パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ライオン・キング★★★★

2019年08月13日 | アクション映画ーラ行

ディズニーが1994年に手がけた名作アニメ「ライオン・キング」を「アイアンマン」「ジャングル・ブック」のジョン・ファヴロー監督が、最新の映像技術を駆使して実写化したエンタテインメント大作。雄大なアフリカの大自然を舞台に、偉大な王ムファサの息子として生まれながら、謀略によって国を追われた子ライオン、シンバが、仲間たちの友情と愛に支えられて成長し、自ら運命を切り拓いていく姿を、実写もアニメーションも超えた驚異の“超実写版”映像で描き出す。声の出演はドナルド・グローヴァー、セス・ローゲン、キウェテル・イジョフォー、ビヨンセ、ジェームズ・アール・ジョーンズ。

あらすじ:命あふれるサバンナの王国プライドランド。威厳に満ちたライオンにして、動物たちの尊敬を集める偉大な王ムファサに息子シンバが誕生する。シンバはいつか父のような勇敢な王になりたいと夢みながら元気に成長していく。しかしある日、王の座を狙う叔父スカーの謀略によって父を失い、自らも王国から追放されてしまう。やがて行き倒れていたところを陽気なイボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンに助けられ、彼らと一緒に緑豊かなジャングルで自由気ままな生活を送っていくシンバだったが…。

<感想>全人類の心ふるわすキング・オブ・エンターテイメント。「忘れるな、シンバ――自分が何者なのか」ディズニーが1994年に手がけた名作アニメ「ライオン・キング」。ヒット作のリメイクだけど、劇団四季のミュージカルで知っている世代も多いのでは?・・・1994年のこの映画には、エルトン・ジョンが、作詞家のティム・ライスと組んで楽曲を提供していて、中でもアカデミー賞の「サークル・オブ・ライフ」「ハクナ・マタタ」「愛を感じて」の3曲が歌曲賞にノミネートされ「愛を感じて」が受賞。背景音楽を担当したハンス・ジマーも作曲賞を受賞したという凄い映画だったのですね。

子供ライオンのシンバは、怖いもの知らずで父親が行ってはいけないという北の暗い場所(像の墓場)に興味を持ち、遊びには水飲み場までと言われていたのに、一人でドンドンと遠くまで歩いて行き、ヌーの大群に出逢ってしまう。

そこで自分は怖くなり、小枝に捕まって震えていると、知らせで父親が助けに来てくれたのだが、ヌーの大群にもまれてかなり怪我をしていたし、シンバを安全な場所へ避難させたあと、自分がやっとの思いで崖をよじ登ると、そこには意地悪な弟のライオン、スカ―がいて兄王のムファサを突き落としてしまい、死に至らしめるのだった。

その時、まだ子供だったシンバは、叔父の企みなど知らなかったし、「お前のせいで父王は死んだ。だから遠く何処かへ行ってしまえ」と叱られて、一人で砂漠を歩く。疲れ果てて倒れ込み寝てしまう。ハゲタカに襲われそうになるも、そこへ現れたのが陽気なイボイノシシのプンバァと、ミーアキャットのティモンに助けられ、彼らと一緒に緑豊かなジャングルで自由気ままな生活を送っていくシンバ。しかし、食事は虫とかアリなんですね、サバンナでは、猛獣は狩りをして弱肉強食なのに、そのまま大きくなって故郷へ帰って、叔父のスカーとの激しい戦いに勝利するのも理解できない。

アニメ版ではキャラクターがかなり擬人化されていたが、今回はあくまでも動物そのものでありながら、豊かな感情表現がされているのが良かった。子供のころのシンバは、子猫ちゃんみたいで可愛かったよ。

監督は「ジャングル・ブック」でも同様の手法を使ったジョン・ファヴロー。俳優としては「アイアンマン」シリーズのハッピー・ホーガン役でお馴染みだけど、監督としても一流なんですね。今回はVR(バーチャルリアリティ)の技術を取り入れて、仮想現実の世界観をスタッフが共有することによって、カメラアングルや照明の具合を決めていったそうですよ。

それに何といっても「超ハイクオリティのCGにより、実写もアニメーションも超える“全く新しい映像世界”を創出した」ということ。実写以上に美しくリアルな映像により、まるで自分がサバンナの大地に立っているかのような感動を覚えます。

それに広い空を埋めつくす鳥たち、はるかな山脈を望みながら行進するゾウやキリンの群れ、体を高く伸ばし周囲を見渡すミーアキャット。動物たちの動きや太陽の光、草木の揺れなど、スクリーンに映るものすべてが途方もなくリアルだ。

岩の突端にたたずむライオンの王ムファサに、ザズーがうやうやしく頭を垂れる。ラフィキに抱き上げられた赤ちゃんシンバはパチクリとまばたきし、モッフモフの毛を風にたなびかせる。目撃している映像の“現実感”が、にわかには信じられないクオリティ。特に父ムファサとシンバの親子愛が印象的。

本作では、“人類が体験したことのない映像”を目撃することができるんです。なんだかよく解らないけれど、すごくて自然の描写はネイチャード・ドキュメンタリーを観ているようだったし、音楽も良かった。これはIMAXで鑑賞すると、興奮度が高まりますからね。

最近では、「アラジン」があったから、てっきり実写版だと思っていたら、キャラクターだけでなく背景もCGで作られているという。その映像美は、言われなければ気が付かないほどリアルですから。是非劇場でご覧ください。

吹き替え版で鑑賞したので、シンバ役の賀来賢人、ナラ役の門山葉子が、名曲「愛を感じて」を披露しているのも素敵でした。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・118  アクション・アドベンチャーランキング

 

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レプリカズ★★★

2019年05月24日 | アクション映画ーラ行

キアヌ・リーヴスが愛する家族のために禁断の再生技術に手を染めてしまう天才科学者を演じるSFサスペンス。共演にアリス・イヴ、トーマス・ミドルディッチ、ジョン・オーティス。監督は「デイ・アフター・トゥモロー」の脚本家ジェフリー・ナックマノフ。

あらすじ:死んだ人間の意識をコンピュータに移す実験が成功へと近づいている神経科学者のウィリアム・フォスター。ある日、突然の自動車事故で最愛の妻と3人の子どもたちを失ってしまう。悲しみのあまり科学者の倫理をかなぐり捨て、家族の身体をクローン化し、意識を移し替える禁断の研究を強行してしまうのだったが…。

<感想>キアヌの暴走が、止まらない――。愛する家族を守るため、科学者の戦いが今、始まる!その発明は、[大罪]か[奇跡]か?・・・クローン人間なのか、それとも現代版の「フランケンシュタイン」なのか。

神経科学者ウィリアム・フォスター(リーブス)は、激しい雷雨により見通しが悪いなか、家族を乗せた車を運転中のウィリアムはアクセルを全開。案の定事故に遭い、家族全員を死なせてしまう。科学の発展と倫理観のせめぎ合いを大きなテーマとしているはずなのだが、科学者キアヌは妻子のクローン製造を即決するわけ。

物語的にも未来科学の展開にも、クローン妻子になんらかの悪しき変調が起きてもいいものだが、それがないのが変です。とにかく全てがイージーなのだ。しかし、クローン製造のむずかしさよりも死んだ妻子に代わって、キアヌが欠席・欠勤の連絡、メールの返信、SNSのコメント対応する方が難儀に描くあたりは笑うしかなかった。

一人“ぼっち”で頭を抱える、哀愁漂うキアヌの姿をとらえている。本作は、神経科学者ウィリアム・フォスター(キアヌ・リーブス)が、事故で亡くなった家族をよみがえらせようとし、倫理に反した暴走を加速させていくさまを描く。「デイ・アフター・トゥモロー」で脚本を担当したジェフリー・ナックマノフが監督を務め、リーブス自身も「トランスフォーマー」シリーズのロレンツォ・ディ・ボナベンチュラらとともに、製作に名を連ねている。

リーブスといえば、米ニューヨークのソーホーにあるベンチでひとりランチを食べる姿や、46歳の誕生日にひとりでカップケーキとコーヒーでお祝いをしている姿を撮られたことで有名。ネット上では「サッド・キアヌ」と呼ばれ、“ぼっち”な姿が公開される度にファンからいじられ、愛されてきた。

本作でも、家族を失い悲しみのどん底に陥り、さまざまな表情を見せるサッド・キアヌが登場する。公開された場面写真は、ポットが3つしかないので、機材不足のため家族全員をよみがえらせることが不可能だと判明し、頭を抱える“がっかりキアヌ”など全4枚。1番幼い娘を冷凍庫の中にでも保管したのかな。キアヌのぼっちメシをする姿や、膝を抱えて考え込む場面も披露され、リーブスの見せるリアルな表情にも注目だ。

愛する家族を失ったことをきっかけに、“暴走”に手を染めてしまう科学者を描いた今作。ビジュアルは、静かな狂気をはらんだリーブスの表情を活写し、「その発明は、[大罪]か[奇跡]か」というコピーが大胆に配置されている。

そして、研究所から車でポッドを屋敷に運び入れ、悲しみに暮れるフォスターは、自らの研究をもとに、クローン化した家族の体に意識を移し替え、完璧なレプリカとして再生させるというタブーを犯す。怪しげなポットのなかには人影が浮かび、息苦しそうにあえぐ女性の姿も。謎が謎を呼び、物語のスリルに期待が高まる。

あらゆるモラルとルールを無視し、家族を無事復活させたウィリアムだが、政府組織が研究対象として家族を奪おうと一家を襲撃……。迎え撃つウィリアムの“作戦”は、「そんなのアリなの?」っていう内容なんですね。 

これまたB級な作品ですが、装いは最先端科学なんですよ。とはいえ、それが説得力増大に繋がっているかはまた別問題である。前半部分の面白さは、家族がいない理由をどう取り繕うのかとか、電源をどう確保するかにある。ところが後半では、物語的に重要と思われる部分が、何故かはしょられていて突然の方向転換に戸惑ってしまう。

さらには、スリルが最高に盛り上がるはずの部分では、演出の生ぬるさにびっくり仰天する。シリアスにやってもそうでなくても、もっと面白くできたはずの映画なのに、惜しいですね。

基本的にはフランケンシュタインの物語だが、神経科学が発達している現代なので、科学者キアヌが倫理の壁を越える暴走をしても、とりわけ異常な人間像には見えない。

研究所の上司であるジョン・オーティスが金儲けの目的で、医療開発企業をやっている設定にし、キアヌは家族愛のためにクローン人間を造る学者にしているからです。主人公がロボットやクローン人間に感情移入する娯楽作品なので、最後が過去を忘れたクローン人間でも、成立すると思いますね。忘れられたわけではなく、末っ子の娘が最後にクローン人間として蘇って来るシーンは良かった。

キアヌファンとしては、過去の出演作と似ているような物語に懐疑心ありです。ですが、「ジョン・ウィック」第3弾、10月に日本公開決定ので、今から楽しみです。

2019年劇場鑑賞作品・・・76  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ROMA/ローマ★★★・5

2019年03月30日 | アクション映画ーラ行

「トゥモロー・ワールド」、「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。

あらすじ:70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。Netflixで18年12月14日から配信。日本では19年3月9日からイオンシネマで劇場公開される。

<感想>この映画のタイトル「ROMA」。一見するとイタリアのローマのように思えまして、イタリアが大好きな私としては、イタリアの「ローマ」と何か関係があるのかなぁと、変な期待をしてしまいました。ローマに旅に出る話だろうか?とか古代ローマにかかわる作品なのかとか。結果的にはなんてことなく、アルフォンソ監督が育ったメキシコシティの近郊の地名だったわけです。

ある中流家庭の生活を、若い家政婦クレオの視点から描き出していた。モノクロながらも緻密であり、美しい画面と音響の効果は圧倒的で、これではたくさんの賞を頂くのも納得の作品でした。

メキシコの70年代が日本の経済状態と殆ど隔たりがないのは、驚くほどであり、冒頭の家族で映画館へ映画を観に行く作品「宇宙からの脱出」であり、懐かしい細部に行き届いたところなどがいたるところにありました。

この映画は大地を見つめているシーンから始まります。そこでは水が建物の廊下に、掃除をしているのであろうバケツから放たれた水が何度も、何度も水が増していき、建物の廊下がすべて水浸しになり、排水溝へと流れて行く。

そして、この始まりのシーンと対になるように、映画の最期には、主人公のクレオが人生の中で苦しいことや、幸せなこととか、いろいろとあったが、彼女が屋上へ登り青い空を見て終わるのだから。この描写によって、人生の儚さや無情さを描き、人間にはコントロールできる要素と、できない要素があるということを示しているようでした。

もちろん、それは人によっては個人差があると思うが、けれど、他の誰かとの間に愛情が存在するということは、孤独を分かち合う人と巡り会うこともあると言う事ですね。雇い主である奥様が、使用人に対して家族のように悩みを聞いてくれたり、今後のこととかを一緒になって考えてくれるのだ。

70年代の日本で暮らす私たちとも、どこか似ているところもある。燃費の悪い大型車、街頭で売られるポルノ雑誌に見入る少年たち、食後に家族と一緒に使用人もTVを鑑賞するところ、海辺に行き、波が荒いのに幼い子供たちが泳ぐのだ。だから、観ているこちらもヒヤヒヤしながら、クレオが仕方なく子供たちを助けにいくところとか。子供たちと共に、波にさらわれて溺れかけた記憶などなど。

もっとも、ストーリーは必ずしもハッピーなものではない。家政婦のクレオは、ボーイフレンドと恋仲になり妊娠させられた挙句に、捨てられる。

彼女の雇い主であるソフィアの夫アントニオは、医師であり若い愛人を作って、クリスマス休暇、もうすぐ大晦日だというのに家を出てゆく。奥さんも別れ際に夫に抱き着く。夫ときちんと話し合いをしたらいいのに、と思うも、この家族はそれもなく離婚という結果になってしまうのだ。

ですが、この家族の家には、婦人の母親、お婆ちゃんもいて、クレオの出産を喜び、一緒に住んで面倒を見て上げると言う優しい家族。おばあちゃんと一緒に、ベビーベッドを買いに家具やへ行き、そこで反政府デモに遭遇する。その中には、クレオのお腹の子供の父親がいて、身重のクレオに向かって銃を発射する。驚いて、その場で破水をしてしまったクレオ、病院で緊急措置を受けるも、残念ながら死産をしてしまった。宗教上、中絶が出来ないのだから、お腹の子供は生まれて来るよりも、これで良かったのかもしれない。

70年代の物語とはいえ、あまりに身勝手な男性たちに振り回される女性たちの悲劇が、物語の軸となっていた。

途中で驚いたのが、クレオの恋人が、裸で棒術を披露するシーン、ボカシもなく全裸の股間が丸見えで驚く。笑っていいのか、謎はつきない。それに、新年の祝いで子供たちを連れて友人宅へと行く。そのパーティで男たちは、拳銃を打ちまくるのだ。池の畔で銃撃戦ではなく、試し打ちなのか、子供たちも参加をしているし、正月の遊びではない。花火を打ち上げる方が、もっといいのに。

この友人宅に行っている時に、山火事が起きるのだ。人々はあわてて消火活動をするのだが、どこか緊迫感がなかった。

だが、もっと驚いたのが、クレオが恋人の武術練習場へ行った時に観た、韓国人の師匠の姿が、タイツにタンクトップ姿は、まるで女装のエアロビックス姿のようにも見えた。これは、きっと子供の記憶に違いない。

劇中で描かれる「血の木曜日」事件とは、1971年6月10日に起きた事件であり、反体制デモを軍隊が制圧し、300人もの死者を出したそうです。当時は、メキシコ・オリンピック(1968年)、メキシコ・ワールドカップ(1970年)、そして反政府運動と、独裁政権下で経済成長を遂げるメキシコは、大きな変革期を迎えていた。しかしながら本作では、事件は背景の一つでしかないのだ。この点に限らず、本作の描写は、端正でありながらもどこかアンバランスであります。床を洗う水がさざ波のように広がる冒頭の部分と、車幅ギリギリの車庫に車が出入りする描写。デモと同じくらいの比重で描かれる、兄弟喧嘩、その他いろいろであり、おそらく本作では、子供の視点や子供の記憶に焦点を当てているのではないだろうか。

2019年劇場鑑賞作品・・・50  アクション・アドベンチャーランキング

 

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LBJ ケネディの意志を継いだ男★★★・5

2018年11月25日 | アクション映画ーラ行

 ウディ・ハレルソンがケネディ暗殺直後に、急遽大統領に就任したリンドン・B・ジョンソンを演じる伝記ドラマ。南部出身でありながら、ケネディの意志を継いで差別撤廃に尽力したジョンソン大統領の葛藤と知られざる政治手腕を描き出す。共演にマイケル・スタール=デヴィッド、ジェフリー・ドノヴァン、ジェニファー・ジェイソン・リー。監督は「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー。

あらすじ:議会で民主党のリーダー的存在だったリンドン・B・ジョンソンは、1960年の大統領予備選で若きエリート政治家ジョン・F・ケネディに敗北を喫するも、ケディの要請で副大統領候補として大統領選を戦い、彼の勝利によってそのまま副大統領に就任した。しかし、カリスマ性溢れるケネディの輝きの前に、いつしか国政の蚊帳の外に置かれていくジョンソン。ところが1963年11月22日、ケネディが暗殺され、ジョンソンはそのわずか98分後には、第36代アメリカ大統領に就任することに。国中が悲嘆に暮れ、自身もケネディと比較され、多大なプレッシャーがのしかかる中、ジョンソンはある決意を固める。それは南部人である自らの信条よりもケネディの意志を尊重し、公民権法の成立を目指すというものだったが…。

<感想>過去(JFK)には戻れない、けれど未来は変えられる。ケネディ暗殺後、アメリカ大統領に就任したリンドン・B・ジョンソンの苦悩と挫折、闘いの日々を描いた真実の物語。この題名を見て「リンドン・ベイン・ジョンソン」とはっきり発音できる人が何人いることか、かくいう私もミドルネームのベインズには自信がなく、「リンドン・B・ジョンソン」と記憶していた。

名前はともかくとして、その業績となる「JFK=ケネディ大統領の後継者であり、1963年11月、彼が暗殺された後に98分で大統領に就任した副大統領」とか、「ケネディの遺志を継いで公民権法を成立させた南部出身の民主党員」と記憶しているぐらいであります。

むしろ、無礼で、下品で、貧乏で、南部育ちのジョンソン。上流社会のケネディとは正反対の男だった。ですが、そんな彼が、人種差別撤廃など、ケネディが夢に見た理想を実現してゆく。そして、ベトナム戦争を推し進めた大統領としては、すこぶる評判は良くなかったのだが。その大統領をなぜにロブ・ライナー監督は映画にしたのか。しかもウディ・ハレルソンという超個性派の俳優を抜擢してまで。

答えは観てのお楽しみといいたいところだが、これだけ評判の悪い大統領を弾効の声さえ聞こえて来る現大統領と比較するかのように、今取り上げる意図はどこにあるのか?。という難しい問題はさておき、1本の映画として観ると、一人の大統領の苦悩と不安の生涯をかなりリアルに描いていて見応えが十分なのである。

北東部出身のエリート議員であるケネディとは、対照的な南部出身の成り上がりのリンドン・B・ジョンソン。その彼が副大統領の指名を受けたばかりに開けた大統領への道。

だが、その過程ではケネディの弟である司法長官のロバートらとの、確執が待ち受けており、という政治の裏舞台をきっちりとふまえた上で、ハレルソンがそのリンドン・B・ジョンソンをどう演じたのだろうか。

結論から言えば、さすがのハレルソン、相手を口汚くののしる前半から人が代わったように「忍」の姿勢を貫く後半へと変貌を見せていてお見事と言いたい。どちらかと言えば、癖のある演技で注目されたこれまでの彼を、封印できたのは、ジョンソンのそっくりさんとも言えるメークのせいもあるのだろうが、謎の部分がより一層強調されたようで、人物像に奥行きが出ていた。それにしても、ジョンソンとは何者だったのか。未だに釈然としないものが残るのだ。

第36代アメリカ大統領リンドン・B・ジョンソンは、このテキサスの粗暴さを武器にして、公民権法と投票権法を成立させ、50年代以降、アメリカ国内で活発化していた公民権運動に決着をつけた人物なのである。

もちろん、公民権法の基礎は先代のジョン・F・ケネディによるものですが、いわば「型」から入って理想を打ち立てたJFKに対し、LBJは「型破り」な粗暴さで、反発勢力の妨害にも怯まずそれを押し通したのであります。反発勢力の人物としては、南部出身の下院議員を演じているリチャード・ジェンキンスが演じているのも良かった。

一方では、LBJの泣き所は人脈の欠落であった。JFK暗殺後、彼の人脈、いわゆる「ベスト&ブライティスト」うぃまるごと受け継ぎ、彼らが固執したベトナム政策では泥沼に落ち込んでいく。大統領執務室の机の影にかがみこみ、片手で顔を覆うという苦悩するJBLの写真が残されている。結果的にベトナム戦争が、LBJの命取りとなった。

もっとも、黒人たちは、ジョンソンこそが白人側から差し伸べられた最大の救いの手であることに、いち早く気づいていたのだった。公民権法が成立するまでは、黒人にとって愛すべき大統領と言えば、フランクリン・D・ルーズベルトだった。かつては奴隷制を支持するなど極めて差別的だった民主党を、1930年代に改造し、今日の革新政党に生まれ変わらせ、自分たち黒人をかばってくれたからだ。

しかし、公民権法成立以後は、黒人たちの家にそれまで飾られていたフランクリン・D・ルーズベルトの写真に代わって、リンドン・B・ジョンソンの顔写真が掲げられたという。

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リグレッション★★★

2018年11月15日 | アクション映画ーラ行

 「アザーズ」「海を飛ぶ夢」のアレハンドロ・アメナーバル監督がイーサン・ホークとエマ・ワトソンを主演に迎えて贈るサイコ・サスペンス・ドラマ。ミネソタ州の小さな町を舞台に、1つの少女暴行事件を捜査する刑事が、やがて町に秘められた大きな闇に飲み込まれていくさまを描く。共演はデヴィッド・シューリス。

あらすじ:1990年、ミネソタ州。ブルース・ケナー刑事は、17歳の娘アンジェラを暴行した疑いで父親のジョン・グレイを取り調べる。するとジョンはあっさりと容疑を認めるが、実際のところ彼の記憶は曖昧で、どうにも不可解な事件だった。そこで著名な心理学者ケネスの協力を仰ぎ、記憶を遡る退行療法によって事件当時の状況を探ろうと試みるケナーだったが…。

<感想>実話に着想を得たミステリー・サスペンス。謎に包まれた少女虐待事件の驚くべき真相とは?・・・。アメリカでの悪魔崇拝者による儀式が次々と告発されていく中で、そのためか多くの人々がパニックと疑念の渦に巻き込まれる事態となった。

そうした事例を基に、アレハンドロ・アメナーバル監督が、米社会の闇に踏み込んだ本作に出演するのは、「パージ」のイーサン・ホーク、「美女と野獣」のエマ・ワトソンの二大スターを主軸にして、他には「戦火の馬」のデーヴィッド・セーリスらが共演している。

90年代のミネソタで起きた実話に基づくととあり、イーサン・ホークが演じる刑事が、父親の少女虐待事件と真剣に取り組む姿が、のちのサスペンスへと向かって行くわけ。

彼の前に地方の都市特有の、奇怪だがリアルでもある事件が次々と起こる。古い教会や悪魔崇拝者による儀式、荒廃とした家族関係、そこへ知ったかぶりの心理学者まで登場して、刑事は現実と幻想の迷路に落ち込んでしまう。

郷愁を誘う風景に、突如異変が訪れるので、観客も終始迷路の中に引っ張り込まれてしまう。本当に、初めはアンジェラの父親が性虐待をするのを信じてしまって、ジャンル映画とは別の恐怖を味わうことになる。

まず、ヒロインのアンジェラを演じたエマ・ワトソンが、心理学者の催眠療法によって作られる虚偽の記憶、それに基づいて固められる事件のストーリー。そこに捜査陣が縛られて進む冤罪への道。恐怖や不安から広がるタイプの集団ヒステリー。両者の発生するシステムを、フードを被って顔を白塗りにしたアンジェラの祖母たち。

廃墟の納屋で、いかにもな連中が、いかにもな悪魔崇拝儀式をするみたいな映像を映すので。それは、赤ん坊を儀式の生贄にし、参列者がその赤ん坊を食べてしまうという恐ろしさに、げんなりとしてしまった。後で聞かされる、赤ん坊の本当の話と、アンジェラの恋愛話には、なんと無知な女なんだろうと思ってしまった。

ですので、オカルト・スリラーとしての、設定をしっかりと保ちながら描く巧みさに、ハッとさせられるであります。

ですが、主人公刑事のイーサン・ホークが、精神的に追い詰められる“弱さ”の背景が描かれていないのだが、彼はアンジェラの美しさに惚れてしまい、彼女が嘘を言っていることを、全部信じてしまう。男としてはいいが、刑事としてはどうかと思う。

ラストが、衝撃的なアンジェラの告白でドッキリして、驚くのも必然ですから。

2018年劇場鑑賞作品・・・223  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ルイスと不思議の時計★★★★

2018年10月12日 | アクション映画ーラ行

ジョン・ベレアーズのベストセラー“ルイスと魔法使い協会”シリーズの第1作『ルイスと不思議の時計』をイーライ・ロス監督で映画化したファミリー・ファンタジー・アドベンチャー。不慮の事故で両親を亡くした少年ルイスが、二流魔法使いの伯父ジョナサンと、その隣人で魔女のツィマーマン夫人と繰り広げる不思議な大冒険を描く。主演はオーウェン・ヴァカーロ、共演にジャック・ブラックとケイト・ブランシェット。

あらすじ:1955年、ミシガン州のニューゼベディ。両親を事故で亡くした10歳の少年ルイスは、会ったことのない伯父のジョナサンに引き取られ、いたる所に時計が置かれた古い屋敷へとやって来る。そこはいかにも怪しげな雰囲気だったが、なんとジョナサンは魔法使いだった。ただし腕は二流。一方、隣人のツィマーマン夫人も魔法使いだったが、こちらは対照的に超一流。2人は互いに悪態をつきながらも、ルイスを温かく迎えてくれた。そんなジョナサンは屋敷の中で夜な夜な何かを捜し続けていた。それは、世界を滅ぼす力を秘めた魔法の時計だった。ルイスは世界の危機を救うため、ジョナサン、ツィマーマン夫人と力を合わせて時計の謎に挑むのだったが…。

<感想>本国では1973年に出版され、ハリーポッターの原点ともいわれるジョン・ベレアーズの児童小説「ルイスと魔法使い協会」シリーズの1作目「壁の中の時計」を、スティーヴン・スピルバーグのアンフリン・エンターテイメント制作で映画化した冒険ファンタジー。原作者の死後も別作家の執筆によって計12作が出版された長寿作品であり、映画も続編の可能性がありますよね。

両親を車の事故で亡くした10歳の少年ルイスには、オーウェン・ヴァカーロが。伯父さんに引き取られるも、言葉が大好きで、辞書を愛用。スポーツは苦手、転校先ではちょっと浮いた存在でもある。

お調子者のポンコツ魔法使いジョナサンには、ジャック・ブラック。ルイス少年の母親の兄で、その素顔は魔法使いだが、腕はポンコツ。屋敷のどこかに隠された魔法の時計を探している。かなりのお調子者であります。

本作では完全に“憎めない人懐っこいオッサン”そのままであり、名優ジャック・ブラックにしかできないキャラクターを全開にしていましたね。

 

リビングにある、魔法で動き出すたくさんの人形相手に「気持ち悪い」と言っていた彼ですが、まさか「顔だけそのままサイズのジョナサン・ベイビー(身体が赤ちゃん)」という一番の醜態を現すとは、それが一番の見せ場ですかね。可愛いけど、正直いって2018年に見た映画で、一番キモかったかもしれませんね。

そして、魔法使いのエリート魔女であるツィマーマンに、ケイト・ブランシェットが扮していて、ジョナサンの隣の家に住んでいる。パリ生まれのエリート魔女で、戦争中に夫と娘を失くして以来、魔法は封印していたが、とにかく口が悪くていつも伯父さんを喧嘩をしている。

それに、ジョナサンの親友でもある魔法使いだったが、黒魔術に傾倒し、怪しげな実験に没頭して、屋敷の中に謎の時計を隠して亡くなってしまった。彼が死の世界から甦る、恐るべき魔法使い役で、「ツイン・ピークス」のカイル・マクラクランが怪演を見せている。

監督はイーライ・ロスと言えば、若者たちがジャングルで食人族にいただきますされる『グリーン・インフェルノ』、キアヌ・リーヴスが美女に肉体的にも精神的にもズタズタにされる『ノック・ノック』などホラーやサスペンスを手掛けてきた。今回、子供向けのファミリー映画を撮るなんてジョークなの、なんて思いますが、それが全編綺麗なファンタジー色で決めており、面白くて最後まで飽きません。

始めは転校生なので虐められるも、二人から呪文を教わったルイスは、學校で簡単な魔法を使うようになる。だが、彼が禁断の書を開いてしまったことで、闇の魔法使いアイザック(マクラクラン)が復活してしまう。

そのシーンが面白い。ルイスと友達の2人で墓へ行き、闇の魔法使いの墓の前で呪文を唱えていると、墓の蓋があき中から闇の魔法使いが甦ったのであります。伯父さんもエリート魔女であるツィマーマンも、これには驚きどうしようか戸惑ってしまう。

伯父さんの家にその闇の魔法使いがやって来て、大暴れするものだから、屋敷の中に隠してある時計を動かせば、世界は“逆戻り”してしまうのだ。ルイスと二人の魔法使いは、世界を救うために時計をめぐる大冒険を繰り広げるのであります。

エリート魔女であるツィマーマンの紫いろの傘を用いて光線を放出、手から火の玉を発するなど、彼らが操る不思議な魔法に注目でありますからね。

それに、ジョナサンの屋敷に死者が復活してくるし、庭のハロウィンのかぼちゃがお化けになって襲って来るし、リビングにある人形たちが襲い掛かるとか、不気味でちょっと悪趣味な描写は、子供には怖いかもしれません。

それでも伯父さんのジャック・ブラックが頼りないけど根は誠実で憎めないキャラを演じていて、それで中和されている部分もある。

ケイト・ブランシェットは、「オーシャンズ8」に続くカッコいい役で、本当に頼もしい魔法使いって感じで良かったです。ルイスが転校生で学校で虐められ問題も描かれていたりして、、じつは奥が深い作品になっていました。

2018年劇場鑑賞作品・・・200  アクション・アドベンチャーランキング

 

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REVENGE リベンジ★★★

2018年09月01日 | アクション映画ーラ行

本作が長編デビューとなるフランスの新鋭女性監督コラリー・ファルジャが、「ザ・リング/リバース」のマチルダ・ルッツ扮するヒロインが繰り広げる男たちへの壮絶な復讐劇を描いたバイオレンス・アクション。

あらすじ:美しい女性ジェニファーは不倫相手のリチャードに誘われ、砂漠地帯にある彼の別荘にやって来る。2人だけのはずが、そこにリチャードの狩猟仲間スタンとディミトリも現われる。やがて男たちはジェニファーをレイプした挙句、口封じのために崖から突き落とす。瀕死の重傷を負いながらも執念で復活したジェニファーは、男たちへの怒りの復讐を開始する。

<感想>ヒロインのリベンジを血みどろの残虐描写と、スタイリッシュな画面構成で描いている作品って、「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」や「サベージ・キラー 」など、数多くありますが、これも飛んでもなくあり得ないくらいに強い女性が、男に復讐をしていくお話である。それも砂漠地帯で、騙されたといえばそうだが、女も悪いのだ。普通だったら、DVDスルーのはずなのにね。劇場で公開されるのって珍しいので鑑賞した。

金持ち男の誘いに乗って、ヘリで行く砂漠地帯の辺ぴ場所に豪邸がある。そこへ連れて行かれて、優雅に過ごすはずが、その男の友達2人と待ち合わせをしてたらしく、早くに到着してあっと言う間に、その2人の男の一人の餌食になってしまう。

もちろん、連れてきた男に怒りをぶっつける女だが、どうみても不利な状態の女。そして、別荘の持ち主の男に邪魔な女として崖から突き落とされてしまう。女は崖下で、枯れ木に串刺し状態で刺さって瀕死の状態。

普通だったら、これでこの女は終わりと思うが、それともそこへ誰かが助けに来てくれて応急手当をしてくれるかでないと助からないはず。ところが、男たちも崖下を見て、まだ生きているみたいなのでトドメを刺すために崖下へと急行する。

その間に、女が目覚めてその串刺し状態から自分の力で抜け出すのである。これはちょっと無理のある行動で、彼女がいくら柔軟体操選手でも、反り返った身体に木を刺さっている状態から、地面にある枝木に火を付けて燃やし、刺さった木から脱出することなんて神業としか言えない。持っていた麻薬を舐めて、体を麻痺させて痛みをこらえる女。そして、唸り声しかセリフがない女になってしまう。そりゃそうだろうにと(苦笑)

まぁ、それをここで言っても、作品の核となる復讐の女なのだから、どんなに理屈が合わなくても生きて男たちに復讐をするという設定になっている。

かなり出血もあるのに、そこから逃げおうせた女は、男たちの追ってから逃れて、まず傷口の手当をするのだが、まだ麻薬の効き目があってか、レイプした男を殺して、その男の持ち物の中から飲み物や猟銃をゲットする。

その時、まだ女の腹には木が付き刺さったままで痛々しい。まずは飲み物を飲んで、その空き缶をナイフで切り開き、それを火であぶって消毒をして腹の傷跡に張り付けるという、かなりエグイ衝撃の治療法でした。火傷の後に、空き缶に付いていたコンドルのマークが皮膚にきっくりと後が残って痛々しい限り。

そこからが、男2人に対しての復讐劇であり、男たちも素晴らしい猟銃を持っていて、どうみても女一人では敵いっこないのに、それでもあんなに重傷を負った女が、裸足で逃げて素晴らしい活躍をするとは思えないのだが。

確かに砂漠に建つ豪邸にはプールがあり、白い豪邸にピンク色の窓枠、それに青いプールの水の色と、かなり景観が最高なのだ。ですが、そこにはヘリで行くのだが、持ち主はヘリの操縦はできない。だから、ヘリサービスへ迎えに来るのを待つしかないのだ。車はあるが、その砂漠地帯から、街までの距離は女には全然解ってない。自分が助かっても、ヘリを呼ばなければ自分はここから助からないと思うのだが、それが面白いラストで、女と持ち主の男リチャードとの対決が豪邸で始まるのだ。

こんなことは、絶対に在り得ないことなのに、女もよくぞ生きていてくれたとばかりに復讐の鬼となって、男に歯向かうのだが、広い豪邸の中を猟銃をぶっ放しながら走り回る2人。女もかなり銃の扱いが巧いときてるし、リチャードの腹を撃ってしまう。

大量の出血が床に広がり、走る2人にはヌルヌルと滑りまくるのだ。それでも、どちらかが死なない限り決着はつかない。リチャードがヘリの迎えを電話で頼むのを機に、女が逆転ホームランの銃撃で倒してしまうのがスカット爽やかであった。そこへヘリの迎えの音が響いて、プールサイドで空を見上げる女の顔が眩しそうに映るのもいい。

018年劇場鑑賞作品・・・169 アクション・アドベンチャーランキング

 

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ルイ14世の死★★・5

2018年08月23日 | アクション映画ーラ行

名優ジャン=ピエール・レオが最晩年のルイ14世を演じる歴史ドラマ。“太陽王”と呼ばれたルイ14世が、死の床でただ最期の時を待つ陰鬱な数週間を、サン=シモン公の『回想録』や廷臣ダンジョーが記した『覚え書,別名ルイ14世宮廷日誌』を基に、詳細かつ淡々と再現していく異色作。監督は舞台の演出やインスタレーションなどのアート分野でも活躍するスペインの異才アルベルト・セラ。

あらすじ:1715年8月、77歳を目前にしたルイ14世は、壊疽による左脚の痛み抱え、体調はみるみる悪化し、ほぼ寝たきりの状態となっていた。侍医のファゴンには的確な診断も、有効な治療を施すこともできずにいた。やがてパリ大学の4人の医者が診察に訪れるのだったが…。

<感想>フランス王ルイ14世と言えば、「太陽王」といわれ豪華絢爛の絶頂を極めた王様。薄暗いローソクの灯かり、豪華なベッドに横たわり、左足の壊疽からじわじわと死に至る最期の日々を記録した作品である。

画面が暗いし、この時代では、医学が進歩していなく、ただひたすらに王の死を待っているだけなのか。腐っていく左足首から、だんだんと上へ、心臓まで壊疽が進み死に至るってどれだけ惨い死に方なのか、モルヒネのような痛み止めに、この当時だったらアヘンとか何かなかったのだろうか。

観ていて、医者たちが頭を抱えているが、壊疽なら切断するしかないであろうに、それを何を待っているのか、医者たちは陛下に「壊疽ではありませぬ」などと嘘を言って治療を遅らせているのだ。たしかに太陽王のイメージを見事に裏切っている。

羽の付いた大きな帽子をとって笑顔で客に挨拶して、ビスケットを齧ってみせては、医者たちを安心させ、昏睡状態でも家臣に偽医者の処分を打診されれば直ぐに指示を出すなど。

どう見ても、真っ黒になっている足をみて腐っているとしか見えないのに。軟膏のようなのを指で塗りたくっているが、それでは痛みも肝心の壊疽も良くならない。切るしかないのに。

だから、陛下がベッドの上で、頭がボケていないので、側近がいろんな仕事の内容をいい、それについて意見を言うほど元気なのだ。車いすに座り、庭を散歩したり、王宮を車いすで進む姿には、医者たちのズサンな見立てと治療が歯がゆくてならない。

死の間際に至るまで重々しく王を演じねばならぬ様子は、滑稽ですらあります。王を演じている圧倒的なジャン=ピエール・レオの存在感と映像美が、「朕は国家なり」の言葉が物語る絶対王政末期の危ういさを、白日の下に晒しているようでした。

金色のトウシューズで華麗にリュリのバレエを舞ったのは、確か「王は踊る」(00)の映画だったと思う。演じたのは、20代のブノワ・マジメルだが、いま死の床に臥せる陛下を演じているのは、なんと名優ジャン=ピエール・レオ。

ベッドの周りには臣下や貴婦人集団と、怪しげな特効薬を振舞うヤブ医者軍団たち。今際のきわにあってなお王権示威のサービスを強いられるのは、王の方ではないかと。誰もが気づかぬふりをして、茶番劇を共有して、新鋭セラ監督が、半径3メートルのスケールでねちっこく持続させているのも何だか不自然。

 

誰一人として王を人間として扱わぬ、その皮肉さの辛さが舌を刺す。王の孤独、結局は、その生涯を通して誰からも愛されなかった、その寂しさが見え隠れしてゾッとする。だから、次第には退屈も覚えて来る。

ただし、ラストに王が亡くなった後、そのベッドの上でお腹を切り開き解剖するシーンも、大腸、小腸、脾臓と取り出して、心臓まで壊疽が進んだことを見届けるのだ。そして、医者たちや家臣たち取り巻き連中の、責任逃れの言葉が発せられる。「やっぱり壊疽だったのだ」と頷く医者たちの言葉に、バカバカしくもあり、痛烈な皮肉を込めた作品であった。

 

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リディバイダー★★

2018年07月28日 | アクション映画ーラ行

『美女と野獣』やドラマ「レギオン」シリーズなどのダン・スティーヴンスが主演を務めるSFアクション。地球を複製した世界に送り込まれた元NASAのパイロットが、人類の命運を左右する壮絶な戦いに挑む。メガホンを取るのはティム・スミット。『007 スカイフォール』『リヴォルト』などのベレニス・マルローが共演する。視点を切り替え二つの世界が表現される。

あらすじ:エネルギーが枯渇してしまった近未来。人類は地球を複製したエコーワールドからエネルギーを確保して、危機を回避しようとしていた。ある日、地球とエコーワールドをリンクさせる巨大タワーが暴走し、その影響を受けて世界各地で異常気象が発生する。地球壊滅のカウントダウンが始まり、元NASAのパイロット・ウィル(ダン・スティーヴンス)がエコーワールドに向かった。

<感想>これまでVFXのスペシャリストとして活躍し本作が長編監督デビューとなるティム・スミット監督が、「美女と野獣」のダン・スティーヴンスを主演に迎えて贈るSFサスペンス・アクション。と言っても、チラシのイメージから見るとSF映画のようでもあり、近未来アクションの印象があります。

エネルギー問題解決のために地球のコピーが造られた近未来を舞台に、突如発生したエネルギーシステムの暴走を食い止めるべく地球の命運を託された男を待ち受ける衝撃の運命を、一人称視点を織り交ぜた映像で描き出している。

CGを駆使しての映像は見応えがありますが、物語の展開に問題があるような、とてもいい作品とは言えません。

「ゲスト」や「美女と野獣」で有名な俳優さんのダン・スティーヴンスが主演です。しかしながら、主役であるのになかなか顔が映像に出てきません。というのも、普通のカメラアングルと一人称カメラの映像を交互に駆使しながら、現実の世界と、全くコピーされた世界“エコーワールド“の攻防を描くSFサスペンスとなっており、確かにその斬新な発想は面白いのだが、もう少しだけストーリーにも工夫が欲しかった。

この手法は、2017年公開の「第9地区」のシャルト・コプリー主演の「ハードコア」と良く似ている。全編一人称視点のカメラで、次々と襲い掛かって来る敵を撃って、撃って撃ちまくるなど、ドローンによる攻撃も凄いですよ。画像だけを見ればシューティング・ゲームをそのまま映画にしたような作品のようにも思えた。

カウントダウンの後、塔が稼働し、地球と全く同じ世界が完成、そこからエネルギーを獲得するはずだったが、何かの不具合が発生する。そこで、元NASAのパイロットでもあったウィルに、ある機械をエコーワールドに届ける任務が与えられる。そしてウィルはエコーワールドにたどり着くが、そこには死体が散乱し、荒廃した世界になっていた。

アルタープレックスは地球を複製し、“エコーワールド”というもうひとつの地球を創り上げ、エネルギー危機を乗り越えようとしますが、そのせいで説明のつかない重力異常が起こり、人々は謎の死を遂げていきます。列車が空中へと飛ばされ、そして落下してくる。

やがて生命がいないはずのエコーワールドにまで地球と同じ人々が住んでいることが発覚し、地球とエコーワールドのどちらかを破壊しなければ両方の世界が崩壊する、という状況に陥ります。

どうやらエコーワールドの塔にはテロ集団が潜入、元世界を破壊しようとしていた。ウィルは攻防の末、自らも犠牲になりエコーワールドを破壊して、元世界の妹とその息子を守ると言う家族愛のストーリー。

ですが、肝心の主人公のダン・スティーヴンスの顔も姿も画面には出て来ず、まるで「ハードコア」の二番煎じを狙った様な、一人称視点のカメラが9割を占めており、大部分がヘッドカムによる主人公目線の映像でこれじゃ、テレビゲームを見ているような感じでした。人間のウィルが撃たれても当たりません、それにミサイルも発射されて、普通だったらウイルが死んでしまってもおかしくないのにね。

ウィルの役目はエコーワールドを破壊すること。地球と同じ設定のエコワールドを作っても、自分と同じ人間が両方に存在することは出来ないことを知り、それには自分が開発した「リディバイダー装置」四角のキューブをタワーの中まで持っていき、当てはめて爆発させることだったのですね。

やれやれ、面白い発想だったのに、主人公が妹と息子の命を救うという家族愛もあって、「アルマゲドン」でもあるまいし、最後は自己犠牲ってわけか。

018年劇場鑑賞作品・・・147アクション・アドベンチャーランキング

 

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レザーフェイス 悪魔のいけにえ★★

2018年06月12日 | アクション映画ーラ行

トビー・フーパー監督による伝説のスラッシャー・ホラー「悪魔のいけにえ」の前日譚となる戦慄のサスペンス・ホラー。チェーンソーを手にした伝説の殺人鬼レザーフェイス誕生の物語を過激なバイオレンス描写とともに描き出す。出演はスティーヴン・ドーフ、リリ・テイラー、サム・ストライク。監督は「屋敷女」「リヴィッド」のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ。

あらすじ:テキサスの田舎町に農場を構えるソーヤー家で5歳になる少年の誕生パーティが開かれていた。やがて誕生日プレゼントとして彼に与えられたのはチェーンソーだった。その後ソーヤー農場で少女の変死体が発見されると、少女は亡くなった少女の父親でもあるハートマン保安官によって精神病院に送られる。10年後、彼は施設の仲間3人とともに看護師リジーを人質にとって脱走を図る。逃亡する彼らを、娘の復讐に燃えるハートマン保安官が執拗に追い詰めていくのだったが…。

<感想>かつての大ヒットホラーがリメーク、リブートの流れだ。ドラキュラやオオカミ男などの昔からホラー映画には個性的なキャラクターが多く、その知名度を利用してたくさんの続編が作られてきた。ぶんぶんとチェンソーを振り回す大男、レザーフェイスを主人公にした連作の第8作目である。

2006年の「テキサス・チェーンソー ビギニング

2013年には『飛び出す悪魔のいけにえレザーフェイス一家の逆襲

今回のセールスポイントは、怪物レザーフェイスの少年時代に遡り、彼が無差別殺人帰なった生い立ちを解き明かそうとしているところ。シリーズの前日譚、チャプターゼロと言う訳だ。冒頭で5歳の息子のジェッド少年の誕生日に、ソーヤ・ハウスに集まる一家の不気味さだけで、もうR指定の気分になる。母親から渡された誕生日プレゼントは、のちに彼のトレードマークとなるチェンソーだった。ダメでしょ、こんなものプレゼントしたら。しかし、少年は怖くてそれには触れていない。なのに何故?彼を待つ残酷な運命が血しぶきと共に綴られてゆく。

とりわけストーリーを引っ張っていく母親、リリ・テイラーの、自我を膨らませたまま現実社会とは、絶対に妥協しないという面構えと演技は悪魔的で素晴らしかった。

テキサスの物語をブルガリアで撮影したと言うが、美術小道具がそれらしく上手くて、74年の「悪魔のいけにえ」のレベルをきちんと保持した出来でした。「屋敷女」「リヴィッド」のカルト的な監督2人、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロの作品。

スラッシャー映画の要素はもちろんのこと、半分以上は心に病を抱えて、なおかつ悲惨な環境で育った少年少女らが、逃避行する話でもあるし、それ自体は悪いことではないが、むしろ哀切なバイオレント・ロードムービーとして面白くなったと思うのだが。

ホラー映画らしくしないといけないと、でも思ったのか明らかに視界をふさぐことだけを目的としたクローズアップで脅かし、やたらとでかい音で驚かすなどの演出があざとかった。

序盤での保安官の娘がソーヤ農場で発見されることも、あの兄弟が揃ってしたことで、少女を落とし穴に誘って落下させて殺すなんてむごい死に方は許せない。だから、保安官が精神病院へ入れたのですが、こういう場合は、裁判で長男くらいは死刑になってもいいのではないかと。どうして精神病院に送られたのかが分からない。

母親が精神病院の収容病棟に侵入し、混乱を起こして大騒ぎになり、患者たちがその精神病院を脱走するのですが、こういうやからは独房のような個室に入れておくべきですよ。簡単に脱走できるのですから。脱走の後が壮絶でしたね。

保安官たちに追いかけられて逃げる5人、牛の腐乱死体の中に隠れていたとは気づかないのも無理はない。この描写はグロかった。自閉症気味の巨漢のバドが銃弾に倒れる。

レストランで銃撃戦を交えたクラリスとアイザックも、保安官の銃弾で亡くなってしまう。どうしてこの二人は、精神病院に入っていたのかが不明。絶対に死刑になるべきですから。

しかし、最後にジャクソンと一緒に逃げた、美人の看護師のエリザベスが可愛そうに、ジャクソンに殺されてしまって、最後には顔の皮を剥がれて、つまり、そのジャクソンこそが、末っ子のジェディダイア。主人公であるレザーフェイスだったとは。

名作や人気シリーズの前日譚やビハインド・ストーリーを作るとなると、当然こんなことが、というものを入れるものだし、こちらもそれを期待するものだから、仕方のないことなのかも。

018年劇場鑑賞作品・・・108アクション・アドベンチャーランキング

 

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レディ・バード★★★

2018年06月11日 | アクション映画ーラ行

「フランシス・ハ」「ミストレス・アメリカ」のグレタ・ガーウィグが、自身の生まれ故郷カリフォルニア州サクラメントを舞台に記念すべき単独監督デビューを飾った思春期ドラマ。静かな地元の町に閉塞感を抱き、都会に憧れる活発で反抗的なヒロインの恋や友情、母親との確執など悩める高校最後の1年を瑞々しいタッチで綴る。主演は本作の演技で「つぐない」「ブルックリン」に続いて3度目のアカデミー賞ノミネートとなったシアーシャ・ローナン。共演も同じくアカデミー賞にノミネートされたローリー・メトカーフ。

あらすじ:2002年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感漂うこの町で窮屈な日々を送るクリスティン。堅苦しいカトリック系高校に通う彼女は、自分のことをレディ・バードと称し、何かと反発しては苛立ちを募らせていた。とくに口うるさい母親とはことあるごとに衝突してしまう。大学進学を巡っても、大都会ニューヨークに行きたい彼女は地元に残ってほしい母親と喧嘩して大騒動に。そんな中、ダニーという好青年のボーイフレンドができるクリスティンだったが…。

<感想>17歳、高校生生活最後の年。人はどうして自分の外見が嫌いで、生まれ育った土地を離れ都会に憧れ、母親の小言に反発して、スクールスカートの上ばかりを見つめる。それに、髪型や服装で個性が出せると信じ、早く初体験を済ませたいと願い、夜歩きやバンドやマリファナがクールだと思い込むのか。この物語におけるどの要素も、小説や映画で描き尽くされたものなのに。ティーンの痛みと煌めきを、瑞々しく描き出した青春映画である。女優としても活躍するグレタ・ガーウィグが監督を務めた。

将来への不安や現状への不満ではち切れそうになっている主人公のクリスティンを、07年の「つぐない」で初めてアカデミー賞にノミネートされて以来、24歳にして、今作で3度目のノミネートを受けた実力派のシアーシャ・ローナンが好演。しかも「ブルックリン」からアカデミー賞にノミネートが2作連続という快挙ですよ。ナイーブさと大胆さを併せ持つ主人公の魅力が、この映画を引っ張っていく。

そして共演に顔をそろえるメンバーも、今をときめく要注目の若手俳優たち(目の付けどころが出色!)。主人公が心ひかれる相手は、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズや、初体験の相手となるのティモシー・シャラメ、前作の「君の名前で僕を呼んで」とでは、まったく違うタイプの男の子を演じていることも、見逃せないポイントです。共に若くしてアカデミー賞にノミネートされている2人なのだ。

また、主人公を見守る家族に、今作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のローリー・メトカーフが母親に扮して、看護師として家計を支え、娘が地元の大学へ進学することを希望しているのだが、生意気盛りの娘を心配して衝突することもある。

父親ラリーには「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」のトレイシー・レッツが扮しており、失業してしまい、就職活動中だが、年齢のこともあり中々見つからない。娘が東部の大学へ入学するための助成金申請書を、妻に内緒で提出するなど、娘の良き理解者でもある。ラストで父親が、娘の母へのわだかまりを解く、くしゃくしゃにした手紙を見せる展開はお見事でした。

17歳の女の子が模索する、友人や恋人との微妙な距離感や、反撥し合いながらも実は似た者同士である母親との関係も。クリスティンの親友ジュリーを演じるビーニー・フェルドスタイン(右)は、ジョナ・ヒルの妹であり、兄にそっくりの体型。ジュリーの家は、母親の再婚相手が金持ちで、私立の大学を希望。それが、後半では母親がその再婚相手と喧嘩をして話がまとまらず、ジュリーの父親の元へ引き取られることになる。

そしてクリスティンが、サクラメントという閉塞感溢れる場所から新しい一歩を踏み出して、新しい世界へ羽ばたきたいという想い。誰もが体験したであろう通過儀礼が瑞々しく描き出されている。

舞台となっている街は、監督の出身地でもあるカリフォルニア州のサクラメント。同じカリフォルニアでもLAなどの都会とは違って、保守的な雰囲気の片田舎の街。退屈な街の日常的な風景や、厳しいカトリック系高校の様子をリアルに描写しているからこそ、「文化のあるNYやニューハンプシャーの大学に進学したい」と言うヒロインの鬱屈が説得力と共に伝わってくる。

青春期特有の、自意識をこじらせまくっている彼女は、御多分に洩れず欲求が強く、「ここではない何処か」を求めてもがく毎日。残り時間は少ない。大学受験をどうやってクリアするか、しかし、最終学年を勉強だけで染め上げるつもりは毛頭ない。恋もしたい、好奇心のまま、やりたい放題で我が道を行く。

でも、カンニングに成績改ざん、トイレで親友ジュリーとミサ用の御聖体を、ポテチみたいにぽりぽり食べるところとか、下品な言葉を吐くカトリック系高校の、パンクな女子高生を演じるシアーシャ・ローナンは、顔が整っていてしっくりとこないのが惜しいですね。

この映画が素晴らしいのは、観る側が共感しながら自分の記憶を投影して、物語の半分以上を補っているからこそ、こうも素晴らしいのだろう。

 

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ラブ×ドック★★

2018年05月26日 | アクション映画ーラ行

人気バラエティを数多く手がける放送作家で、「ハンサム★スーツ」「新宿スワン」など映画の脚本も手がける鈴木おさむの初の監督作品。鈴木のオリジナル脚本で描く大人のラブコメディで、主人公の飛鳥役で吉田羊が映画単独初主演作を務めた。

あらすじ:スイーツショップ「trad」を経営する40歳の郷田飛鳥は、店で一緒に働くひとまわり以上も年下のパティシエ・花田星矢から突然告白される。それをきっかけに、36歳の時にハマった不倫や、38歳の時に経験した、友人が思いを寄せる整体ジムのトレーナーとの恋など、かつてのつらい恋の思い出が去来する。恋も仕事もすべてが計算通りの人生のはずが、35歳を過ぎてから飛鳥の人生は徐々に計算が狂い始めていた。困り果てた飛鳥は「遺伝子検査をすれば恋にまつわることがすべてわかる」という不思議な診療所「ラブドック」を訪れる。飛鳥に思いを寄せる年下のパティシエに野村周平が扮するほか、篠原篤、吉田鋼太郎、玉木宏らが顔を揃える。

<感想>40過ぎての恋愛ものって興味深々で鑑賞した。主人公のアラフォーの郷田飛鳥には、現在売れっ子の吉田羊さんが演じて、年齢よりも5歳くらい若く見えました。始まりが映画の現在で、そこから過去二つの、恋のしくじりを遡る話法が上手い。

しかし、モノローグの多用と妄想ギャグには感心しません。主人公は妄想をむしろ拒絶するタイプだから、恋に奥手というわけでもなく、これはどう転がるか読めそうで読めない展開も良かった。

職場の上司との恋愛もいいけれど、年下の彼氏もいいですよね。3人目の年下の恋人野村(野村周平)とのエピソードを、もっと見たかったのにね。結婚をするなら、やっぱり年上の上司である吉田鋼太郎かなぁ。

大久保佳代子が恋をする整体ジムのトレーナーには、玉木宏が爽やかでカッコいいので、誰でもが恋をする。それを利用して、客を増やしているような玉木さん。一緒にジムに通ううち、飛鳥も玉木に恋をしてしまう。2人でデートをしているところを、親友の大久保に見つかり、大事な彼を取った、取られたと喧嘩になり、それからは絶縁状態になってしまう。

自己中の恋愛に走って千草を裏切った際の千草の言葉は、親友なるものの危ういさを見せてリアルでもある。実際の大久保もアラフォーで、恋愛に焦っているように見えるので

吉田羊と大久保佳代子、アラフォー二人の女の友情とその破綻という物語を、前面に押し出す手際が真摯で、ただし、そうなると前半が長すぎな気もする。友達の大久保佳代子が妊娠をしていて、相手となる男が出てこないので、シングルマザーなのかもしれない。

それに、主人公の飛鳥が恋愛の成否を、遺伝子で診断する“ラブドック“という設定はともかく、パティシエという仕事を持ちながら、地に足のつかぬ恋愛に走っては失敗を重ねる飛鳥と、大久保佳代子扮する独りで子育てをする親友の千種という組み合わせが物語を支えている。

しかしだ、吉田羊が非常識で猪突猛進型のエキセリントックなキャラというわけでもないので、コメディエンヌとしては弾けていないのが惜しい。男社会の歯車の中で、虚勢を張るだけにしか見えないのだ。

それに、広末医師が運営する不思議な診療所「ラブドック」へ行くも、そんなので恋愛がうまくいくとは限らない。最後にそれが詐欺師とわかり、支払ったお金は戻って来ないのだ。魅惑の女医という役の広末涼子は、短い出番でもったいない。

2時間弱のラブコメという段階で、凝った構成と演出がなければ持たないと思わせるが、大人達のドタバタ恋愛劇の設定はいいにしても、軽快な演出とは程遠くて先が読めてしまうのも残念でならなかった。

018年劇場鑑賞作品・・・94アクション・アドベンチャーランキング

 

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ランペイジ 巨獣大乱闘★★★★

2018年05月23日 | アクション映画ーラ行

往年の人気アーケードゲームを原作に、遺伝子実験の失敗で普通の動物たちが次々と巨大化、凶暴化して街中で大乱闘を繰り広げるさまをドウェイン・ジョンソン主演で描くアクション・アドベンチャー。共演はナオミ・ハリス、ジェフリー・ディーン・モーガン。マリン・アッカーマン、ジェイク・レイシー、ジョー・マンガニエロ、らが共演している。監督は「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」「カリフォルニア・ダウン」のブラッド・ペイトン。

あらすじ:宇宙空間で非合法に行われていた遺伝子実験でトラブルが発生し、動物たちを巨大化させるウイルスが地球に降り注ぐ。それを浴びた白いゴリラのジョージが突如巨大化し、彼と意思疎通できる霊長類学者デイビスは相棒の変貌に驚嘆する。一方、同じウイルスを浴びたオオカミとワニもみるみる巨大化し、大都会を舞台に問答無用の恐るべき破壊行為を繰り広げていくのだったが…。

<感想>期待せずに観に行ったら、バカみたいに面白いドでかい巨獣が出て来て大暴れする物語でした。DNAを急速に変化させるゲノム編集実験の影響で、普通の動物が巨大化し、そして凶暴化する現象が起こる。

動物が巨大化して大暴れするだけのネタに、実験の成果を軍事目的に利用し、金儲けをたくらむ悪徳企業によるものだったという、結構面白いストーリーをくっつけて、飛行機脱出シーンでド肝をぬいたあと、後半ではかなりレベルの高い怪獣映画になっていた。

物語はそんな利己主義の犠牲となった、白いゴリラのジョージと動物学者デイビスとの友情を軸に、怪物と化したジョージがオオカミ型やワニ型の巨獣たちと戦いを繰り広げていく。

主人公の動物学者デイビスに扮したドウェイン・ジョンソンの、いつもの怪力、ハイレベルのアクションを交えてと思ったら、とてつもなくドでかい怪獣たちにびっくりしました。

名前が付いているんですよ、それが白いゴリラのジョージ(全長12.1メートル 体重9.06トン)、オオカミのラルフ(高さ14メートル、全長26メートル、体重13.8トン)、ワニのリジー(高さ18.5メートル、全長68.5メートル、体重150トン)といった巨獣たちが都市をじゅうりんし、戦闘機にかぶりつき、人々をパニックに陥れるさまが迫力満点のスケールで描かれています。

ジョンソンは、「俺が戦うのは、サッカースタジアム級のワニ、高層ビル級のオオカミ、ジャンボジェット級のゴリラ」とスケール感をノリノリで説明している。

本作の巨獣たちは、サメの遺伝子やシロナガスクジラの成長率、カブトムシの強じんさ、チーターのスピード、トゲマウスの細胞修復能力などが掛け合わされ、独自の進化を遂げた怪獣と化しており、映像中には、ムササビのように空を滑空するラルフを目の当たりにした主人公(ジョンソン)が、「オオカミって飛んだ?」と途方に暮れるシーンや、巨獣同士の乱闘もありますから。

怪獣ものは、超現実な想像力を刺激するから、「パシフィック・リム」などを見ていて楽しいのですが、これは現実に存在する生物が商業主義目的な遺伝子実験の失敗によって巨大化する展開なので、観ていて残酷極まりないシーンも多々ある。

ですが、ゴリラ、オオカミ、ワニが巨大化するという選択は、登場する瞬間が映像的には面白くて、大都市シカゴが破壊され尽くすところが見せ場になっている。

物語もシンプルで、タフなロック様がユーモアと知性を備えて戦う姿には説得力があり面白かった。終盤でロック様と一緒に戦うのが誰かは、たぶん観客も予想通りだろうけれど、そんな彼を機関銃やロケットランチャーなどで撃ち続けるところでは、可哀そうにと死んでしまうだろうに。やはり胸が熱くなる。

悪役姉のマリン・アッカーマンが、解毒剤を持ってゴリラの巨大化した口の中へと入っていく笑える場面に拍手。そして、アホっぽい弟に扮したジェイク・レイシーのバカさ加減にも笑いがあってよろしい。

政府組織のカウボーイおっさん、ラッセル捜査官「ノー・エスケープ 自由への国境」に出演していたジェフリー・ディーン・モーガンのカッコ良さに痺れた。

そこへ、怪獣の集まるシカゴを空爆するために、イカロス戦闘機が秒速で飛んでくる。まだ、街中には、負傷して残された市民たちや、ロック様にゴリラのジョージも生きて残っているのに、ラッセル捜査官が軍の司令官に頼むのが遅かったら、シカゴの街並み諸共にみんな全滅してしまう。

そして、我らがドウェイン・ジョンソンが怪獣に挑む姿に惚れ惚れし、あの肉体に相応しいグレネードランチャーを持たせて、対戦車ヘリに乗せてチェーンガン、ロケット、ミサイルすべてをぶっ放させるセンスも悪くはない。

ですが、予算があれば、もっと多種多類の生物の巨大化を観たかったですね。

 

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ロンドン、人生はじめます★★★

2018年05月13日 | アクション映画ーラ行

ロンドン郊外の高級住宅地“ハムステッド”で実際にあった奇跡の物語をモチーフに、ダイアン・キートンとブレンダン・グリーソンの共演で贈るコメディ・ドラマ。高級マンションで悩み多き日々を送る未亡人が、ひょんなことから近所の森で掘っ立て小屋に暮らすホームレスの男性と出会い、彼の自由な生き方に影響されて自らの人生を見つめ直していく姿をユーモラスなタッチでさわやかに綴る。監督は「新しい人生のはじめかた」「ラブ・パンチ」のジョエル・ホプキンス。

あらすじ:ロンドン郊外のハムステッド。高級マンションでひとり暮らしの未亡人エミリー。今になって亡き夫の浮気や借金が発覚、お金のやりくりに、うわべばかりのご近所づきあいと気苦労が絶えない日々が続いていた。そんなある日、双眼鏡で屋根裏部屋から“ハムステッド・ヒース”という近所に広がる風光明媚な公園を眺めていて、謎めいた髭もじゃの男性に興味を抱く。彼はドナルドという名で森の中に建てた手作りの小屋に17年間暮らしていた。立ち退きを迫る不動産開発業者から嫌がらせを受けていたドナルドは、訪ねてきたエミリーにも警戒心を解こうとはしなかったが…。

<感想>久々に観た年を重ねたダイアン・キートンは、相変わらずとても魅力的です。実話ベースの映画とはいえ、こんなにも大人の心を掴んで離さない「本当にあった」ラブロマンスはそうそうない。表情や喋り方から滲み出る知性とユーモア。そしてファッションセンスも相変わらず素敵です。

まず初めは、ドナルドに食事に誘われたエミリーが、胸を高鳴らせながら気になっていた帽子を購入し、鏡の前に立つシーンや、友人宅を訪れる際のモノトーンを基調にした落ち着いた装い、ドナルドと出かけるシーンではジャケットを羽織ったトラッドなファッション、亡き夫の墓を訪れる際はガウンを着込むなど、シャツベースのフェミニンなスタイルが切り取られている。プライベートでも、ファッションアイコンとして長きに渡り支持を集めるキートンのセンスが光る作品となっている。

お相手は、ほぼホームレス風状態のドナルドに、「ハリー・ポッター」シリーズでお馴染みのブレンダン・グリーソンが。キートンがいつもキートンだとしたら、グリーソンは毎回別人だ。今回はヘンリー・ソローのような生活を送る偏屈ジジイで、森の世捨て人を見事に演じている。社会的なテーマが据えられてはいるが、どう考えても相性が良さそうには見えない二人が、近づいてゆくさまがこの作品の肝となっている。

人世に定年はないと、社会が高齢化するということは、現役としての第一線を退いたからといって、その中で生きるための問題からは逃れられないということなのだから。亡き夫の謝金の返済やら、これからの老後の生活費のことを考えて、住んでいる家を売らなければならなくなるとはね。会計士の彼が彼女に惚れているように見えたのだが、ジェイソン・ワトキンスが扮していて好印象であった。

ダイアン・キートンが演じる勝ち組のような未亡人しかり、自由の象徴であるかのように見えるホームレスのドナルドでさえ、彼並みの頑固な人柄でなければ、その生き方を貫くのが難しいのもまた事実である。

このドナルドを演じたブレンダン・グリーソンがいい。ダイアンよりも若いのにも関わらず、この老けぶり汚れぶりは、大人の恋を描いたロマンティック・コメディの主人公としては馴染めなかった。がしかしだ、手作りの小屋のクオリティは高いし、優雅なピクニックデートを見ているのも悪くはない。

役作りなのだろうが、ダイアン・キートンが彼に関心を持ち、同情がいつしか恋になっていく心理が余り伝わってこないのだ。

森の住人が土地の所有権争いに勝ち、獲得した裁判劇の実話に基づいてはいるが、ダイアン・キートン主演のラブコメに仕立て上げるのには、いささか苦しい筋立てであると思う。

人生の黄昏時の出会いがその後の余生を変える二人には、前に観た「恋愛適齢期」(07)でのジャック・ニコルソン相手の大人の恋愛をコミカルに描いていて大変良かった。

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ラプラスの魔女★★★

2018年05月08日 | アクション映画ーラ行

『ヤッターマン』の三池崇史監督と櫻井翔が再び組み、ベストセラー作家東野圭吾の小説を映画化した本格派ミステリー。連続して起きた奇妙な死亡事件をきっかけに、その調査を進める大学教授らが事件の真相をあぶり出す。『ちはやふる』シリーズなどの広瀬すずがヒロインを演じ、『ちょっと今から仕事やめてくる』などの福士蒼汰が共演。脚本を、テレビドラマ「半沢直樹」「下町ロケット」などの八津弘幸が担当している。

あらすじ:妻と温泉地を訪れた初老男性が硫化水素中毒で死亡する事件が発生した。捜査を担当する刑事・中岡は妻による遺産目当ての計画殺人を疑うが、事件現場の調査を行った地球化学専門家・青江修介は、気象条件の安定しない屋外で計画を実行するのは不可能として事件性を否定。しかし数日後、被害者男性の知人が別の地方都市で硫化水素中毒により死亡する事故が起きる。新たな事故現場の調査に当たる青江だったが、やはり事件性は見受けられない。もし2つの事故を連続殺人事件と仮定するのであれば、犯人はその場所で起こる自然現象を正確に予測していたことになる。行き詰まる青江の前に謎の女・羽原円華が現われ、これから起こる自然現象を見事に言い当てる。彼女は事件の秘密を知る青年・甘粕謙人を探しており、青江に協力を頼むが……。

<感想>ある温泉地で起こった硫化水素による死亡事故をきっかけに、櫻井翔君演じる地球化学の研究者である大学教授の青江が巻き込まれる。果たして自然現象を操って人を殺すことが可能なのか、についてのミステリー。

本作は、ミステリーであると同時に、人知を超えた能力を持ってしまった者たちと、それを取り巻く人間たちによる、切なくも新淵な人間ドラマであります。もちろんこの物語には、深いメッセージが込められていると思いますし、広瀬すずちゃん演じる不思議な力(予知能力)を持つまどかの父親(リリー・フランキー)の、あるセリフとその時の表情に国家機密の関係もあることを。

そして、公安に追いかけられるまどかと、事件の犯人でもある福士蒼汰扮する甘粕謙人の不思議な能力も。基本的にはサイエンスミステリーであって、自然現象を操れるのか云々の謎解きでもあります。

物語は、映画監督の甘粕の母親と娘が硫化水素を使って自殺をする。その巻き添えに息子の謙人が意識不明となり、植物人間状態になってしまう。それが、意識が戻ったような気配が感じられて、病院の脳外科医(リリー・フランキー)によって、手術をして成功し生き返るも、予知能力が備わった人間になってしまう。実験台として、脳外科医の娘である羽原円華(広瀬すず)も手術によって同じ予知能力者となり、国の公安に捕らえられてしまう。

一方では、警察の依頼で現場を調査した地球化学の専門家・青江修介教授は、妻による計画殺人を疑う中岡刑事に対し、屋外で意図的に致死量のガスを吸引させることは不可能と説明し、「あり得ません」と事故死と断定する。ところが数日後、別の場所でまたしても硫化水素による死亡事故が発生する。しかも被害者は前回の男性と顔見知りだった。それでも青江は、未来の自然現象を正確に予測できない限り、この犯行は実行不可能と改めて明言する。ガリレオでの教授は、必ずその事故現場に行き、風向きとかを考慮して実験するのに、この櫻井教授は、絶対に「そんなことはあり得ませんから」と宣言する。

謎の女の廣瀬すずちゃんは、「あんた馬鹿なの」とはっきり物事を言う女性で、それに教授に甘粕謙人を探す手伝いをさせる。

ラストでは、甘粕謙人が父親の映画監督である豊川悦司を殺そうとするシーンには、廃屋での自然現象である竜巻を使って父親を建物ごと殺そうとする場面など、それを阻止しようと大学教授の櫻井翔くんと、広瀬すずが車を使って実行する場面の物凄さが、視覚的な派手なシーンもあり、リアル感があって良かった。それと、満月にかかる虹の輪が綺麗でしたね。二度も見られるとは。

原作は読んでいませんが、理工系作家の東野圭吾らしい科学を延長した先の、超科学的な理屈のミステリーという、「ガリレオ」みたいな作品と似ていると思います。刑事役の玉木宏さんは、無精ひげみたいに顎髭をはやして、事件の推理をする。それに、佐藤江梨子が最初に温泉で事故死した妻を演じていた。

自然現象の竜巻で亡くなった広瀬すずの母親に、檀れいが、青江大学教授の助手に、志田未来が、公安の男には高嶋政伸が扮していた。

映画的に面白かったのは、広瀬すずが予測した光の反射を目つぶしに使った脱走シーン。だから、本作ではガラス窓や、ガラス戸などガラス越しの映像が多い。大学教授の櫻井翔がガラスの向こう側やこちら側にいることで、対人関係の在り方を示唆して見せている。

タイトルの「ラプラスの魔女」つまりラプラスの悪魔は現状からの未来予測が可能であることを意味するが、この映画の中で向こう側が見える、あるいは見えないこともまた、観客にとっての先行きの予測が可能なのか、否かを視覚的に表現しているようにも見えるのだ。

未来を感じことができる人間と偶然に出会うところの面白さ、自然現象を完全犯罪に結びつけるという発想と、それこそ予知不能の展開に、そして奥深い人間模様は、映画を観てから判断下さい。

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