パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

2017年劇場公開作品、洋画部門ベスト10ランキング選出

2017年12月30日 | 年別の映画ランキングベスト10

今年も後1日で終わりですね。アクション映画大好きな私にとって、今年も大豊作の年でありました。特に仙台にもTOHOシネマズ仙台ができて、初めてIMAX3Dを鑑賞して画面の大きさだけでなく、飛び出し映像に驚き音響もサウンドが大音量でびっくりしました。それでも、順位を付けるとなると迷ってしまいます。私が★★★★★を付けた作品の中から選んで見たいと思います。

1位:美女と野獣IMAX3D ★★★★★★

2位:ラ・ラ・ランド★★★★★

3位:ハクソー・リッジ★★★★★

4位:ドクター・ストレンジ★★★★★

5位:沈黙―サイレンスー★★★★★

6位:LOGAN/ローガン★★★★★

7位:マイティ・ソーバトルロイヤル★★★★★

8位:トランスフォーマー/最後の騎士王IMAXD★★★★★

9位:パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊★★★★★

10位:新感染ファイナル・エクスプレス★★★★・5

次点:LION/ライオン~25年目のただいま~★★★★・5

次点:ドリーム ★★★★・5

次点:ジャスティス・リーグ★★★★・5

次点:SING/シング★★★★・5

次点:オリエント急行殺人事件★★★★・5

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皆さまにお知らせです。TB専用のブログを、エキサイトブログへ開設しました。今まではlibdoorブログからgooブログへと移動し、それにまたgooブログでもTBが廃止されました。もうTB作業は終わりにしようと思いましたが、まだまだ皆さんとの繋がりを持ちたいと思い、この度エキサイトブログを開設しました。

gooブログ「パピとママの映画のblog」のトラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版のミラーブログとして運営して行きたいと思ってます。

しかしながら、エキサイトブログもきっといつの日にかTBが廃止になるのではないかと思いますが、暫くの間は皆さまとの繋がりを、エキサイトブログにてTBを受け付けてまいりたい所存です。これからも宜しくお願い申し上げます。

来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

映画に夢中

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2017年劇場鑑賞作品・・・298アクション・アドベンチャーランキング


セントラル・インテリジェンス★★★

2017年12月29日 | アクション映画ーサ行

『ワイルド・スピード』シリーズなどのドウェイン・ジョンソンと、コメディアンのケヴィン・ハートがタッグを組んだアクションコメディー。高校時代はいじめられっ子だったCIAエージェントと、彼を手伝う羽目になった同窓生の会計士が巻き起こす大騒動を描く。メガホンを取るのは『なんちゃって家族』などのローソン・マーシャル・サーバー。共演にエイミー・ライアン、アーロン・ポール、ジェイソン・ベイトマンらが名を連ねた。

あらすじ:高校時代は人気者だったが今はさえない中年会計士のカルヴィン(ケヴィン・ハート)に、当時、デブでいじめられっ子だったボブ(ドウェイン・ジョンソン)から20年ぶりに連絡が入る。しぶしぶ会ってみると、気弱なデブだったボブは筋骨隆々とした肉体の持ち主になっていた。しかもボブはCIAエージェントで、濡れ衣を着せられ組織から追われているという。そしてなぜかカルヴィンは彼に手を貸すことになり、いつの間にか追われる身のボブと一緒に、命がけの逃避行を繰り広げるハメになるカルヴィンだったが…。

<感想>いつものマッチョなドウェイン・ジョンソンが、コメディを演じているし、逆にコメディ俳優のケビン・ハートが真面目な会計士で、ひねりの効いたアクションコメディになっている。

他に共演者としては、元相棒だったフィンに「トリプル9 裏切りのコード」のアーロン・ポールが、高校時代の悪ガキ代表には、「ザ・ギフト」のジェイソン・ベイトマンが。それに、同窓会で高校時代の女子には、「ゴーストバスターズ」(16)のコメディ女優メリッサ・マッカーシーが出演してました。

主演のドウェイン・ジョンソンが、己の特技を熟知したうえで駆け回り、搔き乱す役回りがお見事。とにかく、高校生時代はぽっちゃりというよりもおデブちゃん体形で、悪ガキからは虐められ、卒業式の体育館の大勢いる生徒たちの前に、素っ裸で放り投げられる。

そこに成績優秀、体育競技も優秀のカルヴィンが、自分の来ているジャンパーを脱ぎ、裸のボブの前を隠して助けて上げるわけ。それから20年、毎日トレーニングをして、ボブは名前も変えて、筋肉隆々たる大人になりCIAの諜報活動をしているというのだ。

方や、高校時代は成績優秀でモテモテのカルヴィンだったが、今では高校時代の同級生の彼女と結婚し、会計士として真面目に働いている。本当は子供が欲しいのだが、妻が弁護士になりたいと勉強しているので、諦めているのだ。

とにかく、ドウェイン・ジョンソンがウェストポーチを装着するだけで笑いを誘える俳優は、彼ぐらいではなかろうか。虐め被害者が抱える深い傷もこの作品のテーマとなっており、屈強なはずのドウェイン・ジョンソンが、元虐めっ子のジェイソン・ベイトマンの前で委縮する場面では、けっこう滅入ってしまう。だから、その時に友達がいなかったボブが、カルヴィンに助けられ勇気づけられたことは、生涯忘れられない出来事で、いつまでも彼とは深い友情でありたいと思っているのだ。

だから、カルヴィンに対するボブの崇拝ぶりが、ドウェイン・ジョンソンの不器用さがプラスに働いてほろりとさせられます。虐め被害者の心に刻まれる傷の深さがはっきりと描かれていて、現在虐められて不登校になっている生徒たちへのメッセージとも取れます。

それに、アクションといっても殺しはしないので、若年層の観客を主たるターゲットとして意識しているのが分かる。だが、セリフの中に下ネタが多すぎるのが惜しい。

アクションでは、さすがのドウェイン・ジョンソンが大暴れして、コピー機のトナーを拳銃で撃ち、インクの粉で煙幕を作るアクション描写が良かった。他にも、体の小さいカルヴィンを台車に乗せて、ビルの30階くらいから下のビニールで作られたぬいぐるみの上にダイビングするとか。

拳銃扱いは慣れたもので、しかし体を使った格闘技もよく動くし、カルヴィンを庇って床に這いつくばせて、目の前に拳銃が落ちて来るのを披露カルヴィンだが、中々拳銃をうまく撃てない。

ボブのCIA時代の相棒だったフィンを、自分が殺してしまったことを悔いていたのだが、実は生きていて悪いやつで、ボブが「黒アナグマ」という名前で悪事を働く男と言うが、実はフィンが悪党だったのだ。

それにしても、女の上司とCIAのやつらに追いかけられるボブ、追ってを撒いて逃げたカルヴィンの目の前に、現れるすばしっこさが面白かった。

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2017年劇場鑑賞作品・・・297アクション・アドベンチャーランキング


フラットライナーズ★★★・5

2017年12月28日 | アクション映画ーハ行

1990年の大ヒット・スリラー「フラットライナーズ」を「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレヴ監督でリメイク。死後の世界を垣間見ようとする医学生たちの危険な実験の顛末を描く。出演はエレン・ペイジ、ディエゴ・ルナ、ジェームズ・ノートン、ニーナ・ドブレフ、カーシー・クレモンズ。

あらすじ:医学生のコートニーは、仲間と共に禁断の実験に手を染める。それは意図的に自分の心臓を止めて1分後に蘇生させることで、制御下で臨死状態を体験しようというもの。すると、死後の世界を垣間見た彼女は、突然ピアノが弾けるようになるなど劇的な能力の向上を実感することに。他の仲間たちも次々と臨時実験に挑み、次第にその臨死時間を伸ばしていく一同だったが…。

<感想>医学生が好奇心で始めた禁断の臨死実験。死後7分それは、決して超えてはならない領域だった。1990年の大ヒット・スリラー「フラットライナーズ」のリメイクだと言うが、前のは鑑賞していなかったので、ホラーもの好きには期待して観ました。

しかし、勘違いも甚だしくて、内容は医学生が自分の身体を実験台にして、臨死体験をするというものだった。きっと、死後の世界は雲の上にでもいるように美しく、天使がまるでお手伝いさんのようになんでもやってくれると思っていたのにね。それが、大間違いの元でしたね。主人公が最初に実験台になるのですが、臨死体験60秒間という時間の間には、過去に自分が犯した罪の贖罪でもあるのです。

主人公は、冒頭でスマホをいじっていて、前を見ていなかったために、同乗していた妹を事故で死なせてしまったのだ。そのことがトラウマになって、死後の世界にいく前に妹が出て来て謝罪しなさいというのだ。この娘は久しぶりに観たエレン・ペイジが演じていて、童顔なので大学生役もすんなりとこなしていましたね。でも、妹を死なせてしまったことが、いつまでも心の奥底に「すまない」という気持ちがあり、妹は亡霊となって姉のまえに出て来て脅し、そして死後の世界へと引きずり込んでしまうのです。

臨死体験の脳波のデータを自分の卒論にでもしようと考えたのかどうか知りませんが、ジェイミーが電気ショックで主人公の心臓を止めます。その後に蘇生させるために、電気ショックをしても目を覚まさないエレン・ペイジ。慌てていると、そこへ医学生仲間のセクシーな美女と優秀なイケメンのレイが合流し、何とか難を逃れ、主人公は目を覚ましますのです。

その他に「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のディエゴ・ルナをはじめとする人気若手俳優陣のほか、オリジナル版で医学生を演じたキーファー・サザーランドが医大の教授役として出演。監督は「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレブ。

本当に危険極まりない実験であり、神の領域を犯すことでもあると思うのです。その後に、続く学生たちも、何とか蘇生に成功して生き返るのですが、自分たちの過去に犯した罪の贖罪とでもいうべきか、そんなに生易しい天国へ行けるというものではありませんからね。

後の学生が、金髪色男でプレイボーイのジェイミーが実験代になり、死後の世界へと誘われ、そこには元カノらしき女性とバイクでドライブしてました。その彼女が妊娠をしてしまい、ジェイミーはまだ学生だったので堕胎してくれと頼みます。それからは、彼女と別れてしまうのですね。その彼女のことと、赤ん坊の泣き声が聞こえ、彼を苦しみの底へと落とします。生き返った彼は、彼女に謝りに行き、許しを請い、彼女の許しを得るのですね。

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 2017年劇場鑑賞作品・・・296アクション・アドベンチャーランキング

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シンクロナイズドモンスター★★

2017年12月27日 | アクション映画ーサ行

「プラダを着た悪魔」「レ・ミゼラブル」のアン・ハサウェイが、韓国に出現した巨大モンスターとなぜかシンクロしてしまったズボラでダメダメなヒロインを演じた異色の怪獣映画。共演はジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス。監督は「TIME CRIMES タイム クライムス」「エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる」のナチョ・ビガロンド。

あらすじ:酒に溺れて失敗ばかりのグロリアは、恋人にも愛想をつかされ、同棲していたニューヨークのマンションを追い出されてしまう。失業中の身で行き場もなく、渋々ながらも故郷の田舎町に引き返す。するとそこで幼なじみのオスカーと偶然再会し、彼が営むバーで働かせてもらうグロリア。そんな中、韓国のソウルに突如巨大な怪獣が出現し、世界中が固唾を飲んで見守る衝撃の事態が発生する。ところが、そのニュースを見ていたグロリアは、あるとんでもないことに気づいてしまう。なんとその怪獣が、グロリアと同じ仕草をしていたのだった。驚愕の事実に混乱しながらも、怪獣にいろんなポーズをさせて面白がるグロリアだったが…。

<感想>あのアン・ハサウェイが、酒癖の悪い酔っ払い、アルコール依存症のような役を演じているのだ。それも酔っぱらって朝帰りの帰り道、公園で騒いでヘロヘロになったのが、怪獣とシンクロしちまって、韓国のソウルで大暴れしているニュースを見ることになる。初めは嘘だと信じていない彼女が、飛んでもないことをやるから、後で気づいて恐ろしくなり後悔しても遅いのよね。

オバカ映画だと思って観ていたら、かなりシリアスな恋愛ものかとも思えて来る。あの「プラダを着た悪魔」とは違って、大きな目と口のアン・ハサウェイが見られて楽しいなぁ、なんて言ってられませんからね。

ソウルに出現した怪獣とアメリカで編み日、酒を呑んで暮らす平凡な女の子が、シンクロするというとんでもないお話は、やはり彼女の顔と演技力がないと、もたないだろうと思った。普通はこんな映画はDVDスルーだろうが。

彼女の敵役となる青年は欠陥はあるものの、どこにでもいるような気のいい人物として登場させたところは、エピソードも含め、鋭い。物語の核となる空間や時間のひずみは、筒井康隆の小説などでおなじみのものだが、ソウルに飛ぶのが笑えた。

実は、小学校の頃に、夏休みの宿題の工作で作った模型が、ソウルの街に怪獣が出る模型だったのだが、それが強風が吹いて飛んでいき、それを幼友達のオスカーが取りに行き、そこまでは良かったのに、足に踏んずけて壊してしまった過去がある。

そのことが、大人になりNYで失敗した彼女が故郷へ帰って来て、オスカーの店で酒を飲み、酔っぱらって公園で寝てしまい暴れたのを覚えていない。その時に頭のてっぺんを触ったのが始まりだったようだ。

美術装置がこれほどに雄弁な映画も珍しく、NYのクロリアと恋人のダン・スティーヴンスの部屋に、グロリアの故郷の実家、大きく仕切られたジェイソン・サダイキスのバーなどの、室内装飾がどれも主題に関わる重要な演出効果をもたらしていて、とりわけ、オスカーの家を初めて訪れたグロリアが室内を見て、彼の隠された一面を、一瞬にして悟ってしまう場面などは傑作。

オスカーがTVを見て、ソウルに出ている怪獣がグロリアだと分かると、その敵役のロボット怪獣として自分も出現して、暴れ回るのだ。こいつが手に負えないやつで、今でも子供じみていて、しょうもない男なのだ。グロリアに惚れているのは分かるのだが、親切がアダになってしまう。

ヒネった怪獣映画くらいの認識で観ていたが、どんな男でも無意識に繰り出しているかもしれない“ミソジニー野郎のあるある”とも言うべき愚行を、時にじんわりと、ガツンと教えてくれる作品ですよ。

アン・ハサウェイのヨレヨレぶりも良かったが、コメディ俳優の印象しかないオスカー役のジェイソン・サダイキスの、女性蔑視ロボット怪獣ぶりがとにかく見事で怖いのだ。

面白いのがラストの見せ場で、グロリアの元カレダン・スティーヴンスが、またカッコいいときてるし、仲直りをしてNYへ帰ろうと迎えにきたのにね。グロリアは、自分が起こした怪獣を始末しにいかないと、ソウルが全滅してしまうかもしれないと。そのままNYへは行かないで、ソウルへと飛ぶ。そして、あのオスカーのロボット怪獣をコテンパンにやっつけてしまうのだ。そして、海の中へと消えてしまう。

モンスター出現地は、怪獣映画の一大産地である日本の東京にしてもらいたい気持ちもあったのにね。これって、残念だよね。

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 2017年劇場鑑賞作品・・・295アクション・アドベンチャーランキング


婚約者の友人★★★

2017年12月26日 | アクション映画ーカ行

「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督がエルンスト・ルビッチ監督による1932年の反戦ドラマをミステリー色を強めてリメイク。第一次大戦直後のドイツとフランスを舞台に、戦争で婚約者を亡くしたドイツ人女性と、そんな彼女の前に現われた亡き婚約者の友人だという謎めいたフランス人青年との心温まる交流と、青年が抱える秘密と葛藤を、モノクロとカラー映像を織り交ぜミステリアスなタッチで描き出す。主演は「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネとオーディションで選ばれたパウラ・ベーア。

あらすじ:戦後間もない1919年のドイツ。戦争で婚約者のフランツを亡くし、悲しみから立ち直れずにいるアンナはある日、フランツの墓の前で泣いている見知らぬ男性と出会う。アドリアンと名乗るその青年は、フランツと戦前のパリで知り合ったと明かす。フランツとの思い出話を聞き、2人の友情に心癒されていくアンナ。最初は敵国の人間と抵抗感を抱いていたフランツの両親も、アドリアンの人柄に触れるうち、いつしかこの息子の友人を温かく受け入れていくのだったが…。

<感想>第一次大戦で恋人を失った若きヒロインが経験する旅路を描いたモノクロの映像は、フランソワ・オゾン監督にしては古風すぎる印象を与える。ですが、一見古典的に見えてその実、一筋縄ではいかないのがこの監督の見どころ。ところどころにカラーの情緒豊かな映像を挟んだりし、ひねりのあるストーリー展開でミステリーを深め、キャラクターに対する観客の認識をかく乱するような仕掛けをそっと忍ばせて置くのも良かった。

戦争を描いた背景には、ストーリーに深い傷跡が刻まれているからであり、いわばオゾン監督の個性とクラシックな品格を表した重厚な傑作といえよう。

嘘というテーマ、そして心の旅路。アンナは    婚約者のフランツの墓の前で、泣いている男が家に尋ねて来て、アドリアンと名乗りフランツの友人だと言うのだ。一家はフランツの昔話を聞きたくて、アドリアンを歓迎する。滞在中に何度も顔を合わせる中で、アンナは次第にアドリアンに惹かれてゆく。が、アドリアンが誰にも言えない秘密を抱えていたのだ。

物語はアンナの視点から語られ、二人が親密になるに従って、アドリアンの秘密が解き明かされてゆく。観客はアンナの視点から観ることで、ミステリーの要素が強められ、観客は彼女と共に真実を発見していくことになる。

アンナには、フランツ亡き後に現れたアドリアンを、フランツの代わりを占めるようになる。ですが現実は、アンナが夢見るよりももっと複雑なものであり、様々な困難にぶつかって、人生はバラ色でないことを知り、大人になる。

喪に服していたアンナがアドリアンの存在によって息を吹き返すとともに、映像もモノクロからカラーに変わるのだ。

アンナがアドリアンを追ってパリへ行く旅路は、興奮と二人の逢瀬がきっと結婚まで発展するに違いないと思っていた。ところが、実家のお屋敷にいるアドリアンは、貴族であり母親の決めた婚約者もいたのだ。

折角愛するアドリアンに会いに行っても、ままならぬ恋路にはならなかった。戦死したフランツが、パリのルーブル美術館で見たモネの自殺という絵を見るアンナがいる。アンナもまた、フランスへ来る前に自殺未遂を起こしたのだが、生きる力をアドリアンに託してやってきたのに。目の前の現実にアンナは、またもや生きる力を失いつつも、ドイツの両親に手紙を書き、楽しく過ごしていると伝える。これからのアンナは、誰にも頼らずに、自分一人で辛い人生の道を切り開いていくのだろうということを匂わして終わる。

本作の成功の要素として、さらにかかせないのが二人の主演俳優の貢献だろう。アドリアン役のピエール・ニネと、アンナ役の新進女優パウラ・ベーアはともに、表情だけでなく言葉以上にじょうぜつに気持ちを表現できる才能に秀でているから。そしてピエールは、危うさや弱さを表現するアドリアンにぴったりだった。

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2017年劇場鑑賞作品・・・294アクション・アドベンチャーランキング

      

 


カンフー・ヨガ★★★・8

2017年12月24日 | アクション映画ーカ行

ジャッキー・チェン主演のアクションアドベンチャー。ジャッキーふんする考古学者が、ある財宝をめぐって奇想天外な冒険を繰り広げる。メガホンを取るのは、『ポリス・ストーリー3』『ファイナル・プロジェクト』などでジャッキーと組んできたスタンリー・トン。『李小龍 マイブラザー』などのアーリフ・リー、『ダバング 大胆不敵』などのソーヌー・スード、『インファナル・アフェア』シリーズなどのエリック・ツァンらが共演する。

あらすじ:およそ1,000年前、中国・インド間の混乱で、ある財宝が行方不明になった。カンフーの使い手でもある考古学者のジャック(ジャッキー・チェン)は古い地図を手に、同じく考古学者にしてヨガの達人のインド人美女アスミタ(ディシャ・パタニ)と財宝探しに向かう。やがて、さまざまなことが明らかになり……。

<感想>中国とインドの合作で贈るジャッキー・チェン主演のアクション・アドベンチャー。ジャッキー扮する考古学者の主人公が、伝説のインドの秘宝を求めて世界を駆け巡る大冒険を描いている。

主人公ジャックをジャッキーが演じるほか、インドの人気俳優ソーヌ―・スード、「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」のアーリフ・リー、アイドルグループ「EXO」のレイらが出演。監督はジャッキー作品を多く手掛けた「ファイナル・プロジェクト」「THE MYTH/神話」のスタンリー・トン。

63歳になるジャッキー・チェン、年齢と共にアクションのキレも鈍くなったと言う画、何よりも工夫を凝らしたカンフーアクションを、ジャッキーが久々にたっぷりと見せてくれるのが嬉しいですね。

相変わらずアクションですが、今回は動物・ライオンやハイエナとかたくさん出て来て、車のカーチェイスでもジャッキーの車の中にライオンが同乗して驚きます。

それに、ジャッキーを取り巻く人たちがそれぞれ違う仕掛けで、娯楽大作を連打することには敬意をはらいたいですよね。ドレジャー・ハンティングものと言えば「インディ・ジョーンズ」ですよね。その物語と類似したような宝探しに行くと、お馴染みの仕掛けや危険がいっぱい。

冒頭から古代インドの象の群が出て来て戦争スペクタクルみたい。その時代に隠された財宝を求める構成なのだが、同じ考古学者にしてヨガの達人でもあるインド人美女アスミタから歴史に消えた伝説の財宝探しを持ちかけられる。ヨガの極意を見せる美人のディシャ・パタニの美しさに、溜息吐息トルネード。

約1000年前にインドと中国の間で起きた混乱の中で消えてしまった財宝を探すため、中国、インド、ドバイ、アイスランドと世界を巡っていく。

 

美人とお宝に興味を抱き、探索チームの結成に乗り出したジャッキー。唯一の手がかりであるアスミタの古い地図を頼りに、いざ財宝探しの旅へと繰り出すジャッキーだったが…。

氷河地帯のアクションやドバイの高級車がぶつかり合うカーアクションがド派手であり、豪華版でしたね。

最後の舞台はインドとなって、金の仏像に合唱し、エキゾチックで、カラフルな舞踊を一同踊りまくって、いわゆるボリウッドダンスで盛り上がりを見せています。ジャッキーならではの、キッレキレのボリウッド・ダンスもさることながら、久々と言える木人椿を使ったトレーニング・シーンが見られるのが何とも嬉しい。

何かと反目し合う中国とインドの友好への願いが込められた作品でもありました。

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 2017年劇場鑑賞作品・・・293アクション・アドベンチャーランキング

 


おじいちゃん、死んじゃったって。★★・5

2017年12月22日 | アクション映画ーア行

CM業界で活躍する森ガキ侑大の記念すべき長編映画監督デビュー作。おじいちゃんの葬儀のために久々に家族が集結したことで、それぞれが抱えていた問題や不満が一気に噴出する愛憎の行方を描く。主演は「友だちのパパが好き」の岸井ゆきの、共演に岩松了、美保純、水野美紀、光石研。

あらすじ:彼氏とのセックス中に掛かってきた電話で祖父の訃報を知った春野吉子。若干の後ろめたさを感じつつも、慌ただしく進む葬儀の準備を見守っていく。家族が久々に顔を揃えることになるが、父の清二と喪主を務める叔父の昭男はさっそく段取りを巡って一悶着。その後も皆それぞれにやっかいな事情を抱え、ことあるごとに衝突しては、押し殺していた不満や本音が吐き出されていくのだったが…。

<感想>祖父の死の通知で親戚縁者が集まるのだが、そこで兄弟喧嘩や葬儀の準備や、集まった親族との久しぶりの対面などを通して、血縁者のもろもろの近況も聞かれて、それに恨み辛みもありひと悶着もある。そして、誰も泣かなかった。それでも家族だった。

伊丹十三監督の「お葬式」を思い出してしまった。さすがに「お葬式」の映像と脚本が完璧すぎるくらいな映画だったので、比較するきにはならなかった。

こちらの作品は、目が合えば長男と次男が喧嘩を初めるのだ。そういう所をリアルに、とにかく喧嘩のシーンが多くて目に余ってしまう。家族同士の日ごろの恨み嫉みが垣間見えた。さすがに兄弟の喧嘩にお婆ちゃんの認知症、爺さんの息子で弟役に光石研さん。リストラで仕事を辞めて家でごろごろしている父親。その娘の吉子が主人公なのだが、主演の岸井ゆきのさん、私には初めての女優さんだからなのか、演技が上手いのか下手なのか、よく分からない。

恋人とセックス中に電話が鳴り、爺ちゃんが死んだという訃報が届く。その自分が爺ちゃんが死んだ時に恋人をHの真っ最中だったのが悔やまれてならないというのだ。若くて何も考えていないような女子でも、爺ちゃんの死に際に自分がHをしてたので、何だかやましい気持ちになったということで、反省しきりだ。死にゆく人もあれば、Hをして生まれ来る命もある。

お兄さんが、岩松了で、離婚した妻に美保純が久しぶりに観た感じがした。3番目の妹には独身でバリバリのやり手の水野美紀が、真っ赤なイタリア車(フェラリー)に乗って来る。兄弟がダメな人間なのに対して、妹が成功者という筋立てに今風という感じもする。車のガラスを割られて、中に置いてあった香典(20万円)を盗まれてしまったのだ。小さな村なので、駐在所に届けると、犯人がすぐに見つかる。

葬儀が進むにつれて、お坊さんのお経に火葬場、連れ合いのお婆ちゃんはボケていて、誰が死んだのか、誰の葬式なのか分からないという有様。それにしてもみんながよく煙草を吸うのだ。煙草を吸いながら、その場にいずらい人間たちの繋ぎのような、煙草の煙と爺ちゃんの火葬場での煙。

クライマックスでは吉子の恋人が来て、食事の後に花火でもやろうと準備をするが、予想外の事態になる。それは本物の花火が夜空高く上がって見えて、それはそれは、爺ちゃんへのたむけ花火のようになっていて良かった。

翌朝には、家族が縁側に揃っての集合写真であります。そういえば、私の家には葬式の写真なんて一つも撮ってなかった。あの時に、両親の葬式を挙げた時に、その後でも法要の席で写真を撮っておけば良かったのにと、後悔しきり。残念です。

そして、認知症のお婆ちゃんを老人ホームへと入所させる息子にも、一緒に住むことが出来ない現状、嫁に祖母の世話をさせるのは無理だという現実問題。

それに最後には、吉子が「インドでは道端に人間の死体がゴロゴロと転がっている」と言っていたことを、証明するかのように見に行くのか、インド編になっていて、ヨルダン川の沐浴や象、道端にはもちろん人間の死体なんてない。日本のどこにでもありそうな家族の姿が映し出す、ホンワカとした物語でした。

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2017年劇場鑑賞作品・・・292アクション・アドベンチャーランキング

 


8年越しの花嫁 奇跡の実話★★★・5

2017年12月21日 | アクション映画ーハ行

多くのメディアに取り上げられ話題となった感動の実話から生まれた奇跡のラブストーリー。主演は「るろうに剣心」「バクマン。」の佐藤健と「青空エール」「トリガール!」の土屋太鳳。監督は「ヘヴンズ ストーリー」「64-ロクヨン-」の瀬々敬久。

あらすじ:自動車修理工の西澤尚志は中原麻衣と出会い恋に落ちる。やがて2人は婚約するが、結婚式を目前にしたある日、麻衣は難病に襲われ意識不明となってしまう。いつ目覚めるかも分からず、麻衣の両親からは結婚は諦めて別の道を歩むよう説得されるが、尚志は奇跡を信じて麻衣のもとへと通い続ける。そして数年後、麻衣は奇跡的に意識を取り戻すが…。

<感想>意識の戻らない恋人を、あなたは何年待てますか。実話を基にした“難病もの”は、これまで国内外で数多く作られてきました。命の尊さをエモーショナルに描く一方、悲しい結末が待ち受けている作品も少なくありません。

しかし本作では、2人で交わした“約束”を果たすために病気と戦う男女の奮闘記でもあり、どんな状況になっても諦めることなく、大切な人と一緒に生きようとする信念にも似た愛の強さや、美しさを温かく前向きに描いていました。

結婚を約束し、幸せいっぱいだった尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。その矢先、麻衣は発症率が300万人に1人という病に倒れてしまう……。長いこん睡状態が続き、愛する人の笑顔をもう見られないかもしれない絶望的な状況。そんな中で、尚志が下した決断は? 尚志の“無償の愛”が、私たちの心を鷲づかみにさせます。

いつ目が覚めるとも分からない彼女を、毎日仕事に行く前と帰りに病院へ行き、彼女の眠っている傍で待ち続ける尚志の信念の強さ。数ヶ月もの間、毎朝数時間かけて見舞いに来る尚志を心配したのは、麻衣の両親であり、「麻衣のことはもう忘れて」と涙ながらに面会を拒絶します。あなたは家族じゃないのだからと言う母親。

そんな冷たい言葉に、尚志はどん底に突き落とされる。苦悩の末、尚志が麻衣の両親に伝えた言葉とは? 病気になる前に、「麻衣と結婚することを約束したから」だから、彼女の目が覚める日まで毎日通い続けますと断言します。病院へ通う彼が、毎日のように動画を撮り続けて、それを日記の代わりにと、元気になったら麻衣に見せて下さいと、撮り続ける。

そして1年後。尚志の祈りが届いたのか、麻衣に奇跡が訪れるんですね。何と麻衣が目を覚まして気が付いたのですから。みんなで大喜びでした。

しかし、それからが大変だったのです。辛いリハビリ生活が待っていたのですね。過酷なリハビリ生活も尚志の献身的なサポートもあり、二人三脚で回復に向けて歩んでいたある日、2人に最大の試練が降りかかる……。

気が付いても、麻衣は尚志のことを恋人だと認識しない。思い出せないのですよ。結婚指輪まであげたのに、麻衣はその指輪をみて不思議そうな顔をするのですから。

それからは、2人の思い出の場所に麻衣を連れ出した尚志。だが、切ない運命が2人を待ち受けていた。やっぱり思い出せない、彼のことを。「あなたは誰なの?」と毎日病院へ通ってくれる彼の顔を見て、最後には毛嫌いするような時もある。

一時は、彼女の病院へも行くのを止めてしまう尚志。そして、働いている自動車工場も辞めて引っ越しをしてしまう。小豆島へと。

そんなある日のこと、尚志の優しさに触れて思い出せないけれど、少しづつ尚志のことが好きになって来た麻衣。だから、彼女が尚志を追いかけて小豆島へと行くことは、麻衣の勇気と、そして2人の8年越しの思いが成就するクライマックスに、涙が止まらなくなります。

それに、結婚式も、麻衣が尚志のプロポーズを受けて、近くの教会で結婚式を挙げたいと言っていた想い出の教会。そこに、無理を言って毎年のように麻衣の病気が治って、教会で結婚式が挙げられるようにと、予約を入れておいた尚志の優しい心にも拍手ですね。

特に、土屋太鳳ちゃんの病気になる発作が起きる瞬間とか、リハビリを受ける無表情の麻衣の姿の、迫真の演技が凄かったです。そして、佐藤健さんの献身的な支えと、いつまでも信じて変わらない愛情にも拍手ですね。

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2017年劇場鑑賞作品・・・291アクション・アドベンチャーランキング


ゲットアウト★★★★

2017年12月19日 | アクション映画ーカ行

人気コメディアン、ジョーダン・ピールの記念すべき監督デビュー作にして、全米でサプライズ大ヒットを記録して大きな話題を集めたホラー・サスペンス。米国が抱える根深い人種問題を背景に、白人の彼女の家を初めて訪問することになった黒人青年を待ち受ける予測不能の運命を不穏なタッチでスリリングに描き出す。主演はダニエル・カルーヤとアリソン・ウィリアムズ。共演にブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キャサリン・キーナー。

あらすじ:ニューヨークに暮らす黒人青年のカメラマン、クリス・ワシントン。白人の恋人ローズ・アーミテージから実家に招待されるが、彼女の両親は娘の恋人が黒人であることをまだ知らず不安を隠せない。しかし、いざアーミテージ家に着いてみると、まったく心配ないというローズの言葉通り、家族みんなクリスを温かく歓迎してくれた。それでも、使用人として働いている黒人の姿に妙な胸騒ぎを覚えてしまうクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティが開かれ、多くの招待客が集まる中、白人ばかりに囲まれ居心地の悪さを感じるクリスだったが…。

<感想>言葉を失ったまま、目を見開いて涙を流す主人公クリスは何を見つめているのか!?あっと言う間に奈落の底に落とされる恐怖。ここは一体どこなんだ?不穏な空気と張り詰めた緊張感。本作は、観客を恐るべき結末へと導いていくのである。

白人が黒人をどう観ているのか、強さからいったら白人は黒人より体力的に劣っているようだし、頭脳もほぼ同じレベルだと思うのだが、アメリカ人の白人から見ると、アフリカ系の黒人は体力的にも憧れの“まと“なのかもしれない。あらゆるシーンで自分たちの居場所や威厳を失いつつある白人が、感じている焦燥や不安など。それでもアメリカの社会においては手綱を握るのは自分たちだという、彼らの一部のしぶとい邪推や意思疎通。

NYで共に暮らす白人女性のローズが、郊外に住んでいる実家へ彼を連れて行き紹介するという設定は、オバマ政権以降のアメリカでもやはり心配なものなのだと思いますね。ローズは両親が精神科医の母親と脳外科医の父親だから、黒人に対して知的で差別などはないから大丈夫だと言い、弟以外は実際に暖かく迎え入れられるが、使用人はすべて黒人であり、何かがおかしい。黒人同士の視線が不気味なのだ。

実際には、ここまでの恐怖はないと思うが、母親がクリスが煙草を吸うのを見て、禁煙できるようにと催眠術をかけるのが、紅茶の茶わんをスプーンでかき混ぜる音で、クリスは催眠状態に陥ってしまい、奈落の底に落ちた気分になってしまうのだ。

それに、親せきが集まり失明した画廊主の叔父さんのパーティが開かれるも、全部白人の親戚であり、一組だけ若い青年が養子にでももらったのか、叔母さんが連れていた青年が黒人だった。

クリスもつい親近感を覚えて彼に声をかけ写真を撮るのにストロボの光で、彼が動揺して発狂してしまうのだ。驚いたクリスが謝り、事なきを得たのだが、その夜に、クリスは寝られなくて夜に外へ出ると、使用人の黒人が物凄いスピードで走って来るのだ。それに、メイドの彼女も2階の窓からクリスを見て、様子がおかしい。

そしてついに家族がクリスを襲う瞬間が来る。地下室に閉じ込められるのだが、両手足を縛られ身動きが取れない。前にあるTBの画面には、盲目のおじさんがベッドに寝ていて、今にも手術をするような気配がする。

そうなんですね、この家の両親は、黒人に憧れて自分たちの家族、祖母と祖父の脳に娘のローズが連れてきた黒人の彼氏を、催眠状態にして脳を取り換えるという、異常な両親たちなのだ。盲目の叔父さんは、クリスの眼球を移植し脳全摘出して叔父さんの脳に差し替えるという手術をするわけだった。

だから、使用人の若い黒人の脳は祖父のものであり、メイドの脳には祖母が入っているということ。それに、おばさんの養子だとばかり思い込んでいた彼も、ご主人の脳を入れ替えたもので、この手術が成功したかと言うと、本当は微妙にマッチしていないようだ。

多様性が叫ばれるようになって見え隠れする、人種間のアレコレを巧みに盛り込んでいるのもいい。それでいて妙に説教臭くするわけでもなく、しっかりと怖がらせつつも、絶妙なさじ加減で笑わせてくれるのだ。だから実に優れたモダン・ホラーに仕上がっていた。

その変な感じがジワジワと伝わって来る演出も良かったし、黒人と白人が歴史的に持っている差別的感情も、黒人監督だからこそデリケートに、遠慮なく、表現できたのかもしれませんね。

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2017年12月劇場鑑賞作品・・・290アクション・アドベンチャーランキング


スター・ウォーズ/最後のジェダイ★★★★

2017年12月18日 | アクション映画ーサ行

SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」サーガの新3部作の幕開けとして2015年に公開され、世界中で空前の大ヒットとなった「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のその後を描く続編。ついにフォースを覚醒させ、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーと出会ったレイを待ち受ける驚愕の運命と、ファースト・オーダーとレジスタンスの戦いの行方を描く。主演は引き続きデイジー・リドリー。共演陣にはアダム・ドライヴァー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミルら前作の主要キャストのほか、ローラ・ダーン、ベニチオ・デル・トロ、ケリー・マリー・トランらが新たに参加。なお2016年12月に他界したキャリー・フィッシャーは本作がシリーズ最後の出演作となる。監督は新たに「LOOPER/ルーパー」のライアン・ジョンソン。

あらすじ:レイア将軍率いるレジスタンスはファースト・オーダーの猛攻に晒され、基地を手放し決死の脱出を図る。その頃、レイは伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを連れ戻そうと説得を試みていた。あるトラウマから心を閉ざし、ジェダイの訓練を請うレイに対しても頑なな態度を崩そうとしないルークだったが…。


<感想>つい冒頭の「スター・ウォーズ」の音楽が流れ、下から上へと字幕が映し出されると感慨深い思いに浸されます。しかし、物語自体はそんなにハイレベルでもなく、いつもの「スター・ウォーズ」の展開となってました。

物語は当初から公表されている通りの、前作「フォースの覚醒」のラストシーンから始まります。前作でレジスタンスの希望となるルーク・スカイウォーカーをようやく見つけ出し、自身もフォースに対して“覚醒”した主人公レイは、当然ながらルークに対して“ジェダイとなるための修行”を求めるのだった。しかし、ルークはその申し出を拒絶する。

そもそもこのタイトルで示されている「最後のジェダイ」とは誰かということなのだが、これはルークのことで間違いない。「邪悪なファースト・オーダーが帝国の灰の中から台頭し、最後のジェダイたるルークを滅ぼすべく執拗に追い続けた」前作の「フォースの覚醒」オープニングクロールでもこのように名言され、またライアン・ジョンソン監督自身も「最後のジェダイ=ルーク」であると断言しているからだ。

「最後のジェダイ」もまた、文字通り“ジェダイのいない時代への橋渡し的作品”となることが示唆されていると解釈できるからであります。「フォースの覚醒」では、ルークが新たに設立したジェダイアカデミーで若者たちの指導をしていたが、若きベン・ソロがカイロ・レンを名乗り、反乱を起こしてアカデミーを全滅させ、ルークへを絶望の淵へと追いやってしまう。そして傷心のルークは“最初のジェダイ寺院を探す旅に出た”というものだった。さて、ルークは最初のジェダイ寺院を探す必要があったのだろうか。そこにはいったい何があるのか?・・・。

その寺院が「フォースの覚醒」の最後に登場した、ルークがいた“アーク=トゥ”という惑星にあったのは間違いなかった。そして「最後のジェダイ」の予告編にチラッと登場した古文書こそがルークが求めていたものだったのではないかと思われる。

そこには恐らくジェダイの成り立ちだけでなく、フォースを操る者たちに関する様々な記録が記されていたのではないかと。そしてルークがそこで得た結論とは、“ジェダイでは銀河は救えない”というものだったのではないかと思う。

つまりジェダイという存在は平和の導き手として完全な存在ではなかったのであります。実際、「ジェダイの帰還」においてもルーク自身がジェダイの象徴であるライトセイバーを自ら捨て去って皇帝と対峙し、その結果、父親のアナキンをジェダイとして帰還に導くことが出来ていたし、その直前に怒りに激怒したルークは、ダークサイドをも体験しているようにも見えたからだ。これがルークがジェダイを見限る理由だと思いますね。

シリーズを通して“善の象徴”とされてきたジェダイという存在の否定が行われるのではないかと思うのだが、だからレイはジェダイとなることが出来ない。ゆえに、ジェダイの修行をルークから断られるたのではないかと。

しかし、レイは自分で修行をして、ジェダイを超えた何かを得てしまうのだから。そして何よりも重要なのが、彼がフォースの“光と暗黒面の中間の存在”を手に入れたことで、ダークサイドでもライトサイドでもなく、その両方を操ることが出来る者なのだ。

しかし、実の親であるハン・ソロを殺して後戻りできないレン4の騎士団のトップであるカイロ・レンは、父親を殺したら次は母親だと、レジスタンスのリーダーである、レイア・オーガナ将軍の命を取るべく活動を展開する。

かくしてレジスタンスとデス・スター率いるファ-スト・オーダーの容赦なき戦いの火ぶたが切って落とされるのだ。憎い元上司のバケツ頭キャプテン・ファズマと、ファースト・オーダーを裏切ったフィンとの間に決着はつくのだろうか。レジスタンスのブラック部隊リーダー、ポーはファースト・オーダーの凶悪艦隊を倒すことができるのか?

それに、レイが修行中に明かす自分の生い立ちには、まさかの驚きでもあり、誰か英雄の子供ではと思っていただけに、また謎は増えてしまった。

悪に落ちたカイロ・レンのジェダイの騎士と、老いても元気なルーク・スカイウォーカーとの一騎打ちも見ものですからね。さて、どちらに軍配が上がるのでしょうかね。生きているのか死んだのかが不明な最後に唖然とします。

そうそう、悪役なのか善い人なのか、DJのベニチオ・デル・トロが出ていますよ。そして、レイア将軍が倒れ、代わりの提督にホルド役のローラ・ダーンが徹底した男気というか、最後の船を守るために陣頭指揮を取り、船と共に犠牲になるという立派な最後を見せます。そしてBB-8の活躍とか、R2との再会を果たすルークとか、今回初登場する目がデッカイふくろうみたいな鳥。ルークが暮らしていた島に棲息していたポーグという鳥が、ファルコン号にチューバッカと共に乗り込む。

2016年12月に急逝したレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーに黙祷。

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2017年12月劇場鑑賞作品・・・290アクション・アドベンチャーランキング

 


女神の見えざる手★★★・5

2017年12月17日 | アクション映画ーサ行

「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインが、目的実現のためならどんな手段も厭わない剛腕ロビイストを演じるポリティカル・サスペンス。政治を影で動かすロビイストに焦点を当て、銃規制法案を巡って対立する両陣営の熾烈な駆け引きの行方をスリリングに描き出す。共演はマーク・ストロング、ジョン・リスゴー、サム・ウォーターストン。監督は「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン。

<感想>主人公を演じたのがこれぞ女優ジェシカ・チャステインの、デキル女のキャラに良くハマった、目を見張る演技力を観た。まさにカメレオン・アクターであります。女優の場合はまず容姿からキャスティングされ、主要な役柄に付くチャンスは年齢と共に少なくなる。

彼女の映画を初めて見たのが、「ツリー・オブ・ライフ」のブラッド・ピットの妻役でした。厳しすぎる父親のピットに対して慈愛に満ちた母親として記憶されるはかなげな女性でした。「テイク・シェルター」もDVDで観ました。

特に美人とは思えない控えめで華奢な女優でしかなかった。ところが、「ヘルプ/心がつなぐストーリー」でアカデミー賞候補になってから、女戦士を演じた「スノーホワイト/氷の王国」その他にも多数の映画に出演。そして再びオスカー候補になった「ゼロ・ダーク・サーティ」ではCIA分析官を演じて喝采を浴びた女優さん。

今回演じる役は、最強のロビイストとして業界に名を轟かせるエリザベス・スローン。この役は10年前なら男の役としか考えられなかっただろう。しかし、今ならこう考える。これは女性だからこそ出世と金儲けに背を向けても、信念を貫くことを選ぶキャラクターなのだと。

彼女の仕事が、さまざまな手を使って、政治家やマスコミ、世論などを動かし、選挙や法案など重要事項の決定にある結果へと導くことを職業にする「ロビイスト」。その敏腕ロビイストが全米の銃規制法案の是非をめぐって動き出すわけ。

だからその中でも勝つことが全てを信条に、目的の為ならば手段をも選ばない女になり、会社の仲間も含めて、他人を仕事の道具と割り切ってしまう姿は、まるで鬼婆ぁでもあり、まさに憎まれ役に徹して頑張るという。

この強烈なるヒロインを人間的に表現したのが彼女であり、しかもほとんど共感を持てるところがないような性格なのだ。実際そんなヒロインであるにもかかわらず、ストーリーが進むにつれ、彼女の大胆さ、勇気に驚嘆し、その信念の強さに感銘を受けてしまった。

毎晩のように眠らない身体を薬で維持し、男の欲求すら専門の男売春を金で買い済ませるという凄い女。果たして彼女は、周りからどれくらいのダメージを受けているのか、もちろんまったく影響されてないということはないだろうが、決してそれによって彼女が感傷的になることはないのだ。

初めは銃擁護団体のために新たな銃規制法案を廃案に持ち込む役割を命じられるも、信条的に賛成できないと彼女はクライアントの目の前で断り、即刻解雇を言い渡される。だが、その晩に、早速法案成立を目指す小さなロビー会社にヘッドハンティングされて、腕利きの部下たちを引き抜き、彼女の反逆が始まるわけ。目的のためならば手段を選ばず、共に戦ってきた同僚すら出し抜くという。しかし、その裏には一時も気を抜けず、誰にも心を許せない孤独な女の姿があったのです。

ですが、銃規制の問題をテーマにした本作だが、偶然にも撮影の2か月後にフロリダ・オーランドの銃乱射事件が起きた。そこから映画の公開までは半年足らず。それに、アメリカでは、トランプが大統領に当選した選挙戦からほぼ2週間後に劇場リリースされた。現在のアメリカ社会の時勢が、配給の面でも本作に影響を与えたと監督は明かすのだが。

映画の中でも、エリザベス・スローンが引き抜いた女性社員が、高校生の時に銃乱射事件に遭遇し、ロッカーの中で震えて無事だったという女性がいた。その女性がTVにも出演、銃規制法案に賛成するよう話す後に、帰り道で暴漢に襲われ銃を向けられ殺されそうになるも、そこへ拳銃を所持していた男が暴漢を射殺するという事件が起きてしまう。

それに、つい先日ラスベガスで銃乱射事件が起きたことが記憶に生々しい。この映画を観てアメリカでは、ここまで事態が悪化しても、なぜに一向にアメリカでは銃規制法が作られないのか。そんなことを考えつつ本作を観て、よりこのヒロインの在り方が、鮮烈に胸に響いてきてならなかった。

 2017年劇場鑑賞作品・・・289アクション・アドベンチャーランキング


ノクターナル・アニマルズ★★★

2017年12月14日 | アクション映画ーナ行

映画監督デビュー作「シングルマン」で高い評価を受けたカリスマ・デザイナー、トム・フォードが、オースティン・ライトのベストセラー・ミステリーを実力派キャストの豪華共演で映画化したサスペンス・ドラマ。20年前に別れた夫から突然小説が送られてきたことに戸惑いながらも、その衝撃的な内容に惹きつけられていくヒロインの不安と葛藤を、過去と現在に加え劇中小説の物語も巧みに織り交ぜ、美しくかつスリリングに描き出す。主演は「メッセージ」のエイミー・アダムスと「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール。共演にマイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン。


あらすじ:アート・ディーラーとして成功を収めながらも夫との結婚生活は冷え切り、満たされない日々を送るスーザン。ある日そんな彼女のもとに、20年前に離婚した元夫エドワードから彼の著作『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』が送られてくる。作品が彼女に捧げられていることに困惑しつつも、早速読み始めたスーザン。そこに綴られていたのは、車で移動中の家族が暴漢グループの襲撃に遭い、妻と娘が殺され、夫は刑事と共に犯人たちを追い詰めていくという壮絶な復讐の物語だった。そのあまりに暴力的な内容と完成度の高さに衝撃を受けながらも、これを彼女に捧げたエドワードの意図をはかりかねるスーザンだったが…。

<感想>カリスマ・デザイナー、トム・フォードの2作目。ギャラリストとして成功した主人公のスーザン。ある日彼女のもとに元夫の小説家エドワードから新作が届く。この作品は彼女に捧げられており、ページをめくるうちに、彼女は言い尽くしがたい感情に気持ちをかき乱されてしまう。

映画は現在と過去と小説の内容が、複雑に交差する構成であり、特に小説の内容は非常に暴力的なものだった。複雑な構成の映画の撮影は大変だったろうか?・・・特にヴァイオレンスな部分はいかに取り組んだのだろう。

下手なホラーなんて目じゃないほどの恐怖で、観る側を追い詰めてくる猟奇スリラーなのだが、芽の出ない小説家が別れた妻に捧げる悔悛と、増悪の表明でもあるように思えた。

母親からの助言で、エドワードに見切りをつけ、妊娠した彼の子を中絶し、適当な彼氏を見つけたところで勝ち組に乗った彼女は、小説の中で断罪され、その上で、現在の夫によって愛人を作られ、孤独感に苛まれる彼女に対しての仕返しのようで恐ろしくなる。

現在と過去、それに小説の西部テキサスの世界が入り混じった展開であり、その小説部分の家族受難サスペンスは、よくある話ながら緊迫感がありました。

ジェイク・ギレンホールの元夫は、楽観的で爽やかな青年のはずが、すべてをはぎ取られて変貌してしまう。しかし、男として情けない負け組の男でもある。

それでも、刑事役のマイケル・シャノンが出て来ると、悪者を退治してくれるであろうとホットする。

若者3人が車でカーチェイスをして、家族が乗っている車に当ててくる。嫌がらせかとたかをくくっていたが、それが飛んでもない災難に遭ってしまうのだ。タイヤがパンクをして横の溝に落ちてしまう。若者とトニーが口論をしている隙に、乗っていた妻と娘を拉致していき、荒野のトレーラーの中でレイプをして殺し、真っ赤なソファに全裸で野ざらしにするという残酷さに驚く。若者のレイには「キック・アス」のアーロン・テイラー=ジョンソンが扮してました。

冒頭のフェリーニ・スタイル、妻と娘が真っ赤なソファに全裸で、投げ出されている殺人死体のショック。この監督は、映像感覚が斬新であり、アートな現実、殺伐とした虚構を表しているようだ。この二つがどのように絡むのか、息をも潜めて見守った。

だが、この結末には拍子抜けました。小説家って、どうして生活に対して無力なのだろう、その精神はもっと強靭ではなかろうか?・・・。どうして若者たちと戦わなかったのか。それに、アメリカなのだから、拳銃を持っていても不思議ではないのに、殴られ放題のトニー。ようするに、小説の中の夫も情けない弱虫男だったということ。まぁ、最後には、若者を見つけて拳銃で撃ち殺し、自分も自殺するのですがね。

と、同時に小説を読み終わって、彼女の愛が元夫に再点火するようなことも考えられるのだが、それは彼女がめかし込んで待ち合わせのレストランへと行くところがあるから。ですが、元夫のエドワードは現れなかった。きっと、彼女に残酷な小説を見せて、その内容に自分をあてはめたりしてくれることを望んだのだろう。しかし、彼女は全然変わってはいなかったのだから。派手なドレスを着て厚化粧をして、昔の彼女と同じでしたもの。

2017年劇場鑑賞作品・・・288アクション・アドベンチャーランキング

 


DESTINY 鎌倉ものがたり★★★・8

2017年12月12日 | アクション映画ータ行

「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、同作の原作者・西岸良平のベストセラーコミック「鎌倉ものがたり」を実写映画化し、堺雅人と高畑充希が年の差夫婦役で初共演したファンタジードラマ。主演の堺、高畑と同じく山崎監督作初参加の安藤サクラ、中村玉緒をはじめ、山崎組常連の堤真一、三浦友和、薬師丸ひろ子ら豪華キャストが集結した。

あらすじ:幽霊や魔物、妖怪といった「人ならざるもの」が日常的に姿を現す古都・鎌倉。この地に居を構えるミステリー作家・一色正和のもとに嫁いできた亜紀子は、妖怪や幽霊が人と仲良く暮らす鎌倉の街に最初は驚くが、次第に溶け込んでいく。正和は本業の執筆に加え、魔物や幽霊が関わる難事件の捜査で警察に協力することもあり、日々はにぎやかに過ぎていった。しかし、そんなある日、亜紀子が不測の事態に巻き込まれ、黄泉の国へと旅立ってしまう。正和は亜紀子を取り戻すため、黄泉の国へ行くことを決意するが……。

<感想>道を歩けば、魔物や幽霊、妖怪や仏様、死神までもが現れるのだ。人と人ならざるものたちが仲良く暮らす街、鎌倉。そこはまた、死者たちが向かう黄泉の国への入り口でもあった。西岸良平のベストセラー漫画「鎌倉ものがたり」を原作に、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなど特撮・VFXの第一人者である山崎貴監督とそのチームが取り組んだ待望の新作。

ささやかな夫婦の愛の物語であり、壮大な黄泉の国へのアドベンチャーでもあります。物語は、死者との関係性が凄くユニークであり、この鎌倉では幽霊とも仲良く暮らしていて、死が決してタブーではない。

主人公の家の庭に現れる田中泯さんの貧乏神もそうだし、中村玉緒さんのお手伝いさん。庭にいるカッパやカエルに、また、いろんな話の中で大きく扱われているのが、ヒロインの亜紀子さんが魔物に見初められて連れ去らわれて、それを主人公の正和さんが助けにいくエピソードだったのですね。

それに映画の世界観がユニークであり、ファンタジー・ワールドの世界観、夫婦が暮らす鎌倉も実際の鎌倉とは少し違った世界になっている。時代設定は一応現代ですが、どこか昭和の味がするノスタルジックが漂っている。それに黄泉の国に至っては、温泉郷のような場所のような魂の保養所みたいな場所。だから行ったことのないはずなのに、何処か懐かしさを感じさせるところ。

奇岩建ち並ぶ武陵源や昔の民家が密集していて川岸に建っている。まさに異世界である黄泉の国が鳳凰古城ような感じでもある。それは、江ノ電に揺られながら黄泉の国へ辿り着くシーンは、まるでスタジオジブリのアニメ映画「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせる、情感溢れる街並みとなっており、死後の世界は思いのほか楽しい場所のように描かれてましたね。

黄泉の国に連れて行く死神の安藤サクラさん、クライマックスの黄泉の国に出て来る天頭鬼、亀頭鬼、豚頭鬼のたぐいになると、これに心情的な親しみとか、懐かしさを感じることは、日本人には難しいに違いない。

面白いのがこの黄泉の国の一連の幻想であります。人口過剰で困っている昨今、黄泉の国でも人口問題が大変で、中国風の山岳地帯も今や住居でいっぱいになっている。その山々の間にも山間の吊り橋のように江ノ電の線路だけが、頼りなさそうに一両の電車が懸命に走っていくのだから。嫌いじゃないですよ、この感じは。

事故で命を落とした人間が現世に蘇ってくる映画に、「岸辺の旅」(15)の浅野忠信さん、生きた人間の肉体を持ってしまった幽霊である。彼らは人間と同じ姿をしていることによって、逆に強烈な違和感をスクリーンに刻み付けていると思う。

ですが、「DESTINY鎌倉ものがたり」では、生きている者も死んでいる者も、変わりなく共存しているように見える。黄泉の国でもみんな生前の姿かたちを保っているし、逆にこの世に異形の者がいても違和感なく溶け込んでいるのだ。

フィクションの執筆を生業として、鉄道模型の収集に没頭する主人公の一色正和は、現世に生きていても何処か浮世離れしているので、だからこそ、この世とあの世の境目をするっと超えてしまえたのだろう。

だが、死神の安藤サクラさんの存在感たるや、ずば抜けていたと思う。あの非現実的なコスチューム・プレイを、有無を言わさぬ説得力で成立させてしまうのには,舌を巻くばかり。彼女こそが、夫婦の小さなラブストーリーを、壮大なるファンタジーへと飛躍させるキーパーソンなのだろう。

彼特有の奇特な感じを、堺雅人が子供のような独特のテンションで演じきるのも巧いし、対する高畑充希がまとっているのは、圧倒的な現実感。この世だろうが、あの世だろうが、彼女は地に足が着いたしっかり者で、明るく優しく夫を支え家を守る女でもある。

だから、本作において肉体を持ってしまった幽霊とは、彼らが体現する失われた良き時代への幻想かもしれない。

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2017年劇場公開作品・・・287アクション・アドベンチャーランキング


オリエント急行殺人事件★★★★・5

2017年12月10日 | アクション映画ーア行

アガサ・クリスティーの名作ミステリーをジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、らをはじめとする一流キャストの豪華共演で映画化。大雪で立ち往生したオリエント急行を舞台に、密室の車内で起きた殺人事件を巡って、容疑者である乗客全員にアリバイがあるという難事件に挑む名探偵エルキュール・ポアロの活躍を描く。監督はポアロ役で主演も務める「から騒ぎ」「シンデレラ」のケネス・ブラナー。

あらすじ:エルサレムで華麗に事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスでの事件解決を依頼され、イスタンブールでの休暇を切り上げ、急遽、豪華寝台列車オリエント急行に乗車する。ほどなくアメリカ人富豪ラチェットから、脅迫を受けているからと身辺警護の依頼を受けるが、これをあっさりと断る。

トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人富豪のエドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)が刺殺体で発見される。偶然列車に乗り合わせていた探偵のエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)が、鉄道会社に頼まれ密室殺人事件の解明に挑む。乗客のゲアハルト・ハードマン教授(ウィレム・デフォー)やドラゴミロフ公爵夫人(ジュディ・デンチ)、宣教師のピラール・エストラバドス(ペネロペ・クルス)、キャロライン・ハバード(ミシェル・ファイファー)らに聞き取りを行うポアロだったが……。

<感想>原作も1974年の映画もDVDを購入しており鑑賞ずみであります。アガサ・クリスティーの原作はあまりにも有名であり、イングリッド・バーグマンがオスカーを受賞した1974年の映画や、2015年に三谷幸喜が脚本を手掛けた日本のドラマ版など、これまで何度も映像化されてきたが、今作ではそれらのリメイクやリブートではなく、これまで描かれてこなかった新要素を多く盛り込んだ作品になっている。

名探偵エルキュール・ポアロに扮するのがケネス・ブラナーであり、監督も務めている。それに、あの巨大なヒゲ、立派なヒゲに、合気道の達人という設定のポアロが、躍動キャラに変わっただけでなく、それに伴って描かれるストーリーにもアクション感たっぷりなシーンが増加されていた。

1974年度版のシドニー・ルメット監督の作品も豪華キャストであり、その伝統を受け継いで今回もトップスターを揃えたのですが、潔癖症の名探偵ポアロのブラナーに対して、豪華寝台列車内で刺殺される怪しげな富豪の、悪党ラチェットに扮するジョニー・デップがどのように演じるかが気になります。列車に乗って直ぐに殺される贅沢なキャスティングですが、短剣による刺し傷が多数あり、犯人は相当な怨みがあった模様。

その日、一等車両は容疑者で満室でしたから始まる本作では、容疑者の教授にウィレム・デフォーが、アンドレニ伯爵にセルゲイ・ポルーニン(世界的バレリーナ)が、伯爵夫人にはルーシー・ボーイントン、家庭教師のメアリーにはデイジー・リドリーが、宣教師ピラール・エストラバドスにペネロペ・クルスが、未亡人のハバード夫人にはミシェル・ファイファーが扮しており、医者にレスリー・オドム・Jrが.、ロシア貴族ドラゴミロフ公爵夫人にジュディ・デンチが、その他に秘書、セールスマン、メイド、・・・など職種も境遇も様々。

従来は立ち往生した列車の客室内での会話劇であり、推理劇が繰り広げられていた。それが、探偵ポアロが車外にも飛び出していき、証拠を探すために列車の屋根を駆け抜けたり、謎の人物を追って陸橋をよじ登ったりする。新たなスリル感がいかにもミステリーを増していく。

雪景色の森林を進むオリエント急行の描写や、大きな谷にかかる陸橋上で列車が脱線をして停車する様子などスペクタルなシーが随所に登場する。しかし、本作ではより丹念に容疑者と呼ばれる13人の乗客たちの関係性が描かれ、犯人の謎解きはもちろんのこと、「何故、犯人は被害者を殺さなければならなかったのか」と言う本当の真相が明らかになるのであります。それによって悲劇の裏側が、より物語をエモーショナルなものにするのですね。

一方、リメイク版ならではの斬新な顔ぶれは、以下の通り。ポワロの質問に対して冷静に対応する家庭教師には、風貌も演技も瑞々しいデイジー・リドリーが、元は乳母で今は宣教師をしている苦労人風の女性には、年齢も国籍も異なるペネロペ・クルスが、そして、殺された富豪の帳簿を管理する秘書には、何と、列車外に飛び出してポワロ相手に追跡劇を展開する暴れん坊のジョシュ・ギャッドが扮しています。

そう、43年ぶりに蘇った密室殺人は、事件の発端から解決までを全編列車内で描き切った前作の枠を飛び越え、目が眩むような高い鉄橋の上で立ち往生した列車の外や屋根の上、さらに橋架の下へとカメラが移動して、観客を視覚的に飽きさせない工夫が施されている。

そもそも車内はもちろんのこと実際に動くホンモノを使ったそうですから。現存するオリエント急行“484列車”を基に制作したセット車両の車窓に、窓の外の風景は、実際にアルプスやその周辺で撮影した映像であり、予め撮影された大自然の風景をLEDスクリーンで映して、リアルな走行感を演出している。

そして、ラストの謎解きのシーンでは、偶然か否か、同じ列車に乗り合わせた13人の容疑者を全員を列車の外へ出して、トンネルの前にあるテーブルセットに座らせて、まるでダヴィンチの“最後の晩餐”のようでした。テーブルの前に横並びにさせたポワロが、過去に起きた誘拐殺人との関連性から事件の真相を紡ぎ出す大詰めは、舞台俳優でもあるケネス・ブラナーのこれぞ真骨頂ですよね。

未亡人のハバード夫人が、「全部私が計画したことであり、私一人を逮捕して下さい」と懇願するシーンもあります。が、ポアロ自身も、映画の中で言っているように『世の中には善と悪しかない』と言う。ところが、善と悪の他にも、人間にはいわゆる心の痛みや、人を失うという喪失感があることを知り、彼は善と悪で割り切れないものもあると学ぶと解説する。

それは、極端な二元論者だったポワロが、世の中には白でも黒でもないグレーゾーンがあることを遂に認める。だからその流れの中で彼が下した決断にも、原作やルメット版とは異なる含みをもたせることができたのでは、と思う。

完成した映画を観ると、鮮明な映像のおかげで観客を壮大な歴史的瞬間に置かれているような錯覚を覚えた。迫力ある映像はセリフ以上に、ストーリーを語ってくれることに改めて気づかされました。

ポアロの最後のセリフが、「ナイル」という。それは続編のことであり、次作はクリスティの「ナイルに死す」を題材にするという。前作に続きマイケル・グリーン(「ブレードランナー 2049」)が脚本を執筆し、ブラナーがポワロ役と監督、プロデューサーとして続投する予定だそうです。

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密偵 ★★★★

2017年12月08日 | アクション映画ーマ行

韓国を代表する実力派俳優ソン・ガンホと、「サスペクト 哀しき容疑者」のコン・ユ主演し、「悪魔を見た」のキム・ジウン監督がメガホンをとったサスペンスアクション。日本警察イ・ジョンチュル役をソン・ガンホが、義烈団のリーダー役をコン・ユが演じるほか、日本から鶴見辰吾が参加し、イ・ビョンホンも出演している。

あらすじ:日本が統治する1920年代の朝鮮半島。武装独立運動団体「義烈団」監視の特命を受けた元朝鮮人の日本警察イ・ジョンチュルは、義烈団のリーダーであるキム・ウジンに接近する。誰が密偵かもわからないほど、さまざまな情報が錯綜する中、義烈団は日本統治下の主要施設を破壊する目的で京城に爆弾を持ち込む計画を秘密裏に進めていた。義烈団と日本警察のかく乱作戦が展開し、義烈団を追う日本警察は上海へと向かう。そして、計画通りに爆弾を積んだ列車が京城を目指して走り出していた。

<感想>本作は、1920年代の日本統治下の朝鮮半島を舞台にした、骨太のスパイ映画であります。主人公のイ・ジョンチュルを演じているソン・ガンホは、朝鮮人でありながら抗日ゲリラ義烈団を追求している日本警察の警部。

ソン・ガンホはまったくもって確信犯ではなく、自分でもよく分からないうちに、二重スパイになってしまう男という、複雑な役柄を見事に演じていた。

ガンホの低くしわがれた抑揚のない日本語は、感情のこもっていない感じが抑圧された環境を、生きる葛藤の違和感として残るようだ。

それに、相棒として組まされたハシモト(オム・テグ)からは、義烈団と通じているのではないかと疑いの目を向けられるのにも知らん顔。たどたどしい日本語のオム・テグに対して、流暢な日本語のソン・ガンホ。

そして、理想のためならテロをも辞さない反体制側の中心人物である義烈団のリーダー、キム・ウジン扮するコン・ユが実に見事に好演をしているのだ。あの「新感染」ではいいお父さんを演じていたのが印象に残っている。

ここでは滑稽なんだか間抜けなんだか分からない、フィクサーの義烈団団長チョン・チェサンを演じるイ・ビョンホンも印象的であります。

日本警察の幹部ヒガシを演じた鶴見辰吾の、悪役を一手に引き受けたダークな演技も良かった。1920年代当時を再現したクラシカルな美術と照明、衣装がぴったりと似合っていた。

そして、「イングロリアス・バスターズ」を意識したであろう爆破シーンでは、ボレロの使い方もしてやったり。列車内のスパイ狩りから終盤のクライマックスへと、一気に流れ込み余韻を残して終わるところ。

ガンホが最後まで日本帝国の犬であるわけがないことは、観客は皆判ってはいるが、それによってサスペンスが弱まることはなく、最後まで緊張感が持続するのもしかり。ガンホが自分の邸宅の中に隠し持っていた爆薬を、列車に積み込むところも、だが、映画では最後まで義烈団であることが知られていないように映り、見事に爆破して日本軍をあざむくというガンホの密偵ぶりに驚くも、本当のところは、捕まってしまうガンホも映し出される。

ストーリーテリングはちょっと不器用なところもあるけれど、とにかく見せ場連続だし、最後まで飽きさせないところもいい。ラストの青年役のクォン・スヒョンは大抜擢で美味しい役どころだと思った。

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