パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

マイ・ファニー・レディ ★★★★

2016年01月31日 | アクション映画ーマ行
「ラスト・ショー」「ペーパー・ムーン」の名匠ピーター・ボグダノヴィッチ監督が、「ブロンドと柩の謎」以来13年ぶりに手がけた映画作品。元コールガールの人気女優をヒロインに、彼女を巡って一癖も二癖もある男たち女たちが織りなす、複雑に絡まり合った愛憎の行方をユーモラスに綴る群像ロマンティック・コメディ。出演はイモージェン・プーツ、オーウェン・ウィルソン、キャスリン・ハーン、ウィル・フォーテ、リス・エヴァンス、ジェニファー・アニストン。
あらすじ:ニューヨークのとあるバーでインタビューを受ける新進のハリウッド女優イザベラ・“イジー”・パターソン。コールガールからどうやって女優になったのか、との不躾な質問にも、顔色ひとつ変えることなく答えるイジー。それは、ある奇特なお客との出会いに始まる。紳士的な彼は“この仕事を辞めるなら、君に3万ドルをあげよう”と奇妙な申し出をする。これを受け入れ、コールガールを辞めたイジーは、夢だった女優の道を目指し、舞台のオーディションに挑む。ところが、その舞台の演出家アーノルドは、偶然にも彼女に3万ドルをプレゼントしてくれた例のお客だった。まさかの再会に動揺するアーノルドを尻目に、みごとな演技で役をつかみ取るイジーだったが…。

<感想>ブロードウェイを舞台に繰り広げられる人間模様を描くロマンチック・コメディ。コールガールからハリウッドスターに上り詰めた若い女優のイザベラ。彼女の成功譚を彩る舞台人や、ユニークな人々の恋と執着を洒落たタッチで描いたコメディである。と、これはウディ・アレン爺さんお得意の早口台詞と恋のドタバタ劇の物語と同じに見えた。
ですが、70年代の匂いがしつつ、携帯もパソコンも登場する現代が舞台。こちらはピーター・ボグダノヴィッチ監督の手腕で情が深そう。惚れっぽさが生む創造力、映画はこういう色気が無くなるとお終いかも知れない。

まずは、洗練されたシーンの数々に思わずうなる。どんなに込み入った話も90分で語り終える技術こそが古典映画の遺産であると思うから。
主人公の新人イモージェン・プーツが可愛いし演技も上手い。彼女の出演作品は、「28週後...」で凶暴なゾンビから逃げ回っていたお姉ちゃん役。その後は、「フィルス」(13)や「ニード・フォー・スピード」(14)のヒロイン役でブレイク。他には「恋人まで1%」がある。

それに演出家のオーウェン・ウィルソンがいい味をだしていた。演出家の妻であり、女優のキャスリン・ハーンがイギリス俳優のリス・エヴァンスと不倫をしているのも。

コール・ガールのイザベラに一目惚れをする脚本家のジョシュアには、恋人の精神科医のジェーンがいて、セックスを介した人間関係は増々混線していくのだ。

精神科医のジェーンのジェニファー・アニストンって、「モンスター上司」とか、最近ではこういう壊れたキャラがお似合いのよう。

それに、コール・ガールが主役の舞台で本領を発揮するイモージェン・プーツが、最後にはハリウッドで監督のタラン・ティーノと仲良くなっているのも頷ける。

往年のハリウッド映画へのノスタルジアに満ちたこのコメディ映画が、気分よく見せられるのが、悪人が一人も登場せず、ひょんなはずみで舞台に引っ張り出されるコールガール以外は、お客の裁判官の爺さんに、浮気性の舞台演出家にしろ、脚本家など、ずべてが裕福な連中で、高級ホテルやレストランでお馴染みの鉢合わせで散在しても痛くもかゆくもないからだ。

それにしても、演出家のアーノルドが、コールガールのイザベラだけでなく、多くのコールガールたちに「この仕事をやめると約束したら3万ドルをプレゼントする」というのだ。実は彼には公演の先々でコールガールに“大金をプレゼントするという癖“があったのだ。
つまり「胡桃とリス」というエルンスト・ルビッチの遺作「小間使い」の中での台詞を引用しての、オーウェン・ウィルソン演じるアーノルドを中心とする、性の関係が乱れ交じるキーワードとなっていて、笑わせられます。
シンプルでわかりやすく、とても基本に忠実な見やすいコメディ映画だと思いますね。それに、映画マニアがウンチクを語りやすいようにと、オマケの映像まで最後に出てきて、面白いったらない。憧れのニューヨークの街頭描写が最高ですから。
2016年劇場鑑賞作品・・・22映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
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やさしい嘘 ★★★

2016年01月30日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
小国グルジアを舞台に、愛する家族のためについた一つの嘘をめぐって、母娘三代が抱える葛藤と心の絆を優しく描いたドラマ。
主演は85歳で映画デビューを果たし90歳目前に出演した本作でも高い評価を受けた「めざめ」のエステル・ゴランタン。監督はこれが長編デビューのジュリー・ベルトゥチェリ。

<感想>あなたは愛する家族のために嘘をついたことがありますか~遠く離れたパリで暮らす、愛する息子オタールの死。エカおばあちゃんを悲しませないために、娘と孫はオタールのふりをして手紙を書き続けることを思いつく・・・。カンヌ映画祭批評家週間など、各国で絶賛され数々の映画賞を受賞した傑作!
ソ連の崩壊以来、いまだ困窮しているグルジアの首都。日本の約5分の1の面積しかない小さな国。ソビエト時代はワインやお茶などを産業とする農業国だったが、ソ連崩壊後は、行政が混乱し、断水や停電もしばしば起きることも映画の中で描かれている。貧しい国だが、物がないからこそ家族が肩を寄せ合って暮らす、人々の優しさと温かさが、この作品の一番の魅力でしょう。

カお婆ちゃんの一番の感心事は、パリに出稼ぎに行っている息子オタールのこと。一緒に暮らす娘マリーナとは、常に喧嘩が絶えない。それを仲裁するのが、オタールの手紙を読んで聞かせる孫娘のアダの役割なのだ。
そんなある日のこと、工事現場でオタールが事故死したと知らせが届く。マリーナとアダは、エカ婆ちゃんを哀しませないためにも、偽りの手紙を読み続けることになるのだが。この映画は、以前見た「グッバイ・レーニン!」に似ているような内容。
母と娘3代の愛情や葛藤の物語も、大切な人を哀しませないために、相手を思うあまり嘘をつき続ける話し自体にも、なんだかそこに目新しさが感じられない。しかし、実の母娘だからこそ衝突する姿、それでも互いへの愛情は強く、深いところで繋がれた絆に、本能が震える感覚を覚える。

きばつさをてらわない静かな演出も、3人のキャラを次第に浮き立たせて効果的に使われていると思う。エカ婆ちゃんを演じた女の人は、なんと85歳で女優デビューしたというから、驚いた。どおりで演技というよりも、そのままの自分を表現しているような、そんな感じがした。たとえば、マリーナに髪の毛をシャンプーしてもらうシーンでも、じゃけんにわざと大声で嫌がったりする。娘に甘えているのだろう、老人とはこういうもんだから。それにこの婆ちゃんは、タバコを楽しみ、フランス語に堪能でルソーを読み、行動力もあるのだから驚く。とにかく、ラストの、祖母の感情の変化や粋な切返し、それを受け止める二人の哀愁がたまらなくよく、ラストが秀逸です。
それと、同じような内容で認知症の妻を愛してやまない夫の物語でやさしい嘘と贈りものも大変良かったです。
2016年DVD鑑賞作品・・・5映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


わたしはマララ ★★★

2016年01月30日 | わ行の映画
2014年にノーベル平和賞を史上最年少で受賞した17歳の少女マララ・ユスフザイを、「不都合な真実」のデイビス・グッゲンハイム監督が取材したドキュメンタリー。パキスタンで学校を経営する詩人の父と文字の読めない母の長女として生まれたマララは、タリバンに支配された教育事情や暮らしについてブログに綴りはじめるが、ドキュメンタリーへの出演によって身元が知れ渡り、タリバンに命を狙われる身となってしまう。そして2012年、当時15歳だったマララと友人は、スクールバスで下校途中に銃撃され、頭に大怪我を負う。世界に衝撃を与えたこの事件を中心に、マララの生い立ちや父が彼女の名に込めた想いを明かし、普通の少女がなぜ教育活動家としての道を歩むことになったのか、その真相を描く。

<感想>女性が教育を受けられる権利を訴え続け、2014年に17歳でノーベル平和賞に史上最年少で輝いたパキスタン人女性、マララ・ユスフザイ。その生い立ちや素顔を本人はもちろんのこと、両親や周囲の関係者への取材を通して映し出したドキュメンタリーです。

第二次アフガン戦争の英雄マラライにちなんだ名前を持つマララ。女子が学校へ行くことを禁じるタリバン政権を批判するブログを書き続けた彼女は、15歳の時にタリバン政権の銃撃を受け、瀕死の重傷を負う。パキスタン北部、そこがタリバン政権の支配下におかれたことで、女の子たちは学校から追い出された。そんな状況を日記に書き、テレビでインタビューに答え学校へ通いたいと訴えたためにマララは殺されかけたのだ。

学校に行く子供が殺されたり、学校そのものが爆破されるという状態は、どう考えても正しいことではない。この事件がきっかけで世界にその名を知られたマララは、父親が希望し、字を読めない母親の悲願を叶えるために、マララは女性が教育をうけられるように訴え続けた。その数年間がインタビューとアニメーションで描かれている。

マララの一家も、一時は国内難民として故郷を離れなければならなかった。命を狙われ、実際に襲撃されたことで、一家はイギリスへと逃れて行った。しかし、映画の中では、「彼女は有名になりたいだけさ」という、マララに対する非難中傷などがあることも描かれていて、全部の人たちが賛成しているわけではないのだ。

もともと劇映画にする予定だったのが、マララ本人に会ってドキュメンタリーになったものだと言う。誰もが彼女のように声をあげられるわけではないという事実を強く感じました。力強く弁をふるうその姿が、彼女が代弁している少女たちやその現状と重なるのかどうかは、要は彼女を撮る側が、彼女の何を撮りたかったかが見えてこないのが残念。
ですが、国連でのスピーチの映像に涙が、「1本のペン、一冊の本、・・・」とてもシンプルな流暢な英語で話す言葉につい、胸が熱くなります。しかし、タリバンが何故、女子教育を憎むのかは分からないまま終わるのも惜しい。
2016年劇場鑑賞作品・・・21映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

わたしの名前は...★★★

2016年01月29日 | アクション映画ーワ行
著名なファッション・デザイナーのアニエス・ベーが本名のアニエス・トゥルブレ名義で撮り上げた記念すべき長編映画監督デビュー作。家出した少女とトラック運転手の切なくも心温まる逃避行を描いたロード・ムービー。主演の少女にはオーディションで選ばれたルー=レリア・デュメールリアック。一方のトラック運転手には監督との親交もあるアーティストのダグラス・ゴードン。
あらすじ:父親から性的虐待を受けていた12歳の少女セリーヌ。ある日、学校の自然教室に参加した彼女は、訪れた海辺でたまたま停まっていた長距離トラックに忍び込み家出を企てる。運転手の中年男ピーターはスコットランド人で、言葉はほとんど通じない2人だったが、少しずつ心を通わせていく。やがて少女の失踪は大きな事件となり、そのニュースはピーターの耳にも届くのだったが…。

<感想>ファッション・デザイナーのアニエス・ベーは知らなかったのだが、女性監督ということで興味を持ち観賞した。ここでは監督だけではなく脚本も手掛け2日間で一気に書き上げたというから凄い。作品の内容はというと、ある女性の回想録で確かにロードムービーであるが、不幸な体験をもつ少女と中年のトラック運転手の道行きといういささか陳腐な物語だが、斬新で刺激的な語り口でえがかれている。

それゆえに期待したし、不安も抱いたわけなのだが、まさに雰囲気だけの自己陶酔型が鼻につき、感情移入を誘うタイプの映画ではなくなる。運転手の中年男ピーターはスコットランド人で、英語とフランス語、言葉はほとんど通じない2人だったが、2人は互いに心を通わせるようになる。

だが、少女の失踪は大きな事件となり、そのニュースはピーターの耳にも届き、その逃避行はやがてとんでもない結末を迎えることになるのです。
2人の旅があまりにも素敵過ぎるから災いが起こらないように祈らずにはいられなくなり、しまいにはかなり心を揺さぶられてしまう。トラック運転手が何故誘拐まがいのようなことをして、少女と逃避行をしたのか、それは、少女を娘のように思ってしまったのかもしれない。

だから、最後で、誘拐暴行容疑で逮捕され黙秘したまま自殺してしまう結末に、そして、少女は父親に抱かれて、私にはこれはちょっと問題があるのではと、父親と娘の関係がすんなりと受け入れられるでしょうか。父親の娘に対する性的虐待は治らないでしょうね。残酷です、社会福祉事務所がもっと少女に手を差し伸べなければ、ただの誘拐事件として扱うのは酷過ぎる。

新聞記事を基にした筋運びというのだが、いささか安易といえば安易だし、少女への性的虐待という深刻なテーマには、真剣に取り組まないと誤解を招く恐れがあると思う。
ですが、そこはファッションだけではなく、映像の世界でも感性を備えているアニエスのことだから、映像に音楽にも手を代え品を代え全力投球をしているようだ。通常のカラー撮影に飽き足りたかのような、モノクロームやコマ落とし、ボカシまで入れてまるで実験のような映画にしている。
ジョナス・メカスの映像や、ソニック・ユースの音楽など友人たちの助っ人ぶりが良かったのでしょうね。ですが、時折見せる日本人の白塗り舞踏の男女とかが、観ていてしらけてしまうのだ。
それでも、やはりこの映画の主人公である、オーデションで選んだという少女役のルー=レリア・デュメールリアックの上手さと、運転手を演じた映画監督で現代美術家のダグラス・ゴードンが映像センスを支えているのだろう。

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の・ようなもの のようなもの★★★.5

2016年01月27日 | アクション映画ーナ行
2011年に急逝した森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)のその後を描くオリジナル作品。東京の下町。落語家一門の出船亭に入門した志ん田(しんでん)は、師匠の志ん米(しんこめ)から、かつて一門に在籍していた志ん魚(しんとと)を探してほしいと頼まれる。志ん米は、一門のスポンサー的存在で、志ん魚を贔屓にしている女性会長のご機嫌をとるため、もう一度志ん魚を高座に引っ張り出そうと考えていた。志ん田は、師匠の弟弟子である志ん水(しんすい)や昔の門下生を訪ね歩いて手がかりを集めようとするが、なかなかうまくいかず……。「の・ようなもの」ほか多数の森田作品で助監督や監督補を務めた杉山泰一がメガホンをとり、森田監督の遺作となった「僕達急行 A列車で行こう」でも主役を演じた松山ケンイチが主演。伊藤克信、尾藤イサオ、でんでんといった前作にも出演したキャストが、同じ役柄で登場する。

<感想>森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)を、森田芳光組のスタッフや出演者が、35年後の物語として展開した青春コメディであり、そこには森田芳光監督へのオマージュの映画でもあります。内容は、30過ぎても目が出ない前座の落語家、出船亭志ん田が、兄弟子にあたる元落語家の志ん魚を探し始めるところから始まる。そして志ん魚に出会ったことから、落語への情熱を取り戻して行くというお話。

ん魚は、師匠の死後落語の世界を離れてしまい行方知れず。ですが、その師匠の13回忌に行われる「一門会」を前に、タニマチの会長である三田佳子がお気に入りだった志ん魚の、新作落語「出目金」の噺が聞きたいと言い出した。
生真面目な志ん田は、脱サラをして入門したものの、芽がでないまま、30歳の誕生日を迎える。師匠の娘の由美に恋をしているが翻弄されるばかり。

落語家という役柄は初めてだという松山ケンイチ演じる志ん田(しんでん)。古今亭志ん丸さんに指導をしてもらい、本当は志ん魚が作った「出目金」を、「一門会」で志ん魚がお披露目するはずだったのだが、それを志ん田が覚えて志ん扇師匠のお墓の前で、一席を話すという場面で、志ん田が一皮むけるという。やっと噺家らしくなったようだ。

生真面目すぎる志ん田と落語から離れて飄々と生きる志ん魚は、「師弟関係の・ようなもの」。師匠の志ん米のお転婆娘とは「恋愛関係の・ようなもの」。という二人と彼らを取り巻く人々を見てふと笑ってしまう雰囲気のようなものは、森田監督が描き続けた「人間って面白い」というテーマそのものであり、その心をしっかりと踏まえた温かい作品に仕上がっている。

35年前よりも丸くなって太った身体に、不思議な魅力をまとった志ん魚役の伊藤克信。不器用だけれどひたむきな志ん田の松山ケンイチ、2人が同居をして、便利屋の仕事をする共にある風景がいい。兄弟のような、師弟のような、そんな絡みがとにかくいいのだ。人って誰でもが「○○のようなもの」という不安を抱えていることもある。そういう時に、何者でもない自分を悩むのか、それとも「の・ようなもの」状態を楽しむのか、人によって分れると思う。
しかし、中途半端でもいいんじゃないかとも思う。何かにならなきゃなんて焦りって、そんなに必要ないかって気にもさせてくれる。ポジティブなメッセージがある映画でもあります。森田監督作品を彩った役者さんたちのカメオ出演にも、監督と映画に対する愛を感じました。

2016年劇場鑑賞作品・・・19映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
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黒衣の刺客 ★★

2016年01月26日 | アクション映画ーカ行
「悲情城市」「珈琲時光」の台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督が初めて手がけた武侠映画。唐代の中国を舞台に、暗殺者として育てられた孤独な女刺客が、自らの過酷な運命に翻弄され心揺れるさまを、名カメラマン、リー・ピンビンの美しく詩的な映像で描き出す。主演は「ミレニアム・マンボ」「百年恋歌」に続くホウ監督作への出演となるスー・チー。共演にチャン・チェン、妻夫木聡。なお、日本公開に当たっては、ホウ監督の希望により、日本での撮影シーンを追加した“日本オリジナル・ディレクターズカット版”での上映となる。

あらすじ:唐代の中国。幼き頃より女道士のもとで刺客になるべく育てられた隠娘(インニャン)。13年後、両親のもとへと返されるが、彼女に課された使命は、暴君の田季安(ティエン・ジィアン)を暗殺すること。しかし、標的である田季安はかつての許婚でもあった。どうしても彼にとどめを刺すことができない隠娘。やがて窮地に陥った彼女は、鏡磨きの日本人青年に助けられるが…。

<感想>やっと東北でも上映されました。幼少期より女道師の元で徹底的にトレーニングされたインニャンには、スー・チーが扮していて、それは綺麗な女刺客を演じていた。ワイヤーアクションもあるが、それよりもこの監督は剣劇満載のスペクタルではなくて、鮮やかな色彩と、光の推移、そして居合い的な瞬時に決まるアクションとして描いて見せているのだ。

だから、間というか静かな動というか、ロングショットとフルショット中心で、悠久の時間の中での人の営みの、儚さを感じさせているようだ。そういったことも含めて、私はホウ・シャオシェン監督の映画は初めてだったので、ちょっと間延びをした、暗い映画だなぁと、眠くなるしね、スー・チーと師匠が断崖絶壁に立っている場面でも、いつしか霧が立ち込めて来てなんてね。お得意の長回しロングショットを随所で決めるという。みんな台詞が無いのだ。

無数のかがり火が焚かれ、白い牡丹が咲き乱れる夜の館に、刺客のスー・チーが忍び込み、暴君ティエン・ジィアンの妾フージィが毒々しい緑色の煙幕に襲われる危いシーン、妾を救い出すスー・チー。

さんざめく宴の宵、唐紅や朱色の艶やかな衣装の従者と共に踊り戯れた後、部屋へ戻ろうと廊下で突然、気分が悪くなり、つわりなのかと柱に身を寄せるも、床下から渦巻這い上がる黒い緑色の煙幕。その柱の下には紙人型が差し込まれており、正妻による呪術師の仕業と分かる。妾とばかり添い寝をする夫ティエン・ジィアンに対する、正妻の嫉妬がメラメラと蛇のように降りかかり、正妻の恐ろしい企みの全貌に唖然とする。
その暴君ティエン・ジィアンの暗殺を命じられるスー・チーなのだが、幼子が多いのでつい同情してしまい、殺すことを止めるのだ。

私がこの映画を観ようと選んだのは、妻夫木聡が出ているからで、鏡屋として出ていました。窮地に追い込まれたインニャン、スー・チーを助ける日本人青年が妻夫木聡です。村へ連れて行き負傷した彼女に薬を塗ってやる。セリフなんて無いに等しいのだ。

だから、明らかに演技モードが違って見えるけれども、異国の人だから別にこれでいいのか、なんて。それにもう一人、忽那汐里が出ているのだが、彼女の舞のシーンの美しさに感動する。

他の監督だったら、波乱に富んだ物語を、もっと生命力溢れるダイナミックな映画にしたら良かったのに。この悲劇的な宿命を背負ったヒロインの心情を正面から描きつくせただろうに。
見事なまでに自己陶酔型の美学なんだろうか、果たして武侠映画なのに、ふさわしい映像なのだろうか?・・・。物語の面白さが伝わってこないのだ。
観る人によっては、全編にわたり、夕映えや遥な木々の遠いざわめき、森を映し出す水鏡の振動、ベールに覆われた室内を行き来するお香の煙。床や壁に明暗する赤赤と燃え上がる人影。内と外で激しく交錯する光の束。
全部フイルム撮影にこだわるホウ監督によるもので、デジタルの時代にフィルム撮影にこだわるのだ。

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信長協奏曲(のぶながコンツェルト)★★★

2016年01月25日 | アクション映画ーナ行
2014年10月から12月に放送されて人気を博した、石井あゆみの漫画を基にしたテレビドラマの劇場版。戦国時代にタイムスリップした上に、自分とうり二つであった織田信長の代わりを務めることになった高校生の運命を追う。『ルパン三世』などの小栗旬、『大奥』などの柴咲コウ、『S −最後の警官−』シリーズなどの向井理、『ミロクローゼ』などの山田孝之ら、テレビドラマ版のメンバーが一堂に会する。迫力満点の合戦シーンに加え、武将たちの絆や思惑が交錯する熱いドラマも必見。

あらすじ:戦国時代にタイムスリップした歴史が苦手な高校生サブロー(小栗旬)は、自分と顔が酷似した織田信長(小栗旬)と遭遇する。武将の座を投げ出したいと考えていた彼と入れ替わったサブローは、知らず知らずのうちに史実の信長と同じ道を突き進んでいく。安土城を築き上げ、妻・帰蝶(柴咲コウ)から慕われ、恒興(向井理)をはじめとする家臣からの信頼が厚いサブロー。明智光秀を名乗って生きる信長は、そんな彼に嫉妬し、憎しみを抱くように。やがて信長は、本能寺で帰蝶との結婚式を挙げるサブローを亡き者にしようとするが……。

<感想>TVドラマ版を見てからの劇場版ということで、なにせマンガが原作ですから、とやかくいってもしょうがない。ドラマ版の続きということで、ドラマを見ていない人にも分かりやすく描かれている。とはいえ、ドラマ版を見ていた者にとっては、サブロー信長の成長と変化も楽しみの一つなのだ。

高校生のサブローが戦国時代にタイムスリップして、織田信長と出会い身代わりというか影武者になってくれと頼まれる。誰もが知っている歴史的な人物であり、サブローが織田信長の「本能寺の変」で、明智光秀の裏切りにより自分の命が狙われて死ぬということを知らなかったなんて、どんだけバカな高校生なんだろう。

時代物で織田信長と、豊富秀吉、徳川家康の3人の誰かを選ぶとすれば、皆は織田信長を選ぶ人が多いはず。それだけ有名な人なのに。

とにかくサブローは、戦国時代にタイムスリップをして、平和な世の中を作るために天下統一をしようとするわけで、この時代ではまだまだ平和な世の中を作るのは無理なわけで、結局は本能寺で帰蝶と結婚式を挙げようと段取りするも、秀吉の計画で明智光秀がサブローを殺して自分が天下を取ろうとするのだ。

それにしても、この時代にウェディングケーキをどうやって作ったのだろう?・・・それに、妻・帰蝶にあげる真珠の指輪もだ。

家臣の恒興をツネちゃんと呼び、結婚指輪を取りに行かせるところなんて、現代的ですから。

だが、秀吉の陰謀を知り、サブローを逃がして明智光秀が元の信長に戻って死んでしまう。サブローは逃げ出すも、秀吉の軍勢に追われて首を刎ねられる瞬間に、現代にタイムスリップをして戻るという展開に、なるほどと、歴史は塗り替えられなかったことが分かる。

しかし、歴史的にも信長のセンスは独特とされているが、映画の中でも信長が現代の人と言う設定なので、一層にその部分が強調されている。信長の身代わりのサブローが現代から持ち込んだセンスというか、着物や小物とか小道具などにフィードバッグされているのだ。安土城も家紋がカラフルにあしらわれていたり、フスマの引手がラブ&ピースマークになっていたりと、全体的にポップ系になっている。

それにしても有名俳優陣が、てんこ盛り状態で楽しめることといったらない。二人の信長という基本のアイデアはうってつけなはずなのだが、惜しいのが単なる辻褄合わせになっているところ。

それに、不満だったのが、サブローが現代への戻り方が気に入らなかった。他の現代からタイムスリップをして来た人たち、西田敏行演じた斉藤道三の警察官、古田新太が演じた松永は、現代でもヤクザで警察に捕まった。それに、カッパのウィリアム・アダムスが、スマホを持って現れる下りとか、SF映画の醍醐味であろう。
タイムスリップ時代劇は、「タイムスクープハンター 安土城 最後の1日BALLAD 名もなき恋のうたとか、「幕末高校生もあった。まぁ、それなりに面白かった。それでも、歴史がそんなに好きじゃない人たちにも、楽しんでもらえる作品なんだと思う。

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エージェント・ウルトラ ★★★.5

2016年01月24日 | アクション映画ーア行
「アドベンチャーランドへようこそ」のジェシー・アイゼンバーグ&クリステン・スチュワートの再共演で贈るハードバイオレンス・アクション・コメディ。冴えないダメ男が、封印されたCIAの極秘プロジェクトで養成された最強エージェントだったことから巻き起こる大騒動を描く。監督は「プロジェクト X」のニマ・ヌリザデ。
あらすじ:片田舎のコンビニでバイトする若者マイク・ハウエル。フィービーという恋人がいながら、ボンクラな毎日を送る典型的なダメ男だった。ところがある日、店に現われた謎の女性が彼に向かって意味不明な暗号のような言葉を発して立ち去る。その瞬間、彼の中で何かが覚醒する。直後、彼に襲いかかってきた2人の暴漢をスプーン1本で難なく退治してしまう。マイク自身すら知らない彼の正体は、CIAが極秘のマインド・コントロール実験で生み出したスーパー・エージェントだったのだ。やがてプロジェクトの封印を目論むCIAによって命を狙われるマイクだったが…。

<感想>最近大流行のスパイ映画。どちらかというとおバカなアクション・コメディのようであり、結構シリアスでロマンチックなラブストーリーでもあります。
ある日突然自分の中に眠っていた才能が覚醒する。なんと、俺ってCIAのNO1エージェントだったのかい。この脚本がマックス・ランディスで、「クロニクル」の脚本家。ようするに、考えて見たら「クロニクル」でも突然、超能力者になちゃったという話だから共通するものがあるってこと。

演じているのが「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグなんで、ヒーローものにはならずに、屈折しまくった主人公を演じて笑わせてくれる。だって、彼の目的は世界平和を守ることでもなんでもないし、恋人にプロポーズすることなんだから。その恋人にはクリステン・スチュワートが。
CIAの極秘計画って元ネタがあるらしく、このMKウルトラと呼ばれるプログラムは、1950年代に実在したそうな。ごく普通の市民を投薬などによって精神的に改造して、最強のエージェントを作ろうとした。
実際には、人間の脳が負荷に耐え切れず失敗したそうです。が、この映画ではその治験者が記憶を消されて隠れ住んでいたら、というアイディアを膨らませたものらしい。

CIAの幹部のイェーツは、さらなる出世を目指して、過去の実験成果の抹殺を目論み、独断で実行部隊を送り込んでしまう。マイクを殺しにやって来る実行部隊の連中、それを指揮するCIAの幹部イェーツ役には、「インターステラー」に出ていたトファー・グレイス、どちらかというと「グリフィン家のウエディングノート」の養子のジェレドの方が印象深い。

一見華奢でひ弱な兄ちゃんが、ジェイソン・ボーン顔負けのキレキレの格闘術で一瞬の内に、屈強な男たちをバッタバッタと抹殺してしまうのだから。命がけのバカ騒ぎの展開が続いて、よかれと思ったのがどんどん災いを招いて行く展開。何がなにやら分からないまま、昔の自分に覚醒するマイクが真剣にバカをやる大人のコメディとして面白かった。
彼が、暇な時に自作の漫画を描いているのには、ニヤニヤしてしまう。ゴリラが大暴れするところなんて巧すぎ。それに、恋人のフィービーにプロポーズをしたいのに、何度も敵にさえぎられて怖じ気づき、それでも指輪をしっかり持って、最後にはプロポーズに成功するところなんか可愛い。

それに、マイクは拳銃とかで人は殺さない。身の回りのもの、ちょうどカップヌードルを食べていたので、熱いヌードルを顔にかけたり、スプーンで首とか相手の急所を指して殺す手際良さが最高。ホームセンターでは、大工道具の金槌やフライパンに相手の銃弾を当てさせて殺す手口などもお見事といっていい。

それに、マリファが大好きな彼の友達に、売人としてジョン・レグイザモが出ていて、全身刺青の少し中年太りしたが、実に印象的な怪役ぶりも見逃せない。
悪役の殺し屋たちも、実は薬で思考力を制御されていて、無理やり戦わされているのだから、そういう設定でもあってどことなく物悲しい感じもした。
やっぱり、セクシーで繊細で少し悪くて、芸達者なところが二人とも良く似ていて、ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートのコンビが絶妙に良かった。エンドロールの漫画が良かったです。

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ザ・ウォーク3D★★★★★

2016年01月23日 | アクション映画ーサ行
1974年にワールド・トレード・センターでの空中綱渡りに挑戦した、フィリップ・プティの著書を実写化した実録ドラマ。彼が成し遂げた前代未聞の偉業の全貌が映し出される。メガホンを取るのは、『フォレスト・ガンプ/一期一会』などのロバート・ゼメキス。『ドン・ジョン』などのジョセフ・ゴードン=レヴィットがフィリップ・プティを熱演、その脇をオスカー俳優のベン・キングズレーらが固める。事実は小説よりも奇なりを地でゆく物語はもとより、めまいがしそうな歩行シーンも見どころ。

あらすじ:1974年。フランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それはニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。そして、ついに決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。

<感想>今までの3Dは画面の奥からこちらへと飛び出してくる映像効果が多かったから、本作のように高低差に特化して、高所にいることを疑似体験できるなんてことは、本当に新鮮な驚きでした。地上441mの高さで綱渡りをするなんて想像もできないけれど、実話なんですから尚のことその感覚が伝わってきます。ビルの屋上から下を見るシーンだけでも震えて来てしまう。

準備段階から、ほぼぶっつけ本番に近い当日までを、克明に追い掛けておりサスペンスを盛り上げてくれる。ツインタワービルというと、2001年9・11アメリカ同時多発テロによって崩壊され、今となっては存在しない2つとも崩壊してしまった今は無きワールドトレードセンターのこと。それを完璧なまでに再現したのも凄いけれど、ニューヨーカーに愛されるこの建物に対する、レクイエムでもあるんじゃないかと思うと、実に感慨深い気持ちになります。

フィリップはフランスでこのNYのツインタワービル完成の記事を読み、自分にはこのビルにワイヤーを掛けて綱渡りをするという大義名分のような、綱渡りに憑りつかれて、その途方もない夢に周囲を巻きこんでいきます。彼には、誰もしていないことを成し遂げる征服感というものが漲っていたのだろう。
ですが、そうは簡単にこのビルの屋上まで登れるわけもなく、屋上での下見には、観光客に変装したり、工事現場の人に変装したりと、しかし、そこで釘を踏んでしまうというアクシデントが発生。出血が止まらなく病院へもいかない頑固もののフィリップ。足を引きずりながらも、屋上へ行き弓矢でロープを渡して、ワイヤーを取りつける段取りに夢中なのだ。その弓矢の先のロープもとんでもない場所に落ちているのだ。

エネルギーに満ち溢れてはいるけれど、よくよく考えて見たらかなり危ないヤツで、そんなキャラクターに説得力を持たせるジョセフ・ゴードン=レヴィットの熱演が見ものです。最後にワイヤーの上でとんでもないことをやってのけるんですからね。2つのビルの屋上には、警備員や警官たちが押し寄せて、いまかいまかとフィリップを捕まえようと待ち構えているのに、彼はワイヤーの上で行ったり来たりしながら、悠悠と腰かけたり、寝そべったり、と、なんともはや前代未聞の風景でした。

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ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲★★★★

2016年01月22日 | アクション映画ーハ行
身勝手な人間たちによって虐げられた犬たちが群れになって反乱を巻き起こす衝撃の展開が話題を呼び、カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門のグランプリに輝いた異色ドラマ。また、想像を絶する演技を披露した犬たちにもパルムドッグ賞が授与された。愛する少女と突然引き離され、市中に放り出された一匹の犬が、過酷なサバイバルの末に野犬を率いて人類への反逆を企てるさまと、少女と犬が織りなす絆の物語を、スペクタクルな犬のアクション演出とともに描き出す。主演はジョーフィア・プソッタ。監督はカンヌ映画祭の常連で俳優としても活躍するハンガリーの俊英、コルネル・ムンドルッツォ。

あらすじ:とある国のとある街。トランペットを習う13歳の少女リリは、両親が離婚し、母親のもとで暮らしていた。孤独な彼女にとって愛犬のハーゲンだけが心の支えだった。そんなある日、母親が仕事で長期間留守にするため、リリは離婚した父親ダニエルに預けられることに。しかしリリがハーゲンを連れて行くと、ダニエルはあからさまに不快感を示す。
この国では、雑種犬の飼い主に重税を課す法律が出来たところだった。やがてハーゲンはダニエルによって遠く離れた場所に捨てられてしまう。以来、ハーゲンの行方を必死になって捜し続けるリリ。その頃、自力でリリのもとに帰ろうとしていたハーゲンには、次々と困難が立ちはだかる。生き抜くために野生の本能に目覚め、次第に獰猛さを増していくハーゲンだったが…。

<感想>ハンガリーの映画で、カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門のグランプリに輝いた作品だというので、それにワンコ大好きなので観賞。
犬たちの反乱とそれを止めようとする少女の献身を描いており、動物パニックに作品としては、「猿の惑星」などのように引き合いにされるも、そんなSF映画ではなくてヒーロー誕生の物語になっていた。まぁ、さすれば「101匹わんちゃん大行進」とでも言いましょうか、しかし、そんなに楽しくないし、とにかく犬が虐待されるのが嫌でした。

冒頭で、無人の街を爆走する犬の集団でまず驚きます。人っ子一人いない街に犬がたくさん暴走しているんですから。先頭には少女が自転車で走っているし。
つまり、この映画の主人公はラブラドールのハーゲンのドラマチックな運命にひたすら感動してしまいます。

飼い主の少女と別れてから、野良犬たちのたまり場へ行き、子犬のジャックラッセルとの出会いと友情、野犬ブローカーによる捕獲、優しいと思ったのにホームレスの老人に拾われたが、その後ハーゲンを売ってしまうのです。そして次の飼い主は、ハーゲンを闘犬に訓練される過酷な試練が待ってました。ここで優しい性格だったハーゲンも、人間に対して敵外心を持ち、人間を恨み噛みつくように凶暴な犬に訓練されます。闘犬の試合では、始めは首とか身体、顔を噛まれて傷を負いますが、相手を倒さないと自分が死ぬことに気づいて首に噛みつき倒してしまうのです。人間に当てはめれば不幸が連鎖する運命の物語。

だから余計に主人公のワンコに同情をしてしまい、それが演技の巧いワンコで、行き交う車の間をすり抜ける緊張の道路横断のシーンとか、犬同士のガチな」対決シーンのアクションはもちろん、表情の変化が素晴らしすぎるんです。本当に怒ったり悲しんだりしてるんですよ。

映画の前半まではよくある孤独な少女と愛犬ものかと思いきや、後半では、戦闘マシーンと化したワンコのハーゲンが、牙を剥くあたりから予想を裏切る展開になっている。雑種犬に課税をして取り締まる架空の法律は、いつ我々の身に起きるかもしれない圧政の寓話にもなっていた。街中の人たちが、牙を剥く犬の集団たちに恐れおののき、警察は銃で犬を撃ち殺し、本当に恐ろしい光景でした。ハーゲンが人間たちに復讐するシーンでは、まるでホラー映画のように人間を襲い血祭りにしてしまう。

監督の手腕とも言える250匹以上の犬が街中を疾走する姿は鳥肌もんでした。ハリウッドから動物トレーナーを招き、犬たちの訓練を実施。クライマックスの市街地を犬たちが駆け抜けるシーンでは、一切CGを使わなかったそうで、リアルな映像での撮影で、迫力と緊迫感のある映像に仕上がってましたね。

このピアスをしている女は、リリが音楽学校へ通っているところの同級生です。パンク娘と一緒に、夜に家出をして怪しいクラブへ行き、男の子に覚醒剤を貰い、薬づけにはならないが悪い友達の誘いにのる少女。もちろん、警察につかまり父親に叱られます。この少女が、愛犬をもっと探さなければならないのに、途中で諦めてしまうのは良くない。そして、自暴自棄になるのも。
ですが、家でも犬を飼っているので、孤独な女の子が犬を飼うということは良くあるお話ですが、世話をするのは大人の母親です。餌を買い、病気になれば病院にも連れて行くのは、母親です。ですから、このような環境の子供は犬を飼ってはダメですね。犬が大人の身勝手で捨てられ、野良犬となり殺処分される。日本でもそうですよ。動物を子供が欲しいと願っても、大人が動物を好きで育てなければ、飼い主が責任を持って育てなければいけません。子供は、可愛いと言いながらも、学校に行くし父親も仕事で、結局は母親が育てることになりますからね。最後まで責任を持って面倒を見れないなら、飼わないことです。そういうこともふまえてこの映画で動物を飼うことを学んで下さい。
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傷物語I 鉄血篇★★★

2016年01月20日 | アクション映画ーカ行

西尾維新の人気ライトノベル「傷物語」をアニメーション映画化する3部作の第1部。原作は、吸血鬼もどきの高校生・阿良々木暦と彼を取り巻く少女たちの周囲で起こる怪異現象を描く「〈物語〉シリーズ」の一作で、2009年にテレビアニメ化された「化物語」の前日譚。阿良々木暦がどのようにして吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと出会い、その眷属(けんぞく)になったかが描かれる。
あらすじ:高校2年生の阿良々木暦は、終業式の日の午後、同じ学校に通う三つ編み眼鏡の優等生・羽川翼から、「この町に吸血鬼がいる」という噂を聞かされる。その夜、町に出た暦は、地下鉄のホームで傷を負って倒れ、助けを求める少女に出会う。総監督およびアニメーション制作は、これまで同シリーズのアニメ化を手がけてきた新房昭之とシャフト。

<感想>シネコンへ行ったら、「傷物語I 鉄血篇」の席が満席となっていて、ホールも満員御礼、劇場の入り口にも長蛇の列が並んでいて、そんなにこの映画は人気があるのかと、TVアニメも観ていないので、どんなものかと今週になって観に行った。

吸血鬼というとコウモリの大群が味方に付くが、ここでは黒いカラスがたくさん木に止まって、ビルの屋上にもカラスの大群がいる。序盤から、太陽の陽射しで男の体が燃えて苦しむ光景が映し出される。そんな火ダルマの男がビルの地下へと、まだ中身までは燃え尽きていなかった男。

そして、始まる主人公の高校生阿良々木が、何故に吸血鬼となったのかが描かれるのだが、同級生の翼ちゃんがやけにおっぱいがでかく、色っぽいのだ。こんなにデカイおっぱいの高校生っているのか?・・・まぁ、マンガだからね。作者の好みなのだろう。翼が「金髪の綺麗な女で、背筋が凍るくらいの目をしている、吸血鬼とやらに会ってみたい」なんて気安く言うのよ。

だから、阿良々木が地下鉄のホームで見つけた吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという、やけに長い名前の女の胸も翼に劣らずデカいのだ。確かに金髪で美人だった。

そして、両手、両足が切断された吸血鬼の名前が長いのでキスショットと呼ぼう。彼女が言うには、阿良々木の血をくれというのだ。有無を言わさずに首に噛みつくキスショット。彼女は伝説の吸血鬼「怪異の王」だったのだ。臆病な阿良々木くんは、「嫌だ、死にたくない。助けて」と暴れるも、抱きつかれて生き血を吸いつかれてしまう。

それから、血を吸い込まれて阿良々木は新人の吸血鬼となる。それにデカイおっぱいの美少女だったキスショットは、みるからに幼く可愛らしい少女となってしまう。それでも力はあるのだろうか、心配だ。

それに、阿良々木に、「人間に戻ることができるのか」とと聞かれるも、「元どうり人間になるよ」なんて気安く言うキスショット。



だが、彼女が襲われた吸血鬼の3人の男たちは、強いのなんの、一人づつ倒して行くのなら勝てるというキスショットだが、まだ吸血鬼成りたてほやほやの阿良々木には、これからどうなるのか見当もつかない。彼にも力はあるのか?・・・。

それが、彼女を襲った吸血鬼の男が一人襲ってくるではないか。阿良々木新米吸血鬼は、どうすることも出来なくてただおろおろするのみ。そして、地下鉄の階段を上がり、朝日が昇っている上へとフラフラと行くも、体が燃えはじめて下水道へと入る。そこで吸血鬼退治専門のおっさんと出会うのだ。そこで、その3人の吸血鬼の強さ恐ろしさをその退治専門の「ゲンジ」からノウハウを聞き出す。

阿良々木にとっては救世主のような存在であり、自分一人ではその3人に殺されてしまう。だが、そのゲンジが言うには、「助けるから200万円をくれ」というのだ。何だ金取るのかよ。高校生の彼には、大金であり200万円なんて用意できない。「ある時払いでいいよ」なんて優しいこと言ってくれるゲンジ。
しかしだ、直江津市と出ていたが、人っ子一人いない駅、ホーム、街角、出てくるのが翼ちゃんと、お助けマンの「ゲンジ」と幼い吸血鬼キスショットだけ。でも、幼くてもきっと力があるのだ。これは短い映画で、予告編は、音声のみで、今年の夏に公開されるという「傷物語II 熱血篇」、それに最終章の「傷物語III 冷血篇」は来年に公開されるのかは、定かじゃない。日本のアニメは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズが最高であり、他のもジブリの作品が良かったくらい。やはり、観たからには、最後まで観たいのが本音であり、必ず観ようと思います。

邦画のアニメで良かった作品
庵野秀明監督「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(07)「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(07)「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012)
ジブリ、宮崎駿監督「」
細田守監督の「バケモノの子」(2015)「おおかみこどもの雨と雪」(2012)「サマーウォーズ」(2009)「時をかける少女」(2006)

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ピンクとグレー ★★★

2016年01月19日 | アクション映画ーハ行
ジャニーズの人気グループ「NEWS」の加藤シゲアキが2012年に発表した処女小説を、「世界の中心で、愛をさけぶ」「北の零年」の行定勲監督が映画化。脚本を担当する若手劇作家・蓬莱竜太と行定監督が原作を大胆にアレンジして再構成し、小説では明かされなかったエピソードも描く。
あらすじ:大阪から横浜へ越してきた小学生の河田大貴は、同じマンションに住む同い年の鈴木真吾と出逢い、中学高校大学と密接した青春時代を送る。高校生になった二人は、雑誌の読者モデルをきっかけにバイト替わりの芸能活動をスタート。大学へ進学した二人は同居生活を始めるが、真吾がスターダムを駆け上がっていく一方で、エキストラから抜け出せない河田だけが取り残されていく。やがて二人は決裂。二度と会うことのない人生を送るはずだった二人が再びめぐり逢ったその時、運命の歯車が回りだす…。
テレビドラマ「半沢直樹」や「水球ヤンキース」などで俳優としても注目を浴びる「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔が映画初出演にして主演を務め、「そこのみにて光輝く」の菅田将暉、「海街diary」の夏帆、「誰も知らない」の柳楽優弥といった若手実力派が脇を固める。

<感想>多重構造のストーリーとなっており、同じ団地で育った高校生たちの、胸キュンな友情のドラマから、後半部分ではシリアスな内容へと大胆にも転調していき、驚かされます。それで、カラーの劇中劇では中島裕翔が脚光を浴びるスターの白木蓮吾がおり、後半でスターとして脚光を浴びているのが菅田将暉ってことなのだろう。

性格も良くて友達想いの人気スターの白木蓮吾には、イケメン青年の中島裕翔が扮して、大貴には菅田将暉が好演している。二人が愛するサリーには夏帆が扮しており、サリーは団地を引越していくも大貴がサリーを無理やり奪い取る。
2人の間で三角関係として揺れ動くサリーの夏帆は、純粋なキャラとビッチキャラとを演じ分け、ベッドシーンにも挑戦という夏帆の変身ぶりにドッキリ!

サリーが描いた鈴木真吾の肖像画、それが後半では柳楽優弥の顔になっており、ポスターも柳楽優弥なのだ。それに極めつけは、鈴木真吾の自宅へいくと、仏壇の遺影がしっかりと柳楽優弥なのだった。
そして、今をときめく人気俳優・白木蓮吾が首吊り自殺をして急逝したことで、少年時代からの親友で兄弟以上の絆で結ばれていた、売れない俳優・河田大貴が一躍世間の注目を集めるという設定。ここからは、リバちゃんこと河鳥大貴を演じる菅田将暉がスター街道まっしぐらで、人気ものとなります。

幼馴染の真吾からその生涯を小説として執筆してくれと頼まれ、リバちゃんこと大貴は芸能界で瞬く間にスターになってしまう。

しかし、大貴は真吾が自殺をした真相をやがて知ることになり、後半では予想外の展開に頭が混乱してしまうかも。だって、2人がいつの間にか入れ替わっていて、ゴッチの真吾が菅田将暉で、リバーの大貴が中島裕翔に見えましたね。だから、姉を慕って後追い自殺したゴッチは、柳楽優弥でしたから。実際には現実世界での柳楽優弥さん=の役回りを劇中劇で中島裕翔さんが演じ、河鳥大貴役回りを劇中劇で菅田将暉さんが演じているのだ。
それに、意味深な『ファレノプシス』という言葉。意味は胡蝶蘭で、花言葉が純粋な愛。姉を愛してしまった弟慎吾の苦悩。近親相姦とは叶わぬ禁断の愛、姉は舞台で踊っている最後に自殺をして死んでしまう。それを追い掛けるかのように、弟の真吾もクビを吊って後追い自殺ということが、ラストで分かるようになっていた。何故って、蓮吾と同じように首吊り自殺を図る大貴だったが、縄がほどけて失敗。そこで大貴は、亡くなったはずの蓮吾の幻影に出会うから。
ラストの中島裕翔さん演じる河鳥大貴の苦悩が描かれるシーンでは、彼はキラキラと輝いているスターの「白木蓮吾」の役回りの方が素敵でしたね。菅田将暉さんは、何にでも役をこなす俳優さんなので、安心して観ていました。

菅田将暉の出演作品の中で最も良かった映画:「共喰い」で光石研さんの父親とその息子役を演じた彼が凄い。「そこのみにて光輝く」では、池脇千鶴の姉とその弟の拓児を好演した。「海月姫」では女装して綺麗でした。「明烏 あけがらす」では主人公ホストのナオキを演じた。
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ベルファスト71 ★★★

2016年01月19日 | アクション映画ーハ行
その帰属をめぐる対立が激しい紛争へと発展していた71年の北アイルランド・ベルファストを舞台に、戦場と化した街中で孤立してしまった一人の若い英国軍兵士の決死のサバイバルを描いた緊迫のサスペンス・ドラマ。主演は「兵士ピースフル」のジャック・オコンネル。監督は英国のTVドラマ界で活躍し、これが長編劇映画デビューのヤン・ドマンジュ。
あらすじ:1971年、紛争が激しさを増していた北アイルランドのベルファスト。そこではアイルランドの統一を目指すカトリック系住民と、英国との連合維持を望むプロテスタント系住民の間の緊張が頂点に達していた。英国軍の新兵ゲイリーは、治安維持を目的に、この混沌のベルファストへと送り込まれる。ところが、パトロールを開始した部隊が早々に暴動に巻き込まれ、混乱の中で武器を盗まれてしまう。慌てて後を追うも、その間に部隊は撤退してしまい、ゲイリーはたった一人で敵陣のまっただ中に取り残されてしまう。様々な勢力が入り乱れ、誰が敵か味方かも分からない状況の中、必死でこの危険地帯からの脱出を試みるゲイリーだったが…。

<感想>ミニシアター劇場で1週間だけ上映の映画。たった一人で敵のテリトリーに紛れ込んでしまう新米イギリス兵ゲイリーには、「300 スリーハンドレッド 帝国の進撃」でハリウッド映画デビューを果たしたジャック・オコンネルが演じているのも凄い。
アイルランド紛争(1969~98年)を描いた映画では、これまで、北アイルランドのイギリスから分離を目指すアイルランド共和軍(IRA)関係者の生き様を描いたものがほとんどですが、この作品では珍しく北アイルランドに赴任するイギリス軍兵士の体験を描いているのだ。

白昼の市街でいきなり車が炎上し、塀の上で激しくヤジを飛ばしたり、路上でゴミ箱の蓋をガンガン鳴らして英兵に抗議するのは軍人ではなく、地元の子供や主婦たち。治安の悪さを絵に描いたような街の洗礼を受ける序盤が衝撃的に映し出される。

敵対するカトリック側とプロテスタント側の居住区が迷路と化し、その境界を彷徨う緊迫感の持続がサバイバル・スリラーになっていて凄い。昼間は16ミリ、夜はデジタルと使い分けられた映像の質感の工夫にも感心しました。
ジャック・オコンネル演じるイギリス軍新兵ゲイリーは、孤児院にいる弟との生計を立てるために英軍に志願するのだが、ベルファスト駐屯地勤務となり、警察による過激派の銃器隠匿取締り捜査が暴動に発展する現場に居合わせてしまい、撤収に出遅れて市街地に取り残されてしまう。
一緒に取り残された同僚の新兵トンプソンが、目の前で過激派に頭を撃ちぬかれ、ゲイリーは絶対絶命の窮地に追いやられ、そんな状況の中で市街を逃げ惑い兵舎帰還を目指すことになる。上官のミスで紛争に巻き込まれたゲイリーの目の前には悪夢のような迷宮的世界が展開するのだ。暗い夜の街を舞台に、まるで不条理劇を見ている気分になってしまった。

紛争の現場となる市街地は勢力分布がまばらに展開しているので、通りをひとつまたいだだけで状況は一変し、反英・親英をそれぞれに抱えたさまざまな人物がいるわけで、殆どの人たちが等しくゲイリーの命を利用しようとする、その絶望的な状況の在り方の描写が壮絶すぎる。
終盤で、銃を突き付けられ絶体絶命に陥った主人公のゲイリーの場面、そこに別のシーンを挟み引き延ばしたのだが、あまりにもサスペンスの作劇でそれまでのリアリティが台無しになってしまった。
テロの悲惨さもさることながら、ディテールにこだわって描かれる人物描写が、結局はこうした戦闘の現場においては、若い命がいいように消費されているだけだという現実に、行き着くところも強いメッセージになっていると思う。サスペンスとしても身をよじらせざるを得ない完璧な内容になっている。

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仙台、暴風雪で大荒れ天気です

2016年01月18日 | 日記
一昨日の朝の雪景色に驚き、やっと仙台でも雪が積もり、昼過ぎには晴天となりあっという間に、積もった雪も消え失せてしまい雪かきもしないで助かりました。

昨日は町内会の新年会で、宮城野萩通りの花の膳へ行ってまいりました。朝からいい天気で、洗濯物を片付けてベランダに干してから、11時集合というので車で10分くらいのところなんです。歩いても行けるのですが、両ひざの変形性関節症に、腰の圧迫骨折とすべり症で、コルセットをして杖を付いての歩行では、20分はかかると思います。

昼食のお膳では、春らしく色鮮やかな食材が並べられて、全部は食べきれないくらい多かった。この他にもデザートにヨーグルトに林檎が入ったものとイチゴのムースが付いてました。

そして、今朝は大雪というわけで、会社勤めの夫や娘は、長靴をはきダウンを着て歩いて地下鉄駅まで。TVでは東北本線や市バスなど、道路状況に応じて運転休止というお知らせでした。もちろん学校関係は休校のところもあります。
明日は、天気予報によると晴れだというので、この雪が融けてくれるといいのに。どうしてかというと、今年初めての「ザ・ウォーク」3Dの試写会に当選したので車で出かけなければいけませんからね。観たいと思っていたので、今から楽しみです。

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白鯨との闘い3D ★★★★.5

2016年01月17日 | アクション映画ーハ行
ハーマン・メルヴィルの「白鯨」の裏側に迫るナサニエル・フィルブリックのノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」を基に描く驚異のサバイバルドラマ。19世紀を舞台に、白い大型のマッコウクジラと捕鯨船の乗組員たちとの壮絶なバトルを描く。主人公を『アベンジャーズ』シリーズなどのクリス・ヘムズワースが演じ、『ダ・ヴィンチ・コード』などのロン・ハワードが監督を担当。大海原で繰り広げられるクジラと人間の究極の闘いに息をのむ。
あらすじ:1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。

<感想>ハーマン・メルヴィルの名著「白鯨」誕生の裏に隠されてきた、真実の物語に迫るアクション・アドベンチャー。19世紀に起きた捕鯨船エセックス号沈没の話を、ハーマン・メルヴィルが本にしたいと、生き残りの老人のもとを訪れることから始まる。
ハーマンにはベン・ウィショーが扮して、30年前に起こった海難事故の唯一の生き残りであるその男ニカーソンに、事故の真相を聞き次作の参考にしようというのだ。だが、ニカーソンは嫌な思い出なのか、中々話そうとはせず、妻の説得でようやく口を開く。ニカーソンにはブレンダン・グリースンが扮して、若き日の新入りのニカーソンには、トム・ホランドが演じている。

主人公の一等航海士オーウェン・チェイスにはクリス・ヘムズワースが演じ、その他の乗組員として、キリアン・マーフィーが印象的でした。

船長のポラード(ベンジャミン・ウォーカー)と一等航海士オーウェンとの仲は悪く、暇なし喧嘩をして意見が合わなく、進路を決めるにしても、風に向けて帆を張るにしても意見が食い違う。途中で小さめの鯨を捕獲して鯨油を獲る作業を見せるも、鯨の頭に穴を開けて、そこから油を汲みだす作業に、一番小さい新入りのニカーソンが、鯨の腹の中へ入り油を汲み上げるのだ。

そんな二人が、補給で寄港した島でクジラが群れていると言う海域の話を聞いたポラード船長は、30メートルをも越す白鯨に船を壊されたという話を信用せず、その海域に向かう。
年を超えてようやくその海域に辿り着き、確かに鯨が群れで泳ぎ回っているのだ。早速オーウェンやマシュー(キリアン・マーフィー)がボートで鯨に向かうのだが、そこに現れたのは巨大な白鯨、マッコウクジラだった。あの、話は本当だったのだ。激しい戦いを繰り広げるも、ボートは木の葉のように壊されて、船に戻ったオーウェンは、大きい銛を2本にして白鯨に打ち込もうとするも、相手はあまりにも大きかったのだ。

そして、打ち込んだ銛を引きずる白鯨は、エセックス号のマストを折り、船腹に大きな穴を開けた。沈み始めるエセックス号、3隻のボートに急いで食糧、水、などを積み込んでオーウェン、ポラード船長、マシュー、ニカーソンらは命からがら沈む船から脱出する。
そこからが悲惨な結果が、救出のあてのない漂流が始まるのだ。だが、白鯨は彼らの後を追いかけて来ていたのだ。食料も飲料水もなくなり、次第に体力が削られていく一行。そこへまた白鯨が襲ってくるのだ。いったいいつになったら陸地へ戻れるのか。
ようやく無人島を見つけて漂着するのだが、ボートを修理して本土へ戻るためさらなる航海に旅立つ。

さて、問題はそこからが過酷な闘いであり、生き残るためにはどんなことをしても良いのかという疑問が湧いてくる。しかし、実際に行ったとされる仲間をくじ引きで殺して人肉を喰らうという。極めて地獄絵図となって、その極限状態を生き延びた主人公の一等航海士オーウェンは、再び白鯨と相まみえた時に、その目の脇に銛と打ち込むことがどうしてもできないのだ。だが、生き残った船長とオーウェンは、母港へ生還後、船主や保険会社の人たちに、起こった事実をありのままに証言することで「オイルビジネス」(鯨油産業)と決別する。

この映画の中では、明らかに鯨の油を取るために捕獲して鯨を切り刻むことと、人肉を食べることがイメージ的に重ね合わさっているように思えた。
つまりは「怒れる神」からのメッセージを受け取って、オーウェンは鯨を獲り殺すことの罪深さに気づき回心するのだ。要するに「反捕鯨映画」とも言える。
時間の都合で3Dで観賞したのですが、前半はほとんど3D効果がなく、巨大な白鯨が迫ってくるシーンや船が木端微塵にされるシーンとかが3D効果大でしたね。

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