パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

死霊館のシスター★★★・5

2018年10月04日 | アクション映画ーサ行

大ヒット・ホラー「死霊館」シリーズのスピンオフ作品。「死霊館 エンフィールド事件」に登場した悪魔のシスターに焦点を当て、シリーズの全ての恐怖の原点を描き出す。主演はオリジナル・シリーズに主演したヴェラ・ファーミガの実妹タイッサ・ファーミガと「エイリアン:コヴェナント」のデミアン・ビチルがバーク神父に。監督は「ザ・ハロウ/侵蝕」のコリン・ハーディ。

あらすじ:1952年、ルーマニアの修道院で若いシスターが自ら命を絶った。不可解な点が多いため、バチカンはバーク神父と見習いシスターのアイリーンを派遣する。さっそく調査を開始した2人は、やがて修道院に隠された恐るべき秘密に迫る中で、悪魔のシスター“ヴァラク”の存在に行き着く。そして自らの命と信仰をかけたかつてない恐怖と対峙していくバークとアイリーンだったが…。

<感想>「死霊館」とはアメリカに実在する超常現象研究家、エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が体験した実話をベースにしたホラー映画「CONJURING」(呪文を唱えて霊を呼ぶこと)。そのいまいちピンとこない原題を、文字通り死霊に呪われた館と、証拠の呪いの品を集めた資料館、史料館をダブルミーニングしたナイスな邦題。実際、資料館は亡き夫に代わりロレインによって管理されているという。

前回の「死霊館 エンフィールド事件」の中に登場した謎の尼僧。一体あれは誰だったのか?・・・50年代にルーマニアで起きたある事件を描きながら、「死霊館」「アナベル」シリーズの恐怖の始まりを明かす最新作。

やはりシリーズものは観なければと、期待して見に行きました。本作は「エクソシスト」系でしょうかね、幾らでもお話は作れるので、信じるも信じないもあなた次第ですから。

バチカンから依頼された神父バークと見習いシスターのアイリーンが、悪魔祓いの儀式をするためにルーマニアに派遣されるも、修道院の中にいる尼僧全員が悪魔に取り憑かれているような気配を感じるのだが。共に捜査を進めるうちに、バチカンの指令の恐るべき秘密を暴いてしまう。

ルーマニアの修道院では、悪魔のシスター「ヴァラク」のことを知った若いシスターが、悪魔が這い出て来る地下の井戸の鍵を手に握りしめて、首つり自殺をする。本当は首つり自殺ではなく、助かりたいために窓からロープを垂らして逃げようとしたのに、そのロープが悪魔の力で首に巻き付けられて死亡。

バチカンはバーク神父は、少年のダニエルが悪魔に身体を乗っ取られてしまい、神父が悪魔祓いをしても力が及ばずに死なせてしまう。

シスター見習いのアイリーンは、実は悪夢を毎晩のように見て悩まされている。

信仰と自らの魂をも賭けて、その修道院に潜む邪悪な力と対決することになるバーク神父たち。それに、村の若い青年のフレンチ-「エル ELLE 」(2016)のヴァンサンに扮していたジョナ・ブロケが、怖がりなんですが、二人の力強い味方をしてくれます。ラストにフレンチーの首の後ろに、悪魔が身体に取り憑いた印があるのに驚かされます。

バーク神父も、悪魔シスター「ヴァラク」を見つけるのだが、自分が悪魔祓いをして出来なかったダニエル少年が修道院の中に現れて、神父を悩ませる。つまりは、自分の頭の中にある幻覚や妄想が取払ってないので、力にはならない。

どちらかというと、アイリーンが大活躍をして悪魔のシスター「ヴァラク」を退治することが出来るのですが、そのためにも、バーク神父に神と結婚をする儀式、本当の尼僧になる儀式をしてもらう。

真っ白い尼僧服と、修道院にいる尼僧や悪魔の「ヴァラク」も真っ黒のシスター服なので、かなり差があり、悪魔祓いの儀式に使う、キリストの聖水(血)を捜して手に持ち、悪魔のシスター「ヴァラク」と対峙するシーンでは、聖水(血)の入ったガラスの入れ物が壊れてしまい、中身が水の中に流れ出た模様。それが、自ら上がるアイリーンが、口の中に含んだキリストの血を「ヴァラク」に吹き付けるとは、お見事な頭脳プレイでやっつけましたよ。

しかし、なにしろ修道院にいた数十人の尼僧たち全員が、悪魔に身体を乗っ取られているので、まだまだこの修道院には近づかない方がよさそうです。

とにかく、ドドーンとか、恐怖感を煽る恐ろしい音響が凄まじくて、それに修道院が薄暗いし、必ずといって神父や青年、アイリーンの後ろに悪魔のシスター「ヴァラク」がぴったりとくっついているんですからね。怖くないと言ったら嘘になるでしょう。悪魔の棲みかとなった修道院に、バチカンから依頼された悪魔祓いの二人を、何とかして「ヴァラク」は、人間たちの身体に憑依しようとするわけですね。

本当のところ、日本人にはその悪魔憑きという憑依のことが半分ぐらいしか理解できないので、恐怖も半分ぐらいしか伝わらないのが、いかんともしがたいですよね。悪魔は精神的に弱い人に取り憑き、弱った心は悪魔の栄養分になるという教訓にはなるでしょう。

2018年劇場鑑賞作品・・・194  アクション・アドベンチャーランキング

 

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スカイスクレイパー★★★★

2018年09月24日 | アクション映画ーサ行

「ワイルド・スピード」シリーズや「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」などの大ヒット作で活躍する人気アクション俳優ドウェイン・ジョンソンが、高さ1000メートルを超える超高層ビルを舞台に、犯罪組織が巻き起こした火災から家族を救出するため孤軍奮闘する主人公を演じたアクション大作。監督・脚本は、「セントラル・インテリジェンス」でもジョンソンとタッグを組んだローソン・マーシャル・サーバー。

あらすじ:かつてFBIの人質救出部隊のリーダーとして活躍していたウィルは、ある事件で左脚が義足になる大怪我を負い辞職するが、それから10年を経た今は、愛する家族も得て、危機管理コンサルタントとして働いていた。香港に建設された高さ3500フィート(1066メートル)の史上最大のビル「ザ・パール」の本格開業に向け、ビルのオーナーのジャオから安全管理のチェックを任されたウィルは、家族を伴ってザ・パールに滞在するが、ビルに隠されたある秘密を狙う犯罪組織もまた、ザ・パールに侵入しており……。

<感想>ロック様ことドウェイン・ジョンソンが味方もなく、肉体一つでテロリストと戦う、まさに21世紀の「ダイハード」とも言えるアクションを披露する。香港の超高層ビルがテロリストの攻撃を受けて炎上。元FBI人質救出部隊のリーダーで、危機管理コンサルタントのウィルは、高層ビルに取り残されてしまった妻子を救うために、単身ビルへと乗り込むことに。

だが、簡単には超高層ビルの中へは入れないのだった。それで、近くのビルからクレーンを伸ばして、超高層ビルへ飛び移るという最高難度のアクション。

楽しいのは、ドウェインの不死身なボディが生み出す「ポップな痛快感」のおかげでしょう。ウィルは、片足が義足でありながら鍛え抜かれた肉体とアイデアで難局を乗り切る。ダクトテープは怪我の治療や高所で身体を支えるのに利用する。果てはチタン(鉄でなく軽いもので)で作った義足まで命を救うアイテムに早変わりするのだ。

特に今回は「高さ」との戦いということもあって、腕一本でロープにしがみついたり、命綱なしで外壁をクライミングしたりと、上腕二頭筋&大胸筋マニアには大興奮といえる、なシーンが満載ですからね。

管理システムも画期的な案を採用。責任者の生体認証を組み込んだ特性タブレットで、他者には絶対アクセスできないはずだったが、責任者がまさかの強奪&拉致されたことで大変な事態になってしまう。

セキュリティも24時間体制で監視&300人の警備員が常駐し、アリの這い出るスキもないセキュリティが売りのザ・パール。しかしシステム管理者が謎の組織に制圧され、ビルは超強固な要塞へと変貌を遂げる。この悪党は、元FBIの同僚であり、下の綺麗なお姉ちゃんも悪党の仲間だ。このビルの持ち主が持っている小さな記憶媒体が欲しいために乱入する。

もしも何らかのアクシデントで火災が起こっても、酸素シャットアウト&放水システムでたちどころに消化するのだ。ところが予想外の事態が発生し、万全のシステムが火に油を注ぐ結果になるとは。一体何故なのか?

ザ・パールは入居者募集中であり、今申し込めば誰もがうらやむ最上級の生活を手に入れるはずなのに。だが、一組の家族が特別に宿泊をしていた。それはお試し期間ということで、入居の許可がでた。その日は朝から、動物園にパンダを見に行くはずだったのに、行ったはいいがパンダが見られない。それに息子の喘息が悪化して帰って来ていたのだった。

妻と双子の姉弟。そんな事実を誰も知らないはずで、助けは来ない、自力で逃げ出すしかない。絶対絶命のピンチに陥るウィルの家族たち。下の、妻が手にしているスマホが、最後に活躍しますのでお見逃しなきよう。

映画史上最大級のビルで行われる救出劇は、ロック様ことドウェン・ジョンソン。全篇クライマックスといって過言ではない超ド級のアクションがこれでもかとたたみかけるのだ。最愛の家族が燃え盛るビルに取り残され、父親はどうするのか?・・・命が幾つあっても足りない最強レベルの救出劇に、興奮度も限界突破!命綱ナシのクレーンに登り、隣のビルにジャンプするというその瞬間死が確実と思われるアクション、危険すぎる挑戦に命が縮みあがります。

それに、多くの試練を乗り越えて、やっと妻と息子を見つけたウィル、しかし互いに崩れた橋の両端に取り残されてしまったのだ。合流するためには今にも崩れ落ちそうな橋に幅30センチ、長さ3メートルくらいの板を乗せて、その板を渡るしかない。周りは火の海で、板を渡る妻が息子のいるところへと、そして息子を背負ってまたもやウィルのところへと細い板を渡る。それがなんということか、途中で滑って落ちた。ここからがありえへん展開で、奥さん靴ぬいで渡らないとダメ、ヒールのブーツではあぶないよ!、ここからはスクリーンでご覧ください。絶対に助かりますからね。

そこは滝のある公園のビルの中、そこからエレベーターで下へ降りたいのだが、ワイヤーを切断しなければ途中で止まってしまう。切断しても地面に激突して死んでしまう。残された選択技は、地面衝突寸前にエレベーター内のブレーキをかけることだけ。果たして乗り込んだ妻と息子は無事に下へと、助かるのかが心配。

それに、あり得ない災難がウィルに舞い込む。娘を人質に取られてしまい、巨大タービンの裏に設置されたシステム・ルームへと侵入すること。腰にロープを縛り、窓にブロンズ像を固定して恐る恐ると高回転するタービンに近づき、もし少しでも触れたら真っ二つに引き裂かれてしまう。ですが、家族のために行くしかないのだ。頑張れウィル、ロック様!

96階以上の上が火災が発生しており、消火するのにはパネルのシステムを使うしかないのに、そのパネルは敵の悪人の手元にあるとは。高層ビル火災鎮火というと、昔の映画で、「タワーリング・インフェルノ」があったけれど、あれは、スティーブ・マックイーンがファイアーマンになり活躍したんだっけ。

この下の部屋は最上階にあり、ウィルとCEOの2人が立っているところは、下は強化ガラスで素通しです。その後、直ぐに300以上の鏡状のパネルが立ち並ぶ不思議な部屋になる。

とにかく息つく暇もないほどにアクションてんこ盛り状態なので、見応え十分に作られており、さすがにツッコミと入れたいところだが、まぁこれくらいならご都合主義も目をつぶってあげようではないか。アクション娯楽作のお手本のような作りといえよう。

2018年劇場鑑賞作品・・・186  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ザ・プレデター★★★

2018年09月17日 | アクション映画ーサ行

87年の初登場以来、SF映画史上屈指の人気キャラクターとなった“プレデター”。本作はその1作目に俳優として出演していた「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」のシェーン・ブラック監督が、同シリーズの続編として撮り上げたSFアクション・アドベンチャー。さらなる進化を遂げた宇宙最凶ハンター“プレデター”と、迎え撃つはみ出し者の元軍人集団の壮絶な闘いの行方を描く。主演は「LOGAN/ローガン」のボイド・ホルブルック、共演にトレヴァンテ・ローズ、ジェイコブ・トレンブレイ、オリヴィア・マン。

あらすじ:元特殊部隊員の傭兵クインの息子ローリーは、父がメキシコで手に入れた謎の装置を起動させてしまう。それは、地球にプレデターを呼び寄せるシグナルを発信するものだった。一方、プレデターの存在を隠蔽したい政府によって監禁されてしまったクインは、“ルーニーズ”と呼ばれるならず者の戦闘スペシャリストたちと脱走を図り、彼らととともに危険が迫る息子を守るためにプレデターへと立ち向かっていくのだったが…。

<感想>87年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演作「プレデター」で初めてスクリーンにお目見えし、その後シリーズ化された人型エイリアンが新たなオリジナル・ストーリーで復活した。傭兵である父親クインがメキシコのジャングルに墜落した宇宙船と、その船に乗っていたプレデターを目撃。プレデターの存在を隠匿しようとする政府に拘束されてしまう。

クインは、墜落現場から持ち帰っていたプレデターのマスクと装置を自宅に送り届けていたが、クインの息子で天才的な頭脳をもつ少年ローリーが、丁度ハロウィンだったもので、マスクを被って外へ出て歩くも、悪ガキたちがローリーをからかうも、それは妬みからだろう。そして、家に帰り装置を起動させてしまうのだ。

装置から発せられるシグナルによって、恐るべき戦闘種族プレデターを呼び寄せてしまい、プレデターがローリーのもとに現れ、さらにそのプレデターを追い、遺伝子レベルでアップグレードした究極のプレデターまでもが姿を現す。

本作の舞台設定は2018年で、第1作と地続きであり、「プレデター2」とのなんらかの繋がりがあることが分かっている。本作は、プレデターが宇宙船で飛来するが、「プレデター2」では宇宙船がクライマックスの舞台だった。果たしてリンクは宇宙船か、登場人物か、劇場で確認をして下さい。

人間だけでなく、全宇宙の凶暴な生物を相手に死闘を繰り広げてきたプレデター。姿を周囲の風景と同化させる光学迷彩や獲物を確実に仕留めるプラズマ・キャノンなど協力な装備を多数持つヤツらが、またもや人類を恐怖に陥れるのである。

地球にやってきて人間狩りを繰り返すプレデターと、息子を守るために元軍人のならず者集団の協力を得て、立ち向かうクインとの激烈なバトルが展開する。

本作の監督、シェーン・ブラックは「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」のヒットメーカーだが、俳優時代にオリジナルの「プレデター」に出演し、最初に殺される兵士を演じていた過去を持つ男。そんな縁のあるプロジェクトに監督として舞い戻り、壮大かつ豪快なアクションシーンと人間味溢れるドラマを融合させた。CGだけに頼らず、実写の臨場感にこだわった演出も見ものですぞ。

主演のクインには、「LOGAN/ローガン」のボイド・ホルブルックと、息子のローリーには、「ワンダー 君は太陽」が記憶に新しい人気子役のジェイコブ・トレンブレイが共演し、父と子の絆のドラマを熱演している。

それに、プレデターの謎に迫る生物学者のケイシーには、「X-MEN:アポカリプス」のオリヴィア・マンが。

それに、特殊部隊ルーニーズ(退役軍人たち)のウィリアムズにはトレヴァンテ・ローズが、コイルにキーガン=マイケル・キー、ネトルにバクスリーにリンチといった戦闘のスペシャリストたちが。彼らがプレデターのことを”ウーピー・ゴールドバーグ”に似ているなんて言うもんだから、観客から笑いが起きたのだが、これって名誉棄損じゃないのかなぁ?

危険にさらされた息子を救おうと奔走する父親の愛情に、そんな彼を支えて共闘する仲間たちのガッツ。そんな熱いスピリットが最凶の敵・プレデターとぶつかった時に、どんな化学反応が起こるのか?・・・。壮絶なるバトルに親子の絆が絡み、凄まじい熱を帯びるのは想像するに難しくはない。

今回登場するプレデターは、様々な種族のDNAを取り込み、遺伝子レベルでパワーアップしている。しかしだ、それをも上回る“アルティメット(究極)”プレデターが登場するのだった。他のプレデターを圧倒する巨大なヤツの実力とは?・・・。宇宙最凶のさらに上をいくその正体とは、・・・もう一つは“ヘルハウンズ”と名付けられたプレデター犬。プレデター同様に俊敏して獰猛な狩猟犬なのだが、人間に懐く習性があるのには安心した。

本作の特徴は、原典への回帰であり、伝統的なスリラーに近いストーリーテリング。さらには、プレデターの造形もできる限り実際に作ることにこだわったというのだ。その際、監督が手本にしたのが「ジュラシック・パーク」なのだ。

一方では、度重なる戦闘により心に傷を負った傭兵たちの苦悩や、プレデターの存在を隠蔽しようとする政府の策略も垣間見えるドラマチックな物語が展開する。

ラストの壮絶なるプレデターとの戦いに勝利するも、研究所では置き土産のプレデターの装置を動かす息子のローリー。所員がその装置から発せられるエネルギーを浴びて新種のプレデターに様変わりするのが見られるも、すぐに元の研究員に戻ってしまう。この装置は、人間が軍事力に悪用すると、飛んでもない戦争になってしまい、地球から人類が滅亡するかもしれない。そして、プレデターの思い通りに、また宇宙からと飛来して来て、地球を乗っ取る作戦なのかもしれない。続編ありきのラストシーンなので、期待したい。

018年劇場鑑賞作品・・・181  アクション・アドベンチャーランキング

 

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SUNNY 強い気持ち・強い愛★★★

2018年09月06日 | アクション映画ーサ行

高校時代の親友たちとの再会を、懐かしの洋楽ヒット・ナンバーとともに描き、日本でも評判を呼んだ2011年の韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」を、「モテキ」「バクマン。」の大根仁監督が90年代の日本を舞台にリメイクしたノスタルジック青春音楽映画。それぞれに悩み多き日々を送るかつての親友たちの再会と、輝いていた彼女たちの高校時代の青春の日々を、珠玉の90年代J-POPをバックに綴る。主演は篠原涼子と広瀬すず、共演に小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、板谷由夏、三浦春馬、リリー・フランキー。

あらすじ:コギャルブームが巻き起こった90年代に青春を謳歌していた女子高生6人の仲良しグループ“サニー”。それから20年以上の時が経ち、高校生の娘を持つ専業主婦となっていた元サニー・メンバーの奈美は、リーダーだった芹香と思いがけない再会を果たす。独身の彼女は、末期ガンで余命わずかと宣告されていた。震災で淡路島の田舎から東京の高校に転校し、不安でいっぱいだった奈美をサニーに迎えてくれたのが芹香だった。その芹香から“死ぬ前にもう一度みんなと会いたい”という最後の願いを託された奈美。ある事件をきっかけに音信不通となってしまったかつての仲間を再結集すべく、探偵も使ってみんなの消息を調べ始めるのだったが…。

<感想>やはり避けては通れないオリジナルの韓国版2011年「サニー 永遠の仲間たち」と比較してしまって、もの凄く感動したので、その期待には応えられなかったというのが残念でなりません。オリジナル版を観た時には、こういう日本の映画もあってもいいのに、と思っていたのだが、実現するともちろん国と時代が変われば彩られる楽曲も変わって来るのでね。

それでも、90年代のいわゆるコギャル世代に対しては、何の感慨もない私にすれば、小室哲哉音楽に彩られたあの時代には、空虚以外のなにものでもないと思ったのですが、主人公の奈美(篠原涼子/広瀬すず)の立場は少し違ったのが良かった。

彼女は阪神淡路大震災の被災者で、家も父親の職も失い、引っ越してきたのに、阪神大震災に触れていないのが残念でならない。オリジナルの韓国版では、民主化に向けて激動の時代が背景にあったが、リメイク版では当時の女子高生をめぐる閉じた文化であり、奈美をめぐる震災後の話も冒頭以外は殆ど出てこないのだ。

広瀬すずが頑張っていたことは認めますが、友達の危機にカバンを投げ出して息巻くところ(奥歯ガタガタしてやろか)ちょっと困っている感じではあった。そして藤井渉扮する三浦春馬に恋する初恋が、失恋に終わってしまうところとかも。

コギャルに関しては完全再現で、茶髪に超ミニ、ラルフローレンのセーターにルーズソックスで、ガングロ。普通に、テレクラ、リーマン狩り、ドラッグ、援助交際といった、コギャル=こういう悪さをしてる子たちみたいなステレオタイプからも逃げずに描いてるのだ。

結局サニーが選んだのは、小沢健二が筒美京平と組んで放った名曲「強い気持ち強い愛」であり、私にはさっぱり思い入れが無い曲なのでガッカリでした。オリジナルの「サニー」でもノリノリで良かったのにね。

それでも安室奈美恵の「SWEET19BLUES」とかTRFにglobe、水着のバトルシーンでは、PUFFYの「これが私の生きる道」が流れて懐かしい。

大人の女優さんたちでは、小池栄子と渡辺直美のさすがの芸達者ぶりが出ていて最高であり、おっぱいのことで、二人で罵声を浴びせ合う小競り合いが様になってた。この二人が暴れるもんだから、普通に振る舞う篠原涼子が活きてくるのよね。そして、久しぶりに観た心役のともさかりえでは、スナックの雇われママをしていて、アル中で見るも無残な女を見事に演じておりました。

あと、いい大人になった彼女たちが、ファミレスで今の女子高校生たちを見て、スマホをただ眺めているだけで静かでいいのだが、何を楽しみに生きてるんだろう、という目で見るシーンが、今昔の落差を思わせて面白かった。

それでも楽しく観られたので、キラキラしていた青春時代を懐かしむには十分であり、また、小室サウンドに身を委ね、「そうだったよねー」と懐かしみながら観ていたら、思いがけず胸に迫るシーンもありますから。

ラストでは、みんなで遺影の前で踊る姿が楽しそうであり、新旧メンバー・キャストがごちゃまぜになってのダンス場面が最大の見どころでした。昔のサニーのメンバーを探してくれた探偵には、リリー・フランキーさんが演じてくれました。

また、オリジナルでも感じたのですが、結局"お金"が解決策なのかというのが、本作でも同じだったのが、「この世は金次第でどうにでもなる」ってことか。ラストでちらっと顔を見せた、奈々役の池田エライザが綺麗でしたね。

018年劇場鑑賞作品・・・173 アクション・アドベンチャーランキング

 

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志乃ちゃんは自分の名前が言えない★★★

2018年08月22日 | アクション映画ーサ行

人気漫画家・押見修造が自身の体験を基に描いた同名漫画を、「幼な子われらに生まれ」の南沙良と「三度目の殺人」の蒔田彩珠の主演で実写映画化した感動の青春ストーリー。吃音のために孤独な高校生活を送る少女の苦しみと、初めてできた友だちと織りなすぎこちなくも愛おしい不器用な青春模様を綴る。共演に萩原利久、山田キヌヲ、奥貫薫。監督はTVを中心に活躍し、本作が長編商業映画デビューとなる湯浅弘章。

あらすじ:高校一年生の新学期、吃音に悩む大島志乃はクラスの自己紹介で自分の名前も上手く言えずに笑い者になってしまう。以来、ひとりぼっちの高校生活を送る志乃だったが、ひょんなことから同級生の加代と友だちになる。音楽が好きでギターは弾けるのに音痴な加代は、志乃の歌に心奪われバンドに誘う。そして文化祭を目標に猛練習を始める志乃と加代。そんなある日、志乃をからかったお調子者の男子・菊地がそんな2人の姿を見て、強引にバンドに参加するのだったが…。

<感想>言葉が上手く話せない志乃、音痴な加代。伝わらなくてもいい。伝えたいと思った――。不器用な二人の傷だらけでまぶしい日々。南沙良演じる志乃は、吃音で悩んでいる。他人を前にすると名前が言えないが、心を開いた相手とだったら、歌もよどみなく歌える。

そんな彼女と親しくなるのが、クールな一匹狼キャラの、蒔田彩珠扮する岡崎加代。彼女はミュージシャンを目指しながらも、歌は音程が外れてしまうほど音痴である。

吃音症とコンプレックスを抱える同級生が、意気投合して音楽を始めるありきたりな話かと思いきや、主人公の志乃の幸福の象徴を壊しにかかる男の子がいい。主人公も友人も鬱屈や卑屈さがなく、教師たちが無神経なのが気になる。

志乃の母親は、娘が吃音症で引っ込み思案なのを心配していたので、音楽で友達ができたことを嬉しく思っている。

そんな二人が、勇気をだして地元から遠くの町での橋の上で歌うシーンがとても良かった。お昼の弁当を持って校舎をうろうろする志乃が、加代という味方を得ることで内面的な負のスパイラルから一歩踏み出すことが出来た。

やがて、フォークデュオ「しのかよ」を結成する二人。地元から遠く離れた街の橋の上で、「しのかよ」コンビの路上ライブを始めるが、誰も客のいないデビューの演奏を至近距離で目撃することができるのは、映画を観る我々の特権でもある。

そこにコンプレックスから道化を演じる、虐めっ子のウザイ菊池くんが介入したことで、志乃と岡崎加代の繋がりも壊れてゆくという展開も自然である。

あんなに女子同士で仲良くやってこれたのに、菊池くんは一見明るいのだが、デリカシーや空気を読むセンスがなく、志乃の欠点を真っ先にからかうし、寒い下ネタで滑り倒してから、教室の中で空回りを繰り返して圧倒的に孤立している男の子なのだ。

そう、彼もまた生き難く不器用なのだと、我々はいつしか気づくのだ。かくして一人ぼっちの少年少女が、3人フロントに立つ。本作ではコミュニケーションが主題に見えて、本当は自分自身との戦いが課題となるのだ。

それで、問題のライブでは志乃が、3人でやるのは嫌だと解散を宣言する。それからは、喧嘩状態で口も利かない。しかし、岡崎加代の方は、音楽のことで意気投合してその菊池君と仲良くなってしまう。そのことも、志乃にはあり得ないことで、加代に嫉妬をしてしまうのだ。女二人の純粋な愛の中に、異性が入り込むのが嫌だったのだ。

志乃が歌う、懐かしめのフォークソング「翼をください」「あの素晴らしい愛をもう一度」に加え、ザ・ブルーハーツの「青空」や、ミッシェル・ガンの「世界の終わり」など、私にはそっちの方が嬉しかったりする。

全体に懐かしめの感触がするのは、CD時代の風景を映し出しているからなのか、団地住まいの加代の部屋には、ボブ・ディランのポスターが貼られており、音楽雑誌の「ロッキング・オン」と共に、ニルヴァーナやオアシスらの名盤がおかれていたりするのだ。

そして、何よりも良かったのが、結末部分をなす学園祭で、ありがちな復活劇にしなかった点もそれなりによかった。加代が一人でオリジナル曲を、ギターを弾きながら歌う「魔法」には、彼女の勇敢な決意が感じられる。

それに志乃の想いがスパークする、吃音で自分の心の中を、声を張り上げて洗いざらい曝け出すのも、涙が出るほどに嬉しかった。ハッピーエンドだが、もっとストレートなハッピーエンドでも良かったのに。この辺が評価が別れるところだ。

018年劇場鑑賞作品・・・163 アクション・アドベンチャーランキング

 

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少女邂逅★★★・5

2018年08月14日 | アクション映画ーサ行

 孤独な女子高生と転校生の交流を描き、「MOOSIC LAB 2017」で観客賞を受賞した青春ドラマ。ミユリ役を「ミスiD2016」グランプリの保紫萌香、富田紬役を「RADWINPS」のアルバムジャケットで知られるモトーラ世理奈がそれぞれ演じる。監督は「美味しく、腐る。」で早稲田映画まつり観客賞を受賞した枝優花。「転校生」名義で活動していたミュージシャンの水本夏絵が音楽を担当。

あらすじ:いじめられたことがきっかけで声が出なくなってしまったミユリ。そんなミユリの唯一の友達は一匹の蚕だった。ミユリは山の中で拾ったこの蚕に「紬」と名付け大切に飼っていたが、いじめっ子の清水にその存在がバレて、蚕を捨てられてしまう。唯一の友達を失い絶望するミユリ。そんなある日、ミユリの学校に亡くなった蚕と同じ名前を持つ「富田紬」という少女が転校してくる。

<感想>イジメの作品では、4月の「ミスミソウ」が一番凄いと思った。自分は、中、高と虐めに遭ったことがないので、最近の学校ではよくイジメの話が出てきて、本人が自殺をしてしまうという悲惨な結果をニュースとかで良く観るので、こういうイジメの作品は、たくさんの人に観て欲しいと思います。

監督が、24歳の新星・枝優花であり、主人公の二人には、2016年に芸能活動をスタートしたばかりの保紫萌香がミユリ役を演じていて、転校生の紬には映画初出演のモトーラ世理奈が演じていた。そして、スタッフの多くが20代という超フレッシュな顔ぶれで制作されたということと、監督の枝優花の実体験を元にした残酷で美しすぎる青春映画。

いじめが原因で声を出せなくなった高校生のミユリが、周囲にSOSを出すこともできずに、ひたすら耐え忍ぶという毎日で、學校の授業で教本として渡された蚕を、小箱の中に入れて家に持ち帰り、ひたすらペットのように可愛がっていた。

ある日の放課後も、森の中で酷いイジメに遭っていたところから始まる映像に、観ていて辛くなる。3人組の女性とが森の中で、一人の女子生徒を虐めては、スカートをめくって、下半身を丸出しにして頭の上でヒモで結ぶという、残忍な悪戯には呆れかえってしまった。

そこへ現れた救いの手を差し伸べたのが、転校生の紬であります。ミユリにしてみれば、紬と名前を付けた「蚕」と同じ名前の転校生に心がときめきます。

監督は、憧れで綺麗なものとして、彼女・紬を描いたという言葉の通り、この「邂逅」シーン、淡い光の中でアンニュイな表情を浮かべる紬が、息を呑むほどに神々しくて、だが、ミユリ同様に、やはり彼女も内面に少女特有の不安定さがあり、二人の会話もどことなく危うげであり、自分の中に渦巻く感情をうまく処理できない不器用さも覗かせるのだ。

急速に二人は仲良くなり、喫茶店にも二人で入り夏休みに「沖縄」へ行きたいと二人とも気が合うのだった。そのことは、誰にも絶対に内緒にすることを誓ったはずなのに、3人の意地悪女たちも、転校生の紬と仲良くなっているミユリを見て、自分たちの仲間にしようと企んでいる。

そして、夏休みに「沖縄」へ旅行をしようと3人組がミユリを誘うのだった。そのことが、紬との中を切り裂くようなことになって訳でもないが、大学受験のことで、ミユリが東京の大学を受けたいといい、猛勉強の結果受かってしまうのだ。紬は家の事情で、地元の大学か、または就職組にと、あんなに仲良かった二人が、いつの間にか遠のいていってしまう。

紬の家庭内のことまでは良く知らなかったミユリ、まさか「沖縄」旅行のチケットを取るために、大人の男と売春をしていたとは。そのことを、友達から聞き、街でそういえば大人の男の人と仲良く話しをしているのを見かけたのだった。紬から「沖縄」のチケットを貰った時も、まさか本当に身売りまでしてお金を工面していたとは思わなかったミユリ。結局、「沖縄」には行かなかったようで、ミユリの想像だと思う沖縄の映像が綺麗に映し出される。

まさか、學校の授業で、蚕が繭になり、それをお湯の中で糸にするとは、・・・その時に紬がお湯を倒して失神してしまう。紬もミユリも、カッターナイフで手首を何度も切るシーンが映し出されるが、それが本当にしていたのかは知らない。

そして、大学受験が終わり、紬のことを友達が話すのを聞いて、「父親が娘を性的虐待をしていたこと」このことは、もっと早くに紬自身が先生か、児童相談所に駆け込み話すとかすれば、死ななくてもすんだのではないかと思う。それも餓死して亡くなったと聞き、今時に、餓死なんてことあるのかと、想像に絶する辛いことであり、紬の死を何とか防げなかったのかと、観ていて辛くて涙が止まらなかったです。

正直言って、そんな二人を見るのが辛い人もいるかもしれないが、少なくとも私はそうだったので。何年もかけて、やっとのことで脱ぎ捨てた不器用さとか、傷つきやすさとか、普段は考えないようにしている自分の弱さを、省みることになるからかもしれません。ですが、だからこそ,この作品は尊くて痛みを伴うような作品であると思います。

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死の谷間★★★・5

2018年07月27日 | アクション映画ーサ行

ロバート・C・オブライエンの『死の影の谷間』をマーゴット・ロビー、キウェテル・イジョフォー、クリス・パインの共演で映画化したSFドラマ。近未来を舞台に、放射能汚染を免れた谷間でたった一人生き残った女性と、そこに現われた2人の男が織りなす緊迫の心理劇をスリリングに描き出す。監督は「コンプライアンス 服従の心理」のクレイグ・ゾベル。

あらすじ:世界中が死の灰に覆われる中、放射能汚染から奇跡的に逃れた谷間に、愛犬とともにたった一人で生きる女性、アン・バーデン。農場を一人で管理し、生存者を探しに谷を出た家族の帰りを待ち続ける彼女は、強い信仰心を支えに孤独な日々を耐えてきた。そんなある日、安全な場所を求めて放浪していた科学者の黒人男性ジョン・ルーミスが姿を現わす。2人は互いに性別や人種、宗教観もまったく異なる相手に警戒心を抱きつつも、協力して共同生活を送っていく。やがて、そんな彼らの前に、謎めいたもう一人の生存者、ケイレブが現われるのだったが…。

<感想>核汚染の末に生き残った1人の女と2人の男――人間の本性をえぐり出す衝撃のSFサスペンス。面白かったですね。何しろ、主人公がマーゴット・ロビー、そこへやって来た始めの一人、キウェテル・イジョフォー、そして、もう一人の男がクリス・パインという、3人しか登場しないのですが、だからこそおもしろいと思える作品となっています。

チェルノブイリか福島第一原発の事故のような、人の気配が途絶え、荒廃した風景から始まるこの映画。放射能汚染の末に生き残った人間のディストピア系のSF映画と思いきや、女性一人が犬と暮らす谷間の村にやって来た男性2人、3人のベタな恋愛劇であったのが惜しいところ。

世界が放射能に汚染され、映画の舞台となる谷間にある村だけが、奇跡的に助かったのなら、一瞬だけ外の世界を見せたほうが説得力があったのではないかと思いました。最後まで、外の世界は見せません。

信仰心の厚い白人女性と、科学者の黒人男性が生き残り、対立しつつも惹かれ合う設定が良かった。だが、そこへ3人目の生存者であるケイレブが2人の前に現れたことからその生活は一変していく。

始めは人里離れたところに、美女が一人で住んでいるいて、そこへ成人男性が現れたら、何も起きないわけがない。それなのに、黒人の男は言い訳ばかりしていつまでも煮え切らない態度なのには、何とも不可解だった。

そんな状態のところへ第3の男、白人でイケメンで体格もいい男が登場する。もう悲劇は約束されてようなもの。どうみてもクリス・パインの最期が気の毒でならない。

黒人の科学者ジョンは、頭がいいから教会を壊して、その木材を使い水車を作り発電装置を作るのであります。始めは、女性のアンが、教会は父親が村人たちのために創ったものであり、壊したくはないと信仰心があついのだ。

食事の前の祈りもかかさないし、黒人のジョンは無・信仰で、教会には興味がない。それに、男女のことにしても、ジョンは白人の女性に対して敬うように直ぐには手を出さなかった。キウェテル・イジョフォーが汚染されている川に泳ぐ姿、筋肉バリバリで良かったのに、放射能汚染の川で泳いだので直ぐに気分が悪くなり、その後はアンがジョンの看護をすることになる。

しかし、そこへ白人の男が現れて、始めは黒人のジョンが自分の身を一歩引くように、アンに対して「君の好きなようにすればいい」と。男二人で野鳥を獲りに森へと行く。何を賭けるというクリス・パインに対して、ジョンは答えが出来ない。するとクリス・パインは、アンを賭けようと言うのだ。

野鳥を猟銃で撃ち落としたのは、ジョンの方であり、食事をしてその後に、お酒が入り、ダンスを踊る。どうしても若いので、もやもやとしてきて、ベッドインということになるわけ。

というか、アンも始めは黒人のジョンでもいいと思っていたはずなのに、ぐずぐずとしているうちに、白人の男が現れて、横からかっさらって行くみたいに、アンが白人のクリス・パインの部屋へ誘いに行ったような感じ。

次の朝からは、どうみても白人の男女が出来上がっていて、黒人のジョンがここを出て行かなければならないような、気まずい雰囲気になる。

だが、そこが科学者のジョン、滝を利用して水車を回して、発電装置を作るのですから、それに、小屋にあった耕運機も修理をして動かすようになるし、今まで女一人で、心細い毎日を送ってきたアンには、快適な生活になる。

しかし、男2人の間に少しづつ不安な空気が漂いつつ、水車を作る段階で、滝の上はまだ放射能汚染区域であり、防護服を着ての崖をよじ登り、上でロープを持ち引っ張り上げるという作業で、その時、アンの恋人になった白人のクリス・パインが、足を滑らせて崖下へ落ちそうになるのを、ジョンが満身の力で助け上げるのだが、その時にジョンの脳裏に浮かぶ悪魔の声が、ロープの手を放してしまう。すなわち、白人の男が滝つぼへ真っ逆さまに落ちて行ったような。そのまま、クリス・パインは帰らなかった。

ジョンがどうしてアンを抱いてやらなかったのかには、それには訳があったのです。つまり、アンの弟をジョンが殺してしまい、弟が放射能を防護するための小さな箱の車も、食料もジョンが奪いとり殺してしまったことを、最後にアンに告白する。

原作では登場人物が男女2人だったのを、映画では3人にした理由がここにあったのかと、3人の俳優の役柄への誠実な取り組みは評価できる反面、絶対に一人の男がいらなくなるはず。ということは、この展開がスリリングでサスペンスフルな殺し合いが起きるのですね。

男女の三角関係の心理劇になるのは残念なかぎりです。設定をいかしたプロットにできたのではないかしらね。

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セラヴィ!★★★★

2018年07月18日 | アクション映画ーサ行

「最強のふたり」「サンバ」のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督コンビが贈る結婚式コメディ。引退を決意したウェディングプランナーが、人生最後の大仕事と意気込む結婚式で、次々と予期せぬ騒動に見舞われるさまをコミカルに綴る。主演は「ムッシュ・カステラの恋」のジャン=ピエール・バクリ、共演にジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュ。

あらすじ:ウェディングプランナーとして長年にわたり数々の結婚式をプロデュースしてきたマックスだったが、そろそろ引退の頃合いと思い始めていた。そんなある日、彼のもとに17世紀の古城を使った豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込む。しかし新郎新婦にとっての最良の舞台にしてあげたいとのマックスの意気込みとは裏腹に、集まったスタッフたちは揃いも揃ってポンコツばかり。次から次へとトラブルを引き起こし、いつしか式は混沌の様相を呈していくのだったが…。

<感想>日本公開フランス語映画歴代興行収入1位の大ヒットを記録した「最強のふたり」のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督最新作。トラブルだらけの結婚式場の1日をユーモア満点に描いている結婚式コメディ。ハレの日もあれば、悩める日もあるさ。結婚式を舞台に繰り広げられる、遊びゴコロと優しさに満ち溢れた、私たちへの人生賛歌になってました!

30年のキャリアを持つ、初老のウェディングプランナー、ジャン=ピエール・バクリが主人公を務め、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュらが共演している。古城を舞台にした豪華な結婚式の依頼に、マックスは式の成功に向けて完璧に準備を整えるのだが、ポンコツなスタッフの不手際で、結婚式はトラブルが続出の惨事と化していくのであります。

それは古い屋敷なので、電気の使い過ぎでショートしてしまい停電するし、冷蔵庫のスイッチが切れて、メインの料理・羊肉のソテーが全部腐ってしまい、それを始めに食べたバンドマンたちが腹痛を起こしてしまい、バンドはジル・ルルーシュのワンマンショーとなってしまう。メイン料理の替わりに冷凍パイ包を解凍してオーブンで焼き上げる。しかし、そのパイの中身が鰯のオイルサーディンで、かなり塩辛く炭酸の水を1人1本ずつ配り、腹を満たさせる計画。

とにかくにも、本当にゲラゲラと笑えるコメディになっていた。ジャン=ポール・ルーブが演じているカメラマンの男が、スマホで自分と意気投合する女性を捜し、会場の中にいるのを見つけて、ラブラブカップルになってしまう。その相手が、新郎の母親であるとは驚きです。でも美しい姑さん。息子の結婚式に、自分も満足して帰るとは。

それに、バンドのヴォーカルの男は、ワンマンショーで自分本位で歌を歌うし、ジル・ルルーシュが演じているのだが、本人が歌を歌っているのか凄く巧いときてる。食事担当の黒人女性アデルのアイ・アイダラと、初めは喧嘩をしていたが、いつの間にか抱き合いキスをして出来てしまうのだから、フランス人たちの恋愛事情が物凄いことになっていた。この二人が、新郎の余興のバルーンのロープを両端で持っていたのに、目と目を見つめ合って手を放して、しまいには抱き合いキスをする。

特に新郎のピエールが自己中男で、途中でスピーチを長々としては来客にドン引きさせるし、最後に自分の得意とするバレエみたいな、大きな風船にぶら下がり宙に浮いて、まるで白い白鳥みたいな感じで良かったのに、風船のロープを持っていた両端のスタッフが、ドジをする。それは観ていて、とてもロマンチックであり、なんて素晴らしい余興だろうと誰もが上を仰いで見つめ、そこへラストの花火に火が付いてしまい、綺麗なのだが物凄い勢いで全部の花火を打ち上げてしまったから大変なことになってしまう。

どうしようもないのが、マックスの甥っ子のバンサン・マケーニュも、新婦と知り合いらしく、勘違いの愛しているで、給仕の仕事をそっちのけにして、客を装い新婦の傍にべったりと座って、挙句にダンスまで踊っているずうずうしさに驚いた。

マックスと付き合っている仕事仲間のスザンヌ・クレマンは、マックスが妻と離婚をしてくれないことに苛立ち、若いスタッフと仲良くなり、ダンスシーンとかキスなどをこれ見よがしに、マックスに見せつける。

マックスもまだ妻に未練があり、離婚の事を切り出していない。だが、妻は元恋人とよりを戻して、一緒になるという結果に、最後にはジョジアーヌに結婚を申し込むという嬉しい結果になるから、フランスでは当たり前のことなのかも。それでも、12時半頃には、何とか式は終わりになり、来客は帰ってしまう。

ラストまで、お腹を抱えて笑えるドタバタ劇になっていたが、深夜から明け方までにかけてのシーンが、とても感動的で素晴らしかったです。屋敷の中にローソクを灯して、民族楽器の演奏に合わせて、新郎新婦がダンスをしている。見ていて、心に残る名場面になっていた。うっとりとした顔の新郎新婦に幸あれですね。

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ジュラシック・ワールド/炎の王国★★★★

2018年07月13日 | アクション映画ーサ行

大ヒット・ベンチャー超大作「ジュラシック・ワールド」の続編。恐竜テーマパーク“ジュラシック・ワールド”で起きた大惨事から3年後を舞台に、大噴火の危機が迫る中でオーウェンとクレアが繰り広げる恐竜救出作戦の行方と、恐るべき陰謀に巻き込まれた彼らの運命を、臨場感あふれる迫力のアクション満載に描く。出演は引き続きクリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード。監督は新たに「インポッシブル」「怪物はささやく」のJ・A・バヨナ。

あらすじ:3年前の惨劇以来、人間が放棄したコスタリカ沖のイスラ・ヌブラル島では、“ジュラシック・ワールド”の恐竜たちが文字通り野生化し、島中に棲息範囲を広げて生き続けていた。しかし島の火山活動が活発化し、大噴火が迫っていることが明らかとなる。パークの元運用管理者クレアは、恐竜たちを絶滅の危機から救うため、恐竜監視員だったオーウェンに協力を要請し、救出隊を組織して島へ向かう。島に到着したオーウェンは、ずっと気に掛けていたヴェロキラプトルのブルーとの再会を果たす。しかしこの救出作戦の背後には、彼らの知らない恐るべき陰謀が隠されていたのだったが…。

<感想>2015年に興収95億円超の第ヒットを記録した恐竜アドベンチャーの続編がいよいよ公開です。第1作、2作に出演したジェフ・ゴールドブラムが、イアン・マルコム博士役でシリーズ復帰。第1作、そして前作「ジュラシック・ワールド」の舞台となったイスラ・ヌブラル島から物語は始まります。

同地にあったパークは惨劇の後、放棄された恐竜たちの楽園になっていた。だが、島の火山が活発化。3年前にパークで働いていたオーウェン(クリス・プラット)やクレア(ブライス・ダラス・ハワード)が恐竜を避難させるために再び島に降り立つところから始まる。

他には、生物学の専門家であるジア・ロドリゲス(ダニエラ・ピネダ)獣医の心得もある恐竜保護団体のメンバーであり、ブルーが銃で撃たれてタンカーに乗せられて、ロックウッド財団の屋敷の地下に入れられる。船での搬送中に、輸血をして生き返らせる。気弱なコンピューターオタクの青年フランクリン・ウェブ(ジャスティス・スミス)思わぬ活躍を見せてくれる。

本作の面白さは、手に汗握るパニック描写を映画前半に山のように盛り込みながら、シリーズが今まで踏み込まなかった新展開になだれ込むところ。さらには過去作とのリンクは前作よりも倍増しており、コアなファンにはたまらない仕掛けと演出が大量に用意されている。

火山の噴火寸前のイスラ・ヌブラル島へやってきた探検隊が、恐竜を捕獲する危険なミッションに挑む。山は裂け、マグマが雪崩のように押し寄せて来る。恐竜も人間も必死の形相で走り回る。第1作でも語られた火山島という設定の伏線が回収された。逃げ場なしの危険度はシリーズ随一であります。

IMAX3Dにて鑑賞した。やっぱり大画面だし、他と比べて没入感がまるで違うのがIMAXの一番の凄いところ。あと、今回はいままで一番恐竜の数が多いので、なおさらのことIMAXを大画面で堪能しました。それに音響もいいしね、鼓膜がビリビリと震える感じがライブ感もあって最高です。前作で超可愛かったブルーも大きい画面で見たら、もっとキュンキュンしちゃうんじゃないかな。それに、火山が噴火して逃げ回るところも迫力満点。

恐竜たちが、米国本土に上陸するのは、第2作を彷彿とさせるが、今回は滅びた種族を甦らせてパンドラの箱を開けてしまった人類の功罪に、正面から向き合っているのだ。

オーウェンが手塩にかけて育て、恐竜と人間の間にも絆が生まれることを証明したヴェロキラプトルの“ブルー”が再登場。その知能の高さゆえに捕獲のターゲットとなり、親子のようなオーウェンとの関係にも変化が訪れる。

オーウェンとクレアにとっては、イスラ・ヌブラル島の大噴火から恐竜たちを救い出すシンプルなミッションのはずだった。ところがその裏には、恐竜たちを利用しようとするさまざまな陰謀があった。前代未聞の恐竜オークションまで開催されて、人間の醜いエゴが明らかになる。

前作で新種の恐竜を生んだロックウッド財団を実質的に運営する実力者である、イーライ・ミルズ(レイフ・スポール)。恐ろしい計画で、転売目的のために島から捕獲してきた恐竜たちを、恐竜オークションにかけて金儲けを企む。こういうやからは、最後には、絶対に恐竜に食べられるのだ。

衝撃の展開に関わる人物が恐竜好きの少女メイシー(イザベラ・サーモン)恐竜保護を進めるロックウッド財団の長の孫娘である。本土に上陸をした恐竜に襲われ大ピンチに、自身の過去にまつわる悲しい現実を知り、ある行動に出ます。それは、スクリーンでのお楽しみに。

本作ではその遺伝子情報に、ヴェロキラプトルのDNAをプラスした究極の恐竜、インドラプトルが新登場する。それは、恐竜ハンターの予想を超える耐久力と攻撃力で、前作のインドミナス・レックスを上回る驚愕の恐ろしさ。前作でインドミナス・レックスを葬ったモササウルス参戦する。

凶暴さ、知性、スピード、すべてが進化したこいつを倒せるのか。大邸宅でのインドラプトルに追いかけられるオーウェンたち。ブルーがピンチを救いに来るシーンは感涙もの。最後の一体として残ったブルーは、その健気さから萌えキャラ恐竜とまで呼ばれるようになる。

最新CG技術で作り出された恐竜たちの大暴れに毎回興奮させられる人気シリーズ。前作から“遺伝子操作による新種誕生”という新たな要素が加えられ、人間側の陰謀が進行する。大噴火のタイムリミットが迫る中、恐竜たちを脱出させられるのか?・・・。

後半では、ロックウッドの大邸宅の地下で飼育されていた恐竜たち。人間が金儲けのために恐竜を使うという。その時、恐竜たちが大暴れをして、屋敷を壊し始め、地下室にある危険薬品が爆発するという。恐竜たちと人間の死闘が繰り広げられという二段構えのクライマックスが楽しめる。本作でもオーウェンとのブルーのコンビが復活する。また雄姿が見られますよ。

地下室にいる恐竜たちを、人間はアメリカの地に放してしまうのか、どうかと悩んだ末に、娘のメイシーが恐竜たちを逃がしてしまう。ラスベガスやアメリカ全土に恐竜が生息するという、これからの展開に、人間たちはミサイルを使って退治するつもりなのか、それは続編のお楽しみということになります。

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空飛ぶタイヤ★★★・5

2018年06月24日 | アクション映画ーサ行

WOWOW製作の連続ドラマ版も好評を博した池井戸潤の傑作企業小説を長瀬智也主演で映画化した社会派ヒューマン・サスペンス大作。ひとつのリコール隠し事件を題材に、事故原因が自社の整備不良だと疑われ窮地に陥った弱小運送会社社長が、その汚名をそそぐべくたった一人で真相究明に奔走する中で、やがて思いも寄らぬ大企業の巨大な闇に直面していくさまを豪華俳優陣の共演で描き出す。共演はディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、笹野高史、岸部一徳。監督は「超高速!参勤交代」の本木克英。

あらすじ:ある日、1台のトレーラーが脱輪事故を起こし、歩道を歩いていた子連れの母親が外れたタイヤの直撃を受け死亡する。製造元のホープ自動車は、事故原因を所有者である赤松運送の整備不良と決めつける。社長の赤松徳郎は世間やマスコミの激しいバッシングを受け、取引先を次々と失った上、銀行にも冷たくあしらわれ会社は倒産寸前に。それでも自社の整備担当者を信じて独自に調査を進め、ついに車両自体に欠陥があった可能性に辿り着く赤松だったが…。

<感想>池井戸潤のベストセラー小説の映画化であり、死者を出したトラック脱輪事故の責任を問われた運送会社社長が、巨悪を暴く闘いに挑む本作では、大企業と中小企業、組織と個人、理想と現実の相克を描く池井戸お得意の群像劇であり、某自動車メーカーの実際のリコール隠し事件を下敷きにした、ノン・フィクションの意味合いも持つ一作であった。

社会派のメッセージを含んだエンターテインメント大作でもあり、これまで数々の映画やテレビドラマで多彩な役柄を演じてきた永瀬智也だが、過去の作品歴を見渡してもこの種の作品は決して多くはない。中小企業の社長という役柄というのも、年齢相応とはいえ、これまでの彼には珍しい役どころだ。

脱輪事故そのものに、そして巨大企業の組織ぐるみの隠ぺい工作によって、赤松社長と彼の運送会社は翻弄され、絶体絶命のピンチにまで追い詰められていく。大きな組織に戦いを挑みはするが、赤松の活躍は決してスーパーヒーローのそれではないのだ。

実際に運送会社社長は、メーカー側に事故原因の再調査を依頼し、同様の事故を起こした会社を社長が訪ねて、と足を使って次第に事の真相に近づいてゆくのであって、その様子はまるでリアリズム刑事小説の刑事のようでした。

一方のディーン・フジオカが演じる沢田は、自らが属する組織の中での立場と、リコール隠しという不祥事を知ってしまったことによる倫理観との板挟みになって葛藤する難しい役どころでもある。

沢田は、根は真面目で優しい人だと思うんですよ。決して悪人ではない。でも組織の中で責任ある立場になった時に、真面目であるがゆえに非情にもなってしまう。組織の一員である以上は当然、出世欲もあるあるだろうし、でも、そこでの駆け引きも鈍感ではないから、組織の倫理として、それは人としてどうなんだと、というところの間を揺れ動いている。とても人間らしいキャラクターだと思いますね。

揺れ動き、変化するキャラクターだからこそ、その存在は作品そのもののテーマを体現することにもなり得る。明確な正義の人でも明確な悪役でもない沢田は、ある意味でこの映画の核となる部分を象徴しているとも言えるでしょう。大手自動車会社の社員による内部告発の下りもスリリングでありました。

今度は犯人側から、いつその犯罪が露見するかのサスペンスを主眼とするミステリになるわけであります。そのいつ明らかに、というスリルは、悪評で仕事を減らされ、取引銀行(これも財閥系)からも資金を引き上げられようとして資金難に陥る運送会社の財政的体力の消耗と絡み合い、時間との戦いとして相乗効果を挙げることになる。

上々たるキャストが勢揃いする社会派群像劇は、その重厚さゆえに物語のはこびが書き割りに陥りがちだが、本作がユニークなのは、むしろその弱点を徹底的に突き詰め、物語の説得力に転じているあたりだろう。

登場人物の心理描写、苦悩や怒りといったその感情の機微に、中途半端に目配りする代わりに、彼らの行動そのものにストーリーティングを集約しているとでも言うべきか。そこには永瀬智也やディーン・フジオカ、高橋一生ら役者陣への信頼関係を前提としてあるからだろう。

本作のカメラは時には、眼となって、人や柱が被写体を遮り、手持ち撮影に切り替わることで、視覚的な不安を無意識に訴求させているのだ。

互いの正義を似て対峙し、反発し、認め合う彼らのその後を、背中越しのアングルでとらえるカメラワークは、これは彼らが演じている様子ではなく、「生きている」現場なのだと訴えかけてくる。

現実である以上に本作が、普遍的な人の人生の物語として響くのは、それゆえなのだからと思う。

 

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30年後の同窓会★★★★

2018年06月21日 | アクション映画ーサ行

名作「さらば冬のかもめ」の原作者ダリル・ポニックサンが2005年に発表した小説を「恋人までの距離(ディスタンス)」「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレイター監督が映画化した感動のロード・ムービー。イラク戦争で息子を失った仲間のために30年ぶりに再会したベトナム戦争の戦友3人が、遺体を連れ帰る旅の中で悪友時代の固い絆を取り戻し、喪失の悲しみを乗り越えていく姿を、ペーソスとユーモアを織り交ぜ描き出す。主演はスティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーン。

あらすじ:ベトナム戦争を経験した元軍人のドクは、1年前に妻に先立たれた上、2日前には一人息子をイラク戦争で亡くしてしまう。悲しみに暮れる彼が頼ったのはベトナム戦争を共に戦った旧友サルとミューラーだった。バーを営むサルと牧師となったミューラーは、30年間音信不通だったドクの突然の訪問に戸惑いつつも、彼の頼みを聞き入れ、息子の軍葬に立ち会うべく3人で旅に出るのだったが…。

<感想>退役軍人3人の友情が胸に迫るロードム-ビー。最愛の妻に先立たれた上に、イラク戦争に出征した一人息子までも亡くしたドク。そんな失意の中年男がかつてベトナム戦争の仲間だった旧友二人のもとを訪ね、彼らと共に息子の遺体を引き取る旅に出る。

「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレイター監督が、スティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーンというベテラン俳優3人を迎えたヒューマンドラマ。30年ぶりに再会した男たちが車や鉄道で移動しながら旧友を温めるロードムービーの形式をとり、人生の哀しみや歓びを味わい深く炙り出してゆく。

登場人物が抱える癒しがたい孤独感や、悲しみ、それは30年前にベトナム戦争へ出征し、命からがら帰って来た戦友なのだ。ドクが一人息子をイラク戦争で亡くしたのだが、それは戦地でコーラを買いに行く時に、それがドクの息子が本当は買いにいくのではなかった。それが僕が行くと言ってみんなの分も含めてコーラを買いに行った時に、敵兵のスナイパーによる銃撃で頭を撃たれ死んでしまったのだ。その息子の遺体と対面する哀しみに耐えられずに、ベトナムの戦友であるサルとリチャードに同行を依頼したことから物語が始まる。主演トリオが魅せる絶妙な掛け合いが見事でした。

最大の見どころは、主演俳優3人の親密でコミカルな掛け合いだ。彼らの交流からこぼれ落ちるユーモア、そして友情の尊さがじんわりと胸に沁みる一作です。劇中ではヴァージニア州のデラウェアの基地からNYなどを経由した、ニューハンプシャー州ポーツマスの自宅まで、息子の遺体を運ぶまでの旅が描かれている。

基本的には3人の男と、「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」(16)に出ていた黒人の男の子、ワシントン(J・クイントン・ジョンソン)の旅なわけですけれども、実はそこに死者もはりついている。30年前に死んだ戦友も、その30年後に死んだ息子もそこにいる。30年前と今とが重なり合っているのだ。

監督と主演トリオは撮影前に、LAで3週間のリハーサルを実施。喜劇俳優のスティーヴ・カレルが寡黙な中年男になり切るなど、個性豊かな主人公3人の関係性を、生き生きと体現しているのが良かった。

 

「どの世代にもその世代の戦争がある」との名セリフもあり、それはベトナムとイラクという二つの大義なき戦争によって刻まれた、アメリカの喪失感をめぐる物語でもある。そして、二つの戦争の間に湾岸戦争が起こったことも忘れさせない。それだけに、息子の遺体に軍服を着せ、棺に国旗で覆う息子の葬儀に愛国心を謳う意図があると思う。リヴォン・ヘルムの哀切な歌声と、B・ディランの歌詞が胸に刺さります。

 

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サバービコン★★★

2018年05月25日 | アクション映画ーサ行

ジョージ・クルーニーの監督作で、1950年代に実際に起きた人種差別暴動をモチーフに、アメリカンドリームを絵に描いたような町サバービコンで巻き起こる奇妙な事件をサスペンスタッチに描いたドラマ。脚本をクルーニーとジョエル&イーサン・コーエン兄弟が共同で手がけ、クルーニーと親交の深いマット・デイモンが主演を務めた。

あらすじ:笑顔があふれる町サバービコンに暮らすロッジ家の生活は、ある時、強盗に入られたことで一変。一家の幼い息子ニッキーの運命は思いがけない方向へと転じていく。一方、時を同じくして町に引っ越してきた黒人一家の存在が、町の住人たちのどす黒い本性をあぶりだしていく。

<感想>何とも一風変わった味わいの犯罪映画でした。ジョエル&イーサンのコーエン兄弟が脚本を書いて、ジョージ・クルーニーが監督という豪華版、本人は出ていませんね。本当は保険調査員のクーパー役にジョージ・クルーニーだったのだが、年齢的に合わないと思いオスカー・アイザックにしたというのだ。その調査員も絡む、ある一家を襲った悲劇の物語と、白人だけの街に越して来た黒人一家を巡る物語が並行して描かれている。

クルーニー監督作品を振り返ってみるとロマコメが1本ある以外は、実は問題意識を持った硬派な作品ばかりなんですね。不正や不平等を憎む姿勢が根底にある。そこが彼の持ち味なのかもしれません。

一見、アメリカの理想を具現化したかのようなキラキラした街も、実際は偽善の塊だったってこと。人種差別問題だけではなく、どこにでもあるような幸せな一家にも向けられている。子供どうしでは、隣の家の子供と仲良くキャッチボールをして遊んでいるのに、親同士では、絶対にダメだと言われるのだ。

押し込み強盗によって母親を殺された、幼い息子の目を通して描かれる家族の悲劇は、ヒッチコック・スタイルでもありとてもスリリングでした。本当は、父親が殺し屋を頼んで、高額の保険金をかけた母親を殺そうと企んだこと。このあたりが、いかにもコーエン兄弟ふうで、残酷な場面もあって怖いのだけど、思わず笑ってしまうようなユーモアも忘れてはいない。

 

警察に捕まってしまう泥棒の2人。面透視をするガードナーだが、そこにはいないと証言するのに、息子が一番端っこにいるじゃないかと言う。父親はどうして息子を警察に連れてきたと怒る。

それに、事件の陰には様々な思惑を持った人々がいて、そんな悪党どもの欲望が絡み合って自滅への道を歩んでいく、というコーエン兄弟お得意のストーリーでもあります。

何といっても、家長のガードナーを演じるマット・デイモンの嫌な父親。とても「ジェイソン・ボーン」シリーズでクールなアクションヒーローを演じた人と同一人物とは思えません。体型もでっぷりと太っているし、表情も冴えないおっさん。人間のスケールの小ささが滲み出て来るような情けなさが可笑しい。

ラストでは息子の前で、マーガレットが息子を殺そうと思って作った、毒入りのジャムサンドを美味しそうにパクつく姿に、やったーと思いましたよ。

ジュリアン・ムーアは、母親のローズとマーガレットの双子の姉妹を演じ分けていて、さすがにオスカー女優だけあると、これもお見事でした。

中盤から登場してくる保険調査員にオスカー・アイザックは、若いころのジョージ・クルーニーが演じていたら、場をさらったこと確実の美味しい役でした。マーガレットが毒を入れたコーヒーを飲ませて殺してしまう。

それに、子役のノア・ジュープも凄かったです。前半では彼の視線が観客の目にもなる重要な役どころ。100人を超えるオーディションで選ばれたそうだけど、イギリス人なのにアメリカ訛りを完璧にこなしていた。実は彼がこの映画を支えているといってもいいんじゃないかと思っています。

映画の後半では、黒人一家の周りを高い塀で囲んでしまう人々の姿が描かれている。もちろんこれは「国境に壁を作ってしまおう」と主張する某国大統領に対する皮肉なわけでもあり、このあたりもクルーニー監督の姿勢は一貫としているようですね。

 

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修道士は沈黙する★★★

2018年05月14日 | アクション映画ーサ行

『ローマに消えた男』などのロベルト・アンドーが監督を務めたミステリードラマ。ある修道士がドイツの高級ホテルで開かれる財務大臣会議の夕食会に招かれ、事件に巻き込まれる。『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などのトニ・セルヴィッロ、『隠された記憶』などのダニエル・オートゥイユ、『NINJA』などの伊川東吾らが出演。経済至上主義への批判を込めた物語が描かれる。

あらすじ:G8財務相会議の開催を明日に控えたドイツの高級リゾートホテルで、国際通貨基金の専務理事であるロシェ(ダニエル・オートゥイユ)の誕生日を祝う夕食会が開かれ、カルトジオ会の修道士サルス(トニ・セルヴィッロ)が招かれる。和やかな夕食会の後、サルスはロシェに呼び出されて告解をしたいと告げられる。その翌朝、ビニール袋をかぶって亡くなっているロシェが発見される。捜査が開始されサルスに疑いの目が向けられるが、彼は戒律に従ってロシェの告解の内容について話すことを頑なに拒む。

<感想>まずは冒頭から圧倒されますね。ドイツの高級リゾート地、ホテルの芝生で各国財務相が個別に座る、風除けのついた椅子が並んでいて、先進国G8の集合写真のような、ビジュアル的にも強烈に映りました。自由経済の権力者たちと、清貧の修道士、国際通貨基金の専務理事ロシェは自分の誕生祝いに絵本作家やロックスターなども招いて食事会を行う。

一筋縄ではゆかないストーリー展開だが、現代社会に経済の面で影響を与える重要なエコノミストたちの「罪と罰」が描かれてゆく。その会議にはおよそ世界経済とは無縁なロックスター、女性の絵本作家、そしてイタリアの戒律激しいカトリックの修道士が、なぜか加わる。主催したカリスマ的エコノミストの国際通貨基金の専務理事であるロシェが招待したらしい。

会議の日の朝、そのエコノミストの死体が発見される。夜に、告解のために部屋に呼ばれた修道士は、その職業的倫理から真実を語れない。主催者のエコノミストはなぜ死んだのか。ホテルが大きな密室となる。アガサ・クリスティの密室ミステリーの様相を呈していく。

専務理事であるロシェは、頭からビニール袋(コンビニのレジ袋のようなもの)をかぶって死んだ。窒息死である。どうして自殺をしたのか?・・・実は彼は末期がんに冒されていたからで、自分の死を自分の手で終わらせたかったのだろう。こんなことで人間は簡単に死ねるのだろうか。死ねる。前例があるから。ある人物が映画の中で、ビニール袋をかぶって自殺をした作家がいたからだ。

現在の権力とか、経済とかを見ると、富が再分配されることなく、裕福なものはより裕福になっています。この修道士は戒律の厳しいカルトジオ修道会に所属し、世界に300人くらいで祈りにも似た“沈黙”の中で清貧に生きています。その“沈黙”という名の言葉で彼は権力者たちに挑戦をしてゆくのです。

ロシェ役のダニエル・オートゥイユに、修道士のトニ・セルヴィッロの演技が秀悦でした。この2人は秘密というテーマにピったりでした。

そして窮地の主人公修道士を助ける女性絵本作家役のコニー・ニールセンが、部屋で彼女の手を修道士が持つところは親密さを感じさせ、修道士との関係の行方に興味が湧くわけで、愛着のあるシーンでしたね。

その他にもヴァレリア・ブルーニ・テデスキは人を驚かせる特質がありましたし、ドイツの大臣との浮気を楽しむカナダの女大臣とか、もう一人のアナ・ムグラリスはエロチックな存在でしたね。

それに鳥とか犬とかの動物の使い方も絶妙でした。大臣たちは感情とか、同情心とかとは無縁の人たちで、かたや動物たちの選択肢は自由ですから。特にあのドイツの大臣の犬に関しては、動物たちがなぜにそうか、は観客の解釈に任せているようだが、最後に犬が飼い主の横暴な大臣のところから離れて、修道士の後を付いて一緒に帰るところなどは、希望を暗示しているようなシーンで良かったです。

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さよなら、僕のマンハッタン★★★・5

2018年05月13日 | アクション映画ーサ行

『(500)日のサマー』などのマーク・ウェブ監督が、サイモン&ガーファンクルの名曲「The Only Living Boy In New York」に乗せてつづるラブストーリー。ニューヨークを舞台に、親元を離れた青年が隣人との交流や恋愛、父親の不倫を経て成長していく姿を描く。『クィーン アンド カントリー』などのカラム・ターナーが主人公を演じ、『アンダーワールド』シリーズなどのケイト・ベッキンセイル、『007』シリーズなどのピアース・ブロスナン、オスカー俳優ジェフ・ブリッジスらが脇を固める。

あらすじ:ニューヨークで生まれ育ち大学卒業と同時に親元を離れたトーマス(カラム・ターナー)は、アパートの隣人でジェラルドと名乗る中年男性(ジェフ・ブリッジス)と知り合い、さまざまなアドバイスを受けるようになる。ある日、女友達とナイトクラブに出掛けたトーマスは、父イーサン(ピアース・ブロスナン)と見知らぬ女性(ケイト・ベッキンセイル)のデート現場に出くわし……。

<感想>人生に迷う青年が、奇妙な隣人や父の愛人との出会いを経て成長していく物語。映し出される場所や流れる名曲によって、マーク・ウェブ監督のニューヨークへの憧れが伝わって来る。

主人公の青年トーマスにカラム・ターナーが、謎の隣人にはジェフ・ブリッジスが。そして、トーマスが想いを寄せる古書店員のミミと入ったナイトクラブでは、父の浮気現場を目撃する。

鬱病の母親のことが心配なトーマスは、浮気相手の女性ジョハンナを尾行するようになるのだったが…。父親にピアース・ブロスナンが、その愛人のジョハンナにはケイト・ベッキンセイルが扮しているし、母親にはシンシア・ニクソンが扮している。

配役も渋くてニューヨーカー風であり、だがトーマスが「今のニューヨークは商業主義に覆い尽くされ、新たなムーヴメントは起きなくなってしまった」と考えるように、かつてのウディ・アレンが描いた街の肌触りは伝わってはこないのだ。

出版編集にたずさわる人物が出て来るけれど、彼らの未熟な言動は時代のせいなのかもしれない。それに、あとあとに効いてくるのだろうと思える意味深長なセリフが多数聞こえつつ、なかなか話の焦点は見えてこない。

ですが、あるシーンで、ジェフ・ブリッジスが突然映画を動かすのだ。彼のこの演技には、どうしたって心を奪われないわけにはいかず、その後は作り手のなすがままで観てしまっている。どうやら、母親が学生時代に付き合っていた恋人が彼なのだ。それに、どうやら自分の本当の父親らしい。最後に母親が、彼と本屋で会っている、にこやかな笑顔が目に入るのだ。

それに、この映画は、まさに我々が憧れていた、たぶん脳内にしか存在しないであろう、ニューヨークの物語であり、美しい寓話を観ている思いがする。

エンパイア・ステートビルを始めとしたベタなランドマークは出てこないのもいい。セントラル・パークは出て来るが、これ見よがしには映してはいない。

これが上流階級やそうでない者も含めて、マンハッタンで生きる人々の生活感を上手く醸し出しているのも良かった。

マーク・ウェブ監督が『(500)日のサマー』以前から映画化を熱望していた企画だが、妙に力を入れることもなく、若い層も中年や壮年と呼ばれる層にも、観れば何かしら心に響いて来るドラマに仕上げているのも良かった。

だから、画面には洗練された色使いにウィットに富んだセリフや、卓越したサイモン&ガーファンクルの選曲センスなど、それに画面を彩るニューヨークの穴場スポットの数々が効いている。

それにしても、父の愛人に接触して、別れてくれるように迫った主人公だが、ジョハンナの大人の美貌と色香に次第にひかれてしまい、関係を結んでしまう。そのことが父親にバレてしまい、息子は本気に惚れてしまい、恋人のミミは息子に本気に恋をしてくるし、父親は愛人のジョハンナとは別れられないし、母親と離婚をして結婚まで考えているのだ。

主人公に“人生のヒント”を与えるお節介な隣人と、同世代の女の子とは違う大人の知性をまとった父の愛人。人生に迷う青年が、奇妙な隣人や父の愛人との出会いを経て成長していくサクセス・ストーリー。魅力的なキャラクターたちの名言の数々や共に過ごした日々が、未来へと向かう青年の後押しとなっていくのも中々良かった。

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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア★★★・5

2018年04月17日 | アクション映画ーサ行

第70回カンヌ国際映画祭脚本賞に輝いた、『籠の中の乙女』『ロブスター』などのヨルゴス・ランティモス監督によるダークスリラー。妻子と共に幸せに暮らす外科医が、ある少年との出会いを機に思わぬ事態に追い込められる。主人公にふんするのは、ランティモス監督の『ロブスター』に出演したコリン・ファレル。その妻をオスカー女優のニコール・キッドマン、主人公一家に災いをもたらす少年を『ダンケルク』などのバリー・コーガンが演じる。

あらすじ:心臓外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は、美しい妻(ニコール・キッドマン)と二人の子供と一緒に郊外の豪邸に住んでいた。しかしある少年(バリー・コーガン)を家に招いたことをきっかけに、子供たちが突然歩けなくなり目から赤い血を流すなど、異変が起こり始める。スティーブンは、究極の選択を強いられることになり……。

<感想>冒頭での不協和音のBGMの嫌~な音響効果から、これから始まる映画の展開が不条理なサスペンス・スリラーの予感がした。愛する妻と子と囲まれ順風満帆な人生を送ってきた心臓外科医が、一人の少年を家に招き入れたことから、究極の選択を迫られることになる。

心臓外科医にコリン・ファレルが、口の周りの顎髭が濃いので似合わない。演技はこの手にかけてはお手のものでしょうに。妻のニコール・キッドマンは美容整形のおかげだろうが、年齢よりも美しく見え、ベッドに下着をつけて寝る姿も美しかった。

少年に夫が脅されていると感じた妻が、今の生活を壊したくないため、2人の子供が少年の呪い魔術にかけられたごとく、子供2人の体が歩けなくなったり、食べ物が食べられず体が憔悴しきっていく様に驚く。初めは、父親に対して嫌がらせをしているのかと思った。

父親が大病院の心臓外科医と言うこともあってか、2人の子供たちは全身の精密検査をして、病気の原因が分からないということに。人間は点滴だけでは生きながらえないから。口からの食べ物で栄養源を取らないと死んでしまう。

物語の様相が露わになってくるとともに、恐怖が走りいったいラストはどうなってしまうのかと、不安満点で見続けてしまった。

ランティモス監督の『ロブスター』より、ドラマがシンプルな分、一つのカットに込められた意味の密度が際立っている。徹底的にリアリティを排除した画つくりと演出が、緊張感を生み出している。

画面にドアップで映し出される心臓の鼓動の音と動き。何だか「罪と罰」のテーマを徹底的に突き詰めた、独創的設定のサイコスリラーもの。物語が進むにつれて露になってくる、極め付きは主人公の少年バリー・コーガンの顔。発達障害者だというが、いるだけで何らかの意図を読み取らずにはいられない。

その少年の父親が事故で病院へ運ばれた時に、心臓外科医のスティーブンが酒を飲んでおり、手術にミスをしたようですね。それを少年と母親は妬み、自分たちの生活やその他のことも全部スティーブンが面倒を見ているようだった。

それでも、少年はスティーブンの家族が幸せそうなのを怨み、学校へは行ってないのか、常に病院のスティーブンの所へきては脅すような、思わせぶりをする。家にも食事に来ることを強要して、少年の母親もスティーブンに色目を使い誘惑をするのだ。

最後の選択には、魔物から家族を救うには、もはや生贄しかないという思いが、主人公スティーブンに行動を起こさせる。妻が夫にささやく「死ぬのは子供しかない、また作ればいいのだから」母親と言うよりも、女として生きているニコール・キッドマンの冷やかな顔といったらない。

後味の良い映画ではないし、観ている間も決して心地よい瞬間はない。悪趣味映画といっていいのかもしれませんね。しかし、グロテスクな映像は見せてはいないのだ。

少年バリー・コーガンが相手の自滅を招く究極の思わせぶりは、演技と言えども恐ろしく感じた。何故に彼があんな能力を持っているのかが、一切語られることなく、物語がひたすらバットな方向へと進んでいくのには、シャラマン的世界観と同じようにも見えました。最近多いトラウマ映画の中でも群を抜いていい仕上がりでした。

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