パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ドア・イン・ザ・フロア ★★★

2015年12月05日 | DVD作品ーた行
現代のアメリカ文学界を代表する作家、ジョン・アーヴィングのベストセラー小説「未亡人の一年」を映画化したヒューマンドラマ。
主演には『L.A.コンフィデンシャル』でオスカー女優の仲間入りを果たしたキム・ベイシンガーと、何度もオスカーにノミネートされたが、やっと「クレイジー・ハート」でアカデミー賞主演男優賞をゲットしたジェフ・ブリッジスが、悩める夫婦を渾身の演技で見せる。
監督と脚本を手がけたトッド・ウィリアムズは、本作が初監督作品にもかかわらず、原作者も納得させる情緒豊かな作品に仕上げている。
あらすじ:著名な児童文学作家テッドと妻のマリアンは、愛くるしい一人娘ルースとともに、申し分の無い裕福な生活を送っていた。だが、一見幸せに満ちたこの夫婦は、海辺の自宅と町なかの書室を一日おきで寝泊りするという奇妙な別居生活を始める。
夏が始まる頃、テッドはある目的を遂げるために、作家志望の高校生エディを住み込みの助手として雇う。悲しみのベールを纏い幼い娘を抱きしめることすらためらう妻と、浮気に明け暮れなかなか創作活動にとりかからない夫。針一本落としても崩れてしまいそうな微妙なバランスの家族に、エディは急速に惹かれていく。そんなある夜、テッドは夫婦のある秘められた出来事をエディに語り始めた…。(作品資料より)

<感想>若い男と初めて浮気を体験中の妻、その妻の行動を容認しながら他の女性との情事を愉しむ夫。ふしだらな二人だが、心の底に癒されない「喪失感」が横たわっている。テッドと妻マリアンは、ふたりの息子を事故で失った痛ましい過去がある。
一番理解し、愛しているのに、傷つけ合ってしまう夫婦...。その後遺症からの脱落感、鬱病てきなマリアン~母親としての意欲をなくし、心の底に寂しさ・哀しさを凍結させたまま、夫との夫婦生活に終止符を打つ機会を考えていたようです。

この難しい心理ドラマをキム・ベイシンガーは見事に演じきっていて、それに、お年とは思えないくらいの裸体をベットシーンで御披露!!(笑)これは熟女を披露して最高でしょう。
同時に、夫のテッドですが、彼は自分の思うまま生きています。若い女性を絵のモデルに誘い、そのモデルの女と情事を繰り返しているテッド、でも事故で亡くした息子二人を愛し、彼もその後遺症から抜け出せない二人。
そして娘の、ルースへの愛も、いつも気にかけて父親としての役目も、画面から痛いほど伝わってきます。テッドを演じたジェフ・ブリッジス、・・・・さすが円熟した演技で素晴らしく、おじさんになったな~ぁと中年の貫禄がでていましたね。
哀しい話なのに、笑えるシーンが結構用意されていて、テッドと有閑マダム(絵のモデルになった愛人のヴォーン)とのエピソードなんか、特にコメディタッチで笑わせてくれます。
何故だかテッドに関するエピソードの多くは、全てコメディで演じているように感じられました。

16歳のエディの登場は、彼らの息子たちへの想いを甦らせ、それを乗り越えるきっかけになっていると思いますね。青年は、大人へと成長していくが、彼の訪れで家族は分解・崩壊しますが、...ま~ぁそれは、マリアンの心の罪悪感とでも云うのか、一人になって自分を見つめ直して、自立した女性として生きていく道を選んだのだと思います。
テッドが描いた絵本が、この映画のタイトルとなっているんですね。床の上にドアがあり、そのドアの向こうには得体の知れない「怪物」がいるのだろうか?、・・・そして、このドアが象徴的にラストに現れ、切なく、・・・そして、恐れと哀しみの闇を実感させるような、そんな映像の表現の仕方。夫婦の別れを描いた物語でなのですが、 意味深であり、また夫婦でお互い協力し合ってこれからの生涯を乗り切る話ではないので、まだまだ、2人とも年齢を重ねても男と女なんですものね、好きなように生きられるっていいですね、羨ましいです。
2015年DVD鑑賞作品・・・66映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング