
花束の届け主が来訪。以前、向かいの家に住んでいた方だった。子ども3人を育てながら共働きで保母さんをされていて、子どもたちもうちの両親に礼儀正しかった。けっこう子どもたちに声をかけたりもしていたし、その家の長男くんとうちの娘が同じ学童に行っていたしというご縁があった方で、同じ町内で一回り大きな家に越していったのだが、町内会の看板で父の葬儀の貼紙を見て参列してくださってもいた。機会をみてはお花を届けたりしてくださっていて本当に有難い。
仏壇にお参りしていただいて、いろいろお話をしていると、彼女のお母さんが3月に亡くなっていたという。一人暮らしの父親を近々一緒に暮らすことにするのだと言う。婿舅の仲がよくないということなのだが、お父様の負担で家も建て増ししたらしいし、そこは割り切ってなんとかやっていきたいとのことだった。そのお父さんは孫の面倒をみに通ってこられていたので、うちの両親もよく知っているので、これからよろしくということでもあった。

妹たちが帰ってきて夜ご飯の買い物に近くのスーパーに出かけると、今度は24時間ケアコールの夜間の担当職員さんが13日に同行してこれなかったのでご挨拶にきたいと電話が入る。
しばらくしていらしたが、若くて優しそうな男性職員さんだった。ショートステイの所長さん然り、介護福祉士の男性って本当に優しい笑顔だと母親が感心していた。

夜の食事にはうちの娘も合流。いとこどうしの久しぶりの再会に盛り上がって、帰るのが遅くなってしまう。
仕方がないか!
帰りは与野駅から私は歩きで帰る。荷物は娘の自転車に積んでもらう。私の自転車は数日前の帰宅時に駅前の駐輪場でパンクに気づき、お盆で修理できないまま(T-T)
今日17日の仕事を早めに上がって自転車屋さんにようやく持ち込んで修理完了。それも駅前のいつもの自転車屋さんは16日で店を閉めたのでネットで駅の反対口の自転車屋さんの電話番号を調べて営業時間を確認してすべりこんだ次第。

疲れまくったお盆であった。来年からお盆に観劇予定を入れるのは控えることにする。
さらに、生協の霊園紹介サービスの中でお彼岸に向けて「霊園選びの相談会」が県内数箇所で開催されるので、予定の入っていない23日に遠方だけれど予約。メモリアルアートの○○屋さんが講師ということなので、いろいろ質問してきたい。カロートが地上にあると悪いという説はあるのか?大きな区画に小さな墓石でも可能かどうか?最終的に名古屋にお墓を引越しさせる場合に墓石も持っていけるのか?等等。お墓の常識なんて私たち家族にはないのだからなんでも聞いてこようっと。

ここまでしたらもうバタンキューである。

09/08/15 お盆に納涼歌舞伎一部・二部を続けて観劇

2009-08-15 22:17:33 | 観劇

お盆の土曜日15日に納涼歌舞伎一部・二部を続けて観劇。
第一部の幕間は家から持っていったドラ焼きを食べて、第二部の間に歌舞伎座裏の「小諸そば」に食べに行ったが、お盆で休業!
あわてて裏手に回ったらラーメン屋と吉野家が営業していて、エイッと「吉野家」へ。牛丼の並に生卵と紅生姜でかきこむ。ヨシギューは久しぶりに食べたがこういう食べ方でないと味がちょっと濃すぎるのだ。それで第二部ぎりぎりにかけこんだ。やっぱりお盆に観劇するのはリスクが大きいと実感。

第一部が「天保遊侠録」と「六歌仙容彩」で休憩を含めて3時間半。第二部が「真景累ヶ淵」「船弁慶」で約2時間半。ということで1時間も時間の長短があるのは、同じ観劇料金なのにバランスがよくないと思うが、続けて観る分にはまぁちょうどいいというところだった。

それと今回、歌舞伎座稲荷に初参りする機会を得た。2月の初午の日に観劇することがないので歌舞伎座のお稲荷さんの初午まつりの話題を読んでは、一度行ってみたいなぁと思っていた。幕間に1階右手のロビーの稲荷社に通じる扉が開いて、人が出入りしているところに遭遇。私もそこから出てさっとお参りしてきた。カンカン照りの眩しい中を携帯で撮影。まぁまぁの写真かな。
歌舞伎稲荷の写真はこちら

冒頭の写真は今月公演のポスターの一部を携帯でアップで撮影したもの。御馴染みのさよなら公演カウントダウン時計をいじって、「八月納涼歌舞伎おかげさまで20周年」にしてあるのが面白い。
歌舞伎座最後の納涼歌舞伎が20周年というのも関係者にはさぞ感慨深いことだろう。当時の若手が中堅の役者に育った歴史を重ねている。私は2000年の「四谷怪談」で歌舞伎座デビューをしたので、納涼歌舞伎にはちょっとだけ思い入れがある。あの頃はこんなに歌舞伎にハマルとは思ってもいなかったなぁ。

その後、すぐに実家に直行!こんなハメになるとは思わずトホホである。

09/07/27 歌舞伎座千穐楽夜の部①若手パワー炸裂の「夏祭浪花鑑」

2009-08-14 23:59:57 | 観劇

コクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」は見ていないが、ニューヨーク公演をNHKの録画で観ている。
それで予習して観たのが2006年5月に新橋演舞場で吉右衛門主演の「夏祭浪花鑑」
歌舞伎座で観るのは初めてだが、そんなに期待せずに観始めたところ、「碇床」の暖簾の碇の絵に「海神別荘」で美女が括られた碇との連鎖に気づき、一気にテンションアップ!

【夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)】三幕
序幕・住吉鳥居前の場より大詰・長町裏の場まで
あらすじは演舞場の記事を参照いただく。
今回の配役は以下の通り。
団七九郎兵衛=海老蔵 お梶=笑三郎
一寸徳兵衛=獅童 お辰=勘太郎
玉島磯之丞=笑也 琴浦=春猿
釣舟三婦=猿弥 おつぎ=右之助
三河屋義平次=市蔵 下剃三吉=巳之助           

澤潟屋一門の若手がこういう芝居をやっているのがまず嬉しい。笑也の玉島磯之丞が予想以上によかった。まずちゃんと武家の若様然としていて、さらにあちこちで女の方が放っておかないで色恋沙汰になってしまう男という感じがちゃんとした。そのため琴浦がやきもちを焼いてじゃらじゃらするという場面に説得力あり。春猿の琴浦とのバランスもよい。主筋だからというだけでなく、この可愛い二人をなんとか添い遂げさせようと団七たちが奔走するのも心情的に納得してしまう(^^ゞ
猿弥の恰幅のよい釣舟三婦もまたよかった。「碇床」の下剃の三吉の巳之助が痩身なのでデブヤセコンビで三婦のつけている褌をはずして渡す場面のチャリ場が面白かった。

牢から出された団七の髪が伸びているのはわかるが、眉毛までボウボウなのはヘンだと思うがそこはメリハリを利かせるための誇張らしい。浴衣に着替えて男を磨いての再登場でいい男だねぇと心底思わせる憎い芝居である。海老蔵はまさに溜息の出るいい男っぷり。
琴浦を横恋慕する大鳥佐賀右衛門に雇われて獅童の一寸徳兵衛が琴浦奪還に登場。喧嘩の場面も若いパワーがぶつかりあって観ていて気持ちがいい。住吉大社の制札を振り回す二人。そこを茶店の看板で取り押さえるお梶の笑三郎がきりっと締めるのがまたいい。
海老蔵の団七の子どもと父と子の情愛を見せる場面。「すし屋」の権太でも子どもに優しくする役がいいと褒めたが、今回もいいなぁと思った。

三婦の家に訪ねてくる徳兵衛の女房お辰。福助のお辰はあまりいいと思えなかったので勘太郎はどうかと内心ハラハラしながら観たのだが、「三婦さん」と呼びかける台詞もくずれることなくホッとした。あまり色気たっぷりという感じはしないのだが、気風のいい女を気持ちよく見せてくれて嬉しかった。

三婦の女房のおつぎの右之助は、三婦が男気を売っているのに惚れて一緒になった気持ちを年老いた今も持ち続けているようで、夫がもう喧嘩をしないと誓った数珠を切って若い者どもを相手に立ち回るのを血をたぎらせていて、可愛いいったらなかった。私自身は相撲を除く格闘技には全く関心がないし、男が闘争本能をむき出しにして喧嘩したりする姿にも心が動く方ではないので侠客の妻たちの気持ちは全くわからない。それにしてもそういうのに心が動く女もいることはわかる。まぁ、婆になってもそういうところは変わらないというのが人間なのかもと思ったりもする。

団七の舅三河屋義平次の市蔵がまた予想以上に嫌らしくてよい。思いっきり下卑た男で金への執着がすごい。その娘といつのまにか深い仲になってしまって夫婦になっているという弱みもあるし、何をされても下手にでる団七の気弱い声もまぁこれなら許容内。それがはずみで舅を斬ってしまってからの殺し場が見ごたえあり。こういう大きな目をむき出しにして狂気を爆発させ、見得を極めていく様式美を歌舞伎座いっぱいに圧倒するパワーは海老蔵ならではだと思う。さらに、正気に戻ってから「悪い人でも舅は親」と悔やみ悩む姿にも威力あり。

最後の祭りの場面。コクーン歌舞伎ではだんじりのお囃子だったし、吉右衛門は自分の肌に合う江戸のお祭りのお囃子を使っていた。今回は「チョーヤサー」という掛け声の上方のお囃子。今回のお囃子が正統派なのだろうか?

殺し場から祭りの雑踏に紛れての逃走。観ている方で団七への思い入れが強くなったところでの幕切れ。なかなかうまくできた芝居だとまたまた感心して幕間へ。

写真は千穐楽の垂れ幕のかかった歌舞伎座正面を携帯で撮影したもの。次はいよいよ「天守物語」で七月大歌舞伎の感想アップを締める事にしたい。
7/25昼の部①勘太郎と獅童の「五重塔」
7/25昼の部②今回の「海神別荘」で見えたもの
7/27鏡花を軸に七月大歌舞伎のイメージの連鎖

09/07/25 歌舞伎座昼の部②今回の「海神別荘」で見えたもの

2009-08-12 23:58:42 | 観劇

ようやくキーワードが見えたので今回の公演の感想を書いておきたい。
【海神別荘】一幕
Wikipediaの「海神別荘」の項はこちら
あらすじは前回の記事を参照いただく。
2006年昼の部の「海神別荘」の記事はこちら
今回の主な配役も以下の通り。
美女=玉三郎 公子=海老蔵
博士=門之助 沖の僧都=猿弥
女房=笑三郎

2006年に観た時はあまりにも恋愛至上主義ので耽美的な物語だし、美女の見栄っ張りすぎる性格にあきれてしまってあまり魅力を感じず、海老蔵の公子があまりにもハマリ役なのに感心していた。今回はずいぶんと感じ方が変わってしまった。
海の公子たちの世界の価値観は人間界への風刺がきいていて今回も面白い。沖の僧都や博士を相手に滔滔と語る公子の恋愛感が今回はさらに説得力があった。海老蔵の台詞が前回よりも遥かに胸に届くようになっている。さらに前回よりも貴公子然と振舞う前半の端麗さが際立っていて、身体も絞っていることもあろうが役をさらに自分のものにしているためにちっとも力みを感じないためだと思えた。

玉三郎の美女も前回は本当に見栄っ張りな感じが鼻をつくように感じたのだが、今回は自己主張をきちんとする女というように受け止められた。父親に海の宝の身代として差し出されても死をただ恐れるのではなく、不思議な力に召されることの意味を冷静に考える力のある女だった。
そうして公子を喜ばせる。「やぁこの女はえらいぞ。はじめから嘆いておらん。慰め賺す要はない。私はしおらしいあわれな花をながめようと思ったが違う。これは楽しく歌う鳥だ」
ところが、美女がこの幸せに生きている姿を親に見せることに執着したことから、物語は急展開する。海で生きていくためには人間の姿でいることはできず、美しい蛇の姿になったということを知らされ、地上に行ってそのことを確かめた美女は泣き死にに死ぬんですと悲嘆にくれる。
公子は「ここでは悲哀のあることを許さんぞ」といい、「女、悲しむものは殺す」と言う。
「ええ、ええ、お殺しなさいまし」と言い放つ。そこで碇に縛り付けられての処刑の命がくだる。美女は公子に「見ていないで御自分でお殺しなさいまし」とまで言い、刀を抜き放った公子と初めて瞳をかわすことになる。そこで初めて公子の気高さを悟り、その公子に殺されるということを喜ぶようになる。

前回、実はここで飛躍を感じてしまったのだが、今回はこの耽美な感覚にすっと入っていけてしまった。
前半の博士たちとの問答の中で、公子が一番好きな女だと言った「八百屋お七」と重なったのである。お七は男恋しさのあまり再会の機会をつくるために街に火をつけてその大罪に問われて減刑されようとするのを自ら成年になっていることを申告して火あぶりになって死んでいった。

そうか、この美女も自分のしたことに対して引き受けるべき死を潔く誇り高く願ったか!流されない自分というものをきちんともった女ということで八百屋お七と美女には共通の魅力があるのだ。だからこそ、公子は好ましく思って女を許し、終生を誓うことにしたのだろう。

人間界と異界の者の価値観が不協和音を奏でた後、二人の愛情がきちんと育まれて迎える大団円。
そこで美女がここは極楽かときくと答える公子の台詞。
「そんな処と一緒にされてたまるものか、女のいく極楽に男はおらんぞ、男のいく極楽に女はいない」
仏教の極楽浄土とは異なる至福の世界もあっていいではないかという、泉鏡花の独自の境地にすんなり引きずり込まれて、至福感にひたってしまう。

そして、玉三郎と海老蔵の二人の役者が歌舞伎座さよなら公演としてこの高みにまで「海神別荘」の世界を描ききったことに、最後は目頭が熱くなってしまった。

歌舞伎座でのカーテンコールの是非論が以前はあったが、この舞台には当然のようにカーテンコールがあることがふさわしい。作品やその時の舞台によってはあっても問題にならない時代がもうここにきていることにも感慨が深い。

写真は七月大歌舞伎の泉鏡花もの2本を並べた特別ポスターの「海神別荘」部分を携帯でアップで撮影したもの。
7/25昼の部①勘太郎と獅童の「五重塔」
7/27鏡花を軸に七月大歌舞伎のイメージの連鎖
以下、比較の意味でリンク。
2006年七月大歌舞伎の玉三郎の鏡花作品一挙上演を考える

09/08/10 今日は十日だったのに・・・・・・

2009-08-10 23:59:03 | つれづれなるままに

雨台風が日本を荒らしまくっている。被災した方々にはお見舞い申し上げますm(_ _)m
今朝は落雷の音で目が覚めた。近くの高層の建物の避雷針に落ちたんじゃないかというくらいの音だった。体調があまりよくない週末だったのであまりに強い雨が降っている中を出勤するのは嫌だなぁと思いながら、二度寝。
目覚まし時計のアラームで目覚め、体温を測ると熱はなく、雨も峠を越していたので午前半休はしないことにしてフレックス出勤(^^ゞ

今日は久しぶりに以前の職場の後輩と夜ご飯を食べることにしていて、渋谷の本部で待ち合わせ。

菜な渋谷店へ。私は黒糖焼酎→泡盛のお湯割り。ちゃんとお酒の説明プレートを持ってきてくれるのがいい!
そして選べる「おばん菜5種盛り」にして大正解。選んだら単価の高いものが揃うというところが私たちの世代の女性の逞しさだが(笑)、どれもこれも美味しかった。その後は単品で2品ほど追加。最後は写真の無花果のチーズケーキを熱いお茶でいただいた。無花果ジャムがチーズケーキにかかっているのだが、中にも練りこまれているようで粒粒のある食感が面白い。
仕事の話も子どもや親の苦労の話もして励ましあえて充実した時間をもててよかったと思う。

・・・・・・ところがこのケーキを食べているあたりで今日が十日だったことを思い出した。歌舞伎会ゴールド会員の9月公演の先行予約開始日だったのを忘れていた(T-T)
携帯で今更とるのも面倒なので、帰宅してからPCでGET。まぁなんとかなったからよしとしよう。
先週までは覚えていたのにすっかり忘れてしまった。
8/4は10月の新橋演舞場の「蛮幽記」と9月文楽公演の会員先行の前売り日が重なって大変だった。それに比べて9月の座組への愛が少ないのだろうか(^^ゞ

09/08/09 微熱の週末、しかしけっこう忙しく・・・・・・

2009-08-09 23:59:10 | つれづれなるままに

一週間の疲れがドッと出るのか、土曜も日曜も微熱が出てしまった。金曜日の夜から頭痛もしていたので少々夏風邪気味なのかも。
昼まで寝て、行動開始といってものんびりモード。

週の初めに自宅の電話がついに壊れてしまい、ウンともスンともいわなくなった。実は昨年のイタリア旅行前に旅行社とのやりとりの最中にファックスのインクリボンが切れてしまい、入れ替えの前に中が静電気のせいか、まっ黒くなっていたのでペーパータオルを水で濡らして絞ったもので中を拭いたらファックスが使えなくなってしまった。あわてて取扱説明書を読んだら、ファックスの読み取り部分は水厳禁とあった。だったらその部分に注意表示を貼っておいてくれるくらいすればいいのにと恨めしく思ったが、とにかく完全に「後の祭り状態」(T-T)
受信データがあります」という表示が点滅を続けていたが、電話は使えるからいいやとそのままにしてきた。

帰宅するよといつも娘に電話するのだがちっとも電話に出ないので、また寝ていたのかと思ったらさにあらず。家の中で携帯で自宅にかけても鳴りもしない。ディスプレイも真っ暗になって電源が入らなくなってしまっていた。

ついに買い換えることにして、週末に決行することにしていた。
土曜日は実家に行くことにしたのでその前に自宅近くの「でんきち」で下見。今度こそ「見てからプリント機能」つきで子機2台と思っていたが、親機もコードレスという機種にも魅力を感じてしまった。でも「見てからプリント機能」がない。
実家のケアコールの業者さんに預けておく合鍵をつくりにいったり、ダイエーの電器売り場ものぞいて比較したりして、夜ご飯をつくって母親と一緒に食べて遅くに帰宅。

翌日も微熱があったが、まぁいいかと外出。さい芸の映像ホールで阿部寛主演の「青い鳥」の上映会に行き、中西健二監督のトークも聞いて充実の時間を過ごす。
自転車で今度こそ「でんきち」で電話を買うことにして自転車を走らせたが、空模様がヤバイ。
昨日の売り場担当Sさんに上記の迷っている状況を話したが、昨日のお話ぶりでは「見てからプリント」の方でしょうと指摘され、それに親機がコードレスの方は在庫がなくてお盆明けの入荷になってしまうと言われ、決断!!
現金特価で勉強していただき、雨になるのでその対策の包装も頼んで急いで店を出たが・・・・・・アウト!!

今日も激しい雷雨が首都圏を襲ったのだった。店内でジュースを飲んで雨宿りしてから帰宅。TVで赤羽の駅前のショッピングビルの地下に水が入ったと報道していてビックリ。

8月になっても曇天が続き、局地的豪雨にも襲われて野菜が高くなって困る。お米も冷害で不作になりそうという話も仙台の方にお聞きしたばかりだ。地球温暖化のために優先順位づけがもう少し納得のいくようなエコ政策の提起もして欲しいところ。庶民の生活の見直しも大事だが、産業界への提起が弱いと思っている。

新しいファックス付き電話は、紙をセットするための部分も普段は折りたたんでおけるのでコンパクトになって大満足。子機は私の寝室と娘の部屋において鳴らしてみたが、3台が鳴ってもそんなにうるさくないのもよかった。
電話周りも久しぶりに掃除できたのも気分がいい。

09/08/06 広島原爆の日に思う+岡本太郎「明日の神話」

2009-08-06 01:47:43 | 美術・本

今日8/6は広島原爆の日。
昨日8/5、それに関わる報道にいろいろ考えさせられた。
以下、2つの記事をコピペで引用。
(1)「原爆症訴訟 勝訴は認定、敗訴は基金で決着」
8月5日22時16分配信 産経新聞
 麻生太郎首相は5日夜、原爆症認定集団訴訟をめぐる被爆者救済問題に関し、訪問先の広島市内のホテルで舛添要一厚生労働相と最終協議し、306人の原告全員を救済することで合意した。内容は、1審で勝訴している原告は高裁判決を待たずに政府が原爆症と認定し、敗訴している原告には基金を創設して手当てする。
 麻生首相は6日に広島市で開かれる「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)の後に被爆者代表との懇談で救済策を発表。同時に政府声明を出し、これまでの政府の取り組みが遅かったことを謝罪することにしている。
 河村建夫官房長官と舛添氏、森英介法相が5日午前、首相官邸で救済策を協議した後、協議内容を首相に報告した。首相は広島市に入った同日夜も、原告側と協議してきた舛添氏と合意に向けた調整を続けた。
 政府は、原爆症と認定する場合には控訴を取り下げる。基金の創設は議員立法化を検討、民主党など野党にも協力を呼びかける。
 政府内では、河村氏が全面解決に近い形での解決を目指しているのに対し、敗訴した原告への救済に法的な整合性の理由から難色を示す厚生労働省や財源の問題を理由に消極的な財務省とが対立していた。(以下省略)

原爆症認定集団訴訟は全国で約300人が起こし、国は18連敗中だった。1945年の原爆投下から多くの被爆者が亡くなり、60年以上も原爆の後遺症で苦しみ続けてきた高齢化した被爆者たちが必死に裁判を起こして闘ってきた。それが今年の広島原爆の日に急転直下の解決を図るというのは麻生首相の総選挙対策という感が強いが、とにかくようやく被爆者の方たちが救済されるということにホッとした。
厚生省の役人の中には税金を使って救済措置をとることに国民の多数の納得が得られていないと抵抗する向きがあるというのも何かで報道されていた。国民の多数の納得を得るための努力は原告側がすべきだというのだろうか。法制度の秩序を守ることが優先というお役人の感覚を正すことこそ人間を大事にする社会づくりに不可欠だと思った。

(2)「原爆投下『正しかった』が6割 米世論調査」
2009/08/05 10:38更新 産経新聞のサイト「イザ!」
米キニピアック大(コネティカット州)は4日、第二次大戦末期の米軍による広島、長崎への原爆投下について、米国内で61%が「正しかった」と回答し「間違っていた」は22%だったとの世論調査結果を発表した。
 それによると、党派別では「正しかった」は共和党支持者の74%で、民主党支持者の49%を大きく上回った。「間違っていた」は、共和党13%、民主党29%だった。
 年齢別に見ると「正しかった」は55歳以上が73%だったが、35~54歳が60%、18~34歳が50%と、年齢が下がるほど原爆投下への支持は低下。男女別では「正しかった」は男性72%、女性51%だった。(共同)

アメリカでは国家の歴史教育として原爆投下は正しいことだったと教えているのだから、それが多数を占めるのは当たり前。それなのに「間違っていた」が2割を超していることが大したものだと思った。さらに若い世代ほど原爆投下への支持率が低いということに希望を感じる。(8/9追記=オバマ大統領のプラハでの演説の影響もあるかもしれない)
ドイツでは自国の歴史教科書の内容を周辺国と協議することを積み上げてきている。アメリカと日本ではそういう取り組みはしないのだろうなぁ。日本はアジア諸国とそういう協議をすることになったはずなのだが、進捗はどんなものだろうか。
ただし、歴史認識が一致させることはなかなか難しいが、今後は同じことを繰り返さないということで一致していくことに重点を置く方が有効だろうとは思っている。

写真は渋谷駅の連絡通路で公開されている岡本太郎の「明日の神話」をBunkamuraに行く途中に携帯で撮影したもの。メキシコで行方不明になっていたのが発見されて修復され、誘致合戦の末に渋谷に恒久設置された。この場所は見てくれる人も多く、若者の街の渋谷にあるのはいいことだと思う。反対から見るとこんな感じ
岡本太郎の「明日の神話」の公式サイトはこちら

09/07/19 りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「テンペスト」

2009-08-03 23:59:57 | 観劇

7/19夜の部観劇の前に食事をしてから銕仙会能楽研修所に向かうと大きな虹が出た。外側にうっすらもう一重の虹があり、あちこちで喚声が上がり携帯で撮影する姿がみられた。昔、青学の前で同様の虹を観て写真に撮ったことがあるので歩きながら観るだけにしたが、幸先いいかもとか思いながら急ぐ。
観た当日の記事はこちら
りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズで以前観た「マクベス」の感想はこちら
この会場は桟敷席ということだったが、事前にマイミクさんに情報をいただいていたので二人とも膝に自信がないため、最後列のベンチシートを確保しておいたためにしのぐことができた。感謝であるm(_ _)m

【りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ第6弾「テンペスト」】
作/ウィリアム・シェイクスピア 構成・演出/栗田芳宏
翻訳/松岡和子 衣裳デザイン/時広真吾 ヘアメイク/佐藤 圭
<出演>
プロスペロー(前ミラノ大公)=栗田芳宏
アントーニオ(プロスペローの弟)/ステファノー=廣田高志
アロンゾー(ナポリ王)/トリンキュロー=荒井和真
ゴンザーロー=小池匡
ミランダ(プロスペローの娘)=山賀晴代
ファーディナンド(王の息子)=傳川光留
キャリバン(島に住む怪獣)/セバスチャン(王の弟)=河内大和
エアリエル(空気の精)=津村禮次郎
エアリエルの声、妖精たち=永宝千晶、塚野星美、町屋美咲、福島美穂
<演奏>
笛(能管)/大野 誠、栗林祐輔
大鼓/高野 彰、柿原光博

あらすじは下記を参照。
Wikipediaの「テンペスト(シェイクスピア)」の項
能楽堂にマッチする和洋ミックスの時広真吾の衣裳がいい。特にエアリアルが従えている4人の妖精たちが4色(赤青黒白だったと思う)の衣裳と佐藤圭のヘアメイクに能面のような顔のメイクと表情で分厚い本を広げたり閉じたりして持ちながら、わざと抑揚を抑えた声でエアリアルの台詞をリレーしていった場面は秀逸。
ただし能面をつけて登場したエアリアルは、シリーズ初の能楽師の参加ということで津村禮次郎がつとめているので、能楽師の身体の動きを自在にするためにふわりと広がる薄い布地にフリルをたくさんとった衣裳だったのだと思われるが、いかんせん手下の4人の妖精に比べて安っぽいのが残念だった。それとエアリアルが何曲も歌う場面があり、そこを謡できかせるというのが今回の演出のポイントだと思ったが、重厚すぎて空気の妖精の軽やかさを感じることができなかったのも残念。

もう一人、最初から最後まで能面をつけていたのがファーディナンド。能面をつけている意味が最後の最後までわからなかった。この役も能楽師が演じているのであればなんとか納得できるのだが、そうでなかったこともあって大いに疑問だった。カーテンコールでお面をはずしたらずいぶんとイケメンくんだったので、かえってお面なしの方がミランダの一目ぼれという設定にも説得力が増したのにと思ってしまったくらいだ。

栗田芳宏がプロスペローで主演しているのは今回堪能できたのはよかった。篠竹の矢柄を魔法の杖にしているのも実にカッコイイ。
山賀晴代のミランダとの父娘の場面はバランスも台詞のやりとりもよくて見ごたえあり。ただしファーディナンドより年上に見えてしまうのがちょっとアンバランス。それを能面で目立たなくしたかったのだろうか(^^ゞ

3人が二役を兼ねるキャスティングになっていたが、河内大和のキャリバン/セバスチャンしかわからず、後でプログラムで気がついた。キャリバンの衣裳も早代わりのしやすさのためか黒地に白い水玉模様の薄くはおれるものだったが、それとエアリアルの衣裳が対照的になっていると思えたが、なおさらエアリアルの衣裳が安っぽく感じてしまう。
まぁ、最後は大団円となり、栗田芳宏のプロスペローの独白で幕切れとなる。
作品自体にあまり面白さを感じないが、能楽堂シェイクスピアシリーズとしての演出を楽しめたのでまぁよかったと思った。

松岡和子訳のちくま文庫を古本屋で買ってあったのを思い出し、観た後に読んだ。ご本人の後書きと河合祥一郎さんの解説がよかった。シェイクスピアが単独で書いた最後の作品ということで自身が筆を折る決意とプロスペローが杖を折って魔法を封印するということが重なるというのが通説だという。
蜷川幸雄演出の舞台(平幹二朗プロスペロー・寺島しのぶミランダ)についてもどんなだったかをチラッと書いてあり、エアリアルの歌の部分はボーイソプラノだったらしい!何かの機会に映像ででも是非観たい。
それと9月の国立小劇場文楽公演の第三部がテンペストなのでそれも見比べられるのが楽しみである。
ちくま文庫の松岡和子訳「テンペスト」はこちら
写真はりゅーとぴあの公式サイトより今回のチラシ画像。
そうそう、サイトをチェックして残り僅かとあったシリーズのDVDの第3弾『冬物語』を会場で買ってしまった。蜷川作品と見比べてみたい。

09/08/02 今月の観劇などの予定

2009-08-02 23:59:20 | 観劇

8月の観劇などの予定は以下の通り。
1(土)イオンレイクタウンシネマ:片岡愛之助主演「築城せよ!」=映画の日にしっかり観てきました!
13(木)新宿サザンシアター:こまつ座「兄おとうと」
15(土)歌舞伎座・第1~2部
24(月)新橋演舞場:「石川五右衛門」夜の部
27(月)歌舞伎座千穐楽・第3部
それぞれご一緒する皆様、あらためてよろしくお願いしま~す(^O^)/

写真はレイクタウンショッピングモールにあったマイケル・ジャクソン追悼Tシャツの宣伝コーナーを携帯で撮影したもの。マイケルの小さいいろいろな写真を使ってモザイク状に並べて大きなマイケルの顔を作り出していた。

09/08/01 母の枕元にケアコール端末設置!

2009-08-01 23:59:09 | 医療・介護・福祉など

これまでの経過は以下にリンクあり。
09/07/29 母の騒動後のケアプラン見直し
7/29に妹1と私が同席してケアマネージャーと相談し、早速24時間対応の訪問介護サービスの契約と端末機の設置を8/1にお願いしていたので、昼ごはんを一緒に食べるタイミングで実家に出かけようとする。

ところが自宅電話にも携帯電話にも母が出てくれない。また携帯を忘れて出かけているんじゃないか?!
しばらくしたらかかってきてゼーハーいっている。
「整形外科のあと、その近くのマルエツに行ったらやっぱり買ったものも重いし無理だった」

すぐにかけつけがてら妹に電話したら怒るのなんの。
「整形外科への往復がラクにできるようになるまで、買い物は家の近くの東武ストアだけにしておきなよって何度も念を押してきたのに、勝手なことをして具合悪くなるのはやめて欲しい」

午後2時頃実家到着。家の中に入る前にアオジソの葉を2枚つまんで2階に上がり、すぐに昼の冷麦を茹でる体制に入りながら、3時にはケアマネさんたちがくるから急ぐよと声をかけた。
母「そんなの知らないよ。私は聞いていない」
私「この前、お母さんもいる前で8/1の午後3時から5時の間って決めていたでしょ?」
母「ぜったい私は聞いていない!」

私はかなりのショックを受けた。妹たちがまだら呆け状態の症状を言っていたが、まさにこれである。癇癪を起こして台所のストッカーを足で蹴っ飛ばしてベッドに行ってしまったが、私はぐっとこらえて食事の用意。母の買ってきた野菜てんぷらもあってなんとか食べていると玄関のチャイムが鳴る。
ぎりぎりセーフ。

先に「さいたま福祉サービス」の女性スタッフが来てご挨拶と説明を伺い出した頃にケアマネさんも到着。システムの説明も契約の説明と合わせての話だったがようやく理解。後から工事の男性スタッフもやってきて、居間にある電話機から2部屋離れた母の寝室のベッドサイドまで長くコードをのばして設置してもらうようにした。
ほぼ同様の制度と思われる町田市のサイトにある「夜間対応型訪問介護」をリンク
定期巡回は必要ないので通報による随時利用の方の契約とした。越谷市の福祉の制度としては夜間のみだが、介護保険で24時間カバーできるということで説明資料がわかりにくかったところも確認。
設置完了後にさっそくケアコール端末機の使用テスト。「相談ボタン」→「緊急ボタン」→ペンダントのボタンの順の予定が、早速まちがえて「緊急」から押してしまった(^^ゞ
それにしても離れていてもよく声を拾ってくれる。ペンダントのテストは隣の仏壇のある部屋との境から返答したがちゃんと応答してくれた。
写真はネット検索でみつけた富士通のケアコール端末機だが、今回設置のものはもう少し「相談」と「緊急」のボタンが大きくて間違いにくいし、スピーカーと集音部も改善されたもののようだった。

途中でケアマネさんに母が今日のことを覚えていなかったことを伝えたらショックを受けられていた。ケアマネさんとの対応では母はけっこうしっかりとしゃべっているので、妹たちのまだら呆け症状の訴えも割り引いていらしたのだろう。前回ご自分も立ち会っていて状況がわかっているのであれで忘れたというのでは!という感じで素直に驚いていらした。ケアマネさんは若い女性でまだまだ経験不足という感はあるが一生懸命対応してくださるのが好感度大。

ショートステイ施設の契約の方も忘れているかもと心配になっていらしたが、そちらは反発して覚えていて私に先ほど毒づいていたくらいだから大丈夫と安心してもらった。それを踏まえたケアプラン書類をつくってきていたのでやり直しになることも負担に思われたのだろう。
ケアコールの契約も終って、そちらの業者さんは帰られて、ケアマネさんと3人になってからショートステイの方の相談へ。やりとりの中で自分が今日のことを忘れていたことを自覚したようで母親も抵抗を露わにしなくなった。さらに今回お勧めいただくショートステイ施設の母親に向くと判断されたポイントを重ねて説明してもらって、お試し利用の日にちを決めた。8/29~30の土日で送迎してもらっての一泊二日利用にした。
それより前にそちらの施設の担当の方に直接説明をいただいた上で契約をする必要があるので、その前の週の8/22に実家に私も行って契約する方向で日程調整をお願いした。

怒涛の2時間が過ぎ、おやつに妹1のツレアイくんからの差し入れのメロンを切って一緒に食べてから、私は6時すぎにレイクタウンシネマに着くように実家を出た。
後から妹1からは夕食まで作って食べさせて欲しかったのにと非難ごうごうだったが、母は夕食用の弁当までマルエツで買ってきていたし、もう限界~モード。

レイクタウンシネマに行ったのは8/7まで上映の片岡愛之助主演「築城せよ!」を観に行くため。7/31までは朝一番と夕方の2回上映だったのに8/1からは夕方一回になってしまったのでこの機会を逃すともう無理なのだ。
ぎりぎりに間に合った~。そちらの感想はまた後で!