パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ポゼッション ★★★

2013年05月30日 | は行の映画
『スパイダーマン』シリーズを大ヒットさせたサム・ライミがプロデューサーに回り、『ナイトウォッチ』のオーレ・ボールネダルが監督を務めた驚がくのホラー。2004年に「Los Angeles Times」に載った都市伝説の記事を基に、ある少女を襲う衝撃の出来事を映し出す。主人公に抜てきされたのは、カナダ出身の新星ナターシャ・カリス。デンマーク出身の監督によって作り上げられた緊張感あふれる映像や、細やかな心理描写に戦慄(せんりつ)する。

あらすじ:3か月前に妻と離婚したクライド(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、週末に2人の娘と過ごすのを楽しみにしていた。だがある日、ガレージセールで古めかしい木箱を買ってからというものの、次女のエミリー(ナターシャ・カリス)の様子が一変してしまう。エミリーはまるで箱に取りつかれたようになり、徐々に異常な振る舞いがエスカレートしていくのだった。
<感想>「スペル」のサム・ライミ制作ということで鑑賞。両親が離婚したばかりの小学生の姉妹のエミリーとハンナは、父母の家を行ったり来たりしていた。ある日のこと、偶然通りかかった住宅街のガレージセールで、父親がエミリーにアンティークの木箱を買い与える。箱にはヘブライ語が彫られ、開けることはできない。だが、その夜から娘の様子がおかしくなる。

封印されていたのはディブックのなかでもアビズーという女の悪霊で、少女の身体を利用してこの世に現れようとする。
その箱を開けて以来、エミリーの奇行が目立つようになり、深夜に一心不乱に冷蔵庫の中を漁り、まるで獣のように食いまくるのだ。朝には朝食の席で、フォークで父親の手をぶっ刺し、エミリーを叱る父親が何も娘にしていないのに、まるで暴力を振るったように娘がビンタをくらい、そのまま裸足で外へ逃げる娘。エミリーを追いかける父親、いたのはゴミ箱の傍。ゴミ箱をあさりあの木箱を見つけて、豹変したエミリーが、街頭に向かって口から生きた蛾を大量に吐き出す。

原因を探るうちに、その木箱は「ディベック」=ユダヤ人伝説の悪霊が封じ込められていたことが判明する。
ディベックという妖怪とは、ユダヤ伝承にあらわれる人に取り憑く悪霊で、古くはイディッシュ語、演劇やポーランド映画で描かれ、本作ではそのディベックが現代アメリカに復活し、幼い子供に憑依するお話。
ビジュアルなインパクトが強烈で、「エイリアン」のフェイスハガーみたいなヤツが少女の顔面の内側を徘徊したり、エミリーのIRM画像の右側の部分に変なババアの顔が動いて見えたり、別れた妻と同居している男の歯がボロボロに折れてしまったり、娘の喉の奥からババアの手が飛び出して来たりと、ナイスなショック描写の連続でスリル満点です。

父親が、娘の身体の中に憑りついている悪霊を、自分の身体に憑りつかせようと頑張る姿もいい。娘の口から飛び出してきた悪霊の姿たるや、まるで地底怪物ゴラムのよう。
悪霊に取り憑かれた娘を救うために、父親はユダヤ教ハシド派のエクソシストに助けを求める。というわけで、これは「エクソシスト」に代表される、悪魔祓いを題材にしたホラー映画ということです。
離婚による子供の動揺と、悪魔憑きを重ね合わせている点も良く似ているが、ローマカトリック教会ではなく、ユダヤ教を背景にしているのが特色になっているのが興味深いです。カトリック教会ものでは、あの「エミリー・ローズ」、「ザ・ライト エクソシストの真実」と似ている部分もあります。
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コズモポリス ★★

2013年05月29日 | か行の映画
『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソンが、一日にして破滅へ向かう若き大富豪を演じるサスペンス・スリラー。人気作家、ドン・デリーロの小説を基に、『クラッシュ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』などの鬼才、デヴィッド・クローネンバーグ監督が映画化。共演には、ジュリエット・ビノシュや、ポール・ジアマッティ、マチュー・アマルリックなど一癖ある実力派キャストたち。過激な作風のクローネンバーグ監督が自身にぴったりのテーマを鮮烈に切り取り、観る者に大きな衝撃をもたらす。

あらすじ:28歳という若さで巨万の富を手に入れたニューヨークの投資家のエリック・パッカー(ロバート・パティンソン)。白いリムジンの中で金を動かし、天国と地獄が隣り合わせで一瞬先は闇という投資の世界に生きながら、一方ではセックスの快楽に夢中になっていた。しかし、エリックの背後に暗殺者の影が忍び寄る。さらに、自分自身わかっていながらも、破滅の道へと歩みを進めるエリックは……。
<感想>「ベラミ」では美貌の色事師を演じ、そしてこの作品では、暴動でごった返すNYの大渋滞に巻き込まれた、白いリムジンの中にいた投資会社を経営する青年エリックが、破滅へのと向かう若き大富豪という、新たなチャレンジを続けるロバート・パティンソン。特に今回は監督が鬼才として知られるデヴィッド・クローネンバーグだけに、ロブ様の新生面が期待できる。しかしだ、映像化が不可能と言われたドン・デリーロの同名小説が、クローネンバーグによって映画化されたもの。
すべてが欲しい、何もかもと、侵略するかのように買占めに走り、仕事相手も謁見式のように様々な客が入れ替わりリムジンの中に乗り込んでくる。まるで現代の王様のような存在の28歳のエリック。しかし、誰にも理解されない孤独と虚しさを埋めるために、ひたすら刺激を求めていく。

会社創立時からの部下シャイナーや人民元のチャート作りをする若い男と雑談を交わし、年上の愛人ディディ、ジュリエット・ビノシュとはカーセックスを楽しむ。ところ選ばず女たちと情事を重ね、女シークレットサービスとの情交の後に、「俺のDNAを痺れさせてくれ」とスタンガンの電撃をせがむほどに彼は、生の実感に飢えているのだ。渋滞に閉じ込められたリムジンの中でのエリックの性行為は、まるで「クラッシュ」を見ているようだし、飛び交う暗号のような株式の専門用語や、彼自身の内面の空虚さを埋めるように繰り返されるうんちくも、まるで「裸のランチ」のカットアップのようでもある。

ジョギング姿のシングルマザー(サマンサ・モートン)と論争しながら医師の身体検査を受ける。その合間には、これも富豪一族出身の新妻エリーズ、サラー・ガドンとランチ。しかしエリックはこの日、人民元の値動きを予測できず、全財産を失うほどの損失をこうむっていた。人民元の下落で破産の危機に直面しても、「俺は今とても自由を感じている」と解放されたかのように微笑む。

妻のエリーズからは破局を宣告され、おまけに警護官から暗殺者に狙われているという報告も入った。その警護官を射殺してしまうとは。昔から通っている散髪も途中でやめてリムジンを帰したエリックに、ついに暗殺者の銃弾が襲い掛かるが、彼は逆にその男、ポール・ジアマッティの部屋へ乗り込んでいく。

エリックはハイテク装備のリムジンから世界を見通す神であり、排泄もセックスもすべてリムジンの中で行う。このリムジンは虚無を象徴するバーチャル空間なのだ。彼はやがて車外へ飛び出し破滅的な運命にあうのだが、そこで見過ごしてはいけないのは、彼が終盤、彼の命を付け狙う暗殺者との2人の思考が交錯する原作の構成を、エリック1人の視点にまとめあげることによって、より彼の癒しがたい孤独を浮き彫りにしているようだ。エリックが、ついに拳銃にふれた瞬間に、自分の手を拳銃で撃ちぬく。それはスクリーンを支配するイノセントすぎる興奮のほとばしりに見える。そして、ジアマッティに拳銃を突きつけられる最期は、それは虚無を狂気で瞬時に飲み込むクローネンバーグならではの映画的演出なのだろう。

エリックのよりどころである資本主義の終焉を告げるような、リーマンショックやウォール街占拠デモを想起させるリムジンの車外に展開される暴動のイメージも、原作のビジョンを見事に具現化していると思われる。だが、観る側としては、まったくもって意味不明で自分の頭の中で解釈ができないのだ。されとて、ドン・デリーロの小説も読む気にならないのだ。
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コードネーム:ジャッカル ★★

2013年05月27日 | アクション映画ーカ行
韓国人アイドル・グループJYJのメンバーで、日本のテレビドラマ「素直になれなくて」などにも出演したキム・ジェジュンが主演するラブ・サスペンス。伝説の女殺し屋がトップスターを拉致したことから巻き起こる、スリリングな誘拐劇やさまざまな人間模様が描かれる。キム・ジェジュンが人気歌手を演じ、対する天然な殺し屋を『背景、愛してます』のソン・ジヒョが熱演。メガホンを取るのは、『彼女を信じないで下さい』のペ・ヒョンジュン。“壊れた姿”を披露するなど、キム・ジェジュンが演技で見せる新たな一面はファン必見だ。
あらすじ:ある日、トップスターのチェ・ヒョン(キム・ジェジュン)が拉致される。連れ去ったのは、伝説の女殺し屋ジャッカル(ソン・ジヒョ)。ジャッカルはチェ・ヒョンを殺害しようとするが、周囲の人々の思惑が絡み合い、遂には警察が出動し、事態は思わぬ方向へと進んでいく。

<感想>びっくりです、韓国アイドルのジェジュンファンの若い女の子でいっぱいでした。地方でも彼のファン(女子高校生)がたくさんいるんだ。
謎の暗殺者「ジャッカル」というと、1997年アメリカ、ジャッカルを演じたブルース・ウィリスと、元スナイパーのリチャード・ギアの競演を思い出す。古くはジャッカルと聞いて浮かぶのは、F・ジンネマンのやはり暗殺者「ジャッカルの日」が有名。しかし、この映画は韓国アイドルのキム・ジェジュンが主演なので、彼を狙う殺し屋の名前が「ジャッカル」なのである。それも若い女、ソン・ジヒョが変装して殺し屋を熱演しています。
若いジェジュンは歌手で、スポンサーに金持ちのおばさんが付いており、この日も高級時計をプレゼントするわけ。そして、ホテルでその見返りにいいことしましょ、という感じなんですね。そのホテルが、高級とはいえない場末の元ラブホテル。

さっそくホテルへ入っていくのに、後ろから日本人ファンに化けて付いていく女ジャッカル。主演のジェジュンは、要潤(私にはそう見えた)似のイケメン優男。女殺し屋は、アフロヘアーの鬘を被って青い革ジャン着て、すぐには殺さない。
ホテルの中でドタバタコメディが展開し、ジェジュンの元カノが出てきて、ストーカーまがいを展開。ドッタンバッタンと笑えるかと言えば、ノーですから。やはり韓国人アイドルキム・ジェジュンが、縛られたり、困った顔をしたり、挙句にパトロンおばさんとブチュとキスを濃厚にするんですね。これはキモかった。日本人の金持ちおばさんも、きっとホテルでこんなことしてんのかなぁ?・・・ゲロゲロ。

殺し屋を雇ったのは、このおばさんの亭主で、やはり以前から若い男に入れあげている事を知っていたのですね。それにですよ、「ジャッカル」の他に、もう一人男の殺し屋も雇うわけ。この人はいかにも暗殺者という風貌でした。ですが、女殺し屋「ジャッカル」の方が上手だったのですね。頭がいいんですよ、ジェジュン部屋でパトロンのおばさんと「ジャッカル」が鉢合わせして、殺すつもりがなかったのに、はずみでナイフでパトロンのおばさんを刺してしまうんです。
そこへ、もう一人の殺し屋がホテルへやって来て、ソン・ジヒョがこの男を利用して、警察に殺させていかにも「ジャッカル」を捕まえたりと手柄をたてたように見せかけるんです。
ホテルのフロントにいたドラ息子は、馬鹿なのか、いいやつなのか、お笑いの演技は良かったです。女「ジャッカル」の正体も最後まで表に出さず、殺されたということにして、クライマックスに明かされるわけ。本当のジャッカルは、殺し屋稼業の足を洗って南の島へと空港にいました。全編、イケメン韓流アイドル、ジェジュン中心にスクリーンいっぱいに映して、内容なんて関係ないぞ、というようなドタバタ作品。アイドルスター・ジェジュンあってのこの映画ですね。
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セデック・バレ 第二部 虹の橋 ★★★★

2013年05月26日 | アクション映画ーサ行
「海角七号/君想う、国境の南」のウェイ・ダーション監督が、日本統治下の台湾で勃発した、原住民族“セデック族”による大規模な抗日暴動“霧社事件”を、壮絶なバイオレンス・アクションで完全映画化した歴史超大作。日本公開に際しては、海外向けの短縮バージョンではなく、第一部&第二部連続上映による全276分の完全版(台湾ドメスティックバージョン)での上映が実現。本作はその第二部「虹の橋」編。
あらすじ:霧社公学校を襲撃したセデック族は、日本人であれば女子供の区別なく容赦なくその手にかけ、多くの命を奪っていった。直ちに報復を開始した日本軍だったが、セデックは地の利を活かした戦いで日本軍を苦しめていく。それでも日本軍の圧倒的な武力の前に、次第に追い詰められていくセデック族だったが…。

<感想>10分間の休憩の後に、第二部を鑑賞。興奮冷めやらぬ思いでどうなることなのかと、・・・。山中に身を潜めたセデックと日本軍の壮絶な死闘が展開する。しかし、セデック族は山岳地帯を素早く動き、神出鬼没の活躍を見せるのだ。この映画は抗日アクション映画でもなく、イデオロギーに凝り固まったプロパガンダ映画でもない。異文化同士の衝突という観点から戦争を描き切った革新的な傑作です。首狩りや信仰も含めてセデック独自の文化、風習をつぶさに描いて、それが他の文化に抑圧されることで惨事を過程を丹念に描いている一方で、日本人も単なる悪役として一面的には描いてはいない。

中には、セデックと親交を深め、彼らを理解しようと努める小島巡査に安藤政信が、あるいはセデック出身のエリートとして高等教育を受けた、日本人へ恩義を捨てることが出来ない花岡一郎・二郎など、それぞれのコミュニティの中で、葛藤する者たちの内面をも映し出している。
そして、蜂起後に抗日セデックの多くが、女子供を含めて自殺した事実も、彼らの祖霊信仰に根ざしたものとして描かれている。観客はその悲痛な光景を目にして、なぜこんな事態になったのか?・・・という思いめぐらさずにはいられない。それは、なぜ戦争は起きるのか、どうすれば人はその悲劇を避けられるのだろうか。というメッセージも込められている。

それでも、圧倒的なスケールと迫力に満ちた、血わき肉踊るアクション活劇の大作でもある。主な武器は、セデック族の蕃刀(大きなナタ)と猟銃、槍に弓矢など、そして己の肉体のみという彼らの戦士たちが、険しい山岳地帯を裸足で自在に駆け巡り、日本軍の近代兵器で武装した1000人の軍隊を血祭りに上げていくのである。その勇壮な活躍は、日本人としての感情など通り越してひたすら痛快に映っている。

足場の悪い山肌、渓流の岩場、断崖絶壁などで繰り広げられる。その彼らの体を張った立ち回りは命がけだ。同じくらいにカメラワークも命がけ感がみなぎり、度肝を抜く仕上がりになっている。
断崖絶壁に架けられた吊り橋を切り落とし、日本軍はその断崖絶壁に細い道を恐る恐る歩くと、上から大きな石が落とされ銃撃がと、ひとたまりもなく死んでゆく。
第二部の後半で、日本軍に最後の突撃を仕掛ける大迫力の戦闘スペクタルでは、日本軍が容赦ない追い込みをかけるが、戦士たちは怯えることなく銃弾や砲弾の飛び交う戦場を、裸足で爆走する。

山奥でゲリラ戦をするセデックに対して、日本軍は榴弾砲を撃ったり、飛行機で毒ガス弾を撒いたりする。それでも彼らは屈することなく、倒すことができない。だからセデック族と敵対している山岳民を雇い、彼らの首を狙わせる。男は300円、女は200円、子供は100円とかお金を支払うのだ。もともと山岳民は部族同士が絶えず戦闘してきたから、それを利用される。戦いは密林でのゲリラ戦から真っ向勝負の最終決戦へと突入していく。

まるで「アポカリプト」のような、狩猟民族は、生き物は死んでも魂は死なないと信じているから、殺す罪悪感も死ぬ恐怖もあまり感じないらしい。だからなのか、ゲリラ戦になると、セデックの女子供たちは食料不足を見越して足手まといになると、自分たちで首をくくって集団自決するシーンもあります。
実際に290人も自決したらしいです。このシーンでセデック族の女たちも、男たちもみな虹が死後との世界を結ぶ橋だと信じて、虹の橋のたもとで待っているからと言いながら死んでいく。きっと日本軍に辱められ殺さられよりも、その土地の部族の掟とプライドなのだろう。

何だか、イスラムの自爆テロもそうだけど、死後の幸せを約束されると信じて平気で死ねる気持ちは理解できない。中でも日本化教育の優等生で、警察官になった二人のセデックの男。彼らは民族のためには近代化しかないと思って、日本人として花岡一郎・二郎と名前ももらい、生きるのだが結局最後は、妻と赤ん坊と一緒に自決するのである。
最後に、どうにもこうにも心に残ったのは、ラスト近くで、セデック族を鎮圧すべく日本から送り込まれた鎌田陸軍少尉が、彼らと面と向かって戦った果てに、逆にセデック族の内面に、日本人に勝るとも劣らぬ大和魂を見出して、ぽつりと言う言葉である。それは、この映画のテーマである、どうすれば人々の心の中にある憎しみ、恨みを解き放ち平和をもたらすことができるのか、ということなんですね。
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セデック・バレ 第一部 太陽旗★★★★

2013年05月25日 | アクション映画ーサ行
日本による台湾統治時代に発生した、先住民による大規模な抗日運動「霧社事件」を映画化した歴史大作の前編。文化や風習を否定され、野蛮人として扱われたセデック族が、部族の誇りを懸けて武装蜂起するまでを描く。監督は、『海角七号/君想う、国境の南』のウェイ・ダーション。主人公の部族の頭目を、映画に初めて出演するリン・チンタイが熱演するほか、安藤政信、木村祐一など日本人キャストも出演。戦闘シーンの過激さに驚くとともに、彼らのさまざまな苦悩が観る者の心に突き刺さる。
あらすじ:昔から台湾の山岳地帯で生活している狩猟民族、セデック族。日本の統治下でセデック族の人々は野蛮人とさげすまれる一方、日本人化を推し進める教育などを受けることを余儀なくされた。統治開始から35年がたったある日、日本人警察官とセデック族が衝突したことをきっかけに、ついにセデック族は戦うことを決意。セデック族の頭目、モーナ(リン・チンタイ)を中心に、日本人を襲撃するが……。

<感想>今から80年前、日本統治下の台湾で長年の服従を強いられてきた原住民たちが一斉蜂起し、その双方が多大な犠牲を強いられた、歴史上知られざる悲劇があった__。この異文化衝突を血ヘドを吐くような苛烈なドラマと恐ろしくも強烈な皆殺しバイオレンス・アクションで綴った、一大抒情詩である本作。
舞台は1930年の台湾、日本統治時代。中国人が移住してくる前から台湾に暮らしているセデック族という原住民と日本軍の戦いの映画なのだが、言葉もセデック語と日本語だけ。中国語はない。セデック・バレとは、真実の勇者。通過儀礼を終えた一人前の男という意味で、成人すると顔に入れ墨(額と顎)をし、人間の首を狩る。狩猟採取民族だから、映画は1895年に日本軍が入ってくるところから始まる。険しい山奥のジャングルを、半裸で猟銃や槍、弓矢を持ったセデック族が裸足でまるで猿のように軽々と跳んで鹿狩りをするシーンから始まる。

この山にはいろいろな鉱物があるので、それを目当てに日本軍が侵攻して来る。それに対して、セデック族は得意のゲリラ戦で抵抗する。日本兵は道を一列に並んで歩いて山を登ってくるから、待ち伏せして彼らの射的の的になってしまう。
しかし、日本軍は村の女子供を人質にして、やっとセデック族を討ち鎮める。それから何十年か経った1930年、セデック族は日本の管理下で林業をして暮らしていたのだが、大切な銃は駐在所に管理されて、好きなように狩猟はできないのだ。
日本語を押し付けられ、小学校ではセデック語を話すと教師にビンタされるのである。日本は、琉球や朝鮮でも同じことをやっていたけれど、アメリカだってインディアンに英語とキリスト教を押し付けていた。その他の国でもみな同じようなことをしていたのだ。

確かに歴史で習ったことはあるが、映画を観るまではこれほど過酷な事が起こっていたとは。安藤政信演じる警官みたいに、彼らの文化に魅力を感じて深く研究した日本人も多かったそうです。彼らセデック族は、アイヌや琉球人と同じようで、肌が浅黒くて、顔の彫が深くて、目が大きくまつ毛が濃い。それに動作が活発で勇敢である。中国人とは全然違って、みんな山岳民の血を引いている。だから演じている人たちもみな台湾の山岳民で、とにかく面構えの良すぎる出演者ばかり。主人公モーナ・ルダオ役のリン・チンタイさんを初め、彼の住む部落にいる若者たち騒動員。

発端は、セデックの首長モーナの長男が駐在に酒を勧めたら殴られる。それはその酒というのは、穀物や果物を口で噛んで、唾液でアルコールにしたものなんですね。だから日本人にしてみたら、「そんな汚いもの飲めるか」って怒ったわけ。それが、逆にセデック族にしてみれば失礼だと。その駐在を袋叩きにしてしまう。このままだと部族は日本軍に処罰されて、民族の誇りを奪われ、また権利が奪われる。そこでやられる前にやれと、逆に武装蜂起を決意する。

日本人俳優で、木村祐一はあまり出番もなく直ぐに殺されてしまった。安藤政信演じる警官は、山岳民に理解があるのだが、妻や子供殺されてセデックを憎んでしまう。一番悲惨だったのが、霧の濃い朝だった運動会の日に、学校を襲撃して、学校ではセデックの子供たちが、それまで友達だった日本人の子供の首を狩る。
それは、学校では先生が、セデックの子供たちを蕃人(野蛮人)と差別待遇をするから。日本人の子供たちもセデックの子供に対して、野蛮人と蔑視の目を向けて辛くあたったからだろう。

1930年の10月27日の朝、霧社で運動会に集まった日本人134名が虐殺された。犠牲者の多くはセデックの風習に従って首を刎ねられ、そこには女子供も含まれていた。それはこの地に暮らす台湾原住民、セデック族による犯行だった。
ただちに日本軍と警察の合同部隊が結成され、討伐作戦を開始。山中で激しい戦闘が繰り広げられた。第1部のラストでは、300人のセデックの戦士たちが、日本人の集落を襲い、クライマックスとなる運動会襲撃シーンでは、分かっていてもショッキングな映像に、ただただ目を背けることはできません。

アクション監督は「オールド・ボーイ」(03)、「モンガに散る」のヤン・ギルヨンとジム・ジェウォン。それと、画面に見入るほどいい男ぞろいの、原住民キャストの熱演にも拍手したい。中でも決起のリーダーとなる、モーナ・ルダオ役を演じたリン・チンタイの神がかり的なかっこよさにはまいりましたです。映画初出演といいながら、威風堂々としているので普段は何をしているのだろうと。なんと牧師さんだそうです。

モーナを慕って戦いに加わる少年パワン役のリン・ユエンジエの活躍。同族でありながら日本軍に協力して宿敵モーナを追う、タイモ・ワリス役のマー・ジーシアンなど、印象に残る人たちばかり。そうそう、台湾女優のビビアン・スーがセデック族の妊婦役で、出演してました。
また日本人では小島巡査役の安藤政信を初め、討伐部隊の指揮官となる鎌田少尉役の河原さぶ、横暴な振る舞いで事件の原因を作る吉村巡査には、松本実ほか、日本人のキャストの好演も素晴らしかった。
未だ多くの謎を問いかける「霧社事件」の真実に迫る、1部、2部作、計4時間半の歴史アクション大作であります。
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私は王である  ★★

2013年05月23日 | わ行の映画
韓国の歴史上もっとも偉大な王といわれる世宗大王が王位に就くまでの秘話を描く歴史ドラマで、二年の兵役から戻ったチュ・ジフン「アンティーク」が二役に挑戦している。共演は「ヨンガシ/変種増殖」のイ・ハニ、イム・ウォニ他ほか。監督は『先生、キム・ボンドゥ』『ラブリー・ライバル』のチャン・ギュソンで、初の時代劇となる。
あらすじ:十五世紀初頭の朝鮮、国王大宗は長男の度重なる問題行為を身かね、三男のチュンニョンを王位後継者指名する。だが、彼は博識ではあるが何事も人任せの温室育ちで、王になるきはなかった。
チュンニョンはある夜密かに逃亡しようとし、王宮を逃げ出した途端に若い男とぶつかってしまう。気を失ったその男ドクチルと着物を取り替えて、チュンニョンは夜の町へと消えてゆく。
チュンニョンを捜す護衛のヘグとファングは、ドクチルを応じだと勘違いするが、すぐに偽物だと気づき、ヘグは町へ王子を探しに、ファングは宮廷でドクチルの世話をすることになった。
世間知らずだったチュンニョンは、様々な民に出会い、政府の圧政や悪徳貴族の横暴にふれ、次第に王としての責務に目覚めていく。一方、ドクチルもまたかつての雇い主の娘スヨンが、中国への貢ぎ物になるところを助けたりするうち、即位式の日が近づいてくる。

<感想>史実の中で空白となっている王位継承から即位までの3か月間を描く歴史ドラマである。だが、先日公開になった、イ・ビョンホン主演の「王になった男」と同じような物語。あちらは替え玉という内容だったが、下層の者が良く似た王にすり替わる内容は同じなのでちょっと間延びした。

イ・ビョンホンに比べてといってはなんだが、笑いも子供っぽいし、偽王子を扱った映画が先に上映されているので、幼稚なコメディ要素を強めた本作は、残念ながら映画としての雅がない。テレビドラマのドタバタが見合う場面がきりもなく立て続きに、チュ・ジフンも異なる衣装で一人二役に見せているだけで演技力に欠けている。

さすがにイ・ビョンホンの演技力から異なる王と芸人の演じ分けを見てしまうと、これは貫録負けですね。豪華な衣装やセットは鮮やかだが、主人公たちの後先を考えない行動は、物語の上の配分が悪いし、道草をくい、調子外れなギャグも目立って鼻につく。

取り得と言えば、当時の朝鮮が中国の奴隷のようになっていたことがよく分かることぐらいですね。偉大な国王が改革する前の、封建的悪徳が許されていた時代の、愚かな貴族たちの暴力をネタにしたドタバタ喜劇。
この時代にこんな物があったらいいなぁ~というふでぺんなるもの。墨が竹の筒の中に入っていて押すと出て来るアイデア。大砲もイギリスやフランス輸入じゃなくて工夫して作った大砲は、コメディ要素抜群で、とんでもないところへと飛んできます。

現代が舞台でも韓国映画はやはり、階級の主題が好まれるけれども、だからこそ下ネタも含むトイレのギャグは同じだ。王に入れ替わった男が、お付の女性にお尻を拭いてもらって、複雑な表情を浮かべる話。それに下層階級に落ちた王子が、トイレをする時、いつもお付の者にお尻を拭いてもらっていたので、外でも家来のヘグに頼むという情けなさ。
それでも、どの辺で入れ替わるのかのかなぁ~と思っていたら、どうってことはなく入れ替わってしまった。「王になった男」のような、お尻にアザがあるとか、絶対に王子と分かる認証が欲しかったのに。
それでも、貧しい民の暮らしを見て、国王たるもの民を飢え死にさせるわけにはいかないと、それに下層階級の者は文字を書けないし、読めないのだ。このことも、自分が無類の本好きなので、子供たちに読み書きを教える世の中にしようと心がける王子の顔が清々しい。
2013年劇場鑑賞作品・・・108  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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愛さえあれば ★★★★

2013年05月22日 | あ行の映画
『ある愛の風景』『アフター・ウェディング』で知られるデンマークの鬼才、スサンネ・ビアによるラブストーリー。妻の死を乗り越えることができない男と夫の浮気を知ってしまった女が、それぞれの子どもの結婚式で出会ったのを機に惹(ひ)かれ合っていく姿を描く。『007』シリーズのピアース・ブロスナンとデンマークが誇る実力派女優である『未来を生きる君たちへ』などのトリーヌ・ディルホムが、心に傷を負った主人公たちを快演。南イタリアで繰り広げられる大人の恋愛模様に、胸が高まる。
<感想>「未来を生きる君たちへ」でアカデミー外国語映画賞を受賞した監督スサンネ・ビア、脚本アナス・トーマス・イェンセンのコンビによるラブコメディーである。それもだいぶお年を召した主人公のピアース・ブロスナンとトリーヌ・ディルホムのお二人さん。これがとっても魅力的で、年老いてもこんなラブロマンスがあったらいいなぁと思わせる極上の作品です。現実ではどんなに妄想抱いても実現不可能だけど、劇場のスクリーンの上でのお話でも、中年のおばさんとしては心がウキウキして、胸がキュンとなり涙が出るくらい素敵なお話です。

トリーヌ・ディルホム演じるイーダが、乳癌の治療も一段落して、娘の結婚式にためイタリアのソレントへ行くことになる。ところが、その前に、病院から家へ戻ると、なんと夫が会社の女と浮気の真っ最中に出くわすわけ。驚くやらどうしていいのか分からず、ただ南イタリアへ行こうと車にのり空港へ。すると空港の駐車場であわてていたので、障害者用のスペースへ停めたため後ろも見ないでバックする。横から来た車にドカンとぶつけてしまい、怒った車の紳士がイーダの髪の毛を掴み、つまり抗がん剤を飲んでいたため頭はハゲ、あわてた紳士は驚いて謝る。
その紳士が実は、娘の相手花婿の父親フィリップだったのです。もちろん飛行機も一緒で、待合室でコーラを満タンにして零すイーダ。家を出るときに夫の嫌な思い出を、イタリアで癒そうと思っていたので、素敵な紳士と親戚になるのは嬉しいですよね。それに、ソレントへ着くとフィリップは優しくて、傷心の彼女を慰めてくれる。

彼女が海で、裸で泳ぐ姿を見つけたフィリップは驚いて駆け付けるのだが、彼女は自分の身体のことは隠したりしない。だからなのか、そういう彼女を守って上げたいと、誰でもそういう気持ちにはならないが、フィリップの場合は特別に彼女に優しく接するのだ。
ところが、夫があろうことか、浮気相手の女を連れて来たのには呆れかえる。それもその女、ずうずうしいことにもう離婚が決まっているとばかりに、婚約したと嘘をついて派手な衣装で奥さん気取りなんですから。そこへ軍隊へ入っている息子も来たのだが、怒り心頭で父親に殴りかかり喧嘩になってしまう。

結婚式前夜の、パーティでは盛り上がってダンスをフィリップと楽しそうに踊るイーダ。それを見てヤキモチを焼く亭主、いきなりイーダの手を引っ張りダンスの相手をさせる。それに、もう一人のお邪魔虫が、亡くなった奥さんの妹というおばさんが、フィリップに夢中でモーションをかけてくる。

そして、結婚する娘と婿どのとの間になにやら険悪なムードが。どうやら婿殿が実はゲイだったということが発覚して、可愛そうなのは花嫁の娘だ。結局結婚式は取り止めになり、みんな帰り支度をする。
デンマークへ帰ったイーダに、あの浮気夫が真っ赤な薔薇の花で絨毯を埋め尽くし、花束をたくさん飾って「やり直そう、君しかいないんだ」なんて甘い言葉につい心を許すイーダ。私なら絶対に許さないし、慰謝料がっぽり貰うのに。優しいのよね、イーダは。まだそんな夫でも愛しているんだもの。だから、せっかく美容院までフィリップが訪ねてきて、プロポーズしてくれたのに、断ってしまうなんて。

彼が帰った後に、大切な人の存在を認識したイーダは、単身ソレントへと向かうのです。良かったです、ここでは中年のラブロマンスを綺麗に表現して、甘くなく、辛くなく、軽やかなのがいい。勇気を持って彼の胸に飛び込んだイーダに幸せあれ!トリーヌ・ディルホムが輝いて見えた。
とにかく南イタリアの風景が素敵で、まぶしい太陽と緑の葉のレモンの木と黄色い果実たわわに実る道、そして斜面に立つ大きな屋敷。何度も映す朝日が昇る景色と夕日が沈む景色も、秘密の場所の入り江も、夜の港の灯りもロマンチックで絶妙ですね。
原題は「愛は君が必要なすべて」っていうのですが、邦題の方が分かりやすくていい感じですね。
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中学生円山 ★★★★

2013年05月20日 | アクション映画ータ行
マルチに活躍する宮藤官九郎が、SMAPの草なぎ剛と初タッグを組んだホームドラマ。エッチなことばかり考えている男子中学生が、同じ団地に越してきた謎のシングルファーザーとの出会いを経て成長していくさまを、CGやアクションを駆使した妄想シーンを交えて描かれる。共演には、宮藤監督が脚本を手掛けたテレビドラマ「11人もいる!」の平岡拓真をはじめ、坂井真紀、仲村トオル、ミュージシャンの遠藤賢司、『息もできない』のヤン・イクチュンら多彩な顔ぶれがそろう。
あらすじ:思春期を迎えた中学生・円山克也(平岡拓真)は、ある目的のために柔軟な体が必要だと判断し自主トレに励むうちに、妄想の世界にトリップするようになってしまう。そんなある日、同じ団地に謎めいたシングルファーザーの下井辰夫(草なぎ剛)が引っ越してくる。ある日、近所で殺人事件が起こり、克也は下井が犯人ではないかと妄想し始め……。

<感想>脚本を手がけたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が好評の宮藤官九郎。「少年メリケンサック」以来となる監督3作目も、自らのオリジナル脚本による妄想アクションムービだ。監督自身の妄想をちりばめたという本作。何事にも興味津々で多感な中学生の願望や感情など、思い出を振り返って共感する人が多いのではないだろうか。
部屋にセクシーな女性の(男性の場合で、女性はイケメンの)ポスターを貼ってみたり、クラスの気になる女子との会話にドキドキしたりと、・・・。ちなみに監督は中学生当時斉藤由貴のファンで、近所の電気屋さんにあった等身大のパネルを持ち帰り、朝起きたら本物に変わってないかなぁと、想像したそうです。映画の中でも克也の部屋に貼ってあるポスターの女性が、克也の前に現れ優しく声をかけ、なぜか梨を食べさせてくれるお姉さんに興奮してる妄想シーンがあります。

その他にも、クラスの好きな女の子と一緒にプールで遊ぶ姿を妄想。それに、初めて自分の部屋に女の子が遊びに来て、普段寝ている克也の二段ベッドの上段に無造作に横になる同級生の女の子は、何もしてないのにエロいのだ。初キッスを妄想するシーンとかもね。
ここで、主役は中学生の克也なのかと思っていたら、とんでもない草なぎ剛がいい人に見えて、掴みどころのない下井を演じているのですが、克也の妄想の中で登場する凄腕の殺し屋“子連れ狼”をシャープに熱演しているのだ。ゴミ捨てのルールに厳しく、ビデオで撮ったゴミ捨てを守らない違反者に“アダルトビデオ“とマジックで書いて各部屋に配布するのだ。アダルト大好きな克也の父は、夜に密かに楽しみ、ゴミ捨て場の映像に驚く。それに下井は突然過剰にキレるし、普段の不穏な佇まいも絶妙で子育てパパとしては申し分がない。バギーカーを使った切れ味抜群のガンアクションは痛快である。その強烈な存在感に草なぎ剛の俳優魂を見た。

また、草なぎくん同様に、現実と克也の妄想の世界とで異なるキャラを快演している人たちにも注目するべし。二枚目俳優の印象が強い仲村トオルが、平凡なサラリーマンと、紫のコスチュームを着たヒーロー“キャプテンフルーツ”に変身して胸の膨らみからレモンジュースを発射、なんてコミカルに演じているのも必見ですぞ。韓国映画「息もできない」で注目されたヤン・イクチュンも、元韓流スターの電気屋と、狂暴な“処刑人プルコギ”を演じ分けて魅力を爆発。その韓流スターの大ファンである克也の母坂井真紀も、壊れていない電化製品を壊しては家へ入れて、ヤン・イクチュンにすり寄る主婦は当然エロいし、ベットインまで繰り広げるなんてことを。坂井は“マママンゴー”に変身する。
さらには伝説のロッカー遠藤賢司が、ロックを熱唱したかと思えば、マシンガンをぶっ放す“認知症のデスペラード”に変貌。それはもう圧倒的な存在感を見せてますよ。
おが付かない正真正銘の馬鹿映画だ。馬鹿とは何か?・・・男子中学生が自分の○○ポコを舐めようと必死になる。そのために柔難体操をし、部活はレスリング部へ入り、前屈の連続をして閃きが起き正義の味方、妄想と現実がごっちゃになっていく。初めは過剰なバカバカしさと悪ふざけと観ていたが、近所で起きた殺人事件の犯人は、下井ではないのか?・・・と妄想を膨らませてビビる克也。だが、下井が中学生円山に「届いた?」と度々聞いてくる。ところがである、克也が部活で必死に妄想を膨らませて○○ポコに「届く」クライマックス。下井が北海道で元警官だったことと、妻が未成年の変質者に殺された悲劇などの過去が明らかになる。そして、犯罪撲滅のためにスーパーヒーローになって、だいぶ前に(2011年)に観た「スーパー!」の、あの主人公のちょっとおかしくて行き過ぎた正義感のあり方を思い出してしまった。

映画は妄想癖のある中学2年生、円山克也の妄想をそのまま受け止める謎めいた“大人”であり、草薙剛の独特の存在感もあって、不思議なキャラクターに仕上がっている。見ようによっては、下井が中学生の妄想がそのまま成長してしまったような人物にも思えるのだが、・・・早い話がド変態なんですけど、「HK変態仮面」よりは笑いの面でも面白くて爆笑してしまった。
今回もクドカンワールドが全開である。豪華&個性派キャストが、他の作品では見せないような怪演を披露していて目が離せませんから。
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クロユリ団地 ★★★.7

2013年05月19日 | か行の映画
『リング』シリーズや『仄暗い水の底から』などの鬼才、中田秀夫がメガホンを取ったホラー。とある団地へと引っ越してきた女性が、そこで続いている変死事件の真相を追ううちに想像を絶する恐怖を体験していくさまが描かれる。『苦役列車』の前田敦子がヒロインにふんし、渾身(こんしん)の絶叫演技を披露。

『ドロップ』などの成宮寛貴が、彼女と共に団地の忌まわしい秘密を知る清掃員役で共演する。ホラーの名手としても知られる中田監督ならではの容赦ない恐怖演出に加え、社会問題となっている孤独をテーマにした物語も見ものだ。
あらすじ:老朽化したクロユリ団地へと移り住んできた明日香(前田敦子)は、隣室から聞こえる何かを引っかくような音にへきえきしていた。ある日、鳴りやまない目覚まし時計の音を発端に、隣室で亡くなっている老人を見つけてしまう。それを機に周囲で頻発する怪現象に対する恐怖、老人を救えなかったという罪悪感から、精神的疲労を募らせていく明日香。老人が何かを伝えようとして音を立てていたのではないかと思った彼女は、遺品整理で隣室を訪れる特殊清掃員・笹原(成宮寛貴)とその真意を探ろうとするが。

<感想>物語の舞台となるのは、高度成長期による人口増加と共に全国に急増した団地。かつての日本を象徴する集合住宅もいまや活気を失い、老朽化した建物が静かに立ち並んだ光景はまるで現代の幽霊屋敷のようでもある。本作の団地は「呪われた団地に幽霊が出る」というお決まりの都市伝説を連想させておきながら、実はお約束をどんどん破壊する仕掛けの野心的な映画となっています。

看護師を目指す主人公の明日香に前田敦子がヒロインを演じて、それは顔色が化粧で薄汚れているような感じで、ちょっと恐ろしい顔になっていて、けれど演技の方も力が入ってやり過ぎって感じもしました。お隣の部屋から毎朝5時過ぎにめざまし時計のベルが鳴り響きうるさくて目を覚ましてしまう。しかし、お隣には誰も住んでいないことを知っているから、じっと耐えるしかない。それに、壁越しに聞こえるごん、ごん、ごんという不気味な音が。

それにしても、こんな団地に家族と住んでいて、朝食のシーンが繰り返し映されるのですが、これってもしかして両親も弟も死んでいるのでは?・・・それと、夜に団地の公園で砂遊びをしていたミノル君という男の子も、これはすでに死んでいる子なのかも、なんて序盤からなんとなく分かるストーリーと思ってしまった。

だから、明日香がお隣の部屋へ入っていき、お爺さんの遺体を見つけた時は白目むいている爺さんの顔が怖かったです。最近多いですよね、身寄りのない老人が誰にもみとられることなく死んでいる孤独死って。爺さんの亡霊登場シーンは、部屋の中に散らばる古い写真など猛烈におぞましい雰囲気に満ち溢れて恐怖を煽る。
例えば壊れた三輪車が捨てられている光景を見て、それを片付ける人がいない。つまり誰からも気づかれない「存在」が「時間が止まったままの状態」でそこにいる。もしも、そのことに気づいてしまった人がいたとしたら、それが今回の主人公明日香なんですね。もちろん明日香には霊能力はない。でも、想像力は他の人よりも優れている。それは彼女が大きな喪失感を抱えているから。つまり彼女自身が「時間が止まっている人」なんですね。

明日香は、小学生のころ家族でバス旅行へ出かけて、途中でバスが崖下へ転落して、その時、両親と弟が亡くなり、自分だけ助かったという悲しい過去があるんです。その事故から彼女の時間はずっと止まってしまっているようなのです。だから、旅行へ行く何日か前の朝の家族との会話が、何度も繰り返されてそこで時間が止まってしまっているのでしょう。
だから彼女は死者に思いを馳せることもできる一方、そのことをお隣の老人の部屋に来た遺体清掃会社の成宮寛貴くんに話すのです。彼も事故で愛する彼女を植物人間にしてしまい、いつも心に闇を抱えている人。成宮寛貴くんに紹介してもらった手塚理美さん演じる霊能者から「あなたのやっていることは無責任で残酷なことなんだ」とたしなめられる。

それは、公園で男の子ミノル君が遊んでいて、声をかけて友達になって家の中へ入れてしまったこと。それは死者が見えたことで、他人には見えない存在だから。いつも朝になると、家族を囲んだ食卓が現れるのも、明日香の心に死んだ人との交流を楽しんでいるような感じもしました。

だから、死に憑りつかれてしまった明日香を救うために、霊能力者が祈祷をしてくれるんですが、いやぁ、手塚理美さん最初はそこら辺にいる普通のおばさんだったのに、下ヨシ子風にアレンジしたのか女優魂に火が付いたようで、全身で除霊をしてましたよ。
しかし、除霊をしているときに悪魔が憑りついたみたいに血を吐いて、その後どうしたんだろう、映画の中では明かされてません。
そこへやっぱりミノル君がやって来るんですね。初めは明日香も断ってましたが、だんだんとミノル君の声色が、亡くなった家族の声に変わり、弟の声で「開けてよお姉ちゃん」と言われると辛いですよね。それでも開けなかったのに、墓穴を掘ってしまった成宮寛貴くんが、自分の愛する彼女の声に変わった途端ドアを開けてしまった。だから、ミノル君は成宮寛貴くんを地下の地獄へと連れ去ってしまう。

その地獄とは、ミノル君が子供のころにかくれんぼで遊んでいて、ゴミ置き場の鉄のゴミ箱の中へ隠れて、誰にも見つからず次の朝に清掃車によって焼却炉の中へと。これは恐いですね、ミノル君の身に起こったことが、成宮寛貴くんの身にも起こると言う結末には、どうしてって、そうか彼も事故で死んだかもしれないのに生きているってことを後悔している人。ちょうどこのシーンの時に、宮城県で地震が起きて劇場が揺れるし恐いしで体感度もマックス状態でした。明日香は一人取り残されて、床を掻き毟っていたということで、そのまま養父母に引き取られて行きました。もう明日香は精神が病んでしまっているので、精神病院へ入れないといけませんね、これでは。
今までの『リング』シリーズや『仄暗い水の底から』などから比べると、怖さは半減してますが、しかし地震が加わってなおのこと恐怖が募りました。
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猟犬たちの夜そして復讐という名の牙★★

2013年05月19日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
フレンチ・ノワールの旗手オリヴィエ・マルシャルが脚本を手がけた「猟犬たちの夜/オルフェーヴル河岸36番地、パリ警視庁」の続編で、4話構成、計207分の長編TVドラマ。2011年フランス。DVDは前編と後編に別れていました。
あらすじ:前作で凶悪事件を解決したものの無謀な捜査の責任を取らされて刑務所送りになったヤック刑事(フレデリック・ディファンタール)が出所してくる。
かつて相棒だった殺人班のコンスタンティン刑事(ヤン・サンベール)は、ヤックが全ての罪をかぶってム所入りしたのを知っている。職もなく娘も妻も取り上げられたヤックが、同じように警察をクビになった友人ルイに、ナイトクラブのオーナー、バタアーリアを紹介される。
バターリアはコンスタンティンたちが追っている裏組織のボスだった。やがて武装強盗の情報を得た殺人班が張り込む中、強盗犯の1人としてヤックが現れるのだが、・・・。
<感想>かつて親友だったふたりの刑事がたどる運命を描くノワールアクション。警察内のミスにより、逮捕したマフィアのボス・ドミニクが釈放されてしまう。警視庁の腕利き刑事2人の明暗が別れた生き様が、交差するマルシャル脚本の巧さに唸らされます。とはいっても単にギャング対警察の攻防だけでは、全編後編という脚本の構成がもたない。見どころは何と言っても元警察官というマルシャルの経歴を活かした警察署内のディティールにあると言っていいだろう。
部下たちを守ろうとする女署長のレアや、官僚化した検事局の横やり、殺人班の刑事たちの思惑や、規則一辺倒の嫌らわれ者の班長、内務班による取り調べといった、刑事たちの暴走を規制するさまざまな亀裂が描かれ、ありきたりの刑事ドラマにない奥行を与えている。

その一方で、ギャング側も新しく興ったチンピラ組織とのいざこざや、愛人の裏切りなど、単なる悪玉に止まらない人間的苦悩が描かれていて、クライマックスには服役中の息子を脱獄させるという情愛絡みの犯罪に走るところがせつない。
今回マルシャル自身は、ギャングのボス役で出演。ヤック役には「TAXi」シリーズのフレデリック・ディファンタールと、コンスタンティン役のヤン・サンベールの適役として作品全体を支える重責を担っている。
そして女署長レア役には、マルシャル夫人の、カトリーヌ・マルシャルが続投。監督は前作のニコラ・キッシュに替り、新鋭ティエリー・プティが担当。スケール感はないものの、テンポのいい語り口が取り得ですね。
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バッド・アス ★★

2013年05月18日 | DVD作品ーな行、は行
世界中で話題騒然の激ヤバYouTube動画を映画化した、一触即発のガチンコ・アクション! このジジイ、スゲぇ!
<キャスト&スタッフ>フランク・ベガ…ダニー・トレホ(廣田行生)
ウィリアムズ市長…ロン・パールマン(手塚秀彰)パンサー…チャールズ・S・ダットン(立木文彦)
監督:クレイグ・モス製作:アッシュ・R・シャー
<ストーリー>
ベトナム戦争で受けた心の傷が癒えず、初老になった今でもひとり孤独な日々を送る帰還兵フランク。ある日、バスでチンピラが老人に絡んでいるところに遭遇。見かねた彼はチンピラを殴り飛ばして撃退するが、その時の映像がYouTubeにアップされて、一躍町の有名人に。町のヒーロー“バッド・アス"と呼ばれるようになった彼は、その後も悪党を倒して住民を助けていくが、いつの間にかマフィアとの壮絶な全面戦争に突入してしまう……。
<感想>劇場未公開作品、悪人役ばかりだったダニー・トレホが、あの「マチェーテ」で一躍有名になった。本作では、悪人オッサンや若者が世の中の悪党に逆襲する「自称ヒーロー」映画というのは、いつの世にもそれなりに需要があるというもの。そんなジャンル映画に、ここ数年は1か月に1本ペースで出演作がリリースされる、ダニー・トレホが髭オヤジで登場する物語。
さて内容はいかに、ベトナム戦争で負傷したフランク、面接へ行けば大学卒じゃないとダメとか、何か資格を持っているのかとか言われ、就職も出来ずホットドッグを売り続ける毎日。それでも、傷病手当が出るのもどん底人生。そして、母親も亡くなり、戦争で自分を助けてくれた友人と生活するようになる。
ある日のこと、バスの中で老人に絡むチンピラを叩きのめして、バスに乗っていた若者がYouTubeにアップして、たちまち町のヒーローになってしまう。
だが、その友人がタバコを買いに行くといい、その後悪いヤツラに絡まれて死んでしまう。その時友人からメモリーカードを預かるが、その日から正体不明の男たちの襲撃を受けるようになる。そして、彼は独自に捜査を開始するが、・・・。
本作は2010年にカリフォルニア州オークランドで実際に起こった、バスの中で67歳の爺さんが若者をブッ飛ばす動画が、YouTubeにアップされて、膨大な再生回数を記録した事件をベースにしているという。
かなりご都合主義的な展開ではあるものの、虐げられてきた弱者が、ある事件をきっかけに人生を取り戻していくストーリーは悪くないと思う。年老いても正義のために、若者にもの申すと言わんばかりに立ち向かっていく姿。でも、拳銃で撃ってこられるのは勘弁して欲しい。それでも、友情あり、恋もあり(水色のスーツ姿で)ユーモア満載のアクション篇。
ところがですよ、一か所だけ悪党に襲われてメモリーカードの実態を知るため、その男の手首を台所のデスポーザーの中へと、グロイシーンもあります。
それから、本作のウリであるクライマックスのバスチェイスが、シュワちゃんの「レッドブル」とよく似ているのでパクリ疑惑もあり。悪党がバスを乗っ取り、すかさずダニー・トレホもバスを借りて運転し追いかける。だが、トレホのバスが横転してしまう。悪党のバスも突っ込んでしまい怪我をする。
映画の内容の出来はあまりパットしませんが、低予算なのでこんなもんかと思えばあきらめもつきます。
マチェーテ」で人気復活したダニー・トレホ主演の映画と思って観たのに、残念です。それにムサイあご髭いらなかったのに。それでなくても、ごつい顔してんのに。
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チレラマ CHILLERAMA  -★

2013年05月17日 | た行の映画
原題「Chillerama」2011年アメリカ、4人の監督が作った低予算、低レベルのくだらないB級、いやC級短編映画4本です。なんでも、タランティーノとロドリゲスが大金をかけて「グラインドハウス」を制作したって、だったら俺たちが真の「グラインドハウス根性」を見せてやろうじゃないか、と思ったかどうかはわかりませんが、絶対に思ったに決まってますよ。この「チレラマ」はB級魂があふれるオムニバス映画である。
全4話の監督を務めるの面々は、「フローズン」のアダム・グリーン、「クライモリ デッド・エンド」のジョー・リンチ、「スモール・ソルジャー」脚本のアダム・リフキン、「2001人の狂宴」監督のティム・サリヴァンです。いずれも血と内臓が乱れ飛ぶエクスプロイテーション映画に魂を売り渡した強者ぞろいです。アダム・グリーン監督作の「フローズン」は見ましたが、他は見てません。
ホラー・オムニバスの金字塔「クリープショー」と同様、「チレラマ」では「ゾンBムービー」という物語が本編をサンドイッチするという形式。この「ゾンBムービー」からして、最後のドライブイン・シアターが最終興行を打つという、内容なのだから。
そう、この作品は、一見お遊び感覚で、「グラインドハウス」ごっこを楽しむ映画に見えるが、根っこの部分ではB級エクスプロイテーション映画人の心意気がメラメラと燃え盛っているという。

問題を抱えた場末のドライブイン・シアターを舞台に物語は進みます。いよいよ今晩でシアターが閉館となり、上映する映画は1本目がこれ。
巨大な精子が街を襲う!「精子怪獣ワジラ」監督:アダム・リフキン
ある男の精子がよれよれのⅠ匹で、博士がその精子を元気にしてやろうと薬を開発します。その薬を飲んだ男は、薬の副作用で巨大化した精子が大暴れ!・・・その精子が女性の股間に飛び込むし、どうやら濡れた場所を好むらしいのだ。そして、どうなったのかというと、その巨大な精子が自由の女神像をレイプするって、どういうこと。軍隊が出動して大砲をドカーンと。そうそう将軍役にエリック・ロバーツが、こんなに落ち目にになっているなんてね、妹なんとかしなさいよ。こんな映画金払って見るもんじゃないよ。でも後3本あるんだからさ。

次は、「ヤングクマ男の絶叫」監督:ティム・サリヴァン
主人公は、自分を助けてくれた不良に夢中になります。ところが、その不良は、まるで狼男のように熊に変身してしまう『熊男』だったのです。彼におしりを噛まれた主人公の運命は…。おしりを噛まれて目覚めちゃった!
唐突にはじまるハイスクール・ミュージカル的展開に爆笑必至。ゲイのミュージカルですな。主人公には彼女がいたのですが、脳みそが飛び出しバカになってしまい、母親には「実はお前はガチホモなんだよ」と宣告されるしで。クールでカッコいい男たちにおしり噛まれるて、ゲイになってしまうという落ち。
で3番目は、「アンネ・フランケンシュタインの日記」監督:アダム・グリーン
フランク家に隠されていた日記は、禁断の蘇生実験記録だった~という。ヒトラーが人造人間を造る話です。
隠れ家に見を寄せ合っているアンネ・フランクとその家族のところへ、ナチスがやってくる。アンネたちはその場で殺されてしまいます。実は、ヒトラーは、ある1冊の日記を探していて、それが、『アンネ・フランケンシュタインの日記』だったのです。そこには、ユダヤ人フランク家に代々伝わる人造人間の作り方が書かれていたのである。フランケンシュタインを短くしてフランクなのか?・・・そしてちょっと可愛い怪人ゴーレムが生まれた。
最後が最悪、うんこゾンビです。今までの映画が上映されているシアターで最後がうんこ映画なんて、あほですから。今からサプリミナル効果で便意を催す映画をですね、・・・これは本当に嫌な予感がした。そんなバカな映画を観ている間にゾンビウイルスが蔓延して、売店のポップコーンの中にあの1番目の精子強壮剤が原因なんですよ。だから、ポップコーンを食べた観客が一斉にゾンビ化して、襲うというよりもゾンビが欲情してセックスの乱交パーティだ。血というよりも蛍光色のゲロや血か?・・・よく分からんこんな映画。
ストーリーもそれぞれサイテーで、巨大化した精子はかつてのアトミック・モンスターのように人類に襲い掛かる。「心霊移植人間」ならぬ「ティーンエイジ熊人間」は、ホモと化して男の尻を求めて、夜道を徘徊する。ヒトラーは、アンネ・フランクの隠れやから発見した文書に基づいて、人造人間を作り上げる。と思ったら、ゴーレムだった。そしてうんこゾンビが映画館に溢れかえる。本作は安っぽくて下品で、劣情に訴え、観ている人たちに怒りと憤慨を起こさせる、B級映画、低俗映画、観終わって何もなし。
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魔女と呼ばれた少女  ★★★

2013年05月16日 | ま行の映画
アフリカの少年兵問題をテーマにしたドラマ。紛争が泥沼化する一方のコンゴ民主共和国を舞台に、拉致されて反政府軍の兵士となった上に亡霊が見える力に目覚めた少女がたどる波乱の運命と恋の行方を見つめていく。メガホンを取るのは、カナダのキム・グエン。ヒロインのコモナには、監督が自ら選んだ新星ラシェル・ムワンザ。機関銃を構える兵士と恋に胸を弾ませる少女、二つの顔を見事に演じ切り、ベルリン国際映画祭とトライベッカ映画祭で主演女優賞を受賞している。幻惑的な映像も見どころだ。

あらすじ:紛争終結の兆しがまったく見えない、コンゴ民主共和国。水辺の村でのどかに暮らしていた14歳の少女コモナ(ラシェル・ムワンザ)は、突如として反政府軍に拉致されてしまう。反政府軍の兵士としてゲリラ戦に駆り出される彼女だったが、亡くなった人々に導かれて戦いを勝利に導いていく。そんな亡霊が見える力に目覚めたことから、周囲から魔女として崇拝されるコモナ。
敵を撃つその銃はどこから来たのか、山から集める黒い石はどこへ行くのか、彼女は何も知らない。しかし、ふとしたきっかけで自分がいずれ殺害されることを悟ってしまった彼女は、恋仲になった少年と逃避行を繰り広げることに。

<感想>世界中の映画祭で高い評価を受けた、アフリカサハラ砂漠の南にある小さな村から、連れ去られた少女の運命をたどる衝撃作である。映画というよりドキュメンタリーに近い。現場そのものを撮影したのではないかと思えるリアリティー溢れる感じがした。
両親のもとから拉致され、脅迫と洗脳により反政府軍の少年兵にさせられた「ジョノー・マッド・ドッグ」(10)や、他にも両親が殺され少年たちが連れ去られ、銃をもたされて兵士になり人を平気で殺す映画「シティ・オブ・ゴッド」などを、たくさん観てきました。
しかもこちらはなんと少女。同様にか細い腕に銃を持たされ、麻薬で思考を封じ込められ殺人兵器に変えられた、無垢な子供たちのとてつもない悲劇を、ときにリアルに、ときには自らの手で殺すことになった両親の幽霊に導かれるような、メルヘンチックに描くなど、詩的な映像表現も見事です。

両親の射殺を強要された12歳の少女が、反政府組織のゲリラとして生きる物語はすこぶる魅力的だし、街頭で見つけたという少女コモナ・ヒロイン役のラシェル・ムワンザの力強い眼差しが凛々しく映っていました。だが、子共による残虐なシーンやセックスにカメラを背ける品行方正ぶりは、子供に見せても安心であるかと思うのだが、反政府軍の男たちが少女を女として性の処理に使っているのは許せないと思う。

物語の展開として、組織リーダーから囲われて、男を惹きつける魔女として生きる主人公の妖艶さが、モノローグ以上には伝わってこないのも残念です。ヌボ~と佇む亡霊たち、ヒロインと恋に落ちるアルビノ少年など、ムードもビジュアルも寓話的なものにしている。だからなのか「小さな恋のメロディ」ともいうべきボーイ・ミーツ・ガールな展開にも微笑ましく感じられ、殺伐とした戦場で、いじらしい恋物語まで描く細やかさにも心が震えます。
だが、麻薬やレイプでがんじがらめにされて、幼い手に銃を持ち殺し合い、兵士としての証として、親にさえ銃口を向けさせられる非情さ。児童兵の描写には一気にガツンときます。血と汗と喧騒が渦巻く映画を期待すると、肩透かしをくらいますよ。この映画では、立派な大人が理不尽な行いで幼い子供たちを兵士に仕立て上げ、戦争の道具として小さな命を犠牲にする。戦争の愚かさに気付かない大人たち、自分の国をこれからの世代を担う子供たちに対して、こんな愚かな行為をするとは本当に情けなくて涙が出ます。「犠牲者はいつも子供たちであること」、というメッセージが込められていると思いますね。
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聖☆おにいさん ★★★

2013年05月15日 | さ行の映画
『荒川アンダー ザ ブリッジ』でも知られる人気ギャグ漫画家・中村光が、東京の立川でなぜか2人一緒にバカンスを過ごす“聖人”コンビ、イエスとブッダを主人公に、彼らが下界で繰り広げる生活感あふれる日常の日々を究極のカルチャー・ギャップとそれぞれの宗教や逸話にまつわる小ネタギャグを織り交ぜ、ほのぼのとしたタッチで綴った同名大ヒット・コミックスをアニメ映画化。声の出演はイエス役に「モテキ」の森山未來、ブッダ役にミュージシャンとしても活躍する星野源。監督はTVアニメ「THE IDOLM@STER アイドルマスター」でシリーズ演出を務めた高雄統子。

あらすじ:お笑い好きで無計画な浪費家のイエスとお金に厳しく慎重派のブッダ。世紀末を無事に超えた2人は、立川のアパートをシェアして下界のバカンスを満喫中。地元商店街の人々との交流を通じて様々な風習や文化に触れ、庶民の生活と日本の四季を堪能していた。しかし、お忍びで下界に来ている2人は、大家の松田さんにニート疑惑を持たれたり、油断しているとすぐに奇跡を起こしてしまったりと、そのほのぼのライフにはスリルとワンダーが詰まっていた。

<感想>漫画家・中村光の人気コミックをアニメ映画化したもの。イエスとブッダの聖人コンビが庶民的な生活を送りながら、日本の文化や四季を堪能するようすをコミカルに綴っている。イエス役には森山未來、ブッダ役に星野源といったボイス・キャストの配役も魅力的でよかった。
イエスとブッダは、風呂なし&ペット禁止の格安アパートに暮らしている。天界にいたときから、旅行雑誌で地上の下調べは万全のイエス&ブッダ。有給休暇をとり、地上でバカンスを過ごすことになるのだが、戒律により飲酒できないブッダは、ノンアルコール飲料を堪能。

そしてベジタリアンなので料理が得意なブッタが作るのは鍋が多い。町のコンビニに行ったイエスはジョニデに間違われて嬉しそうに帰ってくるし、サウナへ行けば、ヤクザがイエスの腹の刺し傷を見て同業者と勘違い。父親のゼウスによって3日でこの世に蘇えって来たのを、刑務所から3日で出所できたと、どこぞの組の二代目だと勘違い。どちらかというとイエスは我儘なお坊ちゃんのようで、ブッタはしっかりものでお金も節約家である。
2人でデズニーランドへ行けば、入園料に成人料金8000円だと言われ、聖人と勘違いするし、ブラックサンダーマウンテンに乗るのに、ブッタはお経を唱えるし、絶叫するイエスのところへ天使が助けに来てくれるなど、その間にお土産買いたいとイエスが言うが、ブッタはライトパレードが電飾で綺麗なので見たいと言うし、それでも花火が夜空に上がって綺麗だった。

季節は春で桜の花が綺麗です。特売品を求めてスーパーへ。トイレットペーパーが89円という激安なので絶対に買いたいと、だが、イエスの寄り道のせいで買い逃すありさま。仕方なく同じ値段の1本89円の大根を買う。しかし、向かいの八百屋で大根78円で売っていたのにブッタはがっかりする。帰り道にコロッケ買い食いするし、近所の悪がきが2人をエイリアンと思い、ボタン星人だと言いながらブッタの額のホクロを狙って、ゴム弾で狙い撃ちだ。ブッタのマトリックス状態で、弾を避けるさまは見ものですぞ。

それにプールに行く2人の騒動は面白くて笑いが止まりません。イエスは泳げないんですよ。それでプールの水をモーゼの「十戒」みたいに真ん中から割ってしまうんですから。
銭湯を初体験。あまりの心地よさに復活以来の“生き返り”を実感する。2人は神のパワーで起こしてしまう奇跡を隠しながら、日本の生活に馴染んでいくのである。近くの神社でお祭りが、わたあめは雲みたいだといい、かき氷の赤いシロップで唇が真っ赤になるブッタ。頭のブツブツに綿あめがついてしまい、それを水で洗い流そうと隠れて髪の毛を洗うところも、ブッタの頭のパンチパーマのようなブツブツは、ほどくと長いストレートの髪になっていて、それをクルクルと巻いていたんですね。

それに2人でお神輿担いで楽しそうでした。おみくじも大吉で、これは天界からのサービスだね。接待おみくじか、そういうのあってもいいかも。
いよいよ12月24日が近付き、クリスマスです。イエスの誕生日でもあるので、ブッタはバースデーケーキとプレゼントを買いにそわそわです。当人のイエスは自分の誕生日のことは忘れていて、クリスマスのことばかり。イエスはフライドチキンが食べたい、七面鳥の丸焼きがいいとか、玄関に本物の鶏や七面鳥が天からプレゼントって。ブッタは鍋を作っていたのだ。ケーキの名前もヘブライ語のヨシワでお願いしたのに、よしや君になっていた。
アニメの背景の東京立川周辺の四季折々の景色が、のどかでシンプルだけど温かい町並みを感じるのが最高。神さま2人の珍道中、何故だか日本を選んだんだね、エキゾチックジャパン!私たちが住んでいる日本を満喫している2人の神様、こんなアニメがあったなんて知らなかった。さっそく、原作漫画読まなくちゃね。
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県庁おもてなし課 ★★★

2013年05月14日 | アクション映画ーカ行

「図書館戦争」などで人気の有川浩の小説を、『阪急電車 片道15分の奇跡』の三宅喜重監督と脚本家・岡田惠和の再タッグで映画化。高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台に、職員たちが高知の観光振興のためひた走る姿を描く。主演は関ジャニ∞の錦戸亮、彼と一緒に数々の難題に立ち向かうヒロインにはNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の堀北真希。共演には高良健吾、関めぐみに加えて、ベテラン船越英一郎らがそろう。
あらすじ:観光の促進を円滑にするために高知県庁は「おもてなし課」を設立。若手職員・掛水(錦戸亮)を中心としたメンバーたちが何をすべきかわからず困惑していると、地元出身の作家・吉門(高良健吾)から役所気質と民間感覚のズレを痛烈に批判される。発奮した掛水は柔軟な発想力を持つアルバイトの多紀(堀北真希)と共に、本当のおもてなしを見つけ出すべく奔走する。

<感想>作家・有川浩が高知県庁に実在する「おもてなし課」をモデルにしたというが、地元出身の有川が高知県親善大使に選ばれたことからアイデアが生まれたという。フィクションと現実が融合したユニークな内容です。空気の読めない県庁の若手職員の掛水を演じる錦戸亮くん、「ちょんまげぷりん」以来ですよね。イケメンで爽やかで関ジャニ∞メンバーの中でもダントツにいい男です。それに多紀を演じる堀北真希ちゃんとの淡い恋愛劇もいい感じで、そこへもう一組のカップル高良健吾と関めぐみの恋愛模様も含めて、高知県の魅力を満喫させてくれる。中盤で二人の高知県をガイドするアニメが投入されてます。

高知県とくればやっぱ私には「坂本龍馬」ですし、観光名所は「はりまや橋」と桂浜海岸の龍馬像にともっとたくさんあったと思うんですが、20年前に四国観光で行っただけなので、高知県限定で旅行したことはないです。

それでも、この映画の中では、高知県をみんなに知ってもらいたいという「おもてなし課」のみんなが一生懸命にPRする。他にもたくさん高知のいいところがあるんだと、頑張っている。

やっぱり主人公の錦戸くんに一番目がいってしまうのは仕方がないことで、高知の女は気が強いと聞いていたが、なんと清遠の娘、佐和に玄関前でバケツの水を掛けられ、挙句に平手打ちをくらうとは、実に草食系男子の見本。それと、堀北真希ちゃん演じる多紀が、自転車で通勤するのにその速さといったら、それにも負けている掛水。クリーニングの代金で佐和とやりとりするシーンや、吉門喬介演じる高良健吾が実は佐和とは義理の兄妹だったということも。

何年ぶりかで育った家を訪ねてきた高良健吾に、本当は一番会いたい人で恋もしているという感じを、空気の読めない掛水が佐和を追い掛けて慰めるのに、平手打ちをお見舞いする気丈さに、高知の女は気が強いし酒も強いと見た。
その帰りの車の中で喧嘩をする掛水と多紀。これも男ってどうして女の子の心が分からないのかと観ていてそう思った。でも、途中で降りて電車で帰ると強がり言っていた多紀も、思い直して迎えに来た掛水を許してあげるのも男と女のラブストーリーですよね。語尾にニャア、ニャア付ける高知弁も何だか愛嬌があっていいです。

かつて県庁職員だった清遠の船越さん、独創的なプランで「パンダ誘致論」を強く主張し、上層部と対立し県庁から追い出されてしまった。現在は民宿経営と観光コンサルタントを務めているのだが、清遠から提案されたのは、自然に恵まれた「県全体のレジャーランド化」という斬新な構想だった。そのアイディ料として500万円出せとは。掛水は清遠の勧めで候補地に足を運び、パラグライダーで空の上から、高知の自然美を満喫。それに四万十川の川下りに、高知城といった観光ガイドとしても楽しめる作品ですよ。
また、野菜、鮮魚、雑貨などゴッタ煮感覚で売られている高知市の日曜市がお祭りみたいでいい。それと掛水と多紀が食べるアイスクリンに芋揚げとか、大自然とおもしろ名物高知のウマみがぎっしり詰まっていて、行ってみたい高知県ですよね。
その「レジャーランド計画」なるものには、道路の整備や、トイレの整備とか難題が山積で、資金の問題が浮上してさらには上層部の命令で清遠が身を引くことになるのだが。アイデアはいいのですが、別に清遠さんがいないとダメなわけでもなく、高知県事態たくさん観光するところあるし、うまいもんもあるし、問題ないのじゃないかしらね。
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