6)大塚ちひろ
ふたりのSHIROHにしか見えない幽霊なのか精霊なのかという存在。彼女の透明感のある澄んだ声で歌う「我等の御霊をはらいそに」というフレーズが頭について離れなくなる。
四郎が救いを求めた彼女にロザリオを渡したことにより病が癒えたのにキリシタンとして処刑されたという四郎の心の傷になった女性(名を知らない四郎が忘れないためにリオと名づけた)だが、それを怨んでなんかいないのだと「あなたが過去を愛すれば再び手のひらの水は痛みを癒すはず」と歌う。しかし四郎には届かない。シローと引き合せて四郎に自信をもたせて立ち直らせようとするのだが、結局、四郎の心を最後に救うのは寿庵なのだ。
いや、寿庵が四郎が過去を否定しぬく姿勢を「そういう弱い貴方が好き」と言ったことで変化させ、再び奇跡を起こす力を呼び起こしたのだから、寿庵とリオのふたりが四郎を愛して立ち直らせたと考える方がいいのかもしれない。
自分がふたりのSHIROHを引き合せたことにより島原の乱で多くの人々が死んでいく。死んだシロー
を口づけで目ざめさせ(=キリストの復活のように)、彼を先導者にして人々をはらいそに導いていく。そして死んだ寿庵に自分の命を代わりに与えて生き返らせる奇跡を起こした四郎もシローに手を引かれてはらいそに昇っていく。というふうに解釈がすすんでしまった。3回観てしばらく考え続けてやっとここまでたどりついた。
評論家の扇田昭彦氏からは女性の登場人物が多すぎるのでもっと整理すべきと指摘されているが、女性の私としてはここまで多彩な女性を登場させてもらってうれしくて仕方がない。
そういう存在としてのリオはとても難しい役だと思う。それを大塚ちひろはその歌声とともに透明な演技で造形してくれた。
再演時もぜひとも彼女のリオでお願いしたい。
写真は『SHIROH』ホームページの写真より転載。
ふたりのSHIROHにしか見えない幽霊なのか精霊なのかという存在。彼女の透明感のある澄んだ声で歌う「我等の御霊をはらいそに」というフレーズが頭について離れなくなる。
四郎が救いを求めた彼女にロザリオを渡したことにより病が癒えたのにキリシタンとして処刑されたという四郎の心の傷になった女性(名を知らない四郎が忘れないためにリオと名づけた)だが、それを怨んでなんかいないのだと「あなたが過去を愛すれば再び手のひらの水は痛みを癒すはず」と歌う。しかし四郎には届かない。シローと引き合せて四郎に自信をもたせて立ち直らせようとするのだが、結局、四郎の心を最後に救うのは寿庵なのだ。
いや、寿庵が四郎が過去を否定しぬく姿勢を「そういう弱い貴方が好き」と言ったことで変化させ、再び奇跡を起こす力を呼び起こしたのだから、寿庵とリオのふたりが四郎を愛して立ち直らせたと考える方がいいのかもしれない。
自分がふたりのSHIROHを引き合せたことにより島原の乱で多くの人々が死んでいく。死んだシロー
を口づけで目ざめさせ(=キリストの復活のように)、彼を先導者にして人々をはらいそに導いていく。そして死んだ寿庵に自分の命を代わりに与えて生き返らせる奇跡を起こした四郎もシローに手を引かれてはらいそに昇っていく。というふうに解釈がすすんでしまった。3回観てしばらく考え続けてやっとここまでたどりついた。
評論家の扇田昭彦氏からは女性の登場人物が多すぎるのでもっと整理すべきと指摘されているが、女性の私としてはここまで多彩な女性を登場させてもらってうれしくて仕方がない。
そういう存在としてのリオはとても難しい役だと思う。それを大塚ちひろはその歌声とともに透明な演技で造形してくれた。
再演時もぜひとも彼女のリオでお願いしたい。
写真は『SHIROH』ホームページの写真より転載。
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