パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

グリフィン家のウエディングノート ★★★

2014年01月31日 | か行の映画
ロバート・デ・ニーロ、キャサリン・ハイグルなど豪華キャストが出演し、10年ぶりに集結した家族の結婚式でのドタバタを描くコメディードラマ。奔放な父親を中心にオープンだが実はそれぞれに秘密を隠し持つ一家が、最も幸せで神聖なはずの結婚式でエッチなネタ全開の無礼講を繰り広げる。メガホンを取るのは、『最高の人生の見つけ方』で脚本を手掛けたジャスティン・ザッカム。ダイアン・キートンやスーザン・サランドン、ロビン・ウィリアムズも共演を果たした実力派の出演陣による丁々発止のやり取りに笑いが止まらない。
あらすじ:型破りな彫刻家のドン(ロバート・デ・ニーロ)をはじめ、家族中がオープンなグリフィン一家。養子である次男アレハンドロ(ベン・バーンズ)の結婚式に実の母親が訪れることになり、信心深い彼女の手前、ドンは離婚したエリー(ダイアン・キートン)と共に結婚式限定で夫婦を装うことに。しかし、グリフィン家の面々が隠し持つ秘密が次々と露呈。せっかくの計画が見事に崩れてしまい……。

<感想>なんとまぁ、ロバート・デ・ニーロ、ダイアン・キートン、スーザン・サランドン、アマンダ・セイフライド、キャサリン・ハイグル、ベン・バーンズに神父役のロビン・ウィリアムズと、超豪華スターが一堂に集結する結婚式騒動曲です。それに、デ・ニーロらオスカー俳優たちがまさかの下ネタギャグに挑んでおり、驚かされます。

息子が結婚することになり、自由奔放な芸術家のドンが、結婚式限定で別れた妻のエリーと元サヤ収まることになるわけ。それは結婚式参加者たちへの世間体からの緊急措置だったのだが、どういうわけか、元夫婦の焼けぼっくいに火が点いてしまい、結婚式は大波乱の模様になってしまう。家族それぞれが、隠していた秘密が次々と明らかになり、大騒ぎに。

つまり、ドンには元妻の友人だったビービー、スーザン・サランドンが、ドンと出来てしまい結局は夫婦は離婚ということになる。その後は、屋敷に入り込み事実上の夫婦生活を送っていたサランドンが、世間体から家を追い出されるということに。それで、黙って引き下がる女ではないサランドンは、結婚式の給仕役で結婚式に登場するんですね。
その他にも、長女のライラのキャサリン・ハイグルが、子供が出来ないという不妊が理由で夫と険悪ムードになってイライラしっぱなし。長男のジャレッドは、大病院に勤める医師だが、理想の女性を求めるあまりに、30歳を目の前にしてまだ童貞。結婚式に来ていた、養子で弟のアレハンドロの妹に惹かれてしまう。

その妹はコロンビア生まれで、男と見たらすぐに誘惑してベッドインという軽い女。長男の童貞を守るために、実母のエリーがその妹に入れ知恵してうまく収めるが、最後にはやっぱりいい仲になってしまう。そして、長女のライラも、妊娠していたなんて自分で知らなかったとはね。夫婦円満の解決は、夫を電話で呼び出して妊娠の報告をすることです。

花嫁のメリッサは、教会で式を挙げたいのに、婚約者のアレハンドロに信仰心がないことから、神父の講習を受けることに。この花嫁の両親も脱税疑惑で問題を抱えている。
結婚式前って、両家がそろって食事会があったり、宿泊先の手配とか結婚式会場も新郎新婦のどちらかの家の庭で挙げるのよね。それはそれで、華やかで楽しいし、信仰する宗教が違えば嵐の予感がするわ。超めんどくさいと思うけれど、両家の親族が顔合わせをする場だと割り切ればいいんですから。

エッチと汚物ネタが満載だけど、「最高の人生の見つけ方」の脚本を手掛けたジャスティン・ザッカム監督なので、ラストではまるっと大団円に収まるのです。
でも、最後に花嫁、花婿よりも、デ・ニーロとスーザン・サランドンの結婚式もあって、少し目立ちすぎじゃない、なんて思いましたね。
2014年劇場鑑賞作品・・・26  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (6)

ビッグ・ピクチャー ★★.5

2014年01月31日 | DVD作品ーな行、は行
ダグラス・ケネディの同名サスペンス小説を、舞台をフランスに移し替えて映像化。出演はロマン・デュリス、マリナ・フォイスとカトリーヌ・ドヌーブ。パリで弁護士として活躍するポールには、美しい妻サラと二人の娘がいた。ある日ポールは、サラが隣に住む売れない写真家グレゴワールと不倫関係にあることを知る。隣家を訪れたポールは思わずグレゴワールを殴り殺してしまうが、自分の娘を「犯罪者の子供」にしたくないと、グレゴワールに成りすまして生きることを決意。死体を始末し東欧へ飛び立ったポールは、写真家として新聞社と契約し働き始めるのだが…。
<感想>劇場未公開作品。パリで法律事務所を共同経営し、美しい妻のサラと2人の子どもにも恵まれているエリート弁護士のポール。ところがある日、日頃からの疑いが的中して、隣に住む写真家のグレッグと妻のサラが浮気していたことを知ったポールは、ついカッとして彼を殴り殺してしまう。事態の発覚を恐れたポールは、死体を棄てると自分も事故死したことにして、グレッグに成りすまして東欧の地方都市で写真家としていきるのだが、・・・。

とまぁ、あらすじはこうなのだが、主人公・ポールを演じるのは、「タイピスト!」「ハートブレイカー」「ムード・インディゴ うたかたの日々」のロマン・デュリス。ポールのビジネス・パートナー役でフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴが出演、豪華に脇を固める。
本作は、ダグラス・ケネディのミステリをフランスで翻訳映画化したものなのですね。殺人を犯してしまった男が、第三者に化けて逃亡する内容だが、死体の処理や自らの死の偽装とか、パスポートの書き換えと。「太陽がいっぱい」の時代ならともかく、情報管理社会の先進国でこんなことが可能なのだろうか。そういう疑問とか、残念なことにストーリー展開に説得力がないのがつまんないですよね。
主人公の行動パターンに疑問が多すぎるし、何かがバレそうになる訳でもないのに、1人で勝手に焦っている描写にサスペンスはありませんですから。
それに、隠遁生活を送らなければならないのに、そもそも裕福な弁護士の上に、趣味の写真の腕前も一流っておかしいでしょうに。そんな彼が、写真家として脚光を浴びるとか、そんなこと笑い話にしかならない。
ここまでくるとミステリーとして観るにはガッカリな気がします。1人の男の逃亡劇を心象風景と共に描いたちょっと変わったロードムービーですよ。しかし、身分を捨てて別人として生きる。つまり妻が浮気した相手で、自分が殺してしまった男として生きるには、アメリカよりもヨーロッパという舞台は効果的だし、過去を失くした男の彷徨いぶりが、寒々とした風景にもハマっていてとてもいい。

贅沢なのは、主人公の勤めている弁護士事務所のオーナーが、カトリーヌ・ドヌーヴってどういうこと。それも、自分は会社を辞めて全部ポールに譲るというのだから。弁護士ならいくらでも自分が殺人を犯したことを、正当防衛とかで無罪にできるでしょうに。それを無駄にして、逃亡劇をしてバレそうになると、また他の地へと逃げるとは。
原題の「自分の人生を生きたかった男」という映画のタイトルが示すとおり、主人公ポールは、妻の不倫相手を殺してしまった後、その男になりすまして、子供のころからの憧れだった写真家として新たな人生を送り始める・・・。
何となく「太陽がいっぱい」を彷彿とさせるサスペンスフルなノワールタッチの傑作ミステリーに仕上がっている。
主人公が最後にとった行動が、写真の個展を開き脚光を浴びて、NYでも個展を開かないかというオーナーからの誘いを断って、一人南米へ逃亡するエピソードが、悪徳密航をする船で唐突な尻切れな最後には、この先どうなることやら?・・・という不穏なオチで締め括っているのがミステリーなのかもしれないですね。
2014年DVD鑑賞作品・・・6  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


小さいおうち ★★★★

2014年01月30日 | た行の映画
第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、名匠・山田洋次が実写化したラブストーリー。とある屋敷でお手伝いさんだった親類が残した大学ノートを手にした青年が、そこにつづられていた恋愛模様とその裏に秘められた意外な真実を知る姿をハートウオーミングかつノスタルジックに描き出す。松たか子、黒木華、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子ら、実力派やベテランが結集。昭和モダンの建築様式を徹底再現した、舞台となる「小さいおうち」のセットにも目を見張る。
あらすじ:健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。

<感想>昭和の始め頃の東京の小さな家で働く女中さんと、その時代の描き方がとても良く出ているので、人物のデッサンがきちんとしているし、ドラマの骨格もしっかりとしていて、安心して観ることができました。
冒頭でのおばあちゃんの葬式から、彼女の部屋を片付けることで日記を発見して、おばあちゃんの歴史を孫たちが辿るという設定が「永遠の0」と良く似ているようですね。タキの古い手紙を見つけて、親類であった妻夫木聡がタキが奉公をしていた家の息子を訪ねるという物語。
そこには、若いころに女中をしていた「小さなおうち」の出来事で、何か秘密があるような、年老いたタキの部屋を訪ねた時に、健史に何やら話したい素振りを見せながら泣き崩れる姿に、そんな悲痛な感銘が込み上げてきます。

戦前の中流家庭の女中奉公の話であるが、タキという中心人物の女中さんが、本当に素直で献身的に働く女性であり、雇い主の夫婦がまた、それに感謝をして、よく言う「家族同様」の人間関係と雇用関係がそこでは成り立っているから、そこにはドラマらしい矛盾や対立などは、何もないように思われる。

ところが、矛盾は意外なところから現れるのですね。タキは主人夫婦に、特に奥様の美しさや人柄の良さに心酔して、あくまでも忠実だが、その忠実さには普通の主従関係のそれを超えたところがあるようだ。
田舎ものの自分と比べて、奥様の立ち居振る舞いや装いなど、本当に憧れの存在であり、その息子が小児麻痺で歩けなくなり、リハビリに励むタキの様子は、奥様に対してのいたわりであり、夫から奥様にそんな子供を産んだという負い目を庇うような頑張りでした。
というか、もうレズビアンのような、憧れが奥様を愛してやまない存在になり、だから奥様が不倫に走ろうとしていることを知った時も、自分の判断でそれを妨害したのである。それが忠義のつもりなのか、いや敬愛する奥様に過ちを犯させたくなかった。
その奥様が、召集令状が届いた不倫相手の板倉の元へと、会いにいくところを玄関先で止め、無理やり手紙を書かせて自分が届けるという役目を果たさなかったのである。
奥様の板倉への想いを知っていながら、手紙の封をしたまま死ぬまで開けなかったタキさんの痛恨の心がこの映画の神髄となっています。

戦時中の日本では、封建社会の道徳が色濃く残っていた時代で、ましてや不義密通なんてことになると本人は重罪となり、夫も息子も、親戚さえも社会からはじき出されてしまいます。ですから、この場合、女中であるタキさんがとった行動は、どうみても懸命な行動で良かったのではないかしら。
だが、この主人夫婦は、それからまもなく空襲の時に入った防空壕で、二人とも死んだと知ってから、タキは深い悔根に捉われる。どうしてかというと、奥様がそんな死に方をするくらいなら、不倫を成就させてあげた方がむしろ良かったのではないか。気の毒なことをしたと。

あの時、奥様が自分に託した愛人、板倉宛への手紙を、相手に渡さなかったという事実が想像されるだけなのであるが、そういうタキの思いを通じて回想された戦時下の恋人たちの悲劇が、この作品に苦い思い出だけでは終わらない悲痛な味わいを残すことになります。
タキが、ちょっと出過ぎた行動は、彼女がこの家に来る前に、やはり女中として働いていた小説家の家の主人から教わった、模範的な召使の有り方についての話の影響であるかのような伏線が、実は張ってあるのだが。この小説家の主人には「東京物語」の橋爪功、吉行和子が夫婦が演じている。

この女中としての若き日のタキには、黒木華が演じており、その行動を、今でも悩んでいる年老いた彼女を演じているのが、倍賞千恵子である。奥様には松たか子さんと3人の女優さんたちの圧巻の演技に、最後までじっくりと見せる作品になっています。
最後に見せた、タキのいつもの優しく温かい表情とは違う深刻な顔、悩んでいるようなせつなく悔やんでいるような、泣き崩れる顔。善も悪もまったく微妙で、タキが善意でやったつもりが、じつは酷いことだったかもしれないという悩みである。
タキの行動は、果たして戦前の封建的な主従関係を超えたものだったのか。身分関係を超えた人間関係が描けているところに、この作品の良さがあるといっていいでしょう。
2014年劇場鑑賞作品・・・25  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (26)

楽隊のうさぎ ★★★.5

2014年01月30日 | アクション映画ーカ行
引っ込み思案な中学生が吹奏楽部に入部したことから音楽の面白さに目覚める姿を描いた中沢けい原作の小説を、『ゲゲゲの女房』などの鈴木卓爾監督が映画化した青春ドラマ。主演の川崎航星をはじめ46人の生徒役には、舞台となった浜松市在住の子どもを中心に、オーディションにより抜てきした。宮崎将、井浦新、鈴木砂羽などが脇を固める。子どもたちの生き生きとした様子や、ライブ収録で撮影されたクライマックスの演奏会が印象的。
あらすじ:授業が終わったら、早く帰りたいと願う中学1年生の奥田克久(川崎航星)は、ある日、不思議なうさぎを追い掛けたことがきっかけで吹奏楽部に入部。吹奏楽部は練習時間が最も長いクラブだったが、克久は次第に音楽に夢中になっていく。そして定期演奏会に向けて練習に励んできた克久は、ついにその日を迎える。

<感想>街に出て時間が空いていたので鑑賞した。それが意外に良かった。オーディションで選ばれた46人の子供を起用して、中学生の吹奏楽部の部活動を中心に、友達とのいざこざや自分の中の葛藤に悩みながら、成長していく部員たちの姿を丁寧に描いています。

中でも、部活に関心のない主人公少年を吹奏楽部へと誘導する“うさぎ”の存在が謎で、この少年にしか見えないというのも意味ありげなのだが、このうさぎ以外は、かなり誠実でリアルな作品に仕上がっている。

それに中学生たちの表情がいい。この時期にしか見せない表情がうまく捉えられている。児童映画的な邪気のない物語の中で、素人の子供たちが映画の中の時間を、生き生きとして楽器を奏でる。そこから発せられる音に、個性が感じられことに幸せな気分になる。
それに、主人公の無口が尋常じゃなく、あの宮崎将が饒舌に見えるくらいである。もっとも女の子はみんな、お喋りで少年は彼女たちの言葉によって、未知の世界に引き出される感じでもある。

パシリをやらされている少年が、吹奏楽を通じて、自分の居場所、そして自分の声を見つけるまでの物語でもある。たっぷりと時間をかけて、自分の楽器のエキスパートになるのも大変なもの。地域の人たちも吹奏楽好きっていう細部が効いていてこれも良し。
子供たちも演奏を含めてそれぞれに好演しているのもいい。相手の音を良く聴いて、自分の音をどう響かせるかという先生の言葉に、なるほどと感心したり、親たちを殆ど介入させず、部活と子供たちの話だけに絞っているのも、観ていて気持ちが良かった。ラストの演奏にもワクワクですよ。
2014年劇場鑑賞作品・・・24  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (2)

エデン ★★

2014年01月30日 | DVD作品ーあ行
囚われた少女たち。穢れた秘密の園から、逃れることができるのか――
アメリカで実際に起きた人身売買事件を元にした衝撃の監禁シチュエーションサスペンス! !
主演はエデンに『エンジェル ウォーズ』のジェイミー・チャン。ボーン : マット・オリアリー「スパイ・キッズ2、3」監督 : ミーガン・グリフィス
あらすじ:1994年。ニューメキシコに住むヒョンジェ(ジェイミー・チャン)は、
バーで知り合った男性の車に乗ると、そのまま拉致。ラスベガスに密輸されてしまう。そして名前を「エデン」とされ、売春宿での生活を強いられることに。
始めは強く抵抗していたものの、次第に生きるためにその生活を受け入れて行き、地位を築くエデン。しかし、ある再会をきっかけに、再び逃げ出す決意をする。(Amazonより)

<感想>誘拐、人身売買、売春、実際にアメリカで起こった事件を基に描かれている衝撃の監禁シチュエーション・サスペンスである。
冒頭でこれは実話であると、一瞬びびるが、これはようするにアップデイトされた女囚もの、ウーマン・プリズン映画である。これを撮ったのが女性監督だっていうのだから。
果てしなくだだっ広いアメリカの何処かに、全米各地から誘拐されてきた少女たちを監禁する農場がある。人身売買組織は黒人、アジア、ヒスパニック、東欧とあらゆる人種の少女たちを取り揃え、顧客のオーダーに合わせて派遣するのだ。

少女たちは足に発信機を付けられ、逃げ出そうものなら容赦なく殺される。真面目に勤めあげても、ババアになったら殺される。かれらの言うババアとは、19歳のこと。まさに絶望的な少女監禁シチュエーション・サスペンス物語。
実際、サイコ路線よりなので、レズの刑務所所長とか放水マシンとか、ある意味「牧歌的」な女囚映画のイコンは出て来ません。
その代りといちゃなんだけど「両親がカルト宗教に狂って育児放棄され、字も読めない」みたいなウンザリするほどリアルなヤク中が看守役だったりもする。
女たちも違法移民の子供だったりして、英語すら話せないく怪しい。
しかしですよ、怖いと思ったのが、この組織って誘拐されてきて絶望している少女たちに、子猫をあげて世話させるのよね。
「お前たちにはまず責任感を学んでほしい」とか言って。女の子たちは競って猫を可愛がるわけ。
この段階でもう「支配されている」「支配している」関係がぐにゃっと歪んでしまう。この気持悪さって、AV女優たちが、強面の事務所に監禁生活させられて、座敷犬とか飼っちゃって、環境に順応してる感じがした。
これって日本の「尼崎監禁事件」なんかと通じるところがあると思う。必死で逃げても周囲は、「まぁ怖い」と、遠巻きに眺めているだけで助けてはくれない。
というか、殆どがヤーさん絡みなのでかかわりたくない。もはやウーマンプリズンものに鉄格子とか、凝ったセットはいらない。
唯一主人公19歳の韓国人少女を演じるジェイミー・チャンは、御年・今年の4月で30歳。「ハングオーバー!!!最後の反省会」や、「アイアン・フィスト」に出ている女優さんです。監禁組織に囚われながらも、救出の機会を狙っているタフな韓国系移民のヒロイン役。現在は制作中の「SIN CITY2」で、デヴォン青木に代わって無口な女用心棒ミホを演じています。
2014年DVD鑑賞作品・・・5  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


THE ICEMAN 氷の処刑人 ★★★★

2014年01月29日 | アクション映画ーカ行
「テイク・シェルター」のマイケル・シャノンが“アイスマン”と呼ばれた実在の殺し屋リチャード・ククリンスキーを演じる衝撃のクライム・ドラマ。周囲には良き家庭人として知られる一方、約20年間で100人以上といわれる殺人に関わった冷酷無比な男の恐るべき二重生活の実態とその心の闇を描き出す。共演はウィノナ・ライダー、ジェームズ・フランコ、レイ・リオッタ、クリス・エヴァンス。監督はこれが長編3作目のアリエル・ヴロメン。
あらすじ:1964年。美しい女性デボラを射止め、子宝にも恵まれたリチャード・ククリンスキー。平穏な日々を送っていた彼だったが、ひょんなことからその度胸を見込まれ、ギャングのロイから殺しの依頼を請け負うようになる。1970年代半ば。殺し屋家業も板に付き、すっかり羽振りも良くなったククリンスキー。妻には為替ディーラーと偽り、家庭では相変わらず良き夫にして、良き父親としての顔を保っていた。そんな中、ロイとの契約関係が破綻し、仕事にあぶれたククリンスキーは、ミスター・フリージーというフリーの殺し屋に近づき、仕事を斡旋してもらうようになるのだったが…。

<感想>実在した暗殺者の凶行を描いた実力サスペンス。なんかアメリカ映画らしい映画が登場したと思った。「殺人」が転職である実在した殺人マシーン、リチャード・ククリンスキー。しかもその職能を生かせる場所は多くなく、失業の危機はもう大変なのだ。更にゴルゴ13と違って家族を強烈に愛しているから、人間としては謎が深まります。

演じるマイケル・シャノンの不気味な怪演に殆ど見惚れてしまった。まずは、水で完敗と言って、ウィノナ・ライダーに不吉だと言われる冒頭部の奇妙な静けさがいい。リチャード・ククリンスキーのキャラクターが、病的とか異常というふうでなく、ごく普通に見える所がこの作品のキモなのかもしれません。とにかく、シャノンの平静さが怖いのだ。冷酷このうえない殺し屋でありながら、家族に対しては完璧に善良な夫であり父親であっただけでなく、神を信じていないのに、娘をカトリック系の私立学校に入れるという矛盾だらけの主人公なのだ。

加えて映画にかかわる主役級の俳優さんたちが脇を固めている。大物マフィアのロイ役のレイ・リオッタが演じ、ククリンスキーに目を付けて、目の前で街の浮浪者の老人を殺せと命じる。これが凄いんですよ。

それに、ジェームズ・ブランコの殺され方の悲惨なんです。彼が殺される前に「オー・ゴット」と言ったがために、「神を信じるなら祈りで俺を止めて見ろ」このシーンは強烈な不快感が残りました。
かくして、水を得た魚のように銃殺に、刺殺、絞殺と臨機応変に殺しまくるククリンスキー。殺せば殺すほど儲かるので、愛する妻には自分の仕事は証券ブローカーだと嘘をついて、立派な家も購入した。
しかし、殺し屋稼業も仕事が無くなり、廃業寸前のところにエヴァンス演じるミスター・フリージーに遭遇し、タッグを組むことになる。彼のシアン化合物を用いて毒殺。死体を冷凍保存した後に遺棄、殺害時期を判別不能にするという技術も学ぶのだが、エヴァンスが殺され、シアン化合物を仕入れる闇取引の男と出会うのだが、その男がまさか潜入捜査官だったとは。

ですが、あえて矛盾だらけのままに描き、派手に作ろうと思えばいくらでも派手にできる題材を、極めて地道にかつ丁寧に映画化していると思う。途中から登場するクリス・エヴァンス演じるアイスクリームの行商人も、シャノンに負けないほど怪演しているのだ。あの、「キャプテン・アメリカ」を演じたエヴァンスがですよ、汚い長髪にヒゲ、垂れたサングラスをかけての、筋肉ムキムキぶりに驚きです。
シャノンとエヴァンスが乗るアイスクリームのバンの不気味な存在感(まさか、シャノンが目撃者の少女を逃がしてしまったのを、エヴァンスが見つけて殺し、冷凍保存している)とか、ラストに登場するネコとかの面白い細部もあり、ノワール感たっぷりの画面が昼間のシーンも含めて中々いい出来であります。
私にとって、マイケル・シャノンは、この1作で忘れられぬ俳優となりました。
2014年劇場鑑賞作品・・・23  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (4)

セブン・サイコパス ★★★.5

2014年01月29日 | アクション映画ーサ行
『ヒットマンズ・レクイエム』で高い評価を受けたマーティン・マクドナー監督が、コリン・ファレルと再びタッグを組んだクライムコメディー。スランプ中の脚本家が、自分を助けようと奔走する役者によってトラブルに巻き込まれるさまを、ブラックユーモアと共に描く。共演にはベテランのクリストファー・ウォーケン、『月に囚われた男』などのサム・ロックウェル、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソンら豪華キャストがそろう。

あらすじ:脚本家のマーティ(コリン・ファレル)は、新作『セブン・サイコパス』の執筆に行き詰まっていた。彼にアイディアを与えた友人のビリーは、売れない役者業のかたわら、知り合いの爺さん(クリストファー・ウォーケン)と一緒にペットの「拝借業」を営んでいた。要は、飼い主の謝礼金目当ての誘拐ビジネスだが、ある日彼らは凶暴なギャングの愛犬をさらってしまい、命を狙われるハメに。
しかし、恐怖なんてどこ吹く風のビリーは、悩める親友マーティンのために脚本執筆の手助けをしようと、マーティに事前に相談することなく、ネタ集めのためにサイコパス募集の広告を出す。その後、ウサギを持つ殺人犯、犬をこよなく愛するマフィア、殺し屋が集まるのだが……。

<感想>やっと地方でも上映された本作品。この作品と「THEICEMAN/氷の処刑人」は、昨年から楽しみにしていたので鑑賞した。奇妙な味のサスペンスアクション。その奇妙さが、最後まで奇妙なままで終わってしまうところが問題である。
確かに奇想とユーモア溢れた犯罪コメディになっているが、それだけではこの映画の破天荒な魅力は語れない。サイコパスな男についてのストーリーを思いつき、そこから雪だるま式に他のストーリーを幾つか続けていった、と語っているが、まさにその行き当たりばったりの展開が裏目に出て、つまらなくはないが、面白くもないというのが正直の感想。
まぁ、それでもちゃんと、映画の前半で1番から7番までの、サイコパスがテンポよく紹介され、ド派手な血しぶき描写とともに彼らの武勇伝が語られるのがいい。

中でも5番目に出て来るサイコパスの、トム・ウェイツは有名殺人犯ばかりを狙う“シリアルキラー”で、ソディアックは自分が殺ったと豪語している。その他にも、ベトナム戦争で家族を殺された男が渡米して、退役軍人を一人ずつ血祭りに上げるエピソードとか、主人公の脚本に書かれているB級なネタがこれでもかとぶちまけられる。

一見、劇中で多用されるクレジットや、キャラ立ちしすぎた群像劇の騒々しさが、90年代のタランティーノやガイ・リッチーなど、一回り昔な気配を漂わせている感じが印象的です。

犬を偏愛するギャングのボス、ウディ・ハレルソンの設定も少し気恥ずかしいような。だが、映画内の映画を製作する虚構性は機能しているのだ。

サイコパスの中でも、叙情性を感情一杯に表現するクリストファー・ウォーケンが砂漠をさすらう美しさ、コリン・ファレルが常識人に徹し、日常に戻りながらも、もはや昨日の自分には戻れないと、最後に決定的経験を経た落ち着きには、気持ちよくマイペースで落ち付いた演技で良かった。

そして、ニヤニヤと軽薄に笑いながら冗談をいい続けるサム・ロックウェルの、ビリーというキャラクターのステレオタイプな妄想が、脇役ながら常に主役を食いかねないくらい巧すぎて怖いのだ。演技派のサム・ロックウェル恐るべし。赤い目出し帽を被った「ダイヤのジャック」の殺し屋も彼とは、驚きです。
頭の中の妄想は、何回も巡ってもステレオタイプでしかなく、だからそこに絡めとられようが、抜け出せなく結局のところ冗談の印象しかない。登場人物たちのオタク・トークも聞いていて脱力気味で惜しいきがした。

そして、女優陣の出演も、マーティの恋人のカヤ役のアビー・コーニッシュと、ギャングの愛人役、オルガ・キュリレンコをビリーが寝取ってしまうなど、チョイ役で残念です。
この映画の場合スタイルがあるとすれば痛烈なユーモアだから、コメディ、スリラー、ドラマという様々な要素が入った内容です。監督が英国の戯曲家というあたりが、この映画の雰囲気をよく表していると思います。
2014年劇場鑑賞作品・・・22  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (7)

ゲノムハザード ある天才科学者の5日間 ★★.5

2014年01月28日 | アクション映画ーカ行
西島秀俊主演で司城志朗の小説「ゲノムハザード」(小学館文庫刊)を映画化した日韓合作サスペンス。記憶を失った天才科学者の文字通りの“奔走”をノンストップで描いた、スリル満点のエンタテイメントが完成した。
あらすじ:平凡な会社員・石神武人はある日、自宅で妻が殺されているのを発見する。その信じられない衝撃の最中、死んだはずの妻からの電話。そこに現れた警察を名乗る怪しい男たちによる執ような追跡。石神は事態を全く把握できないまま逃げ続け、やがて正体不明の韓国人女性記者(キム・ヒョジン)に出会う。石神は妻の死の真相を解明すべく、記者の協力をあおぎながら、命をかけた逃亡劇に身を投じていく。

<感想>甘さを拝した大人の魅力で大ブレイク中の、西島秀俊主演での理系ミステリー・アクション。「過酷な現場ほど楽しくなる」と語るM系俳優の西島らしく、マンションの屋上から脱出劇など本格的なアクションシーンを、極力スタントに頼ることなく自分の体を張って演じて見せているのに感心しました。
最愛の妻を何者かに殺された平凡な日本人男性が、真相を追求するうちに、実は遺伝子研究をしていた韓国人科学者だったという驚愕の過去が甦り始めるという、予測不可能なストーリーになっている。

「美しき獣」のキム・ソンス監督ら韓国人スタッフによる、日本映画とはひと味違う乾いたタッチの、ハードなアクションシーンが見どころです。「俺の記憶は5日後にすべて消える」と、42歳の西島、魅力満載の逃亡劇、韓国人のオ・ジヌと石神武人の二役を演じる彼は、アクション俳優として覚醒か?・・・。カーチェイスも見ものですよ。

石神を取り巻く2人の女性には、「誰にでも秘密がある」などで知られるキム・ヒョジンが、フリーライターとして記憶喪失の西島を助ける役を、「さよなら渓谷」「そして父になる」の真木よう子が石神の妻役を演じている。そして、研究所の博士佐藤に、伊武雅刀が扮してオ・ジヌが研究していた不老不死薬(アルツハイマーのワクチン)とファイルが欲しくて、ゲノム薬品会社の社長と結託してオ・ジヌを殺そうとする。
日本人の石神は、たまたま伊武雅刀が運転していた車に轢かれて、研究所に運び込まれ、そこへオ・ジヌが入って来て、研究のワクチンを投与され記憶を石神にすり替えられたのだ。本当の石神は、別人の日本人である。

イランの鬼才アミール・ナデリ監督作「CUT」でも、ボコボコに殴られ肉体を限界まで追いつめた西島だったが、本作ではとにかく走りまくり韓国人のニセ警官の悪人から逃げ回ります。記憶も曖昧で状況も分かってない男が、殺し屋たちに追い掛けられて逃げ切れるわけがない。

記憶をぐしゃぐしゃにされた人物に扮しているとはいえ、西島が繰り出す演技のテンションが半端じゃなく高く、男くさいムードでムキムキの体を見せてしまったら、普通の男という設定なのに、ちょっとアンバランスなところが引っかかる。
冒頭で目の前の妻の死体を見て驚き、そこへ妻からの電話がかかってくる。「実家に帰ってます」と言うのだ。じゃぁ、目の前の女は妻じゃないのか?・・・、このシーンは奇抜で面白いのに、謎めいた人物が次々と登場して、誰がみても警察だという黒服のいかつい男たち、日本人刑事を装うのに、日本語がヨレヨレ過ぎる韓国人キャラ。ニセ警官というのは一目瞭然なのに。

オ・ジヌの奥さんはいったい誰に殺されたのか?・・・これが最後に明かされるのですが、妻は殺されたのではなく、揉みあっている内に突発的な事故で、後頭部を打って死亡したもの。犯人というか、西島が部屋へ入って来た妻の死体を発見した時に、犯人はベランダに隠れていた意外な人です。それに、妻の死体は動かされて、2度目にその部屋に行くと妻の死体はなかった。
ですから、途中からストーリーに付いていけなくて、デザイナーの石神と、韓国人のオ・ジヌが同一人物というのは、理屈としては理解できます。ですが、記憶を上書きするメカニズムが、目に見えないので映画向きのテーマとしては、不向きなような気がした。理解できる人には面白いのでしょうがね。
西島が演じているのは、本当は韓国人の科学者オ・ジヌなのに、観ていると石神の記憶を植え付けられた男、オ・ジヌなのだ。そこがどうみても石神に見えてくる。本当の石神は交通事故死してこの世にいないのに。そのことがしっかりと見えてくるところまでは、西島演じている逃亡者の石神なのだ。

しかし、石神とオ・ジヌは似ても似つかないまったく違う人物。記憶の混濁という設定だったり、ということも関係あるのかもしれないが、細部まで詰められた部分と、ビックリするほど雑な部分とが混在していて、どうにも落ち着かないのも残念。
それと、警察に駆け込まずに、主人公を助けようとする韓国人の女性記者が、特ダネのために主人公の逃亡の手助けをする設定にも無理があり、西島さんの熱演がもったいないですから。
カーアクションや研究施設などのしっかりした撮影なのに、妻との思い出など、ドラマパートの安っぽさの落差にがっかりです。
2014年劇場鑑賞作品・・・21  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (16)

オンリー・ゴッド ★★★

2014年01月26日 | アクション映画ーア行
『ドライヴ』で注目を浴びたニコラス・ウィンディング・レフン監督とライアン・ゴズリングが再度手を組んだ異色サスペンス。兄を殺され復讐(ふくしゅう)を果たそうとする弟と、その前に立ちはだかる謎の男との手に汗握る攻防を描写する。究極の悪女を演じるのは『イングリッシュ・ペイシェント』などのクリスティン・スコット・トーマス。ダークな映像美はもとより、複雑に絡み合う人間模様に最後まで翻弄(ほんろう)される。
あらすじ:ビリー(トム・バーク)とジュリアン(ライアン・ゴズリング)兄弟は故郷アメリカから逃げ、タイのバンコクでボクシングジムを経営しながら、その裏でドラッグビジネスに手を染めていた。ある日、兄ビリーが若い娼婦(しょうふ)をなぶり殺しにした末、彼女の父親に殺害される。犯罪組織を仕切る兄弟の母親(クリスティン・スコット・トーマス)がアメリカから急行し……。

<感想>ライアン・ゴズリング目当てで観に行ったので、タイ人のおっさんの刀さばきとかカラオケ聞きに行ったわけじゃないので、がっかりしました。
乾き切ったロサンゼルスからバンコクへと、「ドライヴ」ですごい監督が出てきたと思ったのに、舞台がバンコクなので、湿気のようにねばりついた観終わった後の嫌な“何なんだろう”感がまとわりつく作品。
か弱き母子を救うために闘に身を投じるアウトローの姿を、クールに綴ったヒーロー譚であった「ドライヴ」に対して、今回は、言ってみれば暴力の極北である。言い換えれば観念としての暴力。ガラリと様子が一変するのだ。
「神との対峙」という荘厳なテーマに始まり、台詞を極限までに削ぎ落としたタッチで、妄想がまぎれ込む退廃美の空間とでもいおうか。対象物を中心に据えた構図と、全篇を彩る背景の赤と青の色調といったこだわったビジュアル。う~ん好き嫌いが有りそうな。

だが、ぐいぐいと引き込まれて、引きずられてしまう。その牽引者となっているのが“神の代理人”となって罪の重さを量り、制裁を下す、元警官のチャン。
演じているのは、タイ人のヴィタヤ・パンスリンガムで、長ドスを背中に隠し、そのため姿勢は常に直立不動である。彼は、剣道の熟練者だそうですよ。
すべてを悟ったような顔で在任を見つめ、どう答えていいか分からない言葉を投げ掛けてくる。マシンガンの弾丸をくぐり抜け、息切れすることなく、どこまでも襲撃者を追いかけて、長刀で腕を断ち切り、胴体をかっさばくのだ。
かと思えば、部下の警官たちを前に、カラオケを熱唱して悦に入る自分本位の男。まさに神変出没という言葉が相応しい。いかにもって感じで、自分だけは神がかりといわんばかりに、とにかく強いのなんの。誰も負ける相手がいない。

だから、せっかくゴズリングのボクシングシーンや、格闘して相手をやっつけるなんて場面は皆無である。

バンコクが舞台だからなのか、娼婦の女たちがぞろりと出て来る。ゴズリングも母親に会わせるために、嘘の婚約者を娼婦の中から選び、黒のスケスケドレスを買い、それを着せて母親に会わせる。母親から、娼婦と見抜かれて落ち込むゴズリング。それにマザコン男か?、決してその娼婦を抱くわけでもない。

その兄弟の母親に扮したクリスティン・スコット・トーマス、いつもなら淑女的な役柄が多いのに、金髪頭にビッチ全開なド派手メイクと、衣装でバッチシ決めて、ファックやらディックやら四文字言葉を吐く姿には、唖然としてしまいますから。こんな母親なんていない方がいいに決まってる。ゴズリンもそう思ったに違いありません。
手下どもに、息子の仇を取るように殺し屋を差し向けるも、反対に油ぶっ掛けたり、串刺しにしたりという暴力描写が凄い、自分の命も危うくなる。その“神の代理人”とやらの刀で、裁きを受ける母親は、さっきまでの剣幕は何処へやら。なすすべもないのだ。次がゴズリンの番で、もう観念したのか両手を差し伸べて、神の裁きを得るのだ。
実は、このジュリアンの役は、ルーク・エヴァンスが急にドタキャンして、ゴズリングが引き受けてくれたそうです。そう思ったら、彼でなくとも良かったのにと感じた。
2014年劇場鑑賞作品・・・20  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (18)

バイロケーション「表」★★★

2014年01月25日 | は行の映画
自分の近くに出没するもう一人の自分“バイロケーション”に命を狙われるヒロインを、テレビドラマ「シェアハウスの恋人」などの水川あさみが一人二役で演じるホラー。画家になるため奮闘する若い主婦がもう一人の自分に遭遇し、オリジナルよりも凶暴なバイロケーションの存在により命の危険にさらされる姿を描く。
原作は、法条遥による第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作品。監督を、『リアル鬼ごっこ』シリーズなどホラー映画を数多く手掛けてきた安里麻里が務める。正反対のキャラクターを演じ分ける水川の演技に注目。
あらすじ:結婚後も画家を夢見て、キャンバスに向かう日々を送る高村忍(水川あさみ)。ある日、スーパーでニセ札使用の容疑を掛けられたことから、見た目はうり二つだが全然違う別人格の“バイロケーション”(通称バイロケ)と呼ばれるもう一人の自分が存在することを知る。さらに、バイロケはオリジナルよりも攻撃的で……。

<感想>ホラー映画とくると、きっと怖いんじゃないの、なんて思うかも知れませんが、この手のホラーは私には全然怖くも何ともありませんでした。自分の近くに出没するもう一人の自分。バイロケーションの出現により存在を脅かされるヒロインの水川あさみが演じて、一人二役に挑戦しているのが見どころ。
物語は、主人公の忍は画家として芽が出ずに苦しんでいたが、5階に住んでいる目の不自由な勝と結婚して幸せを得る忍。バイロケの被害が夫の勝に及ぶのを恐れ、やがて別居を決意する。バイロケには、オリジナルの性格が濃く表れ、オリジナルの大事なものを奪おうとするからだ。

そして、同じ境遇の人々が集まる会で、自分のバイロケに遭遇する忍。鏡にはうり二つのバイロケの姿は写っていないのだ。バイロケに苦しめられる男女3人と、会を主催する男の飯塚が集まっていた。彼らの話が信じられず屋敷を去ろうとすると、目の前に自分のバイロケが現れ、忍はその存在を認めざるを得なくなる。

それに、バイロケ対策を練る日々が続く中、刑事の加納のバイロケが発砲事件を起こす。飯塚たちは加納のバイロケを殺そうとするが、誤ってオリジナルを殺害してしまう。そうすることで、加納のバイロケは消滅してしまうのだ。他のメンバーのバイロケもしだいに凶暴化していき、やがてメンバーの一人が忍のバイロケに関する恐ろしい事実に気付く。

ホラーということで、驚いたのは刑事の加納役を演じた滝藤賢一さん。この俳優さんは、TVの堺雅人さん演じた「半沢直樹」で同期の銀行員だった負け犬を演じた俳優さんを思い出します。目がぎょろっとして細い体で、バイロケに変身する時の目玉が怖かったです。

難病の息子を抱えている酒井若菜も、バイロケに自分の息子を奪い取られまいと必死で守るのだけど、最後に息子から「偽者」と呼ばれて本当に可愛そうだった。まさか、バイロケの自分にナイフで刺殺されるとは。
またもや、「ルームメイト」と同様につじつまが合っているのかどうか、イマイチ判断しにくい仕上がりだが、本作はドッペルゲンガー物の変奏なのだ。素材が映画的で得をしているようだ。

ヨーロピアンテイストな冒頭の部分は、モノクロで教会で子供たちに本を読んでいる女が、いつの間にか双子姉妹のように対になって立っているのだ。ここから話が始まるのかと期待してしまった。
演出的には白と黒、右と左という具合に二者択一が基調で、分かり安いかと思いきや、偽物には偽物なりの心情というものもあるというコンセプトで、物語が混がらかってしまうのが面白い。

主人公が、自身の体験が信じられないなどと悩む回りくどい設定などは別にして、被害者の会で即座に状況を認識することで、自分の実存感も奪われる恐怖劇をじっくりと描く展開に乗せられてしまった。バイロケを殺しても消えるだけで、またもや出て来るのだ。
主人公の最後が、下の階の勝と一緒にいる忍のバイロケが、絵画コンクールで入賞するとは、やっぱりオリジナルの絵描きとしての才能がないと、人生が終わりだと思い本当の忍が自殺する下りで終わるのだが、結末が異なる裏バージョンも、細部を確認したくなって見てしまったが、こちらも捨てがたしで、目ん玉の恐怖演出だけが際立って恐ろしかった。

自分の増殖というのは、どうも現代人の特質らしくて、自分を褒めてあげたいとか、自分にプレゼントとか、そこいら中、自分だらけだ。でも、こういう自己完結ふうな自分認識は、誰に迷惑をかけるわけじゃなし、勝手にどうぞで済むのだが、それがネガティブになると、もう一人の自分なる存在に追い詰められるらしい。自分探しならぬ、自分壊しか、いや自分が怖いのか。
それなりに、サイコホラーふうな展開を持つこの作品は、やはり人物たちに説得力がないのが致命的で、恐怖よりも空回りという印象が強く感じた。
2014年劇場鑑賞作品・・・19  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


ドッペルゲンガー(ウィキペディア)より検索
トラックバック (15)

ブランカニエベス ★★★.5

2014年01月24日 | アクション映画ーハ行
グリム童話「白雪姫」に、スペイン名物の闘牛をミックスし繰り広げられる個性的なファンタジー。人気闘牛士の娘が邪心を抱く継母にいじめられ続けた後に逃げ出し、その後闘牛士団と巡業の旅に出て才能を開花させていくさまを、モノクロとサイレントを使用し描く。女闘牛士の継母には、『パンズ・ラビリンス』などのマリベル・ベルドゥ。誰もが知っている名作を基に、斬新な発想とスタイリッシュな映像美で創造された本作は、世界各地の映画祭で絶賛された。
あらすじ:人気闘牛士の娘カルメンシータ(ソフィア・オリア)は生後間もなく母を亡くし、その後父が再婚。ところが継母(マリベル・ベルドゥ)は非常に意地が悪く、カルメンシータは継母にひどい目に遭わされながら育った。ある日、継母によって危うく殺されかけた彼女は「こびと闘牛士団」の小人たちによって助けられ、ブランカニエベス(白雪姫)という名で一座と一緒に見世物巡業の旅へと出発する。やがてカルメンシータは、女性闘牛士として才能を開花させていくが……。

<感想>あの「白雪姫」の童話を、かくも綺麗なスペイン映画にアレンジし、めくるめく幻惑に満ちたアダルト・ロマンに脚色したものかと感心しました。モノクロ&サイレントにして、小人の巡回闘牛士団、スペイン音楽にフラメンコと、エキゾチックな仕掛けが満載。

しかも、それらが混乱することなく、見事に結実した一大シンフォニーとなって、スクリーンを飾りつくすのには良かったのですが、・・・。残念ながら物語自体が非常に弱く、前半1時間はありきたりな話が展開して、モノクロで無声映画の形式を取り入れてはいるが、お伽噺の雰囲気と、無声映画にした達成感に甘んじたのか、端端の演出が凡庸になっているのが残念です。

ラスト30分で小人たちが登場し、「闘牛士の白雪姫」となるのも、去年、ターセムの「白雪姫と鏡の女王」で、すでに現代的な編集で、マーシャルアーツを学ぶ白雪姫が輝いていたから、これは分が悪いとしか言いようがない。
それでも、衣装と美術、とくに繊細な刺繍がほどこされたレースやカーテン、そして闘牛士用のケープが作りだす陰影豊かな布の表情には感嘆しましたね。

けれども、これは良くも悪くも表層しかない映画ではないだろうか。カメラは確かにめまぐるしく動くのだけれど、そのすべてが小手先に留まっているのだ。かつての前衛映画にあったショットのぶつかりあいもないし、息を飲むロングテイクもないのだ。
しかも、ラストでの予想不可能な驚きの結末で、メルヘンは実はグロテスクな残酷物語という核心をついているのである。
2014年劇場鑑賞作品・・・18 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (10)

サプライズ ★★.5

2014年01月23日 | アクション映画ーサ行
『V/H/S』シリーズや『ABC・オブ・デス』などのホラーで知られる俊英、アダム・ウィンガード監督による戦慄(せんりつ)のスリラー。家族パーティーの最中にアニマルマスクの集団に襲撃される人々の困惑を、テンポよく撮り上げる。最悪の事態に巻き込まれることになった面々を、『パニック・マーケット3D』のシャーニ・ヴィンソンや『コロシノジカン』のニコラス・トゥッチらが熱演。素晴らしいカメラワークで映し出される衝撃のてん末に言葉を失う。
あらすじ: 両親の結婚35周年をみんなで祝福するため、息子のクリスピアン(AJ・ボーウェン)と恋人エリン(シャーニ・ヴィンソン)をはじめ、久しぶりに家族が顔を合わせる。だが、彼らの一家団らんの時間は、ヒツジやキツネやトラのマスクをかぶった集団が押し入ったことにより突如終わりを告げることになる。いきなりの襲撃に誰もがパニック状態に陥るが……。

<感想>各国の映画祭でホラーファンの熱狂的な支持を得たバイオレンス・スリラー。妖しげな動物のお面をかぶった殺人鬼どもが、野中の一軒家(別荘)に押し入ってくる。何のことはない、よくあるパターンのスリラーなのだけれど、あまりの貧弱なプロットに目を疑いますから。ホラー版の「そして誰もいなくなった」かと期待してしまった。

登場人物に共感できないのは構わないけれど、ここまで中身が何もないとは。
羊、狐、タイガーマスクって、スキーマスクより派手でいいって、そんなの何でもいいわよ(苦笑)犯人が、親の財産を目当てに殺し屋3人を雇って襲撃する。それも兄弟で殺し合うなんて、バカも甚だしいったらない。いくら金が欲しいからって、親の財産を当てにして殺してしまうことは許されなく、そんな息子たちを産んでしまった母親が可愛そう。父親の死に方も残酷ですから。

始めっから長男の様子が変だったし、その連れの女の子がまた、強いのなんのと、実は子供の頃からサバイバルキャンプで両親からしごかれたそうで、頭の回転が速くて次から次へと犯人たちを抹殺していく展開は爽快ですから。窓の下に板に釘を打ち付けて置いておく。すると、バカもん強盗が知らないで窓から入って来て釘を踏んでしまう。
犯人も負けていない、玄関のドアの前にピアノ線みたいなのを張って、中から外へ出た場合には、そのピアノ線でクビチョンパですからね。
真犯人を明かすタイミングが最悪です。早すぎて、その後の展開の意外性が皆無ですからね。

かといって、ギリギリまで遅れていたら、主人公に感情移入できずに終わってしまうと思う。というよりも、あまりにもエリンという女性が強すぎて、強盗の男3人と兄弟は何をしているのかと。この脚本と計画自体があまりにもお粗末すぎるのだ。
何とか面白いところを挙げるのなら、襲撃の武器にボウガンを使ったことか。アニマルマスク集団がボウガンを使うので、怖さが半減してしまった。
では、ひたすらショッキングな秒差yを突き詰めたい試みなのかと思いきや、肝心の絶命の瞬間は見せないという。かえって、フラストレーションが溜まって、そのやり方に何か理由があったとしても分からなかった。

アニマルマスクや家庭用品を武器にしたり、悪ふざけとしか思えない展開をゲーム感覚で楽しめればいいのだろうけれど。最後がね、かなり頑張って強盗集団や兄弟を殺したのに、この殺人計画の首謀者である長男の目を刺し殺すところに、やっと警官が来て、エリンが警官に撃たれてしまう。そして、彼女が玄関に仕掛けていた、ドアを開けると上から斧が落ちてくるのに、警官が見事にひっかかるという最後。
しかし、目的不明の襲撃者の異様さや、スプラッタ描写満載のバイオレンス緊張感はMAXである。でも、拷問シーンのようなユーモアのセンスが気に入らないし、気持ちよく笑えなかったのが残念。
2014年劇場鑑賞作品・・・17 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


トラックバック (13)

ジャーロ ★★★

2014年01月22日 | DVD作品ーさ行
「サスペリア・テルザ 最後の魔女」のダリオ・アルジェント監督による猟奇スリラー。60~70年代にかけてイタリアで流行した古典作品を現代風にアレンジ、連続殺人鬼と彼を追う警部の姿を描く。出演は「プレデターズ」のエイドリアン・ブロディ、「潜水服は蝶の夢を見る」のエマニュエル・セニエ、「スネーク・フライト」のエルサ・パタキなど。
あらすじ:北イタリアの都市・トリノで、美しい外国人女性ばかりを狙う連続誘拐殺人事件が発生。犯人は改造タクシーを用いて、乗車してきた被害者を秘密の隠れ家に拉致、執拗なまでに拷問を行い、鋭利な刃物で切り苛むという残虐な行為を繰り返していた。
そんなある日、スチュワーデスのリンダ(エマニュエル・セニエ)は、ファッションモデルの妹・セリーヌ(エルサ・パタキ)と共に休日を過ごすためトリノを訪れるが、約束の時間になってもセリーヌは現れない。心配したリンダは地元の警察に出向き、猟奇殺人専門のエンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)を紹介される。共に捜査を開始した二人は、事件の被害者が死の間際に残した「彼は黄色い」という不可解な言葉から、謎の殺人鬼“ジャーロ(イエロー)”の正体に迫っていく。暗い過去を持つジャーロはその時の疎外感から、完璧な美貌に激しい憎悪を燃やし、美しい女性をさらっていたのだった……。
<感想>以前にレンタルして観たDVDの記事をアップしているのだが、たいしてファンでもないエイドリアン・ブロディの作品が多い。この作品もそう。この作品はイタリアン・ホラー界の巨匠ダリオ・アルジェントが、60~70年代にかけてイタリアで流行した古典作品を現代風にアレンジし、より過激な猟奇殺人鬼を描いたサスペンス・ホラーで、劇場未公開作品。
もちろんエイドリアンが主人公で、子供の頃に母親を目の前で殺され、犯人を刺し殺したという眉つばものの、そんな経験があり刑事になるんですね。
そして連続殺人事件を追っていく内に被害者が「彼は黄色い」という言葉が気になりました。よく外国人は日本人のことを「イエロージャップ」と馬鹿にして表現するので、もしかして犯人はアジア系なのかと勘繰りましたが、イタリア語でジャーロ=黄色いというそうです。それがどうやら犯人は病気(黄疸症状)で顔色が黄色かったようですね。
しかし、最初の犠牲者は日本人で、連続殺人鬼は美人しか狙わない。モデルとかね、それも殺す前に被害者の顔を切り裂く卑劣な猟奇殺人鬼。ですから犯行後発見される被害者の遺体をアップされるので、見るに耐えかねるシーンも多々あります。
話はオーソドックスな作りで、美女ばかりを狙って拉致・監禁、そして顔を切り裂いた挙句に殺害・遺棄を繰り返す変態シリアルキラーと、それを追う刑事&妹が拉致された姉という展開。

登場人物は少ないし、犯人も比較的早く顔出しするので、それに犯人はブ男でその容姿のコンプレックスから美人ばかり狙って、顔をナイフで切り裂く異常な人物なのです。
ですから当然ファッションモデルのセリーヌが犯人に狙われるわけで、それを姉がエイドリアンに逮捕するように依頼するのですが、このお姉さん勝気な性格で自分で探すというんですね。
もちろんエイドリアンも猟奇殺人専門の刑事なので張り切って捜査するのですが、それが病院で犯人を追いつめては逃げられ、犯人にもてあそばれているようなそんな感じがしました。
最後だって、セリーヌがまだ生きているのに全然関係ないところ探して、セリーヌは駐車場の車のトランクの中に拉致されていたという最後。トランクの中から外を歩く人にサインを送るのですが気が付いて貰えず、見つけてもらえて助かるのか分からないオチで終わります。
サスペンス・ホラーにはなってますが、全篇ハラハラしながら見てましたが、最後がこれでは情けないですよ。
2014年DVD鑑賞作品・・・4  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

エスケイプ ★★

2014年01月22日 | DVD作品ーあ行
エイドリアン・ブロディが製作総指揮・主演をつとめたソリッド・シチュエーション・スリラーの傑作!
あらすじ:目覚めると、大破した車の中。脚を挟まれて、身動きが取れない。強く頭を打ったのだろうか、記憶は全くない。ふと目をやると、助手席には拳銃。後部座席を振り返ると、見知らぬ男の死体。車のラジオからは、衝撃的な事件のニュースが流れてくる。自分はいったい何者で、いったい何をしたのか。真実と嘘、現実と虚構、罪と罠。なぜここに?何を信じればいい?極限状態の中、生き残るためには、すべての謎を解き明かさなければならないのだった...。
英題:WRECKED 製作年: 2010年 製作国: アメリカ  監督:カイル・マン
出演:エイドリアン・ブロディ カロリン・ダヴァーナス エイドリアン・ホルムス
<感想>劇場未公開作品。邦題のタイトルは「エイドリアン・ブロディ エスケイプ」となってました。本人が制作・総指揮を兼任しているので、かなり強気のオレ様映画です。彼は、2002年に「戦場のピアニスト」でアカデミー賞主演男優賞を受賞しております。

最近見たエイドリアンの映画では、ウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」(12)で、サルバドール・ダリの役を演じてました。
さて本作品では、冒頭から全般に渡り、殆ど一人で出演しているので、見せ場というかクライマックスはどこなのか、最後がどんでん返しなのか、なんてこと考えながら見ていました。
事故った車の中で目覚めた男がエイドリアン。挟まった左足を折っているらしく、車から出るのに1日以上かかります。だから夜になって獣(トラ?)が出てきて後部座席の死人を銜えて行きます。自分も襲われるかと気が気ではありません。それに喰いもんと水ですよね。夜になって雨が降って来たので、車の壊れた部品で雨を受けて飲みます。余分に溜めて置くといったことはしません。
夢の中に女がチラチラと出てくるのですが、なにしろ記憶を失くしているので誰かわかりません。それがカーラジオで銀行強盗のニュースが流れてきて、後部座席で死んでいる男の免許証や、カードで強盗の一味の名前を知ることとなります。
次の日、やっと足を車の外へ出すことに成功するのですが、折れているので添え木をして、そこへワンコが来て誰かに飼われていたのか親しげにすり寄って来ます。
そこからが過酷なんですよ。夢か幻覚なのか、銀行強盗の夢を何度も見ます。車のトランクを開けるとカバンに大金が詰め込まれていて、やはり銀行強盗をしたことが分かります。もう自分がその仲間だと思い込み、ここから逃げなくてはと痛い足を引きずりながら川に来て渡ろうとするも、流れが速くて川の中へと流されて行き、やっと助かって辿り着いたところが、またあの車の場所とは。これは笑った(苦笑)
彼は上を見てたのに、何故上へと登っていかなかったのだろう。やはり頭が混乱して現金を見てしまい、自分も銀行強盗の仲間だと思い込んでしまったのでしょう。それから、いくらか記憶が戻ってきたのか、上へと登り始めるのですが、なにしろ片足を引きずっての急斜面の坂を登るのですから容易ではありません。
やっとこさ道路に出たのはいいが、人っこ一人通るわけじゃなく、そこに運転していたと思われる銀行強盗の死骸が転がっているわけですから。でも、そこへあの猛獣がまた襲ってきて、運よくその死骸を転がしてやり自分の身代りにしたわけです。そのころには、自分の記憶も戻り、たまたま通りがかったのが自分で、人質として強盗の車に乗せられ、山道の途中で自分がハンドルを回して転げ落ちたことを思い出します。ケータイも通じるようで、ラストは救助の車がやってきて助かりました。
こういう作品には最高のキャスティングのエイドリアン。虚ろな目で大怪我しているのに、孤独と絶望にひたすら耐える。それでも生き延びる主人公って設定がお似合いですよね。
どうってことない、淡々とした一人芝居でスリルとサスペンスで恐怖を煽り、安上がりな作品となっています。
2014年DVD鑑賞作品・・・3  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


黒執事 ★★.5

2014年01月21日 | アクション映画ーカ行
漫画、アニメなどで絶大な人気を誇る枢やな原作のコミックを、水嶋ヒロ主演で実写映画化。貴族の執事セバスチャンと女性であることを隠している幻蜂清玄を中心に、映画版オリジナルのストーリーが展開していく。幻蜂を剛力彩芽が演じ、そのほか優香、山本美月、栗原類、城田優らが共演。『NANA』『ランウェイ☆ビート』などの大谷健太郎がメガホンを取る。時代や設定などを変更し繰り広げられる独自の世界観に期待が高まる。
あらすじ:女性だということを秘密にしている幻蜂家当主の幻蜂清玄伯爵(剛力彩芽)と執事のセバスチャン(水嶋ヒロ)は、絶対的な主従関係にあった。一方、二人は世界統一を目標にする女王の諜報(ちょうほう)員「女王の番犬」という役割も担っていた。ある日、女王から連続殺人事件を解決せよという命が下る。また、並行して少女たちが街から消えるという出来事も起こる。セバスチャンは、二つの事件に結び付く手掛かりを発見するが……。

<感想>大富豪と全能の執事が追う連続ミイラ化事件。世界各国で翻訳もされている人気コミックを3年ぶりの復帰作となる水嶋ヒロが主演。悪魔の執事が使える伯爵家の総師が、剛力彩芽演じる男装の令嬢であることなど、原作とは設定を変えたオリジナル・ストーリーが展開する。
原作コミックについては何もしらないので、無国籍ふうな設定とバタ臭いキャラから、どんな話が繰り出されるのか、それなりに期待してしまった。が、キャラばかりが先行し、ミステリはおざなりな感じ。というか、設定や背景情報の仰々しさが、事件や謎までとって付けた感じにしてしまい、けったいな見世物でも観ている気分がした。
だから、全部スクリーンの中だけで進行して、何一つ感情の共有ができないのだ。だから、究極の“ドラッグ”うんぬんのネタも古臭く思った。

とにかく水嶋ヒロが、原作のイメージに近づけるため、体重を50キロ台にまで落としたそうで、確かにか細い感じだが悪魔なのでぴったりではと。それに、アクションはもちろん完璧なまでの執事の所作も習得し、悪魔で執事というキャラを実際に表している。でも、剛力彩芽の方は、コスプレ人形並みの演技で、「清須会議」でもそう感じたが、良い役なのに台詞を口にしているだけなのが、何とも辛い。

共同監督名義になってはいるが、実質的な現場監督は大谷健太郎のようなので、企画から参加していたという水嶋ヒロの思いが熱すぎて、からまわりしかねない勢いの演技に、アクションも過不足なく見せている点は安心して観れた。
ただし、原作から変更された近未来の世界観が中途半端で、この世界の奥行を感じさせるような設定と情景が欲しいと思った。

その他の俳優陣では、屋敷に昔から仕えている執事長の田中に志垣太郎、薬品会社の社長の九条に伊武雅刀、公安課の猫磨実篤には岸谷五郎、幻蜂家の当主の幻蜂清玄伯爵の叔母さんに優香、葬儀屋に栗原類など、豪華メンバーが脇を固めているが、今回で叔母さん役の優香がコントめいた芝居で死んでしまうとは。

それに、悪党の薬品会社の伊武雅刀も死んでしまうし、続編では公安課の猫磨実篤の岸谷五郎が、活躍の場を見せないとつまらないことになってしまう。
設定は冒頭で明らかにしているので、魂をもらう契約を済ませた主人のために、悪魔が執事として仕える。だから弱点だらけの人間と、不死身の存在によるこの主従コンビが最高なんだが、惜しいのはその良さが活かしていない点である。

国家間の情報戦と一族の確執の二本柱。そのどちらも中途半端な印象になったようだ。
つまり前者は設定とあまり関係ないのだ。終わり方からすると、続編があるようなので、スパイ戦略の件はそっちで本格的に描かれるようだから、それでも水嶋ヒロと剛力彩芽の魅力は、これでも十分に出ているので良しとしましょう。
2014年劇場鑑賞作品・・・16  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (22)