パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

トロール・ハンター  ★★★

2012年03月31日 | アクション映画ータ行
ノルウェーの森に住むと古来より言い伝えられている伝説の妖精、トロールの謎に迫る異色作。取材中に、政府機関に雇われた“トロール・ハンター”と出会った学生たちが、ハンターと行動を共にしながら、トロールの生態や政府の陰謀を暴き出す。
あらすじ:ノルウェー・ヴォルダ大学の学生3名が、地元で問題になっていた熊の密猟事件をドキュメンタリーとして追った事がきっかけとなり、偶然にも本記録映像の撮影に成功した。密猟者を追う中で出会った謎の男、ハンス。夜な夜な森の中に姿を消す彼を尾行すると、そこにはおとぎ話だと思っていたトロールそのものが現れたのである。
ハンスはノルウェー王国の政府機関であるトロール保安機関(TSS)に雇われたハンターで、テリトリーから抜けだして民家に近づくトロールを抹殺、トロールの存在を民間人から隠し続ける事が主たる任務であった。
だが、生活も保障されず、深夜・残業手当もない、孤独な現状に嫌気がさしていると同時に、今までのトロールの扱い方にも疑問をもっており、遂に今回、トロールの全貌を明かす証言者となったのだ……。(作品資料より)

<感想>それは本当に幻の存在なのか、記録映像により空想上の生き物と思われていたトロールの、衝撃的な真実を暴く問題作である。「となりのトトロ」や「ムーミン」のモデルである北欧の妖精トロールを、題材にしたドキュメンタリータッチのサスペンス。
トトロみたいな可愛げのあるヤツが登場するかと思えば、大間違いですから。異臭をぷんぷんさせ、ネバネバしたよだれみたいなものを垂らし、お腹を空かせた巨人モンスターが大暴れするのだ。餌食になるのはヤギ。人間は食べないらしい。
主人公は熊の密猟を調査にきた大学生3人組。マイケル・ムーア気取りでビデオカメラを回していた彼らは、怪しげなハンターに遭遇する。
そのハンターは、何と伝説上の妖精トロールを捕獲するプロハンターだったのです。怖い物見たさで、私らもこの映画を見に来たので、画面に映し出される雪男みたいな、毛むくじゃらで夜行性で、キリスト教徒を嫌い、頭の働きが鈍く、だが凶暴な性格である。大きく分けると、森トロールと山トロールがおり、森トロールのトッサーラッドは頭が3つもある怪物。
背丈の高い巨人のような風貌で、歩くのが速いし人間を襲うというか、爪で引っ掻くというのか、3人の大学生の中の一人が背中を引っ掻かれる。手当も破傷風にならないようにと注射をして、簡単に破けた服をガムテープで張るだけ。
トロールを抹殺する方法は、太陽光に当てること。太陽に弱く、紫外線を浴びせると年老いたトロールは石化してしまう。ライフル銃やバズーカー砲とかではダメ。高圧の送電線が、人間の住む民家への防護柵らしい。意外と言い伝えとおりなので、傍で見ている分には拍子抜けしちゃうかも。
確かにトロールの形相は恐ろしいが、どこかとぼけた味わいのある奇妙な生き物。だからなのか、薄暗い森の中で巨人のトロールが映し出されると、これは合成では、CGではないかと目を疑ってしまう。それでも洞窟のトロールの巣屈へ入った皆が、ちょうどトロールたちが帰ってくるのに遭遇した時はちょっとハラハラした。
だけどね、、ハンスという男一人が頑張って退治しているだけで、あまり民家とか人間の被害がないのか、自衛隊とかが出てきて退治するということはない。
本当にこんなモンスターがいるという映像を、信じるかはスクリーンでご自分の目で見て確信して下さい。
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僕等がいた 前篇  ★★★

2012年03月30日 | は行の映画
小畑友紀の同名コミックを「管制塔」の三木孝浩監督が映画化。北海道と東京を舞台に純粋で繊細な男女が織りなす、青春の過渡期の壮大な“純愛回想録”を描く。出演は「源氏物語 千年の謎」の生田斗真、「カイジ2 人生奪回ゲーム」の吉高由里子、「ワラライフ!!」の高岡蒼佑、「ワイルド7」の本仮屋ユイカ、「猿ロック THE MOVIE」の比嘉愛未。

あらすじ:北海道・釧路。クラスメイトの結婚式で故郷に帰った高橋七美(吉高由里子)は、廃校となる母校の屋上にひとり立っていた。目を閉じると、あの頃のまぶしい記憶が浮かび上がってくる……。
高2の新学期、七美は矢野元晴(生田斗真)とこの屋上で出会った。クラスの女子のほとんどが好きになる人気者だが、時折さびしげな表情を浮かべる矢野に七美もいつしか惹かれていく。
そんな中、矢野の親友・竹内(高岡蒼佑)から、矢野が死別した年上の恋人・奈々との過去を引きずっていると聞き、思い悩む七美だったが矢野への想いがおさえきれなくなり、生まれて初めての告白をする。一途な想いを貫く七美に対し、矢野は少しずつだが心を開いていく。
しかし奈々の幻影と、矢野に想いを寄せる奈々の妹・有里(本仮屋ユイカ)の存在が、ふたりの間に立ちふさがる。互いに想いをぶつけ合い傷つきながらも、ついに未来を誓い合うふたり。だが、幸せな日々もつかの間、矢野は東京へ転校することになり、更なる試練が襲いかかる……。
6年後の東京。大学を卒業し出版社に勤め、忙しい日々を送る七美。そんな彼女のそばには矢野ではなく、七美を見守り続けてきた竹内の姿があった。ある日のこと、七美は出版社の同僚で、矢野の転校先の同級生だった千見寺(比嘉愛未)から矢野を目撃したと聞かされる。
空白の6年の間に矢野に何が起こったのか。なぜ七美の前から姿を消したのか。矢野への想いと竹内の愛情のあいだで七美は揺れる。そして、迷いながらも七美はある決心をするのだった……。(作品資料より)

<感想>ラヴストーリーとしては初の試みとなる前後編で制作され、高校生で出会った二人が、大学生、社会人と時を経てもなお、お互いの“最愛”であり続けた7年の軌跡を壮大に描いています。
頭も良くて顔も完璧、クラスの3/2の女子が好きになるほどの人気者の、矢野を生田斗真が演じて、矢野に恋するごく普通の女の子、七美を吉高由里子がそれぞれ好演している。
難を言えば、高校時代が中心となる前編は、二人の年齢を考えると高校生役は無理だったのでは、と思ってしまうほど大人びたセーラー服姿の吉高由里子に、学生服の生田斗真。それに、七美に惹かれているのに、矢野と付き合っているのを温かく応援している竹内の高岡蒼佑が、見ていていじらしいほどに優しい。
それでも、七美が矢野のために怒ったり泣いたり笑ったり、「好きだ、バカ!」と捨て台詞を言う、その表情七変化で、胸きゅん確実に実力派の吉高由里子はいい。
特にあの少し鼻にかかった独特の声で呼ぶ「矢野」は、変に可愛いこぶったりせず、常に対等の立場で恋愛している二人を象徴していて絶品ですね。
彼女の持っている、ほっくりと温かい雰囲気と、ちょっとおっちょこちょいだけど、真面目で健気に頑張る姿、あとは頑固だなと思うくらいの意志の強さを意識して演じているのもいい。

映画の中での七美は、矢野と会えなくなっても、彼のことを何年も待ち続けているんですよね。本当だったら、そんなに好きだったら、何年も待たずに矢野のことを追い掛けて、会いにいって確かめてみればいいのに。と思いましたよ、振られたらそれは落ち込むけど、諦めがつくってものだもの。
でも、七美はそれほど一生懸命に、彼のことを想って、自分の行動の意味を深く考えた結果、月日が流れて待ってしまったのですね。このストーリーは生田斗真くんが出演していた、「ハナミズキ」の恋人同士と似ているような気がしました。
まぁそれでも、ノスタルジックな風景が広がる釧路で撮影して、“あの頃”の初々しさや青春のきらめき、初恋の切なさが詰め込まれていて、“人を愛する心”の強さと尊さを感じさせてくれる。はるか昔のことだけど高校生だったころを思い出し、一瞬でも胸がときめく感じが最高でしたね。もちろん後編も気になるので観に行きますよ。
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僕達急行 A列車で行こう   ★★★★

2012年03月29日 | は行の映画
「うさぎドロップ」の松山ケンイチと「ワイルド7」の瑛太が鉄道マニアに扮し、恋に仕事に奮闘する姿を描いたコメディ。九州ロケを敢行し、合計20路線80モデルにもおよぶ車両の登場が鉄道映画らしいこだわり。共演は「パレード」の貫地谷しほり、「ALWAYS 三丁目の夕日'64」のピエール瀧。森田芳光監督の遺作。

<感想>趣味が繋げた仕事と友情、そして恋の顛末は?・・・「武士の家計簿」などで知られる森田芳光監督の遺作となりましたが、鉄道をテーマに贈る渾身のコメディドラマ。趣味も仕事も一生懸命だが、恋愛には一歩も踏み出せない鉄道ファンの青年二人を主人公に、興味を持つことの素晴らしさ、それを通じて豊かになる人の絆を描きだして行く。

松山ケンイチ&瑛太という今最も旬な若手コンビが主演し、根暗なオタクではなく、好きなことに純粋な人として鉄道ファンを好演。伊東ゆかり、笹野高史、伊武雅刀、西岡徳馬、貫地谷しほり、ポエール瀧、松坂慶子などといったバラエティに富んだ共演陣や、森田作品独特のほのぼのとした空気感も魅力的ですね。
構想30年以上、オリジナル脚本による巨匠森田芳光監督、最期の作品になりました。11年12月21日、映画の公開を待たずに逝去した監督。実は幼少時代からの鉄道好きで、鉄道会社の社長も夢見た頃もあったとか。本作はそんな森田監督が、30年もの間温め続けてきたオリジナル企画によるもので、まさに森田ワールド全開の遺作となったわけです。

鉄道のモーター音まで正確に再現するマニアックさを見せる一方、どこか優雅な台詞回しや独特の間合い、何度か描かれる自己紹介シーンでは、つい笑ってしまった人は、かなりの鉄道好きのはず。伸びやかなユーモアなど、森田監督ならではの演出に引き込まれること間違いありません。
全編に散りばめられた“鉄ネタ”をチェックしてみよう。「筑肥線」や「特急ソニック」など、日本映画史上最多となる20路線・80車両もの鉄道が登場。小町&小玉、どちらも新幹線の「こまち」「こだま」からとったキャラクター名や企業名、果ては台詞に至るまで、劇中には鉄道ネタが満載です。さてあなたはいくつ分かるかな?・・・。

現在車社会ということもあり、移動は殆ど車でという方には絶対にお勧めのローカル線群馬県の「わたらせ渓谷鉄道」。これはスイッチバックという、険しい山を登るために線路がジグザグに敷かれている、渡良瀬川に沿って、緑に包まれた大自然の中をズーッと走っていくシーンでは、車では絶対に感じられない爽快感がありますね。
ローカル線で出会い、すぐに仲良くなった小町と小玉。時には快速で、時には各駅停車で。職業や性格は対照的な彼らだが、鉄道への情熱と恋愛への苦手意識は共通。やがて、二人の仕事と恋愛それぞれに転機が訪れることに。
小町の場合、会社への直言が原因で、本社から九州支社に転勤させられてしまう。しかし、九州は魅力的な列車がたくさん走る、鉄道ファン憧れの地。小町は左遷を嘆くことなく、前向きに九州へと向かう。九州ロケによる美しい風景の数々に、旅行気分も堪能できる素晴らしい映画となっています。
通勤途中に出会った、結婚したい女性のあずさに貫地谷しほりが。小町のことが「少し好き」な社長秘書みどりには村川絵梨。二人の女性からの想いを感じつつも、イマイチ関係に進展がなく、・・・。

小玉の場合、小規模ながらも確かな技術を備えている実家の鉄工所。生き残りを懸けて新技術の導入を図るが、金融機関に融資を断られてしまう。社長である父親のは笹野高史さんが、明るく振る舞ってはいるのですが、・・・。
父親、哲夫の同級生(伊東ゆかり)の娘のあやめと見合いをする小玉。電車デートも手ごたえありで、小玉は彼女にゾッコンとなる。あやめも優しい小玉に好印象を抱くが、何やら思うところがありそうな気配が、・・・。

小町も小玉も趣味を持ってポジティブに生きていますし、いろいろな趣味を持った人達がでてきます。趣味を通して人々が繋がっていくことで、人生が豊かになる。人と人との繋がりや絆を大切にしていくことってことは、監督がこの作品を通して伝えたいメッセージが込められていると思いますね。
森田芳光監督、いままで素敵な映画をありがとう!
監督の好きだった作品「それから」、「阿修羅のごとく」、「間宮兄弟」、「武士の家計簿」など。
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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 ★★★

2012年03月24日 | アクション映画ーマ行
その強い信念により強力なリーダーシップを発揮した英国史上初の女性首相“鉄の女”マーガレット・サッチャーの姿を描く「マンマ・ミーア!」のフィリダ・ロイド監督作。出演は「恋するベーカリー」のメリル・ストリープ、「家族の庭」のジム・ブロードベント。

あらすじ:雑貨商の家に生まれたマーガレット(メリル・ストリープ)は市長も務めた父の影響で政治を志すが、初めての下院議員選挙に落選してしまう。失望する彼女に心優しい事業家デニス・サッチャー(ジム・ブロードベント)がプロポーズする。
「食器を洗って一生を終えるつもりはない」野心を隠さないマーガレットを、デニスは寛容に受け入れる。双子にも恵まれ、幸せな家族を築く一方で、マーガレットは政治家としての階段も昇りはじめる。
失墜した英国を再建する。それは気の遠くなるような闘いだったが、彼女はその困難に立ち向かう。愛する夫や子供たちとの時間を犠牲にし、マーガレットは深い孤独を抱えたままたった一人で闘い続けた……。
現在のロンドン。どんなに苦しい時も支え続けてくれた夫・デニスは既に他界した。だが、マーガレットは未だに夫の死を認識していないのか、時折不可解な行動が目立つ。思い出の洪水の中で、デニスの遺品を手に取り彼女は「あなたは幸せだった?」とつぶやくのだった……。(作品資料より)

<感想>一家の主婦が英国首相に、“鉄の女“の素顔とは、・・・イギリス初の女性宰相となったマーガレット・サッチャーの伝記物。庶民階級出身のサッチャーが、全くの男性社会である政治の世界で”鉄の女“と呼ばれながら、構造改革に辣腕を振るう姿を描いている。
本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが、期待を裏切らない成り切りぶりを披露。英国風のアクセントを完璧にマスターしての熱演。本作でも「英国王のスピーチ」と同じく、サッチャーは高音を抑えて威厳あるスピーチが出来るように訓練するシーンもあります。

自分達家族が暮らす社会を、良くしたいという思いで政治家になったサッチャーが、国のトップに就いたことで家族や親しかった仲間たちと距離を生じていく様子が切ない。物語は、亡き夫の幻影と語りながら生きる現在と、政治家時代の過去を交錯させながら、一人の妻として母親としての彼女の実像に迫る。
2児の母親ながら国会議員に、弱腰の議員たちに喝を入れるために、党首選に立候補したところ、まさかの当選で英国初の女性首相になる。混迷する時代に、自分を曲げることのないリーダーの在り方を示した教本。
さて、マーガレット・サッチャーは国民に愛されていたのか?・・・庶民階級出身ということで、期待が寄せられていたが、サッチャーは長引く英国病を断ち切るため、組合の整理や手当の削減に踏み切り、反感を買ったのです。人気が出たのは、フォークランド紛争に勝利したため。しかし、11年にわたり首相を務めるが、人頭税導入案が反発を招き退任。

特殊メイクをして年老いたサッチャーを演じるメリルは、本当に凄いし、ハマリ役だった。首相としてのサッチャーを演じるメリルも素敵だけれど、やはり認知症になってからの演技は、自分流に考えて演じたのでしょう。政治家になってからの家庭での家事とか子育てなどは、映像の中では見られませんでした。つまり、彼女は家庭を犠牲にして政治家の仕事を選んだわけで、夫のデニスがすべて家庭内のことを成し遂げていたのでしょう。
政界引退後は、認知症を患い、果たして夫デニスは自分と結婚して幸せだったのか?・・・亡夫デニスとの幻覚とともに暮らす彼女の姿が切なく感じた。
混迷する時代に、自分を曲げることのないリーダーの在り方を示した教本であるし、また理解ある夫に亡くなってからも見守られ続ける、幸せな女性ドラマとしても味わえます。
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ロンドン・ブルバード  ★★★★

2012年03月17日 | アクション映画ーラ行
裏社会から足を洗おうとする前科者の男が、愛する者たちのために強大な暴力に立ち向かう姿を描くブリティッシュ・ノワール。監督は「ディパーテッド」の脚色を担当したウィリアム・モナハン。出演は「モンスター上司」のコリン・ファレル、「わたしを離さないで」のキーラ・ナイトレイ、「復讐捜査線」のレイ・ウィンストン。

あらすじ:重傷害罪で3年間服役していたミッチェル(コリン・ファレル)は、今日晴れて出所の身となった。彼はギャングの世界から足を洗おうと考えていたが、迎えに来た悪友ビリー(ベン・チャップリン)から、住まいとの交換に借金取りの仕事を手伝うことを頼まれる。
その夜、ミッチェルの出所祝いのパーティーでは、妹ブライオニー(アナ・フリール)が酔って暴れていた。盗みと酒とドラッグが好きな彼女は、ミッチェルにとって愛すべきたったひとりの家族であり、心配の種でもある。そんな中、彼はパーティーで再会した女性記者ペニーからある仕事を紹介される。
それは引退した女優シャーロット(キーラ・ナイトレイ)の屋敷の雑用係兼ボディガードだった。高級住宅街にある屋敷を訪ねると、シャーロットは外にいるパパラッチに怯えていた。彼女は夫と離婚し、屋敷には他にハウスマネージャーの元俳優ジョーダン(デイヴィッド・シューリス)がいるだけ。
ミッチェルは彼女を護る仕事を引き受ける。そんな折、友人の老人ジョーが、少年2人組に暴行されて死亡。墓地の手配をビリーに頼んだミッチェルは、その代償に借金取りを再び手伝わされるが、屈強な黒人男4人に襲われ、逃げたビリーの分まで殴られる始末。
だがその度胸のよさに、ビリーのボスでギャングの顔役ギャント(レイ・ウィンストン)が惚れ込み、楽な儲け仕事をエサにミッチェルを抱き込もうとする。だがミッチェルはそれを辞退、シャーロットの車の運転手として彼女の田舎の別荘に同行する。束の間の静かな時にシャーロットは次第にミッチェルに心を許し、自分のことを話し始める。
実は彼女はイタリアでレイプされて心に傷を負い、そのせいで女優を辞めたのだった。二人はいつしか恋に落ちるが、そんな彼らを見張るかのようにパパラッチが現れる。
一方、ミッチェルを何としてでも自分の配下に置きたいギャントは、その後も執拗につきまとう。ギャントはすでにビリーを通じてミッチェルの生活を探り、シャーロットやブライオニーまで監視、そしてジョー殺しの少年たちも保護下に置いていた。女優復帰を決めたシャーロットとロサンゼルスで落ち合う約束をしたミッチェルは、ジョーダンの協力を得てギャントへの反撃を開始する。(作品資料より)

<感想>コリン・ファレルとキーラ・ナイトレイという英国俳優同士の顔合わせによるスタイリッシュな犯罪サスペンス。いつものゲジゲジ眉毛につぶらな瞳、どうみてもお坊ちゃんにしか見えない。だが、今回は違っていた。そんな風貌のコリンだが、なんてクールで、紺色のスーツもビシッと決まっていて、元ギャングのミッチェルを演じているコリンに痺れた。
若くして引退したセレブ女優と、前科者との秘めたラヴロマンスである。そして全てをブチ壊してしまう暴力の怖さを描いている。
元人気女優のシャーロットの身辺護衛をするというもので、世間での生きづらさを感じるミッチェルとシャーロットは、次第に意識しあう仲になっていくのだが。
その二人の生活に闇社会が介入してきて、主人公二人が執拗なパパラッチにうんざりしている様子は、これは演技ではなく素の表情に見えた。
ミッチェルの妹にも兄貴として面倒をみてやらなければならず、妹はヤク中で男にだらしなくて、ギャングのボスがこれまたシャーロットの家のガレージに入っている高級車とか、家の中の美術品や金属宝石類に目をつけているのも煩わしく思っているミッチェル。

何とかヤクザな世界から足を洗いたいと願っているのに、かつての仲間のビリーに足を引っ張られ、結局は裏社会からは逃れられない。
ミッチェルが父親のように慕っていたホームレスの老人も、町の不良少年に刺されて死亡。犯人を見つけ出そうと捜すも、最後にその少年に自分も刺されて死んでしまう虚しさが、倒れて青い空を見ている姿に、この作品の悲哀を感じる。
それにキャスティングがいい。女優のマネージャー、元俳優ジョーダン役を演じているデイヴィッド・シューリスのやる気の無さがいい。それが最後で見せる男らしさには、びっくりでした。
ギャングの親分を演じたレイ・ウィンストンも、悪そのもので貫録あってよかったし、ミッチェルの友人ビリーのベン・チャップリンも、ギャングの使い走りのようなそれで満足している様子も良かったのに、まさか殺されるとは。
それでも、ミッチェルがギャングの親分の家へ、復讐に行くシーンは、コリンの迫真の演技がハードボイルドな感じでよかった。全編に流れるカサビアンの、セルジオ・ピッツォーノのオリジナル曲や、ヤードバーズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン等、UKロックが結集したサウンド・トラックが、ドラマを彩っているのも高感度アップですね。
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ライアーゲーム -再生- ★★

2012年03月17日 | アクション映画ーラ行
甲斐谷忍の人気漫画を原作に、テレビドラマと劇場版で人気を博した「ライアーゲーム」シリーズ劇場版第2弾。ヒロインを「君に届け」の多部未華子にバトンタッチし、松田翔太(「ハードロマンチッカー」)演じる元天才詐欺師・秋山の新たな戦いが繰り広げられる。ゲームを仕切る事務局員役で「うさぎドロップ」の芦田愛菜も出演。

あらすじ:“ライアーゲーム”とは、ある日突然、招待状と現金1億円を受け取った人々が、壮絶な騙し合いを繰り広げ、マネーを奪い合うゲーム。そのファイナルステージから2年。すべてが終わったかに見えた。
しかし、謎の復活を遂げたライアーゲーム事務局が最大の復讐劇を仕掛ける。そのターゲットは、元天才詐欺師・秋山深一(松田翔太)。今回のゲームは、総額20億円を賭けて20名のプレイヤーが争う究極の“イス取りゲーム”だった。
秋山とともにゲームに挑むのは篠宮優(多部未華子)。秋山潰しを目論むカルト教団の教祖・張本タカシ(船越英一郎)を始めとする新たなプレイヤーも現れる。
ゲームを仕切るのは、新たな最年少事務局員アリス(芦田愛菜)。そして、すべてを陰で操る謎の主催者Ω(=オメガ)(江角マキコ)。騙し合いか?それとも助け合いか?極限の心理戦が今始まる……。(作品資料より)

<感想>まずTVドラマも前作劇場版「ザ・ファイナルステージ」は見ていません。松田翔太が出ているので、最近彼の出ている作品は良く見ている。父親の松田優作の大ファンだったもので、その息子だということも魅力の一つですね。
やはり前作の続きのようで、レンタルでもして見ないと物語の概要がつかめなく、途中から見ているようで物語の展開も、内容自体も退屈でつまらなく感じました。
松田翔太が演じているのは秋山深一。元詐欺師で、かつてライアーゲームを切り抜けた心理戦の天才。現在は大学で心理学の教授に、クールでかっこいいですね。
描かれるのは原作でも人気の高かった“イス取りゲーム”。廃墟で行われるこのゲームは、広大な敷地内のどこかに置かれたイスを奪い合うもので、同じイスにつづけて座れないなど細かいルールがある。
撮影場所が廃墟というかセットのような感じで、そこで心理バトルが展開するわけで、ハリウッド版の殺人ゲーム「ソウ」で内容を説明した人形、ジグゾウみたいな人形がTV画面でゲームの説明をする。
今回のヒロインは、映画オリジナルのキャラクター篠宮優には、多部未華子が扮している。復讐に燃えるゲーム出資者たちが仕掛ける総額20億円を賭けたゲームに、天才詐欺師の秋山深一は勝てるのか?・・・秋山のライバルたちによる逆襲はあるのか?最後に勝ち残るのは、誰も予想しなかった「あの人」だった。

芦田愛菜ちゃん、今回はニコっこり笑顔を封印して登場。ライアーゲーム事務局のアリス役なんだけど、真白に塗った顔に黒い服、あの可愛い声をわざと低い声での出演って意味ないのでは?・・・それに江角マキコが、黒マント姿で主催者のΩ役を、これもミスキャストなのではと、感じた。つまり台詞もあまりないし、出て来ないで声だけでもミステリアスで充分だったのではないかと。
秋山チームには、小池栄子が入って彼女は実は張本チームのスパイだったという落ち。でも最後には寝返るという。篠宮優を演じた多部未華子、彼女の目力がきついけど、今回は、何も知らない女の子がゲームに巻き込まれていく姿を描いているので、ちょっと気に強そうな彼女で良かったのでは。

カルト教団の教祖、張本に扮しているのは船越英一郎。紫色のマントをヒラヒラさせて、絶対的な服従により全員で行動。張本が勝つためには、命も捨てる覚悟を持つメンバー、信仰の名の下ほころびなどないはずだが、うん~これが判断の誤りかも。張本にマインドコントロールされていると思っていたのが、意外な結果になるとは。
桐生チーム、秋山に対して敵意をむき出しにする桐生。自らのチームを強権で統率する傍から、相手チームの切り崩しにかかる。個々のメンバーなどに“おいしい”お話を持ち掛けるなど、裏切りを勧める。この仲間に高橋ジョージがアロハシャツ姿でで入っている。
相手を騙したり、いかにも自分達が有利に立っているように見せかけたり、中には囮のようなスパイのような、いかにも相手の仲間に入ったようなそぶりで人数を増やす。
だが、その信じていた仲間たちが、もろくも相手のチームに寝返り、自分のチームの人数が減る。それに時間でどんどんイスが無くなり、最後に残ったイスに座ることができた者が勝ちというのだから。

時間でイス取りゲームが終わると、参加者が投票をして一番票を得た者が、脱落者を指名する。これもTV画面に映し出されます。
前に「カイジ 人生逆転ゲーム」を見て面白かったので、ついこちらもそういうゲームかと思っていたら、相手の心理を読んで駆け引きするゲーム。誰かが怪我をしたり、殺されて死んだりするとかのスリルはなく、自分のチームから誰が寝返るかとか、あの人がこっちについたとか、ほんと退屈なゲームですね。
ラストは、途中から眠くなって、でも秋山が勝つのは分かってましたよ。あの捨てコインも、わざと見せて自分はもう降りたと言わんばかりに、でもあの捨てたコインはいらないコインだと思ってました。
小池栄子が戻って来て篠宮と頭脳戦をすることも。エンドロールの途中で、秋山が冒頭で篠宮に、「イスが3つあったらどれを選ぶ」と言った答えが、秋山の書いた本の中にあることも。私も真ん中の椅子選んだわよ、でもピンク色に塗るのはちょっとイメージ的に合わないのでグリーンに塗るわね。
結局、秋山の思うがままにゲームが進み、今回は「助けあう心」がこのゲームの勝者を決めることになるとは、誰が想像したことか。
いがみ合い憎しみ合い、人間は目の前の大金を見ると欲が出てくる。秋山も金に目が眩んだらこうはいかなかっただろう。最後には平等にみんなにコインを分けて上げるという終わり方はいいですよね。
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム ★★★★★

2012年03月13日 | アクション映画ーサ行
ロバート・ダウニー・Jr(「アイアンマン」)とジュード・ロウ(「コンテイジョン」)共演のヒット作「シャーロック・ホームズ」の続編。ホームズが最大のライバル、モリアーティ教授の陰謀に立ち向かう。主演2人はそのままに、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のノオミ・ラパスが共演。監督は前作に続きガイ・リッチー。

あらすじ:オーストリア皇太子が遺体で発見されるという事件が発生。天才的な頭脳を持つ名探偵ホームズは、皇太子が殺害されたと推理。ホームズの前に立ちはだかるのは、モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)。この事件は首謀者モリアーティ教授によって画策された、より大きな犯罪のパズルの一つにすぎなかったのだ。
事件の捜査を進めるホームズは、鍵を握るジプシーの占い師シム(ノオミ・ラパス)に出会う。ホームズ、ワトソン、シムの3人はイギリス、フランス、ドイツ、そしてスイスへと次々に大陸を横断して捜査を進めるが、次第に危険度を増してゆく。
しかも、常にホームズたちの一歩先を行くモリアーティ。彼の策略が成功してしまえば、歴史の流れを変えてしまうほどの死と破壊の渦巻く世界になってしまうのだ。果たしてホームズたちは、いかにしてモリアーティ教授の陰謀に立ち向かうのか……?(作品資料より)

<感想>戦いのスケールが倍増している、だから主演の二人も名人芸の域に達しています。08年の前作が全世界で5億ドルの大ヒット。誰もが知っている名探偵のイメージをガラリと変え、痛快アクション映画となっている。今回のベースになっているのはコナン・ドイル原作「最後の事件」、最も危険キャラとして登場した天才犯罪者モリアーティ教授。
ホームズとの“知恵比べ”が超スリリングに展開していく。ヨーロッパ各地を舞台に、アクションも前作を上回るほどのスケール。ホテルの大爆発に列車が折れ曲がるスペクタル。男の意地をかけた肉弾戦など、・・・と興奮シーンが満載である。

今回はどんな謎も解き明かし、どんな犯罪者も打ち負かしてきたホームズにとっても、最大の宿敵がいた。それが今回登場するモリアーティ教授。前作でもその存在感をトラリと見せつけたが、世界規模の犯罪と、ホームズをも上回る知能で、本気の挑戦状をたたきつけてきたのだ。
犯罪の黒幕とはいえ、実際に自分で手を下していないモリアーティに対し、ホームズは必死に証拠を掴もうとする。しかし、モリアーティは何枚も上手でホームズの捜査を先回りし、かく乱していく。モリアーティが元ボクシングチャンピオンということもあり、ホームズも得意のボクシング技を全編で炸裂。
そして、クライマックスのスイスのホテルでの二人のチェスシーンでは、相手の脳内をイメージしながらの、両者のガチバトルは迫力と緊迫感も相まって満点の出来です。
ヨーロッパ各地で謎の爆破事件が発生し、次々と犠牲者が出る中、ホームズは旧知のアイリーンが事件に絡んでいると思い、彼女を尾行する。アイリーンはオークション会場で、医師に小包を渡すが、その小包が爆発。ホームズの目の前で医師は命を落としてしまう。

ホームズは事件の黒幕がモリアーティ教授だと推理して、結婚を控えた相棒のワトソンも巻き込んで本格的な捜査を始めることに。そんな時にアイリーンがモリアーティの策略で毒殺されてしまう。本当にちょいのシーンでのレイチェル・マクアダムス。
こともあろうか、モリアーティはワトソンの命も狙うとホームズを脅迫してきた。これまで最強のコンビだった二人が、ワトソンの結婚を機会に危険な仕事から足を洗うことを決意するのだが、新婚旅行へ向かったワトソン夫妻にモリアーティの手下が襲い、ホームズの闘争心にも火がつくのです。

この列車のシーンでのホームズの女装姿が実に滑稽ですから、その他にもモリアーティ教授の大学でも、中国人やホテルでのボーイ、ハゲカツラにメガネや髭など、こちらの予想もしない姿に変身しているシーンがたくさん出てきます。そのテクはアッパレ!
それに重要なサブキャラとして、ホームズの兄であるイギリス政府高官の、マイクロフトの動向にも注目ですよ。「魔笛」(06)などのスティーブン・フライが演じています。

今回のヒロインにはスウェーデン版「ミレニアム」シリーズで活躍したノオミ・パラスが、ジプシーの占い師としてミステリアスなムードを漂わせ、格闘技も鮮やかに披露し活躍しています。ノオミさん、次作品は、リドリー・スコット監督の「プロメテウス」で、ハリウッドでの活躍も期待できそうですね。
ホームズって乗馬が苦手なの?・・・ワトソンとノオミは馬に乗って大活躍なのに、何故かホームズはポニーでのんびりと、まるでウサギとカメのようなシーンに笑わせられる。だが、ホームズの知的能力はいつもの短時間で推理をめぐらすホームズ脳内イメージ・シミレーション、それを映像化した“ホームズ・ビジョン”も随所に出てきますよ。

それは過去の作品からも分かるように、常識にとらわれない演出が持ち味のガイ・リッチー監督。ドイツの林でのアクション・シーンでは、スローモーションや、過剰にズームアップした銃や銃弾を駆使して、まるで「マトリックス」状態の映像撮影、前作以上の大胆で過激なアクション映像を見せつけてくれるのも嬉しい。
ラストの滝つぼに落ちたホームズとモリアーティ、二人の運命の種明かしが謎のままで終わって欲しかったのに、・・・これは演出のミスですよね。
名コンビを演じる2人のユーモラスな掛け合いから、コンビ解消の危機も迎えるホームズ&ワトソンのやりとりも、演じる二人の名人芸で大いに笑い、さらなるシリーズ化を切望したくなるほど、あらゆる点でレベルアップしていて面白くなっているのは間違いありませんね。
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灼熱の魂  ★★★

2012年03月09日 | アクション映画ーサ行
レバノン出身の劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲「戦火」を、「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。民族や宗派間の抗争、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に、その理不尽な暴力の渦中にのみ込まれていったヒロインの魂の旅を描く。出演は「パラダイス・ナウ」のルブナ・アザバル、「みなさん、さようなら」のレミー・ジラール。

あらすじ:初老の中東系カナダ人女性ナワル・マルワン(ルブナ・アザバル)は、ずっと世間に背を向けるようにして生き、実の子である双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)にも心を開くことがなかった。そんなどこか普通とは違う母親は、謎めいた遺言と二通の手紙を残してこの世を去った。
その二通の手紙は、ジャンヌとシモンが存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていた。遺言に導かれ、初めて母の祖国の地を踏んだ姉弟は、母の数奇な人生と家族の宿命を探り当てていくのだった……。(作品資料より)

<感想>何と言うタイトルなのだろう。つい身構えたくなるが、作品の中身を知ると納得のタイトルなのだ。それほど心の奥底にずっしりと重くのしかかって来る、ギリシャ悲劇ふうの運命劇である。
冒頭で初老の中東系カナダ人女性が亡くなる。双子の姉弟に残されたのは、謎めいた遺言と、なぜか父親と兄に宛てた2通の手紙。葬式も柩もいらない、穴を掘って背中を向けて埋め、墓碑もいらないという、母の遺言に戸惑う双子。
やがて2人は母親の母国である、中東の某国に飛行機で飛び、母親の人生の足跡を辿る旅に出る。
姉のジャンヌは父親を、もう一人のシモンは兄を探して、謎を解明して行く内に明らかになる驚愕の事実。40年前の母親が若い頃に体験した、実際のところ想像を絶する事実の連続で、見ている側が、中東の過酷な現実に身をさらしているような気分に陥る。
何しろ母親が難民の子供を身ごもり、彼氏はすぐに銃殺される。親戚や両親の反対を押し切り不義の子を出産するも、その赤ん坊のかかとの部分に黒く3つの点を刻印する。その子供を祖母に託して、その息子は孤児院へ送られたと言う。
その後母親は、都会の叔父の家へ身を寄せた後、大学に通うも内戦が始まり故郷で産んだ息子の行方を追う。実家のある南部はすでに占拠され、孤児院の子供たちは軍に連れ去られたというのだ。

命からがらそこから逃れた母親は、軍の反政府ゲリラに入ってしまう。そして極右政府の議長の家に、家庭教師として入り込み議長を暗殺する。テロリストとなってしまった母のナウルは政治犯として捕まって投獄される。
この時、何故テロリストの言うことを聞き、殺人を犯したのか私には理解できない。高等教育を受けて世の中のことを知っていたのに。この殺人が、母親の運命を狂わせてしまったのだろう。
その刑務所での拷問やレイプなど、妊娠に繋がる性的暴行を受けるのだから、この世の地獄と言ってよいだろう。15年間の投獄生活、その逆境から逃れようと歌を歌う女として有名になる。
レイプ拷問で妊娠した彼女は、お腹の子供を流産させようと、ドアにお腹をぶつけたりするも臨月迎えて双子を出産することに。その赤ん坊は、川に捨てられるところを、取り上げた助産婦に引き取られ、母親も何故か釈放され赤ん坊も彼女が引き取ることになる。そして双子を連れてカナダに渡った。

そんな母親の過去を追う姉と、弟が最後に辿り着いた残酷な真実とは?・・・彼らの父親とは、兄とはいったい誰なのか?・・・。もうお分かりであろう。つまり母親が受けたレイプは、近親相姦であって、それもカナダに来てから老婆になってプールで何気なく見た男のかかとの黒い3つの刻印。そしてその男を見上げて母親のショックは極限に陥る。
信じられなかったのでしょう。父親と兄が同一人物とは知る由もなく、こういうケースは現在のアフリカでも、実際父親が娘をレイプして子供を身ごもらせている事実が明らかにされている。この場合は、産まれて来た子供は何らかの合併症があり、自閉症とか心臓疾患とか近親者との関係で産まれて来た子供は、普通の子供とは違うと思う。
だからと言って、真実を知ってどうなることでもなく、この姉弟にとっては残酷な告知であろう。姉弟が健常者で育った事が救いとも言えるのだが、本当のことを知って苦しむよりも、知らないでいた方が良かったのかもしれない。
この母親は、自分の祖国と若い頃に体験した内戦を知ってほしかったのと、どうしても姉弟の父親と兄を、探してもらいたかっただけなのかもしれませんね。
こういう状況に母親を追い込んだ時代の、政治に対する憤と憎しみと、そして生涯の苦悩を背負わせてしまった自分の子供たちへの真実の物語、母の無償の愛も伝わって来るのも残酷で悲しみを誘う。
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戦火の馬 ★★★★★

2012年03月06日 | アクション映画ーサ行
マイケル・モーパーゴによるイギリスの同名小説を、「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」のスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。第一次世界大戦を舞台に、1頭の美しい馬と人間たちの出会いと別れを描く感動の戦争ドラマ。出演は、新星ジェレミー・アーヴァイン、「脳内ニューヨーク」のエミリー・ワトソン。

あらすじ:第一次世界大戦前夜のイギリスの農村で、1頭の美しい馬が貧しい農家にひきとられる。この家の少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結ぶ。
しかし戦争が始まると、ジョーイは英国軍の軍馬として売られ、フランスの戦地に送られる。アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かう。
ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々のなか、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟、両親を失ったフランスの少女らと巡り合う。過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返しなら、やがてジョーイは彼らの希望となり、“奇跡の馬”と呼ばれる。(作品資料より)

<感想>この作品が斬新なのは、主人公ジョーイの馬目線でストーリーが進む点である。サラブレッドの血筋を持つジョーイが、イギリスの田園風景の中をのんびりとかっ歩し、銃弾飛び交う戦場を走り抜ける姿は、スピルバーグの映画ならではの美しさ。クラシカルな匂いが漂い、オールド・ハリウッド・ムービーを彷彿とさせる。
この映画では大地と自然をキャラクターの一つとして描かれ、貧しい農民にとって大地が意味するのは生活であり命だし、戦地では兵士たちが血を流す戦いの場であり、そこにはどちらの勢力にも属さない土地も存在する。
イギリス、フランスそれぞれの田園風景をバックに馬達が駆け抜けるシーン。美しすぎる夕日や、星の光りも効果的に使われ、典型的な雲も登場し、それはまるでデジタル加工したかのよう。

本作にとって戦争は物語の背景に過ぎないというが、「プライベート・ライアン」という第二次大戦映画を作っているスピルバーグ監督。
本作で戦争は、物語を語る上での背景に過ぎないと言うが、戦争アクションと極上のヒューマンドラマ。スピルバーグが得意としてきた、2つの要素がミックスされ、究極の映画が生まれた。

馬と少年のラブストーリーであると監督は言っているが、確かに少年が一頭の馬と絆を育むエピソードに始まり、戦争が本格化するにつれ馬も少年も戦いに巻き込まれて、激動の運命をたどることになる。
そして馬がサバイバルすることによって、敵対するイギリス人やドイツ人、フランス人の心を繋げて行く。戦地でのさまざまな人との出会いが、馬の視点で描かれ、馬同士の友情までドラマチックに展開するシーンも感涙にむせび泣き、驚くのはほぼCGナシという馬のアクションと演技で、激しい戦闘はもちろん、悲しげな馬の瞳の表情まで“本物の馬”が訴えるパワーに圧倒されまくります。

そう“奇跡の物語”になっているのですね。その奇跡を表現するシーンが、鉄条網のシーンだと思います。
イギリス軍とドイツ軍が向かい合って塹壕戦を繰り広げる中、その中間地点を走り抜けようとして鉄条網に絡め取られてしまったジョーイを、両国の兵士たちが力を合わせて助けようとする場面には、最もインパクトを受け感動させられます。
この鉄条網シーンこそジョーイが起こした奇跡だし、このエピソードがあったからこそです。毒ガスで目が見えなくなってしまった少年アルバートが、フクロウの鳴き声をすると、銃殺される寸前のジョーイが嬉しそうにアルバートとの再会を果たすシーンには、誰でも涙腺が緩んでしまうと思いますね。

壮大なスケールの映像美と音楽も荘厳であって、映画の王道を感じさせる本作。馬と少年、それぞれが迎える結末には、誰もが心揺さぶられる物語になっている。
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ヒューゴの不思議な発明(3D)★★★★★       

2012年03月03日 | アクション映画ーハ行
「シャッターアイランド」のマーティン・スコセッシ監督による3Dファンタジー。パリを舞台に、父を亡くした少年ヒューゴが、父の形見の機械人形に隠された秘密を巡って、美少女とともに冒険を繰り広げる。
出演は「シャッター・アイランド」のベン・キングズレー、「シャーロック・ホームズ」のジュード・ロウら演技派から、ヒューゴを演じた期待の子役には「縞模様のパジャマの少年」、「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」のエイサ・バターフィールド、「モールス」のクロエ・グレース・モレッツ。駅の公安官にはサシャ・バロン・コーエンなど。
<感想>物語の背景は1930年代。撮影では当時のパリ、モンパルナス駅の構内。機関車は巨大で天井はとても高い。オープニングでカメラがヒューゴを延々と追うシーンには息を飲む。そう物語の世界をより深く、鮮やかに表現するため3Dを駆使したシーンが満載の本作。
流れるようなカメラワークや、当時のパリの風景の広がりで3Dが最大限の効果を発揮し、物語の世界へと浸ってしまう。

物語は、駅の時計台に一人で暮らすヒューゴ少年が、火事で父親を亡くし、時計職人の叔父に預けられるが、やがて叔父も姿を消し彼は一人パリの駅の時計台に隠れ、時計のネジを巻きながら、駅構内をうろつく孤児に目を光らせる鉄道公安官の監視をかいくぐって暮らしていた。

ある日、構内のオモチャ屋の店主ジョルジュに盗みを見とがめられたヒューゴは、父親が亡くなる前まで修復を試みていた“機械人形”の修理方法を書いたノートを取り上げられてしまう。盗んだ分を働いて返してノートを取り戻そうと、ジョルジュの店に通うヒューゴ。

やがて彼は、両親を亡くしジョルジュの養子となった女の子イザベルと仲良しになり、彼女の持つハートのカギが、機械人形を動かすアイテムだと気付く。ヒューゴが自分の住んでいる時計台の棲み家へイザベルを案内し、機械人形を見せてヒューゴがイザベルのカギを差し込むと、機械人形は不思議な絵を描き、ある名前をサインする。
その与えられたヒントを基に、ヒューゴとイザベルはジョルジュの驚くべき正体と、彼の封印された過去へと続く未知の世界へ足を踏み入れて行く。
このシーンでも、ジョルジュの部屋のクローゼットの上の引き出しから大きな箱を取り出し、蓋を開けるとそれはジョルジュの書いた絵コンテが飛び散るさまは、3Dならではの映像。
ジョルジュは映画を一旦忘れ去り、目を閉じてしまった人。映画に夢中で取り組んだけど、夢破れた時に傷心は余りに大きく、だから作品や絵コンテ、セットの全てを焼き払い生涯の仕事を灰にした。そうして過去を封印した彼だけど、子供たちを通して再び映画人の人生に目覚める。

孤独な少年の、亡き父親の遺した機械人形を動かそうとする謎解きから、ジョルジュの秘密を知る前半は、次に何が起こるの?・・・という至福のドラマチックな映画創世記の夢へと発展していき、予想外の感動のクライマックスへと傾れ込む。
そして映画史の始まりを描く、フランス映画の基礎を築いた監督ジョルジュ・メリエスを、フィクションの世界へ招き入れ、彼と子供たちの関係を通して、人生の夢と挫折というテーマになっている。

後半は、映画「月世界旅行」などを手掛けた伝説の監督ジョルジュ・メリエスの知られざる物語が明かされ、メリエスの活躍した映画創世記の描写は、3D効果も相まってドラマチックで、息を飲むほど美しい映像に酔いしれること間違いありません。
太陽光線を取り入れるため、建物の全部をガラスで作った家での撮影風景は、カメラの前に水槽配した海中シーン。劇中でもメリエスの手法の習って撮影しており、その水槽の後ろで演技する様は、まるで海の中で泳いでいるみたい。

映画を始めて体験した1世紀も前の人々の驚きと感動を、新鮮かつリアルに観客に伝える映像の世界は、エッフェル塔を中心にしたキラキラ輝く夜景や、駅に集まる人々のカラフルなファッションなど。さらには列車が迫って来る有名な作品へのオマージュシーンを盛り込みつつ、冒険ドラマと映画愛が合体し、映画ファンにはたまらない展開になっている。
スコセッシ監督による過去の名作へのオマージュがたっぷりだが、監督の熟練の技と遊び心あふれる演出と、子供から大人まで誰もが純粋に楽しめる、映画への愛と夢にあふれた感動作になっている。
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トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1★★★★

2012年03月01日 | アクション映画ータ行
ヴァンパイアと人間の禁断の恋を描いた「トワイライト」シリーズ最終章の前編。主人公二人の結婚、妊娠をきっかけに始まる新たな戦いを描く。監督は「ドリームガールズ」のビル・コンドン。出演は「ランナウェイズ」のクリステン・スチュワート、「リメンバー・ミー」のロバート・パティンソン「バレンタインデー」のテイラー・ロートナー。

あらすじ:いくつもの困難を超えて、遂にエドワード・カレン(ロバート・パティンソン)と同じヴァンパイアとなり“永遠”の生を送る決意をしたベラ・スワン(クリステン・スチュワート)。人間である間に結婚式をあげて、オオカミ族のジェイコブ(テイラー・ロートナー)に別れを告げ、ハネムーンに旅立つ。はじめてふたりだけの至福の日々。
だがベラが妊娠、その子の成長は余りにも早く、彼女は衰弱していく。さらに友好関係にあったヴァンパイアとオオカミ族は、その子供の存在をめぐり、対立していくのだった。やがてベラの命が危機に瀕したとき、新たな戦いが始まってしまう。ベラとエドワード、そしてジェイコブ、さらに新しい生命の運命は。(作品資料より)

<感想>ついに結婚した2人、ベラはヴァンパイアになるのか?・・・シリーズ第4作。今回は2部構成の前編で、あらゆる困難を乗り越えてついに結ばれた人間の少女ベラと、ヴァンパイアのエドワード。ベラはエドワードと同じヴァンパイアになる決意をして、18歳にして結婚することに。結婚式での会場も自然で素敵でしたが、ベラのウェディングドレス姿の奇麗なこと。クリステン・スチュワートの花嫁姿にうっとり。

そして初夜を迎え肉体的にも結ばれた二人だが、ベラの体に異変が。どうやらエドワードの子供を妊娠したらしい、胎児が異常な早さで成長していくと同時に、ベラの体が衰弱していく。このままではベラは死んでしまうかもしれない。
人間とヴァンパイアとの血が混ざりあった子供、結婚式を挙げる前にベラもエドワードによってヴァンパイアになれば良かったのに。だが、そうすれば子供は授からないのだろうか。
後半は一転して、どんどんやつれていくベラ。食事もとれずベラの体は持ちこたえられるのか?・・・カレン家で出産を迎えるベラのもとには、ジェイコブの姿も。血を欲しがる胎児のために、血を飲み始めたベラは、衰弱しながらもなんとか生き延びる。ホラー色濃く表現されたベラ役のクリステン、激ヤセし血の気が失せた姿はまるでミイラのよう。日々やつれていく顔も、悪霊を宿しているオカルト映画のヒロインさながら。出産シーンもどす黒い血と絶叫たっぷりで熱演しているクリステンに感動。
だが、狼族たちは新たな生命の誕生を恐れる。人間とヴァンパイアの子供が生まれことを知った狼族たちは、それを驚異に感じてベラの殺害を計画する。反対したジェイコブは、一族に反旗を翻すのだが、出産によってベラが死んだら産まれて来た子供を自分の手で殺すとカレン家へ向かう。

だが、ベラの出産は母体がもたずに生きるか死ぬかで、苦しむベラ。やがて子供が生まれるがベラは息絶えてしまう。嘆き悲しむエドワード。すかさず彼女の心臓に吸血鬼の毒の注射を使って刺すエドワード。これでベラは生き返るのだろうか?・・・ベラがついに出産、可愛い赤ん坊が生まれ、殺そうと思ったジェイコブも、赤ん坊の目を見てベラの目にそっくりなことに気が付き、赤ん坊を守ることを決意する。
狼族とヴァンパイアの戦いは、多勢に無勢で勝ち目は狼族に勝利がと目前に。その時、サムたちジェイコブの一族が加勢してよそ者の狼族を追い払う。
パート2はどうなるの?・・・ベラがついに出産したが、彼女の命は?、これはエンディングの後に見られます。
そして狼族と対立したジェイコブの立場はいかに。禁断の赤ん坊は、ヴァンパイア族の頂点ヴォルトゥーリに狙われることになるのだが、・・・果たしてどのような展開になるのか。
エドワードとベラの愛は永遠に続くのか?・・・驚愕のラストでパート2に続く。でも女性ファンにとっては、結婚式、ハネムーン、出産と見応えのあるシーンが満載だったので満足ではないかしらね。最終章後編は12月公開です。
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アンダーワールド 覚醒3D  ★★★

2012年03月01日 | アクション映画ーア行
吸血鬼一族と狼男一族の戦いを描いたホラー・アクション「アンダーワールド」シリーズ第4弾。哀しき宿命を背負ったヴァンパイア処刑人の姿を描く。監督は「シェルター」のモンス・モーリンドとビョルン・スタイン。出演は「ホワイトアウト」のケイト・ベッキンセイル、「シスターズ」のスティーヴン・レイ、「テイカーズ」のマイケル・イーリー。
あらすじ:世紀を超え、ヴァンパイア(吸血鬼族)とライカン(狼男族)の種族の存亡をめぐる死闘が繰り広げられてきた闇の世界“アンダーワールド”。哀しき宿命を背負ったヴァンパイア処刑人セリーン(ケイト・ベッキンセール)は、ヴァンパイア族からもライカン族からも追われた果てに、人間に捕らわれていた。
その間も両種族の戦いは続き、更には、その力を手にいれようと、人間もが戦いに参戦。12年もの眠りから甦ったセリーンは、復讐のために、そして一人の少女を救うために、ヴァンパイアVSライカンVS人間の三つ巴の戦いへと身を投じるのだった……。(作品資料より)

<感想>ヴァンパイアとライカンの激闘を描いた「アンダーワールド」シリーズ第4弾。どうってことない意味のない3Dにて鑑賞。前作は戦いの歴史の発端をつづる前日譚だったが、本作は2作目の続編として完全にリスタートする。驚くことに戦局は、両種族の戦いに人類も参戦するバトルロワイヤル的様相に突入。
主人公セリーンの波乱過ぎる“その後”物語のカギを握るナゾの少女の登場といった新展開も見どころの一つ。とはいえ、ファンの最大の感心事は、やはりセリーンを演じるケイト・ベッキンセールの復帰でしょうね。
冷凍保存され12年後という設定。バイオテック企業アンティジェン社で覚醒し逃走した彼女は、追ってから逃げる途中、人間の兵士を次々と倒す冒頭の戦いは、あまりにも爽快で文句なしにテンションが上がる!アンティジェン社のレーン博士に、スティーブン・レイが扮して、セリーンを冷凍保存して極秘実験をしていたのだ。
そして、冷凍中に産んだ少女イブは、同族と意識を一体化させる能力でセリーンを覚醒させたのだった。
ところが、アンティジェン社でのセリーンの出産シーンもなく、また赤ん坊を育てた経過も描かれていなく、すでに12歳の少女となって登場している。このイブを演じたインディア・アイズリーは、往年の人気女優オリヴィア・ハッセーの娘だという点にも注目したいですね。

セリーン親子は、虐殺を生き延びたヴァンパイア族の隠れ家に身を寄せる。多くのヴァンパイアが人間に殺され、生き残ったわずかな者たちは地下のアジトにひっそりと潜伏中。人間とライカンの襲撃に脅える日々を送っていて、かつてライカンを下僕にしていた誇り高き一族の威厳はまるでない。
だが、弱腰な指導者の父親とは違って、仲間を鼓舞してセリーンとともに戦おうとする武闘派の若者デヴィッド。
それに、恋人のマイケルはどうなったのか?・・・史上初のヴァンパイアとライカンの混血種で、前々作でセリーンと結ばれたマイケル。セリーンとともに人間に捕えられたが、覚醒したセリーンは彼と再会できるのだろうか?・・・これも見どころの一つですね。

驚いたのは、ヴァンパイア族の隠れ家にライカンが襲ってくるシーン。銀の銃弾も効かない、身長3m60㎝、体重540キロという超大型の新種のウーバー・ライカンが登場する。弱点であるはずの銀の弾丸も効かず、軽々と車を投げ飛ばすなどケタ外れのパワーを誇る敵に、セリーンも斧で防戦一方。狭いトンネルに逃げ込み、相手の腹を切り裂き中へ手榴弾を投げ込む。ライカンも治癒する能力があり、傷口はすぐにふさぎ笑うライカン。だが逃げるセリーンを追い掛けながら爆死する。これにはセリーンの頭脳戦略によるもの。アクションの見せ場はもっとあるのですが、あのスリムな体でマトリックスみたいに切れ技を披露する様は、やっぱりセリーンじゃないとダメ!
それに、一度はライカンに殺された若者デヴィッドを、心臓を動かして甦生させる凄技も披露するセリーン。そして、冷凍保存されているマイケルを探しにアンティジェン社へと。

ここまでの展開を見ると、「バイオハザード」と被っているシーンも多々あり、それでもあちらはライカンではなくゾンビだからして違うと決めつけてもいいのだが、どうも物語の展開が必然的に似てきているようでつまらなくなっている。せっかく、マイケルとの間に娘をもうけたのだから、今後その娘イブとセリーンが中心になって続編を作れば面白く期待できるかもしれませんね。
その中でもごく普通の人間なのに、セリーンの正体を知りながらも協力する刑事セバスチャン、彼の真意はどこに?深手を負いなながらもセリーンを執拗に追う。
前作ではゲスト程度の出番だったケイトだが、本作では主人公の座に返り咲き、黒のレザースーツに全身を包み、そのシャープな美貌としなやかなアクションに触れて、このシリーズには絶対に不可欠と改めて満足。
待ってました!・・・という掛け声とともに、最強のヒロインの帰還を歓迎したい。
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アンダーワールド:エボリューション」2006年8月鑑賞
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顔のないスパイ  ★★

2012年03月01日 | アクション映画ーカ行
すでに死亡したと思われていたソビエトの伝説のスパイ“カシウス”の謎を追う元諜報員の姿を描くサスペンス・アクション。監督は「WANTED ウォンテッド」の脚本を手がけたマイケル・ブラント。出演は「アメリア 永遠の翼」のリチャード・ギア、「プレデターズ」のトファー・グレイス、「ボーダータウン 報道されない殺人者」のマーティン・シーン。

あらすじ:
メキシコ、アメリカに隣接するソノーラ砂漠。国境警備員を殺害し、アメリカに渡ろうとする一団がいた――。6ケ月後、ワシントンで、ロシアと密接な関係を持つダーデン上院議員が暗殺、その手口から浮かび上がったのは、死んだはずのソビエトの伝説のスパイ“カシウス”の痕跡だった。
CIA長官ハイランド(マーティン・シーン)は、カシウスをリーダーとする暗殺集団“カシウス7”の追跡にキャリアを捧げ、今は引退した元エージェントのポール・シェファーソン(リチャード・ギア)を呼び戻し、議員を内偵していたFBIの若手捜査官ベン・ギアリー(トファー・グレイス)と共に事件解決にあたらせる。
ポールは、すでにカシウスは死亡、議員殺害も模倣犯によるものと考えていたが、渋々捜査に協力。一方、カシウスに魅せられ、大学で彼についての修士論文も書いているベンは、カシウスが殺しを復活させたと確信する。

そんな中、2人はかつてポールが射殺したはずの“カシウス7”の一人、ブルータス(スティーヴン・モイヤー)がまだ獄中で生きていることを知る。ポールは、カシウスの死を証明するため、ベンを連れ刑務所へ赴くが、ブルータスから、暗殺者の掟を破ったため、カシウスにはある“罰”が下されたことを聞かされる。
そして2人が帰った直後、情報と引き換えに入手したラジオの電池を飲み込み病院へ運ばれたブルータスは、見事脱走に成功。だがカシウスを名乗る男に捕まり惨殺される。現場にはポールの姿があった……。
カシウスの魔の手は、ベンにも伸びていた。家族のいないポールは、自分と違い守るべき者がいるベンに捜査から外れるよう命じるが、カシウス逮捕にこだわるベンは全く聞く耳を持たない。
そんな中、半年前の国境警備員殺害事件の際に奪われた車が発見される。監視カメラに映っていたのは、元特殊部隊でKGBのボズロスキー(テイマー・ハッサン)の姿だった。彼とカシウスが同じ時期に表舞台から姿を消し、20年後に再び出現したことから、本部ではカシウス=ボズロスキーの線で捜査が進められていく。しかしベンは、過去の事件の検証から、カシウスの真の正体に気づく。一方、ポールも最後の落とし前をつけるため、ボズロスキーの元へ向かっていた。(作品資料よ)
<感想>リチャード・ギアを主演に、それぞれの目的を隠した老若2人の捜査官が、伝説のスパイを追う姿をアクション満載で描いている。捜査が進むにつれ二転三転する展開で、息もつかせない見所シーンに興奮します。
しかしながら、予告でも映ってましたが、伝説のスパイ“カシウス”が暴露されてしまって味気ないですね。これは最後まで観客に分からないようにしていく方が面白かったのに、残念でなりません。「ウォンテッド」の脚本家、マイケル・ブラントの監督デビュー作。

FBIの若手捜査官ベン・ギアリーは、ポールの正体を疑い過去の事件を検証する。捜査手順を無視して危険な行動を続け、捜査から手を引くよう自分にしつこく進言してくるポールに、不信感を募らせていく。ある仮設を基に、過去のカシウスに関する事件の全資料を洗い直し始める。ギアリーには「プレデターズ」と「スパイダーマン3」のヴェノム役のトファー・グレイスが演じている。
一方のポールは、カシウス捜しは名目で、異常な単独行動に走る。カシウスの手下が刑務所にいると知り、ギアリーを連れて面会へ向かうポールだが、ギアリーを帰した後、カシウスを追う手掛かりになるはずのその男を、ポールは巧みな誘導で脱獄させて、惨殺する。ポールには、「アメリア 永遠の翼」のリチャード・ギアが、久々のアクションに、62歳のご老体にムチを打っての活躍ぶり、伝説のスパイ“カシウス”の存在感もニヒルに渋く決めて、腕時計に忍ばせたワイヤーですかさず首に巻き殺す様は決まってました。
もう一人ご老体の白髪頭のマーティン・シーン、CIA長官ハイランドを演じていましたね。父親は真面目にやっているのに、息子のチャーリーはどうしたものか。
アクションのカーチェイスシーンは見応えありましたが、ポールも実は家族を持っていて、それが仲間に殺された辛い過去があったのですね。

その怨みを晴らすべく、最後の元特殊部隊でKGBのボズロスキーを殺したいと思ってたのですが、ところが現場でギアリーを帰して一人でボズロスキーを殺そうとするのですが、相手も元特殊部隊で凄腕の殺し屋、ポール一人で大丈夫なのか?・・・ピストルの音がしてポールが撃たれる、すかさずギアリーが引き返してボズロスキーを撃つ。仕事優先で家族を顧みなかった自分を反省し、ポールが口癖に言っていた言葉を思い出し家族を大事にすることを心に留める。
CIA長官ハイランドに、最後の“カシウス”を始末したことを報告するギアリー。
ギアリーがポールをかばってボズロスキーの腕に、殺しの道具の時計を付け替える優しさには感動ですね。最後のオチがこんな方向にしたかった監督。なんとなくその展開もいいのだが、もう少しポールのカシウスを、引き立たせて欲しかったですね。
2012年劇場公開作品鑑賞・・・2 a href="http://blog.with2.net/link.php?1426107:1122" title="映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ">映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ 
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ヤング≒アダルト ★★★

2012年03月01日 | や行の映画
「JUNO/ジュノ」の監督・脚本コンビ、ジェイソン・ライトマンとディアブロ・コーディが再びタッグを組んだヒューマンドラマ。仕事も恋愛もうまくいかない30代女性が、妻子のいる元恋人と復縁しようとする様を描く。出演は「ザ・ロード」のシャーリーズ・セロン、「インシディアス」のパトリック・ウィルソン、「レミーのおいしいレストラン」のパットン・オズワルト。

あらすじ:37歳になるメイビス(シャーリーズ・セロン)は自称作家だが、現在はゴーストライターとして“ヤングアダルト”(少女向け小説)を執筆中。バツイチで恋人ナシ、心の友はアルコールと愛犬という彼女はある日、一通のメールを受け取り、故郷へ帰ることに。昔の恋人バディ(パトリック・ウィルソン)と再会するメイビス。いつまでも大人になれない、そんな規格外の彼女が大騒動を巻き起こした果てに見つける“真実”とは……。(作品資料より)

<感想>負け犬が故郷で大暴れって、これはホラー?・・・それとも喜劇なの。
R30の独身女性たちを恐怖のるつぼに陥れる、シャーリズ・セロン主演の超辛口コメディ。主人公のメイビスを演じるシャーリーズ・セロン、この女優さんは化粧映えがするし、スタイルがいいのでどんな服を着ても似合う。いつもこんな性格のキツイ女を演じさせたら上手い。本作でも彼女はいかにもアバズレ女ふうにメイクし、服装も胸を大きく開けた服にミニスカート。設定は37歳というが、本人は肌が皺が多くて老けて見える。

自分が一番輝いていた高校時代のパワーを取り戻そうと、久しぶりに故郷に帰省。家庭を築いて幸せそのものの元カレを呼び出して、ヨリを戻すべく猛アタックするのだが、・・・。
だけど、高校時代はモテモテの女王様だったことが心の支えなので、今でも自分はずっとイケてると思い込んでいるのはメイビスだけ。田舎で疲れた主婦になってる同級生たちより、都会で磨がかれた自分の方がずっとイケているはずよ!
同級生は高慢ちきな負け犬が帰ってきたと、冷笑しているのに。
それでもメイビスは、自分に自信満々の女で負けを知らないイケスカない女。実際こういう女性もいることはいるのだが、自己中で嫌われるタイプ。それに回りが何と言おうと気にしないし、相手が困っていても自分のことしか考えていないからへいチャらだ。困ったちゃんのオバサン。

しかし、神経太いんだね。元彼のバディは今でも自分を忘れられないと思い込んでいるのだから。高校時代の彼がプレゼントしてくれた音楽テープを今でも毎日繰り返し聴いている彼女。それが心の栄養剤なのだからして、彼も私のこと忘れられないに決まっているわって、勝手に思い込んでいる。
ネイルを完璧にして厚化粧すれば、洗練された女性に見えると思っている。バディの家で開かれる赤ちゃんの命名パーティには、キメキメのドレスにメイクもバッチシで登場。みんながびっくりして私を見ているわ、やっぱり私は女王様!・・・ふだんはキティちゃんのTシャツを着古しているメイビスが、元彼を振り返らせようと懸命にメイクアップにドレスアップする姿が苦笑を誘う。涙ぐましい努力だよね。
昔の恋人バディ、パトリック・ウィルソンを呼び出して、まだ自分のことを好きだと思い込んでいるずうずうしさ。これは頂けないし、彼の家へ行っても、奥さんに暴言を吐くし、自分の都合のいいように考えてきっとまた元のように恋人関係に戻れると勘違いしている。

そこへ、同級生のデブでさえないマットが現れて、元彼の幸せな家庭を壊すなと忠告されたけど、家庭に縛りつけられているバディを助けなくちゃと、メイビスは彼の家へ押し掛ける。そこには、可愛い赤ちゃんと優しいパパの姿の彼がいた。
でも、ダメだと諦めてマットに慰めてもらおうとベッドインするところは、シャーリーズのヌーブラを貼り付けた胸にゲンナリした。そこまでヤルのか、女優根性見せたりの彼女の奮闘記ですね。
大人になりきれない負け犬女が、元彼を略奪しようとあがく様をユーモラスに、かつ辛辣に描いている。一歩間違えば、サイコとなりがちな暴走ヒロインが絶妙なさじ加減で演じているシャーリーズ・セロンがいい。
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