帝劇で9月1ヶ月だけの上演で9/17マチネと9/18マチネで観劇。9/17マチネ山口トート公演はVISA貸切でゆきさんに譲っていただき、観劇後お茶をご一緒させていただいた。9/18マチネ内野トートは自力でとって観劇後yukariさんお茶屋娘さんとミニオフ会。連日の盛り上がり。皆さん、楽しい時をありがとう。遅ればせながら御礼申し上げますm(_ _)m
さて、ミーハーキャスト評を書く。まずはエリザベートとトートから。
(1)エリザベート=一路真輝
2000年以来の東宝版主演で完全に彼女の代表作になっている。その彼女が「私だけに」の一番の高音が裏返る恐怖といつも闘っていて、それはピアさんや各国のエリザベートをつとめる女優さんが皆抱く思いだということをプログラムで読んで、その苦労を理解した。♪「私に~」♪はいつも不安定でハラハラする。エッセン盤とききくらべても最後の音が日本語の歌詞はきれいに出にくいと思う。
それにしても少女時代の側転など軽い身のこなしを見せてくれるし、夢見がちな少女が自分を殺して皇后としての務めを果たす義務を押し付ける姑とのたたかいにも勝って自分の人生を生き始める強さをストイックに演じ、時々にみせる気持ちのゆらぎをはかなく見せ、最後の最後まで孤独の中で生きていく孤高の存在を魅力的に演じ切っている。その見事さに感嘆しながらもいつまでもシングルキャストで大丈夫なんだろうかという心配がよぎる。だからといって他にエリザベートを演れる人がいるだろうか?今のところ誰も思いつかない。
(2)トート
9/17=山口祐一郎
このトート役は早くから自分のものにされていて(そういう時は魅力的な大きな目が見開いている)、歌もくせになる「麻薬声」で文句のつけようがない。細かい芝居部分はあまり上手くないのでバルジャンなどよりもトート役のような人間ではない役がとても似合うというのが私の評価だった。ところが死神なのに昨年のトートはちょっと太られて二重顎顔になってしまっていてちょっと??になってきていた。
8月の『モーツァルト!』でダイエットされたことを確認したのでやはり観たくなり、今回観たらトートでも輪郭がすっきりしていた。ただし、目の周りがパンダ状態になっていたのは死神メイクだったのだろうか?二枚目がちょっとだいなし。
余裕たっぷりのせいか素の根の明るいところがところどころ出てくるのが気になった。適度なら微笑ましいのだが、熱烈ファンでない私はちょっと引く。だから1回観られただけで満足。それよりも来年の『ヴァンパイヤ』が楽しみになってきている。
9/18=内野聖陽
初演では芝居部分はいいが、歌になると声量が落ちて山口さんとダブルキャストというわりに圧倒的な差があって一度でいいやという感じだった。ところが、公演のたびにヴォイストレーニングの成果が上がっているのがはっきりわかった。スリムな身体のこなしもしなやか。エリザの机に身を横たえてすべり降りて誘惑したり、ルドルフに近づくために装置の2階部分からバーを使って降りるところなどもう堪らない。指先まで神経の行き届く繊細な演技は両性具有的なセクシーさを増している。
子ども時代のルドルフに近づく場面の表情の変化についてどなたかのブログで拝見して双眼鏡で確認すると本当に死神らしいリアクションをされていてそれも感心。そのルドルフを追いつめ「死のキス」で命を奪う場面などもう耽美的でドキドキものだ。エリザベートに勝手に惚れて「愛と死の輪舞」で決意表明したようにずっとストーカー的に追いかけていくいくのだが、この魅力に勝ち続けたエリザベートの自我の強さには脱帽する。それくらい魅力的だ。しかし、今年井上ひさしの『箱根強羅ホテル』で角刈りの植木職人実は陸軍軍人を演じた同じ人だとは思えないセクシーな演技。うーん、これはもう次の『ベガーズ・オペラ』のマクヒースは期待◎!女にモテモテの超ヤバイ男の役ですから。コクーン蜷川版の『三文オペラ』の鹿賀マクヒースに負けないものになる予感!!!
写真は、東宝のHPからエリザベートの一路真輝の画像。
今回公演の全体の感想はこちら
すばらしい洞察力と感受性に脱帽です。
進化するエリザ・・・には参りました。
共感しました。
そういう目で見てもらえると役者さんも大変嬉しいと思います。
私は、内野ファンです。
彼の五年間のトートはずっと見てきましたが、今回のトートは最初の彼が演じていたトートの解釈に戻ったようで凄く嬉しかったです。
次回の舞台も楽しみですね。
コメントありがとうございますm(_ _)m
ほめていただき大変嬉しいです。これからもどしどしご感想お寄せくださいませ。
内野トート、昨年よりさらに歌も上手くなっていて顔の表情も身体の動きも手の指先まで細やかでセクシーでその魅力にクラクラきました。ハートわしづかみですよ。内野さんのトートの解釈の変遷もご存知なら教えていただきたいです。
でもホント、角刈りで地下足袋で植木職人姿していた人と同一と思えない!なんて幅の広い演技のできる役者さんなんでしょう。これからの舞台も楽しみにしていきたい人です。
治ちゃん、銀ちゃんと同一人物であることには驚嘆です!!宗方コーチをTVで放映していた頃「内野さんは役を選ばない人だ」と友人の評でした(実際は内野さんが好んで違うタイプの役に挑戦しつづけているわけですが)
マクヒースが楽しみです。
>内野さんが好んで違うタイプの役に挑戦しつづけている...
そんな感じですよね。とにかくいろいろな役を演じる時の工夫がよくわかります。内野、上川、このふたりがこの年代の私のご贔屓です。
★北西のキティさま
>欲を言うとあと5センチ身長が高ければと...
ホント欲張りですよ~。あのスリムさ、身体の軽さは驚異的です。『箱根強羅ホテル』では段田さんとふたり天井からロープで壁伝いに降りてきたんですからね。今回のトートも2階からバーで降りてくれたのが嬉しかったあ。トート卒業の噂もあり、本当だとするとちょっと寂しいのでした。
とにかく、エリザベートは大好きです!
キャストさんは偏りなく観よう!と思うと回数が人様に言うには恥ずかしいくらいになっております・・・。
主役の一路さんは雰囲気といい、表情といい、高貴な皇后そのものだなーと思います。
で、両トート閣下。
山口さんのあの歌声。酔いしれてしまいます。ある意味、この世のモノですかね。
かたや、内野さん、妖しすぎる!セクシーというか色気を感じてしまいます。
簡単すぎると思いますが、エリザを語らしたら、何時間でもウンチク出来るので、このあたりにしますが、今後、もし上演が有るなら、タイトル通りにまだまだ追います!
『エリザベート』はキャストの進化とともに作品の進化が楽しめますよね。『レ・ミゼラブル』は上演時間を3時間以内にするために大幅なカットが入り、以前のバージョンにひたってしまった身にはちょっともの足りなくなってます。『エリザベート』はそんなことはまあないでしょうね。そこまで上演時間が長くないでしょうから。
もしもキャストが若返ってしまっても私も♪「どこまでも追いかけていこう」♪と「愛と死の輪舞」を続けていきましょう。これからもよろしくm(_ _)m