パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

人間失格 太宰治と3人の女たち★★★・5

2019年09月23日 | アクション映画ーナ行

妻子がいるにもかかわらず同時に2人も愛人をつくる破天荒な人生を送りながらも、すべてを作品に昇華させた天才・太宰治の晩年を「さくらん」「ヘルタースケルター」の蜷川実花監督が、太宰と彼を愛する3人の女性との関係を軸に極彩色の映像美で映画化。主演は「信長協奏曲」「銀魂」の小栗旬。3人の女性に宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ。

あらすじ:複数の女性と浮き名を流し、自殺未遂を繰り返す天才作家の太宰治。その破天荒で自堕落な私生活は文壇から疎まれる一方、ベストセラーを連発してスター作家となる。やがて身重の妻・美知子と2人の子どもがいながら、同時に2人の愛人、作家志望の静子と未亡人の富栄ともただれた関係を続けていく。それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、自分にしか書けない小説に取りかかる太宰だったが…。

<感想>死ぬほどの恋。ヤバすぎる実話。太宰治は、華奢な体の繊細な文学青年風のイメージでしたので、小栗旬はキャスティングとしてぴったりという印象でした。太宰治を愛している、女性たちの目線で彼を描いているのですから、太宰治は、美形でかっこよくないと説得力がないわけです。監督が蜷川実花さんなのですから、ヴィジュアルにはこだわるでしょう。監督の求める太宰像にピタリとはまったのが小栗旬さんだったのですね。

それに父親も大好きだった俳優の藤原竜也をはじめとして、蜷川実花さんの大好きな美形の俳優である成田凌 、瀬戸康史、千葉雄大などなど、彼女の目に叶った俳優さんたち。

それに、女性陣もやはり監督の蜷川実花さんの目に叶った美しく演技力のある女優さん方、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ等を集めているのも特徴ですね。太宰治の作品はどうしても暗くて難しいと考えがちですが、この映画の太宰治像は、明るさと豪快さがあった人なのではと思いました。

小説のネタになる女性との浮気は、小説家はみなさんが経験していることでもありますので。太宰治は金持ちの坊ちゃんだったようで、フランス文学を学んでいるせいもあり、ロマンチックな女性とのロマンスも小説の中にふんだんに描かれており、女性を口説く言葉には、優しいく女性をその気にさせる情熱もあったようですね。

しかし、家に変えれば糟糠の妻・美知子が家を切り盛りして、子供を育て、夫を立てて女房としては最高の奥様だったのではないでしょうか。女と遊び泊まって朝帰りをしても、ちゃんと家には帰って来るし、子供も可愛がるし、お金のことも家計が苦しければ自分が金の工面を何とかしなければと奔走する。そんな妻に甘える太宰治の姿が、やはりお坊ちゃん育ちだからではないかと。

遊び女の静子の日記を題材にした「斜陽」は、ベストセラーとなり社会現象を巻き起こすが、文壇からは内容を批判され、太宰は苦悩し自分にはまともな小説が書けないのかと悩み、“本当の傑作”を書きたいと苦悩する毎日。

そんなある日、未帰還の夫を待つ身の美容師・富栄と知り合った太宰治は、彼女との真っ直ぐな愛にも溺れていく。身体は結核に蝕まれ、酒と女に溺れる自堕落な生活を続ける太宰治を、妻の美知子は忍耐強く支え、やがて彼女の言葉が太宰を「人間失格」執筆へと駆り立てていく。

代表作「斜陽」のきっかけになったのは、1番目の女・静子は貴族の育ちで、彼女とも真剣に愛し、子供を産み、その子供の認知とともに、小説「斜陽」が、自分の日記を基にして書いたと思い、最後には自分の静子という名前を語尾に書くように説得する性格のきつい女である静子。

2番目の女性は富栄という女で、妻や静子にはない気持ちの優しい情熱的な女。一緒に死んで欲しいと言われて、太宰治は自分が結核でもう長くはないことを自覚していたのだろう。それに、文壇からも冷やかな目で見られ、あの後に有名な三島由紀夫に、強い言葉で自分の生き方を非難される。

最後にクレジットされるとおり、これは太宰治の実人生に想いを得たフィクションなのだが、最後の小説「人間失格」を最後の到達点に定めて、自分が今まで生きてきた人生を見つめて、もう命が長くはないと自覚して、最後の女である富栄と一緒に心中しようと決断したのだろう。

さすがにいつもながらの、蜷川実花監督の鮮やかな花、華、豪華絢爛に煌びやかに色彩豊かで彩られる映像に魅せられました。

 

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凪待ち ★★★・5

2019年07月05日 | アクション映画ーナ行

「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が「ギャラクシー街道」「クソ野郎と美しき世界」の香取慎吾を主演に迎えて贈るヒューマン・サスペンス。再起を誓ったろくでなし男が、不条理な運命に翻弄されながら周囲の人々と織りなす愛と暴力の人間模様を切なくも力強い筆致で描き出す。共演に恒松祐里、西田尚美、リリー・フランキー。

あらすじ:ギャンブル依存症で、定職にも就かず無為な毎日を送る木野本郁男。恋人でシングルマザーの亜弓とその娘で高校生の美波のためにもとギャンブルから足を洗い、亜弓の故郷・石巻に移り住み人生をやり直す決意をする。実家では末期がんに侵されながらも漁師を続ける亜弓の父・勝美がひとりで暮らしていて、ご近所の小野寺が何かと世話を焼いていた。そんな中、郁男は印刷会社で働き出し、再起に向けた新生活がスタートする。ところがある日、亜弓と衝突した美波が夜になっても戻らず、心配でパニックになった亜弓に八つ当たりされた郁男は、彼女を車から降ろし、置き去りにしてしまう。その後、亜弓は何者かに殺され、遺体となって発見される。責任を感じ、次第に自暴自棄となっていく郁男だったが…。

<感想>誰が殺したのか?なぜ殺したのか?・・・香取慎吾ファンで鑑賞しました。でも解せませんね。主人公の郁男が、ギャンブル依存であらゆる金を次ぎこんでしまう男、しかも、寡黙でキレると凶暴。魅力あるかなあ、この男は、今ならばDV、パワハラで訴えられて、奥さんに“出て行け”と言われてもしょうがない男の話です。

何故にあんなに娘や爺さんに、嫁の友達にも愛されてるかが、意味不明なのでイマイチ引き込まれない内容でした。確かに今までがアイドルだった香取慎吾が、新たに生き直して前向きに選んだ作品、もっとも大きな再生に重ねた映画なのかもしれません。

あえて東日本大震災の爪痕の残る石巻を舞台に設定し、主人公は恋人の故郷である見知らぬ土地で、漁師の義父と亜弓の連れ子の高校生の美波と4人で家族になろうとするのだが、・・・。ところが、印刷業へ就職したものの、そこで知り合ったギャンブル仲間と友達になり、新天地へ行っても彼の遊びであるギャンブルは止められなかったのだ。

確かに、愛した女・亜弓は乱暴されて殺されたのだが、娘は元父親が地元にいるので、そこへ行って学校へ通いたいと言う。義父は癌を患い、幾ばくも無いのだから。どうして、自分から義父の漁師の仕事を引き継ぐと、言い出さなかったのかが分からない。漁師の仕事は朝早くて体も大変だし、そんなに金を稼ぐわけでもないのだ。

冒頭から、抜け殻のような香取慎吾を見せられて、後ろ姿が哀れでしょうがない。でも、みんな辛くても生きているのだから。簡単にギャンブルで金儲けをしようという根性が嫌だった。それも、ヤクザの金貸し(のみや)から金を借りて、膨大な利子が付いてくるのに。あっと言う間に300万円の借金ができてしまった。袋叩きに会い、金を工面する方法もなく、飲み屋で暴れて椅子、テーブルなどを壊し、その支払いも亡き妻の友人である氷やのリリー・フランキーが立て替えてくれる。

若い男が働きのせずにギャンブル通いをしては、情けないたらない。「ぼくはどうしようもないろくでなしです」と言う郁男。立派な体があるじゃないか、やり直しは利くはずだ。他にも、郁男が働いている印刷工場の仲間にもそういうやからがいる。何もかもが波にさらわれてしまい、生きる術がないと嘆く人たち。でも自分だけじゃない、周りを見てごらんよ、足を引きずりながらも仕事をしている人だっている。

この映画に登場する人たちは、「あの時、ああしていれば」と、後悔を抱えた者ばかり。美しい波という名前の少女は、そんな男たちの心に“凪”を与えて導く存在なのだ。

だから、香取慎吾に対して義父が船を売って300万円の金を作り、借金返済にしろと優しい言葉をかける。俺はどうせ癌で、後幾ら生きるかしらないからと。その金を持って借金を返すのだが、悪いことに50万円ばかり残ってしまう。よせばいいのに、その金をまたもやギャンブルに賭けるのだ。

それが運よく当たり券で、300万円を儲けてしまうのだが、相手はヤクザでその当たり券を口の中へ押し込んで飲んでしまう。これが「のみや」というものだと馬鹿にされてしまう。怒った郁男がヤクザ相手に喧嘩をする。勝てるはずもなく、怪我をして帰って来る。

だが、義父がヤクザの親分の知り合いで、そのことを聞き、子分に当たり券の300万円を払ってやるようにと命令する。それに、義父が言うには、亡き娘が結婚届けを書いていたことも、2人の結婚を承諾して欲しいと義父に頼んだと言うのだ。

やっと気づいた郁男が、義父の船を買い戻して、自分も漁師をやると宣言して、最後は仲良く船に乗り、新しい船出に出発するという。どうして、もっと早くに気づかなかったのだろうか、人間ってどん底まで落ちないとダメなのかな。

これまで観たことのない厳しいやさぐれ男の役どころに、香取慎吾という俳優の新境地を観たという終幕は美しい。

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長いお別れ★★★・5

2019年06月07日 | アクション映画ーナ行

直木賞作家・中島京子の同名ベストセラーを「チチを撮りに」「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督が映画化した家族ドラマ。認知症を患い、症状がゆっくりと進行していく父と、それに戸惑いつつも懸命に支えていく妻や、それぞれに人生の岐路に立つ娘たちが織りなすお別れまでの7年間を切なくも温かな筆致で綴る。出演は蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努。

あらすじ:かつて中学校の校長をしていた厳格な東昇平が認知症と診断される。父の70歳の誕生日に、久々に顔を揃えた娘たちは、母・曜子からその事実を告げられ、動揺を隠せない。近所に住む次女の芙美は、カフェを開く夢を抱いて奮闘しながらも、上手くいかない恋愛に思い悩む日々。一方、夫の転勤でアメリカ暮らしの長女・麻里は、いつまでたっても現地の生活に馴染めず、思春期の息子のことも気がかり。そんな中、徐々に記憶を失っていく昇平が引き起こす、いくつもの予測不能のアクシデントに振り回されていく妻と娘たちだったが…。

<感想>だいじょうぶ。記憶は消えても、愛は消えない。父親に山崎努さん、いつもながら演技が秀悦であります。私の父親は胃癌で30年前に他界しましたが、親が認知症になるということは、一緒に暮らす家族の介護が必要であり、いろんな映画でも取り上げられてきましたが、何といっても身内である家族の苦労が一番大変ですね。

冒頭での遊園地のメリーゴーラウンドの前に、雨傘を持って現れる山崎さんの顔にドキリとさせられた。それは認知症がかなり進んだ段階であることが後でわかるのだが。

この辺りの病気の進行具合を、時間軸で切っているのですが、山崎がそれを肉体的な表現として見せたのはさすがだと思った。そんな彼に対して、常に変わらないのが、妻役の松原智恵子さん、かなりの高齢なのだろうが美しく年を重ねていて、夫の認知症の世話などと大変なのに、怒らずにいつも優しく夫に接しているのが微笑ましい。

母親が白内障手術 をした時に、医師からうつ伏せ状態維持することと言われて、本当に大変な姿勢で寝なければならないんですね。これって、本当なのかしらって思ってしまった。松原智恵子さんの母親役は、のんびりしていていいですね。

一番に父親のことに世話をやくのが、次女の芙美役の蒼井優と父親の山崎努が、縁側での二人のやりとりですね。これは本当に自然であり、自分のことも大変だし、家族のことも大変なのに、以前はかなり厳格であったであろう父が、校長先生まで勤め上げ、今では認知症になってしまった父との心温まるシーンですかね。娘が何を言っても、とんちんかんな答えしか返ってこないことが、娘にはどうしようもなく哀しくてしょうがないのだ。

長女の竹内結子さんは、アメリカへ夫と一緒にカリフォルニア州モントレー在住している。日本にいる両親のことを心配しながら、全部妹に任せてきたのが心の重荷になっている。だから、毎日のように電話をしては、両親の様子を聞くのだ。それが、アメリカで海外生活をしているのに、英語が話せず困った長女なのだが、夫は仕事のことで頭がいっぱいであり、妻の両親のことなど相談されても上の空。それに、アメリカ生活に馴染めず、すぐに実家のことばかり口にするのだ。

そして孫の崇は反抗期で、登校拒否をしている。ガールフレンドのエリザベスちゃんがいるのだが、お爺ちゃんに電話で漢字に詳しいので、エリザベスと漢字で書いてと電話をしてくる。それが、認知症なので、当て字のエリザベスになっていたのが笑える。

アメリカでは、認知症を患い少しずつ記憶を失っていく事を、「長いお別れ」=ロンググッドバイと言うそうだ。

それでも、認知症の父親にふり回されて、苛立つ次女の蒼井優ちゃんなのだが、万引きをしてポケットの中に入っていたものは、ボンタンアメとじゃがいもに生鮭の切り身だった。自分が大好きなものを自然にポケットに入れたらしいですね。

警察では、かなりお小言を言われましたが、確かに認知症の老人を抱えている家族にしてみれば、老人ホームに預けるのが一番いいのだろう。

しかし、その老人ホームの入所者が一杯で、順番が回ってこないのだ。国の介護保険制度で、ケアプランを立ててくれる役所の人に聞いて、先に、1日置きでもいいからデイサービスに入所するといいですよね。現在母親が認知症で、実際にデイサービスや、介護ヘルパーさんなどお願いして、自分の時間を作っては映画を観に行ってます。

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ナチス第三の男★★

2019年04月05日 | アクション映画ーナ行

ナチス幹部ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画“エンスラポイド作戦”を描いたローラン・ビネのベストセラー『HHhH プラハ、1942年』を映画化した戦争サスペンス。ヒトラー、ヒムラーに次ぐ実力者としてナチス党内からも恐れられた男ハイドリヒ台頭の道のりと、英国政府とチェコスロバキア亡命政府によって立案・実行された暗殺計画の行方をスリリングに描き出す。出演はジェイソン・クラーク、ロザムンド・パイク、ジャック・オコンネル、ジャック・レイナー、ミア・ワシコウスカ。監督は「マルセイユ・コネクション」のセドリック・ヒメネス。

あらすじ:ヒトラー率いるナチス党が躍進する中、海軍を不名誉除隊させられたラインハルト・ハイドリヒ。婚約者でナチ党信奉者のリナに励まされ、ナチス党親衛隊(SS)指導者ハインリヒ・ヒムラーに自分を売り込み、ナチ党に入党するや出世街道を突き進む。そしていつしかSSでヒムラーに次ぐ実力者となっていく。やがてハイドリヒがチェコの統治に乗り出すと、危機感を募らせた英国政府とチェコスロバキア亡命政府は、ハイドリヒ暗殺計画、コードネーム“エンスラポイド(類人猿)作戦”を立案、ヤン・クビシュ、ヨゼフ・ガブチークらチェコスロバキア亡命軍の若者を選抜し、チェコ領内へと送り込むのだったが…。

<感想>なぜヒトラーでもヒムラーでもなく、彼だったのか?史上唯一成功した、ナチス高官の暗殺計画。誰も知らない真実の物語。2月に鑑賞した作品です。

邦題や宣伝ヴィジュアルからは想像もつかないが、ナチスのナンバー3だったハイドリヒを描く伝記映画ではありません。彼の暗殺を計画して、チェコ亡命政府が送り込んだ工作員メンバーの暗躍を描いており、後半ではナチスに彼らがじりじりと追い詰められる攻防である。

主人公の金髪の野獣と言われ、恐れられていたハイドリヒの冷酷非情さは、みるもおぞましい。ヒトラーが何度も暗殺未遂にあった史実は、さまざまなエピソードが映画化されているのでよく知られていると思いますが、ナチス政権の高官暗殺計画で成功した唯一の例が、このラインハルト・ハイドリヒです。

その上美形のロザムンド・パイクが、ハイドリヒの妻となり筋金入りのナチス信奉者を演じると、役柄と称してユダヤ人を絶滅することに地の利をあげた人物を描いたこの映画の衝撃は、強烈でありました。

あれだけ強烈なキャラクターを演じた彼女が、以降、そのイメージにとらわれているかというと、そうとも言えない。そんなロザムンドの得体の知れなさが、熱心なナチ信者、かつ貴族である本作の役どころでは、遺憾なく発揮されており、ハイドリヒを洗脳した張本人としての不気味な存在感はある意味ハイドリヒよりも大きい。

彼がナチスの高官になる前のスキャンダルや、彼にナチスのイデオロギーを吹き込んだ妻との関係、淡々とユダヤ人大量虐殺について会議を行っている様子などは、平然と行われていて全体的に不気味さが漂う作品であり、そういう点でもハイドリヒの持っていた空気が投影されているように感じられます。

ただし、それは前半までで、後半では彼を暗殺するための、チェコ人青年舞台によるエンスラポイド作戦に話が変わるのだった。結果、映画は接ぎ木のような有様になる。

後半でのハイドリヒ暗殺のシーンでは、チェコ青年たちが前もって計画していたように進んでいき、この後半だけを切り取った作品が、キリアン・マーフィらが出演した2016年のショーン・エリス監督『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(チェコ、英、仏)であります。

チェコ青年たちの教会での地下室籠城シーンは、この作品ではあまり詳しくは描いていませんが、地下室に隠れていることが知れ渡り、ナチスの軍隊が奇襲攻撃をするシーンは残酷であり、水責めにするシーンとかも同じでしたね。

その部分でのアクション大作の風格を持つキレのいいカット割りが魅力的でもあり、リアリズムもしっかりと描かれていた。それでも、30代でナチス党幹部に昇りつめたラインハルト・ハイドリヒとは何者だったのか。単に軽薄で冷酷な出世欲の塊だったのか。それ以上はこの作品からは何も伝わってこなかったと思います。

監督はスピルバーグあたりの演出を意識しているのかとも考えたのだが。とはいえ、現代の映画なのに、ナチスの軍人がドイツ訛りの英語で話すのはどうかと思った。前半、後半はそれぞれが力強いドラマになているので、独立した別々の作品として観たかったですね。

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七つの会議★★★★

2019年02月07日 | アクション映画ーナ行

人気作家・池井戸潤のベストセラー企業小説を主演の野村萬斎はじめ香川照之、及川光博、片岡愛之助、北大路欣也ら実力派キャストの豪華共演で映画化したエンタテインメント・ミステリー。中堅メーカーを舞台に、ひとつのパワハラ騒動を巡る不可解な人事が発端となり、会社の暗部が徐々に浮かび上がっていくさまをスリリングに描く。監督は同じ池井戸潤原作のヒット・ドラマ「半沢直樹」「下町ロケット」などを手掛けた福澤克雄。

あらすじ:都内にある中堅メーカーの東京建電。定例の営業会議では営業部長・北川の激しい檄が飛び、厳しい叱責にみなが震え上がる中、のんきにイビキをかいている万年係長のぐうたら社員・八角民夫。そんな彼が年下のエリート課長・坂戸をパワハラで社内委員会に訴えた。すると委員会が下した裁定は意外にも左遷という厳しいものだった。北川の信頼も厚いエースへの思いがけない処分に、社員たちの間に動揺が広がる。そんな中、新課長に着任した原島は、一連の不可解な人事の裏に何があったのか、その真相を探り始めるのだったが。

<感想>企業という巨大な組織の中でいち社員ができることは限られている。社員として働いている以上は、ノルマを課せられ常に厳しい状況の中で働いているのだ。その中で会社の不正に対して上司に直訴をするということは、もしかしてクビ宣告を覚悟の上で告発をせねばならないのだ。

大企業の立て社会の組織に背くと、自分がいくら正しいからと言っても悔しい思いをせねばならないのだ。この物語の中で、係長というポストにいる八角と言う社員は、会議のときはいつも寝ている札付きのぐうたら社員。彼が組織の中で、誰に何を言われようとも飄々としていられるのは、腹に何かを握っているのか、さては最後の切り札として口を封じているのか定かではない。

主人公兼任で八角という狂言回しを演じているのが、野村萬斎。歌舞伎仕立ての大仰な表情や口調が、周囲の空気を乱しまるで独りパロディのようであった。

しかし、そんな彼が引き金となって、芋ずる式に会社の、そして親会社の悪事や隠蔽が暴露するというのだが、この下りもまんまパロディである。

それに営業と経理部の子供じみた確執や、ドーナツの無人販売騒ぎと、ドーナツ泥棒騒ぎも、観ていて粗捜しをしているようでみっともない恥ずかしさだ。

欠陥品とリコールについての内部告発騒ぎも、結局は上層部ではすでに承知のことで、リコールをすれば損害賠償金が2000億円という、大損害を会社がかぶることになるために、隠蔽をしようということになるのだ。会社の屋上でヒソヒソと会議する。

一番上の長たるものが、一番ずるがしこいときてるから始末が悪い。底辺の営業マンは、あくせくとノルマのために靴底をすり減らして働き、結局ノルマを達成するための悪だくみということになる。

問題のトーメイテック社へ発注するも、会社と会社が癒着をして合法のもとに、材料を安い材料に変えて、大量生産をして儲けるのだ。たかがネジ一本のことだと言うが、それが大事故に繋がることにもなるわけで、そのことを上層部は誰もが知っていても口をつぐむのだ。

だから、企業という巨大な組織の中で一社員ができることは限られている。それでも不正に対して告発をしようとする、立派な社員がいることを忘れてはならない。そのために家庭を壊し、己の信念を曲げずに闘うという男がいることを忘れてはならない。

「この世から不正はなくならない」という諦念は、日本の企業体質の伝統であるが、この諦念を良しとしない鈍感なる不屈の精神の在り方を、野村萬斎が池井戸節をもって体現していた。

原作は読んでいませんが、スピード感あるエッセンスを凝縮させた展開に拍手を、そして社会性とエンタテインメイント性のバランスが絶妙でした。

2019年劇場鑑賞作品・・・17  アクション・アドベンチャーランキング

 

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人魚の眠る家★★★★

2018年11月29日 | アクション映画ーナ行

東野圭吾の同名ベストセラーを「SPEC」シリーズ、「RANMARU 神の舌を持つ男」の堤幸彦監督が映画化したミステリー・ドラマ。“脳死”と判定された我が子を巡って夫婦の運命が大きく狂っていくさまをエモーショナルに綴る。主演は篠原涼子と西島秀俊、共演に坂口健太郎、川栄李奈、田中泯、松坂慶子。

あらすじ:2人の子を持つ播磨薫子だったが、IT機器メーカー社長の夫・和昌とは別居中で、娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。そんな時、その瑞穂がプールの事故で意識不明となってしまう。医師からは回復の見込みはないと脳死を告げられ、夫婦は苦渋の決断で臓器提供を受け入れる。しかし薫子は直前になって翻意し、和昌の会社の研究員・星野のある研究成果に最後の望みを託すのだったが…。

<感想>娘を殺したのは、私でしょうか。この愛の結末に涙が止まらない――東野氏が言うには、「描かれているテーマは重く、ドラマは深く、派手なアクションシーンはありません。しかし間違いなく一級品の娯楽作品になっていました。私が密かに自負していた原作の『売り』を、見事に再現してもらっていました」と映画版に最大限の賛辞を贈っている!

大切な人が、もう目覚めないかもしれない――。本作は、誰の身にも起こりうる“日常に潜む事件”を入り口に、“衝撃”と“共感”という一見相反するテーマを、奇跡的なバランスで成立させた一作だ。

物語の主軸となるのは、離婚寸前の夫婦。すでに離婚が決まっていた薫子(篠原)と会社経営者の夫・和昌(西島)のもとに、ある日、娘の瑞穂(来泉ちゃん)がプールで溺れ、意識不明になった知らせが届く。医師から回復の見込みがないと告げられた夫婦が下す決断は、さらなる苦悩を生み出し……。眠り続ける娘を前に、絶望に叩き落される夫婦。だがそんなとき、ある一つの“道”が提示される。それは、娘だけでなく、家族や多くの人間の運命を左右する“決断”でもあった――。

子供でも親でも誰にでも起こりうることであり、人間が脳死状態で心臓が動いていても、死んでいると受け止めることはできるだろうか。病院の医師は、早く娘の心臓の臓器提供者として求めるのだ。確かに、幼い子供を持った親としては、自分の子供が心臓が悪くて臓器提供を願っていて、そこへ上手く年齢のあった臓器提供者がいれば好都合ということですよね。

しかし、まだ心臓が動いている我が子を見て、死んだとは認められない母親がいることは、自分がもしそうだったら、我が子が脳死状態で、臓器提供を求められたら、すぐには返事はできないでしょう。

そして、この映画の両親は、離婚間近なのに父親のIT機器メーカーの社員が研究をしている、人間の脳死の研究をしている星野に望みを託すのであります。それは素晴らしいもので、人工呼吸器だって肉体に埋め込むことが出来て、脳にも電極で信号を送り手や指、足まで動かす技術が発達しているなんて驚きでした。これで、この親子もこの治療のおかげで何とか、生きているような我が子の様子を見られて安心をし、自宅介護で頑張ります。

その研究員の星野(坂口健太郎)にも恋人ができ、結婚間近に迫っても中々、瑞穂ちゃんの容態のことが気がかりで結婚どころではありません。彼女の方が、痺れを切らして結婚を迫りますが、帰って星野の心を結婚に心を閉ざしてしまうのですね。

そんな時に、家族の弟が学校で、姉が死んでいるのに散歩をしたりして見せびらかしていると虐められてる。母親にそのことは、十分に伝わっているのですが、まだ我が子が死んだという実感が掴めないのだ。盛大な弟の誕生会に、誰も弟の友達が来ないし、そのことよりも、瑞穂ちゃんの友達が告白をするのですね。本当は自分が水死することになっていたのに、瑞穂ちゃんが彼女の為にプールに潜り、ビーズのブローチを探して溺れてしまう。そのことで、泣いて謝るその友達も、一生心にそのことを後悔して悔いが残るのでしょう。

その時にとった母親、薫子(篠原)の態度が尋常じゃなかった。ケーキのナイフを取り、瑞穂ちゃんの首にナイフを当てて、「この子は死んでいない、生きているの」今、私がここで、瑞穂の首にナイフを刺したら、「私がこの子を殺したことになりますか、それとも脳死で死んだ子供を刺し殺しても殺人にはならないのか」とみんなに向かって意義を唱えるのです。みんなは慌てて、やめてくれと懇願する。

さすが堤監督、いつか起こるかもしれない奇跡に取り憑かれた母親をメインにして、物語を引っ張っていき最後まで飽きさせないのだ。最先端のIT技術によって“脳死”のまま、成長を続ける娘の身体は、IT技術は現代の錬金術に近いものがあるから、この娘はいわば現代のフランケンシュタインとも言えなくないが、この映画では、逆に母親が怪物化してゆき、その愛と欲とエゴ、のエスカレートがスリリングでした。

そして、母親がハッと気が付くのですね。家族が崩壊していく、この娘を一生この状態で世話をすることは大変なことであり、弟も学校で虐めを受けていることだし、外へ散歩へ行けば、みんなが変人扱いする。

そんなことを考えて、父親とも相談して、母親が取った最後の決断は、娘の心臓を臓器移植提供することにするのですね。心臓移植提供を待っている子供たちのためにも。

生きているということはどういう事なのか。魂が存在するかということにも触れるネタとストーリー。脳死と呼ばれる状態になった人の手に、観ていて温もりが感じ、“死”という言葉に違和感を覚えた。

脳死に対する考え方は、ひとそれぞれなので、当然、映画で描かれていることに対する反応も人それぞれだろう。それでも助ける命と、助かる命をどう優先するのか?・・・と言うことに対して、時に不気味さを漂わせながら多角的に描いている点では評価したいですね。最後まで考えさせられるテーマでした。

 

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日日是好日★★★★

2018年10月09日 | アクション映画ーナ行

人気エッセイストの森下典子が、茶道教室に通う日々の中で体験したいくつもの気づきや感動を綴った『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を黒木華、樹木希林、多部未華子の共演で映画化した人生ドラマ。人生に迷っていた主人公が、茶道教室で出会ったお茶の先生との触れ合いを通して、季節を五感で味わうことの素晴らしさや、生きる歓びを少しずつ実感していく姿を瑞々しいタッチで綴る。監督は「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣。

あらすじ:真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょいの二十歳の大学生・典子は、母から勧められて同い年の従姉妹・美智子と一緒にお茶を習うことに。稽古初日、茶道教室にやって来た2人は、“タダモノじゃない”と噂の武田先生に迎えられ、さっそく稽古を始める。しかし、意味も理由も分からない所作の数々に、ただ戸惑うばかり。大学卒業後、就職した美智子がお茶から離れてしまう一方、就職につまずいた典子は出版社でアルバイトをしながらお茶に通い続けるのだったが…。

<感想>先行上映にて鑑賞。私も丁度19歳のころに茶道と華道を習い始めました。近所のお婆さんが教えていた裏千家の茶道でしたが、2年くらいで止めてしまいましたが、一応お道具だけは揃えて置きました。今でも何かあると道具を取り出しては、お点前を立てて無心に帰ります。不思議と作法は覚えているもんですね。

ところでこの作品のいいところはたくさんあります。特に女性たちにお勧めしたいですね。先日亡くなりました樹木希林さんは素晴らしい方でした。どんな役柄でも、その役になり切っていて、観ている私たちに感動を与えてくれる素晴らしい俳優さんでした。一番に思い出すのは、『わが母の記』そして、『あん』それに、『モリのいる場所』ですかね。その他にも、殆ど出演作は鑑賞してます。

この作品での核といいましょうか、習い事というと堅苦しく考えがちですが、自分が出来ないことを師匠と仰ぐ方に習うということは、とてもいいことで、どの先生でも生きてきた道が見えるような、茶道家にはその佇まいに出来ているし、教えを乞うこととは、先生の一言、一言が胸に染みてくるわけで。

武田先生は、「いつやめてもいいのよ、ただ美味しいお茶を飲みにくる、それでいい」と優しく諭すように言うのだ。茶室の掛け軸の「日日是好日」という書に、難しく考えることはない、「今」を大切に生ければ自ずと拓けていくのだと、そう教わった気がしました。

まるで季節のように生きているかのように、庭には四季折々の草花に、茶室には掛け軸とお花がいけてある。そして、出される茶菓子も季節ごとに違うし、自然とお茶を嗜むことが楽しいような、心が清々しくなるような気がする。

樹木希林さんが扮する武田先生は「お茶はね、まず形なのよ。初めに形を作っておいて後から心が入るものなのね」といった茶道の教えのほかに、「わたし、最近思うんですよ。こうして毎年同じことができるってことが幸せなんだなって」など人生の師としても名言多数あります。

ベテラン女優の樹木さんが、茶道の先生で良かったと思う安心感と、映画の中で映し出される茶室の蹲(つくばい)、掛け軸、柄杓(ひしゃく)鉄の茶釜、なつめなどの茶道具も印象的で、茶道の奥深さ、豊かな世界を感じさせる映像となっているのも素晴らしかった。茶碗の中に茶筅で優しく最後にのの字を描くようにと、そういえばコーヒーを淹れる時も、お湯を注ぐ時にのの字でしたね。

共演の黒木華と多部未華子の娘たちが、初めて習う茶道教室に戸惑いながらも、素直に教えを聞きながら覚えていく姿も愛い愛いしくて、着物姿の二人の綺麗なことといったらなかった。

二人の恋愛話に、大学を卒業してからの就職のこととか、黒木華扮する典子が出版社へ就職試験にいき、採用試験に落ちてしまったこと。

帰りに茶道教室へいき、先生に「お茶を頂きに上がりました」と茶室に行くと、そこには、だるまの絵が描かれた掛け軸が、先生は「だるまさんの大きな目で睨んでもらおうと思って」という。その意味は「必勝、七転び八起」とか、先生が典子の気持ちを汲んで掛け軸を選んで掛けていたのですね。

正月の初釜の行事も、みんな他の生徒さんたちと並んで、濃茶を頂く所作も素晴らしかった。つい20歳の自分を思い出してしまう。1月のお茶碗には、その年の干支が描かれた茶碗を使用するという凝りようで、お茶碗や、その他のお道具全てが全部素晴らしくて、あの頃に時間が戻った感じがして、この映画を観て本当に良かったです。

 

ラスト近くで父親が亡くなって、典子は亡き父親にお茶を点ててあげたのでしょうかね。就職のことも、結婚のことも両親は心配していたでしょうに。早速、家に帰って夫に、薄茶でも点てましょう。

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寝ても覚めても★★★・5

2018年09月18日 | アクション映画ーナ行

前作「ハッピーアワー」で大いに注目を集めた濱口竜介監督が、芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を主演に東出昌大と唐田えりを起用して映画化した恋愛ドラマ。同じ顔を持つ対照的な2人の男を愛した女性の揺れる心の軌跡を通して、人が人を好きになることの不思議を丁寧かつスリリングな筆致で描き出す。

らすじ:地元の大阪を離れて東京で暮らしていた泉谷朝子。カフェで働く彼女は、コーヒーを届けに行った先である男を見て息をのむ。丸子亮平と名乗ったその男は、2年前、朝子のもとから突然姿を消した恋人・鳥居麦とそっくりな顔をしていた。5年後、朝子は亮平と共に暮らし、満ち足りた穏やかな日々を送っていた。そんなある日、麦がモデルとして売れっ子となっていることを知ってしまう朝子だったが…。

<感想>愛に逆らえない。違う名前、違うぬくもり、でも同じ顔。運命の人は二人いた。新人の唐田えりかが演じている朝子、始めは大阪時代に知り合った麦と言う若者と、次に東京へ出て来て知り合った亮平という2人の若者を愛するようになる。東出昌大が2人の男を演じ分けている。

麦は放浪癖が強くて、散歩中にいい風呂を見つけたといってそこへ入っていく。そして、ある日突然、靴を買いに出たまま姿を消してしまうのだ。

それに対して、亮平は堅実な会社員であり、日本酒のメーカーで働いている。まさに麦がちゃらんぽらんな性格とすれば、亮平は地に足が着いている真面目なタイプ。

麦に捨てられた形となった朝子は、実直な亮平と会って一緒に暮らすようになる。確かに心がときめく様なことは起きないが、平穏な安心感がある。2人は東北大震災の後、被災地にボランティア活動に行くが、恐らくは亮平が誘っての事だろう。その活動も朝市の手伝いなので、特別なことではなく日常の延長になっている。

亮平との平穏な暮らしが続くかと思われた時、姿を消していた麦が現れ、朝子は麦の突然の帰還に動揺する。もともと亮平は麦と瓜二つだったから。朝子は亮平と暮らしながらも、「この人はひょっとして、麦ではないか」と不安といくらかの期待を持っていたはずなのだ。

そして、朝子は麦と再会した後、思いもかけない行動をとる。これは、朝子が我儘であるとか、自分の気持ちに素直であるとかではないと思う。寝ていてた麦への愛が呼び起こされ、そのまま亮平のもとを去って、麦と一緒に逃避行をしてしまうのだ。

誰がどう考えても朝子のとった行動は許されるものではない。若いカップルが付き合い幸せに同棲をしていたところへ、女の方がまだ昔の彼のことを忘れられなくて、そこへ昔の彼が「迎えに来たよ」なんて言われたら、つい動揺してそのまま付いて行くだろうか。あり得ないと誰もが思うだろう。絶対に女の方が卑怯だ、大人のすることか、子供ではないのだからと、怒るだろう。

亮平と一緒に住んでいるところは、川が目の前に流れていて、土手の傍に建っている。雨で増水した川を見て亮平が「水かさが増している」と言うところでは、2人の暮らしの先行きの不安を感じさせるのだ。

一度は朝子を捨てた男、麦に再び夢中になるヒロインの朝子の、理性では割り切れない愛の姿に感情を揺さぶられる。しかし、麦と亮平は双子ではない。確かに顔は似ているが性格も体つきも違うのだから。

北海道へ行こうと言う麦の言葉に、つい衝動的に惹かれて付いて行った朝子は、途中の東北大震災の後地、仙台で目が覚めてふと気が付くのだ。自分は何をしているのだろうと、そして、麦に別れを言い車から降りる。

防波堤の高いガードレールがある東北道、そこで降りて海を見ると、曇り空で波が荒く押し寄せている。つまりは、もしもこのまま麦に付いて行ったら、この海のように荒々しい、波に飲まれて行くかもしれないことを考えたのだろうか。そのまま、無一文の朝子は、震災のボランティアをしていたおじさん(仲本工事)の家へ行き、旅費を貸して貰い東京から大阪へ転勤した亮平の元へと帰るのだ。

しかし、亮平は怒り、決して許さないといい、朝子の飼っていた猫を捨てたと言うのだ。それから、猫を必死に探しに行く朝子。雨が降って来てびしょぬれになりながら、愛猫を探す朝子を見て、亮平は自分のところへ戻って来てくれたことを素直に喜べないも、心の中では赦しているのだ。

主演の東出昌大と唐田えりの他に、友人の瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知など、演技がみなさん上手かったです。

多くの恋愛映画が描くのに、ライバルを始め、家族や会社のしがらみや病気といった障害を設定することで、ドラマを盛り上げようとするのに対して、ここでは、それらを一切排除して、ヒロインの感情の動きのみに沿って描いている、理不尽とも思える言動をヒロインがやってのけるが、それを演出と俳優の力で成立させてしまう、ごく稀な恋愛映画なのだ。

それに、川から海へ、また川へと全篇を繋ぐ水のイメージと共に、観客はその流れに心地よく身を任せていればいい。朝子の取った態度に、賛否両論があれど、こんな女性がいてもいいのじゃないかと、自分にはない女の一面を見た感じがした。

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2重螺旋の恋人★★★・5

2018年09月11日 | アクション映画ーナ行

「8人の女たち」「スイミング・プール」の鬼才フランソワ・オゾン監督が、「17歳」のマリーヌ・ヴァクトを再び主演に起用して贈るエロティック心理サスペンス。優しい精神分析医の男と恋に落ちたヒロインが、対照的な性格の双子の兄弟と出会い、嫌悪を抱きながらも肉体的な欲望に溺れていくさまを、官能的かつミステリアスなタッチでスリリングに描き出す。共演はジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット。

あらすじ:原因不明の腹痛に悩む25歳のクロエは、婦人科医から身体に問題はないと言われ、紹介された精神分析医ポールのカウンセリングを受けることに。温厚で誠実なポールに話を聞いてもらううち、不思議と痛みが和らいでいくクロエ。いつしかポールと恋に落ち、同棲生活を始める。そんなある日、街でポールそっくりの男を見かけ、やがてその男がポールの双子の兄弟ルイと知る。しかもポールと同じ精神分析医だった。ポールがルイの存在を隠していたことを不審に思い、偽名を使ってルイの診察を受けるクロエ。ポールとは正反対の傲慢で支配的な態度に嫌悪感を抱くクロエだったが…。

<感想>冒頭、クロエが美しい長髪をバッサリ切り落とす衝撃シーンから始まる本作。服装も無造作で少年のようだった彼女は、ポールとルイの診察室に通ううちに、におい立つように美しく、そして力強く変貌していく。この“変化”は何に起因するのか?

最近の映画では「婚約者の友人」2017年10月21日「危険なプロット」などが上げられるが、本作では精神科医と恋に落ちた女性の前に現れた「もう1人の彼」。「双子の兄」だと名乗る同じ顔、同じ職業のその男性は、本当は何者なのか!? 果たして、愛してしまったのはどちらなのか?私が愛した男は、何者なのか。容姿は同じで中身は正反対の、双子の男。

2人は職業も同じ、精神分析医だった。クロエが長年悩まされ続けているのが「原因不明の腹痛」。それがポールとの出会いにつながるのだが、肉体的な異常はまったく見られず、婦人科の女性医師に「精神的なものでは?」とカウンセリングを提案されるのだ。普通だったら、女性のカウンセリングをお願いするのに、男性にしてと紹介してもらう。

精神分析医カウンセリングと恋に陥るケースはわりと良くあるそうだ。じぶんの心の中に隠している悩みとか、秘めたる想いを話て相談にのってもらうのだから。自分の思った通りの穏やかな優しい答えに、つい自分をこんなにも愛してくれているのならなんて勘違いをしてしまうのだろう。

ところが、街でポールとそっくりの男が女と立ち話をしているのを見かける。気になって、その男の接触するも、双子の兄のルイだったとは。何故にポールは双子の兄がいることを自分に話をしてくれないのだろう。

そのそっくりなルイは、ポールとは正反対の性格で、すぐにセックスを求める男。すぐに相手のいいなりに身体の関係を持つクロエも変な女性だ。ポールとの刺激のないセックスとは、真逆な激しいセックスに没頭して、ついルイのところへ通ってしまう。もちろん診察料としてお金は取られる。

クロエは、自分がポールを愛しているのか、夜に一人になるとつい双子の兄ルイのことを思い浮かべてしまう。本当はどちらを愛しているのか、両方を愛することで満たされるのか、自分でも分からなりインモラルな性癖に悩まされるのだ。夜にベッドの中まで襲って来るルイの過激なセックスの妄想に取り憑かれる。

そして、妊娠が発覚する。果たしてどちらの子供なのかが分からないクロエは悩む。口ではポールの子供よ、なんて強い口調で言ってはみても、ルイのところへ通い、セックスを何度もしているうちに快感となって関係を続けていることが、ポールにも知れることになる。

ルイは、「お腹の子供は俺の子供だ」といい、きっと双子の子供が生まれる可能性があると。「俺の子供なら奇形児が生まれる可能性がある」なんてことも言う。

それに、クロエには姉がいて、子供の頃に亡くなっていたらしい。産婦人科で診察してもらうも、医師は首をかしげてお腹の子供のことをはっきりとは言わない。

クロエが突然のお腹の痛みで救急病院へ運ばれて、出産ということになるも、お腹の子供は人間の形をしておらずに奇形な物質だった。母親がクロエの妊娠を聞き駆けつけるが、クロエには姉がいたのだが、何故か亡くなっているのだ。もしかして、クロエも双子の片割れなのかもしれない。

それに、ポールの前の妻に会いに行くも、彼女は自分と同じように、兄のルイとも付き合い関係を持ち、神経的に病んでしまいそのまま床に臥せってしまう。その女の母親が、ポールとルイの双子に娘が神経を病んでしまったことを話すも、ベッドの中の彼女はまるで幽霊のような、魂の抜け殻のようだった。

ここでは2カ所で登場する螺旋階段にも、何らかの秘密が隠されているようだ。ポールの働く診療所に、ルイの診察室へ向かうのも同じのように螺旋階段である。その意図とは? 官能的な映像が“螺旋”の世界へと観る者を引きずりこんでいくかのようだ。対照的な性格を持つ双子に惹かれたクロエの困惑を入り口に、潜在意識のさらに奥へと分け入っていくような、心理スリラーだ。

そして、ルイからプレゼントされる「猫のブローチ」にも注目。クロエの住んでいるアパートの隣のおばさんも、同じ猫のブローチをつけていたのだ。

そして、彼女が働いている美術館の展示物を見つめているクロエ。 そこには物語を理解する大きなカギが、クロエは美術館員として働いているが、彼女が見つめる展示物は、現れる度に徐々にグロテスクさも持ち合わせている世界観へと変貌していく。つまり人間の内臓をモチーフとして表しているような、オブジェ。まるでクロエの心の中を反映しているような視覚の変化は、見ているこちら側にもじわじわと暗い不安を投げかけて来る。

それに鏡を象徴的に使い、現実と妄想の境界線が曖昧な世界を生み出していた。これは本作の謎めいたストーリーを象徴するかのようでもある。現実と妄想が交じり合っているクロエの世界。彼女は現実世界に不満を抱いているので、想像の世界で自分の謎の答えを探しているようだ。

女性の本質を描いて来たオゾン監督だが、今作ではエレメントに凝り過ぎて本質が見えにくくなっているのが惜しい。

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泣き虫しょったんの奇跡★★★

2018年09月10日 | アクション映画ーナ行

35歳のサラリーマンが将棋界の歴史を変えてしまう偉業を成し遂げ、みごとプロ棋士になったという瀬川晶司五段の奇跡の実話を松田龍平主演で映画化。共演は野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、イッセー尾形、小林薫、國村隼。監督は自身も17歳までプロ棋士を目指して奨励会に在籍していた「青い春」「空中庭園」の豊田利晃。

あらすじ:中学生でプロ棋士になった谷川浩司棋士のニュースに触れて、プロ棋士を意識するようになった小学5年生の“しょったん”こと瀬川晶司。隣に住む将棋好きの鈴木悠野と切磋琢磨し、メキメキと実力をつけていく。そして中学3年生のとき、ついにプロ棋士への登竜門となる奨励会に入会する。しかしその奨励会には、26歳までにプロになれなかった者は退会しなければならない、という年齢制限に関する厳しいルールが存在した。やがてしょったんも、その厚い壁を打ち破ることができずに退会を余儀なくされ、会社員として新たな人生を歩み始めるのだったが…。

<感想>将棋界において前代未聞の形でプロ棋士になった、瀬川晶司五段の敗者復活の物語と、自伝を基に映画化されたもの。最近では数十年に一人の逸材である藤井聡太七段の登場で、久しぶりの将棋ブームに沸いた年でもあった。この映画はその流行りに乗った映画というわけではないと思うのだが、監督の豊田利晃も奨励会でプロの棋士を目指した過去を持つ。もっとも将棋をよく知り尽くし、奨励会の厳しさを知った人間が撮るこの映画。撮るべくして撮ったのが今だったのだろう。

しょったんこと瀬川晶司は、将棋のプロになるには必ず通らなければならない、日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「新進棋士奨励会」に於いて、満26歳で四段になれず、退会した。普通ならばここでプロへの道は絶たれるのだが、その後兄の進めもあり、いつまでも将棋ばかりにこだわるなと叱咤される。27歳で大学へ入り卒業して就職するのだが。

まず訪れる敗退は、まったくもって苦く、心が折れるほどに痛い。しかしそれが、やっぱり諦め切れなかったのですね、遠ざかっていた将棋を再び始め、アマチュアで名人となり、瀬川の努力と彼を支援するアマチュアの名人の藤田守(小林薫)とか、様々な人々の力もあって、2005年、35歳の時、異例中の異例でプロ棋士になったのだ。

その後、この制度でプロになった棋士は、瀬川の後に1人しかいない。瀬川の明けた風穴は大きいが、だからと言って、同じプロセスでプロになるのが難しいことが分かって来る。

17年の春に公開された「3月のライオン」、それに「聖の青春」も秀作であった。どちらにしても、小学生から奨励会に通う子供たちがいることを知り驚いた。それにしても天性の素質はあっても、やはり努力、努力の結果であり、眠る暇も惜しんで将棋盤を見つめて、研究をする彼らだからこそ、掴んだ勝利はいかほどの事かと思う。

観ていて、駒を指すパチン、パチンという音が響く。その手指がとても美しく、将棋の映画での手と指の動きは、時代劇に於ける所作や殺陣といった特別なアクションと、同等の意味をなすことを感じとりました。

24歳の時の晶司は、三段リーグ8勝1敗で首位に立つ。対する清又(新井浩文)は、このリーグ中に26歳の誕生日を迎える。絶対に負けられない清又の1局だが、盤上では晶司の方が優勢。落ち着きのない清又が、扇子で畳をコツコツと叩き考え込む。この鬱陶しい仕草に晶司が苛立ちを募らせる。

そして、あり得ないことに、晶司の後ろに回り込み盤上を覗き込むのだ。このシーンは、加藤一二三がよくやったというそれなのだ。昨今の将棋ブームでにわかに将棋の知識を得た人も知っている有名なエピソードである。緊張感の漂う対局シーンにユーモアが生まれる。勝負はどちらが勝ったのかは、映画をご覧ください。

タイトルに「泣き虫しょったん」とあるが、彼は将棋で負けるとトイレに籠って、悔しくて泣くのだ。それくらい悔し涙を流すのだから、本当だったら、26歳の時に、頑張ってプロ棋士になれたのだろうと思ったのだが。将棋は自分との戦いであり、その厳しさは想像しきれない凄いものがあると思うのですが、晶司なら“もっとやれたのではないか”と観ていて苦々しくなるのだ。

映画の中では、奨励会を辞めた後の晶司が、泥沼にずぶずぶと沈んでいくシーンがあるので、きっと、その時の心情を表しているのだと思いますね。

主人公のしょったんは、天才ではなく執念の人なんですね。年齢制限という壁に阻まれても、何としてもプロの棋士になりたいという執念が実ったのだから。

特別対局や、通常の対局シーンを見ても、将棋の心得が無いものでも、その独特の緊張感は肌で感じ取ることが出来ます。

それに、キャスティングが贅沢ですね。瀬川晶司に恋する女性として、上白石萌音が喫茶店のウェイトレスに。きっかけとなった小学校の先生に松たか子が、父親の國村隼が、息子に好きなことをしろと激励応援するのだが、朝にジョギング中に事故で亡くなってしまう。母親には美保純が、タクシーの運転手のイッセー尾形、通行人で瀬川晶司のファンの藤原竜也他、大勢の有名なキャスト陣が出演しています。

3月のライオン前編

3月のライオン後編

聖の青春

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7号室★★

2018年08月12日 | アクション映画ーナ行

潰れかけた個室DVDボックス店を舞台に、ある一室にそれぞれ隠しごとのあるアルバイト店員と店長の駆け引きを描いたシチュエーションサスペンス。アイドルグループ「EXO」のメンバーで、「あの日、兄貴が灯した光」などで俳優としても活躍するD.O.(ディオ)が貧乏学生のアルバイト店員を演じ、「悪女 AKUJO」「高地戦」のシン・ハギュンが店長に扮する。監督は本作が長編2作目のイ・ヨンスン。

あらすじ:ドゥシクが経営する個室DVD店は倒産寸前で、店員への給料も未払い状態が続いていた。そんな折、アルバイト店員のテジュンは、多額の報酬を支払うという麻薬密売人の話に乗り、預かったブツを店内の7号室に隠す。店を売却したいドゥシクは、アルバイトを増やして大繁盛を装うが、新人バイトが店内で不慮の事故で死亡する事態が発生。慌てたドゥシクは死体を7号室に隠し、ドアを施錠してしまう。隠した麻薬を取りに戻ったテジュンは、ドアが開かずに困惑。7号室のドアを開けたいテジュンと、開けられては困るドゥシクの間で攻防が繰り広げられる。

<感想>何か、如何わしさが匂う作品、ミステリーともコメディとも取れるバカバカしい物語でした。経営不振で店の権利を売ろうとしている店長が、個室DVD店で起こるドタバタ劇を展開する。

そもそもいかがわしい店だし、Hビデオを個室で見ながら、若者男女がセックスをする店なのだが。店の誰一人として映画ファンではなさそうなのに、個室DVD店が、ハリウッド超古典映画のポスターを貼っていて、これは監督の趣味なのだろうか分かりませんね。

ですが、真面目にがっちり撮っていること自体は悪いことではない。設定から想像されるとおりコメディ色も強く、DVD店が不振なので、夜になると運転代行のバイトをしてこずかい稼ぎをしている。思慮の浅い店長役のシン・ハギュンが一人で映画全体を支えているような感じがするでもない。

始めは店長は儲かると思って始めたはずなのに、男女が個室で楽しむDVD店の営業不振で苦しんでいた。その日常が実にリアルに良く出来ていた。喜劇と言えばそのような、ギョーカイ的に身につまされ、爆笑とはいかない。

アルバイト店員のD.O.にも月給が払えず、店を売ろうとする。そこで登場する不動産屋との会話も損得中心で、笑えるのだ。中年の教頭先生というデブ男が、店を見にやって来るのだが、いかにも流行っているようにと、バイトをもう一人増やす。そのバイトが朝鮮族であり、まるで人種差別のような店長の接し方。その新人バイトが、雨漏りのする廊下をゾーキンで拭いている時に感電死してしまう。

脚本監督のイ・ヨンスンは、死体隠しのサスペンスや警官たち朝鮮族の差別、ヤクザとの麻薬取引も入れて来るので、サービス精神は伝わるけれども物語が分散していて残念だ。

店長のシン・ハギュンが、新人バイトの死体隠しに奔走して、一時の間、7号室に隠してしまう。そこへ、バイトの支払いが無いので、仕方なく麻薬を隠す仕事を頼まれるもう一人のバイトのD.O.が、まさか死体が隠されていることなど知らないで、7号室の椅子の中へ麻薬を隠す。

そのシチェーションから物語が、あちこちと動き回るハラハラを極めた作品なのかと思っていたが違っていた。日々の生活にあえぐ社会的弱者が、道を切り拓こうとすればするほどもがく羽目になる姿を、少々サスペンスフルに描いた感じです。

D.O.が何度も7号室を見に行くのだが、鍵が幾つも取り付けてあり、直ぐには開かないようにしている。7号室の部屋の前には、DVDの本棚で塞いで、開けられないようにしている。警察もくるが、店長が賄賂を使って追い返すしまつ。7号室の死体が匂いだし、コーヒー豆を死体の袋に撒き散らしてごまかす。

その内、バイトのD.O.が7号室の鍵をこじ開けて、中の死体を見つけて驚き、その死体を駅のコインロッカーに隠すのだ。その時、麻薬の袋はなかった。店長が見つけて、やはり駅前のコインロッカーに隠したのだった。

その後に、麻薬の捜査が入るも、麻薬が出てこないので警察は帰ってしまう。やれやれと思い、店長が黒いスーツケースに入れた死体を、中古の軽自動車を購入して何処かへ捨ててこようと計画する。妹の食堂へ一時預かってもらうのだが、大きなスーツケースの中身が気になる妹が、こじ開けようとする瞬間もハラハラする。

しかし、何とか買い手がつき、店を転売できてお金も入り、バイトのD.O.にも給料を支払い、死体を積んだ軽自動車で何処へ行くのか店長のシン・ハギュン。実に呑気な話になっていて、悪びれずに死体を何処かに埋めるのだろう。

物語のきっかけとなる死体すら、何かと辛い目に遭っていることで知られる、中国朝鮮族の青年だったりするので、拍子抜けしたが、勝手な期待を抱いた観客も悪い。

018年劇場鑑賞作品・・・157アクション・アドベンチャーランキング

 

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虹色デイズ★★★

2018年07月12日 | アクション映画ーナ行

仲良し男子高校生4人組の友情と恋を描いた水野美波の同名少女コミックスを佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星の主演で実写映画化した青春ストーリー。共演は吉川愛、恒松祐里、堀田真由、坂東希。監督は「荒川アンダー ザ ブリッジ」「大人ドロップ」の飯塚健。

あらすじ:ピュアで元気な愛されキャラのなっちゃん、チャラくて女好きなまっつん、物静かで超マイペースな秀才つよぽん、いつも笑顔だけど実はドSな恵ちゃんは、いつも一緒につるんでいる親友同士。4人はにぎやかで楽しい高校生活を送っていたが、恋に奥手ななっちゃんが同級生の杏奈に片思いしたことから、彼らの日常に変化が起こりはじめる。

<感想>別冊マーガレットで12年から17年まで連載されていた、水野美波原作の同名少女コミックスで、全15巻の単行本は累計発行部数300万部を突破しているそうです。少女漫画ではあるものの、主人公は男子高校生という斬新な設定であり、男子の本音が分かちゃうとして人気を集めたものです。

なっちゃんの佐野玲於、まっつんの中川大志、つよぽんの高杉真宙、恵ちゃんの横浜流星の4人は、いつも一緒にバカなことをする仲良しの高校2年生。同級生の杏奈(吉川愛)に片思い中のなっちゃんは、奥手すぎて中々連絡先を交換できずに悩んでいる。モテモテのまっつんは、杏奈の親友で男嫌いのまり(恒松祐里)に惹かれ始める。

唯一、彼女がいるつよぽんだが、地元の大学を進学するつもりでいる彼女のゆきりん(堀田真由)と、志望校(早稲田の法学部)が違うことに密かに思い悩んでいる。それぞれが問題を抱えつつも楽しい日々を送りながら、3年生になった彼らだが、ある時、恵ちゃんもついに自分の想いをみんなにぶつけてしまうのだが。高校最後の思い出になる文化祭でそれぞれ4人がとった行動とは?・・・。

青春っていいなぁ~、中学から女子高だったので、男子との付き合いには校則が厳しくてダメ厳禁でした。だからっていう訳でもないが、こういう青春ものに憧れがあります。17歳の高校生を演じた佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星の4人の俳優たち、なんとも魅力的な人たちばかりで共演している。それに、女子も純粋で可愛いし、それぞれの友情や恋模様、進学の悩みなど、何気ない高校生活の日常を、心の機微を、丁寧に描いている青春映画だった。

冒頭部分の男子4人のプールへ、服を着たまま飛び込むシーンなど、これは普通はあり得ないことで、映画だから許されること。それと、恋人同士のファーストキスですね、これは高校生だから、2人とも初心で唇とくっつけ合うことから始まるので、本当に観ていてうぃうぃしい限りでしたね。そして、夏樹も杏奈とのキスシーンでは、夏樹が熱を出してしまい杏奈の腕に倒れ込む。その時のキスというか、触れただけなので、夏樹は覚えてなかった。女性の方はしっかりと覚えていたのに、その後につれないそぶりの夏樹にがっかりですね。

なっちゃんの佐野玲於が片思いの同級生の杏奈(吉川愛)が乗っている電車を自転車で追いかける。泥水の中へ自転車から転げてハマってしまうところ。ずぶ濡れになりながら学校へ行くと、杏奈が花柄のタオルハンカチを貸してくれる。大事にしまって、それを返しに行く時にでもメールの交換をしようと考えていたのに、邪魔をするまりっぺの障害に断念する。

夏休みの滝籐賢一先生の補習授業での4人組と女子たち。滝籐賢一のかなり濃いキャラは、極辛スパイスとして効いていてよろしい。

そして、夏祭りのシーンは栃木県の足利織姫神社でのロケ。鳥居から境内までは229段の階段があり、階段を上り切るとそこには、チョコバナナや、串焼き、焼きトウモロコシ、かき氷など本物の屋台が並んでおり、美味しそうな匂いが漂ってくる。

そして、縁日を楽しむ浴衣姿の100位のエキストラが境内を埋め尽くしていた。佐野ら4人のテンションは高く、中の良さが伺える。この縁日のシーンでは、なっちゃんこと夏樹(佐野)と、彼が片思い中の杏奈(吉川愛)との恋がどう動いていくかを中心に、親友の杏奈のことが好きすぎて夏樹のことを邪魔だと思っているまりっぺ。

そんな彼女に惹かれつつあるモテ男のまっつんこと松永(中川)、ラブラブカップルのつよぽんこと剛(高杉)と、ゆきりんこと幸子(堀田真由)、みんなを温かく見守るけれど、どこか寂しそうな恵ちゃんこと恵一(横浜)。

賑やかな風景の中に、キャラクターそれぞれの気持ちの変化が映し出される。みんながみんな、恋に揺れ、恋に悩んでいる。まさに青春の1ページのようなシーンでもあり、気づくと彼らと一緒に青春を追体験しているような、感覚にさえなってくるから不思議ですね。ドキドキと懐かしさが共存している空間でした。

自分が抱いている気持ちが恋なのかどうか、はっきりしなかった杏奈が、つよぽんとゆきりんのカップルに刺激されて、夏樹の気持ちに向き合おうと一歩前進するシーン、文化祭独特のドキドキ感もリアルで、そして素晴らしく息のあった4人の掛け合い、10代の青春を目にした瞬間でした。

男子高校生のもやもやとした感じの青春映画がテーマになっていた。映画は大きく分けて2種類あり、追体験してもらうか、知らない世界を見せるかで決まる。高校生が主人公の青春映画は、絶対的に追体験であって、観客が高校時代を思い出すような、映画の中の彼らと一緒に高校生活を追体験できるような、そんな空気感を目指していて最高に良かったです。

 

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猫は抱くもの★★★

2018年07月04日 | アクション映画ーナ行

大山淳子の同名連作短編集を「グーグーだって猫である」「ゼロの焦点」の犬童一心監督、沢尻エリカと吉沢亮の主演で映画化。元アイドルのこじらせアラサー女子と自分を人間だと思い込んでいる猫の恋の行方を舞台劇やアニメーションを織り交ぜハートウォーミングに綴る。共演は峯田和伸、コムアイ、岩松了。

あらすじ:元アイドルで今はスーパーで働く妄想好きのアラサー女子、沙織。思い通りにならない人生に、すっかりこじらせてしまった彼女が唯一心を開くのは、ロシアンブルーの猫・良男だけ。毎日、沙織の妄想混じりの話を聞かされていた良男は、いつしか自分を彼女の人間の恋人と思い込むように。そんなある日、沙織はゴッホと呼ばれる売れない画家の後藤保と出会い、心惹かれていく一方、良男のほうはひょんなことから外の世界に飛び出して迷子になってしまうのだったが…。

<感想>物語は、元アイドルで歌手の夢を諦め、今はスーパーで働く沙織・沢尻エリカは、思い通りの自分になれなくて、いつしか投げやりな生き方に慣れてしまっていた。そんな彼女が心を開くのは、こっそりとスーパーの倉庫で飼っている、ロシアンブルーの猫・良男。沢尻エリカと吉沢亮の主演で映画化。

一日ので小言を妄想を交えつつ良男に話て聞かせる沙織。彼女の心に寄り添ううちに、良男は自分が沙織の人間の恋人で、彼女を守れるのは自分だけと思い込んでしまう。現実離れした物語の展開と、ファンタジーふうになっている構成が良かったです。

そんなある日のこと、沙織の前にゴッホと呼ばれる売れない画家・後藤保が現れる。通称ゴッホには峯田和伸が扮しており、良男は沙織のゴッホに対する変化を目の当たりにする。そして、ある晩のこと、良男は沙織を守るべく、外の世界に飛びだすが迷子になってしまう。と言うか、川に流されてしまう。

ゴッホは個性的な画家で、現実離れしていながら、世界を全部知っている空気感が纏う“スナフキン”のような人でした。部屋にある絵は、黄色の絵ばかりを描いており、全部中途半端な未完成の作品ばかり。つまり、ゴッホも三毛猫の“キイロちゃん”という猫を飼っていた。それがモデルでもあるようだ。

劇中では沙織の妄想が炸裂しており、未だにアイドルだったことが忘れられなくて、歌うことが大好きだったのですが、それが形にならず田舎で働いているんです。まだ歌いたいと思っていても行動に移せず、現実逃避として妄想をしている。未練や果たせなかったことが妄想として残る気持ちはすごく分かりますね。誰もが経験したことのある葛藤が描かれています。

そうそう、猫好きな方たちにはちょっとがっかりなこともあります。それは、猫を人間が演じているので、猫カフェみたいなことを想像していたら、飛んでもないことになっていた。それは、劇場の客席を「橋の上」と河原にして、野良猫たちの個性豊かなドラマが描かれているから。別に猫のかぶりものとかはしてません。

確かに、主人公の内面をどう表現したらいいのかと、犬童監督は迷ったのではないかしら。だから、演劇のように舞台装置で撮影されたシーンが登場したり、何でもCGでリアルに表現できる時代なのに、逆にアナログ、手作り感が溢れているのに驚かされた。

主人公の沙織は、売れない画家のゴッホと心を通わせるのだが、それも現実なのか妄想なのか分かりません。でも、ラストで彼女が喫茶店で見た自分の“裸婦像”は本物のようで、ゴッホが描いてくれたものが飾ってあった。

沢尻さんの映画は久しぶりだったので、新鮮に映りました。アイドル歌手時代の回想ほか、本人が歌っている歌唱シーンもあるので彼女のファンなら必見でしょう。エリカさんの、可愛いらしいミニスカートの水色ワンピースが良く似合っていましたね。

最近では、劇中にアニメーション技術を導入した実写映画が多くなっているが、「恋は雨上がりのように」でも、劇中で教科書に落書きされていたパラパラ漫画が、エンドタイトルでアニメ表現されていた。それに、本作品に於いては、アニメももちろんのこと、舞台劇も導入されていているから、尚更複雑極まりない。

川の橋の下で暮らしているノラ猫たち、良男とキイロちゃんがそこに留まって暫くの間生活をするのも舞台劇。沙織が働いているスーパーも舞台劇だし、ゴッホが沙織に対して放つ独白のようなセリフは凄く印象的でした。

この沙織もゴッホも、やりたいことがあるのに、すごくもがいている途中ですよね。この二人のように、手が届きそうで届かないジレンマがある時に、沙織が突然、全裸になり自分をゴッホに描いてくれと。今まで画家として本気で描いたことがないゴッホが、全裸の沙織に心を動かされて必死に描き続ける姿は良かった。その全裸の油絵は、喫茶店の2階の壁に飾られていた。

沙織にも、昔のプロデューサーから依頼があり、TV番組に出て見ないかという嬉しい仕事が入って来る。だが、それは、昔のようなアイドルの仕事ではなく、お笑いのタレントとして扱われる仕事でした。カラオケで歌の練習を必死にしていた沙織。歌手になることが夢だったのに、それはかなりショックを受けたようです。そう簡単には、昔のように歌手として蘇ることは出来ないことを実感する沙織。でも、そこに良男が帰って来て、抱きしめてやる沙織の嬉しそうな顔が素敵でしたね。

人気推理小説「猫弁」シリーズを手掛けている作家・大山淳子原作。美しい川が流れる東京郊外の町を舞台に、足を滑らせて川に落ち、流されてしまった飼い猫の良男が、飼い主の沙織に会いたい一心で、足を引きずりながらも歩き続ける物語全5話を収めた、猫と人間の絆を描く切なくも温かい作品でした。

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のみとり侍★★・5

2018年05月28日 | アクション映画ーナ行

小松重男の同名短編を「後妻業の女」の鶴橋康夫監督が、主演に阿部寛を迎えて映画化した艶笑人情時代劇。藩主の逆鱗にふれ、“蚤とり”という奇妙な仕事を命じられた生真面目なエリート侍がたどる数奇な運命をユーモラスに綴る。共演は寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊。

あらすじ:十代将軍・徳川家治の治世。老中・田沼意次の規制緩和によって賄賂も横行する一方、景気は上向き、人々は太平を謳歌していた。そんな中、長岡藩の真面目すぎるエリート藩士・小林寛之進は、ふとしたことから藩主の怒りを買い、江戸の貧乏長屋に左遷され、“蚤とり”というよく分からない商売をすることに。しかし猫の蚤とりは表向きで、実態は女性に愛を届ける“添寝業”だった。そんな寛之進の前に初めての客として現われた女・おみねは、なんと亡き妻・千鶴に瓜二つ。胸が高鳴る寛之進だったが、おみねからは“下手くそ!”と身もふたもない罵声を浴びてしまう。失意の寛之進は恐妻家の伊達男・清兵衛に教えを乞うのだったが…。

<感想>時代劇で阿部寛が主演で、面白そうなので鑑賞したが、こいうエロイ作品って「娼年」が現代版で、こちらが時代劇の「男娼」という物語。だが、全部そういうことでもないのですが、やっぱりどうしてもエロシーンが多い。

冒頭で、殿様の逆鱗に触れてしまい、市井の女性たちに性のご奉仕をする「蚤とり」商売を始めた堅物の侍、小林寛之進を中心に、浮気封じのために女房が男のアソコにうどん粉をまぶしつけられる商家の主人清兵衛。そして、貧乏にあえぎながらも父親が遺した刀を守ろうとする浪人らの悲哀こもごもが描かれている。

もちろん主人公堅物の侍、小林寛之進に、阿部寛が、そして商家の婿養子の主人清兵衛には豊川悦司、その妻に前田敦子。そして貧乏浪人で寺子屋をしている斎藤工。蚤とり屋の主人に風間杜夫と大竹しのぶが。

猫の「蚤とり」という仕事が、女性を悦ばす仕事で最初のお客の、老中・田沼意次のお妾さんである寺島しのぶに、「下手くそだ」と言われショックを受けて家に帰り、自分にはこういう仕事は向いてないと嘆くのだが。

しかし根が真面目だから殿の言われる通りの仕事をしないとダメと考えて、その商売の指南役の清兵衛に頼み、湯女との情交を寛之進に覗かせるんですね。

これまた抱腹絶倒で、阿部ちゃんが豊川の女とのカラミを覗くシーンでは、大真面目にテクニックの勉学に励むシーンが面白かった。

その後は、必死にその勤めを果たしながら、老中・田沼意次に桂文枝の囲われ女のしのぶと寛之進との関わりもどんどん濃厚になっていきます。

いやはや、浮気夫の防止にと、うどん粉をまぶしてという計画も、湯女と遊べばその後にまたうどん粉をまぶして帰ればいいと思うよね。でも敵もさるもの、うどん粉に塩を混ぜてあったとは、これまた頭がいい女房だ。妻役の前田敦子ちゃん、勝気な若い女房役が意外に上手かったです。

それにしても、貧乏浪人の斎藤工の役どころに不満でしたね。てっきり、阿部ちゃんと同じ役をしてるとばかり思っていたのに。

授業料も取らない寺子屋の貧乏浪人で、毎日食べる食事にも残飯をあさって食べ、そこで野良猫に腕を噛まれて、死にかける。それは毒が回って膿をもち高熱が出る。

清兵衛は近江屋の医者を連れてくると出ていったっきり戻らない。途中でお殿様の馬にぶつかってしまい記憶喪失になっていた。その殿様が、寛之進が仕えていた長岡藩のあの馬鹿殿。清兵衛は最後には記憶が戻る。

医者に見てもらう金もなしで、仕方なく斎藤工が大事にしていた、1000両の価値があると書かれていた刀を持って、医者のところへ頼みに行く寛之進。

だが、その刀は偽物で1000両の価値もない。医者の伊武雅刀が寛之進の気持ちにうたれて、浪人のところへと。この当時だとペニシリンでもあったのでしょうかね。

ですが、ラスト近くで、「蚤とり侍」をしていると、老中・田沼意次の失脚により寛之進は「蚤とり」の罪で捕まってしまい、見せしめのために一番重いノコギリ引きの刑にされる。この時はどうなることやらと思ってしまった。

それに、寛之進を「のみとり侍」にした殿様は、松重豊が扮していて、テンションの高いバカ殿様なのかと思えば、最後には忠義を果たす寛之進をを許して、郷里の長岡藩の仕事に就かせるといういいお話でした。

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ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!★★★・8

2018年01月15日 | アクション映画ーナ行

リュック・ベッソンの製作・脚本で贈るアクション・エンタテインメント。ボスニア紛争を背景に、ネイビーシールズの精鋭でありながら、規則や命令は二の次のならず者チームが、戦争に苦しむ民間人のためにナチスの金塊強奪という過酷なミッションに挑む姿を描く。主演は「300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~」のサリヴァン・ステイプルトン。共演にJ・K・シモンズ。監督は「イントゥ・ザ・ストーム」のスティーヴン・クエイル。

あらすじ:1995年、紛争末期のサラエボ。マット率いるネイビーシールズの精鋭チームは、たびたび規則を逸脱しては独自に行動して上官のレヴィン少将を困らせるならず者集団。ある日、彼らは総額3億ドルのナチスの金塊が湖底に眠っているとの情報を入手する。そして、戦争に苦しむ避難民のためにその強奪に挑むことに。しかし湖があるのは敵陣の真っ只中で、しかもタイムリミットはわずか8時間というあまりにも過酷なミッションだったが…。

<感想>アメリカの「ネイビーシールズ」とは別物と考えてください。物語は、あのむごたらしいユーゴ紛争が本筋かと思えば、アメリカのネイビーシーリズが活躍する娯楽映画の背景になっていたとは。複雑な感慨はさておいて、良かったのがエリック・セラの勇壮な音楽であり、戦争冒険活劇の気分をがぜん盛り立てていた。

冒頭の戦車アクションからして、この先これを超える見せ場はないはずだと心配になるが、後半部分での金塊奪還作戦での、水中での右往左往がメインになってしまうので、ドンパチは殆どナシ状態。

その分、アバンタイトルでは戦争を使ったチェイスを繰り出してくれており、興奮と派手な見せ場(敵の戦車を奪って街中を走る)と言うか、橋にさしかかり正面には敵の戦車部隊がいてどうするのかと思ったら、彼らは戦車を橋の下の川に突っ込み沈むという珍事を広げて帳尻を合わせてくれる。

中でも彼らの上官J.K.シモンズを配役して渋い笑いと人情味満点なオチも最高であり、最後には涙を誘い映画全体をかっさらう面白さ。

さすがのネイビーシールズの活躍は、湖に潜水するだけでなく、金塊を湖底からどうやって水面に持ち上げるかのスリルが最高であった。敵が船で押し寄せてイカリに吊り下げた手榴弾の雨、その中をくぐりぬけて水中にただようパラシュートのオレンジ色、水に触れて散る絵画の画布など、審美的な画面の魅力が観る者を魅了させていた。

ヒロインとしては地元の女性ララに、『鑑定士と顔のない依頼人』などのシルヴィア・フークスが好演している。

それにも増して、畳かけるようなサスペンスの構成とネイビーソールズのチームワーク、その技術の見せ方も巧妙で良かった。

リュック・ベッソンが制作にかみ、脚本も担当しているというのだから、さすがに面白くなっていた。監督がジェームス・キャメロンと共に働いたスティーヴン・クォーレの職人的な腕は確かで、水没した都市の水中撮影などはさすがである。

そして、装備、技術、経験、度胸のすべてが半端じゃないネイビーシールズが、トレイジャー・ハンティングに向いているというアイデアは、バカバカしくも妙に納得してしまう。

 

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