パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

トラウマ ★★★

2015年11月30日 | DVD作品ーた行
「メメント」「マシニスト」に続きサンダンスからまたもや誕生した、心的外傷ショッキング・スリラー!幻覚と暴力が観る者の感覚を狂わせる!「ブリジット・ジョーンズの日記」、「英国王のスピーチ」、「モネ・ゲーム」など、女性に絶大な人気のコリン・ファース主演によるサスペンス・スリラー。「アメリカン・ビューティ」の美少女ミーナ・スヴァーリも出演!、その他ナオミ・ハリス、ケネス・クラナム 監督マーク・エヴァンス
あらすじ:ベンは交通事故を起こし昏睡状態から目覚めるが、そこで妻を失ったことを知る。立ち直るために新しい生活をスタートさせるベン。しかし身の回りで不可解な出来事が起こり、霊能者には「妻はまだ生きている」と告げられる。事件の真相を探ることにしたベンだが…。(作品資料より)

<感想>2006年公開の作品で、コリン・ファース主演によるサスペンス・スリラー。交通事故により昏睡状態だった主人公が意識を取り戻した時には、すでに一緒に乗っていた妻は亡くなっていました。 ベンが病院で眠り続けている間に妻の葬儀は、妻の妹によりとり行われ夫はそれをビデオで見せられます。
ここで、なんか変だと思いませんか?、怪しい雰囲気が漂いますよね。妻の幻影を見たり一緒に写っている写真が、燃やされていたりいかにも何かがあるという見せ方をしています。
彼の妄想なのか妻の幽霊が出現しているのかどんな方向に行っても、これは何となく結末が暗示できるようなラストになるんじゃないかと不安になります。結局全て彼の妄想だったのか?、交通事故は本当に起こったようで、頭を打っているようですね。
いきなり霊媒師のおばさんが、エリッサは死んでいないと言い出したり、何で奥さんの名前まで解るのか、誰かの策略なのか、そして人気スターの殺人事件、ストーカー事件が絡んできます。

親切に声をかけてくる家主のシャーロットや、姿の映らないカウンセラーも、その存在自体が空想のものなのか疑いだしたりきりがありませんから(苦笑)。
この主人公ベンがどんな人間なのか、二重人格者か?、わからなくなる。またこの主人公は、精神的に幼い頃のトラウマが有る様で、叔母さん(シャーロットという名前)に育てられ、いつも寝る前に「シャ-ロットの贈り物」という本を読んで貰い、小さいころから蟻をペットに飼っていたという。
それが大人になっても趣味で飼ってる蟻。子供の頃に飼ったような瓶詰めの蟻じゃなく、本格的に女王蟻までいるような大きな箱に、アリセットとして飼ってるわけで、もう~私も大っ嫌いですが、蟻や蜘蛛の嫌いな人にはゾッとする場面が結構多いですね。
所々に挟まれる過去の映像、事故以前の記憶がたしかではなく混乱してて(奥さんと喧嘩して車の外へ奥さんを置いてけぼりする)、ずっと不機嫌で無愛想なコリン・ファースの表情に、見ているこっちも不機嫌になってきて、なんか観ていて疲れてきます(笑)。
後半、奥さんは生きている事が分かり、有名歌手の殺人事件の嫌疑をかけられますが、まさか、えっ、その彼女をベンがストーカーしてたらしいですよ。
嫌な過去を思い込むことで、事実と違う事が記憶となるってのはトラウマから逃げるいい方法らしいのですが、しかしラストの映像を見て、予想的中でしたね。

アパートの管理人シャーロットの口の中へタランチェラを押し込む所、これも妄想かと思いましたが、意外や本当だったのですね(爆笑)。アパートは、昔病院だったらしく、それを改装中でその一室を主人公は交通事故の後、借りている訳でそのアパートの地下には、いまでも霊安室がありそこへ、シャーロットの遺体が!、彼のペットの蟻の大群がゾロゾロ、ワサワサと・・・・、蜘蛛が口に入ってうわ~っ気持ち悪い!。蟻まみれの口から蜘蛛が這い出てきて、もう~最悪の映像です。
やはりこれは、ベンの妄想だけではなく、シャーロットを地下で殺してしまったと思われます。実際には殺人は無かったのか??、皆目見当も付かないラストでした。
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さすらいの女神(ディーバ)たち★★★

2015年11月29日 | DVD作品ーさ行
業界から干されたプロデューサーと、華麗なショーダンサーたち“キャバレー・ニュー・バーレスク”によるフランスツアーを描くロードムービー。現役のダンサーたちによるパフォーマンスも見どころ。監督・主演は、「潜水服は蝶の夢を見る」の主演俳優マチュー・アマルリック。第63回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞。
あらすじ:アメリカで活動しているニュー・バーレスクの一座“キャバレー・ニュー・バーレスク”が、フランス国内でツアーをしている。ダーティ・マティーニ、キトゥン・オン・ザ・キーズ、ジュリー・アトラス・ミュズ、ミミ・ル・ムー、イーヴィ・ラヴェルの女性5人と、男性のロッキー・ルーレットからなる6人組で、連れてきたのは、元TVプロデューサーのフランス人ジョアキム・ザンド(マチュー・アマルリック)。

ツアーはルアーヴルからナント、ラ・ロシェル、トゥーロンへと回る。パリでも興行をするという話もあるが、はっきりしない。そもそもダンサーたちは、ジョアキムがどんな人物なのかよく知らなかった。ルアーヴルのステージのあと、移動の列車の中で、携帯電話でもめていたジョアキムは、パリ公演がなくなったと告げる。

サン=ナゼールで各自パフォーマンスの練習をしていると、ジョアキムがダメ出しをする。しかし、ダンサーは自分のやりたい表現をすると反発する。その夜、ジョアキムは車でパリに向かう。パリに着いたジョアキムはパリ公演を実現するため、昔の仲間フランソワ(ダミアン・オドゥール)に会う。
2人は昔のボスのシャピュイ(ピエール・グランブラ)に会いに行くが、相手にされない。ジョアキムは息子たちと落ち合う。彼らを車に乗せると、急に思いついて病院に行く。入院中の女性ディレクターに相談するが、ジョアキムから受けた仕打ちを思い出した彼女は、怒りをこみ上げさせる。(作品資料より)
<感想>初監督のマチュー・アマルリック。お手並み拝見というところだが、主演はバーレスクの一座ダンサーたちのはずが、マチューが主演となって展開していくのには、ちょいと抵抗があった。確かに「潜水服は蝶の夢を見る」での植物人間状態の演技は絶品でした。

ですが案の定、ダンサーたちといっても中年にさしかかった年増のデブダンサーたちばかりだ。踊りもストリップ専門のようなので、見るに絶えないのだが、そのおばさんたちを引き連れて旅をしていく途中で、いろんなことが起きる物語。問題が起きるといっても、ジョアキムがフランス人ということもあり、アメリカからおばさんダンサーを引き連れてのショータイムなので、花の都パリへ連れて行くと言って連れて来たのに、結局仕事は場末の劇場ばかりなのだ。
その中で一人パリでの興行を奮闘するも、以前テレビ番組のプロデューサーをしてたらしく、そのつてをたよっていくのだが、けんもほろろの扱いでよほど彼は酷い仕事をしたらしい。というのも、番組のスターを手当たり次第に手を付けてポイと捨てるやり方で追い出されクビになったらしいのだ。
主人公のジョアキムは、どうやら同性愛者らしく以前勤めていたテレビ局のフランソワとデキている。それに女ともすぐに寝てしまう悪い癖がある。一座の花形スターのミミとも関係を持つのだから、どうしようもない。

それに、パリでは二人の息子と待ち合わせをしており、たまには父親らしいところを見せるという。でも、息子たちには、ジョアキムの父親の仕事先まで付いて行き、子供にとって父親のしていることがすべてお見通しなんですね。
こんなダメ男のジョアキムに付いていくダンサーたち、宅配のピッツァに嬉しそうに飛びつく様や、旅のホテルで男を物色するなど逞しい彼女たちの姿が垣間見える。
彼女たちはジョアキムの不甲斐なさを知りながらも、一緒に巡業を続けて行く様は、どちらかというと、円熟したおばさんダンサーの方が数段世の中のことを知っているようでしたね。
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ボーン・コレクター ★★★★

2015年11月29日 | DVD作品ーな行、は行
連続猟奇殺人鬼に挑む寝たきりの体の科学捜査の姿を描くサスペンス。
ジェフリー・ディーヴァーの同名ベストセラー小説(文藝春秋刊)を「N.Y.殺人捜査線」のジェレミー・アイアコンが脚色。
監督は「今そこにある危機」のフィリップ・ノイス。撮影は「フラッド」のディーン・セムラー。音楽はクレイグ・アームストロング。
出演は「悪魔を憐れむ歌」のデンゼル・ワシントン、「狂っちぃないぜ!」のアンジェリーナ・ジョリーほか。
あらすじ:リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は全米でも有数の犯罪捜査官だったが、4年前の事故で寝たきりになっていた。パトロール警官のドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)は男の惨殺死体を発見、証拠を残す手際のよさをライムにかわれ、助手に任命される。
犯罪現場に残っていたのは奇妙な骨と紙片。それを分析するため、ライムの部屋が科学捜査班の対策本部となる。
現場の証拠を元に次の犯罪を予測したライムだが、ときすでに遅く第二の犯罪が行なわれる。犯人は、ライムたちに挑戦しているようだった。
無線でドナヒーに指示を送り、二人三脚で事件に挑むライム。捜査線上に浮かんだのは1900年代初頭の出版社のロゴマーク。事件はいよいよ混迷の度を深めるが、ライムは屈せず事件の解決に乗り出すのだった。

<感想>これは私がアンジーの大ファンなもんで中古で購入したビデオを観賞したものです。土の中に埋められていた男性の死体と、その周辺に残されていた謎の物的証拠の数々。女性警官ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)は、現在下半身付随で寝たきり生活を送っている科学捜査のエキスパート、ライム(デンゼル・ワシントン)に、その物的証拠写真を見せ、事件の糸口をつかもうとするが。

頭と両肩と1本の指しか動かせない科学捜査官と、彼の優れた推理と指示に従う女性警官。ふたりの行動から猟奇殺人の謎を追うサイコ・サスペンス映画です。
ベッドから起き上がる事が出来ない寝たきりの病人役を、巧みな演技を披露するD・ワシントンのすばらしさと、セクシー唇も初々しいアンジェリーナ・ジョリーとの、絶妙なコンビネーションが面白い作品です。

監督はジャック・ライアン・シリーズなどで知られるオーストラリア出身のフィリップ・ノイス。ライムは協力を求められ、動けない彼の代わりにアメリアが現場検分を行うことに。ある日、パトロール警官のドナヒーが無残な変死体を発見。
一人、また一人、コレクションが増えていく。難解なメッセージを残し、次々と猟奇殺人を繰り返す犯人。
そして明かされた驚愕の真実とは?!
映像が暗く陰湿で、見ていてハラハラしながらの『セブン』を思い出させる猟奇的な犯行、身体を動かすことができないが天才的な捜査官と、新米だけど一歩一歩事件の核心に進んでいく婦警が、わくわくさせるような要素が詰まっていながら展開して行く。
犯人が登場してきた時には思わず、「・・・エッ!?」と何故、どうしてなのと目が点になりました。

なんと、昔~ライムに告発された同僚の警察官マーカスなのだった!。個人的な恨みからなの?ちょっとやり過ぎでないの。この犯人にはしらけたよ。
ラストシーンでマーカスに殺されそうになるデンゼル・ワシントン!ベットから引きずり落とされ、寸でのところでドナヒー(アンジー)に助けられる。

この時はさすがに私も、ライムが安楽死を望んでいたので、アーメン!と思っていたら、主人公は決して死にませんからね!。殺人や誘拐、謎解き(これが実にカッコいい!デンゼル・ワシントンに恋をした瞬間でした)であんなにエキサイトさせておいて・・・!とジタバタしてしまいました。
以前見た「イコライザー」でもかっこ良かったけれど、寝たっきりで身動きできない状態で頑張っているデンゼルに痺れましたね!。
アンジェリーナ・ジョリーは、今やすっかり官能的、セクシーな女優さんというイメージがついてしまったけれど、この作品では今より初々しくて、また違った魅力を発揮しています。
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007 スペクター ★★★★★★

2015年11月28日 | アクション映画ータ行
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる007シリーズの4作目にしてシリーズ通算24作目となるスパイ・アクション大作。最大の宿敵“スペクター”の謎を追って世界を駆け巡るジェームズ・ボンドの活躍を壮大なスケールで描き出す。共演はクリストフ・ヴァルツ、ベン・ウィショー、レイフ・ファインズほか、ボンドガールとしてレア・セドゥ、モニカ・ベルッチ。監督は前作に引き続き「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。

あらすじ:“死者の日”の祭りでにぎわうメキシコシティで凶悪犯スキアラと大立ち回りを演じたジェームズ・ボンドは、MI6の本部に呼び出され、Mから職務停止を言い渡されてしまう。折しもロンドンでは、スパイ不要論を掲げるマックス・デンビが国家安全保障局の新トップとなり、MI6をMI5に吸収しようと画策していた。表立って活動することができなくなったボンドだったが、マネーペニーやQの協力でローマへと飛び、そこでスキアラの未亡人ルチアと接触、強大な悪の組織の存在を突き止めるが…。

<感想>>>「カジノ・ロワイヤル」で新任の「00セクション」メンバーとなったボンドは、ル・シッフルの野望を打ち砕くのだが、初めて愛した女・ヴェスパーを失う。「慰めの報酬」では、ル・シッフルの背後にいた“クァンタム”という敵組織が登場する。
そして「スカイフォール」では、元英国情報部員のシルヴァと対決し勝利するが、敬愛する上司だったMを死なせてしまった。一見これらのバラバラの事件には知られざる繋がりがあったのだ。

今作ではニューメキシコの「死者の日」のパレードに紛れて暗殺を実行しようとしたボンドだが、街を混乱に陥れてしまう。しかもこれは任務ではない彼の単独行動だった。この責任を取らされて停職になるボンド、彼は何故、組織を離れて勝手な行動をとったのか、実は死ぬ前のMによる依頼での仕事だったのですね。やがて彼自身の生い立ちにまつわる最大の敵がその姿を現すのであった。

そして、今回のボンドガールとしてレア・セドゥ、かつてはボンドと敵対していたMr.ホワイトの娘のマドレーヌに扮して、艶やかなドレス姿にうっとりし、ボンドがメキシコで始末した男の妻役のモニカ・ベルッチ。

彼女も豊満な裸体を披露してボンドと絡む役どころ。どっちにしても、ダニエル・クレイグの役得といっていいでしょうね。
「007」シリーズならではの身体を張った本物のアクションがてんこ盛りでした。もう全てがダニエル・クレイグの身体を張った演技とアクションなので、文句のつけようがないですから。冒頭のビル倒壊から、ヘリまでの一気に見せるアクションシーンに目が釘付け状態になり、大群衆が逃げ惑うシーンもヘリコプターの難しい飛行術も、すべて模型やCGではなくすべて実際に撮影されたもの。アクションに関しては本物を追求しているこのシリーズの凄みを感じました。トムちんの「ミッションイン:ポッシブル」に匹敵するくらいにね。

そして、夜のローマの市街地で繰り広げられるカーチェイスのシーンでは、お馴染みのアストンマーティンの新車が登場するし、防弾の戦車のようなアストンに乗るでクレイグのご満悦の顔ときたら、でも新車を凸凹にして川にダイブさせてしまうとはね。

オーストリアの雪山では小型飛行機とランドローバーの攻防戦、モロッコの砂漠での大爆発シーンなど、どれも実際にスタントマンと撮影スタッフが体を張って作り上げているのだ。

クレイグの引き締まった肉体での格闘シーンでは、その格闘の相手、ヒンクスに扮しているのがプロレスラーのデイヴ・バウティスタ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でも見せた巨体を武器にボンドに迫ってくるのだ。体格差が凄いから、これはどうやっても勝ち目がないのではと思ったりして、列車の中での格闘技を得とご覧あれ。その迫力は「ミションイン:ポッシブル」に匹敵するくらい素晴らしいものでした。

勝ち目がないと言えば、今回の悪役に扮するオスカー俳優のクリストフ・ヴァルツがもの凄い圧力でいい。圧倒的な情報を武器に、陰湿で惨忍な策略でボンドを追い詰めていく。この邪悪さは、まさに彼ならではの迫力。ボンドをいたぶる拷問シーンでは、絶体絶命のピンチになるボンド。しかし、Qから貰った腕時計で急場をしのぐのはいつものボンドであった。
監督が前作に続いてのサム・メンデスだから、倒壊したMI6のビルとか、殉職したMの存在など、ストーリー的にも一本筋の通ったものになっているのもいい。

今までのシリーズの中では、ほんの脇役で、お約束の登場シーンでしかなかったぼんどの上司レイフ・ファインズや、Qのベン・ウィショー他、秘書役のナオミ・ハリスなどのキャラクターを掘り下げて、それぞれの活躍シーンをちゃんと描いているところなど感心しました。

彼らがチームワークを発揮する映画は今までの「007」シリーズになかったから、予想外に嬉しかったです。
全てに於いて満足な出来栄えに、最終と言うことで、★の数を一個多くしました。これで終わりと言うことではなく、あと2本ダニエル・クレイグのボンドが観られるはずですから、今後も期待したいもんです。

「007/カジノ・ロワイヤル

「007/慰めの報酬」

「007/スカイフォール」

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顔のないヒトラーたち ★★★

2015年11月27日 | アクション映画ーカ行
第2次世界大戦下のナチスドイツによる罪について問われた「フランクフルト・アウシュビッツ裁判」の初公判までの経緯などが描かれたドラマ。終戦からある程度の期間がたち、人々の関心が薄れている状況で、アウシュビッツの真相を究明するために若き検事らが生存者の証言集めや実証を重ねていくさまを活写する。主演は、『ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』のアレクサンダー・フェーリング。数々の圧力に見舞われながらも、ドイツ人が自分たちの手でアウシュビッツの真実に迫る姿に圧倒される。
あらすじ:1958年の西ドイツ・フランクフルト。第2次世界大戦の終結から10年以上が経過し、復興後の西ドイツではナチスドイツの行いについての認識が薄れていた。そんな中、アウシュビッツ強制収容所にいたナチスの親衛隊員が、規約に違反して教師をしていることがわかる。検察官のヨハン(アレクサンダー・フェーリング)らは、さまざまな圧力を受けながらも、アウシュビッツで起きたことを暴いていく。

<感想>50年代末から60年代前半を舞台に、フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判を描いている。当時の西ドイツ社会には、旧ナチの残党が過去を隠し、市民生活を送っていたというのだ。日本に比べてドイツは、自国民による戦争責任の問い方が厳しいと言われているけれど、この作品を描いているのを見ると、50年代から60年代のドイツでもナチス犯罪の記憶が忘却されかけていたことが分かります。

アウシュビッツ強制収容所にいたナチスの元親衛隊員、つまり戦犯として裁かれるべき立場にあったと思われる人間たちが、何事もなかったような顔をして社会復帰を果たしているのだ。犯罪者たちは平然と市民生活を楽しんでいて、作者はそんな時代の気分をリアルに演出しているのがいい。
交通違反ばかり担当している若い判事のヨハン。彼が自ら名乗り上げて調査を始めたのだが、元ナチスが教職についている、という訴えだった。周囲の反対を押し切って調査を進めるヨハンが突き当たった真実とは、・・・。

戦争裁判の是非は別に論じられなければならないことではあるのだが、ヨハンは「正しいことをせよ」という父親の教えに背中を押され、また検事局では、ただひとりの彼の側に立ってくれた検事総長の励ましを受けながら調査を続行する。
しかし、驚愕の事実が明るみに出てきて、真相を調べれば調べるほど、暗い過去をあばく青年検事は疎外されて苦悩するのだが、自分の父親がナチス党員だったことくらいで、賢い少年時代に分かっていたはずで、この辺は嘘を感じました。
歴史に置いてもキャリアにおいても新人ゆえの素直さと正義感で戦争犯罪の裁きにのめり込む主人公のパーソナルなドラマを主軸に語った脚本が上手いですよね。
調査と取り調べの過程をスリリングに演出し、ところどころにユーモアを散りばめることも忘れず、ホロコーストを扱った映画としてジャンルに収まらない見せ方に工夫の跡が見えるのもいいです。

実際の被害者たちがそこにいて、手を下したものたちがなんのお咎めも受けない状態をどう考えるのか。それに、もし自分が当時の兵士だったらどうしただろうか。
戦争が終わってしまえば、ヒトラーが悪かったで済むのか、私たちは何も知らなかった、という人たちも出て来るだろう。彼らは、ヒトラーの仮面を被って戦争遂行に意識的に協力し、戦争に負ければ何食わぬ顔でさっさと仮面を外す。
何事もなかったかのように社会復帰を果たしていたかつての加害者たちは、みんな普通の人たち。普通の父親だったと言う現実もヨハンは目のあたりにする。
それこそが戦争の悲劇だ。普通の人が普通でなくなる。それが戦争なのだろう、と思います。だから、普通の人たちを戦犯として裁きの場に引きずり出さなければならないことも悲劇の一つなんですね。

それにしても最大の標的でありながら、姿を現さないナチスの医師メンゲレの強烈な存在感たるや。悪夢のシーンで自分の手や目が糸で縫い合わされているという悍ましい映像にホラー映画を感じた。
作品として、過去に向き合うという今日的なテーマであることは認めるが、正義を絵に描いたような堅物検事という、魅力に乏しい主人公を持ってきたせいもあるが面白みにかけていて、本来ならば、ドキュメンタリーで扱うべきものではなかろうか。。
今週も「ヒトラー暗殺、13分の誤算」や「あの日のように抱きしめて」など、あの戦争をどう生き抜いたのか、何故、戦争を止められなかったのか、という映画が上映されるので、これから楽しみです。
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リトルプリンス 星の王子さまと私★★★

2015年11月26日 | アクション映画ーラ行
世界中で親しまれているアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」を初めてアニメ映画化。レベルの高い学校を目指し勉強漬けの日々を過ごす少女と、若いころ不時着した砂漠で出会った星の王子さまとの思い出を語る老飛行士の交流を、CGアニメとストップモーションアニメを駆使して描く。『カンフー・パンダ』などのマーク・オズボーン監督をはじめ、アニメーション製作の一流スタッフが集結。声優陣にはジェフ・ブリッジス、ジェームズ・フランコ、マリオン・コティヤールらが名を連ねる。
あらすじ:母親の言う通りに、いい学校をに入るべく必死で勉強する少女の隣家には、昼間は裏庭にある破損した飛行機を修理し、夜は望遠鏡で空を見ている老人が暮らしていた。引っ越してきて以来彼のことが気になっていた少女は、ある日母親に黙って老人と接するようになる。若かった時代に飛行士だったという老人は、かつて不時着した砂漠で出会った男の子の思い出を語りだすが……。

<感想>永遠の人気を誇る切なくも美しい小説「星の王子さま」。そこに現代の少女の冒険や友情、成長物語を重ねて新たなお話を紡ぎだしたもの。昔何度か読んだ記憶にある、小さな小さな星に一人住む王子さまが、愛するバラを残して星から星へと旅をした末に、地球の砂漠にやって来て不時着したパイロットと出会う物語。

物語の押し絵の独特なタッチがもっとも気になった。王子さまや彼に慣らされるキツネ、ヘビやパイロットなどが登場する原作の部分は、色彩もタッチもまさしく押し絵の雰囲気そのままで、紙と粘土を用いたストップモーション・アニメが手作り感あふれる砂漠やお星さまが夢見ごこちに誘われます。

とってもファンタジーで、絵本の中へ入っていくようなそんな感じを受けました。そして、別のストーリーがこの映画には付け加えられているんですね。それが、「星の王子さま」のその後の物語で、CGアニメで描かれるそれは、主人公が教育ママの強力な支配下に置かれた女の子で、夏休みも分刻みのスケジュールで勉強させられている。そんな窮屈な管理社会の現代に生きる9歳の女の子の物語になっています。だいぶ人生に疲れ切った年期の入ったおばさんには、あまり感動するシーンがなかったような、途中で眠くなりました。

仕事に追われるシングルマザーと暮らす彼女は、母親の言われるままにいい学校に入り、決められたスケジュール通り勉強に勤しんでいる。受験勉強で子供らしさを失いかけていたところに、「星の王子さま」の物語に出会い、お隣の奇妙な老人と知り合ったことから、思いがけない冒険に乗り出して行くことになる。

飛行士の爺さんと遊ぶうちに明るさを取り戻していき、そうなんですね、この老人こそ「星の王子さま」に出てくるパイロットの現在の姿だったのです。オンボロの旧式飛行機を修理して空に飛び立つ日を待っている爺さんが、いわば媒介となって「星の王子さま」のその外枠にある現代の物語が繋がっていくという仕組みである。つまり二重構造のストーリーということ。

女の子は、老人が病気で入院してしまい、星の王子さまを探す旅に出ますが、出会う星の住人、人から褒められることが大好きな大人。トレードマークは変な帽子。

うぬぼれ男や、私欲にまみれた上昇志向まみれのビジネスマン。星を所有して数えることしか興味がない。大きなガラス入れ物に星がたくさん入っている。

そして、王子さまの小さな惑星に、一輪のプライドの高いバラも、たぶん誰もが持っている一面だと思います。驚いたのが、女の子がとある星で王子さまと出会うのだが、かなり大人になっていてビルの掃除をしていた。どう見ても王子とは気付かないような、忙しそうに働いて、薄汚れていて気品がない。

キツネが王子さまに贈る、「大切なものは目に見えない」という原作のメッセージに感動しつつ、王子がパイロットに羊の絵を描いてくれと頼むが、パイロットが描いた羊は弱弱しい感じだったり、年寄の羊だったり、どれもこれもが王子さまにとって気に入らなかった。すると、長方形の箱に丸い穴を描き、「箱の中に小さな羊が入っているよ覗いてご覧」と。それが、箱の中には羊はいないのだが、想像で小さな羊がいるってことに。

最後には、現代のストーリーに温かな気持ちになり、それに夜空を見上げて「星の王子さま」の世界に、遠く思いを馳せるようなロマチックな気持ちになるのだ。吹き替え版で観たのですが、主人公の女の子の10歳の子役の鈴木梨央ちゃん、母親の瀬戸朝香、爺さんパイロットの声の津川雅彦さんの年期の入った巧さに引き込まれつつ、薔薇の声の滝川クリステルさんと、狐の伊勢谷友介さんの声にうっとりし、蛇は竹野内豊さんなど、みなさんそれぞれベテラン揃いで個性があり、違和感なくすんなりと映画の世界へ導いてくれました。
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劇場霊 ★★★

2015年11月24日 | アクション映画ーカ行
『リング』シリーズや『クロユリ団地』などの中田秀夫がメガホンを取り、劇場に潜む恐怖を描くホラー。トップの女優を目標に日々頑張るもののなかなか芽が出ないヒロインにAKB48グループ内のオーディションを勝ち抜いたぱるること島崎遥香がふんするほか、足立梨花と高田里穂が島崎と同じ女優を、劇団EXILEの町田啓太がスタッフを演じる。中田監督の作品の特徴であるじわじわと忍び寄る恐怖ではなく、本作ではハイスピードで訪れる恐怖が観る者を震撼(しんかん)させる。
あらすじ:トップの女優になることを夢見る沙羅(島崎遥香)は、新作舞台のオーディションを通過し、脇役で出演できることに。一方、香織(足立梨花)や葵(高田里穂)らが主演女優をめぐってし烈な争いを繰り広げる中、劇場では不可解な事件が発生。事件の真相究明にあたっていた沙羅とスタッフの和泉(町田啓太)は、あることに気が付くが……。

<感想>『リング』シリーズや『クロユリ団地』などの中田秀夫監督の作品で「女優霊」というのがありますが、その映画と内容がかなり似ているというので、DVDで観て観たいと思います。この作品は、確かに劇場で起こった出来事ですが、人形の首にまつわるお話で、冒頭に出てくる人形師の娘姉妹が、人形に生霊を吸い込まれて、変死を遂げるという出来事があり、人形は長女にそっくりに作られており、病気で亡くなったといってますが、長女はまだ生きたいという思いが人形に憑りついて、人間の生霊を吸い込んで生き長らえているようにも感じました。
そして20年後、映画の撮影で河原で女子高生の首のない溺死体が上がると言う撮影から始まります。この作品の主役の沙羅(島崎遥香)がその死体役をしていました。

父親の人形師は、その人形を頭だけ残して斧で切断したのですが、何故か頭が劇場の倉庫で、人形たちに混ざってあったのですね。それで、小道具の衣装係の男が、その頭をマネキンの胴体にのせて洋服を着せて椅子に座らせて舞台で使うようになったわけ。でも、その人形を扱っている女性が、変死体で発見されるんですよ。それが、まるで生き血を吸い取られているような真っ白な皺皺の顔して。

それが、女優の篠原葵(高田里穂)が主役の座を射止めて、エリザベートを演じてましたが、台詞を忘れて覚えが悪く、村娘役の沙羅が横で皆の台詞を全部暗記しているので、つい台詞を言ってしまう。監督は、仕方がないかとあまり葵を叱るわけでもなく葵と監督はどうやらデキているようで、それが主役女優の条件みたいなんですね。

そうこうしているうちに、舞台稽古中に、葵が何故かマネキン人形の血走った目を見て発狂したようになり、その後、屋上から身を投げて重体となる。で、代役で沙羅が抜擢されるも、監督の執拗な誘いを断ったためにギクシャクとした関係になり、舞台稽古中に人形の首を切ってしまい降ろされてしまう。
次は沙羅の友人の香織(足立梨花)がエリザベートの座を射止めるである。ですが、沙羅は自分が見た人形の血走った眼付に、何だか異様な雰囲気を感じて、監督にこの芝居はやめた方がいいと言うのですが、主役の香織は自分がエリザベートを沙羅から奪ったと嫉妬していると思い込んでいる。

ホラーというよりも、そんなにグロテスクな描写もなく、おどろおどろとした怖いシーンも少ないし、本作のように最初から人形とわかって観ていて、その人形に憑依しているそのものに関係していることで、それよりも若手女優の虐めや主役争いの嫉妬などが目立っているようでした。

人形が劇場の舞台裏で大暴れして、監督も殺されたらしく「いい気味だ」と思い、沙羅が人形に襲われるシーンも、拷問器具のような駕籠の中へ入り、そこへ人形の首が180度後ろになって襲ってくる。人形が「ちょうだい、ちょうだい」と言っているようですが、役が欲しいのか、それとも肉体が欲しいのかが意味深で、恐ろしくも感じないで終わってしまった。

主役はAKB48の島崎遥香ちゃんですが、台詞が新人らしく棒読みで真面目という役柄もあり、演技も下手でよかったですね。どちらかというとたまにしかホラーは観ないという人にお勧めです。
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ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション★★★★

2015年11月23日 | アクション映画ーハ行
スーザン・コリンズのベストセラー小説をオスカー女優ジェニファー・ローレンス主演で映画化した全米大ヒット作「ハンガー・ゲーム」シリーズの完結編。カットニス率いる第13地区の反乱軍は、スノー大統領が支配する独裁国家パネムとの最終戦争に突入。カットニスは、ゲイル、フィニック、ピータらとともにスノー大統領暗殺作戦を決行する。しかし、カットニス抹殺に執念を燃やすスノーはその作戦を見抜いており、反乱軍は死のトラップや無数の敵に直面。カットニスはかつてない非道な選択を迫られることになる。シリーズ2作目からメガホンをとるフランシス・ローレンスが引き続き監督。共演はシリーズおなじみのジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ドナルド・サザーランド、そして14年2月に急逝し、本作が最後の出演作になる名優フィリップ・シーモア・ホフマンら。

<感想>世界的ベストセラー小説の映画化シリーズの完結編。第1作でブレイクしたジェニファー・ローレンスは、すっかり新世代スターとしての貫録を身に付け、ヒロインのカットニスの成長ぶりと重なり合います。復習編として、今までこの作品を観ていない人にも前作までおさらいして見せてくれますので、初めての方にも親切ですよね。

スノー大統領によって洗脳されたピーターはカットニスが諸悪の根源と刷り込まれ、彼女に襲い掛かる前作のラスト。ハンガー・ゲームを共にサバイブしたピーターを別人のように変えたスノーに復讐の念を燃やすカットニスは、反乱軍のリーダーであるコイン首相に直談判をして、自分をスノーのいる首都キャピトルに送り込むよう懇願する。
だが、首相はその前に政府支持派を多く持つ第2区を叩く計画を立てていた。まずは、第2区を陥落させてからだと言う。その条件を基にカットニスは反乱軍の象徴的存在“マネシカケス”として部隊に参加する。

この最終編では、カットニスは死ぬのではと、しかし主人公は死なずで、だいたいの物語の展開が読めてきた。おぉ、とやっぱり出てきたクリーチャーは観た事ある「ディセント」の地底人のようで、目が無く歯が尖っていて凶暴である。
キャピトルの軍事要塞攻撃を成功させ、政府支持派を投降させる。しかし、降伏してきた兵士の一人に捕まり、銃を突きつけられるカットニス。「私たちはスノーの策略の駒にされている。もう殺し合うのは止めよう」と訴えかけるのだが、どこからか銃撃されカットニスの身体に銃弾が、・・・死んだのか?
防弾ベストでかろうじて大丈夫だったカットニスは、仲間の結婚式に参列してつかの間の休息を得る。その後、一人でカットニスが医療物資を乗せる貨物機で、首相に黙って一人戦場に復帰する。

反乱軍が踏み込もうとするキャプトルのあちこちにポッドと呼ばれる残酷な仕掛けが施されていている。反乱軍の隊長はポッドが仕掛けられている地点を見つける“装置ホロ”を頼りに前進するのみ。しかし、部隊が全滅しそうなトラップの数々に緊張感が走る。壁に埋め込まれた機関銃が人が通ると襲撃開始、それに、黒い重油のような波が押し寄せて人間を呑みこむのだ。建物の2,3階へと逃げる反乱軍たち。

だが、ただでさえ命がけの作戦進行中に、ピーターが仲間に加わるのだ。まだ洗脳状態なのに。いつ凶暴化するか分からないピーター。いぶかるカットニスにホッグスが囁く、「戦争はやがて終わる。首相のコインはスノーにとって代わろうとしているのだ」と。コインにとって民衆の英雄であるカットニスの存在が邪魔なのだ。そんな時に、ホッグス隊長が地雷みたいなポッドの罠にかかって死んでしまう。「上を信じるな」と言って、カットニスにホロ装置を任すのだ。

スノーもコインもカットニスはトラップにハマって全滅したと思っているのだ。しかし、カットニスたちはポッドの少ない地下道に潜りこみ、キャピトルに向かう。暗い泥水の中を歩き、何かいそうな気配がする。やはりそこにはミットと呼ばれるクリーチャーが襲ってくる。そこで、何人もの大事な仲間を失ってしまう。ミットから逃れて地上に出ると、治安時維持隊(ピースキーパー)がカットニスたちを襲うのだ。息つく暇もない危機の連続に、ハラハラする。

そこで、反乱軍のプルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)少しだけ出て来て、これが最後の作品かと思うと泣けてきます。彼の仲間であるタイガレスの家に匿ってもらう。デザイナーだったが、スノーに毛嫌いされてしまった虎顔の女性だ。

そして、外ではスノーがパネム市民に食料や医薬品を支給するという放送があり、カットニスたちもパネム市民に混ざって官邸に侵入する作戦を立てる。官邸の前まで来て、キャピトルの中に入った反乱軍が治安維持部隊を狙って銃撃戦に出た。パニックを起こす市民たちの頭上に政府軍の戦闘機が落下傘で荷物を落とす。
それが爆弾だとは、そして、反乱軍もまた銃撃を始めるし、カットニスがそこで衛生部として活躍していた妹を見つける。つかの間の再会もむなしく、爆弾によって死亡。カットニスも重症を負うのだ。

いよいよ最後、反乱軍の勝利で「スノーの処刑は私がと」カットニスが弓矢を持ち、憎きスノーに向かって弓を射るのだが、正面に立っていたのは次期パネムの大統領となるコインが立っていた。コインは、カットニスにパネムの子供たちに、今まで自分たちが「ハンガー・ゲーム」に狩りだされて、人間狩りをさせられたのを、彼らにも同じゲームをさせようと発案するのだ。

カットニスの恋愛問題も気になりますね、ゲイルとピーター、2人にキスしておいて、最後にはピーターを選んだカットニス。2人の子供を授かり幸せな暮らしを満喫している姿が映し出されるラスト。
独裁者が支配する未来国家パネムで、権力者や富裕族が支配するこの国で、各地区から選ばれた若者たちが「ハンガー・ゲーム」という娯楽、最後の一人になるまで生死をかけた過酷なバトルを強いられる。
最後は戦争になり独裁者スノーを打倒して、政権を狙う反乱軍のリーダー・コイン首相の思惑に、その悪時恵、自分を邪魔者扱いするコインに、カットニスが正義の矢を射る結末に驚きます。
過酷な運命に翻弄されながら一歩ずつ成長してゆくカットニス。3度の命の危険にさらされながらも、勇敢に突き進んでいく彼女、ジェニファー・ローレンスの勇姿に“ジャンヌ・ダルク“を観た。もう、全編を通して戦争映画になっていました。
ハンガー・ゲーム2012年
ハンガー・ゲーム22013年
ハンガー・ゲームFINALレジスタンス2015年6月5日
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帰ってきたMr.ダマー バカMAX!★★★

2015年11月22日 | アクション映画ーカ行
「ジム・キャリーはMr.ダマー」のジム・キャリー&ジェフ・ダニエルズのおバカ・コンビが20年ぶりに復活して贈る全米大ヒット・ドタバタ・コメディ。20年ぶりにコンビ復活を果たしたロイドとハリーが、ハリーのまだ見ぬ娘を捜して繰り広げる珍道中を、おバカ&過激なギャグ満載に描く。監督は前作に引き続き「メリーに首ったけ」のピーター&ボビー・ファレリー兄弟。
あらすじ:20年前の失恋のショックで精神病院での入院生活を送るロイド。その世話を甲斐甲斐しく続けるハリー。しかしそれは、ロイドによる20年がかりの壮大なドッキリだった。かくしてめでたくコンビ復活となった2人。さっそく腎臓移植が必要なことが判明したハリーのドナーを求めて血縁者探しを開始する。その過程で、ハリーの昔の恋人が彼の娘を生んでいた衝撃の事実が明らかに。そこで、娘に会うべく旅に出るロイドとハリーだったが…。

<感想>20年前に世界的大ヒット作「ジム・キャリーはMr.ダマー」を劇場で観たのを覚えている。そのころは、こんなに破天荒でバカなことをやってのける俳優って珍しかった。あの頃は、笑いがツボにハマって笑いどころが満載で、どのシーンもおかしくて笑いが満載でしたね。

しかし、今では下ネタに○○このネタとか、下品なギャグで笑わせようとするコメディ映画が多い。この作品もそれに近く、まだ相手役のハリー、ジェフ・ダニエルズが破天荒なジム・キャリーの演技をよく捉えて緩和させてくれるのだ。だから、こういう作品はダメな人は本当にダメなお下劣な映画だと思うし、主役の二人のこれでもかというクドイ演技にギブアップしてしまう。

今作では、相棒のハリーが腎臓移植をしなければならないほどの病気を患っていた。ロイドの腎臓では適合しないので、近親者ということで、ハリーに実は娘がいるということが分かり、昔の彼女に会いにいくのだが、貧乏で子供を金持ちの博士のところへ養子にだしたというのだ。

早速博士のところへと二人は珍道中を繰り広げる。途中であの懐かしい「ワンワンカー」を発見したり、ギャグのアイデア自体は冴えているものも多く、こんなに底抜けにくだらないのに、映画の撮り方がきちんとしているのに感心。
それに、二人の元カノ、フリーダとして出てくるキャスリン・ターナーも、中年太りのおばんさんになって容姿が変わり過ぎて、初めは誰だか分からなかったけれど、負けじと張り切って男に魅力を振りまいて凄かった。上の写真は40歳頃の「シリアル・ママ」のキャスリンです。
やっと娘に会えるのだが、博士の妻が財産目当てに使用人の男と組んで、夫を殺そうと計画しており、食事の中に薬を混ぜたり、養女のペニーの命も危ないのではなんて思ってしまう。

他にもハリーの同居人として、怪しいキャンディを作っているビル・マーレイがちょっとだけ出演している。黄色の防護服を着ているので顔は分かりませんから。そして娘役の「ゾンビーバー」に出ていたレイチェル・メルビンが、美人で可愛いしコメディ演技も受ける。

ロイドが、ハリーの娘に一目惚れして、いろんな変装をしてプロポーズするのが面白く笑わせてくれる。

それが、実は娘はハリーの子ではなかった。では、ロイドの子なのか、って、要するに子供が出来るような行為はしていなかった二人。大笑いしながら、キャスリン・ターナーが、ペニーの養父を誘惑していい関係になってしまう最後。
それに、ハリーの腎臓移植も、ロイドが闇医者の手で手術して取り出した腎臓を持ってやってくるのだが、その腎臓が闇医者によって違う物と交換されていた。ハリーの病気も大ウソで元気そのもので良かった。

それでも、20年ぶりの凸凹コンビの年齢は、ハリーのダニエルズが60代でジム・キャリーが50代だというのに、“バカMAX“なシーンだらけでこの映画は成り立っているのだから。お互いに年は取って20年という歳月を感じさせるけれど、懐かしさという感じは無縁で現在進行形のバカとしてパワフルを押し切っている。
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ムーン・ウォーカーズ ★★★

2015年11月21日 | アクション映画ーマ行
人類初の月面着陸を達成したアポロ計画は失敗していたという都市伝説を題材にしたコメディー。月面着陸成功の映像を捏造(ねつぞう)するミッションを下されたCIA諜報(ちょうほう)員が、ひょんなことからとコンビを組んだダメ男と騒動を巻き起こす。監督は、CM界で活躍してきたアントワーヌ・バルドー=ジャケ。『ハリー・ポッター』シリーズのルパート・グリント、『ヘルボーイ』シリーズなどのロン・パールマンらが出演。破天荒な設定とブラックな笑いの数々が見もの。

あらすじ:1969年。人類初の月面着陸を目標にしたアポロ計画が成功する見込みがないと判断したアメリカ政府は、ある秘策を始動させる。それは『2001年宇宙の旅』などのスタンリー・キューブリック監督に、アポロ11号月面着陸成功の映像を捏造(ねつぞう)させるというものだった。その依頼をするために彼がいるロンドンへ向かったCIA諜報(ちょうほう)員キッドマン(ロン・パールマン)だが、借金に苦しむ青年ジョニー(ルパート・グリント)に巨額の資金を奪われてしまう。慌ててジョニーを追い掛けるも……。

<感想>アポロ計画とヴェトナム戦争というケネディ大統領時代の遺産は、いまだにアメリカにとってのトラウマであるらしく、その意味でのこの映画は「インターステラー」と同じ精神風土に培われているように思えた。
1969年、ヴェトナム戦争帰りでトラウマを患うCIA諜報員のロン・パールマンが、アポロ11号失敗の保険のためある任務を任されるというお話。
何度か耳にしたお話なのだが、アポロ11号の月面着陸映像は、スタジオで撮られたニセモノだという説が、当時からさんざん言われてきたことなのだが。
この映画は、その説をネタにして、ドタバタコメディにしたもので、CIAが捏造映像をキューブリックに偽の月面着陸映像を撮らせようとするけれど、その資金を騙し取られてしまうのが、CIA諜報員のロン・パールマン。

騙した方もすぐにその金をギャングに取り上げられてしまう。イギリスでそもそも人違いをしたことから、事態はハチャメチャな方向へと進んでいくのです。

追い詰められた両者は手を組んで、自分たちで映画を撮ろうという無謀な計画を立てるのですが、なにせ借金に苦しむダメ男ジョニー扮するのがルパート・グリント。「ハリー・ポッター」シリーズのロン役の子で、お調子者で優柔不断、押しが弱いのでここ一番踏ん張れない典型的な負け犬タイプ。

対照的に押しの強さを見せるCIAの諜報員キッドマンには「ヘルボーイ」のロン・パールマンだから、強いの何のと銃を乱射したり、喧嘩なら負けることがない殴る蹴るの無敵の強さを誇る男。ベトナムの戦場で子供を焼き殺したりした幻影が目の前に映り、悪夢に苦しみ、麻薬でラリったりするあのパールマンの愛嬌のある顔って憎めないのだ。この凸凹コンビが中々の良い組み合わせだったりして。

世界を騙そうとした計画が、逆に騙されてしまうという着想が面白かった。この時代設定は、ヒッピー文化真っ盛りで、サイケデリックなアートやファッションと、ドラック・カルチャーの全盛期だったのよね。

ジョニーがマネージメントしているロックバンドが、ロックオペラを作りたいと主張しつづけている。キューブリックの代わりに月面着陸映像を監督する前衛芸術家レナータスの雑然としたアトリエや、そこでたむろしている美女たち。その当時のディテールが映像に詰め込まれているのが艶やかで派手でいい。

「月面着陸捏造説」を基にした本作のような映画を観ると、物語自体は何て事ないが、インモラルな空気とおバカなテイストがミックスしていて、本当に人類は月に行ったのだろうかと、議論を蒸し返したくなるのだが、監督がフランス人のアントワーヌ・バルドー=ジャケとくれば、納得でもある。
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ハッピーボイス・キラー ★★★

2015年11月20日 | アクション映画ーハ行
『ペルセポリス』で世界的に注目を浴びたイラン出身の女性監督マルジャン・サトラピによる、異色のスリラー。女性を殺してしまった精神的に不安定な男が、飼っている邪悪な猫と善良な犬に翻弄(ほんろう)されてたどる運命を描く。『[リミット]』などのライアン・レイノルズ、『ボヴァリー夫人とパン屋』などのジェマ・アータートン、『ピッチ・パーフェクト』などのアナ・ケンドリックらが共演する。彼らが織り成すストーリー展開と、サトラピ監督のポップなテイストが見もの。
あらすじ:青年ジェリー(ライアン・レイノルズ)は、バスタブ工場で働いているだけの代わり映えのない日々を過ごしていたが、とある女性(ジェマ・アータートン)に心を奪われる。何とかアプローチを重ねて、彼女との距離を縮めることに成功したジェリー。しかしデートの約束をすっぽかされ、殺人事件を引き起こしてしまう。さらに、慌てふためくジェリーをペットである邪悪な猫と慈悲の心にあふれた犬が振り回し、狂気のふちに追いやる。

<感想>先に観たヴァンパイアものも女性監督でしたが、こちらもイラン出身の女性監督マルジャン・サトラピによる、異色のスリラーです。マルジャン監督の過去作品として「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」や「ペルセポリス」などファンタジックでコミカルな感じがした作品があります。
本作品も、フンシーとグロテスクが入り交じった変てこな脚本は、サム・ライミに恐怖演出を学んだマイケル・R・ペリーによるもの。
猟奇的殺人を犯す主人公、ジェリーは少年のころに学校の友人による虐めと、家へ帰れば軍人の養父による虐待と、母親が精神病で寝てばかり。挙句の果てに首をナイフで切って自殺をする母親なのだが、一人では死にきれないので、息子のジェリーに頼む母親の最期。
その辺から、主人公ジェリーは精神的に統合失調症となり、精神を病み精神科医のオバサンの進める薬を飲まずに、喋る愛犬のボスコと猫のMr.ウィスカースと廃墟のボーリング場の2階で暮らしている。一人ぼっちのジェリーは、愛犬や猫に話しかけては、幻覚なのか妄想なのか、薬を飲むと愛犬も猫も話てくれないのだ。この愛犬と猫の声もライアン・レイノルズが演じていると言うから凄い。

そして、現実に働いているバスタブ工場の会計課の女性、フィオナ(ジェマ・アータートン)を好きになりデートに誘うのだが、すっぽかされてしまい、帰り道でどしゃぶりの雨の中、車の故障で道端で困っていたフィオナを見つけて、自分の車に乗せての帰り道で、鹿を撥ねてしまう。フロントガラスにぶつかり、まだ生きているのだが、苦しい殺してくれとジェリーに懇願する鹿。って、そのように聞こえるジェリー、驚いているフィオナをしり目に鹿の首を切ってしまう。

それからが、大変なことになってしまうんですね。ジェリーの精神状態は限界で、愛するフィオナを原っぱに降ろして倒れた彼女の腹をグサリ、まだ生きていると知ると何度も刺し殺してしまうんですからね。次の朝に、彼女の死体を車に乗せて家へ帰り、後はグロテスクなシーンでは、女性の死体を首ちょんぱし、生首を冷蔵庫の中に入れ、その他の身体は全部細切れにしてタッパー詰してしまう。積み重なる大量のタッパー、テーブルもトイレも血だらけで、ホラーにも見えますがどちらかというと、主人公ジェリーの妄想のようにも取れます。でも、本当のことなんですね。

冷蔵庫の中のフィオナをテーブルの上に出しては、話しかけて自分の食べているシリアルを食べさせたりして、彼女が「一人では寂しいわ」と言うので、次のターゲットは、同じ会計課のリサ(アナ・ケンドリック)を誘いだして、同じように首チョンパして冷蔵庫の中へ、後は同じく細かく切ってタッパーの中へと。次のターゲットが、オデブの女の子も同じように首チョンパして、胴体は細切れにし、タッパー詰にする。
どう見ても、精神状態がオカシイのだが、会社の人たちも精神科医のおばさんも気づいていない。最後にには、この精神科医のおばさんも餌食になる予定だったのですが、助かるんですね。
そして、クライマックスは、警察に感づかれたジェリーが追い詰められて、ゴミ出し口から脱走する時に、ガス管を踏んでしまいガス漏れをおこして、引火して大爆発という最期ですからね。
だからなんでしょうね、可愛そうなジェリーに天罰は与えないで、殺した女性3人とキリストまでもが、出て来て一緒に楽しく踊っているラストに、きっと主人公の生い立ちや、精神を病んでいる人たちのハッピー天国のあの世を現しているんでしょう。
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ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 ★★

2015年11月19日 | アクション映画ーサ行
孤独な吸血鬼の少女と人間の青年の運命的な出会いを、イランの架空の町を舞台に描いたヴァンパイアムービー。気鋭の女性監督アナ・リリー・アミールポアー初の長編作で、モノクロの映像美、絶妙な音楽センスがサンダンス映画祭など世界各地の映画祭で高い評価を得た。『ブラック・ハッカー』などのイライジャ・ウッドが製作総指揮に名を連ねている。美しきヴァンパイアを、『アルゴ』などのシェイラ・ヴァンドが演じる。
あらすじ:麻薬に溺れた者や娼婦(しょうふ)がうろつく希望のかけらもないゴーストタウン。ジャンキー、ポン引き、娼婦・・・、そこは死と絶望に満ちている。バッド・シティを夜な夜な徘徊(はいかい)する黒衣の美少女(シェイラ・ヴァンド)。その正体は、町の悪人たちを襲っては血を吸うヴァンパイアだった。ある夜、孤独な青年(アラシュ・マランディ)と出会った彼女は、運命に導かれるように彼と心を通わせていくが……。

<感想>女性監督によるヴァンパイアもの、「ぼくのエリ 200歳の少女」のようなゴシック・ホラーを想像してしまいがちだが、これは現代のとある町“バッド・シティ”を舞台に、そこでは、街の通りには娼婦が立ちんぼしており、黒いマントを着た女が、1985年生まれではどうみても少女には見えなかった。それに、ヴァンパイアという設定でもあり、娼婦と同じように夜に立ちんぼしているから、客に声を掛けられる。

それに、セリフは全てペルシャ語でチンプンカンプンですから。舞台もイランという設定らしいが、本当はカリフォルニアで撮影されたアメリカ映画なんです。映像がモノクロワイドで、フォーカスのイン・アウトがうるさすぎという向きもあるが、映像、イラン・ロックにテクノミュージックのサウンド、音楽がそれらしく聞こえるがうるさ過ぎ。

最初が、街のポン引きらしい刺青チンピラ男、サイードに声を掛けられて、その男の家へと。そこは、虎やライオンのソファや敷物、壁には鹿の剥製が飾られており、一見豪華な雰囲気。テーブルの上にはアタッシュケースの中に、札束と麻薬がたくさん入っていた。ヴァンパイアの少女は、そのポン引き男の指を口に加えてそのまま食いちぎり、苦しんでいる男の首にかぶりと血を吸いつくすのだった。
そこから持ちだしたものは、時計とネックレスやブレスレットの類だけ。そこへ、そのポン引きから父親が借金をして麻薬を買っている息子のアラシュがやってきて、借金の方に愛車を取られてしまい、返してもらおうと訪ねて来ると。そこからヴァンパイアの少女が出てくる。

家に中へと入ると、すでにポン引き男のサイードは死んでいた。そこで、愛車の鍵を盗み、テーブルの上のカバンも頂いて急いで家へ帰る。家では、父親が薬が切れて朦朧として、廃人同様。息子は父親を何とかして麻薬から抜け出るようにと願っているも、ダメな父親は息子を罵倒して禁断症状で暴れ、金と麻薬を与える息子。
その金で娼婦を買い、その娼婦にも麻薬を注射して、2人であの世へと逝ってしまう。その父親を、道端で発見するも、そのままでして置くのはどうかと思う。それに、この“バッド・シティ”では、ヴァンパイアがよく出るらしく、被害にあった人間が、ゴミのように水のない川に棄てられているのに呆れ返る。
ちょいとイケメンのアラシュは、豪邸の使用人であり庭の草刈をしたりしていて、そこのお嬢様に声を掛けられる。その娘は鼻を整形しており、鼻にバンソウコウを張っていた。そして、無造作に置かれてある高価なジュリー、花の形のピアスを盗み、パーティへドラキュラに変装していくアラッシュ。

薬を飲まされ酩酊状態のアラッシュ、街角で黒いマントの少女と出会う。家へ連れて行かれて、まさかアラッシュも美少女ヴァンパイアの餌食になるのか?・・・と思いきや、どうやら少女はアラッシュに惚れてしまったらしい。
アラッシュも少女を気に入り、盗んだピアスを上げるのだが、耳に穴が開いていない。少女が安全ピンで開けてと言うので、アラッシュがライターの火でピンの先を消毒して耳たぶに穴を開けてやり、ダイヤの花のピアスを付ける少女。

プレゼントしてもらうのなんて初めてなのでは、それに、この美少女は、あまりしゃべりませんから。アラッシュが拾ってきた猫が、周り回ってその美少女の家にいた。もしかして、ヴァンパイアの手先なのかも。

どうやら、この美少女ヴァンパイアは、悪人のみの血を吸い、女子大生みたいな部屋に住んでいる。きっと、この家の住人もこのヴァンパイアの餌食になり、乗っ取られたのだろう。
ヒロインの少女に黒いチャドルをかぶせて、吸血鬼の黒装束に見立てて、荒廃とした街の悪人を超自然的な力で成敗させたのは、イラン社会に対する監督の見解のメタファーとしか思えませんから。ですが、猫がいい塩梅に出て来て、それも黒猫でなくニ毛猫で可愛いんですよ。
最後が、ヴァンパイアに襲われた被害者がTVで映し出され、指名手配となった美少女が映し出されて、2人に猫ちゃんと車で何処かへ旅に出るという終わり方もいいですね。
普段見慣れているヴァンパイアものと期待すると、全然違っていて私にはがっかりな映画でした。
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サヨナラの代わりに ★★★

2015年11月17日 | アクション映画ーサ行
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し余命わずかとなった女性と、彼女に介護人として雇われた女子大生との交流を描く感動作。性格も境遇も全く違い、接点のない生活を送っていた二人の人生が交差し、深い絆で結ばれていくさまを、オスカー女優のヒラリー・スワンクと、『オペラ座の怪人』などのエミー・ロッサムが演じる。『最後の初恋』などのジョージ・C・ウルフが監督を務め、『トランスフォーマー』シリーズなどのジョシュ・デュアメルらが共演。
あらすじ:弁護士の夫エヴァン(ジョシュ・デュアメル)と理想的な日々を暮らしていたケイト(ヒラリー・スワンク)は、35歳で難病のALSと診断される。1年半後には車椅子での生活を余儀なくされ、友人たちの前で気丈に振る舞うことに疲弊した彼女は、奔放な大学生のベック(エミー・ロッサム)を介護人として雇う。全てが正反対で反目してばかりの二人だったが、ケイトの夫の浮気を機に、遠慮のない関係になっていき……。

<感想>ALSを発症した映画というと、最近では「博士と彼女のセオリー」車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた人間ドラマですが、ストーリーでは『最強のふたり』をイメージしているようです。それに、みな経済的に裕福な環境で、何だかこの手の作品には、またか__という懸念が感じられてしまいます。
それでも、難病役を演じたヒラリー・スワンクは、2度のオスカー女優ということもあり、難しいALSを発症した女性の役を見事に演じきってましたね。

れに、介護をする人たち、初めは弁護士である夫のエヴァンとの、元気だったころの冒頭での激しいシャワー室でのラブシーン。それに、毎朝のお化粧と気配りも限界という感じも見せて、まだ若いということもあり、夜の生活も出来ないという不満から弁護士事務所の秘書と浮気をしてしまう。
これは致し方ないと、ケイトも多めに見ていたようですが、腹の中では煮えくり返るような嫉妬がメラメラ。だって、秘書の女性が美人でナイスバディなんですもの。こりゃ、男ならはけ口として浮気をするのも無理はありませんから。ベックと一緒に大声を張り上げて叫ぶシーンも良かった。それに、自分がもうハイヒールを履けないと思い、ベックに好きな青いピンヒールを上げるところも。

毎日通ってくれる介護師さんは出番がありませんでしたが、気に入らないと見えて直ぐにクビにする。そうして来たのが、介護経験のない自由奔放で無軌道な、バーで知り合って寝た男とは一晩でサヨナラするという自堕落で男癖が悪いベックという女子大生。演じているのが「オペラ座の怪人」のエミー・ロッサム。どう見ても大学生には見えないエミー・ロッサム。歌も最後に披露してくれます。
「原題は''You're Not You''=あなたは、あなたらしく」このまま映画のタイトルにしても良かったのではと思いましたね。
主人公のケイトも初めは、家事もロクにできない女なんて雇わないのではと思ったが、自分を病人として扱わない自由奔放な性格が気に入り雇うことに。そして、その日増しに衰えていくさまは、もう手の施しようがない状態になっていく。病気の進行速度が速くなり、手足が不自由になり絞り出すような声、言葉にならないのが辛い。ベックがみんなに通訳をするという。

同じALS患者マリリン(ロレッタ・ディヴァイン)の夫妻とも仲良しになり、プールでの水泳や食事会とかして、でも彼女の人生も最期を迎える。こちらの旦那は妻を介護しながらも、生活をエンジョイしているようで羨ましい。普通はこういう男性は絶対にいないと思うし、甲斐甲斐しく妻の世話をする夫の態度に感服しましたね。

介護しているベックが、彼女に新薬とか声帯手術とかしたらといっても、このような姿で長生きするのが嫌だというケイト。「残された時間をどのように過ごしたいのか」強い意思で、死ぬ時も酸素吸入などで延命措置をすることを望まず、家でそのまま死にたいという強い希望が彼女の心にあった。
それを感じ取って、ベックが、最後の病院へ運ばれて酸素ボンベを口に加えて、身動き出来ない状態を見て、今夜が最後かも知れないと知り、家族の反対を押し切り家へ連れて帰るという強行手段を取る。
そして、ベットに寝かせて、苦しむケイトの声に泣きながら抱き上げて最後を迎えるという。これは、さすがに涙が出るシーンでした。こんな風に誰かに抱き抱えられて最期を迎えることって素晴らしいですよね。これといって難病ものですから、予想外の展開はありません。それに前にも観たような話の展開が続きます。ですが、ケイトがピアニストだったということもあり、病気を発症してからは好きなピアノのも弾けない。ベックがおぼつかない手でピアノを弾くと、その上からケイトがそっと手を添えて得意のピアノを弾くシーンは感動しましたね。
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コードネーム U.N.C.L.E. ★★★★

2015年11月15日 | アクション映画ーカ行
日本でも人気を博した往年のTVドラマ「0011ナポレオン・ソロ」を、「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督が映画化したスタイリッシュ・スパイ・アクション。東西冷戦時代を背景に、アメリカとロシアのトップ・エージェントが手を組み、互いに衝突を繰り返しながらも世界を揺るがす巨大な危機に立ち向かう姿を描く。主演は「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カヴィルと「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマー。共演に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のアリシア・ヴィカンダー、ヒュー・グラントらが脇を固める。
あらすじ:東西冷戦真っ只中の1960年代前半。アメリカCIAの敏腕エージェント、ナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)がベルリンへ向かう。目的は東ベルリンの自動車整備工場で働く女整備士ギャビーを確保すること。彼女の父親は失踪した天才科学者ウド・テラー博士で、核兵器を巡る国際的陰謀に巻き込まれている可能性が高かった。やがて世界の危機を前にアメリカとロシアは協力を余儀なくされ、ソロはKGBのエリート・スパイ、イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)と手を組まされるハメに。しかし2人は考え方もやり方もまるで水と油。それでもギャビーを守り、テラー博士の奪還と大規模テロの阻止というミッションのために、渋々ながらも力を合わせるソロとクリヤキンだったが…。

<感想>傑作スパイ映画が続々と登場する昨今、新たな強力作品としてガイ・リッチー監督が、シャーロック・ホームズをアクション&茶目っ気たっぷりに甦らせた映画がこれ。「0011ナポレオン・ソロ」をベースに、スタイリッシュなスパイもののバディムービーとして誕生させたもの。
核兵器テロから世界を救うため、宿敵アメリカとロシアエリート・スパイがタッグを結成!!腕は最強、けれども相性は最悪のスパイコンビが、巨大犯罪組織の陰謀を阻むことができるのか?・・・。

舞台となっている60年代は、ツイッギーに代表されるミニワンピースや、アイラインやアイシャドウを強調するメイクが大流行。そのエッセンスが詰め込まれたギャビーのファッションがコケティッシュで可愛いですよね。帽子やバックに、イヤイングなどの小物使いにも是非注目して欲しいです。

もちろん、ソロ&イリヤの男性陣のクラシカルな高級スーツファッションに、「ローマの休日」の映画を思わせるシーンの、バイクや車などもカッコいいですから。

特にナポレオン・ソロを演じたヘンリー・カビルは、「マン・オブ・スティール」(13)でスーパーマン役で注目されたイギリスの32歳。元陸軍軍曹、第二次大戦終戦後は、芸術品を盗んでは闇市で売り捌いていた前科あり。5か国語に堪能し、クールで尊大だが実はお人好しでもある。
もう一人、イリヤに扮するアーミー・ハーマーは「ソーシャル・ネットワーク」(10)で双子役を一人二役で演じてブレイク。196㎝という長身の29歳だ。KGB幹部で、政府高官だった父親が失脚し、自身も労働収容所に入っていた過去があり、柔道4段、カットなりやすいが、女性関係はウブ。

そして、ギャビー役のアリシア・ヴィカンダーはスウェーデン出身の27歳で、今後「ジェイソン・ボーン」シリーズに出演予定という期待の星でもある。東ドイツ在住の車整備士で、実父は元ナチスの天才科学者で、終戦後にアメリカに連行されて以来、音信不通だった。酒癖が悪いのが難。

そして、彼らに下された任務は、行方不明の博士と核研究データーを取り戻すこと。二人は博士の娘であるギャビーを連れてローマに潜入。犯罪組織を牛耳る社長夫人・悪女ヴィクトリア(エリザベス・デビッキ)に接触し、テロ計画の核心に迫っていく。悪女ヴィクトリアh、ナチ残党と組んだ国際犯罪組織ヴィンチグエラの実権を、遊び人の夫に代わって掌握し、美貌と頭脳を武器に核兵器による陰謀を企てている。

正反対の性格のソロとクリヤキンは、衝突を繰り返すが、お互いを出し抜こうとするうちに奇妙な絆が生まれていくのだ。それに、ギャビーが二人を裏切ってイギリスのヒュー・グラント扮する秘密諜報部員になびいてしまうという。かなりおっさんになっていましたが、今でも垂れ目の二枚目で、ソロとクリヤキンを率いる組織U.N.C.L.E.の指揮官となります。

冒頭から繰り広げられる東側から西側への脱出劇を始め、車2台が激しくぶつかり合うカーチェイスに、トイレで繰り広げられるソロとイリヤの殴り合いもCGなしでの迫力満点です。2人による金庫潜入とボートでの脱出劇はスプリット画面で魅せるなど、演出も凝っているのだ。
さすがにガイ・リッチー監督の、手腕によるスリリングで迫力あるアクションは、一瞬も目が離せないし、正反対の二人が互いを出し抜こうとした結果、はからずも協力してしまうというユーモアたっぷりに描かれている。

面白かったのが、金網フェンスを切り抜くシーンでの2人が、片方はペンチで一づつ切るし、もう一方はレーザー・カッターで勢いよく切るガジェットを、比べ合う二人の姿も親しみやすさたっぷりで笑えた。
それに、ベンバートンのファンキーでお洒落な音楽は、現代的な先鋭性を放っており、ザ・ビートルズの聖地として有名なアビーロード・スタジオでレコーディングをし、当時のビンテージ機材を駆使してフィーリングを再現したというから凄い。別に大好きと言う分けでもないが、ベッカムが出ていたというのに、とんと気が付きませんでしたわ。
それでも、洗練された台詞や衣裳も楽しいが、やはり「007」に比べると負けている感じがしました。続篇に期待したものです。
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ラスト・ナイツ ★★★★

2015年11月14日 | アクション映画ーラ行
『CASSHERN』『GOEMON』の紀里谷和明監督が、ハリウッドデビューを果たしたアクション巨編。君主の誇りを踏みにじった支配者に復讐(ふくしゅう)を果たそうとする、屈強な剣士とその仲間たちの姿を追い掛ける。『クローサー』などのクライヴ・オーウェン、『ミリオンダラー・ベイビー』などのモーガン・フリーマン、『硫黄島からの手紙』などの伊原剛志ら、国際色豊かなキャストが集結。壮大なスケールの物語や重厚感とスピードあふれるソードバトル、そしてロケを敢行したチェコの荘厳な風景を生かした映像美と見どころ満載。

あらすじ:狡猾(こうかつ)な政治家が台頭し、戦士たちが追いやられようとしている帝国。ある日、強欲な大臣から賄賂を要求されるも、それを断った上に彼に刀を向けたバルトーク卿(モーガン・フリーマン)が反逆罪に問われるという事件が起きる。その後死刑判決が下され、自身のまな弟子であった騎士ライデン(クライヴ・オーウェン)の手で斬首されてしまう。1年後、ライデンは酒に溺れる毎日を送り、ほかの騎士たちも刀を捨てていた。だが、その裏で彼らは主君バルトークの敵を討ち、堕落した権力者たちへ報復する計画を進めていた。

<感想>紀里谷和明監督と言うと、宇多田ヒカルの元旦那というイメージが強いが、今回彼が5年の歳月をかけて完成させたハリウッド映画です。カナダの脚本家が日本人には馴染みの深い「忠臣蔵」を題材に書き上げた脚本に惚れ込んだ監督。ビジュアルこそヨーロッパ的だが、忠義や名誉、尊厳を重んじる騎士たちの姿に、日本の侍の魂を見て取ることができるはずです。

優れたスタッフとキャストが終結して、中世ヨーロッパ風の国が舞台となり、主君の仇討ちのため死闘に身を投じる騎士たちの姿が描かれている。中でも主人公のバルトーク卿を演じたモーガン・フリーマンの、さすがにオスカー俳優だけあると貫録ある演技に惚れ惚れしました。皇帝が支配する封建国家の一領主のバルトーク卿、高潔で思慮深い性格の持ち主で、年老いたため病いに苦しみ、ライデンを自分の後継者と決め、バルトーク家に代々伝わる名刀を授けるのだ。

それに、大石内蔵助役どころの騎士団長ライデンに扮したクライヴ・オーウェン、貧しい家に生まれ、荒れた生活を送ったこともあったが、主君バルトーク卿へ仕えて、団長となりみんなを指導する。そして、復讐というか主君の仇を取る姿に、日本の討ち入りのような感じではないが、なにせ、城が断崖絶壁の上に建っており、頑丈な鉄の門に兵士の人数も多いなか、こちらは精鋭部隊とはいえ、多勢に無勢という感じもあった。だが、家来が鍛冶屋になり弓矢を射る丸い輪っか取り付けたり、鋼鉄の丸い盾を門扉に張り付けて、自分たちが城内へ侵入した時に使うようにしているとか、とにかく敵討ちが成功したのであっぱれと言いたい。

その他、敵役の悪徳大臣のギザ・モットを演じた「ヘラクレス」「ヘッドハンター」に出ていたアクセル・ヘニーがちょっと弱弱しい感じで、護衛官の伊原剛志に守ってくれと懇願する意気地なさにピッタリ。伊原剛志のハリウッド俳優たちに引けを取らない圧倒的な存在感がいい。
「忠臣蔵」が物語の核なだけに、主君へ絶対的な忠誠心、自己犠牲や敵討ちなど日本人ならグッとくる要素がたくさん詰まっており、特に騎士たちが屈辱の中で生きながら、ついに復讐のために立ち上がる姿は、ただただ感動しますから。雪降るシーンに、城へ攻め入るのは日本と同じで、情感があっていい。

ラストに、女郎屋に売られたバルトーク卿の娘を助け出し、城の外で主君の仇討ちを遂げたことを報告する姿に、ウルウルときます。
その他にも、「忠臣蔵」とくれば47士の家来たちが活躍するお話ですから、主君バルトーク卿を崇拝している家来たちも、大臣のアン・ソンギなど国際色豊かなキャスティングにも注目したい。

何せ、騎士が主役なだけにソードバトルも充実し、スピード感あふれるソードアクションは見応え十分。様々な人種と民族が入り乱れる世界観なだけに、二刀流や逆手持ちなど無国籍系のアクションを見せる使い手も登場するのだ。

やはり見どころは、クライヴ・オーウェンVS伊原剛志の重厚かつスピーディな剣の技には惚れ惚れしますから。どちらが強いとかじゃなく、ご両人とも騎士であり、さすがにライデンも手こずり危いシーンもあり、2人で揉みあいながら2階から1回へと落ちる様にはひやひやもんで、どちらかが怪我をしてダメージを負っているのでは、なんて思ってしまう。ですが、やはりライデンの名刀が伊原の刀を折ってしまい、刀の先が伊原の首に突き刺さっていた。
それに、監督ならではの幻想的な世界観の中での、ソードアクションの数々は圧巻ですから。東欧チェコの古城や修道院での撮影を行っており、建物の雰囲気はまさかの中世そのもので、撮影中に豪雪に見舞われたそうで、本物の質感を生み出し、荘厳かつ重厚でした。監督のこれまでとは一味違う、落ち着きのある映像美は必見ですぞ。
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