パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

人魚の眠る家★★★★

2018年11月29日 | アクション映画ーナ行

東野圭吾の同名ベストセラーを「SPEC」シリーズ、「RANMARU 神の舌を持つ男」の堤幸彦監督が映画化したミステリー・ドラマ。“脳死”と判定された我が子を巡って夫婦の運命が大きく狂っていくさまをエモーショナルに綴る。主演は篠原涼子と西島秀俊、共演に坂口健太郎、川栄李奈、田中泯、松坂慶子。

あらすじ:2人の子を持つ播磨薫子だったが、IT機器メーカー社長の夫・和昌とは別居中で、娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。そんな時、その瑞穂がプールの事故で意識不明となってしまう。医師からは回復の見込みはないと脳死を告げられ、夫婦は苦渋の決断で臓器提供を受け入れる。しかし薫子は直前になって翻意し、和昌の会社の研究員・星野のある研究成果に最後の望みを託すのだったが…。

<感想>娘を殺したのは、私でしょうか。この愛の結末に涙が止まらない――東野氏が言うには、「描かれているテーマは重く、ドラマは深く、派手なアクションシーンはありません。しかし間違いなく一級品の娯楽作品になっていました。私が密かに自負していた原作の『売り』を、見事に再現してもらっていました」と映画版に最大限の賛辞を贈っている!

大切な人が、もう目覚めないかもしれない――。本作は、誰の身にも起こりうる“日常に潜む事件”を入り口に、“衝撃”と“共感”という一見相反するテーマを、奇跡的なバランスで成立させた一作だ。

物語の主軸となるのは、離婚寸前の夫婦。すでに離婚が決まっていた薫子(篠原)と会社経営者の夫・和昌(西島)のもとに、ある日、娘の瑞穂(来泉ちゃん)がプールで溺れ、意識不明になった知らせが届く。医師から回復の見込みがないと告げられた夫婦が下す決断は、さらなる苦悩を生み出し……。眠り続ける娘を前に、絶望に叩き落される夫婦。だがそんなとき、ある一つの“道”が提示される。それは、娘だけでなく、家族や多くの人間の運命を左右する“決断”でもあった――。

子供でも親でも誰にでも起こりうることであり、人間が脳死状態で心臓が動いていても、死んでいると受け止めることはできるだろうか。病院の医師は、早く娘の心臓の臓器提供者として求めるのだ。確かに、幼い子供を持った親としては、自分の子供が心臓が悪くて臓器提供を願っていて、そこへ上手く年齢のあった臓器提供者がいれば好都合ということですよね。

しかし、まだ心臓が動いている我が子を見て、死んだとは認められない母親がいることは、自分がもしそうだったら、我が子が脳死状態で、臓器提供を求められたら、すぐには返事はできないでしょう。

そして、この映画の両親は、離婚間近なのに父親のIT機器メーカーの社員が研究をしている、人間の脳死の研究をしている星野に望みを託すのであります。それは素晴らしいもので、人工呼吸器だって肉体に埋め込むことが出来て、脳にも電極で信号を送り手や指、足まで動かす技術が発達しているなんて驚きでした。これで、この親子もこの治療のおかげで何とか、生きているような我が子の様子を見られて安心をし、自宅介護で頑張ります。

その研究員の星野(坂口健太郎)にも恋人ができ、結婚間近に迫っても中々、瑞穂ちゃんの容態のことが気がかりで結婚どころではありません。彼女の方が、痺れを切らして結婚を迫りますが、帰って星野の心を結婚に心を閉ざしてしまうのですね。

そんな時に、家族の弟が学校で、姉が死んでいるのに散歩をしたりして見せびらかしていると虐められてる。母親にそのことは、十分に伝わっているのですが、まだ我が子が死んだという実感が掴めないのだ。盛大な弟の誕生会に、誰も弟の友達が来ないし、そのことよりも、瑞穂ちゃんの友達が告白をするのですね。本当は自分が水死することになっていたのに、瑞穂ちゃんが彼女の為にプールに潜り、ビーズのブローチを探して溺れてしまう。そのことで、泣いて謝るその友達も、一生心にそのことを後悔して悔いが残るのでしょう。

その時にとった母親、薫子(篠原)の態度が尋常じゃなかった。ケーキのナイフを取り、瑞穂ちゃんの首にナイフを当てて、「この子は死んでいない、生きているの」今、私がここで、瑞穂の首にナイフを刺したら、「私がこの子を殺したことになりますか、それとも脳死で死んだ子供を刺し殺しても殺人にはならないのか」とみんなに向かって意義を唱えるのです。みんなは慌てて、やめてくれと懇願する。

さすが堤監督、いつか起こるかもしれない奇跡に取り憑かれた母親をメインにして、物語を引っ張っていき最後まで飽きさせないのだ。最先端のIT技術によって“脳死”のまま、成長を続ける娘の身体は、IT技術は現代の錬金術に近いものがあるから、この娘はいわば現代のフランケンシュタインとも言えなくないが、この映画では、逆に母親が怪物化してゆき、その愛と欲とエゴ、のエスカレートがスリリングでした。

そして、母親がハッと気が付くのですね。家族が崩壊していく、この娘を一生この状態で世話をすることは大変なことであり、弟も学校で虐めを受けていることだし、外へ散歩へ行けば、みんなが変人扱いする。

そんなことを考えて、父親とも相談して、母親が取った最後の決断は、娘の心臓を臓器移植提供することにするのですね。心臓移植提供を待っている子供たちのためにも。

生きているということはどういう事なのか。魂が存在するかということにも触れるネタとストーリー。脳死と呼ばれる状態になった人の手に、観ていて温もりが感じ、“死”という言葉に違和感を覚えた。

脳死に対する考え方は、ひとそれぞれなので、当然、映画で描かれていることに対する反応も人それぞれだろう。それでも助ける命と、助かる命をどう優先するのか?・・・と言うことに対して、時に不気味さを漂わせながら多角的に描いている点では評価したいですね。最後まで考えさせられるテーマでした。

 

2018年劇場鑑賞作品・・・232  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ブレイン・ゲーム★★★

2018年11月26日 | アクション映画ーハ行

2015年アメリカ映画。アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルを主演に迎え、共に予知能力を持つ犯罪アナリストと連続殺人鬼の対決を描いたサイコ・スリラー。監督は「トゥー・ラビッツ」のアフォンソ・ポヤルト。出演:アンソニー・ホプキンス(ジョン・クランシー博士)、ジェフリー・ディーン・モーガン(ジョー・メリウェザー)、アビー・コーニッシュ(キャサリン・コウルズ)、コリン・ファレル(見知らぬ男/チャールズ・アンブローズ)、ほか

あらすじ:女性捜査官キャサリンとともに連続殺人事件の捜査に当たっていたFBI特別捜査官のジョー・メリウェザーは、予知能力を持つ元同僚のジョン・クランシー博士に助けを求める。超能力など信じないキャサリンだったが、博士のおかげで捜査は急展開を見せる。やがて容疑者に浮上してきた男もまた、優れた予知能力の持ち主であることが明らかとなってくるのだったが…。

<感想>売りは連続殺人を読み解くアンソニー・ホプキンスと、対する容疑者コリン・ファレル、2大実力派の男優の超能力の駆け引きだが、事件を追うFBI捜査官役のキャサリンことアビー・コーニッシュが、個人的には主演挌になっているような感じです。

18年の「ジオストーム」で演じたシークレット・サービス役の延長のような、タフなパッキン美女であり、FBI仕様の防弾チョッキ姿も、キリっと銃を両手で構えて疑惑の部屋を急襲する雄姿も決まっていてよかった。ルックスもダイアン・レインに似てきたし、劇中では、ホプキンスが彼女を「ソー、セクシー」と褒めたりするので、よけいに綺麗に見えた。

ジェフリー・ディー・モーガン演じるFBI特別捜査官の、ジョー・メリウェザーが、元同僚のアナリストで医師のジョン・クランシー博士に助けを求めるのだが、容疑者役のコリン・ファレルも自分と同じように予知能力を持っていた。

日常の延長みたいな舞台設定で、予知能力者が自分よりもはるかに強力な能力者と出会い、人知れず戦いを繰り広げるという物語なのだが。

安楽死のテーマにある程度切り込めているのもいい。謎めいた美しい映像が、次々と挿入されるのが魅力的であり、観客を最後まで引っ張ることに寄っているのだが、こんなにも乱発せずに、ここぞと思うところに取っておいたほうが良かった気がする。

ベテランのアンソニー・ホプキンスの演技はさすがだけれども、「羊たちの沈黙」のころの彼だったら、年齢的にもぴったりだったのに、年齢が生きすぎているような感じがした。

アナリスト兼医者の主人公の家で、キャサリンは捜査資料をジョン(ホプキンス)に渡します。次の瞬間、ジョンの脳裏に血だらけのキャサリンの姿が頭をよぎるのでした。こういった予知能力がしょっちゅう映像に出て来る。

彼は、すべてを尽くして、連続猟奇殺人事件に挑む知的なサイコスリラーであり、ホプキンスが「羊たちの沈黙」以来、ハンニバル・レクター博士を演じた彼にはぴったりの配役であったと思う。

画面に提示される状況が、アンソニー・ホプキンスの脳裏に浮かんだ予知なのか、現実に起きていることなのか、惑わされてハラハラする瞬間もあるけれど、随所に挟み込まれるその他の予知イメージが、なんだかしょぼい“ターセム“といった感じのものが目だっていて、何だか白けてしまうことが多いようだ。

といいつつも、ホプキンスと、コリン・ファレルのが放つ圧力はさすがだし、それに釣られて最後まで見入ってしまった。とにもかくにも、2018年に観るには、時代錯誤に感じられてしまい、90年代サイコ・サスペンス風味の作品のように思えた。犯人像が複雑なアメリカでは、FBIにサイコキネシスを利用した捜査もあっていいように、脚本は書かれていて、細かいモンタージュにより、ホプキンスの未来予知能力を表現。

相対するコリン・ファレルも熱演であり、不気味な人間像が一気に語られるのだが、登場が遅すぎである。音楽も重厚な感じで、ホラー映画のように大きな音で驚かしたりはしません。

もう一つ驚くべきことは、ジョンの能力のことですね。殺人事件のあった部屋の奥に入ると、花びらが浮かぶ浴槽に浸かったまま、同じ手口で殺されている女性の姿がみえる。すると、ジョンは浴槽に沈んだ女性の首に触れるのです。触れたことで、殺された女性のことが理解できるのですね。驚くべき能力と、それに彼女の過去とか、被害者の夫を容疑者だといい、事情徴収をするように言うのです。

さらには、夫の携帯電話を見て、触り、夫しか分からない真実をつきつけてゆき、夫はゲイでありHIVに感染していること、そしてその妻である被害者も感染してしまったこと、妻の被害者は重度の神経症を患っていたことなどが判明していきます。

ジョンの能力に初めは懐疑的だったキャサリンも、驚きを隠せません。さらには、被害者の共通点には重病を抱えていたことまで解明するのです。この共通点をさらに確信的なものにするため、ジョンとキャサリンは、被害者の少年の司法解剖を求めに遺族の元へ訪れます。

道中、キャサリンはジョンの能力について質問します。ジョンは彼女と話しながら、これからキャサリンやジョーに起こるであろう出来事を予知能力によって見てしまうのです。

ジョンは仕方なく驚くべき真実を話します。犯人はジョンと同じような能力者で、その力はジョンよりも強大、そしてジョンも含めた捜査陣は、犯人の罠にはめられたんだと言うのです。

とにかく、犯人が先手、先手と先へ進むので、恐ろしい怪物でも見ているようでした。ジョーが犯人らしき男に銃で撃たれるも、彼が末期がんに冒されていることとか、ラストでジョンが明らかにする自分にも、同じ恐ろしいことを隠していると言うのです。最後まで引きずって行かれる、人間の予知能力の世界観を観ているようで、普通の凡人には付いていけない部分もあります。

2018年劇場鑑賞作品・・・231  アクション・アドベンチャーランキング

 

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旅猫リポート★★★★

2018年11月25日 | アクション映画ータ行

人気作家・有川浩の同名ベストセラーを「曇天に笑う」「BLEACH」の福士蒼汰主演で映画化した感動ロード・ムービー。やむにやまれぬ事情で別れなければならなくなった1匹の猫とその飼い主の青年による、新たな飼い主探しの旅をハートフルに綴る。共演は広瀬アリス、大野拓朗、山本涼介。また、猫のナナの声を高畑充希が務める。監督は「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」「覆面系ノイズ」の三木康一郎。

あらすじ:野良猫として誇りを持って生きてきたナナだったが、車にひかれて大ケガを負ったときに、猫好きの優しい青年・悟に助けられ、以来、悟の猫となる。悟の深い愛情に包まれ、幸せな日々を送るナナ。ところが一緒に暮らして5年、悟はある事情でナナを手放さなければならなくなる。そこでは悟はナナと一緒に愛車に乗り、新たな飼い主を探す旅に出るのだったが…。

<感想>1人と1匹の新しい飼い主を探す旅。ぼくは、最後まで、サトルの猫でいる。彼らの旅が終わる時、あなたはきっと幸せに包まれる――。原作は未読で鑑賞。泣ける映画と言っていたが、主人公のナナが死ぬのではなく、飼い主のサトルが、癌で死ぬということなのね。それで、一緒に住んでいるおばさん、母親の妹で検事なのかな、男勝りの気風のいい姉御肌の女性だ。でも、猫嫌いで、もうすぐサトルが病気で死ぬまでには、飼い猫ナナの里親探しをする旅。それも、昔仲良しだった友人を訪ねての旅です。時々、サトルの小学校から、高校生までの回想シーンが入ります。

本当だったら、おばさんの竹内結子が、ナナの世話を見てくれるといいのだけれどね。それが叶わないのだ。

高校時代の友人、写真館の澤田幸介に山本涼介が、2人で野良猫のハチを保護することになるも、幸介の両親は猫を飼うことに大反対されてしまう。

だから、ナナもダメで、猫好きの友人のところへと、そこには、すでに子猫をもらっていて2匹も世話が出来ないと言うのだ。

その次に、高校時代の友人である杉千佳子の広瀬アリスと、杉修介の大野拓朗のペンションへ泊まりに行き、ここでナナを世話してもらおうとするも、大きな犬と猫がいて、猫はすぐに仲良くなるも犬の方がダメで、結局は車に乗せて家へ帰ることになる。この時、サトルは千佳子にあの時は、君が好きだったことを告白する。修介に遠慮をして何となく言えなくていたのだった。

それにしても、猫が主人公なのだが、今時の“ぶさかわ”猫ちゃんでした。その声には、高畑充希さんが吹き替えをしていて、とても男の猫ちゃんなので、男意気というか、飼い主のサトルは本当に猫が大好きで可愛がり過ぎであり、猫の方はどちらかと言うと、ベタベタしてない自由主義という性格。それに、喧嘩ぱやくて、犬にも負けていないのだ。

しかし、飼い主のサトルの生涯といったら、まだ赤ん坊の時に、おばさんが検事をしているので、事件で子供を虐待して、捨てるという案件で、その赤ん坊を姉夫婦が引き取ることになる。小学校の修学旅行で、両親が不慮の事故で亡くなってしまう。なんていう悲劇なのか。それに、その時は、野良猫のハチを拾ってきて可愛がっていた。

おばさんが、サトルを引き取って育ててくれることになるも、おばさんは転勤が多くて、動物は飼えないというので、猫のハチは、遠い四国の人に里親になってもらうことに。そのハチも交通事故で亡くなってしまい、会いたいのに会えずになってしまう。心残りだよね。

その時に、サトルにおばさんが話すには、サトルは亡くなった両親の養子であることを知らせるのだ。だから、本当だったら、親せきの人たちやおばさんとも血の繋がりがないわけで、孤児院へ引き取られることになるはずだった。

それを、おばさんが、姉が本当に自分の息子のように可愛がって育ててくれたのを思い、自分が独身なのに引き取ることにしたわけ。旅の後半で、サトルは両親のお墓参りをします。

サトルの病名は明かされなかったが、余命数か月の癌であることに間違いない。猫とか犬と一緒に住む飼い主の物語というと、わりとほんわかとして、それにお涙頂戴のセリフがあり、観客もつい泣かされる。

しかし、この物語には最後の脚本が上手いので、誰でもが泣かされるに違いないと思う。飼い猫のナナが、サトルと分れるのが嫌で、病院の駐車場で行方不明になってしまう。それは、ナナがサトルにいつでも会えるようにと、考えた選択であり、つまり野良猫になることだった。誰かに貰ってもらうとサトルに会えなくなってしまうから。だから、サトルが病院の外へ車いすで散歩に出かけると、必ずナナが何処からともなく近寄って来るのだった。

病室で、あと数分でサトルが息を引き取るという時に、おばさんの竹内さんが、猫のナナを病院の玄関で見つけて部屋に抱いて行く。看護婦も先生も無言でうなずくところ、最後にナナを抱き、天国へと旅立つサトルの幸せそうな顔に、泣かされます。福士蒼汰さんのサトルは、素で演技をしているような、そんな感じの優しい青年の役でした。だから、猫のナナもサトルに懐いていて、他の飼い主なんて受け付けないし、最後まで義理堅い性格の猫ちゃんでした。

 

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LBJ ケネディの意志を継いだ男★★★・5

2018年11月25日 | アクション映画ーラ行

 ウディ・ハレルソンがケネディ暗殺直後に、急遽大統領に就任したリンドン・B・ジョンソンを演じる伝記ドラマ。南部出身でありながら、ケネディの意志を継いで差別撤廃に尽力したジョンソン大統領の葛藤と知られざる政治手腕を描き出す。共演にマイケル・スタール=デヴィッド、ジェフリー・ドノヴァン、ジェニファー・ジェイソン・リー。監督は「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー。

あらすじ:議会で民主党のリーダー的存在だったリンドン・B・ジョンソンは、1960年の大統領予備選で若きエリート政治家ジョン・F・ケネディに敗北を喫するも、ケディの要請で副大統領候補として大統領選を戦い、彼の勝利によってそのまま副大統領に就任した。しかし、カリスマ性溢れるケネディの輝きの前に、いつしか国政の蚊帳の外に置かれていくジョンソン。ところが1963年11月22日、ケネディが暗殺され、ジョンソンはそのわずか98分後には、第36代アメリカ大統領に就任することに。国中が悲嘆に暮れ、自身もケネディと比較され、多大なプレッシャーがのしかかる中、ジョンソンはある決意を固める。それは南部人である自らの信条よりもケネディの意志を尊重し、公民権法の成立を目指すというものだったが…。

<感想>過去(JFK)には戻れない、けれど未来は変えられる。ケネディ暗殺後、アメリカ大統領に就任したリンドン・B・ジョンソンの苦悩と挫折、闘いの日々を描いた真実の物語。この題名を見て「リンドン・ベイン・ジョンソン」とはっきり発音できる人が何人いることか、かくいう私もミドルネームのベインズには自信がなく、「リンドン・B・ジョンソン」と記憶していた。

名前はともかくとして、その業績となる「JFK=ケネディ大統領の後継者であり、1963年11月、彼が暗殺された後に98分で大統領に就任した副大統領」とか、「ケネディの遺志を継いで公民権法を成立させた南部出身の民主党員」と記憶しているぐらいであります。

むしろ、無礼で、下品で、貧乏で、南部育ちのジョンソン。上流社会のケネディとは正反対の男だった。ですが、そんな彼が、人種差別撤廃など、ケネディが夢に見た理想を実現してゆく。そして、ベトナム戦争を推し進めた大統領としては、すこぶる評判は良くなかったのだが。その大統領をなぜにロブ・ライナー監督は映画にしたのか。しかもウディ・ハレルソンという超個性派の俳優を抜擢してまで。

答えは観てのお楽しみといいたいところだが、これだけ評判の悪い大統領を弾効の声さえ聞こえて来る現大統領と比較するかのように、今取り上げる意図はどこにあるのか?。という難しい問題はさておき、1本の映画として観ると、一人の大統領の苦悩と不安の生涯をかなりリアルに描いていて見応えが十分なのである。

北東部出身のエリート議員であるケネディとは、対照的な南部出身の成り上がりのリンドン・B・ジョンソン。その彼が副大統領の指名を受けたばかりに開けた大統領への道。

だが、その過程ではケネディの弟である司法長官のロバートらとの、確執が待ち受けており、という政治の裏舞台をきっちりとふまえた上で、ハレルソンがそのリンドン・B・ジョンソンをどう演じたのだろうか。

結論から言えば、さすがのハレルソン、相手を口汚くののしる前半から人が代わったように「忍」の姿勢を貫く後半へと変貌を見せていてお見事と言いたい。どちらかと言えば、癖のある演技で注目されたこれまでの彼を、封印できたのは、ジョンソンのそっくりさんとも言えるメークのせいもあるのだろうが、謎の部分がより一層強調されたようで、人物像に奥行きが出ていた。それにしても、ジョンソンとは何者だったのか。未だに釈然としないものが残るのだ。

第36代アメリカ大統領リンドン・B・ジョンソンは、このテキサスの粗暴さを武器にして、公民権法と投票権法を成立させ、50年代以降、アメリカ国内で活発化していた公民権運動に決着をつけた人物なのである。

もちろん、公民権法の基礎は先代のジョン・F・ケネディによるものですが、いわば「型」から入って理想を打ち立てたJFKに対し、LBJは「型破り」な粗暴さで、反発勢力の妨害にも怯まずそれを押し通したのであります。反発勢力の人物としては、南部出身の下院議員を演じているリチャード・ジェンキンスが演じているのも良かった。

一方では、LBJの泣き所は人脈の欠落であった。JFK暗殺後、彼の人脈、いわゆる「ベスト&ブライティスト」うぃまるごと受け継ぎ、彼らが固執したベトナム政策では泥沼に落ち込んでいく。大統領執務室の机の影にかがみこみ、片手で顔を覆うという苦悩するJBLの写真が残されている。結果的にベトナム戦争が、LBJの命取りとなった。

もっとも、黒人たちは、ジョンソンこそが白人側から差し伸べられた最大の救いの手であることに、いち早く気づいていたのだった。公民権法が成立するまでは、黒人にとって愛すべき大統領と言えば、フランクリン・D・ルーズベルトだった。かつては奴隷制を支持するなど極めて差別的だった民主党を、1930年代に改造し、今日の革新政党に生まれ変わらせ、自分たち黒人をかばってくれたからだ。

しかし、公民権法成立以後は、黒人たちの家にそれまで飾られていたフランクリン・D・ルーズベルトの写真に代わって、リンドン・B・ジョンソンの顔写真が掲げられたという。

2018年劇場鑑賞作品・・・229  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生★★★・5

2018年11月23日 | アクション映画ーハ行

「ハリー・ポッター」シリーズのJ・K・ローリングが、後にハリーたちが使っていた教科書『幻の動物とその生息地』を著わすことになる魔法動物学者ニュート・スキャマンダーを主人公に贈るファンタジー・アドベンチャー「ファンタスティック・ビースト」シリーズの第2弾。逃げ出した黒い魔法使いの野望を阻止すべく、仲間たちとともに魔法界最強の敵に立ち向かうニュート・スキャマンダーの活躍を描く。主演は引き続きエディ・レッドメイン。共演にキャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー。またジョニー・デップとジュード・ロウがそれぞれ黒い魔法使い役とダンブルドア先生役で参加。監督は前作に引き続きデヴィッド・イェーツ。

あらすじ:ある日、史上最強と恐れられる“黒い魔法使い”ことグリンデルバルドが逃げ出した。するとホグワーツ魔法学校の卒業生ニュート・スキャマンダーの前に恩師のダンブルドア先生が現われ、“黒い魔法使いを倒せるのは君だけだ”と告げる。突然の大役に困惑しながらも、魔法界と人間界の危機を救うため、仲間や魔法動物たちとともにグリンデルバルドを追ってパリへと向かうニュートだったが…。

<感想>映画史に刻まれる大ヒットシリーズの「ハリー・ポッター」に続き、世界的ベストセラー作家のJ・K・ローリングの、新たな魔法シリーズとして誕生した「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」。

日本でも“ファンタビ”現象を巻き起こした前作から2年。新章が幕を開ける。魔法動物学者として世界を旅する魔法使い、ニュート・スキャマンダーの今度の冒険の舞台はイギリス、そしてフランスのパリへ。世界の支配を企む“黒い魔法使い”を追って、ニュートと仲間たちが新たな冒険を繰り広げる。

もはやエディ・レッドメイン=ニュート・スキャマンダーと言いたくなるほど、そのビジュアルが染みついた、「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主役を背負いたつレッドメイン。ヒーローと言うのには、おっちょこちょいで、アウトサイダーと呼ぶにはお茶目すぎるけれど、そんな放っておけない彼の魅力はもうクセになるくらいにキュートで、愛らしく、彼がお気に入りの魔法動物や仲間たちと繰り広げるアドベンチャーから目が離せない。

今回の第二弾では、あらゆる点が格段にスケールアップ、主要キャラの数も一気に増えるし、「ハリポタ」世界とのリンクとなるダンブルドア先生(ジュード・ロウ)も絡んで来るし、登場人物の「家系図」のややこしさ(J・K・ローリングのあるある、ですね)もエスカレートして、早くもあみだくじ状態なのだ。

前作でのニューヨークから一転して、ロンドンに戻ったニュートは、魔法動物に関する本を出版し、評判を呼ぶが、そんな時にホグワーツの恩師でもある、ダンブルドアから、グリンデルバルドを阻止するように頼まれる。

本作は1927年、前作の後。米国で捕らわれていたグリンデルバルドが欧州への移送中に脱走するという場面からスタートする。警護と彼が激しい空中戦を繰り広げる手に汗握るオープニングである。逃げ切ったグリンデルバルドは、パリで邪悪な計画を始動するわけ。

一方、ニューヨークでニュートが出会った仲間たちも、アメリカ魔法省に勤めるティナ(キャサリン・ウォーターストン)と、その妹のクイニーが惹かれるノーマジ(人間)のジェイコブ(ダン・フォグラー)も、パリを訪れニュートに再会することになる。

さらにはイギリス魔法省のエリートであるニュートの兄、テセウス(カラム・ターナー)が、ニュートの初恋の人、リタ(ゾーイ・クラヴィッツ)と婚約しているということが分かる。ニュートと兄のテセウスの関係はちょっと複雑で、テセウスは肉体的に屈強で、偉大なヒーローなのだ。人々から尊敬されているキャラクターであり、そして社交的でもある。

一方、ニュートはもっと内気で、家族の中でいわば厄介者だ。でも兄弟の間には愛がある。テセウス役のカラムは、そんな二人の絆を表現するように気を配っていた。

戦いの新たな舞台となるのは、パリの街、ロマンティックな雰囲気に触発されてか、ラブロマンス的な要素も倍増していて、フラッシュバックで描かれるニュートのホグワーツ時代の姿や、同窓生で初恋の相手が登場したかと思えば、あのジェイコブとクイニーとの二人の「禁断の愛」にも新展開があるのですね。

そして、何よりも凄いのはジョニー・デップが演じる「黒い魔法使い」、その名もグリンデルバルドと、いい年をした大人も、童心に返って無邪気にはしゃぎたくなるほどに、“萌えポイント“の多さこそが、「ファンタビ」シリーズの最大の魅力なんだと思う。

それに、前作のラストで驚きの登場をしたグリンデルバルド役のジョニー・デップと、若きダンブルドアに扮したジュード・ロウとの共演も。“ハリポタ“最大の敵ヴォルデモードにも並ぶ最凶の魔法使いとして本領を発揮してゆく。この悪のカリスマを演じるのがジョニー・デップであり、鬼気迫る熱演がサスペンスを加速する。ですから、とてもエキサイテングであり、彼の存在によって、ダンブルドアとニュートのシーンに、師弟関係の面白さがもたらされる。

それにダンブルドアは、例えニュートが学校で好かれているタイプじゃなくても、常に彼を信頼する。ニュートとダンブルドアの関係もまさにそうであり、常に彼を尊敬しているし、彼を信頼している。

パリのセーヌ河全体に霧がかかったような映像もあり、グリンデルバロドとの対決が、街を覆うようなスケールであることがイメージされる。ジョニー・デップ演じる黒い魔法使いは、マジシャンにロックスターを混ぜたイメージだ。

「ハリポタ」シリーズに登場した、ヴォルデモートに仕える蛇のナギニ。本作のサーカスパフォーマー、マレディクタスは“ナギニ”と呼ばれ、大蛇に変身する“血の呪い”を受けている。ナギニは、クリーデンス(エズラ・ミラー)と心を通わせているのだ。

「闇祓い」魔法界におけるエリート捜査官であり、闇の魔術に関連した犯罪を捜査する。ティナーは一度解任されるものの、本作で闇祓いに復職する。ニュートの兄テセウスは、イギリスでもトップクラスの闇祓いである。

グリンデルバルドと深い関わりを持つホグワーツの魔法魔術学校の偉大な魔法使い、ダンブルドア先生は、信頼あする元教え子のニュートにグリンデルバルドの追跡を託すのだった。どうやらグリンデルバルドは、強大な魔力を秘めたクリーデンス(エズラ・ミラー)を追ってパリへ飛んだらしい。

そしてまた、闇祓いに復帰したティナもパリへと向かったらしい。ニュートは人間のジェイコブとその恋人の魔法使いクイニーに再会して、魔法のトランクを手にパリへと向かう。

パリではグリンデルバルドが。言葉巧みに賛同者を増やし、勢力を広げていた。「我々魔法使いは選ばれし者」という思想を持つ彼の目的は、魔法使いが世界を支配することだった。その計画に欠かせないのがグリーデンスの力。クリーデンスは、パリのサーカスに身を寄せて、本当の家族を探していた。今、パリで、すべての者たちの運命が交錯するのだった。実は、クリーデンスの兄はダンブルドアだということが分かる。

パリの街で、魔法動物たちの戦いが壮絶である。パワーアップした魔法の世界を劇場で体感して下さい。

2018年劇場鑑賞作品・・・228  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ★★★・5

2018年11月22日 | アクション映画ーハ行

アメリカとメキシコの国境をはさんで繰り広げられる壮絶な麻薬戦争の実態を描き、アカデミー賞3部門にノミネートされたクライム・アクション「ボーダーライン」の続編。前作でベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンが演じたアレハンドロとマットを主人公に、もはや一切のルールが無力化した国境麻薬戦争の泥沼を、予測不能の展開でスリリングに描き出す。共演はイザベラ・モナー、ジェフリー・ドノヴァン、キャサリン・キーナー。脚本は再び「ウインド・リバー」のテイラー・シェリダンが担当し、監督は新たに「暗黒街」のステファノ・ソッリマが務める。

あらすじ:アメリカ国内で自爆テロが発生し、犯人の不法入国にメキシコの麻薬カルテルが関わっていることを重く見たアメリカ政府は、CIA工作員マット・グレイヴァーにカルテル壊滅の極秘ミッションを命じる。マットは旧知の暗殺者アレハンドロに協力を仰ぎ、カルテル同士の戦争を誘発するために、敵対するカルテルの仕業と見せかけ麻薬王カルロスの娘イサベルを誘拐する非情な極秘作戦を決行するのだったが…。

麻薬王の娘イサベルを敵対組織を装って誘拐拉致し、一度アメリカ国内に戻った上で、麻薬取締局として彼女を救出する。メキシコ国内に送り届けるというのが作戦の内容だった。しかし、拉致、移送までは上手くいったが、メキシコに入ったところで麻薬王レイエスの息のかかったメキシコ警察の襲撃を受け、イサベルが行方をくらますのだ。アルハンドロは単身、イサベルを追って砂漠地帯に入り込み、さらに危険に見舞われてしまう。

<感想>このルール無き戦いに、終わりはあるのか――。緊迫化する国境麻薬戦争、極限の臨場感は次なる<境界(ボーダー)>へ。絶賛された前作の「ボーダーライン」から2年ぶりの続編である。

前作ではエミリー・ブラントが物語を進めていたが、今回はベニチオ・デル・トロ演じる屈折した過去を持つコロンビアの元検察官アレハンドロが新たな任務に就き、ジョシュ・ブローリン演じるCIA特別捜査官のマット・グレイヴァーが、タッグを組んで完全に軸となる物語。この2人の圧倒的な存在感がこの作品最大の魅力でもある。

その他、麻薬王の娘イサベル役をイザベラ・モナー「トランスフォーマー 最後の騎士王」、CIA副長官役をキャサリン・キーナー、マシュー・モディーンらが共演。

しかし、極秘作戦は敵の奇襲や米政府の無慈悲な方針変更によって想定外の事態を招き、メキシコで孤立を余儀なくされたアレハンドロは、任務、復讐、そして人質として保護する少女の命の狭間で、過酷なジレンマに直面する。兵士としての任務よりも私的人間関係を選び、国境を彷徨うデル・トロに感情移入してしまった。

メキシコ麻薬戦争を素材にしていて、監督は違うけれど、製作・脚本をお案軸する前作の「ボーダーライン」や、ドキュメンタリーの「カルテル・ランド」とともに、この作品も見応え十分でした。トランプ大統領が、今も解決できない問題なので、いろいろなアプローチもできる。

さらに麻薬戦争の渦中に飛び込むのではなくて、新たに戦争を勃発させる物語となっているので、前作のような深い淵を覗いてしまった恐怖も衝撃も、ドラマ性も薄くなっている。かといって、バイオレンスだけに徹してはおらず、デル・トロとカルテル首領の娘イサベルとの、殺伐としながらも意外と染みる国境越えの模様を用意していたりするのも良かった。

メキシコの麻薬カルテルの壊滅作戦に乗り出すことになるのだが。作戦の目的は、前作と同じなのだが、前作が組織の長を狙うものだったのに対して、今回は麻薬組織がテロとも絡み始めたため、数々の組織同士を抗争状態に追い込んで全体を弱体化させようと目論むもの。

イサベルがメキシコに送り届ける時の車両は、軍用の多目的装甲車である。後半にマットが乗るのは攻撃ヘリのブラックホーク。彼がCIAという設定なので軍用機材が登場するわけ。

前作がメキシコでの麻薬組織の凶悪化による社会不安という時事問題をベースに作り上げたアクション・ドラマだったのに対して、すでに完成した「ボーダーライン」の世界を力わざで発展させていくのが今作だった。

実際の事件をヒントにした傑作「ダーティハリー」と、その続編としてフィクションの事件を描き、今ではやはり名作と評価されている「ダーティハリー2」の関係にも似ているようだ。中東系のテロが、メキシコからアメリカ入りするアイデアは新鮮で中々いい感じだ。

後半部分で、デル・トロが頭を撃たれて気を失っていたのだろうか分からないが、死んだように動かないのに驚くとともに、ジョシュ・ブローリンが乗っているヘリが旋回して帰ると、動き出すデル・トロに驚かされる。生きているのだ。1年後に、メキシコのテロ組織の一員となった少年に会いにいくデル・トロがいる。

そして、音楽も前作のヨハンヨハンソンの曲が、重厚を帯びていて良かった。演出部の不注意だと思うような箇所が幾つか観られたのが惜しい。だが、制作陣の執念にただ脱帽した。

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マイ・プレシャス・リスト★★★

2018年11月20日 | アクション映画ーマ行

超天才だけどコミュニケーション能力に難ありのヒロインの幸せさがしの悪戦苦闘をユーモラスに描いた青春ラブ・コメディ。主演は「ミニー・ゲッツの秘密」のベル・パウリー。監督は「さよなら、僕らの夏」の本作が長編初監督作品となるスーザン・ジョンソン。

あらすじ:ニューヨークのマンハッタンに暮らすキャリー・ピルビーはIQ185の超天才少女。ハーバードを飛び級で卒業したものの、実はコミュニケーション能力に乏しく、引きこもり気味で、読書するばかりの孤独な毎日を送っていた。そんなキャリーを心配したセラピストは、彼女に“ペットを飼う”“友だちをつくる”など6つの課題が書かれたリストを渡し、それをクリアするようアドバイスする。半信半疑ながらも、ひとまず外へ出て一つずつ課題をクリアしようとするキャリーだったが…。

<感想>「幸せになるためのリスト」はじめます。女性のリアルな本音を描き、現状を変えようとする主人公の姿に励まされる前向きなメッセージが詰まった作品。主人公のベル・パウリーの丸顔と背格好が、いかにも18歳でハーバード大を飛び級で卒業したIQ185の超天才少女にピッタリとハマっていた。

本作のベルはロンドン育ちの屈託した少女役で、独特のクィーンズ・イングリッシュのアクセントがNYでは浮いているように見えた。と思って観ていたら、エル・ファニング主演の「メアリーの総て」では、ベルがバイロン卿と火遊びをして妊娠をする義理の妹を演じていると言うのだ。「メアリーの総て」は、12月にミニシアターで上映されるので、今から楽しみです。

IQ185の超天才少女の悩みなど想像もできないが、コミニケーション能力に問題のある辛さは理解できる。要は、高知能=万能女子ではないと言うことだ。

セラピスト(演じているネイサン・レインがなぎら健壱にそっくりなのにびっくりした)が、提示した幸せになるためのリストが、果たしてどれほどの効き目があるかは疑問だが、やたらコミュニケーションの必要性が論じられる現代でもある。

コミュニケーション障外のこじらせ女子は、結局イケメンに気に入られなければ幸せにはなれないのか。学力と実力が比例しないのも、ありのままの自分で生きるにはそれなりの覚悟が必要なのも納得できるのだけれど、自分の能力を生かせる場所や、相手を探す方がよっぽど現代的なのではないかと思う。

ただし、主演のベル・パウリーのキャスティングが良かったので勝ちですよね。ファニーフェイスなのに、プリンセス感があってこの手のヒロインにぴったりなだけに、前時代的な価値観に基づいたドラマに説得力を持たせてしまっているのが皮肉ですよね。

キャリーのリストは「ペットを飼う」「子どもの頃好きだったことをする」「1番お気に入りの本を読む」などと、すぐに実行できそうな項目が多いが、6つの課題リストをきっかけに、戸惑いながらも成長していく姿を描く感動作。

最初に登場する大学教授のハリソン教授(コリン・オドナヒュー)は、孤独だったキャリーに手を差しのべてくれた、大人の魅力あふれる男性。

その次に出会いのシーンが映されるマット(ジェイソン・リッター)は、2カ月後に結婚を控えた恋人がいるにも関わらず、新聞に恋人募集の広告を載せていた男性。キャリーは怪しく思い偽名を使いながらも、リストの課題をクリアするためにデートをする。

最後はキャリーの隣に住むサイ(ウィリアム・モーズリー)が登場し、路上で怪しげな楽器を弾いているサイに文句をつけたことで知り合う。「ナルニア国物語」での美少年から、現在はぐっと大人の魅力が増したモーズリー。本作では、キャリーの背中をそっと押してくれる隣人のサイを演じている。キャリーが幸せを見つけたとき隣にいる男性は誰なのか、本編の結末を期待させる映像になっている。

引きこもりだったキャリーが意を決して外に出てみると、実は世の中に、自分と同じような「ヘンな人」がけっこういるものだ――というあたりが、あったかくていい。それは「人と会わずにすむ」という理由で集う深夜バイトの仲間だったり、MIT卒の優柔不断すぎるイケメンだったり。そんな人々との関わりから、キャリーは自然と一歩、おとなの階段を登るのだ。その他にも、キャリーの父親を演じたガブリエル・バーンが渋い。

恋も仕事も自分には関係ないと決めつけていたキャリーだったが、リストをきっかけにやがて人生が変わっていく。天才だがリストをこなすのに苦労するキャリーを身近に感じ、本作の鑑賞後には実際に自分用のリストを作成した人々が多いそう。リストに従い克服するヒロインは嫌味がなく感じが良かったのも好感がもてる。

 

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華氏119★★★★

2018年11月19日 | アクション映画ーカ行

 「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、トランプ大統領を誕生させたアメリカ社会の混迷ぶりを解きほぐしていくドキュメンタリー。

<感想>本作での「華氏119」では、トランプの過去を洗い、大統領選でのヒラリー・クリントンの敗因を分析、選挙制度問題の不備を指摘し、民主党の内部抗争を暴き、民主党の体たらくぶりを告発している。

さらには、銃乱射事件で生き残った高校生の銃規制への涙の訴えや、汚染水問題に立ち上がった住民、低賃金に抗議する教師のストライキなど、巨悪に立ち向かう個人の勇気ある国民を紹介し、一人一人の行動を呼び起こす。2018年11月6日に行われる米中間選挙に先駆けて「華氏119」は全米で公開された。果たしてムーアはトランプに打ち勝つことが出来るのだろうか?

映画の冒頭で、トランプが選ばれたのにはグウェン・ステファニのせいもある、というユーモア溢れるくだりが大きく取り上げられてしまったことは、作り手であるムーアにとって、やや意外だったようだった。

当時、トランプは、メジャーネットワークNBCで、リアリティ番組「The Apprentice」に出演していた。ステファニは、やはりNBCが放映するコンテスト番組「The Voice」にに出演している。NBCがステファニに自分よりも高い額のギャラを払っていると知り、激怒したトランプは、「自分がどれだけ愛されているかを証明する方法を考え、あるアイデアを思いついた」と、ムーアは言う。それが大統領選への立候補を表明することだったとは。その時は、本気じゃなかったと言う。だけど群衆を前にしてそれを口にしたことで、その気になってしまったと言うのだ。

トランプ叩きの映画として早くから期待されてきた今作は、トランプ以外のことをも容赦なく叩くのである。例えば民主党だ。本来ならば一般人、労働者たちの味方であるべき民主党が、共和党と同じようなところから政治資金をもらい始めたことで、その機能が弱まってしまったことにある。

ヒラリー・クリントンが、ウォール街から多くのお金をもらってきたことは、選挙中にもたびたび指摘されていたが、映画はそれよりもっと前に遡って、近年の民主党の変化を説明する。もう一つは選挙人制度。2016年の選挙で、投票総数ではクリントンが勝っていた。ですが、奴隷制度から残る当時の妥協の結果だった選挙人制度のせいで、トランプが当選してしまったのであります。選挙人制度のもとでは、民主党寄りのカリフォルニアなどは圧倒的に損で、奴隷制度が根強かった南部が得なんですね。

映画は途中から選挙問題から離れて、つい最近アメリカに衝撃を与えたいくつかの出来事に話題を移す。一つはミシガン州フリントの水道水汚染問題。もう一つは、今年2月にフロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件。さらには、學校の先生の給料が安すぎの、ストライキが起きたことにも触れられます。それらの根底にあるのは、民主主義の歪んだ現実と、メディアの統合の弊害であります。

フリントの問題は、アメリカで大きく報道されたが、初めてニュースに取り上げられたのは、14カ月も経ってからのこと。しかもアメリカ国外では、このことについて知らない人の方が多い。大きな湖と川が流れて水道水は十分にまかなっていけるはずだったのに、その湖や川に自動車工場から鉛が垂れ流しにされて、それが水道水を汚染させて、口にしたフリントの人々は鉛を体内に貯蓄して病気になるという。そのことを、メディアが大きく取り上げ騒げば、州の水道局が動き、害のない水道水を供給できるようになるはず。

フリントはデトロイトから60マイルほどのところにある。自動車産業の中心地だったデトロイトには、かつて、ABCや、CBS、ニューヨーク・タイムズ、L.A.タイムズなどが支局を置いていた。それらは、全部撤退している。メディアが減ると、ジャーナリストたちは、それまでの倍以上の範囲を担当しなければいけない。だから、人口10万人の街で、勝手なことをやれるんだよ、誰にも気づかれないからね。

次のバークランドの高校生たちが、事件後に全国規模で抗議マーチを実現させたことだ。海外でも広く報道されて、あの子たちの行動が、さらにしっかりと描かれ感心させられます。

中間選挙まで2カ月を切った9月初旬に、トランプ政権への支持率は下落したことについて、米中の貿易戦争で農家が打撃を受け、大統領選でトランプを支えた中西部では目立ってダウンしていることも明らかになった。また米紙ニューヨーク・タイムズが、大統領を批判する匿名の「トランプ政権幹部による告発」を掲載したことで、高感度が大きく低下したことも見られる。

さらには、若者層に絶大な人気を誇る女性歌手のテイラー・スウィフトが、中間選挙で民主党に投票するとSNSで表明。カントリー・ミュージック出身で保守層から人気も高い彼女の発言が、与える影響力は多大と見込まれます。

そして、米最高裁判事にトランプ大統領が指名した保守派の、ブレット・カヴァノーが正式就任したことも、米国中を騒然とさせた。彼には、過去に性的暴力疑惑が次々と浮上しており、彼を擁護する共和党とトランプに批判が集中したというのだ。これら一連の流れを受け、中間選挙へ向けて特に下院での共和党の劣勢が報じられている。

今作「華氏119」は、トランプ政権への逆風を追い風とし、中間選挙で民主党を勝利に導く一撃となり、2020年のトランプ再選を阻止できるか、という強いメッセージが伺われます。

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GODZILLA 星を喰う者★★・5

2018年11月17日 | アクション映画ーカ行

「ゴジラ」シリーズ初の長編アニメーション映画として、虚淵玄によるストーリー原案・脚本、ポリゴン・ピクチュアズのアニメーション制作で贈るSFアクション3部作の完結編。主人公ハルオがゴジラへの強い復讐心と人として為すべきことの狭間で葛藤を深める中、人類最後の希望“メカゴジラシティ”すらも焼き尽くした“ゴジラ・アース”と高次元怪獣“ギドラ”との壮絶な激突が描かれていく。監督は引き続き「名探偵コナン」シリーズの静野孔文と「亜人」「BLAME!」の瀬下寛之。

あらすじ:ゴジラ討伐に執念を燃やすハルオだったが、“ゴジラ・アース”打倒で共闘していたはずの異星人種族ビルサルドとの亀裂が表面化、“ゴジラ・アース”撃退の唯一のチャンスを逃してしまう。人間たちに敗北感が広がる一方、宗教種族エクシフの大司教メトフィエスは、ハルオが戦いを生き延びたことは“奇跡”だと唱え、信者を増やしていく。やがて地上の覇者となった“ゴジラ・アース”の前に金色に光り輝く怪獣“ギドラ”が降臨、破壊王と虚空の神による異次元の戦いが始まろうとしていた。

<感想>2万年にもわたって地球に君臨し続けてきたゴジラを倒そうと奮闘する人類の姿を描いたシリーズでの、その最終章では、地上の覇者となった究極の生命体ゴジラ・アースと、高次元怪獣ギドラの戦いが繰り広げられる。

主人公であるハルオたちの母船・アラトラム号が、ギドラの出現により緊迫した状況に追い込まれる冒頭シーンに始まり、人類の末裔であるフツアの双子の巫女が“神”と崇めるものの卵の姿も明らかになっている。

さらには、異星の大司教メトフィエスとハルオが滅びゆく地球で相対する様子や、彼ら2人の戦いを支える人類の心熱くなるドラマが展開していく。

21世紀初頭、ゴジラに地球を奪われた人類は、一部の人類を他恒星系への移住に送り出すも、計画は失敗に終わる。失意のまま地球へと帰還した人類を待ち受けたのは、二万年後の変わり果てた姿になった地球だった。

あらゆる動植物がゴジラ細胞を持つ<怪獣惑星>と化した地球。そこに君臨するのは体高300mを超える史上最大のゴジラ<ゴジラ・アース>だったのです。

ゴジラ討伐に執念を燃やす主人公ハルオは、人類の遠い子孫である種族フツアと出会う。ハルオたちは、フツアの双子の姉妹マイナとミアナの導きにより対G決戦兵器・メカゴジラの残骸が、増殖を続けていることを発見。残骸を構成するナノメタルを使って武装要塞都市<メカゴジラシティ>を起動させ、<ゴジラ・アース>に挑む。

この作戦の中、かねてより共存してきた異星人種族の一つビルサルドと人間たちとの亀裂が表面化する。ビルサルドのリーダー・ガルグの「ゴジラを倒すならば“ヒト”を超えた存在へ」という信念に対し、ハルオは「怪獣を倒すために自らも怪獣になってはいけない、“人”として打ち勝つべき」という信念を捨てられなかった。

ついには、<ゴジラ・アース>を倒す唯一のチャンスを捨て、ハルオはガルグを葬ってしまう。一方、ハルオの幼馴染であるユウコはビルサルドによる人体の強制ナノメタル化により、脳死状態に陥ってしまった。

人間たちに広がる敗北感と虚無感。もう一方の異星人、宗教種族エクシフの大司教・メトフィエスは、ハルオが戦いに生き延びたことは“奇跡”だと唱え、信者を増やしていく。それはエクシフが秘め隠してきた“究極の目的”のためだった。そんなメトフィエスを警戒するミアナとマイナ。そして、ハルオは、自らが“人”として何を為すべきかを自問する。

やがて、<ゴジラ・アース>を打ち倒す者がいなくなった地球に、金色の閃光を纏った<ギドラ>が降臨し、天地を揺るがす超次元の戦いが始まる。それは、ゴジラを食いつくさんばかりに、3つの頭でゴジラに噛みつくんですね。噛みついて話さないギドラに対して、ゴジラは身動きが取れずに立ち尽くすばかり。

そして、ついにゴジラが空に向かって光線を口から吐き、ギドラが出て来る空の入り口を責め立てるのです。前作『決戦機動増殖都市』にて人類側の科学技術による対抗手段はほぼ壊滅。ゴジラシリーズに於ける最強怪獣の一角である『ギドラ』の登場に驚きの声が上がり、地球の守護神モスラも影絵程度で君臨しますが、一応残っているという状況。

この状況を見て余りゴジラに対戦しているギドラの様子が、うまく伝わってきませんね。少々ガッカリ感が否めません。結局はゴジラに軍配が上がったようで、ギドラは空高く引っ込んでしまいます。

その決着がメトフィエスVSハルオに落ち着いてしまったところでしょうか。ハルオは、地球からゴジラを退治して、また人類が住める地球にしようと努力したのに、ゴジラには敵わないと悟ったのでしょう。

そうして地球には、ゴジラアースがまるで神のように存在し、地球には春が訪れ白い花が咲き、人はフツア族と共に新しい文明を築き、ハルオとフツワの子供たちが、これからの地球を担うという非情に残念な終わり方でした。ゴジラのアニメ作品として期待してきた映画だっただけに、最初は大変面白くてこれはいけると感じたのですがね、2作目もほぼ同じくらい良かった。ですが、最後がなんか物足りなくて、つまらない結果になってしまったようです。

2018年劇場鑑賞作品・・・224  アクション・アドベンチャーランキング

 

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リグレッション★★★

2018年11月15日 | アクション映画ーラ行

 「アザーズ」「海を飛ぶ夢」のアレハンドロ・アメナーバル監督がイーサン・ホークとエマ・ワトソンを主演に迎えて贈るサイコ・サスペンス・ドラマ。ミネソタ州の小さな町を舞台に、1つの少女暴行事件を捜査する刑事が、やがて町に秘められた大きな闇に飲み込まれていくさまを描く。共演はデヴィッド・シューリス。

あらすじ:1990年、ミネソタ州。ブルース・ケナー刑事は、17歳の娘アンジェラを暴行した疑いで父親のジョン・グレイを取り調べる。するとジョンはあっさりと容疑を認めるが、実際のところ彼の記憶は曖昧で、どうにも不可解な事件だった。そこで著名な心理学者ケネスの協力を仰ぎ、記憶を遡る退行療法によって事件当時の状況を探ろうと試みるケナーだったが…。

<感想>実話に着想を得たミステリー・サスペンス。謎に包まれた少女虐待事件の驚くべき真相とは?・・・。アメリカでの悪魔崇拝者による儀式が次々と告発されていく中で、そのためか多くの人々がパニックと疑念の渦に巻き込まれる事態となった。

そうした事例を基に、アレハンドロ・アメナーバル監督が、米社会の闇に踏み込んだ本作に出演するのは、「パージ」のイーサン・ホーク、「美女と野獣」のエマ・ワトソンの二大スターを主軸にして、他には「戦火の馬」のデーヴィッド・セーリスらが共演している。

90年代のミネソタで起きた実話に基づくととあり、イーサン・ホークが演じる刑事が、父親の少女虐待事件と真剣に取り組む姿が、のちのサスペンスへと向かって行くわけ。

彼の前に地方の都市特有の、奇怪だがリアルでもある事件が次々と起こる。古い教会や悪魔崇拝者による儀式、荒廃とした家族関係、そこへ知ったかぶりの心理学者まで登場して、刑事は現実と幻想の迷路に落ち込んでしまう。

郷愁を誘う風景に、突如異変が訪れるので、観客も終始迷路の中に引っ張り込まれてしまう。本当に、初めはアンジェラの父親が性虐待をするのを信じてしまって、ジャンル映画とは別の恐怖を味わうことになる。

まず、ヒロインのアンジェラを演じたエマ・ワトソンが、心理学者の催眠療法によって作られる虚偽の記憶、それに基づいて固められる事件のストーリー。そこに捜査陣が縛られて進む冤罪への道。恐怖や不安から広がるタイプの集団ヒステリー。両者の発生するシステムを、フードを被って顔を白塗りにしたアンジェラの祖母たち。

廃墟の納屋で、いかにもな連中が、いかにもな悪魔崇拝儀式をするみたいな映像を映すので。それは、赤ん坊を儀式の生贄にし、参列者がその赤ん坊を食べてしまうという恐ろしさに、げんなりとしてしまった。後で聞かされる、赤ん坊の本当の話と、アンジェラの恋愛話には、なんと無知な女なんだろうと思ってしまった。

ですので、オカルト・スリラーとしての、設定をしっかりと保ちながら描く巧みさに、ハッとさせられるであります。

ですが、主人公刑事のイーサン・ホークが、精神的に追い詰められる“弱さ”の背景が描かれていないのだが、彼はアンジェラの美しさに惚れてしまい、彼女が嘘を言っていることを、全部信じてしまう。男としてはいいが、刑事としてはどうかと思う。

ラストが、衝撃的なアンジェラの告白でドッキリして、驚くのも必然ですから。

2018年劇場鑑賞作品・・・223  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲★★★・5

2018年11月14日 | アクション映画ーサ行

「Mr.ビーン」シリーズのローワン・アトキンソンがドジな英国諜報員“ジョニー・イングリッシュ”を演じるスパイ・パロディの第3弾。共演はオルガ・キュリレンコ、エマ・トンプソン。監督はTVを中心に活躍し本作が映画監督デビューとなるデヴィッド・カー。

あらすじ:何者かのサイバー攻撃によってイギリスの秘密情報部MI7の現役スパイ全員の情報が漏洩してしまい、活動停止に追い込まれる。そこで最後の頼みの綱として、すでに現役を引退していたジョニー・イングリッシュが呼び戻され、犯人探しのミッションが下される。早速かつての相棒ボフを再び相棒に迎え、犯人追跡に乗り出すジョニー・イングリッシュ。しかしアナログ時代しか知らない彼の前には、デジタル・テクノロジーという最大の難敵が立ちはだかっていた。

<感想>イギリスのスパイなのにコードネーム特にない、時代遅れのおっさんスパイ、ジョニー・イングリッシュの活躍をパロディ満載で描くコメディ・シリーズ第三弾。今回は引退していたジョニーが、ある事情から引っ張り出され、サイバーテロに対してアナログで立ち向かっていくというお話。

主演はもちろん“Mr.ビーン”としても知られているローワン・アトキンソン。第一作も登場していた相棒のボフ役のベン・ミラーも再登場している。共演は他に「スターリンの葬送狂騒曲」のオルガ・キュリレンコが謎の女オフィーリア役を、「ランペイジ巨獣大乱闘」のジェーク・レーシー、首相にエマ・トンプソンが、「高慢と偏見とゾンビ」のチャールズ・ダンスも引退したエージェント役で顔を見せている。

監督はイギリスのTV界で活躍していたデヴィッド・カーで、これが映画での監督デビュー作となる。脚本は、第一作も手掛けているウィリアム・デーヴィス。前作から7年ぶりとなった最新作。これはアトキンソンに「続編までは数年間隔をあける」というルールがあるそうで、キャラクターの新鮮さを保ち、飽きさせないためでもあるというのだ。

ジョニーは英国秘密情報部MI7の元エージェントだが、引退をして小学校で子供たちにスパイの実践を教えていたが、サイバーテロのため復帰。かつての相棒ボフと共に、攻撃地点と思われるフランスのコート・ダジュールに向かい捜査に当たる。デジタル音痴が功を奏するのか?・・・これが悪夢の始まりだった。

ジョニーと相棒のボフが、ミッションに向かう前にMI7から武器を支給してもらうシーンでは、「007」シリーズの「Q」ならぬ「P」(マシュー・ビアード)から最新ツールであるスマートフォンの説明をされると、ジョニーはスマホを見て「これは何? 武器?」と聞いちゃうほどの超アナログ男が、続けてPは「Twitter、Instagram、Uberは設定済です」と丁寧に説明していくが、アナログ人間のジョニーは「何のことだい?」と理解できない。

ボフからのフォローが入った後、とりあえず銃を要求するジョニー。現代のスパイ活動に銃は不要と言われるも聞く耳を持たず、Pは仕方なく埃にまみれた銃を取り出すとマニュアル通りの説明を読み上げ、ジョニーを呆れさせる。果たして最新デジタルを駆使した犯人を捕らえられるのか? 

「わが道を行く!」な“時代遅れ”行動の数々が、かつてない笑いを呼び起こすのです。「敵の裏をかく」とか言いながらスマホを投げ捨て、連絡手段はまさかのFAX&公衆電話のみ。根拠のない自信に満ちあふれたジョニーの立ち振る舞いと、クセの強いキャラクターたちが笑いのツボをじわじわと刺激する映像になっている。

ジョニーは、アメリカ最年少IT社長のヴォルタ(ジェイク・レイシー)の悪行を暴くため、ジョニーの相棒・ボフの発案で、ヴォルタ邸宅のVRシュミレーターを試すことに。ハイテクなアイテムを鼻で笑い、まったく信用しないジョニーだったが、いざゴーグルを装着するとリアルな世界にのめり込み、映像の通りに反応してVRルームの外に出て行ってしまう。

ロンドンの街に迷惑をかけまくっていると気づかないジョニーは、VR上のヴォルタまでたどり着くが、実際にジョニーがいたのはロンドンのバスとして有名なダブルデッカーの2階だった。VR上のヴォルタが執拗にジョニーを挑発し、“無双モード”に入ってしまったジョニーは、目の前のヴォルタ(本当はガイド)をボコボコにし始める。VRを装着したら、現実と勘違いして周囲の人間に飛びかかり、大騒動に発展! ボンドガール&ボンドカー「007」のパロディも大量に盛り込まれており、ジェームズ・ボンド風にカッコつけるが、極限にダサいのだった。

そして城へ潜入捜査するシーンでは、渾身のアクションを見せているのが必見ですから。ちょっとドジで可笑しなおじさんが何にでも変身する。スコットランドに潜入して伝統衣装であるタータン柄のキルトスカートで変装しつつ、伝統楽器のバグパイプで演奏しているふりをする姿も。

相棒ボフの隣でなぜかよろいを身にまとったコスプレを披露するなど、さまざまな笑いのシーンに期待が高まる。鎧兜を付け、スコットランドの衣装を着てバグパイプまで吹くとは。これ笑えますから。

63歳のアトキンソンが渾身のアクションを披露する。最近はシニアがアクションを見せることが多いが、アトキンソンも車やVRのシーン、コート・ダジュールのレストランでは火事を起こしてしまうような大騒動の末に、ドット・カーム号というクルーザーが怪しいらしいとその船に乗り込む。

謎の女オフィーリアに軽くあしらわれも、本部の調べで船の持ち主がIT富豪のヴォルタであると判明。彼こそが事件の黒幕だと、・・・首相のエマ・トンプソンに報告するが、何と首相はヴォルタに国のサイバー事業の方面を任せようとしていたんですね。女スパイのオフィーリアと協力して、ジョニーの必死の反撃が始まるのです。

とにかくドジなスパイ、ジョニーは秘密兵器の使い方もミスってばかりで、潜入捜査でもハチャメチャ行動の連続。これぞプロの仕事とばかりに見せつけるアトキンソンの変顔に、おかしな動き、ドヤ顔からのズッコケ等々……笑いを知り尽くしたアトキンソンの職人芸は、見る者をまったく飽きさせませんから。

2018年劇場鑑賞作品・・・222  アクション・アドベンチャーランキング

 

ジョニー・イングリッシュ/気休めの報酬

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ビブリア古書堂の事件手帖★★・5

2018年11月13日 | アクション映画ーハ行

北鎌倉の古書店を舞台に、本のことなら何でも知っている女店主とその助手を務めるバイトの青年が、古書にまつわる事件を解決していく三上延の大人気ミステリー・シリーズを黒木華と野村周平の主演で映画化した青春ミステリー。共演は成田凌、夏帆、東出昌大。監督は「繕い裁つ人」「幼な子われらに生まれ」の三島有紀子。

あらすじ:活字が苦手な体質で、体力だけが取り柄の青年・五浦大輔は、祖母・絹子が遺した夏目漱石の『それから』に書かれていた漱石のサインの真贋を確かめてもらうため、近所の古書店“ビブリア古書堂”へとやって来る。店主は意外にも篠川栞子という若くて美しい女性で、ちゃんと商売が出来るのかと心配になるほど極度の人見知りだったが、古書のことになると我を忘れて話し続けてしまうほど本への深い愛情と並外れた知識を持ち合わせていた。そんな栞子は、サインの謎を解き明かしたばかりか、絹子が家族にもひた隠しにしてきたある秘密をも指摘してしまう。このことが縁で大輔は古書堂で働くことになるのだったが…。

<感想>本がつなぐ《過去》と《今》心揺さぶる感動ミステリー。原作は未読ですが、どこがいいのか見当がつかない。ミステリーとして凄いわけでもなく、太宰治「晩年」の希少本を狙う男が誰かというのは、すぐに察しがつくのだから、謎解きにドキドキするというわけではありません。

主人公の祖母の秘めたる恋の話も、1964年当時の風俗を知っている者からすれば、衣裳を含めて古風すぎるし、まるで昭和の初期みたいだ。ですが、それらを重ねて話を運ぶ手際が、鮮やかなのは良かったですね。

野村周平のイノセントな青年と、メガネをかけた黒木華の、思慮深い女性の組み合わせも良かったせいか、何となくのめり込ませる気分にさせた。

だから、ミステリーとしては話が薄くて、古書のうんちくも弱いのが残念に思う。配役のゴージャスなのが救いなのにね。

説話的には現代篇と過去篇が交互に展開されており、共通する1人の女の秘密が暴かれる構成でもある。過去篇での五浦大輔の祖母・絹子役の夏帆は美しく撮れているが、時代の雰囲気がちょっと変だ。東京オリンピックの頃とは思えないのだから。夏目漱石の「それから」の中にあるような、人妻の夏帆に恋をする東出昌大との恋愛劇も悲恋に終わるが、お腹の子供はどうみても彼の子供ではないかと推測される。

それに、チープになりそうな過去篇を、東出昌大によって上手に演出しているのも良かった。ですが、火事とか危機のために本が犠牲になることへ、古書マニアのヒロインが悩む気配も見せないのが気になってしょうがなかった。

前作で恵まれた脚本に出会ってか、演出力を飛躍させた三島有紀子監督だけあって、ライトミステリーの理想的な形を見せていた。鎌倉ロケと古書堂セットも巧みに組み合わせて、主人公黒木華の化粧っけのない、線の細いヒロイン像も繊細な演技で上手い。

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500ページの夢の束★★★

2018年11月12日 | アクション映画ーカ行

『セッションズ』で知られるベン・リューイン監督が、スタート・レック好きのウェンディ役に、『I am Sam アイ・アム・サム』などの子役時代を経て活躍する女優ダコタ・ファニング迎え、人生をあきらめないためのハートフル・ストーリー。共演に『リトル・ミス・サンシャイン』のトニ・コレット、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のアリス・イヴが脇を固めます。

あらすじ:ウェンディ(ダコタ・ファニング)は自閉症のため、カルフォルニア州オークランドでスコッティ(トニ・コレット)の指導を受けながらグループホームで暮らしています。なぜかアメリカ国家を歌い続ける女性など多様な人が暮らすグループホーム。ウェンディの生活はスコッティに毎日着るものまで管理されるものの、シナボン(菓子パンのチェーン店)で働く毎日は退屈ですが、スタートレックを見るのが趣味で生きがいです。ウェンディの姉のオードリー(アリス・イヴ)は結婚して出産、二人の母は他界しています。

<感想>自閉症の女性の初めての旅。ダコタ・ファニングが演じていて、目的は期日までに自作の「スター・トレック」脚本をパラマウント社に届けること。悪戦苦闘して届ける道程を物語にしているが、初めて自閉症の主人公が、サンフランシスコに近いベイエリアの自立支援ホームから、バスに乗ってハリウッドの映画会社へと向かうロードムービー。

旅の資金は、ドーナッツ屋でのアルバイト代と、“スター・トレック博士”の異名をもつ彼女が、作品に関する知識比べで手にいれた掛け金である。それにしても、自閉症である彼女は、横断歩道の信号も渡れないのだ。しかし、信号のある横断歩道を渡らないと、長距離のバスチケットが手に入らない。勇気を奮って克服していく彼女の勇敢さに応援したくなる。

それが、バスの停留所近くに、いつも散歩をしたり可愛がっていた支援ホームの犬、ピートが付いて来るわけ。帰れといっても付いて来るし、仕方なくカバンの中に入れて長距離バスに乗ってしまう。ところが、バスに乗る前にトイレをさせて置けば良かったのに、バスの中でトイレを死体と吠えるのだ。運転手に見つかり、結局は途中で降ろされてしまう。

さぁ、これからが大変。どうやってハリウッドまで行けばいいのか迷ってしまい、そこへ何と悪い奴が声をかけて来る。車に乗せて上げるからという、男女2人組のチンピラを信用して車に乗ることに。その前にピートのトイレをと、カバンを車に中に置き、外へ犬を連れ出した隙に、財布の中身を盗まれてしまうのだ。世間知らずといえばどうだけど、世の中には善い人もいるが、悪い人の方が多いのだ。

どうするのよウェンディ。そのころ、やっとホームでは彼女がいないことが分かり警察へも連絡して捜索願いを出し、ウェンディの姉が心配して電話を掛けてきたので、そのことを知らせるとバスのルート路線を車で探してみると言うのだ。

盗まれた金と大事な書類が入っているカバンを探すウェンディ、そして車に撥ねられて怪我をして病院へ搬送されるも、ウェンディを保護した警察官も、まさかの“スタトレオタク”であったとは。

どうして郵送にしなかったのか、というと、締め切りに郵送では間に合わないので、自分で持って行くということに。それが、パラマウント会社に辿り着いたウェンディに対して、会社では郵送が掟であって、持ち込みは受け取らないという頑固な会社なのね。映画会社での一悶着で困ったウェンディは、会社の郵便入れにうまく忍び込ませる。

どうやら新作コンペ応募らしいが、部分的に抜粋されている彼女の脚本は、きっとダメだったようだ。映画の専門家が一人として登場していないので、主人公の才能は正直なところ観客にも分からない。だが、この妄想の連鎖こそが美しいのだろう。

それはシナリオというよりも、私小説であり散文詩でもあり、その息吹と共に、自閉症のウェンディが、この旅を経て少し逞しくなる。姉は、自閉症の妹を抱えて一緒に住むことを嫌がり、別に結婚をして子供もいる。だから、何か問題を起こす度に、妹のことが苦痛となる。妹も口うるさい姉が嫌いで喧嘩ばかりして、だが、その姉とも和解できて良かった。

でもね、折角苦労してここまで来たのに、途中で脚本の半分近くを落としてしまう。やるせないよね、これはもう。追いかけてきた自立支援ホームの園長と、その息子(彼もスタトレオタク)が車でやってきて、パラマウント会社の駐車場でウェンディと再会する。

エンディングに流れるラベンダー・ダイヤモンドの「オープン・ユア・ハート」が、ナイスな選曲であった。主人公の人生の幕開けを象徴したポップなナンバーだと思う。

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ボヘミアン・ラプソディ★★★★★

2018年11月12日 | アクション映画ーハ行

伝説のバンド“クイーン”の栄光と知られざる苦闘の物語を、リード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリーの短くも壮絶な人生を軸に描き出した感動の音楽伝記映画。バンド・メンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの全面協力の下、バンドの誕生から、今なお語り継がれる“ライヴ・エイド”での奇跡の復活までが、全編を彩るクイーンの名曲の数々をバックに、自らのコンプレックスと格闘し続けたフレディ・マーキュリーの愛と孤独とともにドラマチックに描かれていく。主演はTV「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」のラミ・マレック。共演にルーシー・ボーイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ。監督は「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー。なお実際には、ブライアン・シンガー監督は撮影最終盤に降板しており、製作総指揮にクレジットされているデクスター・フレッチャーが後を引き継ぎ完成させた。

あらすじ:複雑な生い立ちや容姿へのコンプレックスを、抱えた孤独な若者フレディ・マーキュリーは、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーたちと出会い、バンド“クイーン”を結成する。この個性的なメンバーの集まりは、互いに刺激し合うことで音楽的才能を開花させていき、常識にとらわれない革新的な名曲を次々に生み出していく。そしてついに、ロックとオペラを融合させた型破りな楽曲『ボヘミアン・ラプソディ』が完成する。しかし6分という当時としては異例の長さに、ラジオでかけられないとレコード会社の猛反発を受けるフレディたちだったが…。

<感想>伝説のバンド<クイーン>その生き様が世界を変えた感動の物語。CDを持っているので、何ども聞いているのに、この映画で観た、聞いた、クイーンの歌声に、魂が震えた。それに、自然に涙が零れて来てしょうがなかった。一番好きな曲、ロックにオペラパートを盛り込んだ「ボヘミアン・ラプソディ」の名曲が、生まれたいきさつが描かれていて、そのことも、それにボーカルのフレディがゲイだったこと。エイズで余命が宣告されていたことなど。

この映画の中でのフレディは、好きにはなれないが、曲が売れてヒットすればお金が入るわけで、ついつい豪遊をして遊び惚けるのも解る気がする。けれども、最初は、恋人メアリーにプロポーズをするフレディに感動してしまい、末永く続くことを願っていたが、結局はゲイであることが本当のことであり、一番その病気で亡くなったことがショックでした。

数々のCMで使われている「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」などなど、クイーンの楽曲をまったく聴いたことがないという日本人はいないのではないか? 70~80年代に世界を席巻し、日本でも高い人気を誇ったロックバンド。

絶賛を集めているマレックのフレディ役には、実際にフレディを知る人々も好印象でラミ・マレックの演技に納得したという。彼は役作りについて、「キャリアではなく自分のアイデンティティを見つけようとした一人の男を演じた」と語っている。フレディ・マーキュリーのそっくりさんを探して、彼の歌い方とか立ち居振る舞いなどを演技指導したのであろう、とにかくよく似たフレディだったので満足しました。

死期を察したフレディが、よくぞ毎日の薬づけの堕落から這い上がり、仲間たちと共に上がる、20世紀最大のチャリティ・コンサート “ライブ・エイド”での圧巻のパフォーマンス。ライブ・エイドの会場だったウェンブリー・スタジアムのセットは、ボービントン空軍基地に作られた。「すべての細部に至るまであの時のままだった」とブライアン・メイも賞賛していた。後部席の方はCGなのだろうが、前列の観客は本当の人たちが、あの時の想いを浮かべて熱演したんだろう。

音楽の常識を打ち破り、バンド崩壊の危機を乗り越えて、スターダムへとのし上がったフレディはその時、なにを思い、なにを考えていたのだろうか?

本当の安らぎと絆を得たフレディが挑む、7万5000人の観衆が埋め尽くすスタジアムでの命懸けのコンサート。伝説的ライブのスペクタクルが、映画館をスタジアムの一角に変える。

もちろん劇中ではクイーンの28もの名曲をフィーチャー。主にフレディ自身の歌声が使われており、音楽総指揮をクイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーが務めているのも話題になった。

彼のすべての曲の奥底には、愛がある。愛を求め、愛を見つけたいという切実な思い。彼は自信のセクシュアリティーを公表しなかったが、人々が無理やり貼り付けようとするレッテルや枠組みを、すべて超越していた。自分を閉じ込めることはしなかった。フレディは、ただフレディだったのだ。だからこそ、今なお多くの人々にとって、彼は愛すべき存在なんだと思いますね。

とにかくフレディ自らの声によるものに、唯一無二のボーカルが発するパワーに、ノックアウトされること必至でした。エンディングロールにて、本当のクイーンの映像が映し出されるので、マジ最高でした。とにかく最後まで席を立たない観客にも感謝して、余韻に浸ることです。

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スマホを落としただけなのに★★★・5

2018年11月08日 | アクション映画ーサ行

志駕晃のデビュー小説を「リング」「クロユリ団地」の中田秀夫監督、「謎解きはディナーのあとで」「悪夢ちゃん The夢ovie」の北川景子主演で映画化したサスペンス・スリラー。落としたスマホが運悪く悪意を持った人物の手に渡ってしまったことから、やがて戦慄の恐怖に見舞われていくヒロインの運命をスリリングに描く。共演は田中圭、千葉雄大、バカリズム、成田凌、要潤。

あらすじ:サラリーマンの富田はタクシーにスマホを置き忘れてしまい、恋人の麻美が富田に電話すると、聞き覚えのない男の声が聞こえてくる。たまたま拾ったというその男性のおかげで無事に富田のスマホを取り戻し、一安心の麻美。しかし、その日を境に2人の身に不可解な出来事が立て続けに起こる。不安になった2人はネットセキュリティ会社に勤める浦野に相談し、スマホの安全対策を施してもらう。そんな中、巷では山中で若い女性の遺体が次々と見つかり、捜査に当たる刑事の加賀谷は、被害者はいずれも長い黒髪の持ち主であることに気づくのだったが…。

<感想>丁度、先に韓国版の「search/サーチ」を鑑賞したばかりなので、同じような感じの作品だなぁと思ってしまった。比べないで、これはこれで楽しめる物語だと思いますね。始めは、主人公の北川景子ちゃんの彼氏が、スマホをタクシーに置き忘れてしまったことから始まるわけで、その落ちていたスマホを拾ったという男から電話があり、富田のスマホが無事に戻ってきましたが、その日から不可解な出来事が起こるようになります。

身に覚えのないクレジットカードの請求やネットストーキング。落としたスマホから個人情報が流出したのかもしれません。麻美はネットセキュリティ会社に勤める浦野に、スマホの安全対策を設定してもらいますが、その晩、アカウントを乗っ取られ、誰にも見られたくなかった写真がSNSにアップされてしまいます。

さらに、ヒロインには、誰にも言えない謎があるのですね。その謎は、ネットやスマホとはあまり関係がないことで、つまりそのころ山の中で、次々と若い髪の長い女性の遺体がみつかるのです。そのことと主人公の麻美は関係があるわけで、犯人は猟奇殺人鬼であり、若い髪の長い女性を狙っていて、麻美もその殺される仲間に入ることになるわけ。ラストで明かされる、麻美の隠された過去の秘密の、意外性の面白さも見どころの一つでしょうね。

つまりは、スマホとは関係のない猟奇殺人の犯人を追う刑事に、先輩刑事の毒島役の原田泰造さんと、相棒の加賀谷学役には千葉雄大君がいるんですね。

麻美は自分がその猟奇殺人犯に狙われていることにまだ気づいていなくて、PCやスマホのセキュリティを、浦野に安全対策をしてもらい安心しているのでね。まさか、その浦野がその猟奇殺人鬼だということ知らなかったので、自分の裸姿や、昔、自分が同居していた女性の名前をもらい成りすましをしていたことまで、すべて調べつくして麻美を驚かさせます。浦野役には成田凌さんが演じています。浦野は子供の頃に、髪の毛の長い母親に冷たくされ、虐待されたという気の毒な境遇であり、そして大人になったという。麻美を誘拐してから、浦野が長い黒髪のカツラを被って、白いワンピースを着てナイフで麻美を脅かすところなんて、サイコキラーっぽいので、大変身っていうか演技派です。

実は、刑事の加賀谷学も浦野と同じように幼い頃に母親に虐待された記憶があり、もしかして浦野とは兄弟なのかもしれない。それは、麻美が誘拐された時に、拉致された場所を突き止めたことと関係があります。

その他にも、麻美のことを好きになった元同僚、小柳守役にバカリズムが、ストーカーみたいな感じで、毎日のように電話をしてきては麻美のことを虐めるのですね。だから、てっきり、そのバカリズムの男が、猟奇殺人犯人かと思ってしまう。

稲葉麻美と名乗っていた自分は、本当の名前は「山本美奈代」であり高額の借金があったのです。それに、稲葉麻美は亡くなっていたんですよ。彼女と入れ替わって「稲葉麻美」と名乗り、整形美容もして彼女にそっくりになる。そして暮らして来たのに、まさかここで自分の昔のことが暴露されるとは思ってもみなかったわけで。

何故に山本美奈代でもよかったのに、自分よりも美しい稲葉麻美になりたかったのでしょうかね。借金逃れかもしれないですね。

その時は、稲葉麻美はAV女優として「渚さゆり」と言う芸名で売れっ子さんでした。その後、「渚さゆり」は稲葉麻美であることが雑誌でたたかれてしまい、彼女は自殺をしてしまう。その時に、同居人の「山本美奈代」が死んだことにして、残った美奈代はどういうわけか、「稲葉麻美」に成りすますわけなんです。

そのこともSNSで暴露されてしまうわけで、自分にはどうしようもできないことであり、浦野に相談をする麻美。

けれども、その脅している相手がそいつなので、麻美はうかつでしたね。浦野は、麻美のことを好きになり誘拐までしてしまう。最後は、麻美が潔く自分の本名を名乗り出て、自分が山本美奈代であることを認めます。

そのことが、付き合っていた富田にも知られて、彼はびっくりして麻美のことが信じられなくなり、一度は婚約解消とまでなるのですが、最後は麻美のことが忘れられなくて、美奈代が麻美でも、どちらでもいいと、本人が好きなので赦してあげるのですね。何とも寛容な彼、富田に二度惚れしてしまうでしょうね。しかしですよ、この作品のいいたいことは、スマホは絶対に無くしたりしないこと。それに、知られては困る個人情報などは、保存しておかないことです。確かに便利ですよ、でもね、こんな風なことが起きてしまったら、大変なことになるぞ、という警鐘ですかね、これは。

2018年劇場鑑賞作品・・・218  アクション・アドベンチャーランキング

 

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