パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

2014年、洋画部門ランキング・ベスト10

2014年12月31日 | 年別の映画ランキングベスト10
今年も後少しで終わりですね。1年という月日は長いようで、すごく短いような、今年も私には駆け足のような1年でした。
それでも、今年は私にとっては、大変多くの映画を観賞する機会に恵まれて、映画見放題の年と相成りました。
中でも、アクション映画が大好きな私にとって、飛躍するような勢いで数多く観賞できることができ誠に嬉しい限りでございました。
大好きなアクション映画を別の枠にして選出してみました。

第1位ホビット決戦のゆくえ
第2位:フューリー
第3位:エクスペンダブルズ3
第4位:キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
第5位:ラッシュ/プライドと友情
第6位:GODZILLA ゴジラ
第7位: ドラキュラZERO
第8位:マイティー・ソー/ダーク・ワールド
第9位:ホビット竜に襲われた王国
第10位:グランド・ブタペスト・ホテル

惜しくも10位に入らなかったとはいえ、それでもとてもいい映画だったので次選として選んで見ました。
11位: インターステラー
12位:オール・ユー・ニード・ニード・キル
13位:ライズ・オブ・シードラゴン謎の鉄の爪
14位:ケープタウン
15位:ハミングバード
16位: 友よ、さらばと言おう

ドラマ、ミステリーサスペンス部門
第1位:チョコレート・ドーナッツ
第2位:ダラス・バイヤーズクラブ
第3位:ブルージャスミン
第4位:ジャージー・ボーイズ
第5位:プリズナーズ
第6位:鑑定士と顔のない依頼人
第7位:大統領の執事の涙
第8位:LIFE
第9位:MUD マッド
第10位:怪しい彼女

何しろのんびりな性格なもんですから、中々映画のレビューも更新出来ずに、映画を鑑賞してから数日経っての投稿です。それに、コメント欄も閉じており大変申し訳なく思っております。
つきましては、邦画部門のベスト10ランキングは、明日の元日に投稿する予定です。
それでも、何とか今年も終わりに近づき2014年の〆としてこうしてご挨拶できることを有難く思っております。
皆さま良いお年をお迎え下さいませ。
2014年劇場映画観賞作品・・・371 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
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天才スピヴェット ★★★★

2014年12月30日 | アクション映画ータ行
『アメリ』『ロング・エンゲージメント』などのジャン=ピエール・ジュネが、ライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」を実写化したアドベンチャー。発明家を対象とした権威ある学術賞に輝いた10歳の天才少年が、授賞式出席のためにモンタナからワシントンへと向かう中で体験する冒険を映す。『英国王のスピーチ』などのヘレナ・ボナム=カーターをはじめ、ロバート・メイレット、ジュディ・デイヴィスらが出演。主人公である少年の創造力や発想力を具現化した、ジュネ監督ならではのビジュアルにも目を奪われる。
あらすじ:天才だが、それゆえに周囲との溝を感じる10歳の少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)。そんな彼にスミソニアン学術協会から、最も優れた発明家に授けられるベアード賞受賞を知らせる電話が。授賞式に出席するため、彼はたった1人で家のあるモンタナからワシントンへ旅立つことに。さまざまな出来事や人々と出会いながら、カウボーイの父親、昆虫博士の母親、アイドルを目指している姉、事故によってこの世を去った弟へ思いをはせるスピヴェット。やがて彼はワシントンに到着し、授賞式に臨む。

<感想>ジャン=ピエール・ジュネ監督の作品ってファンタジーで夢がありますよね。この映画は3Dで観なくてはと想い、400円プラスして3Dで観賞しました。でも、飛び出し絵本のようで、アイディア満載の立体絵巻でちょっとがっかりさせられました。2Dでも良かったかもです。
しかしながら、映像美とか主人公の豊かな知性と繊細な感情をダイレクトに伝えるツールとしては、見事に見せているのでそこのところはよかった。主人公の10歳の男の子、カイル・キャトレットくんが可愛いくて、演技もちょっと「シックス・センス」のハーレイ・ジョエル・オスメント君に似ているような、大きくなって、あぁは、ならないで欲しいと願っております。

カーボーイの父親にカラム・キース・レニーに、昆虫博士の母親役にはヘレナ・ボナム=カーターが、そして、スミソニアン博物館次長のジュディ・デーヴィスといったキャスティングに胸を躍らせた。
故郷のモンタナからスミソニアン博物館のあるワシントンDCへ。貨物列車の信号機をマジックで赤く塗り、列車を停止させて飛び乗り、長い旅路に出るのです。その間に、家族の抱える問題が次々と明らかになり、スピヴェットくんの家庭の事情が見えてくる。
牧場で育った科学の天才少年が、流動力学、永久運動機関の機械仕掛けの発明の、世界的な賞を受けることになり一路東海岸へと向かうのだ。始めは10歳の天才少年の発明だとは思わず、父親だとばかり思って授賞式に出てくれと電話をしてきたスミソニアン博物館次長のジュディ・デーヴィス。

しかし、少年は自分の意志で、自分が成し遂げたことを弟レイトンのためにもスピーチしなくてはと考えます。しかし、西から東までのアメリカ横断の旅は、困難続きだったのです。列車への無賃乗車のシークエンスに驚き、駅で列車が停まるたびに、駅の公安員が不審者が乗ってないか調べに来るのです。

その冒険檀が事細かく描かれるわけなのだが、貨物列車にキャンピングカーが乗っていたことが幸いして、少年は追手から身を隠すために、張りぼてパネル夫婦の食卓に一人三次元の実写で成りすますシーンのアナログなワクワク感といったら、これは痛快でした。

そこに暫く隠れてベッドで寝ることができたのは良かった。お腹が空いて、駅の構内でホットドッグを買いに降りたとき、貨物列車に住み込んでいた不思議なおじさんと遭遇する。

それに、ブランコに逆さに乗っていた女の子も、最後の駅で降りて危なく命の危険に遭うも、お腹を強打しても頑張って重いトランクを運ぶ少年。優しいタンクローリーの運転手の声に安堵して、ワシントンDCまで乗せてもらい眠ってしまう。
テーマは極めてパーソナルなことで、少年の幼いころの、双子の弟が拳銃の暴発事故死の贖罪の姿が、しかと描かれている。その心の闇が、彼の人生にどう投影されたのか。その一点に絞って風変わりな家族の物語りが語られるのだが。
強烈な皮肉とユーモア、そして無類の心の温かさに、天才少年はいかにして「現代のダ・ヴィンチ」となり得たのだろうか。そこには天才のお伽噺を借りた現代の寓話が展開するのである。
頭の回転が速いスピヴェットくんは、他人のやり取りや初めて何かに遭遇した時、頭の中でシミュレートするクセがある。つまり脳内イメージと現実世界がリンクする妄想の映像も素敵だ。

ラストでは、少年が家族の間に微妙な距離を感じていたのが、旅をしながら家族の大切さを発見する心の成長の物語りでもあります。他人に何と言われようと、かけがえのない家族というもの。そのあふれんばかりの家族愛にしばし涙がでました。母親の平手パンチも良かったし、父親がこぶしで殴ったのも良かったです。最後のエンドロールでの、3D写真には驚かされましたね。
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海月姫 ★★★

2014年12月29日 | アクション映画ーカ行
ベストセラーを記録し、アニメ化もされた東村アキコのコミックを実写化した異色ドラマ。オタ女子ばかりが住人の男子禁制アパートに暮らすクラゲオタクの女性が、女装男子と育む不思議な友情を追い掛けていく。メガホンを取るのは、『映画 ひみつのアッコちゃん』などの川村泰祐。テレビドラマ「あまちゃん」がブレイクした能年玲奈と『男子高校生の日常』などの菅田将暉が、主人公の男女を熱演する。オタクネタを随所にちりばめた物語もさることながら、ヒロインのオタ仲間にふんした池脇千鶴、太田莉菜、篠原ともえらの怪演も見もの。

<感想>能年玲奈がオタク少女に扮したロマチックコメディです。ジャージにメガネ姿の玲奈ちゃんが、恋する乙女へ鮮やかに変身する姿が見ものです。主人公の月海は、クラゲを偏愛するイラストレーターの卵で、腐れ女子の巣くつとなっているボロアパートでそれなりに楽しく過ごしている。
天水館のオタク女子集団には、鉄道オタクでアフロヘアーのばんばさんに池脇千鶴が、三国志オタクで、後でファッションショーのモデルになる長身のまややに太田莉菜、和物オタク(日本人形)の千絵子には馬場園梓、枯れ専のジジ様には篠原ともえらが、男子禁制のアパート「天水館」でそれぞれ独自のオタク道を極めている。という物語なのだが、つまりはニートでネクラで、人との付き合いが出来ない暗い性格の集まりのように見えた。
主人公のクラゲオタクの月海は、鹿児島から上京してイラストレーターを目指すも、アパートでほぼ引き籠り生活。最初の見せ場のクラゲの飼育について店員に食ってかかるところ、早口でオタしゃべりになっているのに感心。

一人で渋谷の人混みでオタオタして、クラゲの水族館まで行くことが出来ずに帰って来てしまう。それに、お洒落な人を目の前にすると石化してしまう対人恐怖症で、ペットショップで女装した蔵之介と知り合う。蔵之介が女装していたこともあって、不思議と打ち解けて話すことが出来た。

そんな折、蔵之介が月海にお化粧をして素敵なワンピースを着せた時に、蔵之介の兄、長谷川博己が月海を好きになってしまう。蔵之介の父親は与党の大物議員で、兄はその秘書というエリート一家なのだ。兄の運転手に速水もこみちが、父親には平泉成が、漫画なのであまり突っ込まない方がいいと思います。

豪邸暮らしの蔵之介なのに、何故かボロアパートの天水館で過ごすのが好きらしく、毎日のように通ってくる。もち夕ご飯も一緒で、彼女たちは和物オタクの千絵子の母親のアパートで、下宿をしているのだが、みんなお金を稼いでいるようには見えない。一番奥の部屋の漫画家さんが家賃を払っているようで、最後まで顔を見せないし、それで何とか食べていけるようなのだ。

ですが、今住んでいる「天水館」が、蔵之介の父親が地上げ屋をやっていて、再開発するとかでアパートの取り壊しが決定する。じゃぁ、「天水館」を買い上げようではないか?・・・というような感じで、お金を稼がないととハリキリだすわけ。
今回は、その女装の蔵之介がクラ子と偽って、ネクラ女子たちのお尻を叩いて働くことを教える。つまりは、クラゲオタクの月海がデザインする衣裳を製作するのに手伝いをする。

とにかく、菅田将暉くんの女装姿に驚きです。化粧映えするというか、とにかく綺麗でドレス姿も似合うし、優雅なモデル歩きをするのにびっくりですから。

菅田将暉くんは、10キロも減量して、毛を剃り、エステに通い、骨格矯正するなど入念な役つくりで撮影に挑んだそうです。ラストのファッションショーでは、オカマ歩きではなく、見事なウォーキングを披露して、徹底した役作りで少女コミックの世界の実写化を支えているのには、感心しました。
問題のダメすぎるオタク女子が、人一倍の情熱を秘めながらも、表に出せずにいる残念な女子が、王子様との出会いによってシンデレラ姫に変身するファンタジードラマとでもいいましょうか。月海の前に突如出現した鯉渕兄弟との気になる三角関係。月海が、魔法に頼らず自分でドレスを作るところが現代的ですよね。
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キッズ・オールライト ★★★

2014年12月27日 | DVD作品ーか行
「しあわせの法則」のリサ・チョロデンコ監督が自身の体験を交えた同性カップルの家族で起こった騒動をハートフルでコミカルに描いたホーム・ドラマ。
充実した脚本と演出、実力派の俳優たちによる的確なキャラクター表現、それらが見事にブレンドされた本作は、まさに大人の鑑賞にピッタリの作品だ。
あらすじ:ニックとジュールスという“ふたりのママ”の元、娘のジョニは大学進学が決まり、これが家族で過ごす最後の夏になるかもしれなかった。弟レイザーは、18歳になり出生の秘密を知る事ができるようになったジョニに、「父親の事を知りたくないかい」と持ちかける。2人が初めて会う“遺伝子上の父親”ポールは、気楽な独身生活を送っていた。子どもたちがポールに会っている事を知ったニックとジュールスは動揺し、ポールを家に招いて食事会を開く。(作品資料より)

<感想>最近ミア・ワシコウスカちゃんが大好きで、彼女の作品を片っ端から見ている。だいぶ前の作品ですが、彼女の自然な演技が良かった。この映画は、レズビアンカップルを親に持つ姉と弟が、実は精子バンクの提供を受けて生まれた子供たちなのだ。二人は自分たちと生物学的に繋がりのある父親ポールに会いに行きたいと思うようになります。
ところが、会ってすぐに、ポールと姉弟は意気投合してしまいます。それに、ポールはレズの両親とも知り合いになり、姉弟家族と一緒に過ごす時間が多くなるのです。

ポールはもともと自分勝手に生き、ガールフレンドとも適当な関係を築いてきたのですが、そんな彼の前に自分とそっくりの面影を持つ子供が目の前に現れ、家族の貴さを実感するわけ。
それに姉弟たちも、レズの両親にはない、父親の温かさを感じ始め、ポールと次第に仲良くなって行くのです。
でも、そのことを知り動揺する一家の大黒柱としての、稼ぎ頭の母親であるニックがイライラし始めます。それに、ニックのパートナーであるジュールスが、こともあろうにポールと肉体関係を持つんですから、家族の絆の崩壊ですよ、これは。これはレズビアンの夫婦を描いた一風変わったコメディである。
元々レズのカップルに、精子バンクからの提供で子供を授かり(もち二人とも女性だから)家族を築いて来たのに、それが精子提供者である父親が出現して、今まで難なく暮らしてきた家族の生活を脅かすのは、これは問題です。
やっぱりレズカップル夫婦に、子供という家族設定には無理があったのか?・・・って、いやいやそうではありません。ここで毅然とした態度で、この家族の父親として君臨しているニックが、ポールにガツンと一言宣言するのです。

しかし、レズビアンカップルとかゲイカップルとかが夫婦のように一緒に暮らしていても、孤児院からの養子縁組という手もあるわけなのだが、自分の遺伝子を持っている子供が欲しいとなれば、こういうレズの場合は精子バンクからの提供で女であれば産むことができるわけで、生まれてきた子供のこともよく考えないと、それに大きくなったら話て聞かせることも必要なのではないかしらね。
アネット・ベニングがかっこいいです。「家族が欲しければ自分で作りなさい」ってね。これは重みがありますよ。医学上の繋がりがあっても、心の繋がりを得るにはそれなりに長い年月が必要なのですから。
ポールが、急に家族の中に入り込み、家族の持つ温もりを知って、自分もその仲間に加わろうなんてずうずうしいです。家族って、いつも仲良く生活しているとは限らないし、その家族の溝を埋めるのも両親の役目なんです。

二人の大変な苦労が、今の生活の幸せを作っているってことを姉弟は忘れないでね。私も3人姉弟の真ん中で育ちましたが、よく姉弟喧嘩や、両親の夫婦喧嘩など、いろいろ歳月にはありましたが、今にしてみれば懐かしい日々が思い起こされます。姉のジョニ役のミア・ワシコウスカちゃん、「アリス・イン・ワンダーランド」でも奇麗でしたが、地方では来年上映される「マップ・トゥ・ザ・スターズ」のアガサ役の彼女の演技に注目です。
二人の険悪なトラブルをその都度子供たちに話して聞かせ、共に巻き込んでしまう下りは、いくらコメディとはいえ自分勝手もいいところだろう。これでは子供たちが可哀想だ。
この作品がアカデミー賞にノミネートされるほど評価が高いのも、A.ベニングの達者な演技からして当然かもしれないが、観客にレズの夫婦という存在を受け入れられる包容力がないとダメである。その点、日本では評価が分かれるに違いない。
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フローズン・リバー ★★★

2014年12月26日 | DVD作品ーな行、は行
ニューヨーク州とカナダの国境にある川を舞台に、多額の報酬と引き換えに、不法入国者を手助けする白人女性とモホーク族女性の運命を描くドラマ。違法な密輸ビジネスにかかわる女性たちの実話をベースに、本作で長編監督デビューを果たしたコートニー・ハントが子を守る母親たちの姿を力強く映し出す。主演は本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたメリッサ・レオ。タランティーノ監督が激賞したという衝撃の結末に注目。
原題:「FROZEN RIVER」製作国:2008年・アメリカ(97分)
監督・脚本:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ/ミスティ・アッパム/チャーリー・マクダーモット/マーク・ブーン・ジュニア/マイケル・オキーフ/ジェイ・クレイツ/ジョン・カヌー/ディラン・カルソーナ/マイケル・スカイ
あらすじ:カナダ国境近く、先住民モホーク族の保留地を抱えるニューヨーク州最北部の町。クリスマスも間近のある日、新居の購入費用をギャンブル依存症の夫に持ち逃げされた白人女性レイ(メリッサ・レオ)は、取り残された2人の子どもたちと共に途方に暮れていた。夫に新居購入費用を持ち逃げされた妻のレイは、支払期日までに金を工面するため、移民をカナダ側で車のトランクに積み、セント・ローレンス川を越えアメリカ側に不法入国させる闇の仕事に手を染める。レイはモホーク族のライラ(ミスティ・アパーム)と手を組み、国境越えを何度も成功させるが……。

そんな中、夫の車を発見するが、運転していたのはモホーク族の女性。ライラ(ミスティ・アッパム)と名乗る彼女は、車を盗んだのではなく拾ったと主張する。また、ライラも夫に先立たれたあと、幼い子どもを義理の母に奪われる辛い境遇を背負っていた。
そんな彼女は、いつの日か子どもを引き取り一緒に暮らす夢を実現させるべく、車で凍ったセントローレンス川を渡り、カナダから不法移民を1人当たり1200ドルでアメリカ側に密入国させるという危険な裏の仕事に手を染めていたのだった。
そして、その夜も裏の仕事で車が必要だったライラは、レイの事情を知ると共犯パートナーとして引き入れることに。人種の違いから始めは反発し合っていた2人は徐々に信頼関係を築き、無事に仕事を成功させるのだが…。(allcinemaより)

<感想>だいぶ前に見たものだが、まだレビューしていなかったので。脚本・監督のコートニー・ハントの長編デビュー作というが、サンダンス映画祭でグランプリに輝き、アカデミー賞オリジナル脚本賞、主演女優賞にノミネートされた話題作である。実話を基にしたこの物語は、現代アメリカが直面する社会問題を背景に、家族のために大胆な行動に出る二人の母親の姿を、力強く描き出している。
冒頭、クローズアップで映し出される中年女性の顔にまず惹きつけられる。眉間にしわをよせてタバコを吸いつつ長い髪をかきあげ、目の下の滲む涙を指の腹でぬぐう。殆どスッピンの顔をカメラの前にさらけ出すなんて、女優として相当気合いが入っているのが感じ取れる。
いや、カメラもその彼女の迫力に押され気味というべきか、とにかくこのワンシーンを見ただけで、これはただならぬ映画なのではと思わず身構えてしまう。なんとも見事な導入部である。
この女優は、「21グラム」で知られるメリッサ・レオ。アカデミー賞の主演女優にノミネートされた。しかも、サンダンス映画祭ではグランプリに輝いたというから、その実力はおして知るべし。最後の最後まで緊張感が途切れることがない。
舞台となるのは、米国ニューヨーク州最北部の小さな町。といっても、部外者にはピンとこないが、どうやら先住民モホーク族の保留地にほど近いカナダとの国境の町らしい。脇を流れるセントローレンス川は、冬場は厚い氷に覆われるから川の餓えを車で行き来できるという。まさに「フローズン・リバー」なのだ。

その町で暮らすのが、メリッサ演じる中年の母親。ギャンブル狂の夫は家に寄りつかず、二人の息子と必死に生きる彼女が、ひょんなことから知り合ったモホーク族の女性と二人で、危険な仕事に手を染める。不法移民をカナダから米国へと密入国させる仕事に。
警察に追われるスリルとサスペンスに加えて、ピストル片手の「グロリア」ふうなたたずまいの、肝っ玉おっ母さんの奮闘記に切ない涙を流すのは、女性ばかりではないだろうに。
だが、やはり密入国者の事件を通して、犯罪に手を染めても必死に生きようとする、母親の愛を描く優しい眼差しには、女性監督ならではと思った。それもメジャーでは描けないインディペンデントの心意気を見せつけて、圧巻のサスペンスになっている。
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孤島の王 ★★★

2014年12月26日 | DVD作品ーか行
世界有数の福祉国家として知られるノルウェーに存在する監獄島、バストイ島で20世紀初頭に起きたとされる暴動を映画化した実録サスペンス。絶海の孤島に送られた非行少年たちを更生させる施設を舞台に、そこに収容された少年たちの過酷な生活と彼らが起こした壮絶な反乱劇を描く。ノルウェーの俊英マリウス・ホルスト監督が、抑圧された少年たちの心情をリアルに活写。島を支配する院長を、「ドラゴン・タトゥーの女」で活躍した北欧きっての名優ステラン・スカルスガルドが怪演する。
あらすじ:1915年、罪を犯した元船乗りの少年エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)が、ノルウェー本土からバストイ島に送り込まれてくる。外界から隔絶されたその島には、11歳から18歳までの非行少年を更生させる施設があり、少年たちは過酷な重労働を課せられていた。かなり高圧的な院長(ステラン・スカルスガルド)や寮長(クリストッフェル・ヨーネル)への反発と脱走を繰り返すエーリングの姿は、抑圧された少年たちの心を突き動かしていく。

<感想>1900年から1970年まで、ノルウェ-の孤島に実在した少年収容施設が舞台のサバイバル・ドラマ。1915年、外界から隔離されたバストイ島の施設(少年院)そこでは矯正とは名ばかりの理不尽な現実がおこなわれていた。陰湿な寮長による虐待(性的暴行)に耐えかねて、仲間の一人が自殺を図る事件が起こり、事態は思わぬ方向へ進んで行く。
寒々しい孤島を陰鬱な色調(モノクロ映画のようだ)で表現し、子供たちの閉ざされた心象を訴えた演出がいい。一見、人格者に思える院長の、圧倒的な支配力と、直接的には描かれないが寮長による性的虐待が、少年たちを追いつめていく過程が見ていて良く理解できる。
主人公が語る鯨の話で、銛を3つ打ち込まれながらも、船と乗組員を翻弄する大きな鯨。この話は、規律で少年たちを従わせようとする院長や、看守たちに不屈の意志の力で立ち向かっていく少年たち。脱走に失敗してもあきらめないその姿。捕まって帰ると、独房じゃなくて鉄の檻の中へ入れられる。

自殺をした少年に対して、政府からの視察が来るが、院長は自殺ではなく脱走したと隠蔽する。それでも、少年たちが寮長の性的虐待を院長に直訴すると、一応、寮長を島から出すが、直ぐに戻って来る寮長。これでは同じ事で、また性的虐待を受ける少年が出てくることは間違いない。
ラストの少年たちの怒りが爆発して、施設を焼き払い院長を追いだし、寮長をボカスカとこん棒で殴る。だが、それも全部政府の知ることとなり、大きな船で兵士たちが拳銃を発砲し、鎮圧にかかる。

彼らが理不尽な秩序を壊して行く、クライマックスでは、最高のカタルシスが味わえるのだが、見ていて悲惨です。鯨の話は、自分の命が終えるまえに、船長や乗り組み員を飲みこんで死んだというお話。だが、少年たちの起こした反乱は、みな罰せられ悲劇で終わる。
救いのない重苦しい内容ですが、非行少年でも悪に対しての友情や団結という若い人たちの憤りを感じる作品になっている。観て損はないと思います。
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ザ・ベイ  ★★

2014年12月25日 | DVD作品ーさ行
「レインマン」の名匠バリー・レヴィンソン監督が「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのスタッフと手を組み、小さな港町で謎の疫病が拡がっていく恐怖をファウンドフッテージ・スタイルで描き出した戦慄の感染パニック・ホラー。(allcinema)
2012年/アメリカ/84分 監督:バリー・レヴィンソン 脚本:マイケル・ウォラック
製作総指揮:ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ 他
撮影:ジョシュ・ナスバム 音楽:マーセロ・ザーヴォス
出演:ウィル・ロジャース(アレックス)クリステン・コノリー(ステファニー)
ケッテル・ドナヒュー(ドナ)フランク・ディール(ストックマン市長)
スティーヴン・クンケン(エイブラムス医師)クリストファー・デナム(サム)
ナンシー・アルカ(ジャクライン)

あらすじ:メリーランド州チェサピーク湾にある、昔ながらの海辺の町クラリッジ。そこでは、水こそが地域の原動力となっている。ある日、2人の海洋学者は湾の水に驚くほど高濃度の毒性があることに気づく。彼らは町長に警告するが、静かな町にパニックを起こすまいと町長はそれを無視する。7月4日、町は独立記念日を祝うカーニバルムードに包まれ、たくさんの人々の笑顔で溢れていた。しかし、その風景は一瞬にして惨劇へと変わる。チェサピーク湾に疫病が発生。人々は精神を、ついには体中を蝕んでいく突然変異した寄生虫の餌食となる―――!

<感想>だいぶ前にレンタルして観賞したのですが、未公開作品ではないです。監督として「レインマン」、「タラブル・イン・ハリウッド」とか立派な実績を持っているバリー・レヴィンソンが、何ですかこんな小さなスケールの問題提起映画を作るとは意外でした。彼ならば「ジョーズ」のような映画を作ることだってできたのにね、惜しいですよね。
映像の垂れ流しだし、生存者の証言として編集されたように構成されているかのように見えるので、何かデタラメな感じがした。サスペンスにも、ショッカーにも、政府による情報の隠ぺいを主題にしたメディア論にも、全てに於いてダメですね。

かろうじて意味があるとするならば、登場人物が悲惨な死に直面しようと、感情移入もできないほどに映像の距離感が遠い点かな。ですが、それは偶然写った恐ろしさまで達せず、映画内の虚構として自己満足しているだけに見えました。真相が判っても、それが物語上では何も生まれてこない。
ジョーズに、ゾンビにモキュメンタリーの手法を取り入れたような作風である。公害的なテーマも含まれているのだが、パニックホラーとしてのアプローチを突き詰め、その恐ろしさを情報ではなく感覚的に訴えかける。
体中を蝕んでいく恐ろしい突然変異した寄生虫が、海洋学者の手で説明され映し出されるのに、政府が何も手を打たないというズサンな態度に憤りを感じてしまった。
症状として舌を破壊されることで、被害者本人の証言が得られないままに、感染が拡大していく仕組みは面白いと思いました。
この映画は、生理的にかなり観る人を選ぶ描写が頻繁に登場します。それはダイレクトに気持ち悪く、目に見えない災害を視覚化して危機感を想起させる狙いにおいては、褒めてもいい。しかし、寄生虫が水の中に卵を産み付けるという不衛生なこと極まりない。その水を水質検査で良くも調べていないし、飲み水にですよ。

その寄生虫の卵が人間の体に中に入って、棲みついて大きくなるわけ。グロイ映像もあります。どう考えても、身体に寄生虫が棲みついて育っていくなんて、ゾッとしますよね。以前、韓国の映画で「ヨンガシ 変種増殖」やはり川の水に潜んでいた寄生虫(ハリガネ虫)が、泳いでいて口の中へ入って腸の中で大きく成長してしまうグロイ映画を見ましたが、それと似ているようなきもしました。そちらは、虫下しのような薬と政府と製薬会社が研究して作り、感染した人間たちは助かりました。
この映画は、社会啓発映画としては、必ずしもよく調べているとも思えないし、少なくとも見ていて緊急性が強いとは思えない。これだけの監督ですもの、もっと巧妙な面白さを持った商業映画を作って欲しかった気がしました。
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バンクーバーの朝日 ★★★.5

2014年12月23日 | アクション映画ーハ行
1900年代初頭のカナダに暮らす日系人が、過酷な環境にあえぎながらも野球チームを結成、戦術やひたむきさでやがて白人に認められていくさまを実話を基に描くドラマ。メガホンを取るのは『舟を編む』『ぼくたちの家族』などの石井裕也。製材所で肉体労働に就く野球チームのキャプテンを妻夫木聡が演じるほか、チームのメンバーに亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、主人公の父親に佐藤浩市など豪華キャストが集結する。体格で勝るカナダ人を相手に、力ではなく技術で立ち向かっていく彼らの姿に爽やかな感動を覚える。
あらすじ:1900年代初めのカナダ・バンクーバー。貧しい日本から新天地を目指してカナダにやって来た日本人たちは、想像を絶する激しい肉体労働や貧しさに加え、差別にも苦しんでいた。製材所で働くレジー笠原(妻夫木聡)やケイ北本(勝地涼)、漁業に携わるロイ永西(亀梨和也)らは野球チーム「バンクーバー朝日」に所属し、最初は白人チームにばかにされながらも、次第に現地の人々にも認められていく。

<感想>戦前、カナダの西海岸に実在した日系人野球チームの快進撃を描いた実録野球映画である。日系二世を中心とした「バンクーバーの朝日」は、体格とパワーで上回る白人チームを相手にし、足技を絡めた緻密なチームプレーで球場を沸せた人気アマチュアチームなのだ。

移民に対して人種差別が厳しかった時代ながら、フェアプレーに徹して白人ファンが多かったことで知られる。当時の資料や関係者への取材を元にして「サマーウォーズ」の奥寺佐渡子が脚本をまとめ、「舟を編む」の石井裕也監督が戦争の足音が近づく中で、野球に打ち込んだ若者たちの青春ドラマに仕立てている。
口下手なキャプテンのレジー笠原には妻夫木聡が、ショートを守り、年長者という理由からキャプテンになる。そして、無口な漁師のロイ永西には亀梨和也が、親子二代にわたる漁師で、父親はカナダ軍に志願して戦死。それでも行政の締め付けは厳しく、満足に漁に出ることもできない。
チームのムードメーカーのケイ北本には、勝地涼がセカンドを守りレジーと同じく製材所で働く。連戦連敗が続く中でも、決してふさぎこまない。寡黙なチームメイトが多い中、口数が多いタイプである。

そして、キャッチャーのトム三宅。豆腐屋に婿入りしたが、商売よりも野球が優先。妻には呆れられているが、それでも野球は止められない。野球こそが生き甲斐なのだ。そして、チーム最年少のサードを守るフランク野島には、池松壮亮が、ホテルでポーターをしているが、日本人らしい細やかなサービスがモットー。日中戦争が始まり、白人からの差別を強く感じ始める。

移民に対する締め付けは厳しく、白人より低賃金で職場も限定されていた。肉体労働をしながら野球好きな日系人らは、嬉々としてグランドに集まる。しかし、パワーでは白人に勝てないと新キャプテンに選ばれた妻夫木くんは、自分たちに合った戦術を考えるのであった。打席で追い詰められたレジーは、バントで出塁に成功するのであった。

上地雄輔も出演していた。
妻夫木君演じるレジーの父親が佐藤浩市。彼は昔気質の飲んだくれ親父で、頑なにカナダ人との交流を避けてきたのだが、草野球チーム朝日の快進撃に気を良くしたのか感化されて、息子のレジーのために初めてカナダ人店主の店でグローブを買うエピソード。レジーが父親に対して“ありがとう“とは言わないし、嬉しそうな顔すら見せない。でも、心の中では確実に嬉しくて感謝の念を持っていて、父親のいない場面で実にひっそりと示されるのである。
もう一つは、カナダ人との試合中に乱闘になる場面での後日談でのこと、出場停止の元凶となった亀梨和也演じるロイに、レジーが何故野球をするのかと問うシーンがある。これは、作品のテーマそのものを表す重要なやり取りなのだが、レジーが「なぜ、僕が野球をするのか」と大事な精神を語る場面。レジーの本心が、ロイの心に染み込んで野球をやる意味を失いかけていた彼の気持ちを変えるわけ。

大柄な白人に対して、小技で攻める攻撃は有効だった。少ないヒットで勝利するようになる。だが、日米開戦が迫り、日系人は収容所に隔離されることになる。その生活は電気も水道もなく、水は近くの川の水を汲み運ぶ重労働だ。
海外ロケのように見えるが、足利市に東京ドーム1つ分の広大なオープンセットを作り上げての撮影だ。観ていて違和感なしの古き善き下町情緒を漂わせる日本人街、オールドタイプの野球場、さらには白人街までリアルに再現した巨大オープンセットには感心しました。
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ベイマックス ★★★

2014年12月22日 | アクション映画ーハ行
マーベルコミックスのヒット作「BIG HERO 6」を基に、ディズニーが放つアドベンチャー。架空の都市サンフランソウキョウを舞台に、並外れた頭脳を持つ少年ヒロが、生前に兄が開発したロボットのベイマックスと一緒に死の真相を暴こうとする。メガホンを取るのは、『くまのプーさん』のドン・ホールと『ボルト』のクリス・ウィリアムズ。随所にちりばめられた日本のカルチャーへのオマージュに加えて、白くて大きな体を持つベイマックスの愛らしさにも注目。
あらすじ:西洋と東洋の文化がマッチし、最先端技術分野の先駆者たちが数多く住んでいるサンフランソウキョウ。そこに暮らしている14歳の天才児ヒロは、たった一人の肉親であった兄のタダシを亡くしてしまう。深い悲しみに沈む彼だったが、その前にタダシが開発した風船のように膨らむ柔らかくて白い体のロボット、ベイマックスが現れる。苦しんでいる人々を回復させるためのケアロボット・ベイマックスの優しさに触れて生気がよみがえってきたヒロは、タダシの死に不審なものを感じて真相を追い求めようと、兄の同級生である大学生たちと共に、タダシが死んだ事故の真相を追求するために動き出す。

<感想>「アナと雪の女王」の興奮がさめやらぬ間に、またもや凄いエンターテインメント大作が公開された。基本は兄弟の話で、兄の想いを受け継いだベイマックスというロボットがいる。ですが、弟のヒロにはベイマックスだけじゃなくて仲間がいて、皆で事件を解決していく。そういう意味ではオーソドックスなお話だと思います。
その仲間には、几帳面なワサビ、運動神経抜群のゴーゴー、科学が得意なハニー・レモン、怪獣大好きなフレッドと個性豊かな面々がいるのだ。

アメリカでの原題は「ビックヒーロー6」で、そのイメージだと6人の戦隊ヒーローものだが、観てみると少年とロボットの触れ合いのイメージが強調されているようだ。
それは人々の心とカラダを守るために作られたケア・ロボットのベイマックスである。どちらかというと、見た目はビニールの人形を膨らましたような、ドラえもんのような感じがしました。

目と口は鈴をモチーフにしているそうで、ロボットというから、飼い主のいうことを聞いて行動して、飼い主が危険な目に遭うと守ってくれる最強の癒し系キャラのロボットなのだ。
フワポヨな感じで真っ白なボディに一度でいいから触れてみたいという気持ちにさせられます。最愛の兄を失った天才少年ヒロに寄り添い、空の上から地獄の果てまでも守り抜くといった感動のストーリーなのである。スピード感あふれる迫力の映像に、細部までこだわったキャラクターの魅力。

東京とサンフランシスコを掛け合わせて作られた架空都市サンフランソウキョウには、日本人として馴染み深い匂いを感じとり、日本の鈴をモデルにしたベイマックスの顔にも愛着を覚えてしまう。空には鯉のぼりのアドバルーンなんて気が利いているじゃないの。

しかし、このままでは犯人捜しの役に立たないと感じたヒロは、空手技をベイマックスにプログラム。さらには戦闘用にアイアンマンのような装備を着用させて、「飛べ、キックだ、ロケットパンチだ」なんて無理ですから、ふわポニョボディでは敵と戦えない。これは心の医療用のケアロボットなのに。
でも、アーマーの背中や足にブースターを取り付け、飛行能力を備えて、機動力が格段に向上。さらにはロケットパンチも繰り出せるようになる。
そして、歌舞伎メイクのマスクを付けた正体不明の怪人は、博士ですから。本当だったらヒロの独創的な発明の極小ロボットの集合体をさまざまな形に変化させることができるのだが、直後に会場で起こった爆発事故に巻き込まれた兄のただしは、死んでしまったのだ。

ヒロの作った画期的な発明を盗み、極小ロボットの集合体を悪事に使っているし、「スターゲイト」のようなワームホール、異次元の世界へ飛んでいくゲートを作り、自分の娘をロケットに乗せて跳ばせてしまい、その後にゲートが壊れてしまい、娘は異次元空間で浮遊しているのだ。壊れてしまった「ワームホール」自分ではどうすることも出来ない博士。ヒロがベイマックスに乗ってワームホールの輪っかを潜って異次元の世界へと。ベイマックスがその光の輪っかの中から「助けて」という救援信号を聞き取ったのだ。中で浮遊している博士の娘を助け出すため、ヒロと博士の娘がベイマックスの腕のロケット噴射でゲートの外へと出ることに成功する。ですが、彼らが出てきたと同時に、輪っかが壊れてしまい、中にいるベイマックスが置き去りになってしまう。

それから、ヒロが兄のタダシからのベイマックスの作り方のメモリーフラッシュを見つけて、再び同じようなケアロボット、ベイマックスを作ることに成功するんですね。
甘くない現実社会を生きる我々の前に、ひたすら優しいベイマックスのような存在が現れたら夢のようですよね。予想どうりとはいえ一緒に胸を躍らせながら笑い、ささやかな憤りを感じたと思えばそれを上回るどんでん返しがあり、最後には哀しみと嬉しさの両方の涙を流してしまう。
吹き替えで観たので、兄のタダシの声に小泉孝太郎、兄弟の叔母のキャスの声には菅野美穂が、さすがにベテランらしく上手でした。
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ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男★★.5

2014年12月20日 | DVD作品ーさ行
伝説の大富豪ハワード・ヒューズの偽りの伝記を執筆した作家による実際に起きた詐欺事件を基に「HACHI 約束の犬」のラッセ・ハルストレム監督が映画化。出演は「アメリア 永遠の翼」のリチャード・ギア、「魔法使いの弟子」のアルフレッド・モリナ、「ローラーガールズ・ダイアリー」のマーシャ・ゲイ・ハーデン、「脳内ニューヨーク」のホープ・デイヴィス、「パリ、恋人たちの2日間」のジュリー・デルピー。
あらすじ:1971年ニューヨーク。売れない作家クリフォード・アーヴィング(リチャード・ギア)は、新作を出版社に売り込んでは却下される日々を送っていた。ある日、マグロウヒル出版のアンドレア(ホープ・デイヴィス)に、今世紀最大の作品を持ってくると言ってしまい窮地に立たされるアーヴィングだったが、変わり者で隠遁生活を送っている有名な大富豪ハワード・ヒューズのニセ自伝を書くことを思いつく。実際に彼に会ったことのある人間はほとんどおらず、表舞台にも出てこない。

早速、ヒューズの筆跡をまねた依頼の手紙を手に、アーヴィングはマグロウヒル社に乗りこみ、筆跡鑑定で本物と出たことで話を進めていく。並行してアーヴィングの親友でリサーチの腕があるディック・サスキンド(アルフレッド・モリナ)と共にヒューズの情報収集に走る。
アーヴィングはウソを散りばめた巧みな話術で、マグロウヒル社会長のシェルトン(スタンリー・トゥッチ)らを説得、ついにヒューズの分と合わせて110万ドルの報酬を得ることに成功する。ヒューズ名義の小切手は、アーヴィングの妻エディス(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が偽名でスイスに口座を作り換金する。

同じ頃、アーヴィングの家に段ボール箱が届く。中身はニクソンらに対してヒューズが渡したワイロなどの記述だった。だが、ヒューズの顧問弁護士から抗議があったことで、アーヴィングのウソは少しずつほころびを見せていく。一方、ヒューズの自伝の話はホワイトハウスにも届いていた。資金提供などの情報が漏れることを恐れたニクソン陣営は、民主党本部が本を手にしているかを偵察させる。
これが後の“ウォーターゲート事件”である。そんな中、アーヴィングはエディスから家を出ていくと告げられ、別れたはずの愛人ニーナ・ヴァン・パラント(ジュリー・デルピー)との復縁について聞かれた彼は、妻を繋ぎとめるためここでもウソをつく。ウソにまみれた彼の精神は異常を示し始め、アーヴィングは自分がハワード・ヒューズそのものであるかのような錯覚に陥っていく……。

<感想>「ハワード・ヒューズを売った男」と副題にあるように、長い間正体が謎に包まれていた伝説の大富豪ハワード・ヒューズの、偽の伝記を執筆した男の物語なのだ。ホークス=HOAXとはでっちあげを意味するが、これはまさに偽の伝記をでっちあげた詐欺師男の実話を、ユーモアを盛り込んで描いている。

といっても、そこは映画だから事実と異なる部分も大いにあるのだが、その上でフィクション部分も含めて世紀の詐欺師男の物語を描いたのは、ラーセ・ハルストレム監督。「マイライフ・アズ・ドッグ」や「ギルバート・グレイブ」で知られるスウェーデン出身の才人である。
この詐欺師男、悪質というより笑えるから滑稽である。

何しろヒューズが正体不明をいいことに、本人に一度も会うこともなく元側近の記録を基に、自伝をでっち上げ大手の出版社に売り込んで大金をせしめたのだから。
その手口は古典的だが、嘘を嘘で固めて行く詐欺師としての転落の過程が、実にスリリングで、まるでよく練り上げられたサスペンス映画を見ているようなのだ。
肝心の本物のヒューズが出版されたこの自伝を読んで、「私の人生より面白い、傑作だ」と言ったとか。
この皮肉とブラックユーモアのセンスは、ハルストレム監督だらではのもの。全編を貫くのは風刺精神で、もちろん単なる詐欺師の物語だけでなく、「J・エドガー」にも出てきた、ニクソンの不正献金問題や、ウォーターゲート事件など、1970年代のアメリカの時代風潮をも映し出しているのも面白い。
主人公クリフォード・アーヴィングを、『シカゴ』のリチャード・ギアが熱演。リチャード・ギアが、憎めない主人公の希代の詐欺師を嬉々として演じているのが、印象的でいいですね。
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カムバック! ★★

2014年12月19日 | DVD作品ーか行
意中の美人上司を振り向かせるべく、少年時代に封印したサルサダンスに25年ぶりに挑戦する中年メタボ男の奮闘を描くコメディー。『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などで人気のニック・フロストが原案・製作総指揮・主演を務め、その製作チームも集結。6か月にわたりダンスを特訓したニックが巨体を揺らし華麗なステップを披露するほか、盟友サイモン・ペッグがカメオ出演している。
あらすじ:少年時代は天才サルサダンサーとして活躍するも、いじめが原因でダンスを封印したブルース(ニック・フロスト)は、至って普通の毎日を過ごしていた。そんなある日、アメリカから赴任してきた美しい上司ジュリア(ラシダ・ジョーンズ)に夢中になるが、彼は見つめる以外に何もできなかった。しかし、ジュリアがサルサダンサーであることを知ったブルースは、彼女の気を引くため25年ぶりにサルサに挑む。
<感想>10月25日公開の映画で、地方では上映されなかった。DVDレンタルで観賞したのだが、内容がデブが華麗なステップでサルサを踊るって、まさか~いや、本当の話なんですよ、それが。

上司のジュリアは、「セレステ∞ジェシー」に出ていたラシダ・ジョーンズが、美人というよりもハツラツで元気な女性って感じ。そして、おデブさん俳優とくれば、「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」や「宇宙人ポール」他で相棒のサイモン・ペッグと共演していたニック・フロストが製作総指揮、原案、主演を務めているのですね。

おデブな俳優では「マネーボール」のジョナ・ヒルや、「ハングオーバー」シリーズのザック・ガリフィアナキスが最近では有名になっているが、この作品でのニックは、おデブなのにお肉をぶるぶるさせながら、サルサを踊るんですから。ダンスの中でも、女性と身体を密着させて踊り、一時期日本でも流行ったけれどかなりハードなダンスですよね。

でも、設定が子供のころにサルサの大会で優勝している天才ダンサーだったというのだから。それも回想劇で映されますが、かなり痩せていて可愛かった。どうして、ダンスを止めたのかというと、大会の日に虐めっこにスパンコールが付いた衣裳をけなされて、殴る蹴るの暴行を受け、ダンスなんて女子がやるもんだとケナされてから、もうダンスなんてやらないと封印してしまったのだ。しかし、会社にアメリカから赴任してきた上司に一目惚れしてしまったのです。

彼女がサルサのダンス教室へ通っていることを知って、自分ももう一度サルサを踊ろうとダンス教室へ通うのですが、何しろ昔の身体と違ってメガトン級の体重で、身体を動かすとお肉が揺れて、激しく腰を動かしてもなんとも無様なダンスにしかならない。

そんな彼を応援するのが、気に抜けたファンタオレンジしか飲まない中東系のマッチョなオカマちゃんだったり、かつての師匠のラテン男、イアン・マクシェーンだったりする。

それに、対抗する同僚の腹黒なドリューに、「ソウルガールズ」のマネージャーのデイヴを演じたクリス・オダウドが演じている。

1日7時間のダンスレッスンを週に6日、7か月間も練習したというおかげなのか、観ていて周りのプロダンサーと比較しても見劣りしないくらいのサルサを披露しているから凄い。さすがにハードなダンストレーニングで痩せたそうですが、自分は太っているのがキャラだからといって、その後に食べてウェイトを維持したそうです。

だから、一番の見せ所のシーンでは、ニックがキラキラと光るスパンコールの付いた衣裳で華麗に踊りまくる、それがこの作品の目玉なんですものね。始めは贅肉が邪魔で簡単なステップも踊れなった彼が、仲間に励まされて次第に情熱を取り戻して、ステップに腰の振りがキッレキッレになっていくのが素敵です。
巨体を揺するだけじゃなくて、軽やかにステップを踏みまくり、ダンスの相手をゼロ・グラビティで縦横無尽に放り投げるニックのダンスは、本格的でした。

本作の原題は「Cuban Fury」、相棒のサイモン・ペッグが、カメオ出演で出ているが、セリフ無しなのが残念でもある。少しでもいいから、ニックと絡めば良かったのにね。
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ドライブイン蒲生 ★.5

2014年12月18日 | アクション映画ータ行
「指輪をはめたい」などで知られる芥川賞作家・伊藤たかみの小説を基に、寂れたドライブインを営むどうしようもない父親のもとで育った姉弟の葛藤を描く人間ドラマ。相米慎二、石井聰亙監督作品など日本のインディペンデント映画に携ってきたカメラマンたむらまさきが、75歳にして初メガホンを取る。姉と父の間で苦悩する弟に染谷将太、元ヤンキーで出戻りの姉に『横道世之介』などの黒川芽以、彼らの父親を永瀬正敏が演じる。
あらすじ:閑古鳥が鳴く「ドライブイン蒲生」に生まれ育った姉サキ(黒川芽以)と弟トシ(染谷将太)は、ヤクザ崩れの父(永瀬正敏)のせいで、幼いころからバカの一家と近所から疎まれてきた。そんな惨めな境遇に失望したサキはヤンキーとなった揚げ句、子供を身ごもり姿を消してしまう。それから数年後、夫に暴力を振るわれたサキは嫌っていた実家に出戻り……。

<感想>だいぶ前にミニシアターで観賞したもので、染谷将太くんが出演しているので興味がありました。ですが、途中で眠気をモヨウするつまんない映画でもありました。京浜国道を舞台に作者と同じ1970年代生まれの姉弟の目を通して、日本社会の変貌を時代の風俗とともに、感覚的に描いた作品で、カメラマンのたむらまさきの初監督作品である。ですが、おそらく予算の関係だろうが、舞台は東京近郊に移されていて、流通の一大倉庫と化した道路は映されていなかったのだ。

原作は未読だが、それこそ作品のキモだったのではないか、ここには淀みがちな時間が流れている。同じような日々の繰り返し、半ば煮詰まりながら、しかし、それをご破算にして、どこかに行くということもできない暮らし。その停滞した、淀んだような空気を映画の時間として捉えたのは、撮影を担う”監督たむらまさき”ならではのことだろう。
染谷将太の度アップで始まり終わる。その間にある家族をめぐる出来事が綴られるのだが、一家の娘、黒川芽以を中心に進み、弟の染谷将太はその脇にいるにすぎない。冒頭のシーンでは姉がDVの亭主のことでうじうじと悩み、弟は母親とともに言葉もないままそばで見守る。
やがて回想される数年前のシーンでは、父親に対する不良高校生の姉の反発ぶりがさまざまに描かれるのに対して、弟はいつも一緒にいるだけなのだ。

そんな脇の人物であるにもかかわらず、染谷将太のアップが冒頭とラストに出てくるわけだが、より正確には、カットの在り方は微妙に違うのだ。それは時間が細かく混じり合うことで、現在と過去を何度も行き来するのは脚本によるものだが、そのあり方に加えて作品の大部分を占める回想シーンでは、時間の推移がはっきりしないことが多いのだ。

例えば場面が転換した時、同じ日なのか別の日に跳んだのか一瞬判別しがたいのである。もちろん撮影も手掛けた監督のことを踏まえれば、画面に観られるそうした時間の独特の在り方に監督の作品世界があると思われる。
この映画には街道沿いのドライブインが二つ出てくるが、それらをAおよびBと呼ぶならば、全体は主人公たちがAからBへ行って戻るまでの話であり、その間に過去の回想が入るのだ。主な舞台となるのはAの「ドライブイン蒲生」で、父親泣きあとの現在、もう営業していない。

過去のシーンでも、営業中とはいえ、蒲生家の主人、永瀬正敏がぐうたらなため閑散としている店。たしか客は一人が一度いるだけで、店ではダメ親父と不良娘と息子が、ぐだぐだしており、夜ともなれば店内は姉とボーイフレンドと、弟が戯れる場と化している。
過去の下りでは、そんなドライブインと近くにある住居が家族の空間であり、永瀬正敏とそれに反発する黒川芽以、両方に親密に接する弟の染谷将太、存在感のない母親の猫田直の、閑散とした店内が家族の状況を表しているのである。
外部の空間として道路やパン屋、父親が肝硬変で亡くなる病院などが出て来るが、中でも店と住居の間にある長い橋が、その中間で永瀬正敏と染谷将太が男っぽい親密さを見せるのが印象深かった。

常に空間が家族の在り方と結びついて描かれるわけで、外部が関わる場合に際立つのだ。例えば、父親の死期、夜に姉と共に店でごろごろしていたボーイフレンドの小林ユウキチと染谷将太が、道路にいたちり紙交換車の黒田大輔を揶揄するシーンでは、怒った男が怒鳴り込もうと店のガラス戸を叩くや、奥にいた姉の黒川が荒々しく戸を開けてアイスピックを手に迫ってゆき、弟たちが追いかけて制止させる。アイスピックは父親の形見で、姉弟はダメ親父と心を通わせたと言えるように見えた。

現在のシーンが続いて、姉の黒川が幼い娘を連れて、染谷将太の運転する車でBに向かい、不仲な夫と対決する。アイスピックがそこでも使われ、店内で姉が殴られているのを見た弟が、駐車場に停めてあった相手の車のタイヤをボコボコに突き刺し、それが若い夫婦の関係に決着をつけるのだ。

染谷将太はいわば不在の父親に替わって行動を起こすわけで、この後、Bから橋を渡ってAへと向かうラストが、彼のアップで終わる。
ですから、役者たちも何をするでもなくそこにいるということに、よく耐えていると思います。ですが、それだけで傑作と呼ぶには何かが足りないのだが、それは何なのか?が判らない。
さびれたドライブインに集う人々の行き場のない感情を、台詞数少なめに切り取る精度の高いカメラワークはさすがである。また、くすんだ空間に佇む男達がいい。小林ユウキチ、黒田大輔、吉岡睦雄、そして永瀬正敏。ほとんど同系色だが、微妙な違いで塗り分けられている。さらには、その上に塗られた染谷将太の圧倒的なグレーの色が。ぼんやりしているからこそ、鋭利な痛みがチクチクと残る感じがする。殺風景な橋というのが、現在と過去を繋ぐ構成で、この叙情がさすがで、ドキュメンタリー視線のようでもあった。
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チング 永遠の絆 ★★.5

2014年12月17日 | DVD作品ーた行
2001年に日本でも大ヒットしたクァク・キョンテク監督による青春ノワール・アクション「友へ チング」の12年ぶりに製作された続編。韓国裏社会を舞台に、親友ドンスを失ったジュンソクのその後の運命を、ジュンソクの父親の若き時代の物語を織り交ぜ綴る。主演は前作でも主人公イ・ジュンソクを演じたユ・オソン。共演にキム・ウビン、チュ・ジンモ。監督は前作に引き続きクァク・キョンテク。
あらすじ:2010年。所属する組織が対立してしまったことで、親友だった男を殺してしまったヤクザ、ジュンソク。罪を償い、17年の刑期を終えて組織に舞い戻るが、副会長にのし上がった兄弟分に牛耳られた組織は、もはやかつての居場所ではなかった。そして、父の愛情を知らないまま育ち、狂犬のように暴力をほとばしらせることでしか、自分が自分であることを確かめられなかったチンピラ、ソンフン。この深い孤独を心に抱えたふたりが、運命の出会いを果たす。偶然にも同じ刑務所に、高校時代の女友達ヘジの息子ソンフンが収監され、ジュンソクはヘジに頼まれ面倒を見ることに。
出所後、釜山に帰郷したジュンソクだったが、すっかり様変わりした組織にもはや彼の居場所はなくなっていた。彼の服役中に、組織は切れ者のウンギに乗っ取られていたのだ。そんな現状を嘆く会長のヒョンドゥは、ジュンソクの父親チョルジュと一緒に混乱期の釜山でのし上がっていった思い出をジュンソクに語って聞かせる。やがてウンギから釜山を取り戻す決意をしたジュンソクは、ソンフンを舎弟に迎え、ウンギ一派との激しい抗争に乗り出していくが…。

<感想>2001年公開の「友へ チング」は観ていませんが、後でDVDレンタルして観たいと思っています。本作は1970年代半ばから90年代初めにかけて韓国・釜山を舞台にした幼馴染4人組の、痛切な群像劇です。
12年ぶりに登場した続篇は前作から17年後の2010年が設定になっている。親友ドンスの殺害にかかわり、罪を償ったヤクザのジュンソク(ユ・オソン)が刑務所を出所し、故郷の釜山に舞い戻るところから始まります。
ヤクザ映画につきものの跡目の後継者をめぐる争いが展開するわけだが、それだけでは物語的につまらないと思ったのか、今度は亡きドンスの息子のソンフンを登場させて一大抗争劇を繰り広げるのです。

とはいえ、型通りの展開に終わる危険をはらみながらも、前作を引き継いだクァク・キョンテク監督は、圧倒的な演出力でこの伝統的な名作を見事に復活させているようです。
筋立てそのものは、ジュンソクが服役中に事件を握った副会長一派に対する復讐劇という単純なものですが、組織立て直しのためにジュンソクがソンフンに引導を預けるという主旋律は崩さずに、2人の皮肉で残酷な運命の巡り合わせを克明に描いていきます。

ソンフンは彼らの仲間だったドンスの息子で、みかけはチンピラのような風体で、そんなにイケメンではなく体つきも筋肉モリモリではありません。どちらかというと貧弱な体つきに、普通の男の子って言う感じ。それが、母親が水商売をして男と同棲。息子のソンフンもしかたなく一緒に住むも、毎晩のように夫婦喧嘩が絶えず、辟易して毎夜のごとく遊び歩いてはごろつきどもと喧嘩をしていた。

で、ある喧嘩で刑務所入りして、母親がジュンソクに息子のことを頼むのだ。まぁ、自分もソンフンの父親を殺した仲間として服役していたわけで、しかし、ソンフンの父親のドンスを殺したのは、同じ兄弟分の今では副会長としてのさばっている男が命令して殺させたのだ。

つまりは、どうせやるなら息の根を止めてころしてしまえということ。生半可にすれば、後で自分が殺されるからだという。若いソンフンにしてみれば、兄貴分のジュンソクの命令どうりに副会長の一派が病院にいるところを襲って、完全に息の根を止める。血の気の多い若い極道もんの役にぴったりの、新人キム・ウビンでした。

日本のヤクザもそうだが、韓国のヤクザも全員黒服を着て、外車をずらっと並べて、刑務所の外で兄貴分を出迎えるシーンに、組頭のボスの葬式でも黒服が勢ぞろいする。ヤクザの性分なのだろうか、それは、自らが得をするためなら、友人や家族でさえ出し抜こうとするのも当たり前となったこの時代に、友情だ仁義だと説くのは、もはや時代遅れと言ってもいいのかもしれない。

だが、いくら笑われようが、肩身の狭さを感じようが、人が誇らしく生きるのに必要なのは、心で結ばれた人との繋がりだと今なお信じている人もいるはずだ。韓国ヤクザの世界を描いたその描写の何と映画的な活力に満ちていることか。単なるヤクザの抗争から「韓国ノワール」への道を醸し出す雰囲気さえあります。
確かにここにはアメリカのギャングや、フランスのマフィヤとも異なる民族固有の世界がある。キム・ウビンはその世界に相応しい逸材といっていいと思います。しかし、同じ組織の者同士の争いに、拳銃によるドンパチよりも短刀やチェーンソーまでが登場する抗争シーンにが驚く。それでも、日本のヤクザ映画・北野武監督の「アウトレイジ」「アウトレイジ ビヨンド」や「仁義なき戦い」などの任侠映画には負けていますから。
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CO2 ★.5

2014年12月16日 | DVD作品ーさ行
猛暑続く10月のある日、キャバナス湖周辺で大きな揺れが観測された事を受けて、地盤調査員のローレンは原因究明のため湖へと向かっていた。一方、休日を過ごそうと湖を訪れていたネイサンとジェニファーは、水面から謎のガスが吹き出すという異様な光景を目の当たりにしていた。不気味に湖から発せられた謎のガスは瞬く間に周囲に充満し、ネイサン達はその場に倒れ込んでしまう。ローレンが湖に着くと、窒息状態で亡くなっているネイサン達がそこには居た。
制作年:2012、アメリカ、劇場未公開、監督:ジョン・デビュー
出演グレース・シン・イム、ジャレッド・スター、ケイト・ベイリー(Amazonより)
<感想>劇場未公開作品。突然空気中にCO2(炭酸ガス)発生。CO2濃度の異常上昇により、呼吸が不可能になるディザスターパニック映画。こんなことって信じられませんが、この作品の最大の問題が、地震によって地下深くに埋められていたCO2が、湖の底から水面に吹き出しガスとなって、山の下にある街全体にガスが蔓延して人間が死亡するという。
ある企業が、土地開発を進めていて、山の地下にそんなものを貯蔵しているとは、それを知っている偉いさんたちは、地震が起きて貯蔵していたCO2が漏れてくるなんて事考えていなかった。
助かったのは、いち早くCO2発生だと気付き、酸素ボンベを背負い街まで歩いて行く地盤調査員の人たち数人。ところが、街へ行く途中には死体がごろごろと転がっており、街に入るとそれがもっと多くの死人が。
CO2ガスによると、人間は窒息して死んでしまうし、ガソリン車も動かなくなってしまう。だから密閉された家の中とか、地下室にいてガスが風向きで消えていくまで、家の中にいた人達は助かりました。
で、地盤調査員の人達は、ボンベを背負いながら街へ入ると助けてくれと窓辺で救援をさけぶ人達。外へ飛び出してきて酸素ボンベを奪おうとする人達。その中でも、救助を求めていた父親と息子は、強引に地盤調査員たちと一緒に山奥へと歩き進みます。
途中で橋を渡る時、橋が壊れていて重いボンベを背負って渡るには危険が伴います。そこで、橋にあった車に積んであるハシゴを使い一人づつ渡ります。教授は橋が崩落して谷底へと、高所恐怖症の男が引き返して死んでしまいます。父親と男の子も何とか渡り切ります。
酷いのが、こんな時に見せる人間のエゴというか、自分だけ生き延びたいという悪魔のような心。街で一緒に山へ来た父親が、ここで俄然生き延びたくて酸素ボンベを独り占めしようとします。父親が地盤調査員の男性ともめて、拳銃を発砲。それでも、この男は腹を抱えながらなんとか最後まで頑張るのですが、夜明けを待たないで死んでしまいます。
山の途中にある養護施設に酸素ボンベを取りに入る一行。外へ出て、そこに硫黄の匂いがして、自分だけ助かろうとする父親に、すかさずライターの火を投げつけると、爆発が起きてその父親が死亡。自分の父親が病床で酸素ボンベで呼吸していたのを、外して持ってきた罰が当ったのでしょう。
最後に助かるのが、女2人と少年という。その少年がこの出来事を、大人になって小説に書いているという内容でした。他にも街で密閉された家の中で、じっとしていた人達とか、電気自動車で逃れた人たちが生き延びたそうです。
それにしても、なんと安上がりな撮影と知らない俳優さんたち。アジアン女優の企業の女と、地盤調査員の男とのベットシーンなどが途中で入り込み、これはいらないのでは。それに美人でもないのに、気性が荒いというか言葉が乱暴。一番しっかりしていた地盤調査員の若い女が、張り切ってみんなを誘導して生き延びるという、こんな時って必ず女が強いのよね。
なにしろ、全編盛り上がりに欠け、酸素ボンベを背負って、ぺちゃくちゃ喋り、観ていて緊迫感がなく、CO2が蔓延して酸欠状態になり、息ができなくなる恐怖とかもあまり画面からは感じられません。森の地下深くに貯蔵した企業の内容も、詳しく描写して無いので、環境汚染を考える映画なら、もっと真剣に取り組んで欲しかったと思います。
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HELL ★★.5

2014年12月16日 | DVD作品ーな行、は行
『2012』『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ製作総指揮で贈る文明が崩壊した“終末後(ポスト・アポカリプス)の世界"を描いた傑作サバイバル・スリラー!
あらすじ:2016年、太陽嵐の発生により大気温度は10度上昇。地球は不毛の惑星と化し、人類文明は終焉をむかえた。
灼熱地獄《HELL》の中、残されたわずかな希望を求め、人々は絶望という名の旅に出る…。荒廃した都市を離れたマリーとレオニーの姉妹は、車に残り少ないガソリンを積み、荒廃した都市を放れ山岳地帯を目指す。
しかし山間部にさしかかった車は、バリケードに行く手を塞がれ、謎の男たちによりレオニーが連れ去られてしまった。
必死で妹を捜すマリーは、エリザベートという女と出逢い、荒れ果てた農場にたどり着く。
<感想>劇場未公開作品。ハリウッドを代表するローランド・エメリッヒが制作総指揮の、サバイバル・スリラーというので観賞した。生き残るために暴行殺人が行われ、家畜小屋の奥に捉われた人間たちを食糧として飼育し保存しているという恐ろしいお話。
“終末を迎えた世界"のサバイバルを描く作品としては、『ザ・ロード』、『ザ・ウォーカー』などがあるが、それほど映画としては、エンタメ性もなく安上がりな作品に仕上がっている。つまりはB級映画です。
何故か雰囲気がメル・ギブソンの「マッド・マックス」を思い出してしまった。だが、荒涼とした殺伐とした感はなく、映像をセピア色にして、そういう地球上の実態を現わしているだけ。生き残るために、一族を存続するために人間を狩り、女には子供を産ませ、そして食糧にしてという残酷さが売り。
確かに水は貴重なもので、それに逃亡する車にガソリンと、それを手に入れるために主人公の姉妹が経験する、サバイバルストリーになっている。灼熱地獄のような太陽光線というが、長袖シャツや薄い布で顔を覆うだけ。
妹が連れ去られ、親切そうなそのお婆さんに誘われて、ついていったのが一軒の農家。だが一見優しそうに近づくお婆さんが、一番のボス的存在で、農家の納屋に、拉致した女や男を家畜小屋に閉じ込め、お婆さんは息子たちに食糧として人間の肉を切り刻ませる。料理をするのは、息子たちにあてがった拉致してきた女たちなのだ。中には息子の子供を妊娠中の女もいる。
家の2階へ行くと妹がおり、何とかそこから脱出を試みるのだが、姉の方がお婆さんに気に入られ、息子の嫁にと奇麗なワンピースに着替えるように言われる。窓を見ると脇組が木で打ちつけられているだけ。その木を外して布をたらして2階から下へと脱走しようとするが、姉は妹だけを外へ逃がして、後で森で落ちあうようにする。

主演は『4分間のピアニスト』で絶賛を浴びたドイツを代表する女優、ハンナ・ヘルツシュプルングが、姉のレオニー役を演じて頑張っています。
家畜小屋へ行き、中にいる拉致されていた男たちを助け出し、外へ逃げ出すも見つかってしまう。中にはライフルで撃たれるものもおり、かろうじてレオニーが助かるのだが、森へ妹を探しに行くも、そこへお婆さんの息子たちが駆けつけて捕えられてしまう。
お婆さんも追いかけてきたのだが、レオニーが家畜小屋から牛を屠殺する鉄砲みたいなものを持ってきていたのだ。その鉄砲みたいなもので心臓めがけて撃ち、婆ぁは死んでしまう。息子も悪い人ではないが、母親の言いなりで自分一人で生き延びるという勇気のない軟弱さ。
最後は息子一人と姉妹の3人で山越えして、途中で岩から沁み出る水を飲み、洞窟で寝て、苦労の果てに辿り着いた山の頂上から見た風景は、あるはずの緑の木々や河が干からびていて、何も無いという絶望の極み。最後の虚しさは、結局地球には住めないと言う事なのか。
どうでもいいけど、“終末を迎えた世界"という感じがしない。ただの森の中で迷った揚げ句に、人喰いお婆さんに捕えられるというお話。この映画も「CO2」と同じように、がっかりさせられました。
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