パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ハンガー・ゲーム2 ★★★.5

2013年12月31日 | アクション映画ーハ行
スーザン・コリンズのヒット小説を原作にした、サバイバルスリラーのシリーズ第2弾。少年少女たちが殺し合う「ハンガー・ゲーム」で勝ち残ったカットニスとピータが、新たなゲームに挑む姿を活写する。前作に引き続き、ジェニファー・ローレンスやジョシュ・ハッチャーソンが出演し、新たに名優フィリップ・シーモア・ホフマンが彼らを追い詰める悪役で共演。歴代ウィナーたちの参加で激しさを増す、ゲームの行方とアクションから目が離せない。
あらすじ:12の地区より12歳から18歳までの男女一組を選出し、最後の1人になるまで戦わせる独裁国家パネムが実施する「ハンガー・ゲーム」。男女ペアで勝者となったカットニス(ジェニファー・ローレンス)とピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)は、凱旋(がいせん)ツアーで各地区を回る中で、自分たちを反国家の象徴として捉える民衆の思い、静かに広がっている革命への動きを感じる。同様に国民の変化を悟ったスノー大統領(ドナルド・サザーランド)は、カットニス抹殺をひそかな目的にした歴代勝者結集の新ゲームを開催させる。

<感想>物語の舞台は北米大陸のパネム。前回大会で、くじ引きによって選ばれた幼い妹に代わって出場した勝者になったカットニス。狩猟で培った弓矢の腕と森でのサバイバル能力で、権力や逆境にも屈しない強い心をもつ女性。第12地区で唯一の女性勝者であるため、2度目のゲーム出場を余儀なくされる。
ゲームの有利に進めるため恋人同士を装っているカットニスとピーター。だが、嘘の関係を見抜いた大統領は、前回大会でゲームメーカーに対抗して生き抜いた2人が、国民の体制への反逆を煽ることを警戒し、愛ゆえの行為と国民に信じさせるように芝居を続けるように彼女を呼び脅迫する。

愛する家族と、恋人ゲイルを守るためカットニスはピーターと婚約をする。ゲイルへの思いは募るばかり、だが、ピーターの一途な思いに触れるたびに。彼女にとって、ピーターも大切な存在になっていく。ピーターが、民衆の前でカットニスが妊娠をしていると嬉しそうに告白するシーン。本当に愛しているのは、ピーターなのかもしれない。
前作より、面白かったです。毒の霧が覆うシーンと、試合会場がドームになっていて、至る所にバリア(電磁場)が張られているんですよ。最後に、カットニスが弓矢で、大空(天井)目がけて矢を射ると、天井に穴が開いてゲーム会場が壊れてしまうという、笑ってしまう落ちになってしまうとは。

始めの部分がカットニスと恋人のゲイル、リアム・ヘムズワースとの甘い逢瀬を楽しむところ。愛し合っても、どうにもならない2人である。ゲームにはカットニスとヘイミッチのウッディ・ハレルソンが選ばれたのだが、ピーターが代わりにかってでる。

豪華な列車移動に、ゴウジャスな衣装に身を包むカットニス。一番の美しいドレスは、なんといっても真っ白なウエディングドレスでしょう。そのドレスに炎が燃え移り紺色のドレスに早変わりという趣向。

特別ルールの設定によって、今回は12の各地区につき男女1名ずつ、年齢不問で歴代勝者の中から選出されるというのだ。誰もが強く優秀で戦い方を熟知しており、友人としても交流をつづけてきた者たちも多い。

最高年齢は第4地区の80歳のお婆ちゃんだ。名前はマグスお婆ちゃん、イケメンのフィニックと共に参戦。教育係の彼女は、フィニックの恋人の身代わりをもし出たのだ。背中に背負い森の中を走り、お婆ちゃんを守るフィニックは意外にいい男である。
で、やっとゲーム開始となって、やってきたのは巨大な円形のプールのような。そこで、またもや武器を調達すべく競争が始まる。
もちろん、カットニスは、弓矢をゲットする。そこは強力な電磁場で仕切られた巨大ドームの中に、ジャングルが広がり、その中央にある湖にはゲームに仕える武器が置かれている。
もちろんのこと、闘技場内の気候や、発動されるトラップは全てコンピューターによって操作されている。つまり、円形の湖は塩水で時計仕掛けになっており、時間で雷や雷雨、崖崩れに津波まで起きるのだ。
それでも、一番ひどかったのは、音もなく忍び寄る、触れると強烈な痛みと皮膚への致命的なダメージをもたらす毒の霧である。皮膚が硫酸を浴びたようにぶくぶくと膨れ上がり、痛みを伴うのだ、急いで海水に浸して痛みと吹き出物のようなものが綺麗にとれた。その後に、猿軍団が押し寄せてくる。狂暴で噛みつく猿たちには、弓矢や銃に斧で抗戦する。それに、おしゃべりの鳥が、カットニスの妹の声まねをして、助けてと叫ぶ。頭がおかしくなってしまうカットニス。
第3地区のコンビは、電子機器製造産業を担う地区代表の伝記に精通するビーティー(ジェフリー・ライト)。かつては敵を感電させて優勝した戦略家だったが、今回は、稲妻、雷轟く森に避雷針を立てて、コイルを伸ばして海へと、・・・そうこうしているうちに、経済的に豊かな第1地区&2地区の出場者が、マッチョな大男に牙のような歯を持つ女のコンビが襲ってくる。コイルを切られて、稲妻が避雷針に仕立てた木に落ちて、電気通のビーティーが感電死する。

それに、ゲームメーカーのプルタークには、フィリップ・シーモア・ホフマンが扮しており、最後には実は独裁者のスノー大統領に反旗を掲げる人物だったとは。
殺し合いのゲームは前作以上に壮絶になり、さらには、革命というテーマも盛り込まれた本作は、全4作で壮大な物語を紡ぐシリーズの、キー・エピソードになっている。
これで終わりではないので、さすがにシリーズ最終章は2部構成で、前編は2014年11月に、後編は2015年11月に公開予定だというのだ。革命のドラマが本格化するこの2作には、壊滅させられたはずの第13地区の女性指導者役で、ジュリアン・ムーアが出演するという。ご期待下され。
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ウォールフラワー ★★★

2013年12月29日 | あ行の映画
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のローガン・ラーマン、『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン、『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラー共演の青春作。原作者のスティーヴン・チョボスキーが監督を務め、自身の小説「ウォールフラワー」を基に、思春期の青年の揺れ動く心情を繊細なタッチで映し出す。困難を乗り越え成長する少年の心象風景が観る者の心を強く揺さぶる。
あらすじ:1991年、シャイで物静かな高校生チャーリー(ローガン・ラーマン)は、クラスメートたちに“壁の花”とあだ名を付けられ甘く見られていた。だが、彼の平凡な日常は、パトリック(エズラ・ミラー)とサム(エマ・ワトソン)兄妹との出会いによってすっかり様変わりする。チャーリーは初めて知る友情の素晴らしさや、初恋の胸のときめきに有頂天になっていたが……。

<感想>原作は読んでません。もともとはティーンの聖典として親しまれていた作品だそうで、内容は何だか懐かしい作風なんですね。28日から地方でも上映された。いつの間にか23歳になっていたエマ・ワトソン。
舞台となる1991年のピッツバーグの郊外。ハイスクールに入学したばかりの成績優秀なチャーリーに、最近映画で見る顔になったローガン・ラーマンが扮している。ニューシネマ世代の私には、ついダスティン・ホフマンを想いだすような感じ。中二病真っ盛りの自閉症気味のオーラが災いしてか、いつも壁の花的存在のチャーリー。小説家希望なので、よく本を読んでいるので国語の先生に一目置かれる。

友達はもちゼロ。お先真っ暗の学園生活が始まったのだ。ところが、意外に早く希望の光が差してきて、自由奔放なイケメンのパトリック、すなわちあの話題作で一躍有名になったエズラ・ミラーが、義妹のサムという美女を紹介してくれる。その二人は上級生の兄妹で、彼らを中心とするサブカルクラスタの連中に迎え入れられたのだ。
当然のごとく、サム、つまりエマ・ワトソンに胸をときめかせるチャーリー。そうだよね、自閉症気味のネクラだったのが、急に目の前に年上の美人が現れるんだもの、有頂天になるのはわかる。

それが、彼らの会話が強力なフックとなるわけ。「好きなバンドはザ・スミス」なんだと言うし、「マジそれって、私もよ」これは、「(500)日のサマー」の出会いシーンの再演か?と思ってしまうかもしれない。
原作でも作品の世界観を支えるものとして音楽ネタが多数入れ込まれてはいるが、映画の中ではいろいろと選曲が変更されている。

そして、決定的なシーンにチャーリーたち3人がトラックの荷台に乗ってトンネルを抜けるところでしょう。ここで、カーラジオから流れる完璧な曲が、デイヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」なんだから。そして、トラックの上でサムが風に体をまかせるポーズ、レオ様がローズを抱いてやった「タイタニック」でのポーズ、チャーリーが「無限を感じる」とばかりに、ここが一番高揚感のあるシーンだと思う。最後にもう一度3人でトラックに乗ってトンネル越えする時は、チャーリーが上で風を体全体に感じていた。幼いころの、叔母さんとの幼児体験がトラウマとなり、その叔母さんも事故で死んでしまった。その死は自分のセイだと長いこと思っていたのだ。
「ロッキー・ホラー・ショー」のコスプレ上映会も見ものだし、国語教師がチャーリーに勧める「路上」や「華麗なるギャツビー」「アラバマ物語」など、ちょっと古いんじゃないかと思う。まさか、パトリックがゲイだったとは意外だった。確かにエズラ・ミラーの綺麗な顔立ちは、そうにも取れるから不思議だ。
だが、奥手のチャーリーの初恋は、だんだんと美女のサムから、メアリーというパンク女子に傾いて、あろうことか彼女相手に童貞喪失へとなるところには、何だかあせって「ヤリたいだけじゃん」と思ってしまった。しかし、メアリーって頭いいんだね、ハーバード大学受かってたって。若いっていいよね、落ち込んでなんかいられないよ。
エマ・ワトソンが「ブリングリング」で頭からっぽなヴァリーガールを演じていたが、こちらはずいぶんと古風な感じで大変よかった。
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ナタリー ★★

2013年12月28日 | DVD作品ーな行、は行
未亡人の恋は、突然のキスから始まった。
フランス全土が心奪われた恋愛小説「ナタリー」。 オドレイ・トトゥ主演で待望の映画化!
監督 ダヴィド・フェンキノス、ステファン・フェンキノス
原作/脚本 ダヴィド・フェンキノス
撮影 レミー・シェヴラン
製作 ザヴィエ・リゴ、 マルク=アントワーヌ・ロベーヌ
音楽監修 アメリ・ド・シャセ、デルフィーヌ・マチュー
主題歌 エミリー・シモン
あらすじ:ナタリー(オドレイ・トゥトゥ)は愛し合った夫を亡くし、3年間恋愛から離れ仕事一筋の生活を送っていた。ナタリーは夫以降、誰も好きになれないと思っていたある日、お世辞にもかっこいいとは言えない同僚、マーカス(ランソワ・ダミアン)に突然キスをしてしまう。そして、マーカスは魅力的な彼女に惹かれ、ナタリーも素朴な彼に惹かれ始める。しかし、ナタリーに一方的に好意をいだいている会社の社長シャルル(ブリュノ・トデスキーニ)や、噂好きの同僚たち、ナタリーの友人によって二人は騒がれるようになり…。

<感想>劇場未公開作品。あの「アメリ」で一躍有名になったオドレイ・トゥトゥ主演のラブロマンス。最初の夫となる出会いが素敵ですよね。フランスならではの出会い、カフェでお茶をしていた青年が、扉を開けて入って来た自分好みの女がナタリーで、注文する飲み物を自分が考えたコーヒーではなくジュースを注文するかで、声をかけて誘おうと思っていた。それが、大当たりで自分が描いていた恋人像だったので、すかさず抱きしめてキス。フランスではこんな出会いも恋に発展して結婚までしてしまうんですね。プロポーズで指輪が、鍵のついたキーホルダーだなんてロマンチックです。

それが、いつもの朝のジョギングに行くといって、突然、彼が車に跳ねられて死亡とは。いつまでも彼のことを忘れることができない。仕事もスェーデンの広告の会社に決まり、仕事一筋の毎日。それが、どういうわけか突然目の前に立っている冴えない同僚のマーカスにキスをしてしまう。

そりゃ、美人からキスされたら絶対に自分に好意があるとしか思えない。それが、不思議ちゃんのナタリーだから、自分でもどうしてキスをしたのか分からない。暫くは、マーカスにデートを申し込まれたりするが、会社の社長がセクハラというか、ナタリーを好きでアタックしてくる。この社長、会社の女性社員に殆ど手を付けているようだ。ナタリーが自分のものにならないので、あの手この手で誘ってくる。もち奥さんいますから。

その社長には「ソン・フレール 兄との約束」などで知られるブリュノ・トデスキーニが演じて、ナタリーに「どうしてあんな男なんかと付き合うのか」とか、同僚たちもお世辞にもかっこいいと思えないマーカスに恋するナタリーに非難ごうごうの横やりを入れる。
でも、冴えないけれど素朴で誠実な男マーカスに、次第に惹かれていくナタリー。社長がマーカスをストックホルムへ転勤命令を出す。そのことを知り、ナタリーは彼に付いて行こうと決心するんですね。いつまでも若いオドレイ・トトゥ、変わらない美貌が素敵です。
確かにダサイ叔父さんふうのイメージの、マーカス役のフランソワ・ダミアン、ロマン・デュリス主演の「ハートブレイカー」にも出ていた個性派俳優さんです。ナタリーにプレゼントするのですが、普通だったら花束ですよね、それが「クマの入れ物にはいったペッツ」とは、子供騙しじゃあるまいしね。でもナタリーはそんな彼が好きなんですね。
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バレット・ヒート 消えた銃弾 ★★★

2013年12月28日 | DVD作品ーな行、は行
香港の人気スター、ニコラス・ツェー主演で描いたミステリーアクション。郊外の兵器工場で1人の女子工員が銃弾を盗んだとして非難される。女子工員は無実を訴えるが聞き入れてもらえず、やがて自殺してしまう。それから半年後、その兵器工場で連続殺人事件が発生。刑事の東路が現場に派遣される。被害者はいずれも射殺されているにもかかわらず、銃弾が見つからず、東路は相棒の郭追とともに捜査を続けるが、さらなる犠牲者が出てしまう。

<感想>劇場未公開作品である。しかし、ファンの熱望に答えて11月30日から限定2週間の劇場公開されたというのだ。残念ながら、地方での公開は無かった。だが、DVDリリースされたのが凄く嬉しい。
内容が実に面白くサスペンス・アクション映画になっているのもいい。香港映画界を代表するスタッフとキャストが顔を揃えた本格的ミステリー劇である。主人公の凄腕捜査官を演じているのは、ラウ・チンワン。この俳優さんは、どちらかと言うと二枚目でもなくごっつい顔して悪役でもいいような顔つきと風体。しかし、彼の今まで出演した作品では、「奪命金」、トニー・レオンが魔術師役だった「大魔術師“X”のダブル・トリック」他にも「盗聴犯 死のインサイダー取引」「MAD探偵7人の容疑者」など、遅まきの俳優さんでもある。

物語は、1930年代の上海が舞台で、警察内の不正を摘発するために送り込まれた内部捜査官の松東路は、銃殺された者の銃弾が消えている「呪われた銃弾」事件の捜査を開始する。
どの現場でも銃弾は発見されず、町では「呪いの銃弾」事件として恐れられていた。やがて、ラウ・チンワンたちは、事件と半年前に起きた女作業員の死の関連に気付くのである。
銃弾が見つからない拳銃で次々と発生する殺人事件を、松東路は頭脳明晰な早撃ちの名手、郭追と共に追うのだが。この早撃ちの名手・郭追役にニコラス・ツェーが演じて、彼の拳銃裁きは、まさにウエスタンもの映画でも見ているかのようだった。

銃弾を捜査している内に、ニコラスがもしかして氷で銃弾を作ったのではないかと、実験して見るところなど、他にも密室のような場所でもう一人殺された男の実験をしてみる松東路。呪いの銃弾の正体が思ってもみなかったものだったのも面白く、中々の名推理劇になっている。
そして名バイプレイヤーのリウ・カイチーが、極悪な弾薬工場の工場長を憎く々しげに演じているのも画になっていい。
郊外の兵器工場、この時代は兵器の銃弾を製造する工場が多くあり、日本でも鉄製品を家庭から没収して、軍需工場で弾を製造していた。

その工場で女子工員が銃弾を盗んだという嫌疑をかけられ、その女は工場長にロシアンルーレットを強要されて死亡する。松東路捜査官は、拳銃に細工がしてあったのではと疑う。そうして、検視をして見ても銃弾が見つからない殺害方法に気付くのだった。
工場へ出向いた松東路は、飄々とした反面肉弾戦もいとわないそぶりの主人公に、クールな相棒の郭追。この二人を見ていると「シャーロック・ホームズ」から影響を受けたような気もしないではない。

香港映画の場合、この手のサスペンス映画では、最後にはカンフー対決で派手に締めて、結局は謎はほとんど解決しないパターンが多いのだが、この作品では最後までサスペンス映画としての枠を超えていないという若干寂しい感じもする珍しい作品。
単なる犯人探しのサスペンスではなく、人間ドラマとしても楽しめる傑作に仕上がっていると思う。スローモーションを駆使した爆発や、銃撃戦など、スタイリッシュなアクションが謎解きを盛り上げて実に面白い。
監督は「ダブルタップ」で銃に憑りつかれる殺人鬼を描いた、ロー・チーリョン。
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ビザンチウム ★★★.5

2013年12月27日 | アクション映画ーハ行
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994)のニール・ジョーダン監督が再びバンパイアを題材に取り上げ、シアーシャ・ローナン主演で永遠の孤独を宿命づけられた吸血鬼の少女の姿を描く。原作は、脚本家で劇作家のモイラ・バフィーニが2007年に発表した舞台「A Vampire Story」。
あらすじ:人の血を吸い生きるバンパイアの少女エレノアは、たったひとりの肉親の女性クララとともに、見知らぬ街から街へと移り住みながら生きていた。ある時、海辺のさびれた保養地に建つゲストハウス「ビザンチウム」を訪れたエレノアは、難病のため余命わずかの青年フランクと出会い、恋に落ちてしまう。バンパイアの血の掟に背いたことで、クララとの絆も揺らぎ始めたその時、エレノアとクララを追う者の魔の手が迫り……。

<感想>前から観たいと思っていたのに、やっと地方でも上映された。それも1週間だけで。今時流行りのヴァンパイアものです。それに、主人公エレノアに今を時めくシアーシャ・ローナンが演じているのも魅力ですね。しかし、主人公たる吸血鬼の二人がともに女性。しかも実の母親と娘であることが異色ですよね。
「ポーの一族」を連想せずにいられない物語なのだが、本来吸血鬼文芸の主人公は男の独占場であったから。
この作品の中でも男の吸血鬼たちの文字通り「血」の同盟団が脈脈と二百年に渡って二人の女吸血鬼を抹殺しようと、追尾しているという。そんな盛りだくさんな内容なので、吸血鬼の2人の彼女らに心理的に同化できて、男どもの身勝手さに腹を立ててしまう珍しい体験をした。
舞台劇の「ア・ヴァンパイア・ストーリー」で当てた原作者のモイラ・バフィーニ自ら脚本にしたというこの作品。「ビザンチウム」と題名を替えたのは良かったと思う。女吸血鬼の母親クララに、娘エレノアの二人がしばし逗留するのが元ホテルで、今は老朽化のひどい下宿屋の名前が「ビザンチウム」である。

それに遡ること、4世紀から約10世紀間、十字軍の遠征の大混乱を抱えたビザンティン帝国の帝都。コンスタンティノーブルと呼ばれたこともある。
なにしろトルコ語名イスタンブールで、オリンピック招致のライバルとして近頃久しぶりに耳馴染みな都市になったところ。そして、東と西、オリエントとヨーロッパを繋ぐ国。その都ということで招致運動を推進した。

さて物語は、人間を秘密で吸血鬼の同盟に参入させる秘密の孤島には、船で行くも荒々しい海のうねりと岩の座礁が難航で、入り江から入って崖を登ると大きな滝が出て来る。その滝の脇に洞窟があり、その洞窟の中にはコウモリの巣で、もの凄い数のこうもりが潜んでいて、人間を襲い血祭りにする。
そして、洞窟の横の滝が血の滝となって真っ赤に染まって流れ落ちるという光景。
娘エレノアが、好きになった相手、フランクが白血病としり、自分の生い立ちを物語にして書き渡す。そして、吸血鬼同盟の掟を破って産んだ娘を、本当だったら殺さなければいけないのに、孤児院へ入れ、母親クララは命を張って娘を守り、最後は母子の関係さえ解き放って解放する。

何だか2010年に観た「ぼくのエリ200歳の少女」と類似しているような気もしたが、母親と一緒に旅を続けるという設定が違うのだが。正体は明かせず、200年間「16歳」のまま孤独を噛みしめながら、永遠の毎日を繰り返している。難病の青年との禁断の恋。血を求め、人を殺めてきた贖罪意識、200年もの歴史の起源の物語が押し寄せてくる。エレノアが人間の血を吸い取る時には、手の親指の爪が異常に尖がって来て、それで腕の静脈を切り吸い取るのだ。
最後が、白血病の青年、「アンチヴァイラル」の、いかにも虚弱な顔の俳優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズを、あの人間を吸血鬼にする孤島に連れて行き、永遠の命を与えて終わる。
しかし、ここで特筆すべきは、シアーシャはシチュエーションごとにいくつもの困り顔のバリエーションを見せてくれる。これはさすがに、と思った。だから時空を超越しているヴァンパイア役だって、彼女にはお手の物なはず。
現在19歳の彼女。美少女だの若き天才女優だのと持ち上げられて、旬の時期はあっという間に過ぎてしまう。ですが、オッサン監督ばかりに起用され、しかも悪趣味な一風変わったジャンルの作品に呼ばれ、我が道を行くシアーシャは素晴らしい。
来年3月に公開される「ザ・ホスト」では、地球外生命体に寄生されながらも、それと闘うヒロインを演じているというのだ。前に観た「天使の処刑人 バイオレット&デイジー」は拳銃をぶっ放す殺し屋役だった。
ニール・ジョーダンだけが持つ特異な感受性と想像力が、かつての鋭さを失っているようだ。ところどころで、彼らしい独自の美意識の片鱗は見る事ができた。だが、それはジョーダンならば当然のことなのであり、全体として普通の吸血鬼物語に収まっているのが惜しい。
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囚われのサーカス★★★★

2013年12月26日 | DVD作品ーた行
「ジュラシック・パーク」シリーズのジェフ・ゴールドブラム、『ハンター』のウィレム・デフォーほか豪華キャスト共演で贈る戦争ドラマ。ホロコースト生存者を集めた施設を舞台に、彼らが抱える心の闇と過去からの脱却を斬新な切り口で描く。監督はポール・シュレイダーで、ナスターシャ・キンスキー主演のホラー作品「キャット・ピープル」(05)。他にも「アメリカン・ジゴロ」リチャード・ギアがジゴロ役で熱演している。
あらすじ:1961年、かつてベルリンで喝采を浴び、人々に愛されていたエンターテイナーのアダム・シュタインは砂漠の真ん中に立つサイズリン研究所に身を置いていた。そこはナチスによるホロコーストを生き残った者達をケアする場所として建てられた精神施設だった。アダムは明晰な頭脳と持ち前の話術で周りを惹きつけ、一見すると施設に不釣り合いのように見えたが、彼には退所できないある<秘密>があった…。
<感想>劇場未公開作品。元サーカスの団長アダムを演じるジェフ・ゴールドブラムと言うと、ウイル・スミスと共演してエイリアン退治をした「インデペンデンス・デイ」が有名ですよね。現在61歳のギョロ目で背が高い濃い顔の俳優さん。
その彼がこの作品の中で、イスラエル人作家の小説を映画化した、ナチスのホロコーストで生き延びた哀しいピエロの贖罪を描いた主人公を演じている。

現在と過去のホロコーストを幾度も交錯するなか、収容所の場面はモノクロ映像でセットもカメラワークも実に巧妙です。もちろん、現在の場面はカラーで描かれ、主人公の名前が神が創った最初の人間“アダム”だけに、神話的で寓話的な物語でもあり、人の心が読めて痛みを一身に引き受け、芸達者だけにみんなを笑わせながら癒していく死にかけたピエロを演じる、ジェフの怪優ぶりは還暦を過ぎても健在である。
過去と現在を演じ分けるジェフの二面性が、実に素晴らしい出来でした。
まだ第二次大戦前のベルリンで、サーカスの団長として奇術やコントで人気を得ていたころ。戦争が始まり妻や娘2人が強制収容所へ入れられる。
かつて、アダムのショーに感動したナチスの総司令官クラインに、命を救う代わりに四つん這いになれと、命令する冷酷な総司令官を演じるウィレム・デフォーも、ハマリ役で熱演。彼はこういう役柄はお手の物のようですね。
ペットにされて、犬に成りきり獰猛な軍用犬シェパードを瞬時に手なずけ、クラインの部屋でペットとして飼われることになる。いつも軍用犬と一緒で、首輪と鎖を付けられ、食事も犬と同じものを食べさせられる。
しかし、ここで生き抜くためには、そんな苦渋の選択も致し方ないこと。我慢の限界など通り越して、神経をすり減らし、妻と娘も生かしてくれるという言葉を信じつつ、ヴァイオリンを弾かされ、目の前のガス室に送られる妻と娘を見送ることになる辛いことばかり。
だから、戦後は命は助かったものの、ナチスの総司令官から貰った屋敷で独り暮らし。頭の神経がおかしくなり、ホロコースト生存者のための、砂漠の精神病院へ送られてしまう。

そこでの彼は、色っぽい看護婦役のアイェレット・ゾラー、トム・ハンクス主演の「天使と悪魔」に出ていた女優さん、犬を演じさせて調教プレイするHなシーンもエロいんですが、精神病院での働きぶりがどうも看護師として何をしているのか分かりません。
やはりジェフのギョロ目と長い手足を軽やかなステップに、漫談とお茶目な魅力を振り回している演技がいいですね。
ある日のこと、隔離部屋で鎖に繋がれた犬ように暮らす少年と出会う。その少年は人間を嫌うように四つん這いになり、いつも犬の鳴きまねをして近づくと噛みつく。かなり心に深い闇を抱えているようで、アダムも犬になって死を免れた辛い過去があるだけに、その少年にデヴィッドと言う名前を付けて、言葉を話かけ歩く練習をさせる。だが、少年が人間らしくなるにつれ、アダムの体の腎臓から出血して生死を彷徨い、夢の中で総司令官クラインの幻影に自殺を勧められる。
そして、生き延びた長女は、ホロコーストでナチスの男たちの慰め者になり、父親が家族を見捨てて犬になった父を許すことができなかった。その長女が息子と共に自殺をして、その墓前で彼女の夫に「ピエロの娘なのに、一度も笑わずに死んだ。笑わせてくれ」とアダムは言われる。
すると、墓前の花を食べ土をむさぼる悲痛な姿のアダム。ついに過去と決別して新たな生きていく覚悟を決めたアダムの笑顔が、精神病なんかじゃない。死を選ぶのはたやすいこと。でも、昔の辛い思い出から逃れたいばかりに、自分を殺してピエロを演じていただけ。
砂漠の精神病院の犬になっていた少年は、次第に元気を取り戻し叔父さんに引き取られていく。
この物語で、いかにナチスの収容所へ追いやられたユダヤ人たちの、過酷な生き様を見るにつけ、戦争は絶対にあってはならないと痛感し、平和な日々が、いかに人間にとって生きる糧になることかと思い知らされます。
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プレーンズ ★★.5

2013年12月24日 | アクション映画ーハ行
ディズニー / ピクサーが生み出した『カーズ』シリーズの世界観から生まれた、飛行機が主人公のアドベンチャーアニメ。世界最速のレーサーを夢見るも、高所恐怖症で低空での飛行しかしない農薬散布機ダスティが、仲間たちに支えられながら世界一周レースに挑む姿を描く。監督は、『ティンカー・ベルと月の石』のクレイ・ホール。飛行機たちが猛スピードで大空を駆けるフライトアクションの迫力に圧倒され、夢を追い掛けるダスティの冒険が胸に響く。
あらすじ:農薬散布機のダスティは世界で一番速いレーサーになることを夢見ているが、レース用飛行機でない上に、高いところが大の苦手で低空飛行しかできなかった。しかし、最速のレーサーになりたい気持ちを抑えられないダスティは、仲間や伝説の元海軍飛行教官の協力により、念願の世界一周レースへの出場を果たす。最新鋭機に交じって奮闘するダスティの前に、世界最高峰のヒマラヤ山脈が姿を現わし……。

<感想>これは3Dもあったのですが、時間の関係で2Dで鑑賞しました。監督は大の飛行機好きなんだそうで、父も祖父も海軍のパイロットという家に育った。で、本作の物語の原型は「カーズ2」のスピンオフ短編「飛行機メーター」。おんぼろレッカー車が飛行機になって活躍する奇想天外な物語から、舞台設定やキャラクターのイメージを引き継いだそうです。
だが、「カーズ」が飛行機になっただけのようで、ちょっとがっかりもした。それに、大人が観るには底レベルでお子様向けですね。
プロペラ機のダスティの夢は、レーサーになって世界一周レースの優勝を飾ること。スピードは出るし、小回りも利いてアクロバット飛行も得意である。だからレースに出ても十分にいけそうな雰囲気なのだが、しかし、彼は上昇して上空300mを超えると気を失いそうになる高所恐怖症なのだ。レーサーになれるかどうかより、飛行機として非常に問題がある。そんな彼が退役した戦闘機スキッパーからのアドバイスとトレーニングを経て、世界一周レースに挑んでいく。

飛行機なのに高所恐怖症であるダスティのキャラクターの設定が、おのずと限界超えや、夢を諦めないをテーマにした物語を盛り上げると同時に、ビジュアル面でも効果を発揮して、「飛行機のレースだから、延々と空を飛んで雲しか映らないのでは?」なんてことありませんから。
凍てつくアイスランドの海域や、古城が散らばるドイツの丘陵地帯、それに雲がかかった山崖にそびえるネパールの寺院、独特の隆起をした中国の山々、太陽のギラつくメキシコからアメリカの砂漠など、低空飛行しかできない彼だからこそ、世界各国の上空ではなく、その下に広がる特色のある風光明媚がスクリーンいっぱいに映し出され、それを楽しめる仕掛けになっているんですね。

それに、様々な場所を飛ぶだけに、飛行描写も多種多様で、急上昇に急降下、急旋回したり、きりもみ飛行なんかも、列車の線路ずたいに飛んでいてトンネルの中へと、前から列車が来るというハラハラがありまして、崖と崖の間をすり抜けて、さらには空母に助けてもらい離陸まで繰り出してくれる見せ場が満載ですよ。
出だしでつまづいたものの、快進撃を始めるも、卑劣な王者リップスリンガーの企みにより、コースを脱落してしまうダスティ。

物語もビジュアルのみならず、かつて海軍で輝かしい戦歴を残した戦闘機。戦時中にトラウマを負い今では格納庫で隠居生活を送っているスキッパー、ダスティよりも深刻な闇を抱えているのだ。ダスティの奮闘にトラウマを拭い去り、窮地に陥ったダスティを助けようと、大空へ飛び上がっていく展開は、お決まりのディズニー映画らしく王道的ストリーのようだが、否応なく熱くなってしまう。

夢を諦めない主人公のダスティと、陽気で恋愛至上主義の覆面メキシコ機のエル・チュパカブラと、おしとやかなピンクの桜色の日本機、盛んに日本機にナンパをする覆面メキシコ機の愉快さにも笑いを誘う。チャンピオンの非常にプライドが高いリップスリンガー、オレンジ色のミステリアなインド機など個性豊かな飛行機たちが世界一周レースを繰り広げます。

それに、ダスティの親友でもある燃料トラックチャグ、最初はコーチを買ってでたが、教官機スキッパーにその役を譲る。ダスティの整備を担当するフォークリフトのドッティの他にもたくさんの応援車がいる。
自分の欠点を逆に活かした主人公機のダスティが、レースを引っ張っていく展開が心地いいですね。もちろん、吹き替え版なので、主人公ダスティの声は瑛太さんが担当している。すでに、シリーズ第二弾も制作中とのこと。
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永遠の0 ★★★★★

2013年12月22日 | アクション映画ーア行
零戦搭乗員の悲劇を描いた百田尚樹のベストセラーを、『ALWAYS』シリーズなどの監督・山崎貴が映画化した戦争ドラマ。祖父の歴史を調べる孫の視点から、“海軍一の臆病者”と呼ばれたパイロットの真実の姿を、現代と過去を交錯させながらつづっていく。主人公の特攻隊員役に、『天地明察』『図書館戦争』などの岡田准一。現代に生きる孫に三浦春馬がふんするほか、井上真央や夏八木勲など若手からベテランまで多彩な俳優が共演する。生と死を描く奥深い物語はもちろん、サザンオールスターズによる心にしみる主題歌にも注目。
あらすじ:祖母の葬儀の席で会ったことのない実の祖父・宮部久蔵(岡田准一)の存在を聞いた佐伯健太郎(三浦春馬)。進路に迷っていた健太郎は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃した零戦パイロットだったという祖父のことが気に掛かり、かつての戦友たちを訪ねる。そして、天才的な技術を持ちながら“海軍一の臆病者”と呼ばれ、生還することにこだわった祖父の思いも寄らない真実を健太郎は知ることとなり……。
<感想>原作は読んでませんが、これから読みたいと思ってます。冒頭で祖母の葬儀の席で号泣する祖父役の故・夏八木勲さんの顔を拝見して、幾つか亡くなる前に撮られた作品希望の国にも出演していましたが、この映画の中の夏八木勲さんは最高の顔をして演じていました。そして、現代のパートを重厚に彩る田中泯、山本学、橋爪功の名優たちの存在にも感服です。

それから孫の三浦春馬くんと吹石一恵さんとが、祖父から実の祖父が居ることを話して聞かされ、もう一人の祖父宮部久蔵を調べていくうち、「海軍一の臆病者」と呼ばれた零戦パイロットの祖父の真相を訪ねて歩く過程を描いています。
家族のもとへ帰ることに執着し、零戦乗りのパイロットがなぜ特攻出撃したのか、宮部の血を引く現代の若者が、かつての戦友たちを訪ねてゆく。そこで明かされる宮部の人柄と、臆病者、卑怯者とののしる人たちや、立派な人だったと答える人たちもいることに考え深い印象を受けました。

確かに海軍時代には、臆病者と言われていたわけですけど、高い技術を持ったパイロットだったわけで、闘うこと自体に恐れを抱いていたわけではない。ただ、“戦う哀しさ”を知っていた男として、自分が死んでしまったら、妻と子供の生活はどうなるのかということを一番恐れていたのでは。
それに、自分は死にたくないと言いましたが、周りの人間にも死んでほしくないと思っていたわけで、この時代は赤紙が来たら有無を言わずに戦地へ行き、お国の為に死を覚悟することは当たり前のこと。しかし、やっぱり生きて帰りたいという、心の中では信じていることで、それを口に出して言うのは確かに「臆病者」だと呼ばれても仕方がないこと。

たった26年間という短さ宮部久蔵の生涯。1041年の12月の日米開戦=真珠湾奇襲攻撃から実戦に参加している彼は、妻子のために必ず戦場から生きて帰ることを誓うのだが、そこまでは理解できるし、またその種の展開は日本の戦争映画の定番でもあるんですね。宮部久蔵を演じた岡田准一さんの光輝くオーロラが、最後に特攻としての役目を果たす場面に、涙がこらえきれずに無念の気持ちを汲み取りました。
もっとも戦場から生きて帰るためには、戦いを避けて通ることは出来なかったという苦渋の事実も訴えられており、そこに戦争の悲劇を見出して欲しいという作り手側の思いも込められているのではないかと考えられます。
宮部は卓越した操縦技術をもって、一見その苦渋から逃れることに腐れきった男のようにもとれますが、それを成し遂げられるようにズルをして地上に戻ったらどうなるのだろう?・・・。“卑怯者”の烙印を押されるくらいですまされない、現実には同胞たちから袋叩きに遭い、下手すればリンチで殺されてもおかしくないでしょう。そこまでいかなくても、上官に報告されて、それなりに処罰を受けるのが相応であろうに。

それが、歴戦の凄腕であればあるほど尚更で、戦わないだけならまだしも、仲間が見殺しになるような光景をも、遠くから眺めていたのだろうか、そういう時には戦っていたのか定かではなく、こういった部分が省略されているのが不満である。戦争のパートには、妻役の井上真央、海軍の濱田岳、染谷将太らが熱演。
やはり、あり得ないと思う。こんな男が戦時中にいたとは、信じがたい。自ら特攻を志願するまで生き延びていたとは思えない。戦時中に国家に対してここまで堂々とものを言える男が軍隊にいるはずがないと。でも、その一方では、こういう男が一人くらいいて欲しいという願望の現れだったとしたなら、それはそれで英雄賛歌のファンタジーであると思う。

戦後65年を過ぎ、戦争を知らない世代が国内の大半を占め、しかもあろうことか、近隣諸国との緊張関係が再燃し始めている。特に若い世代に戦争の悲惨な災いを知らしめるには、それが事実であろうとなかろうと、生きるために戦う戦士を描くよりも、生きるために戦いを放棄した戦士を描いた方が得策ではあるのだろうと認識しました。
CGと実寸模型で再現したリアルな零戦と空母。海軍の赤城の下半分と甲板の一部はオープンセットを建造。これにCGを合成して全長260m超の巨大空母を作り上げたというのだ。
まだ上映している映画館もある宮崎駿監督作「風立ちぬ」が大ヒットしているが、戦争を忌まわしいと言いつつ、戦闘機が大好きで大空を飛ぶ零戦闘機を画面に大きく出して、好きという矛盾を暴露した。しかし、自己矛盾は何も彼だけではないのだ。桑田さんの「蛍」がまたいいですね、エンドロールでも誰も席を立たずに余韻に浸ってました。
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ウォーキング with ダイナソー3D ★★★

2013年12月21日 | アクション映画ーア行
「ディープ・ブルー」「アース」といったネイチャードキュメンタリーに定評のある英BBCが製作、最新の科学的検証をもとに恐竜たちが生きた太古の世界を3DCGで再現したアドベンチャー。7000万年前の白亜紀後期のアラスカ。厳しい冬を生き抜くために南へ向かう草食恐竜パキリノサウルスの群れに、耳に大きな穴の開いた、体がひときわ小さな一頭がいた。やがてその一頭は、群れのリーダーでもある父を亡くし、兄や仲間ともはぐれ、巨大な肉食恐竜や自然の脅威と戦いながら旅していく。

<感想>ジェイムズ・キャメロン率いる3Dプロダクション、キャメロン・ペース・グループと組んだアドベンチャー。壮大な実写背景とリアルなCGキャラを組み合わせて、草食恐竜パキリノサウルスの子共、パッチの過酷な旅を綴っている。3D映像なので、迫力のある恐竜たちの戦い(頭突き)など、臨場感たっぷりで、恐竜の肌質感などリアルに映っているのもいい。

草食恐竜パキリノサウルスは、冬の到来と共に植物を求めて南へと移動を開始する。群れで行動するのだが、子供のパッチは、肉食恐竜の襲撃に遭い今にも食べられそうになる。それを助けてくれるのはパッチの父親である。
パッチの父親は、パキリノサウルスのボスで先頭に立って先導していく役目がある。だが、自分の子共が肉食系の恐竜に襲われているのを見捨てるわけにはいかない。子供たちに生き残る厳しさを教えるのはいい。

旅をしている間も、獰猛な肉食恐竜の攻撃や、夜空のオーロラの饗宴に観客は目を見張ってしまう。そして、氷の張った河の横断、これには春が近いのに、氷の河を渡る体重の重い恐竜たち。

父親に代わって兄がボスになり、みんなを率いていく。足を滑らせたりして始めは楽しそうでしたが、パッチが氷が割れる音を耳にして、引き返して川から岸へ上がろうと叫ぶのだが、半分くらいは引き返して助かる。兄がそれを見て腹を立て、俺がボスなのに弟パッチが余計な事をと反感を持つのだ。

そして、恋愛も強い恐竜のボスに自分の彼女を奪い取られる悔しさを痛感する。一度は戦って、敗れて諦めかけたのに、やっぱり忘れられない彼女。体が大きいばかりで知恵がない兄貴のボス。弟は小柄だが先見の目があり、みんなを安全な場所へと誘導していく。
それに山火事に、父親の死などを乗り越えて、パッチの成長していく過程を映している。生存競争の厳しさ、兄弟とわ言っても大人になると誰がボスなのかの戦いもある。何だか、人間社会にそのまま当てはめることもできるようだ。自然界での掟、弱肉強食の時代、うかうかしていると食べられてしまう。蹴落としながら上に昇る現代社会と、通じているところもあると思う。
それでも、最後はパッチにも子供が産まれて、父親になることができた。その繰り返しの営みこそが大自然の有り方なのですね。
パッチの物語こそフィクションだが、生態や棲息地は古生物学に即している。化石を基に、関節の動きを再現したり、恐竜に羽毛があったり、身体に模様があったりと、その姿は最新の研究成果に基づいて描写しているのだ。
声の出演は、とんねるずの木梨憲武さん、パッチの声を自然にこなしていて上手いですね。
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ジ、エクストリーム、スキヤキ ★★

2013年12月20日 | アクション映画ーサ行
劇団「五反田団」主宰で、映画化もされた演劇「生きてるものはいないのか」や小説「夏の水の半魚人」、映画「横道世之介」の脚本などで知られる前田司郎が、映画監督に初挑戦し、自身の同名小説を映画化した青春ドラマ。
絶縁状態だった大学時代の友人・大川と15年ぶりに再会した洞口は、人懐っこい大川のペースにのせられ、ある旅行の計画に巻き込まれる。大川の同棲相手・楓と、洞口の昔の恋人だった京子も強引に計画に引き入れ、4人はなぜかスキヤキ鍋を持って海に向かうことになるが……。洞口役の井浦新と大川役の窪塚洋介が「ピンポン」以来11年ぶりに共演。
<感想>もう終わりだというので鑑賞した。「横道世之介」の脚本でも知られるクリエーター、前田司郎が監督デビューを果たしたロードムービーである。そして、この作品で話題なのが、「ピンポン」以来となる井浦新と窪塚洋介の共演なのだ。当時から親交が深かった2人であるが、息の合った絶妙な掛け合いは、この作品の大きな見どころでもあります。

多彩な前田司郎の監督デビュー作なので、会話の微妙なズレが笑いを誘うが、この空気感をいい雰囲気に仕立てているひとつとして、重要なのが音楽でもある。ムーンライダーズの曲が3曲挿入歌として使用されている。どこに使われているかは、観てからのお楽しみですよね。
洞口、そして大川も人生に行き詰まりを感じているが、今の時代どこにでもいそうなリアルさがいい。部屋のセットの小道具など、今時な男の興味が凝縮して分かるのも面白いですよ。
大学時代の親友が15年ぶりに再会し、男女4人で小旅行をするロードムービーになっているのだが、事件らしい事件もなく、行き当たりばったりの退屈な旅に見えてしまうのだ。

冒頭、かなり高さのある陸橋から落ちる井浦新。キャスティングとしては、大川役の窪塚洋介がそっちをやった方がいいのではと思った。(以前、飛び降り自殺をした経験者なのだ)だから、ナチュラルっぽさを装った笑えないツッコミ合戦的な台詞の応酬にも、辟易してしまった。「なんか俺、一発でかいことやった方がいいよね」と大川が言えば、「たくさん小さいことやった方が良いんじゃない」なんて洞口が言う。人間同士の分かり合えなさと、分かり合いたさの、せめぎ合いが凄い。2人の自然なやりとりは巧妙で笑える。

台詞も一見脱力系に見せながら、絶妙な言葉の掛け合いが鋭く、思わず笑ってしまう。ですが、旅が始まると、そんなこともついつい忘れてしまい、いい意味でのグダグダ感に包まれてしまうのが苦痛になる。このまま主人公4人の、道程を見続けていたいという思いは、前作で手掛けた「横道世之介」で抱いた、横道らの大学生活を延々と眺めていたいという気持ちと同じ感じなような気もした。これにも、監督の世界観が存分に出ていたようですね。

生死の境界の攪乱、小旅行にモラトリアム、時おりテーマを射抜くムダなお喋りなど。これまで演劇や小説などで前田司郎作品に慣れ親しんできた人たちから見れば、これ以上のないくらい前田ワールド全開になっているので満喫できるでしょう。
しかし、彼の持ち味を存分に発揮された作品が、オーソドックスなドラマからは逃れてはいるものの、結果としてどこか類型に陥ってしまっているよう気もする。
4人のモノローグで構成した原作は、学生時代に自殺した仲間に対する屈折した心理が、ドラマを引っ張っている気がするのだが、映画ではその心情が伝わってこない。クライマックスのスキヤキが、それぞれの人生の分岐点になったことを、推測させるような映像的な工夫が欲しいところでもありますね。
そういえば、前にDVDで観た女性の友情を描いた「ペダルダンス」と似ているような気がしました。後で記事を載せたいと思います。
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ブリングリング ★★

2013年12月19日 | アクション映画ーハ行
『SOMEWHERE』などのソフィア・コッポラ監督が、無軌道なティーンが引き起こした被害総額3億円に上る実際の窃盗事件を映画化した異色青春ドラマ。ハリウッドセレブに羨望(せんぼう)のまなざしを向ける若者たちが、遊び感覚でセレブ宅に侵入し窃盗を繰り返すさまを、スタイリッシュな映像で描く。『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンを主演に、期待の若手俳優たちが出演。実際に被害に遭ったパリス・ヒルトンが自宅を撮影場所に提供している。
あらすじ:セレブの豪邸が立ち並ぶ高級住宅街カラバサス、華やかな生活に憧れを抱くニッキー(エマ・ワトソン)ら5人の少年少女たちは、パリス・ヒルトンやオーランド・ブルームなどセレブの豪邸をインターネットで調べ、留守宅への侵入と窃盗を繰り返していた。それはほんの悪ふざけのつもりだったが、やがて彼らは後戻りできないところにまで足を踏み入れてしまう。

<感想>パリス・ヒルトンのお宝をかっぱらえ!、DQNティーンの衝撃のおバカ事件の顛末とは。ソフィア・コッポラの新作である。タイトルはロサンゼルス・タイムズ紙が10代の窃盗団につけた“キラキラしたやつら”の意味だそうです。主演がエマ・ワトソンって?・・・えっ~なんかそそられないのよね。キャストがヤンキー姉ちゃんタイプじゃなく清楚な彼女たちで固めたのもインパクト不足ですよね。
これが2008年~9年にかけてアメリカで実際に起こったティーンによる、セレブ宅連続窃盗事件であると知り、興味が湧いたのだが。被害総額は、300万ドルだって。今時の馬鹿者たちは何をしているんだ!、と誰も叱らないのか。

君たちは、自分がしていることを悪いことだと思ってないし、悪遊び感覚で騒いで、誰にも見つからないのをいいことに、盗んだ物を売ったりして金に換えていたのだ。呆れてものも言えない、大馬鹿者だ。
そのことを、少しは有名になったソフィア・コッポラが取り上げて映画にしたもの。観ている私たちもどうかしているが、こんな映画を撮ってお金を取ろうとする根性が許せない。
十代の小娘たちと、坊やの一人、見かけばかり気にする薄っぺらさや、クソ生意気な態度、物に溺れきっている生活スタイルや、彼らの家族の静かな狂いっぷりは、これまでのソフィア監督が得意としてきた「パーソナルな感情移入」を、これでもかと拒みまくる。

でも、それは、この事件を正確に描くにあたって、すごく重要なことなのだから、仕方のないこと。
罪悪感がない彼らは、セレブのクロ-ゼットからブランド物を盗みまくり、そこで味をしめると、約1年間に渡って、お遊び感覚で窃盗を繰り返していたというのだ。そして、嬉しそうに盗品を持ってキメ顔で自撮りして、写真を“facebook”に上げるというどうしようもないオマケ付き。そりゃ捕まるよ。

それでも、セレブたちの家のセキュリティの甘さも気になりますが、被害にあった、パリス・ヒルトンが気前よく撮影を許可してくれたそうで、それでも邸宅の内部までは映してないから、もっと奥まで見せてよ~~って、野次馬根性で言いたくなる。
ソフィア監督といったら、個人的な体験や大事な思い出を、フィルムに染み込ませるように丁寧に撮る彼女の姿勢は、これまでの全作品に貫かれているのだ。
「SOMEWHERE」も良かったし、「マリー・アントワネット」も女性の目から見てゴウジャスで良かった。

女の子である喜びと、それとは裏腹の憂鬱、そして孤独を描くのが持ち味なのに。本作の登場人物たちは、一瞬たりともまともな反省をしない。結果、彼らのことは誰一人として好きになれなかった。
非常にシンプルに、コンパクトに映画化してあるけれど、なんとも言えない複雑な後味を残し、考えさせられる部分がすごく大きい。主人公のティーンエイジャーだけでなく、観客の心を温めてくれるような人が出てこないのも残念。

劇映画というよりドキュメンタリーのような作り、逮捕後も反省の色なしで、カメラに向かって口八丁に自己弁護する小憎らしい主人公たち。
それでも、セレブに憧れる十代の犯罪を、正真正銘のセレブであるソフィアが映画化している本作の、入れ子構造も面白い。派手な事件を起こして、それがムーブメントになって、いい気になっているのも今のうちだ。そのうちみんな体だけ大人になって、そしてもっと愚かな子供を育て始める。そんなことを考えると恐ろしくなってしまう。
フィンチャーやガス・ヴァン・サントのお気に入り撮影監督であったハリス・サヴィデスは、本作の撮影終盤に突然逝去。その後は、弟子が引き継いで完成させたと言う巨匠の遺作でもある。
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カノジョは嘘を愛しすぎてる ★★★.5

2013年12月18日 | アクション映画ーカ行
「僕は妹に恋をする」「僕の初恋をキミに捧ぐ」の青木琴美による同名人気コミックを、佐藤健主演で実写映画化。音楽業界を舞台に孤高のサウンドクリエイター・小笠原秋と、才能を見出され劇的なデビューを飾る女子高生・小枝理子の恋模様を描く。
23歳の若さでサウンドクリエイターとして活躍する秋は、かつて自分が所属していた人気バンド「CRUDE PLAY」に楽曲提供を続けながらも、ビジネスとしての音楽の世界に嫌気がさしていた。そんなある日、秋は気まぐれで声をかけた「CRUDE PLAY」ファンの女子高生・理子と付き合うことになる。しかし、理子は天性の歌声の持ち主で、その才能を見込んだ敏腕プロデューサーにより、3人組バンド「MUSH&Co.」としてデビューすることになるが……。
ヒロインの理子を演じるのは、オーディションで選出された新人・大原櫻子。劇中バンド「CRUDE PLAY」メンバーに三浦翔平、窪田正孝、水田航生、浅香航大、「MUSH&Co.」メンバーに吉沢亮、森永悠希と若手注目株が多数出演。

<感想>とにかくCRUDE PLAYのイケメンたちのかっこいいことといったらない。特に三浦翔平くんに一目惚れ!!って、本当は佐藤健君のファンなので観に行ったのだが、劇中での健くん少し暗い印象があったので、三浦翔平くんの素敵な笑顔に❤ひとめぼれ❤で~す!でも、もう少し演技勉強してよね。
それに、新人の理子を演じた大原櫻子ちゃんの可愛らしさと自然な演技、バツ抜けた歌声とリズム感に驚きです。今時の女の子の歌手って、オバサンにはあまり上手とは言えなくて、華やかさとお色気勝負って感じです。
決して嫌いではないですよ。でもね、歌唱力とか、聴かせる声とかがね。今でも、ミーシャとか渡辺美里にキロロも好きですよね。

物語が、人気バンドCRUDE PLAYのメンバーだったものの、デビューする前に抜けた、天才的な音楽クリエイターの才能を持つ小笠原秋に佐藤健が扮して、少し陰のあるひねくれた感じのイメージを、素で演じているような気もした。
みんながそうじゃないと思うんだけど、バックバンドの人たちって全然楽器がダメなんだ。それで専門のバックバンドに弾いてもらっているという裏事情とか、まさか声まで口パクってことないでしょうに。あの有名な「ゴールデンボンバー」ってグループみたいに。

それでも、一応売り出した曲は、主人公・小笠原秋が作曲していると言う設定。音楽関係の人って、作曲するのにふとイメージが湧いてきて、すぐに書けてそれがヒットするのがベストなんでしょうね。健くんの秋は、裏方に引っ込んで曲を書いてはみんなを檜舞台に出してやる。そんな仕事に満足している。
そんな中、秋にも売れっ子の恋人マリがいて、そのマリがプロデューサーの高樹とも付き合っているのを知って、別れを言い出すのだが、まだ秋の心にはマリの存在がしっかりと残っていた。

そんな時に、出くわしたのが高校生の理子。どうみても芋ねえちゃんというイメージだが、愛くるしい笑顔から派手な音楽界の世界にはない何かを得る秋。
だんだんと、純粋で無垢な高校生の理子に惹かれ、言葉では邪険に好きではないなんて言っているくせに、キスを突然するなんて、嫌いでできるかっていうの。

そんな時に、純真な理子の前にも、高樹の魔の手が伸びてスカウトにやって来る。やっぱ、CDデビューとかテレビに映り有名になるのが望みだった理子たち。でもね、高校生バンドがこんなにも簡単にメジャーデビューできるのかってところに、どうも納得いかなくて現実味にかけるんですよね。

それに、裏には、秋を良く思っていない男、ベースのメガネっこ心也が理子を奪って、自分の知名度を上げようとする者も現れたりして、秋の大ピンチに陥る。それに輪をかけたように、マリとのスキャンダルがマスコミにたたかれて、理子が秋を好きになっているのを知っているのに、心を打ち砕くようなそんな試練が次々と起こる。
秋は、そんな日本に嫌気をさして、ロンドンへ音楽旅行するというのだ。逃げるなんて卑怯だと思う。本当に大事に思っているなら、しっかりと、理子を抱きしめて守ってやらないとダメじゃないの。

エンドロールの後に、とっても素敵なシーンがあって、「嘘、こんなのってあり」ともかく、二人はやっぱり愛し合ってるんだね。少女マンガだけに、内容もそんなにつまんないというほどでもなく、あっさりとして爽やかでした。
大原櫻子ちゃんの歌声がとても素敵で、すっかりファンになってしまいましたよ。でも、やっぱ健には悪いけど、三浦翔平くんにどっぷりとハマってしまいましたです。
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武士の献立 ★★★.5

2013年12月16日 | は行の映画
君主とその家族の食事をまかなう役割を担うことから「包丁侍」と呼ばれた武士の料理人の家に嫁いだ娘が、夫や家族と絆を深めていく姿を描くヒューマンドラマ。
御算用者(経理係)として藩に仕えた「そろばん侍」の家族生活を描いた「武士の家計簿」(2010)に続き、江戸時代の加賀藩を舞台に描くシリーズ第2弾。優れた味覚と料理の腕をもつが、気が強いために1年で離縁されてしまった春は、加賀藩の料理方である舟木伝内に才能を見込まれ、舟木家の跡取り息子・安信と再婚する。安信は料理が大の苦手で、春は姑の満の助けも借りながら、夫の料理指南を始めるが……。春役は約8年ぶり映画主演となる上戸彩、夫の安信に高良健吾。監督は「釣りバカ日誌」シリーズの朝原雄三。
<感想>本作で、お嫁さんにしたい№1の座を揺るぎないものになった上戸彩。テレビドラマ「半沢直樹」での可愛い妻役が好評だっただけに、本作でも彼女が演じた春という江戸の女性は、私たち現代の女性にも好感がもてるはず。「本当はこんなふうになれたならいいな」と心から思うから。まさに女の鏡とは、春さんのことを言うのでしょう。

江戸の出戻り女性が、ひょんなことから、その類まれなる味覚と料理の腕を、加賀藩の由緒ある料理方に惚れこまれ、息子の安信の嫁にと懇願される。出戻りだからと断るも、根負けして承諾してしまう。
だが、安信は四つも年下なうえに、由緒ある包丁侍の跡取りにもかかわらず、からきし料理が下手だった。春にとって夫・安信を一人前にすることが、自分の妻としての務めだと考えている。料理下手な夫を決して見下すのではなく、自ら料理指南をしながら育てていく。安信の失敗をさりげなくフォローしたり、わざと料理勝負を仕掛けて、仕事への意欲を煽るなど、安信の性格を分かったうえでの機転の利かせ方や気遣いも心得ているようですね。

侍のくせに料理なんかとふてくされた年下夫を、やんわりと受け止めて「お勤めをそんなふうに言うものではない」と、たしなめる春の夫操縦法が見事です。
ここぞの一言だけに、安信はぐうの音もでません。そんな夫に「古だぬき」と呼ばれる春さん。心で泣いて笑い飛ばす健気さに胸をが熱くなります。
そうして、陰で行われた春の猛特訓により、安信の料理の腕はメキメキと上達し、昇進も決まり、これで一家安泰と胸をなでおろした矢先に、史実でも有名な「加賀騒動」が勃発。侍として刀の道に未練を残した夫に春は、・・・。

幼いころに両親を失い、一度は離縁を経験している春は、嫁ぎ先の舟木家を本当の家族だと思い、誠心誠意尽くすようになる。自分を見初めた養父の伝内や養母の満とも、心を通わせ、嫁として完璧な存在に。養父の舟木伝内には西田敏行さんが扮しており、養母には余貴美子が演じていて、お二方ベテランの粋で演じて上手いです。息子の安信には、高良健吾さんが扮しており、ちょんまげ姿に着物が似合うし、上戸彩ちゃんの鬘に着物姿も綺麗で夫婦役にぴったりでした。

一家のために自分ができることを優先的に考える春は、加賀騒動に巻き込まれた舟木家のピンチに、身を呈して家族を守ろうとする。台所で刀を研ぐ夫を見て、妻として愛する舟木家の両親、そして安信にも死んでもらいたくない思いが、春を奮い立たせ刀を持ち夜の金沢を彷徨い歩く姿に胸が痛みます。
そこへ、舅の伝内が心臓発作で倒れ、お城の饗宴料理を任された舟木家として、父親に代わって無事役目を果たすことができたのです。
一時の激情にかられた行動かと思いきや、舟木一族の行く末を案じた春の真意に頭が上がらない。安信がついに包丁侍の大役を務めることになります。夫安信の、勇壮華麗なる、式包丁の作法。

さらには、夫・安信が心に秘めた想い人、親友と結婚した幼なじみの女性に想いを残していることを知りながら、黙って自分らしさを貫こうとする姿が健気です。舟木家を去り、能登半島の漁師小屋で飯炊き女として働く春。まさか、夫の安信が迎えに来るとは、嬉しくて抱きつく春に幸せが訪れます。
つらいことや困難があっても、くじけずに立ち向かおうとする春のタフさに拍手!ちなみに、夫の初恋相手には成海璃子が演じていますが、存在感がやけに薄くどうしたのって感じです。確かに、この時代の女性の立場は、親が決めた男と結婚しなければならず、嫁ぎ先で夫に仕えて家を盛り立てるのが女の務めなのでしょう。
武士の家とは言え、包丁侍とて立派な職業。引くところは引くが、武士の妻として出る所は出る。そんな春の行動に真の女の強さと美しさを感じずにはいられません。


加賀のお家騒動:劇中で安信が参加を試みる、大槻伝蔵の一派による前田士佐守直躬の暗殺計画事件。その背景にあったのが、加賀藩で起きたお家騒動の“加賀騒動”だ。6代藩主・吉徳の側近だった伝蔵が、密かに関係していた藩主の側室・真如院と組み、8代藩主毒殺を企てたと言われるもの。のちに、伝蔵を妬んだ前田士佐守直躬が捏造したものとされた。
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天使の処刑人 バイオレット&デイジー★★

2013年12月15日 | アクション映画ータ行
見た目はキュートなティーンエージャー。けれどもその正体は、殺し屋という女の子二人組を描くバイオレンス・アクション。
「つぐない」「ハンナ」のシアーシャ・ローナンと「旅するジーンズと16歳の夏」「シン・シティ」のアレクシス・ブレーデルが、ティーンエイジャーの殺し屋に扮したアクションドラマ。ニューヨークでお手軽な仕事だけを請け負う殺し屋のバイオレットとデイジーは、あこがれの新作ドレス欲しさに、ある仕事を引き受ける。それは、自ら電話をかけ殺してほしいと頼んできた男を殺すだけの、ごく簡単な仕事のはずだった。しかし、男は別の殺し屋にも狙われており、2人は思わぬ事態に巻き込まれていく。「プレシャス」でアカデミー脚本賞を受賞したジェフリー・フレッチャーが、オリジナル脚本で初監督を務めた。

<感想>「大統領の料理人」と一緒に観てきた。18歳の少女二人の殺し屋コンビ、バイオレット&デイジー、普段は人気アーチストに憧れるような普通の女の子。キツイ仕事は引き受けない、気楽な殺し屋稼業なのだ。賞金稼ぎとは違い、拳銃一つで請け負った人間をバンバン撃ち殺してしまう。死人の後始末もしない。
雑誌で見た「バービー・サンデー」とかの新作ドレスが欲しくなり、二人は仲介人のダニー・トレホから依頼を受ける。この俳優さん、殺し屋ではないので、これで出番終りでつまんない。拳銃バンバン撃つところ見たかったのに。

ターゲットはトラック強盗を働いたマイケル(デブ・ハゲのジェームズ・ガンドルフィーニ)という中年男。部屋に侵入して、男の帰りを待つ間、二人はつい眠りこけてしまった。あわてて飛び起きて、銃を向けるも男はまるで動じない。それどころか、お腹空いてるだろうと、クッキーを焼いてくれた。
調子が狂った二人は、目の前の男をどうしても殺すことが出来ない。けれど、別の殺し屋集団も彼を狙っていることから、二人はピンチに陥るハメになる。
つまり、そこへ4人の男たちが拳銃を持って入って来て、すかさず拳銃裁きを見せつける二人。4人の死体を風呂場にぶちこんでと、拳銃の弾がなくなったので買いに行きたいというバイオレット。

外の金物屋へ行く彼女に、その店に強盗が入りそこへ警察が来てドンパチが始まる。そいつらを拳銃でみな殺しにしてしまうバイオレットって凄くない。
二人の天使が銃声の嵐を響かせる、この非現実的な話が好きなファンには最高なんでしょうが、殺されたいターゲットの男との交流により、少女が自分の時間を生き直すために、男の部屋でウダウダと長い時間をとっていたのか。

若くて可愛い女の子たちって、シアーシャ・ローナンは19歳だし、もう一人のバイオレットを演じているのは、32歳のアレクシス・ブレデル。30過ぎてロリで殺し屋って、無理過ぎてない。外には№1の黒人女スナイパーが控えているのに、撃って来ないのだ。
シスターの衣装を着せて、銃を握らせて殺し屋の真似事をさせる。それ自体は否定しないし、カッコ良ければいい。しかし、スタイルだけをなぞって戦う女への幻想を満たしたり、いたずらに過酷な運命を背負わせる向きにはへきえきしますね。
特にシアーシャは、格好の餌食にされているようだ。美女の殺し屋といえば「キック・アス」のヒットガールクロエちゃんですが、それを意地悪くカバーしたのが「スーパー!」のエレン・ペイジ。「スプリング・ブレイカーズ」が世に倦む女子大生の春休みの幻想だったら、こちらは永遠に続く殺人プリキュア少女かしら。

しかし、一事が万事行き当たりバッタリの、二人の行動と感情は不安定なのだ。その上、男は別々の殺し屋2組に狙われており、状況は二転三転。まったく先の読めない展開です。しかも、まさかの室内劇で、ターゲットの中年男との会話はかなりグダグダだし、タランティーノの撮るガールズ・トークシーンが、いかに優れているかが分かる。これ以上のないおバカな映画としか言いようがない。

そして、この辺りからただでさえ浮世離れした物語が、シュールな状況に。ドラマはバイオレット&デイジーの内面に入り込み、夢なんだか現実なんだか分からない少女地獄に、「人形病院」という謎の収容施設や、大量に飛来する爆撃機という幻想シーンがドラマを侵食し始めます。
いくらマンガでも、その幼さや動きが痛々しいですよ。演出がどうの、役者がどうのという気はもうとうないが、血糊の大盤振る舞いは感心しないし、終幕の父親のマイケルと、暫く会っていない娘の湿っぽいシーンのあざとさには呆れ果てました。
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ゼロ・グラビティ3D ★★★★

2013年12月14日 | アクション映画ーサ行
トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督が、宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士たちの極限的状況を最新VFXと3D技術を駆使して描いたSFドラマ。
スペースシャトルのメディカル・エンジニア、ストーン博士とベテラン宇宙飛行士のマットは、船外作業をしていたところで予想外の事故に遭い、宇宙空間に放り出されてしまう。空気も残りわずかで地球との交信手段も断たれ、たった1本のロープでつながっているだけの2人は、絶望的な状況の中から生還を目指すが……。
ストーン博士役にサンドラ・ブロック、マット役にジョージ・クルーニー。撮影は「トゥモロー・ワールド」も担当した名匠エマニュエル・ルベツキ。脚本はキュアロン監督と、監督の息子ホナス・キュアロンによる。
注意:全部ネタバレで書いてますので、あしからずご了承ください。
<感想>早速昨日、3Dで観てきました。舞台は地球上空60万メートル__音も酸素も気圧もない、無重力空間<ゼロ・グラビティ>。サンドラ・ブロックと、ジョージ・クルーニー扮する宇宙飛行士が、予測もしなかった事故によって宇宙空間に投げ出され、絶体絶命の危機に陥る。果たして二人は地球に戻ることができるのか?・・・。

「アバター」以来の臨場感あふれる3D映像とも称賛され、ジェームズ・キャメロン監督も「史上最高の宇宙映画」と絶賛したという。
まずは、冒頭から観る人を壮大な宇宙へ連れて行ってくれる。終りのない膨大なる空間、オープニングは、母親と子供を結ぶ“へその緒“のような、たった1本の管で繋がれた危うい生命の絆を頼りに、フワフワと無重力の無限の空間を遊泳する人間の姿が見える。それは人間が大自然の中ではいつも小さな、頼りのない存在であることを見せているかのようだ。
スペースシャトル・エクスプローラーの、テレスコープへ新しいシステムを取りつけるミッションを持って送り込まれたライアン・ストーン博士に、サンドラ・ブロックが演じてます。この女性は宇宙にいること自体どこか不安げで、居心地が悪そうに見えた。訓練を受け選ばれた宇宙飛行士なのに、どこか落ち着かない女って感じです。
もう一人は、余裕たっぷりのベテラン宇宙飛行士コマンダーのマット・コワルスキーには、ジョージ・クルーニーが演じている。彼はこれが最後のミッションだというので、新しく開発された命綱なしで宇宙を自由に飛べるジェットバックの機能性をテストしたりして楽しんでいる。

そんな時、ロシアの通信衛星の一つがミサイルで破壊され、大惨事に巻き込まれる。その通信衛星が粉々になり凄い勢いで破片が飛んで来るのだ。
あわてて、サンドラはミッションを早くすまそうとするも、時すでに遅しで粉々になった破片がビュンビュンと、それは3Dですので顔面の近くまで破片が飛んで来るような錯覚が恐怖です。それに、サンドラがぎゃあぎゃあとワメキ散らす声が煩くて、この女性は本当に半年間の訓練を受けた選ばれた宇宙飛行士なのか?・・・でも、人間は誰しも急な事態には、このように落ち着きがなくワメキ散らしてジタバタするものなのか。でも、このサンドラはとにかく性格もあるのでしょうが、ひどいですよ。どちらかというとコメディ要素があって、緊迫感を和らげるために選ばれたのかもしれませんね。

とにかく、彼女たちが乗っていたエクスプローラーが宇宙のゴミに破壊され、宇宙飛行士たちがその犠牲になってしまうのも、もちろん映し出され悲惨な現状です。
宇宙のゴミの破壊力は、使い捨ての古い衛星の破片や、過去のミッションで使われ放ったらかされた部品などが、ゴミの川のようになって、地球を回る軌道に乗りもの凄いスピードで飛び交っているんですから、これは恐怖です。
今、宇宙のゴミは深刻な問題になっていて、NASAがそれをケスラー・シンドロームと呼んで、危険性をすでに発表している。ゴミとゴミがぶつかり合って、さらにゴミの数が増える。宇宙飛行士たちがゴミの破壊力の危険にさらされているのは現実そのもので、それはいずれ地球にも影響を及ぼす可能性があるというのだ。
さて、宇宙空間に放りだされ生き残った二人は、地球とのコミュニケーションも断たれ、暫くは頼りにしていたマット(クルーニー)が「俺がハンサムで驚いたろう」とか「ソユーズ宇宙船へ行こう」と発案する。宇宙服もリアルで、手についた鏡で時おりサンドラを見ているジョジー。
東の空が明るく太陽が昇っているのが見える。美しいなんて感傷にはひたってられない。とにかく、ソユーズまで二人はゆらゆらとマットの背中に背負ったジェットバックで飛んでいく。

そこで、ジョジー兄貴が「俺はここでお去らばだ」と繋がれていたホースを外して飛んでい行ってしまう。そこからは、サンドラ姉さんが一人で地球へ帰還するため奮闘するわけ。ソユーズの中は散乱しており、宇宙船の中では、宇宙服を脱ぐとスレンダーな、サンドラの肢体が無重力の中を泳ぐように進むのが見えます。
ところが船内で火事が発生。消火器で消そうとするも、とても一人では消すことができず、脱出ポットの中へ入る。そこでも、訓練では一度も着地が出来なかったと嘆くサンドラ。でも、そんなこと言ってられない。マニアル本を読んでスイッチを押す。脱出成功するも何かが引っかかって、逆戻りです。パラシュートのロープが絡んでいて、それを外さないと、ところが、早くしないと次から次へと宇宙のゴミがぶつかって来るのだ。ところがソユーズに宇宙のゴミに当たって崩れ、一歩間違えばサンドラも、ゴミと一緒に軌道にのってしまうところだった。

宇宙服を着て、船外へとロープを切断するために。だが、パラシュートのロープが足に引っかかって取れない。そこへ、ジョジー兄貴が飛んできて助けてくれる。なんて頼もしいお方なんだろう。自分はいいからと、中国の宇宙ステーション神舟、天宮まで無事到達できるのか。それが行くのですね、彼女のパワーはどこから湧いてきてるのか、「宇宙なんて大嫌い」という彼女。ただ地球へ帰りたいとそれだけを思って行動するのみです。中国の通信網と接触するも、犬がワンワン吠えているし、中国語で話すし、赤ん坊の泣き声もラジオみたいな、それでも暗い宇宙で狭いポットの中では、そんな音も嬉しい。
酸欠状態で、途中で気を失ったサンドラ、夢の中に突然ジョジー兄貴が現れて隣の座席に座っているのだ。かなり勇気ずけられた様子。いつも着陸に失敗していたサンドラ、マニアル本をしっかり読んでと、これが凄いのなんのって、消火器のようなボンベで噴射しながら入口へと進んで中へ入るんですよ。

そこからも大変、中国語なんて読めないし、で適当にボタン押しまくって脱出成功なのだが、とにかく船内が熱いのだ。ロケットの外が燃えているし、中国ステーションもバラバラになって一緒に地球へ落下しているのですから。
それでも、やっぱ何処だかしらないけれど、海の中へザブンと着水成功。でも扉開けたら海水が入って来て、沈んでいくし、これでは溺れ死んでしまう。急いで宇宙服を脱ぎ捨て、海面へ浮上する。砂浜の大地が嬉しいよね。無事、地球へ帰って来たんだもの。それが、違う星だったら、なんて考えるのはよしましょう。

殆ど全篇、サンドラの独り言でまくし立てて、パニック状態を見せつけられる。だが、実はNASAで宇宙飛行士としての特訓を受けているそうです。しかし、全てがCGで作られており、実際のセットはまったく使われていないのだ。だから実写映画というよりは、人間を使ったCGアニメーションに近い。このシンプルな映画も圧倒的な視覚効果と、そして生への確信という力強いメッセージを送るために作られたものだから。
ヒューストンからサンドラに連絡している声を、エド・ハリスが演じているそうです。最後の方なので、よく注意して耳を澄まさないと分かりませんよね。
未知の宇宙体験、すごくリアルでした。地平線が少しぼわっと霞んで見え、サンドラがヘルメット越しに観る地球も、息で少し曇っていて光が差し込んできて、空気がないから光の感じ方も違うそうです。ですから、映画の中では、宇宙でゴミがぶつかる騒音なんて聞こえないし、音が無いというのだ。でも、あのもの凄い騒音の音響効果が、恐怖とスリルを煽るのだ。それと感動のラストシーン、科学的事実を反映したリアルな部分と、まったくの虚構の部分を、とてもうまくミックスしていると思います。まさに映画史に残るスペース・サスペンス・エンタテインメントですね。
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