パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

セブンシスターズ ★★★

2017年11月30日 | アクション映画ーサ行

「ミレニアム」シリーズ、「プロメテウス」のノオミ・ラパスが7つ子姉妹を1人で演じるSFサスペンス。ひとりっ子政策が強行された近未来の管理社会を舞台に、1人の人格を生きることで生き延びてきた7つ子の姉妹を待ち受ける過酷な運命を描く。共演はグレン・クローズ、ウィレム・デフォー。監督は「処刑山 -デッド・スノウ-」「ヘンゼル&グレーテル」のトミー・ウィルコラ。

 <感想>一人っ子政策を強行する国家 vs. 7人の姉妹。闘いの果てに彼女たちが見たものは…。7人がシェアしたのは、たった一人の人生であった。一卵性の7つ子姉妹が1人の人物を演じて、近未来独裁国家の監視の目をかいくぐる!? そういえば、一人っ子政策というのは実際に中国で行われていたましたよね。

 

7つ子をかくまい、生き延びる術を密かに教えたのは祖父(ウィレム・デフォー)人々の生活や行動にまで厳しい監視の目が向けられ、至るところに検問所が設けられている管理社会。その中で、母親の命と引き替えに一卵性の7つ子姉妹が誕生する。法に従えば6人は冷凍保存送りだが、唯一の身寄りである祖父は彼女らをあわれに思い、秘密裏に全員を育てることを決意する。

ノオミ・ラパスが1人7役が一堂に会するシーンは圧巻であります。ラパスは本作で、真面目な優等生、自由奔放なヒッピー、血気盛んな武闘派、反逆者、天才エンジニア、パーティガール、仲裁役といった個性も容姿もバラバラな7人を見事に演じ分けている。役ごとに香水を使い分けてキャラクター作りを行ったラパスの技量に加え、代役やCGが駆使された“共演”シーンに要注目。

7姉妹で作り出していた「1人の人格」の生活は完璧で、30年間政府を欺き続けてきた。エリート銀行員カレンとしての毎日だが、ある夜「月曜」が帰宅しなかったことで、その生活はほころび始める。何か事故に遭ったのか? 事件に巻き込まれたのか? 疑念は晴れないまま翌日を迎え、「火曜」はひとまずいつもの通りに出勤するが……。

7つ子姉妹の抹殺を目論む政府エージェントと、彼女たちの攻防がとにかくスリリングです。「火曜」は「月曜」の前日の足取りを追うが、政府の強力な監視の目をかいくぐることはできず、「児童分配局」の局員に逮捕され、同局を取り仕切る女性博士ケイマンのもとへと連行される。

そして同じ頃、7姉妹のアパートには武装した男たち──明らかに政府の手の者が奇襲を敢行する。力を合わせて応戦する姉妹たちだが……。姉妹が消えたことは、やがて政府の陰謀へとつながっていく……驚くべき真相とは!?

それは、「児童分配局」という政府が作った制作が、実は子供たちを拉致しては、実験室の冷凍仮眠室と言いながらも、その箱の中に入るとガスか電気で焼き尽くされるというもの。つまりは、いらなくなった人間たちを焼いて処分していたということになる。

いくつもの犠牲を払いながらも逃げ延び、なぜ自分たちの命が狙われるのか? 秘密は発覚してしまったのかを探ろうとする姉妹たち。カレンとケイマン博士の間に大口の契約が結ばれようとしていたことも判明するが、それは“どの曜日が演じていたカレン”が進めていたことなのか? “カレンの恋人”と名乗る男も現れ、事態はさらに混迷を迎える。果たして“裏切り者”はいたのか?

本作は、グリム童話の「オオカミと七匹の子ヤギたち」を、北欧メタルふうに過激にアレンジをしたような内容でもあります。人口増加や資源の枯渇のために、近未来社会では厳格な一人っ子政策が敷かれていた。

それにしても、この家族は、7人の兄弟を一人ずつ曜日ごとに外出させて、家では毎日仕事の帰りに食糧を買い出し手家に帰るという。食料は、7人で分けて食べているので、足りないと思うのですがね。それはあまり問題ではないようで。

7人の姉妹でも、顔は々でも性格が全然違うと言う設定なので、男好きな曜日の姉妹が、外で男を作って遊んでいるという。そのことで、バレてしまうわけで、児童分配局を牛耳るケイマン博士にグレン・クローズが扮して、かなりの強引な婆ぁであり、武装部隊を派遣して姉妹の家を襲撃し、激しいサバイバル戦が行われるも、残っている姉妹を逮捕するのだが。

中には逃げ延びた格闘能力に優れた姉妹がいるわけで、武闘派のウェンズデーが追っ手と激しいチェイスを繰り広げるさまが描かれている。マンデー失踪の手がかりを求め、同僚の家を訪れたウェンズデーは、暗殺者から狙撃され、さらに銃を持った軍隊から逃げる羽目に。バスルームに逃げ込み、部屋に入ってきた兵士と激しい戦闘を演じる。

兵士から取り上げた銃が指紋認証しないとロックが解除されないと知るや、兵士の指を切断して自分の指にくっつけ、銃を乱射するなど、本作ならではのハードな描写や、手のひらにタブレットの画面が浮かび上がり、スクロールするなど、オリジナリティあふれるガジェットなどもたっぷりと盛り込まれている。

7人の姉妹を演じ分けねばならない、そんなラパスの助けになったのが、音楽だったそうです。姉妹によって聞く音楽が違っていて、クラシックを聞くのはマンデー。ビギー(ノトーリアス・B.I.G.)とかケンドリック・ラマーとかを聞いていた。

ウェンズデーを演じるときにはラップが流れていて、サタデーの場合は、90年代のブリトニー・スピアーズとかリアーナ、ビヨンセやレディー・ガガとかが流れていたそうで、音楽によってキャラクターを切り替えていたようですね。共演のグレン・クローズは、エイサップ・ロッキーなんかを聞いてたとそうです。しかし、姉妹間での心の葛藤も含め、ラストまで展開が予測できないところも面白かった。

2017年劇場鑑賞作品・・・279アクション・アドベンチャーランキング

 


HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION★★★

2017年11月29日 | アクション映画ーハ行

EXILE TRIBE を中心にテレビドラマ、配信、映画などさまざまな展開を見せるプロジェクト「HiGH&LOW」の映画シリーズ。九龍グループの力によって壊滅の危機にさらされたSWORDのメンバーや雨宮兄弟らが、九龍グループとの最後の闘いに挑むさまを活写する。AKIRAやTAKAHIRO、窪田正孝、林遣都、津川雅彦、岸谷五朗、YOU、小泉今日子、飯島直子らが集結。前作に続いて久保茂昭と中茎強がメガホンを取る。

あらすじ:DOUBT、プリズンギャングとの戦闘に勝利したSWORD(山王連合会・White Rascals・鬼邪高校・RUDE BOYS・達磨一家)だったが、そこへ九龍グループが乗り込んでくる。彼らは“大人の力”によってSWORDを壊滅へと追い詰めていく。SWORD地区の無名街を爆破し、その跡地にカジノを建設しようとする九龍グループに対し、若者たちは彼らの野望を打ち砕こうと決意し……。

<感想>今までの1~2を観なかった人にも、冒頭であらすじだけでも映してくれるのが良かった。一応、児戯のごときプロットと爆発的なアクション、それがEXILE TRIBEの総出演の「HiGH&LOW THE MOVIE」シリーズの全てであったのだが。

それでなくとも、なにが何だか理解不能な、チンピラと暴走族、ヤサぐれた男たちの喧嘩上等の暴れんぶりの映画だとしか思ってない人たちもいるってことを。

しかし、初めっから全部観ていて、無限(∞)のバイク乗りたちが集まってカッコいいなぁ、何て思って、それに雨宮兄弟(TAKAHIRO、登坂広臣)のバイク乗りが参加してきて、無限の一人が車に轢かれて死んでしまう。殺されたのだが、それがヤクザの九龍グループの仕業だと知った時、まだまだ青臭い連中が、仲間のためにゲンコツで戦う流儀で、しかし、仲間だと思っていた中にも鉄パイプやナイフとか、危険極まりない道具を使って暴れ狂うバカ者たちも混ざっている。

女たちを守るためにと戦ってきたのに、大切な根城のクラブ「HEAVEN」を金の力で追い立てられるWhite Rascals。そして、鬼邪高校や、達磨一家の本拠地も壊滅状態になり、固い結束を誇る山王連合会は分裂の危機に晒され、 “無名街”には重機が入り、無残にも九龍に破壊されていく。

ここにいては家族に危険が及ぶと察知したスモーキー(窪田正孝)は、皆に逃げろと告げて、一人街に残り、敵に対峙しようとするのだが、いかんせん病魔に蝕まれた体で戦うのは、死ぬと同じ事。

ですが、HiGH&LOWのアクションというのは、うぉ~うぉ~うぉ~と雄叫びながら突進していく若さゆえの何者でもない。これは暴走族とチンピラ・グループの抗争映画である。ですが、族もチンピラも実は正々堂々と正義の不良たちなので、本当に悪いのはヤクザ集団+政府ということになる。

ヤクザグループは、チンピラと族の集団の本拠地である廃墟のスラム街を守ろうとするも、やり過ぎてしまいヤクザの手で廃墟になってしまったという。そこを地上げして、カジノ計画としてチンピラたちのネグラも全部力で取り上げてしまうという悪事を働くヤクザの九龍グループ。

2で雨宮兄弟の長男、斎藤工が命と引き換えにUSBを奪い取ったのだが、そのUSBには、九龍会と政界の繋がりを記録した「USBメモリ」のことなのだが、政府とヤクザとの癒着が関わっており、金の流れも明確に記されているものを、TVで流してしまった。それで、九龍グループの親分の津川さんが逮捕されるも、結局は金を積んでもみ消されうやむやになり釈放されてしまう。

その時に、「大人の喧嘩をみせてやろうじゃないか」と、本物の刀を振り回し、スナイパーまでも出て来て、標的にされてしまい殺されるという卑怯なやり方。2で撃たれたのは雨宮兄弟の広斗ではなく、刑事の西郷(豊原功補)だったとは知らなかった。西郷が直前で庇ってくれて広斗は大丈夫だったのだ。

それは、今回機密情報を公開したのが琥珀達だと気付いた西郷が、今までの西郷は、九龍グループと癒着し、最初の∞の龍也の死、次がノボルの事故、そして無名街に重機が入り焼け野原にされたのに、西郷は捜査は一切行わずで、前作でも九龍グループと裏で繋がっているシーンがあったのだが、実のところは内部の隠蔽工作や、カジノ建設の裏側について捜査をしていたと言うことだったのだ。

チンピラメンバーと九龍会のアクション番長こと、黒崎会若頭の九鬼源治との一騎打ちという、雨宮兄弟 VS 九鬼源治というヤクザの日本刀の刃に驚くも、互角の勝負に持ち込むのだ。雨宮兄弟による二人の頭の回転の良さで、傍にある鎖を使い刀に巻き付けて九鬼源治から刀を奪い取り、その時刀が真っ二つに折れてしまうという若さの勝利に拍手だ。

不正を隠ぺいするため、SWORD地区の“無名街”を爆破、その跡地にカジノ建設を目論んでいた九龍グループ。コブラ(岩田剛典)は一人、九龍に闘いを挑むが、逆に拉致され激しい拷問にあってしまう。そのことを知った琥珀は、コブラ救出作戦を決行するのだが、無事に助けだせるのか・・・。

SWORD地区をカジノ開発建設計画を目論んでいるヤクザと政府のやからに対して、山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家のSWORDメンバーたちが、一致団結して戦おうとする。廃墟のスラム街がブルトーザーで壊され、廃墟の薬品工業地帯のビルにも爆弾があちこちに仕掛けられている。

一方では、政府側が無名街の爆破セレモニーも準備万端となり、あとは爆破を待つだけとなる。これには、公害により体が蝕まれていることを公表するためにも、公害に犯され死んでいったスモーキー(窪田正孝)のためにも、他にも被害者少女エリがいることを知らせるためにも、みんなで力を合わせて爆破セレモニー会場へと急ぐ途中で、待っていた九龍グループ。

そこ達磨一家が車を斜めに乗りながら、トラックには達磨一家の若者たちも爆薬と花火を積み込んで「俺たちに任せておけ」と言い残し、九龍グループの待つ場所へと傾れ込む。

会場では、爆破のスイッチを押すのだが爆破しない。そして、綺麗な花火が打ち上げられるのに、見ていた観客が騒然とする。

セレモニー会場には、当時の工場責任者である馬場(斉藤洋介)が証拠書類を見せて政府側の不正のことを話し、他にも被災者がたくさんいることを話すのです。これにて一見落着であり、爆破もなく、カジノ建設の計画もなくなり、九龍グループも政府側も手を引かないわけにはいかなくなった。

 

EXILE TRIBEの総出演だけと思って観ていたのに、雨宮兄弟の二人もカッコよくて観ていたのに、それにしても余りにも多いキャスティングのヒーローたちに驚くし、2で連帯してWhite Rascalsを助けるのも絶対にみんな団結して良かったし、最後に物語の核となるSWORDメンバーたちが、喧嘩をすることもなくなり、一致団結したことが良かった。

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火花 ★★★

2017年11月28日 | アクション映画ーハ行

人気お笑い芸人・又吉直樹による芥川賞受賞の一大ベストセラーを菅田将暉と桐谷健太主演で映画化した青春ドラマ。お笑いの世界に生きる若者たちが、夢と現実のはざまでもがきながら繰り広げる熱き人間模様を笑いと涙で綴る。共演に木村文乃。監督は原作者・又吉直樹の先輩芸人にして映画監督としても高い評価を受ける板尾創路。

あらすじ:お笑いコンビ“スパークス”のボケ担当、徳永。鳴かず飛ばずの日々を送っていたある日、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人の神谷と出会う。その天才肌の型破りな芸風と人間性に惚れ込み弟子入りを志願する徳永。すると神谷は“俺の伝記を書いてくれ”と突飛な条件を出し、徳永を弟子に迎える。こうして2人の奇妙な師弟関係が始まり、徳永は神谷のお笑い哲学に深く心酔していく。そんな中、くすぶり続ける神谷とは対照的に、徐々に売れ始めていく徳永だったが…。

<感想>又吉直樹の小説「火花」は読みました。お笑い芸人の徳永と先輩芸人の神谷という二人の漫才師の生きざまを、10年間にわたって描いた物語。その徳永が先輩芸人神谷との絡みの中で、切磋琢磨していく若者たちの姿を描く物語でもあります。芸人としての笑いの部分をどう表現して、映画の中でもどう笑わせてくれるのかと期待して観ましたが、どうやら、徳永のコンビ「スパークス」と、神谷のコンビ「あほんだら」の万歳コンビが、どのように出世していくのか気になりますね。

その中で、徳永が先輩の神谷の伝記を書くことになり、ノートにこまめに神谷の毎日を何冊も書き留めて行くわけ。そんな出だしではあるが、とにかく菅田将暉くんの徳永の演技が無茶苦茶に上達していっており、俳優としてもお笑い芸人としても、自然な演技は本当に素晴らしかったです。相方の人は2丁拳銃の川谷さんなんですが、知らない人であまりぱっとしないので陰に隠れていましたね。

とにかく全編、関西弁でまくし立てるセリフなので、神谷の桐谷さんは当然のごとくぺらぺらとセリフをまくし立てており、それにしても菅田将暉くんも大阪育ちでありさすがの関西弁も巧かったです。それだけに芸人としてのリスペクトも強く、気構えて臨んだとしても不思議ではなかったですよね。

どうにか唯一笑えたのは、神谷の恋人に扮した木村文乃の変顔ですかね、彼女が顔がぐしゃと曲がったような顔をして笑いを取ってくれたので、本当に可笑しかった。彼女が漫才師だったら分かるのですがね、恋人だから。それが、神谷と別れて違う人と結婚することになるんですよ。彼女に部屋代を払わせて、食事の面倒も見てもらい、徳永と呑みに行くときの支払いも全部彼女が出してくれたと、後で分かるのですがね。神谷も売れない芸人として、生活のためにアルバイトをして、相方と解散してしまう。

徳永と川谷の「スパークス」の漫才コンビも解散となり、川谷は結婚をして子供が生まれるし、徳永も真面目に不動産屋に就職して働いていた。

神谷が借金地獄で、とうとう彼女とも別れることとなり、彼女の部屋へ神谷が荷物を取りに戻る時、徳永も一緒に付いてきてくれと言われ、彼女の部屋にはもう別の男が住んでおり、気まずい雰囲気のままに別れるというイキサツがありまして、それでも久しぶりに会った神谷さんが、おっぱいにシリコン入れてデカパイに膨らまして、それをお笑いに取り入れて徳永と一緒に漫才コンビを組んで、出直そうと言うのですからね。将来のことも考えて、そんな神谷の一発芸で売れるのか?・・・あきれ果てた徳永、断りました。

そうですね、まったくもって全編まぁ笑えないですね。お笑い芸人の漫才師という設定で、確かにまだ売れない素人漫才みたいなものということは判りますがね、売れない漫才師の話だから面白くないのかとも思われるし、それでも、劇中では売れてる芸人も出ているので、それも笑えないという。二人にとって笑いの位置付けが高かったのではと。確かにキャスティングには文句はありませんよ。

「火花」はサクセスストーリーではない。むしろ、人生のほろ苦さや切なさを笑いに閉じ込めて描いている。いわば、いろいろと大変だけどそれでも生きていれば笑える時もあるという、メッセージとも感じ取れます。ラストの打ち上げ花火が綺麗でした。

2017年劇場鑑賞作品・・・277アクション・アドベンチャーランキング


gifted/ギフテッド★★★・5

2017年11月27日 | アクション映画ーカ行

 『(500)日のサマー』や『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどのマーク・ウェブ監督が手掛けたヒューマンドラマ。7歳の少女の特殊な才能が発覚したことから、ささやかな幸せが揺らぎ始める。『キャプテン・アメリカ』シリーズなどのクリス・エヴァンス、子役のマッケンナ・グレイス、『ウィークエンドはパリで』などのリンゼイ・ダンカン、オスカー女優のオクタヴィア・スペンサーらが出演。

<感想>姉の娘を引き取ってから、7年になり初めての小学校へ登校させたのはいいが、担任のボニー先生がメアリーの才能に初めは、なんて生意気な子供だと思い、数学のわざと難しい分数や√の難しい問題を解かせる。するといとも簡単に解くではないか。これは天才肌の生徒がこの学校へやってきた。このような生徒は奨学金で飛び級の高学歴の学生が通う学校へと転入できるのだ。

最初は、男の子が動物園の工作を上手く作ったのに、いじめっ子がわざと足をだして転ばせ、その工作を壊してしまう。これを見ていたメアリーが、そのいじめっ子の顔面を殴って鼻を折ってしまい校長が出て来て、停学か退学処分にして他の学校へ追いやってしまおうと叔父さんのフランクを呼び出す。

メアリーの話を聞いて、叔父さんのフランクは姪っ子は悪くないと言うも、校長は学校の規則で、喧嘩で怪我をさせた生徒は退学処分だと言い張るのに、校則に厳しい校長とは話にならない。

その時に、担任の先生が家庭訪問をして叔父のフランクを気に入り、メアリーは数学が人よりも飛びぬけて才能があるといい、別の専門の学校へ転入を進めるのだった。

だが、フランクは自分の手で育てると言い張り、金曜日の夜だけは街のバーでハメを外すのだ。そんな時には、お隣さんのオクタヴィア・スペンサーおばさんが、孫の相手をするように可愛がってくれるのだ。

しかし、自殺した姉の遺言で、「娘は普通の子供として育てて欲しい」と言う願いを聞き入れ、特殊学校への希望は無いと断る。そこへ、メアリーの天才数学者の才能が明るみにでたことで、かつて、姉のダイアンとフランクを勉強づけにした鬼母のイブリンがやって来るんですね。そして、孫メアリーの養育権を主張して、挙句に裁判にまで発展する。

これには、亡くなった姉からメアリーの教育を任されたフランクは、実の母親と闘うことになる。フランクを演じているのは『キャプテン・アメリカ』シリーズなどのクリス・エヴァンス。あのクールな瞳とイケメンで筋肉マンのクリスが、宇宙人とは違い自分の母親と戦うのだから。口喧嘩では敵わないのだ。

法廷での展開では、母親は、財力にものをいわせて弁護士の力で勝訴を得るも、息子も負けてはいなかった。しかし、裁判所の判定の結果、メアリーを里子に出し、そこから英才教育の学校へ通わせることに決まる。ところが、里親のところでも、メアリーは幸せではなかった。里親は猫アレルギーで、連れて行った片目の猫フレッドを保健所に引き取らせていた。それを見つけたのが、もと担任のボニー先生で、慌ててフランクへ連絡し猫のフレディを引き取るのに成功する。危なかった、もう少し遅かったら薬品で殺されていた。

それに、メアリーは里親のところでは、別棟に祖母のイブリンが勉強の監督をして、数学の博士の道に進むべく勉強を強いるのです。自分が叶わなかった数学博士への道を娘のダイアンに強制し、弟のフランクは蚊帳の外でかまってやらない母親。親って勝手ですよね。私もそうでしたが、子供に自分が果たせなかったものを押し付けて教育し、反抗期に大喧嘩をして、私の方が折れて謝りました。子供は自分の好きなように生きるのがいい。後で後悔のないようにね。

天才肌の女性数学者である娘のダイアンは、家を飛び出し恋愛をして娘を生み、子育ての難しさに悩み苦しみ、数学の論文を作り上げて自殺したのだが、そのことを弟のフランクに母親が死んだら発表してと頼んでいたのだ。だから、結果としてフランクにメアリーの養育権が戻ったということです。良かった、良かった。

とにかく、子役のメアリーを演じたマッケンナ・グレイスの可愛さは相当なものであり、演技も素晴らしく巧いので、今後の活躍が見ものですね。祖母のリンゼイ・ダンカンも鬼婆よろしく、威張り散らしているのが凄い。

それと、担任のボニー先生のジェニー・スレイトと、フランクのクリス・エヴァンスは、この作品で付き合い始めたそうですよ。お目出度いことで。監督のマーク・ウェブによる『(500)日のサマー』に、立ち返ったようなハートウォーミングなもので、一般市民のなげない日常を切り取ったシーンを上手に演出しているのが良かった。

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 2017年劇場鑑賞作品・・・276アクション・アドベンチャーランキング


ジャスティス・リーグ★★★★・5

2017年11月25日 | アクション映画ーサ行

 「マン・オブ・スティール」に始まるDCコミックス原作実写映画のクロスオーバー・シリーズ“DCエクステンデッド・ユニバース”作品の1本で、DCコミックスが誇る人気スーパーヒーロー総出演で贈るアクション・アドベンチャー超大作。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」後のスーパーマン亡き世界を舞台に、滅亡の危機を迎えた世界を救うべくバットマンによって結成されたスーパーヒーロー・チーム“ジャスティス・リーグ”の活躍を圧倒的スケールで描き出す。

出演はバットマン役のベン・アフレック、ワンダーウーマン役のガル・ガドットのほか、エズラ・ミラー、ジェイソン・モモア、レイ・フィッシャーがそれぞれフラッシュ、アクアマン、サイボーグ役で登場。なお監督を務めたザック・スナイダーが家族の不幸のために本作撮影の最終盤で降板を余儀なくされたため、急遽「アベンジャーズ」シリーズのジョス・ウェドンが電撃招聘され、追加撮影などを経て無事完成にこぎ着けた。ちなみに監督クレジットはザック・スナイダー単独のままとされ、ジョス・ウェドンは脚本にクレジットされた。

<感想>今までのDC作品には「暗い」「重い」と言われていたが、大ヒットを飛ばした「ワンダーウーマン」のお蔭で、その方向が転換して、本作ではダイナミックなアクションを中心に、派手な見せ場が詰め込まれている。

オンリーワンが集まれば、世界も救える。とばかりにDCコミックのヒーローたちが一堂に会し、チームを組んで恐るべき敵に立ち向かう本作。それぞれの持ち味を活かした戦いぶりがが楽しい豪華な一編。そして、もちろんお約束通りの“あの男の復活劇”もありますので、期待してご覧ください。

「バットマン vs スーパーマン」の戦いの後、スーパーマンなき地球ではテロや騒乱が横行していた。世界の真の脅威は宇宙からやってきた。異世界からの侵略者たち、巨悪ステッペンウルフは、“マザーボックス“と呼ばれる3つの秘宝を求めて地球にやってきたのだ。マザーボックスは地球上に3つの場所で厳重に保管されているが、まず初めにワンダーウーマンの故郷セミッシラに襲撃して一つ目を強奪。さらにはアクアマンの故郷である、海底の王国アトランティスから2つ目を強奪する。

バットマンはワンダーウーマンの協力を得て、共闘を申し出るも、二人だけではスーパーマンの穴を埋めるのは不可能。彼らと共に戦う仲間を求めてスーパー・ヒューマンと呼ばれる特殊能力を持った超人たちを集めることになるわけ。

バットマンの下に集まった3人のヒーローたち。

 

アトランティスの王アクアマンに扮しているのは、ジェーン・モモア。アイスランドの漁村で暮らしていた荒くれもので、村人には必要な存在。だからブルースが彼を探しに来た時は、村人たちが彼を手放したがらなかった。しかし、海の中にも危機的状況にあると気付き、初めて自分の役割を果たさなくてはと考えたわけ。水中で生きられるばかりか、誰よりも速いスピードで泳げるし、海洋生物を自由自在に操ることが出来る。怪力の持ち主であり、身体能力も度胸も満点であります。彼の起源が描かれるのは、来年に「アクアマンのソロ」として公開される予定。

それに、悲惨な体験をポジテブに変える、サイボーグのビクターに扮しているのがレイ・フィッシャー。科学者の父親によってサイボーグに変えられ、身体の半分が人間で、半分が機械のサイボーグは、飛行能力、怪力、ホログラムの投射など、あらゆるコンピューターにアクセスできる優れものだ。食事も睡眠もいらない。世の中から離れて1年、母の命、自分の肉体、かつてはアメフト選手だった人生など失ったものすべてと向き合おうとしている。

そして最少年のフラッシュには、エズラ・ミラーが扮しており、完全無欠でも不死身でもなく、怖いもの知らずでもない。機転とユーモアで乗り越え、オタクな青年だが、光の速さで動くことができる。

それに、ジャスティス・リーグには「グリーンランタン」もいるのですが、今回は登場しません。それにしてもいずれ劣らぬ個性派ぞろいですね。

ですが、巨悪ステッペンウルフと、その配下のパラデーモンの軍団たちの脅威に、対抗しようとするのだが、自分たちの力だけでは地球を守るのは限界を感じていた。この強敵である巨悪ステッペンウルフは、3つ目“マザーボックス”を手に入れて強大なる力を手に入れ、地球は滅びてしまうのだろうか、ジャスティス・リーグに秘策はあるのか?・・・。

そして物語中盤に、あの我らがヒーローを墓から出して蘇生させるのには「え?」ってなりましたけど、彼は1939年、DCコミックス刊行の「アクション・コミックス」第1号で誕生した“世界発”のスーパーヒーローであり、数々の映像化と共にアメリカにおける“神話“とされ続けてきた存在であります。

その「スーパーマン」が出ない「ジャスティス・リーグ」はあり得ないわけで、スーパーマンは人間じゃないし、不老不死なはず。今回も墓を掘り起こして、復帰して大活躍してもらう。彼が出ていなかったら、とても勝ち目はないだろうと、そう思うほどの圧倒的な力で敵をやっつけるのには感激ひとしおでした。

奇跡のヒーローをも味方に付ける壮絶なるバトルが、今始まる!終盤での、このDCヒーローのオールスターバトルは圧巻でした。マザーボックスが3くっついて離れないのに苦労する場面も圧巻。

エンドロールの後に、2つもおまけ映像がありますので、最後までご覧くださいませ。続編は絶対ありますね。

 注:マザーボックスとは:不思議な力を宿すキューブ体、マザーボックスは、元々はステッペンウルフの母星に存在していたアイテム。人類がかつて、その襲撃を受けた際にこの秘宝を三分割して保管することになった。ステッペンウルフは、それを取り戻すために地球に襲来する。ちなみに、マザーボックスを持つ者は、次元の壁を自在に突破することができるとのこと。

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全員死刑 ★★★

2017年11月24日 | アクション映画ーサ行

前作「孤高の遠吠」で映画界にセンセーションを巻き起こした注目の新鋭、小林勇貴監督が記念すべき商業映画デビューを飾った衝撃の問題作。2004年に福岡で発生し、加害者である家族4人全員に死刑判決が下された“大牟田4人殺害事件”を巡る次男の獄中手記を基にした鈴木智彦のノンフィクションをモチーフに、行き当たりばったりに次々と4人もの命を奪っていった一家の狂気の暴走を、“家族のため”とためらいなく凶行に走る実行犯の次男の視点から鮮烈に描き出す。主演は「トリガール!」「劇場版 お前はまだグンマを知らない」の間宮祥太朗。共演に毎熊克哉、六平直政、入絵加奈子、清水葉月。

あらすじ:首塚タカノリは弱小ヤクザ一家の次男坊。一家は莫大な借金を抱え、上納金も払えず追い詰められていた。そこで小心者の父テツジ、ヒステリックな母ナオミ、小狡い長男サトシは、近所の資産家パトラから金を奪う計画を立てていた。ところがサトシはその金を独り占めしようと、両親に内緒でタカノリをたき付け、パトラ家へ現金強奪に向かわせる。しかしクスリでハイになっていたタカノリは、居合わせたパトラの次男をいきなり絞殺してしまうのだったが…。

<感想>実話をベースに主人公次男のタカノリ、間宮祥太朗が演じているというので鑑賞した。2004年に福岡県大牟田市で実際に起きた、ヤクザ家族による殺人事件のことはニュースやワイドショーを見て知っていたので、まさか獄中で次男が手記の「我が一家全員死刑」を書いていたのは知らなかった。

このタイトルからして陰惨なイメージがチラつき、観るのを迷ったが、映画では実際の話とは違っていた。主人公の次男タカノリ役を「帝一の國」「トリガール!」の間宮祥太朗が演じるほか、長男役を毎熊克哉、両親役を六平直政、入絵加奈子、タカノリの恋人役を清水葉月がそれぞれ演じる。

まともに働かないで、他人の金を盗んで暮らす極道たち。ヤクザ一家の父親がダメ男で、長男のサトシを連れっ子で再婚した母親のナオミ、それにその後に生まれた次男のタカトシの4人家族が計画する、近所の資産家パトラ(鳥居みゆき)から金を奪うこと。

初めに、近所の資産家パトラの家に長男と次男のタカトシが押し入り、息子のショージがユーチューブに載せるため、ビニールプールの中にカレー粉を入れ、その中に入ってアクションをするのだが、すかさずタカトシが首をロープで締め上げる。長い時間クビを絞めるのだが、生きているし、車のトランクに入れても生きている。そして、金庫を見つけて、バールやトンカチでこじ開けると、中にはジュエリーだけしか入っておらず、札束を当てにしていただけにがっかりの兄弟。それでも宝石を質屋に入れて現金化して分け合う。

その後に、父親がそのパトラの家に泥棒に入って、台所の床下から金庫を探すも、中は何も入ってなかったのにがっかり。まさか、先にも兄弟で強盗に入ったとは言えずに、家探しをする兄弟の滑稽さも笑える。ギャ~ギャ~と騒ぐ母親の入絵加奈子、歳のわりには若く見える。

次々と人を殺すのだから、随所におバカな感じが付き纏うのだが、それは殺人を思い立つのも安直なら、実行するのも行き当たりばったりで、後始末のことも念頭に置いてないで殺してしまうから。

しかし、人間は首を絞めても直ぐには死なず、睡眠薬を飲ませても死なないから、ずべて二度手間がかかるという、おバカな野郎たちの殺人計画。その成り行きは滑稽でもあり、どこかコメディになっていて。それにリアル感もある。だから、意外なことに面白くて、殺人は肉体労働であることを執拗に描く可笑しさを、主人公の間宮祥太朗くんもノリノリで殺しをやっているのだから。

タカノリが首をロープで必死に締め上げる役周りであり、力がないのか首が絞まらなく、失神状態で暫くすると生き返るのに笑いがある。それに、とうとう、幻覚なのか黒い煙の中に死んだはずの男が幽霊となって現れるのだから。誰にも見えないし、自分にだけ見える幽霊に恐怖を感じている間宮祥太朗。

連れっ子の長男は、何故か次男のタカノリに言葉巧みに殺しの仕事をさせて、刑務所へは次男に入ってもらうように頼むところ。女が妊娠していて、子供ができるので刑務所には入れないというのだ。自分勝手な兄貴の頼みに、頼まれると断れない4人殺し実行犯の、次男坊の主人公のタカトシが、可哀そうに見えて来るのだ。そのことに気づかない弟もバカである。

ちなみに、兄貴の女と、次男のタカトシの女かおるのHシーンが、途中、途中で挿入されており、女も彼氏が殺しをやっていることを知らないのかどうか、刑務所に入ることを言うと、その間は他の男とよろしくやっているので、なんて軽口を言う女も女だ。スタイル抜群の清水葉月ちゃん、全裸シーンも厭わずにベッドシーンをするのに感心した。

資産家パトラに睡眠薬を飲ませて、車ごと川に沈めようとと言う作戦に、車の中で目を覚ますパトラ、慌てて次男坊が後ろから首を締め上げる。車を川に沈めるも、中々沈んでくれないのだ。タカトシが裸になって車を押そうとすると、車が沈んでいくではないか。このシチュエーションの可笑しさは異常だ。

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愛を綴る女 ★★★

2017年11月24日 | アクション映画ーア行

ミレーナ・アグスのベストセラー『祖母の手帖』を「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」「マリアンヌ」のマリオン・コティヤール主演で映画化。実直で心優しい夫がありながら、療養先で若い帰還兵と運命的な出会いを果たしてしまったヒロインの激しく狂おしい愛の顛末を切なくも官能的に描き出す。共演はルイ・ガレル、アレックス・ブレンデミュール。監督は『海の上のバルコニー』などのニコール・ガルシア。

あらすじ:年代、南仏プロヴァンスの田舎町。両親と妹と暮らす美しい娘ガブリエルは、情熱的な運命の愛を求めるあまり、エキセントリックな振る舞いで周囲を困惑させてしまう。心配する母から“結婚か、精神病院か”を迫られ、無骨で真面目な季節労働者ジョゼとの不本意な結婚を受け入れる。夫に対し“あなたを絶対に愛さない”と言い切り、官能的な夜の営みは続けながらも、愛のない結婚生活を送るガブリエル。そんなある日、流産をきっかけに腎臓結石が発覚し、アルプスの療養所で6週間の温泉治療を受けることに。

<感想>第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、「フランス映画祭2017」(第25回)でも上映された本作は、女優としても活躍するニコール・ガルシア監督によるラブストーリー。

一直線の道の両脇に咲き誇る紫色のラベンダー畑、南仏の美しい夕景のほか、ラベンダーが色鮮やかに咲く南仏プロバンスの美しい風景に癒される。許されざる恋に身をこがすヒロインを演じたマリオン・コティヤールの、情熱的で妖艶な演技を堪能することができます。

地元の教師との恋に破れ、両親の決めた正直者で情の深いスペイン人労働者ジョゼ(アレックス・ブレンデミュール)と不本意ながら結婚。やがて、腎臓結石が原因で流産を経験したガブリエルは、温泉治療に訪れた療養所で負傷した帰還兵アンドレ・ソヴァージュ(ルイ・ガレル)と運命的な出会いを果たす。

監督のニコール・ガルシアが、ヒロイン役にマリオン・コティヤールを熱望し、なんと彼女のスケジュールが空くまで5年も待ったそうだが、なるほど本作を観ると、その理由が分かった。主人公のガブリエルが纏う身を焦がすような情熱、匂い立つような官能な世界感、一途な純粋性は、一見してエゴイストな女とみられるも、その女がこの上なく魅力的にしているからだ。

愛に理想を抱くガブリエルは、いつか自分の情熱を傾けられる男性が現れるのを待つ。そこへ、地元の教師との恋というよりも一方的な感情の女。田舎の村での彼女の型破りな行動は、スキャンダルとなり両親は困惑して、自分のラベンダー畑で働いている労働者のジョゼと強引に結婚させる。彼女は自由を奪われ失意に陥るが、妊娠に流産、腎臓結石が発覚し、アルプスの療養所で6週間の温泉治療を受けることになる。

その療養所で退屈を持て余していたガブリエルは、インドシナ戦争で負傷した若い帰還兵アンドレ・ソヴァージュと出会い、一瞬で運命の相手と確信、湧き上がる衝動のままに、激しい愛へと溺れていくのだったが…。やがては二人の熱愛と苦闘の日々が始まるのだが、アンドレは故郷のパリ、イヨンへ帰ることになり、彼女は妊娠したことを告げたくて手紙を出すも返事がなかった。

両親や夫のジョゼは妊娠を喜び、男の子を出産するも、彼女の心はアンドレ・ソヴァージュのことばかり、まるでストーカーのように彼に付き纏うような気配がするも、手紙は全部送り返される。

と言うのも、ガブリエルは、退院するもすぐに病気が悪化して亡くなってしまったというのだ。そのことが分かったのが、息子が7歳くらいになり、ピアノのコンテスト会場へ行く途中で、彼の住んでいるリヨンの街を車で通過した時、彼女は意を決して車から降りてガブリエルの家へと行くも、部屋は空っぽだったのだ。

果たして彼女は愚かな女なのか、あるいはすべての女性の密かなる欲求を体現する純粋な女なのか。対照的な男性二人が、ともに魅力的なだけに、答えは観る人それぞれに違うだろう。激情なヒロインを描いたドラマチックで、クラシカルな香りが漂う作品であります。

理想を求める女が波乱の歳月の末に、知った真実の愛の物語。ラストで、哀愁漂う姿で遠方をじっと眺めるガブリエルの表情に加え、「君に生きて欲しくて――」という意味深な言葉を囁く夫のジョゼの、深い献身的な愛の支えがあればこそ、彼女が生きている実感があるというもの。

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KUBO/クボ 二本の弦の秘密★★★★

2017年11月22日 | アクション映画ーカ行

 

『コララインとボタンの魔女 3D』などを手掛けたアニメーションスタジオのLAIKA制作によるストップモーションアニメ。日本を舞台に、魔法の三味線と折り紙を操る片目の少年が出自の秘密を探るべく、壮大な冒険を繰り広げる。監督は『パラノーマン ブライス・ホローの謎』などに携わってきたトラヴィス・ナイト。ボイスキャストにテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのアート・パーキンソンをはじめ、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒーらが参加。人形を1コマずつ動かして作り上げた繊細な映像に注目。

あらすじ:クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。

<感想>中世の日本を舞台に描いたストップモーションアニメなのだが、まるで日本のアニメみたいなそんな感じがしてなりませんでした。主人公の少年クボが弾く三味線によって、少年が折り紙で織ったものがどんどん生きて自由に舞っていく魔法と、生活風景が巧みに絡み合う生き生きとした描写によって、観ている人たちはこの世界の虜になってしまう。

クボが折り紙で織った朱色の“ハンゾー“なる侍と、カブトムシのクワガタと木彫りのサルが生き返って、お供になって母親の父、祖父との対決のために旅をする物語。まるで桃太郎の鬼退治のようだ。

まずは三味線の音色は、津軽三味線の吉田兄弟が奏者で、とても映像にマッチしていて良かったことと、母親が来ている着物が十二単衣みたいな衣装に長い髪で、日本の折り紙とクボの持つ「3つの武器」の刀や兜に鎧、の力強さ、それに紅葉や葉っぱで作った船、お供のサルやクワガタのキャラクターの面白さまでが、日本のアニメ以上に良かったです。

村人の中のお婆ちゃんの声は、歌手の小林幸子さんが扮しているとのこと、クボを可愛がってくれる村人の一人で、クボが大道芸人という設定も楽しそうで、お婆さんの声が、そういわれなければ分からなかった。杉の並木道の奥に神社があり、日本の村の街並みや、お盆の灯篭流しの風景も幻想的で素晴らしくて、全部がコマ撮りアニメにより効果的でユーモラスに描かれ、感銘を受けました。

面白いのが、母親の妹たちが、能面をつけ闇の魔力を持つ爺様「月の帝」の刺客として現れ、鎖ガマを使い攻撃してくるし、お供のサルは、亡くなった母親の成り代わりみたいだし、クワガタの侍はまだ見ぬ父親のようにも感じましたね。

赤ん坊のクボが、母親の背中で小舟に揺られて、大波にまかれて岸へと流れ着く。洞窟の中で生活をして、幼い少年クボが大道芸人として働き、病気の母親の面倒を見ている姿がいじらしい。

そんな少年のクボがヒーローになっていくには、母親が爺様「月の帝」の刺客に殺され、父親の形見の3つの武具、「折れずの刀」「負けずの鎧」「敗れずの兜」を探して、祖父である「月の帝」と戦うところなんですが、祖父が生まれて間もない孫の片目を取り、それにもう片方も欲しいと襲って来る爺ちゃん。なんとも酷い爺ちゃんであります。

母親の形見の髪の毛と、父のロープ、それに自分の髪の毛を三味線に取り付けて、“ジャーン”と鳴らすショットもカッコよくて、この映画の中では三味線が印象的に使われています。

吹き替え版で観たので、字幕のキャスティングのクワガタの声のマシュー・マコノヒーや、シャーリーズ・セロンの母親の声も聞きたかったですね。

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アンダー・ハー・マウス★

2017年11月21日 | アクション映画ーア行

結婚を控えた若い娘が、男勝りでセクシーな大工職人の美女との禁断の恋に溺れていく官能ドラマ。主演はスウェーデン出身のトップモデル、エリカ・リンダーとカナダ出身の女優ナタリー・クリル。監督はカナダ出身の女性監督、エイプリル・マレン。

あらすじ:昼は大工として働き、夜は女を求めて街に繰り出すタフでセクシーな美女ダラス。ある日、仕事現場の近くに住むファッションエディターのジャスミンと出会い、興味を持つ。しかしライルという婚約者がいて、何不自由ない生活を送っていたジャスミンが、ダラスの誘いを相手にするはずはなかった。だが、夜のバーで偶然再会すると、ジャスミンは自由で凛としたダラスの魅力にいつしか抗えなくなってしまう。やがてダラスとの禁断の愛欲に溺れ、ライルとの結婚に迷いが生じていくジャスミンだったが…。

<感想>主人公のエリカ・リンダーが、性別を超えた美しさが人気のモデルであり、セクシュアリティやジェンダーの問題である以前に、「自由になりたかった」と言う一言がすべてを物語っているようだ。確かに彼女の外見や肉体が極端に男性的であるわけではない。その中性的な顔立ちは、男としても女としても美しく、体つきにも女性らしさはあると思う。

しかし、振る舞いや歩き方は確かに男のそれに見える。劇中で彼女は「私は単なるトムボーイではない」と言っているのだが、どうみても女性を愛するレズに違いない。つまりは、生まれた時と幼いころは女性に見えても、物心がついたころから、男性を愛することが出来なくなり女性としかセックスができないのだ。そうだから、よくも悪くも、エリカ・リンダーの魅力というか、人気というか、イメージに全面的に依存した映画であり、それを一歩も超えてはいないのだ。

普通のノーマルな女性が観るには、少し抵抗があり、ましてや男性には観るに堪えないと思う。若いお客さんが途中で退席したので、きっとレズビアンショーみたいで、観るに堪えなかったのでしょう。

本当に、その女性同士の、エロシーンの連続に飽きてしまい、とにかくベッドシーンが延々と長く続くので、これには閉口してしまった。

以前に、「アデル、ブルーは熱い色」もそうだったように見えたが、比べるのも失礼のような、志が根本的にまるで違うので、何がネオイケメンなんだ、と反発してしまった。しかし、男が結構出て来るのだが、婚約者のライルが霞んで見え、この際どの男でもダメだろう。

ですが、レズビアンがストレートな女性を虜にしてゆく過程を、肉体関係だけで描こうとする意図は判らなくはないが、濡れ場のシーンが陳腐であり創意工夫もなく、限りなくポルノ映画になっているように感じました。

監督が女性であり、同性二人の絡みは美しく撮られているので、女性同士でも男性同士でも、ただの人と人がどうしようもなく惹かれ合う時、異性という存在はあまりに虚弱であると描き切っているようにみえました。

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泥棒役者★★★・5

2017年11月20日 | アクション映画ータ行

『怪物くん』シリーズなどの脚本や『小野寺の弟・小野寺の姉』などで監督を務めた西田征史が、作・演出を担当した舞台を自ら映画化。西田の作・演出による2012年の舞台「BOB」でもタッグを組んだ、関ジャニ∞の丸山隆平が主演を務める。恋人の美沙役を高畑充希が演じるほか、市村正親、ユースケ・サンタマリアらが顔をそろえる。

<感想>今作は、西田監督作・演出の同名舞台を映画化したものだそうで、冒頭で、溶接工員の大貫はじめに扮している丸山隆平くんが、まじめに働きながら、恋人の美沙を演じている高畑充希さんと幸せな生活を送っている。ところが、美沙の誕生日の当日、仕事の帰りに一緒に食事をしようと約束していたのに、そこへ街中で昔の泥棒仲間・畠山則夫(宮川大輔)に出会い、脅され、また泥棒の相棒としてこれから絵本作家の豪邸に盗みに入るよう強要される。

忍び込むことには成功したはじめだったが、次々と人に見つかり、初めに豪邸の主人である絵本作家の前園を演じている市村正親に見つかり大慌てで、前園さんが、君は新人の編集者なのと勘違いされ、その場を繕うために嘘をつき、泥棒であることがバレたくない一心で間違えられた役柄を必死に演じることとなるが……。

「関ジャニ∞」の丸山隆平くん、映画単独初主演ということだが、ベテラン陣の脇役のお蔭で難なく演技をこなして、それはコメディ仕立ての舞台劇だというので、泥棒に入った豪邸の中での一幕のお芝居に、一生懸命に頑張ってました。最初に間違われたのが、泥棒に入った屋敷の絵本作家の前園俊太郎、締め切りが迫っていて、スランプなのか描けないのだ。それで、居留守を使っていたわけだが、玄関の鍵は閉まっていたのに、鍵を開ける天才だということで難なくこじ開けて玄関から入って来たのだ。

家主の絵本作家の市村正親さん、相変わらず演技が上手いですね。衣装が原色の真っ赤なパンツに花柄のシャツを着て、マッシュルーム・ヘアーで強烈なキャラが良く似合って若々しいです。丸山にマッシュとあだ名を付けられ、アフロヘアーの丸山は、モジャというあだ名を付けられる。途中で前園が、「もう描けない、君が代わりに描いてくれ」と言われても、編集者は、「タマとミキ」の続編を希望しているわけで、はじめにはどうすることも出来ない。ですが、金庫の中を開けたら、「タマとミキ」の原画が出て来て、そこに、亡くなった妻の手紙が入っていて、読んでもらって元気が出るご主人。

兄貴分の宮川大輔さんは、関西弁でまくし立てて丸山を脅して、時計と指輪を盗むも金庫があるのでそれを開けろと、そこへこの家のご主人様で、絵本作家の前園さんがTシャツに赤ワインをこぼし、パンツ姿で出て来るわけ。あんたは新しい編集者なのと、泥棒だというのを疑わないのだ。兄貴分の宮川さんはクローゼットの中に隠れる。そこがまた熱い、だから誰もいない隙に、エアコンをかけてしまうことで、またもや大騒ぎになる。

次が、本当の編集者・奥江里子(石橋杏奈)が現れて、はじめを絵本作家の前園と間違う。というか、はじめが上手く取り繕ったわけ。次が、ユースケ・サンタマリアの油絵の教材売りのセールスマン。彼も言葉巧みに商品を売りつけようとするも、はじめは自分が泥棒だということを気づかれないようにと、絵本作家に成りすます。

その都度誰かに成りすまし、小さな誤解がいくつも重なり、やがては収束不能の事態に発展していきます。

だが、編集者の奥江里子が、はじめを絵本作家と勘違いしているところも変だし、ユースケさんのセールスマンも何とか売りつけようと必死だし、で、編集者の女を泥棒のはじめの妻と勘違いするし、本当のご主人様の市村正親さんは、締め切りが迫っているのに絵本の続編を描けないので、家から出て行こうとするしで、はじめが一人でテンヤワンヤ。

そこへ、お隣の偏屈なユーチューバーの高梨仁(片桐仁)がやって来て、エアコンの室外機が煩いと文句を言うのだ。はじめが平謝りに頭を下げて追い返そうとするのに、セールスマンはそこに割って入って来るし。言葉巧みにセリフを言うのが、まるで万歳コンビのような、そこへユースケさんの、セールストークも機関銃のごとくまくし立てるしで、編集者の女子は腹痛でトイレに籠るしで、てんやわんやの大騒ぎ。

恋人役の高畑充希さん、出番は少ないですがエプロン姿も可愛いし、テンプラを揚げて料理を作っているところなんか、奥さんにしたらナンバー1ですよね。

その他にも新人編集者、奥の上司で編集長の米村真由美に峯村リエなど、絵本の「タマとミキ」の続編を描いて欲しいのだが、違うものはいらないと厳しい。続編が描けないのなら、クビということになり、前園さんもみんなもしょんぼり。気鋭の脚本家・西田征史監督、お得意の“言葉遊び”で最後には、ほろりとさせられる、笑って泣ける最高の映画でした。

ラストで、セールスマンのユースケさんが、ユーチューバー・高梨仁のお隣さんに、油絵の教材を買ってもらい、歌を歌ってお絵描きしながらYouTubeにアップをして、上手くいっているようでにっこり、泥棒の兄貴分・宮川大輔さんは、アルバイトで本屋の前で「タマとミキ」の続編の売り出しようの、タマの着ぐるみを着て働いてました。続編には、モジャモジャの犬が出て来るお話ですよ。

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ローガン・ラッキー★★★・5

2017年11月19日 | アクション映画ーラ行

「オーシャンズ11」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ監督がチャニング・テイタムとアダム・ドライヴァーを主演に迎えて贈るクライム・コメディ。NASCARのビッグ・イベントでの一攫千金を企むローガン一家が繰り広げる破天荒な強盗計画の行方をコミカルに描く。共演はライリー・キーオ、セス・マクファーレン、ケイティ・ホームズ、キャサリン・ウォーターストン、ヒラリー・スワンク、ダニエル・クレイグ。

あらすじ:運に見放されたローガン家の長男ジミー。妻には逃げられ、仕事も失い、追い詰められた彼はある大胆不敵な強盗計画に最後の望みを託す。それは全米最大のモーター・スポーツ・イベントNASCARのレース中に、地下の金庫に集められた莫大な売上金を盗み出すというもの。しかしそれを成功させるためには、弟クライドと妹メリーのほかに、どうしても爆破のプロ、ジョー・バングの協力が必要だった。そこで現在服役中のジョーを脱獄させ、強盗終了後に再び刑務所に戻すという前代未聞の作戦が決行されるのだったが…。

<感想>犯罪のスペシャリストたちが大仕事に挑む「オーシャンズ」シリーズの生みの親であるスティーヴン・ソダーバーグ監督が、4年前の監督引退宣言を撤回して、「オーシャンズ」シリーズの従兄弟版として、新たに手掛けた痛快クライム・アクション。どん底からの一発逆転を狙い、運も腕もないド素人集団が強盗団を結成する。標的はジミーのかつての職場・レース場の地下に眠る金庫。決行は全米最大のストック・カーレース開催日。その日に、一発逆転の現金強奪計画に挑むというお話。

まったくツキのない呪われた人生と決別すべく前代未聞の強盗計画をする主人公、ローガン兄弟に扮するのは、「マジック・マイク」で筋肉ムキムキダンスを披露したチャニング・テイタムと「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で一躍躍り出た俳優のアダム・ドライヴァー。

彼らに協力をするのは伝説の爆破師役には六代目ジェームズ・ボンドことダニエル・クレイグ。服役中の伝説の凄腕爆破師、ジョー・バングであり、性格は短気でコワモテ。出来の悪い弟2人がいて、強奪計画に無理やり加入させる。

さらにはエルヴィス・プレスリーの孫娘ライリー・キーオが、ジミー兄弟の末っ子妹で、車の運転が滅茶苦茶上手いときてる。オスカー女優のヒラリー・スワンクは、FBI捜査官で。それに元トム・クルーズの妻ケーティー・ホームズがジミーの元女房役で出演。

個性派キャラが集まって強盗計画、という設定は本作のソダーバーグ監督自身の「オーシャンズ」シリーズと同じだが、本作の首謀者であるローガン家の兄弟妹は盗みのプロでもないし、ジミーが足が悪いということだけ、炭鉱の仕事をクビになってしまう。弟はイラク戦争で片腕を失くして、バーテンとして働いている。

そして、伝説の爆破師ジョー・バングは現在服役中なので、犯行当日に彼を脱獄させて、仕事が終わったら刑務所へ戻すという作戦なのだが。ジミーの弟クライドが、わざと車をガソリンスタンドの店へ突っ込み、5か月の服役になる。一応、戦争で片腕を失くしたこともあり、楽な仕事で刑務所にいる。

そして脱獄の日に、食堂で腹痛を起こしたジョーが医務室へ運ばれ、そこでトイレへ行きたいと言い、一緒にジミーの弟のクライドがトイレに連れて行く。すると、トイレの手拭きの紙の鉄板を外して、外へと出れるようになっていた。

二人は楽々と脱獄して、妹の運転で刑務所のあるところから、サーキット場まで時速160キロで飛ばして州越えして、サーキット場の地下トンネルまで到着する。待っていたジミーと会い、トンネル中にサーキット場から金庫までのチューブが何本も通っているのを、切り取りそこへ簡単な爆弾を突っ込むというわけ。ジョーの爆弾作りは、まるでオモチャのようにビニール袋にいろんな物をぶち込んで混ぜる。それを筒の中に押し込みチューブの中へと。笑ったのが、それが戻ってきたことで、大慌てて作り直すのかと思っていると、ビニールをきつく締め過ぎたと言うのだ。もちろん、上手くいくのだが。

素人集団なだけに、華麗なる手口とはいかず、ハプニングが続出でハラハラします。けれども、意外な展開が待ち受けていて、ハラハラ・ドキドキが“おお!”に変わる瞬間が面白くて笑えるし、この計画の行方に目が離せなくなること必至ですから。

綿密に練られたサーキットの売上金強奪計画だが、その大胆さと愉快な仲間とドタバタ喜劇のような面白さは、「オーシャンズ」と同じような出来栄えで、脚本が素晴らしい。

この兄弟は、かなりアブナい性格なので、ドラマ展開は滅茶苦茶なもので、金は全部黒いゴミ袋に詰めて、トラックの荷台に。そのトラックはガソリンスタンドに止めて、警察へ電話するというもの。盗んだ金はトラックの荷台の他にも、黒いゴミ袋に詰めた札束は、いつものように埋め立て地へと。それがみんなの分け前なのだ。

もちろん、仕事が終わればジミーは娘の美人コンテストへと行き、娘が綺麗にお化粧をして「カントリー・ロード」を歌う可愛らしさに涙が出て来る。

ダニエル・クレイグのジョーと弟のクライドは、妹の車のスピード運転で刑務所へと帰る。その時間は、あっと言う間の短時間だ。誰にもバレずに刑務所に戻っている2人。その間に刑務所は、仲間たちが火事騒ぎを起こして、刑務所署長も問題を起こすと自分のクビが飛ぶので、うやむやにしてしまう。

5か月で出所する弟のクライドと、ジョーは刑期を終えて出所するという。そして、ダニエル・クレイグのジョーが、自分の取り分を貰ってないのでイライラ。すると、玄関にスコップが、それでブランコの下を掘ってみると分け前の現金があったのだ。

ジミー曰く、あんまり欲を出すと後の楽しみが無いからと、適当な金額を盗むということに。そうすると、サーキットの被害金額は、正確には教えないので、戻って来たトラックの金に、残りの被害金額は保険で清算するということになるわけ。どうみても、サーキットの方は損はしないので、さすがにジミーの考えることに、納得がいった。いや、久しぶりに、スカットするドタバタ強盗の話に笑えた。

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GODZILLA 怪獣惑星★★★★

2017年11月18日 | アクション映画ーカ行

世界的に大きな話題を集めた「シン・ゴジラ」に続き、今度は「ゴジラ」シリーズ初の長編アニメーション映画として贈るSFアクション。“ゴジラ”の出現によって地球を追われた人類が、2万年後の地球を舞台に繰り広げる地球奪還を懸けた壮絶な戦いの行方を全3部作で描き出す。本作はその第1部。ストーリー原案・脚本を「魔法少女まどか☆マギカ」「PSYCHO-PASS サイコパス」の虚淵玄が手がけ、「シドニアの騎士」のポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を担当。監督は「シドニアの騎士」でもタッグを組んだ「名探偵コナン」シリーズの静野孔文と「亜人」「BLAME!」の瀬下寛之。

あらすじ:20世紀末、地球に巨大生物“怪獣”が次々と現われる。やがてその怪獣をも駆逐する“ゴジラ”が出現し、35年と36年に2種の人間型異星人「エクシフ」と「ビルサルド」が相次いで地球に飛来。

ともに故郷を失った流浪の民である彼らと、個体数を減らしつつあった人類は「地球連合」を発足させ、技術提携により進んだ科学で対ゴジラ作戦を立案します。しかし、それでもゴジラは倒せませんでした。ついに地球連合は地球外惑星への移民計画を実行。

2048年に移民船アラトラム号が出発します。自らの存亡を懸けた戦いに敗れた人類は、地球外惑星への移民計画を実行に移す。こうして2048年、恒星間移民船“アラトラム号”が“くじら座タウ星e”へと旅立った。しかし20年後、ようやく辿り着いたタウ星eは、人間が生存可能な惑星ではなかった。そんな中、4歳の時に両親をゴジラに殺されて以来、ゴジラへの復讐心を燃やし続ける青年ハルオ・サカキ。彼の執念が実り、移民船は危険な長距離亜空間航行を決断し、地球へと舵を切るのだった。しかし帰還した地球はすでに2万年の歳月が経過していた。もはやその惑星は、ゴジラを頂点とした未知の生態系へと変貌してしまっていたのだったが…。

<感想>滅びるのは、人類か、ゴジラか。超ロングランで上映された実写版の「シン・ゴジラ」は、私には余り感動というものは湧きませんでした。が、このアニメ版の「GODZILLA 怪獣惑星」は、予告を見て期待しただけの圧倒的な「ゴジラ」を感じることが出来ました。地球を追われて人類が棲む惑星を探し、どこにも地球と同じような環境であることを見つけることが出来なかった。

まずアニメということもあり、宇宙船内はそんなに凝ってない作りで、年寄りの幹部たちが、せっかく見つけた惑星“くじら座タウ星e”へと、数百人(500人くらい)を乗せて飛び立ちますが、途中で爆発事故を起こして全員死亡。まるで、宇宙船に乗っている人間が多いので人減らしでもしているような感じですから。

そこに、ハルオと言う青年が2万年後の地球に戻ろうと計画をし、ゴジラが生息している地球へ向けて帰還することになる。それは、船内に残っている人類のための水、食料も、燃料もすべてがないないずくしの土壇場に立たされているからなのだ。絶対に地球を奪還するべく、両親の仇であるゴジラを憎むハルオを先頭に、ゴジラとの壮絶な闘いを繰り広げる物語。

宇宙を彷徨い地球へ帰還するのに、ワープなるもの“アクルカン”突入と高速で太陽系の地球へと。初めは無尽偵察機を飛ばしてと、そして若い兵士600人が地球に降りたつも、ジャングル地帯の中でゴジラが引っ掻いたような傷跡が樹に刻まれ、シダのような葉が鋼鉄のような固さであり、水や酸素も食べるものも無いような地獄の地球。移住先の星がダメだったのに、期待していた地球もこれじゃ人間は住めないよね。ハルオが見つけた地面に咲く白い花には、驚きましたよ。

それに、まだ元気に生息しているゴジラ、1万年も経っているのに、何度も生まれ変わったのか、だが、その天敵たるゴジラ倒したところでどうにかなるのか?・・・もう何処へにも行けない移民船の人類。

ところが、ジャングルを偵察をしていると、飛んでくる「ゴジラ・セルヴァム」と言うゴジラと同じ細胞を持つ鳥怪獣の大群。何とか撃破したら“ゴジラ”が出てくるではありませんか。

そのゴジラは実写版で観た「ゴジラ」とは別もので、アニメでもその雄姿はまさしく知的な存在であり、神々しく、まるで金剛力士像のような出で立ちで、筋骨隆々であり、もちろん背びれが付いて、尻尾もあります。口からは電磁パルスを吐き出し、全てを焼き尽くします。

このゴジラには、ハルオたちが持っている光線銃やミサイルでは敵わない。ジャングルの谷間へと誘導して、一斉に撃破しようと作戦を立てるハルオ。上手くゴジラを谷間に引き寄せるも、その間には兵士たちが大勢死んでいく。

人類側のゴジラに攻撃をかける計画として、バイクのような空を飛ぶ乗り物にのりゴジラに向かって行くもの。まるで特攻隊のような、それに「パワードスーツ」の中に入り攻撃するもの。地表でミサイルを発射させるものと、まだまだ古い戦闘用具では、ゴジラに勝てっこありませんからね。それでも谷間に追い込んで、一斉に射撃をするとゴジラが動かなくなった。これはハルオたちの勝利かと思いきや、その下からバカでかい「キングゴジュラス」が出て来るではありませんか。このどんでん返しのような光景に、口をあんぐりと開けて、もうダメかと思わざるを得ませんから。

制作は国内有数のCGスタジオとして知られるポリゴン・ピクチュアズ。「シドニアの騎士」でコンビを組んだ静野孔文と瀬下寛之の両監督が壮大なスケールで映像化。全3部作で贈る予測不能なSFの展開であり、まだ見ぬ新たな「ゴジラ」を切り拓くという、エンドロールが終わるまで席を立たずに最後までご覧ください。

ハルオが目が覚めたところに、何と2部作目の物語に希望の灯が見える、地球に人類が住んでいることが解るんですね。来年の5月にこうご期待あれ。

 2017年劇場鑑賞作品・・・268アクション・アドベンチャーランキング

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プラネタリウム ★★★

2017年11月17日 | アクション映画ーハ行

『ブラック・スワン』などのナタリー・ポートマンと、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘リリー=ローズ・メロディ・デップが姉妹を演じた異色ドラマ。パリを舞台に、死者と交信できる美貌のアメリカ人姉妹が次第にショービズ界に染まっていく様子をつややかな映像で描写する。メガホンを取るのは、『グランド・セントラル』などのレベッカ・ズロトヴスキ監督。『サンローラン』などのルイ・ガレル、『三重スパイ』などのエマニュエル・サランジェらが共演している。

あらすじ:1930年代後半、降霊術ツアーに出ていたアメリカ人姉妹ローラ(ナタリー・ポートマン)とケイト(リリー=ローズ・メロディ・デップ)は、パリを訪れる。霊感が強くて死者を呼び出せるケイトはある晩、フランスの有名な映画会社のプロデューサー・アンドレ(エマニュエル・サランジェ)と知り合う。実際に霊と遭遇した彼は姉妹の能力に心酔し、ゴースト映画を企画する。

<感想>美しい姉妹、美しい秘密、人の心を狂わすこの姉妹は、高名なスピリチュアリストなのか、世紀の詐欺師なのか―。「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンと「ザ・ダンサー」のリリー=ローズ・メロディ・デップが、美しい姉妹役で初共演したミステリアスなドラマである。

実在したスピリチュアリズムの先駆者、フォックス三姉妹と、フランス映画界の伝説のプロデューサー、ベルナール・ナタンという活躍した時代も場所も違うが、「見えないものを見せようとした」「詐欺師と呼ばれた」という共通点を持つこれらの人物をモデルにした物語を、「美しき棘」のレベッカ・ズロトヴスキ監督が、ロバン・カンピヨと共同で脚本を書き、三作目の監督を担当した。

共演には「王妃マルゴ」のエマニュエル・サランジェに、「灼熱の肌」のルイ・ガレル、「僕とカミンスキーの旅」のアミラ・カサール、ピエール・サルヴァドーリ、ダミアン・チャペルら。ローラとケイト姉妹の不思議な力で、世界初の心霊映画を作ろうとする製作者のコルベン。心に影を持ち、次第に狂気を帯びてゆくコルベン。

序盤に妖しく引っ張った降霊術ミステリーは、映画の後半ではどうでもよくなってしまう。そして、そのあやふやさを、美しき二人の女優はじめとして、圧倒的なキャスティングで、吹き飛ばしてしまうのである。

こんな映画の作り方もあるものだろうかと感心してしまった。映画に真の心霊を写すと言う妄想に取り憑かれたユダヤ系プロデューサー・コルベンの役を、エマニュエル・サランジェが演じているのが良かった。

降霊術を披露する美人姉妹、彼女たちに魅せられた映画プロデューサー。1930年代、トーキー映画期、道具仕立てはこちらの好みに満ち溢れており、ところが妹が呼び出した霊を映画に写し取ろうという試み。それと女優として売り出そうとする姉の話。この二つが上手く溶け合わないのだ。

そこにプロデューサーのユダヤ人差別まで絡ませては、映画は混乱するばかり。その材料の一つ一つが面白いだけに、この脚本設計の失敗はもったいないと思った。せっかく女優たちの魅力もこれでは発揮されずに、残念で仕方がない。

見えないものの捉え方によって、人生が変わるというのがテーマの本作。例えば、降霊術を信じるのか、映像の可能性を信じるのか。人々は様々な見えないものの力を信じ、きらびやかな街に隠された黒い欲望や嫉妬に翻弄されていく。

しかし、姉妹はその芯の強さで時代を駆け抜けるのであります。ポートマンとデップは、どちらも独自のポジションを築き、聡明でしなやかな女性の強さを感じさせている。彼女たちと姉妹は、そういった面でも似ているし、だからこそスピリチュアリストと言う浮世離れをした役柄であっても、具現化で来たのだと思う。

そして次世代の監督とも呼ばれるレベッカ・ズロトヴスキのミステリアスでファンタジーな映像美が、姉妹の現実離れした部分とリアルな感情に厚みを加えているようにも見えた。

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サーミの血 ★★★★

2017年11月15日 | アクション映画ーサ行

北欧スウェーデンを舞台に、少数民族であるサーミ人の知られざる迫害の歴史と、差別に抗い自由を求めて必死に生き抜こうとする一人のサーミ人少女の成長物語を、北欧の美しい自然をバックに綴るヒューマン・ドラマ。主演は実際にノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人のレーネ・セシリア・スパルロク。監督は自身もサーミ人の血を引くアマンダ・シェーネル。本作が記念すべき長編デビュー作となる。

あらすじ:1930年代、スウェーデン北部のラップランド地方。ここに暮らす先住民族のサーミ人は、他の人種より劣った民族と見なされ、理不尽な差別や偏見にさらされてきた。そんなサーミ人の少女エレ・マリャは、寄宿学校では優秀な成績で進学を希望するが、教師からはサーミ人はスウェーデン社会ではやっていけないと冷たくあしらわれる。そんなある日、洋服に身を包みスウェーデン人のふりをして夏祭りに忍び込むエレ。そこで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。そして彼を頼って街に出るエレだったが…。

<感想>サーミ人とは北欧の先住民族であり、1930年代、彼らを分離政策の対象とし、人種として劣っていると見なしていたスウェーデンで、人生を頑な意志で切り開いたサーミ人少女の生きざまを描いている。

家族、故郷を捨ててでも少女が願ったのは、自由に生きること。スウェーデンに住む少数民族サーミ人の物語。主人公の少女を演じたのが、サーミ人のレーネ・セシリア・スパルロク。小柄な体と鋭い眼光から放たれる生命力が素晴らしく、おののきさえ覚えるのだ。

本作が単なる民族差別を告発するだけでも、民族の独自性を謳いあげるだけではないのが、繊細な感情のゆらぎによる少女の表情の変化を、何と見事に捉えていることか、映像によるものだが感心してしまった。この役を演じる女優のドキュメントかと見間違うほど生々しくて、同時に彼女の演技者としての確かさが、映画の真髄を支えているのもいい。

さらには、老いた彼女を演じたM・D・リンビの険しい表情による顔貌によって、一、女性の頑なまでの生涯が老若の双方から伺い取れると思う。これは、日本で言えば、北海道で暮らすアイヌ民族と同じようなものだと思ったから。

ラップランドのサーミ人、その民族の存在を意識しただけでも、この映画を観た甲斐があったと感じました。差別への抵抗、というよりこの物語。

どこか女性の自立譚の趣があって、窮屈な田舎で、学校へ通い、それに加えてのスウェーデン人からの侮辱的な扱い。これが虐めとかいうよりも、息が詰まってしまい、少女の心のモガキ苦しみを感じとりました。

そして、少女の初恋の喜びと、知性の欲求を織り込んでいて、この監督は繊細であり構成も良い。主役の少女の不適な面構えが良くて、そうなると彼女の旅立ち、その後がもっと見たくなり、エレ・マリャは民族を恥じて、偽名のクリスティーナ(憧れの教師の名前)を名乗り、差別する側のスウェーデン人に同化しようとするのですね。彼女は慎重に、時に大胆にウソを重ねていくわけ。差別される側から差別する側に向かおうとする人間の心理は、例えばいじめられっ子が、いじめる側に回るのと同じだ。

年老いたクリスティーナ(エレ・マリャは、サーミ人として生きた妹の葬儀に参列するために棄てた故郷に帰る。家族も、民族も、過去も棄てた彼女は、顔を隠すしかない。それは過去の差別によって大き過ぎる代償を負った姉は、そんな彼女が見た、故郷の風景とはどのようなものだったのだろうか。結局、エレ・マリャは年老いてから、故郷のラップランド地方へと帰り先住民のサーミ人として暮らすことを望むのだろう。

 

サーミ人とスウェーデン人の両親を持つ若い女性監督の、自身のルーツを問う鮮烈なる映画になっています。

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ジュリーと恋と靴工場星 ★★

2017年11月15日 | アクション映画ーサ行

郊外の靴工場で働く女性が自立していく姿をミュージカル仕立てで描いたフランス映画。主人公ジュリー役に「EDEN エデン」のポーリーヌ・エチエンヌ。監督は本作が長編デビューとなるポール・カロリとコスチャ・テステュ。

あらすじ:25歳で職なし、金なし、彼氏なしのジュリーは、やっとのことでフランスのロマン市にある高級靴メーカーの工場での仕事に就くことができたが、工場は近代化の煽りを受け、閉鎖の危機に直面していた。居場所を失うことを恐れた靴職人の女性たちが抗議のためパリの本社へと乗り込み騒動を起こし、ジュリーもこの騒動に巻き込まれ、あやうくクビになりかけてしまう。ジュリー、そして職人の意地とプライドをかけた女性靴職人たちは「闘う女」と名づけられた赤い靴を武器にこの危機を乗り超えようとする。

<感想>万年バイトの娘が正社員に採用された、その喜びが歌声になってこの嬉しい出だしで、「これはミュージカルコメディ映画になるぞ」、と心が躍ったのだが、本格的なミュージカルではなく、鼻歌程度のミュージカルでした。

どこか頼りない、それも愛嬌かと見続けたのだが、次第に単調に思えて来るのだ。やっぱり決めるところはちゃんと決めて欲しい。ミュージカルなんだから!

で、物語の方も高級靴ブランドの工場では、靴職人たちのストライキで機能不全になっていた。その破れかぶれな状況は尻つぼみであり、結末はあれでいいの?・・・どうもアイデアとセンスに作り手の身体が付いていってない印象を受けてしまう。

主人公のジュリーは、正社員になりたいと切に願い、不況の時代に仕事を探す若い女性がやっと就くことが出来たのが、田舎の靴工場。だが、そこも閉鎖寸前で、ベテラン女性職人たちが、パリの本社ビルに抗議をすべく出向くのであります。

 

しかし、その輪の中に入り切れないヒロインのジュリーの姿はもどかしく、非自覚的にスト破り的な反動に出たのに、若い女性でも車に乗る時に履く靴、赤いローヒールの靴を作るのだが。工場長からは、逆に最も過激な徒だと勘違いされてしまう。

 

パリの本社にいる社長は、靴工場を中国の安い土地と、低賃金で生産できると考え、高い労働者たちへの賃金を考えるとはるかに効率がいいと考えてしまう。しかしだ、安い中国の工場では、今の靴と同じような生産は無理というもの。昔から、熟練の女靴職人たちによる手仕事で、今の会社が成り立っていることを忘れているのではないかしらね。

 

働く女たちに焦点を当てた新感覚ミュージカルかと思いきや、いつしかセクシーな男性(バスの運転手)が、ヒロインの心を奪う物語になっていく。

中途半端に社会派の背景を出す必要があったのだろうか?・・・しかも価値観が古臭いのだ。それならいっそ、恋に恋するミュージカルとして純粋に楽しませてくれればよかったのにね。

バラバラで下手くそな踊りと歌、ミュージカル「ラ・ラ・ランド」(2017、2月)を観た後だけに、もう少し観客を楽しませて欲しかったです。

2017年劇場鑑賞作品・・・265アクション・アドベンチャーランキング