パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

エクソダス:神と王 ★★★.5

2015年01月31日 | アクション映画ーア行
旧約聖書の出エジプト記に登場する、モーゼのエピソードをベースにしたアドベンチャー。紀元前のエジプトを舞台に、王家の養子として育てられた男モーゼがたどる数奇な運命と壮絶な戦いを活写する。メガホンを取るのは、『グラディエーター』『プロメテウス』などのリドリー・スコット。『ザ・ファイター』などのオスカー俳優クリスチャン・ベイル、『華麗なるギャツビー』などのジョエル・エドガートンを筆頭に、実力派やベテランが結集。砂漠を埋め尽くすエジプトの軍勢や割れていく紅海など、スケールの大きなビジュアルも見もの。
あらすじ:紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス(ジョエル・エドガートン)とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。

<感想>モーゼといえば、かつて「10戒」でチャールトン・ヘストンが演じたイスラエル人たちの指導者を思い出します。エジプト王朝の奴隷となり搾取され続ける彼らを引き連れ、約束の地に向かった人物である。リドリー・スコット監督はそんな英雄と、彼を取り巻く出来事を、可能な限りにリアルな物語であることと、同時にモーゼとラムセス、二人の義兄弟の物語を再現するのだ。

始めモーゼは無神論者であり、エジプトに神々が必要なのは人民を効果的に支配するためだと理解している。ところがモーゼはエジプトを追放され、砂漠で神に出会う。そしてラムセスが王になったことで自分が現人神であると信じるようになってしまう。一人は神の声に押され、一人は自分こそが神だど信じる。この設定が二人の対決を生み出すことになる。

主人公モーゼにはクリスチャン・ベイルがさすがにオスカー俳優だけのことはある。彼は役のためなら髪の毛を抜いたり、体重を落とすなどは朝飯前で、この作品のなかではモーゼらしく長い髪の毛と髭をはやして、エブライ人たちを引き連れて、あの有名な紅海を渡るシーンを見せてくれる。

しかし、ジョエル・エドガートン演じるラムセスの人間味が素晴らしく、この悪役の王の出る場面は、中々様になっているのだ。その母親には、シガーニー・ウィーヴァーが、それにラムセスの父王であるセティ王にジョン・タートゥーロが演じているし、ヘブライ人の長老にはベン・キングズリーといったベテラン俳優が脇を固めている。

モーゼとラムセスがひどくもろくて人間くさいのは最近の聖書劇映画の傾向どおりなのだけれど、神の使い(少年)までもがそうなので、信仰をする絶対的存在などいないのだと言われているかのようにもとれる。

モーゼがラムセスに追放されて行き着いたところで、妻をめとる。その地で子供が産まれ静かに暮らすはずもなく、またヘブライ人を助けるために羊飼いと共に山へ行き、神の啓示を受ける。神の使いは少年であり、他の人間には見えない。
神がエジプト人たちに与えた「十の災い」。雲行きが怪しくなり大きな雹が降り、その次はイナゴやバッタなどの害虫の被害、そして河に潜んでいたワニが人間を襲い喰い荒して川が血で真っ赤に染まり草木が枯れる。魚が汚染されて死に、その魚の死によって汚染された川に蛆やアブが湧きはじめ、人間もそれによって病気になり疫病が蔓延する。挙句に、空が黒煙になりヘブライ人の子供だけは助かるようにと、エジプト人の幼子はその黒煙によって息絶えてしまう。

ラムセスの息子もその黒煙の疫病で亡くなってしまう。息子の死を嘆き悲しむエジプトの王ラムセスは、すべてのヘブライ人に国を出ていくように命令する。自由の身となった彼らは紅海の向こう岸へと目指すのだが、後方からエジプト人の軍隊が迫りくる。

ラストの見せ所である、紅海の海が割れる前後の追跡劇までのスペクタルは、なかなかの見ごたえありで、モーゼが率いるヘブライ人たちは荷車を捨てて苦難な山越えをして紅海に辿り着くのに対して、ラムセスのエジプト軍は、危険な崖のある山道を戦車に乗って追いかける。だからというわけか、戦車が道幅が狭いので崖から車輪を踏み外して、次から次へと真っ逆さまに落ちてゆく様は圧巻。
紀元前のエジプトを再現したセットや、割れた紅海での合戦シーンは、それなりに見ごたえあったが、それでも歴史絵巻感みたいなものは、やはり前の「十戒」を超えられていないように思う。
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6才のボクが、大人になるまで。★★★★

2015年01月30日 | アクション映画ーラ行
『ビフォア』シリーズなどのリチャード・リンクレイター監督がメガホンを取り、6歳の少年とその家族の12年にわたる軌跡をつづった人間ドラマ。主人公を演じた新星エラー・コルトレーンをはじめ、主要人物4人を同じ俳優が12年間演じ、それぞれの変遷の歴史を映し出す。主人公の母をパトリシア・アークエット、母と離婚しアラスカに行ってしまった父をイーサン・ホークが熱演。お互いに変化や成長を遂げた家族の喜怒哀楽を刻み付けた壮大な歴史に息をのむ。
あらすじ:メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。彼が6歳のとき、母は子供たちの反対を押し切って祖母が住むヒューストンへの引っ越しを決める。さらに彼らの転居先に、離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに突然現れ……。

<感想>東北でもやっとミニシアターでの上映、今年のアカデミー賞有力候補ということもあってか、座席55席しかない小さな部屋での連日超満員で、通路に椅子まで出る大盛況です。このシアターでは他に95席の部屋が2つもあるのに、何故か一番狭い部屋での上映とは、劇場側がわざと満員御礼の状況を作っているとしか思えません。

しかしながら、上映が始まると主人公のメイソンを演じるエラー・コルトレーン君に、姉のサマンサのローレライ・リンクレイター、父親にはイーサン・ホークに母親がパトリシア・アークエット(ニコラス・ケイジの元奥さんで、12年間の彼女の変貌に驚いた)という4人の家族を、12年間リアルタイムで、同じ俳優、同じ子役で、一つの家族を構成し、時間が流れていくままに、その4人の家族を撮影していくと書けば、ドキュメンタリー映画かと思ってしまう。
それが、これがれっきとした劇映画なのだから恐れ入る。つまりはあらかじめキャスティングした俳優に与えられた役を演じさせ、撮影は1年につき3~4日とはいえ、それが12年も続くのだからよほどの覚悟がなければできないだろう。中でも姉役のローレライはファミリーネームから判るように監督の娘だし、父親役のイーサンも監督とは朋友の仲で身内のような関係なのだ。

とりわけ、主人公エラー・コルトレーン君は撮影を始めた時は6才だった。その少年メイソンが12年後、18歳になる。それはつまり、メイソン役のコルトレーン君も18歳になったということ。利発そうな、子供にしてはちょっとエキセトリックな表情を浮かべるメイソン、その面影が消えないまま18歳の青年になっていく。コルトレーン君の18歳までの成長ぶりを観ているだけでも楽しいのですが、少年は人生の主役というよりは傍観者として、全てを経験し、感じ取っていく。

これはどうみても感動しないわけにはいかない。観客もその12年間をまるで自分のことのように目撃できるのだから。彼の、家族の、私が実際に自分たちの娘たちを育てあげてきた、その経験をスクリーンで味わい直すというような感覚を覚えた。
ですが、この物語では、両親が離婚して子供二人は母親に引き取られ、毎月1、2回父親が訪ねて来て子供を外へ連れ出して、ボーリングやキャンプとか一緒に家族なんだという証を演じている。

ところが、この母親は子育てをしているかというとそうでもない。次々と離婚と結婚を繰り返し、1番目の夫イーサンはロック歌手で家に殆どいないし、どうやら浮気をしたみたいで離婚。その後、若い彼女が出来て再婚し、姉弟にとっては幼い弟が生まれている。
2番目の夫は彼女が通っていた大学の教授で、2人の子持ち。彼はアル中で、DVで彼女を苦しめ子供たちにも被害が及ぶ。まるで俺様がこの家の王だとばかりに威張って、子供4人に対しても厳しい躾けを強要するのだ。
何とかそのDV男とは離婚できたようで、懲りずに自分が大学で教勉をとっている生徒で、元イラク戦士の若い男。その彼もどういうわけかDV男で彼女を苦しめ子供たちにも影響を及ぼすのだ。
どういうわけか母親は大学院修士課程まで取り、大学の講師になっているのに、頭のいい女性は男を見る目が無いようだ。だから、二人の子供たちはそういう母親と一緒に家族というアツレキの中で青春期を過ごし、姉のサマンサはテキサス大学へと、親の元を離れて寮生活を謳歌し男もいるようだ。

弟のメイソンは、母親の離婚後、家を転々する度に、友達から虐めを受けたりし、それでも自分を見失わずまっすぐに生きようとする。大学も姉と同じテキサスへと入学して、写真家への道を進む。
6才のメイソンが12年の間に、喜びや悲しみがいっぱい詰まった家族の時間も、映画にしてしまえばたったの3時間弱。編集に大変だったろうに。観ていて皮肉なことに実際には、もっと短く感じられた。メイソンがラストで彼女と共に、「今の一瞬を大切に生きよう」という言葉に、これまでの成長過程が見て取れて嬉しかった。
日本では、親が離婚して母親が子供を引き取った場合は、殆どが母親が馬車馬のように働き、子育てをして、成人まで育て上げる。その間に父親が子供の養育費を支払い、子供を連れて遊びに行くということは、稀でしょう。

これから先、家族が一緒の時間はそんなにない。子育てを終えた母親のようにアークエットが、メイソンが家を出ていく時に自分の人生について「もう、後は私の葬式だけ」と叫ぶところで、・・・ふと自分の人生もそうだろうかと、まだまだ老後は長いと思う。子育てが終えてこれからまた、第3の人生を好きなように思いっきりエンジョイしようではないか。
時代の荒波の中で自分を見失わずに、ひたむきに生きようとする家族の姿は、現代アメリカの普遍的な家族像と重なってくるように見えた。
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アゲイン 28年目の甲子園 ★★★

2015年01月29日 | アクション映画ーア行
『亡国のイージス』などのベテラン俳優中井貴一が主演を務め、重松清原作の小説を映画化した感動のヒューマンドラマ。かつての球児たちが甲子園に再挑戦する「マスターズ甲子園」を題材に、大人たちが野球を通して生きる喜びを再認識する姿を活写する。亡き友人の娘を役者やモデルとして活躍している波瑠が演じ、柳葉敏郎や和久井映見らが脇を固める。今の現実を受け入れながらも輝く登場人物たちの姿に元気をもらう。
あらすじ:46歳の元高校球児・坂町晴彦は、チームメイトだった松川典夫の娘・美枝の突然の訪問に戸惑う。彼女から、長年音信不通だった松川が、昨年の震災で亡くなっていたこと、遺品の中からチームメイト全員に宛てた27年分の投函されなかった年賀状の束があったことを知らされる。父のことを詳しく知りたいと願う美枝は、彼女が学生スタッフとして働く“マスターズ甲子園”への参加を坂町に勧める。ところが坂町の反応は、意外なほどそっけないものだった。その原因は、美枝にだけは明かしたくない、28年前のある事件にあったのだが…。

<感想>物語の主人公坂町を演じるのは中井貴一さん。彼は高校時代、ある野球部員が起こした事件が原因で試合を辞退し、甲子園に出場できなかった過去を抱えている。46歳になった坂町のところへ、「マスターズ甲子園」に出てみないかという話が舞い込むところから物語は始まる。過去の回想シーンで、キャプテンの坂町を演じる高校球児の工藤阿須加が出てくる。

そして、ピッチャーの柳葉敏郎の若いころも。それに、ある野球部員が起こした事件が明るみになるのだが、実は坂町の所へ来た女性美枝がその張本人である松川典夫の娘であった。マネージャーをしていた優子が妊娠をしており、松川がその相手だということで、別の学校の生徒と喧嘩をしたという事件が起きた。こういう問題があると、罰則で甲子園出場は断念するしかないのだ。一人の犯した罪で、甲子園に行けなくなってしまった野球少年たちの悔しさは今でも執念深く心にくすぶり続けているのだ。

その事件のことを知った松川典夫の娘・美枝は、父親の犯した重大な罪を心に刻み、坂町のところへは来なくなってしまった。父親はすでにあの東北大震災で亡くなっている。それに両親は美枝が幼い頃に離婚をしているのだ。

ところが、その話には、肝心のマネージャーだった優子(和久井映見)が、自分でそのことをはっきりと部員たちに話して謝らなければならないのに。
遅くなってしまったが、優子が高校時代に冒した過ちを、本当は松川が全部自分で背負いこんでしまい、学校も中退してしまったのだ。実は、優子のお腹の子供の父親は松川ではなく別の高校の学生で、そのことが喧嘩の原因となり暴行事件を起こしてしまったのだ。
そんなこととは知らずにいた野球部員たちは、松川だけを悪者にして現在も卑怯者だと恨んでいるのだ。だから、松川の娘が「マスターズ甲子園」の出場を促してもダメダメの言葉が帰って来るばかり。特に西岡徳馬演じる柳田は、怒ってしまい今更と怒りをぶちまける。

それでも、バットを振り、白球を追う中井貴一ほか、かつての高校球児たちの晴れ晴れとした表情がいい。終盤の甲子園のシーンも、所沢のOBたちと闘い後4点入らないと甲子園にはいけない。

踏ん張るオジサンパワーで、とうとう甲子園出場を勝ち取るのも嬉しいが、そこまでに至る過程が、ぐずぐずと遠回りして、坂町の家庭も崩壊して離婚、娘は大学生で男と同棲などと問題があり、ピッチャーの柳葉敏郎の家庭でも、リストラなのか無職の父親に家族関係が崩れ始めている。もちろん40も過ぎれば夫婦もいろいろあって当然なのだが、離婚、リストラ、震災死など、厳しい現実があるのは判るのだが、そっちの方ばかりが目立って鬱陶しく感じました。

物語の鍵となるのが、実在する野球大会「マスターズ甲子園」なるもの。高校野球部のOB/OGたちが、世代・性別・甲子園出場経験の有無、元プロ、アマチュアなどの壁を越えて、出身校別に同窓会チームを結成し、元高校球児の憧れでもある「甲子園球場」を目指すための、再度甲子園出場を目指すという大会で、今年の開催で11回目を数えた。私はこの映画を観賞するまで、恥ずかしながら大会の存在を知らなかった。
きっと、野球をやったことがある人であれば一度は甲子園を目指しただろうし、そこに共感してくれる人たちもいるだろうと。境遇は違えど悔しい想いをした人や家族愛などを織り交ぜて、いろんな世代の人たちに楽しんでもらえると思います。それに、もう一度人生にチャレンジする勇気を貰える感動作に、仕上がっています。
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ショート・ターム ★★★.5

2015年01月28日 | アクション映画ーサ行

ロカルノ国際映画祭ほか世界中の映画祭や映画賞を席巻した、未成年の保護施設を舞台に生きる喜びを描いた感動のヒューマンドラマ。ティーンエイジャーをケアするための短期保護施設で働くヒロインの心の闇や、彼女を取り巻く施設の子供たちが心に受けた傷を丁寧にすくい取る。監督と脚本は、これまでショートフィルムなどを手掛けてきたデスティン・ダニエル・クレットン。主演は、テレビドラマ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」シリーズなどのブリー・ラーソン。人とのつながりや人の温かさを感じさせる、珠玉のストーリーが心に響く。
あらすじ:問題を抱える子供のためのグループホーム「ショートターム12」で働くグレイス(ブリー・ラーソン)。グレイスは、新入りのジェイデン(ケイトリン・デヴァー)という少女を担当することになる。グレイスは施設の同僚メイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)と付き合っていたが、ある日、妊娠していることが判明する。そんな中、グレイスはジェイデンが父親に虐待されていたことに気付き……。

<感想>10代の少年少女を対象とした、問題を抱える子供たちのためのグループホーム。その物語と聞けば、子供たちの生育環境とか、彼らを救おうとする努力とかが描かれるかと想像してしまう。けれど、途中から話は、ケアテイカーの一人、グレイスが自身の過去と闘う話へとシフトされていく。

救われているのは往々にして救おうとしている側の方なのだ。それは最悪の場合、両者の共倒れを招くのだけれど、上手くいけばハッピーエンドも待っている。
車の窓をたたき割っている少女がいる。自分を虐待し、刑務所から出所してきた父親が乗っている車だ。十代の問題を抱えた若者たちを、短期間世話する施設に彼女はいるのだが、世話をするやはり若い男女と、世話をされる側のどちらがどちらだか判らなくなる瞬間がこの映画にはあるように思えた。

現在進行形のある状況を示しているようで、生々しい現実。星条旗をまとって逃げる男もいる。彼らは、施設の敷地外へ飛び出した子どもの身体に触れてはいけないという規則がある。だから、逃亡した子どもを連れ戻す時も、ひたすら追いかけ、言葉で説得し続けるしかない。人にうちあけられない自分の内面の爆発と、底に落ちていくような不安を描きだして、なおも若さの爽やかさと熱気があるようにも感じた。
ラップや絵、創作童話が少年少女の心の叫びを代弁して、親密なクローズアップが効果的に用いられているのがいい。
撮影が行われたカリフォルニアの眩しい陽光が、心に傷を負った者たちを温かく包み込みながらも、彼らの陰影みたいなものを強調するのだ。
撮影方法が、なるべく引かずに、できるだけ近づき寄り添うように撮っている手持ちカメラも悪くないと思う。

グループホームや指導員ができることの限界もきちんと触れてはいるのだが、全体的にちょっと行儀がよすぎるというのか、いい話すぎやしないかと感じてしまうところもある。
登場する指導員たちの自給は12ドルの設定(資料によると)だというから、こうした仕事は、あちらもこちらも何かとキツそうに見える。保護施設の運営も、指導員たちも自分たちの生活とかは度外視して、殆どボランティアなのだろう。
見ていて、最後にはこういった子供たちをケアしてくれる施設や、そこで働く人たちことを知るということが、映画を観ていて何だかそういう人たちに対して、自分の心も優しくなり安らいだ気持ちになってくる。余りにも自分の置かれた現在の立場が幸せだからだろう。
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ANNIE/アニー ★★★.5

2015年01月26日 | あ行の映画
ミュージカル「アニー」を、『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレス主演で映画化。舞台を現代のニューヨークに移し、いつか両親に再会できる日を信じてけなげに生きる少女の姿を追う。共演は、ジェイミー・フォックスとキャメロン・ディアスら。『ステイ・フレンズ』などのウィル・グラックがメガホンを取る。製作を務めるウィル・スミスとJAY Zがプロデュースした「トゥモロー」のほか映画オリジナルの楽曲も加わり、魅力的なキャストによるパフォーマンスに期待が持てる。
あらすじ:現代のニューヨーク。アニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は4歳のときに、レストランの前に置き去りにされ姿を消した両親に、いつの日か会えるときが来ることを夢見て、両親と別れたレストランに足しげく通っていた。ある日、アニーは路上に飛び出して車に轢かれそうになるところを、IT長者でニューヨーク市長の有力候補とされるスタックス(ジェイミー・フォックス)に助けられる。彼女の身の上を知った彼は、選挙スタッフに提案されて苦戦を強いられているスタックスのため、選挙にアニーを利用しようと考える。

アニーを引き取ったスタックスだが、アニーも彼の知名度や権力を利用して両親を探すため、ペントハウスで同居を開始。アニーのおかげでスタックスの支持率は急上昇し始める。
始めは潔癖症のスタックスが、アニーの事を疎ましく思っていたが、共同生活をするうちに実の娘のように感じ始める。そんな矢先、アニーの両親と名乗る夫妻が現れる。

<感想>1977年にNYブロードウェイにて初登場して以降、日本でも長年舞台化されているミュージカル「アニー」。そんな名作が今回は舞台や登場人物の設定を現代に合わせてアップデート。アニーを引き取る大富豪スタックスが携帯会社のCEOだったり、二人が住むペントハウスも最新技術が持ちだくさんのスマートハウスになっている。劇中でツイッターが出てきたり今っぽい演出が光っています。
始めはウィル・スミスの娘を主演に撮られるはずが、脚本完成に時間がかかり過ぎて白紙に。それで、アカデミー賞ノミネート経験のあるクヮヴェンジャネ・ウォレスが主役に抜擢された。

そんな彼女の演技と歌に、ダンスの才能には圧巻でした。グッゲンハイム美術館のパーティで、真っ赤なドレスを着て歌を歌い好感度をアップしたと思ったら、そこで明かされる秘密とは?・・・、アニーがまさか字が読めないとは、学校へ行っているのに、学校でも授業して勉強しているのにそれはちょっとね。
それに、大金持ちのスタックスを演じるのがジェイミー・フォックス。彼は「レイ」でアカデミー主演男優賞に輝いていることもあり、彼の歌には満足でした。それに踊りもね。笑えるのが、アニーが彼のペントハウスに住むことになり、洗面所でカツラを置いて、スキンヘットのジェイミーを見てしまう場面があり、これには驚きました。

意地悪なハニガン役にはキャメロン・ディアスが、彼女の歌声も中々のもんでしたよ。でも、彼女顔の皺が酷いのよね、それにお腹もたるんでいて踊るたびにブルルンって、女優さんなんだから体を鍛えなければね。

その点、スタックスの秘書役のグレースを演じたローズ・バーン。綺麗だし歌も踊りも難なくこなして、最後にアニーの言葉でスタックスのことを愛していると言えて良かったですよね。
本作の見所は、やはり劇中で歌われる「トゥモロー」を始めとするお馴染みの曲は、新たにアレンジされている他、本作オリジナルの楽曲も披露。
ラストのアニーが両親に引き取られて、空港へ車で連れて行くところ。ですが、本当は選挙参謀のガイが仕組んだデッチあげで、本当の両親ではなかった。そのことを知り、スタックスがヘリコプターで追いかけるシーン。アニーも本当の両親でないことに気付いて、町中でアニーを見かける動画に顔がアップされて、「助けて」と言っているのに。
それでも、最後はヘリが車の前につけてアニーを助けるスタックス。今度こそ、アニーの里親となって、グレースにもプロポーズをして、3人で暮らせるようにと、最後の街中でのパレードで、大勢の群衆と歌うシーンも感動ものです。

そういえば、原作では世界恐慌直後の時代を舞台にしているのだが、その時代を良く知らない私たちには現代という設定の方が解りやすかった。
オリジナルでは、アニーは赤毛のチリチリパーマで、ソバカス顔の白人の子供だった。それが、今回は黒人の大富豪が、黒人の孤児を幸せにしてくれるという設定。しかし、そのことは白人の赤毛のアニーという同じ名前の女の子が出ているので、きっとそのオリジナルへのオマージュなのでしょう。そして、名前がサンディというワンコですよね。これまでは、モップのようなオールドシップドッグだったり、今回は何とチャウチャウとレトリバーのハーフだそうで、とにかく可愛いしお利口さんでした。
とにかく、毎週同じレストランの前で、きっと両親が帰って来ると信じて待っている芯の強い子供。どんなに辛くてもへこたれない、逆境に強くNYでサバイブしていく術を知っている、彼女の生命力溢れる生き方に感動しますから。
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シャンハイ・ナイト ★★★★

2015年01月24日 | DVD作品ーさ行
全米大ヒットを記録した「シャンハイ・ヌーン」の第2弾。今回は大英帝国ロンドンを舞台に、ヴィクトリア女王を巻き込む巨大な陰謀に立ち向かう。
世界的アクションスター、ジャッキー・チェンと『シャンハイ・ヌーン』のオーウェン・ウィルソンが再びコンビを組んだ痛快アクション・エンターテインメント。マーシャルアーツ俳優で『HERO』でそのキレのあるアクションを見せつけたドニー・イェンとの対決も生身の身体と技で戦う本物の迫力だ。監督は『ムーン・ライト・ドライブ』でデビューし、本作が2作目のデヴィッド・ドブキン。最大の見どころはロンドンのビッグ・ベンでのアクション・シーン。スケールの大きいロケーションでジャッキーの芸術的な技が冴える。
あらすじ:武術の達人チョンと、お調子者の山師ロイは、かつて紫禁城の姫君を誘拐から救った名コンビ。アメリカで保安官をしているチョンの元に、妹のリンから、中国の父が殺害され一族が守ってきた秘宝が奪われたとの知らせが届く。
リンは仇の後を追って英国に渡り、妹の身を守るためチョンもまた、ロイとともにロンドンを目指す。その頃、ビクトリア女王の統治下、世界に君臨していた英国では国を揺るがす陰謀が進行していた……。

<感想>最近ジャッキーの映画を見ていないので寂しいです。自分で購入したジャッキーの作品の中から選んで見ました。「ラッシュアワー」のクリス・カッターに次いで、「シャンハイ・ヌーン」のオーウェン・ウィルソンという相棒を見つけたジャッキー。続編ではジャッキー扮するチョンの父親を殺して皇帝の宝を奪った敵を追い、2人はイギリスへ向かう・・・。
見所はジャッキーのカンフー・アクションとはいえ、敵味方が次々と現れてドッタンバッタン。屋外市場でのチェイスシーンに始まり、市場の果物や建物、屋根や棺まで、身の回りにある小道具を手当たり次第にアクションの材料に使い、いつもの華麗なる動きを見せてくれるのも嬉しいサービス。

その他にも、激しいアクションにチャーミングなステップを取り入れて「雨に唄えば」の名シーンを再現してみせてくれたり、とこれもファンにはサービス満点である。
悪役で登場するドニー・イェン、マーシャル・アーツの達人でハリウッド屈指のアクション俳優のドニー・イェンとの世紀の対決も、何だかその他大勢の扱いで勿体ない。
オーウェン演じるロイのギャグは寒くて笑えないしね。
イギリスが舞台だからと言って、ホームズやチャップリン、切り裂きジャックなど、取りあえず入れておけみたいなパロディも何だかなぁ~。脚本家として「天才マックスの世界」など手掛けているオーウェン、ゆる~い脚本が気にならなかったのかしらね。
ちなみに本作の脚本家が「スパイダーマン2」を手掛けているマイルズ・ミラーとか。それにしても、ジャッキーのハリウッド作は、どれもこれも大体同じようで大差ないような気がして、このままだとエンディングの、NG集だけが楽しみで見るような、がっかりなことになってしまうのではと心配です。
それにしても、まだまだアクション映画をやれると思うんだけど、スタントマン使ってもいいから映画を製作して欲しいです。
それなりにアクションも自分でして、頑張ったで賞
ポリス・ストーリー/レジェンド(2014年)
身体を張って頑張ったで賞
ライジング・ドランゴン(2013)

1911(2011)
まだまだ、たくさんジャッキーの映画を観ているので、リンクしておきます。

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サスペクト 哀しき容疑者★★★

2015年01月24日 | DVD作品ーさ行
リベンジを誓った追跡者にして、殺人容疑の掛かった逃亡者である北朝鮮特殊部隊の元エリート工作員を、『トガニ 幼き瞳の告発』などのコン・ユが演じるアクション。妻子を殺した犯人を捜すために脱北した主人公が殺人事件を目にしたことで、憎き敵を追跡しつつも、自らも容疑者として追跡されるさまをスリリングに描く。メガホンを取るのは、『セブンデイズ』などのウォン・シニョン。『依頼人』などのパク・ヒスン、『哀しき獣』などのチョ・ソンハなどが共演。肉弾戦やカーチェイスなど壮絶なアクションはもちろん、登場人物たちの思惑が絡み合うドラマも見応えがある。
あらすじ:北朝鮮特殊部隊の元工作員で、すご腕のチ・ドンチョル(コン・ユ)は運転代行の仕事をしながら、愛する妻子を殺して韓国に逃走した犯人を捜していた。そんなある日、ある要人の殺害現場に居合わせ、死に際に眼鏡を渡される。自分が犯人でないにもかかわらず警察官に現場で目撃されたことで殺人の容疑者となったドンチョルは、対北情報局室長キム・ソッコ(チョ・ソンハ)と防諜専門のミン・セフン大佐(パク・ヒスン)に追われることとなり……。

<感想>東北では現在ミニシアターで上映している映画、それが21日にDVDレンタルしているではないか。というわけで早速借りて来た。鬼才キム・ギドクの脚本で映画化した「プンサンケ」では、軍事境界線を越えてソウルとピョンヤンを行き来する謎の運び屋を通して、南北官憲の思惑が交錯する挑戦半島の複雑な関係を浮き彫りにしたが、本作もまた分断された国を生きる男の生きざまを鮮烈に描いている。
主人公は北朝鮮特殊部隊の元工作員。しかし、愛する妻子を同胞に殺され、復讐に燃え、脱北した犯人を追って自らも韓国へ移り住み、ひっそりと暮らしていた。

無実の罪で追われながら、自分の家族の殺人犯を追うという「逃亡者」パターンだが、主人公が元北の工作員というふうに、南北問題が絡まることで、奥行きが生まれる。復讐という目的で、やっと生に繋ぎ止められているコン・ユの顔がいいが、追ってが迫れば、スーパーマンと化してしまうスタイルの落差を映画は埋め切れていないように思う。

ところが同じ脱北者で、恩人でもある北支援組織会長の殺人事件に巻き込まれ、韓国情報局に追われる身となってしまう。こうして復讐劇と逃亡劇が同時進行し、これに殺人ミステリーが加わって、一瞬の間、隙もない緊張感に導かれながら、愛憎半ばとする人間模様が怒涛のように積み重ねられていく。
そして何よりも、こうした複雑な物語を際立たせているのが、ハリウッドも驚愕するアクションの徹底したハードさとリアルさであります。

「ベルリンファイル」などでも見せた韓国スタントの決死的離れ業と、落下し地面に叩きつけられる痛~い生身の衝撃など、その過激なバイオレンスアクションを文字どおり体現してくれるのが、にわかにトップスターに躍り出たコン・ユである。

「トガニ 幼き瞳の告発」(11)などで見せた、誠実で優しい好青年という従来のイメージをかなぐり捨てて、徹底的な肉体改造と鍛え上げたスタント技術により、「ボーン」シリーズのヒーローを思わせるアクロバットなカーアクション、銃撃戦、肉弾戦とフルコースで、訓練や拷問の多少漫画的な表現も強引に振り切り、韓国映画にアクションというジャンルが根ずいていることを改めて実感した。

落下傘の空中降下は中々の力作で、スカイダイビングの映像だったら感動的なシーンになったかもしれないものを、設定が軍隊になると見え方が180度変わってしまうから恐ろしい。しかし、目の覚めるような激しいアクションを、惜しげもなく披露してくれるので最高。

ですが、最近の韓国若手男優たにの肉体美の素晴らしさは、世界的に見ても群を抜いていると思う。とにかく涙のメロドラマの男役まで、裸になれば筋肉隆々のムキムキマン。見て下さいな、本作のコン・ユの裸体の美しさは当然ながら、極限まで贅肉を削ぎ落とした軽快な身のこなしや、バネのきいた格闘技など、その躍動美に惚れ惚れしますから。
しかしながら、多すぎる要素に振り回され、後半アクションと説明に分解寸前なのは否めない。
2015年DVD鑑賞作品・・・11 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


ジミー、野を駆ける伝説 ★★★★

2015年01月23日 | アクション映画ーサ行
『麦の穂をゆらす風』などのケン・ローチがメガホンを取り、1930年代のアイルランドを舞台に、庶民の自由のために戦った無名の活動家を描くヒューマンドラマ。
あらすじ:1932年のアイルランド。内戦終結から10年が経過し、元活動家のジミー・グラルトン(バリー・ウォード)が10年ぶりにアメリカから故郷の片田舎に戻ってくる。ジミーはかつて仲間たちと芸術やスポーツを楽しみ、語り合ったホールを復活させ、住民たちの間には活気が戻ってくる。しかし、神父のシェリダン(ジム・ノートン)が住民を戸別訪問してホールに行かないようにと警告し……。

<感想>労働者階級の日常を描き続けるケン・ローチ監督。独立戦争に翻弄される兄弟を描いた『麦の穂をゆらす風』、キリアン・マーフィが、自由を求めるアイルランド義勇軍の兵士を熱演した映画に続き、本作でもアイルランド史を題材に、保守的な価値観に立ち向かう人々を描いた名匠ケン・ローチによる人間ドラマである。
内戦終結後にアイルランドを舞台に、アメリカからアイルランドの片田舎に帰郷した主人公が、教会や地主といった権力を持つ者たちに弾圧されながら、それでも仲間たちと共に自由を求めて活動するさまを描いている。

主人公は、テレビや舞台で活動してきたバリー・ウォード。映画で観るよりもずっと若々しく、憂いを帯びた瞳が素敵でかなりイケメン俳優さんで、実年齢は1979年生まれの35歳と若いです。
重厚なテーマや登場人物をみずみずしく描写する、ローチ監督の手腕がさえ渡る映画。保守的な教会や強欲な地主に抑圧された庶民のために闘いながらも、実在の人物でありながら、あまり歴史的には知られていません。
アイルランド問題を扱った映画ですが、20年代不況下のアメリカと、そのジャズ文化も白黒フィルムで始まります。伝説の男ジミーがアメリカの気風が乱れる文化を故国アイルランドに持ち込んで、若者たちに危険な娯楽熱を普及したという理由で、支配階級の憎悪の的となる物語なのです。しかし、対立する聖職者を「考える人」として、笑いをこめて描いたのはさすがにケン・ローチですね。

10年ぶりにアメリカから故郷に帰って来たジミー、元恋人と再会するも他の男と結婚していて子供もいるのだ。それでも、ジミーは彼女への想いを再燃させるのである。彼女もまだジミーを愛しており、隠れて集会所でダンスをする二人の熱々ぶりも見れます。ですが、恋愛が進展することもなければ、キャプラ的な演説が物語を勝利へと導くこともありません。

英国の俳優に頼らず、アイルランドじゅうから集められたという役者たちが、とてもいい顔をしていて自然でとても良かったです。ですので、殺伐とした社会情勢も緑一面の野原をゆく馬車や自転車、昔懐かしい服装を背景に展開するので、見ていて心地よいです。
「私たちは牛馬ではない、人間なのだ」ということも、困難な社会状況を実在の人物をモデルに描くという。ロシア革命が支配層にとっていかに恐怖だったのか、映画に現れる20世紀前半世界の共産主義者や、社会主義者への嫌悪感を見るたびに痛感しますね。
そして、気に入らない個人を、政治や宗教など、束になって虐めるのだ。人間は虐めと正しさと集団が大好きで、希望は次世代に託すしかないのだろう。とはいえ、作品の中ではジミーの政治活動にスポットを当ててはいません。

村の荒れ果てた集会所で、歌を教え絵を描き、ダンスを踊って楽しむという娯楽ですよ。寂びれた農村では、教会に日曜日に行くくらいで娯楽というものが少なかった。
村人たちは、老若男女とわず皆が待っていた集会所での娯楽に、胸を躍らせて毎日の労働を勤しんでいるのだ。それを実践したのがジミーで、10年前に建てた集会所が自分がいない間、野ざらしになっていたのを見て、自分の資金と村人の有力者たちのお金で集会所を建て直した。
毎夜の如く、そこへ集まる村人たち。楽しげに床を鳴らして踊るアイリッシュダンスの見事なこと。それにアメリカから持って帰ったジャズのレコードをかけて、ダンスを踊る若者たち。その集まりに教会の神父や地主たちが恐怖を覚えて、ジミーが村人たちに共産主義を唱え演説して煽動していると反感を持ち、彼をこの村から追放しようと運動するわけ。

ジミーが敵対する神父について仲間と話し合いをするシーンでは、そこで、彼は神父の立場に立って物事を考えようと言います。確かにジミーは策略家であり、他者が共感できる人物であります。彼は共存することの重要性を理解していたのですね。

だから、彼はディスカッションの場で、みんなの意見を聞いた後に、最後にまとめる役を担っています。ですから、何者かに集会所を焼かれてしまい、村の人たちがガッカリしている中、素直に警察に捕まり、自分の生まれた村を出ていくことを承知するのです。ジミーの母親も立派ですね。息子のしていることを理解して、守ってやる。最後に村人たちが自転車で乗りつけて、ジミーを見送るシーンで終わります。
ケン・ローチ監督、引退映画との噂ですが、今後も自由に映画製作をつづけて欲しいと改めて祈っております。
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ST赤と白の捜査ファイル ★★★★

2015年01月22日 | アクション映画ーサ行
今野敏の小説「ST 警視庁科学特捜班」シリーズを基にしたテレビドラマの劇場版。個性あふれるメンバーが集う警視庁科学特捜班が、殺人容疑者となって逃亡するリーダーを追跡しつつ、事件の思わぬ真実を暴き出す。監督は、テレビ版も手掛けた『ガッチャマン』などの佐藤東弥。『DEATH NOTE デスノート』シリーズなどの藤原竜也、『アントキノイノチ』などの岡田将生のオリジナルキャストに加え、ユースケ・サンタマリア、安達祐実らも出演する。スリリングなタッチはもちろん、捜査員たちの絆を見つめたドラマも見もの。
あらすじ:ある囚人の脱獄を画策したハッカー楠木(ユースケ・サンタマリア)の焼死体が見つかり、彼を殺したとして警視庁科学特捜班リーダーである赤城(藤原竜也)が逮捕。それを受けて特捜班は解散するも、拘置所から脱走した赤城を追うために百合根(岡田将生)をはじめとするメンバーが集められる。赤城は無罪だと信じて捜査にあたる百合根は、事件とフギンというコンピューターウイルスの関連に着目。同ウイルスについて知る女・堂島菜緒美(安達祐実)のもとへと向かうが、彼女は何者かにさらわれてしまう。

<感想>TVドラマも毎回見ていましたよ。つまり藤原竜也と岡田将生の大ファンなのでね。今回は、TVドラマでもやってましたが、百合根が警察庁に栄転になり、代わりのキャップに眼鏡の池田(林遣都)さんが決まっていることからして、これは二人の輝かしいフィナーレを飾る物語としての映画になっていると思われます。
ハッカー楠木役のユースケ・サンタマリアが、フギンというコンピューターウイルスを作って、ネット社会を脅かし、そのワクチンに値する(ムニン)ものを楠木の恋人が作り、それをセキュリティ会社に売りつけるという計画。すでに、警察署内のPCはすでにウイルスに感染している。

とにかく、赤城を演じる藤原竜也の独断場というか、皆をバカバカとけなしては自分の頭脳明晰ぶりを披露するわけ。彼には、こういう演技はお手の物ですからね。キャップ役の岡田将生は、そんな赤城のことを尊敬しており、いつも事件解決に役立っていることに感心している。岡田くんの生真面目で柔和な存在感が好きです。

赤城だけでは事件を解決することはもちろんできませんね。STという職場の人たちの一人一人の能力を活かして、事件を解決していく過程は面白く、とても痛快でいつも楽しく拝見していました。
今回はそのハッカー楠木が、本当はキャップを陥れようとしたのに、赤城が騙されたふりをして罪を被って、部屋へ行くと火の海で楠木らしき焼死体が発見された。ですので、そこにいた赤城が逮捕されたというわけ。腑に落ちないキャップが、事件を解決するためにと思っていたら、本部がSTのメンバーを使って拘置所から脱走した赤城を追うわけなんです。

さすがにSTメンバーの中のプロファイリングの天才青山 翔演じる志田 未来の頭脳明晰に感心したり、武道の黒崎しかり、僧侶の山吹、スーパー聴覚の結城(やけにドレスがエロかった)、と、STメンバーそれぞれの活躍も素晴らしい。
他のメンバーも赤城を追跡しながらも、今までの大事なメンバーだったこともあり尊敬している同僚なので、途中からは命令されて赤城を追う立場から守る立場に逆転していく過程も微笑ましいですよね。
内容が二転三転していくので、結末に向かって逆算していかないと、ズレていってしまうような、最後まで絶対に気が抜けないと思いました。見ていて謎解きのように先々のことを計算しながらやっていくように、観客も推理しながら楽しく見せてもらいました。

事件のカギを握る少女・椿役の鈴木梨央ちゃんと、お二人の絡みも見どころですが、追われてビルの屋上から隣のビルへジャンプって、赤城は計算しながら助走して跳べたけれど、岡田くんは少女を背負って跳ぶのだからハンデがあるのに、二人とも背の高さが同じくらいで足の長さは、岡田君の方が長そうに見えた。このシーンは本当にハラハラのしどうしでしたよ。

その少女の母親には安達祐実が、父親に楠木役のユースケ・サンタマリアが演じているという。二人はウイルスを作っている時には同棲しており愛しあっていたのですね。それが、男って自分の利益になると思うと、恋人も子供までも捨てて別の人格になってしまう。

事件を解決していく内、キャップが赤城やSTメンバーと別れることを惜しみつつ、赤城もキャップと別れることに踏ん切りがついたようで最後は良かったです。
でも、二人の漫才をしているようなセリフのやりとりも見られて、早くTVで続篇放映してくれないかと、今から期待したいです。
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悪童日記 ★★★★

2015年01月21日 | アクション映画ーア行
ハンガリー出身のアゴタ・クリストフの小説を映画化し、第2次世界大戦下の過酷な時代を生き抜いた双子の日記を通して世界を見つめた衝撃作。両親と離れて見知らぬ村に預けられた少年たちが、日々激化する戦いの中で自分たちのルールに従い厳しい状況に追い込んでいく姿を描き出す。双子の新星アンドラーシュ&ラースロー・ギーマーントが圧倒的な存在感を発揮。大人たちの世界を冷徹に見据える兄弟の選択が心をかき乱す。
あらすじ:第2次世界大戦末期の1944年、双子の兄弟(アンドラーシュ・ギーマーント、ラースロー・ギーマーント)は、都会から田舎に疎開する。祖母(ピロシュカ・モルナール)は20年ぶりに戻った娘(ギョングベール・ボグナル)との再会にも不満顔。双子たちだけが農場に残され、村人たちに魔女とうわさされる祖母のもとで水くみやまき割りなどの仕事をこなしていく。

<感想>この映画は昨年の10月に公開され、地方でやっと上映された。それに、アカデミー賞有力候補の、「6才のボクが、大人になるまで。」もやっと上映されているのだ。今年もミニシアターでの観賞が増えそうな気がする。
冒頭で、眠っている男の子ふたりの寝息をきかせる薄暗い場面から始まる。フランスで刊行され日本でも広く読まれてきたアゴタ・クリストフの原作を、ナチス時代のハンガリーに設定したこの映画の田舎の村に電灯はまだないのだ。だからランプの灯りによる生活のなかでの、兄弟の成長や屋外の風景などを逆光でとらえる場面が多いのだが、まずはこの撮影の素晴らしさが映画を映画たらしめているのがいい。
ハンガリーに生まれ、20歳を過ぎてから亡命先で習得したフランス語で書いた小説が、ハンガリー語の音声と、ハンガリーの風景の映像を得るという美しい奇跡。原作の肝心なところをつかんで簡潔な映像表現に移し替えた脚色も、ハネケ作品で知られる撮影監督による自然光中心の画面もすごく良かった。

そして、なかんずくはキャスティングさえ正しければ映画は何とかなる、という大意。クリント・イーストウッドの至言を証明して余りある、豚のように太った祖母役=魔女も強烈だが、やはり双子を演じた兄弟に尽きる。彼らの圧倒的な演技の見事さに驚いた。
登場する人たちは、男も女も軍人も、一般市民も、大人も子供もすべて静かに凄まじいのだ。これは、キャスティングの勝利といっていい。

主役はハンガリー中の学校をリサーチして見つけた双子の兄弟だ。感受性豊かで美しいふたりは演技経験ゼロで、ブダペストから離れた貧しい村に住んでおり、詩のひとつも読んだことがなかった。原作さながらに複雑な家庭環境で育ったそう。

小児愛性向があるらしい近くの収容所のナチスの将校が、婆さんの家の離れに住み始め、双子を殴る蹴るした男を問答無用で銃殺する。森へ薪を拾いに行き、脱走兵らしき行き倒れに遭遇する。食べ物と毛布をくれと頼まれ、次の朝に双子がそこへ行ってみるとすでに兵隊は死んでいた。そこにあった武器を持ち帰って隠してしまう。いずれ使う時が来ることを知っているのだ。

そして、親切だった靴屋はユダヤ人狩りで連行され、ユダヤ人狩りに喜んでいる教会の手伝いをしている若い女性は、双子が手榴弾をストーブに中に入れて“復讐”する。
隣の家の唇が切れた女の子は、よく食べ物を盗みに来るが、戦争が終わりソ連軍の戦車が来ると、喜んで手を振り兵士にレイプされ殺される。聖書の中で「汝殺すなかれ」と教えているが、殺しは日常なのだ。
何時来るかしらない母親は、迎えに来ると言いながらも、他の男の子供を作った母は、終戦後に赤ん坊の妹を抱き抱えて双子を迎えに来るのだが、ソ連軍の空爆で親子ともども死んでしまう。婆ちゃんは、メス犬(自分の娘のこと)が子供産んで来たけれど、死んでしまったわと、自分の庭に埋めてしまう。

暫くぶりに逢った父親が、ナチスに参加し戦争に行くも、ソ連軍の侵攻で亡命を試みるが、双子の兄弟を道ずれに国境線を超えようと誘うのだが、鉄条網の下にある地雷で爆死する。それを見て双子の一人は、父親の遺体を利用して、遺体の上を歩いて西側に行くのだ。もう一人はハンガリーに残り、初めて双子は散りじりに別れることになります。果たして鉄条網の向こう側には希望があるのだろうか?・・・。
映画はここで終わるのですが、双子は実際に貧しい村の出身で家族も離散状態ということもあるのだろうか、その冷たい眼差しは本物だし、説得力もある。

祖母の家に置いてけぼりをくらい、そこで生き抜いていくためには、痛みに耐える訓練をしたり、兄弟が痛みを感じなくなったわけでも何でもない。「心が痛むから」と母を忘れようとする。豚のように太ったデブの祖母の厳格さよ、耐えて忍ばねば生きてはいけない。だから、祖母が脳梗塞で倒れ、自分で生活できなくなった。毒薬をミルクに入れて安楽死させてくれと頼む祖母の願いを聞き入れて、発作が起きると双子は実行する。

彼らが曝され、眼の当たりにし、繰り出す背徳と悪徳の描写はなんだか手ぬるいが、双子の存在感で帳消しになっているようだ。母親にノートを渡されて、日記をせっせと綴り、毎日起きる無惨な絵コラージュまでこしらえてしまう。
ところどころに挟み込まれるアニメーションも中々良くて、それほど日記的語り口を得ることは出来てはいないと思った。
子供の目線で描かれている原作の世界を、理解の範囲での物語であり、戦争という特殊性を含む時代の日常と、世界の田舎にある村の現代と昔が繋がった世界観でもある。
ラストで双子が、別々の世界へと旅立つところで、観客へ物語の終りの問を残しているところが意味深いですよね。
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アップルシード アルファ ★★★

2015年01月20日 | アクション映画ーア行
「攻殻機動隊」などの士郎正宗のSFコミックを基に、同シリーズの前日譚(たん)を描くCGアニメ。世界大戦後、ヒロインの元SWAT隊員デュナンと全身サイボーグであるブリアレオスが、ギャングの仕事をしながらやがて理想都市オリュンポスにたどり着くまでの日々を映し出す。監督は、『APPLESEED アップルシード』『キャプテンハーロック』などの荒牧伸志。声を、小松由佳、諏訪部順一、悠木碧、高橋広樹ら人気声優が担当。荒廃した世界観や怒とうのバトルといった迫力あるビジュアルに圧倒される。
あらすじ:第5次世界大戦後に朽ち果ててしまったニューヨーク。元SWATのデュナンは全身サイボーグの恋人・ブリアレオスと共に、ギャングに依頼された仕事を請け負いながら、街を出る日を夢見ていた。そんなある日、元SWAT隊員の二人は、何者かに追われている少女アイリスと護衛の兵士オルソンを救出する。その理想都市オリュンポスから来た少女アイリスと半サイボーグの兵士オルソンとの出会いは、デュナンとブリアレオスを人類の希望を守り抜くための戦いへと向かわせる。

<感想>あの伝説の「アップルシード」シリーズの映画化第3弾。2015年1月17日に全国公開されたので、早速観に行った。最新モーション・キャプチャーによって磨き抜かれた実写に匹敵するほどの映像クオリティ。かのジェームズ・キャメロンも絶賛する、SF、ミリタリー、ロボットアクション好きが見逃せないアクション満載の作品です。

「マトリックス」をはじめ、実写SFにも多大なる影響を与えた「攻殻機動隊」と同じ作者の作品となれば、そのポテンシャルは絶大だ。04年に公開された劇場映画第1作「APPLESEED アップルシード」では、モーション・キャプチャーとアニメを融合させた新映像表現“フル3Dライブアニメ”を実現して世界中の度肝を抜き、07年の続編「エクスマキナ」では「レッドクリフ」のジョン・ウーがプロデュースを買って出て話題をさらった。世界に影響を与えた士郎の世界観が進化!

監督は、本シリーズの演出を一貫して手掛けてきたほか、人気シリーズ最新作「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」での経験を経て、荒牧伸志が同シリーズ3度目の監督に挑戦。CGアニメーション分野では日本トップクラスのクリエイターだ。シリーズ初となった日米合作の本作は、すでに世界では先行公開済み。これまで描かれてこなかった原作の前日譚を、精巧なフォトリアル技術を用いて活写している。

冒頭でNYへ向かう地下鉄の中で、何者かに襲撃されるデュナンたちだが、さすがに身のこなしといい戦闘態勢に入ると強いのだ。

NYの街を牛耳るギャングの双角(キモイサイボーグだね)、すべての借りを返して自由の身となるため、彼らは街外れで無差別の自動攻撃を繰り返す無人兵器の排除ミッションに当たるが、彼らは人類の未来を担う極秘任務を遂行中だったアイリスを守るため、デュナンたちは彼女と一緒に追手と戦うのだ。だが、アイリスたちを追う、謎の武装勢力の姿があった。果たして彼らの目的は? そして危険をはらんだ壮大なミッションの結末とは・・・?。

デュナンが着るパワードスーツも、ブリアレオスと力を合わせて運命に挑むふたり!戦闘兵器とのバトルは目を見張るリアリティであり、もはや、これはアニメではなくリアルな戦闘シーンは“実写”と見間違えるほど興奮します。

そこに存在しないものをリアルなCGで描写して合成するのは、実写映画の世界においても今や常識ですが、フルCGでありながらセルアニメの魅力を生かした第1作目の「APPLESEED アップルシード」から10年。

本作では細やかな動きも実写のように精密に表現されており、実写と見間違うばかりのリアルな描写は、本作でも同様。特に、無人兵器に対して戦いを挑むバトルシーンの迫力とリアリティは必見。“アニメ”と意識することなく、まさに“実写アクション映画”と同じ感覚で見入ってしまうのですからね。

そして、メインキャラのひとりが巨体とパワーを誇るサイボーグであり、自立歩行型の巨大兵器が登場するクライマックス展開は、「パシフィック・リム」「トランスフォーマー」といったロボット作品に熱くなるファン層にうってつけだ。SF、戦争映画好きにはたまらない描写が満載です。
エンドロールの後にも映像がありますので、ファンの方は席を立たないように。

注:ブルーレイ劇場限定版は同日、ブルーレイ完全限定生産版は2月18日にアニプレックスより発売。

米ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが、新作映画の全米公開日を発表した。スカーレット・ヨハンソン主演で、士郎正宗氏のSF漫画「攻殻機動隊」を実写映画化する「Ghost In The Shell(原題)」が、2017年4月14日に全米公開となることがわかった。何だか今から楽しみです。
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リーグ・オブ・レジェンド/時空を越えた戦い★★★★

2015年01月19日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
『ソロモン王の洞窟』、『海底二万海里』、『トム・ソーヤの冒険』など名作文学のヒーローが一堂に会する、ファンタスティック・アクション・アドベンチャー。主演は元祖ジェームズ・ボンド、ショーン・コネリー。原作は『フロム・ヘル』で知られるアラン・ムーアがストーリーを書いた人気コミック。
あらすじ:1899年、ロンドンの中心部にある英国銀行が襲撃される。鉄火面のリーダー“ファントム”率いる超近代兵器で武装した謎の一団は、金魂や札束や宝石類には手をつけず、古い海上都市の設計図面だけを盗んでいった。

そして、アフリカで悠々自適の生活を送っていた伝説の冒険家アラン・クォーターメイン(ショーン・コネリー)のもとに、英国政府の使者が訪れ、世界大戦の勃発を防ぐため、ユニークかつ超人的な能力を持つチームのリーダーになることを依頼する。対岸の火事でないことを身をもって悟ったクォーターメインは、ロンドンへ向かう。秘密会議の席上、軍事情報部のM(リチャード・ロクスバーグ)は、ヨーロッパ国家間のテロ行為の黒幕が“ファントム”であると説明し、間もなくベニスで開かれるヨーロッパ列強による極秘の和平会議の妨害を阻止するよう、クォーターメインに命じる。

かくしてクォーターメイン以下、潜水艦ノーチラス号のネモ船長(ナサーラディン・シャー)、透明人間のスキナー(トニー・カラン)、半吸血鬼の美女ミナ(ペータ・ウィルソン)が集まり、“ザ・リーグ”が結成される。
さらにロンドンでドリアン・グレイ(スチュアート・タウンゼント)、“ファントム”の兵士として潜入捜査していたアメリカの諜報員トム・ソーヤー(シェーン・ウエスト)、パリに潜伏していたジキル&ハイド(ジェイソン・フレミング)を仲間に加え、7人チームとなった“ザ・リーグ”は、“ファントム”の野望を拒むためノーチラス号でベニスへと向かう……。

<感想>この作品は昔劇場で観賞したもので、ショーン・コネリーの大ファンでもあるのでDVDを購入。改めて見て見るとこの時代では最高のVFXを駆使した映像に驚かされます。まずびっくりさせられたのは、潜水艦ノーチラス号の大きなこと。もちろん潜水艦の中の設備は豪華そのもの。
この潜水艦に招待されたのが、伝説の冒険家アラン・クォーターメインのショーン・コネリーを筆頭に、潜水艦ノーチラス号のネモ船長、透明人間のスキナー、半吸血鬼の美女ミナ。

さらにロンドンでドリアン・グレイ、“ファントム”の兵士として潜入捜査していたアメリカの諜報員トム・ソーヤー、パリに潜伏していたジキル&ハイドを仲間に加え、7人チームとなった“ザ・リーグ”は、“ファントム”の野望を拒むためノーチラス号でベニスへと向かうのですが、みんなそれぞれのスキルを駆使して“ファントム”と戦う。

さて、悪人が、実は英国情報部、通称"M"だというのだが、えっそれでは「007」のボンドの活躍も、それは1899年が設定なので有り得ない。原作がコミックなので登場人物がいかにも冒険活劇には受けそうな感じで、面白く壮大に出来上がっています。
何しろ映像技術の素晴らしさに驚かされます。透明人間とかジキル博士が化け物ハイドに変身、などおおっと叫びたくなるような映像もあります。でもこれでは「超人ハルク」になってましたね。
しかしながら、7人の招集された登場人物の中には、まったくと言って知らないネモ船長とか、ドリアン・グレイにコネリー扮する冒険家アラン・クォーターメインも知らなかった。しかし映像が凄くて迫力満点ですね。そんなユニークな発想から生まれた本作は、国も時代も異なるヒーローたちが、19世紀末のヨーロッパで結束して世界を救う、ファンタジックな冒険活劇。
ショーン・コネリーはこの映画を最後に引退したそうですね。最後のセリフは「私の時代は終わった。これからは君たちの時代だ。」本当に残念です。
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テロ、ライブ ★★★

2015年01月18日 | アクション映画ータ行
視聴率獲得を重視するメディアのモラルを問い掛ける、韓国発のサスペンススリラー。爆弾テロ犯からの電話を受けたアナウンサーに待ち受ける、思わぬ運命と事件の行方を追い掛けていく。メガホンを取ったのは、新鋭キム・ビョンウ。『ベルリンファイル』のハ・ジョンウが、テロ犯との通話の独占生放送で表舞台に返り咲こうとする主人公の元国民的アナウンサーを熱演する。生々しい迫力に満ちた大橋爆破シーンに加え、リアルタイム形式の演出も物語のテンションを高めている。

<感想>やっと地方のミニシアターで上映された。2月上旬にDVDレンタルさるのにね。この映画は、脚本がいいですよね。ラジオの生放送中に、DJのユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)のところに電話がかかってくる。「橋に爆弾を仕掛けた。爆破するぞ」と。イタズラ電話と思ってしまうんです。

それで、「やれるもんなら、やってみろ」って電話口で言ってしまう。すると、ドーンという音がして、窓の外の橋が爆破されている。この突然の日常の瞬間が壊れるのがたまらなくいいですよね。主人公のヨンファを「ベルリンファイル」のハ・ジョンウによるサスペンス映画になっているのもいい。

それに、犯人から電話があったことを警察へ連絡しないで、犯人の電話インタビューを独占生中継するんですからね。実は、ヨンファは有名なTVキャスターだったのに、ラジオ局に左遷されてしまった事情がある。
独占中継が視聴率70%越えしたら、自分が出世する約束を上と取り決めていたり、視聴率を上げるために犯人をけしかけて、橋に残された人たちを殺させようとしたり、最後にはヨンファの曝露話を他局に売ったりするなど、本当にどういう人間なんだよ、殆ど犯罪に近いですよね。

しかし、国家が強いた過酷な労働で仲間を失ったというテロリストの要求は、大統領の謝罪。ですが、その要求に対する政府や警察の無慈悲な動きと、さらには視聴率のことしか考えていないラジオ局の思惑など、ここではテロに対峙する側のさまざまなエゴこそが赤裸々に、そして徹底した情念のほとばしりとともに、一気に描かれていくのです。
製作委員会形式を主とする今の日本映画界では、こういった題材を扱うことは不可能に近いでしょう。それだけに、お隣の韓国映画では日本映画では決して味わえない個性が溢れかえっているわけなんですね。

特にキャラクター個々のうっそうとした情念のほとばしりと、その果てに安易なハッピーエンドなどあるはずもないといったお国柄独自の伝統など。決して恨みという意味ではなく、どんなに努力しても思うようにいかない人生に対する嘆き、とでも言えばよいのかが、重く見る者の胸にのしかかってくることは多いと感じる。
だからって言うわけでもないが、それだけでもお隣の芝生に嫉妬してしまうものがあるわけで、殆ど出ずっぱりのハ・ジョンウの主観で画像とドラマを構築し、カメラは彼から殆ど離れることはないのである。
それに、キャスターの表情とテロリストの声が、ぶつかりあうことでの緊迫感も並々ならぬものがあり、そこに周囲の思惑まで絡まり合う絶妙の構成の果てに、怒涛のクライマックスを迎えるのですから。犯人側の要求には「独占生中継したかったら21億ウォン振り込め」と、それが、他局に独占されたくないから局側がお金を振り込むんですから。

それに、犯人は他のスタジオにいる女性キャスターのマイクを爆破したり、警視庁長官のイヤホンを爆破したり、盗聴や盗撮したりって、どうやって犯人が仕掛けたのかが謎ですよね。
最後に明かされる犯人側の動機も、2年前に建設現場作業員だった自分の父親が、国に抹殺されている。だが、国からはお金も謝罪もない。だから「大統領、謝罪しろ」と要求するわけ。当然のごとく政府はずっと無視し続けていた。

ラストなんて、ヨンファと犯人が対面して和解するんですから。ですが、次の瞬間に犯人が狙撃されてしまう。それに、ヨンファも撃たれそうになる。つまりマスコミと政府の情報操作で共犯にされてしまうんですよ。犯人が狙撃された瞬間視聴率なんて凄いんでしょうね。そして、ニュースでは「犯人の言っていることは全部ウソで、政府はテロに勝ちました」と言っている。

それで、ヨンファが怒って「もうこんな国に用はない」と、犯人が残した爆弾のスイッチを押してしまう。ビルが崩れるし、この展開には韓国という国の闇をみたような気がしました。この映画をみて、あのセウォル号転覆事件を思い出してしまいました。だからっていうわけではないが、脚本はいいのに、リアリティがなさすぎが惜しいですよね。
ラストもそう、日本映画ではおそらくOKが出ないもであろう。しかし、そういった韓国映画独自の描き出す基盤には、やはり恨みなどの伝統情緒が今なお深く内在していることを改めて確信したと思います。
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サン・オブ・ゴッド ★★★.5

2015年01月16日 | アクション映画ーサ行

2013年3月からヒストリーチャンネルで放送された、全10話のテレビシリーズ「ザ・バイブル」を基にした歴史ドラマ。イエス・キリストの誕生から復活までを、壮大なスケールで追い掛けていく。メガホンを取るのは、「ザ・ローマ 帝国の興亡」などのテレビドラマで活躍するクリストファー・スペンサー。モデル出身のディオゴ・モルガドがキリストを熱演、その美しいルックスが、アメリカでの公開時に話題となった。政治や歴史の情勢からもキリストの運命を見つめるという視点にも注目。
あらすじ:イスラエルの王になると預言されて生まれた男、イエス・キリスト(ディオゴ・モルガド)。伝道の旅の末、エルサレムに入ったイエス・キリストは、隣人愛と神への進行を説くものの、ローマの支配からの武力解放を望む民衆との温度差は埋めようもなかった。
やがて彼の教えは人々に広まるようになっていく。

しかし、そんなキリストを権力者たちは危険人物と見なして迫害。「過越しの祭り」の前夜、民衆の暴動を警戒し、裏切り者ユダを使ってイエスを逮捕に動く大司教。イエスは、その夜が「最後の晩餐」になると弟子たちに告げる。
保身に走るローマ総督ピラトは、大司教の煽動する民衆に、イエスの処遇をゆだねる。ユダヤの民から石持て追われたイエスは、十字架を背負いゴルゴダの丘に向かう。

<感想>TVシリーズは見ていませんが、新約聖書に記されたイエス・キリストの姿を忠実に映画化したものです。波乱に富んだイエス・キリストの生涯を、ドラマチックにかつ分かりやすく映像化しています。
ストーリー前半は、いかにイエスの教えが人々の心を掴んでいったのかを、美しくも感動的なエピソードを散りばめテンポ良く描き、後半では、エルサレム入りしてからの“危険人物”イエスを巡る、ユダヤ教祭司やローマ総督の暗闘がサスペンスフルに展開する。

また、TVドラマ版から引き続き主役のイエス・キリストを演じるディオゴ・モルガドが、あまりにもイケメン青年過ぎるという話題にもなっている。ポルトガル出身のモルガド、その色男ぶりは、苦難の道を歩むキリスト像にはちょっと難役かもしれませんね。それでも神秘的な眼差しは、物語に説得力を与えているようです。

今作では、神の子としてのイエス像だけでなく、ローマ帝国支配下のイスラエルでいかに民衆を扇動する危険人物とされたのか、大祭司とローマ総督の政治的駆け引きも見ものです。
それに、イエス・キリストが起こす奇跡のシーンも満載です。寝たきりの老人を病から生き返らせて歩かせるし、嵐のガリヤラ湖を歩いたり、ラザロが死んで4日経っているのに洞窟の墓から蘇らせたりと、聖書に描かれたイエスの“奇跡”を余すところなく映像化している。
さらには、分け隔てすることなく、あらゆる者に深い愛情を注ぎながら教えを説いて回る彼だったが、その一方で弟子に対して挑発的な態度を示したり、怒りに任せて神殿を汚す両替商の屋台を破壊し、祭司たちを偽善者とののしるなど、感情的で人間味にあふれる人物でもあった。

しかし、十字架に張り付けになる前に、40回もの鞭打ちの刑を受けるシーンでは、綺麗なボディにムチの傷跡が、血が滲んで痛々しさを感じました。天に存在する父親である神が、人間の神の子としてこの世に遣わした肉体を持った救い主。

肉体を持つ人間と同じく体に鞭打たれ、自分の十字架を背負わされて、すべての人間の罪を背負いながらゴルゴダの丘の上まで歩く苦渋など、人間であるがための肉体の痛さを体験しつつ、十字架に張り付けにされ両手、両足を釘で打ちつけられ心臓を槍で突かれて死んでしまう。とても痛々しい重い拷問にでもあっているような、我が子が十字架に張り付け処刑されるのを、何もできずに見ているだけの母親マリアの悲しみ、そんなシーンについ涙が出てしまいます。

イエス・キリストの数奇な生涯を解き明かす歴史スペクタクル。それは、時間軸にそって分かりやすく進んでいきます。救世主の誕生、奇跡、愛、裏切り、死、有名なイエス・キリストの復活であります。分かっていても、あまりにも酷すぎて、思わず目を逸らしたくなる場面もあります。
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砂と霧の家 ★★★ 

2015年01月15日 | DVD作品ーさ行
アンドレ・デビュース三世の同名小説を映画化したヒューマン・ドラマ。ある家をめぐって対立する孤独な女性と移民家族が織りなす人間模様を、重厚に描く。主演は「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリーと「ガンジー」のベン・キングズレー。共演のショーレ・アグダシュルーがアカデミー助演女優賞にノミネートされたほか、様々な映画賞で助演女優賞を獲得した。
あらすじ:亡き父が残した海辺の一軒家に住んでいる女性キャシー・ニコロ(ジェニファー・コネリー)。結婚生活に失敗し、夫に去られた彼女は、仕事もなく一人ぼっちで失意の日々を送っている。遠くに住んでいる母にはそのことを言えず、「幸せにしている」と電話で嘘をつくキャシー。
そんなとき、たった数万円程度の税金未払いから、家を差し押さえられてしまう。後に、それが行政の手違いであったことが判明するが、すでに家は他人の手に渡っていた。新しく家主になったのは、政変でイラクを追われ、アメリカに亡命したベラーニ元大佐(ベン・キングスレー)の一家だった。祖国ではかつて優雅な生活を送っていた上流階級だったベラーニも、今は異国アメリカで肉体労働に身をやつしている身の上だ。
しかし、献身的な妻ナディ(ショーレ・アグダシュルー)と愛する息子のためにも、新しい家でもう一度、人生をやり直そうと心に誓うベラーニ。美しい夕日と海が見えるその家は、彼が故郷で持っていた別荘に似ていたのだった。
一方、父との想い出が詰まった家を失ったキャシーは、レスター警官(ロン・エルダード)の力を借りてベラーニに家を返すように詰め寄るが、応じてもらえない。父との想い出を守ろうとするキャシーと、新たな生活へ希望を託すベラーニ。それぞれの思いで家に固執する2人の対立は、その固執ゆえに徐々に激化していく。
そんなとき、2人の目を開かせたのは、ベラーニの妻ナディと息子の無償の優しさだった。自分が本当に求めていたものは、家ではなく家庭であることに気付いたふたり。彼らはようやく心通わせ、お互いに共感し、和解に至るが……。

<感想>ジェニファー・コネリーとベン・キングスレーが、パッケージに写っていたのでついレンタルしてしまった。見始めたら最後、重くのしかかる内容にもかかわらず、ハラハラさせられ、最後まで一気に引っ張られた。
亡き父親が残した海辺の家に一人で住むコネリー扮するキャシーは、夫が出て行って以来茫然自失気味。わずかな税金の未払いで、家が競売にかけられてしまう。
故郷の別荘に似ていると、その家を買ったのは、イランからの政治亡命者キングスレー扮するベラーニ大佐。こうして一軒の家をめぐり、そこに幸せの最後のついの棲み家を見出す2人の争いが始まる。

行政ミスと発覚したが、時すでに遅し、ほかに行くあてのないキャシー。
その家を買ったのはいいが、イランでは社会的地位が高かったものの、アメリカへ亡命したが職に困り果て、家族に内緒で肉体労働をし、良い暮らしをキープしてきた誇り高き元ベラーニ大佐。
実は、ベラーニには息子を大学に進学させるつもりで、この家を安く買い、高値で転売しようと考えていたわけで、プライドも捨てて必死になって、がむしゃらに働いてきたのだ。
双方、譲れない訳があるのだ。どちらの想いも痛みも分かるだけに、いたたまれない感じがする。こうして見ると、いかにもベラーニ大佐の方が引き下がれば、丸く収まるのにと思ってしまうかもしれませんね。
しかし、キャシーの生活態度も悪いんですね。酒に溺れ、この事態を相談したレスター警官と不倫して、その家族に迷惑をかけた点では、あまり被害者としての人格がありません。
後半の展開で、絶望のあまり自殺を計ろうとしたキャシー。それを見かねたベラーニ大佐は、元の持ち主をこれほど苦しめるのは罪だと思い直し、家を手放す決意をする。これには、亭主関白ぎみの夫に振り回されるベラーニの奥さんの、内助の功がなければ成り立たなかったでしょう。
この場面で、ようやく和解が成立してと、ほっと胸をなでおろす気持ちだったのだが、…自殺を計ろうとしてぐったりしたキャシーを、介抱しようとしたベラニー大佐に、逆切れした警官が拳銃を向けるのですね。これは余りにも軽率で、こんな終わり方をするなんてと、見ていて悲しくなりました。

映画の中では、登場人物たちは何度も一緒に仲良くなっていき、そして瞬間的に和解しようとするのですが、運命によって、あるいはそれぞれの持っている夢や希望によって、上手くいかなくなってしまい、最終的には崩壊の道を辿るという。
ベラニーが、夕焼けを見るために家のテラスを長くせりださせて、家族と一緒にイランの方角を見ながら眺める夕日は美しかったです。
家を囲む静かな映像美が、余計に訪れる悲劇の濃さを増していき寓話ではない現実を、鋭く見る側に突きつけてきます。
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