パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

湖のほとりで ★★★★

2011年03月25日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
ノルウェー出身のカリン・フォッスムの原作を基に、本作が長編初監督となるアンドレア・モライヨーリが映画化。小さな村の殺人事件によって、普通の人々が抱える日常の悩みや葛藤が明らかになっていく。出演は『ゴモラ』のトニ・セルヴィッロ、「あるいは裏切りという名の犬」のヴァレリア・ゴリノ、「エル・スール」のオメロ・アントヌッティなど。
物語:北イタリア。のどかな小さな村で美しい娘アンナの死体が発見される。争った形跡がないことから、顔見知りの犯行であると推測された。村に越してきたばかりの刑事サンツィオ(トニ・セルヴィッロ)は、いつも明るく元気だったアンナの様子が、ベビーシッターをしていたアンジェロが不慮の事故で亡くなってから変わったという情報を耳にする。
サンツィオが捜査を進めていく中、住民たちの人間関係や家族のあり方が明らかになっていく。障害を持つ子供に素直な愛情表現ができない親。子供のことは全て理解しているという偏った愛。間違った両親のもとに生まれてきたと感じる思春期の子供……。
そしてサンツィオもまた、若年性認知症に冒され家族のことを忘れていく妻の姿を、娘に見せられないという悩みを抱えていた。一見何事もないかのように過ぎて行く日々の中で、サンツィオを含めた誰もが皆、いちばん身近な人にも言えない悩みを持ちながら生きていた。やがて明らかになるアンナが貫き通した“深い愛と強い信念"。それは、住民たちの心の痛みを緩やかに溶かしていくのだった……。(作品資料より)
<感想>幼女誘拐か?・・・そんなオープニングで始まる。のどかな小さな村の湖のほとりで発見される娘アンナの全裸の他殺死体、この映画は、もしかして性犯罪事件がテーマなのか? ところが、それは本当に伝えたい崇高なテーマを際立たせるための、いかにもフェイクだったことが次第に分かってくるのですね。
中年刑事の犯人探しも、彼の捜査過程では幾つもの親子と出会う。
最初は、死体の上にマリオの上着が掛けられて、第一発見者のマリオ、知的障害を抱えているマリオは「湖に住む蛇を見た」といい犯行を否認する。そして自分の足の不自由な父親が殺されたアンナを憎んでいたと話す。
それと、アンナが殺された日の朝まで一緒にいた恋人のロベルトも、容疑がかかってもおかしくない人物だが、検視の結果、アンナは脳腫瘍で長くても後1年の命だったことが分る。
殺されたアンナの部屋からは、父親がアンナを溺愛していたビデオが見つかり、アイスホッケーに夢中だったことが分る。美人だったアンナ、ホッケーのコーチにも疑いが?・・・ケータイ電話の記録からアンナが毎日のように電話をかけていた男が判明し、離婚したばかりでアンナを励まそうとの電話だったという。
さらには、アンナがベビーシッターをしていた時に、三歳の男の子が、ビスケットを口にして窒息死していたことが分かる。これがっきっかけで離婚した夫婦も、それぞれ、アンナに責任があったのではと思っているかも知れない。
刑事は、この犯行は憎しみの感情はなく、アンナを愛しているものの犯行に違いないと確信する。刑事も進行性認知症の妻をかかえ、もはや、夫と弟の区別もつかなくなっていること、娘を母親に会わせることのできなさに頭を抱える。そんな時、マリオの家で捜査中に、彼が逃げ出しもしかして犯人かもしれない?・・・直ぐに逮捕するも、この北イタリアの静かな田舎町でこの村に住む人たちが、家族同士や個人で、どのような問題や秘密を抱えながら、暮らしているのかが、少しずつ露わになっていく過程が素晴らしい。
ともすれば、眠気を誘うような物語だが、村人たちのちょっとした会話からサスペンス的な雰囲気が生まれ、露わになる人間の苦悩を描きながらも少しもオドロオドロとしたところが感じられず、まるで人間ドラマのような、そう感じたのは登場人物の感情の変化が優しく描かれているからなのでしょう。
障害や難病をもつ親の気持ちが、己を責め続けて苦しみもがき、なぜに愛するものを苦しめるのか、人間の心の弱さにやり場のない怒りを抑えながらも日々の暮らしを守って行く姿に感銘を受けた。
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