パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

デザート・フラワー★★★★

2017年05月02日 | DVD作品ーた行
数々の一流ファッション誌の表紙を飾った世界的トップモデル、ワリス・ディリーの自伝「砂漠の女ディリー」をワリス本人による監修のもと映画化。ソマリアの遊牧民家庭に生まれ、貧しい少女時代を送ったワリス。やがて故郷を飛び出し、大都会ロンドンでトップモデルへと転身を遂げるが、その胸中には衝撃的な過去が秘められていた。エチオピア出身の現役トップモデル、リヤ・ケベデが主人公を熱演する。
あらすじ:ロンドンに不法滞在し、ホームレスのような生活をしていたアフリカ・ソマリア出身の少女、ワリス。ショップ店員のマリリンと仲良くなったワリスは、彼女と一緒に暮らし始め、バーガー店で清掃の仕事を始める。そこで彼女は有名な写真家のドナルドソンに声を掛けられ、モデルとしてデビューすることになる。すぐに大きなショーへの出演が決まり、順風満帆のように見えたワリスだが、不法滞在がばれ、国外退去させられそうになる…。

<感想>荒涼とした砂漠地帯、アフリカのソマリアというところ。生活は子だくさんで食べていくのにやっとの生活。だから女の子は初潮が過ぎると、相手が年寄りでも子供を担保にヤギとか豚など家畜と交換に身売りされる。
その前に過酷なのが、3歳で“女性器切除”をするという習慣があるというのだ。この話には同じ女性として驚くもなにも、こんなことがあっていいのか、怒りを感じました。

それでもこの主人公のワリスは、自分の意思でその土地から逃れ、ロンドンへ出て、掃除婦の仕事に就き、レストランでの掃除で有名な写真家に見出され、「VOGUE」など多くの一流ファッション誌の表紙を飾り、一躍トップモデルまで駆け上がるというサクセスストーリー。まさに砂漠の華、「デザート・フラワー」ですね。ワリスを演じたのは、同じアフリカ出身のトップモデルでもあるリヤ・ケベデ。マリリンには、「17歳の肖像」のサリー・ホーキンスが、写真家には「ハリーポッター」シリーズで活躍しているティモシー・スポールが演じている。

で、少女時代にソマリアの風習である、過酷な“女性器切除”というここで描くのも憚れるほど、男尊女卑の差が激しい民族だから、結婚まで身を汚さないという男社会が生んだ愚かな習慣であり、男に生活能力があれば何人の女とも結婚できるという習慣に文句を言いたい。現代の世でもこんなことがあるなんて知らなかった。
ロンドンまでやってきて、初めは泊まるところもなく、路上生活。そこでマリリンと出会う。マリリンの部屋に居候し、彼女はダンサーとして成功するのが夢で片っ端からオーディションを受けるも、落ちてばかりのマリリン。仕事はアパレル系の職に就いているが、マリリンといいその他の友達もみんないい人ばかりだ。持っていたパスポートは期限切れで、見つかれば強制送還なのだ。それで、親切な男性と契約結婚をするも、彼女の体が性生活には絶えられない。不衛生で女性として一番困ることで、本当にあった話しと思うと、見につまされます。

それでも、同じ黒人の男性に恋をするワリス。叶わぬ恋と知りながらも、彼の部屋を訪ねて行くと、女と一緒に住んでいたのですね。彼女も今では手術をして、一人前の女性の体になり、きっと幸せな結婚が出来ることでしょう。
彼女は、今ではアフリカの一部地域で行なわれている女性虐待の事実を告発する、FGM(女性性器切除)廃絶運動に奔走しているそうです。
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