パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

日々ロック ★★

2014年11月30日 | アクション映画ーハ行
さえないダメ男だがロックを愛する心だけは誰にも負けない青年が、ロックスターを目指して突き進んでいく青春ドラマ。榎屋克優による人気ロック漫画を、『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督が実写映画化。極限まで興奮すると真っ裸になってしまう主人公には『男子高校生の日常』などの野村周平、彼の運命を変えていくヒロインを『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』でも入江監督とタッグを組んだ二階堂ふみが熱演する。
あらすじ:勉強もスポーツもダメ、彼女ナシのパッとしない高校生だが、ロックを愛する心だけは人一倍強い日々沼拓郎(野村周平)。友人に誘われバンドを結成した彼は卒業後、上京して伝説のライブハウスで活動し始めるが、なかなか客は集まらない。そんな現実にもめげず熱いライブパフォーマンスを繰り広げていたある日、トップアイドル宇田川咲(二階堂ふみ)と出会う。

<感想>前作の「SR サイタマノラッパー」シリーズ観てないので、今回は二階堂ふみちゃんが、アイドルを演じるというので観賞。特にRCサクセションの「雨あがりの夜空に」をライブハウスで歌うシーンがあるのですが、本当に歌っているいるので、それも巧いしね。

後のデジタル系の歌謡曲を歌うシーンでは、口パクのような、なんだか衣裳もステージの照明とかも、ファッションモンスターの「きゃりーぱみゅぱみゅ」を真似て演じているようで、独自のスタイルで歌って欲しかった気がしました。
が、プロデューサーの婆ぁが、宇田川咲を使い捨てのアイドルとして見ているのは、実際の音楽界でもこれは有りなのかもしれませんね。

途中では、日々沼拓郎のロックバンドの男たちとの乱闘シーンもあり、足蹴り、回し蹴りのアクションもキレッキレで良かったです。それでも、アクション部分では「地獄でなぜ悪い」の方が大胆に演じていました。
そして、後半では余命幾ばくもない癌患者の役で、カリスマ性の存在感は変わらずそのままで、カッコ良かったですね。断食したり眉毛を剃ったりして、本当の病人のように痩せて、彼女らしい演技に力が入ってました。

他の役者さんでは、主人公の日々沼拓郎に野村周平が扮して、全裸でアフロヘアの野村周平がギターを片手に、汗まみれで熱唱しているのだが、歌がどこかで聞いた歌で、一本調子でただガナっているだけにしか聞こえません。
でもね、野村周平の演技が臭すぎて、大根役者かって、どうもあのような大げさな演技は、私には鼻について来てダメでした。
そして、ビジアル系のお姉キャラのバンドのボーカルにも、辟易する。ダメだこれは、最後にも出てくるのだが、余りの変貌に驚いた。
他の登場人物だって、バカバカしさを通り越して、全力で真剣に演じているから滑稽ではあるものの、私には笑えないという結果に。

ライブハウスを営業している、トップアイドル宇田川咲の親戚の叔父さん役に、竹中直人さんがいつものレゲエふうの扮装で、相変わらず弾けちゃって最高ですこの役者さんは。その他で蛭子さんが出てましたね。ライブハウスが火事になり全焼して、日々沼拓郎のメンバーたちも散りじりバラバラになり、建設現場やキコリとか、日々沼は故郷の港で鯵の開きをさばいているし。

まぁ、それでも、クライマックのシーンの、嵐の中でのライブシーンでは、扇風機とか雨を降らすホースとかで嵐を撮影しているところで、全身ずぶ濡れになりながら歌う野村周平に、感動する二階堂ふみが向かいの窓から見ている場面、「そこまでやるか」って思ってしまった。二人の関係は、恋人同士でもないし、拓郎も彼女を好きかどうかはわからない。でも、お互いを大切に思っている。拓郎にとって咲は、道を教えてくれた人だから。
どさまわりでもいい、“ザ・ロックンロールブラザーズ”は、どこまでも自分たちの王道を突き進むのだ。
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フューリー ★★★★★

2014年11月28日 | アクション映画ーハ行
ブラッド・ピットと『サボタージュ』などのデヴィッド・エアー監督がタッグを組み、ナチスドイツ相手に戦車で戦いを挑む男たちの姿を描く感動の戦争ドラマ。第2次世界大戦末期、戦車を駆使して敵軍に立ち向かう5人の兵士たちの過酷なバトルを追う。『欲望のバージニア』などのシャイア・ラブーフや、『ウォールフラワー』などのローガン・ラーマンらが共演。アメリカとドイツ双方が誇る戦車の激突はもとより、強い絆で結ばれた男たちのドラマが琴線に触れる。
あらすじ:1945年4月、ナチスがはびこるドイツに総攻撃を仕掛ける連合軍に、ウォーダディーというニックネームのアメリカ人兵士(ブラッド・ピット)がいた。カリスマ性のあるベテラン兵士である彼は、自らフューリーと名付けたアメリカ製の中戦車シャーマンM4に3人の兵士と一緒に乗っていた。そんなある日、ウォーダディーの部隊に新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)が加わることになり……。

<感想>戦場のリアルを追求した新しい戦争映画の傑作でしょう。死線をくぐり抜け度に固い絆で結ばれていく5人のチーム。ドイツ国内に侵攻したフューリーは“十字路死守”という重要任務に就くのだが、彼らの目の前に現れたのは300人の敵兵だった。わずか1台の戦車でどう戦うのか?・・・絶体絶命の状況で下したウォーダディーの決断。そして、仲間のために命を懸けるチームの絆が心を揺さぶります。

「エンド・オブ・ウォッチ」のデビッド・エアー監督が、お得意の骨太かつパワフルな演出で臨場感あふれる戦いと戦場の凄惨な地獄絵図をリアルに描いている。アクションも圧巻ですが、ドラマ性も高く、チームとして命がけで戦う男たちの熱い友情などドラマティックな要素が満載で、感情的な戦争巨編として昇華されています。

元米海軍兵だった監督だけに、戦車内という密室での異常なまでの緊迫感は鳥肌もんです。イギリスの戦車博物館が所蔵する、世界で唯一走行可能なドイツ軍の、本物のティーガー戦車を撮影に使用するなど、リアリティを徹底的に追求していると思います。
フューリーと4台のシャーマン戦車は前線で足止め状態の味方舞台に合流すべく戦闘地に向かう。途中、新兵のノーマンの判断ミスでヒトラー青少年団の攻撃を受けてしまい、味方の1台が撃破される。なんとか戦闘地に到着するも、森の中や塹壕に隠れていたドイツ軍から突然の猛攻撃を受け激しい戦闘に突入。

残った4台の戦車で更に前線に進み、ある廃墟と化した街に侵攻するが待ち伏せていたドイツ軍の奇襲攻撃を受けてしまう。アパートやビルなど建物が多く視界が限られる不利な状況で、フューリーらシャーマン戦車は建物ごと街を破壊する豪快な応戦で危機を脱出する。ノーマンの刹那のロマンスも描かれます。

ここで、一軒の家に入るウォーダディーとノーマンの2人が観たのは、二人の女性だった。ノーマンがそこでピアノを弾き、エマという女性がノーマンに心を寄せる下りは、ウォーダディーの配慮による心配りで、つかの間のひと時であり、女性たちと目玉焼きとベーコンで食事をとる風景も和みます。ブラピが服を脱いで上半身裸の場面もあり、見事な筋肉美を披露しますが、その背中にはケロイド状の皮膚が火傷の痕だろう。
ところが、そこへ仲間たちが現れて、俺たちにもおこぼれをとヤボなことを言い、せっかく作った目玉焼きも、兵隊が舐めまくりそれを女の前に出し食べろと言うのだ。いくら憎きドイツ人でも、民間人や女子供までナチスドイツ兵と一緒に扱う態度は許せない。そこで、ウォーダディーの出番なんですね。粋な計らいでその舐めた目玉焼きを自分が食べるという、さすがに立派でした。でも、その後に彼女たちの家が空爆に遭い、ビルごと女性2人も亡くなってしまう。

ドイツ軍の動きに合わせ新たな任務を受け、街を出るフューリーと残り3台の戦車小隊。そんな彼らを阻止すべく、当時世界最強と言われていたティーガー戦車が牙をむくのだ。圧倒的な攻撃力により連合軍の戦車は次々と破壊されるが、フューリーはウォーダディーの巧みな戦術とチームワークにより、これを撃破するのです。
クライマックスの戦いでは、ドイツ軍300人に対し、フューリーの5人が果敢に応戦と、何だかカッコイイのだが、戦車は蜂の巣状態にさらされるも、ドイツ兵たちは戦車からの銃撃を受け次々と倒れて行く。しかし、全員が生き残れる可能性は極わずかで、仲間の為に命を犠牲にする場面もあり、5人の熱い絆も一瞬で消え去るのみ。

1台になってしまっても任務をまっとうしようと、ドイツ軍の進軍ポイントの十字路に向かうフューリーだが、地雷を踏んでしまいキャタピラが破損。急いで修理を試みるも、見張り役のノーマンが300人のドイツのSS隊員が迫ってくるのを発見する。任務を放棄して逃走するか、戦うべきか、ウォーダディーは最後の決断を下す。

皆に好きなように何処へでも行けと言うブラピ、「この戦車フューリーが俺の家だと」いい、皆も、今まで彼に付いて来て命が助かった。だから、最後まで戦うと決意する5人。一番印象に残ったボイド役のシャイア・ラブーフの、聖書を一説を引用して仲間の心を癒す印象深いところが好きです。そして、マイケル・ペ-ニャ扮するゴルド。酔っぱらい運転ながらも操縦の腕はピカイチなのだ。お調子もので反抗的な装填手で、通称クーンアス、場の空気の読めない行動と発言で、チームの和を乱す問題児だが、度胸は人一倍である。

そして、副操縦手のノーマン。通称マシンと呼ばれ、生き残ったドイツ兵を射殺するように命令される、拒絶するノーマン。軍の事務担当だったゆえに戦闘経験はゼロでも、ウォーダディーに鍛えられ兵士として成長する。彼が、フューリーの最後の兵士となり、戦車の床下から逃げて道路に穴を掘り隠れるも、ドイツ軍に見つかるのだが見逃してくれ生き残った一人になる。
連合軍に攻め込まれ、兵力が足りなくなりドイツ軍は少年兵も動員して徹底抗戦。まだ幼い兵士たちの表情が戦争の現実を突きつけるだけでなく、彼らの惨い死体も容赦なく映像で描き、連合軍の死体を積んだトラックが穴に落とす遺体の山に、誰もが戦慄を覚えることでしょう。

第二次世界大戦の映画というと、上記の「プライベート・ライアン」(1998)や「シン・レッド・ライン」(1999)を思い出してしまう。敵国の兵士だと分かると、何も考えずに殺すのが戦場の常識。本作でも捕えられた敵兵を、見せしめのように射殺したり、死体の山が出てくるなど強烈な描写で、戦争に勝ったとしてもヒーローになるわけではないと訴えている。

戦争とは、歴史の中で憮然として刻まれる証でもある。何もいいことが無い、人間と人間が殺し合い、壮絶なる戦いの末に、どちらに勝敗があってもいいことなんかないのだ。残された家族も戦争に巻き込まれて死んでいくのだから。
この作品でも同じことが言える。戦争に協力しない人間はさらし首にされ、風になびく惨たらしさ。地面には、戦死した兵隊がそのまま野ざらしにされて、戦車が通るぬかるみの道にある屍も、戦車が轢きながら通過するのだ。
戦争映画は、あまりの惨たらしさに、観ていて辛くなる。
だが、特にブラッド・ピットが今までにない勇気ある、戦場のなかで勇敢に戦い、仲間を絶対に守るといい、勇敢で最高の指揮官だったと思います。
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レッド・ファミリー ★★★★

2014年11月27日 | アクション映画ーラ行
アリラン』『嘆きのピエタ』などの鬼才キム・ギドクが、脚本、編集、エグゼクティブプロデューサーを務めた異色のドラマ。家族を装って韓国に潜入する北朝鮮の工作員たちが、次第に階級の壁を乗り越えて奇妙な絆で結ばれていくさまを追う。監督を務めるのは、本作が初の長編作となるイ・ジュヒョン。『人形霊』などのキム・ユミ、『大韓民国1%』などのソン・ビョンホら実力派俳優が共演。ハートウオーミングかつスリリングな物語の中に、南北分断の現状も垣間見える作品。

あらすじ:誰もがうらやむ理想の家族を絵に描いたような一家。だがその正体は、母国からの密命を遂行するために韓国に潜入している北朝鮮の工作員チーム、サザンカ班だった。表では仲むつまじい4人家族だが、玄関のドアを閉めると階級を重んじ、母国の命令を順守するスパイ集団となる。何かと押し掛けてくる隣人一家を資本主義の隷属者と見下しながらも彼らに憧れを抱き、互いの階級を忘れて家族的な絆を育むようになる4人。そんな中、メンバーの一人が母国に残した妻子が脱北に失敗したとわかり……。

<感想>韓国の軍事施設の近くにあるレストランで、家族がウナギを食べるシーンから始まる。その店の下では、その家族が国境をバックに写真を撮っているのだ。どんなウナギ料理を食べているのか気になったのだが、これが北の工作員たちの偽装家族で、それに後ろ隣の(南)一般市民の一家などが絡み、早口台詞の多種家族間ドラマが展開するのだから、これはモトネタが舞台劇かと思った。
キム・ギドク脚本の「プンサンケ」でも南北を高跳びで行き来する男が登場したが、あえて、朝鮮半島の北と南を、お隣さんの家族に集約させ。小鳥が行き来する垣根越しはまるで38度線のようだ。一見、理想的な家族は、家の中へ入った途端に、規律と階級が絶対とされるスパイへと戻り、全ての会話は盗聴されている。

そして喧嘩の絶えないダメな一家は、退廃した資本主義そのもの。互いの家族も役割が明確で、祖父と祖母、娘と息子は自然と惹かれあう。それぞれに足りないものを持っているからだろう。そんなフィクションとしての敷居の低さに油断をしていると、涙を搾り取られることになる。
この映画の中では、可笑しいことと哀しいことが同時に描かれる。限りなく家族に近い生活をさせられながら、偽の家族であり続けることを強要されているのだから、自然と対立と葛藤が生まれてくるのだ。その描き方が実に面白かった。例えば南のダメ妻が、闇金融の取り立てに困っているところへ、北の一家にかかれば暴利な利息も交渉可能だし、急所を押えられたヤクザたちは慌てて逃げ出してしまう。
南の家への垣根を越えてしまった彼らは、監視をしている仲間にとっては、資本主義に毒された証拠である。北で鍛えられた能力を無駄使いしてしまった代償は大きい。だから、北に住んでいる家族の安否を餌に、残酷な選択を突きつけるのだ。偽の家族に一切の自由はないのだから。

つまりは、隣の南の家族を皆殺しにしてしまえという命令が下される。次の日、お隣さんと島へ遊びに行き、夜になり寝ているところを襲えと命令されるも、北の家族にとっては、監視している工作員たちを襲い縛ってしまう。
南の家族の口げんかさえも「理想的な」、一緒に「アリラン」を歌い涙ぐむ北の一家にとっては、そんな家族のささいな喧嘩さえもが理想へと変わるのだ。ちょっとくだらないケンカの内容なのだが、北の国が目指すモノが一体何なのか?・・・問われます。普通の暮らしがしたい。しかし答えはない。

結局は裏切りは処刑されるのがオチで、助かった娘が最後に出てくる。まだ、北の工作員として働いているのだろう。
雑な2時間ドラマみたいに棒立ちのまま台詞をやり取りしているだけの画面がやたらに多いのも、自分たちの正体に関わる会話を周りに聞こえるような状況で交わしていることも、好意的に解釈すれば徹底的にステレオタイプからなるコメディを目指しているからなのだろう。

そして民族の苦しみ、哀しみを芳醇に製作できる韓国映画界に羨ましくもある。それにしても、南の一家の喧嘩する声が筒抜けなのだから、北の一家の叱責する声やビンタの打音も聞かれていそうな気もするのだが、それは無く、北の家族を監視している諜報部員たちの様子がうかがえるのだ。
お隣の南の家族の喧嘩ばかりしている人間味溢れる一家。キチっとしているが人間味の薄い北の一家。彼らが実際の韓国・北朝鮮同様に隣り合って暮らす構図からして巧いですよね。国境・国家・思想という大義名分も、愛や情けには適わないことを笑いと涙とスリルで綴るキム・ギドク脚本のストーリー・テラーぶりに脱帽してしまった。
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MIRACLE デビクロくんの恋と魔法★★★

2014年11月26日 | アクション映画ーマ行
『100回泣くこと』などの原作者・中村航が山下達郎の「クリスマス・イブ」を基に執筆した小説を、『のぼうの城』などの犬童一心監督が映画化。12月24日、漫画家になる夢を持ち続ける主人公ら片思い中の4人の男女が遭遇する奇跡をファンタジックに描く。主演は、アイドルグループ嵐の相葉雅紀。榮倉奈々、ハン・ヒョジュ、生田斗真らが共演。恋と夢のはざまで揺れ動く4人の男女を演じる俳優たちの等身大の演技に注目。
<感想>あと、1カ月でクリスマス。街のそこかしこでクリスマスの飾り付けが綺麗に飾られて、今年も後1カ月と少しでお終いだ。この映画は、そんなクリスマスの日を間近にして、山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れる、そんな名曲をモチーフにした小説が、嵐の相葉雅紀くんを主人公に迎え、漫画家を夢見る書店の店員役の光が運命の女性と出会うことを願っている物語です。

それに、光に片思いの女性杏奈には榮倉奈々が、オブジェ作家の卵として溶接工の仕事なんてしている。そして、光が運命の人だと勝手に思い描いて片思いをしている世界的な証明アーティストにハン・ヒョジュが、その恋人には生田斗真くんが演じていて、4人が織りなす恋愛ごっこというべきラブストーリー。

中でも、光が漫画を描いている主人公にしか見えない“デビクロ”の声を、劇団ひとりが担当しているのだ。子供の頃から1人で絵を描くことが好きだった光が生み出した小さな相棒。
名前は「デビルクロース」の略で“サンタクロースの孤独と悲しみから生まれた”という設定になっている。大人になった今でも時々現れては、いつか夢は叶うと信じる光の邪魔をする。実写とアニメーションが見事に融合して、光とデビクロの共演シーンにも注目ですね。お喋りで少々口は悪いが憎めないキャラクターを映画の中で表現しているのもいい。

“きっと君は来ない“の名曲「クリスマス・イブ」で歌われる登場人物のように、すれ違う男女4人の想い。やがて聖夜に訪れる奇跡。恋する気持ちは楽曲と同様に永遠のものです。
光と杏奈は幼馴染、「ごめんなさい」が口癖の気弱な光のことをいじめっ子や、何かと助けて来た杏奈だったが、彼女が父親を亡くしたとき、傍で支えてくれたのは光だった。そして、2人はある約束を交わすのだが。大人になった2人は相変わらず。そんなある日のこと、二人は出会いがしらにぶつかって、光が運命の人と出会うのです。

相手は世界的照明デザイナーのソヨン。漫画家を夢見る光は、ウキウキと運命の女性とのデートをしたいと、杏奈に恋の指南役を願い出るのだが、・・・。
実は、杏奈の仕事場にも来ていたソヨンが、光の運命の男だったとは、本当は幼い頃から光のことが大好きで、片思いでもいいと見守ってきた杏奈。しかし、運命とはこういうもんだと諦めて、光とソヨンの間を取り持つきっかけを作ってやるのだ。

光にスーツを着せて、自分もワンピースを着てお洒落してレストランでデートの予行練習をする。そして、二人が上手くデートが出来ればと計画を練って上げるのだが、ソヨンにも片思いの人がいたのです。

その人は、光の同級生で売れっ子の漫画家である北山一路。少し影のある男を演じている生田斗真くん。あまり出番が少ない上に、今回は相葉雅紀くん主人公の映画だから、仕方ないですよね。
ですが、このくらい鈍感な男だと、強く言わないと自分の愛に気付かないでしょうね。杏奈を見ていて、気の毒でしょうがなかった。
でも、最後では4人がそれぞれにお互い気付いて、光も杏奈がパリへ行くのを追いかけて、飛行場でキスをするシーンもあるので良かったかなぁなんて思ってます。

物語のキーワードの一つになっているのが、主人公の名前と同じ“光”。本作ではクリスマスを彩るイルミネーションが見どころの一つで、神戸を中心にロケが行われ、神戸のイルミナージュでは、11月1日~2月1日まで、映画の撮影で実際に使用されたセットを再現して、映画の公開に合わせて色とりどりの光が創り出す夢の世界を見ることが出来ます。
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想いのこし ★★★.5

2014年11月25日 | アクション映画ーア行
岡本貴也の小説を、テレビドラマ「リーガルハイ」でも共演した岡田将生と広末涼子を迎えて実写化したヒューマンコメディー。金と女に目がない青年が、ひょんなことから現世に未練を遺(のこ)した幽霊たちを成仏させようと奔走しながら騒動を巻き起こしていくさまを、涙と笑いを交えてつづる。メガホンを取るのは、『ROOKIES』シリーズや『ツナグ』などの平川雄一朗。幽霊たちとの出会いを機に遂げていく青年の内面的成長を岡田が見事に体現、広末はポールダンサーの幽霊にふんしてセクシーなダンスを披露する。
<感想>この世に想いを残したまま亡くなった人と、彼らの姿がただ一人見えてしまう青年が織りなす優しくも温かいヒューマンストーリー。主人公の岡田将生が、交通事故を起こしながら運よく無傷ですんだ青年“お金に目がないサイテー男”ガジロウを演じています。

その事故現場を観客も見ているのですが、これはお金を拾うために道路に飛び出してきたガジロウが一番悪いのに、本人は無傷でピンピンしているのだ。だが、目の前に飛び出してきた男のために、急に車は止められないのでハンドルを横に切った瞬間に、反対車線を走って来たトラックにぶつかり車は大破して、乗っていた運転手のジョニー、ポールダンスの踊り子ルカにケイとユウコの4人が即死してしまう。

ですが、飛び出した男のガジロウは、自分を撥ねた車の遺族から賠償金を取ろうと考えている最低な男。事態を深刻に受け止めずにいる彼の目の前に、事故で命を落とした4人が幽霊となって現れるわけなんですね。そりゃそうでしょう、成仏できない事情が4人にはあるんですものね。
爽やかなイメージの岡田将生くんが、金と女に目がなくて、チャランポランに生きてきた男を演じて新境地を開拓。この世に大きな未練を残す死者たちにせがまれて、彼らの願いをイヤイヤながら聞き入れ始めるのだが、それも、彼らが持っているお金のためなんですから。
火葬場で4人が焼かれる場所に現れる4人。誰にも見えないのに、ガジロウにだけ見えるということは、神様が4人の成仏できない想いのこしを叶えて上げなさいと言っているのでしょう。ですので、この作品の物語りには4つのクライマックスがあり、4回もウルウルと涙を流す場面があります。

1番目は、ルカの想い。彼女は、仕事を辞めて故郷で、ウェディングドレスを着て結婚式を教会で挙げることが夢でした。その夢も突然の事故が起こって、結婚式も叶わなくなり、愛する人との将来のためにと、700万円を貯金していたのに。そのお金をガジロウに上げるから、彼を説得して教会で結婚式を挙げてと言うのだ。最初は断るも、やはり700万円の現金を見て心が変わり、女装をしてウェディングドレスを着て、結婚式を挙げることに。
それでも、岡田くんの女装の化粧もドレスも似合って綺麗でした。歩きかたがガニマタなのは仕方ないことで、神父さんが誓いの言葉をいい、そしてキスのシーンで、ルカちゃんが岡田くんに乗り移るシーンも感動的でしたね。

2番目が、タカちゃんのお願い。彼女は孤児で、昼間は高校生で学校へ行き、生活のために夜にポールダンサーとして働いているのだ。想いのこしは、学校の野球部のマネージャーをしていて、キャプテンの男の子が好きで片思いのような感じなんですが、彼も3年生で野球の成績があまりパットしないのだ。だから、試合を見に来て応援をしてくれと頼まれる。4人の幽霊も一緒に、それにユウコの息子のコウタロウも。
彼女も500万円貯金していて、それを上げるから願いを叶えてと言われて、シブシブ応援に行くガジロウなのだが、ケイがキャプテンを真剣に応援している熱意が伝わり、するとガジロウの身体にケイが乗り移って応援しているではないか。それもキャプテンの目に入って、ホームランですよ。信じられませんから。想いが叶うと一人ずつ体が消えて行くのがまた悲しいですよね。

3番目は、志賀丈史扮するジョニーの想いのこし。何と貯金額が2000万円もあるというのだ。彼は元消防隊員で、火事の時は道路状況を把握してすぐさま駆け付けるという。辞めてショーパブの運転手兼、音響係という仕事に。でもいつも道路状況を調べては、消防署で働く部下に知らせている。ですが、せっかくの情報を、今はオンラインシステムで便利になって、こういう情報はいらないというのだ。
しかし、火事が発生し、停電というアクシデントまでも。これでは最新の情報機械は使えない。消防車両は道で大渋滞の中、前に進むことが出来ない。そこへ、あの幽霊のジョニーさんの先導で裏道を行き、無事火事を消しとめることが出来た。その時、消防車にいたジョニーさんの姿が、部下の男の眼に焼き付くのだ。でも、消防車の横にいたのはガジロウだったのに。
最後は、広末涼子のユウコの想いのこし。これには彼女の一人息子が出て来て、父親は早くに亡くなり、シングルマザーで息子を育ててきたのだ。息子は小学校では、お前の母親はストリッパーだと虐められ、登校拒否をしている。

これでは、母親として死んでも死にきれない。だから、私は一生消えないと言う。カジロウにあげる貯金もなく、私は最後まで息子の将来を見ている。他人には幽霊に見えても、子供の傍で存在していたいという気持ちは切ないですよね。ジョニーさんが、自分の貯金の中から、ユウコの想いのこしを叶えて上げてと頼む。
息子は意固地になって一人でアパートで暮らすと言う。まだ小学生では、親戚とかユウコの両親や兄弟、姉妹とかいないのだろうか。そういうことは一切でてこないから、息子も頑固で自分一人で生活すると、部屋の中は乱雑で汚いし、洗濯物だって、ゴミだって捨てることしないから部屋の中は散らかり放題。たまに、ユウコの仕事先の社長が弁当を届けてくれる。これでは、いつか餓死して死んでしまうだろうに。

それでもガジロウは、いつまでも自分に付きまとって、ユウコが幽霊で出てくるのにうんざりして、何とか彼女を成仏させてあげたいと奮闘する。岡田くんが幽霊の広末にタバコの煙をかけるシーン、いくら幽霊でも煙いですよね。
それに、ユウコの息子にポールダンサーの仕事場を見せてやるのに、女装してポールダンスを踊るさまは上手いですぞ。これを見て、息子の納得したのか、孤児院へいくことをOKした。
やっぱり、一番泣けたのはユウコと息子との別れでしょうか。切実な死者たちとのやり取りはどこか切なくもユーモラスで。やがてガジロウが彼らの想いのこしを親身になって受け止め、自らの人生とも向き合い始めるところが、胸にギュっと迫ってくるところですかね。願いを叶えるため、あっと驚く姿をさらし続ける、岡田くんの体当たりの演技もいいです。
ケイちゃんが言うセリフ。「成仏できない幽霊たちは、この世を彷徨いながら人間たちの裏側を見て、生きていたら見れない真実を見れる」ってことなの。何だか、成仏できないでいる幽霊たち、姿が見えないことを利用して、世の中のカラクリを知ってもね、死んでしまったら何にも出来ない。貯金もあまり無いし、思いのこしの無いように生きているうちに楽しもうではないか。
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ハーバー・クライシス<湾岸危機>★★★

2014年11月24日 | DVD作品ーな行、は行
台湾エミー賞5部門受賞の『ブラック&ホワイト』の映画版。新米の熱血刑事がチンピラとコンビを組み、国家をも巻き込む巨大な陰謀に立ち向かっていく姿を描く。監督・脚本はTV版を手掛け、本作が映画デビューとなるツァイ・ユエシュン。出演は「モンガに散る」のマーク・チャオ、「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」のホァン・ボー、「些細なこと」のアンジェラベイビー。
あらすじ:台湾の大都市・ハーバー・シティ。正義感は強いが、向う見ずな行動で上司の頭を悩ませる南署特捜課の新米刑事、ウー・インション(マーク・チャオ)は、現金輸送車の強奪事件を解決するものの、行き過ぎた行為で停職処分を言い渡されてしまう。一方、犯罪組織・三連会の構成員、シュー・ダーフー(ホァン・ボー)は、極道暮らしから足を洗い、恋人と幸せに暮らすことを夢見ていた。ダーフーは手元にある組織の金を利用してダイヤモンドを密売、一攫千金をもくろむが、取引現場を武装集団に襲われ、取引は失敗する。ある殺人事件を追って現場にやってきたインションもまた武装集団の攻撃に遭い、ダーフーと共に命からがら脱出するのだった。実は、取引に使われたアタッシュケースには、秘密裏に開発された大量破壊兵器の謎が隠されていた。インションは事件の真相を探るため、ダーフーと行動を共にすることになるが、そんな中、SIS(台湾情報局)がケース回収に動き出し、インションはSISから追われる身となってしまう。その一方で、破壊兵器を手にした謎の組織は、ある計画の準備を着々と進めていた。ダーフーを追う三連会の殺し屋、インションをマークするSIS、そして事件の鍵を握る美女ファン・ニン(アンジェラベイビー)の出現。深まる謎と危険が渦巻く中、インションは事件の裏にハーバー・シティ爆破計画があることを突き止める。タイムリミットは36時間。はたして二人は、ハーバー・シティに、そして台湾にしのびよる危機を回避することができるのか。(作品資料より)

<感想>だいぶ前に鑑賞したものだが、ハリウッド映画に近い台湾のアクション映画。人気テレビドラマの劇場版と言う事だが、アクション映画としては立派な仕上がりになってます。次々とアイデアを駆使しして派手なパフォーマンスを披露し、片時も飽きさせない。
冒頭一発で、主人公が見る悪夢の中でもう一発と、大量の破壊兵器を劇中で2回も炸裂させる念のいったデストロイ至上主義に持って行かれた。
陸、海(湾岸)、空のすべてを舞台に肉弾戦に銃撃戦と爆破の連打に驚いてはいけません。飛び散る火花と立ち昇る火炎はハンパなく過剰だし、人もガンガンと死にまくり、その主義を最後まで崩さないのには圧巻の一言。
思いきって制作費をかけ、街も全面協力で、ロケーションがリアル。カースタントや爆破シーン、格闘場面など大作なみのダイナミックなサービス満点映画。

ハリウッド映画に負けないほどの、イケイケドンドン的な台湾映画が今熱い。とにかく主人公二人も、気弱なチンピラやヤクザと猪突猛進の熱血刑事という、バディ・ムービーならではの凸凹コンビで、そこに事件を追う謎の美女、怪しい密輸仲買人、何やら思惑がありげな情報局員などの個性的キャラクターが絡んで、いい味を出している。
本作は制作に約10億円を投じた超大作で、日本でも放映された台湾のテレビドラマ「ブラック&ホワイト」の映画化作品。撮影は、映画の撮影や大型コンサートなどを招致し、エンタテインメントを入り口に観光客を呼び込むことに積極的な台湾南部の都市、高雄市をメインに行われた。

倉庫やコンテナが並ぶ港湾地帯や、ステンドグラスの円柱と天井が幻想的な地下鉄、美麗島駅など、高雄の近未来的で、無国籍な雰囲気も映画の魅力となっている。陸、海(湾岸)、空のすべてを舞台に肉弾戦に銃撃戦と爆破の連打に驚いてはいけません。飛び散る火花と立ち昇る火炎はハンパなく過剰だし、人もガンガンと死にまくり、その主義を最後まで崩さないのには圧巻の一言。
思いきって制作費をかけ、街も全面協力で、ロケーションがリアル。カースタントや爆破シーン、格闘場面など大作なみのダイナミックなサービス満点映画。

だが、ホウ・シャオシェンの撮影でも知られるリー・ビンビンが撮影をしているとは、エンドロールを見るまで気が付かなかった。が、港でのヘリと車の派手なアクションなど見せ場には事欠きません。難を言えば、クライマックスがCGに頼り切った飛行機アクションでは、サスペンに欠け、ハリウッド映画の二番煎じを狙ったのだろうが、韓国映画には負ける。
どちらかと言えば、ラブストリーやホームドラマ、文芸ものなどソフトな作品が多い台湾映画で、こんなに硬派なエンタテインメントも見事にこなすとは、観客が育ち、お金が集まる場所には、今後様々な才能が集まりこれからも多様な作品が誕生することでしょう。
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パワー・ゲーム ★★★.5

2014年11月23日 | アクション映画ーハ行
ハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンが共演を果たし、ジョゼフ・フィンダーのベストセラー小説「侵入社員」を映画化したサスペンス。巨大企業のトップとして君臨し互いに激しい開発競争を繰り広げる首脳陣の攻防が展開していく。ライバル社にスパイとして潜入する若手社員を『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのリアム・ヘムズワースが熱演。男たちの野望と狂おしいまでの栄光への執着に戦慄する。
あらすじ:躍進中のIT企業ワイアット社に勤務するアダム(リアム・ヘムズワース)は、成功のチャンスをつかもうと必死だった。ある日、彼はCEOニック(ゲイリー・オールドマン)の前で新ソフトのプレゼンをするものの失敗し、トップにたてついたせいで本人とチーム全員が解雇されてしまう。やけくそのアダムは仲間と一緒に会社の金で高級クラブに繰り出すが……。

<感想>ハイテク技術を使って、なんとか勝ち組にのし上がろうとする貧しい青年、リアム・ヘムズワースが野心でギラギラした顔ではなく、品のよささえ漂わせているのが現代的でいい。迎えるIT産業の巨頭ハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンも迫力ある。スキンヘッドで今までにない見た目で、キャラクターの強さが増して凄みを出している。方やゲイリー・オールドマンの狂気は、こんな人が上司にいたら、付き合いきれない怖さだ。

監督の腕と豪華な音楽と俳優陣の演技力で、面白い映画に仕上がっております。しかし、クビにした人間をライバル会社にスパイとして送り込み、口封じに事故に見せかけて殺害。こんなこと米国では本当に普通にあるのか?・・・。

しかも一流企業で。その会社ではお抱えの殺し屋を雇っている。その殺し屋から、巻き込まれた主人公が、パンチ一発で逃げ失せるって、かなり強引な展開ですから。でも面白ければそれでいい、アメリカってそういうことがある国なんだと思って観ていればOKなんですから。

それに、ヒロインとの恋愛も、この映画に恋愛はいるのか?・・・やっぱりイケメン青年と美女が出てくれば、恋愛はありです。キスシーンで盛り上がるしね。

だって、主人公がマッチョでイケメンのリアム・ヘムズワースだし、相手はジョニデと婚約したアンバー・ハードですよ。何もなかったらつまんないじゃないですかね。上半身裸でベッドシーンOK!

そして、高級スーツに身を包み、スポーツカーに乗り込む姿にもうっとりでした。それに、最近のスパイ映画には絶対に登場するPCからのデータを盗むシーン。データを移す最中に人が入って来て、ハラハラドキドキの緊迫としたシーン。ですが、データによる最新セキュリティの破り方が、今や映画のスリリングなシーンに、成り得ないということを証明するあっさりとした処理も新鮮でした。

一瞬、懐かしくみたハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンの憎悪剥き出し対決シーンをもっと観たかったが、「エアフォース・ワン」以来17年ぶりに共演を果たし、こんな演技合戦もなんだか懐かしいものになったことに驚く。
ニューヨークを舞台にビジネスの世界では、誰でもが嘘をつき、善悪を問わないという物語なのだが、最後、大企業の悪を暴いてやるところなんてスッキリしました。

でも、主人公が父親の住むアナログな世界に回帰していくのは物足りなかったです。父親には、珍しくリチャード・ドレイファスが出演している。
野心ゆえに老練たちに翻弄される青年が、友人の協力と最新の技術で大逆転する展開がスリリングでよかった。
過去作の「ラスベガスをぶっつぶせ」(08)と語り口も作劇もおんなじで、このロバート・ルケティック監督の映像はいまだにどこかMTV的で、演出も洗練されてないような気がしました。スパイものに重要な視線の配置もうまくないし、けれども、ハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンの競演が観られるだけでももう満足でした。
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インターステラー ★★★★

2014年11月22日 | アクション映画ーア行
『ダークナイト』シリーズや『インセプション』などのクリストファー・ノーラン監督が放つSFドラマ。食糧不足や環境の変化によって人類滅亡が迫る中、それを回避するミッションに挑む男の姿を見つめていく。主演を務める『ダラス・バイヤーズクラブ』などのマシュー・マコノヒーを筆頭に、『レ・ミゼラブル』などのアン・ハサウェイ、『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインら演技派スターが結集する。深遠なテーマをはらんだ物語に加え、最先端VFXで壮大かつリアルに創造された宇宙空間の描写にも圧倒される。
あらすじ:近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男クーパーが大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類滅亡の回避、二つの間で葛藤する男。悩み抜いた果てに、彼は家族に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指すことを決意して宇宙船へと乗り込む。

<感想>クリストファー・ノーラン監督の最新作の題材は、親子の愛と壮大な宇宙旅行。無限の宇宙を舞台にした約3時間の超大作でした。滅びかけた地球に代わる居住可能な惑星を探すという、生還が不可能と思われるミッションのために旅立つ父親と、地球に残された娘との絆を描いている。
それは心揺さぶるアドベンチャーになっています。最新の理論を踏まえたワームホールやブラックホールの造型描写など、事実を下地にした神秘的な映像が圧倒的で素晴らしかった。主人公のマシュー・マコノヒー、宇宙飛行士が良く似合っていて素晴らしい。

しかしクルーは、直方体の金属の塊を組み合わせた2機のロボットと共に、先行した科学者3人からそれぞれ届いた信号の発信源を探す。

冷凍睡眠状態で土星周辺まで移動し、太陽系をワームホール(スターゲイトと同じような物)で通過して別の銀河系に到達した一行は、ブラックホール近くの水の惑星に降り立つ。その惑星は、全部海でできた惑星で大波が常に押し寄せて、宇宙船に乗っている飛行士たちを惑わせる。そこにはこなごなになった船体が浮遊しており、1人の飛行士がそこで置き去りにされ亡くなる。だが、そこで彼らが調査をしているわずかな時間に、地球では数万倍の速さで時間が進んでいるのだ。

次に彼らが向かったのが氷でできた惑星で、科学者マン博士のマット・デイモン登場である。かれは何十年もの間、孤独と戦って地球から迎えが来るのをひたすら宇宙の果てで待っていたのだ。人間というものは、科学者という知脳の高い人でも普通の人間と同じで、この惑星から出て早く地球へ帰りたいのだ。この氷の惑星のことなんかどうでもいい、だからクーパーを誘き出して、格闘の末に断崖から蹴落として、自分だけ地球へ帰ろうとするわけ。結局は哀れな最期となるのだが。

残ったのが、クーパーとアメリアの2人だけだ。ブラックホールを通り抜け、四次元の世界へと。観ていて恐ろしい感じもするが、きっとこんなふうになっているのだろうと想像するしかない。

冒頭で、クーパーの娘マーフが自分の部屋の本棚から本が落ちているのを見て、幽霊がいると父親に言うシーンがあるのだが、まさかそれがラストのシーンで、父親のクーパーが五次元の世界へ飛び、そこで見たのが娘の部屋の本棚で、隙間からマーフが見え自分もいるのだ。マーフが気付いてくれるのを、時計の秒針をモールス信号で送る父親。頭のいい娘がそのことに気付いてくれるのが本当に嬉しいし、親子の愛というよりも、地球へ必ず帰りたい気持ちが叶えられたということなのか。

まさか、父親のクーパー124歳で帰還するとは、娘のマーフは老婆となり死が間近なのに、父親は50歳のままの若さで不思議な感じがする。
それと、子供たちが学校で教えられる科学では、アポロ計画はソ連経済を疲弊させるためのプロパガンダであるという。そして、人類の月面着陸は捏造だったと教えているのには、やっぱりそうなのかなんて、納得したり。
背景の描写もCGに頼らず、現場でみたり触れたりできる物にこだわる監督。宇宙船のセットの窓の外に巨大なスクリーンをかけて、宇宙空間を映写しながら撮影を敢行したそうです。
また主人公たちが降りたつ未知の惑星のシーンも、別世界のような景観が広がるアイスランドの湖と氷河でロケが行なわれ、映像美も美しく感じました。
最後がまるで「エリジウム」みたいに、土星の軌道の上にいる移住用の宇宙船(クーパーステーション)の中で、富裕層だけがそちらに住んでいるような、まったく地球が消滅してしまったのなら、残された人間たちは死んでしまったのだろうか。それでも、地球と同じ惑星に望みをかけて、またもやクーパーが宇宙船に乗って、アメリアのいる惑星へ旅経つ。そこは遥か彼方のブラックホールを超えた銀河系である。
これからの地球で、いつか実際に起こりえる状況で、人間が宇宙の他の場所に移住をしなければならない時代がやってきてもおかしくないと思う。何故地球が住めない状態になったのかは、映画の中では説明されてはいませんが、エイリアン襲来でないことは確実でしょう。
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西遊記 はじまりのはじまり★★★.5

2014年11月21日 | アクション映画ーサ行
「少林サッカー」「カンフーハッスル」で人気のチャウ・シンチーが、「ミラクル7号」以来6年ぶりに手がけた監督作。日本でも映画やドラマなどさまざまなメディアで描かれ、誰もが知る中国の伝奇小説「西遊記」を題材に、三蔵法師と孫悟空、猪八戒、沙悟浄が出会い、天竺を目指す前の物語を独自に描いたアクションエンターテインメント。

三蔵法師は、得意の「わらべ唄」で妖怪の善の心を呼び覚まそうするが失敗ばかりの若き妖怪ハンター・玄奘として描かれ、孫悟空、沙悟浄、猪八戒もそれぞれ独特な姿で登場。映画オリジナルのキャラクターとして、人気女優スー・チーが扮する女性妖怪ハンターも活躍する。

<感想>ミラクル7号」(08)で監督・出演したチャウ・シンチーが珍しく出演していないのだ。製作・脚本・監督と頑張っているので、別に俳優をやめたわけではない。興味深いことで、映画は中国で年間興収トップ、それに香港でもヒットしたそうで、果たして日本ではどうなのか?・・・。「西遊記」の前伝つまり、第0話に相当する映画にしたことである。

映画は、豚小屋砦を思わせるごちゃごちゃとした建屋が川沿いに張りだした集落が舞台である。面白いことが始まりそうな、高まる期待感でいっぱいだ。ところがそこで起こるのは惨劇で、妖怪がいたいけない少女を食べてしまうのだから、ショッキングな話だ。
始めは、川に落ちた漁師の父親が、大きいエイに食べられるところから始まり、一人の道士がそのエイを引き上げるのだ。ところが、みんなが油断している隙に川の中に怪物の魚が現れて、みんなを食い殺してしまう。

そこに居合わせた若き妖怪ハンター・玄奘、後の三蔵法師が、その怪物を仕留めようと悪戦苦闘するシーンが続く。その怪物魚を陸に上げれば暴れないという妖怪ハンター・玄奘。おとなしめのウェン・ジャンが演じていて、結構イケメン青年である。

物語りの軸は妖怪退治修行中の玄奘と美人妖怪ハンターのラブロマンスでもあります。普通の人間が憎しみにより妖怪になるという設定や、キャラ造形もユニークで、半人前の玄奘に美男子の猪八戒、そして一番笑えるのがさえない中年の孫悟空である。
日本では、孫悟空が日本猿に、沙悟浄はカッパに変化し、猪八戒は豚、現代ではTVドラマの影響で三蔵法師が女性だと信じる者も多い。私も夏目雅子さんの三蔵法師が好きでした。
面白ければなんでもありの世界。こちらの沙悟浄は半魚半獣の怪物として出現し、猪八戒も巨大なブタというかイノシシである。

孫悟空は、西村雅彦さん似のまるで落ち武者のような小さい男で、これがゴリラと化して暴れ回る。つまりは、三蔵法師のお供は本来は妖怪であるという原点を強調した造型と演出になっている。

そして、香港映画界きっての売れっ子女優であるスー・チーが扮する、女性妖怪ハンター。少女のようでもあり妖艶な大人の色気をもち、艶めかしく登場する。玄奘に恋をして迫りくるアクションにも笑いが出てくる面白さ。でも、冒頭で沙悟浄の顔面をボコボコにする容赦なさ。沙悟浄が人間の男に戻ると、イケメンの青年だったりして。肝心の玄奘の法力“わらべ唄三百首”はまるで効かないのだ。

スー・チーが扮する、女性妖怪ハンターは、何しろ屈強なハンターたちを束ねる女頭領だから、つねに臨戦態勢が整っていて勇ましいのだ。たいていの場面では、長い髪を振り乱し、玄奘が苦戦しているところへやってきては、自在に数と飛び方を変える腕輪を操って死霊を倒して行く。スー・チーさん、「トランスポーター」に出てましたね。
顔は汗と埃にまみれ、そんな鉄火肌の姉御が、実はとても愛情深く玄奘に一途という、落差あるキャラクター設定が見事に決まっている。しかも、随所で発揮するコメディエンヌぶりが何とも悪戯っぽくて可愛いのだ。
それが現れている場面が、ハンター仲間のギャルの遠隔操作で、玄奘を誘惑しようとする場面では、文句なしの面白さで笑える。玄奘の師匠に、デブで豚のような身体の男が、まるで沙悟浄と間違えるほどで笑える。

最後の方で、玄奘の師匠によれば、このイノシシ猪八戒を倒せるのは、仏によって五指山に500年も幽閉されている孫悟空だけ。さすがに玄奘を騙して岩穴から出た孫悟空が暴れるところでは、まるで京劇のような孫悟空の出で立ち。

腕自慢の妖怪ハンター空虚王子や足爺いも現れ、最強の妖怪ハンターを決めるべく、五指山のふもとで妖術対決が始まる。

三蔵法師が大日如来のように神々しく、そして、CGでのお釈迦様が地球の周りにいるという設定も見事だった。さすがに「チャイニーズ・オデッセイ」で、孫悟空の壮大なる愛を描いた監督。子供の頃から「西遊記」が大好きで映画やドラマを見て、今回は自らの豊かな想像力を膨らませて、誕生物語を作り上げたというわけだ。続篇ありきの終わり方でした。
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FRANK -フランク- ★★.5

2014年11月20日 | アクション映画ーハ行
『X-MEN』シリーズや『それでも夜は明ける』などのマイケル・ファスベンダーが、かぶり物をしたバンドマンにふんしたコメディードラマ。イギリスのコメディアン、フランク・サイドボトムをモデルに、演奏中はもちろん、どんなときでもかぶり物をかたくなに脱がないバンドリーダーの謎を描く。共演は、『アンナ・カレーニナ』などのドーナル・グリーソンと『クレイジー・ハート』などのマギー・ギレンホール。監督は、『ジョジーの修理工場』などのレニー・アブラハムソン。声と動作だけで主人公に成り切るマイケルの演技が笑いと感動を呼ぶ。

あらすじ:フランク(マイケル・ファスベンダー)は、常にシュールなかぶり物をかぶっている不思議な男。フランクがリーダーを務めるバンドに加入することになったジョン(ドーナル・グリーソン)にとって、フランクは妙に魅力的な存在だ。そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題になり、アメリカの音楽フェスティバルに招待されることに。ところが突然、フランクが様子が変になり……。

<感想>この映画は、一風変わったシニカルコメディ。主人公のフランクは精神を病んで巨大な張りぼてマスクを被り続けている、インディー・バンドの正体不明なカリスマミュージシャンである。
エキセントリックだが、クリエイティブな才能に惹かれ集まった変わり者のメンバーと、幸せな音楽人生を送っている。だが、そこに加入したノーマルな田舎青年ジョンの存在によって波紋が生じるようになる。キーボードの男が海に飛び込み自殺を図る。そこへ居合わせたジョンが、早速バンドのメンバーになることから始まる物語。ジョンを演じたのが「アバウト・タイム」の美青年ドーナル・グリーソンでした。

音楽といっても様々だが、私にはこういう音楽は、メロディーが全然まともでなく、歌詞も変だし、歌だってただガ鳴っているだけ。もうこういう楽曲を好きだという方には最高の曲に聞こえるのでしょうね。

だから、客を選ぶし、コンサートでもまばらな客席。それで、アイルランドへ行って森の小屋で曲作りをするメンバーたち。真剣に取り組んでいる様子もなく、バカンスに来ているみたい。

大規模な音楽イベントで成功するために、「もっと愛される曲に変えよう」と提案するジョンの発言に反発するメンバーと、「愛される」という言葉に異様に高揚するフランク。
だから、メンバーを率いるドンが首吊り自殺をしてしまうなんて、思ってもみなかったことで。ジョンが動画をネットで流して、それでファンが殺到して、アメリカのテキサス州で開催されるインディ系のコンクールへ出ることになる。

ところが、そのステージ上でフランクが歌わないのだ。ジョンはせっかくのチャンスを台無しにされ怒ってしまう。フランクが動揺して、モーテルの外へと飛び出して、車に跳ねられマスクが無惨にも壊れて地面に転がっていた。そしてフランクが姿を消す。
ところが、ジョンもフランクを探しているうちに車に轢かれて大怪我を負うのだ。

ジョンが心配して探し回り、結局は自宅に戻っていたのだ。被り物を取ったフランクは、額に傷があり顔にも傷が、痛々しいその顔でただ黙っているフランク。しかし、まだ歌を捨てたわけではなかった。愛しているクララ(マギー・ギレンホール)が歌っているクラブへ行き、彼女に自分の気持ちを歌に込めて、愛の歌を歌うフランク。特別映像で流れている曲はフランクにふんしたマイケルが歌う「I Love You All」で、マイケルの味のある歌声も素敵ですね。

カリスマの主義主張を押し殺し、ポップな作風に変えていくと精神が壊れてしまうのが正直なところ。またこれも痛く切ない真実なのだ。マスクの下の彼が行き着く先はどこなのか、きっとあまり幸せではないのだろうが、観客である私たちからすると、その様子が滑稽で何だかユーモラスで可笑しくなってきてしまうのだ。
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高倉健さん永眠

2014年11月19日 | た行の映画
先日の夕方のテレビで、高倉健さんが亡くなられたというニュースが報じられ、まだ信じられないおもいでいっぱいです。彼の出演映画が殆どといってくらい観ておりますが、あの朴とつな話方とか、口をぎゅっと噛みしめての顔、笑顔も素敵でした。

あれこれと映画の中の健さんを走馬灯のように思い浮かべながら、家にあるDVDの「ブラック・レイン」と「幸福の黄色いハンカチ」、「駅 STATION」を今日は健さんを偲びながら、彼の大好きだった、私も大好きなコーヒーをブラックで飲みながら観賞したいと思っています。ご冥福をお祈りいたします。
ブラック・レイン」」(89/リドリー・スコット監督)
あなたへ」2012年8月25日公開


1931年2月16日生まれ。福岡出身。明治大学卒業後、東映にニューフェイス第2期生として入社。56年に「電光空手打ち」の主演でデビューする。その後「日本侠客伝」シリーズ(64~71・全11作)、「網走番外地」シリーズ(65~72・全18作)、「昭和残侠伝」シリーズ(65~72・全9作)など仁侠映画のスターとして活躍する。76年に東映を退社して独立、「君よ憤怒の河を渉れ」で新境地を切り開く。翌年の「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」で第1回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した。「駅 STATION」(81)、「夜叉」(85)、「あ・うん」(89)、「鉄道員(ぽっぽや)」(99)、「あなたへ」(12年公開予定)など降旗康男監督作品に数多く出演。「ザ・ヤクザ」(74/シドニー・ポラック監督)や「ブラック・レイン」(89/リドリー・スコット監督)といったハリウッド映画、チャン・イーモウ監督作「単騎、千里を走る。」(06)と海外の作品にも出演。84年に出演したCMのセリフ「不器用ですから」は、高倉のもつ無骨な男のイメージを表す一言として有名。98年、紫綬褒章を受章。
2014年11月10日永眠  映画.comより
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神さまの言うとおり★★★

2014年11月18日 | アクション映画ーカ行
「週刊少年マガジン」連載の人気漫画を、鬼才・三池崇史監督が実写映画化したサバイバルサスペンス。突如命懸けの不条理なゲームに巻き込まれた高校生たちが、生き残るために立ち向かう姿を描く。次々に与えられる課題に、負ければ命はないという緊迫感のもとでゲームに挑む若者たちを、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」などの福士蒼汰と優希美青、『悪の教典』などの山崎紘菜と染谷将太、『桐島、部活やめるってよ』などの神木隆之介らが熱演する。
あらすじ:何事もない日々に飽き飽きしていた高校生・高畑瞬(福士蒼汰)の通う学校に突如ダルマが出現し、命を懸けたゲームの始まりを告げる。少しでも動いたら首が吹き飛ぶ第1のゲーム「ダルマさんが転んだ」をクリアした彼は、幼なじみの同級生・秋元いちか(山崎紘菜)と一緒に第2のゲームへと向かう。一方世間では、ゲームから生還した生徒たちを、神の子とあがめており……。

<感想>教室で、生死を賭けた壮絶なデスゲームが突如始まり、それに翻弄される高校生たちの物語でサバイバルシュチエーションホラー。バイオレンス描写で評価が高い三池崇史監督が映画化したもので、面白いかと問われるとちょっとだけ。確かにスリルを楽しめる作品ではあるのですが、原作も読んでいないし、このデスゲームで生き残ることに価値を見出せなくなる。

実際に努力は報われるべきだと思いますが、この映画のように結果そのものと努力はあまり関係ないことってあるから。つまり、努力なんてある種の絶対的な力の前ではほぼ無力だという、割り切りがこの物語の根底にはあると思うんです。
部屋に引きこもって、ゲームに熱中している中年オヤジの大森南朋さんが、ゲームで遊んでいるのを見て、もしかしてこのオヤジのゲームが虐殺ゲームだったりして。そんなゲームオタクの部屋の光景を見て虚しさを感じますね。

しかし、ゲームの中でその不条理な現実に対峙する高畑舜を演じた福士蒼汰はカッコ良かった。21歳にもなって高校生役が似合うなんてね、ネズミのコスチュームもね。それに天谷を演じた神木隆之介の存在感などは、彼は童顔だからしてこういう悪役も似合うんですよ。染谷くんが少ししか出番がなくてがっかり。

「ダルマさんがころした」のゲームでは、赤いビー玉がたくさん飛び出して、それに首が吹っ飛ぶ瞬間に血しぶきがドパーって、あんましグロクありません。

次が、巨大まねき猫の首に輪っかがあり、そこへ鈴を入れるゲームでも、背中をかくと気持ちがいいという猫の弱点を上手くいかしてました。声が前田敦子って、舜くんが鈴をネズミの着ぐるみに包み、バスケボールも同じくネズミの着ぐるみに包んで、猫の目を惑わす作戦には感心しました。

他にもコケシや白熊、マトリョーシカというゲームをクリアしなければ生き残れないのだ。このデスゲームのホスト役キャラクターがどんなアレンジで登場するかがお楽しみって寸法。

しかし、長いですよね、マトリョーシカのゲームの缶けりでお終いかと思っていたら、アイスの棒にもクジがあるってね。あの中年ネクラオヤジの部屋に、ビールの空き缶たくさんあったし、アイスの棒もあったのかもしれませんよ。花火が綺麗だった。

本当の最後が巨大な白い立方体が東京タワーの近くに浮かんでいる。中々終わらないので途中で飽きて来る。でもって全部CGで出来てるし。

それに、ボロ服着た神様のようなリリー・フランキーさん、台詞ないしただ出ているだけで、こいつが神様か?・・・。
主人公の舜がゲームを次々とクリアしていく、大概のドラマはどこかで希望が報われるし、最後には救われるのに。
本作のミッションをクリアすると言う意味では、「バトル・ロワイアル」や「人狼ゲーム」などの、そうしたデスゲーム映画の中でも、この作品はこれまでにない世界を切り開いていると思う。しかし、私が好きなのは、「カイジ」シリーズと「GANTZ」と「デスノート」だ。
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紙の月 ★★★

2014年11月17日 | アクション映画ーカ行
銀行勤めの平凡な主婦が引き起こした大金横領事件のてん末を描いた、『八日目の蝉』の原作などで知られる直木賞作家・角田光代の長編小説を映画化。まっとうな人生を歩んでいた主婦が若い男性との出会いをきっかけに運命を狂わせ、矛盾と葛藤を抱えながら犯罪に手を染めていく。監督は、『桐島、部活やめるってよ』などの吉田大八。年下の恋人との快楽におぼれ転落していくヒロインの心の闇を、宮沢りえが体現する。
あらすじ:バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。

<感想>宮沢りえ扮する主婦が、年下の男との恋に溺れ、加速度的に暴走していく姿を描いたサスペンスである。原作小説も読んでいますが、殆ど同じ構成の展開なので違和感ありません。最後が少し違っていたような感じがしました。
主人公の女学生時代が合間に入るのも同じようで、カトリック系の学校での中で、梨花が恩師の教えに従い、貧しい国の子供たちへの寄付。周囲が寄付を止めるなか、彼女は父親の財布から5万円を盗み寄付額を増していった。
そういった行為にも、父親とかが子供の金銭感覚を見ていないふうが、大人になってからも、他人の財布の金も自分の金のように悪びれずに感じて盗んでしまうという。そういった行為も、子供の内から芽生えることで、両親も学校の先生も、子供にお金の有難みを植え付けるうえでも、教えなければならないと思う。

私には、梨花に対して自分が破滅への道を選んだことに共鳴するということは決してありません。自分が稼いだお金に満足して、そのお金で自分に見合った生活をする。上を見たらキリがありませんからね。他人の財布の中身まで気にしても始まりませんし、自分で意志をしっかりと持ち、やってはいけないことを、後から埋め合わせをすればいい、などという安易な考えは人間の浅知恵というもの。
平凡な主婦が一億円の横領事件を起こし、そのお金を若い男に貢ぎ、自分もブランド品などを買いまくり、高級ホテルでその若い男との情事にふける行為などなんて、自分には絶対に起こり得ることはないと断言できます。ですから、この映画を観ているうち、とてもこの主人公の梨花に共感とかできるはずもなく、嫌悪感さえ抱いてしまう。びくびくして生活する彼女に、絶対にバレる日が来るはずだからと。

確かに、結婚生活なんてみなさん夢のような幸せな暮らしをしていると思っているのでしょうか。そういう夫婦もいるでしょうが、殆どの女性はこの梨花さんと同じように夫に対して不満を持ち、転勤にも付いていくのも嫌だと言い切ってしまう自分もいる。そういう意味では同感なのですが、子供がいないというところでは、夫側にも責任があるようで一概に妻を責めることはできません。
だからといって、夫が夜の営みを嫌がるからといって若い男にうつつをぬかすなんてことはあり得ませんから。自制する心がないからそういった行動に跳ね返ってしまうのでしょう。映画の中での梨花の若い男にむしゃぶりつく様が哀れでなりません。後先を考えずに欲望に走り、最後に自分がどうなるのかも考えずに末恐ろしい女です。
それにしても、この主人公が空虚感に捉われるのは、生い立ちから始まっているのでしょう。両親の愛が不足しているのかもしれないし、学校での友達関係や先生との交流も。ですから、主人公が何に飢えて、何に喘いでいるのかが良く分かりません。

小説では、自分の勤める銀行から一億円を横領するに至る契約社員、梅澤梨花の顛末と、彼女と少なからずも縁を持つ人々との回想で構成されています。梨花は子供を欲しながらも、それについて夫と深く話し合うことが出来ずに、タイムリミットを迎える焦りや、妻に向かって事あるごとに経済的な優位性を示す夫の態度が描かれている。
横領の事の発端が、裕福な顧客である独り暮らしの老人の孫である大学生の光太(不倫をする若い男)に、その祖父である老人から託された200万円を流用する。梨花がどうしてそんなに若い男に惹かれていったのかが描かれていないのが残念。何だか、暇と欲求を持て余した中年女が、若い男との蜜月を金で買った、というお決まりの話になっているようなそんな感じがしてならない。

しかし、映画の中での中年の女を演じたのが宮沢りえであるからして、美しく端正な顔に宿る年相応のやつれ女の色香を感じてしまった。その若い男との逢瀬の中で、自分の年齢を隠すような38000円の化粧品が、十数万のレストラン代となり、数百万円のホテル代と変わり、1000万円代のBMWの車をプレゼントするまでに跳ね上がっていく。
梨花が騙し取るのは金に困っていない裕福な老人たちであり、彼女が助けるのはか弱い若者なのだ。もはや梨花はどこに向かって浪費しているのか、自分自身を見失っていく。銀行の定期預金証をかってに自分でPCで偽造し、コピーする。印章までもコピー。夜なべしてせっせと偽造する彼女の憐れさ。

その梨花の変化に薄々気付いている人物に、小林聡美演じる隅より子の存在がある。「私はお金が何処からきて、どこに行くのかに興味がある」と、梨花に言う。しかし、梨花が金で男を買ったという恋愛映画の枠を超え、日本人の金というものの観念に問いかける色彩を帯びてくるのだ。ある女の空虚感をはるかに越えた点では、この映画は面白いが、どこかで小説どうりに、ただ女が金で恋を買う話に留まって欲しかったような気もした。

ラストで、梨花が日本を出てバンコクへと旅に出て、そこで学生時代に援助をした顔に傷のある男を見つける。自分が寄付をした子供が大きくなって生活をしているのを見て安心したのか、自分はそうやって逃げ失せてもいいのだろうか、罪を償わないで、自分本位に好きなように自由になりたかっただけではすまされないと思うのだが。
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さまよう刃 ★★★★

2014年11月16日 | アクション映画ーサ行
日本でも寺尾聰主演で映画化された東野圭吾のベストセラー小説を、『殺人の告白』などのチョン・ジェヨンを主演に迎え韓国で映画化した衝撃の復讐(ふくしゅう)劇。大事な一人娘を少年たちに陵辱(りょうじょく)された揚げ句に殺害された父親の煩悶(はんもん)と、血も涙もない事件にまつわる人々がそれぞれ抱える苦悩に迫る。ベテラン刑事を、『凍える牙』などのイ・ソンミンが熱演。加害者と被害者、罪と罰という単純な構図とかけ離れた人間の深い業と宿命に涙する。
あらすじ:織物工場に勤務するごく普通のサラリーマンのサンヒョン(チョン・ジェヨン)は、数年前に妻をガンで亡くして以来娘のスジン(イ・スビン)を男手一つで育ててきた。残業ばかりの父親に対し娘は不満顔で、ある朝、不機嫌な顔のまま朝食も食べずに登校してしまう。その夜、土砂降りの雨の中サンヒョンが仕事から戻っても家にスジンの姿はなかった。

<感想>邦画の「さまよう刃」も、小説も読みました。特に東野圭吾の小説は殆どといってくらい読んでいます。特に東野圭吾の小説は映画化されているのが多く、それも全部といってくらい観賞しています。中でも良かったのは、映画「麒麟の翼 劇場版・新参者」(12)、「容疑者Xの献身」「白夜行」、「手紙」(06)でしょうか。

本作は、快楽を求める少年(高校生)たちによって中学生の娘を拉致され、薬物を投与した後での強姦の後で、殺された父親が、警察や法律の手を借りずに、自分の手で彼らを罰しようとする姿が描かれている。
娘を惨殺された親ができることは何か?・・・という問いを抱えた父親の、激しい感情のうねりが物語を導いていきます。その分、それぞれのキャラクター描写も丁寧で、特に被害者から犯人たちを殺害する加害者へと、変貌する父親が、職場では誠実に働く姿を見せていることで、「人のいい平凡な男が、人を殺すという極端な選択に追い込まれていく」という皮肉な構図をはっきりと感じさせております。

また、犯人の家に侵入した父親が、少年を殺すに至る過程や、普通の人には縁遠いはずの猟銃を手にする経過も説得力があると思われた。とにかく、警察が怠慢で何をしているのか、観ていて苛立ちが隠せません。犯人を追って、父親がここまで調べ上げているのに、警察は何処を捜査しているのか。

父親は、娘を殺した少年たちの家を探し、そこで自分の娘をレイプしている動画のDVDを見つけて唖然とする。もし、自分だって殺してしまうかもしれない。金属バットで頭を殴りつける父親は、こうでもしないと娘に対して申し訳が立たないと思って殴ったのだろう。
こうした、映画の中で見せるべきことをくっきりと太い線で描き出す、と言った姿勢は、近年の韓国映画の作品には共通しており、長編2作目となるイ・ジョンホ監督が手掛けた本作も、その成功例となっているようだ。
この先どうなっていくのかという、興味で観る者をぐいぐいと引っ張っていくスピーディな展開とサスペンスな映像に魅了されます。
中でも、少年たちを追いつめていく父親を「黒く濁る村」「殺人の告白」のチョン・ジェヨンが、加害者を守る少年法への疑問と職務との間で葛藤する刑事を「凍える牙」のイ・ソンミンがそれぞれ熱演。その他にも実力のある俳優が加わり、不条理な犯罪によって、愛する者を奪われてしまった人間の、どうしようもない絶望感が伝わってきます。
ラストでは、父親はすでにあの雑木林の雪の中で凍え死んでしまったかのように見えたのだが、顔も知らない高校生を探してケータイで駅前にいると知り、最後の力を振り絞ってよろよろと町まで行きつく。駅前では、警察が大勢張り込んでいて、今か今かと待っている。

そこへ猟銃を抱えて父親が来るのだが、バスの中で見た高校生に名前を聞くと、他人の名前を言う彼を、まさか娘を殺した犯人とは分からなかったのだ。だから、皮肉にも町へと必死の形相で男を探しに行っても父親には分からない。そこへ警察が、その高校生を確保するのを見て、初めて気が付くのだ。もうその時は、犯人を殺す気力なんてない。猟銃には弾が入っておらず、しかし、猟銃を少年に向けた瞬間に刑事が発砲する。

なんて理不尽なことが、法律では少年法に守られて、いくら婦女暴行の末に殺しても殺人罪の適用はなく、裁判でも2年位の少年院行ですぐに世の中に出て来るのだ。こうした事件は日本でもあるので、実話でなくとも信憑性がありますよね。ラストの父親が亡くなってから、あの世で娘に傘を持って、駅に迎えにいく姿が映し出され涙を誘います。

2009年日本版「さまよう刃」寺尾聰さんの名演技で光る、感動の映画です。
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東野圭吾作品
麒麟の翼 劇場版・新参者」(12)、
容疑者Xの献身
白夜行」、「手紙

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100歳の華麗なる冒険 ★★★

2014年11月15日 | アクション映画ーハ行
スウェーデンのベストセラー小説「窓から逃げた100歳老人」を映画化し、ヨーロッパ各国で大ヒットを記録したアドベンチャーコメディー。100歳の誕生日に老人ホームから逃走した男性が繰り広げる、成り行きまかせの珍道中が展開する。監督は、俳優としても活動しているフェリックス・ハーングレン。スウェーデンを代表するコメディー俳優ロバート・グスタフソンが、爆弾専門家として世界史の重大シーンに立ち会ってきた主人公の青年期から100歳までを演じ切った。

あらすじ:かつて爆弾の専門家として各国要人と渡り合い、数々の歴史的事件に立ち会ってきたアラン(ロバート・グスタフソン)は、100歳の誕生日に老人ホームを抜け出す。その後予期せず高額のお金が入ったケースを手に入れた彼は、ギャングと警察両方から追跡されるハメに。途中出会った個性的な仲間たちを巻き込んだ珍道中を通し、アランは自身の波瀾(はらん)万丈な人生を思い返していく。

<感想>スウェーデンのベストセラー小説を映画化したアドベンチャー・コメディです。100歳の老人のあてのない旅を、激動の20世紀を生きてきた彼の波乱万丈の過去を交えて、ユーモアたっぷりに描いている。
何があっても動じない超マイペースな主人公のアランが魅力的です。ですが、人間100歳とのなれば、足腰が不自由になり頭もボケ症状で、まさかこんな冒険なんてできるはずがありませんからね。バーベキューコンロにテキーラをかけて火柱が、って危ないですよね。

この主人公を演じた俳優さんが、50歳でコメディー俳優ロバート・グスタフソンが演じているのだから、何だか当たり前のように思えてなりません。
老人ホームを抜け出して、小銭で行きつけるところまでバスに乗って行く。その時に、ギャングらしき若い男のスーツケースを預かるのだが、バスが出るのでそのままそのかばんを持ってバスに乗ってしまう。

行きついた駅で、70歳のユーリウス(ビクランデル)と出会い、意気投合する。スーツケースの中には札束がどっさり入っていて、そのかばんを持ったまま彼と一緒に珍道中を続ける彼らは、期せずしてギャングや警察から追われる身に。ところが、老人アランもボケているとはいえ、スキンヘットの若者がカバンを取り返しに来ると、後ろから頭をハンマーで殴り、そのまま冷凍庫へ押し込み、殺してしまう。その遺体を梱包して、外国へいく船に乗せる。

それから、ヒッチハイクみたいに公園で若者の車に乗せてもらい、象のいる女性のところで暫く休む。

そこは、サーカスから盗んできた象がいて、女性も青年と仲良くなり、そんな物語の合間に、アラン爺ちゃんの少年時代やら、独学で爆破について学んだことや、その専門知識を生かして、フランコ将軍を助けたり、って、

これは橋に爆弾を仕掛けているうちに、嫌になって上に上がるとそこへたまたまフランコ将軍の車が通りかかり、立ちどまった瞬間に端が爆破されたというラッキーな展開。


そして、レーガン画集国副大統領と対面するなど、その後はソ連のレーニンにも。酷いのが、フランスとソ連の間でスパイ活動するのが笑える。さまざまな重要人物と交流した過去を持つアラン。
彼はいったい本当にそんな時代を生きて来たのか定かではないが、物語としては面白おかしく描いて「人生は成り行きまかせ、なるようにしかならない」という、勝手にのんきに生きているアランの人生論が素晴らしいというのか、それで良かったのかは、映画だからして私には理解するのは無理です。
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