お菓子な時間

お菓子教室『 Rosen Bär 』のblog・・・

可塑性

2011-02-26 16:59:21 | 製菓理論
ゴマのパウンドケーキを作りました。
この生地は同割です。4同割の生地。
何が4同割かというと、バター、砂糖、卵、粉。
ベーキングパウダーも入っていない正真正銘の4同割。

この手のバター生地は、4同割りである生地をベースにして、それをアレンジして作られています。
例えば、粉が増えたり、砂糖を減らしたり、B.P.を使ったり、粉の一部をアーモンドパウダーに替えたり、ドライフルーツが入ったり、チョコレートが入ったり…あげればキリがありません。

同割の生地は、リッチな配合なのですが、卵が分離しやすい生地。
材料の温度と、入れる卵の分量に気を遣わないと、すぐに分離してしまう。
油脂であるバターに、たんぱく質と水分である卵白と、油脂と天然の乳化剤を含む卵黄を
分離させないで混ぜ混まなければならない生地。

バターやマーガリンには、可塑性範囲という温度範囲があります。(他の油脂、カカオバターなどにもあります)
可塑性範囲とは、材料を指で押して、粘土みたいに形が残る温度範囲の事を言うのですが、バターは13~18度。(もう少し高くても大丈夫)
マーガリンは10~30度(うちの教室はマーガリンを使うことは全く無いですが参考までに・・・)

例えば、冷蔵庫出したての冷たいバターを指で押しても粘土みたいにへこんでくれないし、溶かしてしまったら、指のあとなんて付くわけ無いですよね。

この温度範囲の中で仕事をしないとうまく分離を防げないのです。
条件はこれだけではありませんが・・・。
しっかりバターを柔かくして、砂糖を加えて白っぽく擦り混ぜても、
卵が冷たいと、温度が下がって分離してしまうのです。

マーガリンの場合は、可塑性範囲が広い上、
乳化剤などの油脂と水分をつなぐ為の添加物が入っているので、
少々卵が冷たくても分離しないので、同じ油脂でもバターの方が難しいのです。
でも、バターの方が風味豊かで味わい深く美味だし、天然で無添加だから
やっぱりバターに越した事は無い。

バターで出来ればマーガリンでは絶対に失敗しません(笑)
でも、マーガリンでしか作った事の無い人は、バターは失敗する事必須かも?

その他、可塑性という特徴を生かして作られる生地に、折り込みパイ、フィユタージュがあります。

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2 コメント

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Unknown (おやつ番長)
2011-03-01 12:25:57
センセイのブログ。最近色々くわしいこと書いてあっておもしろいね!!!
3月16日まで教室ないけど、見てるからまた書いてね。
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Unknown (peko)
2011-03-02 19:00:31
>おやつ番長さん
コメントありがとう♪

理論ってやっぱり面白いし、必用だから、たまに書いてみようかなって思ったんよ。
難しいって言う人もいるけど、おやつ番長さんみたいに言ってくださる人もいるから、記事にしがいがあります。
また覗きに来てね♪
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