パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

花束みたいな恋をした★★★★

2021年03月26日 | アクション映画ーハ行

         

「東京ラブストーリー」「最高の離婚」「カルテット」など数々のヒットドラマを手がけてきた坂元裕二のオリジナル脚本を菅田将暉と有村架純の主演で映画化。坂元脚本のドラマ「カルテット」の演出も手がけた、「罪の声」「映画 ビリギャル」の土井裕泰監督のメガホンにより、偶然な出会いからはじまった恋の5年間の行方が描かれる。

あらすじ:東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦と八谷絹。好きな音楽や映画がほとんど同じだったことから、恋に落ちた麦と絹は、大学卒業後フリーターをしながら同棲をスタートさせる。日常でどんなことが起こっても、日々の現状維持を目標に2人は就職活動を続けるが……。

<感想>同じ価値観で結ばれた大学生の男女が、仕事と生活への向き合い方ですれ違っていく。男の麦は震災後にひたすら貧困化した日本社会の被害者だろう。芸術の才能がありながら安いギャラで使い捨てられ、就職活動に苦戦をしながら労働に忙殺されて感性が麻痺してしまうのだ。

それが大人になるということなのかもしれない。だが、ポケットに入れて置いた夢が、日々の洗濯で色あせて溶けて消えたのは、果たして彼だけの責任なのだろうか。

自分たちはみんなとは違うと、趣味の良さを特別視するのもいやらしいが、それよりも、この二人も趣味の延長のままでは生きられず、仕事をするようになってすれ違い、別れに至るという身もふたもない展開に不満。

花束みたいな、つまり地に足のついていない恋など、いずれは破綻するしかないのだろう。どうせかなわないのなら夢など見るだけ無駄。こんな保守的な映画を若い人たちが好むとしたら、絶望的に思うのだが。

恋という文字がタイトルあるからには、恋愛映画だのだが、そうでもない気がするのだ。恋人たちの恋焦がれるまなざし、高鳴る胸の鼓動、言葉にできないもどかしさ。息をつめて悶々としながら、そして突っ走っていく。

恋愛ものにつきもののそれらはどこにもないのだ。どこにでもいるような男と女の、いくらでも見かける恋愛模様。名脚本家があえてそれにチャレンジしたのだろう。

だが、日常と地続きの話を映画にする難しさを改めて知らされたと思った。日常を映画にしてきた小津安二郎や成瀬巳喜男の偉業の素晴らしさは、今や奇跡といっていいだろう。

膨大なるカルチャーネタへの言及も含めて、ある恋人たちの物語から、日本の5年間が見えて来るのだった。悲しかったのは、この二人の恋が薄れてゆき、別れるという最後には、残念でならない。まぁ、別れて初めてお互いの良さを知り、もう一度結ばれるというチャンスはあると信じて。

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・3  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


約束のネバーランド★★★

2021年03月09日 | アクション映画ーヤ行

        

テレビアニメ化もされた「週刊少年ジャンプ」連載の人気コミック「約束のネバーランド」を実写映画化。エマを「君の膵臓をたべたい」の浜辺美波、レイを「万引き家族」の城桧吏、ノーマンを「仮面ライダージオウ」の板垣李光人がそれぞれ演じる。監督には、映画『僕だけがいない街』や映画「記憶屋 あなたを忘れない」など数々の実写映画化で傑作を生み出してきた平川雄一朗。

脚本の後藤法子と一緒に、ママ“イザベラ”と子どもたちによる、手に汗握るサスペンスと人間ドラマをスクリーンに焼きつける。平川監督は「友情、家族の絆、そして裏切り。現代社会に通じる理不尽さや切なさが混在した世界で、必死に生きる子供たちの姿に、感動と勇気をもらえるエンターテインメント映画」を目指したという。

   

あらすじ:自然の中に建てられた楽園のような孤児院「グレイス=フィールドハウス」。そこで暮らす子どもたちは、母親代わりの優しいイザベラを「ママ」と呼んで慕い、いつか里親に引き取られる日を待ちわびている。年長者のエマ、レイ、ノーマンも、外の世界で待つ幸せな暮らしを信じていた。ある日、里親が見つかり孤児院を去ることになったコニーを見送ったエマとノーマンは、彼女が大切にしていた人形を忘れて行ったことに気づく。

コニーに人形を届けるため、近づくことを固く禁じられていた「門」へ向かった2人は、そこで無残にも命を奪われ、食料として出荷されるコニーの姿を目撃する。彼らが楽園だと信じていた孤児院は、実は「鬼に献上する食用児を育てる農園」で、ママは「最上級の食用児を育てる飼育監」だったのだ。全てが偽りだったと気づいたエマたちは、孤児全員を引き連れた無謀ともいえる脱獄計画に乗り出す。

<感想>「孤児院で幸せに育てられていた子どもたちは、実は食用児として鬼に献上されるために飼育されていた」という、衝撃的な導入で始まる本作は、「このマンガがすごい!2018 オトコ編1位」(宝島社)、「第63回小学館漫画賞(少年向け部門)」「マンガ新聞大賞2017」をはじめとした国内の漫画賞に加えて、フランスや韓国でも数々の漫画賞を受賞。

ママのイザベラ役の北川景子の存在感もとっても良かったし、シスター・クローネ役の渡辺直美も、ユニークなキャラでハマり役でした。主要3人のキャラも、“たった一人を除いては”問題なかったと思います、たった一人を除いては。レイ役の子の城桧吏くんちょっと役不足というか、もっと他の配役でぴったりの子がいたと思うのですが。

たしか『万引き家族』で、超話題作で名演技していた子役の城桧吏くん。あんなに光った演技していたのに、本作における頭脳明晰・冷静沈着なレイの演技は本当に酷すぎた。何が酷いかって、とにかく期待したいたせいか、演技がちょっと浮いていたようだ。

主役の天真爛漫で、誰よりも真っすぐな性格の主人公エマを演じるのは、『HELLO WORLD』『屍人荘の殺人』など、今後の日本映画を担う成長著しい若手女優の浜辺美波。自身も「本当に愛してやまない漫画」と大ファンだったという本作に出演するにあたって、プレッシャーを跳ね除けて全力で撮影に立ち向かっていくその姿は、監督と原作者から「エマ役には彼女しかいない」とお墨付きがあったほど。

エマ役の浜辺美波が自然体で上手かったのと、理性的でリーダー格の少年・ノーマン役には、「仮面ライダージオウ」の出演で業界関係者の注目を集める板垣李光人。原作では孤児たちが出荷される年齢が12歳だったが、映画では16歳に引き上げることで、深みのあるキャラクターを演じることができる若手俳優が集まり、これ以上ないキャスティングが実現することになった。

ノーマンが企てる脱出計画にレイも一役かって上手になってくると思っていた。それでもみんな小さな子供たちを始め、高い塀を乗り越える時とか、森の中を一緒になって脱走するシーンでは、ハラハラ、ドキドキものでしたね。

ママのイザベラの秘密を知ると、生まれた子供を鬼に食われてしまい、自分は生き残るために孤児院で、子供たちを誘拐してきては鬼に食料として与えていたのだ。

そのこともノーマンとクローネが、コニーという子供が里親が見つかって孤児院を出ていくという日に、コニーが大事にしていた人形を忘れていたので届けようとして、ノーマンと渡辺直美は孤児院の秘密を知ってしまうのでした。

小さい子供は鬼に食われてしまうという悲惨なシーンがあるのですが、鬼はCGなのだろうが、どこかハリウッド映画の鬼に似ているし、鬼が出て来るシーンに期待したのだが、鬼は孤児院の奥に潜んでいるのか、そこから森には出てこないのだ。

しかし、子供たちが孤児院を脱走することを知り、鬼の怒りを鎮めるためか、子供しか食べないと思っていた鬼が、大人の太ちょクローネの渡辺直美を食べるシーンには、何だか拍手したくなりました。

小さな子供たちを連れて、高い塀を乗り越えて、外に出れば川があり、その向こうに行けば助かるかもしれないという希望を持ちながら、必死で逃げる子供たち。みんな助かると祈りながら鑑賞していました。

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・3  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


43年後のアイ・ラブ・ユー★★★

2021年01月30日 | アクション映画ーヤ行

         

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされた名優ブルース・ダーンが主演を務め、アルツハイマーで過去の記憶が失われた元恋人に思いを伝えようと奮闘する老人の姿を描いたハートフルドラマ。

あらすじ:妻に先立たれ、ひとり気ままな老後生活を送っていた70歳の元演劇評論家クロードは、昔の恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマーのため介護施設に入ったことを知る。もう一度リリィに会いたいと考えたクロードは、自身もアルツハイマーのフリをして同じ施設に入居するという大胆な計画を実行。リリィと再会を果たすことに成功するが、リリィの記憶からクロードの存在はきれいに失われていた。そんなリリィに対し、クロードは毎日のように2人の思い出を語って聞かせる。そしてある日、かつてリリィが演じたこともあるシェイクスピアの「冬物語」を施設で観劇することなり、クロードは孫娘と一緒にある作戦を立てる。

<感想>なんとも奇抜な発想のラブストーリーなのだが、この男クロードを演じているのが名優ブルース・ダーン。「華麗なるギャツビー」や「帰郷」でゴールデングローブ賞、アカデミー賞にノミネートされたこともある名優なのだ。

恋人だった舞台女優リリィの心からは、クロードの記憶は消え去っているのだが、それでもなんとかもう一度だけ愛を伝えたい一心で、クロードがリリィに若かった二人の懐かしい思い出を伝え続けるのだが、・・・。

デートを重ねたニューヨークとパリ、一緒に聞いたガーシュインの曲、思い出の花ユリの香り、リリィからクロードに宛てられた最後の手紙等々。

そしてかつてリリィが演じたシェークスピアの「冬物語」。その「冬物語」を施設で観劇することになり、クロードは孫娘とある計画を実行することに。

その結果は観てのお楽しみなのだが、とにかくこのクロードの振る舞いがロマンチックで、かつ泣かせてくれるのだ。実は、リリィには夫がいる身で、かつての別れもそのせいなのだった。何故に彼は、そうまでにして、かつての恋人リリィに逢いたかったのだろうか?・・・。人が人を想うことの尊さが、優しく胸を満たしてゆく。

だが、クロードの想いはそんな障害もなんのそのと、一途に突き進んでいくのは、それこそ老い先短い人生で後悔を残したくないからなのだろう。

リリィー役のカロリーヌ・シロルは49年生まれの70歳、クロードの親友で施設入りを手伝うシェーン役のブライアン・コックスは、46年生まれの73歳、どちらもベテランらしい味のある演技派であります。

特にカロリーヌは、アルツハイマーという設定なので、心ここにあらずといった風情が可愛らしく感じられる。人生、何歳になっても諦めることはないのだからと、語り掛けてくれる老年の指南書的な作品なのだ。

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・2  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


新感染半島 ファイナル・ステージ★★★★

2021年01月18日 | アクション映画ーサ行

         

韓国で大ヒットを記録し、日本でも話題を呼んだゾンビパニックアクション「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を描く続編。「MASTER マスター」「ゴールデンスランバー」などで知られる人気俳優カン・ドンウォンを主演に、前作から引き続きヨン・サンホ監督がメガホンをとった。人間を凶暴化させる謎のウイルスが半島を襲ってから4年後。香港に逃げ延びていた元軍人のジョンソクが、ある任務遂行のために半島に戻ってきた。その任務とは、限られた時間内に大金が積まれたトラックをチームで回収し、半島を脱出することだった。トラックを回収し、任務は順調かに思われたが、民兵集団によりジュンソクたちはトラックを奪われてしまう。そんなジュンソクを窮地から救ったのはミンジョン母娘だった。2020年・第73回カンヌ国際映画祭(新型コロナウイルスの影響で通常開催を見送り)のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」作品。

<感想>映画は、ウィルスの感染爆発でパンデミックが発生し、混乱する韓国。ジョンソクが姉家族を連れて、海外へ脱出する客船に乗り込むのだが、そこでも感染がおこり、船内が大パニック状態になり姉と甥っ子を亡くしてしまう元軍人のジョンソク。

4年後、香港の貧民街に流れ着いていたジョンソクと、義理の兄貴チョウルミンは、地元のボスから韓国の仁川港近くに乗り捨てられていたトラックから、大金を回収してくる仕事を依頼される。その分け前で生活の立て直しを考えることにする。

小型船で祖国に潜入したジョンソクらだったが、そこには文明が完全に崩壊した死の世界であった。街のいたるところに蠢くゾンビの群れ、無法地帯を支配する631部隊と名乗る私設軍隊。瓦礫の町でジョンソクは、幼い姉妹を連れた母親ミンジョンに出会う。彼女たちはかつて、ジョンソクに助けを拒否されて、瓦礫の街で生き延びてきた家族だった。

トラックに積み込まれていた2000万ドルの札束をめぐり、631部隊の無法者ファン軍曹たちも動き出す。そこら中から湧き出て来るゾンビたちの群れ、明日への希望を賭けた決死の脱出劇が始まるのだった。

ジョンソクたちは、感染地域に足を踏み入れて2000万ドルの大金を得るか、香港で惨めな暮らしのまま生き長らえるか、金も命も得られず犬死にするか…。彼らの運命もジョンソクの身体にかかっているのだ。

昨年から、全世界で新型コロナウイルスが流行している今、もはや架空の話と割り切って見ることはできないですね。 しかしだ、どんな危険地帯にも生存者がいて、感染者も非感染者も本当に逞しく生き抜いている。中でも 鬱屈とした気分を吹き飛ばす、カン・ドンウォンのカッコ良さは絶品ですからね。

631部隊の無法者ファン軍曹のトップには、ソ大尉という自分の目的のためならば、手段を選ばない野心家であり、ジョンソクたちの前に立ちはだかるのだ。

前作の「新感染ファイナル・エクスプレス」の続編だけあってか、韓国全土にゾンビが溢れるアポロカリプス・ワールド、終末の土地と化していた。感染を恐れる国々から見捨てられた陸の孤島、」今回はそこに乗り込む人間たち。それに、荒れ果てた世界を支配しようとする民兵たち。そして押し寄せるゾンビの群れの三つ巴のバトル・アクション合戦が描かれる。

演出はもちろん「新感染ファイナル・エクスプレス」の新鋭ヨン・サンホ。主演は「義兄弟 SECRET REUNION」のカン・ドンウォン。果たして世界の終わりは乗り越えられるのか?・・・答えは「新感染半島 ファイナル・ステージ」の中にある。是非ご覧あれ。

ジョンソクが出会ったミンジョン一家は、死の世界を生き延びてきたサバイバル・ファミリー。助けを求めるだけだった母親も、今ではマシンガンを構える女兵士。娘のジュニは天才ドライバーだし、映画の終盤では大金を乗せたトラックとジュニが運転するカスタムカー、ファン軍曹らの改造車が凄まじいカーチェイスを繰り広げるのだ。

そこへゾンビの大群も押し寄せて来て、これは肉弾相打つ韓国版の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」になっていた。爆走列車の次はカーチェイス。港へ向かうラスト近くで、母親ミンジョンが、トラックの運転席で一人ゾンビたちを呼び寄せて、ジョンソクと娘たちを逃がしてやりたいと頑張る姿に感動しますから。

631部隊の巨大な要塞が作られた「ウォーキング・デッド」シリーズに負けないスケール感と、途中で「マッドマックス」みたいと思わずドキリとくるシーンもある。それと「ワイルドスピード」並みの見事なドライビングテクニックで、ゾンビたちを次々となぎ倒していく様は、これは爽快でスカッとします。

 

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・1  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


2021年 明けましておめでとうございます!

2021年01月03日 | 年別の映画ランキングベスト10

         

新年明けましておめでとうございます。皆さまには、幸多き新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年は世界的な新型コロナウィルス感染により、劇場での映画鑑賞が出来なくなり、本当に残念でなりませんでした。

しかしながら、やはりこの非常事態にはどうにもならなく、私個人の映画鑑賞の数も少なくなり、2020年のベストテンはあげないことにしました。

それでも、なんとか劇場へ映画鑑賞に行った中から、選んでみましたのご参考までにご覧ください。 特に昨年の正月に劇場鑑賞した作品で、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が★★★★★の評価でダントツ1位には間違いありませんね。

ワンダーウーマン1984

罪の声

浅田家!

コンフィデンスマンJP プリンセス編

ストーリート・オブ・マイライフ

ANNAアナ

それだけが、僕の世界

野性の呼び声

Fukushima 50

ミッドサマー

ジュディ 虹の彼方に

1917 命をかけた伝令

ダウントン・アビー

フォードVSフェラリー

ジョジョ・ラビット

男はつらいよ お帰り寅さん

パラサイト 半地下の家族

この世界の (さらにいくつもの)片隅に

 

いろいろと諸事情がありまして、コメント欄を閉じています。どうか今年もよろしくお願いいたします。

 

2021年劇場公開、鑑賞作品・・・1  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


ワンダーウーマン1984★★★★

2020年12月28日 | アクション映画ーワ行

         

DCコミックスが生んだ女性ヒーロー、ワンダーウーマンの誕生と活躍を描き、全世界で大ヒットを記録したアクションエンタテインメント「ワンダーウーマン」の続編。前作でもメガホンをとったパティ・ジェンキンス監督のもと、主人公ダイアナ=ワンダーウーマンを演じるガル・ギャドットが続投し、前作でダイアナと惹かれあった、クリス・パイン演じるスティーブも再び登場する。

あらすじ:スミソニアン博物館で働く考古学者のダイアナには、幼い頃から厳しい戦闘訓練を受け、ヒーロー界最強とも言われるスーパーパワーを秘めた戦士ワンダーウーマンという、もうひとつの顔があった。1984年、人々の欲望をかなえると声高にうたう実業家マックスの巨大な陰謀と、正体不明の敵チーターの出現により、最強といわれるワンダーウーマンが絶体絶命の危機に陥る。

<感想>最強ヒーローが世界を救うための代償とは__。スピード・力・戦術、すべてを合わせ持ち、ヒーロー界最強とも呼ばれる桁外れのスーパーパワーを持つ戦士、ワンダーウーマン。真のヒーローだけが許された究極のゴールドアーマーをまとい、全人類滅亡の脅威に一人で挑むワンダーウーマンの運命とは?・・・人類はみたことのない「真実」を目撃する。

前作「ワンダーウーマン」(17)で自ら犠牲となり世界を救ったスティーブが、どうして当時と同じ姿のまま約70年後のアメリカに舞い戻ったのか?。真相はまだ明かされていませんが、実は前者のスティーブがセミッシラで救助された際に浸かった温泉の効能で、不老不死の能力を会得していたのではないかと考えられます。日本にも温泉がたくさんあるので、探せば不老不死の温泉が見つかるのではないかしら。

で、死に際に巻き込まれた毒ガスの影響で復活に時間がかかったのではないでしょうかね。そして、ダイアナはスティーブと旅をして、マックス・ロードの私設軍隊に追われながらも、「レーダーに映らない透明な飛行機があればいいのに」と思ったはず。

それに今回では、80年代オマージュが盛り込まれているそうで、1984年、ワシントンDCで美術品修復師として生活するダイアナ。巷では大金持ちのマックス・ロードが、所得倍増を公的に、レーガン大統領の後釜を狙っているらしい。そうそう、元大統領のトランプさんも出てますよ。

ある日のこと、どんな願いも叶える伝説の石”ドリームストーン”を手に入れた実業家のマックス・ロードは当然のごとく、世界征服を目論む。ダイアナとスティーブは再会を喜ぶ間もなく、再び世界を救うべく、伝説の鎧を探す旅にでる。

この黄金の鎧”ゴールドアーマー”は、スペインかエジプトにあるという情報のもと、道路でのチェイスシーンや、壁の連続爆破シーンも、スペインでもロケが敢行された。全身を金色に覆いつくされた鎧兜と大きな翼。ダイアナの真実の投げ縄。ゴールドの鞭の凄さに驚く。

伝説の鎧、黄金の聖闘士こと、ゴールドアーマー。さて、最強の鎧ゴールドアーマを、手に入れたダイアナの前に立ちはだかるのは、ダイアナへの憧れをこじらせた末にマックスと手を組み、彼の手によって獣人チーターと化した、同僚の動物学者バーバラ・ミネルヴァなのだ。女神対、獣神の戦い始まるのだ。バーバラのジェラシーには本当に手を焼く。でもダイアナは神様の娘だからね。

やっぱりダイアナにはスティーブこと、クリス・パインがお似合いですよね。それに敵役として、マックスのペドロ・パスカルとバーバラのクリステン・ウィグ。

彼女ダイアナを支えるのは「人類への愛」ひたむきに真実を求める心の力に、焦点が当たっているのかなと思っています。

 

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・63  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


罪の声★★★★

2020年12月05日 | アクション映画ータ行

         

実際にあった昭和最大の未解決事件をモチーフに過去の事件に翻弄される2人の男の姿を描き、第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得た塩田武士のミステリー小説「罪の声」を、小栗旬と星野源の初共演で映画化。新聞記者の阿久津を小栗、もう1人の主人公となる曽根を星野が演じる。監督は「麒麟の翼 劇場版・新参者」「映画 ビリギャル」の土井裕泰、脚本はドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などで知られる野木亜紀子。

あらすじ:平成が終わろうとしている頃、新聞記者の阿久津英士は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、30年以上前の事件の真相を求めて、残された証拠をもとに取材を重ねる日々を送っていた。その事件では犯行グループが脅迫テープに3人の子どもの声を使用しており、阿久津はそのことがどうしても気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。なんとなく気になりテープを再生してみると、幼いころの自分の声が聞こえてくる。そしてその声は、30年以上前に複数の企業を脅迫して日本中を震撼させた、昭和最大の未解決人で犯行グループが使用した脅迫テープの声と同じものだった。

<感想>未解決事件の果てに、1984年から1985年にかけて、食品会社6社を標的にした企業脅迫事件が起こった。あの衝撃のギンガ・萬堂事件(グリコ、森永)のことは未だに未解決事件であり、既に公訴時効が成立している。犯人グループは、誘拐や身代金要求、商品の中に毒物を混入させ、バラまくなどして脅迫を繰り返し、卑劣な犯罪を繰り返す一方で、警察やマスコミをあざ笑うかのように挑発し続けた犯人グループは、忽然と姿を消してしまった。

警察は総力を挙げて犯人を追ったが、犯人と思われる人物を目撃し、多くの遺留品を入手しながらも検挙することができず、2000年に時効を迎え未解決事件となった。

この事件には子供の声が使われるといった不気味な一面があったが、本編ではここに着目して「子供を巻き込んだ事件」という視点で塩田武士の小説「罪の声」を映画化したものである。

原作が描く「子供を犯罪に巻き込めば社会から希望が奪われる」という、スピリットを作品の中心に据えた社会派ミステリーに仕上がっている。

主人公の新聞記者阿久津英士を演じた小栗旬。現在は文化部に所属し、令和を目前にして昭和の未解決事件を再検証する特集記事のために、かつていた社会部へとかり出される。部外者の立場から事件に関わっていくことになる。

当時の事件のことはまったく知らなかった小栗旬は、実際の事件でヤマ場となった1984年11月14日の、大津の攻防戦(犯人グループと警察の現金引き渡しに関するやり取り)を追取材するうちに、原作ではキツネ目の男が二人いたんじゃないかと気づく瞬間がある。

事件の時に金の引き渡し場所まで誘導する声が録音されて、犯行に使われた3人の子供たちはいったい、その後どこでどうしていて、もしかしたら彼らに辿り着けると、この事件は広がりを持つのじゃないかと阿久津が気づくというシーン。

事件に使われた3人の子供の声、これがタイトルにもなっている「罪の声」につながるのだが、3人の子供のうち、一人が星野源が演じている曽根俊也である。彼が幼いころに声を利用されただけなのに、罪の意識を感じているさまを、目のあたりにする新聞記者阿久津英士。この事件で曽根俊也のように、事件のことを抱えこみ心の痛みに対して、何とかしてあげたいと思った彼だからこそ、ある結論に辿り着けたと思うんです。

今は京都で小さなテーラーを経営している曽根俊也と、阿久津は映画が始まって約1時間、まったく別々に事件を追っていく。やがて二人は協力して真相に近づいていくのだが、映画では原作以上に彼らのバディ感が強められている感じがした。

二人は同世代だから、車で移動しながら好きな漫画や音楽の話で盛り上がるが、ただ事件に対する二人の立場は微妙に違っていた。新聞記者として真相に近づき、それを世間に公表したい阿久津と、自分も事件に関わった一人として罪の意識を感じ、公表されればマスコミの目にさらされることへの恐れがある曽根。そんな二人の想いを語り合うシーンがある。

果たして曽根俊也をこの記事に使うべきなのかと、二人がどうバディとして絆を深めていくかは映画を観ていただくとして、小栗旬の阿久津が、関西弁と英語をマスターして台詞回しが実に巧い。それが人間的な温かみを増した感じがした。劇中で、阿久津と曽根が様々な人間に取材を重ねていくうちに、ある人物に出会う。日陰の人生を歩むことになったこの人物を、宇野祥平が演じていた。

世代的には身近な事件ではない題材だが、そういえばこのような事件があったと思いを馳せ、ここに出て来る人間たちが、本当の事件関係者じゃないないと思うが、ある事件によって当たり前に生きている人間と、そうでない人生を送った人間がいることを。その違いを生んだラインはどこで生まれるのだろうか。曽根俊也は何も知らずに30年以上、当たり前の人生を送ってきたけれど、ある日、自分の声が事件に使われたことを知った時、どんな気持ちだったのだろうか。実際に声を使われた子供たちも、おそらくはご存命でしょうから、そのことを思い馳せると複雑な気持ちになりますね。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・62  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


フェアウェル★★★・5

2020年11月06日 | アクション映画ーハ行

             

中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が自身の体験に基づき描いた物語で、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母のために帰郷し、それぞれが祖母のためを思い、時にぶつかり、励まし合うながら過ごす日々を描いたハートウォーミングドラマ。「オーシャンズ8」「クレイジー・リッチ!」のオークワフィナが祖母思いの孫娘ビリーを演じる。

あらすじ:ニューヨークに暮らすビリーは、中国にいる祖母が末期がんで余命数週間と知らされる。この事態に、アメリカや日本など世界各国で暮らしていた家族が帰郷し、親戚一同が久しぶりに顔をそろえる。アメリカ育ちのビリーは、大好きなおばあちゃんが残り少ない人生を後悔なく過ごせるよう、病状を本人に打ち明けるべきだと主張するが、中国に住む大叔母がビリーの意見に反対する。中国では助からない病は本人に告げないという伝統があり、ほかの親戚も大叔母に賛同。ビリーと意見が分かれてしまうが……。

<感想>中国生まれ、アメリカ育ちの女性監督ルル・ワンが、自らの体験をもとに描いたファミリードラマ。監督の分身と言える主人公を演じたのは、中国系・韓国系アメリカ人の両親を持つ人気コメディ女優であるのオークワフィナ。

今年のゴールデングローブ賞の、ミュージカル/コメディ映画部門の主演女優に輝いたのが、オークワフィナというアジア系アメリカ人女優だった。えっ、その女優って誰なの?といぶかし気な顔する人がいるかもしれないが、ハリウッドでは「オーシャンズ8」や「クレージー・リッチ」ですでに知られていた存在なのだ。

この新作でもスクリーンで生き生きと素晴らしい演技を見せて、一段と評価を高めている。この作品でのCG賞では、主演女優賞の他に、外国語映画賞にもノミネートされたが、それもそのはず映画の舞台は主人公の住むニューヨークから、生まれ故郷の中国、長春へと移り変わり、英語と中国語が飛び交う賑やかな大家族の物語が始まるのだ。

一言でいえば、余命3か月という末期がんで、祖母の見舞いに中国の実家に駆け付けた孫娘のオークワフィナが、親戚一同の意向で、まだ医者の余命宣告を知らされていない祖母のために、悪戦苦闘するわけ。挙句の果てに従兄弟の結婚式があるという。

孫娘の突然の帰郷が、祖母の病気と関係があることを本人に悟られないために、何とも古典的な設定であり、さほど新鮮味はないのだが、孫娘のビリー、オークワフィナが登場すると俄然スクリーンに緊張感が走り、生き生きとした家族の物語が動き出すのだから、主演女優の面目は立派に成し遂げたわけ。感情を表に出しすぎという理由で、結婚式には出席NG。

もちろん祖母役のチャオ・シュウチェンら、中国や香港出身の実力派俳優たちが脇を固めていることもあってか、殆どウェルメイドの芝居を観ている気分になる。

脚本・監督はルル・ワン。北京生まれのアメリカ育ちの37歳の新人というが、なんとこの脚本は自分の体験にもとづく実話というのだから、驚かされる。

それにしても才気あふれる演出に独特の皮肉を絡ませたコメディーセンスは、新人の域を超えていると思う。ハリウッドの映画人に絶賛されたのも当然だろう。

重病患者に本当のことを教えないというのは、アメリカでは大問題になるところだが、中国では「優しい嘘」として黙認されるのだ。日本にも似たようなケースは少なくないだろう。思いもよらないカルチャーギャップに直面するビリーの視点からは、近代化しても混沌や矛盾から抜け出せない中国社会、そしてドライな西洋社会にはない、家族の頑固な関係性といった陰陽が、鮮やかに映し出されている。

そして、結末で明らかになる「嘘から出た真」という人生の真実。二転三転した後の、ハッピーエンドにはほっと胸をなでおろすのであります。つまりは、祖母の病気は、初期の癌であり、入院して治療をして長生きをしたという最後なんですからね。

それにしても、孫息子の結婚式での花嫁は日本人の女優で、みずはらあおいさんの中国語堪能な演技には、驚かされました。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・61  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


みをつくし料理帖 ★★★

2020年10月31日 | アクション映画ーマ行

         

ベストセラーとなり、TVドラマ化されたことでも知られる高田郁の時代小説を映画化。『犬神家の一族』以来プロデューサーとして活躍し、『笑う警官』などの監督作もある角川春樹がメガホンを取り、荒波に揉まれる女性たちの友情の物語を紡ぎ出す。ドラマ『この世界の片隅に』の松本穂香と『半分、青い。』の奈緒という注目の女優が共演する。

あらすじ:享和2年、大阪を襲った大洪水で離れ離れとなった幼馴染み・澪と野江。時は流れ、10年後、江戸・神田の蕎麦処「つる家」で働き始めた澪は、試行錯誤を重ねながら店の看板料理を作り上げていた。しかし、上方(関西)風の味付けで客の不評を買ってしまう。 一方、吉原遊郭の花魁野江・あさひ太夫は、つる家の茶碗蒸しの味に懐かしさを覚える…。  ≪どんなときも、道はひとつきり≫原作:高田郁 主題歌:手嶌葵『散りてなお』

<感想>テレビドラマや、NHKでもドラマ化されたらしいが、それは知らなかった。11年ぶりの角川春樹監督映画で、料理の映画にしては女性向きの作品だが、高田郁の原作を初映画化。姉妹のように仲がよい澪の松本穂香と、野江の奈緒の今が旬の女優2人が、大阪の大洪水で生き別れとなり、10年後に澪は、江戸の神田の蕎麦屋の料理人となっていた。

野江の方は、吉原遊郭の花魁となり、2人の数奇な運命の物語を描いているが、料理映画にしては女性向きの内容であり、2人の生い立ちと、大人になってからの生き方に感動して泣けてくる。

11年ぶりの角川春樹監督映画ではあるが、ずいぶんと地味な題材を選らんだものだと思いつつも、演出は基本に忠実でありながらも、全般におとなしい作品でもありました。

江戸時代が舞台の本作だが、冒頭から占い師の反町さん始め、かなり贅沢な俳優が大勢出演していて、少しもったいない感じがした。

しかし、花魁役の奈緒の儚さを艶っぽく描き、しっとりとした落ち着いた世界を丁寧に描いているのも良かった。花魁の奈緒の付き人として、中村獅童が好演しており演技が巧かった。

蕎麦屋の主人には、石坂浩二が演じ、そこに働いている女には浅野温子が場を盛り上げており、その蕎麦屋の客の物書きの藤井隆に、その妻には、角川春樹が育て上げた薬師丸ひろ子が演じて懐かしく思いました。

江戸時代で女性が仕事で打ち込み、恋に悩む姿には現代女性にも通じるものがあります。暑い夏の盛りに冷たい茶碗蒸しを考案し、客が大勢押しかけて来て、その冷やし茶碗蒸しを大手の食事処に真似をされるという試練もあった。

それと、花魁の奈緒が病気で伏せて、使いの中村獅童が澪のところへ来て料理を頼む姿と、澪が子供のころに奈緒の好物だった金柑の甘煮を持たせるところなど。

これが生涯最後の監督作品と宣言し、出演者にも角川春樹監督ゆかりの、鹿賀丈史、松山ケンイチ、野村宏伸、浅野温子、渡辺典子、石坂浩二など、そして薬師丸ひろ子と贅沢三昧の役者陣たちがとっかえひっかえと出演するので見ごたえがありました。

見どころは料理屋の大座敷など、大人数を一画面に入れて芝居をさせるシーンは、圧巻でした。そして、2人が出会うシーンは、吉原の行事で明神様のキツネのお面を付け白い着物を着て、コーン、コンと歌いながら踊る花魁の奈緒が、美しく大人になった元気な澪の姿を見つけるところ。

それに、2階の障子に手の指でキツネの真似をして、コーン、コンと澪とのやりとりが胸を締め付けて泣かせてくれる。

 

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・60  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


事故物件 恐い間取り★★・5

2020年10月20日 | アクション映画ーサ行

       

「事故物件住みます芸人」として、実際に9軒の事故物件に住んだ芸人・松原タニシの実体験を記したノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」を亀梨和也主演で映画化。監督は、「スマホを落としただけなのに」「貞子」の中田秀夫が務めた。

あらすじ:売れない芸人・山野ヤマメは「テレビに出してやるから事故物件に住んでみろ」と先輩から無茶ぶりされ、テレビ出演と家賃の安さから殺人事件が起きた物件に引っ越す。その部屋は一見普通の部屋だったが、部屋を撮影した映像には謎の白いものが映り込み、音声が乱れるなどといった現象が起こった。ヤマメの出演した番組は盛り上がり、ヤマメは新たなネタを求めて事故物件を転々とする。住む部屋、住む部屋でさまざまな怪奇現象に遭遇したヤマメは「事故物件住みます芸人」として大ブレークするが……。

<感想>だいぶ前に鑑賞したもの。亀梨くんが主演だというので期待して観たが、ホラーものはあまり好きじゃないので、それでも音響効果が大で、それなりに怖かったですね。この作品は、原作者の実体験らしく、住んだアパートに以前の居住者が自殺、殺人、孤独死、事故などで亡くなってしまい、霊感がある人には目でその死んだ人の姿が見えるというのだ。

その幽霊を主人公の亀梨くん扮するヤマメという芸人が、TVに出たいがために、事故物件に住んで体験を披露するというもの。実際には、ヤマメは幽霊の姿が見えない霊感なんてない人間。だが、TV局の女性小坂梓ちゃんには、その女性の姿が見えてしまうという。実際には、スクリーンの中でも白い姿が見えて、それに出て来る前から効果音がおどろどおろしく恐怖感を煽るのだ。

まぁ、霊感がするどい人にはそれなりに見えて、映画の中でも見えてしまうのでしょう。ヤマメには見えてないので、霊感の鋭い小坂梓に一緒に来てもらう。道路でも赤いドレス女の人が見えており、部屋の中でもそれなりに見えて、カメラにも映り込んでいるというのだ。亀梨くんには、いくらか霊感というものがあるらしく、それなりに怖かったという。

事故物件のアパートを、一軒目、2軒目、と住んでみるヤマメの目には、その姿は見えないが、なんとなくそれらしき雰囲気というか、夜中で誰もいない部屋で、出て来る幽霊は、やはりその部屋で殺されたのか自殺をしたのか理由は知らないが、怨念というか、殺されても浮かばれない理由があるのでしょう。

特に面白かったのが、ラストで車にひき逃げされる不動産やの江口のり子さんの演技が、あまりにもあっけらかんとした風貌で上手いし、事故物件を扱っているのに、その部屋の供養とかお祓いとかをしないでいるのも、バチ当たりな感じがするし、やっぱり最後に死ぬ運命なのかと思いましたね。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・59  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


浅田家!★★★・8

2020年10月14日 | アクション映画ーア行

         

様々なシチュエーションでコスプレして撮影するユニークな家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をもとに、二宮和也と妻夫木聡の共演、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督のメガホンで描いた人間ドラマ。本作で中野監督の下には、二宮をはじめ、黒木華菅田将暉、風吹、平田、妻夫木ら日本アカデミー賞の受賞経験がある実力派キャストが結集。さらに渡辺真紀子北村有起哉池谷のぶえ駿河太郎篠原ゆき子ら中野組常連とも言える俳優陣も顔をそろえた。

あらすじ:4人家族の次男坊として育ち写真家になった主人公・政志を二宮、やんちゃな弟をあたたかく見守る兄・幸宏を妻夫木が演じ、家族の“愛の絆”や“過去と今”をオリジナル要素を加えつつ描き出す。浅田家の次男・政志は、父の影響で幼い頃から写真に興味を持ち、やがて写真専門学校に進学。卒業制作の被写体に家族を選び、浅田家の思い出のシーンを再現した写真で学校長賞を受賞する。卒業後しばらくはくすぶっていたものの、再び写真と向き合うことを決意した政志が被写体に選んだのは、やはり家族だった。様々なシチュエーションを設定しては家族でコスプレして撮影した写真で個展を開催し、写真集も出版され、権威ある賞も受賞する。プロの写真家として歩み始めた政志は、全国の家族写真の撮影を引き受けるようになる。しかし、2011年3月11日、東日本大震災が発生。かつて撮影した東北に住む家族のことが心配になった政志は被災地に足を運ぶが、そこで家や家族を失った人々の姿を目の当たりにする。

<感想>一家全員でさまざまな職業や場面になりきるユニークな家族写真が大きな話題を呼び、写真界の芥川賞と呼ばれる木村伊兵衛写真賞を受賞し、ついには映画化までされることになった写真集『浅田家』。成りきりコスプレの撮影が一番大変だったという浅田一家の面々。

父、母、兄、そして写真家本人の4人家族が、ラーメン屋や消防士や極道など様々なシーンに扮するシリーズ、『浅田家』。すべて、地元の三重県でいろいろな方の協力を得ながら撮影した写真は、「演出」の見事さ以上に、家族のかかわりがもたらす「記念写真」の力にあらためて驚かされる。

その中でも「あまちゃん」ふうのコスプレを撮影した日が、寒くて一番辛かったという妻夫木さん。最初の「消防士」はすごくいいクオリティーで撮れたそうで、その後の「選挙」からが大変だったそうです。

1日で最大5カットの撮りで、遊園地での「疲れたヒーロー」だけは別の日に撮ったそうです。遊園地と、ライブハウスにラーメン屋は現存していなかった。

平田さんが父親のお父さんに似せようと苦労したらしい。見た目も骨格も全然違うので、でも本当にみなさんよく似てらっしゃると思いましたね。ラストでの父親が危篤という知らせを受けて、故郷へ帰る政志。だが、それは嘘で、父親が家族全員が揃うにはこれしかないと、葬式のシーンを撮影するシーンには、驚きました。

監督は、写真撮影を通じて絶対に家族になれるというのが、監督の狙いだったようだ。真似をするってことは楽しいもので、すべてが本当に面白い。

母親役の風吹ジュンさんは、極道の妻、看護婦、など、そこにどれだけ寄せていけるだろうかと苦労したそうです。本物の母親は、プロの看護婦だったのでね。

中野監督作品は、家族がそろって囲む食卓のシーンが印象的だ。本作でも、主夫である父・章(平田)が作る皿うどんやたこ焼き、政志が好きな辛いカレーなどが登場し、家族の時間をあたたかく彩る。

「家族って決まりはない、それぞれの価値観や形があって。家族の定義はないんだけど、象徴という意味では『食卓を囲む人たち』だと思っています。だからこの映画では、食卓を一緒に囲むシーンが多い。“食べる”というのは“生きる”ことの基本だから、食事をともにするのは、とても尊い行為だなと思っています。今回、実際の浅田家の大皿から取り分けるという食べ方を取り入れて、食卓シーンを作りましたと言う監督の思いが伝わってきます。

後半では、劇中で政志は、何度も涙を流す。二宮がそれぞれ異なる思いを宿らせているからこそ、全てが違う涙に見え、そして全てが本物の感情として観客を揺さぶってくる。

ある日、東日本大震災という未曾有の天災が発生する。東日本大震災での、泥の中から出て来る遺族たちの写真。それを丁寧に何度も水で洗って、乾かす仕事には本当に観ていて頭が下がりました。そして、遺族の写真の中から、家族の方たちが見つけて嬉しそうに、思い出しながら涙を流すシーン、観ている方も涙、涙でした。

その中でも、始めに地元で写真を水で丁寧に洗って乾かしている青年を見つける。彼は、菅田将暉君で、始めは誰だか判らないような地元の青年ふうで、自分のオーラを隠して演じてましたね。さすがに演技の巧い菅田将暉くん、主人公の二宮さんを立てており、地元青年の役にハマっていましたよ。

震災に遭う前に、政志が出会った病気と戦う子どもを持つ佐伯家の写真を撮り、ファインダー越しに政志が涙するシーン。被災地の掲示板で知り合いの家族の安否を確認するシーンでは、政志は涙までは流していませんが、目を潤ませて、とても感情が伝わってきましたね。『たった1枚の写真に救われる』という話をたくさん聞きましたが、やっぱり人間は、生きる歴史の土台がないとふらふらしてしまう気がしていて。1枚でも『自分がこうやって生きてきた』という証があるだけで、人間は今を生きられる。

近年、いろんな自然災害が毎年のように起きているし、困難な時代が来ることは分かっているからこそ、今、そういう困難に立ち向かう力になる映画が必要だなと思いました。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・58  アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

 


糸★★★・5

2020年10月09日 | アクション映画ーア行

        

 

1998年にリリースされた中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフに、菅田将暉、小松菜奈演じる平成元年に生まれた男女の18年間を生活者からの視点から見た平成史とともに描いていく、瀬々敬久監督作品。漣役の菅田、葵役の小松のほか、斎藤工、榮倉奈々、山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙らが顔をそろえる。

 

 

あらすじ:平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育ち、13歳の時に出会った2人は初めての恋をするが、葵は母親に連れられて北海道を去ってしまう。8年後、21歳になった漣は、友人の結婚式のため訪れた東京で葵との再会を果たす。しかし、漣は北海道でチーズ職人、葵は東京、沖縄へと自分の世界を広げ、2人は別の人生を歩み始めていた。さらに10年の時が流れた平成最後の年、2人は運命の糸によってふたたびめぐり会うこととなる。

 

 

<感想>中島みゆきの名曲「糸」の台詞が所々に織り込まれており、曲に乗せて描かれるふたりの男女の切ない生き方、そしてその周囲の人々の物語。一本の赤い糸のように、男と女が平成という時代を織り込み、厚みのある一枚の布となった幾重もの糸の物語。それは、好きで愛し合っていても中々結ばれない男女のドラマがあり、そして物語の喜怒哀楽に心を動かされてしまう。

 

 

さすがに主役の2人菅田将暉の演技力と、小松菜奈の魅力がぴったりとハマっており、それは見事に1本の糸で繋がっており、中々この主人公2人が結ばれないもどかしさとか、きっと最後には巡り合って結ばれるのだと信じて疑わなかった。

手を替え品を替えての物語の運びに工夫が凝らされており観る者を飽きさせない。主人公は二人だが、小松菜奈の方が、いわば冒頭での虐待も含め受難の連続で、斎藤工に一方的に去られて後、シンガポールでは仕事仲間の山本美月に裏切られ逃げ出されたあと、母親の死にも遭う受難。

菅田将暉の歩む過程は、北海道でのチーズ作りで真っすぐだ。それでも愛妻の死に見舞われ、それでも娘をもうけて一つのヤマ場を成している。

 

 

それがラストで、とんとん拍子に2人が出会い、結婚をするまでの長い道のりを、スクリーンで描かれてゆく脚本に涙が止まらなかった。しかしながら、この作品は『弥生、三月 君が愛した30年』と類似している点が多々あり、評価の上では前に上映された『弥生、三月 君が愛した30年』の方が良かったと思う。

ですが、俳優たちが適材適所で素晴らしく、誰もが魅力的な人物像を彫り上げていた。子供食堂の倍賞美津子が豊かな包容力で、主人公2人をさりげなく繋ぐ役割を果たしていた。全編、山あり谷ありの切実な人生模様を作り上げていた。

 

 

主人公の漣は北海道でチーズ工場で働きながら、そこの娘 榮倉奈々と結ばれ子供が授かり、幸せな結婚生活に恵まれる。

 

 

一方の葵は、13歳の時に出会った漣と恋をして、彼の絶対に君と結ばれると誓いあったのに、葵は養父の虐待を逃れて一度は漣と駆け落ちをするも、まだ幼い2人は警察に保護されて別れ別れになってしまう。

 

 

その後、葵は実業家の斎藤工に救われ、世界中を飛び回って沖縄に住むことになるが、斎藤工の事業が失敗して葵はまた一人になってしまう。そして21歳になった葵と漣は、友達の結婚式で久しぶりに出会い、お互いに別々の人との幸せを掴んでいた。

 

 

ところが、漣はまだ心の中に葵のことをあきらめてはいなかった。娘を授かったのに妻が癌で亡くなり、チーズ作りをしながらきっと心の中では葵のことを思い出していたに違いない。だから葵の方も、漣との繋がりを求めて斎藤工のところから逃げ出して、北海道へと戻っていく。

 

 

17年後の2人の再会では、きっと漣と葵が結ばれるのだと確信を持って観ていたが、さすがに涙が零れて仕方がなかった。もちろん最大なのは東日本大震災でしょうかね、上手く物語に織り込んであると思いました。人生ってこんなにも巧く行くわけないと思うのですが、映画の中だもの、この2人には幸せになって欲しいと願うばかりですね。

 

 

そうそう、私の大好きな成田凌くんが、友人で出演していましたね。彼の作品はTVで良く観ています。

 

 

 

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・57  アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

 


2分の1の魔法★★★

2020年09月24日 | アクション映画ーナ行

               

「リメンバー・ミー」「トイ・ストーリー4」のピクサー・アニメーションによる長編作品。亡くなった父親にもう一度会いたいと願う兄弟が、魔法によって半分だけ復活した父親を完全によみがえらせるため奮闘する姿を描いた。監督は「モンスターズ・ユニバーシティ」を手がけたダン・スキャンロン。

あらすじ:かつては魔法に満ちていたが、科学技術の進歩にともない魔法が忘れ去られてしまった世界。家族思いで優しいが、なにをやってもうまくいかない少年イアンには、隠れた魔法の才能があった。そんなイアンの願いは、自分が生まれる前に亡くなってしまった父親に一目会うこと。16歳の誕生日に、亡き父が母に託した魔法の杖とともに、「父を24時間だけよみがえらせる魔法」を書かれた手紙を手にしたイアンは、早速その魔法を試すが失敗。父を半分だけの姿で復活させてしまう。イアンは好奇心旺盛な兄バーリーとともに、父を完全によみがえらせる魔法を探す旅に出るが……。

<感想>主役は“内気な弟イアン”と、“陽気な兄バーリー”… 父をたった1日だけ生き返らせるため冒険の旅にでる。16歳になった誕生日に母親からイアンにプレゼントがあったのだ。兄のバーリーは父親との思い出があるが、イアンには父親の記憶がなかったのだ。

イアンが父親からのプレゼントの杖で、父さんを生き返らせようと、魔法オタクの陽気な兄バーリーとともに呪文を唱えてみると、杖から青白い閃光が飛び出し、それはみるみる人の形になっていった。イアンには魔法の才能があったのだ。しかし、杖の先端にある“不死鳥の石”が粉々に砕け散り、魔法は失敗に終わってしまう。父は生き返らなかったのではなく、“体の半分だけが生き返る”という意味不明な状況に陥ってしまった。タイトルの”2分の1”には、半人前であるイアンの魔法で”半分だけしか復活しなかった父親”という意味が込められている。

魔法の効力は、わずか24時間。それまでに兄弟は、父親を“完全に蘇らせない”と永遠に会えなく成るのだ。兄のバーリーとともに、イアンは新たな不死鳥の石を求めて冒険の旅に出る。

幼少期に父親を亡くしたダン・スキャンロン監督の思い出がベースになっている本作。半分しか見えない父親への憧れと、その偉大な父親と中途半端な自分を比べては落ち込む少年の葛藤と成長、対照的な兄との絆といった家族愛に、涙腺を刺激されるはずですね。

「父さんとやりたいことリスト」と書かれたメモ帳を、大事そうに抱えながら――。設定は今回もユニークであり、舞台は、かつて魔法があふれていた世界。炎や雷などの魔法があふれていた世界だ。はるか昔、人々は魔法で火を灯したり、悪者を退治したり、冒険に繰り出したりしていた。だが、科学技術が発達すると、人々は魔法よりも、スマホなどを重要視するように成った。次第に誰もが魔法を使わなくなってしまった。

兄弟の冒険に待ち受けるのは、プールで自撮りをする人魚や野良犬のようなユニコーンなど。個性豊かなファンタジー世界の住人たち。世界が神秘的な魔法に満ち溢れて居たのは、遥か昔のこと。

科学が進歩するにつれ、小人や妖精たちは便利な世界に憧れ、魔法は殆ど消えていた。伝説の生き物だったドラゴンも、今ではペットとして飼われている。

つまり観客にとって馴染みぶかい風景の中に、ユニコーンがうろついるような独創性を表現しようと考えていたり、エルフやトロールたちがスケートボードで遊んでいたり、バスに乗っていたりする姿を想像するのは楽しいものだよね。

魔法の消えかけた日常を通して便利になりすぎる現代社会へ警鐘を鳴らしつつ、冒険心を爆発させる彼らがユーモアたっぷりに描かれているのが良かった。

イアンの魔法の見どころと言ってはなんだが、亡き父をよみがえらせようとする旅の途中で、イアンが魔法でガソリンタンクを大きくしようとするシーンである。慣れない魔法に集中しようとするが、隣にいるバーリーがお節介を焼いてしまい、結局イアンは魔法に失敗する。ガソリンタンクではなく、兄のバーリーを小さくしてしまったのだった。

そのガソリンスタンドでは、小さい妖精たちが暴れまわっていて、外には乗っているバイクがあり、イアンたちに因縁をつけて来る。イアンは大急ぎで小さくなった兄をポケットに入れて、車にガソリンを入れて慣れない運転で車を走らせる。バイクで追いかけて来る小さい妖精たち。それに、心配して子供たちの後を追いかける母親は、酒場のマンチュア(ドラゴンの)へと向かう。

イアンの運転する車に、パトカーが追いかけてきて質問をするのだ。兄は小さくなりポケットの中、イアンを助ける半人前の父親。するとイアンが兄と一緒に魔法で義理の父親ケンタロウスの警官に化けるのだ。難なくそこを乗り切って前へと進む。

すると崖があり、向こう岸には跳ね橋がある。イアンが魔法で向こう岸まで恐る恐る渡るのだが、腰には兄が持つロープが握られていて、最後近くで腰のロープがないのに気が付き宙に浮き落ちていくのを、必死で崖の淵を掴むイアン。やっと跳ね橋を向こう岸に渡して兄と車を通すのだった。ガソリンスタンドで買ったお菓子を魔法の杖で大きくして、ボートにして川を渡るのだ。

そこからは川を渡り岸につき、洞窟の中へと進み、まるで「インディジョーンズ」のような仕掛けがあったりしてハラハラ、ドキドキ、兄弟は下半身の父親を連れて前へと進む。洞窟を出るとそこは、現代の町が現れ、兄も元どうりに大きくなっていた。

旅の終わりに近づくと、弟のイアンに変化が見えてきて、旅の中で様々な危険に遭遇し経験をして、少しづつ自信を持ち始めて成長するイアンの姿に嬉しい思いが込み上げてくる。

兄が町の古い泉を撤去しているところへ行き、この泉に”不死鳥の石”がきっとあると確信する。日没まで数時間しかない。兄弟で仲良く魔法の杖で父親を蘇らせることができるのだろうか。

イアンは母親の力も加わって、大切な人との絆が一歩づつ踏み出す勇気をくれて、最後の夕日に見える父親と兄が抱き合っている姿を、岩の隙間から見つめるイアンについ涙が込み上げてくる。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・56  アクション・アドベンチャーランキング

 

 


コンフィデンスマンJP プリンセス編★★★★

2020年09月11日 | アクション映画ーカ行

        


長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が共演した人気テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第2弾。共演には、劇場版前作「ロマンス編」の竹内結子、三浦春馬、テレビドラマ版の広末涼子、江口洋介らシリーズでおなじみのキャストに加え、「町田くんの世界」の関水渚、「アクシデンタル・スパイ」のビビアン・スー、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」「EXILE」の白濱亜嵐らが新たに参加。



あらすじ:世界有数の大富豪フウ家の当主レイモンドが他界した。10兆円とも言われる遺産をめぐりブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟が火花を散らすが、執事トニーが相続人として発表したのは、誰もその存在を知らない隠し子ミシェルだった。世界中からミシェルを名乗る詐欺師たちが“伝説の島”ランカウイ島に集結する中、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人もフウ家に入り込み、華麗かつ大胆にコンゲームを仕かけるが……。



<感想>映画を観に行く前に三浦春馬君の訃報を知り、とても切なくて泣けて泣けて、まだ若いのに惜しい俳優さんをなくしました。この映画が彼の最期の作品なのかもしれませんが、彼、春馬くん(ジェシー)の顔をじっと見つめながら、特に画面で笑っている顔が印象的で、涙が出てたまりませんでした。



本作品の中では、ダー子に頼まれて、地元の金持ちの女性たちを騙す役割をしてました。真っ赤なスーツを着こなして、ゴージャスな雰囲気を醸し出し、金持ちのぼんぼんというような役柄で、始終ご機嫌な様子を見せていましたね。



前作と同様の、相も変らずのダー子の長澤まさみ、ボクちゃんの東出昌大、リチャードの小日向文世が主役の詐欺師たちによる、ドタバタ喜劇でございます。今回もたくさんの俳優さんたちが出演しており、デビ夫人やらGacktさんとか、本当にちょいとの出演でもよく引き受けたと感心しきり。この作品への力の入れようが伺われました。



大富豪フウ家の当主レイモンドが他界したことにより、莫大な遺産をめぐり長女のブリジット、長男のクリストファー、次男のアンドリューの3姉弟が火花を散らすなかで、執事トニー(柴田恭兵が中々良かった)が相続人として発表したのは、誰もその存在を知らない隠し子ミシェルのことだった。



早速ダー子は、隠し子ミシェルにふさわしい純真な女性を探しにいくも、何と孤児のメガネっ子のブス女をそのミシェルに仕立て上げることにした。さて、そのお手並みを拝見しようではないか。



驚いたのが、そのメガネブスっ子(関水渚)が見違えるように大変身して、教養や、その他、隠し子ミシェルに訓練するわけ。これには参った。ダー子の腕もあるが、本人がその気になり、体の中からそのミシェルに相応する女性として作り上げたのである。最初のコックリと名付けた彼女よりも、最後のミシェルの関水渚の美しいレディになった大変身にはびっくりしました。



そもそも大富豪フウ家の当主レイモンドが、相続に加えた隠し子ミシェルとは、ダー子が発案者だったから、そのことを最後に知るのでなるほどと、納得。ミシェルの母親には、なんと竹内結子が現地の母親として様変わり変身術をみせて凄かったです。



そして、この隠し子騒動に加わるのが、いつもの江口洋介扮する赤星の親分に子分たち。執事トニーが金庫の中に隠している黄金の印鑑が、なんと財産の半分以上の値段だというのだから、ミシェルが全財産を相続することが決まった時に、その印鑑で捺印するというので、ダー子はミシェルにその印鑑とそっくりの贋作を作り、すり替える作戦をすることになる。



世界をまたにかけた騙し合いが展開される本作。撮影は国内に始まり、後半はマレーシアへと!。クアラルンプールで3日間、その後はランカウイ島での撮影。マレーシアを代表する繁華街、マーケット、高級リゾートホテルなど、各地で撮影が行われた。マレーシアに行ったことのある人も、行ってない人も、見ているだけで旅行気分を味わえるような映像には圧巻ですから。



また、ダー子(長澤まさみ)の衣装にも注目です。普段着や変装姿、豪華なパーティドレスと、あわせて何と29変化とは、ため息がつきますね。前回を超えるスケール感、サプライズのシークレットゲストなど、見どころ盛りだくさんという点に於いては、一切の騙しはナシですから。



しかしながらダー子たち3人が、赤星たちに拳銃で撃たれて死んでしまうシーンがあるが、これはきっと芝居で裏に何かあるのではないかと思ってしまった。案の定、全員生きていて、死んでいない。



ラストでの海岸でのミシェルに成りきった関水渚のレディ感や、ダー子が育ての親のような別れに涙がホロリ。いつもの詐欺師としてのダー子は何処へやら、金儲けのことはさておいて、ミシェルの幸せを願い、別れのシーンは良かったです。





長女のブリジット、長男のクリストファー、次男のアンドリューの3姉弟たちにも財産分しているので、本当は長男は昆虫博士を望み、長女は、売れない画家との恋を望み、次男は、ゲイなので男たちとの生活を望むということになる。


最後にオマケの映像がたくさんあるので、最後まで席を立たずにご覧ください。


 

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・55  アクション・アドベンチャーランキング


 


水曜日が消えた★★★

2020年08月27日 | アクション映画ーサ行

         

中村倫也が、曜日ごとに入れ替わる7つの人格を持った男を演じた主演作。中村が7つの人格を持つ主人公を演じるほか、石橋菜津美、元「乃木坂46」の深川麻衣、きたろう、中島歩、「ゲスの極み乙女。」の休日課長などが顔をそろえる。MVやCM、短編作などで注目される吉野耕平の初の長編監督作。

あらすじ:幼い頃の交通事故により、曜日ごとに性格も個性も異なる7人が入れ替わる「僕」。彼らは各曜日の名前で呼び合っているが、中でも「火曜日」は一番地味で退屈な存在で、他の曜日から家の掃除など面倒なことを押し付けられる損な役回りだった。しかし、ある時、1日を終えてベッドに入った「火曜日」が、水曜日に目を覚ます。僕の中の「水曜日」が消え、「火曜日」は水曜日を謳歌するが、その日常は徐々に恐怖へと変わっていく。

<感想>だいぶ前に観たが、思い出しながら。7人の人格を中村倫也が演じるという、ふれこみだが、その設定をこれみよがしなフックにしないで、周囲との関係をめぐるドラマとして、描き出している。だが、中村倫也の1人7役という演技力が乏しくて、映像、設定等を加えてもとても高評価にはならない。なんだか内容的に薄く感じました。

1週間を日替わりの僕として生きる青年に起きる異変という設定も、妙にすんなりと受け入れられ、そんな驚きのなさが企画の乏しさのせいなのかと、悶々としたものの、ひっかかりのないままに観終えてしまった。なんだかハリウッドの「セブン・シスターズ」と同じネタだ。

7人というわりには、火曜日と水曜日の二人の僕しかいなかったかもと、姑息的な文句を飲み込みながら、7人格を筋として絡めて演じ分ける中村倫也を観たかったのだと自分に言い聞かした。

吉野監督、オリジナル脚本とVFXも、観終わって奇妙な夢を見たという感じだ。観客がついていけるギリギリを狙ったとしか思えないが、全体の希薄さも狙いだったようだ。舞台は、近未来なのか、現代なのかはっきりとは分からないが、静と動の漂わせ方、及び透明感ある映像の美しさは良かった。

そして、随所で挟み込まれる、”幼き僕”が交通事故に遭った際のアスファルトに横たわる”僕の目”が、画面いっぱいにクローズアップされ、その後、道に転がるサイドミラーに映し出される飛翔する鳥の姿。最初は7羽、5羽、2羽と減っていくところは実に見事。

火曜日が寝たあと1週間分の夜が来るはずが起きたら水曜日。図書館に行って喜ぶ火曜日だけど、その内木曜日までやってきてと。そんな緩い展開なのだが、対人関係や恋心というのがメインであり、掃除するのは火曜日の役目。

それに通院するのも火曜日。映画とかビデオってのは他の曜日はどうなんでしょうかね、さすがにビデオを借りるのが「トレマーズ」とはびっくり、何だか一ノ瀬さんと気が合うような。

ラストで、深刻な顔をはっきり始末していないのもなんだかなぁ。曜日ごとに変化する多重人格で、一番地味な火曜日をベースにした選択はよかったが、中村倫也の他の曜日の演技がわざとらしのも仕方がないのか。それにしても女性たちが表面的にしか存在しないのも不思議だ。

そして、医師もその助手もそうだ。そう考えるとすべてが記号的に見えて、それが狙いだったのかもしれない。それにCM的な口当たりのよさに始終した画作りには、今一つのめり込めないのも残念。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・54  アクション・アドベンチャーランキング