パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ガラスの城の約束★★★★

2019年08月07日 | アクション映画ーカ行

「ショート・ターム」のデスティン・ダニエル・クレットン監督とブリー・ラーソンが再びタッグを組み、アメリカの人気コラムニスト、ジャネット・ウォールズのベストセラー回顧録を映画化。夢や理想ばかりを追い求め、ほとんどホームレス状態だった破天荒な両親に振り回され続けた壮絶な子ども時代と、そんな両親に愛憎入り交じる複雑な感情を抱える主人公の心の軌跡を綴る。共演はウディ・ハレルソン、ナオミ・ワッツ、マックス・グリーンフィールド、セーラ・スヌーク。

あらすじ:1989年、ニューヨーク。“ニューヨーク・マガジン”で活躍する人気コラムニストのジャネット・ウォールズは、真面目な青年デヴィッドとの結婚を控え、仕事もプライベートも順調な日々を送っていた。そんなある夜、車道に飛び出してきたホームレスの男性と遭遇したジャネット。なんとその男性は彼女の父、レックスだった。自由を愛し、夢ばかりを追い求めていたレックスの下で、ジャネットたち姉弟妹は学校にも通わせてもらえず、夜逃げを繰り返す流浪の生活を強いられていた。画家の母ローズマリーは、レックスに輪をかけて生活力がなく、ほとんど育児放棄状態。それでも両親は両親なりに、子どもたちに愛情を注いでいたのだったが…。

<感想>「自分らしく生きる幸せ」を教えてくれたのは、大嫌いだった父。家なき両親を持つ女性セレブ、実在の人気コラムニスト、ジャネット・ウォールズの物語である。15年公開の「ルーム」でアカデミー賞主演女優賞に輝き、最近では「アベンジャーズ」シリーズに、キャプテン・マーベル役で参戦。今や名実共にハリウッドのトップ女優となったブリー・ラーゾンが主演を務めた本作。その衝撃の過去と自立のドラマである。華麗なセレブとして有名な彼女が、自らの衝撃的な過去を綴り、大反響を呼んだ全米ベストラーの映画化であります。

映画は出版業界で成功を収めたジャネットが、NYの街角でホームレスをして落ちぶれた両親と再会するところから始まる。ジャネットの婚約者でエリート金融マンのデヴィッド。マックス・グリーンフィールドが演じている。ジャネットの家族と対面するシーンでは、世間の常識とはかけ離れた一家の振る舞いにドン引きしてしまうのだ。横柄な態度の父親が、ジャネットに金をせびるシーンは、うんざりする。こんな親とは縁を切りたいものだ。

実は4人姉妹の次女として育ったジャネットは、酒浸りの父親レックス、絵描きの母親ローズマリーのもとで過酷な極貧生活を経験して、その地獄のような日々から脱出して、今の地位を築き上げたのだった。つまり、逃げ出してから高校や大学へと、働きながら奨学金をもらい大学を卒業する。他の姉弟妹たちは、學校へはいっていない。

気まぐれな両親に翻弄されつづけ、田舎を転々としたジャネッとの少女時代は、まさに毎日が戦争のようだった。本作では、痛ましい過去と向き合ったジャネットが、粗暴だが優しさにも満ちていた父親との関係を見つめ直していく姿を描き出していく。

ヒロインの自立と心の救済、そして家族愛といった多様なテーマが込められた、波乱万丈のドラマなんです。その心揺さぶる行く末を見届けて欲しいと思います。

ジャネットの父親は手のつけられないほど酒癖の悪いトラブルメーカーだが、科学や哲学などの豊富な知識を持ち、娘たちに多くの知恵を授けた。演じているのがウディ・ハレルソン。

母親のローズマリーには、ナオミ・ワッツが扮しており、子育てや家事よりも絵画を描くことが大好きで、そちらを優先して何もしない芸術家肌の女性である。描いている絵は、そんなに巧くなく、売れる絵ではない。ただの道楽、子育ても長女に任せて、一番下の子供は生まれたばかりなのに、長女が母親代わりで、食事の世話もお金がないので、庭や森の中を散策して食べられる物を探して調達する。

子供たちは、お腹が減ると家の中にあるものを、鍋で煮込んで食べるのだが、ジャネットが4、5歳のころに踏み台に乗り、鍋でパスタを茹でている時に、体のお腹の部分にコンロの火が移り燃えてしまい、大やけどを負うのだ。そんな時でも、一応は病院へ連れて行くも、支払いが出来ないので、治療途中で逃げ出すのだ。だから、ジャネットのお腹あたりには、大火傷のケロイド状の跡が残っている。

少女時代のジャネットは、定職を持たず、生活が行き詰まると引っ越しを繰り返す両親に振り回されっぱなしだ。父親は働きにもいかず、妻の絵を売りにいき酒を買い、アル中状態。家もない時には野宿をする。だから、金もないので、スーパーへいくも万引きをして戦利品を並べて、子供たちは腹を満たすのだった。着ている服は教会で支給される古着だ。

デスティン・ダニエル・クレットン監督とそのスタッフは、まるで根無し草のヒッピーのような一家の生活ぶりを、山奥にポツンと建つ、廃墟のようなあばら家のセットなどを駆使して表現。ジャネットにとっては悲惨でありながらも、かけがえのない日々の思い出が彩り豊かに映像化されていた。

物語のキーマンとなるレックスを演じたのは「スリー・ビルボード」などの実力派俳優ウディ・ハレルソン。迷惑な奇行を連発する半面、4人の我が子には惜しみなく愛情を注ぐ複雑なキャラクターを、強烈なるインパクトで体現していた。親として自分は絶対に悪くはないと断言している。

また本作の題名に含まれる“ガラスの城”は、家族のためにいつの日か「ガラス製の家を建てる」と宣言するレックスの、途方もない夢からつけられている。つまりは、家の中が丸見えのスケスケの家でもあり、壊れやすいガラスで建てられている家なのだ。

そんな森の中の廃墟のボロ屋暮らしをしている家族たち、家を抜け出したのは二番目のジャネットだけで、後の姉弟妹たちはその日暮らしを楽しんでいるようだった。だから、ジャネットがNYの暮らしから逃げ出して、またもや森の廃墟へ戻ったのは私には解せないのだ。それでも家族の絆と言えるのだろうか。いつの間にか、両親の暮らしが当たり前の生活だと誤認しているようにみえた。

この映画とよく似ているのに、ビゴ・モーテンセンが父親役をした「はじまりへの旅」があるが、こちらは父親と母親が教育にも、躾にも厳しく、世の中へ出ても立派な人間になるようにと育てていた。爪のアカでも煎じて飲んで見たらいいのにね。

2019年劇場鑑賞作品・・・116  アクション・アドベンチャーランキング

 

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今日も嫌がらせ弁当★★★

2019年07月17日 | アクション映画ーカ行

反抗期を迎えた高校生の娘への仕返しとして、愛情溢れる“嫌がらせ弁当”を3年間作り続けたシングルマザーが綴った人気ブログを篠原涼子と芳根京子の共演で映画化したコメディ・ドラマ。監督は「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」「レオン」の塚本連平。

あらすじ:八丈島のシングルマザーかおりは、次女の双葉と2人暮らし。高校生になってからすっかり反抗期となり、話しかけても返事すらしてくれない娘に困り果てたかおりは、いまや母娘の唯一の繋がりとなっているお弁当でコミュニケーションを取ろうと思い立つ。さっそく仕事で忙しいにもかかわらず、娘の嫌がるキャラ弁づくりに奮闘するかおり。一方の双葉は、すっかりクラスの注目の的となった“嫌がらせ弁当”を迷惑がりながらも、一口も残さず食べ続けるのだったが…。

<感想>生意気でも、反抗期でも、あなたが娘でよかった。良く解りますよ、家でも娘が2人いるので、反抗期は娘2人共ではなくて、妹の双葉ちゃんだけなのね。姉ちゃんは、自活をして別に暮らしているから。

弁当作りには、本当に悩まされましたね。冬はいいのですが、梅雨時と夏ですね、傷みやすいおかずは入れられません。揚げ物も、毎日だと飽きて嫌だといいます。だから、キャラ弁なんて作ったことありませんね。

毎日同じような塩鮭焼き、卵焼き、ウィンナー(タコなんて作りません)ブロッコリーにミニトマト(夏はダメ)。で、夏はかんぴょう巻きとか、のりまき、梅干しのおにぎり、いなりずしなどです。最近では冷凍品で、とても便利な食品がありますよね。

この娘は幸せ者ですよ、母親に感謝しなさい。それに、キャラ弁だと教室の同級生に羨ましがられるね。こんな母親になりたかったです。今更ながら後悔しても遅いちゅうのに、苦笑。

この作品ではシングルマザーで、働かなければ食べていけない。それなのに、朝早く起きて、娘のためにキャラ弁作って、偉いったらない。

佐藤隆太扮するシングルファザーから、キャラ弁を毎日写真に撮り、載せているブログにコメントがきた。どうやったら、このようなキャラ弁が作れるのかと。息子に試行錯誤して作ったキャラ弁に、恥ずかしいとか、美味しくないとか、食べてくれなかったのだ。これには、返事に困ってしまった。かおりママのように、器用に海苔を切って、ご飯に張り付けて、おかずもたくさん作っているので。無理してキャラ弁作らなくてもいいのに。いつものオニギリに、鳥から揚げ、ウィンナーでいいのにね。

途中で、日頃の疲れから母親が倒れて病院へ入院することになる。これで、やっと娘たちも、母親のありがたみが分るのだ。

それに、自分が結婚をして、夫や子供の弁当を作る時に、あの時の母親のありがたみが手にとるように分るのだ。私もそうだったように、子供も大人になり、結婚をして子供を産み、育てて、弁当を作り、やっとこさ親の有難みが分るのだ。映画の中の母親は、重い病気でなくて良かった。

そして、娘の卒業式での弁当の立派なことといったら、クラス全員で食べれるようにと、たくさんのおかずに、黒い海苔で描いた卒業おめでとうの言葉に、溢れるほどの母親の愛を感じました。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・106  アクション・アドベンチャーランキング

 

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きみと、波にのれたら★★★

2019年06月23日 | アクション映画ーカ行

「夜は短し歩けよ乙女」「夜明け告げるルーのうた」の湯浅政明監督が、消防士の青年と出会ったサーファーの女子大生の甘く切ない恋と成長を描いた青春ラブストーリー。声の出演は消防士の港役に片寄涼太、ヒロインのひな子役に川栄李奈。共演は松本穂香、伊藤健太郎。

あらすじ:サーフィンが大好きな大学生のひな子は、消防士の港と運命的に出会い、たちまち恋に落ちる。永遠の愛を誓ってくれる港は、いつしかひな子にとってかけがえのない存在となっていく。ところがある日、港が海の事故で命を落としてしまう。すっかり憔悴してしまったひな子だったが、ふと2人の思い出の歌を口ずさんだ時、港が水の中に現われた。思い出の歌が港を呼び戻してくれるとわかり、2人だけの世界に浸って幸せを感じるひな子だったが…。

<感想>守りたい人がいる。会いたい人がいる。このアニメは、恋愛映画というよりも、千葉ボートタワーが舞台のサーフィン映画であると共に、消防士やバリスタ、そしてライフセイバーなどの仕事の手順についてのヴィヴィッドな描写が、魅力的な職業をめぐるアニメーションの映画にもなっていた。

主人公のひな子は幼いころからサーフィンに夢中になり、今ではいっぱしのサーファーになっていた。そこへ登場する消防士の港との恋、それにひな子がまだ小さい頃に、海で溺れていた港を救助したという運命の相手だったのだ。

彼は卵サンドを素早く作れる男で、名前が雛罌粟港(ひなげし・みなと)という変わった名前の男で、サーフィンを教えてあげるひな子との交流や、オムライスも作れないひな子とのこれから愛を育むはずだったというのに。ひな子のことを、港は「あのこは僕のヒーローなんだ」と、いつもみんなに言っていた。

だが、その運命も港が事故で亡くなってしまう。諦めきれないひな子の心は、水を見ると港を思い出してしまう。その他にも、港の妹洋子と、港の後輩の消防士である川村山葵という、もう一組のカップルが生まれるという展開もある。

そして港の死に寄り、海に近づけなくなったひな子が、グラスの水に向かって思い出の歌を歌うと、そこに港が現れる。ファンタジックです。絶対に港は死にきれなかったのだと思う。だから、ひな子の前に水の精となって出てきたのだと思った。

他の人には見えない、自分だけの港だから、嬉しくってイルカに水を入れて、その中に港を閉じ込めて街のなかを走り回るひな子。だが、港と出会ったのは、ひな子が引っ越しをしてきたアパートの火事でのこと。消防士である港がひな子を助けてくれたのが始まり。

その火事のことが、後でトンデモないハプニングに発展していく結末に、驚きます。

ある夏のこと、廃墟で街の若い連中が花火をして遊んでいた。空き家の廃墟だから、花火の引火で火事が起きても平気な若い連中。その花火を見て、きっと火事が起こると注意をしに行く、ひな子と港の妹の洋子がその廃墟へと急ぐ。

しかし、そこはマンションで階段を上ると、そこからの海の眺めは抜群でもあり、そこで花火を上げるのも綺麗なのだが、その花火の炎が廃墟の木材やビニールに燃え移り、大事になってしまうのだ。

火事の騒ぎで消防士の川村山葵も出動するも、彼女たちはだいぶ上の階に避難しているも、火は上空へと燃え上がり、彼女たちは上の屋上へと非難する。ところが彼女たちのところへも火の手が伸びてきた。

ひな子は水のある場所で、歌を口ずさめば必ず亡くなった港が現れるのを知って、その場所でペットボトルの水に向かって歌い、港が現れるのだ。

だが、今度は比べ物にならないほどの高層ビルの廃墟であり、火事を起こした若い連中もいるし、港は悩んだ末にドでかいことを計画する。いくら水の精でもありえないことをするんです。

そこへ消防車も来て、消火活動が行われるも、火事の場合は上へ逃げては危険なのに、彼女たちは、花火で遊んでいたやつらを写真に撮り、通報しようとしたことがアダとなり、危険なことに炎は自分たちのところまで来るのだ。

 

ペットの中の港に助けを求めるひな子、洋子は足をねん挫して歩けないし、どうしたらいいのか。そこで、港のダイナミックなマジック的な水の芸ともいうべき、ビルの下から水が屋上へと水の渦巻きが起きて、屋上へいたひな子と洋子の2人は、びっくりするやら、港の一世一代の水のマジックショーですよ。そしてひな子に「水の上でサーフィンをして、下まで降りるのだ」と言うのですから。

屋上まで消防士である川村山葵が助けに来てくれて、洋子を頼み自分はサーフィンで、屋上から下まで波乗りダイブを楽しむひな子なのでした。

もう、最後が港がこれで自分の勤めも果たしたかのように、天に昇って行くのが見えましたね。なんというファンタジーな物語、こんなのって現実にあったら凄いのにね。火が大きな花火で綺麗でしたし、水の精になって現れる港の男らしさにも、これほどまでに水と火を、新しい感覚で描いたのは初めてでした。

2019年劇場鑑賞作品・・・93  アクション・アドベンチャーランキング

 

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クローゼットに閉じ込められた僕の奇想天外な旅★★

2019年06月14日 | アクション映画ーカ行

ロマン・プエルトラスの世界的ベストセラー『IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅』を「大いなる休暇」「人生、ブラボー!」のケン・スコット監督で映画化。ひょんなことから思いがけない形で世界各地を旅することになるインド人青年の冒険と成長の物語をユーモラスかつ奇想天外に綴る。主演は「ラーンジャナー」のダヌーシュ。共演にエリン・モリアーティ、ベレニス・ベジョ、バーカッド・アブディ。

あらすじ:インドのムンバイで大道芸人をして暮らす青年アジャは、母の死をきっかけにまだ見ぬ父に会うためパリへ向かう。そしてパリに着くや、憧れの家具店にやってきた彼は、アメリカ人女性のマリーと出会い、たちまち恋に落ちる。翌日のデートを約束した彼は、お金がないので店のクローゼットの中で夜を明かすことに。ところが、そのクローゼットは彼が寝ている間にロンドンまで運ばれてしまう。その後も次々とトラブルに巻き込まれ、結果として世界各地を旅するハメになるアジャだったが…。

<感想>ありえない世界旅行へ!ふとしたきっかけからクローゼットの中に身を潜めることになったインド人青年が、パリから英ロンドンへと“出荷”される場面がコミカルに描かれていた。ファンタジックな旅への夢が膨らみ心が和む、ロードムービーになっていました。その夢のある冒険の旅を、少年院に入ることになった3人の少年達の元にやって来た男が、自身のやんちゃな過去や数奇な旅について話をする物語です。インド映画に外れ無しと思っていたら、これはガッカリの駄作でしたね。

冒頭では、父親が誰かは知らされず母親と二人で暮らす少年が、ある日自分が貧乏であることと貧乏から抜け出したいということに気付き、金を貯めてパリへ行くことを夢見るところから展開していく。働き過ぎで過労死をしてしまう母親が、気の毒に思えてならない。それに、偽札と知っても、それを手に旅をする気が知れない。

アジャが列車の長旅で、疲れて家具店のクローゼットの中で寝てしまい、そのクローゼットが車でロンドンへと運ばれていく。トラックの中にはたくさんの荷物と、数人の男たちが潜んでいる、薄暗い荷台の中。つまり密入国の難民たちである。全く状況を理解できないアジャがロンドンという地名を告げられ、混乱する様子が映し出されている。

アジャを演じるのは、インド映画界のスーパースター・ラジニカーントの娘婿であるダヌーシュ。アジャが旅で出会う人々に、ベレニス・ベジョ(「アーティスト」)、エリン・モリアーティ(「キングス・オブ・サマー」)、バーカッド・アブディ(「ブレードランナー 2049」)、ジェラール・ジュニョたち。

あり得ないほど、ハプニングに満ちた世界旅行の始まりを描いている。お金がなくても何とかなるって、それは無いですからね。 インドからパリへ、そしてロンドン、スペイン、ローマ、リビアへと、旅の移動手段は、飛行機やローマの街で追われて公園で気球を発見し思わずに乗る、それに船と思いがけない旅を続けるうちに、自分にとって一番大切な人、一番大切な場所が見えてきたアジャ。 

ヒューマンドラマとはいえ、コメディ全開のおとぎ話的ストーリーで、何でもあり過ぎるが故に、楽しい空気感ではあります。ですが、笑いも少なく、何だか白けて来て、感動もあまりなかったですね。

旅の途中で一緒に乗り合わせた、難民問題など、世界情勢もさりげなく盛り込まれているのに、あまり突っ込んで描かれていないので、まったく薄い印象のまま終わってしまった。

それに、運命の出会いをした恋人のスタンスも不可解です。パリについて、家具やへ入り、そこで美しい女性と出会い意気投合します。デートの約束を取り付けるも、主人公のアジャと再会の約束をすっぽかされてしまい、ここでは、アジャがクローゼットの中に入り込み眠り込んでしまったから、ロンドンへ行ってしまうんですね。

その後は、ロンドンから大きな衣裳ケースの中に入って寝てしまう。そして目が覚めると、ホテルのスィートルーム。目の前には美女(大女優)が拳銃をアジャに向けているし。大慌てで部屋を出るアジャ。

恋人は他の完璧な男性と偶然の出会いをして、幸せな生活のはずなのに、何故だか、全て放り出してインドまで主人公のアジャを追ってきたのか、もうどこまでが本当の話なのか解りませんし、主人公が語るお伽噺なので、ほとんどが妄想や作り話的な可能性もありますよね。

それでも、インド映画らしく奇想天外な冒険と運命的な恋、そして主人公の成長を描いた物語。中でも歌や踊りのシーンが華やかで楽しいですから。

2019年劇場鑑賞作品・・・87  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ★★★★★

2019年06月03日 | アクション映画ーカ行

2014年にハリウッドで製作され、世界的に大ヒットした「GODZILLA ゴジラ」の続編にして、同一世界観で描かれた2017年の「キングコング:髑髏島の巨神」に続く“モンスター・バース”シリーズの第3弾。前作「GODZILLA ゴジラ」から5年後を舞台に、世界各地で伝説の怪獣たちが次々と復活し、地球壊滅の危機が迫る中、再び目を覚ましたゴジラと人類の運命を壮大なスケールで描き出す。本作ではゴジラに加え、日本版オリジナル・シリーズでおなじみのキングギドラ、モスラ、ラドンら人気怪獣も登場し、迫力の究極バトルを繰り広げる。出演はカイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、渡辺謙、チャン・ツィイー。監督は「クランプス 魔物の儀式」のマイケル・ドハティ。

あらすじ:ゴジラが巨大生物ムートーと死闘を繰り広げ、サンフランシスコに壊滅的な被害をもたらしてから5年。その戦いに巻き込まれ、夫マークと破局を迎えた科学者のエマは、特務機関モナークで怪獣とコミュニケーションがとれる装置の開発に当たっていた。そんなある日、エマと娘のマディソンが、装置を狙う環境テロリストのジョナ一味によってさらわれてしまう。事態を重く見たモナークの芹沢博士とグレアム博士は、マークにも協力を仰ぎ、ジョナたちの行方を追うのだったが…。

<感想>ゴジラ、モスラ、ラドン、ギドラ大地を揺るがす世紀の一戦!ハリウッド版「GODZILLAゴジラ」(2014)の続編にして、「キングコング:髑髏島の巨人」(17)に続く、“モンスターバース”第3弾。前作で現代に甦ったゴジラを始め、モスラ、ラドン、キングギドラという東宝版シリーズでお馴染みの怪獣たちが登場し、巨大怪獣バトルはさらに熾烈を極めるのであった。

ゴジラによる文明破壊に人類が危機感を募らせる中、世界各地で太古の怪獣たちが覚醒する。世界は滅ぶしかないのだろうか?・・・。今回メガホンをとったのはマイケル・ドハティ監督。ハリウッドきってのゴジラオタクであり、それだけに今作のいたるところに、シリーズや怪獣たちへの愛をビシビシと感じさせていた。

いや、それどころではないのだ。超がつくくらいゴジラ大好きが、莫大な製作費を手に入れ、趣味全開でゴジラ映画を作ったらとんでもない作品ができてしまったというわけ。「自分がゴジラを撮るならこうする」と、ドハティ監督はまさにそれを世界最高峰の舞台で実現。

前作に続いて渡辺謙が芹沢猪四郎博士役で出演する。前作においてサンフランシスコを破壊したゴジラを死滅させようとする政府に対して、芹沢は「ゴジラは人類を救うために闘った」と主張するのだから。ゴジラを含めた怪獣たちが何者なのか。人類にとって有害なのか、有益なのか、誰にも分からないわけですよね。そこは芹沢も同じで、ゴジラの存在を全て肯定しているわけではない。今起きている危機を食い止める術が他にないからという理由で、ゴジラに接近しているところもある。

出演のシーンは、飛行機の中だと思ったら、翌日は潜水艦の中のシーンだし、極寒の南極基地のシーンや、その真逆の設定シーンを撮影。だからコスチュームも非常に厳密に、何着も用意されていて、シチュエーションに合わせて変えているという。

今回の渡辺は、台本で読んだ以上に人間ドラマが際立ち、なおかつ怪獣映画としてエンターテイメントを追求したものになっていた。ゴジラが一体何を考えているのか、何をしたいのか、人類にとって敵なのか、それとも救世主なのか、全く分からない訳なんですね。

単なる伝説に過ぎないと思われていた古来の、圧倒的な力を持つ生物たちが、再び目覚め、世界の覇権をかけて争いを始め、全人類の存在する危ぶまれてゆく。人智を超えた圧倒的な脅威と対峙、モンスターが現れた時、我々人類はどう立ち向かうのかが問われる。

人類の行く末に深く関わる芹沢博士役で登場し、果たして科学者たちは人類の未来のために何ができるのか。に苦悩してゆく。ヴェラ・ファーミガ、チャン・ツィイーらに加え、ドラマ「ストレンジャー・シングス未知の世界」の名子役ミリー・ボビー・ブラウンら女優陣の豪華共演も見もの。

物語は:ゴジラの生態を研究する特務機関モナークの研究施設をテロ集団が襲撃。開発中の怪獣との交信機“オルカ”を強奪した一味は、世界中に眠っている怪獣たちを覚醒させようとしていた。モナークの芹沢博士らは、テロ一味を追って世界を駆け巡る。一方ゴジラは、ギドラをはじめとする怪獣たちの目覚めに呼応して、再びその姿を現すのだ。

日本の原爆事故の跡地に建設されたモナークの研究施設で、太古の巨大生物ムートーが覚醒する。ハワイに向かったこの怪獣の出現と時を同じくして、ゴジラが眠りから醒める。ムートーに立ち向かうゴジラの目的とは?・・・。

世界中で17体もの怪獣が太古の眠りから目覚め、そのうち3体がゴジラの前に姿を現した。陸海空を我が物顔で暴れ始める怪獣たちに、人類はもはや成す術もないのか?・・・。

ギドラ:宇宙から飛来した地球外生命体。口から引力光線を発し、地球のみならず、金星でも破壊を行った。ゴジラとの対戦は最多の8作品。

“モンスター・ゼロ”は三つの首の竜、ギドラであり、南極のモナークの研究施設に保護され、氷の中で眠っていた。太古から存在していた生物で、中央の首がリーダー挌であり、口から一斉に発せられるビームは協力な武器となる。それに両方の翼を広げて、その翼の先から光線を発する様は脅威に感じた。

モスラ:インファント島に棲息する巨神。小美人と呼ばれる妖精コンビの歌により呼び出される。協力な糸を吐いて敵の動きを封じ込めるのだ。

神秘的な光をまとう巨大な蛾のモスラ。中国のモナークの施設に保護されていた。孵化して幼虫として姿を現した後、神々しい光を放つ成虫へと成長。類まれな生命力に加えて、鋭い爪を武器にする。ゴジラがギドラに倒された時に、モスラがギドラの身体に銀粉を撒き散らして、爪を立てて攻撃する。

ラドン:プテラノドンの突然変異と思われる。阿蘇火山の炭鉱奥に残されていた卵から孵化。武器は鋭いクチバシや爪。音速飛行も可能である。マッハのスピードで空を飛ぶラドン!・・・メキシコ、イスラ・デ・マーラの火山の中で眠り続けていた太古の怪獣。翼竜型であり、羽ばたくだけで地上の人間や車を吹き飛ばす力がある。脚で戦闘機をキャッチしては撃墜させてしまう。

ゴジラが海から姿を現す場面や、ラドンが火山から出現する場面では、恐怖や驚き「凄い!」というような多様な感情が沸き上がりワクワクさせられた。

今回の目玉は何といってもキングギドラですね。造形や動きも、こいつはいままで観たことが無い。というくらいの迫力で、ハリウッドが本気でやると凄いもんが出来るのだと思いました。怪獣たちの演出もよく心得ているというか、感心するところが多かったですね。日本のゴジラやモスラ、ギドラなどの音楽を含めた登場のさせ方とか、ある種、歌舞伎を彷彿とさせるような見得の切り方とか非情に巧かったです。

地球を守るという目的は同じでも、急進派と穏健派の違いがある。途中でアグル側の女性科学者エマが、地中に眠る怪獣を爆発物によって蘇らせ、地上を破壊させることによって人類の覚醒を促そうとするものの、悲劇の死を遂げる。

クライマックスのファイト場面では、終末の危機にそれまで争っていた人類と怪獣たちが、「共闘」して立ち向かっていく高揚感のある展開がみられる。危機が去った後、再び共存していけるかどうかという確証までは描かれていない。ただ、地球には両者とも必要な存在であったことが示されるだけ。

モスラが一見か弱そうに見えるのだけれども、実際は驚くほど強くて、あの辺りがやはり「怪獣の女王(クィーン)なんだな」って気がしました。

クライマックスでの4体の怪獣のバトルは迫力満点でしたね。怪獣ってやつは強いやつには逆らえない。言ってみればギャングみたいで、力で他を圧倒して支配していく。それにラストで、ゴジラに他の怪獣たちがこうべを垂れて、敬意を表すところも良かった。

後半は徹底した怪獣対決の連続を見せきるのだ。ハイテンションなエンディングを観ながら、スクリーンに向かって茫然とする我々に、観客をおバカにしてくれる怪獣大暴れの爽快感に、あっけらかんとした気持ちにさせてくれる。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・83  アクション・アドベンチャーランキング

 

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空母いぶき★★★★・5

2019年05月31日 | アクション映画ーカ行

かわぐちかいじの大ヒット・コミックスを西島秀俊、佐々木蔵之介をはじめとする豪華キャストの共演で実写映画化したポリティカル・サスペンス大作。近未来の日本を舞台に、国籍不明の武装集団によって日本の離島を占拠されるという事態が発生する中、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦“いぶき”の乗組員たちを中心に、政府やメディア関係者を含む全国民が、それぞれの立場で未曾有の危機に立ち向かっていく姿を壮大なスケールで描き出す。監督は「沈まぬ太陽」「柘榴坂の仇討」の若松節朗。

<感想>日本が他国から軍事攻撃を受けたらば?・・・戦後から80余年、日本が経験したことのない未曽有の事態を描いた「空母いぶき」。近未来。東南アジアに東亜連邦という武装勢力が台頭し、アジア各国を脅かす存在に。クリスマスイブ前日、沖ノ鳥島沖の群島にその武装集団が突如侵略。

現場に急行した海保巡視船は拘束されてしまう。日本が初めて直面する専守防衛の局面に自衛隊、政治家らはどのように対処するのかである。本作で描かれるのは、何者かによって日本の領土が侵略された“あってはならない”未来。民衆はパニックに陥り、国内は大混乱……当たり前の日常が瓦解したとき、自分だったらどうするだろう……? 

かわぐちかいじ氏のベストセラーコミックを、西島秀俊と佐々木蔵之介の共演で実写映画化した本作は、“日本占領”というショッキングなテーマを壮大なエンターテインメントに落とし込んだ「今、見るべき」1本です。

日本国民、1億2000万の命を守るため、決死の覚悟で戦う者たちの熱いドラマと、手に汗握る攻防の連続。まるで世界第3次大戦が始まったような錯覚を覚えた。

その他にも豪華俳優陣たちが出演しており、藤竜也、玉木宏、高嶋政宏、市原隼人……戦う男たちの“生きざま”に惚れ惚れしますから。

精鋭ぞろいの自衛隊員を、豪華メンバーが見事に演じ切っていた。始めに藤竜也が威圧感漂ういぶきの司令官、玉木宏がクールな護衛艦の艦長、高嶋政宏が血気盛んな潜水艦の艦長、市原隼人が使命感に燃える飛行隊の隊長など、それぞれの特性を生かした「完璧な配役」にも、ぜひ注目を。

そして、日本の命運を託された総理大臣の重責を、抜群の演技力で体現するのは名優・佐藤浩市。加えて、本田翼がネット通信社の記者役として、力強く成長していくヒロインを体当たりで演じていて、お人好しのコンビニ店長役を務めた中井貴一は、店の裏でクリスマスのブーツの中に詰め物をしている。耳栓をして仕事に集中しているため、横で大きな声で言っても聞こえないのだ。

本田翼が満を持して、現在起きている事をユーチューブに上げる。日本が攻撃を受けている一大事と護衛艦が襲撃されて炎上している映像も。

すわ大変だと、民衆がコンビニへ蓄えの為に水やトイレペーパー、缶詰、パンや食料を大量に買っていく。お客さんでごった返すコンビニ、品物はどんどん棚の上から無くなっていくわけ。倉庫の店長は疲れて寝てしまうし、物語全体の“緩急”のバランサーを見事にこなしていた。

クリスマスプレゼントの長靴の中に、小さなメモが添えてあった。「世界中の人たちが仲良くして、平和に暮らせますように」

ニュースサイト編集長の斉藤由貴、コンビニ店員など、多様なキャラクターが数多く登場していた。その中でも、むしろ女性の方が共感できるシーンも多数用意されていた。本田翼、斉藤由貴、土村芳、深川麻衣と、各世代の女優陣が見せる、リアルな演技にも注目です。

「ホワイトアウト」「沈まぬ太陽」「柘榴坂の仇討」など骨太な作品を多数手がけてきた若松節朗監督が“エンタメ”と“社会性”を奇跡的な配分で両立させ、アクション部分も破格のスケールを追求。

“空母いぶき“をはじめ、護衛艦が多数登場し、海中では潜水艦、空中では戦闘機が壮絶なバトルを繰り広げる!空母いぶきの甲板の地下には、最新のミグ戦闘機がずらりと並び、ミサイルの格納庫に艦内やコクピットも忠実に再現されている。自衛隊・政府・マスコミ・一般人といった“4つの視点”で描かれる点も秀逸であり、物語への没入感が半端じゃない。

敵のミサイルで襲撃されるところ、日本側は、敵が襲撃すれば迎え撃つか、攻撃に対して対空ミサイルを発射させるというやり方。手に汗を握る攻防戦、国の内部では内閣総理大臣が、自衛隊へ出動要請するのにすぐには返答せずに、出し渋るのだ。どうしても、戦争に発展させたくないのが日本のやり方。

しかし、日本の自衛隊の日頃の訓練のたまものであり、見事な対処法でありました。最後の方では、もはや戦争になりかねない事態に直面するも、アメリカや国連に連絡をして、お伺いを立てる総理大臣のやり方も仕方がないというもの。この辺りは、イライラしてしまうが、その我慢のしどころが良かったのかもしれません。

それに、艦長の西島秀俊が見事な采配をするシーンも、戦闘機のパイロットが海へ落下し救助に向かうヘリには、敵のパイロットもいて同じように救助する。いぶきの甲板に降りた2人のパイロット、敵国のパイロットが、日本軍の自衛隊の拳銃を奪い取り、救助した秋津パイロットを拳銃で撃って殺してしまう場面。すかさず敵国のパイロットに銃を向ける日本の自衛官。すると艦長が「やめろ、拘束をして国連に引き渡し審判をするから」と言って拳銃を取り上げるのだ。

紛争の火種がくすぶり、国際情勢が不安定な今、この「もしも」は鑑賞者の心にダイレクトに突き刺さり、ただのバトルアクションを超えた壮大かつ骨太な「クライシス・エンターテインメント」へと変貌する。

平和を願う新時代を迎えた日本だが、世界は戦争や侵略などの脅威に脅かされ続けている中、自衛隊の存在意義や戦争観など、現代日本人が考えなければならない問題は山積している。そんな状況だからこそ、この作品は映画化されたといっても過言ではない。近い未来に何が起きるか分からない。改めて、平和の大切さを感じました。劇場の大スクリーンで見れば、より高い満足度を得られると思います。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・82  アクション・アドベンチャーランキング

 

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コンフィデンスマンJP★★★★

2019年05月25日 | アクション映画ーカ行

人気脚本家・古沢良太のオリジナル脚本、長澤まさみ、東出昌大、小日向文世の主演で好評を博した同名TVドラマの劇場版。コンフィデンスマン(=信用詐欺師)のダー子、ボクちゃん、リチャードの3人が香港を舞台に繰り広げる大胆不敵な詐欺計画の行方を、二転三転するストーリー展開で奇想天外に描いた痛快エンタテインメント・コメディ。共演に小手伸也、竹内結子、三浦春馬、江口洋介。監督はドラマ版に引き続き田中亮。

あらすじ:美しきコンフィデンスウーマンのダー子が次なるターゲットに選んだのは香港マフィアの女帝ラン・リウ。狙いは彼女が持つと言われている伝説のパープルダイヤ。さっそくボクちゃん、リチャードとともに香港へと降り立つが、ランはなかなかエサに食いついてこない。そうこうするうち、同じくランを狙う天才詐欺師のジェシーが現われ、何やらダー子との過去も絡んで計画は波乱含みに。おまけに、かつて一杯食わされたダー子への復讐に燃える日本のヤクザ赤星の影もちらつき始め、いよいよ窮地に陥るダー子だったが…。

<感想>嘘はいつだって真実より魅力的。史上最大の騙し合い<コンゲーム>が始まる。信用詐欺師としてその世界では知られたダー子、ボクちゃん、リチャードのトリオ。さまざまな変装を見せる、コンフィデンスマンの3人。

ビジュアルと合わせて、それぞれの人物の細かい設定や、成り切った上でのクセの強いキャラクター描写も大いに見どころであり、1つのエピソードだけでも姿から中身まで何役もの人物に変化する長澤まさみに、東出昌大、小日向文世を楽しめますからね。今回もダー子のカラフルでポップな普段の衣装にも注目。

今回の騙しの手法の部分では、“恋愛もの詐欺“やライバルの詐欺師の登場といった断片的なアイデアが巧い具合につながって出来たのが今回の「ロマンス編」。

そして、オサカナの標的は、冷酷さから“氷姫”と称される香港マフィアの女帝ラン・リウ。彼女が所有する伝説のパープルダイヤを狙い、3人はダー子に弟子入りしたモナコと共に香港へと飛んだ。

ですが、敵もそう簡単には引っ掛からない。ところが“氷姫”は占いに弱いということで、真っ白なワンピースを着た2人の姉妹に変装した占い、予知能力師に成り切り、「緑色には気おつけろ」と注意しろと、すると目の前をバイク便の緑色の男が車を停止させる。それからも、占いによる計画で、仲間たちが要領よく立ち廻り、ラン・リウを納得させるのだ。

ダー子たちが、騙しと脅しのプロたちが結集し香港で絡み合う相関図。果たして笑うのは誰? スピーディーな展開のお宝争奪戦です。それが、毎回TVのシリーズを見ていたので、予想通りの終わり方でした。

でも、ラストのドンデン返し的な演出は、またまた子猫ちゃんとか、ポリスたちとかに金がかかって赤字じゃないの、なんて思ってしまった。

長澤まさみのダー子 ちゃん最高です。それに東出昌大のボクちゃん は、いつも甘えん坊キャラで、今回はダー子が好きなのに、元彼の三浦春馬くんのジェシーに取られるんじゃないかと心配で仕方がない。

ジェシーの美貌と愛の言葉についほだされのが、“氷姫”と称される香港マフィアの女帝ラン・リウの、竹内結子の美しさと気位の高い性格にぴったりでした。

最後のボクちゃんが、「ダー子が好きだ」の叫びは本物なのか?・・・いや、演技なのかは観てのお楽しみ。

それと小日向文世さんのリチャード は完璧に役をこなす演技派であり、小手伸也さんの五十嵐 に、その中でも光っていたのはモナコ役の新人・織田莉沙さんですね。モナコは可愛いけど、実は三浦春馬くんのジェシーの子分でしたということに。でも、最後にはダー子に付いてくるという利口なところもあり。

悪役の江口洋介のヤクザの赤星栄介役も、前回での20億円を取り返したいので、誰でもいいからあの3人を捕まえてくれというわけ。いつも思うのですが、最後に必ずダー子に騙されて悔しがる江口洋介の顔が夕日に映えて良かった。

そして後半。どこかで見たような、一瞬登場するんだけど、偽造ダイヤを造った中国人が小栗旬くんとか、小出しネタも入っていて面白かった。

それに、とことん観客も騙すテクニックには、ラストでも香港の女帝ラン・リウの本物は、ボロ服を着て掃除をしているオバサンであり、左目にパープルダイヤを入れ込んでいましたね。騙しの仕掛けもスケールアップしてましたです。

 

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キングダム★★★★・5

2019年04月22日 | アクション映画ーカ行

中国の春秋戦国時代を舞台に、大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年と、中華統一を目指す若き王(後の始皇帝)の物語を壮大なスケールで描く原泰久の大ヒット漫画を、「図書館戦争」「BLEACH」の佐藤信介監督が豪華俳優陣をキャストに迎えて実写映画化した歴史エンタテインメント大作。主演は「四月は君の嘘」「羊と鋼の森」の山崎賢人。共演に吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、高嶋政宏、要潤、大沢たかお。

あらすじ:紀元前245年、春秋戦国時代の秦。戦災孤児の少年・信と親友の漂は、天下の大将軍になることを夢みて剣術の鍛練に励んでいた。そんなある日、漂だけが王宮に召し上げられ、2人は別々の道を歩み始める。しかしその後、致命傷を負った漂が信の前に姿を現わし、地図を信に託して落命する。悲しみに暮れる信が地図の示す小屋にたどり着くと、そこには漂と瓜二つの男が静かに佇んでいた。男はクーデターを起こした弟・成キョウによって玉座を追われた秦の若き王・エイ政だった。漂がエイ政の身代わりで命を落としたことを知り、一度は激高した信だったが、エイ政の中華統一に懸ける信念と漂から託された遺志を受け止め、エイ政と行動を共にすることを決意する。こうして王宮奪還への過酷な戦いに身を投じていく信だったが…。

<感想>原作をまったく知らなかった私でも、『キングダム』が中国を舞台にした壮大なストーリーであることは知っている。そのため、「実写化」はかなり厳しいのではないかと疑ったのだが。ところがである、広大な原野での戦闘シーンや王宮セットなど、中国での大掛かりなロケが物語のスケール感になっていて、各キャラクターの衣装や、メイクも凝っているのだ。

壮大な背景に蟻のような人の大群は、なんか想像の中の『キングダム』っぽさがあった。キャスティングを知らなくともコスプレには見えなかったし。馬やエキストラの数にも感心した。特に王宮とか山の民の国とか、建築物に迫力がありますね。さすが中国でロケしただけはあると思った。

ただし、どうしても戦闘絵巻ふうの物語にこちらの気持ちが乗って行かず、観るというよりも人物やそのアクションを眺めている気分でもあった。

ですが、始めの主人公である信の山崎賢人は最高でした。鬼気迫る演技、ストイックに絞り込んだ体など……下僕の頃の信を完全再現していると言っても過言ではなく、作品に込める思いとプロフェッショナル魂を感じました。

そして、もう一人の主人公である政を演じた吉沢亮さんも、代えがきかないくらい存在感がありハマリ役でした。信の山崎賢人さん同様、いやそれ以上に完全なる政。吉沢亮さんの信の親友である漂(ひょう)役、王の政と2つの役を演じる難しさはあったに違いないが、違和感を微塵も感じさせないほどハマり役で素敵でした。

 

きっと貴方も、信と政を演じる2人に引き込まれて涙腺が緩んでしまうと思いますね。惚れてしまったと言っていいほどに、嬴政(えいせい)を演じた吉沢亮が、これがマジで嬴政であった! 冷静な言動の中にも確固とした熱い情熱が見え隠れし、それでいてあの高貴な佇まい、目が完全に政だった。

そして特別なのが、ズバリ、長澤まさみ演じる楊端和(ようたんわ)である。

山の神ともいえる楊端和が、王都奪還の戦闘シーンに入ったが最期、馬上の太もも、そして戦闘中の太ももと、いまだかつてここまで白く眩しい太ももがあっただろうか? 真面目な話、まさみが演じる楊端和の美しさと、抜群のスタイルからスラリと伸びる美しすぎる脚は、和製ワンダーウーマンと言ってもいいだろう。

そして誰もが気になるであろう、大沢たかおが演じる王騎(おうき)の貫禄ぶりである。かなり頑張って筋肉作りをしたであろう、体つきなんてほぼレスラーで、本人の努力がひしひしと伝わってくるかのようでした。

 

大沢たかおが演じる王騎は、コミック同様映画でも重要なキャラクターである。体のサイズやビジュアルは、素晴らしく王騎であったが、その王騎がしゃべり始めた瞬間、私は「えっ!?」と面喰らってしまった。王騎のオカマ口調がどうしてもすんなり入って来なかったのだ。原作の王騎がオカマ口調なので、映画の王騎がオカマ口調にしたのであろう。でも「ンフゥ♡」の溜息の度に “絶対に笑ってはいけない” 的な感覚に襲われたのは確かです。

そして、個人的良かったのは成蟜の本郷奏多。ずるがしこい弟の役、成蟜(せいきょう)を、本当にいい味を出していましたね。

しかし、全体を通して作品を見ると「良かった」という感想だが、当然ながら腑に落ちない部分もあった。橋本環奈の河了貂(かりょうてん)が可愛すぎて性別を隠すどころか完全に女性だったり、彼女の活躍するシーンなどが明瞭でなかったのも事実だ。

クライマックスは、城内に入り戦うシーンと、巨漢なラスボスのランカイを信が倒すシーンも見どころの一つといっていい。

無表情ながらも姿勢や所作に対する細やかな配慮によって、荘厳さを感じさせる独特のオーラを漂わせている吉沢亮。

それに漫画原作の映画化に再現性が求められがちだが、漫画の特性でもある“明確なビジョン”を超越したキャラクターを山崎賢人は実践して見せている。そして、脇役陣のキャラクターにも抜かりのないのも最高。よくぞやってくれたと感無量であります。ですが、1年に1本制作しても、完結するには十年以上を要する憂慮はあるのが心配です。

2019年劇場鑑賞作品・・・63  アクション・アドベンチャーランキング

 

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THE GUILTY/ギルティ★★★★

2019年04月13日 | アクション映画ーカ行

緊急通報指令室という限られた空間を舞台に、電話から聞こえてくる声と音だけを頼りに誘拐事件の解決に当たるオペレーターの奮闘を、極限の緊迫感と予測不能の展開で描き、サンダンス映画祭観客賞をはじめ各方面から高い評価を受けたデンマーク製クライム・サスペンス。主演は「光のほうへ」のヤコブ・セーダーグレン。監督は本作が長編デビューとなる新鋭、グスタフ・モーラー。

あらすじ:捜査中のトラブルにより現場を外された警察官のアスガー。今は緊急通報指令室のオペレーター勤務で、元の職場への復帰を目前にしていた。そんな彼がある夜受けた通報は、今まさに誘拐されているという女性からのものだった。彼女の名はイーベン。走行中の車の中から、携帯電話で掛けていた。その電話から聞こえる声と音だけを手掛かりに、犯人の特定とイーベンの救出に全力を尽くすアスガーだったが…。

<感想>事件解決のカギは電話の声だけ。88分、試されるのはあなたの<想像力>なにせ登場人物はほぼ一人、室内での電話からの声と音だけを頼りに誘拐事件の解決に挑む男の姿を、ほぼリアルタイムで描く新感覚のワンシチュエーション・サスペンス。

2018年のサンダンス映画祭で「search/サーチ」と並んでワールドシネマ・ドラマ部門の観客賞を受賞するなど世界中の映画祭で高い評価を受け、すでにハリウッド・リメイクも決定している。

物語の大部分は緊急指令室にかかってきた電話の通話のみを通して展開し、ほとんど唯一の登場人物となる主人公の警官アスガーを、スウェーデンのベテラン俳優ヤコブ・セーダーグレンが演じている。声の出演では、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセンらが参加。監督・脚本を手掛けたのは、本作が長編デビューとなる新鋭グスタフ・モーラー。

物語はほぼリアルタイムで進行し、劇中で交わされる会話は電話でのやり取りのみ。観客は視覚情報の中で、電話口の微妙な音から、事件について想像力を働かせることになる。人間が聴覚から得られる情報は、全体のわずか11%。その限界の中で“見えない事件”を解決できるのか?・・・このスリリングな状況が緊張と興奮を生み出すことになるとは。

「誘拐されている、助けて」という女性からの通報。今まさに進行中の事件でありながら、その場所も詳しい状況も分からない。唯一の手段である関係部署との連絡を取り、救出に尽力するアスガーだったが、・・・。

設定だけでも充分に魅力的だが、映画を観て驚くのは、緊急通報指令室から一歩も外へ出ることなく、電話のやりとりだけで物語が進むことだ。被害者の女性も誘拐犯も、声だけで一切姿を見せない。

普通の映画であれば、警察と被害者を交互に映して緊迫感を高めるところなのだが、本作では、相手が見えないことでリアリティを増しきて、きめ細かな演出によって手に汗を握るサスペンスへと昇りつめるのだ。

助けを求める女性の声、その背後から聞こえる音。音声のみで電話の向こうの状況を想像させ、観る者を巧みに誘導していく。

そして、物語の進行に大きく関わってくるのが、主人公アスガーが抱えている“ある事情”なのだ。物語の進行と共に明らかになるその詳細は、というのは誘拐事件の犯人だと信じ込んでいた彼女の夫、犯人ミケルは、元妻イーベンに執着心を抱くストーカーではなかったのだ。

電話の主の被害者という彼女は、イーベンという名前で精神に異常をきたしていて、赤ん坊をナイフで切り刻んでしまったのだ。それを知った元夫ミケルがイーベンを精神病院へと連れて行こうとしていたというのが真相なのだった。だから、アスガーと観ている観客は、このどんでん返しのような情報に驚いてしまう。

ちょっと前に観た『ジュリアン』のモンスターのような父親の姿だったのだが、ここでは誘拐されたというイーベンの病に、憔悴しきった哀れな男が犯人の夫ミケルなのだから。電話の話す声と状況音だけの情報で、事件のあらましを勝手に想像していたアスガー。

家にいる子供、女の子へ電話を掛けて、怯えている娘に2階にいる赤ん坊の様子を尋ねるアスガー。すると赤ん坊はナイフで切り刻まれているといって泣きじゃくる。まさか、元夫が赤ん坊を刺し殺したのか?・・・いいえ違うのだ。落ち着きを取り戻したイーベンが言うには、赤ん坊の身体に蛇が棲みついており、泣き止まないという。それで、赤ん坊の身体を切り裂き中から蛇を取り出したという母親のイーベン。この供述によりイーベンはどうやら精神を病んでいるのが分かる。

それに、オペレーターのアスガーも、実は罪のない人を銃殺してしまい、その罪で明日裁判所へ行くと言うのだ。アイデアを生かした巧妙な語り口と濃密なドラマ、緊迫感を盛り上げる演出も絶妙。

同じ音声を聞いているのに、無線の向こう側の情景が観る者の頭に、しっかりと浮かび上がってくるのはたいしたものである。というわけであわてふためくものたちの会話に聞き入ってしまうわけだが、聞く人によって思い浮かべるものが異なるという点に惹かれた。楽しませてくれて、サスペンスがあって、でも人生というものにも触れ、観客に深いことを考えさせる作品であることも。

2019年劇場鑑賞作品・・・59  アクション・アドベンチャーランキング

 

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家族のレシピ★★

2019年04月08日 | アクション映画ーカ行

日本とシンガポールの外交関係樹立50周年を記念して製作されたヒューマン・ドラマ。日本人の父とシンガポール人の母の間に生まれた主人公が、両親のルーツをたどるべくシンガポールへ旅立ち、やがてそれぞれにゆかりの食を通してバラバラになった家族の再生を目指す姿を描く。主演は「昼顔」の斎藤工、共演に伊原剛志、松田聖子。監督は「TATSUMI マンガに革命を起こした男」のエリック・クー。

あらすじ:群馬県高崎市。真人はラーメン屋を営む和男の息子。ある日和男が急死し、遺品の中から真人の母メイリアンの日記と、シンガポールに住む母の弟からの手紙を発見する。母は真人が10歳の時に病死していた。真人は両親が出会った地であるシンガポールへと向かう。そして知人のシンガポール在住フードブロガー、美樹の協力で母の弟のウィーの居場所を突き止めた真人。ウィーが営む食堂でバクテー(肉骨茶)を食べ、懐かしさに涙を流す。やがて真人は、母と祖母の間に結婚を巡って大きな確執が生まれていた事実を初めて知るのだったが…。

<感想>本作は日本のラーメンとシンガポールのバクテーという国民食=ソウルフードをモチーフに、2ケ国3世代の家族の絆を描いた珠玉のドラマです。

斎藤工扮する真人は、ラーメン屋を営む日本人の父(伊原剛志)と、シンガポール人の母親(ジネット・アウ)との間に産まれた。しかし、急死した父親の遺品の中から、20数年前に亡くなった母親の日記を見つけて、若き日の両親の足跡を辿るべくシンガポールへと渡るのです。

そこで彼は日本とシンガポールの痛ましい歴史から、両親の結婚は許されず、母親が家族と断絶したまま亡くなったことを知るわけですね。

第二次世界大戦時、日本軍はシンガポールを統治していた。シンガポールでは、それを史実として学んでいることを、日本人の私たちは殆ど知らない。観光で訪れる多くの日本人が、マリーナベイ・サンズに行き、屋台で食事をし、SNS映えする写真を撮り、シンガポールを知ったと思って帰国する。

大事なことは、シンガポールの方々がその歴史を知りながら、私たち日本人に対してウェルカムと言ってくれること。それを知らないこと自体が問題だと思いましたね。

そんな戦争のことや、二国間の微妙な関係を描くことは、難しくなかったかと斎藤工さんは良く聞かれたそうですが、それは全くなかったそうです。

例えば博物館でのシーン、フイルムに収められたのは、日本兵の残虐な行為を聞いて驚いたリアルな感じ、戦後に育った私たちは、初めて目にすることばかりであり、日本軍がどれだけ他の国の人たちに酷いことをしてきたのかを知り、胸が痛みます。

松田聖子が、フードブロガーの美樹さんとして出演していており、年齢の割にには若く見えて、とにかく白い顔の化粧にびっくり。そんなにファンではないので演技は普通です。他に女優さんがいなかったのか、もっと自然な演技をする女優さんの方が良かったのではないかと感じました。

シンガポールでは、真人は両親の結婚に反対をした祖母に逢いに行きます。簡単には会えなくて、何度も足を運び、その度に若いので祖母に対して怒りをぶつけます。どうして、両親の結婚を許せなかったのか、確かに戦争ということもあり、父親が日本人ということに対しての偏見を持っていたようですね。

孫が日本から会いに来たのに、会ってくれない。いらいらが募り、つい祖母に怒りをぶつける若い真人。それに、シンガポールの食であるバクテーの作り方を祖母から学びたいということも伝えます。

祖母は真人を門前払いをして嫌った。それは、夫を日本兵に殺されたのだった。それに、日本人の男と結婚した娘も赦すことができないし、孫である真人とも頑なに会おうとしないのだ。そこで真人はラーメンとバクテーをミックスさせた料理を作って祖母との和解を図ろうとする。

 

何度も足を運び、願いが叶ってやっとお婆ちゃんの心が和らぎ、孫の真人に会ってくれるシーン。頑固ではあるが、本当は優しい心の持ちぬしだった祖母。何度もバクテーを作り、味をみてもらい、そのバクテーを日本に持ち帰って、ラーメンの上に乗せようという真人の計画も上手くいったようですね。

父親の弟に別所哲也が扮してました。祖母にはビートリス・チャンが出演していました。ソウルフードであるバクテー(肉骨茶)の味とは、いったいどんな味なんでしょうね。何時の日かシンガポールへ旅行へ行ったら、そのバクテーを食べてみたいと思いましたね。

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喜望峰の風に乗せて★★

2019年03月16日 | アクション映画ーカ行

「英国王のスピーチ」のコリン・ファースが、アマチュアでありながら過酷な単独無寄港世界一周ヨットレースに出場した英国の実業家ドナルド・クローハーストを演じる伝記ドラマ。共演はレイチェル・ワイズ。監督は「マン・オン・ワイヤー」「博士と彼女のセオリー」のジェームズ・マーシュ。

あらすじ:1968年。海洋冒険ブームに沸くイギリスでは、単独無寄港世界一周ヨットレース“ゴールデン・グローブ・レース”が開催されることに。華々しい実績を持つ一流セーラーが参加者に名を連ねる中、趣味でヨットを楽しむだけのビジネスマン、ドナルド・クローハーストが名乗りを上げる。彼がレースに参加する狙いの一つに、行き詰っていた会社の事業にスポンサーを呼び込みたいとの思惑があった。しかしそのレースは、アマチュアセーラーが挑むにはあまりにも過酷すぎた。どうにか期限内に出航にはこぎ着けたものの、早々に窮地に追い込まれてしまうクローハーストだったが…。

<感想>コリン・ファースのファンであり、タイトルが「喜望峰の風に乗せて」とあるので、世界1周のヨットレースの物語なのだろうと簡単に考えて観たのだが、これは男の無防備な、自業自得の映画だとも言える。単独で一度も港に寄らずに世界1周に挑むという究極のヨットレース。

レース初体験というアマチュア英国人が、大躍進を見せ注目を集める。世界中が彼の記録に目を見張るが、そこには驚くべく真相が隠されていたというのだった。実際にあったクローハースト事件の映画化だというから驚く。

空前の海洋冒険ブームが巻き起こっていたイギリスで、賞金が5000ポンドを賭けた単独無寄港による世界1周ヨットレースが開催された。彼は船舶用の測定器を開発し会社を興したビジネスマンだ。ヨットには乗るがレースは未経験だ。彼は自社の宣伝になると同時に、賞金の5000ポンドに目が眩んだのだった。町の有力者から融資を取り付けて、新聞記者に広報を依頼して、と話はどんどん進むが、肝心のヨットが出来上がらない。結局は未完成のまま、心配する妻のクレアや子供たちを残して、大海原へと漕ぎ出すのだ。

しかし、スーツ姿に黄色のパーカーを着て、ビジネスマンだからってそんな恰好はないと思う。動きやすい服に防寒の服、合羽とか、それに食糧に水と用意を怠らなければ、それと意地と自分の愚かさを反省し、家族のために途中で棄権してでも無事に帰還するべきだったと思う。

そんな彼に、海は容赦のない過酷な試練を与える。嵐や耐え難い孤独と焦りから、セーラーとしての超えてはならない一線を越えてしまう。疲れ果て、憔悴し、迷走する姿を、名優コリンは持ち前の演技力で見事に演じて見せた。

航行報告を偽証するという、セーラーとして絶対にしてはならない手段に出てしまう。確か、途中で陸地に上がり、土地の人たちから食糧や水を分けてもらったのでは。そんな不思議な映像がありました。しかもですよ、他の出場者たちがことごとく脱落してしまったため、彼の嘘の報告は新記録に認定されてしまうのでした。

予定航程の半分も進めていないクローハーストは、レースをリタイヤし経済的破産を受け入れるか、機能しない船と共に死に向かうかの選択を迫られた。

進むことはおろか、帰ることすらも出来なくなった彼は、大海原の真ん中で正気を失い、やがては最後の安らぎに到達するのだった。

人は時としてとてつもなく危険なことに挑戦をする。自分の能力以上のことを成し遂げたいと思うものなのです。当時はGPSのような位置確認できる装置などありません。あるのは六分儀、パロメーター、コンパス、風向計くらい。あとは自分の技術だけ。大海原で迷子になっても誰も助けてくれない。なんと前代未聞な、馬鹿ものなのでしょう。

しかしながら、結局彼は、家族のために虚偽の報告を繰り返し、その結果最終的にレースに勝つことさえも放棄する。このまま帰るわけにはいかない。嘘がバレたら自分も家族も破滅だ。であるならここで終わりにするしかないと、死を覚悟する。それに恥を恐れるあまりに、為してはいけない過ちを犯し、キリキリと精神的に追い詰められていき、心の弱さや愚かさ、そして、それらから生まれてくる狂気の沙汰を、まざまざと見せつけられるのでした。

港の岸壁で、父親の帰るのを待つ家族の姿に、涙が出て来てしょうがなかった。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・41  アクション・アドベンチャーランキング

 

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キャプテン・マーベル★★★★★

2019年03月15日 | アクション映画ーカ行

「ルーム」のブリー・ラーソンがマーベル原作ヒーローで、“アベンジャーズ”誕生の鍵を握る存在“キャプテン・マーベル”を演じるアクション・アドベンチャー大作。アベンジャーズ誕生前の1990年代を舞台に、過去の記憶を失った代償に強大なパワーを手にしたヒロインが、S.H.I.E.L.D.(シールド)の若きニック・フューリーと出会い、一緒に自らの記憶の謎に立ち向かっていくとともに、彼女の記憶に隠された秘密を狙う正体不明の敵との壮絶な戦いに身を投じていく姿を描く。共演はサミュエル・L・ジャクソン、ベン・メンデルソーン、クラーク・グレッグ、ジュード・ロウ。監督は「ハーフネルソン」「ワイルド・ギャンブル」のアンナ・ボーデン&ライアン・フレック。

あらすじ:舞台は、アベンジャーズが結成される以前の1995年。クリー帝国の精鋭部隊“スターフォース”の女性ソルジャー、ヴァース(キャプテン・マーベル)は、失った記憶のフラッシュバックに悩まされていた。彼女の失われた記憶には大きな秘密が隠されており、それをクリー人の宿敵で、自在に姿を変える能力を持つスクラル人が狙っていた。やがてスクラル人を率いるタロスとの攻防の末に地球に墜落したヴァース。彼女はそこでS.H.I.E.L.D.の敏腕エージェント、ニック・フューリーと出会う。ヴァースの謎に満ちた存在に興味を示し、行動を共にしていくフューリー。地球に大きな脅威が迫る中、2人は協力して彼女の失われた記憶を探っていくのだったが…。

<感想>キャプテン・マーベルは、1977年にコミックでデビューした女性ヒーローです。クリー星人であるキャプテン・マーベル(男)の戦いに巻き込まれた地球人女性キャロル・ダンバース(アメリカ空軍のパイロット)に彼のスーパーパワーが宿り、凄まじいい破壊力を持つ光子ビームを操る、空飛ぶ力を持つ超人になってしまう。当初はミズ・マーベルと名乗ってましたが、後にキャプテン・マーベルになる。絶大な宇宙のパワーも操れるため、マーベル最強のヒーローとの声もある。

しかし、彼女は特殊なパワーの持ち主だが、過去の記憶を失っていた。身に覚えのない“記憶”のフラッシュバックに常に悩まされ、その記憶に隠された秘密を解き明かそうとする。2015年に「ルーム」でアカデミー賞主演女優賞を獲得したブリー・ラーソンがキャプテン・マーベルを演じるほか、ジュード・ロウ、サミュエル・L・ジャクソン、アネット・ベニングといった超有名俳優らが共演する。

宇宙船バトルは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、空飛ぶヒーローはアイアンマン等ですでにお馴染みですが、ヒーロー自ら宇宙を駆け巡るアクションはありそうでなかった。まさにキャプテン・マーベルはスペース・ヒーローですね。

本作には久しぶりにサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーが登場します。この映画は1990年代が舞台で、若きニック・フューリーが片目を失う前の時で、アベンジャーズ誕生以前の物語です。サミュエルが若返っているのがいい。

国際平和維持組織シールドのエージェントで元軍人。ロサンジェルスのビデオショップに墜落したヴァースと遭遇し、過去の謎を追う彼女と共に行動するようになる。それがやがて、宇宙の脅威から地球を守るヒーローたちを集めるアベンジャーズ計画に繋がるのだった。

それにヴァースの“失われた記憶”を狙うスクラル人タロスたち。数世紀にわたりクリー帝国と闘い続けている、宿敵スクラル人たちを率いるタロス。ヴァースの失われた記憶がとてつもない秘密の鍵であることを知り、彼女を狙っている。スクラル人は緑色の肌をしたトカゲのような姿だが、何にでも姿を変えられるため、地球人に変身する。

ヴァースはスクラル人たちを率いるタロスに捕獲されてしまう。何とか逃げ出したヴァースだが、たどり着いたのが1990年代のロサンジェルス。そこで彼女は通報を受けた国際平和維持組織シールドのニック・フューリーに出会います。断片的に甦ってきた記憶をもとに、フューリーと共に砂漠地帯にある米空軍基地に向かう。そんな彼女の前にタロスが人間に変身して現れるのだ。

そして、スター・フォースを引き連れてヴァースの前に立つハンマーのようなものを持った男は、ロナンというクリー人ですが、このキャラは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメイン・ヴィランでした。

そうなんです、「キャプテン・マーベル」は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」より前の話なので、この時点ではロナンは生きているのです。

キャプテン・マーベルが戦うのはエイリアンのスクラル人です。コミックの方でも有名なエイリアン種族で、クリー人とも戦争しています。彼らの特徴は変身能力。人間やヒーローに化けて地球に潜入し、侵略しようとします。従ってヴァースは、最初はクリー人の戦士として、最後は地球を守るヒーローとしてスクラル人と戦うわけです。

空軍パイロット時代の女性の同僚、マリア・ランビュー。コミックでは、彼女の娘モニカが、キャプテン・マーベルの名を襲名するヒーローになります。

さらに気になるのがジュード・ローの演じるキャラクター。果たして彼は味方なのか敵なのか?彼は、クリー帝国のソルジャー集団のリーダーであり“スターホースの司令官”でもある。重力を操る力を持ち、優れた戦闘能力と統率力で精鋭ソルジャー集団を率いるリーダー。6年前に、瀕死のヴァースを発見して、エリート・ソルジャーに育成した。ヴァースの師とも呼べる存在で、地球に不時着した彼女のもとへ宇宙船で向かう。

知っておきたい猫ちゃん。この猫はキャロルこと、キャプテン・マーベルのペットですが、実はエイリアンなのです。名前はグース、またはチューイであり、正体は猫そっくりに擬態した、異星の怪物フラーケンであったことが判明したのだが、とりあえずキャロルは、チューイと名付けていて飼い続けている。エイリアンの猫なので、口の中から蛸の足がたくさん(8本)出て来て、何でも食べてしまう恐ろしい猫ちゃんなんです。

さて、「キャプテン・マーベル」がどうやって今の「アベンジャーズ/エンドゲーム」にどのようにリンクするのか?・・・が気になるところです。こればかりは映画を観て確かめるのが一番のようですね。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」の“最後”を前に、誰も知らない“誕生の秘密”が明かされる。たったそれだけでも、この映画を見る「価値」と「意味」は十二分にあると思います。

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九月の恋と出会うまで★★

2019年03月09日 | アクション映画ーカ行

松尾由美の同名小説を「嘘を愛する女」の高橋一生と「一週間フレンズ。」の川口春奈主演で映画化したファンタジック・ラブストーリー。不思議なマンションに引っ越してきたヒロインとその隣人で小説家志望の青年が、ヒロインを救った“未来からの声”の謎や“タイムパラドクス”による消滅の危機に立ち向かう中で織りなす切ないすれ違いの恋模様とその顛末を描く。監督は「グッモーエビアン!」「わたしに××しなさい!」の山本透。

あらすじ:オーナーの意向でアーティストしか入居できない風変わりなマンションに引っ越してきた志織。ある日エアコンの穴から、一年後の未来から話しかけているという不思議な声を聞く。声の主は志織に危険が迫っていると語り、謎めいた指示を伝える。半信半疑ながらもその指示に従うと、危ういところで強盗殺人を免れるのだった。隣人の平野はそのことで相談を受け、助かった志織に“タイムパラドクス”が生じることに気づく。このままだと、志織は一年後に消えてしまう運命にあった。それを回避するためには声の主を探す必要があり、平野は志織に協力を申し出る。そして一緒に声の主を探すうち、いつしか志織に心惹かれていく平野だったが…。

<感想>運命の人が僕じゃなくても、僕はあなたを守りたい。この映画も原作小説は読んでいません。SF的なサスペンス的な“タイムパラドクス”もの、大好きです。主人公の志織に川口春奈さんと、お相手には高橋一生さんという二人のラブロマンスものでした。

志織が引っ越してきたアパートの大家さんに、ミッキー・カーチスが、そのアパートの住人には、浜野謙太、中村優子、川栄李奈、古舘佑太郎、など俳優陣たちが。

引っ越した部屋のクーラ-の引き込み穴から声が聞こえるという、不思議な現象に襲われる。その声の主に、「あなたに危険が迫っています」と言う不思議な声に助けられる志織は、強盗に遭うところを助けられるのだった。

その声の主は時空を超えて、未来からやってきた男の声だった。それに「1階の部屋の小説家志望の平野の行動を追跡せよ」という命令が下される。始めは志織も暇なので、平野の尾行をして楽しんでいるようだった。

どうしてこんなにもねじれたラブストーリーの映画なのか、不思議な作品でした。壁の穴から聞こえて来る声は、未来を知る男の声。その声に従って尾行を続け写真を撮る志織。

いくら運命の人だからって、信じてしまう女もどうかと思った。その時間の逆行も何が何だかあほらしい。そのアパートの家主が、趣味で芸術家ばかりを入居させているというのだ。

だからなのか、住人たちも何故か浮世離れをしているような、一事が万事、観ていて何だかつまらないのだ。まぁ、高橋一生さんの頭の毛の寝ぐせが、毎日見られるのも微笑ましくて、本当の一生さんは違うのだろうが。おたく的な早口と挙動不審でありながら、高橋一生以外の何者でもないあたりなど笑えた。

つまり、女の部屋の穴から聞こえてくる声の男の言う通りにする女が、いつの日かその男を想い人として慕うのだ。名前をシラノと名づけて、1階の男、平野の高橋一生のなよなよとしたところ、自分はそのシラノではないと言う、けんもほろろの扱いに志織が気の毒だ。

ほのぼのとした胸キュンストーリーだが、ミステリアスであり、平野に惹かれてゆく志織が良くわかる。

結局二人の純粋な強い想いが、一年後の潮風が吹き荒ぶ九月の海岸へと誘ってくれたのでしょうね。3月に観る作品なのに、「9月の恋と出会うまで」とはね。平野の志織への強い愛情が、志織を救うという勇気に、二人が再び会えるという奇跡を起こしたのですよね。

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グリーンブック★★★★★

2019年03月03日 | アクション映画ーカ行

1960年代を舞台に、差別が残る南部での演奏ツアーに向かった天才黒人ジャズピアニストと、彼に運転手兼用心棒として雇われたガサツなイタリア系アメリカ人の凸凹コンビが、旅を通して深い友情で結ばれていく感動の実話を映画化。主演は「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセンと「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。監督は本作が単独監督デビューとなる「メリーに首ったけ」「愛しのローズマリー」のピーター・ファレリー。

あらすじ:1962年、アメリカ。ニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無教養だが家族思いのイタリア系男。店の改修で仕事がなくなり、バイトを探していた彼のもとに運転手の仕事が舞い込む。雇い主はカーネギーホールに住む天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリー。黒人差別が色濃く残る南部での演奏ツアーを計画していて、腕っぷしの強い運転手兼ボディガードを求めていた。こうして2人は、黒人が利用できる施設を記した旅行ガイドブック“グリーンブック”を手に、どんな厄介事が待ち受けているか分からない南部へ向けて旅立つのだったが…。

<感想>実話であり、黒人天才ピアニストとイタリア系用心棒の実話に基づき、何もかも正反対の二人の奇跡の旅と友情を描いたロードムービー。用心棒の息子だったニック・バレロンガが父親から聞いた話を基に脚本家し製作も手がけた。「メリーに首ったけ」のピーター・ファレリー監督であり、2018年のトロント国際映画祭で観客賞を受賞し、本年度の作品賞と天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーを演じたマハーシャラ・アリが2度目の助演男優賞を受賞した。カーネギーホールの最上階に住んでいるドクター・シャーリーは、博士号を持った黒人ピアニスト。高貴で思慮深く、そして黒人であることに誇りに思いながらも悩む男を演じていた。

しかし、やはり相棒のトムを演じたヴィゴ・モーテンセンのハマリ役に圧倒されます。ヴィゴ・モーテンセンの茶目っ気ぶりや、刺さるセリフの数々、トニーと妻のドロレスの夫婦愛も味わい深いですね。

体重を20キロも増やして、イタリア系の用心棒役を演じたのだが、ホットドックの大食い競争に勝ち賞金50ドルをもらい、それを妻に渡し、「これで今月の家賃が払えるわ」と感謝されるのだ。

その頃の南部は黒人というだけで殺される可能性があり、真面目で喧嘩慣れしていないドン・シャーリーには、トニーのような凄腕の用心棒が必要だった。以前は黒人が使ったグラスを嫌悪感でゴミ箱へ捨てたりしたのに、実際にドン・シャーリーへの不当な扱いに接して行く内、徐々に心を入れ替えていくのだった。

 

それまではトニーが抱いていた黒人のイメージとは全く違っていたからだ。トニーの視点から描いたからこそ、人は変われることを示している。そして白人が運転手で雇い主が黒人という、まるで「ドライビングMissディジー」の逆バージョンなのが興味深かった。

タイトルの「グリーンブック」とは、人種隔離政策時代の黒人ドライバー用に作られたガイドブックのことであり、まだまだ人種差別の濃い時代。当時は南部の多くの地域では、人種隔離政策が適用され、黒人は宿泊所や食堂、使用トイレなども制限されていた。そのため、黒人が利用可能な施設を記したこのガイドブックは、旅の必携アイテムだったのだった。

演奏会場のレストランで夕食をとるトニーと、ロシア人のベースとチェロ奏者は、そこのレストランで食事をすませることができるが、東部ではVIP扱いのドン・シャーリーが南部では白人と同じレストランでは食事が出来なかった。それに、トイレを借りたいと申し出るドンに対して、野外にある粗末な木のボロトイレを使用するように言う支配人。その扱いに腹を立てるトニーだが、仕方なく、黒人専用のレストランを探しに車に乗せて行くのだった。途中でトイレをしたいというドンに、「車を止めるので道端で用をたしな」と言うトニーに、「そんな不作法なことは出来ない」と険しい言葉で返事される。探してレストランへ着くも、スーツ姿のドンに対し、黒人の客は嫌悪感を表して、仕事は何をしているのかと聞く。「ピアノ奏者」だと言うと、ステージにあるピアノを弾いてみなと命じられる。ドンが素直にステージへ上がり、始めはクラシックを弾くのだが、ジャズを引き出すと大いに盛り上がって拍手喝さいを浴びてしまうのだった。

いろいろとあった旅の最終地のアラバマ州バーミンガムで思いがけない出来事が起こってしまう。トニーとドンは別々のホテルに宿泊しているので、ドンに何かが起これば助けに行かなければならない。警察に裸で手錠を掛けられ辱めを受けているドン。頭にきたトニーは直ぐに釈放を願うもダメだというのだ。仕方なくドンに毛布を掛けて、ドンが電話を掛けたのは、司法長官のロバ―ト・ケネディだった。ホワイトハウスに呼ばれてピアノコンサートをするドンは、司法長官とも仲良しだったのだ。

直ぐに釈放されてNYへと帰ることになるが、帰りは吹雪きで夜になり視界が悪い。明日はクリスマスだというのに、これでは間に合わない。睡眠不足で途中でタイヤのパンク修理をしたりと、トニーが運転を続けるのに眠くて仕方がなかった。それで、ドンが代わりに運転を引き受けて、クリスマスの夜遅くにNYへ着き、家族との晩餐に間に合ったというわけ。雇い主のドンの温かい配慮に感謝しながら、トニーはクリスマスを一緒に祝おうと誘うのだが、断るドン・シャーリ―。

家へ帰っても誰もいるわけでもなく、兄貴とも疎遠になっていて、いつも一人寂しくクリスマスを過ごしていた。一緒に南部の危険なツアーに同行した二人は、互いに家族のような関係になっていくのが手に取るようにわかる。トニーが熱心に妻のドロシー宛に手紙を書いているのを見て、ドンがそっけない文章に対して、ドンが女性に対する優しい言葉や扱いが上手なので、その言葉を文章に書き綴るトニー。妻はその手紙を読み、これは夫の文章じゃない、きっとドンがアレンジしてくれたのだと理解する。

行く先々で二人は何度も差別の壁にぶつかる。でもその先にはささやかな奇跡が待っているのだ。壁のない美しさがそこにはある。水と油の如き二人が衝突を繰り返しながら互いの才能や魅力を認め合い、心を寄り添わせていく。交わるはずのなかった凸凹コンビの珍道中なので、ユーモラスなエピソードと、シリアスなドラマのバランスが絶妙な、胸に染み入る物語でした。

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蜘蛛の巣を払う女★★★

2019年01月18日 | アクション映画ーカ行

作者スティーグ・ラーソンの死後に発表され、日本を含む世界中でセンセーションを巻き起こした北欧発の一大ベストセラー『ミレニアム』3部作。本作は新たな作者を迎え、その続編として発表されたシリーズ第4弾『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を、ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」の製作陣が映画化したサスペンス・アクション。主演のリスベット役は新たに「ブレス しあわせの呼吸」のクレア・フォイ、共演にスベリル・グドナソン。監督は「死霊のはらわた」「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス。

<感想>スウェーデン発の人気ミステリー小説「ミレニアム」シリーズの第四作目である。前作「「ドラゴン・タトゥーの女」の監督デビッド・フィンチャーが製作総指揮に回り「ドント・プリーズ」で世界中を恐怖に陥れた、新鋭フェデ・アルバレスに監督を任せた。サム・ライミなど大物監督がその才能を惜しみなく絶賛している。

今回リスベット・サランデル役に抜擢されたのは、TV「ザ・クラウン」でエミー賞とゴールデングローブ賞をW受賞した「ブレス しあわせの呼吸」のクレア・フォイデアル。ミカエル役には「ボルグ/マッケンロー氷の男と炎の男」で注目されたスベリル・グドナソンが演じている。前作でのミカエルよりも若々しく、頼りなげだがそれなりに頑張っていた。

今回の悪役には、「ザ・スクエア/思いやりの聖域」に主演していたクレス・バングが、一転して“スパイダーズ”の殺し屋に挑戦していた。

その他、「ブレードランナー2049」のシルヴィア・フークスが、真っ赤なコートにドレス姿で、双子の妹カミラに扮していて、犯罪組織のボスだった父親の後を継ぎ、組織“スパイダーズ”を率いている。

「ゲット・アウト」のラキース・スタンフィールドは、NSAのスペシャリストのエド・ニーダムに扮して、リスベットの不正侵入に気づき、ストックホルムへプログラムを奪還しにやって来る。

物語は、人里離れた雪に囲まれた邸宅で幼い姉妹がチェスをしている。父親が声をかけるが、姉のリスベットは双子の妹カミラの目の前で、窓から身を投げ、降り積もる雪の中を逃げ去ったのである。

16年後に、ストックホルムで、“女性を傷つける男を罰する“行為を繰り返しているリスベットは、ハッカーとしての新しい仕事の依頼を受ける。天才ハッカー、リスベットが依頼されたのは、人工知能(AI)研究の世界的権威であるフランス・バルデル博士から、ある依頼が舞い込む。それは、彼が開発した核攻撃プログラムを、米国家安全保障局(NSA)へのハッキング。取り戻して欲しいというものだった。彼女にとってそれは簡単な仕事のはずだった。謎の一味が介入してこなければ。

無事に任務に成功するが、NSA側も不正侵入に気づき、スペシャリストのニーダム(スタンフィールド)がストックホルムにやってくる。だが、謎の一味がリスベットを襲い、プログラムは奪われた。リスベットは旧友のミカエルを頼り、襲撃者の素性を調べる。そして判明したのは、敵の組織のリーダーが妹のカミラ(シルヴィア)だということが分かった。

やはり、ノオミ・ラパス、ルーニー・マーラの歴代リスベットに比べると、今回のクレア・フォイはあまりに健康優良女すぎるようだ。アクションよりの内容であるので、危機また危機を乗り越え姿に説得力は生まれているが、明らかにミス・キャストだろう。ついつい、期待したので、ちとがっかりでした。

北欧の寒々しい舞台背景で、シリーズの新しい面を鋭角的に演出しているのは良かった。がしかし、ヒロインのリスベット役のクレア・フォイが、黒いシンプルな意匠を身に着けて、にこりともせずに貧相であり、対してシルヴィア・フークスがカミラという双子の妹役で、真っ赤なスーツを着て仁王立ちして凶凶として登場する。二人の家庭の事情(幼児性の虐待)が恐ろしくて気の毒と思っても、アクションが激しいので、リスベットが依頼された大きな仕事が霞んでしまって見えた。まったくもって惜しいです。

ITガジェット、天才的ハッカーとしてのスキル、レズ、そうは思えぬ身体能力をフルに動員し、連携させた活躍ぶりは痛快ではあるが、目視できぬ標的を捕捉できる対物ライフルが出て来るクライマックスでは、SF映画の域で、さすがにないわという感じがしました。

それでも素晴らしいのがストックホルム市街と森林地帯を駆け巡り、息つく暇なく事態が変転した先に、どんな地点に辿り着くかは予想どうりだったけれども、そこで展開される対決場面の衝撃は、リスベットとミカエルの重い痛みを感じさせており、ずっしりと心に刻み込まれた。

元々の原作者であるスティーグ・ラーソンは3作目を書いた後2004年に心臓発作で亡くなったが、出版者の意向で、ダヴィド・ラーゲルクランツが、この映画の原作である第4作と第5作を書いている。

2019年劇場鑑賞作品・・・8  アクション・アドベンチャーランキング

 

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