ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

04/12/07『SHIROH』初日!

2004-12-08 01:40:51 | 観劇
劇団☆新感線の初の帝劇公演はいのうえさんのやりたがっていた本格ロックミュージカル。やられました、ノックアウトです。初日観てよかった!16日にも観るが、2回ですむか心配なくらい。
中島かずきさんのストーリーよし、音楽よし、ビジュアルよし、チャンバラも多すぎない、コメディと悲劇のバランスよし、スピード感にのれた、のれた。
と書くのは『阿修羅城の瞳』がちょっとダメだったから。市川染五郎はかっこよかったけど、あの流し目も何回も見るうちに食傷したし、音楽がうるさすぎ、チャンバラシーンも多すぎて退屈して疲れてしまった。新橋演舞場にもおさまりきれていなかったせいかもしれない。
今回の話は江戸時代の島原の乱の天草四郎の話なのだが、衣装も装置も現代的な中でストーリーは昔の話。舞台にTV画面が何個あったかな、かなりの数が両脇に並んで、歌の最中にキーワードや映像が流れる。『ジーザスクライストスーパースター』の映画版をみているような感じがした。
上川隆也演じる益田四郎時貞が神から与えられた力を失い悩んでいる時に中川晃教演じる神から与えられた歌の力をもつシローが出会って、なんていうチラシに載っていたあらすじはなんか胡散臭かったが、舞台が始まってしまうとうまく引き込まれてしまう。
上川さん、文句なしにカッコいい。今年5月に明治座で『燃えよ剣』での土方歳三もかっこよかったが、数倍カッコいい!挙兵した後の軍服はベルばらのオスカルみたいだった。その上、あんまり期待してなかった歌が正統派でうまくきかせてくれる。とにかく声がいいの!大人の魅力的な低い声・・・。私は声がいい人に魅かれるもんですから・・・。
中川くん、ロックの本領発揮!『キャンディード』はオペラ組と声の出し方が違うのでやはり無理があったが、この作品はもうはまり役。彼の歌は感情の襞が細かく表現できるんだよね。いのうえさんが惚れこんで彼のための作品にしたのもよくわかる。上川さんの大人の声に対して少年のような若々しい声で、ふたりのシローのバランスもいい。クライマックスの彼のシャウトが帝劇に響き渡るともう、うっとりしてしまう。
大体、私は何を隠そうロック少女だったのだ。QEEN、KISSの武道館公演も観にいっていたような。幕間の休憩にQEENの曲を流されては、ますますノリノリだ。
これはDVD買うしかない!私は舞台のDVDって買ったことないが、出演者の演技も歌も音楽も舞台のビジュアル関係全て気に入ってしまった。これはもうコレクション必須ものだ。
いのうえさんと中島さんが私の斜め前に座っていた。休憩時間に話しかけてほめちぎってしまった!ブログにも書くと約束した。だから眠いけど、さっそく今日これを書いている。なんともいえない幸福感にたゆたっている。こんなにミーハーな気分になってしまったのはまさに『ベルばら』以来だ。
観る予定のない方も、ご一考いただきたい、とさっそく宣伝。詳しいキャスト評はまた後日。
次の観劇予定は12/11の歌舞伎座昼の部で、『シロー』2回目は12/16。そこでキャスト評書きますね。

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1 コメント

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シロ- (お茶屋娘)
2004-12-17 19:28:28
いや、感動した。今年の舞台の中で、一番の感動作である。

中島かずきが、これほどの脚本が書けるひととは、思っていなかった。(中島さん、ごめんなさい。)

歴史物は史実に100%忠実である必要は、勿論ない。エピソードや登場人物は作者の創造にまかせてよいのである。しかし、基本的な事象と、歴史観が、現在の研究成果を踏まえたうえでの大勢からあまりに乖離しすぎると、それは、単なるお伽話、子供だましの幼稚なものになってしまう。

その点、中島脚本は島原の乱の歴史的位置付けがしっかりしている。島原の乱は宗教弾圧と苛政に対する農民一揆が結びつき豊臣系大名の遺臣も加わった大規模一揆で、その結果、戦国の遺風が一掃され、まがりなりにも平和な世が訪れた。一方で鎖国が完成し、宗教の自由がなくなったというマイナス面もある。(ただ、鎖国は、必ずしも否定的側面だけではない。)中島脚本は、広く受け入れられているこの見方におおむね忠実である。事実関係もきっちりおさえられており、それが、この舞台に真実味と厚みを与えている。

また、四郎にみる革命(この場合、少し大袈裟か。)のリーダーの作られ方、かたや伊豆守にみる、善悪の評価は別としての、政治家に必要な資質。この2点を、実に明確に描出した。

以上の2点から、現代的問題を孕んだ傑作になり得たと思われる。

新感線お約束のアクション、ヘビメタ、ギャグは帝劇むけに少しソフトになっているが、十分満足。新感線ファンも、初めての観客も違和感なく楽しめるだろう。

最後に、上川氏、やっぱり素敵
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