パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ファーストラヴ★★★

2021年06月19日 | アクション映画ーハ行

          

第159回直木賞を受賞した島本理生の同名サスペンス小説を北川景子主演、堤幸彦監督のメガホンで映画化。

あらすじ:父親を殺害した容疑で女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女の「動機はそちらで見つけてください」という挑発的な言葉が世間を騒がせる中、事件を取材する公認心理師・真壁由紀は、夫・我聞の弟で弁護士の庵野迦葉とともに彼女の本当の動機を探るため、面会を重ねるが、二転三転する環菜の供述に翻弄されていた。真実が歪められる中、由紀はどこか過去の自分と似た何かを感じ始めていた。由紀の過去を知る迦葉の存在、そして環菜の過去に触れたことをきっかけに、由紀は心の奥底に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになる。由紀役を北川が演じるほか、迦葉役を中村倫也、環菜役を芳根京子、我聞役を窪塚洋介がそれぞれ演じる。

<感想>だいぶ前に鑑賞した作品なのだが、思い出しながら投稿した。最近、映画やTV「リコカツ」でも活躍している北川景子主演のサスペンス映画。公認心理師という難しい役どころだが、いつもの景子ちゃんの演技で見ごたえがあった。

主人公の女子大生の聖山環菜役には、芳根京子ちゃんがそれなりに父親殺しの役を演じていて、環菜の過去を調べていくうちに、由紀が自分と同じような悩み、心のうちに閉じ込めた過去を思い出しながら、由紀と父親殺しの容疑者が苦しみ葛藤した末に、晴れやかな表情を見せて映画が終わるのが良かった。

しかしながら、彼女たちが父親から受けたトラウマを彼女たちが乗り越えるいい話ののようにまとめられているのだが、彼女たちを苦しめた存在や問題に対することが、作りてから伝わらないのが残念でならない。

回想で描かれる事件は、恐ろしくて不自然に映っていた。女子大生は、父親を包丁で刺してはいないと言い切り、包丁が勝手に刺さったのだと言い切る。だが、父親に駆け寄るときに、包丁を手に握っていたのを見ても殺意がなかったとはいえないはず。

それにしても、物語全体が、彼女が殺意がなかったといわんばかりに強調している罪のなさが、空回りした2時間サスペンスのようだった。 景子ちゃんと夫婦を演じた我聞役の窪塚洋介が、キッチンでポトフを作りながら、由紀の帰宅を待つシーンがある。その場面だけでも、窪塚の優しい夫の存在感が、網膜に焼き付くのがよかった。窪塚の包容力と、信頼感の塊のような夫役の窪塚の演技が、物語をさらに味わい深いものに昇華しているのもいい。

心理師の由紀と弁護士の中村倫也が、女子大生による父親殺害事件の真実を探求し、心理士師と女子大生はそれぞれ幼少時に、父親を始めとする大人の性的虐待による欲望によって、主人公と由紀の身体と、心の中を傷つけられている設定であり、その類似点は由紀が刑務所に面会時、ガラスに重なる二人の顔で象徴されるのが見事であった。

他にもドローンの多用とか、雲の間からのぞく太陽など、象徴的な画面が多く、思わせぶりが鼻についた。裁判ものとしてまぁまぁの出来映えだが、真実が小出しにされていて、裁判で劇的にすべてが明らかになるわけでもなく、作劇が中途半端に終わっていた。だからなのか、映画にするにはとてもいい題材なはずなのに、なにかしらぞんざいな印象を与えているし、胸に迫るものがどこにもないのだ。それに、タイトルの意味が曖昧なのが分かりずらい。

 

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・5  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


花束みたいな恋をした★★★★

2021年03月26日 | アクション映画ーハ行

         

「東京ラブストーリー」「最高の離婚」「カルテット」など数々のヒットドラマを手がけてきた坂元裕二のオリジナル脚本を菅田将暉と有村架純の主演で映画化。坂元脚本のドラマ「カルテット」の演出も手がけた、「罪の声」「映画 ビリギャル」の土井裕泰監督のメガホンにより、偶然な出会いからはじまった恋の5年間の行方が描かれる。

あらすじ:東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦と八谷絹。好きな音楽や映画がほとんど同じだったことから、恋に落ちた麦と絹は、大学卒業後フリーターをしながら同棲をスタートさせる。日常でどんなことが起こっても、日々の現状維持を目標に2人は就職活動を続けるが……。

<感想>同じ価値観で結ばれた大学生の男女が、仕事と生活への向き合い方ですれ違っていく。男の麦は震災後にひたすら貧困化した日本社会の被害者だろう。芸術の才能がありながら安いギャラで使い捨てられ、就職活動に苦戦をしながら労働に忙殺されて感性が麻痺してしまうのだ。

それが大人になるということなのかもしれない。だが、ポケットに入れて置いた夢が、日々の洗濯で色あせて溶けて消えたのは、果たして彼だけの責任なのだろうか。

自分たちはみんなとは違うと、趣味の良さを特別視するのもいやらしいが、それよりも、この二人も趣味の延長のままでは生きられず、仕事をするようになってすれ違い、別れに至るという身もふたもない展開に不満。

花束みたいな、つまり地に足のついていない恋など、いずれは破綻するしかないのだろう。どうせかなわないのなら夢など見るだけ無駄。こんな保守的な映画を若い人たちが好むとしたら、絶望的に思うのだが。

恋という文字がタイトルあるからには、恋愛映画だのだが、そうでもない気がするのだ。恋人たちの恋焦がれるまなざし、高鳴る胸の鼓動、言葉にできないもどかしさ。息をつめて悶々としながら、そして突っ走っていく。

恋愛ものにつきもののそれらはどこにもないのだ。どこにでもいるような男と女の、いくらでも見かける恋愛模様。名脚本家があえてそれにチャレンジしたのだろう。

だが、日常と地続きの話を映画にする難しさを改めて知らされたと思った。日常を映画にしてきた小津安二郎や成瀬巳喜男の偉業の素晴らしさは、今や奇跡といっていいだろう。

膨大なるカルチャーネタへの言及も含めて、ある恋人たちの物語から、日本の5年間が見えて来るのだった。悲しかったのは、この二人の恋が薄れてゆき、別れるという最後には、残念でならない。まぁ、別れて初めてお互いの良さを知り、もう一度結ばれるというチャンスはあると信じて。

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・3  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


フェアウェル★★★・5

2020年11月06日 | アクション映画ーハ行

             

中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が自身の体験に基づき描いた物語で、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母のために帰郷し、それぞれが祖母のためを思い、時にぶつかり、励まし合うながら過ごす日々を描いたハートウォーミングドラマ。「オーシャンズ8」「クレイジー・リッチ!」のオークワフィナが祖母思いの孫娘ビリーを演じる。

あらすじ:ニューヨークに暮らすビリーは、中国にいる祖母が末期がんで余命数週間と知らされる。この事態に、アメリカや日本など世界各国で暮らしていた家族が帰郷し、親戚一同が久しぶりに顔をそろえる。アメリカ育ちのビリーは、大好きなおばあちゃんが残り少ない人生を後悔なく過ごせるよう、病状を本人に打ち明けるべきだと主張するが、中国に住む大叔母がビリーの意見に反対する。中国では助からない病は本人に告げないという伝統があり、ほかの親戚も大叔母に賛同。ビリーと意見が分かれてしまうが……。

<感想>中国生まれ、アメリカ育ちの女性監督ルル・ワンが、自らの体験をもとに描いたファミリードラマ。監督の分身と言える主人公を演じたのは、中国系・韓国系アメリカ人の両親を持つ人気コメディ女優であるのオークワフィナ。

今年のゴールデングローブ賞の、ミュージカル/コメディ映画部門の主演女優に輝いたのが、オークワフィナというアジア系アメリカ人女優だった。えっ、その女優って誰なの?といぶかし気な顔する人がいるかもしれないが、ハリウッドでは「オーシャンズ8」や「クレージー・リッチ」ですでに知られていた存在なのだ。

この新作でもスクリーンで生き生きと素晴らしい演技を見せて、一段と評価を高めている。この作品でのCG賞では、主演女優賞の他に、外国語映画賞にもノミネートされたが、それもそのはず映画の舞台は主人公の住むニューヨークから、生まれ故郷の中国、長春へと移り変わり、英語と中国語が飛び交う賑やかな大家族の物語が始まるのだ。

一言でいえば、余命3か月という末期がんで、祖母の見舞いに中国の実家に駆け付けた孫娘のオークワフィナが、親戚一同の意向で、まだ医者の余命宣告を知らされていない祖母のために、悪戦苦闘するわけ。挙句の果てに従兄弟の結婚式があるという。

孫娘の突然の帰郷が、祖母の病気と関係があることを本人に悟られないために、何とも古典的な設定であり、さほど新鮮味はないのだが、孫娘のビリー、オークワフィナが登場すると俄然スクリーンに緊張感が走り、生き生きとした家族の物語が動き出すのだから、主演女優の面目は立派に成し遂げたわけ。感情を表に出しすぎという理由で、結婚式には出席NG。

もちろん祖母役のチャオ・シュウチェンら、中国や香港出身の実力派俳優たちが脇を固めていることもあってか、殆どウェルメイドの芝居を観ている気分になる。

脚本・監督はルル・ワン。北京生まれのアメリカ育ちの37歳の新人というが、なんとこの脚本は自分の体験にもとづく実話というのだから、驚かされる。

それにしても才気あふれる演出に独特の皮肉を絡ませたコメディーセンスは、新人の域を超えていると思う。ハリウッドの映画人に絶賛されたのも当然だろう。

重病患者に本当のことを教えないというのは、アメリカでは大問題になるところだが、中国では「優しい嘘」として黙認されるのだ。日本にも似たようなケースは少なくないだろう。思いもよらないカルチャーギャップに直面するビリーの視点からは、近代化しても混沌や矛盾から抜け出せない中国社会、そしてドライな西洋社会にはない、家族の頑固な関係性といった陰陽が、鮮やかに映し出されている。

そして、結末で明らかになる「嘘から出た真」という人生の真実。二転三転した後の、ハッピーエンドにはほっと胸をなでおろすのであります。つまりは、祖母の病気は、初期の癌であり、入院して治療をして長生きをしたという最後なんですからね。

それにしても、孫息子の結婚式での花嫁は日本人の女優で、みずはらあおいさんの中国語堪能な演技には、驚かされました。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・61  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


ブラッドショット★★・5

2020年07月27日 | アクション映画ーハ行

               

「ワイルド・スピード」シリーズのビン・ディーゼル主演で、アメコミ「バリアント・コミックス」の人気キャラクター「ブラッドショット」を実写映画化したアクション。

あらすじ:アメリカ海兵隊員のレイ・ギャリソンは、何者かの襲撃を受けて妻ジーナとともに拉致され、襲撃の首謀者マーティン・アレックスの手によって妻を殺されてしまう。自身も撃たれて生死の境をさまよったレイだったが、とある組織のナノテクノロジーによって蘇生に成功。記憶を失ったものの、体中の血液が生物工学ロボット「ナナイト」に置き換わり、圧倒的なパワーと回復能力を持った超人へと生まれ変わる。やがて、あることがきっかけで妻を殺された記憶を取り戻したレイは、愛する妻を殺したマーティンを見つけ出し、復讐を果たすが……。

<感想>『ワイルド・スピード』のヴィン・ディーゼル主演による、生死を彷徨った兵士をハイテク義肢等で超人に蘇らせる、RST社の開発した血液内のナノマシン「ナナイト」で驚異的なパワーと、回復能力を持って蘇ったレイを演じている。まるで「ウルヴァリン」のような、血液中の生物工学ロボットが、人体の傷を瞬時に修復してしまうという、トンデモ設定は、いかにもアメコミ原作という感じがした。

だが、生半可な化学的な説明や、ワサワサと動く血中ナノロボットを、可視化させる欲張りな描写が作品世界のリアリティをぼかしてしまい、内輪もめに始終する物語の方も盛り上がりに欠けている。

もはや見どころはCGとアクションだけであり、、そちらはハリウッドのお家芸なので確かに凄いといわせるだけはあった。だが、全体的に、今までのアメコミ実写化よりは、新鮮さがなかった。

タイトルに恐ろし気な想像を掻き立てられが、いざ始まってみると、マッチョな主人公とその周辺人物のキャラクター設定は、美女がいて悪役のガイ・ピアーズがゲス過ぎる怪演をしていたのだ。しかしヒロインのタルラ・ライリー。もう一人は『アリータ: バトル・エンジェル』で、殺人サイボーグを演じていたエイザ・ゴンザレスと可愛い。

ヴィン・ディーゼルの魅力は満載であり、今回は復讐心を燃やす内相的な役で、あまり輝きが見られなかった。とはいえ、義体による身体機能拡張のギミックや、エレベーターシャフトでの重力を利用したソリッドな戦闘描写は、ビデオゲーム出身で視覚効果に関わってきた監督なので、力量が発揮されており、娯楽アクション映画としての見どころが最低限押さえていると思う。

ストーリーにも目新しいアイデアがなく、予想通りに展開して終わる。ただテクノロジーを駆使したヴァーチャルな映像世界を楽しむにはいいかも。その分、アクション映画に特有の俳優の肉体が発する熱は極めて低いのであり、ゲーム画面を見ているようだった。ところが、記憶を失っていたものの、そこで知り合った同情的な女性兵士KTと会話していく中のふとしたキッカケで、記憶に残る妻の仇の顔を思い出し制止を振り切ってぶっ殺しに行き成し遂げます。

ところがその記憶は、都合良くRST社社長ハーティング(ガイ・ピアース)が、レイに消させたいヤツの顔を記憶操作して実行させていただけで、実際の妻も生きており、5年前には自分が失踪しており妻は家庭を持っていましたとさ。

ストーリーはミステリーの構成で面白かったのだけど、別にそんなことしなくてもという印象が深い。それと、両手の機械をつけた敵が、4本の腕を活かしきれてない感じがした。2本の腕で主人公の腕をつかんで、残りの二本でボコボコにすればいいのに、そんな場面もちょっとあったけど、結局はロボット再生で生き返るという。

全体的にメカデザイン等非常に凝っていたし、肉体再生のシーンなどのCGやアクションもなかなか見応えがありましたね。設定面が攻殻機動隊やユニバーサルソルジャーといった、既視感あふれる感じなのが逆にアクションシーンを集中して見られたのかもしれません。最近の見る映画が少なかったので、仕方なく鑑賞した。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・50  アクション・アドベンチャーランキング

 


パーフェクト・センス★★★

2020年05月07日 | アクション映画ーハ行

                    

 

2011年のサンダンス映画祭に出品され、その斬新な映像世界が注目を集めた作品だ。主演は楽観主義者のシェフを演じるイギリスが誇るトップスター、ユアン・マクレガーと、心を閉ざした科学者役のエヴァ・グリーンが見せる繊細な演技は注目に値する。監督は、『猟人日記』でもユアンを主演に迎えたデヴィッド・マッケンジー。世界終焉をモチーフにした壮大な設定と、共感を呼ぶラヴ・ストーリーを融合させた構成が、絶妙なコントラストを醸している。

 

 

あらすじ:人類がかつて経験したことのないその異変は、何の前触れもなく世界中を揺るがした。“SOS”と名付けられた原因不明の感染病が爆発的に拡散、あらゆる人々の臭覚を奪い去ってしまう。その勢いは衰えることなく、感染者たちの味覚や聴覚をも失わせ、人類は存亡の危機に陥っていく……。シェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と科学者スーザン(エヴァ・グリーン)は、そんな極限状況のさなかにめぐり合い、奇しくも謎の病に冒されたまさにその瞬間、恋に落ちた。ひとつ、またひとつと五感を喪失し、世界が終わりを迎えようとしたとき、ふたりはいったい何を求め、何を感じ取るのだろうか……。(作品資料より)

 

 

<感想>この物語は、人々が味覚や嗅覚など感覚を失う伝染病が広まる、非日常的な世界を描いている。恋は人を盲目にするというけど、主人公たちは恋に落ちていく過程で、本当に感覚を失っていくのだから。五感を失う奇病が広まり、終末に向かう世界で出会った男女のラブストーリーですね。

 

謎の感染症で目が見えなくなり、人々を極限の状態を描いている「ブラインドネス」がありましたね。あのように人々が手に手を取り合いながら、避難所を探して歩き、そこで起きる支配者的人間の存在が描かれていましたが、本作品の中ではそのような展開はありません。ただ主人公の2人を通して、男と女が愛を確しかめ合い、離れていても最後には2人が抱き合って、愛し合い幸せを感じるという終わり方です。
特定の感情が現れた後、五感を一つづつ失いながら、愛し合う2人の姿を詩的な映像で綴って行き、人生の根源的な意味を問いかけていきます。

 

 

主人公にはユアン・マクレガーが、シェフのマイケルを演じ、彼女の感染症学者の役には、エヴァ・グリーンが。ユアンの叔父さんで俳優のデニス・ローソンが、ユアンの勤めるレストランのボス役で出演しています。

 

 

そしてシェフのマイケルは、人々が嗅覚や味覚を失うと困るんですね。失業してしまう。それでも、味を辛くしたり甘くしたり、盛り付けを色とりどりに鮮やかにして、見た目の豪華さを見せつけます。
しかし、その内店には客も途絶えて閉店となり、避難した人達の食糧を作るマイケルたち。

 

絶望感と飢えに怯え、油を飲み口紅までむさぼる人々、嗅覚の次に味覚を失い、その次は憎悪を爆発させて、怒りだし暴れて、ついに聴覚と声まで出なくなる。そんな人々が町に溢れだし、そして町は荒廃していく。

 

 

主人公の二人は、過去の恋愛で深く傷ついた経験があり、恋に落ちることを恐れている。互いに恋に落ちていくのを認めようとしないのだが、・・・徐々に研ぎ澄まされいく触覚などで愛を確かめ合う2人。
味覚も嗅覚もなく、シェービングクリームや石鹸を食べる2人だが、そのうちに、憎悪の症状が出たマイケルが、スーザンに悪態をつき追いだし、2人は決別。だが、視覚を失う前、2人はある感情に満たされる。

 

 

この作品の大きなテーマの一つは、感覚の喪失ですが、どちらかというと、感覚を失うというよりも、感覚だけじゃなく、人間性、人生、楽観性、消極性、友情や愛情など、さまざまな要素を私たちに見なおさせる機会を与えていると思うんですね。
最後は画面が暗くなり、観客にゆだねるようなそんな感じがした。人類の終末と取るか、終末でも傍に愛する人がいて、抱き合いながら終末を迎える。見る観客によっては、受ける印象の違う映画になっているでしょう。(「パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セ・ラ」より引用)

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・40  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY★★★・5

2020年03月25日 | アクション映画ーハ行

「スーサイド・スクワッド」に登場して世界的に人気を集めたマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが主役のアクション。マーゴット・ロビーが自身の当たり役となったハーレイ・クインに再び扮し、敵役となるブラックマスクをユアン・マクレガーが演じた。監督は、初長編作「Dead Pigs」がサンダンス映画祭で注目された新鋭女性監督キャシー・ヤン。

あらすじ:悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスクと対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する。

<感想>今年は、ガールズヒーロー映画が大ヒット間違いなし。なにしろ、本作と、5月1日公開の「ブラック・ウィドウ」が控えているのだから。そして、6月公開の「ワンダーウーマン」と、しなやかに力強く、女性たちが生き生きと輝いているガールズヒーロー映画の期待作があるからですね。

スーサイド・スクワッド」(16)で映画初登場するや、いきなり主役を食っちゃう人気キャラクターになってしまった悪カワの、ハーレイ・クイン。キュートでセクシーでハイテンション、天真爛漫なノリで悪の限りを尽くすクレイジー・ガールなのである。正義もモラルもブッ壊して、悪のカリスマ、ジョーカーの恋人としてゴッサムシティの極悪人さえ震え上がらせてきた最恐なヒロインが、再び帰ってきた。

だが、今回の物語ではいきなりハーレイの失恋からスタートする。ジョーカーとの別れ、ボロボロ&ヤケクソになっている彼女に、これまで恨みを溜め込んでいた悪党どもが押し寄せる。そこへ降ってわいた、ダイヤモンド盗難騒動。悪VS悪のカオスな戦いを前に、ハーレイはくせ者だらけの最凶チームを結成する。予測不能なクレイジーバトルが幕を開けるのだった。

「バットマン」などのDC作品の予備知識が一切なくても、本気で楽しむことができる作りになっている。ハーレイ・クインの生い立ちやジョーカーとの関係など、冒頭でポップに説明してくれるため、過去作を見ていなくても話についていけるので最高です。

失恋したハーレイ、ヤケクソでパリピな毎日。いとしのブリンちゃんことジョーカーにフラれてしまったハーレイ・クインことマーゴット。失恋の辛さを忘れるために彼女がしたことは、髪の毛をバッサリと切りました。ペットショップでは、一目惚れしたハイエナをブルースと名付けて飼いました。絡んできたウザったい男の足を折ってやった。ジョーカーとの思い出の工場(エースケミカル)にタンクローリーごと突っ込んで大爆発させてやった。

ジョーカーとの別れをド派手に演出したのはいいけれど、それを知ったゴッサムシティの悪党が、あちこちから現れて、彼女を殺しにやってくるのだ。どんだけ恨みを買っていたわけ、さすがにお手上げ状態です。

結局は、一番ヤバイ極悪人ローマン(ユアン)に捕まってしまったハーレイは、すごい秘密が隠されたダイヤモンドの行方を探すハメになる。ローマンって、拷問大好きな変態サイコ野郎。どうやらダイヤを盗んだ少女が、警察に捕まっているらしい。

警察署に一人で乗り込んで、その少女カサンドラ(エラ・ジェー)を奪還したハーレイだけど、留置所に一人で乗り込むハーレイって、かっこよすぎですからね。だが、ローマンに引き渡したら、殺されてしまうことが判明。当然二人はバックレるわけ。成り行き上、2人の逃走に手を貸すことになったゴッサム市警の女刑事レニー(ロージー)と、ナイトクラブの歌手ブラックキャナリー(ジャーニー)。それを知ったローマンはブちぎれるわけ。逃走を続けるハーレイとカサンドラの2人。ダイヤモンドはカサンドラが飲み込んで腹の中にあるし。

ローマンに狙われる4人の女たちのもとに、ちょっとした事情から謎の殺し屋ハントレス(メーリー)が加わり、クセ者ぞろいの女子たちが最恐のガールズチームを結成!どうせなら、ローマン一味をぶっ潰さないということで、ハーレイ率いる史上最強のガールズチームによる、最高にクレイジーな女子会がスタートする。

謎の殺し屋ハントレスの、クロスボウキラーは、実はもともとダイヤモンドの唯一の持ち主で生き残りで、家族を殺した男たちへの復讐に燃えている危険な殺し屋なのだ。

ユアンが演じている残忍ですぐにキレるゴッサム裏社会の悪党、ローマンシオニス。残忍でサイコなブラックマスクとも言う、巨大ヤヌスコープの会長の御曹司なのだ。ジョーカーの後ろ盾がなくなったハーレイを殺そうとする。父親を見返すためゴッサムシティの裏の支配者になろうと目論む悪党。

2020年代の今、女性が男性と同等に扱われるのは当然のことだし、女性が世界を救うのもいいし、女性のシリアスなドラマがあってもいいわけですよね。とにかく、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインのルックス(スタイルがすごい!)もさることながら、その言動が特に魅力的でした。

序盤こそコメディ的な要素があるものの、後半では身もだえするほどに熱い友愛に包まれる大傑作。これって、シスターフッド映画っていうんでしょう。「女性のバディ映画」女性コンビでもバディはバディだと思うんだけど。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・28    アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

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ペット・セメタリー★★★

2020年03月22日 | アクション映画ーハ行

1989年に映画化されたスティーブン・キングの同名小説を、新たな設定で再映画化したホラー。主人公のルイス役を「猿の惑星:新世紀(ライジペット・セメタリーング)」のジェイソン・クラーク、妻のレイチェル役を「エイリアン コヴェナント」のエイミー・サイメッツ、一家の隣人役を「インターステラー」のジョン・リスゴー、子役のジェテ・ローレンスが娘エリー役をそれぞれ演じる。監督は「セーラ 少女のめざめ」を手がけたケビン・コルシュ&デニス・ウィドマイヤー。

あらすじ:家族ともに田舎に越した医師ルイスの新居の裏には動物の墓地「ペット・セメタリー」があった。ある日、飼い猫が事故で死んでしまったため、ルイスは墓地ではなく、さらに奥深い森に猫を埋葬する。翌日、死んだはずの飼い猫が凶暴に豹変し、ルイス一家の前に姿を現わす。その地は、先住民が語り継ぐ秘密の森だった。誕生日を迎えた娘のエリーが交通事故で亡くなってしまったことから、ルイスはある行動に出るが……。

<感想>この作品は、あまりにも恐ろしく、あまりにも切ないホラーである。キング自ら脚本を書いた「ペット・セメタリー」(1989)は見ていませんが、新たな設定で再映画化している。キングが原体験にインスパイアされた悲しき問題作のホラーが、新たな設定で蘇っている。映画の中では、キングの私的要素が特に強く、違和感を覚える展開の連続だった。主人公一家が住む家は、小さな子供がいるのに、大型トラックがバンバン通る道路の前の家に引っ越すなど。全編にわたって、強引なフリにみえるが、本作では「生と死の狭間の存在」を深化させるために、後半の展開を変えたようだ。

ルイス家が住む新居の裏の森にある、謎めいた動物の墓地”ペット・セメタリー”。さらに奥深くの土地には、「死者が蘇る」と語り継がれている秘密の場所だった。事故で死んだ飼い猫を森の奥に埋めると、再び姿をあらわすが、それは依然のままではなく、毛並みのボロボロで、狂暴で死臭がする。

地を這う霧、十字架の林、動物の仮面の子供たち、夜の窓、恐怖音の演出、そういったものが、こちらの神経を逆なでするのだ。ホラー映画というよりも、もっと昔からある古典的な恐怖映画のような、子供のころに観て、脳裏に住み着いてしまうような怖さがある。

目の前の道路で、息子がトラックに轢かれそうになり、それを助けようと姉のエリーがトラックの前に出る。不慮の交通事故が起き、突然娘のエリーを失ってしまった夫婦。その悲しみに耐えられずに父親はある決断を下すのですね。元気な娘にもう一度会いたいと、強く願う父親のルイスは、死者が蘇る禁じられている土地へと足を運ぶ。

森は、先住民の間に伝わる悪霊“ウェンディゴ”が棲みつく禁断の土地。隣に住む老人のジャドは、父親のルイスを神妙に諭す。「死なせてやれ。時には死のほうがいい」。しかし……禁忌の行動の代償は、想像を絶する惨劇だった。禁慧を犯してしまった家族に、想像を絶する恐怖が降りかかるのです。蘇った娘エリーは、人間ではなく、まるでゾンビのようでもあり、死臭をまき散らし、狂暴となり家族に襲い掛かかってくる。

スティーブン・キングが原作で描こうとしたのは、生理的な恐怖であり、大型トラックの迫力満点ではなく、愛する人を失った悲しみからタブーを犯してしまう人間の究極の恐怖だろう。残念ながらそれは小説以外のメディアでは表現しにくいものなのかもしれませんね。だから、父親の葛藤の欠落、呪われた力で帰ってくる子供のラストなど、原作とは違い、脚色の愛の限界を感じてしまった。

最近のゾンビ映画では、拳銃、こん棒、塔といった男性のメタファーが支配するが、この映画では森の中、沼、家といった女性の性的イメージ群に浸されているようだ。父と娘の絆をより深く描くことで、恐怖を一層増すことに成功しているようですね。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・27    アクション・アドベンチャーランキング

 

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バッドボーイズ フォー・ライフ★★★

2020年03月18日 | アクション映画ーハ行

ウィル・スミス&マーティン・ローレンス主演による大ヒットアクション映画「バッドボーイズ」の17年ぶり新作となるシリーズ第3弾。「ギャングスタ」で注目を集め、18年米バラエティ誌による「見るべき10人の監督たち」に選出された新鋭アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーがメガホンをとる。

あらすじ:マイアミ市警の敏腕刑事コンビ、マイク・ローリーとマーカス・バーネット。ブランド物のスーツをスタイリッシュに着こなし、得意のドライビングテクニックでポルシェを飛ばすマイクに対し、マーカスは家族こそが守るべき大切なものと考え、そろそろ引退を考えている。若いエリートたちと組むことになった2人は、自分たちが年寄り扱いされることに我慢できない。そんな中、マイクが何者かに命を狙われ、バッドボーイズ最大にして最後の危機が訪れる。

<感想>だいぶ前に鑑賞したもの。思い出しながら、間違ってる文章があったら、ごめんなさいね。17年ぶりの新作、いきなりマイクが運転する”ポルシェ992”でマイアミの街を大爆走するシーン、景気の良すぎるシーンからスタート。愛車を飛ばすマイク、助手席のマーカスは、ひたすら涙目でオロオロしてるし。そんな2人の17年のブランクを微塵にも感じさせないリアクション。

でもね、相棒のマーティン・ローレンスは、かなりぶよぶよと太って老人に入っている感じ。それでも、まだ若いって感じがするウィル・スミスの筋肉美とびしっと決めたスーツ・スタイルには、今でも現役ですから。

 

それでも、今回も犯罪都市マイアミを舞台に、プレイボーイのマイク(スミス)と家族を大切にするマーカス(ローレンス)の刑事コンビが、型破りな捜査を繰り広げる。

新作ではマイクが何者かに命を狙われ、バッドボーイズに最大の危機が訪れるという物語。人気ラッパーのミーク・ミルの楽曲にのせ、バッドボーイズがマイアミの街をポルシェで疾走する場面。マイクが150キロ以上のスピードで運転をすると、パトカー、バイク、ヘリにボートまでが出動する大騒ぎに。助手席に乗るマーカスと言い争いをするなど、バッドボーイズらしい2人の掛け合いも健在ですよ。

マーカスには初孫が誕生、一方のマイクは、100歳になっても犯罪を追いかけると豪語するのだ。でも、マイクは白髪混じりのヒゲをこっそり染ているのだ。そんな彼が、謎の凄腕ヒットマンに狙撃される事件が勃発する。

マイクが病室で瀕死状態で眠っていると、マーカスが神様にお願いするのです。「もしもマイクの命を助けてくれたら、もう暴力ふるいません」と。その祈りが通じたのか、マイク復活し、マーカスは老人だし、もう暴力は嫌だと神様に誓ったのでソク引退を宣言。その後は、グータラして余生満喫!

しかしそんな彼が、マイクためならばと怒り燃えて、ぶっ飛んで奮起を起こすシーンがある。さすがの相棒、ここぞと言うときには、本シリーズお約束の、本当にマーカスが立ち上がりバッドボーイズを結成するのだ。

でも今回の監督は、「ギャングスタ」などの撮影監督だった、新鋭のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーのコンビである。前2作のマイケル・ベイ監督のアクションの迫力たるや、絶対に負けてはならないのだ。そこは我らのウィル・スミスの、体を張った銃にカーチェイス・アクションなど、いつもの見せ場はファンを裏切らないのだった。

それでも、お約束の見せ場はちゃんとありますよ。2人のコンビが、ハーレイにサイドカー付きで、それもサイドカーに乗せているが三連式の機関銃。武装バイカーズ相手に、繰り広げる「ワイルド7」のようなバイク・チェイスには、ちょっと笑えるしで、いくらなんでもね、これではお笑いコンビで売り出すのか?

それにだ、マイケル・ベイ監督がゲスト出演しているって、何処なの?・・・教えてよ!!

 

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Fukushima 50★★★★

2020年03月15日 | アクション映画ーハ行

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、未曾有の事態を防ごうと現場に留まり奮闘し続けた人々の知られざる姿を描いたヒューマンドラマ。現場の最前線で指揮をとる伊崎に佐藤浩市、吉田所長に渡辺謙という日本映画界を代表する2人の俳優を筆頭に、吉岡秀隆、安田成美ら豪華俳優陣が結集。「沈まぬ太陽」「空母いぶき」などの大作を手がけてきた若松節朗監督がメガホンをとった。

あらすじ:2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が起こり、太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波に飲み込まれた福島第一原発は全電源を喪失する。このままでは原子炉の冷却装置が動かず、炉心溶融(メルトダウン)によって想像を絶する被害がもたらされることは明らかで、それを防ごうと、伊崎利夫をはじめとする現場作業員や所長の吉田昌郎らは奔走するが……。

<感想>福島第一原発に残った50人の作業員の真実。東日本大震災で起きた福島第一原発事故で、現場に残って被害を最小限に食い止めようと奮闘した50人の勇敢な行動を描いている実話であります。佐藤浩市を筆頭に、渡辺健・所長を始めとして、吉岡秀隆、安田成美ら豪華キャストが集結し、関係者90人以上への取材をもとに綴られたノンフィクション小説をもとに、「沈まぬ太陽」の若松節朗監督が映画化。

2011年3月11日14時46分、マグニチュード9・0最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が発生。これにより福島第一原子力発電所は、巨大な津波に呑み込まれ、全電源が喪失する。それによって原子炉の冷却が不可能となり、6つある原子炉のうち、3つが爆発を起こすという大事故となった。その結果、大量の放射能が福島県に放出された。

メルトダウンによる想像を絶する被害を懸念した当直長の伊崎(佐藤)ら現場作業員たちは、必死で原子炉の制御に奔走する。だが、所長の吉田(渡辺)も状況を把握できていない東京電力本店や、政府官邸に掛け合いながら現場の指揮を執る。しかし、事態は悪化の一途をたどり、ついには近隣住民の避難へと突き進む。

事故の最前線で何がおこり、どのような対策がとられていたのか、またその時の作業員たちの心情はどんなものだったのか。この映画を観ることで、さまざまなことを知り、感じ、考えるだろう。しかし、その思いはその後の福島、そして現在の福島につながらなくては意味がない。

何故ならば、事故は終わってないし、問題が解決したわけではないのだから。福島第一原発はその後どうなっているのか。廃炉に向けた作業員たちの現実?。これほどの死闘が、あの現場で起こっていたとは。9年という歳月が過ぎて今なお、福島の人々が抱える問題とは何か。余りにも大きな問題ではあるが、絶対に忘れてはいけないことがある。

最前線の作業員たちは、多くが地元で雇用されていて、大部分先輩後輩の仲だったり、旧知のあいだがらだったりするのだ。彼らは、事故対応のマニュアルにさえ書かれていなかった非常事態の中で、原子炉の温度を下げる方法を模索する。

しかし、必死の取り組みにもかかわらず温度は上がり続け、ついには1号機が水素爆発を起こしてしまう。爆発後、中操からも退避が行われ、原子炉の状態を確認するのに必要な最小限の人数だけが残った。そんな危険なところに残った人たちがいるのか?。なぜ、そこに踏みとどまったのか?。

当事者にとってみれば、最初はいろんな思いがあったかもしれないけれど、途中からはそこにいて、できることをしようと、「もう自分たちしかいない」という思いから、自分たちがこの原子力発電所を作ったのだから。そこで働いて、給料をもらい暮らしてきた土地だから。作業員たちは、体中に放射脳を浴びながらも、自己犠牲という、日本人の多くが持っているものが現れたのかもしれませんね。

佐藤が演じた伊崎は、その時、状況をみながら部下たちに指示を出し、必要とあれば緊急対策室にいる吉田所長と電話で話す。自分の判断が人命に直結する大きな意味を持っていることを、十分理解している男である。何をやれるわけではないが、そこにいることが大事なんだと。いろんな思い抱え、逃げ出したいのはみんな一緒だということを。若い作業員たちを帰して、年がいった作業員たちを残すことも。電源落ちた真っ暗な中で、全面マスクをつけ防護服を着て、当時の人たちがそうであったかのように、ライトの明かりでお互いを確認できるという。

政府の対応は、その時の総理大臣の一声で、原子力発電所が廃炉になることを避けたいと、莫大なる被害金額のことしか考えていない。現場に残っていた人たちは、その総理大臣の言葉で冷却をしろ、もうメルトダウンで爆発寸前だというのに、なんという馬鹿のような言葉。

あの時、何が起きたのか。そして、今この瞬間も、事故によって引き起こされた事態を収拾するために働いている人たち、それに強制的に生活を変えられて痛みを抱えている人たちが、たくさんいることを改めて心に刻みたいですね。

結局は、福島全体ではなかったが、原子力発電所のある地域・双葉郡富岡町、他にも帰宅困難区域が、事故から9年過ぎようとしている今でもある。放射能で汚染された土地だから。それでも、その町の桜並木は残り、ラストでは桜が満開で登場する。「絶対に忘れてはいけないこと」と言うメッセージとして伝わっていると、感じました。

 

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ハスラーズ ★★・5

2020年03月04日 | アクション映画ーハ行

「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウーと「ザ・セル」のジェニファー・ロペスが実在のストリッパーたちを演じ、リーマンショック後のニューヨークで起きた驚きの実話を映画化した社会派犯罪ドラマ。景気悪化のあおりを受けたストリップクラブで働く4人のダンサーたちが、そもそも原因を作っておきながら今ものうのうと暮らすウォール街の男たちに仕返しをしようと企てた大胆な犯罪計画の行方を描く。共演はジュリア・スタイルズ、キキ・パーマー、リリ・ラインハート、リゾ、カーディ・B。監督は「エンド・オブ・ザ・ワールド」のローリーン・スカファリア。
あらすじ:
祖母に育てられたデスティニーは、年老いた祖母を養うため、ストリップクラブの門を叩く。やがてトップダンサーとして活躍するラモーナと出会い、彼女からストリッパーのイロハを学び、2人は姉妹のような強い絆で結ばれていく。ラモーナのおかげで稼げるようになり、ようやく生活も安定したデスティニーだったが、そこへリーマンショックによる大不況が押し寄せる。ダンサーたちはそれぞれに事情を抱え、コツコツと真面目に働いてきたにもかかわらず、自分たちとは無関係な理由で追い詰められることに。しかも、その張本人であるウォール街の金融マンたちは、誰も責任を取らずにいまだ裕福な暮らしを続けていた。これに納得のいかないラモーナとデスティニーは、他のダンサー仲間とともに、ウォール街の男たちから大金を巻き上げる計画を企てるのだったが…。

<感想>好景気の中で稼いでたストリッパーたちが、リーマン・ショック以降の不況のために苦境に陥り、数年後には人気も若い娘たちにとられ、どん底の生活になる。やがて、ウォール街の裕福な男たちから大金を巻き上げる計画を実行した実話を映画化したもの。

とは言っても、その手口が、バーで男を引っかけて、MDMなどを酒に混ぜて飲ませて酩酊状態にして、暗証番号を聞き出し、クレジットカードで大金を引き出すという、ぼったくりバーそのもののやり方だからね。はっきり言ってえげつない犯罪行為なんだけれど、映画を観ていて彼女たちを憎む気にはならなかった。それはあまりにも男どもがバカばっかりだから。

男社会の倫理で生きてきて、女は金を出せば寄ってくると思っているしね、しかもウォール街の連中は、経済危機を自分たちが招いているのに、多くの人が家や仕事を失ったにもかかわらず、変わらず優雅な生活をしているんだから、ひどい目に遭っても当然のことだと思ってしまう。

実際に被害に遭っても、奥さんや会社の手前、被害届を出して名前を知られるのを恐れて、黙っていた人たちも結構いたみたいだし。コンスタン扮するデスティニーの視点で描かれているから、ジェニファー・ロペスは、時にはアンチヒーロー的な役割も果たす複雑な存在。単なる犯罪映画じゃなくて女性同士の友情を描いた作品にもなっている。それに、ジェニファーの筋肉美というか、素晴らしいボディでポールダンスを踊るのには、さすが演技者と思った。

全編にわたって流れるダンスミュージックや、女性たちのファッションがとてもおしゃれでいい。でも、女性って男性がお金をもっているかを、靴を見て品定めしているのに驚いたね。これからは、私も男を見るときは、よくよく靴を見てからにしょうっと。

 

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フォードVSフェラーリ★★★★

2020年02月07日 | アクション映画ーハ行

マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。シェルビーをデイモン、マイルズをベールがそれぞれ演じる。監督は「LOGAN ローガン」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のジェームズ・マンゴールド。

あらすじ:ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。

<感想>アメリカを代表する自動車メーカーながら大衆車しか作ってこなかったフォードが、ヨーロッパで高級車メーカーとして君臨してきたフェラーリに挑戦状を叩きつけたお話です。

実際は63年から66年にかけてのお話なんだけれど、映画では65年から66年の2年間にダイジェストしている。フォードは国内トップの座をゼネラルモーターズに奪われた危機感から、若者向けのレーシングカー業界への進出を決定したのだけれど、このアイディアを出したのが、映画の中ではジョン・パーンサルが演じているリー・アイアコッカ。80年代には破産寸前だったクライスラーを立て直したことで、アメリカ産業界の英雄とまで言われた人物なのだ。この映画を観てもそのキレ者ぶりが分かりますよね。

自動車産業はアメリカにとっての誇りだから、ゼロからのスタートで絶対王者フェラーリに勝つという無謀にみえる挑戦がドラマでは描かれている。

監督は「LOGAN ローガン」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のジェームズ・マンゴールド。3回出て来るカーレースシーンは凄い臨場感であり、カメラがレーサー目線になっているので、自分もレーシングカーに乗ってサーキットを走っている気分にさせてくれるのだ。

特にクライマックスでの、ル・マンのシーンだ。24時間ずっと車が走っているだけだから、単調になってもおかしくない場面だけれど、30分以上もあるのに、全く持って退屈させず、いろんな駆け引きや、思惑を盛り込んで見せきっているのには感心しました。演出の力ってことを実感しましたね。

基本的にはマット・デーモン扮するキャロル・シェルビーと、クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズの友情と挑戦のドラマが展開するのだけれど、実はそれだけじゃないのだ。

映画のタイトルは「フォードVSフェラーリ」なのに、むしろ敵は身内にいるから。大企業の倫理からはみだした者のマイルズを排除しようとする重役と、マイルズとの友情の板挟みになるシェルビーの苦悩は、まるで池井戸潤原作の企業ごラマを観ているみたいだ。

徹底的に空気が読めず対人関係は最悪で、経営していた自動車修理工場を差し押さえられてしまうマイルズ。過去の名声を巧みに利用して自動車販売業を成功させているシェルビーのキャラクター分けも面白かったです。

特にクリスチャン・ベールの大熱演はすごいですから。この人って役作りの為に、激やせしたりして、実際に歯を抜いてしまったりと、とんでもないことを平然とやる役者さん。今回も本当にキレているんじゃないかと、何度も思ってしまった。

マイルズの息子役のピーターを「クワイエット・プレイス」の、ノア。ジューブが演じており、そのピーター本人も制作に協力しているので、その分リアル感がハンパないですから。

際限といえば60年代の再現度も最高でした。登場する車の数々は、ほとんどレプリカだけども、中にはとんでもない価格になるアンティークカーの本物も混じっているとか。レース場も当時のもの、そのままになっているようで、ファッションやヘアスタイルにもこだわっているのも嬉しい。こういうところにお金をかけるって、さすがにハリウッドらしいですね。

 

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ヒックとドラゴン 聖地への冒険★★★・8

2020年02月04日 | アクション映画ーハ行

クレシッダ・コーウェルの同名児童文学を原作に、バイキングの少年とドラゴンの友情と成長を描いたドリームワークス製アニメ「ヒックとドラゴン」シリーズの劇場版第3作。前2作に続き、「リロ&スティッチ」のディーン・デュボアが監督・脚本を手がけた。

あらすじ:かつてドラゴンは人間の敵だったが、弱虫なバイキングの少年ヒックと傷ついたドラゴンのトゥースの活躍によって両者は共存する道を選び、バーク島で平和に暮らしていた。ところが、急激な人口&ドラゴン増加により、バーク島は定員オーバーに達してしまう。亡き父の跡を継いで若きリーダーとなったヒックは、皆と島を出て新天地を探し求めることを決意。しかし旅の途中、一行は最凶のドラゴンハンターに命を狙われ、トゥースの前には謎の白いドラゴン“ライト・フューリー”が姿を現す。やがて彼らがたどり着いたのは、人間が住むことのできないドラゴンだけの“隠された王国”だった。

<感想>前作から1年後では、亡き父親の後を継いで、バイキングのリーダーとなった。今作では相棒のドラゴン、トゥースと人間のヒックの成長物語にもなっている。ドラゴンのトゥースは、愛するドラゴンのライト・フューリーと出会い、不器用な愛の表明を経て、トゥースもまた大人になっていくのだ。

もちろん、人間のヒックも恋人アスティが出来て、結婚を考えるようになる。しかし、現在住んでいるバーク島は、人間と同居するドラゴンの数が増えて定員オーバーになってしまう。そこへドラゴンハンターが船で現れ、窮地に追いやられる。

ドラゴンと一緒に住む新天地を求めて旅に出るのだが、直ぐには見つかるはずもなく、ドラゴンハンターに仲間を捕らえられ、助けにいかなくては。

そのドラゴンハンターは、ドラゴンを食料にするというのだ。早く助けにいかないと殺されてしまう。ところが、ヒックの相棒のトゥースが捕まってしまう。

トゥースは、ナイトフューリーの最後の1匹と思われていた。それをドラゴンハンターのグリメルが、トゥースを捕まえるべく、メスの真っ白い“ライト・フューリー”を囮に罠を仕掛けるのだった。

そのドラゴンハンターには、巨大なモンスターのドラゴン、デス・グリッパーという凶暴な殺戮ドラゴンがいる。前足がカマキリで尻尾はサソリ。下あごには大きく反り返った太い牙があり、口からは毒液を撒き散らす。このドラゴンの暴れっぷりとトゥースたちとの、空中バトルをたっぷり味わうのは、スクリーンで。

それと、ドラゴンたちが暮らす新天地は、とても美しいもので、ドラゴンだけが住んでいるところです。ヒックはそれを見て、トゥースも家族と暮らすようにと考えて、人間だけで暮らせる島を見つけるのでした。

2010年の「ヒックとドラゴン」、2014年の「ヒックとドラゴン2」に続く3部作の完結編。10年かけて観てきた3つの物語の終わりを見ることになるのだから。

ファミリー向けのアニメーションとして評価の高いシリーズだが、侮るなかれ、最新作で描かれるのは、主人公たちの成長と生き方の選択。責任や絆をテーマとした物語は、目の肥えた映画ファンにもきっと満足できるはず。

もちろん、ドラゴンにまたがっての飛翔シーンや、爽快なアクションも有りの誰もが楽しめるアドベンチャーになっている。

 

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パラサイト 半地下の家族★★★★・5

2020年01月20日 | アクション映画ーハ行

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

あらすじ:キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。

<感想>第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した鬼才ポン・ジュノ監督の話題作。全員失業中、昼間でも薄暗く、水はけは極めて悪く、酔っぱらって立ちションする男が丸見えの半地下住宅で暮らす貧困家族。父親ギテクにはソン・ガンホが、度々事業に失敗し現在は無職。元ハンマー投げ選手だった母親は楽天的で、無計画な夫に代わり逞しい生命力で家庭を切り盛りしている。長男のギウは大学受験に落ち続けながらも、現代社会でのサバイバル術を磨いている。美大を目指す長女ジョンは、予備校に通えないため独自に入学方法を模索する。

谷底の街のさらに底という、格差社会の底なる一家の象徴的な住居。韓国ではもちろんこれと対比されるのが、坂を上がって行った上に建つ富裕層は、IT長者の邸宅なのだ。

物語のテーマをセリフやストーリーで説明するのではなく、視覚的に語ってしまう新しい映画的な表現が素晴らしい。それに、貧困家族の環境からなる体に染みついた匂いである。匂いが階級と結びついていることが、とてもユニークで鋭い洞察でもあります。目には見えない匂いを、2つの階級の間に横たわる目には見えない巨大な壁でもある。

この映画の中では、さまざまな角度から我々に、階級社会に対するメッセージを理解させてくれる。ポン・ジュノ監督は、彼ならではの、とても奇妙で、ナンセンスなドラマとして、我々に見せつけ考えさせる。

ネタバレ厳禁なので、少しだけ言うと、半地下住居の中では、トイレというか便器の場所が、半地下の中二階のような場所にあるのだ。息子と娘が、隣のWi-fi電波にただ乗りしようと、電波の届くわずかな場所を求めてトイレの便器の上で携帯をいじるのだ。この半地下住居の難点はだ、大雨が降ると水浸しになり天井まで水がくる床上浸水状態。だから湿気が多くてカビ臭いし、洗濯物だって乾かないし、常に来ている服も匂っているのだ。しかし、この家族にとっては、日常茶飯事のことで、匂いなんて感じなくなってくる。

貧乏家族の長男が、まずは坂の上に建つ富裕層家族の、長女の英語の家庭教師として入り込む。そして、その家の弟が情緒不安定な子供で、両親も手が付けられなく暴れるのだ。

だが、絵だけには感性豊かな才能が開花したようで、妹が美術の家庭教師で入り込み、それに、妹が運転手に家に送られるのだが、それを嫌い自分のパンティを後部座席に隠して置く。それを見つけた主人のパク氏は、運転手が女を車に連れ込んで、セックスをしたと勘違いをして運転手をクビにする。

代わりに、長男が父親のソン・ガンホを紹介して、次はお手伝いの中年女性の番。次々とパラサイトしてゆくわけですが、先住パラサイトというべきお手伝いのおばちゃん。彼女は地下室に夫を匿っていて、食事の世話から何でも上の富裕層家族の物を頂いて生活をしているのだった。

だから、このお手伝いさんは、手ごわいのだ。でも弱点はある。果物の桃がアレルギーを起こす体質で、その桃の汁をお手伝いのおばさんに触らせて、顔に体中に吹き出物が出て、富裕層家族の親に見つかり、何か悪い伝染病にでも感染したように見せかけて、このお手伝いも追い払うのだが、一つ問題があり、地下室の夫のことである。

地下室に寄生している夫は、パクの会社の社員でクビになった男。何処にも行く当てもなく、妻の働く家の地下室で生き抜いているのだ。この男を殺すには忍びない。

それに、キム一家がここへ入り込むのには、富裕層家族のパク家族が全員で旅行へ行く時である。まってましたとばかりに、旅行へ出かける家族を見送り、一家で上流階級の生活を満喫しているところへ、夜になって予定を変更して家族が帰って来る。

テンヤワンヤで、テーブルの下へ息を潜めて隠れるキム一家。すると、パク夫妻がソファでセックスを始めるのだが、これがパジャマを着たままで触りっこしておこなう性描写に驚いた。慌てて、この家から脱出するのだが、アイニクの大雨に遭い、坂の下の下にある自分たちの家へ帰るのだが、家は床上浸水で住める状態ではなく、急いで高台へと避難する。日本のように学校や公民館とか、高台の避難収容所はない。

この作品では、お金は上から下には流れないが、雨、水は最も重要な視覚的なテーマになっています。水は高いところから低いところへと流れる。この映画のなかでの階級制度、縦の階層があり、金持ちは丘の上の二階建てで、地下にも二階あります。

そして、坂のはるか下の方には、一番低い層の貧しい人々が住み、そのさらに半地下にソン・ガンホたちは暮らしている。水は上から流れ落ちてゆき、決してその逆にはいきません。お金は上から下へは流れないのに。

金持ち一家も、貧乏家族も、別に悪人ではない。それなのに何故、こんな惨劇が起こってしまうのか。イギリスやインドのように、生まれや身分などから差別される階級社会とは少し意味合いが違いますが、格差は将来の階級社会の温床になりうるし、階級制度が撤廃されても、目に見えない格差は残り続けるのだろう。

 

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ファイティング・ファミリー★★★・5

2019年12月19日 | アクション映画ーハ行

アメリカのプロレス団体WWEで一夜にしてスターの座を掴んだ女性ファイター、ペイジの実話をもとに、プロレスを通して固い絆で結ばれた家族を描いたヒューマンドラマ。ペイジとその家族を描いたドキュメンタリー「The Wrestlers:Fighting with My Family」に感銘したドウェイン・ジョンソンが、イギリスの映画製作会社Film4 Productionsとタッグを組んで映画化した。主人公ペイジを「トレイン・ミッション」「Midsommar」のフローレンス・ピュー、兄ザックを「ダンケルク」のジャック・ロウデン、父パトリックを「ショーン・オブ・ザ・デッド」のニック・フロストが演じる。ドウェイン・ジョンソンも本人役で出演。「蜘蛛の巣を払う女」などに俳優として出演したスティーブン・マーチャントが監督・脚本を手がけた。

あらすじ:イギリス北部でレスリングジムを営むナイト一家。中学1年生の時からリングに立っている18歳のサラヤは、いつかWWEの試合に出て一家を盛り上げたいと願っていた。兄ザックもプロレス命だが、その一方で愛する彼女と結婚して普通の家庭を持ちたいとも考えている。そんなある日、WWEのトライアウトに参加した2人は、尊敬するスーパースター、ドウェイン・ジョンソンと対面を果たす。兄妹は大喜びでトレーニングに励むが、サラヤだけが次のステージに進み、フロリダへ行くことが決定し……。

<感想>一夜にしてスーパースターの座をつかんだ伝説の女子プロレスラー、リング名がペイジの実話に基づき、プロレスにすべてを捧げた一家の固い絆と奇跡の物語を描く感動作であります。世界最大のプロレス団体WWEに参戦し、一夜にしてスターとなった18歳の少女と家族の奮闘を、笑いと涙で交えて綴る究極のエンターテインメント・ショー。

試合シーンの撮影はWWEの試合が終わった後の、リングで敢行。主人公らを思わず応援したくなる感動作でもある。

この物語は、一家のストーリーに感銘を受けたロック様こと、ドウェイン・ジョンソンがプロデューサーとして参加している。ヘビー級で8連覇を果たした元WWEのスーパー・スターこと、ドウェイン・ジョンソンが、自身もプロレス一家で育った彼は、ナイト一家のドキュメンタリーに感銘を受けてプロデューサーとして名乗りを上げたのです。だから、本人役でも出演していて、ロック様は、大声で怒鳴りながら二人を励ますのであります。

彼の友人でもあるスティーブン・マーチャントが監督・脚本を手がけてデビューを飾った。主人公のペイジを演じたフローレンス・ピューと、兄のザックを演じたジャック・ロウデンの2人は、WWEのプートキャンプに実際に参加をして練習をしたそうです。

まるで見世物小屋一座の、家族愛に満ち溢れた実話である。マイノリティ性を認め最大限に尊重することは、生きることへの尊厳へとつながる。家族への依存と、自立を描く成長物語でもあり、暴力の見世物という一見して、本質的に暴力的異常でありながら感動してしまった。それは、あまりにも健全で理想的だと認めてしまうからであろう。

ヒロインの出身団体が、ドザ回りをする会場の雰囲気や、画びょうデスマッチが懐かしく見え、つい胸につまされました。監督の本領は、下品ギャグが連発される序盤では、大いに笑えたが、でも監督は出演場面で、目立ちすぎの嫌いがあると思う、それは、仕方がないけれども。

中盤以降は落ちこぼれの成長ドラマになり、結末も、あまりにも性急すぎて単純でもあった。中学1年の時からリングに立ち、いつかはWWEの試合に出たいと願っていたレスリング命の18歳。両親共に元レスラーであり、兄のザックも現役のレスラーで、家族は固い絆で結ばれていた。

そんな兄妹に転機が訪れるのです。WWEのトレイナーにトライアウトを受けるよう誘われたのです。しかし、選ばれたのは、兄のザックではなく、妹のサラヤだけだったのですね。

兄妹の中で唯一WWEの訓練生に選ばれた妹のサラヤは、家族の期待を背負い渡米するも、コーチであるハッチにどやされながら、中には、プロレス経験のないモデル出身者もいて、サラヤは彼女から肘打ちをくらい、仕返しに平手打ちを返します。怒ったコーチのハッチは、サラヤに謝罪させます。

 

だから、他のレスラーたちと馴染めずにホームシックになってしまう。一方、兄のザックは妹を応援しつつも複雑な心境になってゆく。切磋琢磨をしてきた兄妹の気持ちがバラバラになってしまう。

頂点を目指して死に物狂いで暗いつく崖っぷちモデル、大技をキメて観客を沸かせるために、動きを入念にチェックする選手など、さまざまである。選手たちのトレーニングも真剣勝負なのだから。

 

イギリスの若者が抱えがちなトラブルと、スポーツものでの主人公の挫折と再起といった、王道的な物語が無理なく展開して清々しく思った。主人公を見守るWWEのコーチであるハッチ(ヴィンス・ヴォーン)も良いし、製作を担当したドウェイン・ジョンソンの映画センスは、いつも通り抜群ですから。

そして、プロレスにすべてを捧げた“最強家族”の笑いと涙の実話であります。

 

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ブライトバーン/恐怖の拡散者★★★

2019年11月30日 | アクション映画ーハ行

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガンが製作を務めたSFホラー。従来のスーパーヒーロー物語の定型を踏まえつつ、もしもスーパーパワーを手にした少年が邪悪な心を持っていたら、との想定で繰り広げられる惨劇の行方を描き出す。出演はエリザベス・バンクス、デヴィッド・デンマン、ジャクソン・A・ダン。監督は「インバージョン 転移」のデヴィッド・ヤロヴェスキー。

あらすじ:子どもができずに苦しんでいたトーリは、謎の飛来物が落下した森の中で赤ん坊を見つけると、彼をブランドンと名付けて夫のカイルとともに自分たちの子どもとして育て始める。12年後、聡明で才能あふれる少年へと成長したブランドンだったが、あることをきっかけに自分に備わった特別な能力に目覚めていく。次第に反抗的な態度が目立ちはじめ、トーリの中にも愛する我が子への疑念が芽生えだすのだったが…。

<感想>もしも、子供に恵まれない夫婦が、宇宙から飛来してきた赤ん坊を我が子として育てるが、・・・という誰もが知っているスーパーマン神話が、ヒーローではなく、悪の道を進んでいたらという仮定を基に、邪悪な力に目覚めた少年の悲劇を描いている。宇宙から落ちてきた少年が、スーパーパワーを覚醒させ、気に入らない人を次々と殺戮していく。ホラーをはじめ、SFやサスペンスなどあらゆるジャンルがミックスされた作品であります。

 

ブランドンは優しく聡明な子供に成長するが、12歳を境目に反抗的になり、學校ではトラブルを引き起こす。ただの反抗期ならいいのだが、実は内に秘めた超自然的なパワーを覚醒させたのだった。やがてブランドンは、自分の能力を自在に操るようになり、気に入らない人間を次々と血祭に上げていくのだ。

主人公の夫婦トーリとカイルは、いわばスーパーマンを育てたケント夫妻である。ところが、彼らの養子のブランドンは、クラーク・ケントのような善玉ではなかった。能力だけはスーパーマン並みでも、中身は「オーメン」のダミアンにも似た邪悪な子供なのだった。

トーリとカイル夫婦は、愛する息子ブランドンを信じて、なんとか救いの手をさし述べようとするものの、その異常な出自を知っているがゆえに、不安と恐怖にさいなまれ続ける。

懐かしい初期スピルバーグふうに始まり、やがてはヒッチコックやドン・シーゲルを思わせる緻密に計算された映像や、音響が恐怖を煽っている。ただし違うのは、個々のディテイルが時代相応に残酷度や、迫力を格段にスケールアップしているようだった。

ブランドンは、何時の間にかスーパーヒーローに憧れて、自身のマスクやマントを手作りするのは、宇宙からやってきた存在が、田舎で暮らす一家を恐怖に陥れるのは「スリザー」を思わせているようだった。

恐ろしかったのは、ブランドンの同級生の母親の目に、天井の蛍光灯が割れて落ちて来てガラスが目ん玉に刺さった時の、血まみれのカメラワークや、ノア叔父さんが車の事故で、顎が外れた時の描写など、悪夢に出てきそうなほどの迫力でした。

しかし、一番怖かったのが、冒頭のささやかな幸福に包まれた母子のかくれんぼが、ラストではホラーシーンへスイッチがはいっており、愛情なんて思い込みに過ぎぬという、真実を淡々と描き出しているところですね。

ブランドンの個人的な事情から、殺される人々。彼は感情移入できるようなキャラクターではなく、ホラー映画の冷酷な殺人鬼、あるいはモンスターとして描かれているのである。

全編、肉体的にも精神的にもエグいシチュエーションが続いて、自分の痛い思春期思い出したりもして、憂鬱になってしまう。子供を育てた経験のある人は、さらに絶望的な気分になってしまうだろう。

2019年劇場鑑賞作品・・・174  アクション・アドベンチャーランキング

 

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