パピとママ映画のblog

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裏切りのサーカス ★★★

2012年06月20日 | アクション映画ーア行
ジョン・ル・カレの小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を、「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソン監督が映画化。英国諜報組織に潜むソ連の二重スパイを捜し出すために、引退生活から呼び戻されたベテランスパイの姿を描く。出演は「赤ずきん」のゲイリー・オールドマン、「英国王のスピーチ」のコリン・ファース。
他にコリン・ファース、ジョン・ハート、シアラン・ハインズ、トビー・ジョーンズ、トム・ハーディーら実力派が共演。

あらすじ:東西冷戦時代。英国諜報部「サーカス」のリーダー、コントロール(ハート)は、サーカス幹部の中にソ連のニ重スパイ“もぐら”がいるという情報をつかみ、その正体を情報提供者から聞き出すために、工作員ジムをブタペストに送り込むが作戦は失敗。
コントロールは長年の右腕諜報員スマイリー(オールドマン)を連れてサーカスを去った後、謎の死を遂げた。愛妻にも去られたスマイリーは、突然次官に呼びだされ、コントロールの後を継いだ4人の幹部。
パーシー(ジョーンズ)、ビル(ファース)、ロイ(ハインズ)、トビーの中から“もぐら”を突き止める極秘指令を受ける。部下のピーターらと隠密に行動を開始するスマイリー。
そんな彼の元に、東側に寝返ったと思われていたリッキー(ハーディー)が助けを求めてくる。彼はイスタンブールで出会った東側の通商使節団員イリーナと恋に落ち、亡命を望む彼女から“もぐら”の名を聞きだす旨をサーカスに電信した後、イリーナを連行されてしまったという。その証拠はすでに紛失していた。(作品資料より)

<感想>映画のスパイといえば、ジェームズ・ボンドやイーサン・ハントのイメージが強いが、リアルなスパイ像はどんなものなのか?・・・スパイ小説の重鎮、ジョン・ル・カレの名作を映画化した本作は、男たちの生々しい攻防がスリリングに展開していく。
舞台は東西冷戦が続く70年代前半。英国諜報機関「サーカス」に、ソ連側からスパイが潜入していることが発覚し、老練のスパイが巧妙な罠を使ってあぶり出そうとする。本作でアカデミー賞主演男優賞候補となったゲイリー・オールドマンを中心に、全キャストが裏と表の両面を怪しく好演。全編、渋い雰囲気で進行する腹の探り合いに酔わされた後、鮮やかなクライマックスに思わずため息がもれる。

この作品を見る前に、登場人物とあらすじは前もって予習しておくと理解しやすいと思いますよ。それぞれのコードネームを持つ「サーカス」の諜報員や、複雑な作戦名は、あらかじめ知っておくと物語に入り込み安い。諜報員同士や工作員、ソ連側のスパイとの関係など、物語の大枠も掴んでおくとなおのこといいですよね。
主人公のスマイリーを演じたゲーリー・オールドマンは、会った直後には忘れてしまうような影の薄い存在なのだ。

ほとんどしゃべらず、常に耳を傾け、観察している。こんなに地味なのに、映画の中で登場シーンがもの凄く多いのだ。つまり観客を退屈させず、彼らの興味を惹きつけ続けるだけの、演技力がある役者だということですよね。
スマイリーというのは、どんな環境にも溶け込む事が出来るカメレオンのような存在なのだから。スマイリーが一度、英国諜報員をクビになり、視力の衰えたスマイリーが新しいメガネを買うシーンがさりげなく描かれている。

登場人物の大半が40代以上の中年男性だし、主人公スマイリーはビン底のような黒ぶちの眼鏡をかけた老スパイだし、びっくりするような出来事は、基本的に128分間に一度も起きない。あるとすれば、ブタペストのアーケード街での銃撃と、ラストのマーク・ストロンが、裏切り者“もぐら”であるコリン・ファースを射殺することぐらいである。

しかも、作中の人間関係を把握するだけで骨が折れるくらい、複雑である。まるで人物名の相関図を紙に書き出して、映画を見る前にそれを頭に叩きこんでおくくらいでもしないかぎり、まことに理解しづらい。
劇中の70年代のロンドンの街に、そぼ降る雨の匂いまでも感じ取れる。裏切り者のスパイをめぐる登場人物一人一人の思惑を理解した上で、真実に触れた時の気持ちよさは、内容が難解であるだけに何ものにも代え難いものとなる。
にもかかわらず、この映画が面白くて、スリリングで、何度でも見返したくなるような魅力に溢れているのだから。

一度見ただけでは分からない、小説のようなオトナの映画。痛快なアクション映画とは程遠い、各キャラの心理戦をじっくり見せるのが本作の特徴。
小説を読み返すように、気になるシーンや会話は何度でも確認したくなる。2回観ると、さらにドキドキ感が味わえるのだろうが、もう一回見る余裕はないので、DVDレンタルまで待とうではないか。
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コメント (2)   この記事についてブログを書く
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2 コメント

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イギリス映画らしい映画でしたね。 (健太郎)
2012-08-12 15:18:31
こんにちは。

時代が東西冷戦の真っ只中で、舞台がイギリス。
しかもイギリス映画なので重厚でしたね。

人が多い上に場所や時間軸がいりくんでいるので、ややこしかったですが、そこも味わいなのかなと。

出演陣も内容にぴったりの渋め揃いで良かったです。
健太郎さんへ (パピのママ)
2012-08-20 15:03:30
スパイものでも、一味ちがう重厚な映画でした。
出演者も渋めでなおのこと、チラシを読んでから観たのですが、それでも登場人物と時間軸が入り組んでいるので内容を把握できなくて理解できないところもありました。
が、裏切り者という、スパイの中で寝返ったものがいる。
その人物を探せと、ゲイリーの渋い演技に満足です。

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