ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

04/12/22携帯からの投稿実験成功!

2004-12-22 23:45:30 | Weblog
投稿用メルアドに向けて本文に「てすと」と書いてメール送信したら、届いていた。今はそれにパソコンから手を加えている。
タイトルには投稿した日付が自動的に入るということがわかった。それとも件名に何か入れたらタイトルの日付のあとに自動的に入るのだろうか?

携帯から投稿できるということのメリットは、出先でその感動が新鮮なままに投稿できるということなのね。長所と限界がなんとなくわかった。
こだわり派の私としては、あくまでも下書きとして活用していけばいいということですね。

04/12/21『歌舞伎座夜の部』

2004-12-22 01:30:51 | 観劇
「御存知鈴ヶ森」
七之助の白井権八と橋之助の幡随院長兵衛もおじと甥で息もぴったりでこういうところが一族伝承の芸のよさを思わせる。七さんは姫より若衆姿の方が声姿ともよい。橋さんは以前は台詞がききとりにくかったが、今回は安心して観ていられた。いいぞ。
さすがに鶴屋南北の原作だけあって、権八と雲助たちの立ち回りの中で腕や足がとんだり、顔をそいだりというシーンが気持ち悪くなる(「る」はなく「く」が正しい=気持ち悪くないです。すみません)盛り込まれていて笑えた。そのパロディが最後の「桃太郎」にも出てきてそれも笑えた。
「阿国歌舞伎夢華」
阿国と山三、最高!段治郎の幽霊の山三、ほんといい男。「梅ごよみ」より絶対いい!寄り添って踊るシーンではもう眼福眼福状態。これは21世紀の伝説のコンビになると見た。
玉三郎の恋しさ哀しさの表現がすごい。それを支える女形衆も大健闘。おもだかや三人組=笑也、笑三郎、春猿に並んで芝のぶ大抜擢!小柄で可愛く見せ場もあり。三人とは違う持ち味で踊りも達者。期待できるぞ!
右近と猿哉の男性ふたりの踊りは7月の「三社祭」同様、安心の芸。それ以外は皆女形で、玉三郎が一緒の舞台で自分達の前で踊るのを皆見て相当に勉強になったはず。そういう眼で皆見ていた。こういう機会に恵まれてこそ、おもだかや一門の女形のレベルアップになるんだろうな。
生と死の世界に引き裂かれながらひかれあう二人の哀しい想いがひしひし伝わり思わずうるうるしそうになった。舞踊でこんなに感情移入できたのは初めて!一幕見でももう一度観たいと思った舞踊も初めて。でももうあまり日にちがないな。

「たぬき」
三津五郎の道楽者の婿養子柏屋金兵衛が仮死状態だったのが焼き場で生き返り、本妻に嫌気がさしているので死んだことにして妾宅にいって別の人生を楽しもうとする。ところが福助の妾お染はずっと前から間男をつくっていてもうさっそくお楽しみ中。ショックを受けて全く別人のように真面目な人間として生き直し、2年後、お染の兄の太鼓持ち蝶作(勘九郎)に出会い、お染や元の家族と瓜二つの他人として会おうとする。おとなは誰も本物と見抜いてくれないが、たまたま通りかかった息子はすぐに「とーちゃん」と見破ってぐずる。その姿に「やっぱり女房よりも子どもだな」と元の自分として父親として自分の家に帰っていく。
幽霊かと思って恐ろしがる勘九郎も福助の演技がおかしい。それと焼き場の隠亡焼きの爺さん(助五郎)が渋い演技でよかった。最後の三津さん、泣いていた。

「今昔桃太郎」
昭和34年4月に「桃太郎」で初舞台を踏んだ勘九郎の映像を映し出して始まる。それが今では見るも無残に太ってしまい、本当に鬼退治をした桃太郎なのかという姿で登場。扇雀の女房お松が実は鬼の棟梁(三津五郎)の妹で復讐のためになりかわって潜伏していて同様に潜り込んだ橋之助の忠吉とともに鬼の正体をあらわす三人のぶっかえり。ここでも女形のぶっかえりを楽しめる。鬼の棟梁が広めた死ぬまで踊り狂う薬のために日本国中の人間が踊らされている。その踊りの中で勘九郎の過去の舞踊の代表的なものをメドレーで見せる。その中でどんどん痩せていくというのがおかしい。そこに福助の桃の妖精=桃太郎の母親が出てきて力を授け、ふたたび鬼退治に出かけていくところで幕。
お供の犬は弥十郎、猿は猿哉で楽しい。雉は初演時の小山三。初演の犬の又五郎も長老の犬として登場。子どもの桃の精には一門の子どもも登場し、勘九郎としての最後の舞台を皆で盛り上げる。
又五郎さん、私の歌舞伎初体験の時の「羽根のかむろ」で印象深いんだよね。90歳とのこと、いつまでもお元気でいてほしい。
最後に「(自分達)だらけきっている間に日本中が鬼だらけになってしまった」「中年パワーで鬼退治」のような台詞が盛り込まれ、勘九郎、渡辺えり子のコンビのメッセージもちゃんと盛り込まれていた。
「苦労納御礼=苦労のかいあり感謝感謝」というサブタイトルがついていたが、まさに勘九郎最後の舞台として、ふさわしい作品だったと思う。

また、昼、夜両方観て十分満足した。勘九郎が21世紀の現代におけるエンターテインメント性を追求するだけでなく、伝統をきちんと踏まえる玉三郎を重石としてトップに据えたこの座組は大人気のはずだと思った。
次の舞台も楽しみでしょうがない。ああ、襲名披露だとチケットとりがんばんないといけないな。