5.曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
昨日、歌舞伎座からの帰宅途中、新藤十郎の扇雀時代の写真をこのたびの襲名にあわせて出された『演劇界』の特別号の写真集を本屋で立ち読みしてびっくり。はんなりきれい!これは当時「扇雀ブーム」が起きたというのを得心せざるをえない美しさだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
このお年で往年の美しさを期待するべくもないが、この間TVなどで垣間見たことのあるお初の「はやはや殺して殺して」という有名な場面、声が裏返っているところがもうダメだった(私は声第一優先!)。1/2の「新春初芝居中継」の録画編集版でもこの観た。中継していた「伽羅先代萩」はしっかり観て政岡は大丈夫だったのだが、こちらはちゃんと観るのがこわかったのでご飯の用意をしながらBGM的に観た。やっぱり声が駄目。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_z.gif)
お初は藤十郎が昭和28年から50年以上で1200回以上の上演回数を数える屈指の当たり役。最初で最後かもとも思いながら1254回目の舞台を観た。あらすじは以下の通り。
天満屋遊女お初(藤十郎)と平野屋手代徳兵衛(翫雀)は起請をかわす仲。しかし徳兵衛は伯父であり主である平野屋久右衛門(我當)に縁談を勧められ、その結納金もマ継母に支払われていたという窮地に追い込まれた。それを断り継母から金も取り返して主に返すところを友人の油屋九平次(橋之助)に借金を申し込まれ、貸してやったところを騙し取られてしまう。徳兵衛は町内の人たちの前で辱められ死ぬしかないと思いつめる。その覚悟を知ったお初は一緒に死のうともちかけ、ついに店を抜け出して曽根崎の森で心中するが、その直前で幕。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/pen.gif)
ナマの藤十郎のお初。徳兵衛がきっぱりと縁談を断る話をきいて手を打って喜ぶところなどはもう本当に可愛かった(声さえのぞけば)。憎憎しげな橋之助の九平次に追い込まれ、扇屋の縁側での有名なお初が足首で徳兵衛の心中の覚悟を問う場面なども本当に素晴らしい。これは一見の価値のある舞台だと思い、藤十郎のお初もあらためて見直した。
浄瑠璃になく歌舞伎での入れ事で入っている平野屋久右衛門が甥を許して金を持って扇屋に迎えにきたのだという場面も我當がハマり役でみせてくれた。しかしそれを知らずにふたりは死出の道行してしまうのである。
そして近松門左衛門の名文の義太夫♪この世の名残~♪にのっての最後の場面。そして最後の最後は徳兵衛の方が気後れしているのをお初が「はやはや殺して殺して」とうながし徳兵衛「ただいまぞ」と刀を振り上げて見せた表情に驚く。とても幸せな表情を浮かべているのだ。これには正直まいった。これでは心中が流行してしまったのも無理はない。
浄瑠璃や歌舞伎での心中モノは徳川幕府によって禁止され、封印されてきたのを昭和28年に復活上演されたのだという。まあ明治政府の歌舞伎への高尚趣味政策でも許されなかったんだろうな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
しかしながらまたまた翫雀に注文したい。お初が久しぶりに会った徳兵衛に「こんなにやつれて」というあたり...翫雀丈、もっとダイエットしてくださいね~。(でもでも上記に書いた写真集ではお父様の一時期は今の翫雀そっくりのぷくぷく状態。同じ顔している写真もあってDNAを感じてしまった(六代目の写真を勘三郎と間違えた時と同様の衝撃だった) 。
写真は、今月のイヤホンガイドの「耳できく歌舞伎」の表紙になっている藤十郎のお初のスチール写真。撮影は篠山紀信。
一気に昼の部5演目をアップした。明日から仕事始め。その翌日1/6は『贋作・罪と罰』観劇予定なのでちょっと頑張ってみた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/apple_up.gif)
追記:アクセスカウンターを大晦日の夜に設置して以来、今この記事をアップして画面を開いてみたところ888番が表示されていた。私の今の無料サービスレベルではどなたが切り番号ゲットしたかはわからないのでプロフィール欄にも書いたがよかったらコメントで自己申告してくださいませm(_ _)m
昨日、歌舞伎座からの帰宅途中、新藤十郎の扇雀時代の写真をこのたびの襲名にあわせて出された『演劇界』の特別号の写真集を本屋で立ち読みしてびっくり。はんなりきれい!これは当時「扇雀ブーム」が起きたというのを得心せざるをえない美しさだった。
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このお年で往年の美しさを期待するべくもないが、この間TVなどで垣間見たことのあるお初の「はやはや殺して殺して」という有名な場面、声が裏返っているところがもうダメだった(私は声第一優先!)。1/2の「新春初芝居中継」の録画編集版でもこの観た。中継していた「伽羅先代萩」はしっかり観て政岡は大丈夫だったのだが、こちらはちゃんと観るのがこわかったのでご飯の用意をしながらBGM的に観た。やっぱり声が駄目。
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お初は藤十郎が昭和28年から50年以上で1200回以上の上演回数を数える屈指の当たり役。最初で最後かもとも思いながら1254回目の舞台を観た。あらすじは以下の通り。
天満屋遊女お初(藤十郎)と平野屋手代徳兵衛(翫雀)は起請をかわす仲。しかし徳兵衛は伯父であり主である平野屋久右衛門(我當)に縁談を勧められ、その結納金もマ継母に支払われていたという窮地に追い込まれた。それを断り継母から金も取り返して主に返すところを友人の油屋九平次(橋之助)に借金を申し込まれ、貸してやったところを騙し取られてしまう。徳兵衛は町内の人たちの前で辱められ死ぬしかないと思いつめる。その覚悟を知ったお初は一緒に死のうともちかけ、ついに店を抜け出して曽根崎の森で心中するが、その直前で幕。
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ナマの藤十郎のお初。徳兵衛がきっぱりと縁談を断る話をきいて手を打って喜ぶところなどはもう本当に可愛かった(声さえのぞけば)。憎憎しげな橋之助の九平次に追い込まれ、扇屋の縁側での有名なお初が足首で徳兵衛の心中の覚悟を問う場面なども本当に素晴らしい。これは一見の価値のある舞台だと思い、藤十郎のお初もあらためて見直した。
浄瑠璃になく歌舞伎での入れ事で入っている平野屋久右衛門が甥を許して金を持って扇屋に迎えにきたのだという場面も我當がハマり役でみせてくれた。しかしそれを知らずにふたりは死出の道行してしまうのである。
そして近松門左衛門の名文の義太夫♪この世の名残~♪にのっての最後の場面。そして最後の最後は徳兵衛の方が気後れしているのをお初が「はやはや殺して殺して」とうながし徳兵衛「ただいまぞ」と刀を振り上げて見せた表情に驚く。とても幸せな表情を浮かべているのだ。これには正直まいった。これでは心中が流行してしまったのも無理はない。
浄瑠璃や歌舞伎での心中モノは徳川幕府によって禁止され、封印されてきたのを昭和28年に復活上演されたのだという。まあ明治政府の歌舞伎への高尚趣味政策でも許されなかったんだろうな。
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しかしながらまたまた翫雀に注文したい。お初が久しぶりに会った徳兵衛に「こんなにやつれて」というあたり...翫雀丈、もっとダイエットしてくださいね~。(でもでも上記に書いた写真集ではお父様の一時期は今の翫雀そっくりのぷくぷく状態。同じ顔している写真もあってDNAを感じてしまった(六代目の写真を勘三郎と間違えた時と同様の衝撃だった) 。
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写真は、今月のイヤホンガイドの「耳できく歌舞伎」の表紙になっている藤十郎のお初のスチール写真。撮影は篠山紀信。
一気に昼の部5演目をアップした。明日から仕事始め。その翌日1/6は『贋作・罪と罰』観劇予定なのでちょっと頑張ってみた。
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追記:アクセスカウンターを大晦日の夜に設置して以来、今この記事をアップして画面を開いてみたところ888番が表示されていた。私の今の無料サービスレベルではどなたが切り番号ゲットしたかはわからないのでプロフィール欄にも書いたがよかったらコメントで自己申告してくださいませm(_ _)m
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