ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

04/12/26歌舞伎座千秋楽=『昼の部』その2

2004-12-27 00:19:20 | 観劇
結局、その2を書かない間に千秋楽になり、幕見で見て2回目の感想を書くことにする。

「八重桐廓噺~こもち山姥」(時代物)
源頼光の家来筋で仇討ちのために妻となった傾城八重桐を縁切りした坂田蔵人時行(信二郎)が煙草屋として出入りする大納言兼冬屋敷。そこのお姫様(=頼光の許婚、七之助)に求婚する右大将高藤(=頼光の敵方)の使者太田十郎(弥十郎)が姫を連れにきている。
その十郎にタバコを10さしも吸わせて急性ニコチン中毒にさせて撃退。そのタバコをすすめるものいいがまずみせどころ。その後所望されてつまびいた彼の三味線が塀の外を歩いていた八重桐(福助)に気づかれる。傾城の祐筆を名乗って興味をひき中に入らせてもらうとやはり夫だった。縁切りされたうらみつらみをあてこすっておもしろおかしくしゃべる(=踊り語る)女形のしゃべり芸の見せ場。
その後、夫婦ふたりになった時に仇討ちはもうすでに夫の妹糸萩(扇雀)が果たしたという事実をきかされ、その妹もこの屋敷に匿われているために再会し、その仇討ちが元で、頼光が難儀にあっていることを知り高藤を打とうとするがそれも諌められ、あまりの無念さに切腹。その血を八重桐に飲ませて自分の魂を体内に宿らせ神通力も与えて死んでいく。
その力を身につけた八重桐と糸萩が仕返しにやってきた十郎一味を打ち負かす。その後足柄山に飛び去って生まれたのが坂田金時=金太郎という荒唐無稽なお話。

信二郎、なかなか二枚目で声もいい。七之助、ちょっと姫の声がききとりにくい。姫をなぐさめる腰元たちの中のコメディエンヌ役のお歌(猿弥)がぽちゃぽちゃして可愛い。弥十郎は俳優際のレット・バトラーをTVで観て以来のご贔屓だが、堂々とした体格と声で赤ら顔役もいい。その時スカーレットだった扇雀はダイエット成功しているが、ちょっと皺が増えて気の毒。
そして、福助。前半の紙衣姿のしゃべり芸も魅力たっぷりだったが、後半、山姥になった後の立ち回りも堂々としてすごくいい。最後ぶっかえりでの見得!これは立ち役もできる線の太い女形ではないと様にならない。女形のぶっかえりは初めて見たが、なかなか痛快。これはもう福助さん、はまり役だと思う。
写真は12月公演の英字パンフの表紙の八重桐。

次の演目については、また、明日。眠い。