パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ビューティフル・デイ★★★

2018年06月30日 | アクション映画ーハ行

カンヌ国際映画祭で脚本賞と男優賞の2冠に輝いたクライム・ドラマ。ジョナサン・エイムズの同名小説を「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督、「ザ・マスター」「インヒアレント・ヴァイス」のホアキン・フェニックス主演で映画化。闇社会での人捜しを専門に請け負う孤独な元軍人の男が、組織に掠われた少女を救出する中で思わぬ陰謀に巻き込まれていくさまと、心が壊れてしまった少女との間に芽生える絆の行方をスタイリッシュなタッチで描く。共演はエカテリーナ・サムソノフ、ジュディス・ロバーツ。

あらすじ:元軍人のジョーは行方不明者の捜索のスペシャリスト。トラウマに苦しみ、自殺願望を抱えながらも、危険な汚れ仕事で生計を立て、年老いた母を世話していた。ある日、警察沙汰にしたくない州上院議員から、10代の娘ニーナを売春組織から取り戻してほしいという依頼が舞い込む。さっそくハンマー片手にニーナが囚われている娼館に乗り込み、無事少女を救い出すことに成功するジョーだったが…。

<感想>あの超・実力派にして超・個性派であるホアキン・フェニックス、本作では大きなトラウマを心に抱える、捜索・暗殺のプロを演じ切った、こん身の姿から目が離せない。

ジョーが自殺願望にさいなまれるのはなぜなのか。幼少時の父親からの壮絶なる虐待、過去のトラウマがフラッシュバックする。

セリフが少ないし、寡黙な殺し屋というと、「レオン」を思い出すが、それとも違う人物像であり、アカデミー賞に3度ノミネートされた確かな演技力の持ち主が、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。

死の誘惑に取り憑かれた凶暴な男が、ブロンド美少女を性的虐待から救出する構図は、余りにもハードボイルドの典型に収まっているが、少女を演じたエカテリーナ・サムソノフは、きっとワシコウスカや、ファニング姉妹の後釜を継ぐスターになると思いますね。

孤独な「一人」と「独り」が対峙する、二人のシーンが印象的でした。ジョーが年老いた母親と銀食器を磨くシーン。

彼が母親と暮らしているが、意外と母親には優しい言葉を投げかける。その母親が、自分の仕事の敵に殺されたことに腹を立てて、キッチンで死にかけた男(幼児性虐待の州知事)に、まるで獰猛なオオカミのような凄みで悪党どもに襲い掛かる。

何ともはや、セリフではなく中年太りのフェニックスの後ろ姿から物語っているようだ。リン・ラムジー監督の圧倒的な緊迫感と斬新な手法で描かれる攻防は、見る者を驚かせる。

少女が監禁されている建物に乗り込み、一歩一歩進んでいく主人公をカメラがとらえ、緊迫感が高まっていく。だが、その後何が起こるのかをズバリとは映さない。説明的な描写は可能な限り排除しており、観客の想像力を搔き乱させる情報だけを映し出し、「そこで何が行われていたのか」を見ている観客に感覚として痛烈に伝えるのだ。この先鋭的な演出力に戦慄を覚える。

それに、音響効果も相俟ってか、ノイズのノコギリの音のような不快な音が奏でられ、この映画を作り上げるための完璧な一部となっているのにも驚かされた。それが、世界的人気を誇るロックバンド“レディオヘッド”で、サウンドの中核を担う、ギター担当のグリーンウッドが、濃厚なサウンドを作り上げているのである。

緊張と不安がかき立てられるシーンでは、神経を逆なでするノイズが、不協和音のように鳴り響き、犯罪組織に迫るとともに、重低音が主人公の鼓動を表現するかのように高まっていく。「ファントム・スレッド」で第90回アカデミー賞作曲賞ノミネートを受けていて、この物語との一体感が強烈すぎるくらい盛り上げるのには重要な役割である。

優しさやユーモアがほの暗い灯の中で、孤独な人間の心に満ちた怒りは哀しみへと変わっていくのだ。このシーン、静かな変化に息を潜めて観るのは辛いが、ラストシーンが素晴らしかったので良しとしよう。ジョニーと助けた少女ニーナの迎える朝は、最後に残る気配までが、タイトル通りの美しさだった。

 

018年劇場鑑賞作品・・・124アクション・アドベンチャーランキング

 

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ゆずりは★★★

2018年06月29日 | アクション映画ーヤ行

人気ものまねエンタテイナー、コロッケが本名の滝川広志名義で映画初主演を果たしたヒューマン・ドラマ。新谷亜貴子の同名小説を原作に、葬儀社に勤めるベテラン社員と新入社員が、葬儀の現場で出会う様々な別れと悲しみの人間模様を優しく見つめていく。共演は柾木玲弥、勝部演之。監督は「eiko[エイコ]」の加門幾生。

あらすじ:葬儀社の営業部長・水島は、茶髪にピアスで面接にやって来た若者・高梨を、周囲の反対を押し切って採用する。水島の見込んだとおり、一見軽薄に見える高梨は、遺族の心にきちんと寄り添える優しい若者だった。そんな高梨との出会いをきっかけに、それまで悲しみの心を押し殺してきた水島にも少しずつ変化が生じていくのだったが…。

<感想>「おくりびと」とは異なり、送る人と送られる人、こちらは葬儀社の物語。それも、主人公がものまねのコロッケが、本名の滝川広志で初出演だという。コロッケが持ち味の表情も動きも止めて、シリアスな演技派に転向するなんてと、心配になったが、感情をあらわに出来ない抑圧が役柄と相まっていて好演。元々、皺ひとつから自在に動かせる芸達者な存在だけに、動きを制限されるとその中で、目一杯見せようとするだけに、演技が引き立ちます。

今までの「おくりびと」以降の葬儀屋の映画のパターンに収まった作りとは言え、これから世の中、葬式ばっかりになるわけだから、葬儀屋さんの仕事をきちんと描く企画は望ましいと思う。

そして、過剰に挿話を盛り込もうとせず、主人公自身の抱える問題と上手く対比させながら、型破りな新人社員との因縁も絡ませる作劇も、無駄がなく好感がもてましたね。新入社員の飼っていた「おかめインコ」の話が面白かった。

どうして新入社員の男の子が、見も知らぬ故人のためにスピーチを引き受けることになったのかが、興味深かったです。老夫婦の夫が亡くなり、葬儀をするのにもお金がない。予算が30万円でという最低ランクの棺桶やら、式場にその他で、確かにお金がかかるのだ。でも、お金を借りて高い葬式をあげるのはどうかと思いますね。その人に見合った葬式でいいと思います。だから、身内だけで葬式をすませるのが最近多いですよね。

新入社員の柾木玲弥くんの涙、涙のお別れのスピーチに誘い涙が出てしょうがなかった。お隣さんもすすり泣きをしてました。夫が盲目で、色が見えない、想像の色は白黒で、アルバムの写真も白黒が多いのだ。夫婦で散歩をしながら、妻が喜んでいる時はピンクの色が、二人で出会えない時には心がブルーになるという夫。バラの花が大好きな妻が、夫に教える花の色。そして、最後に柾木玲弥くんが喪主のお婆さんにそっと手渡すピンク色のバラの花、それを棺の中に入れてやる。そんな心温まるお話でした。

そして、女子高生のいじめによる自殺。その女の子の葬儀には、後ろの席に並んで座っていた女子高生たちが、ぺちゃくちゃと煩いし、担任の先生が両親に土下座をして謝るところで、その女子高生たちが、土下座に笑うのだ。いじめられて死んだって、加害者は、反省も、後悔もしやしないと、やりきれない気持ちになる。

葬儀の和尚の読経の間にも、女子高生がぺちゃくちゃと、その女子高生に対して、新入社員の柾木玲弥くんが、真面目に葬儀に参列しないのなら帰ってくれと怒鳴ってしまう。怒りに任せて葬儀をぶち壊してしまい、ざわざわと、参列者たちもあまりいい気持ではない。それを、営業部長・水島が叱り飛ばす。せっかく来てくれた参列者に対して失礼だろうというのだ。注意をして悪いのかどうかは、観客の見ている人たちが決めようではないか。

この新入社員との出会いは、まだ子供だったころに、父親が事故で亡くなり、その少年に水島が、「頑張れよ」と言ったことに対して、反撥してしまったことなど、そんな因縁があるのだ。

それに、主人公の水島も妻を自殺で亡くしている。それも葬儀社の社長の娘が妻だったことで、子供が出来なかった。それが男の自分に責任があったことで、子供がなくても二人で生きて行こうと言ったのに。妻は生きる希望を見失い死んでしまった。

ラストで、葬儀社の社長が突然死をする。まえから心臓が悪かったらしいのだが、みんなで社葬をするところ。そこで社長の遺書によって明かされる、水島の妻のことが、実は養女だったことが。社長も子供の出来ない男だったのだ。

タイトルの「ゆずりは」のことを社長がスピーチでお話をするところ。葬儀社の庭には、「ゆずりは」の樹が植えられている。樹齢40年、亡くなった娘を養女に向かえた日に植えたそうです。

注:ユズリハの名は、春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから。その様子を、親が子を育てて家が代々続いていくように見立てて縁起物とされ、正月の飾りや庭木に使われる。

 

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焼肉ドラゴン★★★・8

2018年06月27日 | アクション映画ーヤ行

「愛を乞うひと」「血と骨」などの映画脚本でも知られる人気劇作家・演出家の鄭義信が、数々の賞に輝いた自身のヒット舞台を、自ら初監督を務めて映画化した感動の人情コメディ。大阪万博前後の関西の下町を舞台に、小さな焼肉店を営む在日コリアン一家が、時代の波に翻弄されながらも逞しく生きていく姿を笑いと涙で綴る。出演は真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大泉洋らに加え、両親役には韓国の名優キム・サンホ、イ・ジョンウン。

あらすじ:大阪万博が目前に迫り活気溢れるとある地方都市の路地の一角。第二次世界大戦で左腕を失った龍吉は、故郷の済州島を追われて来日した英順と再婚し、ここで小さな焼肉店“焼肉ドラゴン”を開業し、4人の子どもたちを育てるために身を粉にして働いてきた。そんな中、中学生になった末っ子の時生は学校でイジメに遭い心を閉ざしてしまう。一方、次女の梨花は、夫・哲男が幼なじみでもある長女・静花への恋心を今も捨てきれずにいることに苛立ちを募らせていくのだったが…。

<感想>舞台演出家としての鄭義信には、“鄭三部作”と呼ばれる在日コリアンの歴史をたどった家族劇がある。「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」と、上記の作品では、戦争、政治、経済の荒波に否応なく巻き込まれる市井の人々の逞しさを描いて来た。戯曲版「焼肉ドラゴン」は日本の新国立劇場の10周年、韓国の芸術の殿堂20周年の記念に共同制作され、その後も再再演されたもの。映画の舞台は、大阪万博開催中の関西のとある町。モデルは伊丹空港近隣の国有地にあった集落ですが、姫路城の外堀の石垣のある場所に、戦後、土地を持たない人たちが勝手にバラック小屋を建てた特殊な町。

映画では“焼肉店ドラゴン”を営む父親、龍吉のセリフの「この土地は醤油屋の佐藤さんから買ったんだ」が父親の口癖でした。少年時代の末っ子の時夫は、バラック小屋の屋根に上がり、夕焼けを見上げては、そこで暮らす大人たちを「どうしようもない人だ」と見ていた。しかし、大人になって事情が理解できるようになり、自分だってだらしない人間だと自覚することで、あの町の人たちの愛すべきところや、それぞれの人生や生活の形が分かるようになってきたのだ。

この焼肉ドラゴンでは、三姉妹が主人公であり、長女が足に障害持つ設定や、一人の男性をめぐる長女と次女の関係など、重なり合うエピソードが面白い。

長女・静花には真木よう子が、美人で勝気な性格で店を切り盛りしている。店に来ている客にプロポーズをされ、前から好きだった哲男と、その相手の男ハン・ドンギュと、やかんに入った酒(マッコリ)を「ご返杯!」と言いながら次々と飲み干すシーンでは、本物の酒を呑んでいるわけないと思いつつも、何倍もお代わりをして飲むのに、最後には吹き出してしまう哲男。

次女の梨花・井上真央が、熱いテンションで大声で喚き散らすシーンとか、哲男と結婚するという日に、二人で大げんかするシーンもある。

そんな哲男を演じた大泉洋は、短気で喧嘩っ早くて、非常に直情的。その裏には1970年という高度経済成長期に浮かれる日本で、在日韓国人として生きる厳しい現実と、そして次女の梨花と結婚しながらも、その姉・静花への想いを断ち切れないという複雑な内面も抱えている。

哲男は小さい頃からの幼馴染である長女の静花に想いを寄せているのだ。そのことで、ひと悶着があり、どうして、静花が足に障害を負ったのかが明かされ、二人は相思相愛の仲なのに、はっきりと言い出せない哲男の男としてのずるさがある。まぁ、最後には二人が一緒になるのだけれど。

三女の美花は、キャバレーに働いていて、店のバーテンダーと恋仲になるも、その男には、歌手の年増の女がいるのだ。この女同士の口喧嘩も、あの時代ならではのもの。それでも、妊娠をして結婚をする三女夫婦。

まず、「焼肉ドラゴン」が国有地の上に建つゆえ、常に立ち退きの問題が付き纏う。店にはいろんな国籍の人間が足を運び、同じように食べて笑い、酒を飲んでは喧嘩しながらも仲良く暮らしている。

近くに川が流れており、トタンの廃材で建てたバラック小屋が一列に並んでいる。自転車にリアカーが荷物を運ぶのに便利で、店主の龍吉・キム・サンホは戦争で故郷(朝鮮)と左腕を奪われながらも、常に明るく前向きに生きており、妻の英順・イ・ジョンウンが、下働きをしながら一家を支えている。

後半部分で、龍吉・キム・サンホが済州島四・三事件について語るシーンがあり、かなりの長セリフなれど、日本語をよくマスターして上手かったです。

悲しい話ですが、冒頭でナレーションをしていた末っ子の時生は、有名私立校に通っていたが、韓国人であるが故のいじめに耐えられずに自殺してしまう。過去も現在も、子供たちのイジメによる自殺があることは、大人たちがもっとしっかりと子供たちに目を向けて助けてあげないといけないのではないかと思います。

やがて万博も終わり、立ち退きを迫られていたこの家族にも、それぞれに旅立つ日がやってきました。哲男と静花は北朝鮮へ、梨花たちは韓国へ、美花は妊娠し日本に残ることになる。どこへ行くわけもなく、リアカーに荷物を乗せた父は、母をリヤカーに乗せこの地を旅立って映画が終わる。

多くの韓国人たちは在日韓国人のことを知らなくて、在日のイメージも大金持ちか貧乏人の二極しかない。同じ在日コリアンの家族の話でも、「血と骨」は強い人たちの話であり、ギラギラとしているが、こちらの「焼肉ドラゴン」は和やかで柔らかい。どんな人生であろうと受け止めて、どっこい生きている、そんなたおやかな人たちの物語。

龍吉が言う、“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”というセリフに尽きる映画だと思いますね。どんなに辛い過去があっても、明日を信じてもがき戦い続ける家族のお話。観た方が“明日もがんばろう”って思える作品です。

018年劇場鑑賞作品・・・122アクション・アドベンチャーランキング

 

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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法★★★・5

2018年06月26日 | アクション映画ーハ行

前作「タンジェリン」で注目を集めたショーン・ベイカー監督がフロリダの安モーテルを舞台に、社会の底辺で生きる母娘の厳しくも愛おしい日々を優しく見つめた感動ドラマ。やんちゃな6歳の女の子が、過酷な現実の中でも周囲の大人たちに守られて伸び伸びと暮らしていく姿を、次第に浮かび上がるアメリカ社会の矛盾とともにカラフルな映像美で描き出していく。主演は天才子役と高い評価を受けたブルックリン・キンバリー・プリンスと演技初挑戦のブリア・ヴィネイト。共演に本作の演技でアカデミー賞助演男優賞にもノミネートされたウィレム・デフォー。

あらすじ:“夢の国”ディズニー・ワールドのすぐ隣にある安モーテルに流れ着いたその日暮らしのシングルマザー、ヘイリーと6歳の娘ムーニー。無職のヘイリーが滞在費の工面に頭を悩ませる一方、ムーニーは同じモーテルに暮らす子どもたちと一緒に、周囲の迷惑も顧みずにイタズラし放題の冒険に満ちたキラキラの毎日を送っていた。管理人のボビーは、そんなムーニーたちのやんちゃぶりに手を焼きながらも、優しく見守っていくのだったが…。

<感想>この映画は、夢の国「ウォルト・ディズニー・ワールド」リゾートがすぐそばにありながら、その華やかさとは全く縁がない世界の話。今から、50年以上も前に、ウォルト・ディズニーはフロリダ州オーランドに、第二のディズニーランド、しかも単なるリゾート施設ではない、実験的未来都市を作るつもりで土地を購入した。計画半ばでウォルトはこの世を去り、最終的に彼の志とは異なる形になったものの、1971年、世界最大級のリゾ-トが完成。以来、ウォルト・ディズニー・ワールドは、リゾ-ト施設として未だに世界最高の入場者数を誇るという。

今年のアカデミー賞でタイトルを聞くまで、そういう映画の存在も知らなかったのだが、世界にその名を轟かせるこの夢の国のごく近い距離にありながら、その華やかさとはまったく縁のない世界を描いた傑作でもあります。

舞台はディズニー・ワールドへとやってくる観光客を目当てに建てられたモーテル群。近くには高速道路が走り、確かに需要はありそうに見えるが、実際のところ、モーテルを利用しているのは、殆どが職なしか、金なし、他に行き場のない人々たち。

主人公のヘイリーとムーニー母娘が、その日暮らしをしているのも、そんなモーテルの一つ“マジック・キャッスル”だ。紫いろの魔法のお城で暮らす子供たちは、したたかである。通りすがりの観光客や大人に小銭をねだれば、アイスクリームを食べられるからだ。友達みんなで一つのアイスでも、一緒に食べればそれも楽しいおやつタイム。車にツバを吐いて遊び、近所の空き家を探検し、挙句に果てには放火までする。

元気いっぱいやりたい放題の子供を放っておくしかないほど、大人たちの生活は汲々としている。モーテルは宿泊施設なので、無期限に住むわけにはいかない。それでもいったん入ったら、これ幸いと出て行く人もいない。追い出したくとも、ヘイリーとムーニーのような、他に身寄りもなく生活の手立てもなさそうな母娘が相手となると、並みの神経ではとても邪険には扱えないし追い払えないのだ。

タイトルの“プロジェクト”には、「低所得者向け公共住宅」とか、「貧困地域への支援活動」という意味があるらしい。まさにこの「モーテル」が「フロリダ・プロジェクト」そのものなのだ。まさにフロリダ独特のパステルカラーを使って表現している、とても巧い演出効果である。それに、花火に虹とくればなおさらのこと。

毎日の食事は、食堂の残り物や、教会の支援がなければ暮らせず、家賃を捻出するためにインチキな香水を観光客に売りつける。ヘイリーが娘と生きてゆくために取った手段は、モーテルの部屋に観光客を売春でおびき寄せることだ。それこそが彼女から娘を取り上げる理由になってしまう。そんなこと、充分に分かり切ったことなのに。

この映画が、是枝裕和監督の「誰も知らない」を参考にしたところがあるそうですが、児童福祉局が介入してヘイリーとムーニーは、引き離されることになります。この映画はドキュメンタリーなのか、生意気で小憎らしい子供たちの下品な言葉使いとか、子供たちと大人のやりとり、言葉や動きのすべてが、そこに暮らしている時間が溢れて寒気がするほど。

監督が実際にその場所で、自分の耳、眼で見聞きして来たそのままを、どういう手段でかスクリーンに映しだしたものを見せられているという感じになっている。そんな彼女たちにも頼りになる人がいないわけではない。モーテルの管理人ボビーがその人で、演じているウィレム・デフォーがぴったりのハマリ役でした。

彼自身も大した力があるわけではないが、大きな頼もしい安心感を母娘に、観ている観客にも与えてくれる。ですが、彼にも出来ないこともある。それは、別のモーテルに住んでいるアシュリーという友達、娘がジャンシーと言って、ムーニーと仲良しである。アシュリーはファミリーレストランで働き、残り物をヘイリー親子に分けて上げている。

だが、ヘイリーが売春をしてしまい、そのことが自分の娘の教育上に悪いことと知り、警察へ電話をして児童福祉局から局員たちが調べにくる。ヘイリーは、自分のしていることが、その内に警察に知れることとなり、娘と離れて暮らすことを考えていたに違いない。ある日の朝は、二人で立派なホテルに忍び込み、モーニング・バイキングをたらふくご馳走になる。

そして、児童福祉局の人たちが娘のムーニーを迎えに来ると、ムーニーは直ぐに隣のモーテルの親友ジャンシーの元に行き、ムーニーが初めて涙を見せる場面に、それを見たジャンシーがとっさにムーニーの手を掴んで、高速道路の向こう側にある「ディズニー・ワールド」へと二人で手を繋いで入って行くのでした。そこには、綺麗な虹が出ていてこれからの未来を祝福しているようにも見えましたね。

これが英国映画なら、福祉行政の谷間の出来事として描き、時には母親に対して厳しい処断を下すところだが、そこには最大限個人の自由を認めるアメリカのこと。法に触れないかぎり、モーテルに住む人々、中でも子育て中の母親に暖かい手を差し伸べるのだ。

最後の魔法の在りかを見つける子供たちも素晴らしいが、この母親の芯の強さには驚き返す言葉もない。安易な成長を拒否するかのようにひたすら娘に愛をそそぐその頑固一徹さはどこから来るのか。そこに管理人のウィレム・デフォーも、びっくりの移民の底力を見せつけられたような気がした。

ショーン・ベイカー監督の全編iPhoneで撮影した映画「タンジェリン」は、まだ観ていないので、これからDVDで鑑賞したいと思っています。

018年劇場鑑賞作品・・・121アクション・アドベンチャーランキング

 

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オンリー・ザ・ブレイブ★★★・5

2018年06月25日 | アクション映画ーア行

全米中に衝撃と悲しみをもたらした2013年の悲劇の実話を「ノーカントリー」「ヘイル、シーザー!」のジョシュ・ブローリン主演で映画化した実録スペクタクル・ドラマ。2013年にアリゾナ州で発生した大規模森林火災に立ち向かう森林消防の精鋭部隊“ホットショット”の男たち20人の絆と運命を描く。共演はマイルズ・テラー、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・コネリー。監督は「トロン:レガシー」「オブリビオン」のジョセフ・コシンスキー。

あらすじ:アリゾナ州プレスコット市の森林消防隊員を率いるマーシュは、過酷な任務に耐えられるよう、日々隊員たちを厳しく鍛え上げていた。ある日その森林消防隊に、薬物中毒の過去があり、おまけに窃盗罪で保護観察中の若者マクドナウが入隊を希望する。“娘が生まれたのを機に心を入れ替えたい”という彼を、マーシュは周囲の反対を押し切り採用する。そしてマクドナウはその言葉通り、過酷な訓練に必死で食らいつき、次第に他の隊員たちの信頼を勝ち取っていく。そんな中、現場での裁量権を持つべく、地方自治体の消防隊としては前例のない、特別な精鋭チームにのみ与えられる“ホットショット”の認定を受けようと考えるマーシュだったが…。

<感想>森林火災消防隊のエリート「ホットショット」が、2013年のアリゾナで、巨大な山火事に立ち向かったときの実話に基づき、真面目でキメ細かい演出。スペクタルな最終場面までは、隊員の地味で過酷な訓練を丁寧に見せている。始めは、エリート集団の「ホットショット」に入れずに悩んでいた隊長のジョシュ・ブローリン。彼がホットショットの指揮官になるまでに、費やした努力の大きさに感動しました。

森林火災の鎮火は通常の建物火災と違って、「水」を使って行うものではないことが分かります。冒頭では「消防界のネイビーシールズ」と言われる精鋭部隊“ホットショット”がクワを手に、迫り来る炎を食い止めるための溝を一心不乱に掘る姿がとらえられ、火のついた油をまいて、進んでくる炎が燃やそうとする木々を「先に燃やして失くしてしまう」作戦が映し出される。

勢いを増して進んでいく消防士たちの炎は、やがて火事の炎にぶつかり、その行く手を封じ込める。巨大な炎を前にしながらも、ここから先には行かせないという男たちの勇姿にも引き込まれる内容でありました。

アメリカの森林消防隊についての知識が事前にあればもっと面白いのかもしれないが、訓練の実際や、アリゾナはこんな暮らしがあるのか等々。地味な展開の中で見るものすべて新鮮で、じわじわと嬉しくなってしまう。

そして男性的な世界観と、家族の原理の相容れなさが、話の軸の一つかと思いきや、ことはもっと複雑だと分かって来る。つまり「海猿」とか危険を伴う仕事に就く夫の留守を預かる妻として、子供を育てることはもちろんのこと、消防隊員の家族とも仲良くし、寝ている時に連絡が入ればすぐにでも飛んでいく仕事、その後、夫が無事に帰って来るかと安否が気遣われて、妻たるもの気丈に振舞わなければ心が持たない。

だから、クライマックスの突然の壮絶さに、隊員19人の死亡確認の知らせが入ると、20人いるのだから独り生きているのは誰か?と気にかかるのはもちろんのことで、続いて喚起される感情の奔走の流れに、あっという間に押し流されてしまうのだ。この場面では、つい胸が詰まって涙がこらえられなかった。

隊長のジョシュ・ブローリンと妻のジェニファー・コネリーの、仲睦まじい日常生活の描き方が巧く、子供は作らないという夫の申し出を、後になって妻は夫にもしものことがあれば、子供と共に生きていけるということで後悔しているのが気の毒に思った。

「セッション」「ビニー 信じる男」のマイルズ・テラーが、元ドラッグ中毒だが、娘が生まれたことを機に人生を変えようと消防隊の門を叩くマイルズ・テラーと、彼を鍛え抜く隊長のジョシュ・ブローリンとの“師弟愛”が熱い。一人前の隊員として成長し、築かれていく固い絆が胸を打つ。

主人公マクドナウの成長や、仲間との絆をめぐるドラマも、森林消防隊のわりには、弱火チョロチョロという感じで始終盛り上がらず仕舞い。メンツが面子だけにもったいない演出でした。何故にマクドナウ一人が助かるのかいという悔しさ。

映画で熱く燃える要素のひとつは、猛威を振るう強大な自然の力に、ちっぽけな……だが、強い意志を持った人間が命を懸けて立ち向かう姿に熱くなる。巨大な炎はどの方向に、どれだけのスピードで進んでくるのか。それを決めるのは風速、風向き、そして気温や湿度だ。優秀なプロを名乗るなら、気象情報を読み解く能力は最重要。火事の進路を読み取り、先回りせよ。

隊員たちのじょうだん交じりの消防士生活に感情が移入してしまい、クライマックスの凄まじい森林火災に、空からの消火ミスがうらめしく思ってしまった。

今回の相手は、巨大な炎。山を覆い町に迫り来る火事との、人知を尽したバトルが描かれる。まるで高い温度がそのまま伝わってくるかのような、本作で描かれる大規模火災は、撮影用に構築した森に実際に火を放って捉えられた実写映像。VFX全盛の現代において、あえてリアルな炎にこだわっただけあって、その迫力はすさまじい。

森林消防隊の働きや山林火災がいかなるものかを、真摯に捉えようとしているのだが、一番派手な場面が火だるまになって突っ走る熊を見たという、ジョシュ・ブローリンの想い出話なのは寂しすぎる。愛する者を守るため、すべてを焼き尽くそうとする未曽有の山火事に立ち向かう20人の男たちを描くスペクタクル・ドラマ。

それが、ラストで山火事の恐ろしさが、本当になってしまったということが残念でならない。隊長の号令ひとつで防火テントを取り出し、いつでもどこでも退避行動に突入!しかし、防火テントが役に立たないくらいの、風と共に襲い掛かる森林火災の猛火。消防隊員たちの、命の尊さの重みがずっしりと手ごたえがありました。

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空飛ぶタイヤ★★★・5

2018年06月24日 | アクション映画ーサ行

WOWOW製作の連続ドラマ版も好評を博した池井戸潤の傑作企業小説を長瀬智也主演で映画化した社会派ヒューマン・サスペンス大作。ひとつのリコール隠し事件を題材に、事故原因が自社の整備不良だと疑われ窮地に陥った弱小運送会社社長が、その汚名をそそぐべくたった一人で真相究明に奔走する中で、やがて思いも寄らぬ大企業の巨大な闇に直面していくさまを豪華俳優陣の共演で描き出す。共演はディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、笹野高史、岸部一徳。監督は「超高速!参勤交代」の本木克英。

あらすじ:ある日、1台のトレーラーが脱輪事故を起こし、歩道を歩いていた子連れの母親が外れたタイヤの直撃を受け死亡する。製造元のホープ自動車は、事故原因を所有者である赤松運送の整備不良と決めつける。社長の赤松徳郎は世間やマスコミの激しいバッシングを受け、取引先を次々と失った上、銀行にも冷たくあしらわれ会社は倒産寸前に。それでも自社の整備担当者を信じて独自に調査を進め、ついに車両自体に欠陥があった可能性に辿り着く赤松だったが…。

<感想>池井戸潤のベストセラー小説の映画化であり、死者を出したトラック脱輪事故の責任を問われた運送会社社長が、巨悪を暴く闘いに挑む本作では、大企業と中小企業、組織と個人、理想と現実の相克を描く池井戸お得意の群像劇であり、某自動車メーカーの実際のリコール隠し事件を下敷きにした、ノン・フィクションの意味合いも持つ一作であった。

社会派のメッセージを含んだエンターテインメント大作でもあり、これまで数々の映画やテレビドラマで多彩な役柄を演じてきた永瀬智也だが、過去の作品歴を見渡してもこの種の作品は決して多くはない。中小企業の社長という役柄というのも、年齢相応とはいえ、これまでの彼には珍しい役どころだ。

脱輪事故そのものに、そして巨大企業の組織ぐるみの隠ぺい工作によって、赤松社長と彼の運送会社は翻弄され、絶体絶命のピンチにまで追い詰められていく。大きな組織に戦いを挑みはするが、赤松の活躍は決してスーパーヒーローのそれではないのだ。

実際に運送会社社長は、メーカー側に事故原因の再調査を依頼し、同様の事故を起こした会社を社長が訪ねて、と足を使って次第に事の真相に近づいてゆくのであって、その様子はまるでリアリズム刑事小説の刑事のようでした。

一方のディーン・フジオカが演じる沢田は、自らが属する組織の中での立場と、リコール隠しという不祥事を知ってしまったことによる倫理観との板挟みになって葛藤する難しい役どころでもある。

沢田は、根は真面目で優しい人だと思うんですよ。決して悪人ではない。でも組織の中で責任ある立場になった時に、真面目であるがゆえに非情にもなってしまう。組織の一員である以上は当然、出世欲もあるあるだろうし、でも、そこでの駆け引きも鈍感ではないから、組織の倫理として、それは人としてどうなんだと、というところの間を揺れ動いている。とても人間らしいキャラクターだと思いますね。

揺れ動き、変化するキャラクターだからこそ、その存在は作品そのもののテーマを体現することにもなり得る。明確な正義の人でも明確な悪役でもない沢田は、ある意味でこの映画の核となる部分を象徴しているとも言えるでしょう。大手自動車会社の社員による内部告発の下りもスリリングでありました。

今度は犯人側から、いつその犯罪が露見するかのサスペンスを主眼とするミステリになるわけであります。そのいつ明らかに、というスリルは、悪評で仕事を減らされ、取引銀行(これも財閥系)からも資金を引き上げられようとして資金難に陥る運送会社の財政的体力の消耗と絡み合い、時間との戦いとして相乗効果を挙げることになる。

上々たるキャストが勢揃いする社会派群像劇は、その重厚さゆえに物語のはこびが書き割りに陥りがちだが、本作がユニークなのは、むしろその弱点を徹底的に突き詰め、物語の説得力に転じているあたりだろう。

登場人物の心理描写、苦悩や怒りといったその感情の機微に、中途半端に目配りする代わりに、彼らの行動そのものにストーリーティングを集約しているとでも言うべきか。そこには永瀬智也やディーン・フジオカ、高橋一生ら役者陣への信頼関係を前提としてあるからだろう。

本作のカメラは時には、眼となって、人や柱が被写体を遮り、手持ち撮影に切り替わることで、視覚的な不安を無意識に訴求させているのだ。

互いの正義を似て対峙し、反発し、認め合う彼らのその後を、背中越しのアングルでとらえるカメラワークは、これは彼らが演じている様子ではなく、「生きている」現場なのだと訴えかけてくる。

現実である以上に本作が、普遍的な人の人生の物語として響くのは、それゆえなのだからと思う。

 

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OVER DRIVE★★★

2018年06月23日 | アクション映画ーア行

公道で繰り広げられる過酷な自動車レース“ラリー”を舞台に贈るカー・アクション・ムービー。ドライバーとメカニックとして世界を目指す兄弟の葛藤と絆を迫力のカー・アクションとともに描く。主演は「聖の青春」の東出昌大と「ちはやふる」の新田真剣佑、共演に森川葵、北村匠海、吉田鋼太郎。監督は「海猿」シリーズ、「暗殺教室」の羽住英一郎。

あらすじ:世界最高峰のラリー競技“WRC(世界ラリー選手権)”の登竜門となる国内トップリーグカテゴリーSCRS。そこでは若き才能たちがコンマ1秒を巡って熾烈な極限のバトルを繰り広げていた。スピカレーシングファクトリーの天才ドライバー、檜山直純は勝ち気にはやって無謀な走りを繰り返す。一方、兄の檜山篤洋は真面目で仲間からの信頼も厚いチーフメカニック兼エンジニア。そんな2人はレースのたびに衝突を繰り返し、いつしかチーム内にも険悪なムードが漂い始める。そこへある日、直純の新たなエージェントとして、ラリー競技はずぶの素人の遠藤ひかるがチームに加わるのだったが…。

感想>「海猿」シリーズで極限状態の海難救助を描いた羽住英一郎監督が、今度は自動車競技“ラリー”で速さの限界に挑む男たちを映し出している。主人公の東出昌大と新田真剣佑が、速さの追求のために衝突しながらも絆で結ばれた兄弟を演じている。

レーシングチーム・スピカレーシングファクトリーの司令塔とも言うべき、チーフメカニックの兄の檜山篤洋を演じている東出昌大。すごくマシンオタクなんですが、何故にそうなったかは自分自身が気づいていない。彼は現状の仕事にやりがいを感じている。29歳というある程度キャリアを積んだ身として多少の窮屈感も覚えている。映画の中では本人の成長とともに、何故に彼がマシンを好きになったのかという、部分も明かされていきます。

ラリーの世界には本気で男たちが、自分のすべてを懸ける世界があって、その熱量は本当に素晴らしいと思いましたね。使用されている車は、トヨタ・ヴィッツ(ヤリス)で1600CCながら380馬力。カラフルにコーティングされた車体が、目に爽やかな青色で素敵でした。山道の凸凹道や泥んこ道を走行するので、あっという間に青色の車が汚い色になっていた。それだけ、運転技術に技巧がいることを知る。

東出は、まず車のパーツや工具の名前を覚えることから始めて、長い時間をかけてメカニックの技術を身につけたと言う。メカニックを演じるみんなで、車をバラしていくという練習も何度もやった。自然に行動が出来るようにしていこう。という意気込みで取り組んでいく。

ラリーに関してはドライバーの方が危険なのはもちろんなので、メカニックもネジ1本締め忘れたらドライバーの命に関わるので、仕事に心血を注いでいる“車バカ”なんだというのだ。

そして、天才ドライバー檜山直純を演じた新田真剣佑は、体を鍛えて筋肉まんみたいに、上半身を見せるシーンがよくあった。彼はラリーに関するいろんな資料を読み、ルールやどんなレースでも、「1分1秒を争う」と言うことを言いますが、ラリーというモータースポーツは、本当にコンマ1秒まで争う過酷なスポーツだと知ったと言う。直純は誰よりも勝ことに熱心で、とにかく一番速くなりたいと思っている。

だから兄貴の篤洋とは対立するし、彼は過去に起きたある出来事を、今も背負っていて、でも自分の夢を叶えるため、そしてある人との約束を果たすために前に進んでいく男なんですね。映画の中では、観ていて胸が熱くなるような速さの限界を見せつけられます。

またライバルである新海には、北村匠海が扮しており、ふたりがプライドを賭けて戦います。新海は寡黙な役なんですけど、野性的な直純との対比ともいう意味で、ライバルが新田真剣佑で良かったと思いますね。新海のバックグラウンドや生い立ちを考えると、新海彰は代々、車に関わって来た家庭で、英才教育が凄くて、車のことしか頭にない男なんだと思えた。ただ、飄々とはしているが、中身はものすごく熱い男だと。酔っぱらって寝ている直純と新海がパーティで乱闘を繰り広げるシーンも、迫力がありましたね。

その後、兄貴の篤洋が車から降りてきた弟の直純と口論をする。危険に攻めすぎた走りをする弟を、冷静に叱る篤洋に、「俺は俺の走りをする」と反抗する直純の天才レーサーらしい生意気ぶりが、対照的な兄弟を表していて面白い。

そこに、素行の悪い直純のマネージメントとして、森川葵扮する遠藤ひかるが近づこうとして、メカニック班に「作業の邪魔だ」と言われ突き飛ばされる場面もある。まさにラリーのテントの中では、ちょっとした戦場のような雰囲気が出ているのが判る。

途中で少年時代の檜山兄弟が、自転車で山頂からふもとまでを競うシーンが織り込まれているのも感慨深い。公道を全開走行で駆け抜ける、最も過酷な自動車競技“ラリー”。その最高峰WRC(世界ラリー選手権)への出場を目指す、決して諦めない男たちの熱き闘いと絆を、「海猿」シリーズの羽住英一郎監督が描く。

チームで一緒に速さを求めていくので、メカニックとドライバーの間には、アツい友情が芽生えて来るし、一方では互いを認め合うからこそ、意見の衝突や闘いがあるのだ。モータースポーツとは非常に魅力的なスポーツでもある。

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家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。★★・5

2018年06月22日 | アクション映画ーア行

“Yahoo!知恵袋”の投稿から生まれた話題のコミックエッセイを「図書館戦争」「娚の一生」の榮倉奈々と「俳優 亀岡拓次」の安田顕主演で映画化したハートフル・コメディ。ある日突然“死んだふり”をして夫を出迎えるようになった妻と、彼女の謎の行動に振り回される夫が織りなす夫婦愛の行方を、妻のキュートな“死んだふり”の数々とともに描く。共演は大谷亮平、野々すみ花。監督は「デトロイト・メタル・シティ」「神様はバリにいる」の李闘士男。

あらすじ:バツイチのサラリーマンじゅんは再婚して結婚3年目を迎え、年下の妻ちえと幸せな日々を送っていた。ところがある日じゅんが帰宅すると、専業主婦のちえが口から血を流して倒れていた。動転するじゅんだったが、それはちえの“死んだふり”だった。以来、じゅんが家に帰るたび、手をかえ品をかえ迫真の“死んだふり”で出迎えるちえ。一度離婚を経験しているじゅんは、ちえの奇行の意味を図りかね、不安を募らせるのだったが…。

<感想>原作は知らなかったが、結構面白くて楽しめました。始めは、正直これで2時間もつのか不安でしたが、挿入されるいろいろな夫婦のエピソードが効果的でしたね。

結局は、と言ってしまうと、一言ですんじゃうのだけれども、榮倉奈々の妻が、趣向を凝らして死んだふりをするところが見どころだと思います。ロミオとジュリエットなんて定番すぎるよね。このお金いくら使ったのだろう?

他には、何があったっけ?、まぁ後輩の結婚生活の維持に、それなりの配慮をしているように見えた男の妻が、容易に解消できない鬱屈を抱えていたとかね。

榮倉奈々の父親(螢雪次朗)が、妻を亡くして落ち込んでいるときに、娘の後につながるような振る舞いをに助けられたとか。

特に主人公の同僚夫婦のフラストレーション描写が、ありそうで怖いですよ。どっちもいい人なのにね主人公がバツイチで、互いの結婚の意思を数年ごとに契約更改みたいに確認する、と言うバカ正直さもおかしい。もっともそれがストレスの原因だったりするわけだが。夏目漱石と森鴎外の文芸総覧ネタも意味深いですよね。「お月さまがきれい」とか、妻が愛読している本の中にヒントがあったのですね。

会社の同僚夫婦が心配して相談にのってくれるのだが、彼らにも夫婦の心配事があって、実は子宝に恵まれないのだ。病院へ行ったら、夫の精子が少ないということで、これではいくら小作りに頑張っても出来ないよ。結局はこの二人は離婚してしまった。

最初は日本人ではないのかと思ったほど、妻の言葉がたどたどしくて、この行為の裏にあるものを創作すれば広がりがでただろうに。思わせぶりなだけだったのが残念でした。

死んだふりをするってことは、妻が毎日の暮らしがたいくつで、夫にかまってもらいたいからだとばかり思っていたが、毎日のように、妻がバカバカしいことのために、無駄遣いを(ワニが5万円とか、高額なものもある)しているようなことで、よく夫婦喧嘩にならなかったと、本当だったら確実に喧嘩になっていたと思うよ。

それも、クリーニング屋の店番のパートタイムに出掛けるようになってから、少しづつ減ってきて、よくよく話し合えば済むものを、夫も妻に遠慮でもしているのか、本音を聞かないのもダメですよね。

最後は、妻の静岡の父親が病気で倒れて、一緒に静岡まで行き、今後の父親を引き取る話とか、どうするか、などを話して仲良くなり、その内に子供でも出来れば、忙しくてそれどころではなくなるってもの、雨降って地固まるってことなのね。

 

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30年後の同窓会★★★★

2018年06月21日 | アクション映画ーサ行

名作「さらば冬のかもめ」の原作者ダリル・ポニックサンが2005年に発表した小説を「恋人までの距離(ディスタンス)」「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレイター監督が映画化した感動のロード・ムービー。イラク戦争で息子を失った仲間のために30年ぶりに再会したベトナム戦争の戦友3人が、遺体を連れ帰る旅の中で悪友時代の固い絆を取り戻し、喪失の悲しみを乗り越えていく姿を、ペーソスとユーモアを織り交ぜ描き出す。主演はスティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーン。

あらすじ:ベトナム戦争を経験した元軍人のドクは、1年前に妻に先立たれた上、2日前には一人息子をイラク戦争で亡くしてしまう。悲しみに暮れる彼が頼ったのはベトナム戦争を共に戦った旧友サルとミューラーだった。バーを営むサルと牧師となったミューラーは、30年間音信不通だったドクの突然の訪問に戸惑いつつも、彼の頼みを聞き入れ、息子の軍葬に立ち会うべく3人で旅に出るのだったが…。

<感想>退役軍人3人の友情が胸に迫るロードム-ビー。最愛の妻に先立たれた上に、イラク戦争に出征した一人息子までも亡くしたドク。そんな失意の中年男がかつてベトナム戦争の仲間だった旧友二人のもとを訪ね、彼らと共に息子の遺体を引き取る旅に出る。

「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレイター監督が、スティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーンというベテラン俳優3人を迎えたヒューマンドラマ。30年ぶりに再会した男たちが車や鉄道で移動しながら旧友を温めるロードムービーの形式をとり、人生の哀しみや歓びを味わい深く炙り出してゆく。

登場人物が抱える癒しがたい孤独感や、悲しみ、それは30年前にベトナム戦争へ出征し、命からがら帰って来た戦友なのだ。ドクが一人息子をイラク戦争で亡くしたのだが、それは戦地でコーラを買いに行く時に、それがドクの息子が本当は買いにいくのではなかった。それが僕が行くと言ってみんなの分も含めてコーラを買いに行った時に、敵兵のスナイパーによる銃撃で頭を撃たれ死んでしまったのだ。その息子の遺体と対面する哀しみに耐えられずに、ベトナムの戦友であるサルとリチャードに同行を依頼したことから物語が始まる。主演トリオが魅せる絶妙な掛け合いが見事でした。

最大の見どころは、主演俳優3人の親密でコミカルな掛け合いだ。彼らの交流からこぼれ落ちるユーモア、そして友情の尊さがじんわりと胸に沁みる一作です。劇中ではヴァージニア州のデラウェアの基地からNYなどを経由した、ニューハンプシャー州ポーツマスの自宅まで、息子の遺体を運ぶまでの旅が描かれている。

基本的には3人の男と、「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」(16)に出ていた黒人の男の子、ワシントン(J・クイントン・ジョンソン)の旅なわけですけれども、実はそこに死者もはりついている。30年前に死んだ戦友も、その30年後に死んだ息子もそこにいる。30年前と今とが重なり合っているのだ。

監督と主演トリオは撮影前に、LAで3週間のリハーサルを実施。喜劇俳優のスティーヴ・カレルが寡黙な中年男になり切るなど、個性豊かな主人公3人の関係性を、生き生きと体現しているのが良かった。

 

「どの世代にもその世代の戦争がある」との名セリフもあり、それはベトナムとイラクという二つの大義なき戦争によって刻まれた、アメリカの喪失感をめぐる物語でもある。そして、二つの戦争の間に湾岸戦争が起こったことも忘れさせない。それだけに、息子の遺体に軍服を着せ、棺に国旗で覆う息子の葬儀に愛国心を謳う意図があると思う。リヴォン・ヘルムの哀切な歌声と、B・ディランの歌詞が胸に刺さります。

 

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メイズ・ランナー:最期の迷宮★★★・5

2018年06月20日 | アクション映画ーマ行

ジェイムズ・ダシュナーのベストセラーYA小説を映画化して世界的に大ヒットしたティーンズSFアクションの第3弾にして完結編。巨大迷路や砂漠の迷宮を生き延びてきたトーマスと仲間たちを最後にして最大の試練が待ち受ける。主演は引き続きディラン・オブライエン、監督も同じくウェス・ボール。

あらすじ:秘密組織“WCKD(ウィケッド)”に捕らわれたミンホを奪還すべく、彼が乗った列車を襲撃するも失敗に終わったトーマスたち。やがて何重もの壁に囲まれた “ラスト・シティ”と呼ばれる、隔離地域に運ばれたミンホは、WCKDに寝返ったテレサによって強力なウイルス“フレア”の抗体開発のための実験台にされようとしていた。トーマスは再びミンホを救出すべくニュート、フライパンとともにWCKDへと向かうのだったが…。

<感想>今回は人気シリーズの第3部にして完結編です。ただし、前回までのあらすじみたいなものはついていなくて、いきなり本編が始まりますので、あらかじめ前2作を復讐しておく必要があるのでご注意を。2作目が15年だから、だいぶ間が空いてしまって、中身を忘れてしまっている人も多いかもしれませんね。

主役のディラン・オブライエンが撮影中に負傷してしまい、意外に大きなケガだったため、1年間公開が延期されてしまったのが原因。出て来る言葉にも説明がないので、用語辞典がないと理解不能です。

前作のラストではいきなりヒロインが裏切って敵に寝返るという、驚愕の展開だっただけに、待ち遠しかったです。今回の映画ではずいぶんと盛りだくさんになっている。オープニングから激しいカーレースが展開して、列車で護送されている若者たちの救出作戦が描かれている。

驚いたのが戦闘機まで出て来るからね、「ワイルド・スピード」みたいだねと思いました。かなりの迫力でハラハラさせてくれるので、掴みはOKという感じですかね。しかもこの一連シーンで、ちゃんとメンバーそれぞれの個性を観客に理解させるように描かれているのも上手い。

監督のウェス・ボールも、脚本のT・S・ノーリンもシリーズをずっと手掛けてきた人たちなので、そのあたりの呼吸は分かっている。

今回は、アクション、ゾンビ、友情と見せ場の数々を詰め込んだクライマックスですよ。物語は捕らわれた仲間を救い出せ、と言うものなんだけど。それが世界の命運を懸けた闘いへと発展していくわけ。

やたら色んな要素が詰まっている。クランクと呼ばれる感染者たちに、襲われる辺りはゾンビ映画みたいだし、潜入作戦はスパイ映画ふう。そしてレジスタンスの軍隊が乱入してからは戦争映画の市街戦みたいになってしまう。

若者たちの絆を描いた部分は、やたら熱いときてる。裏切り者の立場になったテレサの苦悩も描かれていたし。原作がジュブナイル小説だから、友情・努力・勝利の図式はしっかりと守られている。

絶対絶命のピンチになっても、必ず助けがきたり、一発逆転の仕掛けがあるところなんかも、ジュブナイルならでは。ある意味、安心して観ていられる。悪役は絵に描いたような憎々しさだし、以前の作品で死んだはずのキャラクターが再登場するというサプライズもあり、このジャンル特有のもの。

ただ残念だったのは、ニュート(トーマス・ブロディ=サングスター)出逢った当初からトーマスを信頼し、行動を共にしてきた頼れる存在。今回も危険な作戦に参加するが、実はある秘密が、・・・後半部分でトーマスとの取引が哀しい結果になってしまう。

2時間22分という長尺だから、観終わるとぐったり疲れるけど、満足感はあります。若い俳優たちは、このシリーズをキッカケに飛躍している。トーマス役のディラン・オブライエンは、マイケル・キートン共演の「アメリカン・アサシン」で主演を、テレサ役のカヤ・スコデラリオは「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」のヒロインだったし、ブレンダ役のローサ・サラザールも日本の木城ゆきと原作マンガ「銃夢」を実写版映画化した「アリタ:バトル・エンジェル」で主人公のアリタ役に大抜擢された。

 注意:

WCKD(ウィケッド):感染症で絶滅の危機に瀕した人類を救うために作られた組織。非人道的な人体実験を繰り返している。

RA(ライト・アーム):WCKDに対抗するレジスタンス集団。トーマスたちとは協力関係にある。

グレード:記憶を消された若者たちが送り込まれた迷路。そこを脱出できたものは、フレアに対する抗体を持つ可能性が高い。

クランク:フレアと呼ばれるウィルスにより、脳を冒された感染者。理性をなくして凶暴化、人間に襲い掛かる。

 

メイズ・ランナー』(14)

メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮」(15)

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50回目のファーストキス★★★

2018年06月19日 | アクション映画ーカ行

アダム・サンドラーとドリュー・バリモアの共演で世界的に大ヒットした「50回目のファースト・キス」を「勇者ヨシヒコ」シリーズ、「銀魂」の福田雄一監督が主演に山田孝之と長澤まさみを迎えてリメイクしたロマンティック・コメディ。事故で“前日のことをすべて忘れてしまう”記憶障害に陥ったヒロインと、彼女に一目惚れしたプレイボーイの切なくも心温まる純愛の行方をコミカルなタッチを織り交ぜ綴る。共演はムロツヨシ、佐藤二朗。

あらすじ:ハワイのオアフ島でツアーガイドのバイトをしながら天文学の研究をしているプレイボーイの弓削大輔。ある日、カフェで藤島瑠衣という美女と出会い、一目で恋に落ちる。しかし翌日、再会した彼女は大輔のことをまるで覚えていなかった。実は瑠衣は交通事故に遭って以来、新しい記憶が1日で消えてしまう短期記憶障害という後遺症を患っていた。しかし父親と弟の努力で、瑠衣は同じ一日を何の疑いもなく平穏に暮らし続けていた。父親からそうした事情を告げられてもなお、毎日、初めて会うところから繰り返し、あの手この手で愛を告白し続ける大輔だったが…。

<感想>毎回、人物たちを迷走させ、暴走させている福田雄一監督が、よもやハリウッド映画の焼き直しのラブコメを撮るとは思わなかった。しかし、あまりにも他愛なさすぎて、あれこれ言う気も起らない。

1日で記憶がチャラになる彼女と、そんな彼女に恋をしたチャラ男。主人公の長澤まさみも、相手役の山田孝之も。休暇でハワイに来て、ちょいと映画に出ちゃいました的な演技とノリで、毒にもクスリにもならない。それは、脚本のせいでもあるのだろうが、この映画からハワイを取ったら何が残るのだろう?

それでも、長澤まさみの伸びやかな白い脚や肩ひもの日焼けの跡がうっすらと見える胸と乳まわりに、目線が集中して男性客ならモヤモヤ感が湧き、彼女単体の魅力と、健康的で爽やかな色気は元ネタのドリュー・バリモアを超えており、山田孝之もアダム・サンドラー路線の存在感を出していて良かった。

「君を絶対、幸せにする。君が明日、僕を覚えていなくても―」観客は過去作を忘れていない、という構造を持っている。つまり、最初からストーリーの分かっている本作においては、同じことを繰り返すことこそが重要なのであるから。そのことが、ヒロインを取り巻く周囲の変化や、描き方の変化も重要にさせている。

山田孝之のマシンガントークはもちろん、ハリウッド版を彷彿とさせた弟役の大賀の演技アプローチが秀逸でした。

そして、大輔の友人のムロツヨシも、ヒロインの父親佐藤二郎も、現地人の役の夫婦も脇役がそれぞれに頑張っていた。それに、季節の変化を考慮してか、ハワイのオアフ島ロケをしたことも評価したいですね。

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ワンダー 君は太陽★★★★

2018年06月18日 | アクション映画ーワ行

全世界で800万部以上を売り上げたR・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を、「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で映画化したヒューマンドラマ。

あらすじ:ごく普通の10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、人とは違う顔をもっていた。幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことに。はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーだったが、オギーの行動によって同級生たちは少しずつ変わっていく。「ルーム」で世界中から注目を集めた子役ジェイコブ・トレンブレイがオギー役を務め、「エリン・ブロコビッチ」のジュリア・ロバーツが母イザベル役、「ミッドナイト・イン・パリ」のオーウェン・ウィルソンが父ネート役をそれぞれ演じる。

<感想>主人公は“違い”を持って生まれた10歳のオギー。だけどこれは、今を生きるすべての人のための物語ですね。先天性の遺伝子疾患により人とは少々異なる顔に生まれ、27回の手術を受け家から出られず家族に守られてきたオギーが、人生で初めて学校へ行くことに。この出だしだけでオギーが学校へ行けば案の定虐められたり、それで落ち込んで心を閉ざしたり、両親が心配したり、でも家族や理解ある先生に見守られて、やがては友達も出来て、人々の心を温かくしていく物語になっていく。

お父さんはオーウェン・ウィルソンが、どんな逆境でもユーモアを忘れない父親を熱演していた。母親にはジュリア・ロバーツが、息子の試練に心をかき乱されそうになるも、優しく応援してやる強い母親を演じていた。

主人公オギーには、「ルーム」で子役を務めたジェイコブ・トレンブレイが、宇宙飛行士になりたいと、嫌なことがあると、宇宙服を着てその世界にどっぷりと浸かるシーンも、大好きな「スターウォーズ」のチューバッカの空想で最初の難関を乗り越えるシーンもあるし、特殊メイクで熱演。

実際にオギーと同じ症状のトリーチャー・コリンズ症候群の子供たちや、その家族と会って友達になり、彼らの意見のリサーチに務めたと言う。

そして、実際に、予想を裏切ることもなく映画はこのようなイジメとか、心が折れて落ち込むとか展開します。ですが、一つ一つのエピソードが、一人一人の登場人物すべてが、文句なしのクオリティなのです。

そうなんですね、本当に悪い人はいないんです。あっ、1組いました。オギーに虐めをしている生徒の両親が学校に呼ばれて、校長先生に指導を受けると、自分の子供は絶対にそんなことはしないと、頑固な両親が校長に文句を言い、こんな学校辞めてやると怒って帰った人もいたわ。

両親の注目がオギーばかりで寂しいお姉ちゃんも、自分がグレてもおかしくないのに、荒れる弟を表に連れ出して慰めてあげたり、姉に恋人が出来て、初めてなのでドキドキして、急に冷たくなった親友のミランダに悲しくなったりしてる。その親友の女の子も、どうしてそうなったかが言い出せない。本当は仲良くしたいことを、涙ながらオギーに打ち明ける。

両親がオギーにかかりっきりで、寂しい姉のヴィア(イザベラ・ビドビッチ)も、もしかして、自分が弟と同じ病気になったかもしれないと理解して、弟に優しくなる。

學校のクラスメートも、オギーのことを笑ったり、遠巻きにして傍に近づかない。そんなクラスメイトからも、次第にかけがえのない親友が出来て来る。始めは、校長先生が、オギーのためにクラスメートの中から、2・3人ジャックとかを選んで優しく接するようにと頼んでおいたわけ。

オギーと仲良くする友達に、他のクラスメートが意地悪したりするのもあり、結構問題なこともある。当然、いじめっ子からオギーを助ける場面もあり、最終的には、そのいじめっ子チームが上級生からオギーを守ったりするから、もう嬉し泣きが止まりません。

小さい体で悲しみや辛さを、必死に我慢している男の子を観て、涙を流し胸が締め付けられるような感じもするシーンがあるが、母親の英才教育で学校へ行っても、他の子供たちと大差なく勉強が出来て、返って友達のジャックに勉強を教える優しさもある。

家で飼っているデイジーというワンコが可愛い。でも母親を噛んでしまってから、母親が保健所にでもやってしまったのか、家には戻ってこなかった。ワンコだって、かまってもらわないと寂しいし、オギー中心の家族関係にも少し問題があるように思いましたね。

肉体的に障害を負った人たちの社会参加はとても重要な課題であり、この映画はその強力な後押しになると思いますね。お子様ずれで鑑賞するといいと思います。

018年劇場鑑賞作品・・・113アクション・アドベンチャーランキング

 

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羊と鋼の森★★★・5

2018年06月16日 | アクション映画ーハ行

第13回本屋大賞に輝いた宮下奈都の同名ベストセラーを「orange-オレンジ-」「四月は君の嘘」の山崎賢人主演で映画化した音楽青春ドラマ。一人前の調律師を目指して楽器店に就職した主人公が、個性豊かな先輩調律師たちや高校生姉妹をはじめとする仕事先で出会う人々との交流を通じて、何度も迷い悩みながらも逞しく成長していく姿を描く。共演は鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、三浦友和。監督は「orange-オレンジ-」の橋本光二郎。

あらすじ:北海道の山奥で育った高校生の外村直樹は、たまたま学校のピアノの調律現場に立ち会い、その音に生まれ故郷の森の匂いを感じて魅了される。音楽の才能もクラシックへの興味もなかった外村だったが、このとき出会った調律師・板鳥宗一郎に憧れ、自分も調律師になることを決意する。やがて調律の専門学校を卒業した外村は、めでたく板鳥と同じ楽器店に採用される。そして先輩調律師・柳伸二について調律の仕事を一から学んでいく。そんな中、対照的なピアノを弾く高校生姉妹・佐倉和音と由仁と出会い、改めて調律の難しさと奥深さを実感していく外村だったが…。

<感想>山崎賢人主演と言うので鑑賞しました。彼が高校卒業後の就職が決まっておらず、その後に学校に来たピアノの調律師と出会い、何故かピアノの音と、自分が住んでいた故郷の森の中がすんなりとピアノの音と重なり合って行くところから、彼がピアノの調律師を目指して成長していくことを描いている。たった、一つのピアノの音が、自分の心の声に寄り添い、故郷の森の中を彷徨う。外村直樹がピアノの調律をする時に、彼が森の中に分け入るシーンが描かれるのですが、この森の新緑のシーンが幻想的でとても良かったです。とても美しい映像で、丁寧な描写が素晴らしいのですが、何より印象的なのはピアノの“音”でした。

ピアノの演奏シーン以外で、音が流れる事はほとんどなく、ピアノの鍵盤を叩く音から、調律中の動作の音とか、新緑の森を直樹が歩く音。小さい時からピアノを習っていた私でも、ピアノの調律師になりたいとは考えたこともなかった。この主人公は、ピアノに触れたこともなく、ピアノを弾いたこともないのに、よくぞピアノの調律師という職業を選んだと思いましたね。

しかし、森で囲まれた家で育った青年がピアノの調律師になり、先輩たちの調律を学びながら、たくさんのピアニストと心を通じ合い、苦悩や葛藤、挫折を味わい、仲間に支えられながら成長していくヒューマンドラマとなっていた。

先輩の鈴木亮平が演じる柳が、とても親切に教えてくれるし、優しいし、外村がピアニストから悪口言われても、フォローしてくれる関係性も良かった。

仕事先で、ピアニストを目指す双子姉妹を、東宝シンデレラの姉妹女優・上白石萌音と上白石萌歌が演じているのも良かった。

姉妹でも、姉の萌音は気難しいような、ピアノの練習を何度も練習する物静かで神経質な性格であり、優しい静かな音楽を好む。

妹の萌歌はと言うと、明るく元気な性格で、ピアノを弾く時も元気があるので鍵盤を強く叩くような性格で、飛び跳ねるような曲が好き。だから、姉妹が一緒に惹いているグランドピアノは、そのどちらにも合うように調律しなければならない。これは本当に難しいと思う。ピアノを弾く人によって、鍵盤の叩き具合や、優しくなでるように引く人もいるので。

それで、この姉妹からのピアノの調律師として、文句が出て来る。コンクールに向かって練習している姉妹にとっては、自分たちの家にある練習のピアノの音が狂っているのでは、練習にはならないからだ。

だから、誰にでも合うように調律するためには、三浦友和演じる調律師・板鳥宗一郎のようにならなければならない。まず、耳が良くなければならない。それと自分でも、あるていどはピアノを弾ける力があることです。

また、外村が独り立ちしての最初の家、位牌が二つ置いてあり、犬の首輪を青年が持っているのですが、青年が暫らく弾いてなかった埃だらけのピアノ。それを調律する彼が、またその青年がこのピアノを弾いてみたくなったことを考えて調律する。ここはセリフを少なくして、音楽の力で見せるから、泣かせるシチュエーションでしたね。

ラストで先輩である柳に扮していた鈴木亮平の、結婚式場のピアノの調律を頼まれ、そのピアノを弾くのが姉の萌音だと言うこと。ピアノコンクールで失敗をしてしまい、演奏がうまく弾けなかったことから挫折をして、ピアニストを断念してしまったらしい。その彼女がまた、ピアニストとして演奏をして羽ばたく姿が見れたことに感激しました。

楽器店の店主でもある三浦友和さん演じる、調律師・板鳥宗一郎が、有名な一流ピアニストのコンサートで弾く、グランドピアノを調律するところでは、何度もそのピアニストが細かく要望を板鳥に伝える。それに応えて、ピアノの足の向きを変えたりし、又は弦のビスを強く締めたりしてピアノを調律するコンサートチューナー

北海道の美しい景色に、ダイヤモンドダストなど、そしてまた選曲が良かった。1曲1曲が登場人物の設定や、エピソードに合わせた曲が流れていて、物語のピアノの調律の話と上手く合わせているところも。またテーマ曲「The Dream of the Lambs」を久石譲が作曲して、辻井伸行が演奏していたなんて、素晴らしい。

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ダンガル きっと、つよくなる★★★★

2018年06月15日 | アクション映画ータ行

「きっと、うまくいく」(09)「PK ピーケイ」(14)でインドの歴代興行収入を塗り替えてきた国宝級スターのアーミル・カーンが、本作の監督ニテーシュ・ティワーリーから、父と娘の実話を聴いて主演と制作を買って出た。

あらすじ:2人の娘を世界的レスリング選手に育て上げた実在の熱血パパを演じるスポ根家族ドラマ。誰よりもレスリングを愛するマハヴィルだったが、生活のために金メダルの夢を諦め、引退を決意する。そしてその夢は、まだ見ぬ息子へと託されるのだった。ところが授かった子どもは4人とも女の子だった。こうして再び夢を諦めたマハヴィルだったが、十数年後、長女ギータと次女バビータが男の子とケンカして圧倒したことを知り、自分の格闘DNAが娘たちに受け継がれていると確信する。そしてギータとバビータを金メダリストにするべく、嫌がる2人を相手にスパルタ特訓を開始するのだったが…。

<感想>インドの大ヒット映画が、中国や香港で外国語映画興行史上1位を記録したというのだ。ストーリーは「巨人の星」ばりの父親と子供のスポ魂もの。違っているのは、父と娘の闘いであること。そして実話だと言う点である。レスリングの国内チャンピオンになった男が、引退後に息子に夢を託そうとするも、生まれて来るのは娘ばかり。やむなく夢をあきらめたが、喧嘩で男の子をボコボコにしてきた長女と次女の格闘センスに希望を見出すのだ。そんな男尊女卑の世界が背景にあるからこそ、女子のスポ根ストーリーがさらに大きな意味を持つのであります。

この映画は、ニテーシュ監督が映画会社のディズニーUTVの友人から、レスリングの選手だったマハヴィルの物語を聞いたところから始まったそうです。監督自身が彼の長女ギータ、次女のバビータにも会って脚本を書き上げたと言うのだ。

インドの女性は家事と掃除をまず教えられ、14歳で嫁に出される文化の中、父親はそれにとらわれず、自分の娘にレスリングで金メダルをとらせたいという夢を叶えようとする。たしかに村の人々の目を気にせずに、娘たちにトレーニングさせるのは近所の目もあるし、自分の夢を叶えるためのエゴイストですよね。女の子は産まれてから髪の毛を切らないし、その長い髪の毛に泥がつき不衛生だ。父親に男の子みたいに短く髪の毛を切られるし、スカートじゃなくTシャツに半ズボン姿。それと、マットがないから、土の上でのトレーニングにも、怪我をするだろうに。

自分の夢ばかり叶えたいためというと、日本でもあの有名なレスリングのコーチをしていた父親がいるけどね。何処の国にでもそういう父親っているのよね。若干の困惑はあるのが正直な気持ちです。でも娘とぶつかりあいながらも、次第に娘たちもレスリングと向き合いはじめるところが良かった。

村の大会で、男の子の中に初めて少女が出場するシーンでは、子供時代のギータの迫力に驚嘆しました。成長した娘2人のシーンも、完全にレスラーを起用したのではないかと思わされました。

その対外試合のうち、金銭または物品の報償が出るものを「ダンガル」と呼ぶのだが、肉体接触をしないと戦えないレスリングは、女子禁制。それをものともせず、主人公の長女で中学生のギータが、着衣のまま男性に挑んで勝ち上がっていくのだから、フェミニズムうんぬん以前に痛快であった。

こんな風に、男性に対して助成が活躍する作品や、男女差別批判を上手に潜ませた作品が、最近のインド映画では確実に増えている。

父親のアミールも、レスリング選手だった若い頃から、50代の太った父親になるまで肉体改造をして演じきったというから凄い。それに、レスリングの競技も極めており、撮影のためのまねごとではない。それは頭脳が求められるスポーツであり、戦略のスポーツだから。まるでドキュメンタリーのようでした。

また、この映画は地方の小さな村から、世界へと女の子が飛び出してゆく話でもあり、インドの地方性を大事にしていると思いましたね。

しかし、父親の鍛え方が押しつけがましく、後に娘たちも自覚的に取り組むようになり、当初は娘たちの意思を無視しているように見えた。しかし、娘たちが村を出て、専門の寄宿舎へ入り選手権に向かって他のコーチの指示を受ける。今までの父親の訓練とはまるで違うのだ。

決勝戦の時に、父親が観戦に来ていた、コーチと違う指示をするので、コーチは父親を監禁してしまう。結局はギータの優勝も見せてないし、父親がやっと監禁場所から脱出して娘のところへ来るところ。娘が金メダルを父親に見せて首に掛けてくれるところが感動的でした。

とはいえ、見始めると力強いストーリー展開にぐいぐい引き込まれ、些細な欠点など気にならなくなる。ところどころにユーモアが盛り込まれているのも巧みで、スポーツの試合のようにリズムに乗せられて、感動のラストまで一気に運ばれてしまう。

 

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GODZILLA 決戦機動増殖都市★★★

2018年06月13日 | アクション映画ーカ行

「ゴジラ」シリーズ初の長編アニメーション映画として、虚淵玄によるストーリー原案・脚本、ポリゴン・ピクチュアズのアニメーション制作で贈るSFアクション3部作の第2章。2万年後の地球を舞台に、ついに姿を現わした真のゴジラ“ゴジラ・アース”の圧倒的脅威と、人類最後の希望となる“メカゴジラ”誕生の行方を描き出す。監督は引き続き「名探偵コナン」シリーズの静野孔文と「亜人」「BLAME!」の瀬下寛之。

あらすじ:図らずも2万年後の地球に帰還、再びゴジラと対峙した人類は、ハルオが立案した“対ゴジラ戦術”を決行し、辛うじてゴジラの抹殺に成功した。しかし喜びも束の間、地中深くから体高300メートルを超える真のゴジラ“ゴジラ・アース”が姿を現わす。その圧倒的破壊力の前に、ハルオたちは散り散りになってしまう。やがて人類の子孫とされる“フツア”の民に救われるハルオ。そんな中、彼らの武器に“ナノメタル”が使われていることが判明する。それは、かつて“対ゴジラ決戦兵器”として開発されながら、起動寸前に破壊された“メカゴジラ”の構成物質だった。こうしてメカゴジラに唯一にして最後の可能性を見出すハルオたちだったが…。

<感想>前作の続編として、300メートルを超える真のゴジラ“ゴジラ・アース”が登場して、ハルオが戦うも気を失い原住民の“フツア”の民に救われるところから始まる。300メートルの巨大ゴジラと言う、アニメのこのゴジラも迫力あって凄く良かった。

地下都市の立派なことといったら、彼らの武器に“ナノメタル”が使われているし、それは“対ゴジラ決戦兵器”として開発されながら、起動寸前に破壊された“メカゴジラ”の構成物質だったとは。今回はナノメタルシティを手に入れたことにも勝算がある。

ゴジラ映画は,日本のトレードマークといっていいほど、過去にたくさんの作品がある。だからなのか、どこか見たようなストーリーに、ゴジラ像も見たことあるような気がして、それに最後に明かされる3部作目には「キングギドラ」が登場するというから、どうしても同じような展開になってしまうのかと。

それにアニメーションの質感が、期待していたよりも、前作より圧倒的な迫力もなく、ただただ、“メカゴジラ”の格納庫に入り、前よりも酷いじゃん、なんて思ってしまった。この2作目は、次の最終回に対峙するキングギドラのための準備期間なのか。

“フツア”の民の双子の姉妹であるマイナとミアナの可愛さに癒される。

双子以外の原住民は、小高い山の上で見守っているだけだが、なにか特別な秘策があってストーリーに絡むシーンがあれば良かったのにと思いました。

ハルオがこの中で一番の英雄でもあるし、ハルオが今までにゴジラを倒し、人類の手に地球を取り戻すという、復讐の様な感情を持って人類軍の被害を顧みず突き進んで来たのに。ところが、またここで命を吹き返した彼がこのままゴジラと戦っていいものかと、苦悩し始めるのだが。何故か、人間ドラマを盛り込まして、ウジウジと何とも煮え切らない話の展開で不完全燃焼状態でした。

ハルオがゴジラを倒す寸前まで行くも、ヴィルサルド人との「生」への価値観との違いから、ナノメタルと同化する事を拒みつづけ、人間として、生き人として、ゴジラと戦うことを決意し、倒す事を選択したハルオなのだが。

まるで「パシフィック・リム」のような人型兵器の中の、ヒロインの子のユウコの叫びが響く、ハルオと愛を誓ったはずなのに。あのシーンは本当に心が張り裂けそうでした。ついにはゴジラ・アースをトラップポイントで引き留めることに成功したのに、ゴジラ・アースの体温が上昇し、ヴァルチャーでも近寄れなくなってしまう。ナノメタルの制御室を破壊するしかなくなり、ついにゴジラ・アースが復活する。メカゴジラシティは、熱線攻撃によって破壊されてしまう。

ただあれだけ冷静沈着なガルグが、まるで狂乱したみたいになったのには、驚きました。部下たちのベルベも同じですが、あれだけ人類と協力し合っていたのが、ナノメタルで袂をわかつとはね。最後までみんな力を合わせて、戦う姿を観たいのにね。

ゴジラが“ゴジラ・アース“と命名され、地球環境・生態系全体がゴジラに期待しているという概念は、脱放射能ゴジラとして非常に練られた設定でもあると感心しました。

11月の第3章ではついにゴジラ最大のライバル、 “キングギドラ“がどのようにして出てくるのか期待したい。ゴジラ・アースと対峙するシーンも楽しみですね。

 

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