パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

シシリアン・ゴースト・ストーリー★★★・5

2019年01月30日 | アクション映画ーサ行

1993年にイタリアのシチリアで実際に起きたマフィア絡みの凄惨な誘拐監禁事件をモチーフに、社会の不条理に巻き込まれた一組の少年少女の切ない恋の行方を、幻想的な筆致を織り交ぜ描き出した異色の思春期ファンタジー。主演はユリア・イェドリコフスカとガエターノ・フェルナンデス。監督は「狼は暗闇の天使」のファビオ・グラッサドニアとアントニオ・ピアッツァ。

あらすじ:1993年にシチリア島で少年が誘拐された。警察と司法取引し情報提供を行っていたマフィアの一員サンティーノの息子で、当時12歳だったジュセッペ・ディ・マッテオが拉致されたのだ。父親サンティーノの口封じを目的にしたものだが、その後もサンティーノは告発を続け、その結果ジュゼッペは779日間の監禁の末絞殺され、遺体は酸で溶かされた。

シチリアの小さな村に暮らす13歳の少女ルナは、同級生の少年ジュゼッペと恋仲の関係。ところがある日、ジュゼッペはこつ然と姿を消してしまう。彼の行方を必死で捜し回るルナだったが、マフィアが絡んでいると知る大人たちの口は重い。そんな大人たちの不可解な態度に納得いかず、ジュゼッペの失踪をどうしても受け入れることができないルナだったが…。

<感想>実際の酷い誘拐事件を幻想的な映像で綴り、少年と少女のラブストーリーに昇華させたセンスはとても良かったです。思いを伝えた直後に姿を消したジュゼッペを、ヒロインのルナは実に辛抱強く探し続けるのだ。

大人たちの無視と沈黙への抵抗から青く染めた髪の毛のルナが、父親に丸坊主に刈られてから、やっとショートヘアに伸びるまでは。それは現実と幻想の境をさまよう思春期の心象風景そのものであり、撮影監督の腕による圧巻の映像美で魅せていた。

馬に乗って駆け抜けるジュゼッペ少年の美しい残像が刻み付ける痛ましい事件。ルナを演じたユリア・イェドリコフスカの、少女らしくなく低音の声が大人びて良かった。

解説や批評を読んでから、腑に落ちる映画でもある。本作を観終わって、何かが釈然としない心地が残ったままで解説を読み、これが実際にあった誘拐事件をモデルにした物語なのだと理解しました。

事件や事故で愛しい人を亡くしたとき、残された者は彼や彼女が心の中では幸せな最後を迎えたのだと信じたくなる。それが唯一の癒しの方法だと思うから。

と同様に、理不尽で救いようのない現実に対して映画に出来ることは、本作のように、すでに起きてしまった出来事を、想像力によって覆いかくすことぐらいではないかと感じた。

それにしても、ジュゼッペ少年の両親は金持ちなのに、どうしてマフィアに金を払わなかったのか、息子を誘拐したのは、金目当てではなかったのか、それとも、ジュゼッペ少年の父親に対しての報復のために息子を監禁して殺したのだろうか、それは定かではない。

この作品のカギは少年と少女の純な心であります。忽然と姿が消えた少年を探し、救いたい少女の必死の思いが、心象風景として幻想的な映像となっている。

誘拐されて地下室に拉致されたジュゼッペ少年は、毎日暗い穴倉の生活の中で、ルナからもらった手紙を何度も読み返しては、絶望の淵に立たされている自分に勇気と生きる力を得るのであった。

そして、奔走するルナの存在は、死の淵で生きたいと、せつに願う少年のリアルな希望なのだ。

結果、事件は現実を超えた視線を宿すファンタジーとなったが、しかしながら、少年の家族を含めた周囲の人たちの「知らないふり」には、マフィアがはびこる土地では、現実に何もしないという防衛手段なのだろう。それは不気味で恐ろしいことだ。警察は何をしているのかが不思議でした。

2019年劇場鑑賞作品・・・13  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30389807


ハード・コア★★★

2019年01月28日 | アクション映画ーハ行

狩撫麻礼・作、いましろたかし・画による伝説的コミックス『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』を「リンダ リンダ リンダ」「味園ユニバース」の山下敦弘監督が実写映画化した異色コメディ。不器用ゆえに世間に居場所のない男たちの運命が、不思議なロボットとの出会いをきっかけに大きく動き出していくさまを奇想天外かつオフビートなタッチで描き出す。出演は山田孝之、佐藤健、荒川良々。

あらすじ:あまりにも純粋で信念を曲げることができずに世間からはみ出してしまった権藤右近。今は怪しげな活動家・金城銀次郎の下で埋蔵金探しを手伝う日々。唯一の友は一緒に働く牛山だけ。そんなある日、その牛山が謎の古びたロボットを発見し、2人は“ロボオ”と名付けて奇妙な友情を育んでいく。そこへ、いつも右近の尻ぬぐいをしているエリート商社マンの弟・左近がやって来て、ロボオが見た目とは裏腹に、現代の技術をはるかに凌ぐ性能を有していることが明らかになるのだったが…。

<感想>家族なんていらねぇ。俺たちは空だって飛べるんだ――。謎のロボットが彼らの未来を変える。不器用だけど真っ直ぐ生きる男たちの人生劇場。

第一に佐藤健さんとロボットが出るので鑑賞したのですが、立派な商業映画であり、キャストも豪華でした。スプリットは初心のままで自由ですよね。原作は読んでないのですが、山田孝之さんがプロデユーサーも兼ねていて企画を引っ張ってくれていた。

最底辺を彷徨う男たちの話であり、埋蔵金を探すぞというテーマなんですが、主役は山田孝之演じる右近が、渋谷のハロウィンパレードの夜に、カラオケバーに入って来る仮装をしたガキ共を尻目に、「クソが」と吐くのがヤバかった。

その中に一人で飲んでいる女が松たか子で、右近と騒ぎ始めてキスをする場面。

そこで右近が若い奴らにブチ切れるんだから。右近と友達の牛山(荒川良々)は、神経衰弱のためか知能が足りないが、いつも右近を頼っている。一人で廃墟に住んでいるが、根は真面目で右近の言うことは絶対である。

それに、佐藤健は右近の弟であり左近という名前。別に暮らしておりエリートサラリーマンと言う設定。右近たちの廃墟での生活は、毎日、群馬の山奥にある洞窟の穴掘りで、機械で掘るのではなく手作業だから、重労働なのだ。

彼らに給料を払っている金城銀次郎爺さんは、怪しげな結社のような、絶対にその穴には戦時中の埋蔵金が埋まっていると決めつけている。兄貴分の水沼(康すおん)は、穴掘り作業の見張り役として現場監督のようでもある。

ある日、牛山が住んでいる廃墟で古びたロボットを発見。頭が弱い牛山は、そのロボオを人間のように慕い、自分の友達にして連れて歩く。右近もそのロボットを見て、牛山が友達だと言って可愛がるのを見て仕方なく連れて歩く。

とにかくこの3人がピユアすぎるのだ。埋蔵金の採掘の仕事にも、そのロボットが一役かうのだが、人間よりも数段良く働くので、給料も多い。そのことに文句を言う牛山くん。悪者に追いかけられて万事休すのところで、ロボットが2人を抱いて空へと飛ぶんですよ。これは痛快でした。

AIのロボオは言うまでもなく、間違ったことを聞き流せない右近も、人間の腹黒さからは程遠いところにいる。そんな彼らと対照的な存在として登場するのが、商社マンで右近の弟の左近である。彼が、兄貴の右近に吐き捨てるように言う言葉、「間違っているのが世の中だろう」というセリフは、現代社会に要領よく溶け込んだ側の人間の言葉だと。そんな左近に「間違っていることを間違ってるって言って何が悪いんだ」と、叫び返す右近は、圧倒的に正しいのに、社会や世間からは遠いところにいて、だからこそ尊いものとして私たちの胸を突くのだろう。

左近がロボットを見て、お腹を開けて機械を動かし、金塊捜しをロボットの能力で探すことが出来るといい、洞窟の中へとロボットを連れて入る。そして、見事に金塊のある場所を見つけて掘り起こし、親分の金城銀次郎には暫く黙っていることにする。だが、左近がトラックを持ってきて、その金塊を全部自分の物にして、3人に言う、香港へ行って金塊をお金に換えて来ると言うのだ。

その内に、兄貴分の水沼が親分の金城銀次郎を殺してしまう。その死体をカバンに詰めて右近と牛山の所へ来て、そのカバンを預かってくれと頼むのだ。さて、弟の左近は香港でうまく金塊を金に換金できるのだろうか。

純粋で不器用すぎる3人の運命は、原作にはない予想外のラストを迎えるのだが、それをどう受け止めるかは、その人がどのように立ち回って生きているかによると思いますね。

2019年劇場鑑賞作品・・・12  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30386348

 


マダムのおかしな晩餐会★★★

2019年01月24日 | ま行の映画

トニ・コレットとハーヴェイ・カイテルがパリに越してきた裕福なアメリカ人夫婦を演じるコメディ・ドラマ。共演にアルモドバル作品の常連ロッシ・デ・パルマ。監督は本作が長編2作目のフランス人女流監督アマンダ・ステール。

あらすじ:アメリカからパリに移り住んだアンとボブは、セレブな友人たちを招いて豪華なパーティを開くことに。ところが手違いで出席者の数が13人となってしまう。不吉な数字に慌てたアンは、スペイン人メイドのマリアを“ミステリアスなレディ”に仕立て上げて席に座らせる。大人しくしているようにときつく言い聞かせたアンだったが、緊張したマリアはワインを飲み過ぎて下品なジョークを連発。ところが、それが大ウケですっかりマリアはパーティの主役に。あろうことか英国紳士のハートを掴んでしまう。相手は大事な取引相手で、今更正体を明かすわけにもいかず、忠告を無視して恋に突き進むマリアに苛立ちを募らせるアンだったが…。

<感想>パリの上流社会を舞台に繰り広げられるロマンチック・コメディ。原題は「Madame」で、映画の内容はメイドのマリアがマダムになるまでの物語である。使用人のマリアを演じているのが、背が高くて顔がでかい迫力満点の女優さんのロッシ・デ・パルマ。ラストがマリアに希望をもたせる感じでないのが面白くない。

主人公のマダム、アンの満たされない生活を送るセレブのマダムの毎日を映していて、その主人公には、あの「 ヘレディタリー継承 」で、恐ろしい顔芸を披露したトニ・コレットが演じている。彼女には富裕層の婦人には似つかわしくないと思った。

日本に比べて欧米では階級社会を意識する局面が、はるかに多いであろうことは想像に難しくはない。それが歴史でもあるから。ですが、その事実を露骨にに示されるとやはり複雑に感じてしまう。

米欧の金持ちが集まる晩餐会のシーンでは、ドロドロした光景や不倫への誘惑、貴族への憧れや移民への蔑視などが錯綜していて、彼らの浅薄さを笑うためのシーンのように見えた。

メイドのマリアに惚れた英国紳士のデヴィッドから求愛されるハメになるとは驚きものでした。そのロマンスが面白くて、見守っていると、マダムのアンがヤキモチを焼き、結局はマリアの素性をデヴィッドに教えてしまい、格差結婚はお終いになるのだ。

手違いに端を発したドタバタ喜劇のようだが、登場人物が出そろうと、後はお決まりのパターンで展開して、話が見えてしまうのが残念。メイドを始め、主人公夫妻など達者な役者を揃えているだけに、この不発は何だかもったいない。

ストーリーよりもむしろ、夫婦の邸宅になった贋造博物館などのビジュアルが目を楽しませてくれて良かった。

それでも、この富豪のアメリカ人夫婦は、憧れのパリに引っ越してきたという設定なので、富裕さは格段上だが、衣裳からインテリア、骨とう品や古美術品、晩餐会の食器るいなど、金ピカのゴージャスさがいかにもな雰囲気を作っていた点は評価できますね。

ですが、マリアをシンデレラに例えた演出とかも最高だったし、チェスの白黒を対比にプールサイドの人間模様などなど、女流監督アマンダ・ステールのセンスを感じました。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・11  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30380021


2019年、初めての温泉旅行―秋保温泉ホテル瑞宝

2019年01月22日 | ほっこりゆったり温泉倶楽部

1月に入って雪が降った日もありましたが、16日~17日と久しぶりの温泉旅行へ行って来ました。近場の秋保温泉、ホテル瑞宝です。

前にもホテル瑞宝の上級クラスの「別館櫻離宮」へと、16年11月16日~17日と、1泊の温泉旅行に行っています。

仙台駅から送迎バスにて40分弱で到着です。フロントの広いこと。流れている水槽には錦鯉がたくさん泳いでいます。

お部屋はスタンダードクラスのツインベッドで、リーズナブルのお値段で12000円(2食付きで)。夕食が5時なので、その前にお風呂へと。

秋保温泉、自慢の宿。露店風呂は、美しい日本庭園内に打たせ湯や立ち湯などバラエティ豊かな6種の露天風呂、湯量たっぷりの大浴場、ジャグジー、サウナも用意されてました。

温泉は、ナトリウムカルシウム塩化物泉

神経痛/筋肉痛/関節痛/五十肩/運動麻痺/関節のこわばり/うちみ/くじき/慢性消化器病、痔疾/冷え性/病後回復期/疲労回復/健康増進/きりきず/やけど/慢性皮膚病/虚弱児童、慢性婦人病

 

お風呂の後は、お腹も空いてるし、地下のバイキングレストランへと。

バイキングレストラン『seasons~シーズンズ~』は、伊達の奥座敷らしい落ち着きとスタイリッシュさを兼ね備えた約1000平米の広さを持つ和モダンのレストランです。

やはり一番に目を引いたのは、ジューシーで身がギッシリ詰まった「ずわい蟹」や、炭火で焼き上げる仙台名物牛タンや仙台牛のステーキ、魚介類、目の前で揚げるサクサク天婦羅、お好みのネタを職人がその場で握るお寿司など、和・洋・中それぞれの専門シェフたちができたてのお料理を用意されていましたよ。

やっぱり一番食べたかったのは、ズワイガニと海老チリでしょうかね。その他にもたくさん小皿に盛り付けて来て、やっぱりこれは食べすぎですね。

アルコールは持病のためダメなので、ウーロン茶、コーラ、山ぶどうのジュースなど。

お楽しみのデザートコーナーには、様々なプチケーキやフルーツ、チョコレートファウンテンなどのデザートがバラエティ豊かに並んでいます。店内ではJAZZの流れており、久しぶりに娘と優雅なディナータイムをお楽しみました。

 

マクラが変わると寝付けないせいか、うとうとしながら5時に朝風呂に入りに行きましたね。

そして、7時からは、バイキングの朝食へと。朝からたくさん食べて、またカロリー・オーバーで医者からお小言を言われそうです。10時30分の送迎バスにて、仙台駅へと。11時過ぎに到着でした。

コロンが待っているし、タクシーで急いで帰りましたよ。

 

019年1月16日 温泉旅行・・・アクション・アドベンチャーランキング

 


アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング★★★

2019年01月22日 | アクション映画ーア行

「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」の人気コメディエンヌ、エイミー・シューマー主演で贈るコメディ。ぽっちゃり体型で容姿に自信を持てなかったヒロインが、転倒して頭を強打したのをきっかけに、自分を完璧な美人と思い込むようになり、ポジティブになって周囲に大騒動を巻き起こしながらも思いがけず人生が好転していくさまをコミカルに描く。共演はミシェル・ウィリアムズ、エミリー・ラタコウスキー、ナオミ・キャンベル、ローレン・ハットン。監督は「25年目のキス」「そんな彼なら捨てちゃえば?」などを手掛ける人気脚本家コンビで本作が長編監督デビューのアビー・コーン&マーク・シルヴァースタイン。

あらすじ:サエない容姿のせいで自分に自信が持てないレネー・ベネット。高級コスメ会社リリー・ルクレアのオンライン部門に勤めている彼女だったが、華やかな本社で働く美女たちに刺激を受け、自分もスリムになろうとジム通いを始める。ところがトレーニング中に転倒して頭を強打し失神してしまう。その後、ようやく意識を取り戻したレネーの目には、なんと自分の姿が絶世の美女に見えるようになっていた。実際には何ひとつ変わってないにもかかわらず、その言動はすっかり自信に満ち溢れ、意外にも仕事も恋も絶好調になるレネーだったが…。

<感想>レネーはルックスにコンプレックスを持っているがゆえに、何もかも自信ゼロでひがみっぽいキャラ。だけど、頭の打ち所が悪くて、自分の見た目が絶世の美女に変わったと勘違い。でも、それだけで前向きになれて、何もかもが「憧れの自分」に。結局は見た目なんてただの器。器の中身さえよければ、理想の自分になる可能性があるってことなのよ。ありのままが一番じゃない?

 

全米大人気のコメディエンヌを演じるのは、エイミー・シューマー。日本を代表するコメディエンヌ! 本作の吹き替えを担当した渡辺直美は、シューマーの長年の大ファン。アフレコの際は「完全に入り込んでた」とレネーに完全にシンクロしていた渡辺直美だからこそわかる、本作の魅力は?・・・。

太り過ぎの容姿で自分に自信が持てないエイミー・シューマーが、スリムになろうとジム通いして、熱血トレーナーにテンションが上がる周囲の雰囲気に押され気味だったが、「みんな、人生をつかむ準備は? 心を変えて! 体を変えて! 新しい人生を手に入れて!」というトレーナーの鼓舞により、レネーもボルテージを上げていく。そのまま思い切りペダルを踏みこんだレネーだったが、勢い余って転倒し、気を失ってしまう。

転倒をして頭を打ったあげく、鏡を見て、自分は美人だと思い込んでしまう。実際、エイミーは美しく見えるので、入れ替わりのドタバタ喜劇を期待していると、物語はエイミーの一人舞台による説教くさい流れになってしまい、ビキニコンテストの場面なども意外にはじけなかったようだった。

彼女は中華街地下の小部屋に勤めつつ、ニューヨークの高級オフィスに憧れているのだが、その上昇志向が見ているうちに平凡すぎてハナにつくのだ。それでも、顔は美人なのでもう少し痩せてもいいのだが、転倒した後は、勝手に思い込んでいて、従ってこちらが目にする彼女は、始終プレーンのまま。

でも劣等感全開よりもキラキラ感全開の方が魅力的なのでいい。視覚的にも“中身が重要”というテーマを伝えていく仕掛けが巧いときてる。

 

絶対無理って思っていた憧れの受付嬢にも、一発合格ですからね。 これが美人の世界……優遇されすぎでしょ! 時々訪問客が「マジか」って顔するけど、こんな美人に会ったらやっぱそうなるよね?

雲の上だったCEOも、私のこと超絶気に入っちゃって「いないと困る」だって。どうしよう私人気者すぎる! 仕事もすっごく楽しいし、彼氏もできて超充実! ずっと美人のままでいたいなぁ……。

それに、今までずっと門前払いだったVIP限定パーティにもついに入れたわ。 今まで貧乏くじ引いてばっかだった分、ここから挽回です。 親友は入れなかったけど……まぁいいかぁ。 きっと許してくれるはずよね。

 

あえてモデルも配したキャスティングも良かったが、ワケあり然としながら、いまいち弾けない化粧品会社のオーナーの一家がもったい扱いだったようだ。

しかしだ、たわいもないコメディに見えるかもしれないが、身につまされて泣かされる。人は一人一人違うのに、観て解りやすい属性とか外見的な特徴とかから、勝手にステレオタイプに当てはめて、人格を決めつけることの愚劣さがよく解る。だから、「あなたの尊厳を誰にも奪わせないで!」という力強いメッセージが伝わって来るのだ。

声が変だと気にするエイヴリーも、職場のマッチョさに馴染めないイーサンも、群がる女たち誰もが本当の自分を見てくれてはいないのだと悩むグラントも、どのキャラクターもみんな愛おしいのだ。

明るく楽しく、応援したくなる“全女子共感”の映画でもあり、今年1年、元気とやる気をチャージして下さいな。

2019年劇場鑑賞作品・・・10  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30376171

 


マスカレード・ホテル★★★★

2019年01月20日 | アクション映画ーマ行

ベストセラー作家・東野圭吾の同名ミステリーを木村拓哉と長澤まさみの主演で実写映画化。新たな殺人の犯行現場として予告された一流ホテルを舞台に、連続殺人事件を解明すべく潜入捜査に乗り出したエリート刑事と、その教育係を務める一流ホテルマンのヒロインが、怪しげな宿泊客が次々と現われる中で、互いに高いプロ意識ゆえに激しい対立を繰り返しながらも、次第に事件の核心へと迫っていくさまを、小日向文世、渡部篤郎、笹野高史、松たか子をはじめとする豪華俳優陣の共演で描き出す。監督は「HERO」「本能寺ホテル」の鈴木雅之。

あらすじ:都内で不可解な3つの連続殺人事件が発生し、現場に残された暗号から次の犯行場所としてホテル・コルテシア東京が浮かび上がってくる。しかし犯人への手がかりは一切なく、警察はコルテシア東京での潜入捜査を決断、エリート刑事の新田浩介がホテルのフロントクラークを務めることに。そこで優秀な女性フロントクラークの山岸尚美が新田の教育係として就くが、そんな2人の前には“仮面”で素性を隠した怪しげな宿泊客が次から次へとやって来る。犯人逮捕のことしか頭にない新田と、あくまで“お客様第一”の尚美は、ことあるごとに衝突を繰り返してしまうのだったが…。

<感想>「グランドホテル」と呼ばれる形式があるように、物語の世界におけるホテルほど、ドラマに生まれるに相応しい場所はない。それぞれの人生を背負い、そこに集う不特定多数の人々が、さまざまな人間模様を織りなしていく。

洗練された一流のホテルの様子や、怪しげな宿泊客の雰囲気などが、見事なまでに映像的に脳内に再現されるドラマであったと思う。

その主人公、つまり一流ホテルのフロントクラークに成りすまして、潜入捜査を行うエリート刑事・新田浩介を演じるのには、一体誰がふさわしいのか。その答えはすでに原作者の頭の中にあったようです。余ほどのことが無い限り映画化にゴーサインを出すつもりはなかったという原作者の東野圭吾さんが、実は小説連載中に新田を描く際に漠然と思い浮かべていたのが、まさに木村拓哉だったという、素晴らしいハマリ役であることは言うまでもない。

原作のミステリ部分は、冒頭からかなり凝った作りになっている。品川の駐車場、千住新橋の建設現場、葛西の道路上と、立て続けに起きた3件の殺人は、殺害手段も絞殺、扼殺、撲殺とバラバラで、一見共通点がなかった。

しかし、すべての現場に犯人のものと思われる暗号のような数字がメモ書きされていたため、警察は連続殺人事件と断定する。

物語の舞台となる一流ホテル・コルテシア東京が、刑事の潜入捜査を受け入れたのは、メモを解読した警察が、近々に同ホテルで次の事件が起きると判断したからだ。

複数の捜査官が従業員を装い配置されるが、フロントに就いた新田浩介は、ホテルクラークの山岸(長澤まさみ)とコンビを組まされる。にわか作りのホテルマンとやり手の教育係という男女が出会う場面から、映画が始まるのだが、二人の丁々発止の掛け合いはテンポもよく、まるで万歳コンビのようでもある。

お客様を信じることが仕事と胸を張るホテルマンと、人を疑うことが身に着いた切れ者の刑事。水と油の双方が呉越同舟よろしく散らす火花が、男女のバディもののテンションを、これでもかと高めていくのだ。

だが、新田にはもう一人の相棒がいる。小日向扮する品川署の能勢は、飄々とした感じでホテルに現れ新田を戸惑わせる。しかし、ホテルのフロントの持ち場を離れることが出来ない新田の手足となり、事件解決に向けてベテラン刑事らしい活躍を見せてくれる。

クライマックでは、緊張感が高まり、意外な真相に息を呑むが、それらは濱田岳や、松たか子、菜々緒、生瀬勝久たちのエピソードによって活かされた結果であろう。

さらには、山岸が怪しげな宿泊客(菜々緒)に対し毅然と接客する様子や、ホテルで結婚式を挙げる女性客(前田敦子)、

彼女を付け狙う“ストーカー”(勝地涼)の姿も出て来て、ホテルの中では大捕り物合戦が繰り広げられる。

宿泊客の中の誰かが連続殺人犯であるという限定されたシチュエーションでのミステリーですが、怪しい宿泊客とホテルスタッフのヒリヒリとするようなやりとりや、華やかな客室やフロントの裏でホテル側のさまざまな思いが交錯する様子など、「ホテルあるある」的な内情にも触れていて、その人間関係にこそこの物語妙味はあるように思いますね。

華やかなホテルで“誰でもない自分”が束の間の贅沢を楽しむ。宿泊客はみな素顔を隠し仮面を付けているからだ。そして宿泊客の素性を知りながら黙ってそのマスカレードを演出するホテルマンたち。彼らもまた仮面を付けているのだから。映画を見終えた後、ホテルに泊まるのがいろんな意味で少し怖くなる気もする。

2019年劇場鑑賞作品・・・9  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30373077

 


蜘蛛の巣を払う女★★★

2019年01月18日 | アクション映画ーカ行

作者スティーグ・ラーソンの死後に発表され、日本を含む世界中でセンセーションを巻き起こした北欧発の一大ベストセラー『ミレニアム』3部作。本作は新たな作者を迎え、その続編として発表されたシリーズ第4弾『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を、ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」の製作陣が映画化したサスペンス・アクション。主演のリスベット役は新たに「ブレス しあわせの呼吸」のクレア・フォイ、共演にスベリル・グドナソン。監督は「死霊のはらわた」「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス。

<感想>スウェーデン発の人気ミステリー小説「ミレニアム」シリーズの第四作目である。前作「「ドラゴン・タトゥーの女」の監督デビッド・フィンチャーが製作総指揮に回り「ドント・プリーズ」で世界中を恐怖に陥れた、新鋭フェデ・アルバレスに監督を任せた。サム・ライミなど大物監督がその才能を惜しみなく絶賛している。

今回リスベット・サランデル役に抜擢されたのは、TV「ザ・クラウン」でエミー賞とゴールデングローブ賞をW受賞した「ブレス しあわせの呼吸」のクレア・フォイデアル。ミカエル役には「ボルグ/マッケンロー氷の男と炎の男」で注目されたスベリル・グドナソンが演じている。前作でのミカエルよりも若々しく、頼りなげだがそれなりに頑張っていた。

今回の悪役には、「ザ・スクエア/思いやりの聖域」に主演していたクレス・バングが、一転して“スパイダーズ”の殺し屋に挑戦していた。

その他、「ブレードランナー2049」のシルヴィア・フークスが、真っ赤なコートにドレス姿で、双子の妹カミラに扮していて、犯罪組織のボスだった父親の後を継ぎ、組織“スパイダーズ”を率いている。

「ゲット・アウト」のラキース・スタンフィールドは、NSAのスペシャリストのエド・ニーダムに扮して、リスベットの不正侵入に気づき、ストックホルムへプログラムを奪還しにやって来る。

物語は、人里離れた雪に囲まれた邸宅で幼い姉妹がチェスをしている。父親が声をかけるが、姉のリスベットは双子の妹カミラの目の前で、窓から身を投げ、降り積もる雪の中を逃げ去ったのである。

16年後に、ストックホルムで、“女性を傷つける男を罰する“行為を繰り返しているリスベットは、ハッカーとしての新しい仕事の依頼を受ける。天才ハッカー、リスベットが依頼されたのは、人工知能(AI)研究の世界的権威であるフランス・バルデル博士から、ある依頼が舞い込む。それは、彼が開発した核攻撃プログラムを、米国家安全保障局(NSA)へのハッキング。取り戻して欲しいというものだった。彼女にとってそれは簡単な仕事のはずだった。謎の一味が介入してこなければ。

無事に任務に成功するが、NSA側も不正侵入に気づき、スペシャリストのニーダム(スタンフィールド)がストックホルムにやってくる。だが、謎の一味がリスベットを襲い、プログラムは奪われた。リスベットは旧友のミカエルを頼り、襲撃者の素性を調べる。そして判明したのは、敵の組織のリーダーが妹のカミラ(シルヴィア)だということが分かった。

やはり、ノオミ・ラパス、ルーニー・マーラの歴代リスベットに比べると、今回のクレア・フォイはあまりに健康優良女すぎるようだ。アクションよりの内容であるので、危機また危機を乗り越え姿に説得力は生まれているが、明らかにミス・キャストだろう。ついつい、期待したので、ちとがっかりでした。

北欧の寒々しい舞台背景で、シリーズの新しい面を鋭角的に演出しているのは良かった。がしかし、ヒロインのリスベット役のクレア・フォイが、黒いシンプルな意匠を身に着けて、にこりともせずに貧相であり、対してシルヴィア・フークスがカミラという双子の妹役で、真っ赤なスーツを着て仁王立ちして凶凶として登場する。二人の家庭の事情(幼児性の虐待)が恐ろしくて気の毒と思っても、アクションが激しいので、リスベットが依頼された大きな仕事が霞んでしまって見えた。まったくもって惜しいです。

ITガジェット、天才的ハッカーとしてのスキル、レズ、そうは思えぬ身体能力をフルに動員し、連携させた活躍ぶりは痛快ではあるが、目視できぬ標的を捕捉できる対物ライフルが出て来るクライマックスでは、SF映画の域で、さすがにないわという感じがしました。

それでも素晴らしいのがストックホルム市街と森林地帯を駆け巡り、息つく暇なく事態が変転した先に、どんな地点に辿り着くかは予想どうりだったけれども、そこで展開される対決場面の衝撃は、リスベットとミカエルの重い痛みを感じさせており、ずっしりと心に刻み込まれた。

元々の原作者であるスティーグ・ラーソンは3作目を書いた後2004年に心臓発作で亡くなったが、出版者の意向で、ダヴィド・ラーゲルクランツが、この映画の原作である第4作と第5作を書いている。

2019年劇場鑑賞作品・・・8  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30369395

 


クリード 炎の宿敵★★★★

2019年01月15日 | アクション映画ーカ行

シルヴェスター・スタローン主演の大ヒット・ボクシング映画「ロッキー」シリーズでロッキーの最大のライバルにして大親友となったボクサー、アポロ・クリードの忘れ形見アドニス・クリードを主人公にした「クリード チャンプを継ぐ男」の続編。「ロッキー4/炎の友情」でのアポロとイワン・ドラゴの死闘を下敷きに、チャンピオンとなり全てを手に入れたアドニスと、どん底から這い上がってきたドラゴの息子ヴィクターによる因縁の対決をエモーショナルに描き出す。主演は引き続きマイケル・B・ジョーダンとシルヴェスター・スタローン、共演にテッサ・トンプソン、ウッド・ハリス、ドルフ・ラングレン。監督は長編デビューとなる前作「The Land」が高い評価を受けた新鋭スティーヴン・ケイプル・Jr。

あらすじ:ロッキーの指導の下、ついに世界チャンピオンのベルトを勝ち取ったアドニス。恋人ビアンカとの結婚も決まり、まさに幸せの絶頂。そんなアドニスに、過酷な環境から勝ち上がってきた男ヴィクターが挑戦状を叩きつけてきた。彼の父は、アドニスの父アポロの命を奪った、あのイワン・ドラゴだった。父の復讐に燃えるアドニスだったが、ロッキーは対戦に否定的で、相手の挑発は無視しろと忠告する。それでも自らの衝動を抑えきれないアドニスは、ついにこの挑戦を受けて立つのだったが…。

<感想>「クリード チャンプを継ぐ男」前作を観た後に必ず続編があると思たのが的中でした。東西冷戦末期の1985年、ソ連最強のボクサーとして君臨しながら、ロッキーとの世紀の一戦に敗れし者、ドラゴのその後を傷だらけの男、ドルフ・ラングレンがついに帰って来た。自らのすべてを叩き込んだ恐るべき息子とともに。かつてドラゴに父親アポロを殺され、ロッキーの魂を継ぐアドニスは、それを迎え撃てるのか?・・・父と息子、それぞれの因縁をかけた熱い戦いのゴングが待ちきれません。

本作を観る前に、押さえておきたいのが「ロッキー4/炎の友情」。前シリーズの4作目に当たる本作では、アポロの死とそれにまつわるロッキーの苦悩。彼とドラゴの因縁の対決など、新作に直結するエピソードがたっぷりと盛り込まれている。

ちなみに、シルヴェスター・スタローンと本作後に結婚したブリジット・ニールセンが、劇中ではドラゴの妻役だったのだが、その後ドラゴと別れラストのロシア戦での対決では、リングの外で観戦しているという設定で、再出演を果たしているのもお見逃しなく。

歳月は流れて物語は息子たちの世代に闘いの場を移す。シルヴェスター・スタローンの渋いたたずまいで登場して来た途端に、やはりジーンときてしまう。脚本にも参加しているだけあってか、新たなヒーロー、クリード(マイケル・B・ジョーダン)の脇にまわっても要所をしめて、見せ場はたっぷりあるのだ。

因縁の対決に気がはやるアドニス、ロッキーはヴィクターとの対決には懐疑的であった。セコンドを断るロッキーの心の中には、アポロの死の影がかすめたのではないか。それでも因縁の対決のために、絶対に勝てると思っているクリード、しかし試合は無残な結果に終わってしまう。ヴィクターの反則により負けてはいないが、リングの床に叩きのめされてしまい、鋤骨2本と内臓も負傷してしまう。

しかし、ロッキーはTVで試合を観ていたが、悔しい想いが経ちきれずにいて、クリードがもう一度戦いたいと願い、今度こそ自分がセコンドに立つことを約束する。その代わり、砂漠での地獄の特訓が待っていた。

クリードが地獄の特訓を受けて屈強な肉体になっていくのが対象的であり、みごとな肉体改造と心的にも強くなっているのが分かる。宿敵、イワンの側も凶悪に描かれているので、ドラゴのドルフ・ラングレンがすべてをかっさらう圧倒的な存在感を見せつけているのが印象的でした。

クライマックスの決戦はモスクワであり、ヴィクターにとってはアウェーで有利だ。観客の応援もみなヴィクターについている。それでも、雪辱戦として勝ちに行かなければならないのがクリードなのだ。リングに立つのはアポロとドラゴ双方の息子たち、セコンドを務めるのはロッキーとドラゴ。

こんな戦いを見られる日が来るとは、誰が予想しただろうか? 己のすべてをこぶしに込め、殴り合う次世代のボクサーとリングの脇で火花を散らす師匠たち――この興奮度満点のビッグマッチ。しかし、クリードにとっては、絶対に負けられない対決。

本作の大きなテーマとなっているのが、親と子の関係であります。アポロとアドニス、ドラゴとヴィクターの世代を超えた因縁の対決は、まさにその象徴で、父の存在に背中を押されるように、リングに上がる若きボクサーの奮闘の展開に迫力があり、手に汗を握りしめること請け合いです。

アドニスも本作では父親となり、その責任を実感することに。またロッキーと息子の葛藤や、ロッキーとアドニスの疑似親子的な関係もドラマの見どころと言っていいでしょう。ラストでロッキーが、息子の家を訪問するところで終わります。

2019年劇場鑑賞作品・・・7  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30364477

 


パッドマン/5億人の女性を救った男★★★★

2019年01月15日 | アクション映画ーハ行

清潔で安価な生理用ナプキンが手に入らず苦しんでいたインドの女性たちを救うため、自ら低コストの商用パッド(ナプキン)の開発に奔走した実在のインド人男性の苦難の道のりを映画化した感動の伝記ドラマ。主演は「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」のアクシャイ・クマール、共演にソーナム・カプール、ラーディカー・アープテー。監督はR・バールキ。

あらすじ:インドの小さな村で新婚生活を送るラクシュミは、妻が高価な生理用ナプキンを買えずに苦労していることを知り、自ら清潔で安価なナプキン作りに乗り出す。しかし、男性が生理について語ること自体がはばかられるインドで、ナプキンの研究に勤しむラクシュミは、村人から奇異な目で見られ、ついには村を追い出されてしまう。それでも情熱を失わず、ナプキン作りに邁進するラクシュミだったが…。

<感想>インドで“生理用品”の開発と普及に人生をささげた男性を描く、驚きの実話です。「生理用品」と聞くと気後れしてしまう方もいるだろうが、この心温まる女性に対しての物語をご覧ください。 

ラクシュミは北インドの貧村で暮らす、気のいい愛妻家。彼はある日、妻ガヤトリが生理のときに汚いボロ布で手当てしているのを知り、心を痛める。不衛生は万病の元。市販の生理用ナプキンを「高価すぎる」と妻に拒否されたラクシュミは、安価なナプキンを自作しようと思いつく。この当時、インド女性のナプキン使用率はたったの12%。生理中の女性は室外の檻に隔離されて過ごすというのが、つい最近、2001年の話だなんて!

ここからが闘いだ。敵は無理解と古い因習、価値観。生理=穢れと定める人々の意識は手強く、愚直なラクシュミは妻を守りたい一心で暴走する。試作品を自らの股にあてがい動物の血が漏れないか実験した挙げ句、白いズボンを真っ赤に染めて聖なる川に飛び込むのだから、ヘンタイ視されてもしかたないか。つらいのは、誰あろう妻が研究を非難し、恥だと泣いて実家へ帰ってしまうこと。それでもラクシュミは諦めない!

「愛する妻を救いたいために。」その想いは、やがて全女性たちの救済に繋がっていく。「なぜ、生理用品を研究しようと思ったのか?」「なぜ映画化しようと思ったのか?」……中身を知るまでは、「女性に対しての認知度、男尊女卑の国、遅れている国」なのか?、と思ってしまっていた。だがそれは、大いなる誤りでしたね。 これは、夫から妻へ、そしてあらゆる女性に向けた“愛と勇気のメッセージ”なのでした。

日本でも、意外に遅く、戦後10年経ってからやっと生理用品が発売されたようです。それに、女性の生理という大切な身体のことを、男性は古い因習や、こだわりと価値観。生理=穢れという、子孫を残すために女性の身体には、大人の女性になると必ず来るものだと言うことを。しかし、今でもあまり男性は、女性の生理のことを良く知ろうとはしない。つまり、生理になっている女性を汚れた身体みたいに扱うからだ。

インドの町工場に務めるラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、妻が生理中にぼろ布を使っていると知り、衝撃を受ける。というのも、当時のナプキンの値段は外食の2倍以上の超高級品! そこで彼は、ナプキンの構造を独自に研究! 教育を受けていない“逆境”を、努力と明るさで乗り切っていく。

なぜラクシュミは、あらゆる情熱を生理用品に傾けられたのか? それは、ひとえに妻への愛。どんな苦境に陥ってもくじけず、妻の健康と笑顔のために研究を続けたラクシュミの努力は、妻への愛の結晶といえる!

ですが、ラクシュミを待っていたのは、いわれのない偏見や容赦ない差別。というのも、インドの村々では生理は口に出してはならない“禁忌”で、生理中の妻は隔離されるのが常識だったから。ましてや男性が生理用品を研究するなど、言語道断だったのだ! 研究に没頭する彼だったが、村を追われる事態になってしまう。それに、家族たちも偏見の目で見るようになり、よそに女がいるのではないかと疑うのだ。

しかしここからが、本作の真骨頂。資金も支援者も、学歴もないラクシュミは、どうやって状況を打破していくのか。妹たちや医科大に通う女子学生、はては成人したばかりの近所の女子にまで協力を仰ぐなど、仕事もおろそかにナプキン作りに没頭。

それが、インドではダメならアフリカではどうか、世界へ売って、インドの女性に知ってもらおうと考えたこと。だから、何年物歳月がかかり、その間、奥さんは実家へ帰り、離婚話まで持ち上がっていた。

さらに思わぬ奇跡の出会いが、実に爽快な“大逆転”を導き出すのですね。有名な歌手の女子大生パリーにたのみ、生理のパッドの試作品を使ってもらうのだ。始めは、男性が何故こんなに女性のために苦労しているのかが理解できなかったにちがいありません。でも、彼の優しさと熱心さが、男が女性の物を、なんて嫌らしい気持ちからではないことを。

つまり金儲けじゃなくて、愛する妻のために、つまりインドの女性のために、生理パットを作ろうと始めたことだった。生理用品の名前にパリ―と名付けるのも良かったですよね。それに、生理用品の制作や販売も女性にしてもらい、その売上を賃金として彼女たちに支払うこと。インドでは、女性は結婚して外へ働いて金を稼ぐなどということは絶対に禁じられていたからです。

中盤、物語の転機となる工科大学のアイデア・コンテストで優勝して大金をもらう。その金もパットを制作する機械に継ぎこんで全部使い果たしてしまう。

クライマックスはラクシュミが、ニューヨーク国連で英語のスピーチをするところだ。独学で英語を覚えてのカタコト英語でのスピーチでも、観衆の心を掴んで離さないからだ。

でも、パリ―が次第にラクシュミを好きになっていくのが分かります。こんなにも夢中になって女性のために働く男に惹かれるのも無理はありませんね。しかし、彼は妻一筋の男でした。そのことを知るとパリ―も諦めるが付くのですね。

ラクシュミが、村八分の様に追い出されたインドの村へ、名誉の帰村を遂げた際の村人の大歓迎ぶりには驚きでした。母親も姉妹も喜んで兄を迎えて歓迎する下りも、お涙頂戴にならずよかった。とにもかくにも、ラクシュミの念願の想いが叶って、妻にも喜んでもらい仕事でも成功したことで、なによりも報われたことは喜ばしいですね。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・6  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30364221


嘘はフィクサーのはじまり★★★

2019年01月12日 | アクション映画ーア行

リチャード・ギアが小さな嘘を重ねてユダヤ人ネットワークに食い込み、いつしか大物フィクサーへと成り上がっていく狡猾な男の悲哀をシニカルに演じたイスラエル・アメリカ合作コメディ・ドラマ。共演はリオル・アシュケナージ、ハンク・アザリア、スティーヴ・ブシェミ、シャルロット・ゲンズブール。監督は「フットノート」のヨセフ・シダー。

あらすじ:ニューヨークでユダヤ人上流社会へ食い込もうと必死に人脈づくりに奔走する初老の男ノーマン・オッペンハイマー。フィクサーを自称し、小さな嘘を重ねて相手の懐に飛び込むチャンスを虎視眈々と狙い続けていた。そんなある日ノーマンは、イスラエルの大物政治家エシェルに狙いを定め、偶然を装って一流ブランドの革靴をプレゼントすることに成功する。3年後、ノーマンはイスラエル首相に大出世したエシェルとパーティで再会、盛大に歓迎されるとともに、パーティ参加者に華々しく紹介される。これをきっかけに大物たちからの仲介依頼が次々と舞い込むノーマンだったが…。

<感想>昨年鑑賞したもので、リチャード・ギア様大好きでつい鑑賞してしまった。内容はと、ハンチング帽子にベージュのコート、そしてくたびれたショルダーバック。そんな初老の冴えない男がニューヨークの街を歩く。この男があのリチャード・ギア様とは、すれちがっても、間違っても誰も気づかないのではないかと思った。職業不詳のこの男、実は自称大ものフィクサー。

フィクサーと聞けば、政界や財界を裏側で牛耳る黒幕をイメージするが、画面に登場したギア様を観た瞬間、あれれ?冴えない親爺ではないか。

スマホ片手に儲け話を切り出し、何とも信用のおけない御仁なのだが、要はユダヤ人の上流社会に食い込もうと大物に近づき自分を売り込もうと、汲々とするのだから始末が悪い。ある時ニューヨークを訪れていたイスラエルのカリスマ政治家にわたりをつけ、数年後に首相の座を射止めた彼に再接近して、小さな嘘を積み重ね騒動を巻き起こすブラックコメディなのだった。

リチャード・ギアの演じる詐欺師まがいのフィクサーが良かった。こういうキャラクターは、たいてい口八丁手八丁で、世渡りが上手なんだけど、彼は決して器用なタイプじゃなく、観ていて危なっかしいのだが、そんな人間がわざわざそういうやり方で、何がしの人物になろうとしていること。またその目的や理由これといった必然性がみられないところに、得体の知れない業の深さとやるせなさを感じた。

ですが、コメディに寄り過ぎず一生懸命なのに、あの甘いマスクが売りだったギア様が人生に疲れた初老の男役にピタリとハマっていた。しかも正体不明で曖昧としたフィクサー役とは驚きでした。70歳近くにもなれば役も限られてくるし、役作りをしなくても素で初老の男を演じられるのだから。どこか虚しさを漂わせているギア様の真骨頂が見ものでした。

一向にうだつの上がらないノーマンだったが、3年前に高価な靴を贈ったカリスマ政治家がイスラエルの首相に就任したことにより、追い風が吹いて来る。

支援者パーティに出席すると、恩を覚えていた首相に「ニューヨークのユダヤ人名誉大使」と人々の目の前で紹介され、羨望を集めるのだが、彼が何者で実績がどうであるかでは無く,要人にハグされ感謝される場面を披露したことにより、あらゆる業界から依頼が殺到するようになる。

ですが、所詮、其の方と此の方の利潤を回し続けるだけの綱渡り商売だった。綻びは、やはり現れるが、ちょっとした裏切りにも引っ掛かる人の良さが憎めないのだ。ホラばっかり吹いている妄想男の人生を描いたものであり、自らの命で落とし前をつけた、フィクサー以下の詐欺師の話でもあります。これって、死ぬ必要があったのだろうか、雲隠れでもした方が良かったのでは。

「運命は踊る」のリオル・アシュケナージや、個性派俳優のスティーヴ・ブシェミ、そしてシャルロット・ゲンズブールなど、味のあるキャストが脇を固めているのも見どころですね。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・5  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30358875


おとなの恋は、まわり道★★・5

2019年01月10日 | アクション映画ーア行

キアヌ・リーヴスとウィノナ・ライダーの4度目の共演で贈るラブ・ストーリー。同じ結婚式の招待客として出会った独身中年男女を主人公に、思いがけずずっと一緒に過ごすハメになった2人が、互いに毒舌を飛ばし合う会話劇の行方をユーモラスに描く。監督は「5時から7時の恋人カンケイ」のヴィクター・レヴィン。

あらすじ:リゾート・ウエディングに招待されたフランクとリンジーは、同じ飛行機を待っていた空港で、初対面にもかかわらず、いきなり口論してしまう。そして、いざ搭乗してみると、なんと席が隣同士だった。気まずい雰囲気の2人だったが、どちらも結婚式への出席が渋々なことが分かってくる。その後もなぜかずっと顔を合わせることになってしまい、毒舌家の2人は延々と互いの意見を戦わせ続けるのだったが…。

<感想>久しぶりにキアヌとウィノナによる熟練の悪ふざけを堪能した。原題の「Destination Wedding(行き先はウェディング)」なのですが、邦題は「おとなの恋は、まわり道」と、この作品のひねくれ者の二人がとても可愛らしく?、この2人の恋路の旅路をチャーミングに描いている。キアヌとウィノナという主演二人の組み合わせも、二人の会話だけで進行するという実験的な作劇も実現しなかったにちがいない。

大勢が集まる結婚式というシチュエーションで、主役の二人だけにしかセリフがないのだ。アイディアは意欲的だと思うが、この種のドラマの決めては会話の面白さと俳優の実力だが、邦題が示すとおりの結末が見えていて、キアヌにもウィノナにも、荷が勝ちすぎていたようで、展開はつじつま合わせの回り道になっていた。残念ながらアイディア倒れだろう。

共に紆余曲折ありつつ、五十代と四十代になった今も、独身の二人。共演経験も豊富であり、同時代の映画シーンを共有した戦友だからこそ為せる、酸いも甘いも知り尽くした先にある大人の応酬が贅沢だ。

中年になったウィノナの二重あごも厭わない顔芸剥き出しで、文句を言いまくる彼女も、昔と違ってか弱わくない凄みがある。

方やキアヌの筋肉ムキムキ中年髭ズラ男が、しばらくヒット作に恵まれなかったキアヌの、リベンジアクション「ジョン・ウィック」シリーズ(14)で復活を遂げたのだ。そのキアヌが男らしく彼女を庇って、いつもの癖の大声でピューマを威嚇する姿には感心した。当たり前のことをしただけなのだが、こういうラブロマンス映画の中でもアクションを発揮するのは似合っているから。しかし、ロマンチックの欠片もないラブシーンにはガッカリした。

リゾート婚に呼ばれた2人が、飛行機の席も、ホテルの部屋も、結婚式の席も全部隣同士だし、ディナー、マッサージなどでも一緒になり、そして上映時間の中、二人が永遠に喋りまくっているのだ。セックスをやってる最中にもずっと喋ってる。

空港や小さな飛行機の客席、カリフォルニアの田舎にあるワイナリーや、披露宴の宴席など、舞台は移り変わるが、ふたりのシニックで毒舌なコントのやり取りが見どころですね。

二人がいい関係をになりセックスをした後も、ムードぶち壊しのセリフで「スーパーの試食のサラミ」に例えるフランク。つまりは、素晴らしい味わいであっても、決して購入して持ち帰るものではない、と言ってしまうのですからね。

不器用だけどこんな会話が出来る、ウィットに富んだ主人公を、キアヌとウィノナが演じる事でコメディ色豊かで可笑しくもあり、色々とこじらせてしまった大人の男女の恋を描いた映画になっているのです。

自分を捨てきれないが故に残念扱いされがちな、妙齢男女の恋愛の生態考察としては良かったかもです。仕組まれたカップリングと知りつつも、目前の恋愛に溺れるしかない中年男女の姿は悲しくもおかしかったのだった。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・4  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30354895


こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話★★★★

2019年01月07日 | アクション映画ーカ行

重度の筋ジストロフィーのために人の助けなしでは生きられないにも関わらず、自ら大勢のボランティアを集めて長年にわたって自立生活を続けた札幌在住の鹿野靖明さんと、彼のもとに集ったボランティアたちとの交流を綴った渡辺一史の傑作ノンフィクションを「探偵はBARにいる」「恋は雨上がりのように」の大泉洋主演で実写映画化したヒューマン・コメディ。共演は高畑充希、三浦春馬。監督は「陽気なギャングが地球を回す」「ブタがいた教室」の前田哲。

あらすじ:北海道札幌市。34歳の鹿野靖明は幼い頃から難病の筋ジストロフィーを患い、今では体で動かせるのは首と手だけ。24時間体制の介助が必要な体にもかかわらず医師の反対を押し切り、病院ではなく市内のケア付き住宅で、大勢のボラ(ボランティア)に囲まれながらの自立生活を送っていた。ボラたちはワガママ放題の鹿野に振り回されることもしばしばだったが、誰もが彼の人間的な魅力の虜になっていた。医大生の田中もそんなボラの一人。そんな中、田中の恋人・美咲がたまたま鹿野宅を訪れたところ、いきなりボラとして手伝いをさせられるハメに。しかし、鹿野のわがまま過ぎる振る舞いに、たちまち衝突してしまう美咲だったが…。

<感想>タイトルの意味「こんな夜更けにバナナかよ」って言うのに引っ掛かりました。主人公の鹿野靖明さんがたくさんのボランティア(総勢500人にもおよぶ)を集めては、さまざまなわがままを言ってたって、それだけでグッと惹かれたかと言うか、恐らくこれからこの映画を見る方の、最初の引っ掛かりと同じだったんじゃないかと思います。

このシーンは、医学生・田中(三浦春馬)の恋人である美咲を高畑充希が演じていて、初めて行った鹿野のボラで帰ろうとする夜中に、急にバナナが食べたいと言う鹿野。誰が買いに行くのかという時に、私が行くと美咲が申し出て外へ出かけてのはいいが、コンビニに売っているバナナは1本150円で高い。だから八百屋さんを探すのだが、どこも遅いので閉まっていて、結局コンビニでカウハメになってしまう。それでも走って急いで買って来たのに、有難うの言葉もなく、息をはあぁはぁと切らせて走って帰って来た美咲に対して、「うわぁ、興奮するよ」とのたまう鹿野。美咲は怒りを爆発しそうになるも、身体障がい者のわがままかと、怒ることを辞める。その夜は、結局朝まで鹿野の付き添いをすることになるのだが。

大泉洋さんは大好きな俳優さんで、以前の作品も全部鑑賞しております。コメディ調の口調で、セリフがアドリブじゃないかと思うくらいに、どんどんと出て来るんですよね。普通の人でも病気になると、介護をしてもらうのに余りことばを掛けにくく、遠慮がちになってしまうのだが、鹿野さんは平気で背中をかいてとか、寝返りも自分で出来ないので、床ずれ防止に30分おきぐらいに体制を変えて上げるのだ。

幼少期に筋ジストロフィーという難病を患い、34歳になる頃には動くのは首と手だけという状態の進行性重度身体障がいを持っていた。24間365日、人の手を借りなければ生きてはいけない不自由な身体にもかかわらず、鹿野さんは病院や施設を飛び出し、実家にも帰らず、市内のケア付き住宅で一人暮らしを始めてしまう。

自ら募集した大勢の介護ボランティア(通称ボラ)に囲まれた、彼の自立生活に好奇心を抱き、3年にわたる丹念な取材を通して、鹿野さんとボラたちとの交流を描いた、渡辺一史、渾身のノンフィクションが原作である。

普通の障害者ならば遠慮してしまいそうなことでもずけずけと要求するワガママぶりで周囲を振り回しながらも、自由と夢のために必死に生きる主人公と、その傍若無人な態度に反発しながらも少しずつ障害者の自立の意味を学び成長していく新米ボランティアの交流をユーモラスなタッチで描いている。

鹿野さんという人がいて、こんなことがあったということは、ちゃんと伝えている。と同時に映画として、面白いものにしなければいけない。その折り合いが難しかったと思います。台本の段階では、原作者との間で試行錯誤もあったらしい。でも、あのノンフィクションを短くまとめて、映画化するわけではなかったから、しかもこの映画は渡辺さんの書いた本が原作だけど、それはあくまでも渡辺さんが切り取った鹿野さんなわけで、観る人によって鹿野さん像が随分と違っていると思います。

人工呼吸器をつけた鹿野さんは、言葉を失ってしまう。それを見て、美咲がたくさんの人たちから話を聞いてきて、酸素を入れる分量を少しずつ変えて、声が出て来る練習をするのに、大変な苦労があったと思います。美咲が恋人の田中が結婚をしてくれるのか、ぐずぐずとして煮え切らない態度に「はっきりしてよと」言ってしまう。そして、田中が家族に美咲を会わせることに決まった時、美咲が田中に嘘をついていたことがバレてしまう。つまり教育大学に行っていて、學校の先生になることだと。実は大学は落ちてしまい、レストランで働いていたのだ。そのことを白状する美咲に腹を立てる田中。結局は、二人はそのことで別れてしまうのだが、鹿野が美咲のことが大好きになり、薄々は気が付いていた田中との関係がダメになったと聞くと、今度は美咲に対して、鹿野が積極的にアプローチをかけてくるのだった。

美咲への手紙も、田中に代筆をしてもらいラブレターを持っていってもらうシーン。鹿野が美咲のおっぱいを触りたいと願うも、叶うことってあり得ないのですが、それが人工呼吸器をつけないと死んでしまうというシーンで、「僕は生きたい、生きたい」と声を出していじらしいくらい懇願する鹿野。手術が成功して、目をさます鹿野の手を自分のおっぱいに持っていく美咲の愛の素晴らしさといったら、涙が出てしようがなかった。

身体障がい者でも性欲があり、エロ本を見たり、ピンクのDVDを見たりするのだが、そのことに気づく美咲が、夜勤の時に鹿野と危なくエッチな関係になりそうになる。しかし、すぐに交代の人が来て結局は何もしないで別れる。

それに、鹿野が美咲に指輪を買って来てプロポーズをする場面もある。でも美咲は、まだ田中を愛しておりプロポーズを断ってしまう。

鹿野さんの演技にまったく違和感を感じられなく、障害者に成り切っていた大泉洋さん、さすがに勉強をしたらしく病人らしく体重も落として、めがねをかけた鹿野さんに添うように演技をしていましたね。

美咲とのデートのシーンでは、大勢のボラと一緒で、楽しそうにしてましたが、美咲を二人キリになるところがなく、あったのは、お腹を壊してトイレに急ぐ鹿野さんの車いすを押してる美咲。そして、トイレに間に合わなくてお漏らしをしてしまうところでは、笑い話のように明るく撮影していました。

つまり全てをさらけ出して生きる鹿野さんは、人間の本質を体現した人。あんな我儘男が愛されたのは、彼のキャラクターももちろんあるだろうけど、彼の生命力に、生きることへの貪欲さを感じられずにいられません。

「生きることに必死で、普通の人と同じように自分も生きたい」ということに、正直に生きた人なんだろうなって、我儘いっぱい言っただろうけれど、でもその我儘というのは、あくまで健常者から見た我儘なんですよね。「こんな夜更けにバナナかよ」って、動けない病人なんだから食べるなよって、いう倫理なんですよね。しかし、障害を持つ人たちが「夜更けにバナナを食べたい」って言うことが、我儘に感じない時代が来れば素晴らしいと思いますね。

キャスティングを言えば、鹿野さんの母親に綾戸知恵を起用したセンスが面白い。鹿野さんの生きる目的は、自立して普通の生活をすることでしたが、生きる原動力は、親を想う気持ちだったと思います。絶望の淵に落ちても、鹿野さんはなぜ諦めずに生き続けたのか。親より先に死ぬことほど、親不孝はないと、言われるように、親への愛でした。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・3  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30300781


2018年邦画ベスト10

2019年01月02日 | 年別の映画ランキングベスト10

2018年も邦画がたくさん鑑賞できました。その中で、一番良かった、感動した作品を選んでみました。

邦画部門

第一位:教誨師★★★★★

第二位:モリのいる場所★★★★・5

第三位:万引き家族★★★★・5

第四位:祈りの幕が下りる時★★★★

第五位:人魚の眠る家 ★★★★

第六位:北の桜守★★★★ 

第七位:今夜、ロマンス劇場で★★★★

第八位:犬ヶ島★★★★

第九位:旅猫リポート★★★★

第十位:-HIBIKI-★★★★

次点:検察側の罪人★★★★ 

いぬやしき★★★★

特別賞:

第1位:カメラを止めるな!★★★★

銀魂2前篇/掟は破るためにこそある★★★★

銀魂2後篇/掟は破るためにこそある★★★★

劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-★★★★

以上、とても良い作品ばかりで、見応えがありました。中でも2018年2月に急逝した名優・大杉漣さんの「教誨師」での演技に感動し、また「モリのいる場所」と「万引き家族」でベテランの演技を見せてくれた樹木希林さん、本当に長い間お疲れさまでした。ご冥福をお祈りいたします。

2019年劇場鑑賞作品・・・2  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30251637



2019年新年のご挨拶と、18年の劇場映画鑑賞洋画ベスト10選出

2019年01月02日 | 年別の映画ランキングベスト10

新年明けましておめでとうございます。皆さまには、幸多き新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2018年にて劇場映画鑑賞作品の中から、18年も映画好きの私にとっては、とても喜ばしい限りのアクション映画が豊富な年でした。

それでも、邦画も中々の良作ぞろいであり、また2018年は、アニメが大活躍をし、上位をアニメでしめているのに驚きでした。

ですが、順位を付けるとなると迷ってしまいます。私が★★★★★を付けた作品の中から選んで見たいと思います。

洋画部門

第1位:ボヘミアン・ラプソディ★★★★★

第2位:アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー★★★★★

第3位:ホース・ソルジャー★★★★★

第4位:アリー/スター誕生★★★★

第5位:ミッション:インポッシブル/フォールアウト★★★★

第6位:ウインド・リバー★★★★

第7位:女は二度決断する★★★★

第8位:セラヴィ!★★★★

第9位:ワンダー君は太陽★★★★

第10位:MEGザ・モンスター★★★★

次点:スリー・ビルボード★★★★ 

キングスマン:ゴールデン・サークル★★★★

ヴェノム★★★★

ALONE/アローン★★★★

女と男の観覧車★★★★

ファントム・スレッド★★★★

特別賞:グレイテスト・ショーマン★★★★

30年後の同窓会★★★★

ローズの秘密の頁(ぺージ)★★★★

バーフバリ 王の凱旋★★★★

昨年は身体の不調で入退院の繰り返しで、PCに向かう時間が制限され、投稿するのも億劫になります。ですが、映画鑑賞は病気の嫌な状態をクリアしてくれるため、ついつい何度も映画館へと足を運んでしまい、帰ってからは疲れが出てそのまま放置状態が続きます。正月の間にでもゆっくりと思い出しながらレビューをしたいと思っていたら、29日から風邪をひき寝込んでしまい、投稿もままならずじまいです。ですので、昨年の鑑賞した映画12本が未投稿になっています。

しかしながら、このような身体ではのんびりとやるしかありません。どうか、今年もマイペースでやりたいと思っていますので、何卒宜しくお願いいたします。

2019年劇場鑑賞作品・・・1  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30251596