パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ラスト・デイズ ★

2013年11月30日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
デヴィッド・パストール&アレックス・パストールがおくる、隔離生活を描く戦慄の感染パニックスリラー。スペインボックスオフィス初登場第3位。
出演はキム・グティエレス、シホセ・コロナドら。
あらすじ:アメリカ・ニューヨークで、3ヶ月もの間部屋から出ることができなかった少年が自殺した。オーストラリアではオペラハウスで数百人の観客が外へ出ることを拒否、スペインでは外へ追い出された男が心臓発作で死亡…。外に出るだけで発作を起こす“広場恐怖症”というパンデミックに陥った世界。人々が外へ出なくなったこの世の中で、愛する妻と再会するために一人の男が下した命がけの決断に迫る。
<感想>「フェーズ6」の監督と「REC/レック3ジェネシス」の製作者によるスペインのスリラー・サスペンス映画。これも未公開で終末世界の作品である。地球の各地で火山が爆発し、火山灰の影響で空港は閉鎖。地球の終りが近づいている。
広場恐怖症が蔓延し、“外へ出られない”というそれだけで人類が破滅へ向かうという設定なのだが、よく分からない?印の作品。未知のウイルスが流行し、建物の外へ出られなくなった人々の行く末とは?・・・ジワジワと迫りくる恐怖。しかし、こんなことで世界が終るということなのか?、人間とはなんと愚かな生き物なのだろう。

屋外へ出ることを恐れる広場恐怖症に似た、原因不明の病が蔓延する。とにかく外へ出ると、急に目まいや息苦しくなり心臓発作で倒れそのまま息絶えてしまうのだ。だから、ビルの中はゴミの山で埋め尽くされている。
主人公のシステムエンジニアのマルクは、職場で発症した人々が、家へ帰れないでいる。会社に寝泊まりしている社員たち。店は閉店して街の中が閑散としている。このままではダメだ。何かが起きているのに誰も気づかない。ここにいては危険だと思い、移動に地下道を使おうと地下の壁に掘っていた穴を貫通させる。
マルクは恋人のフリアが妊娠したと告げると、こんな時に子供なんてといって喧嘩してしまい、彼女は子供を産みたいと出て行く。その恋人フリアを探すため地下道に入るマルク。

薄暗い地下道で、何処からともなく人が出て来て持ち物を盗む。もちろん拳銃もバンバン撃つし、人があふれ返る駅構内では犯罪が横行。ショッピングモールでは、食料を死守する者と略奪しようとする者が殺し合いを繰り広げるのだ。
また、動物園から逃げ出したクマが教会に出没するなど、屋内空間にも危険がいっぱいなのだ。

マルクが恋人を探しに行く道連れに、病気の父親を探しに行くという上司と一緒に地下道をひたすら歩く。水道も電気もライフラインが全て機能しない。しかし、飲み水はどうするのか?・・・雨が降りその雨をビニールとかを窓の外へ出して、鍋や食器も出して飲み水を確保するわけ。
街の灯りが消えてゆく。今を生きる人間たちでこの世の人類は終わりなのか。生まれ来る命、子供たちの未来はどうなる。この広場恐怖症の原因は何も解明されてない。もしかして、空からエイリアンが人間の脳に、中枢機能をダメにする不可解な超音波とかを発信しているのでは、なんてことも考えてみたのだが、そんなことは一切なしである。

地下道を歩き、恋人の友人と出会い何処にいるのか聞いてみると、病院へいるというのだ。じゃ病院へと向かうマルクだが、向いのビルに何やら彼女らしい人影が、やっぱり恋人だった。それから恋人のところへ行きたいのだが、表に出ると目まいがして気絶してしまう。しかし、何とかヨロヨロとしながらも彼女の元へと辿り着いたマルク。もちろん、怪物やゾンビなんぞは出て来ません。
だが、そこからが大変、何がって恋人の出産を手伝うのである。無事男の子を出産して、その息子がどんどん大きく成長していき、何年か過ぎて外に子供たちの声がするのだ。つまり広場恐怖症の後に生まれた子供たちには、パニック障害が起きず外へ出られるのだ。とまぁ、ラストに未来に向かって、新しい世界が子供たちに広がっていたというのは、良かったですよね。
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ザ・エンド ★

2013年11月29日 | DVD作品ーさ行
突如世の中から生物が消えていく中でサバイブする人たちの姿をスリリングに描いた世紀末スリラー。山のキャビンで休日を過ごす友人同士が不思議な現象に襲われ、外部とのコミュニケーションが不可能な中で繰り広げる戦いを映し出す。製作に『28週後…』のエンリケ・ロペス・ラビニュ、脚本に『永遠のこどもたち』のセルヒオ・G・サンチェスなどが参加。出演は『パンズ・ラビリンス』などのマリベル・ベルドゥ。人類滅亡という危機的状況における彼らの行動に注目。

<感想>12年のスペイン映画で、9月7日に公開されていた。地方では未公開である。原題は「FIN」。つまり最期や終りを表す終幕ということ。始めは、スペインのどこか都会の地下鉄に、一人の男がスケッチブックに動物やいろんな絵を描いている。そして、電車のホームで一人の男に声をかける。それが主人公のフェリックスで、声をかけてきたのが友達のアンヘルという統一障害の男で精神病院へ入っていたらしい。
サラが20年来の友達を集めて、週末に山小屋へ行こうと彼らを集める。このサラはマザーテレサと呼ばれている女で、いちいち文句というか口煩いデブ、ブス女。この女がいうには、アンヘルの誘いで親友が集まればという提案をしたと言うのだ。
山小屋に着いた男女8人からなる旧友。突然電気が消え、ケータイも電話も通じず、車も自動ロックなのでダメ。手動ロックのトラックの男が車に行くも、エンジンがかからないのだ。サラが叫ぶ、きっとアンヘルの仕業よと。問題児だった男だ。
そして、一番先に消えてしまうのがラファ。この男は会社が倒産して、焚火の前で素っ裸になって騒ぎヤケクソ気味で、次の朝には消えていた。まるで神隠しにでもあったように。みんなは車もエンジンがかからないし、電話も通じないので歩いて下の家まで行く。

主人公が連れてきた女エヴァは、もしかしてコールガールなの?、「いつでもいいから帰れ」と邪険に言うフェリックス。彼には元カノのユリベルがいる。キツイ顔の女。女は4人、サラ、エヴァ、ユリベル、コヴァ。男はフエリックスとコヴァの夫ウゴ。途中で、コヴァが夫と喧嘩をしている。「私たちお終いなんでしょ」切り立った崖が、断崖絶壁というのはこれのこと。そこへ前から山羊の群れが押し寄せてくる。二人は何とか避難したのかと思ったのだが、妻のコヴァがいないのだ。それに夫のウゴも、今にも谷底へ落ちそうになり、皆で助ける。

登山というほどでもないが、ハイキングコースでもなく危険な道が多い。山頂に誰か人の気配がする。それを見てサラが、きっとこれはワナね、山頂にいたのはアンヘルよ。警告のために山羊を放したのよ」と、また余計なことを言い喧嘩の材料を作るのだ。このブスブス女、サラ。この女も消えるのだが、犬が好きで家で飼っていたという。鎖に繋がれていた子犬を放してやり、そこへ大きなシェパードが来て、サラがお腹が空いているからとエサを上げる。すると、その匂いを嗅ぎつけたのか、10頭以上のシェパードと大型犬がやって来る。その犬から逃げようと、自転車で皆は逃げるのだが、サラが犬に襲われたのか知らないが、跡形もなく消えてしまう。
夜になり、ここで野宿をしようと焚火をする。夜空に輝く満天の星が綺麗ですが、一つ一つと消えていく。何かの暗示なのか。

朝になり、また一人セルビオという男が消えてしまう。残ったのは男が2人と女が3人。車道に出て山羊が積んであるトラックを発見。運転席には誰もいない。山羊をトラックから放してやるサラ。そこには、アンヘルの絵が、船の絵で、男と女の2人が。それはフェリックスとユリベルなのだ。
崖の下に車を見つけて、降りて行くとアンヘルが運転席で死んでいた。画集があり、今までの山羊の群れとか畑の中の黒煙、ヨットなど描いてある。
サラがアンヘルの行った通りになったわ。連れて行くと言う。下の川の中へ飛び込むユゴ、女たちはアンヘルを埋葬する。ユゴが川から上がってこない、つまり消えたのだ。エヴァが川の中へ飛び込んでユゴを探す。

「ラファが消えた時から分かっていた」とサラが言う「一人ずつ消えていくのね」何だかしらないが、ダラダラと進んでいき、どうしてこうなったのかとかとかの真相解明がないのだ。最後には見せてくれるのか?・・・空に浮かぶUFOとか。
自転車で走る3人、とうもろこし畑の向こうに黒煙が立ち上る。アンヘルの描いた画集に描かれている絵のように、まるで予告でもしているかのように。3人はそこへ行ってみると、旅客機がたくさん墜落していて、何処にも人の気配がない。消えてしまったのだ。

また自転車で城壁の所へと、そこで子供の泣き声を聞き、追い掛けるユリベル。ライオンに追い掛けられているようだ。港に停泊しているヨットの中へ逃げる女の子。ユリベルが助けようとするのだが、目の前で女の子が消えてしまう。
海へ出ようと3人が船を出そうとするところへ、ライオンが来る。ユリベルがそれを見て、自分の番だと確信してライオンに向かって行く。フェリックスは、寄りを戻そうとユリベルに嫉妬をさせようとエヴァを連れて来たようだ。だが、彼女はもう彼のことは愛していない。最後はフェリックスとエヴァの二人がヨットで大海原へと、発煙筒を上げるエヴァ。靄が立ち込めて船も見えなくなる。
「人は生まれて生きて、ある日消えていなくなる。限られた時間をどう生きるのか」
何も説明もなく93分の間に、人類滅亡のカウントダウンが。しかし、スリリングや恐怖というよりも、頭の中のモヤモヤ感が否めなくて、詰まらないです。
もう一つ、終末期の映画「ラスト・デイズ」も借りてきた。こちらの方がまだ内容がいい。
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かぐや姫の物語 ★★★★

2013年11月27日 | か行の映画
数々の傑作を生み出してきたスタジオジブリの巨匠、高畑勲監督が手掛けた劇場アニメ。日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、かぐや姫はどうして地球に生まれやがて月へ帰っていったのか、知られざるかぐや姫の心情と謎めいた運命の物語を水彩画のようなタッチで描く。声優陣には、ヒロインかぐや姫にテレビドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」などの朝倉あき、その幼なじみを高良健吾が務めるほか、地井武男、宮本信子など多彩な面々がそろう。
あらすじ:今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。
<感想>日本人の誰もが知る「竹取物語」しかし、かぐや姫がなぜ地球に来て、なぜ月に帰ることになったのか、その理由は知られていない。その謎を解き明かしたのが、78歳の巨匠・高畑勲監督の14年ぶりとなる新作アニメ。製作期間が8年、総制作費50億円を要したが、その期待に十分答える渾身の大作に仕上がっている。
予告編で見た“姫の犯した罪と罰”十二単を脱ぎ捨ててひたすら走るかぐや姫。今まで観たことのない、躍動感あふれる線画の衝撃。

幼い日のかぐや姫が翁たちと暮らす山での、愉快な生活は「アルプスの少女ハイジ」を彷彿とさせるなど、これまでの高畑監督作品の集大成的な映画となっているようだ。高畑監督が作りだしたかぐや姫は、生まれながら自由奔放で、自主独立の精神を体得している現代人である。
ところで、かぐや姫のキャラクターが、あまり古風ではなく、どちらかというと奔放な現代女性に近いのは何故なんだろう。つまり、この映画は平安時代の女性ではなく、平安時代のモチーフや風俗を借りて、そこに現代の女の子がポンと放りこまれたらどんな反応をするのか、といった考え方を一方では描いているようですね。
これでは極楽浄土らしい月の世界にいても、そこでの強制された快楽か何かにあきあきして、反抗したのかもしれない。そこで、彼女は地球という未開の地に島流しのように追放されたのではないか。しかし、地球の人間という、愚かで滑稽な、だが、それぞれになにか純なる愛すべき生き物たちに、何とも言えない可能性を感じたのだろう。

月から来たかぐや姫は、この地球に対して何の常識も持っていない。そんな子が山里から都に行ったときの、一瞬一瞬の反応は、現代人から見たら当たり前のもの。かぐや姫だけが自然に振る舞っている普通の人間で、その彼女を取り巻く当時の大人たちの常識が彼女をどんどん追い詰めていく構造になっていて、だから現代の人が、女性だけでなく男性も、かぐや姫の感情に寄り添って、彼女のことを思いやって見る事ができるんですよね。
それでは、何故月に帰るのか。人間よりはるかに高い文明らしい月の天女たちは、地球など一撃のもとに滅ぼす武器だって持っているのかもしれない。だから、彼女は愛した地球の人間たちのために、嫌な月へ帰るのか。月からの使者たちの長として雲の上に立つお釈迦様が。かぐや姫は、月世界の極楽浄土になかった生命の喜びを見つけたのであろう。
まず見惚れたのが、普段の見慣れた商業アニメチックな絵とは異なり、墨絵のような和風絵巻ものの世界。日本アニメの原点とも言われる鳥獣劇画を思わせている。淡く滲む水彩画の背景がスクリーンに映えて美しく、2時間の長編を透明水彩で描くという前例にないことをやってのける。何だか懐かしい気持ちにさせてくれます。
かぐや姫が一人の女性として描かれているほか、登場キャラクターは物語を動かすための駒ではなく、生きた人間としてそれぞれ描かれていて、みんな人間味が感じられます。中でも捨て丸の存在感がこの作品には欠かせないですね。翁の家の近くに住む炭焼き職人の息子。幼いころのかぐや姫と毎日のように森や川を駆け回り遊んだ楽しい思い出。
くどくどと描き込まなくても、どんどん省略していく。でも見たこともない不思議なものは克明に描かねばならないはず。都に引っ越して大きな館に住み、美貌を聞きつけた大勢の貴族に求婚され、結婚を望まない姫だったが、翁に論されて仕方なく5人の公達と対面する。

そこで彼女は、結婚の条件として入手困難な宝を要求するわけです。かぐや姫の求婚の場面で、それがたとえば、阿部の右大臣の火鼠の皮衣の場面。絹糸で織り上げてそれは見事にキラキラと輝いてました。でもその皮衣を火で燃やしてしまう姫様。驚き慌てる右大臣。大金をかけて作らせまだ代金を支払ってないというのだ。中には、ツバメの巣を取るために崖に登って命を落とす人もいる。貴公子の一人が死んだことを聞いたあと、感情に駆られて鎌で草をなぎ倒し、立ち尽くしている顔がすごくいい。
でも、一番のお気に入りはやはり竹林の中で翁が光る竹を見つけて驚いて切るところですね。竹の中から小さな可愛い十二単の人形のような子供が、翁の手の平の中で産声をあげて、赤ん坊になりすくすくと育っていくところですかね。
まるで魔法でもかけられたような、人間じゃないのに人間の赤ん坊に見えてしまう。不思議なことに、媼は高齢なのに乳が出て赤子に飲ませる。それに、育つのが速いということ。
そして、映像に台詞を当てるアフレコに対し、先に収録したセリフに合わせて映像を作るというプレスコを使用。だから人物の声、役者さんの声の実感が全面的に映像と相まってスクリーンに映えるわけですね。中でもこの映画の公開を待たずに亡くなった故・地井武男さんの翁の声が素晴らしかった。そして、物語の語り手と媼の声を演じた宮本信子の巧さに感服し、もちろんかぐや姫の朝倉あきの台詞回しもよかったし、この声優さんたちの巧さがこの作品を一段と盛り上げているのだと確信しました。
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コロニー5 ★★★★

2013年11月26日 | DVD作品ーか行
温暖化の果てに訪れた氷河期の中で、氷河期が訪れた世界で人々はコロニー<居留地>を作り、生き残るための「生存ルール」を自らに課した。迫り来る“奴ら”との戦い、凍てつく世界で繰り広げられる生存を賭けた争いを大スケールで描いたSFパニックアクションが登場!
あらすじ:世界は氷河期に入り、人々は生き抜くため地下にいくつかのコロニー<居留地>を作り生活をしていた。ある日、コロニー5からコロニー7へSOSを知らせる信号が入り、コロニー7のリーダであるブリッグス(ローレンス・フィッシュバーン)とサム(ケヴィン・ゼガーズ)たちはコロニー5へ救援に向う。しかし、彼らを待ち受けていたのは何者かに襲われ壊滅した悲惨な現場だった。
命からがらコロニー5から逃げ出したサム。しかしリーダー不在のコロニー7は仲間のメイソン(ビル・パクストン)によって支配されてしまっていた。迫り来る危機を伝えるものの聞き受けてもらえず、サムは拘束されてしまう。そんな時、コロニー7に凶暴化した“奴ら”がやってきた…。

<感想>面白そうだったのでレンタルした。異常気象の脅威と極限状況下で展開する人間模様を壮大なスケールで描いた『デイ・アフター・トゥモロー』(04)や、未曽有の爆撃により壊滅したニューヨークを舞台に、地下シェルターに避難した極限状況の人々の姿を描いた『ディヴァイド』(12)を思わせる作品。
コロニーのリーダにローレンス・フィッシュバーンが扮していて、一応リーダーをみんなは立ててはいるが、中には反逆者のように面白く思ってないメイソンがいる。その男は、コロニーは医薬品の乏しい閉鎖空間で、ひとたび風邪が発生すると1週間で20人が死ぬこともある。ゆえに、咳をしただけで隔離され、数日のうちに回復しなければ、当人の選択で銃殺か追放になるという掟が定められている。
なのに、このメイソンという男は掟を破り、感染者を勝手に銃殺してしまう。
リーダーのブリグッスは、メイソンを叱るが罰を加えるわけでもなく、コロニー5からのSOSに応えるべく、勇者を募って雪の中をひたすら歩いていく。

コロニー5の中は、まるで人食いゾンビのようになった軍団が占拠していた。食い物がなくなり、弱い人間を殺して生のまま食べる恐ろしい光景が、まるで吸血鬼やゾンビが人間を喰らう姿に背筋が凍りつきます。

そんなゾンビ軍団を相手に頑張るのですが、なにせ強いのなんの、排気口からやっとのことで外へ這いだし、崩壊寸前の橋まで追いつめられのですが、ダイナマイトを持っていたローレンス・フィッシュバーンが、ライターで火を点けたのはいいが、直ぐに消えてしまい戻ってまた火をつけ直す。もう自分も一緒に自爆ですよこれは。でも橋は寸断されて、これで自分たちのコロニーには襲って来ないと思ってました。

しかし、こいつら人間じゃないから、どうやって橋を渡ったのか襲ってきたのです。みんなは鉄の防火扉を閉めて、奥へと非難するのですが、通気口から侵入してきて襲い掛かります。狂暴化した彼らは、なんてったて、強いのなんの、その中のボスが化け物的なキャラでインパクト大で大盛り上がりです。
リーダーのいない留守に、あのメイソンがボスになって威張り散らして仕切ってます。そのメイソンでさえ叶わぬ狂暴な敵だったのが、やっぱりってこと。

住人たちは銃を手に必死で応戦するが、弾は無くなり、もはや逃げ場はなくなり、ホールの厚い扉もこじ開けられてしまう!どうするの、サムが提案する。プロパンガス?違うかダイナマイトか?どっちか分からないが、とにかく爆破して、ヤツラが入って来た通風口から逃げようと、命からがら数人だけ助かります。

彼らが目指すのは、地球上の中で一つだけ赤く染まっている地帯。そこへ生き残るために植物の種を持って向う人たち。果たして、彼らは猛吹雪の中を歩いてたどり着けるのだろうか。この作品を観て思ったのは、極限の中で人間は一致団結して生きられるのか?・・・しかし、人間の理性をなくし本性を剥き出しにした人間の怖さをこれでもかと見せつけられ、情けなくて、人間の弱さを思い知らされた気分でした。
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ヨンガシ 変種増殖 ★★★.5

2013年11月25日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
変異した寄生虫ヨンガシ(ハリガネムシ)の大量発生による混乱と、それを食い止めようとする者たちの奔走を活写したパニック・ムービー。テレビドラマ「ベートーベン・ウィルス ~愛と情熱のシンフォニー~」のキム・ミョンミンが、家族を殺人寄生虫から守ろうとする主人公を熱演。『ごめんね、ありがとう』のムン・ジョンヒや『まわし蹴り』のキム・ドンワンら、実力派たちが脇を固めている。スピード感あふれる展開もさることながら、ハリガネムシの生態をめぐるリアルな描写も見ものだ。
あらすじ:製薬会社の営業として、多忙な毎日を過ごすジェヒョク(キム・ミョンミン)。ある日、各地の川辺で変死体が次々と発見され、ジェヒョクの弟である刑事ジェピル(キム・ドンワン)が捜査を始める。やがて、一連の変死事件の原因が寄生虫のヨンガシ(ハリガネムシ)が突然変異して人間の体内に入ったことが原因と発表される。政府は緊急対策本部設置などの事態収拾に当たるが、パニックはとどまる気配を見せない。慌てて家族のもとへ戻るジェヒョクだが、妻と子どもたちが必要以上に水を欲する姿に彼らのヨンガシ寄生を疑う。
<感想>これもTVDでレンタル。とにかく異様な冒頭から引き込まれました。川に飛び込んだ人間が、なぜか川の水をカブ飲みし、まもなく痩せて骨と皮だけの変死体になってしまう。こんなの有り得ないですよ。
その川の支流で次々と変死体が浮かびあがる一方、水を飲み続ける感染者たちが病院に溢れて、事態の収拾に追われる政府や危機管理センターの慌てぶりが描写されます。
徐々に広がっていく感染パニックを捉えつつ、製薬会社勤務の主人公ジェヒョクとその家族の暮らしぶりが映し出され、ですが、妻と子供2人もまた、パニックの渦中に巻き込まれ、小市民の視点から感染系パニックの恐怖をあぶりだします。

まもなく原因が昆虫(カマキリ)に寄生するハリガネ虫の変異体と判明し、それが人の肛門や口から体内に侵入し、成虫になるまで小腸の内壁に付着して栄養を吸収。成虫になると宿主の中枢神経を刺激して、宿主を水中に飛び込ませせる。ハリガネムシが体外へ出て水中で交尾し、1度に数10万の卵を産むというのだ。
さすがに口や肛門から寄生虫の変異体が飛び出すというエグイ描写はないが、それでも研究室や隔離された体育館の中で、細いワーム状の寄生虫を見ただけでも思わず身震いがしますから。赤黒いミミズのような、キモイです。
しかしながら、本当に恐ろしいのは寄生虫ではなく、水欲しさに、特効薬欲しさに、狂人のごとく迫りくる人間の方だろう。本当だったら政府が世界中の保健機関に働きかけて、薬なりワクチンなり何らかの対処の方法があると思ったのだが。
冒頭からいくつもの伏線を張りめぐらせ、感染パニックを引き起こした陰謀が明らかになるまでは、見事な緊迫感と人間の集団意識の怖さ、おぞましさに目を逸らしたくなります。冒頭で、何者かがレジャー用の河川の上流に実験用の寄生虫を流し込、そこへ季節的に夏休みが入ったこともあり、家族で川遊びやキャンプに大勢押し寄せてくる。だから、主人公のジェヒョクは仕事が忙しくて、家族と一緒にその汚染された川へは行っていなかったのだ。

製薬会社に勤務の主人公、家族が感染していることが分かり、薬を探して歩くのですが、裏ルートで高額な虫下しを手に入れるシーン。折角手に入れたのに、門前にいた母子に分け与えたのがアダになり、大勢の人たちが寄ってたかってその貴重な薬を取り上げる。まぁ、自分の家族だけ助かってもと思いました。
隔離された体育館では、水欲しさに騒ぐ人々。ジェヒョクの奥さんが天井の防災スプリンクラーを見て、その赤いボタンを押そうとする瞬間に、男が電気のレバーを下げて難を逃れる。体内にいる寄生虫が、外へ出たいと水を欲しがるけれど、我慢するしかないのだ。
問題は、倒産寸前の製薬会社がハリガネ虫を変異させ、犬に寄生させて川に死骸を放つところから100万人以上の死者を含む感染者が発生するという。この製薬会社は虫下しの特効薬をすでに生産していて、会社の株を上昇させ、特効薬を政府に会社ごと売って儲けようとしたのです。普通はあり得ない事件ですが、こういった人体に影響を与えて、金儲けを企む製薬会社という設定はなかったので、話の展開が面白かったです。
しかし、感染の特効薬を生産する下りは、あまりに簡単になっていて残念ですよね。お約束とはいえ、不気味な余韻を残したラストが恐ろしいですから。
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監禁探偵 ★.5

2013年11月25日 | DVD作品ーか行
一世を風靡(ふうび)したゲーム「かまいたちの夜」のシナリオなどで知られる我孫子武丸が原作を手掛けたコミックを実写化したサスペンス・ミステリー。殺人現場となったマンションの一室で出くわした男と女が、お互いに疑いの目を向けながらも事件解決に挑んでいく姿を描く。主演は、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の三浦貴大とテレビドラマ「純と愛」の夏菜。メガホンを取るのは、『シャッフル』などの及川拓郎。先読み不可能な展開はもちろん、主演二人が見せる息の合ったコンビぶりも魅力だ。
<感想>興味はあったんだけど、劇場へは見に行かなかった。やっぱDVDで正解だった。というのも、殆ど密室劇で主人公の三浦貴大君と夏菜ちゃんが、二人で部屋の中で殺された女の犯人は「お前じゃないの?」とか、お互いに疑ってかかって、映画の冒頭で三浦君が殺された女の部屋を盗撮している様子が分かる。だから犯人は三浦君じゃないことは分かっている。だが、その部屋へ突然入って来たアカネが犯人かと思ってしまう。

それでも、驚いて三浦くんが、って名前が無いんですよ。最後の方で明かされるけどね。しかし、アカネを殴って気絶させて自分の部屋連れてきて、ベットに両手、両足を縛りつけるってどういうこと。
殺された女はモデルで、その他にもコールガールの仕事をしていた。相手をしていた客は、有名なお金持ちばかり。何者かに殺され、顧客のデーターが盗まれたとすれば、組織が動いてくる。ですが、実は三浦君もコールガールの組織の人間で、だから女を見張っていたというわけ。その顧客データーが入っているスマホを、殺された女の部屋から持ってきた三浦君。それからが、その三浦君の部屋で真犯人探しをあれこれと推理するお話で時間稼ぎですか?・・・つまんない。

だから、主人公の二人って言ってもね、夏菜ちゃんは可愛いし、シャワーシーンとか、ブラとショーツ一つにもなるしで、女って得ですよね。それに、PCで殺された女の交遊関係を探すプロでもある。だから、三浦君のドジさ加減が余計に目立って、目を剥きだし怒る演技と棒立ちで喋る演技しかないって、これはもう大根役者でしょうに。

脇役のコールガールの事務所の人間で、刑事という設定の甲本雅裕のベテランの演技が光っていて、もの凄くいい感じでした。この俳優さん、結構映画に脇役で出て来るんだけど、あんまり目立たなくってぼんやりとしたイメージしかない。でもこの映画の中ではさすがに光っていた。あっ、でも北川景子と共演した藤沢周平作の時代劇「花のあと」での朴とつとした侍の演技は良かったですよ。

それに、突然部屋に鍵開けて入ってくるオバサン。黒いサングラスに黒のコート着て、出刃包丁を左手に持って三浦のいない留守にしか来ない。怖いよね、コンビニのオバサンなのに。三浦の部屋にいた夏菜を見て逆上して殺そうとするのだから、冒頭のレナを殺したのもこのオバサンだった。
自分の息子が女と心中して、息子は死に女は助かったようだ。コンビニで働いている時に、若者に万引きされ注意をすると殴る蹴るの乱暴をされ、その時助けてくれたのが三浦君。だから、自分の息子が生き返って来たと思い込み、三浦君を可愛がり、彼に近寄ってくる女たちから守ろうとしたというのだ。オバサンは頭が狂っている設定だが、こういう人は精神病院行きでしょう。
それにしても、最後にオマケの映像で、コールガールの女たちがクルーザーの機関室に閉じ込められている情報を受け、駆け付ける三浦くん。黒いレザー服着てかっこよくキメているけど、今度の仕事は探偵なの、それとも刑事かな?・・・船の機関室の奥に夏菜ちゃんがいたから、きっと二人で探偵稼業でもしてるのかもしれませんね。こんな内容で、盛り上がりに欠けていて、ミステリーってほどでもなし、TVドラマで十分な気がしました。
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劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇 ★★★

2013年11月24日 | アクション映画ーサ行
戸田恵梨香と加瀬亮がW主演を果たし、“SPEC”こと特殊能力を保持する犯罪者と対峙(たいじ)する特殊捜査官の奮闘に迫る人気シリーズ完結編2部作の前編。宿敵との死闘を終えた未詳と呼ばれる未詳事件特別対策係所属の名コンビが、新たに立ちふさがる敵に向かうさまを活写する。メガホンを取るのは、テレビドラマシリーズから劇場版までを手掛けてきた堤幸彦監督。あらがえない流れに翻弄(ほんろう)される登場人物たちが体験する壮大な展開に息をのむ。
あらすじ:時を止められる無敵の超能力者ニノマエ(神木隆之介)との激しい戦いに勝利し、当麻(戸田恵梨香)と瀬文(加瀬亮)は虫の息で病院に搬送される。一瞬二人の距離は近づいたかのようにも思えたが、同じ頃、ある人物は着々と世界の終息に向けて準備を進めていた。やがて特殊能力者たちが世間を騒がせ始め、当麻の中のSPECがついに覚醒し……。

<感想>警視庁の地下21.5階にある小さな部署。通称、未詳。主に科学捜査では説明のつかないSPEC絡みの事件を扱う部署。連続ドラマで一度となく無くなりかけたが、その後無事に復活した。捜査一課のエリートからはお荷物部署として見下されている。
はっきり言って、ハードルの高い作品です。何故って、これまでのシリーズを観ていること、しかもかなり熱心にが必要最低条件だなんて、初めて今回観る方はもちろん、前回の作品も見直すと尚のこと分かり安いですよ。

でも、3年に亘って「SPEC」を追って来たファンにとっては相変わらず凄まじい伏線と視覚効果の数々といい、意味不明なタイミングでインサートしてくる寒いギャグといい。
そして、急転直下のシリアスな展開のカタルシスといい、それと、気付かなければ気付かないまま終わっていく細部に至る徹底した設定の作り込みである。だが、つい引き込まれて行くあの「SPEC」の中毒性といい、それらが全てノンストップで味わえること文句なしの映画である。
今回は、多様な要素が絡み合う、難解な出来なんですよ。パラレルワールドだったり、時系列が関係していたり、その中で人間模様だったり、とにかくややっこしいのだ。作品全体としては、社会に対する強い反発心がいろんな方から表現されているので、ギャグなどの笑いが少ないと感じた。
それに、当麻と瀬文の関係にも変化が訪れ、これまで互いの気持ちを押し殺してきた感があったが、今回はコンビ愛でもないし、単なる男女の愛でもない。いろんなものを超えた究極の愛情関係になっているようですね。
しかも、2人の出会いは決して偶然だったのではなく、必然だったことが分かってくる。「結」では当麻が中心の話で、役割的にも心情的にも瀬文のやることといったら、どう当麻をサポートするかってこと。「天」の終りで体を張って当麻を守ったことで、瀬文の当麻に対する想いみたいなもうバレているし、ここで当麻への思いを隠す必要なんてない。

しかし今回は、未詳の責任者である野々村係長が殉職という悲しい出来事がある。それでも野々村の愛人で、相変わらず元婦警の雅といちゃいちゃして、有給休暇を利用してハワイ旅行を企てていたが、その前にやらなくてはならない仕事をと、引き継ぎ書を当麻と瀬文に残していく。しかし、その死にざまはしつこくてウザイ。
もちろんギョウザロボットも出てきますが、壊れて使えない。それを野々村係長が足で蹴ったり叩いたりと、直してしまった。
スカイツリーの上で、白い服の大島優子扮する謎の女と向井理扮するセカイ。青池の娘潤を伴って「天」のラストで意味深に現れた謎の男で、一のクローンたちを瞬時に消し去ったほどのパワーは無限大?ってことなの。

そして、元組織犯罪対策本部の刑事吉川(北村一輝)が、「翔」の事件を解決後に、ミイラ化されたはずが、野々村係長がお湯をかけて甦らせたという設定で現れる。もう、うるさいのなんの、時間が経つとフリーズ化するし、お湯をかけないとダメ。活躍シーンってあったっけ?。その他にも捜査一課所属の、意外に頼れる雑魚トリオの3人。

それに、煌びやかな衣装に身を包み、「東西、東西」って、水を自在に操り拳銃の役目があるSPECの水芸人・香椎由宇。その他にも能面をかぶった人物も現れ、当麻と瀬文が対峙する。そしてプロフェッサーJの正体は?・・・。

シンプルプランとは、日本を陰で操る御前会議の面々がSPECホルダー抹殺を計画。5つのパーツに分けてあり、実は一部を野々村係長が隠している。
当麻や瀬文ほかSPECホルダーを持つ人間を皆殺しにするワクチンを手に入れる当麻なのだが、今回は封印していた当麻の左手が伸びて活躍する。珍しくビビル当麻が、「瀬文さん、私が道を誤るようなことがあったら、その時は撃ち殺して下さい」と感情的になる。

このウィルスでワクチンを作りって言っていた当麻が、ウイルスの入った瓶が水芸人の扇が飛んできて割れてしまいウイルスに感染。シンプルプランはどうしたの?、「わしら死ぬ」いや、当麻がウイルスに感染してしまったので、後編はどうなるの?・・・楽しみですよね。
後編の予告で、SPECホルダー抹殺計画、シンプルプランに感染するSPECホルダーたち。強力なSPECを宿しながら、それを自ら封印した当麻。しかし、「天」では彼女の中の何かが暴走。両眼は黒く沈み、相棒である瀬文に銃弾を放った。もし「結」で再び同じ状態に陥ってしまったら、彼女は今度こそ旧人類と敵対するSPECホルダー側についてしまうかもしれないのだ。当麻の刑事魂は“黒”に勝るのか?・・・人類の命運を託されたヒロイン当麻の最後の戦い“結”「爻ノ篇」に期待しようではないか。
2013年劇場鑑賞作品・・・331  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
「天」で提示されたファティマ第三の予言:カトリック教会が長く極秘にしてきた予言。「天」では世界を滅ぼそうとする“左手に火の剣を持つ天使”と、それを止める聖母の物語として語られた。

劇場版SPEC「天」  
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42~世界を変えた男~★★★★

2013年11月23日 | や行の映画
黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記ドラマ。白人の世界だったメジャーリーグに飛び込み、偏見や差別に屈することなく奮闘した彼の姿を描く。監督は、『L.A.コンフィデンシャル』の脚本家としても知られるブライアン・ヘルゲランド。テレビドラマ「FRINGE/フリンジ」などのチャドウィック・ボーズマンが、ジャッキーを快演。親身になって彼を支えたドジャースの重役ブランチ・リッキーを、名優ハリソン・フォードが徹底した人物リサーチと特殊メイクを施して演じ切っている。
あらすじ:1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとして迎える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なものでしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。

<感想>みなさんの評判がいいようなので、終わらないうちにと鑑賞した。メジャーリーグ全球団で永久欠番となっている唯一の背番号「42」。この背番号を背負っていたのが、近代メジャーリーグ初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソン。
ウィキペディアで調べて見るとたくさんの選手の番号が載ってましたね。
そうはいっても、余りメジャーリーグに興味がない私には、初めて耳にすることばかり。日本の野球界で知っているのは、王貞治の1番と、長嶋茂雄の3番、沢村栄治の14番、川上哲治の16番、金田正一の34番くらいなものです。
いや、ここ数年の映画に出演した中でハリソン・フォードの演技がすこぶる良かった。球団職員には、「すべてお金のためさ」とビジネスマンとしての顔を貫き、ベンチ裏でロビンソンと2人きりになると、元野球少年の素顔をのぞかせ擁護してくれる。
それに、彼が演じたオーナーのバックアップにより、第二次大戦直後のアメリカ野球界の黒人選手差別の問題を、声高に叫ぶことなく忍耐と努力で乗り越えたジャッキー・ロビンソンの姿が神々しく見えました。

人種隔離制度が廃止されるのは1964年になってから。ロビンソンが球界入りしたのは、人種差別バリバリの時代で、黒人は白人と一緒にホテルに入れず、トイレも使用できなかった。野球場の中でも別に設置したトイレを使用した。これは以前に観た「ヘルプ 心がつなぐストーリー」でも、黒人差別で酷かったですよね。
400人もいたメジャーリーガーたちは全員白人選手で、彼のメジャー挑戦がいかにどれだけ画期的なことだったかが分かります。天才興行師として鳴らしていたブランチ・リッキー会長の「1ドル紙幣は白でも黒でもない、緑色だ」という言葉が最高に奮っています。だから、ロビンソンを入団させることでチーム力がアップし、黒人層の観客動員が見込めることも頷けますね。そして、人種差別のない社会づくりに野球界が率先して取り組んでいることをアピールしているようでもあります。
実は、リッキー会長と契約を結ぶ前に、ロビンソンが所属していたのは黒人のリーグ。時速170キロの豪速球を投げた超人級のスター選手がゴロゴロしていたが、ロビンソン選手の温厚な性格も考慮しての抜擢だった。

UCLAにに在籍し、陸軍将校も務めたロビンソンなら、球場内外で起きるトラブルに絶えうる理性を持っているだろうと。実際に、フィールドに足を踏み入れたロビンソン選手は四面楚歌状態になる。対戦チームに観客は「ニーガ」の大連呼。デッドボールを投げられ、審判は不利な判定を下す始末。
チームメイトもファンもマスコミまでブーイングをする孤立無援のなかで、彼はみんなが、自分にも納得する結果を残さなくてはならないのだ。
一挙に盛り上がりそうなところを、ぐっと抑えて淡々と描いていくところなど、知的な脚本と、10年ぶりのブライアン・ヘルゲランド監督の演出が素晴らしいですね。
しかし、実際の差別はこんなものではなく、それは今日まで延々と続いていると言われていることで。永久欠番の「42」こそ、彼らが犯した行為がいかに罪深いかを示している証なのです。

野球映画独特の快楽もちゃんとあるのだが、「偉人伝を見た」という印象を受けた。人種差別をするのは悪人だし、差別に負けず地位を築いていく人は偉いし、差別心なく支える理解者は善い人。そういうズバリな演出で描かれている。
人種差別主義者は憎々しげに卑劣な行為をして、偉人の主人公は怒り返すこともなく、強い精神力で乗り越え理解者を増やしていく。忍耐と努力の人ですね。
ジャッキー・ロビンソン選手の得意技がリード、というところに目を付けたのが、何より成功の鍵になったのだろう。差別や迫害があり、打席では危険球を投げつけられるが、塁に出てしまいさえすればルールに守られ自由を謳歌できる。彼のガッツはその不敵な走塁術に託して表現されたのだ。
球場の外で描かれる彼の偉人伝的物語は、教科書的な再現映像として見えてしまうリスクもあったが、感動するシーンの方が断然強く印象に残ってしまった。
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キッズ・リターン 再会の時 ★★★

2013年11月22日 | アクション映画ーカ行
北野武監督が1996年に発表した「キッズ・リターン」の10年後を舞台に、主人公マサルとシンジのその後を描いた物語。高校卒業後、プロボクサーとヤクザという全く別々の人生を選択し、その道の頂点を目指したシンジとマサルだったが、大きな壁にぶつかり挫折。ボクシングへの情熱を失ったシンジは、アルバイトをただこなすだけの日々を送り、刑務所から出所したマサルも、ヤクザ生活に戻るしかなかった。しかし、そんな2人が偶然の再会を果たしたことから、再びそれぞれの人生をかけた勝負に出ることを決意する。シンジ役を平岡祐太、マサル役を三浦貴大が演じ、多数の北野監督作で助監督を務めた清水浩がメガホンをとった。
<感想>先週で終了だというので、駆け込みで15日に鑑賞。どちらかと言うとバイオレンス映画のイメージが強かった北野武監督作品だが、「キッズ・リターン」は青春映画の名作として男女を問わず幅広く支持されてと思う。主演の金子賢と安藤政信もたちまち人気俳優になったようだし。
前作が「その後」を描く必要のない終わり方だっただけに、今回の企画は大いに疑問を感じた。無理を承知でいえば、金子賢と安藤政信に、17年後のシンジとマサルを演じて欲しかったと思います。

北野監督の「キッズ・リターン」といえば、シンジとマサルの自転車に二人乗りして「まだ始まっちゃいね~よ」と呟くシーンが有名なのだが、再び自転車に乗り、ハンパな青春にオトシマエをつける二人が見れる。
シンジ役に挑んだのは平岡祐太。若手でもベテランでもないという自身の立場を役に投影して、3ヵ月に及ぶボクシング練習を重ねたそうです。前作の評価が高いだけに、難しいハードルとなったが、平岡や北野作品で助監督を務めてきた清水浩監督らが、意地を見せた熱いクライマックスに仕上がっている。

物語は、高校を出たシンジはプロボクサーになったものの、噛ませ犬的な試合ばかり組まれ、闘う意欲を失っていた。そんな時に、悪友のマサルが5年の刑期を終えて出所するも、組はもう解散寸前状態だった。仁義を欠くようになったヤクザの世界に不満を募らせていくマサル。「見返してやろうぜ」という言葉に励まされ、シンジは半端なフリーター生活を止めて、トレーニングに打ち込むことに。

「各上の相手でも倒してしまえばいい」というマサルの言葉にシンジの闘志に再び火が点くのだが。トレーニングを重ねていくうち、シンジにかつての切れ味が戻ってくる。再びリングに上がったシンジは、勝利を重ねていく。
一方、シンジの復活劇にマサルは大喜び。だが、マサルが昔から世話になっていた組は解散寸前。マサルは一大決心をしてケジメをつけることにした。
だから、その10年後の物語ということで、高校生の同級生だった落ちこぼれの二人が、10年後に偶然再会する設定は悪くない。

しかしだ、配役に関しては、シンジ役の平岡祐太は新人王を取りながら、挫折したボクサーに見えないし、一応、安藤政信の雰囲気はあることはあるのだが。
マサル役の三浦貴大は、さすがに金子賢と比べたら背丈が縮みすぎ。刑務所を出所したばかりのヤクザには見えないのだが、いっぱしになれない青春の名残の感じはする。
終盤のボクシングシーンは、かなりの興奮度マックスでした。ですが、マサルが敵討ちに行くも反対に撃たれてしまい、そのままシンジの試合を見に行こうと後楽園ホールへ辿り着くシーンも、二人が現実の厳しさに直面するのは、北野監督作品の繰り返しで、挫折した若者のリターンマッチとしては物足りなかった。
なにかと白黒つけなければならない年齢になった者たちの、ほろ苦さを描いた別個のドラマとしてみれば、極めてまっとうな作品だと思う。
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四十九日のレシピ ★★★

2013年11月21日 | さ行の映画
NHKでドラマ化もされた伊吹有喜の人気小説を、「百万円と苦虫女」「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキ監督が映画化。母が残したあるレシピによって、離れ離れになっていた家族が再び集い、それぞれが抱えた心の傷と向き合いながら再生していく姿を描く。
あらすじ:妻の乙美を亡くして生きる気力を失っていた良平のもとに、夫の不倫で結婚生活が破たんし、離婚を決意した娘の百合子が戻ってくる。そして、そんな2人の前に、派手な服を着た不思議な少女イモが現れる。イモは、乙美から頼まれていた四十九日までの家事を引き受けにやってきたと言い、乙美が残したというレシピの存在を伝える。百合子役で永作博美が主演。父・良平役の石橋蓮司、イモ役の二階堂ふみらが共演。

<感想>主人公役の永作博美さん、嫌いじゃないけどなんか影があるような、何だかミスキャストのような気がした。別に華のある女優さんじゃなければというわけでもないが、作品的にチマチマとした感じが、永作博美の生真面目なオーラのせいに思えてしまうのだ。父親の石橋蓮司は、オロオロとして何だか頑固親父には見えなかった。でも、お風呂で二階堂ふみに背中を流してもらっている映像には、つい吹き出してしまった。

確かに主人公の百合子は、夫との関係に問題を抱えて実家に戻ってきているのだが、実家で出会う様々な若者たちとの、ぎこちない距離感が最後まで消えない。
料理の映画だと思って、たくさん美味しそうな料理がテーブルに並ぶのかと期待したのだが、確かにコロッケパンなるサンドイッチとちらし寿司、それにいろんな料理が並んでいたが、レシピもそんなに画面には出てこないのだ。つまり、生活や料理に関する知恵が書き込まれた「暮らしのレシピカード」
母親が遺した肝心のレシピも、作劇上不可欠なお宝としての役割は与えられず、最後の娘婿にあげてしまう程度のものにすぎない。

この映画、子供が出来ないなんてたいした問題じゃない。というのをこんな大げさに扱うしかなかったのは大失敗である。というのも、49日の大宴会を家でするために、部屋を飾る母親の生きた明かしの年表を作る娘。そこで、空白の部分が目立って、子供がいなかった亡き母親のことを、自分も不妊症で子供が産めないことを涙していう。「出産をしない女の人生は空っぽだ」という百合子。これって、女の人が見たら怒り心頭なんじゃないの。

そもそも、亡くなったお母さんは後妻で、育ての親なわけで、子供が出来なかった。「どうでもいい仕来たりやシガラミを笑い飛ばしなさい、そのために美味しいレシピを残します。」という企画なんだから、そっちを強調してくれないと、旦那がくだらない愛人が出来て、妊娠までさせちゃって、という部分にこだわったせいで、その旦那が土下座までして「帰って来てくれ、やり直そう」と百合子に赦しを乞う下りで、仕上がりが汚らしくなってしまった。

それに、どの人物の行動も一貫性がなく、前後のシーンで感情が繋がっていないことに気付く。母親が生きている間に働いていた養護施設の子供たち。イモ役の二階堂ふみが可愛らしく演技して、岡田将生のブラジル人二世役の片言日本語の台詞の違和感など、それと淡路恵子の叔母さん、啖呵を切って49日の法要の席を出て行ったのに、何故か仲間を連れて戻ってきてフラダンスを踊り出すシーン。これは、演出的な飛躍があれば際立つシーンも、支離滅裂な行動に見えてしまって残念です。
タナダ監督の前作「百万円と苦虫女」「ふがいない僕は空を見た」同様、あれこれの話を盛り込んでいるが、今回はちと作品の開放感が希薄になっているように見えました。
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ルームメイト ★★★

2013年11月20日 | アクション映画ーラ行
北川景子と深田恭子が初共演し、「オトシモノ」「Another アナザー」の古澤健監督が手がけたホラー。今邑彩の同名小説を原案に、ルームメイトの奇妙な行動をきっかけに奇怪な事件に巻き込まれていく女性の恐怖を描く。
あらすじ:派遣社員として働く23歳の萩尾春海は、交通事故に遭い入院した病院で、看護師の西村麗子と出会う。患者と看護師として知り合った2人だが意気投合し、春海の退院をきっかけに麗子がルームシェアを提案。2人は一緒に暮らしはじめる。順調な共同生活を送っていたある日、春海は麗子の奇妙な言動を目撃し、それ以降、周囲で不可解な事件が続発。ついには殺人事件まで起こってしまう。そして、春海の前に麗子とそっくりなマリという女性が現れ……。
<感想>友達同士で一緒に暮らすのって一見楽しそうですが、最近、若者の間でもルームシェアが流行っているけれど、本作を観たら絶対に考え直したくなるかもです。決してオカルト・ホラーものではありません。

そう、北川景子と深田恭子という今をときめく美女2人がキャスティングされた友情物語ではなく、怖~いサスペンスドラマなんです。同じ家で暮らす相手を疑う怖さといったら、・・・姉妹ならともかくも、友人は他人でいくら仲がいいからといっても、始めはお互いに気を使って上手くいっているようでも、暫くすると自分のエゴとかわがままが出て来て、それにプライバシーもないし、掃除、洗濯、料理など2人で分担してやればいいのだが、仕事の都合とか恋人が出来たとかいっている内に仲違いをしてダメになると思う。

別々に暮らしていて、たまに食事とか映画を観に行くのだったらいいけれどね。
ところが、この作品はちょっと違うんですよ。最初のシチュエーションから観客を欺く仕掛けが満載なんです。
主人公の病気、多重人格という自分が嫌なことがあると別の人間になって行動する。そして、その成り代わりの人物のことは一切覚えていないという特殊な病気。
だから、一軒家で2人で暮らしているように見えますが、どこか変な感じもするでもなしに、後ろをスス~ッと誰かが通り過ぎる。そんな気配がしたらあなたも要注意ですよ。

麗子役の深田恭子の白衣の天使から豹変し、悪女のような恐ろしげな演技が最高です。それにもうひとり、クラブで働く麗子そっくりのマリという女が、最高の悪魔のように妖艶な笑みを浮かべる深田恭子もなんですね。「おお、そう来るか」と、新たな驚きが次へとつながる起承転結のうまさに、思わず目が釘付け状態になりますから。
しかも二転三転を繰り返し、たどり着いた衝撃の事実とは、それまで観ていた春海と麗子への考えや感情をひっくり返され、最後の真実にはかなりエグく辛い現実だったとは。だからそれを変に煽るわけでもなく、現実が露わになるラストに、「やっぱりそうだったのか」と思ってしまった。

確かに春海役の北川景子は、シリアスな演技がからっきしダメみたいで、だれより信じたい親友を疑わなければならない苦悩や、葛藤を一人芝居していたわけで、恐怖に顔を引きつらせながら演じる彼女。
でも仮面は剥される。それは交通事故の加害者である工藤を演じた高良健吾が、衝突した時に目にした春海の何通りもの姿だったのです。

いやいや騙されませんでしたよ。なんか変だと気づき、これは多重人格障害者だと、それも三重人格者かと、ところが高校生のコーラスを見て、中に一人歌を歌っていない生徒がいると気づき、その女子生徒が4人目だったのですね。
つまり春海の本当の名前はエリで、子供のころから母親が売春をして生計を立てていて、子供のエリを客に提供して金を稼いでいた。つまり幼児虐待というあまりにも唐突すぎて冗談かと思った。そんな生活にエリという人格が春海という人格を作り、逃避して別人格となって母親を殺して床下に埋めて家を出る。それからは、派遣社員で春海と名乗り母親の残した預金で生活をした。

交通事故で、病院で見た看護婦の麗子も、春海がまたもや麗子という別人格になり、その次がマリというクラブに勤める女に変貌する。そして、幼いころに性虐待を受けた彼女が、高校生のエリに自分と同じ姿を見つけて匿っていたようだ。その男を殺そうと市長選挙の演説会場で、ナイフを手に男を刺し殺そうとするエリを止めるマリ。自分と同じ過ちを繰り返すようになるのが恐ろしく思ったのか?
高良健吾もただ出ているだけという、演技を見せる出番がなかったのが惜しい。
気弱な春海が、だんだんと悪女に変身していっているようで、と思って見ていたが、別人格に変貌する時は北川景子から深田恭子に代わるので、もし、北川景子が変装して三役を演じたら、また違った作品になっていたのかもしれませんね。
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マラヴィータ ★★★★

2013年11月19日 | アクション映画ーマ行
監督を務めるリュック・ベッソンが、マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの黄金コンビをそれぞれ製作総指揮と主演に迎えて贈るクライム・ドラマ。原作はトニーノ・ブナキスタの『隣りのマフィア』。FBIの証人保護プログラムによってフランスに移住した元マフィアの男とその家族、というワケあり一家が巻き起こす大騒動を描く。共演はミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ。
<感想>スコセッシ×デ・ニーロ×ベッソン!?まさかの組み合わせでよる快作である。泣く子も黙る製作総指揮のマーティン・スコセッシとデ・ニーロの最強コンビが、フランス勢力のヨーロッパ・コープ社長、リュック・ベッソン(監督・脚本)と組み、米・仏の両雄を繋げてしまったのが、原作「隣のマフィア」のトニーノ・ブナキスタである。

フランスのド田舎に都落ちした元マフィア一家のドタバタ喜劇を、あり得ない豪華キャスト&スタッフで描いたのが本作なんですね。驚異的な腕っ節の強さと団結力で観客を魅了してきた最強ファミリーの数々を振り返り、映画における家族の強さを考察します。
ところどころでフランス語の台詞、でも英語の台詞の方が多い。ド田舎でもフランス人気質というか、「アメリカ人は全員バカで無教養で味覚音痴だ」という地元民たちの冷ややかな視線を、ぐっとこらえてホームパーティを開き、自慢のパスタ料理を振る舞う母親役のミシェル・ファイファーの腕前には賞賛の声も。
アメリカ人というと、ホットドッグにハンバーグ、コーラとピザが定番メニューと思っている地元民。しかし、「あいつら濃い味が好きだから、バターさえ入っていれば何でもいいのよ」と言い切る姉さんには、プッツンと切れるとプロパンガス爆発でドッカンですからくれぐれもご注意を。

面白いのが父親役のデ・ニーロが、かつてブルックリンでブイブイ言わせていたころの回想シーンでは、まさにスコセッシのギャング映画を彷彿とさせる空気感が再現されていて最高。ブルックリン高架下を我が物顔でかっぽするデ・ニーロ親分の勇姿が、いまの時代に観られるとは感動しきり。
そして物語の中盤で、スコセッシ監督の傑作「グッドフェローズ」(90)が、慈善活動の映画鑑賞会で上映されるシーンで、本当はヴィンセント・ミネリの「走り来る人々」をやる予定が、フィルムが間違って届いたという設定になってます。そこで映像こそ見せてはいないが、隣の席にFBIのトミー・リー・ジョーンズが座り、デ・ニーロが「グッドフェローズ」の映画の解説をする場面があります。もちろん地元の人たちにはヤンヤの大喝采でした。

この地でのフレッド・ブレイクはもちろん偽名で、本当の名前はジョヴァンニ・マンゾーニである。かつてはイタリア系マフィアを率いていたボスだが、殺し屋から狙われる身となり、FBIの証人保護プログラムを適用され、フランスの地でごく普通のアメリカ人を装っている設定なわけ。原作者のブナキスタも名前で分かるようにイタリア系なのだ。タイトルの「マラヴィータ」とは、イタリア語で裏社会の意味だそうで、この作品の中では飼い犬の名前になっている。

しかしだ、素性を隠しつつ慣れないフランスでの生活に、ブレイク一家はアメリカとのカルチャーギャップでストレスを溜めたり、地元民からはナメた扱いをうけたりする。だが、妻のマギーはクソ店員や常連客のいるスーパーを即刻爆破し、長女ベルは数学教師を誘惑。小柄な長男ウォレンは、学校内の人間会計を把握してパワーゲームの制覇者となるなど、それぞれ最強ファミリーぶりを発揮するのだが、・・・。
父親の血の気の多さを引き継いだ娘役のディアナ・アグロンは、帰り道の分からない彼女を騙して遠くへ連れ出したスケベ野郎を、テニスラケットが折れるまで殴打して、自分で彼らの車を運転して家へ帰るのだ。その他にも、怠け者の癖に口だけは一丁前なフランス人野郎どもを、父親のデ・ニーロが配管工事に来た職人を野球バットで滅多打ちにするシーンなどが満載です。

そこへアメリカからギャングの殺し屋たちがやって来るのだが、田舎町の警察に行き警察官を撃ち殺し、消防署の人間も撃ち殺し、デ・ニーロの家を見つけてロケットランチャーを発射!・・・ドッカンという凄まじい音とともに家が木端微塵。幸い家の中にいたデ・ニーロ親分は犬と一緒に外へ逃げ出していた。
迎えの家に張り込んでいたFBIの捜査官たちも撃たれてしまい、そこにいた妻のマギーはピンチに。そこへ助けに来たのがデ・ニーロ。子供たちもヤワじゃない。銃を手に戦うのだ。もちろんFBIのトミー・リー・ジョーンズも助っ人に来ますよ。
主人公一家を監視するFBI役のジョーンズ星人とデ・ニーロは、本作が意外にも初共演だそうです。
最近のベッソン監督は、「96時間」シリーズで、“アクション+家族愛”に活路を見出し、全米でも大成功。しかし、忘れてはならないのがNYを舞台にしたイタリア系の殺し屋を描いた「レオン」が最高だった。それにプロデューサーとしては、「TAXI」や「トランスポーター」シリーズなど娯楽アクションもよかった。
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くじけないで ★★★★

2013年11月18日 | か行の映画
八千草薫と『神様のカルテ』などの深川栄洋監督がタッグを組み、柴田トヨのベストセラー詩集「くじけないで」「百歳」を基につづる感動の物語。90歳を迎えて以降に詩を書くようになった主人公の山あり谷ありの半生や、彼女を取り巻く家族にまつわるドラマを優しく見つめる。主人公の一人息子を武田鉄矢、その心優しい妻を伊藤蘭が好演。心が浄化されるような温かくて優しい詩人の言葉に勇気をもらう。

<感想>明治、大正、昭和、平成と、日本の激動の100年を見つめ続けた詩人・柴田トヨ。彼女の詩集として、98歳で刊行された処女詩集「くじけないで」と第2詩集「百歳」は、200万部を超えるという異例の部数を記録した。
作者・柴田トヨさんの人生は、しかし平坦なものではなかった。それなのになぜ、あんなにもささやかな幸せをみいだせたのだろうか?・・・。緑内障の手術を機に、落ち込んでいたトヨさんに、詩を作る事を勧めたのは、絵に描いたようなダメ息子の健一だった。
毎日働きもせず、ギャンブル三昧の遊び呆けている馬鹿息子だ。そんな息子を叱りもせず、妻の静子も子供がいないせいか、働きながら生活を支えている。夫の健一が知能遅れのような、そんな感じもしないわけでもない。小説家志望だなんておこがましい。息子夫婦には、武田鉄也と伊藤蘭が扮して、さすがにベテランなので、違和感なく上手いですよね。

そんな息子の懸命さに心を動かされ、日々の小さな気づいたことや、喜びを言葉に綴るトヨさんの姿が、なんともチャーミングなのだ。トヨさんが生き生きと輝き始める過程は、年を経ても挑戦を恐れず好奇心を忘れないのが、彼女のエネルギーの源なのだ。
「人生は、いつだってこれから」という思いを、軽やかに体現するさまに勇気づけられます。
それは、彼女が生み出す言葉と相まって、みずみずしく輝いて見える。そう、90歳を超えてからなおのこと初々しい姿を見ると、幾つになっても人生はこれからだと気づかせてくれる。

幼少時代の奉公や、戦争を生き抜いてきたことなど、過酷な経験を重ねてきたトヨさんは、生きる大切さ、日々を楽しむ贅沢さを知っているから。辛いことがあっても、気持ちの持ち方ひとつで、未来は変えられることを教えてくれる。
ちなみに、幼少時代のトヨさんには芦田愛菜ちゃんが、戦争時代は、20歳のころ親戚の紹介で最見合い結婚するが、夫は家にお金を入れず半年余りで離婚。

戦火の激しさを増した昭和19年、飲み屋で働きながら客だった貞吉に見初められ再婚。健一が生まれ幸せな日々を過ごす。檀れいが演じているのだが、相変わらずの美人で、ちょい役とはもったいないですよね。
そして、老年時代が八千草薫さんのトヨさんは、本当に実物と変わらないようなヒロイン像を演じているのが素晴らしい。
奉公に出た少女時代の苦労、最初の夫との離婚。「私、辛いことがたくさんあったけれど生きていて良かった」という言葉が、そっと寄り添う優しい言葉が、ぽっと心を温かくしてくれる。それが、説教臭くなく心に沁みるように入ってくるのだ。

誰だって辛い時がある。それをくよくよせずにバネにして、どんなに辛くてもうつむかずに、他人を責めない。そんなトヨさんの生きる姿勢に、凛と生きるトヨさんに、勇気と希望をもらいました。
女性は強い、それに母親ならなおのことだ。与えられた命を、自分の人生を前向きにくじけずに、あまりいきまないで頑張らないこと、そうすれば寿命が延びて、残りの人生をゆっくりと歩んで行ける。
2013年劇場鑑賞作品・・・325  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ねぇ、不幸だなんて溜め息をつかないで、陽射しやそよ風はえこひいきしない。夢は、平等に見られるのよ。私、辛いことがあったけれど、生きていてよかった。あなたもくじけずに

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悪の法則  ★★★

2013年11月16日 | アクション映画ーア行
マイケル・ファスベンダーにブラッド・ピット、ペネロペ・クルスにキャメロン・ディアスにハビエル・バルデムという豪華スターが共演した心理サスペンス。欲望に駆られて裏社会のビジネスに手を出した弁護士とその仲間たちが、危険なわなにハマり否応なく堕(お)ちて行く姿を描き出す。メガホンを取るのは『ブラックホーク・ダウン』などの巨匠リドリー・スコット。セレブリティーたちを破滅へと追い込む謎の黒幕の存在はもとより、予想だにしないラストに驚がくする。
あらすじ:メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との結婚も決まり人生の絶頂期にあった。彼は実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)も交えて新ビジネスに着手する。その仕事は巨額の利益を生むはずが……。
<感想>リドリー・スコット監督が「ノーカントリー」の原作者コーマック・マッカーシーの初の映画脚本を映像化。裏社会のビジネスに手を出した弁護士が悪に絡め取られるさまを、マイケル・ファスベンダーを始め豪華なキャスト共演で描いている。スペイン語には字幕がないなんて、どうでもいいセリフだったのか意味不明なお知らせにいらつく。

描かれるのは、生と性と死である。3人の男たちが、誰かに操られているとしたら、怖すぎです。前半部分で、作り手側があえて説明を避けるような不可解な展開。そして、各人物が語る妙に教訓めいたセリフが、終盤の伏線になるのか、・・・どうなるのかと観ているこちら側の脳細胞を刺激してくる。
ちょっと、私には難しすぎたのか、物語のストーリーは単純なのだが、このシーンはどういう意味なんだろう???が続いて、理解不能状態なのだ。キャスト陣が豪華版、彼らが驚愕のシーンに挑戦しているのを観て、さすがにキャストで観客を呼ぶ手もあったのかと唸らされる。

ハンサムで自信家の弁護士なのだが、婚約者のローラに内緒で、彼女に婚約指輪として30万ドルの高額なダイヤの指輪をプレゼントしようと、巨額の利益を生む麻薬絡みのビジネスに乗り出す。アルマーニのスーツを着こなし、愛車はベントレー、身分相応なものに囲まれて生きている男。
メキシコ人組織の麻薬を運ぶ闇ビジネスに手を染めたマイケル・ファスベンダーが、ある日のこと組織の運び屋が何者かに殺され、2000万ドル分の麻薬が消失。偶然にも運び屋がカウンセラーの世話する死刑因の息子だったことで、彼にも危機が迫っていく。
仲介人のウェストリーによれば、組織はファスベンダーを裏切り者とみなし報復に出るという。身に覚えはないが状況を理解した彼は、恋人のペネロペと共に逃亡しようとする。弁護士のマイケル・ファスベンダーには名前がなく、カウンセラーと呼ばれている。

ブラッド・ピット扮する、女たらしの伊達男の裏社会のブローカー、ウェストリー。危険な連中のやり口を熟知し、ファスベンダーに再三にわたり警告する。彼も街中で、通り魔のような男に首にワイヤーを巻きつけられ死亡する。それを指示していたのは、マルキナのような気がしたのだが。

弁護士・カウンセラーの親友でリッチで派手好きな実業家、ライナーにハビエル・バルデムが演じて、ファスベンダーと共に、クラブを開業する。裏社会のビジネスにはウェストリーも加わっていた。巨額の利益の反面、組織の残虐さも聞かされるのだが。
ライナーの恋人・マルキナにはキャメロン・ディアスが演じており、見せ場はライナーの目の前で、開脚して陰部をフロントガラスに押し付けるシーンである。何だかエロスを感じたが、あの開脚に体操選手みたいで着地が見たかった。彼女はチーターを2頭ペットにしていて、草原で獲物を追い掛けさせる趣味がある。

それに、カウンセラーの恋人ローラに扮したペネロペ・クルスの婚約指輪を見て、自分にない幸せを得ている彼女に嫉妬し、その指輪を彼女を殺して自分の物にするヤバさ加減がすごい。可愛そうなローラがゴミ捨て場に転がっていた。
もしかして、ライナーに見切りをつけたマルキナが、ラストでマルキナが投資銀行の男と絡んでいた。金は手段ではなく、奪うことの方がハンティングのように快楽なのだろう。彼女が組織のボスなのかと思ったのだが、最後に自分も命の危険を感じて香港へ逃げるというのだ。一番得したのはダイヤの指輪をぎらつかせていた彼女だったのかも。
この脚本のメキシコ人組織の殺人の描写は、断片的だが遊び心で死体を汚物に沈めたり、殺人ビデオを犠牲者の身内に送ったりと、凶行を淡々とこなしていく残虐さは、「ノーカントリー」以上である。組織と対立する連中も、バイクに乗る運び屋の首をワイヤーで切断するなど、頭が入ったヘルメットが道端に転がるおぞましい場面が印象的である。

悪夢ならまだ目覚められる、罪なら償える。が、原題の「カウンセラー」と呼ばれ青年弁護士と周囲の人々が巻き込まれるデス・スパイラルは、有無をいわせずこの世の出来事として、ただただ避けようもなく迫ってくるばかりなのだ。
あの、冒頭のマイケルとペネロペの幸せそうなベットシーンは何だったのだろうか。ファスベンダーが救いの手を求めて麻薬カルテルのところへ行くのだが、助けることはできないと。答えは“悪”そのものだというのだ。
メキシコとの国境地帯の空気の乾き、荒涼とした横広がりの景観。獲物を追うチータそのままに、金の匂いのする死体に群がる土地っ子たち。足元がグラグラと揺れているような、登場人物たちの居場所の不安定さ。
容赦のない残酷さと救いのなさに打ちひしがれ、必ずしも清廉潔白ではない人々の姿を写して、ハッピーエンドも、どんでん返しのカタルシスもないのだ。
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共喰い ★★★★

2013年11月15日 | た行の映画
小説家・田中慎弥による人間の暴力と性を描いた芥川賞受賞作を、『サッド ヴァケイション』『東京公園』などの青山真治が映画化した人間ドラマ。昭和の終わりの田舎町を舞台に、乱暴なセックスにふける父への嫌悪感と自分がその息子であることに恐怖する男子高校生の葛藤を映し出す。主演は、『仮面ライダーW(ダブル)』シリーズや『王様とボク』の菅田将暉。名バイプレイヤーとして数々の作品に出演する光石研と田中裕子が脇を固める。閉塞感漂う物語がどう料理されるか、青山監督の手腕に期待。
あらすじ:昭和63年。高校生の遠馬(菅田将暉)は、父(光石研)と父の愛人・琴子(篠原友希子)と暮らしている。実の母・仁子(田中裕子)は家を出て、近くで魚屋を営んでいた。遠馬は父の暴力的な性交をしばしば目撃。自分が父の息子であり、血が流れていることに恐怖感を抱いていた。そんなある日、遠馬は幼なじみの千種(木下美咲)とのセックスで、バイオレンスな行為に及ぼうとしてしまい……。

<感想>前から観たいと思っていて、地方ではミニシアターで上映。15日で終了というので急いで観に行った。原作者は芥川賞受賞の記者会見で「もらってやる」発言の田中慎弥で、こんなことテレビの会見で言っていいものかと、何だか自分の小説に自己満足していて、賞を取って当たり前だと言わんばかりに聞こえた傲慢な態度にむかつく。
だが、映画は思っていたよりも良かった。こういう世界もあるんだなぁと、夢中になって見てしまった。17歳の少年の性的な悩みを父母との関係の中に描いているが、お話の基本的な骨格は、田中慎弥の原作小説に基づいている。
自分の性欲の強さを、父親の道に外れた女とのセックスの行為ぶりと結びつけ、自分も父親のように相手を殴るようになるのかと、不安がる主人公。難しい役を体当たりで演じていた菅田将暉。父親の光石研は、前から注目していた俳優さんだったので、この人の活躍は嬉しいですよね。

特に、主人公の遠馬の母親に扮した田中裕子の存在感に圧倒された。後半のシーンで、同居をしていた琴子が妊娠をして家をでるという。それで父親が半狂乱となり探し回り、挙句に遠馬の恋人を神社でレイプして、それも殴る首を絞めるの暴行を加え、その時、普通だったら警察へ行き、父親を暴行罪で逮捕させることもできたのに、遠馬は彼女を連れて母親の所へ行く。
怒った母親は、父親を殺すといい出刃包丁を持ち刺すのだが、抵抗する父親。男だから暴れると力もあり仁子も吹っ飛ばされる。それでも、慢心の力を込めて自分の義手で夫の胸を刺し、彼はそのまま川の中へと。これが致命傷だったようだ。
母親は逮捕され、面会に行った息子に、義手を外したのでスッキリしたと笑う。そこで原作は終わるのだが、映画はその後、昭和63年という原作の設定を踏まえ、母親はすっきりしたといい、あの人が始めた戦争で本当は殺してしまいたかった。遠馬が生まれ、その後にも妊娠して家を出たが、そのお腹の子共は産みたくなかったという。あの男の血を引いた子供はお前でたくさんだ。あの人より先には死にたくなかった。

昭和64年の正月を迎え、昭和天皇の崩御を伝える放送。そういえば、今更ながらに思い返した。国民の皆が涙を流し、テレビは昭和天皇のことばかりでCMもなし、繁華街も営業を止め、賑やかなことは一切なしという。国民全体が1週間の間喪に服した。

少年の性的な悩みを軸にした話が、一気に時空を超えて拡大するさまは、スリリングな勢いをおび、さらには主人公に父親から去った琴子と再会させ、お腹の大きな琴子とのセックスを描く。その時琴子は、実はお腹の子供は父親の子ではないと言うのだ。
いずれにせよ、男のサディスティックな行為には、多少卑劣なことだと女の目線で感じるものの、そういう人たちも世の中に存在することを思えば、サドマゾ、SMプレイのようにも受け取れる。好んでやっている人たちもいるようで、この間「R100」を観たばかりなので、卑下するような発言は控えたい。
しかし、遠馬がよく母親に作ってもらう、アジの叩きのようなものに刻んだネギをのせて、そこへ醤油をかけて食べる料理は美味しそうに見えた。
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