パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

天命の城★★★

2018年07月20日 | アクション映画ータ行

「トガニ 幼き瞳の告発」「怪しい彼女」のファン・ドンヒョク監督がイ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイルをはじめとする豪華キャストの共演で贈る歴史劇大作。清の大軍に包囲され籠城を余儀なくされた朝鮮王朝を舞台に、命を惜しんで屈辱の降伏か、それとも名誉を重んじて命を賭した徹底抗戦か、対立する2人の重臣と王が繰り広げる国の存亡をかけた決断までの葛藤の日々を重厚に描き出す。

あらすじ:1963年12月14日、清が12万の大軍で朝鮮に攻め込んでくる。16代王・仁祖と朝廷は南漢山城に避難するが、周囲を完全に包囲されて籠城を余儀なくされる。吏曹大臣のチェ・ミョンギルが、清との和睦を進言する一方、礼曹大臣のキム・サンホンは、大義のために死を覚悟して戦うべきと譲らず、激しく対立する2人の重臣の間で葛藤を深める仁祖だったが…。

<感想>一応、イ・ビョンホンの映画と言うことで鑑賞。本当にあった物語ですね。1636年の12月、冬の厳しい寒さと飢えが押し寄せ、外へ出ることも攻撃することもできない、絶体絶命の状況下で繰り広げられた47日間の物語が描かれる。ここでのお話は、国が危機的状況にある時、国王はどのように家臣たちに命じ、民のことを思うのかが問われる、君主たる者の在り方についての物語だろう。

この年は、もっとも寒い年で、雪が吹雪いて偉い人達は綿入れのような軍服を着ているのに、兵隊たちの服が夏服のようで、寒さを凌ぐために藁のむしろを配ったという。そのむしろでいくらかは暖を取ることが出来たのに、今度は馬のエサが無くなり、兵士にあてた藁のむしろを回収して、藁を刻み煮て馬に食べさせたのだ。

ところが、兵士たちの食糧が無くなり、今度は馬を殺して食糧にするというバカバカしいお話。これでは、絶対に戦争に負けてしまうと思ってしまった。案の定、中国大陸で明を脅かすほどの力を付けてきた清の大群が、朝鮮王朝第16代である仁祖に君臣関係を結ぶように迫って来た。

王宮を出て首都漢城(現在のソウル)の南にある南漢山城に立てこもる。この山城を舞台に、和睦か徹底抗戦かをめぐって激しい議論を続ける重臣たちと、彼らの意見を聞きながら国の進退に悩む王の姿を描いたもの。16代王・仁祖を演じるパク・ヘイルは、大臣の2人にどうしたらいいのか、意見を求める。

清に和睦交渉し、百姓の命を守るべきという信念を持つ吏曹大臣のチェ・ミョンギル役をイ・ビョンホンが。

清と戦いで、清の要求に応えるのは、屈服すること。絶対大義を守るべきと主張する礼曹大臣キム・サンホン役をキム・ユンソクが演じる。

他に、山城の鍛冶屋役をコ・スが演じているが、兵士の数が少ないので、鍛冶屋はもちろんのこと、農夫たちも兵士として出陣させられる。この礼曹大臣のキム・ユンソクが、冒頭で凍った川を渡る時に、渡し船の爺さんに道案内を頼むのだが、渡った先で爺さんを殺してしまう。爺さんと一緒に住んでいた孫娘が、一人ぼっちになり、城に助けを求めてやってきて、礼曹大臣が屋敷に匿って面倒を見ることに。

この鍛冶屋が、他の偉い重臣よりも敵に対しての戦略も強いし、礼曹大臣に命じられた密書を朝廷の憲兵たちに持参する役目を受ける。起死回生の作戦を加治屋に賭けるが、敵の中を木に登ったりして巧くかわして朝廷の憲兵のところへと持参するも、予想だにしない近衛兵の裏切りに、鍛冶屋ごときに大事な密書を持たせるとはと、信用してくれず、援軍は来ないことになってしまう。

鍛冶屋が、その後、清の軍勢の中を逃げるのも見どころであり、氷壁を草刈の鎌でよじ登る凄まじさが良かった。助かって城へ戻るが、弟は敵に殺されてしまう。そこへ、清の攻撃に遭い、礼曹大臣から預かった女の子を大事に育てるということになる。もち、礼曹大臣は自決をする。

清の皇帝は、6代王・仁祖の息子を和睦の人質として預かることを申し出るが、父親の6代王・仁祖は、自分の命も息子の命も惜しいし、助かりたいと。どうやって勝つのかを巡る議論ではなく、負けると判っての中でどう負けるのかについてである。

結局は、吏曹大臣のイ・ビョンホンが、6代王・仁祖がどうしても命が惜しいし、助かりたいという“命乞い”の願いを込めて、清に和睦交渉をしに一人で馬で行く。王の命と息子の命、百姓の命を守るべきという信念を持ち、清の皇帝に直訴を願い、大砲の攻撃を止めるように願い、それが叶うのだが、・・・。

呆気なく南漢山城は包囲され、清の大砲とハシゴで塀を乗り越えての軍勢に、降参することになるのだが、中々、大砲の攻撃が止まず塀の中では殆どの民が死に絶えることになってしまう。最後には、6代王・仁祖は、清の皇帝の前で土下座をして何度も平伏し、馬に乗ることも許されず、歩いて西の城へ軟禁状態で生き延びることになる。そこまでして持論の「生きてこそ」を貫くのである。

言葉を大切にした映画ではありますが、一方で言葉というのはどれだけ虚しいものか、という映画でもあります。彼らは言葉と文章で論争し、話し合いますが、結局はそこから生まれるものはありません。音楽は坂本龍一であり、それは重厚な響きを奏でており、映像を見事に引き立たせておりました。

 

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フジコ・ヘミングの時間★★★・5

2018年07月19日 | アクション映画ーハ行

 世界的なピアニストのフジコ・ヘミングの活動を追い、人間性や音楽性、知られざるエピソードに迫る音楽ドキュメンタリー。ワールドツアーに挑むフジコに密着し、彼女の演奏を収めると共に、両親とのエピソードや聴力の喪失といった数々の苦難、猫との暮らしなども紹介する。監督は、映像監督・演出家でミュージックビデオなどを手掛けてきた小松莊一良。

あらすじ:ピアニストとして世界を舞台に活躍し、多くの人を魅了しているフジコ・ヘミング。ワールドツアーでパリ、ニューヨーク、ブエノスアイレス、ベルリン、京都を巡るフジコに密着し、リサイタルでの演奏をカメラが捉える。さらに、ハーフへの差別や貧しい留学生活、聴力の喪失といった困難を乗り切り、夢を追い続けるフジコの人間性に迫る。

<感想>ミニシアターでロングラン上映をしているので、気になって鑑賞した。前から彼女のことは知っていたが、世界各国での音楽家として活躍していることも知っていた。しかし、有名なコンクールで優勝をしたことは聞いていない。2016726亡くなった、有名なピアニストである中村紘子さんのピアノリサイタルには2度ほど行きました。もちろんCDも何枚か購入して持っています。

1999211日にNHKのドキュメント番組『ETV特集』で「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放映されて大きな反響を呼び、60代後半にして一夜にしてシンデレラとなったピアニスト:ゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコ。60代後半でブレイクした遅咲きのピアニスト、フジコ・ヘミング初のドキュメンタリー映画です。80代になった今でも現役で、世界中を精力的に演奏活動を続ける彼女の魅力とは。

こう言っては何ですか、ピアニストとしてのフジコ・ヘミングへの世間の評価や関心は、その演奏技術よりも彼女自身のキャラクターやドラマチックな半生に対する生きざまに対する興味の方が強いときてる。

期せずして訪れた成功に喜ぶよりも、彼女の皮肉な微笑みで対している彼女を見て、相当な地獄の中で生きてきたのだと思った。本作ではその生活の優雅な部分の代償である苛烈さも撮られていた。

彼女の鍵盤を叩きつける農婦のようなごつい手、音楽でも言葉でもなく、フジコ・ヘミングの何気ない仕草が、彼女の人柄を感じさせていた。

例えば、道端の浮浪者に小銭をくれてやる優しさや、花屋の店先で鉢植えから落ちた花を鉢にもどしてやる姿、あるいは歩道を嬉しそうにはしゃいで、父親と歩く子供に向ける眼差しとか。

スウェーデンの父との別離、母親からの厳しいピアノレッスン。ハーフへの差別、貧しいドイツ留学生活、聴力の喪失などの苦難を乗り越え、夢を諦めなかった彼女の人間性と音楽に対する意気込み。

遅咲きのピアニストではあるが、毎日の練習時間を6時間とし、常にコンサートの曲は暗譜をして、譜面を見ないで弾いているのだ。両方の耳の聴力を失くしてからは、自分の感性と子供のころに弾いた曲を思い出しながら、演奏曲に強弱をつけて、その曲を自分流に解釈してアレンジをし、弾いて聞かせているのも素晴らしかった。

パりでの生活に密着取材、そこには愛ネコの“ちょんちょん“がいる。かなり高齢らしく、後、何年生きられるか分からないというのだ。自分もそう、80歳を過ぎても、世界を飛び回り演奏を続けている彼女のタフさは、どこからきているのだろう。

彼女と家族を日本に捨て置いたスウェーデン人の父親が、デザインして描いたポスターを見て、まぁ、こんなものを作れるんだから、彼も悪いだけの人間じゃなかったと思う。と心に父親の面影を見ている。弟がいるのだが、日本で俳優をしているのだ。

映画の中では、たくさんのピアノ曲を弾いてくれる。中でもラストの、リストの曲で「ラ・カンパネラ」は圧巻でした。「ラ・カンパネラは誰よりも自信がある。魂を込めて引かないといけない曲だから、ごまかしがきかない」と豪語する、彼女の生きざまを教えてくれる。

日本には京都と母親が遺してくれた家を始め、ニューヨーク、パリ、ドイツなど、彼女が持っている家が数件ある。自分の今までの苦労を、その家を残して回るという楽しみを、「人生とは、ゆっくりと時間をかけて、私を愛する旅」だと自身を語る、彼女の過去と現在とを並列させることで生まれるモンタージュ。それに加えて、何気ないインサート映像を挟むことによって、フジコ・ヘミングの人柄を浮かび上がらせようと試みている映画でもあります。

 

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セラヴィ!★★★★

2018年07月18日 | アクション映画ーサ行

「最強のふたり」「サンバ」のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督コンビが贈る結婚式コメディ。引退を決意したウェディングプランナーが、人生最後の大仕事と意気込む結婚式で、次々と予期せぬ騒動に見舞われるさまをコミカルに綴る。主演は「ムッシュ・カステラの恋」のジャン=ピエール・バクリ、共演にジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュ。

あらすじ:ウェディングプランナーとして長年にわたり数々の結婚式をプロデュースしてきたマックスだったが、そろそろ引退の頃合いと思い始めていた。そんなある日、彼のもとに17世紀の古城を使った豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込む。しかし新郎新婦にとっての最良の舞台にしてあげたいとのマックスの意気込みとは裏腹に、集まったスタッフたちは揃いも揃ってポンコツばかり。次から次へとトラブルを引き起こし、いつしか式は混沌の様相を呈していくのだったが…。

<感想>日本公開フランス語映画歴代興行収入1位の大ヒットを記録した「最強のふたり」のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督最新作。トラブルだらけの結婚式場の1日をユーモア満点に描いている結婚式コメディ。ハレの日もあれば、悩める日もあるさ。結婚式を舞台に繰り広げられる、遊びゴコロと優しさに満ち溢れた、私たちへの人生賛歌になってました!

30年のキャリアを持つ、初老のウェディングプランナー、ジャン=ピエール・バクリが主人公を務め、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュらが共演している。古城を舞台にした豪華な結婚式の依頼に、マックスは式の成功に向けて完璧に準備を整えるのだが、ポンコツなスタッフの不手際で、結婚式はトラブルが続出の惨事と化していくのであります。

それは古い屋敷なので、電気の使い過ぎでショートしてしまい停電するし、冷蔵庫のスイッチが切れて、メインの料理・羊肉のソテーが全部腐ってしまい、それを始めに食べたバンドマンたちが腹痛を起こしてしまい、バンドはジル・ルルーシュのワンマンショーとなってしまう。メイン料理の替わりに冷凍パイ包を解凍してオーブンで焼き上げる。しかし、そのパイの中身が鰯のオイルサーディンで、かなり塩辛く炭酸の水を1人1本ずつ配り、腹を満たさせる計画。

とにかくにも、本当にゲラゲラと笑えるコメディになっていた。ジャン=ポール・ルーブが演じているカメラマンの男が、スマホで自分と意気投合する女性を捜し、会場の中にいるのを見つけて、ラブラブカップルになってしまう。その相手が、新郎の母親であるとは驚きです。でも美しい姑さん。息子の結婚式に、自分も満足して帰るとは。

それに、バンドのヴォーカルの男は、ワンマンショーで自分本位で歌を歌うし、ジル・ルルーシュが演じているのだが、本人が歌を歌っているのか凄く巧いときてる。食事担当の黒人女性アデルのアイ・アイダラと、初めは喧嘩をしていたが、いつの間にか抱き合いキスをして出来てしまうのだから、フランス人たちの恋愛事情が物凄いことになっていた。この二人が、新郎の余興のバルーンのロープを両端で持っていたのに、目と目を見つめ合って手を放して、しまいには抱き合いキスをする。

特に新郎のピエールが自己中男で、途中でスピーチを長々としては来客にドン引きさせるし、最後に自分の得意とするバレエみたいな、大きな風船にぶら下がり宙に浮いて、まるで白い白鳥みたいな感じで良かったのに、風船のロープを持っていた両端のスタッフが、ドジをする。それは観ていて、とてもロマンチックであり、なんて素晴らしい余興だろうと誰もが上を仰いで見つめ、そこへラストの花火に火が付いてしまい、綺麗なのだが物凄い勢いで全部の花火を打ち上げてしまったから大変なことになってしまう。

どうしようもないのが、マックスの甥っ子のバンサン・マケーニュも、新婦と知り合いらしく、勘違いの愛しているで、給仕の仕事をそっちのけにして、客を装い新婦の傍にべったりと座って、挙句にダンスまで踊っているずうずうしさに驚いた。

マックスと付き合っている仕事仲間のスザンヌ・クレマンは、マックスが妻と離婚をしてくれないことに苛立ち、若いスタッフと仲良くなり、ダンスシーンとかキスなどをこれ見よがしに、マックスに見せつける。

マックスもまだ妻に未練があり、離婚の事を切り出していない。だが、妻は元恋人とよりを戻して、一緒になるという結果に、最後にはジョジアーヌに結婚を申し込むという嬉しい結果になるから、フランスでは当たり前のことなのかも。それでも、12時半頃には、何とか式は終わりになり、来客は帰ってしまう。

ラストまで、お腹を抱えて笑えるドタバタ劇になっていたが、深夜から明け方までにかけてのシーンが、とても感動的で素晴らしかったです。屋敷の中にローソクを灯して、民族楽器の演奏に合わせて、新郎新婦がダンスをしている。見ていて、心に残る名場面になっていた。うっとりとした顔の新郎新婦に幸あれですね。

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モリのいる場所★★★★・5

2018年07月17日 | アクション映画ーマ行

2017年に没後40年を迎え、再び注目を集める伝説の画家・熊谷守一(モリ)とその妻・秀子の晩年の暮らしぶりを名優・山崎努と樹木希林の共演で描いた伝記ドラマ。30年間ほとんど自宅の外に出ることなく、庭の小さな生きものたちをひたすら観察して絵に描き続けたモリの浮世離れした生き様と、それに動じることなく、一緒に山あり谷ありの人生を歩んできた秀子との深い愛情をユーモラスなタッチで綴る。監督は「南極料理人」「横道世之介」の沖田修一。

あらすじ:昭和49年、東京。94歳になる画家のモリは、30年間自宅から出ることもなく、小さな庭に生きる虫や草花を飽きもせずに観察しつづける、まるで仙人のような毎日を送っていた。結婚生活52年の妻・秀子は、そんなモリの浮世離れした言動を当たり前のことのように飄々と受け止めていく。そんなある日の熊谷家。いつものように夫婦のもとには、朝から様々な訪問客がひっきりなしに現われ、にぎやかな一日が始まろうとしていたのだったが…。

<感想>30年余りも家と庭から外へ出ないで暮らす老画家夫婦の夏の1日を描いている。この映画を観るまでは、画家・熊谷守一のことは知りませんでした。冒頭での、昭和天皇が絵を見て、「これは小学生が描いた絵ですか」と質問をするところから始まるのも良かった。画伯の絵は、家のアトリエに雑然と飾られているが、抽象的な作画であり、文化勲章の授与を断ったというお方。

彼が1日中、家と庭から出たことがないという、一見そうなっているかのようだが、そこが問題である。山崎努が鬱蒼とした雑木林に囲まれた、住宅地における最大限の大自然な家が画家・熊谷守一が住む家だった。

朝ご飯がすむと、この朝ごはんの食卓風景も、まるでコメディである。守一の傍にはハサミやペンチのようなものがあり、みそ汁の具が大きいとハサミで細かく切って食べるし、ウィンナーはペンチでぎゅっと挟んで、ぺちゃんこにして食べる。お昼のカレーうどんは、箸にツルツルするうどんが掴みきれずに往生して、しまいには、丼ごと口へ運ぶものだから、こぼしてしまうのだ。

草木の茂みを散歩する庭歩き、蝶々や、カマキリ、セミが抜け殻から出るところ、そしてふと立ち止まり蟻の行列を見て、地面に寝転んでしばしの間眺めているのだ。1回ほど、彼が庭から門のところまで行き、外を覗き、自分の家の周りを歩くというシーンもある。

驚いたのが、庭の中に、下へ降りる階段があり、下には池があり木陰の隙間から太陽が覗いている。池には、めだかか、サンショウウオまで泳いでいる。それに、上の庭には、金魚が泳いでいる小さなカメもあるのだ。庭のいたるところに、一休みの出来る椅子のような石とか、樽とかが置いてあるのもいい。それに、疲れると庭の道にゴザを引き、寝っ転がって空をみるのだ。

妻の樹木希林が洗濯の干し物をする姿も含め、老夫婦の世界は成り立っているのだが、多彩な要素が加えられる。一緒に住んでいる姪っ子がいる。食事や掃除、来客の世話などをしている。それに、よく脚をつるのでスイミングへ行くと、そこでもバタ足泳ぎから脚がつり、大騒ぎ。

朝から次々と来訪者が登場するのは、主人公の寡黙さや純粋さを来客の賑わいで際立たせようという工夫なのだろう。それに、外の出来事が挿入される。隣にマンションが建つということで、その建設反対のビラが塀に貼ってあるし、その建設の現場監督がやってくるのだ。

 

隣にマンションが建つと、庭に太陽が当たらなくなる心配がある。それで、庭に掘った穴の下にある池。それを埋めて、庭にしようということになる。その穴を埋める土と労力はどうするのかと言うと、老画伯は頭がいいときている。その結果がどうなったかは、映画をご覧ください。

もちろん画商や、絵画関係者がひっきりなしに家にいるのだが、彼を撮影しようとするカメラマンの加瀬亮が、若い男を連れてやってきたり、信州の温泉宿の主人が、看板を描いてくれとヒノキの板を持参する。

その温泉旅館の看板に大きく墨で描いた字は「無一物」。旅館の名前を描いて貰いたかったのに。それに、家の門に貼ってある表札が、よく盗まれると言う出来事がある。姪っ子が、怒りながら守一に、「また書いてね」と頼むと、饅頭がはいっていた折の蓋に墨で書いてやる。

姪っ子がスイミングスクールから帰って来ると、大きな荷物の中から、肉や野菜がたくさん出て来て、少し痩せたから今夜はスキヤキにしようというのだ。樹木希林が、こんなに多い肉をどうするのと。すると隣のマンション建設に来ていた人たちを呼んで、ご馳走する。大勢での夕ご飯にも、この家の主人公は、スキヤキを美味しそうにほおばり、晩酌をして楽しんでいる。その後は、少し縁側の椅子で寝る。そして、12時頃に起きて、妻が「あなたお仕事の時間ですよ」と言って、アトリエに姿が消えてゆく。

ラストの展開では、写真家の加瀬亮が、傍に建ったマンションの屋上に駆け上がり、下を覗きカメラを取り出して撮る。画伯の鬱蒼たる庭が映し出され、老夫婦の姿が小さく見えた。

小さな自然の庭に、無限の広がり、無限の命、無限の自由を感じ取り、草花の前にうずくまりながら、無限の世界と戯れるのだ。仙人というより、まるで森に佇む妖精のようなお爺さんみたいだ。美しい木々の緑と、草花の映像、自然体のユーモアで老夫婦の日常を切り取ったドキュメンタリーのようでもあった。

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インサイド★★・5

2018年07月15日 | アクション映画ーア行

世界的にセンセーションを巻き起こしたジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督による2007年のフレンチ・バイオレンス・スリラー「屋敷女」を、「スペイン一家監禁事件」のミゲル・アンヘル・ビバス監督でリメイク。臨月のお腹を抱え、突然自宅に現われた謎の女に追いかけ回される戦慄の恐怖を描く。主演は「P2」「トカレフ」のレイチェル・ニコルズ、共演にローラ・ハリング。

あらすじ:妊婦のサラは交通事故に遭い、同乗していた夫を亡くし、自身も重傷を負う。お腹の子どもは無事だったが、サラには補聴器なしでは音が聞こえない障害が残ってしまった。そんな中、出産が間近に迫ったある夜、電話を貸してほしいとドアをノックする女が現われる。不審に思い追い返したサラだったが、念のため警察に来てもらう。事情聴取を終え、再び眠りにつこうとしたサラは、部屋の中に浮かび上がる見知らぬ女の影に気づくが…。

<感想>オリジナルの「屋敷女」は鑑賞してないので知りませんでした。冒頭での交通事故で車が一回転をして下敷きになる衝撃に、中にいる夫婦はもうダメだろうと思ったのに、妊娠中の妻・サラが無事でお腹の子供も順調というなんというラッキーなことでしょう。そんなことがあっての出産ならば、大きな屋敷に母親とか、友達とか一緒に住んでもおかしくないのに、出産間近なのにね。

どういう訳か、意固地になって一人で住んでいるサラ。夫の友人のアイザックが、今晩は泊まってあげるというのを、いいからと断ったのも悲惨な結果に。予期して、こうなったというか、事故の結果を話していないので、犯人が誰なのか、何を目的に、と思っていたら、最後近くまでその答えを引っ張り、犯人の中年オバンの怖さをこれでもかと、見せつけてくれる恐怖をわざとらしい展開で、長引く長引く、その間に友人のアイザックに警官が2人と、アイザックの友人の男がそのオバサンに殺されてしまう。

それに、妊婦の母親がやってきたのに、サラが犯人のオバサンと間違って、母親の首をカガミの切れ端で切って殺してしまうとは、これまた悲惨な感じがしてならなかった。まぁ、絶対に主人公の妊婦と赤ん坊は助かるのだろうと思ってみても、それまでに何人の犠牲者が出ればいいのか、外は大雨で窓から叫ぶ妊婦のサラの叫びも誰にも届かないのだ。

犯人のオバサンは、交通事故で正面衝突した車の女で、そのオバサンも妊婦で事故の影響でお腹の子供は死んでしまったらしい。それで、サラのお腹の赤ん坊を自分の子供として育てたいと考えて、向かいの家に引っ越してきて、サラの様子一部始終カメラで撮って観察していた。

計画的で、サラの家に盗聴器まで付けていて、サラが初産で出産の兆候が遅いらしく、医者が出産をうながす薬を使ってお産をするということになる。その話も聞いていたオバサンは、サラに睡眠薬を含ませたガーゼを口に押し付けて眠らせ、その間に点滴で陣痛促進剤をサラに打ち込むという恐ろしく準備のいいオバサンであった。

元看護婦でもしていたのか、それは分かりませんが、何しろサラを殺してでも、お腹の子供を取り出して自分の子供にしたいという願いが強くて、キッチンにあるハサミを片手に襲って来る。何度もサラが反抗してもダメで、しつこく追いかけてきては襲い掛かるという。

主人公が妊婦で、耳が聞こえなくて補聴器をしている。だから、犯人がトイレのドアをしつこく刃物でグサグサと刺す恐怖シーンや、そこから逃げ出すサラを悪魔のような顔をして追いかけて来るオバサン。補聴器が壊れて外すサラは、まるで耳が聞こえないような状態。

何度も言うようですが、犯人はどうみても50歳くらいのオバサンで、「コレラの時代の愛」に出ていたローラ・エレナ・ハリングと言う、1964年生まれの54歳の女優さんが演じていて、妊娠をしていても高齢出産で難しいようですね。もっと主人公のサラと同じような若さの女にすれば、事故で子供が生めない身体になったという同情もするでしょうに。

大雨の夜中に、サラが外へ飛び出すところ、もう破水までしていて出産間近なのに、お腹の赤ん坊は大丈夫なのだろうか、パトカーの2人が来て殺され、そのパトカーにサラが乗って無線で手短に連絡をする。早くパトカーが来てくれることを祈るばかりです。ですが、そこへあの犯人がやって来るのですからね。パトカーの窓ガラスを破るは、サラが車を発進させると運転席に乗りこむわ。木に激突するわで、もうダメかしらと感じさせる状態が多いです。

このしつこさは、女性の犯人特有なんでしょうか、あきらめない恐怖、プールの上にシートが貼ってあり、そこにサラが足を滑らせて落ちてしまう。そこへ物凄い形相のオバサンが、手には手術用のメスを持ってサラの腹を掻っ捌いて、何が何でも赤ちゃんを取り出そうという根性には驚きもんですから。

プールの中に落ちて、二人で格闘するシーンも、サラが気絶をしたのか沈んでいくし、それでも、主人公を助けて上げたいし、早く警官が来てくれればいいのにと願うばかりです。最後に浮かび上がったサラが、陣痛が始まり赤ちゃんを自分で産み落とすところなど、感動シーンもあるが、それにしても警察の遅いことといったら、救急車が先に駆けつけるのも遅いです。怒りを込めて評価が低いですから。

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ジュラシック・ワールド/炎の王国★★★★

2018年07月13日 | アクション映画ーサ行

大ヒット・ベンチャー超大作「ジュラシック・ワールド」の続編。恐竜テーマパーク“ジュラシック・ワールド”で起きた大惨事から3年後を舞台に、大噴火の危機が迫る中でオーウェンとクレアが繰り広げる恐竜救出作戦の行方と、恐るべき陰謀に巻き込まれた彼らの運命を、臨場感あふれる迫力のアクション満載に描く。出演は引き続きクリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード。監督は新たに「インポッシブル」「怪物はささやく」のJ・A・バヨナ。

あらすじ:3年前の惨劇以来、人間が放棄したコスタリカ沖のイスラ・ヌブラル島では、“ジュラシック・ワールド”の恐竜たちが文字通り野生化し、島中に棲息範囲を広げて生き続けていた。しかし島の火山活動が活発化し、大噴火が迫っていることが明らかとなる。パークの元運用管理者クレアは、恐竜たちを絶滅の危機から救うため、恐竜監視員だったオーウェンに協力を要請し、救出隊を組織して島へ向かう。島に到着したオーウェンは、ずっと気に掛けていたヴェロキラプトルのブルーとの再会を果たす。しかしこの救出作戦の背後には、彼らの知らない恐るべき陰謀が隠されていたのだったが…。

<感想>2015年に興収95億円超の第ヒットを記録した恐竜アドベンチャーの続編がいよいよ公開です。第1作、2作に出演したジェフ・ゴールドブラムが、イアン・マルコム博士役でシリーズ復帰。第1作、そして前作「ジュラシック・ワールド」の舞台となったイスラ・ヌブラル島から物語は始まります。

同地にあったパークは惨劇の後、放棄された恐竜たちの楽園になっていた。だが、島の火山が活発化。3年前にパークで働いていたオーウェン(クリス・プラット)やクレア(ブライス・ダラス・ハワード)が恐竜を避難させるために再び島に降り立つところから始まる。

他には、生物学の専門家であるジア・ロドリゲス(ダニエラ・ピネダ)獣医の心得もある恐竜保護団体のメンバーであり、ブルーが銃で撃たれてタンカーに乗せられて、ロックウッド財団の屋敷の地下に入れられる。船での搬送中に、輸血をして生き返らせる。気弱なコンピューターオタクの青年フランクリン・ウェブ(ジャスティス・スミス)思わぬ活躍を見せてくれる。

本作の面白さは、手に汗握るパニック描写を映画前半に山のように盛り込みながら、シリーズが今まで踏み込まなかった新展開になだれ込むところ。さらには過去作とのリンクは前作よりも倍増しており、コアなファンにはたまらない仕掛けと演出が大量に用意されている。

火山の噴火寸前のイスラ・ヌブラル島へやってきた探検隊が、恐竜を捕獲する危険なミッションに挑む。山は裂け、マグマが雪崩のように押し寄せて来る。恐竜も人間も必死の形相で走り回る。第1作でも語られた火山島という設定の伏線が回収された。逃げ場なしの危険度はシリーズ随一であります。

IMAX3Dにて鑑賞した。やっぱり大画面だし、他と比べて没入感がまるで違うのがIMAXの一番の凄いところ。あと、今回はいままで一番恐竜の数が多いので、なおさらのことIMAXを大画面で堪能しました。それに音響もいいしね、鼓膜がビリビリと震える感じがライブ感もあって最高です。前作で超可愛かったブルーも大きい画面で見たら、もっとキュンキュンしちゃうんじゃないかな。それに、火山が噴火して逃げ回るところも迫力満点。

恐竜たちが、米国本土に上陸するのは、第2作を彷彿とさせるが、今回は滅びた種族を甦らせてパンドラの箱を開けてしまった人類の功罪に、正面から向き合っているのだ。

オーウェンが手塩にかけて育て、恐竜と人間の間にも絆が生まれることを証明したヴェロキラプトルの“ブルー”が再登場。その知能の高さゆえに捕獲のターゲットとなり、親子のようなオーウェンとの関係にも変化が訪れる。

オーウェンとクレアにとっては、イスラ・ヌブラル島の大噴火から恐竜たちを救い出すシンプルなミッションのはずだった。ところがその裏には、恐竜たちを利用しようとするさまざまな陰謀があった。前代未聞の恐竜オークションまで開催されて、人間の醜いエゴが明らかになる。

前作で新種の恐竜を生んだロックウッド財団を実質的に運営する実力者である、イーライ・ミルズ(レイフ・スポール)。恐ろしい計画で、転売目的のために島から捕獲してきた恐竜たちを、恐竜オークションにかけて金儲けを企む。こういうやからは、最後には、絶対に恐竜に食べられるのだ。

衝撃の展開に関わる人物が恐竜好きの少女メイシー(イザベラ・サーモン)恐竜保護を進めるロックウッド財団の長の孫娘である。本土に上陸をした恐竜に襲われ大ピンチに、自身の過去にまつわる悲しい現実を知り、ある行動に出ます。それは、スクリーンでのお楽しみに。

本作ではその遺伝子情報に、ヴェロキラプトルのDNAをプラスした究極の恐竜、インドラプトルが新登場する。それは、恐竜ハンターの予想を超える耐久力と攻撃力で、前作のインドミナス・レックスを上回る驚愕の恐ろしさ。前作でインドミナス・レックスを葬ったモササウルス参戦する。

凶暴さ、知性、スピード、すべてが進化したこいつを倒せるのか。大邸宅でのインドラプトルに追いかけられるオーウェンたち。ブルーがピンチを救いに来るシーンは感涙もの。最後の一体として残ったブルーは、その健気さから萌えキャラ恐竜とまで呼ばれるようになる。

最新CG技術で作り出された恐竜たちの大暴れに毎回興奮させられる人気シリーズ。前作から“遺伝子操作による新種誕生”という新たな要素が加えられ、人間側の陰謀が進行する。大噴火のタイムリミットが迫る中、恐竜たちを脱出させられるのか?・・・。

後半では、ロックウッドの大邸宅の地下で飼育されていた恐竜たち。人間が金儲けのために恐竜を使うという。その時、恐竜たちが大暴れをして、屋敷を壊し始め、地下室にある危険薬品が爆発するという。恐竜たちと人間の死闘が繰り広げられという二段構えのクライマックスが楽しめる。本作でもオーウェンとのブルーのコンビが復活する。また雄姿が見られますよ。

地下室にいる恐竜たちを、人間はアメリカの地に放してしまうのか、どうかと悩んだ末に、娘のメイシーが恐竜たちを逃がしてしまう。ラスベガスやアメリカ全土に恐竜が生息するという、これからの展開に、人間たちはミサイルを使って退治するつもりなのか、それは続編のお楽しみということになります。

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虹色デイズ★★★

2018年07月12日 | アクション映画ーナ行

仲良し男子高校生4人組の友情と恋を描いた水野美波の同名少女コミックスを佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星の主演で実写映画化した青春ストーリー。共演は吉川愛、恒松祐里、堀田真由、坂東希。監督は「荒川アンダー ザ ブリッジ」「大人ドロップ」の飯塚健。

あらすじ:ピュアで元気な愛されキャラのなっちゃん、チャラくて女好きなまっつん、物静かで超マイペースな秀才つよぽん、いつも笑顔だけど実はドSな恵ちゃんは、いつも一緒につるんでいる親友同士。4人はにぎやかで楽しい高校生活を送っていたが、恋に奥手ななっちゃんが同級生の杏奈に片思いしたことから、彼らの日常に変化が起こりはじめる。

<感想>別冊マーガレットで12年から17年まで連載されていた、水野美波原作の同名少女コミックスで、全15巻の単行本は累計発行部数300万部を突破しているそうです。少女漫画ではあるものの、主人公は男子高校生という斬新な設定であり、男子の本音が分かちゃうとして人気を集めたものです。

なっちゃんの佐野玲於、まっつんの中川大志、つよぽんの高杉真宙、恵ちゃんの横浜流星の4人は、いつも一緒にバカなことをする仲良しの高校2年生。同級生の杏奈(吉川愛)に片思い中のなっちゃんは、奥手すぎて中々連絡先を交換できずに悩んでいる。モテモテのまっつんは、杏奈の親友で男嫌いのまり(恒松祐里)に惹かれ始める。

唯一、彼女がいるつよぽんだが、地元の大学を進学するつもりでいる彼女のゆきりん(堀田真由)と、志望校(早稲田の法学部)が違うことに密かに思い悩んでいる。それぞれが問題を抱えつつも楽しい日々を送りながら、3年生になった彼らだが、ある時、恵ちゃんもついに自分の想いをみんなにぶつけてしまうのだが。高校最後の思い出になる文化祭でそれぞれ4人がとった行動とは?・・・。

青春っていいなぁ~、中学から女子高だったので、男子との付き合いには校則が厳しくてダメ厳禁でした。だからっていう訳でもないが、こういう青春ものに憧れがあります。17歳の高校生を演じた佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星の4人の俳優たち、なんとも魅力的な人たちばかりで共演している。それに、女子も純粋で可愛いし、それぞれの友情や恋模様、進学の悩みなど、何気ない高校生活の日常を、心の機微を、丁寧に描いている青春映画だった。

冒頭部分の男子4人のプールへ、服を着たまま飛び込むシーンなど、これは普通はあり得ないことで、映画だから許されること。それと、恋人同士のファーストキスですね、これは高校生だから、2人とも初心で唇とくっつけ合うことから始まるので、本当に観ていてうぃうぃしい限りでしたね。そして、夏樹も杏奈とのキスシーンでは、夏樹が熱を出してしまい杏奈の腕に倒れ込む。その時のキスというか、触れただけなので、夏樹は覚えてなかった。女性の方はしっかりと覚えていたのに、その後につれないそぶりの夏樹にがっかりですね。

なっちゃんの佐野玲於が片思いの同級生の杏奈(吉川愛)が乗っている電車を自転車で追いかける。泥水の中へ自転車から転げてハマってしまうところ。ずぶ濡れになりながら学校へ行くと、杏奈が花柄のタオルハンカチを貸してくれる。大事にしまって、それを返しに行く時にでもメールの交換をしようと考えていたのに、邪魔をするまりっぺの障害に断念する。

夏休みの滝籐賢一先生の補習授業での4人組と女子たち。滝籐賢一のかなり濃いキャラは、極辛スパイスとして効いていてよろしい。

そして、夏祭りのシーンは栃木県の足利織姫神社でのロケ。鳥居から境内までは229段の階段があり、階段を上り切るとそこには、チョコバナナや、串焼き、焼きトウモロコシ、かき氷など本物の屋台が並んでおり、美味しそうな匂いが漂ってくる。

そして、縁日を楽しむ浴衣姿の100位のエキストラが境内を埋め尽くしていた。佐野ら4人のテンションは高く、中の良さが伺える。この縁日のシーンでは、なっちゃんこと夏樹(佐野)と、彼が片思い中の杏奈(吉川愛)との恋がどう動いていくかを中心に、親友の杏奈のことが好きすぎて夏樹のことを邪魔だと思っているまりっぺ。

そんな彼女に惹かれつつあるモテ男のまっつんこと松永(中川)、ラブラブカップルのつよぽんこと剛(高杉)と、ゆきりんこと幸子(堀田真由)、みんなを温かく見守るけれど、どこか寂しそうな恵ちゃんこと恵一(横浜)。

賑やかな風景の中に、キャラクターそれぞれの気持ちの変化が映し出される。みんながみんな、恋に揺れ、恋に悩んでいる。まさに青春の1ページのようなシーンでもあり、気づくと彼らと一緒に青春を追体験しているような、感覚にさえなってくるから不思議ですね。ドキドキと懐かしさが共存している空間でした。

自分が抱いている気持ちが恋なのかどうか、はっきりしなかった杏奈が、つよぽんとゆきりんのカップルに刺激されて、夏樹の気持ちに向き合おうと一歩前進するシーン、文化祭独特のドキドキ感もリアルで、そして素晴らしく息のあった4人の掛け合い、10代の青春を目にした瞬間でした。

男子高校生のもやもやとした感じの青春映画がテーマになっていた。映画は大きく分けて2種類あり、追体験してもらうか、知らない世界を見せるかで決まる。高校生が主人公の青春映画は、絶対的に追体験であって、観客が高校時代を思い出すような、映画の中の彼らと一緒に高校生活を追体験できるような、そんな空気感を目指していて最高に良かったです。

 

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名探偵コナン ゼロの執行人★★★・5

2018年07月11日 | アクション映画ーマ行

原作コミック、テレビアニメ、映画共に高い人気を誇るシリーズの劇場版第22弾。大規模な爆破事件の真相を追う江戸川コナンが、探偵、黒ずくめの組織のメンバー、公安警察という三つの顔を持つ安室透に振り回されながらも、逮捕された毛利小五郎の無実を証明しようと奮闘する。監督は、テレビアニメ「デス・パレード」「BLEACH ブリーチ」などに携わってきた立川譲。コナンの声を担当する高山みなみのほか、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹らおなじみの面々がボイスキャストとして名を連ねている。

<感想>コナンの映画はいつもハズレなしということで、何回も鑑賞する方が多いみたいですよね。私は、TVで何回か見て面白かったので鑑賞しました。もう、4月に公開してから3か月に入るくらいのロングランのヒット上映です。感心に会場は今でも若い方のファンが大勢いましたね。

江戸川コナン、安室、そして犯人がそれぞれに正義を持っていて、それがせめぎ合っている。カッコいいアクションも踏襲しながら、キャラクターの表情や空間の設計にもこだわっている。脚本のベースは大人向けですが、子供が楽しめるところとのバランスもとっているのが素晴らしいですね。

内容は、東京サミットの地となる東京湾の新施設、「エッジ・オブ・オーシャン」。サミットが開催される5月1日には、およそ2万人もの警察官が出動するという超巨大施設で、大規模な爆破事件が発生する。そこには、全国の公安警察を操る警察庁の秘密組織・通称「ゼロ」に所属する安室透の影があった。秘密裏に動く安室の謎の行動に違和感を禁じ得ないコナン。

現場の証拠品に残された指紋から犯人はかつて警視庁に在籍をしていた毛利小五郎と断定されてしまう。毛利小五郎の逮捕を巡って安室と敵対し始めるコナンは、過去に安室が容疑者を自殺に追い込んだことがあるという奇妙な事件の話を聞く。そして、小五郎の起訴が決まろうとしたその時、警戒態勢の東京都内で、同時多発的に不可能なテロが勃発する。

毛利小五郎が事件の容疑者として逮捕されることから始まり、コナンと仲間がどうにか真犯人を突き止めようと張り切るわけです。そして、公安警察という三つの顔を持つ安室透が登場するという場面、今回は主人公コナンよりも圧倒的に安室透が目立ってましたね。何ですか、途中観ていて「相棒」の映画を間違えて見に来たのかと何度も思いましたね。

事件に隠された陰謀にコナンと公安警察が近づくなか、サミット開催の日は大型無人探査機「はくちょう」が火星での任務を終えて、地球に帰還する日でもあることが判明する。果たして、迫るXデーに何が起ころうとしているのか?・・・小五郎の無実を証明するため、身を挺して真実を追求するコナンの前に立ちはだかる、正義の味方のはずの安室。果たして安室は敵なのか?味方なのか?

今作は、東京サミットの会場を狙った大規模爆破事件を発端に、探偵であるコナンと公安警察が真っ向衝突するストーリーとなっており、 20作目『純黒の悪夢(ないとめあ)』に続き、安室透がメインキャラクターとして登場。

ある時は毛利小五郎に弟子入りした私立探偵「安室透」として、喫茶ポアロで働いている。またある時は黒ずくめの組織のメンバー「バーボン」として、凄腕の探りやとして活動する。コナンの前にたびたび顔を見せる謎の男。その正体は、警察超警備局警備企画課(通称ゼロ)に所属する公安警察。降谷零(ふるやれい、この名前が本名)という、トリプルフェイスを使いこなす超重要人物。

今作では、不穏な動きを見せる安室にコナン達が翻弄される中、爆破事件の容疑者として毛利小五郎が逮捕されるという衝撃の展開が襲い掛かる。そして安室の真の目的とは?それぞれの“正義”を護るため、ぶつかり合う二人がどんな結末を迎えるのか期待が高まります。

本作品では、降谷零の所属する警察庁の警備企画課の中にあるゼロ、風見裕也の所属する警視庁公安部、そして岩井紗世子と日下部誠の所属する検察庁が複雑に絡み合う内容となっています。よって、これらの関係性を整理することが重要になります。

NAZU不正アクセス事件:この事件により、羽場二三一は逮捕されてしまいます。この事件は、NAZUの不正アクセスの犯人が、ゲーム会社であるとあたりをつけて潜入した羽場二三一が、逆に不正アクセスの犯人として逮捕されてしまいます。 羽場二三一を協力者として家族のように思っていた日下部誠検事は、自らとの違法な関係性を告白してでも彼を助けようとしますが、警備企画課の指示に従った岩井検事はその事実を握りつぶします。 そして、安室透の取り調べを終えた後、羽場二三一は自殺してしまいます。この事件をきっかけにして、日下部検事は、上であげた検察と警察庁の関係性が健全に行われていないことに大きな怒りを感じます。

衛星の警察庁への墜落:この事件は、日下部検事によって引き起こされました。動機は、警察庁の公安の権威を失墜させてNAZU不正アクセス事件の復讐を果たすためでした。羽場の命日に衛星のコントロール系統を奪い、コードを書き換え、警察庁に墜落させようとする日下部に立ち向かうコナンと安室。

コードを頑なに教えない日下部に対する秘策を出す安室透。なんとそれは、死んでいたとされた羽場二三一でした。彼は、実は自殺したのではなく、安室透によって死んだこととされ、新たな身分を与えられて生きていたのでした。秘密主義の公安部隊だからこそできたことと言えます。羽場の説得によって、コードを教える日下部。彼も根っからの悪になることは出来なかったのですね。

見せ場は、サミット会場を狙った爆破テロ事件と思わせておいて、話が展開していきますが、毛利さんがなぜか犯人として逮捕されたり、公安関係者をめぐる人物たちの真意の見えない怪しい動きがあったりして、謎をはらんだまま話が二転三転していきます。こんな塩梅で進むので、最後まで眼が離せません。

しかも今回は、ストーリーを牽引する公安とその協力者の人物像にも十分にスポットが当たっており、人間ドラマとしても見応えがあった点が良かったと思います。

映像もすごみがあり、ラストのシークエンスでは、安室の危険運転が大爆発しますが、この安室のカッコよすぎるカーアクションなど。アニメとはいえ、スペクタクル感も抜群でした。そして、そして、何といっても福山雅治のエンディング曲「零-ZERO-」に感動しました。

 

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ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷★★★

2018年07月10日 | アクション映画ーア行

「クィーン」「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のヘレン・ミレンが、銃の製造販売で富を築いたウィンチェスター家の未亡人サラ・ウィンチェスターを演じる異色の伝記ホラー・サスペンス。今では幽霊屋敷として実際に観光名所にもなっている“ウィンチェスターハウス”を題材に、屋敷に巣くう亡霊たちを恐れて妄信的に増改築を繰り返した未亡人の姿を描く。共演はジェイソン・クラーク、セーラ・スヌーク。監督は「プリデスティネーション」「ジグソウ:ソウ・レガシー」のピーター&マイケル・スピエリッグ。

あらすじ:ウィンチェスター銃を開発し、莫大な資産を築いたウィンチェスター一族だったが、娘や夫に先立たれてしまった未亡人のサラ・ウィンチェスターは、高名な霊媒師から一族の不幸はウィンチェスター銃によって死んだ亡霊たちの仕業で、彼らを閉じ込めるために屋敷の建築を止めてはならないと告げられる。それを鵜呑みにして増改築を延々と続けるサラ。彼女の行動に疑問を抱いたウィンチェスター社の経営陣は、精神科医のエリックを屋敷に送り込むのだったが…。

<感想>「ジグソウ:ソウ・レガシー」のピーター&マイケル・スピエリッグ兄弟監督による、世界で最も呪われた幽霊屋敷の実話を基にしたホラー最新作。西部開拓時代に飛ぶように売れたライフルで莫大な財産を受け継いだ未亡人役を「クィーン」のヘレン・ミレンが演じていて、その屋敷を舞台に起こる奇怪な出来事を描いている。

夫と娘相次いで亡くし、ボストンの著名な霊媒師に見てもらったところ、銃で命を失った者の怨霊の祟りであることが判明。西部の果ての地に悪霊の怒りを鎮める屋敷を建てるよう助言される。彼女が没する1922年まで、館はひたすら増築された。

彼女が38年に渡り、昼夜、作り続けてきた建物には、銃により殺害された男たちの亡霊がとり憑いているという。自分の夫が売り捌いた銃の犠牲者に脅かされる恐怖と、その銃の利益で巨万の富を得た罪悪感にさいなまれる。

呪いという葛藤を抱えて生きる彼女は、亡霊たちの存在を認めることは、恐怖を克服して物事を直視すること。または、眼をそらさずに過去と向き合うことに等しいのだと、観ているうちに分って来るのだが、「そんなこと、私は最初から分かっていたわよ。いまごろ気づいたの」と言わんばかりの微笑みを見せるヘレン・ミレンが魅力的でした。

事実に基づくというタイトルを見ただけで、わくわくしたが隠し部屋や秘密の通路など美術が凝っており、ホラー仕立てに話が進むと、黒衣を身にまとった亡霊が見えるという、謎めいたサラ夫人の伝記映画が見たいような気がしました。ヘレン・ミレンの黒のレースのドレスに、頭から被ったレースで顔が良く観えないが、大女優である彼女にはさすがの貫禄さえ漂っていた。

空撮でウィンチェスター・ハウスを捉えたオープニングには燃えるのだが、地の利ならぬ、家の利を活かしてないのがもったいなかったですね。隠し部屋&通路が無数にあった迷路でもあったわけで、幽霊うんぬんの前に、屋敷の異様さを恐怖のベースにするべきだがそれがないのが残念。

従って単に幽霊が驚かせて暴れるだけになっており、さらには24時間増築していて、職人や業者やらがうろうろしているのも、怖さを和らげているのでホラーらしくない。だから、ホラーを撮るのには絶好の場所になのに、ピントがずれていた。

小道具を使った演出のタイミングの絶妙さ、クライマックスに西部劇の要素が入って来るのも面白いですね。アヘン依存やサンフランシスコ大地震と、絡めてあるのもミソでした。

夫や娘を亡くした未亡人が、残された遺産でカリフォルニアに屋敷を構えるが、毎日24時間、家を改装し続けるという奇妙な生活を始める。そのため、彼女の屋敷は部屋数が500を超えることになっていた。盲信的に改築を続けて財産を食いつぶす未亡人サラを、ウィンチェスター社の経営陣は怪しく思い、精神不安定を理由に経営権を奪うために、精神科医のエリックを彼女の元へ送り込むわけ。

未亡人サラによると、一族に起こる不幸は、開発した銃によって命を落とした亡霊による仕業と信じており、彼らを閉じ込めるべく部屋を作り続ける必要があると、霊媒師に告げられていたが、精神科医のエリックの診断によると、未亡人サラには異常があるとは思えなかった。

怨霊を閉じ込める部屋を作り続ける夫人が、夜中に設計図を描いている。深夜の12時になると金が鳴り、怨霊たちが出て来るというのだが、本当に音がけたたましく響き、亡霊たちの騒ぎで建物が壊れるという、だから毎日大工が立て直しても、すぐに壊されてしまう。ガーデニングの部屋には、板が13本の釘で扉を閉め切っていた。そのガーデニング部屋が気になり、エリックが入っていくと、たくさんの銃で亡くなった怨霊たちが現れるも、亡くなった自分の妻の亡霊が出て来て、勇気づけられ慰められる。

そんな中、一緒に住んでいる姪っ子の息子ヘンリーが、夜な夜な、何者かにとり憑かれる。それは、頭巾を被った南北戦争の勇士。サラ未亡人を襲ってくる恐怖、ヘンリーにとり憑いて暴れては、未亡人サラに復讐をするという。

精神科医のエリックが、夜に起こる怪奇現象に立ち向かうのだが、若い使用人は銃で命を亡くした霊だったとか、老人の執事もかんたんに殺されてしまうし、建築家の社長も、亡霊に襲われる。釘を13本扉に打ち込むのも、亡霊を閉じ込めるという意味があるのか、あまり意味がないように思われた。

 注:深夜の12時に鳴り響く鐘の音。迷路の通路の奥にある階段の上には、閉ざされている屋根裏部屋がある。そこに潜んでいるたくさんの亡霊たち。

頭巾の将軍の霊。自分の兄をウィンチェスター銃で殺された南北戦争の勇士、彼は人殺しの道具で巨万の富を築いたウィンチェスター家に復讐を誓い、亡霊として出て来る。

インディアンの霊、ウィンチェスター銃によって最も大きな被害を受けたのは、アメリカ先住民たちだった。一族が全滅させられことも多かった彼らの怨念も、ウィンチェスター館に封印されていた。

黒人奴隷の霊、アフリカから商品として無理やり新世界に連れてこられ、人間として扱われることのなかった黒人奴隷たち。反逆すればウィンチェスター銃の餌食になる。彼らの無念も館に宿っている。首に鉄の鎖に繋がれた奴隷が亡霊となって出て来る。

 

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パンク侍、斬られて候★★★

2018年07月09日 | アクション映画ーハ行

芥川賞作家・町田康が執筆した、江戸時代が舞台の人気小説を映画化。規格外の能力を持つがいいかげんな侍である主人公・掛十之進には綾野剛がふんし、自らがまいた種で起こる騒動に翻弄(ほんろう)されるさまが描かれる。『謝罪の王様』などの宮藤官九郎が脚本を手掛け、『シャニダールの花』で綾野と組んだ石井岳龍監督がメガホンを取る。共演は、北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、渋川清彦、國村隼、豊川悦司ら。

あらすじ:江戸時代とある街道で、自らを「超人的剣客」と豪語する浪人・掛十之進(綾野剛)が突然、巡礼の物乞いを斬り捨てる。彼は、この者たちがこの地に恐るべき災いをもたらすと言い放つ。黒和藩の家老・内藤は、掛の語る新興宗教「腹ふり党」の脅威を利用して政敵を陥れようと企むのだが、・・・。

<感想>江戸時代を舞台に、隠密ミッションをめぐって繰り広げられる10人の男たちの腹の探り合いと、1人の女をめぐる恋の行方、そして謎の猿将軍が明かす驚がくの真実を描き出している。とここまで面白そうになってましたが、違うんですね。最後には、主人公の十之進さえも“騙される”という予想外の展開と、江戸時代でありながら現代風の口調で紡がれる滑稽な会話劇に続き、後半では猿と人間による壮絶な大合戦が壮絶であります。

「シン・ゴジラ」の特技統括を務めた特撮監督の尾上克郎が手がけた合戦シーンは、CGで、多い時では1カットに1億匹の猿、3000人の人間が映り込むことがあるという。

それに超人的剣客にして適当なプータロー侍の主人公・掛十之進を、綾野剛が演じているのが最高でした。共演には北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、永瀬正敏ら豪華実力派俳優陣が集結しており、さらに物語の鍵を握る猿将軍・大臼延珍(デウスノブウズ)を、永瀬正敏が特殊メイクで演じていた。

主人公の掛をはじめ、様々な濃いキャラクターたちが縦横無尽に活躍し、人と猿と腹ふり党の合戦があり、と非常に欲張った映画だと豪語する石井監督の言葉通り、映画の仕上がりは前代未聞の作品に出来上がっていた。

“将軍の格好をした猿”の名前は、大臼延珍(デウス・ノブウズ)。メイクアップアーティスト・JIRO氏による特殊メイクを施されて同役を演じた永瀬正敏。なおかつナレーションをしていたことは、ネタバレ禁止って何故?

これが実は宮藤官九郎の独自の工夫であるらしく、大きな意味があると言うのだ。しかしだ、そんなに巧く機能していないようだった。と言うか、パンクがオリジナルのロックの活気リバイバル戦略として、チンピラさを意識的に演じたメタなものなのだと言うことと、この物語全体が登場人物を突き放した語り手に語られていないように見えたから。

浅野忠信さん演じる茶山半郎の初登場シーンでは、全部浅野さんのアドリブだそうです。顔になにやらいろいろと線を描き、まるでキチガイの風体ですから。黒子2人は、黒人の俳優さんみたいな、でも流暢に日本語でセリフを喋るし、その横では染谷将太の侍が、冷静にセリフを言っているし、そして最後には裸になり、腹ふり党信者になり踊り出し、本当にカオス状態。訳が分からない。

それでも全編に渡って、フトドキでふざけていて、不真面目であるけれど、狂った態度に狂った騒動があちこちに、世界の現実や世間のデタラメが透けて見えるもんだから、もう面白いったらなかった。

宮藤官九郎の脚本も原作にノリノリであり、とんでもなく自由奔放であった。だから演技陣の真面目な怪演もワクワクとさせるし、各キャラのなりふりも超リアリズムで度肝を抜いているのだ。天下分け目のヤラセの大暴走に、猿まで加わっての大迷走。それに、北川景子のキャラも珍しくぶっ飛んでいて、最後には親の敵討ちを決めていて良かった。

新興宗教とやらは、ふんどし一丁で、ハラボテの腹に丸を書いて、何も考えずにただただ酒を飲み遊び呆けて、腰ふりダンスで踊れば楽しいと言う世の中では、財政も困窮しているし、どうやって食べて暮らしていけるのだろう。

それもこれも、内藤と犬猿の仲にある次席家老・大浦主膳を失脚させるために利用しようと考えた策略。その計らいは見事に成功…その後、“腹ふり党”が既に存在しないという事実を知った内藤は、黒和藩に転がり込んだ掛(綾野剛)にとんでもない事を命じる。

嘘のでっち上げ騒動が、政略に不満を持つ民衆たちの大騒動となり、始終がつかなってしまうという話なのだ。それもこれも、殿様が我が藩の一大事ゆえにと、自分がその猿と民衆の合戦に出てゆくものだから、殿様だろうがこてんぱんにやられて殺されてしまうのだ。こんなのってあるか、呆れてモノも言えなく、バカバカしくさえ思う。観ていて、殺伐としていて、楽しくないのだ。

だから、そんなに観客には好評でもなく客数が少ないし、余りと言うか笑いどころ満載と言うほどでもなく、内容的には白けていましたね。

 

018年劇場鑑賞作品・・・133アクション・アドベンチャーランキング

 

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恋するシェフの最強レシピ★★★・5

2018年07月08日 | アクション映画ーカ行

「レッドクリフ」「ウォーロード 男たちの誓い」の金城武が、18歳年下の料理人見習いの女性に翻弄される若手実業家を演じるロマンティックコメディ。金城がジン、「シチリアの恋」のチョウ・ドンユイがションナンを演じるほか、「レッドクリフ」でも金城と共演した台湾の人気女優リン・チーリンが出演。2017年・第30回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映で「こんなはずじゃなかった!」のタイトルで上映された。

あらすじ:ビジネスにも食事にも常にパーフェクトを求め、世界の味を知り尽くした実業家のルー・ジン。彼が買収に成功した上海の名門ホテルで有名料理長が提供する料理はどれも彼を感動させるものではなかったが、見習いシェフのションナンが編み出す斬新なレシピだけはジンの舌を満足させた。ジンが指定したテーマに合わせ、完璧な料理を次々と提供していくションナン。2人は食を通して心を通わせていくが、ジンたちの前にションナンの才能を軽々としのぐ美人シェフが現れる。

<感想>物語は、グルメな大富豪が恋した相手は、世界一のトラブルメーカー!?金持ちでイケメンで潔癖症の男、色気はないが明るくて才能溢れる貧乏な女とかわいい犬。劇中では、金城武が流暢に中国語を話しているのも当然であり、水を得た魚のように、コメディ演技にも拍車がかかっていた。

今作では偏屈な富豪という役柄なもんで、甘さは減少してたけれど、相変わらずのイケメンぶりにご対面。でもね、どうしてか竹野内豊と見分けがつかないくらい似ていた。しかし、面白かったです。

ヒロイン役は、チャン・イーモウ監督に見出され『サンザシの樹の下で(2011年)』でデビュー、"中国13億人の妹"と呼ばれる中国若手No.1女優チョウ・ドンユイ。歳の差恋愛を描いた本作ですが、18歳下の女性に翻弄される金城武の姿はとってもキュート。そして、「レッドクリフ」の超絶美女リン・チーリンも。

『ウィンター・ソング(2006年)』など"恋愛映画の巨匠"と呼ばれるピーター・チャン監督がプロデューサーを務め、チャン監督作である『ウォーロード/男たちの誓い(2009年)』、『捜査官X(2012年)』で編集監督を務めてきたデレク・ホイが初メガホンをとりました。

彼の仕事は、ホテルを買い取るためレストランの下見に来た金城は、厨房では下っ端扱いのシェフ、ヒロインの料理を気に入り、そこから始まるラブコメ。

大富豪のお抱えシェフには、美人のリン・チーリンが演じており、料理の腕もピカイチで、ジンのお気に入りだったのが、どういうわけか、自由な発想で斬新なレシピを編みだす見習いシェフのションナンだけが、ジンの舌を満足させることに成功する。

お互いに顔をあわせることなく、ジンがテーマを決めて料理をオーダーすると、ションナンもプライドをかけて完璧な逸品を次々と編み出していく。その“対決”が、ヒートアップすればするほど彼女に会ってみたいと思い始めるジン。

その彼女は、ドジでまぬけで破天荒な性格の女。どうみても高級志向のジンには似合わない。それがどういうわけか、自分の好みの食事を作ってくれるのに、心を通わせていく。

挙句の果てに、ションナンのボロアパートまで訪ねて来て、毎晩泊まり込みそこで食事を作らせ、その後は彼女の部屋のソファで朝まで爆睡してしまうのだ。

毎日、仕事が終わると、傘をステッキがわりにしてスーツケース持参でやって来る。そのスーツケースの中身は、なななんと、日本のインスタントラーメン袋入り「出前一丁」である。それも、夜中に小腹が空いたときに、自分でお湯を沸かして、時間通りにゆで上げ、その湯を捨ててから、またきれいな湯でスープを作れば、とてもすっきりとした味わいのラーメンの出来上がり。これはイケル絶対に真似してみたくなる。

このジンの楽しみの一つである完璧なインスタントラーメンの作り方。本編では3回ほど登場しますが、それがどれも微笑ましい場面なんですから。

ですが“食”を通して心を通わせはじめた二人の前に、ションナンの才能を遥かに超える美人シェフのリン・チーリンが現れるのです。これは、誰でも嫉妬しますよね。どうみても、ジンの妻のような設定なんですからね。

それに、父親も出て来て、それが厳しいのなんの、食事をする時は、食事をしながら新聞を見たり、仕事の話をしては折角の豪華な食卓の席がまずくなってしまう。

息子のジンが、ションナンのボロアパートで過ごした時の食事は、ションナンがいつも目の前で、お喋りをしながら楽しく食事をする。初めは鬱陶しかったジンも、いつも一人で豪華な食事を食べていたら、きっと寂しくてあまり美味しくなかったに違いない。

笑ったのが、フグの料理を作りフグの毒に当たった2人が、笑いながらバスに乗り込み、雨が降って無いのに降っているような錯覚がして、始終笑い転げている2人の姿が、お似合いでした。フグ料理は、免許を持っていないと料理ができないのにね。舌の痺れでロレツが回らなかったり、全身が痺れて死んでしまうなんて結果にならなくて良かった。

だから、お抱えの美人シェフのリン・チーリンも、彼に恋をしているようで、今まで自分が料理を作って満足していた彼なのに、他の女性が作った料理に興味を示したことに、女心としては何かを感じたはず。

食事は家族揃って、賑やかなに団欒しながら食べると、食欲も進むし、どんなおかずでも美味しくて直ぐに無くなってしまう。ジンもまだ幼い頃に、今みたいに金持ちでもなく、質素なアパートに暮らしていた時、ションナンのアパートのベランダに、西陽が入って夕焼けが綺麗だったことを思い出す。

父親に叱られて仕事をさっさと済ませて、次の仕事にかかれと、食事中に言われるも、あのションナンとボロアパートで、笑いながら楽しく食事をしたことを思い出し、昔自分たちも住んでいた、西陽の当たるベランダのアパートに、ションナンを連れ出して、仲良くインスタントラーメンを食べながら交わす話には、「このまま朝までいようか」というジンからのプロポーズでした。

全編、料理マンガのようなストーリー展開も面白く、久しぶりの金城武のコメディを観た。またシリアスなサスペンス『捜査官X(2012年)』のような、映画にたくさん出演して欲しいですね。

 

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マッド・ダディ★★

2018年07月07日 | アクション映画ーマ行

ある日突然、世の中の親たちが次々と我が子に殺意を抱いて狂気の殺人鬼に変貌していく恐怖を描いたパニック・ホラー。主演はニコラス・ケイジとセルマ・ブレア、共演にランス・ヘンリクセン。監督は「アドレナリン」「ゴーストライダー2」のブライアン・テイラー。

あらすじ:結婚して2人の子どもにも恵まれ、平凡ながらそれなりに幸せな日々を送るブレント。ところがある日、いつものように出勤した彼は、親たちが実の子を殺害するというにわかには信じがたいニュースに立て続けに接して何らかの異変が起きていると察するや、子どもたちの身を案じて慌てて帰宅する。そして子どもたちの無事を確認して安心したのも束の間、なぜか彼らを無性に殺したいという衝動を抑えられなくなるブレントだったが…。

<感想>ある日突然、パパとママが狂い出す!ニコちゃん映画で、こんなホラーな作品も面白い。理由も説明もないままに急に親が子供を襲って来る。それも半端じゃないくらい、殺す覚悟で襲って来るのだ。

突然だから、子供もびっくりして返す言葉が出ない。学校へも授業中に、窓ガラスの外に、生徒たちの親が迎えに来ているとばかり思っていた。それが違っていて、子供に殴りつけ、蹴りつけ、挙句にはバットやこん棒で殴る。

ニコちゃんの子供は、ケバイ化粧をした茶髪の高校生の姉と、幼い息子の2人。姉は、學校から友達と逃げるも、初めに派手な化粧をした友達の家へと、するとそこの母親が狂ったように娘に襲い掛かってくるので、そこから逃げる途中で、黒人の恋人に出会う。

この黒人の彼が、とても勇敢で彼女を守ってくれるのだ。家へ帰るとまずは、避難先に地下室へと潜り込む。すると、地下室のドアを開けろと、ニコパパがチェンソーで切り出し、その辺にある斧や金槌でドアをぶっ壊す。直ぐには壊れない間に、ドアの隙間にマッチ棒をガムテープでくっつける。

母親が、ゴムホースでもって地下室へとガスを流し込むのだ。そして、子供2人を脅す。ドアを開けるニコパパが、マッチの火が飛び火して顔に火傷をする。起こったパパが、今度が本気で子供たちに襲い掛かろうとすると、そこへピンポンと来たのが、ニコちゃんの両親なのだ。

ニコ両親も、子供のニコチャンを殺そうと必死になり、ガレージで車の上に飛び乗るし、それを息子のニコちゃんが両親を殺そうとする。地下室の2人の子供は、ガスの被害からは、壁に穴を開けてそこから這い上がり、無事だった。

娘の彼氏が、クローゼットに母親を押し込めたのに、ふいに出て来てハンガーの金具で彼の頬を貫通する恐怖。

それに、病院の出産のシーンでは、母親が苦しみながら我が子を産み感動シーンなのに、抱っこするどころか自分の赤ん坊を殺そうとするのだ。看護婦が驚いて赤ん坊をひったくり逃げだす始末。.

ニコパパが、自宅の地下室にビリヤード台を作ろうするが、ビリヤード台を組み立てて、器用にも水準器も使って完成させた瞬間に、愛する妻セルマ・ブレアに皮肉っぽく「今そんなもの買っている場合なの」と嫌味を言われて、これみよがしに、ハンマーでビリヤード台をぶっ壊すところなんかは、自分のことでも映画で撮っているかのような、浪費癖で破産寸前まで追い込まれたりしたことが、この映画の中にも出ているみたいで笑えた。

その後、ニコラスは地下室に籠城した子どもたちにドアを開けろと怒鳴り、ドアをぶっ壊す。子供たちは、壁を壊して2階へと非難していた。

ホラー・コメディみたいなので、「ホーム・アローン」みたいに子供が大人をやり込めるようにすれば、面白かったのに。子供は恐怖心が募るばかりだ。ラストが、何だか腑に落ちない終わり方であり、子供に手がかかるとか、反抗期だとか、親が子供を持て余すのなら、最初から子供を作らなければいいのに。

両親が子供に対して、凶暴化する原因がよくわからないのが惜しい。テレビの砂嵐見ただけで凶暴化するのかな? そこんとこ明確に描かれてないし、尻つぼみの展開で、何だか詰まらない。

 

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ALONE/アローン★★★★

2018年07月06日 | アクション映画ーア行

 アーミー・ハマーが砂漠で地雷を踏んで身動きが取れないまま、極限状況の中で52時間かかるという救援をひたすら待ち続ける兵士を演じる緊迫のシチュエーション・スリラー。監督は本作が長編デビューとなるファビオ・グアリョーネ&ファビオ・レジナーロ。マイクを待つ恋人役は、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」のアナベル・ウォーリス。

あらすじ:凄腕スナイパーの米軍兵士マイクは、砂漠でのテロリスト暗殺に失敗し、相棒のトミーとともに退却を余儀なくされる。しかし移動中に地雷原に迷い込んでしまい、トミーが爆死し、自身も地雷を踏んで一歩も動けなくなってしまう。無線で救助を要請するも、救援が到着するのは52時間後。昼は灼熱、夜は極寒という地獄の環境の中、次々とアクシデントに見舞われ、次第に意識も混乱していくマイクだったが…。

<感想>一歩踏み出して死ぬか、このまま死ぬか――誰もいない何もない砂漠で地雷を踏み、取り残された兵士救援まで52時間。ひとりぼっち系映画として有名な「127時間」「オデッセイ」では、自分で行動を起こさないと死んでしまうという作品だった。ですが、本作で「一歩でも動いたら死ぬ」という非情なまでの内容。だから救援が来るまで、ただひたすらに待つという“静”の行為が、これほど過酷なものになるとは思っても見なかった。

始めのテロリスト暗殺も、砂漠での結婚式という、嘘なのかホントなのか分からない行事を始めるのだ。これで、マイクもつい結婚式の花嫁と、花婿の間にいるテロリストを撃つことが出来なかったのだ。

荒涼とした砂漠地帯、まさか地雷が埋め込んであるとは思ってもいなかったわけで、風で地雷震源地の鉄板が飛んでしまい、そこへ踏み込んでしまうトミーとマイクの二人。陽気なトミーは、これで任務終了だと、早くアメリカへ帰って息子に会いたいと話す。後ろ向きに歩くトニーが地雷を踏む「カチッ」という音に恐怖心が走るも、態勢が崩れてそのまま倒れ込み地雷が爆発してしまう。

トミーが持っている無線機で救援を頼むも、ここへ辿り着くには砂嵐で52時間後、という永遠にも思える時間の長さと、マイクは多くの“壁”が立ちはだかります。

まずは、容赦なく照りつける灼熱の太陽、夜は一転して身震いするような寒さが襲う。それに、砂漠地帯特有の砂嵐に吹き飛ばされそうになるだけでなく、サソリは、いるにはいても問題外で、夜になると群れをなした猛獣(オオカミ)のターゲットにされ、眠ることも出来ずに疲労困ぱいしていく。

悲鳴を上げた肉体が要求するのは、死に直結する睡眠と、残りわずかとなった水と食料。不眠不休で助けを待つマイクは、幻覚に苛まれるようになり、無線による救援の声が「さらに17時間待ってくれ」という無情の通告を受けて、限界寸前になる。それでも助けを待つか、死んで楽になるために“1歩”を踏み出してしまうか――まさに絶望という言葉が相応しい状況だった。

それでも、一歩踏み出せという勇気には、40年前の古い地雷なので不発ということもあるという。目の前で地雷を踏んで両足が吹っ飛んだトミーは、苦しみながらモルヒネの注射を2本打ち、それでも精神的に絶望てきになり、頭に拳銃を当てて自殺をしてしまった。「マイク、お前は生き抜け」と言って。だから、自分は救援がくるまでは頑張ろうと思っているのだ。

幻覚では、恋人が「あなたは勇気ある騎士よ、一歩踏み出せば」と言ってくれるし、幼い頃に母親を暴力で虐めた父親も出て来る。母親は病気で、死の床につきマイクに話かける。結婚に踏み出せないのは、もしかして、自分にも父親の酒癖と暴力の癖があるかもということが、悩みの種。

そして、不意に現れる現住民の男(ベルベル人)だ。ジグザグに歩いてマイクの前に来て勇気づけてくれる。「俺だって、地雷を踏んで片足が無いんだ。木の義足を付けている。命があって嬉しい」と言ってくれる。だから、君も勇気をもって一歩進みだしなさいと。

水に関しては、ベルベル人が水筒に水を入れて娘が持ってきてくれた。その娘は、実は地雷を除去して、その地雷を兵士に売り金を稼ぐという仕事をしていた。その時に、その娘は地雷が爆発して死んでしまったというのだ。だから、娘の姿が見えたのは、「ラッキーだよ」と言ってくれる。それに、男の子もいる。その男の子も度々来ては、話しかけるのだが、遠くにあるリュックの中の無線機が欲しいので、取って来てくれと言っても中々やってくれない。父親もそうだ、笑って、無線機なんて頼らないで一歩前に進みなさいというのだ。

夜の真っ暗な深夜には、オオカミの群がやってきて襲い掛かって来る。スパイナーなので、腕はいい。でも恐怖にかられて無鉄砲に撃つものだから、玉がなくなってしまう。まぁ、2日目の夜には、慣れてきたのか命中していたようだ。

1日に何回か砂嵐が来るので、その時も踏ん張って嵐が立ち去るのを待つのだ。砂嵐で、亡くなったトミーの遺体がすぐ傍にいたのには驚いた。夜になると、そのトミーの遺体にオオカミが群がって、遺体を引きずり持っていく。どうすることもできないのだ。

最後には、マイクを演じたアーミー・ハマーが、想像を絶するさまざまな困難と恐怖に打ち勝つ演技が巧く、さすがに疲労こんぱいした表情も真剣に演技してそのまま倒れ込んでしまうのではと思うほど。

指揮官の冷静な声が、最終手段として、「シューマン作戦」と呼ばれる「手足の一部を失うことはあっても命だけは助かる」方法を実行しろと伝える無情な声が聞こえる。それによると、7%の確率で脚がぶっ飛ぶか、または死亡するかということになる。何度も勇気を奮って、一歩足を出すことに挑戦するも、マイクにはその勇気がないのだ。

やっと救援隊が来るのだが、この期に及んで、その前に地元の兵隊が2、3人来てマイクを狙って撃って来るのだ。脇腹や地雷を踏んでいる方の太ももを撃たれるなど、もうダメかと思ってしまう。それでも、マイクが持っていた拳銃で、敵を撃つのには、さすがに凄腕スナイパーだと確信した。

そして、マイクの身体が揺れて一歩前に体が倒れる。しかし、地雷は爆発しなかったのだ。引きついた顔と安心感の喜びと、水不足で頭が朦朧としながらも、救援隊が駆けつけてくれた時には、助かって良かったと、ほっとしました。空港で待っていた彼女が、マイクに抱き着くところなど。アメリカ兵が、世界の各地へと赴任して行くのに、余りにも悲劇的な終わり方にならなかったのも良かった。

 

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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー★★★・5

2018年07月05日 | アクション映画ーハ行

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」に続く「スター・ウォーズ」スピンオフ・シリーズ第2弾。「スター・ウォーズ」シリーズの中でも屈指の人気を誇る銀河最速のパイロットにして愛すべきアウトロー、ハン・ソロの若き日に焦点を当て、伝説のヒーロー誕生までの知られざる物語を描き出す。主演は「ヘイル、シーザー!」「ハリウッド・スキャンダル」のオールデン・エアエンライク。共演にウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク、ドナルド・グローヴァー。監督は「ビューティフル・マインド」「ダ・ヴィンチ・コード」の巨匠ロン・ハワード。

<感想>本作が描くのはハン・ソロの知られざる過去。現代的にはシリーズ1作目「新たなる希望」の約10年前に当たる。それはつまり銀河帝国による圧政下の時代。銀河一のパイロットを目指すハン・ソロは帝国のアカデミー出身だったという驚きのエピソードも明かされる。「スター・ウォーズ」シリーズ屈指の人気を誇る“愛すべき悪党”ハン・ソロ。彼はいかにして銀河最速のパイロットになったのか。ルーク・スカイウォーカーやレイアに出会う前の、若き日の彼に何があったのか?シリーズ屈指のモテ男としても知られるハン・ソロ。「帝国の逆襲」における、レイアとの「愛してる」「知っているさ」というやり取りは、余りにも有名だが、今回はレイアとの前に恋に落ちていたとされる幼馴染の美女キーラとの関係も明らかにされる。

「フォースの覚醒」でも重要な役割を担ったハン・ソロの愛機ミレニアム・ファルコン。これはもともと悪友ランドの持ち物だったが、それがハン・ソロの手に渡る経緯も今回見どころとなる。先端部分の形状が今までに登場したファルコン号と少し異なる点にも注目したい。

ハン・ソロにとって幸運のお守りとなっているのが、鎖で繋がった2個のサイコロ。最初は「EP4」のミレニアム・ファルコン号のコックピットの場面で映し出されるが、後に「最後のジェダイ」でも、ハン・ソロを象徴するアイテムの一つとして登場した。このサイコロのおかげで、ランドからファルコン号を勝ち取ったとされているのだが?・・・。

若きハン・ソロという大役を射止めたのは「ヘイル、シーザー!」で脚光を浴びたオールデン・エアエンライク。ハン・ソロの幼馴染の女性キーラには、「ターミネーター:新起動/ジェニシス」のエミリア・クラーク。そして、ハン・ソロを導く師ベケットには「スリー・ビルボード」のウディ・ハレルソン。

それに、ハン・ソロの悪友としてお馴染みのランド・カルリジアンの若日を演じるのは、グラミー賞受賞アーチストで俳優のドナルド・グローヴァー。監督は「ビューティフル・マインド」でアカデミー賞監督賞を受賞した巨匠ロン・ハワード。また、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」からシリーズに携わっているローレンス・カスダンが本作でも脚本を担当している。

「スター・ウォーズ」史上に残る名コンビ、ハン・ソロとチューバッカ。二人の友情の原点も今回明らかになる。チューイを演じたヨーナス・スオタモは「気安く何でも言える二人の関係の始まりを見ることになるよ。あと、観たことも無いチューイも見られるかも」って気になるよね。

「スター・ウォーズ」に欠かせないのがR2―D2やC-3PO、BB-8など個性的で魅力的なドロイドたち。今回は中心キャラクターとしてシリーズ初となる女性型ドロイドの“L3-37”が登場する。ランドの相棒であり、「自分で自分を組み立てた」という設定になっている。

「スター・ウォーズ」のファン、さらにはハン・ソロのファンとして、観たかったシーンのオンパレードであり、まさにお腹一杯になる。

ランドとの賭けごことや、ミレニアム・ファルコン号との遭遇など、過去シリーズではセリフだけでしか語られなかったものが、ここでは映像となって観ることができるのだから。

何て言っても注目は、相棒チューバッカとの出会いと絆の深まり。シリーズ初めてのハンが、ウーキー語を話す場面では、思わず吹き出しそうになった。

一方で、彼らがファルコン号のコックピットに初めて並ぶシーンでは、胸が熱くなってしまった。さらには、命を救い、救われる、そんな展開を目の当たりにすると、この二人が切り離せぬ関係であることが良く分かる。

銀河系高速ミレニアム・ファルコンの速さを象徴するセリフとして、有名なのが「EP4」でのハン・ソロの「ケッセル・ランを12%で飛んだ」というフレーズ。ケッセル・ランというのは、惑星ケッセルの航路のことで、バーセクトは距離を表す言葉。これがどれだけ速いことを示している言葉なのか、本作でついに明らかになる。

強盗団ベケットのチームに加わったハン・ソロとチューバッカは、莫大な金を生む仕事に挑むことになる。その仕事は不測の事態で失敗に終わるが、強烈なカリスマ性を持つベケットを、ハン・ソロは師のように仰ぐようになる。

豪雪の惑星を走る列車でのガン・アクションのシーン、この特急列車は帝国軍の特殊車両のようで、ハンとチューバックがストームトルーパーらしき帝国軍兵士と激しく戦闘するシーンも見られる。列車に積まれているお宝を強奪するために、車両の連結部分を切り離すのもスリル満点だ。まるで西部劇のガンマンのようだ。強盗団を相手に対峙するシーンもあり、この場面だけみたら西部劇そのもの。

仕事に失敗をしたベケットたちに、依頼主である犯罪王のドライデン(ポール・ベタニー)は最後のチャンスとしてある任務を与える。ちなみに、幼馴染のキーラは、ドライデンとも恋仲のよう。

その任務には、危険な航路ケッセル・ランの横断が不可欠であり、そこで、彼らが“銀河系最速の船”を持つ男のもとへと向かう。それが、ハン・ソロの悪友としてお馴染みのランド・カルリジアンの持ち船である、ファルコン号なのだ。その時ハン・ソロは知らなかった。自らを待つ運命の出会いを、そして、その先にある想像を絶する大冒険を。

とにかく、「スター・ウオーズ」ワールドのヒーローの多くはジェダイ騎士だが、ハン・ソロはそうではない。フォースを使うには俗っぽすぎる。人として良い面も、悪い面も、強い面も弱い面もある。ジェダイには禁じられている恋もする。多くの観客を惹きつけたのは、そんな人間性があったのではないだろうか。

でも、これ1本では、正直のところ消化不良な部分が多いし、その解決編は続編にでも期待するしかないのかもしれない。

 

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猫は抱くもの★★★

2018年07月04日 | アクション映画ーナ行

大山淳子の同名連作短編集を「グーグーだって猫である」「ゼロの焦点」の犬童一心監督、沢尻エリカと吉沢亮の主演で映画化。元アイドルのこじらせアラサー女子と自分を人間だと思い込んでいる猫の恋の行方を舞台劇やアニメーションを織り交ぜハートウォーミングに綴る。共演は峯田和伸、コムアイ、岩松了。

あらすじ:元アイドルで今はスーパーで働く妄想好きのアラサー女子、沙織。思い通りにならない人生に、すっかりこじらせてしまった彼女が唯一心を開くのは、ロシアンブルーの猫・良男だけ。毎日、沙織の妄想混じりの話を聞かされていた良男は、いつしか自分を彼女の人間の恋人と思い込むように。そんなある日、沙織はゴッホと呼ばれる売れない画家の後藤保と出会い、心惹かれていく一方、良男のほうはひょんなことから外の世界に飛び出して迷子になってしまうのだったが…。

<感想>物語は、元アイドルで歌手の夢を諦め、今はスーパーで働く沙織・沢尻エリカは、思い通りの自分になれなくて、いつしか投げやりな生き方に慣れてしまっていた。そんな彼女が心を開くのは、こっそりとスーパーの倉庫で飼っている、ロシアンブルーの猫・良男。沢尻エリカと吉沢亮の主演で映画化。

一日ので小言を妄想を交えつつ良男に話て聞かせる沙織。彼女の心に寄り添ううちに、良男は自分が沙織の人間の恋人で、彼女を守れるのは自分だけと思い込んでしまう。現実離れした物語の展開と、ファンタジーふうになっている構成が良かったです。

そんなある日のこと、沙織の前にゴッホと呼ばれる売れない画家・後藤保が現れる。通称ゴッホには峯田和伸が扮しており、良男は沙織のゴッホに対する変化を目の当たりにする。そして、ある晩のこと、良男は沙織を守るべく、外の世界に飛びだすが迷子になってしまう。と言うか、川に流されてしまう。

ゴッホは個性的な画家で、現実離れしていながら、世界を全部知っている空気感が纏う“スナフキン”のような人でした。部屋にある絵は、黄色の絵ばかりを描いており、全部中途半端な未完成の作品ばかり。つまり、ゴッホも三毛猫の“キイロちゃん”という猫を飼っていた。それがモデルでもあるようだ。

劇中では沙織の妄想が炸裂しており、未だにアイドルだったことが忘れられなくて、歌うことが大好きだったのですが、それが形にならず田舎で働いているんです。まだ歌いたいと思っていても行動に移せず、現実逃避として妄想をしている。未練や果たせなかったことが妄想として残る気持ちはすごく分かりますね。誰もが経験したことのある葛藤が描かれています。

そうそう、猫好きな方たちにはちょっとがっかりなこともあります。それは、猫を人間が演じているので、猫カフェみたいなことを想像していたら、飛んでもないことになっていた。それは、劇場の客席を「橋の上」と河原にして、野良猫たちの個性豊かなドラマが描かれているから。別に猫のかぶりものとかはしてません。

確かに、主人公の内面をどう表現したらいいのかと、犬童監督は迷ったのではないかしら。だから、演劇のように舞台装置で撮影されたシーンが登場したり、何でもCGでリアルに表現できる時代なのに、逆にアナログ、手作り感が溢れているのに驚かされた。

主人公の沙織は、売れない画家のゴッホと心を通わせるのだが、それも現実なのか妄想なのか分かりません。でも、ラストで彼女が喫茶店で見た自分の“裸婦像”は本物のようで、ゴッホが描いてくれたものが飾ってあった。

沢尻さんの映画は久しぶりだったので、新鮮に映りました。アイドル歌手時代の回想ほか、本人が歌っている歌唱シーンもあるので彼女のファンなら必見でしょう。エリカさんの、可愛いらしいミニスカートの水色ワンピースが良く似合っていましたね。

最近では、劇中にアニメーション技術を導入した実写映画が多くなっているが、「恋は雨上がりのように」でも、劇中で教科書に落書きされていたパラパラ漫画が、エンドタイトルでアニメ表現されていた。それに、本作品に於いては、アニメももちろんのこと、舞台劇も導入されていているから、尚更複雑極まりない。

川の橋の下で暮らしているノラ猫たち、良男とキイロちゃんがそこに留まって暫くの間生活をするのも舞台劇。沙織が働いているスーパーも舞台劇だし、ゴッホが沙織に対して放つ独白のようなセリフは凄く印象的でした。

この沙織もゴッホも、やりたいことがあるのに、すごくもがいている途中ですよね。この二人のように、手が届きそうで届かないジレンマがある時に、沙織が突然、全裸になり自分をゴッホに描いてくれと。今まで画家として本気で描いたことがないゴッホが、全裸の沙織に心を動かされて必死に描き続ける姿は良かった。その全裸の油絵は、喫茶店の2階の壁に飾られていた。

沙織にも、昔のプロデューサーから依頼があり、TV番組に出て見ないかという嬉しい仕事が入って来る。だが、それは、昔のようなアイドルの仕事ではなく、お笑いのタレントとして扱われる仕事でした。カラオケで歌の練習を必死にしていた沙織。歌手になることが夢だったのに、それはかなりショックを受けたようです。そう簡単には、昔のように歌手として蘇ることは出来ないことを実感する沙織。でも、そこに良男が帰って来て、抱きしめてやる沙織の嬉しそうな顔が素敵でしたね。

人気推理小説「猫弁」シリーズを手掛けている作家・大山淳子原作。美しい川が流れる東京郊外の町を舞台に、足を滑らせて川に落ち、流されてしまった飼い猫の良男が、飼い主の沙織に会いたい一心で、足を引きずりながらも歩き続ける物語全5話を収めた、猫と人間の絆を描く切なくも温かい作品でした。

018年劇場鑑賞作品・・・128アクション・アドベンチャーランキング

 

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