パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 ★★★

2014年02月28日 | な行の映画
『ファミリー・ツリー』などのアレクサンダー・ペインがメガホンを取り、頑固な父と息子が旅を通して家族の絆を取り戻す様子を描くロードムービー。大金が当選したという通知を信じる父とそれを怪しむ息子が、モンタナからネブラスカまで車で旅する途中に立ち寄った父の故郷で、父の意外な真実に遭遇しながらつながりを深めていく様子を映し出す。父と息子の役には、『帰郷』などのブルース・ダーンと『最凶家族計画』などのウィル・フォーテ。不器用だけれど憎めないキャラクターや、本作でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したブルースの演技に魅了される。
あらすじ:100万ドルが当たったという通知を受け取ったウディ(ブルース・ダーン)。それはどう見てもインチキだったが、徒歩でもモンタナからネブラスカまで金を受け取ろうとするウディに息子のデイビッド(ウィル・フォーテ)が付き添うことに。こうして始まった父と息子の4州をまたぐ車での旅。途中、立ち寄った父の故郷で、デイビッドは父の意外な過去を知ることになる。

<感想>主人公のウディ役を演じたブルース・ダーンが、カンヌ国際映画祭男優賞を受賞した。作品自体も批評家に絶賛されているしで、今年のアカデミー賞にノミネートされている。内容が、常に老いを題材にしたコメディを撮り続けてきたアレクサンダー・ペインが遂にやってくれました。
今までの作品は、「アバウト・シュミット」(02)、「サイドウェイズ」(09)、「ファミリー・ツリー」(11)などですが、今回の映画はモノクロで、舞台は中西部のモンタナ州。息子のデイビッドが家電販売店で働いているのだがまだ独身で、疎遠だった父親が「貴殿に100万ドルを贈呈します」と書かれたネブラスカ州から送られてきたインチキの手紙を本気にして、そのお金を取りに歩いても行くといってきかないのだ。日本では「オレオレ詐欺」が多発したが、最近では、新手のお年より相手の詐欺事件が発生している。
頭がボケて、頑固で人の言うことなんて聞かない。仕方なく息子のデイビッドが仕事を休んでまで、父親と一緒にネブラスカまで1500キロに及ぶドライブへと出かける。きっと、これが最後の親孝行になるかもしれないと。この場合は、お金を騙し取られたということではない。

ロードムービーというと、車窓に映し出される景色が綺麗なんですが、景色はどちらかと言うと風光明媚というより、ひたすら荒涼とした大地を単調に走るだけ。長いロードムービーなので、途中で父親の故郷へと立ち寄っていく。
そこで、夜に徘徊とでもいうのか、一人で夜道を歩きまわり、部屋へ帰って来たと思ったら、電気もつけないので入口でツマヅキ、額を切ってしまい病院で縫ってしまうほどの怪我をする。本人はそんなに痛がらず、ケロッとしているのだ。息子の方がこのままネブラスカまで行った方がいいのか迷ってしまう。母親へ電話して相談すると、故郷のソーホーへ寄り道して弟の家を訪ねなさいと言う。自分も直ぐに後を追い、そこへ行くからというのだ。

爺さん、ボケているとはいえ、入歯を線路に落としたというのだ。息子は近所を探しているも見つからず、父親が絶対に線路だというので行くと本当に入歯が見つかった。
ところが、父親は昔から酒飲みで、店を見つけて勝手に入りビールを飲んでいるのだ。そこには父親と同年代くらいの男たちがたむろしていた。息子がトイレに入っている隙に、父親は宝くじに当たったと皆にいふらして、酒場にいた人たちは寄ってたかって何とかおこぼれに預かろうとするのだ。
それに、故郷の父親の弟もボケがきており、不況で息子たちは働かないで家にいてテレビを見ている。だから、ウディ爺さんが本当に宝くじで100万ドル獲得したと勘違いして、何とか分け前にありつこうと必死になって、あの手この手ですり寄って来る。

人間なんて本当に浅ましい。それに故郷の友達や親戚たちは、みんな老人ばかりでボケが入っているから始末が悪い。娘がローラ・ダーンだと言うのだが、とにかく77歳のブルース・ダーンがいい。セリフなんて何を言っているのか聞き取れないし、そのまま演技しているんだか地でいっているのか見分けが付かない。母役のジューン・スキップのお喋りには閉口してしまった。

みんな年を取ると、男は無口で何もすることないしボケるのが速いと来てる。女性の方は、口が達者でまだボケていないようなので、煩いくらいに指図をする。その両親を老人ホームへ入れないで面倒を見ている息子が偉い。いくら騙されているといっても信じない頑固親父。でも、そんな父親を見捨てないで最後まで世話をする親孝行の息子に頭が下がる。

最後に、息子が自分の車を売って父親が欲しがっていたトラックと、空気圧縮機を買って、車の名義を父親にして、故郷の町で運転もさせてやるという優しさが憎いですね。
コメディとなっているが、笑えないのだ。深刻なボケ老人たち、いずれは自分たちもこうなるであろうということを忘れてはならない。そのことを、しっかりと見せつけられた。
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セッションズ ★★★.5

2014年02月27日 | さ行の映画
 障害者の性を真正面から取り上げ、数々の映画賞に絡んだ感動のコメディ・ドラマ。実話を基に、重度の障害を持つ男性と、彼の童貞喪失の相手をプロフェッショナルとして引き受けるセックス・セラピストの女性との心の交流を赤裸々にしてユーモラスな筆致で綴る。主演は「ウィンターズ・ボーン」のジョン・ホークス、共演に「恋愛小説家」のヘレン・ハント、「ファーゴ」のウィリアム・H・メイシー。監督は「美女と時計とアブナイお願い」のベン・リューイン。
あらすじ:1988年、米カリフォルニア州バークレー。少年時代に罹ったポリオが原因で首から下が麻痺してしまったマーク。以来、ベッドに寝たきりの人生ながら、みごと大学も卒業し、38歳の今は詩人・ジャーナリストとして活躍していた。そんなある日、彼は新しく雇った若くて美しい介護士アマンダに心奪われる。しかし彼の恋は実ることなく、アマンダは去っていく。

やがて失意のマークのもとに、障害者のセックスというテーマで原稿依頼が舞い込む。取材の過程でセックス・サロゲート(代理人)の存在を知り、自らもセックス・セラピーを受けてみたいと願うマーク。敬虔なマークの正直すぎる相談に、最初は戸惑いを抱いたブレンダン神父も、彼の純粋な思いを受け止め、真摯にサポートしていく。
こうして期待と不安の中、ついにセックス・サロゲート、シェリルと対面し、彼女と初めての“セッション”に臨むマークだったが…。

<感想>サンダンス映画祭観客賞に輝いたヒューマンドラマ。少なからず奇異な内容だが、優しさと喜びに満ちた心地のよい映画でした。身体障害者を、始終ベッドの上だけで見せた主演のジョン・ホークスの名演技は、言わずもがなだが、その彼を文字通り心と身体で支えるヘレン・ハントの、少々のことではブレない凛とした演技が光ってます。
ヘレン・ハント演じるセックス代理人の、感情を入り込ませずに性行為をする職業も興味深いですよね。いわゆるコールガールではなく、こういった障害者に対しての女性、男性もいるのかなぁ、そういえば部屋を貸してくれた車いすの女性もいましたね。

重度の障害者のセックス・セラピストとして登場する垂れ目のヘレン・ハント。でも、おっぱいは余り垂れてなかったよね。笑い皺が実にセクシー、「私脱ぐのに躊躇しないタイプなの」と実にあっけらかんである。女性上位に、顔面騎乗位までしちゃって、モー大変ですから。
物語りの構成自体は基本的に童貞喪失のイニシエーションものだが、全身麻痺の主人公マークが、その話を教会の神父に逐一話して聞かせる展開がこれまたユーモアと取っていいのだろう。

聞き手の神父のウィリアム・H・メイシーと共に、私たち観客も夢中にさせる言葉の力。彼は詩人なのだ。自分をクールにネタにしながら、相手を武装解除する彼の言葉の優しさ響きに、やがてはセラピストの心が動き出す。毎週1回ぐらいでヘレンに会うのですが、その時に来ていく洋服を新しく買っては選び、コロンまで付けてお洒落するマークの心中たるや穏やかではない様子に応援したくなります。
ヘレンの夫が恋文のような手紙にヤキモチを焼いて、ゴミ箱に一度は捨てられた愛の詩が声になり、言葉と映像が溶け合う瞬間に感動してしまった。
最後の方で、自宅の鉄製の酸素の機械の中に入って眠る時に、突然の停電。誰も傍に付いていなく、急いで友達へ電話するも留守で、後3時間しか酸素ボンベがもたない。もうダメかと思った。それが奇跡で、友達が駆け付け病院へ救急搬送。

そして、退院の時に、あの美しい介護士アマンダが傍にいて元気づけてくれるそれが縁で彼女と結婚できるとは、49歳でこの世を去ったマークの生涯は心残りこそあれ、実に有意義だったことでしょう。
それにしても実話とはいえ、これは自由と寛容の国アメリカならではのドラマ。セックスに関することだけに、我が国だったらどうだろうと、いろいろ感慨深いですね。身障者について、このように描くことが、果たして可能なのだろうか。
障害者の性は日本でも取り上げられてきたが、2013年6月に鑑賞した、知的障害者の性を描いた「くちづけ」その問題に焦点を合わせつつユーモラスに描いて、なお且つ心理的な葛藤を掘り下げた深さの共存が素晴らしい。
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ビフォア・ミッドナイト ★★★

2014年02月26日 | は行の映画
イーサン・ホークとジュリー・デルピー主演の『恋人までの距離(ディスタンス)』『ビフォア・サンセット』に続くラブロマンスのその後を描く第3弾。風光明媚(めいび)なギリシャの海辺の街を舞台に、熱烈な恋に落ちて人生を共にするようになった男女のその後の現実を、小気味いい会話を通して映し出す。前2作同様リチャード・リンクレイターが監督を務め、再び主演の二人と強力タッグを組む。恋人から家族になった主人公たちの本音満載の内容が、観る者の共感を呼ぶ。
あらすじ:パリ在住の小説家ジェシー(イーサン・ホーク)と環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、双子の娘を伴いギリシャでバカンスを過ごすことにする。同時にシカゴでジェシーの前妻と暮らす息子ハンク(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)も呼び寄せる。彼らは共に海辺の町で夏休みを過ごした後、ジェシーはハンクを空港まで見送るが……。

<感想>1作目も2作目も観たのに、忘れてしまった。そして、さらに9年後を描く第3弾である。そのタイトル「ビフォア・ミッドナイト」とはギリシャの空港で、ジェシーが離婚した妻と暮らす息子を見送る場面から幕を開ける。「ママは、パパを嫌っているから会いに来なくていい」と、サバサバした息子に対して、父親風を吹かして空回りなジェシー。

イーサン・ホークのジェシーが、ユマ・サーマンと離婚しただけにこれは実話かと思わせる哀愁感がたっぷりな登場の見せ方。本当は引き取って息子と一緒に暮らしたいのだが、憔悴しきって空港を後にする彼を待っていたのは、セリーヌです。しかも彼らが車に乗り込むと、後部座席では双子の娘が爆睡中とは。双子ちゃん可愛いよね。
そうか遂に二人は結婚していたのか?・・・安堵感もひとしおであったのに、この二人は車の中で何やら夫婦喧嘩のような、遠慮のない会話が途切れることなく延々と続くのである。

何の説明もなく、見事に時の流れをリアルに感じさせる二人の会話劇。なんだか知らないが、取り留めのない会話量が増えてきているような気がした。会話には、二人の友人たちも加わって、人生や愛、芸術に文学、カップルやセックスといった話題がユーモアとアイロニーをたっぷり盛って、交わされるのである。
そんな第3弾で面白く描かれるのが、女は変わるということ。そしていつまでもロマンティックでいたい男の変わらなさ。映画の終盤では、友人たちがプレゼントしてくれたホテルで、二人っきりの夜を過ごす。
まだまだ、お盛んなムードだったのに、ふとしたきっかけで、怒り狂ったセリーヌがおっぱい丸出しで仁王立ち。このどんどんとオヤジ化するセリーヌの造形には、「ニューヨーク、恋人たちの2日間」等の監督として活躍するデルピー自身が色濃く反映されているようですね。とにかく中年になっているお二人さん、身体のラインが出っ張って、垂れてきているしで、イーサンも皺が目立ってオッサン化している。

殆どのシーンで、ジュリー・デルピーがまくし立てる弁舌で、男勝りな感じがするでもなく、それでも惚れた弱みのジェシーに「どこまでも君を愛す」と言わせて、最終的には夫に降参させるセリーヌに軍配があがる。それでも、お互い惚れている者同士、丁々発止に口喧嘩してみたものの、今更別れるつもりがないことを、観客は観ているのだ。
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スティーラーズ ★★★

2014年02月26日 | DVD作品ーさ行
「ワイルド・スピード」シリーズのポール・ウォーカーが「ワイルド・バレット」のウェイン・クラマー監督と再びタッグを組み、個性派キャストを起用して贈るハチャメチャ・クライム群像コメディ。田舎町の小さな質屋を中心に、一癖も二癖もある男たちが繰り広げる3つのイカれたエピソードがハイテンションに描かれていく。出演はポール・ウォーカーのほか、ブレンダン・フレイザー、イライジャ・ウッド、ヴィンセント・ドノフリオ、ノーマン・リーダス、マット・ディロン。なお、ポール・ウォーカーは日本での劇場公開を前に、2013年11月、突然の交通事故でこの世を去った。
<感想>この映画もポールの遺作となったのに、劇場へ観賞しに行こうと思っていたのだが、早くも“TSUTAYA”でDVDがレンタルされていた。
質屋へやってきた客たちに訪れる、数奇な運命を描く3件のクライムコメディなのだが、見てみるとタランティーノ作品の中に幾つか似ているような内容。

一番のりは、ポール・ウォーカーの出番で、ほんの少しだけ。薬物中毒の男ポールが、薬が切れて幻覚症状が出始めているどうしようもない男。原っぱに車を止めて誰かを待っている。そこへ来たのが、質屋へ行き質草に持っていたショットガンを入れて20ドル借りる。その金でガソリンを入れたらしい。そして、もう一人の薬物中毒の男が車でやってきて、そのショットガンを質屋に入れた男を跳ね飛ばしてしまう。どうやら、3人でコカインを持っているスタンリーの所へ強盗に行こうとしていたところらしい。

その後、二人はスタンリーのところへと、車中でポールはピエロの被り物を、もう一人の男は目出し帽を被って、武器は途中でホーガンを拾ったもの。そのホーガンでスタンリーを脅すつもりだったらしいが、彼はガスマスクを被り、拳銃を用意しており反対に二人は脅されるしまつ。そこで、間違えてホーガンをポールが相棒の男を弓矢で射ってしまう。

そして、車に轢かれて今にも死にそうな男の所へ、やたらカッコいい男が現れて、通りすがりの者だといい、病院へ連れて行こうかと親切に言ってくれる。復讐をしたいとその男からショットガンを借りて、スタンリーの所へやってくる。その後は、この男がショットガンをぶっ放して、終いにはガスボンベまで撃つから人間どころか家まで吹っ飛んでしまうという落ち。

2番目は、マッド・ディロン扮するリチャードが新婚旅行中で金がないので、質草に新妻のダイヤの指輪で金を貸してくれ来る。そして、ケースの中にある指輪を見つけ、こいつは最初の妻の指輪で、どうやら6年前に誘拐されたらしい。そこで、犯人らしき男がこの指輪を質草にいれたのなら、その男の住所を教えろと強引に聞き出す。そして、奥さんを帰して自分は指輪を頼りに犯人探しだ。アメリカは失踪者とか多いので警察もあてにはならない。

これが、何というか猟奇殺人鬼のような、いや誘拐した女たちは殺してはいないのだ。倉庫の中に、犬のゲージの中へ裸で女たちをまるで飼育しているかのように。ピラミッドの形に積み上げた檻の中で、女たちは真っ黒に汚れて本当に飼い主に従順な、まるで洗脳されているのだ。檻の鍵を開けて女たちを外へ出してやるも、逃げるわけでもなくまるでゾンビみたいに一列に並んで後進して、お祭りのところへやってきて、結局はイライジャが迎えに来てまたもや逆戻りというお話。
その飼い犬のように女たちを飼育していたのが、イライジャ・ウッド。「マニアック」でも異常な役を演じていたが、この映画の中でも変態この上ない。その彼を拷問するのが、マッド・ディロン。口に4つの釣り針を刺し込み、壁にその先を結ぶ。おまけに開いた口の中を金槌で叩くという拷問でした。これはちょっと目を逸らしたくなりましたね。
リチャードはどうしたかというと、見つけた最初の妻を車に乗せて帰ろうとするも、奥さんは記憶が曖昧でリチャードのこともあまり覚えていない。それよりも、6年間飼育されていたイライジャの方が大事で、やっと№1になれたのに、檻の中からだされても自由になるのが怖いというか精神分裂気味で、助けてくれた夫を包丁で刺し殺すという。車を運転していたリチャードはびっくりして車を木に激突させ、胸を刺した奥さんも頭を打ち死んでしまう。

最後のプレスリーの物真似芸人のブレンダン・フレイザーが、質屋へやってきて質草に胸にぶら下げているゴールドのペンダントを200ドルで。そのお金でモミアゲを剃りに床屋へと、ところがドクの店とクックの店と2件隣り合わせである。どっちへ入ろうかと、迷った挙句に、博士=ドクと解釈してドクの店へと、すると客がずらりと座って待っている。こいつらは暇人だからというので、椅子にすわると大事なモミアゲを切られてしまう。それなのに12ドル支払へと言う怖い主人。

これは隣り合わせて同じ理髪店を商売としていて、町の人たちは、ドク派とクック派に別れているような、笑い話でもある。ブレンダンのプレスリーの物真似は、歌は別人が歌っているような。中年太りのブレンダンがこんな役をして、何か見てられないよね。
最後の落ちは、あの質屋へマッド・ディロンが奥さんに付けてやった指輪が、またもや青年の手に戻り、それを質草にして金40ドルに換えるという終わり方。途中でアメコミが入るので、原作が漫画なのか?・・・喜劇というより悲惨な方が多い。何だか、たくさんの映画を観たような、でも全部とんでもないストーリーで、最後までダラケルことなく観てしまった。
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母の身終い ★★★.5

2014年02月25日 | は行の映画
不治の病に冒され究極の選択を決心した母親と、その息子の絆を描いた人間ドラマ。『愛されるために、ここにいる』のステファヌ・ブリゼ監督がメガホンを取り、長年にわたって折り合いが悪く、互いにきちんと向き合ったことがない母と息子が過ごす最後の時間を静かに紡ぐ。尊厳死を望む母親の決断に苦悩する息子役に、『すべて彼女のために』などのヴァンサン・ランドン、厳格な母親を舞台でも活躍する『人生は長く静かな河』のエレーヌ・ヴァンサンが演じる。
あらすじ:麻薬密売が原因で服役していた中年男アラン(ヴァンサン・ランドン)は、出所後年老いた母親イヴェット(エレーヌ・ヴァンサン)が一人で暮らす家に身を寄せる。しかし再就職も思うようにいかず、昔から確執のある母と何かと衝突してばかりいた。そんなある日、アランは母親が末期の脳腫瘍に冒され死期が近く、スイスの施設で尊厳死を実行しようとしていることを知る。

<感想>この映画は、尊厳死という最も今日的なテーマを含む、最も古典的な親と子の話である。全く色合いは違うけれども、今年のアカデミー賞外国語賞を取った「愛、アムール」を想起させます。
人生の最期を迎える老女を通して、人とその愛について問いかける、フランスの新鋭ステファヌ・ブリゼによる人間ドラマ。
脳腫瘍の老齢の母親のところに、人生に失敗した中年の息子が身を寄せる。残された時間を共有する二人の繊細な演技を、カメラはシンプルに切り取って行く。二人のカットで切り返すスタイルが、「自殺幇助協会」の男女が訪れる場面では、彼らを挟んでテーブルの両端で向かい合う母子の穏やかなパンで、交互にフレームに入れていく手法。

長年こじれていた親子関係が、どちらかの死に直面したからといって、その日から急に修復できるわけでもない。残酷なようで、実に身につまされるシチュエイションである。子供にとって、自分の意思を持ち始めて来ると、親というものがうっとうしくなるものだ。それも中学生くらいになると、さらにそれが強くなってくる。親子の絆と良くいうけれど、それは親子の確執の始まりなのかもしれませんね。

だから、目の前にリミットが迫っているというのに、不器用すぎるやり方でしか歩み寄れないのだ。不器用すぎて、愛犬の命まで危険にさらすなんて、中々ハードコアですね。ですが、彼らにとっては、一つ一つが、言葉を介さないコミュニケーションとなり得ていたのではないでしょうか。無言の車中でも会話は成立していたと思うのだが。
ここでは、日常の行為が、とてつもなく観客の胸をかきむしる。とりわけ、犬に食べさせる料理を、淡々と作る場面。省略にも物語にも、逃げない映画の中での恐ろしいことといったらない。

いい歳をしてまともな仕事にもつけない息子に、母親は苛立ちを募らせる。息子はあれこれと小うるさく言う母親が疎ましい存在にしか思えない。母と子がいがみ合いながらも、内心では相手を想いやっているというシンプルでクールな物語です。
アランはボウリング場で出会ったクレメンという女性と深い仲になるが、二度目に会った時、職業を聞かれて口ごもり、気まずくなり別れる。むしゃくしゃした日々を過ごすアランは、母親と大喧嘩したあげく仕事も辞めてしまう。

映画は、世の中にこんなシステムがあるのかという事実を教えてくれる。演出もそっけないほどに淡々と進んでいき、ラストは襲撃的にやってくる。
しかし、母子の心理に深入りしない分、味わい深い感じがした。自分らしい最後、母親のイヴェットを演じたエレーヌ・ヴァンサンが、身を持って映画の中で示しています。役者たちがまたいいんですよ。それにしても、ラストの「自殺幇助協会」というNPOは、スイスに実在するそうで、無知な私には衝撃的でした。
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ハリケーンアワー ★★★★

2014年02月24日 | アクション映画ーハ行
『ワイルド・スピード』シリーズなどのポール・ウォーカーが主演を務め、生まれたばかりのわが子を守ろうとする父親を熱演したサバイバルドラマ。巨大ハリケーンに襲われ機能停止状態の病院に残った父親が、生命維持装置なしでは生きられない娘のために必死で生き抜こうとする姿を描く。彼の妻を『ラストスタンド』などのジェネシス・ロドリゲスが好演。助けを待ちながら、さまざまな知恵と勇気を振り絞って奮闘する主人公の姿が胸を打つ。

<感想>昨年、交通事故で亡くなったポール・ウォーカー。まだまだいけるのに、残念でならない。この作品は、日本では未公開だったに違いない。そう思えるくらいポールファンだったら観に行くだろうな映画。それにしても、今週で終わりだというのに、観客は私を入れて2人とはもったいない話だ。
この作品の内容が、実にポールの一人芝居のような、有名な2005年8月、ニューオーリンズでの、大型ハリケーンカトリーナが接近しつつある病院で遭遇する災難とでも言おうか、妻が妊娠をして早産のために救急病院へ行き、そこで妻は亡くなり、娘が未熟児ということで生命維持装置の中に。

そこで、あいにくのハリケーンに遭遇、患者や面会人、医師、看護師などは病院から緊急避難をして、自分一人と生まれたばかりの生命維持装置の中の娘だけという事態に陥る。途中に、回想劇として妻との出会いとかが挿入されます。
それもハリケーンで病院の中が停電になり、生命維持装置の電源を確保しなければならず、探しにいくも手動装置の自家発電機だけ。それでもいいと重い発電機を背負って持ってくるも、手動で3分しかバッテリー装置が持たないのだ。
それに、栄養の点滴も必要だし、探しに行き娘のオレンジ色の袋を見つけて持ってくる。
暫くの間は、3分間手動で電源を確保し、その間に食料とか探して来る。地下の食堂に一人いた職員にサラミを少し分けてもらい、後は4階の自販機でコーラとか飲み物を調達する。それもまだ電気が付いていた時に済ましていたのでよかった。
3分ごとに手動で回すので、眠ることが出来ない。腕時計のタイムスイッチが命綱。生命維持装置の中の娘に話かけて、娘の名前を妻の名前にして呼ぶ。父親として守るべき小さな命を、自分の命にかけても。体力勝負ですよ、3分於きに手動で回すって。

次の朝に外へと言って見る。すると救急車が停まっていて、運転席の無線機で救助を要請するも、繋がらず直ぐに3分のタイムオーバー。引き返して手動で回す発電機。救助のヘリの音が、急いで屋上へと駆け付けるも、向かいのビルの屋上にもたくさんの人々が手を振っていた。
救われたのは、犬、それも救助犬のシェパードだ。誰もいないはずの病院内で犬の鳴き声がする。足にロープが絡まって動けないのだ。その犬を助けたら、ポールのいる部屋へやってきた。どうやらお腹を空かせているようで、サラミを分けてやる。だが、いいことばかりではない。運悪くそこへ泥棒が入って来て、わずかな食料を強奪していく。殺されないだけましということか。

しかし、今度は2人連れでやってきた。それもライフル持って。闘わなければ娘の命も自分の命も危ない。相手の首を絞めて殺し、もう一人の強盗と格闘してライフルを奪い取り撃ち殺してしまう。これは、みなさんがどう取るかは判断に任せてと、・・・私は仕方がなかったと思う。3分間の手動発電機を回し、それも次第に時間が短くなっていき、最後には動かなくなってしまう。そう考えると、2人の強盗を縛ってそこへ置いておくのは、危険極まりない。それに、看護師のおばさんも点滴を持って来たのに、銃で撃たれて殺されていた。よく一人で水の中を来てくれたのに、こういう災害の時は、人間は暴徒かして助け合い精神なんて何処かえ失ってしまうのだろう。

そして、別の発電機を探しに1階へ行くも、暗闇の中やっと探したのに、水の中に半分浸かっていたせいか、ショートして自分も感電してしまい気を失う。
もうすべては神頼みだ。精根も尽き果たして意識が朦朧としていると、救助の助けが来る。あの救急車での無線機の信号でやってきたのだ。娘も生命維持装置を外してやり、自力で呼吸すれば助かるのだが、・・・奇跡が、赤ん坊の泣き声がする。感無量でした。

もう殆ど、病院の中でポール一人で奮闘しているのだが、停電になり真っ暗の中、外は暴風が吹き荒れて、もしかしたら誰も助けに来てくれないと思うと本当に心細くなり、死を感じるのだろう。東北地方大震災で、大津波の被害を受けて、寒い中3日間瓦礫の中で助かった人がいたのをニュースで聞き、人間って最後まで生きる希望を失わないこと。絶対に救助がくることを信じて、・・・。
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キック・アス/ジャスティス・フォーエバー★★★

2014年02月23日 | アクション映画ーカ行
美少女暗殺者を演じたクロエ・グレース・モレッツが注目を浴びた前作の続編として、キック・アス、ヒット・ガールらがヒーロー軍団を結成し悪党と戦うアクション。前作でマフィアの父親を殺されたレッド・ミストが悪党マザー・ファッカーを名乗り、キック・アスやヒット・ガールのもとへ次々と刺客を送り込む。前作の監督マシュー・ヴォーンは製作に回り、新鋭のジェフ・ワドロウが監督。アーロン・テイラー=ジョンソン、クロエのほか、ジム・キャリーがヒーロー軍団のリーダーとして登場する。より過激になったバイオレンスシーンの数々に注目。
あらすじ:キック・アスことデイヴ(アーロン・テイラー=ジョンソン)と、ヒット・ガールのミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)は普通の日々を送っていた。ところがそんなある日、デイヴは元ギャングで運動家のスターズ・アンド・ストライプス大佐(ジム・キャリー)とスーパーヒーロー軍団“ジャスティス・フォーエバー”を結成。そこへ、レッド・ミスト(クリストファー・ミンツ=プラッセ)が父親を殺害された恨みを晴らそうと、刺客と共に乗り込んできて……。

<感想>前作の「キック・アス」では、アメコミ・ファンのニコラス・ケイジの大熱演を楽しむつもりだったが、拳銃を持ったロリータのクロエちゃんに目が釘付けになってしまった。紫のウィッグにアイマスクでヒット・ガールに変身すれば、キレのいいアクションでスクリーンをさらいまくる。
クロエちゃんの肉体の曲線、丸みが甘ったるいほどに醸し出す稀に見る狸顔の美少女。ミンディが街中での闘いから大急ぎで家へ帰るシーンなどで、愛車のドゥカティですっ飛ばすシーンが、でもクロエちゃんは無免許だから実際には運転していないのだ。
ヒット・ガールの活躍では、街中でのファイトで、前作の長刀に加えてヌンチャクも駆使。疾走中のライトバンの屋根にしがみつき、超絶のアクションを披露する。最強の敵マザー・ロシアとのタイマン勝負になだれ込むクライマックでは、やられっぱなし状態から、アドレナリン注射で猛反撃にでるクロエちゃんに萌え!

今回は、前作で父親をキック・アスに殺されたレッドミストが、復讐のためにマザーファッカー(最低野郎)って酷い名前の悪党になって、ジョン・レグイザモと組んで悪の組織を作る話と、キック・アスがジム・キャリー扮するストライプス大佐が率いる自警団に入る話に、そしてヒット・ガールことミンディが普通の女の子になろうとする3つの話が同時進行する。
ミンディが、学校のセレブ同級生の女王様グループに入らないかと誘われるのですが、それがアイドルグループのビデオ見てキャーキャー言ったり、お化粧したりするんだけど、実はそれが犯罪者との闘いよりもずっと過酷な世界だってことが分かってくるんですね。でも、体に染みつい暗殺者の習性で授業中にキレキレのダンスを披露して、彼女らの反感を買ってしまう。

ミンディは高校の勝ち組の女の子たちのイジメと直面するんだけど、ヒット・ガールだから泣き寝入りはしない。父親から譲り受けた道具(スタンガンのような電気ショック棒)でビリビリすれば、女の子たちはゲーゲー吐きまくりって、これって超汚いですから。その後は、ヒット・ガールが少女から女に成長する過程も描かれている。一方、キック・アスはミンディから特訓を受けて体型も筋肉モリモリの強い男に変身。

「アンナ・カレーニナ」でキーラ・ナイトレイ演じる政府高官の妻と、不倫する相手役、青年将校ヴロンスキーを演じたアーロン・テイラー=ジョンソン。ここでは、真のヒーローを目指し、ミンディの特訓のおかげで暗殺スキルを注入。ストーリーでの実地訓練では大ピンチに陥ったキック・アス。そこへ、ヒット・ガールが助太刀して、チンピラどもを血祭りに挙げてしまう。いつもミンディと一緒にいるから、「このロリコン」って、彼女にも嫌われちゃう。

そこで、ジム・キャリー演じるスターズ・アンド・ストライブスという自警団活動と、正義のヒーローチーム「ジャスティス・フォーエバー」を結成。一緒に活動するんだけれど、この男が何とも怖い。星条旗から名前をとって、軍服を着た愛国者でキリスト教信者で、汚い言葉を使うとメチャクチャ怒る。売春をさせられているアジア系の女の子を助けたり、明らかにいいことしているんだけど、正義を言い訳に暴力衝動を満足させているように見えるからね。でも、最後の方で殺されてしまうんだよね。

そして、マザーファッカー役のクリストファー・ミンツ=プラッセが凄く頑張っている。しかし、母親が日焼けマシーンで感電死という、それをやったのはレッド・ミスト。相変わらず変な衣装(母親が持っていたSM衣装)を着て、父親の仇を討つために世界中から凄腕を集めてくる。中にはロシアから来たバケモンみたいに強い女がいて、彼女にマザーロシアって名前を付ける。元KGBの囚人で圧倒的なパワーを誇る。オルガ・カーカリナが演じているが、最初はオカマちゃんかと思ったくらい男に見えた。

それにマザーファッカーは、金持ちのボンボンだからアジトには水槽置いて、人食いザメ飼っているのも、悪のボスとして見栄っぱり。そのサメの餌食になるのは、キック・アスなの?・・・最後の方での2人の一騎打ちでは、ガラス張りの天井から落ちていくクリストファーが、サメの餌食になることは想像してたけどね(苦笑)
これって、お笑いの落ちなのよね、でも帰らないでエンドロールの最後まで観ていると、オマケの映像があって、生きているクリストファーの姿が観られるよ。
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麦子さんと ★★★.5

2014年02月22日 | ま行の映画
『純喫茶磯辺』『さんかく』など独特なセンスで注目を浴びる吉田恵輔監督が、構想に7年かけたハートフル・ドラマ。納骨のため亡き母の故郷を訪れたヒロインが、町の人々との交流を経て母の知られざる一面に触れ、それまでとは違う母に対する思いを抱いていく。声優を夢見るオタク女子の主人公に、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が好評だった堀北真希がふんし、兄役に『探偵はBARにいる』シリーズの松田龍平、二人の母をベテラン余貴美子が演じる。
あらすじ:声優を目指して奮闘中の麦子(堀北真希)が、兄・憲男(松田龍平)と暮らすところに、かつて二人を捨てた母・彩子(余貴美子)が戻ってくるが、間もなく病のために、帰らぬ人となる。麦子は、納骨のため母がかつて青春を謳歌(おうか)した田舎を訪れると、町の人気者だった彩子に似ている麦子の登場に町の人々は活気づく。そんな彼らと交流するうちに、麦子は自分の知らない母の一面を垣間見ることになり……。

<感想>格別に何がどうした、というのではないけれども、吉田作品の人物たちは、みなどこか“やましげ”である。「机のなかみ」「純喫茶磯辺」「ばしゃ馬さんとビッグマウス」の彼や彼女たち。誰もが小さなズルしたり、隠しごとで話が転がって、亡き母の若き日と出会うことになる。
だが、日常的なディテールの達者さに比べ、ドラマの核となる部分は今回も曖昧で、それが物足りなく感じた。ズルズルと話が進んで、何となく収まって、日本人的なのだが。

この作品では、堀北が娘と若き日の母親の一人二役を演じていて、だから「同じ」ではなく「似ている」だけのはずだが、画面では過剰なまでに同一感を強調しているのだ。また、部分的ながらオリジナルのアニメを作っちゃう、という発想も楽しい。アニヲタと田舎町のアイドルを演じる堀北真希の魅力満載だが、この女優さんの素の部分が前者のキャラに近いんじゃないかと思わせてくれるところもいい。
長年音信不通だったは母親が、突然現れてからの騒動を始め、しかし不仲のままで母親は死んでしまう。だから、一緒に数日間過ごした日々は、母親に対して毒舌を吐き捨て、なんて乱暴な娘、感じの悪い教養のない娘だと思ってしまった。そう感じたのは、娘もそうだが、松田龍平演じる義理の兄である憲男も口が悪いのだ。ババァと吐き捨てるように言う。

母親は、自分たち子供を捨てて出て行ってしまい10年間音信不通だというのだが、毎月生活費を15万円も仕送りしてもらっているのに、なんて礼儀の知らない親不孝ものの子供たち。女が一人でラブホテルの掃除婦、スナックでのアルバイトなど、かけもちで働き子供たちにお金を送金する。体を悪くするのは当たり前だ。きっと病院へは行っていないのだろう。自分の死期が迫っているのを感じ取り、我が子の傍で幾日かでも一緒に過ごしたいと思ったに違いない。亡き母親の遺骨を持って、故郷まで納骨に行く娘。その若き母を知る故郷の人々を通して、母を描く間接話法が効果的で良かったですね。
80年代のアイドルに田舎町とくれば、朝ドラと比較する声もあろうが、本作の方が圧倒的に素晴らしい。これは堀北真希の代表作になると思う。生き別れの母との再会、死という王道の母子ものを、吉田監督が撮れば、安易な母子の和解を拒否して、母親の死も感傷が入り込む隙を与えないほど呆気なく描かれている。
若き母とうり二つだと故郷の人々が言う。母は歌手になりたくて親の反対を押し切って上京。だが、世間は甘くなかった。子供のいる男と結婚をして、娘の麦子を産む。その後、結婚生活はうまくいかなくて離婚してしまう。

母親の余貴美子、田舎町の麻生祐未ほか女優陣が総じていいです。故郷の同級生でタクシーの運転手の温水さん、そしてとどめの聖子ちゃんメロディ、最後まで引っ張る「赤いスイートピー」が流れる瞬間に、思わず涙がじんわりと滲みます。
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土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI ★★★.5

2014年02月21日 | アクション映画ーマ行
高橋のぼるの人気コミックを、三池崇史監督、宮藤官九郎脚本のタッグで実写映画化したアクションコメディー。交番勤務の巡査が暴力団組織を壊滅させるべく潜入捜査を命じられ、さまざまなピンチを乗り越え任務を果たそうとする姿を描く。主演は、三池組初となる生田斗真。彼を取り巻くキャラクターには堤真一、仲里依紗、山田孝之、岡村隆史、上地雄輔らがふんし、原作の世界観そのままの強烈なインパクトを放つ。
あらすじ:正義感は強いものの警察署きっての問題児の巡査・菊川玲二(生田斗真)は、上司からクビと言われてしまう。しかし、内実は関東一の広域暴力団・数寄矢会の轟周宝(岩城滉一)を逮捕するため、モグラこと潜入捜査官になれという命令だった。偶然にも傘下の阿湖義組若頭・日浦匡也(堤真一)と親交を深めた玲二は、数々の試練に見舞われながら轟に近づいていく。
<感想>今年一発目の三池崇史監督の新作は、Vシネマ時代の復活を思わせる快作。コテコテすぎて映像化は不可能と思われていた、現在38巻まで刊行中の高橋のぼるの同名原作(小学館「週刊ビッグコミックススピリッツ」連載中)を、宮藤官九郎の脚本で映画化した本作。

正義感は人一倍強いがスケベで破天荒な警官が、クビと引き換えに潜入捜査官となって、合成麻薬の密売ルートを暴くために、広域指定暴力団に潜入し、幹部へ接近するために組織内で出世していくという物語。
まぁ、これだけならよくある潜入捜査ものにすぎないが、ヤクザ、歌舞伎町は新宿黒社会、チャイナ、マフィア戦争を初めとする数々の作品で描いてきた三池監督だけに、メジャー映画でおなじネタを拡大映画化するだけでは終わらないはず。まったく異なる表現で描かれるのに注目ですね。

街並みの背景はCGで作り込まれ、虚構の世界であることが強調されている。こうした虚構性の強調が、生田斗真と義兄弟の契りを交わすクレイジーパピヨン役の堤真一や、凝ったメイクで派手なアクションを見せる猫沢の岡村隆史という、浮いてしまいそうなキャラをハマリ役にしている。
それと、忘れてならないのが、数奇矢会の月原を演じているキレキレの頭脳を持つエリートヤクザの山田孝之、全身豹がら入れ墨男の上地雄輔や、組長の大杉漣など迫力ある演技合戦で白熱している。

冒頭で原作通りの、菊川玲二が素っ裸で車のボンネットに縛りつけられて、市街地を走り回るシーンがあるが、ジャニーズきっての美形キャラでもある生田斗真主演で、きっちり実写化して見せているのはお見事と言って過言ではない。
日本最大の暴力団、数奇矢会に潜入するも、「面白くなけりゃ、ヤクザじゃない」が持論の若頭日浦に気に入られ、武闘派ヤクザとして鳴らしていく。

見どころは、生田の常識破りの馬鹿っぷりと、それに負けじとド派手さを競う会う堤真一、山田孝之、チビハゲこと岡村隆史らの役作り。パピヨンというだけあって、衣装に蝶々の刺繍がほどこされている派手さ。数寄矢会の轟周宝を演じている岩城滉一の貫ろくには、惚れ惚れしますから。
闇カジノに潜入した彼は、対立している蜂乃巣会の猫沢を相手に暴れまわり、日浦に気に入られ義兄弟の杯を呑み干して、あろうことかその杯をバリバリと噛み砕いて食べてしまった。

数奇矢会と蜂乃巣会の抗争がいよいよ激化し、猫沢は玲二を付け狙う。玲二をかばい両脚に銃弾を浴びせられ重傷。日浦がヤクザとして再起不能に、と思っていたら、両脚に機械仕掛けの義足をつけて不死鳥のように甦る。
さらには、生田斗真と仲里依紗との濃厚なベッドシーンは、童貞キャラとしておおいに笑わせる。コメディタッチで脱力系ギャグシーンに仕上げてあるので、笑いが込み上げてきます。
中でも、遠藤憲一と、吹越満、皆川猿時の上司の3人が歌う「モグラの掟」は強烈すぎて観終わってからもうなされそうです。
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鑑定士と顔のない依頼人 ★★★★.5

2014年02月20日 | か行の映画
名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、刺激的な謎をちりばめて紡ぐミステリー。天才鑑定士が姿を見せない女性からの謎めいた鑑定依頼に翻弄(ほんろう)されていくさまを、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの音楽に乗せて描く。偏屈な美術鑑定士には、『シャイン』などのジェフリー・ラッシュ。共演には『アップサイドダウン 重力の恋人』などのジム・スタージェス、ベテランのドナルド・サザーランドらが名を連ねる。
あらすじ:天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の両親が遺(のこ)した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。

<感想>ジョゼッペ・トルナトーレ監督らしいストーリー運びを面白く観ながら、どんなふうに収束するのかな、と期待してわくわくしていた。超オタク愛に狂う、卓越した演技力を持つ素晴らしいキャスティングに、素晴らしいロケーション、素晴らしい美術品で魅せる、見せるのである。「2度観たくなる」という宣伝文句もわかる。

アダムとイヴを思わせる男女の彫像の陰から覗いている初老の男ヴァージル、覗かれているのは広場恐怖症の女クレア。美術品のように美しい女は青いバスローブだけを纏っている。割れたガラスを踏んだのか、足の裏に刺さった破片を取ろうとして椅子に腰を掛け、片足を抱え込むように持ち上げ親指を舐める。瞬間、ローブははだけて生々しい股間があらわになる。
女に免疫のない男はあたふたとして、買ったばかりのケータイ電話を落とし音を立ててしまう。急いで逃げるヴァージル。侵入者に気付いた女はパニックを起こして怯える。そして、彼に電話をして助けてくれと泣いてせがむ。ここは非常に印象的なシーンである。
人間不信で潔癖症のヴァージルは天才的な鑑定眼を持ち、世界の美術品を仕切るオークショニア。レストランでも手袋は外さす専用の食器を使う。高級ホテルのような自宅には、隠し部屋がある。

その部屋には無数の肖像画が、名立たる画家たちのミューズであったろう女の顔が、壁一面に飾られ、ヴァージルはここで至福の時を過ごす。このシーンだけでも観る価値はありますね。
モリコーネの曲も女の声のスキャットが無数に重なったもので、まるで肖像画の女たちが歌い、語りかけてくるような錯覚に陥る。そんな孤独な男の人生は、クレアと名乗る若い女の鑑定依頼を受けたことにより、変化し始める。
なかなか姿を見せないクレアへの好奇心と、彼女の屋敷で見つけたお宝(機械人形)への執着から、ヴァージルは深く彼女に関わることになる。

美術品修復の天才ロバートが協力者となり、恋愛指南までされる。巧みなストーリーにのめり込み、次第に気性の不安定なクレアの言動に翻弄され、初めての恋心に振り回される男は、今まで苦労して相棒のボビーとオークションで安く手に入れたコレクションを、失いつつある事態には気付いてはいない。
でも、ずるいですよね、構造が。ジェフリー・ラッシュは不幸や不運が似合う顔なので、もう少し違った形の意外な収束が欲しかったような気がした。修理屋のジム・スタージェスが胡散臭く、結果あまり意外性がなかったのには、やや失望しました。でも、ヒロインのクレア役であるシルヴィア・ホークスの美しいこと。男たちを虜にしてしまう魅力を持っています。

観はじめて早い段階で結末を予測してしまった。と言うのも、クレアの屋敷の向かいにあるカフェで、小さな女が機械人形のように一瞬で数を計算する。その小人女が、じつは伏線のような役割をしている。

最後に明かされる、クレアの本性を、そして相棒のボビーの魂胆も見抜けなかったとは。若い美人の生身の女に心酔し、今までの自分の人生を喪失してしまうとは。
これは、余計なことを考えずに楽しむべきだと実感しました。でもそれを差し引いても、全体的に鈍重な運びで、サスペンスなのか、官能性か、あるいは病的な状態かの、いずれかの表現にもっと切れ味があれば救われるのだけど、お互いの深部に分け入ろうとする試みを、「隠し部屋」なるものに置き換えて表現して伝えようとしているのは面白いですよね。

「ニュー・シネマ・パラダイス」のジョゼッペ・トルナトーレ監督が、初のデジタル撮影に挑んだ。音楽はお馴染みの、エンニオ・モリコーネの音楽で彩られている。
ラスト、プラハのクレアが言っていたカフェ、“ナイト&デイ”だが、機械仕掛けの古時計がたくさん展示しているカフェで、「たとえ何が起きようとも、あなたを愛しているわ」というクレアの言葉は真実であったと思いたいに違いないのだ。
覗き見る対象物だったものに、身も心も投げ打ってしまう愚かで幸せなヴァージル。こういう作品は語り口の手練手管が大事なので、私はもっとお洒落にと、思ったのだが、それは間違いであって、通俗とも言える展開と収め方が良かったのかもしれませんね。
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愛情は深い海の如く ★★★

2014年02月19日 | あ行の映画
『ナイロビの蜂』『アレクサンドリア』のレイチェル・ワイズ主演。 第70回ゴールデングローブ賞主演女優賞ノミネート&2012年ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞受賞。
女性が自由を求めて行動することが難しかった第二次世界大戦後のロンドンを背景に、愛されることを求め、官能と苦悩に溺れていく女性を描く傑作ラブ・ストーリー!
2011年/アメリカ・イギリス制作、原題:the deep blue see
あらすじ:第二次世界大戦後のロンドンで、親子ほどに歳の離れた判事の夫と裕福に暮らすヘスター。
夫は優しさも思いやりもあり、へスターのわがままにも終始穏やかであったが、年が離れているが故に情熱的な愛情表現に欠けていた。
そんな中、同世代の元英国空軍パイロット、フレディと偶然出会い、瞬く間に恋に落ちる。フレディへの想いは大きく燃え上がり、激しく愛し合う二人だが、
夫に関係を知られ、へスターは家を出てフレディと暮らすことを選ぶ。
しかしフレディは、戦時中の過酷な経験を引きずり、アルコール中毒であった。些細な事でも怒りを露わにするフレディとの荒れた生活。
ヘスターの思い描いていた“愛の生活"とはまたしても程遠いものであった。愛欲と幸福の狭間で揺れるヘスター。ついに自らの命を絶つことを決意するのだったが…。
<感想>日本未公開作品で、最近メキメキと売れっ子になった「マイティ・ソー」のロキ様ことトム・ヒドルストンと、『オズ はじまりの戦い』のレイチェル・ワイズと共演したラブストーリーもの。
元は、テレンス・ラティガンの手による戯曲で、1955年にヴィヴィアン・リー主演で映画化もされた同名舞台劇がオリジナル作品。男女の愛の切なさ、はかなさを問いかけてくるようなラブロマンス。

最初こそ情熱的に愛しあっていた二人だが、しかし些細なことで喧嘩になった後、フレディが留守の間にヘスターは自殺を図ってしまう。近隣の人々に救われた彼女は、この一件を秘密にしておこうとするが、帰って来たフレディは、自分宛に書かれた彼女の手紙を見つけて、その文面を読み愕然とする。
内容は悲しい物語だが、テレンス・デイヴィス監督による映像の一つ一つが美しく、フレディとヘスターのベッドシーンも繊細で官能美に溢れているなど、大人の作品。
しかも、この作品でゴールデングローブ賞主演女優賞候補となったレイチェル・ワイズの演技が冴え、相手役のトム・ヒドルストンも戦争で心に傷を負ったフレディの、複雑な内面を汲み取るように、見る者をくぎ付けにしています。
経済力はあっても年の離れた夫婦では、若い妻には満たされることができない情熱的な何かが潜んでいる。情熱的に体を求めても、男の方が女の情熱に引いてしまい後ずさりする。
愛することの意味を追い求める女性と、生きることの大切さを肌で知る男の、すれ違う心と心が胸に痛いラブ・ストーリーですね。
確かに、悲恋ものではありますが、ヘスターという女性が、一人の男性フレディを深く愛することで、最後には本当の愛とは何かを見出して終わることが、救いへと繋がっているような気がします。
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エージェント:ライアン ★★★

2014年02月18日 | アクション映画ーア行
『レッド・オクトーバーを追え!』などの原作で知られる、トム・クランシーの人気小説「ジャック・ライアン」シリーズを新たに実写化したサスペンスアクション。投資銀行員という表向きの顔を持つCIA情報分析アナリストのジャック・ライアンが、世界恐慌勃発を狙う巨大な陰謀に立ち向かう。主演は『スター・トレック』シリーズのクリス・パイン。共演には、監督も務めるケネス・ブラナーに『プライドと偏見』などのキーラ・ナイトレイ、ベテランのケヴィン・コスナーと、実力派が結集する。
<感想>前作から十数年余り、紆余曲折を経てこの新作「ジャック・ライアン生誕30周年記念」に位置づけられるが、奇しくも原作者クランシーは劇場公開を前にして、13年10月1日に急死、映画はクランシー追悼の意も抱えることになってしまった。
新生「エージェント:ライアン」は、経済学博士課程に学ぶ青年ライアンが、CIAに入局し活躍していく、まったくの新シリーズとしてリブートされたもの。ニューフエルドが示したライアン役の条件は、第一にグッド・アクターであること、そして魅力的であること、信頼できる人物で、スマートかつ頭脳派であること。これをクリアし、トム・クランシーにも承認されたのが新進男優のクリス・パインなのだ。

物語の背景は現代、ライアンの大学生時代にNYでの9.11の惨劇、その後にリーマンショック以降に相応しく経済テロを扱い、80年代を生きていたライアンが様々な意味で“いま”という舞台に還って来る。人物造形は原作そのままに、しかも激動の過ぎ去りし国際情勢から解放され、今日の映画リアリズムに沿ったスパイ映画シリーズとして再生するのである。

さて、どんな人物かというと、頭脳明晰だが、ある種平凡な男であるということ。ジェームズ・ボンドや、ジェイソン・ボーンのようなヒーローではない。天才的なエコノミストで経済危機がいつ訪れるのか予測はできても、それ以外の部分ではエリート育ちの普通の男。だからこそ、そんな彼が何故危険を犯してまでCIAに入るかという動機が肝心になってくる。
そんなわけで、映画の冒頭3分の一は、特に興味深いと思う。ケヴィン・コスナー演じるCIA上官が、ポスト冷戦時代に生きるライアンに対して、使命を果たし国を助けることがいかに意義のあるかということを納得させる。
冷戦以後も世界には様々な対立があるけれど、この映画の場合は、旧帝国アメリカと新興財閥による新帝国ロシア。そして金融界や政治情勢がその境界線を曖昧にしていく。ライアンは経済アナリストとしてそこに関心を持つと同時に、多くの疑問も抱くわけなんですね。

監督のケネス・ブラナー自身も、ライアンの宿敵となるロシアの投資家、ヴィクター役で巧みなロシア語とロシア訛りの英語で悪役を怪演している。キャサリン役のキーラも素晴らしく、今回もその美貌を振りまき、仕事熱心な役回り。ライアンの恋人でもあるキャサリンは、眼科医で賢くて、情熱的な女性。この手にありがちな恐怖におののく女性とは違って、強くて自立している。

彼がキャサリンと出会ったのは、海兵隊員だったころで、アフガニスタンで搭乗していたヘリが襲撃され墜落し、仲間の二人を助けて自分は背骨を折るという重傷を負う。その時にリハビリを担当して心身ともに彼を再生させてくれたのが彼女だった。当時は医学生だったが、立派な眼科医である。
モスクワの投資会社の不穏な動きに気付き、投資会社チェレヴィンの持つアメリカの財政を左右するほどの巨大な外資口座がアクセス不能になっている。
ジャックをCIAに採用した上官ハーパーに事態を報告するが、いつものように現場エージェントを派遣するのではなく、ジャックにモスクワに飛ぶように指令する。現場経験のない、いわばデスクワークの彼が何故?・・・不思議に思いながらモスクワへと入り、行動を開始するのだが、そんな彼に同グループの警護員が襲い掛かってくる。巨漢の黒人でとても力技にはかなわない。しかし、格闘の末に風呂場に追い込んで水責めにして殺してしまう。

ジャックは初めて人を殺した事に動揺して、エージェントのルールすら知らないため、CIA本部に規定違反となる一般回線で連絡。指示を仰ぐしかなかった。指定された公園で、いつの間にかモスクワに来ていたハーパーと出会う。
チェレヴィン・グループの企みが成功すれば、世界は数週間の内に恐慌に陥り、暴動や食糧難で莫大な人数が命を落とすことになるというのだ。
監査の続行を命じたハーパーは、ジャックに拳銃を渡し、エージェントとして働くように指示する。ケヴィン・コスナーの上官役は、海軍の制服が決まっていて素敵ですよね。でも、狙撃手って美味しい役回りじゃん。アクションシーンがあまりないので、年には勝てないってことなのか。
翌日チェレヴィン・グループの代表に面会するが、すでに証拠は隠滅されていた。それに、ホテルには、パリで落ち合うはずの恋人キャサリンが部屋で待っているではないか。しかも、彼女の傍には拳銃が。誰を信用すべきなのか、何が真実なのか、ジャックの孤独な戦いはどのような結末を迎えるのか。

自分の危険な仕事場に恋人が現れ、彼女を危険な目に遭わせることになる。どうみてもお邪魔虫なのだが、キャサリンが機転を利かして、お金好き、女好きな男であるチェレヴィン・グループの代表を誘い出して時間稼ぎをすることに。
ケネス・ブラナーを上手く騙して、その間に彼の会社に潜り込むジャック。
この辺りは、エージェントならお手の物でしょうに、CIAの協力でPCからダウンロードするジャック。しかし、普通だったらPCの中に大事なファイルはしまって置かないはずなのに。それに、警備もユルユルで難なくパスするなんてね。
ケネス・ブラナーが感づいてからが大変な騒ぎで、キャサリンも拉致されるし、でもダイヤの婚約指輪にGPSが付いているし。ここからが、ジャックのアクション開始なんですが、すぐに浮かぶのが、ハリソン・フォードが演じた「パトリオット・ゲーム」、「今そこにある危機」でのアクションシーンの派手だったこと、カーチェイスとかも普通だし何か物足りなさを感じてしまった。
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7番房の奇跡 ★★★.5

2014年02月17日 | な行の映画
『王になった男』などのリュ・スンリョンが主人公を演じ、突然仲のいい父娘を襲う悲劇と、その後刑務所内で起きる思いがけない奇跡を描く感涙作。あらすじ:模擬国民参加裁判で、弁護側の女性(パク・シネ)は、ある幼女暴行殺人事件のえん罪を晴らすために立ち上がる。当時犯人とされ、死刑が確定したヨング(リュ・スンリョン)は、娘のイェスン(カル・ソウォン)と二人暮らし。彼はかわいい娘のために黄色いランドセルを買ってやろうとしていたが、ランドセルは売れてしまい……。

<感想>韓国映画歴代動員記録第3位をマークした感動作。知的障害を抱えながらも、無実の罪を着せられ服役することになった父親と、6歳のまな娘との深い絆が周りの人々の心まで変えていく過程を回想する。
本作でデビューした名子役カル・ソウォンが幼少時代の娘を演じ、そのかれんさで涙を誘う。あまりにも厳しい現実をユーモアと、優しさと愛情で包み込む物語に感極まります。
現実離れした設定の、催涙映画を見せられてはたまらないと思っていた。そうしたら、現在と過去の交錯も巧みに、主人公の娘や同房だった収監者、刑務所課長らの人生と、時間を実感させる演出に心地よく乗せられてしまった。

まさか“セーラームーン”のランドセルで号泣するとは思っても見なかった。殺人犯に間違われた知的障害者の父親と、良く出来た幼い娘の絆の物語、これは過去篇です。

ただし予想する通りにしか展開せず、かえってもどかしさが残る。娘が模擬裁判で、父親の冤罪を晴らそうとする現在の部分が効果的になっていない。よくよく考えてみれば、そうに決まっているからだ。観客はみな、彼の無実を知っているわけだから。
いくら父娘の無償の愛を描くにしても、話が乱暴で無茶すぎる。その乱暴な話を無理やりに美談に仕立てて、しかも、少女が父親に会うために忍び込む刑務所の、7番房の演出はコメディタッチであり、何やら取って付けたような気がした。
主人公の娘を刑務所内に出し入れするという奇想も、外部が娘に無関心でなければ成立しないので無理があると思うのですが、演出に節度があるようなので観てはいられます。
ズサンな警察、甘い刑務所、涙や奇跡よりも唖然としてしまう父娘もの。このように頻繁に行き来してプレゼントも不自由なく渡せる環境では、クライマックスに泣き場を用意したところで効果が薄れてしまっているような感じがした。まぁ、それでも感動作品としては、囚人や看守との交流と共に活写した韓国の定番でもある、泣かせ映画の力作であります。
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大統領の執事の涙 ★★★★

2014年02月16日 | アクション映画ータ行
実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにしたドラマ。奴隷から大統領執事となり、7人の大統領に仕えた男の波乱に満ちた軌跡を追う。主演を務める『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーを筆頭に、ジョン・キューザック、ジェーン・フォンダ、テレンス・ハワードなどの実力派が結集。メガホンを取るのは、『プレシャス』などのリー・ダニエルズ。濃密なドラマとストーリー展開に加え、アメリカ近代史を見つめた壮大な視点にも引き込まれる。

<感想>本作は1950年代のアイゼンハワーから80年代のレーガンまで、ホワイトハウスで7人の大統領に仕えた、ユージン・アレンをモデルにしたフィクションである。実際のユージン・アレンは、トルーマン時代から在職していたそうで、退職後もオバマ大統領の就任時に、ある名誉を授かった人物。
実話の映画化ではないからといって、黒人問題を訴えて大統領を動かしたとか、キューバ危機を止めた影の立役者というような過度な装飾はされてはいない。
本作で大統領執事を務めるセシル・ゲインズをフォレスト・ウィテカー、静かなる男が品格と才覚で、世の中をサバイバルしていくリアルなストーリーである。彼は、大統領執事を務める上で、「見ざる聞かざるで給仕しろ」という上役の言いつけ通り、模範的な執事ぶりを見せるだけ。

キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争とアメリカが大きく揺れ動いていた時代。歴史の荒波に直面するのは彼の息子たちなのだ。白熱する親子間での思想的対立。父親は「政治には興味がない」というノンポリの態度を表面的に貫き、体制の中枢に居続けるのだが、その根っ子には小さい頃南部で奴隷として育ち、ある出来事で、綿の花畑で自分の父親が白人の主人に射殺されたトラウマがある。

やがて、ホテルのベルボーイにまで出世し、遂にはホワイトハウスからスカウトされる幸運を掴むのだ。ここまでこられたのは、路頭に迷った時に助けてくれた黒人の「2つの顔を持て」という言葉を胸に秘めていたからなのだ。白人たちに向けた顔と、黒人たちへの顔。息子たちが、それぞれの顔を持って戦う中で、セシルもホワイトハウスの中で白人に向けた顔をしながら、静かに戦っているのだ。同僚の黒人たちの昇進昇給を長らく求めていたというわけだ。

しかし、父親の働きで裕福な生活を得た長男のルイスは、大学まで進むインテリとなり日和見主義にしか見えない父親を批判して、公民権運動に参加し、何度も逮捕されて父親を悩ませる。アラバマでKKKに襲撃され、やがてはキング牧師との出逢い、ブラック・パンサー党への参加など、黒人版フォレスト・ガンプのようなアメリカ現代史を体験する。

そして次男は、国家のためにベトナム戦地へと赴くが、戦死してしまう。それに、妻はセシルが仕事に没頭するあまりに、寂しくてアル中気味である。
息子たちとは対照的に、セシルは最高権力者の姿を静かに見つめるだけだった。長男はそんな父親を嫌って、キング牧師に、父は白人に媚びていると告げ口する。しかし、キング牧師は言う、「執事は従属的と言われるが、人種間の憎しみを溶かす戦士なのだ」と。情勢の荒波が家族を翻弄していく様は痛々しいが、その絆の回復には時代の希望も宿っているようでもある。

共演陣では、ロビン・ウィリアムズのアイゼンハワー、ジョン・キューザックのニクソン、アラン・リックマンのレーガンなど歴代大統領の意外な配役も楽しいが、ナンシー・レーガンを演じた、かつての戦う女優、ジェーン・フォンダが円熟の味わいで演じているのも印象深いもんです。それに、幼少時代でのセシルの母親にマライア・キャリーが出ていて、ほんのちょっとだけなのでお見逃しなきよう。
「プレシャス」や「ペーパーボーイ/真夏の引力」と話題作が続くリー・ダニエルズ監督。彼はアフリカ系アメリカ人だが、本作では国家と家族、白人と黒人、父と子を対比させて、自らのアイデンティティに通じる物語を力強く描き出していると思う。
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ビースト・ストーカー/証人★★★.5

2014年02月16日 | DVD作品ーな行、は行
「密告・者」の監督&主演コンビ、ダンテ・ラム、ニコラス・ツェーが手掛けたクライム・サスペンス。心に傷を負った刑事、娘を事件によって失った女性検事、2人に復讐を誓う暗殺者の運命が、ある事件をきっかけに複雑に絡み合う。共演は「ラッシュアワー3」のチャン・チンチュー、「コネクテッド」のニック・チョン。
あらすじ:武装した重犯罪者を激しいカーチェイスの末に追い詰めた刑事トン(ニコラス・ツェー)は、逃走する車に銃弾を撃ち込み、身柄を確保する。しかし、その車のトランクには少女の遺体が。トンの発射した銃弾が、中に閉じ込められていた少女の命を奪ってしまったのだ。犯人たちが逃走に使った車は、事件を担当する女性検事アン(チャン・チンチュー)のもので、少女はアンの娘だった。この事故によって心に大きな十字架を背負うトン。
そして事件の3ヵ月後、アンのもう一人の娘リンが、トンの眼の前で何者かに誘拐される。犯人は元ボクシング選手のホン(ニック・チョン)。彼は、病気の妻の高額な治療費のために凄腕の暗殺者として犯罪に手を染めていた。その上、彼自身も失明の危機にあった。そんなホンが犯罪組織から依頼を受けた仕事が、アンのもう一人の娘リンの誘拐だった。組織の目的は、リンの命と引き換えに、裁判で組織に不利となる証拠の隠滅。トンは、責任を感じると同時に3ヵ月前の事故の記憶に苛まれながら、何かに取り憑かれたかのように執拗にホンを追う。
一方、ホンも、トンとアンに復讐しなければならない理由があった。トン、アン、ホン。それぞれ苦悩とトラウマを抱えた3人の運命が複雑に絡み合い、怒涛のクライマックスへと雪崩れ込む。その先に待つのは、哀しくも美しい、数奇と言うには、あまりに残酷な運命……。(作品資料より)

<感想>同じスタッフとキャストによる姉妹編「密告・者」が制作されるきっかけとなったアクション・サスペンス。凶悪犯の車に発砲し、トランクにいた少女を誤って撃って死なせてしまった刑事トン。少女は女性検事の娘だった。
3か月後、検事のもう一人の娘リンが何者かにさらわれる。犯人は検事に裁判で組織に不利になる証拠隠滅要求してくるのだが、・・・。
冒頭のカーチェイス、衝突シーンが圧巻であります。それに緊迫感みなぎる犯人との攻防が見ものです。ニコラス刑事に、チャン検事、誘拐犯のニック、それぞれの事情を抱えた人物背景や葛藤、トラウマがドラマ性を深めていく。

誘拐犯人のニックは眼が片方見えなく、視界が限られているも元ボクシング選手だけあって、凄腕の殺し屋となっていた。妻は全身麻痺で動けなくベッドに寝たきりである。妻を愛しているゆえ、生活のために悪の道に入った男。誘拐した可愛い女の子の面倒を見るのもニックだ。口をふさがれ両手を縛られて、トイレもままならない。だが、この女の子は頭がよく、優しい心の持ちぬしなので、寝たきりの妻にいくらかの安らぎを与える。
ニコラスも送られてきた少女の居場所を見て、窓に映るネオン塔にヒントを得て、香港のビル街を捜して歩く。話にやや強引な部分もあるが、植物人間状態の妻がどうしてそうなったのかが分かり、三者の接点が繋がる切ない余韻に涙がこぼれ、犯人役のニックの好演に同情さえ感じる。まさか、冒頭の事故シーンがこの物語の重要な伏線になろうとは。俳優陣の存在感も十分で見応えがある作品です。
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