パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

MOTHERマザー★★★

2020年08月01日 | アクション映画ーマ行

         

「日日是好日」「光」の大森立嗣監督が長澤まさみ、阿部サダヲという実力派キャストを迎え、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て描いたヒューマンドラマ。プロデューサーは、「新聞記者」「宮本から君へ」など現代社会のさまざまなテーマを問いかける作品を立て続けに送り出している河村光庸。

あらすじ:男たちと行きずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきたシングルマザーの秋子は、息子の周平に異様に執着し、自分に忠実であることを強いてきた。そんな母からの歪んだ愛に翻弄されながらも、母以外に頼るものがない周平は、秋子の要求になんとか応えようともがく。身内からも絶縁され、社会から孤立した母子の間には絆が生まれ、その絆が、17歳に成長した周平をひとつの殺人事件へと向かわせる。長澤まさみがシングルマザーの秋子、阿部サダヲが内縁の夫を演じる。息子・周平役はオーディションで抜てきされた新人の奥平大兼。

<感想>実際に起きた“少年による祖父母殺害事件”に着想を得た本作。自堕落で奔放なシングルマザーの秋子を演じた長澤まさみには、汚れ役としては初めてではないか、しかし結構ハマリ役ともいえる。あばずれ役は慣れているので、阿部サダヲとのベットシーンでもあまり違和感がなく、男なしでは生きていけないような女を演じていた。

少年役の奥平大兼くんは、とても初めての映画とは思えないくらいに自然な演技で良かった。二人の子供とも自分が生んだ子供なのに、生活苦があまり困難にはみえなかった。何とかなるという考えなのか、いつも行き当たりばったりの生活。

児童施設の福祉職員は、周平や妹を引き取ろうとするのだが、秋子は子供と離れるのを嫌がり、特に息子は手放すことはできないという、母親というよりも自分が生きてゆくための手段というか、周平の父親も始めは出てきてお金を子供にあげたりしていたが、そのうち音信不通になる。

せっかく、生活保護の人たちの恩情で住む家と、お金が入ったのに全部パチンコに使ってしまう。お金が入ったら、一番に子供と自分の食べ物を買うでしょうに。この母親は、子供を何だと思っているのか、自分勝手に生んで、学校へも通わせないで、いつも着た切りすずめのような、風呂も入ってないので体や髪の毛が汚い。

つまりは毒母なのか。暴力・暴言で子どもを追い詰め、ネグレクト(育児放棄)、または過干渉などによって子どもに悪影響を及ぼす母親のことなのだが。

それに、秋子は男にだらしないときてる、行きずりの男と肉体関係を持ち妊娠をして、そのお腹の子供をどのように育てるのかなどは、あまり深刻には考えていないのだ。

子供は、母親しか頼ることができず、ただすがりつきくっついて歩く。子供とはそういうものだから。見ていて腹ただしいやら情けないやら、実際にこのような無知な女が存在しているのだから。

国の世話にもなっても、その部屋に男が金貸しから追われて訪ねて来る。人間は雨露をしのいで、食べていければそれでいいのではないのだ。

自分の両親を頼りにしては、周平に金をせびりに行かせる。両親もあきれ果ててもう金は出さないし、親子の縁を切ると暴言を吐く母親。自分の娘が働きもしないで子供を産んで、その子供を連れて実家へ頼るのは当たり前だろうに。せめて、孫だけを引き取り、娘とは縁を切るというのはダメだったのだろうか。

最期がきつかった。息子の周平に金をせびりに行かせて、そして両親の悪口を息子に昏々と言い聞かせて、「殺せ」と命令する。まさか、周平が母親の言う通りに「両親を殺す」とは、あってはならないことだ。最後では、ただ2人の子供を連れて、道路に佇む親子がいる。なんとも哀れでならない。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・52  アクション・アドベンチャーランキング

 


ミッドサマー★★★★

2020年03月12日 | アクション映画ーマ行

長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。

あらすじ:不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。

<感想>「一生に一度の体験になるから」と、親友に誘われたら、ついその気になり一緒にはいかないですから。友人が祭りの詳しい内容は教えてくれなかった。どうやら白夜のスウェーデンのある村で、夏至(ミッドサマー)に行われる祝祭らしい。開催ペースは実に90年に1度というから驚いた。これって本当かなぁ。実際は1年に1回というペースで開催されているような。実はアリ・アスター監督の、個人的な経験が基になっているそうです。

1日目:楽園のような村“ホルガ”に到着 祝祭が始まる。フランクフルトを経由しておよそ15時間、ざっと8000キロの旅路を経て、ストックホルム空港に到着した。さらに車で数時間かけ、スウェーデンの中央部ヘルシングランド地方の奥地へと向かった。村は非常に辺鄙なところにあるようだ。

道中では、道行く女性たちに目が留まった。スウェーデン人は皆、美女ばかりだ。なぜだろうと思っていると、友人が「バイキングが世界中から美女をさらってきたからよ」と教えてくれた。男たちはそういうところに興味があるのだ。

ホルガ村に到着した。白い麻のシャツとズボンに身を包んだ白髪の男が、にこやかにこちらに近づいてきた。村の世話役だそうだ。彼の背後には同じような服を身につけた村人たちがぞろぞろと並んでいて、一様に感じの良い笑顔を浮かべていた。彼らは家族のように連帯しながら、静かに生命を育んでいるという。

このホルガ村はクリスチャンの友人で、スウェーデンからの交換留学生ペレの故郷。ここは理想郷といえるほど美しい土地であり、抜けるように青空が広がって、美しい木々と花が咲き乱れる草原。あちこちで色とりどりの花が咲き誇り、白夜の淡い太陽光を受け花びらをほころばせている。奥まった場所には先祖を祀る御神木があり、村の歴史が記された“聖典”を保管する書庫があり、小さな湖があり、そして雄大な山脈を望む形で三角錐の建物がある。

スマホの電波やWi-Fiはつながらないが、スェーデンのホルガ村という自然が好きになった。この辺は何も考えずに、ただ知らない土地に旅行に来て、自然が美しくて、村人たちの歓迎が嬉しくて、ついその気にならざるを得ないのだった。おそろいの白い服を身にまとった住人たちが織り成す白昼夢的な光景が画面を支配する。

しかし、よそ者に対して微笑みを絶やさず優しく接する地元民が、どのように豹変するのかもホラー映画としてのみどころであります。ホラーといえば暗い画面で展開するのが当たり前なのが、ほとんど日が沈まない白夜の地で、どんな恐怖を作り出すのか?・・・不穏さ、不吉さ、邪悪さを匂わせたら右に出るもののいないアスターは、緻密伏線をこれまでのホラー 映画にない斬新な表現で、その期待に見事に応えていた。

特にホルガの一角で行われていた、檻の中にいた熊の使い方には度肝を抜かれてしまった。また、スウェーデンで羽目を外そうと、ボーイズトークに花を咲かせるクリスチャンに対して、友人にペレがかける予言めいた一言にもゾッとさせられた。すべてはこの時から仕組まれていたことなのだ。

また、彼らが宿泊する建物の内部に描かれた壁画や、あるラブストーリーが描かれた布、それに映画の冒頭に映し出された宗教画のような4つのシーンから成る一枚絵からして、プロダクション・デザインも予言的。ダニーたちがホルガで体験することすべてが、それらの絵の中でメッセージとして予兆されていたのだ。

よくよく観察すると、この村にはそんな“伏線を予感させる何か”が、とても多いことに気が付く。それは、白夜なだけに、夜11時にも関わらず昼間みたいに明るい。妙な気分だが、慣れればあまり苦にならない。村や祝祭の内容を口外することは禁じられているのだった。それはこれから行われる奇妙な行事にある。

好奇心のままに、村の様子をスマホで撮影したりメモして回った。檻に閉じ込められた熊がいた。そして書庫には、「ルビーラダー」という持ち出し厳禁の聖典が保管されているらしい。友人のペレに見つかってしまった。やばい。「口外はダメですよ」とやんわり注意されただけで済んだ。そのことを破って、外から来た若者たちが、卒業論文にこのことを書こうと、クリスチャンともう一人の学生が調べ始めるのだ。ダメだと禁じられているのに。

司祭のような女性が祝祭の説明をしているようだが、現地の言葉、スェーデン語のような、よくわからない。太陽の光があたりを儚げに照らし出し、景色は神秘的な美しさを獲得する一方、現実感を喪失していった。

また気になることに、村の1人の女性が、ずっとクリスチャンを見つめている。友人は「あなたに気があるらしいよ」と、いたずらっぽく笑った。そういえば昼間には、「愚か者の皮剥ぎ」「巨人ユミル」という言葉が不意に聞こえてきた。気になることだらけで、「これらは何なのか」と想像をめぐらせるだけでも、胸の高鳴りが止まらない。

幻想的な崖とポールの周囲を踊る女たち。ダニーが女王に選ばれる。それにクリスチャンが、村の女性から惚れられて、三角形の建物の中へ入り、婆さんたちが見ているところで、処女の女とセックスをする。それで、新しい命が生まれるのだ。つまり、村人たちだけで結婚をすると、近親相姦のようになり奇形が生まれるので、新しい血を求めてこの村へと若者たちを呼び寄せる儀式だったのだ。

クリスチャンは、そのあとは用済みの身となり、殺されてしまう。その殺し方もグロかった。とにかく、老人たちも、自然に死を迎えるのではなく、崖の上から飛び降りて、顔面を叩きつける。この辺がもっともえげつなくグロイシーンが多い。そして、火葬してから、墓らしきものはないので、きっと田畑や、原っぱに撒いてしまうのだろう。

 ミッドサマーという共同体では、より大きな家族が描かれる。血の繋がりはなくとも、文字通りすべてを分かち合うことで、個と個の境界線が消滅し、お互いを縛りあい、共感能力を超えた同調圧力により感情すらも一体化する様子に戦慄する。ガンジガラメに五体を締め付けられ、ここから一生出られないように仕組まれているようだった。

うすうす感じてはいたが、この祝祭には、正直いいようのない恐れと不安、まるで体全体に黒いもやがまとわりつき、やがては体全体を包み、すべてを奪い去っていくような、そんな恐怖を感じた。ですが、ダニーにとっては新しい家族ができて、住み心地のいいところとなることでしょう。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・23 アクション・アドベンチャーランキング

 

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マザーレス・ブルックリン★★★

2020年01月29日 | アクション映画ーマ行

エドワード・ノートンが「僕たちのアナ・バナナ」以来となる約19年ぶりの監督業に挑んだ作品で、1950年代のニューヨークを舞台に私立探偵が殺人事件の真相を追うアメリカンノワール。ノートンが監督のほか脚本、製作、主演も務めた。共演にはブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォーらが顔をそろえる。

あらすじ:障害を抱えながらも驚異的な記憶力を持つ私立探偵のライオネル・エスログの人生の恩人であり、唯一の友人でもあるボスのフランク・ミナが殺害された。事件の真相を探るべく、エスログがハーレムのジャズクラブ、ブルックリンのスラム街と大都会の闇に迫っていく。わずかな手掛かり、天性の勘、そして行動力を頼りに事件を追うエスログがたどり着いたのは、腐敗した街でもっとも危険と称される黒幕の男だった。

<感想>あのエドワード・ノートン、20年ぶり監督&初脚本で1人4役に挑戦した、新時代のアメリカン・ノワールの誕生です。主人公が脳の障害で藪からぼうに寄声を発するのだ。

主人公は、チック症を抱えながらも驚異の記憶力を持つ私立探偵であり、キャラクター設定がとてもユニーク。チック症の症状は自分で抑えることができないので、緊張感のある場面で思わず声が出てしまったりと、ハラハラドキドキしましたね。

それがちょっと笑えたり、逆に緊張感が高まったり、彼自身の人間性が見えたり、探偵ものに留まらない人間ドラマとしての厚みをもたらしています。観ていると幾つものノワール傑作が脳裏を過ぎるが、ここではとても多いので書き切れない。だから、セリフが多すぎる気もするが、フィルム・ノワールはもともと早口多弁なのであろうと思う。

ライオネルは事件の真相を追うことに。やがてたどり着いたのは、大都市開発にまつわる腐敗。そして、この街でもっとも危険と称される黒幕の存在だった。

だからこそ、謎を解明するおもしろさはもちろん、それを政治的な駆け引きにどう使うのかも見どころの一つ。人の弱点、プロジェクトの弱点、それをどう突いていくのか、主人公による頭脳戦を楽しんでください。

50年代のNY、探偵が腐敗した都市の闇に巻き込まれた美女を救う普遍的なノワール、と思いきや主人公は、トゥレット症候群であり、思ったことを直ぐに口に出してしまうが、驚異的な記憶力を持つという設定だからこそである。これが全体的にダークなトーンを、ギリギリのユーモアとして乱していて、それが本作の魅力といえよう。演じているノートンが、監督も兼任しているので、その絶妙なバランスを表裏でコントロールしており、彼自身の祖父が実際に関わっていた都市計画を、基にした物語でもあり、思い入れが満載の理想的な自作自演の映画でもある。

女性キャラクターがキーパーソンになっていて、さりげない流れでラブストーリーも入ってくるので、女性でも楽しめると思いますよ。

さらには、ジャズの映画音楽が良すぎて映画を喰ってしまいそうだが、強靭なストーリーと、匂い立つような風景がとてもマッチしており、映画を彩るモダン・ジャズも、主人公の脳内と融合していて、魅力的でした。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・7  アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

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マチネの終わりに★★★・5

2019年11月11日 | アクション映画ーマ行

芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラーを「そして父になる」の福山雅治と「死にゆく妻との旅路」の石田ゆり子の主演で映画化した大人のラブストーリー。東京・パリ・ニューヨークを舞台に、世界的天才ギタリストと女性ジャーナリストが、運命に翻弄されながら繰り広げる6年にわたる切ない愛の軌跡を、美しくもほろ苦い筆致で綴る。共演は伊勢谷友介、桜井ユキ、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行。

あらすじ:天才クラシックギタリストの蒔野聡史は、その名を世界に轟かせる一方、キャリアの節目を迎える中で自分の音楽に迷いが生じて苦悩を深めていた。ある日、公演を終えた彼は、パリで活躍するジャーナリストの小峰洋子と出会い、強く惹かれてしまう。しかし彼女には婚約者がいた。それでも洋子への高まる想いを抑えきれない蒔野は、やがて洋子の前で素直な気持ちを言葉にするのだったが…。

<感想>クラシックギタリストの蒔野と、パリ在住のジャーナリスト洋子、二人は愛し合いながらも、ある大きなすれ違いから、離れることになる。その数年後に、蒔野と洋子のすれ違いは、古風な悲恋ものとは肌ざわりが異なる。

あるコンサート会場で、舞台の上には男性がいて、客席には女性がいる。その二人だけに“分る”ある想いがある。そういう場面がクライマックスとして浮かび上がる。そこまでの展開が、必ずしも上手くいかなくても、この物語の核と雰囲気がうまく実現されていれば、最後の場面での二人が非常に美しい映像になっているのを観てすごく嬉しくなりましたね。

この二人の恋の物語は気持ちがいいのですが、じれったくもあり、心が洗われるようなのは、たぶんお互いに本質的に引っ張られているからじゃないかと。それに、音楽家と言うのは無条件に素敵なんですよ。しかもクラシックギターの世界的な名手であり、ギター一本で2時間弾きっぱなしなんですからね。

そういう意味でも運命の男女であり、東京、パリ、ニューヨーク。運命的な出会い、6年にも及ぶかくも長き別離、逢瀬はたった数回でより募る思い、果たして再会は?・・・要するに逢えない時間が愛を育むという形式で、恐らくはプラトニック・ラブのまま。

最近では軽妙な役柄も演じている福山雅治だが、少し憂鬱な役の方が断然似合うのだ。今回のスランプに陥った天才ギタリストは、実にハマリ役だった。ただし、ハマリ過ぎて「世界のどこかで君が死んだら。僕も死ぬ」という青臭いセリフには笑ってしまった。

そして、ヒロインの石田ゆり子のジャーナリスト役が、どこか危うく守ってあげたい薄幸の風情が人気なのだろうが、天然なのかもしれないが、イメージとかけ離れた役柄。なにしろ運命の出会いでお互い意識し合うが、相手ののめり込み具合に比べ、彼女は冷静で決して恋に溺れず、ジャーナリスト精神を優先させる。

テロの渦巻くフランスで取材し、画一的な答弁を繰り返す長官に激しく迫ったり、ビルのフロアで爆弾テロの起こる中、閉じ込められたエレベーター内で、すかさずテロの状況を自撮りし緊急現場生中継し、ブンヤ魂を発揮する前半の彼女に魅了された。そして、英語、フランス語の流暢なことといったら、素晴らしかった。

そこに、福山のマネージャーとしての三谷早苗の桜井ユキの存在感。しっかりと物申す職能女性で、なおかつ強くて、蒔野の師匠である古谷一行が心臓発作で倒れる。

その日が、洋子が離婚をして日本へ帰ってくる日だった。絶対に空港へ迎えに行くと決めていたのだが、師匠の病気では行くことが出来ない。そのことをマネージャーの三谷に頼んでしまう。

都合よく、三谷のところへその時が舞い降りた。大好きで恋をしている蒔野を手放すまいと、必死で嘘のメールを洋子に送るのだ。それが決め手となって二人は別々の結婚して子供をもうけるのだった。

しかし、洋子の夫である伊勢谷友介、日系アメリカ人と言う設定にも全く無理が無く、嫉妬心から浮気をして身勝手な男となる。いわば唯一の悪役なのだが、自分の浮気で離婚後の、あっけらかんとした態度なんか、何だか憎めない。

離婚後に、洋子の母親の風吹ジュンが、父親との離婚を話すシーン、妻や子供に迷惑を掛けたくないがための離婚であったことを話す。

実に効果的クラシックギターのBGMの音色に乗せて、悩む福山、動く石田、妬む伊勢谷、結ぶ三谷が交錯する物語。その中で、冒頭の背中と、ラストのアップを務めるのが石田ゆり子なのである。

女性としてそういう人に惹かれるのも当たり前だと思うし、二人が惹かれ合っているのも何の疑問もなくわかる。人生で3度しか会ってないのに、とても幸せな関係だと思うんです。お互いに、相手のことを奪い取らずに、本質で惹かれ合っていて、私にはすごく幸せな物語だと思ってます。

 

豊かさこそが幸せ。どの時代でもそう考えられて来たと思うのです。たくさんの収入があれば、少なくとも生活をする上での不幸は回避できる。では、精神的な幸せとは何か?、心の豊かさとはどういうことなのか。このテーマも「マチネの終わりに」には描かれていると思います。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・167  アクション・アドベンチャーランキング

 

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蜜蜂と遠雷★★★・5

2019年10月24日 | アクション映画ーマ行

史上初となる直木賞&本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸の傑作ベストセラーを実写映画化した音楽青春ドラマ。 国際ピアノコンクールを舞台に、それぞれに事情を抱えながら大会に挑む4人の若手ピアニストの葛藤と成長を描く。主演は「勝手にふるえてろ」の松岡茉優、「孤狼の血」の松坂桃李、「レディ・プレイヤー1」の森崎ウィン、オーディションで選ばれた新人の鈴鹿央士。共演に臼田あさ美、斉藤由貴、鹿賀丈史。監督は「愚行録」の石川慶。

あらすじ:3年に一度開催され、若手ピアニストの登竜門として世界から注目を集める芳ヶ江国際ピアノコンクール。母親の死をきっかけに表舞台から消えていたかつての天才少女・栄伝亜夜は、復活を期してコンクールに挑もうとしていた。そんな彼女の前に立ちはだかるのは、楽器店勤めで年齢制限ギリギリのサラリーマン奏者・高島明石、亜夜の幼なじみで名門ジュリアード音楽院に在籍する優勝候補最右翼のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、そして今は亡き“ピアノの神様”ホフマンに見出され、コンクールに波乱を巻き起こす謎に包まれた無名の少年・風間塵という、バックボーンもピアノとの向き合い方も三者三様のコンテスタントたち。そんなライバルたちとコンクールを通して刺激しあい、悩みながらももう一度自分の音を取り戻そうともがく亜夜だったが…。

<感想>全く異なる境遇にある4人のピアニストたちが、国際コンクールでの熾烈な戦いを通して刺激し合い、葛藤し、そして成長を遂げて“覚醒”していくさまを描く。前作の「愚行録」の石川慶監督がメガホンをとり、本作では、人を見る目の静かな厳しさとも通じるそんな質感は、昨今稀有な美点になっているのだろう。

ただし、原作の音楽にまつわる大きな感情、人が生まれながらに抱いている、寂しさを歌うとといった言葉の力に勝る、映画の力という点では物足りなさもあった。

 

劇中で奏でられるピアノの音を河村尚子氏、福間洸太朗氏、金子三勇士氏、藤田真央氏といった日本を代表する一線級のピアニストたちが担当。オリジナル楽曲「春と修羅」を国際的に評価の高い作曲家・藤倉大氏が手がけている。

4人のピアニストたちが目指すのは「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスをもち、近年高い注目を浴びる芳ヶ江(よしがえ)国際ピアノコンクール。特報では、4人がそれぞれの想いを胸に、生命と魂を懸けた戦いに挑むさまを活写。

母を亡くしたことがきっかけで音楽の世界から失踪するも、再起を目指し再び表舞台に戻ってきた“復活の神童”栄伝亜夜(松岡)。彼女の表情演技の素晴らしさに、まず心を揺さぶられた。

「昔はもっとピアノが楽しかったよなぁって…」と心境を打ち明け、家庭と仕事を持ちながらも夢を諦めきれず、出場年齢ギリギリで最後のコンクールに挑む“不屈の努力家”高島明石(松坂桃李)が「“生活者の音楽”、それを込めたかった」と自らの信念を明かす。松坂桃李は、絵に描いたような普通を、難なくこなす、さすがに芸達者がそろい踏みしていた。

そして、優勝大本命の“信念の貴公子” マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)は「新しいクラシック、それをやりたいって夢がある」と思いの丈を述べながら、熱量あふれる演奏を披露。

それに、今は亡き“ピアノの神”からの「推薦状」を持つ“祝福の異端児” 風間塵(鈴鹿央士)は「世界中にたったひとりでも、ピアノの前に座ると思う」と言い放ち、コンクールに波乱を巻き起こす。

それぞれに、全く異なる境遇にある4人のピアニストたちが、国際コンクールでの熾烈な戦いを通して刺激し合い、葛藤し、そして成長を遂げて“覚醒”していくさまを描ている。

中でも謎めいたクロークの女役を片桐、「春と修羅」の作曲家・菱沼忠明役に光石、コンクール会場の責任者・田久保寛役として平田が参加している。

ポーランドの名優ヒラは、芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員を務め、マサルの師であるナサニエル・シルヴァーバーグ役を演じ、斉藤由貴が同コンクールの審査員長で、ピアニストたちの命運を握る重要人物・嵯峨三枝子に扮していた。鹿賀が挑むのは、世界的指揮者の小野寺昌幸役。コンクールの最終選考でオーケストラの指揮を執り、亜夜らピアニストたちを叱咤するという役どころだ。

 

優勝本命のマサル・カルロスが、世界的指揮者の小野寺昌幸にオーケストラのフルートの音が聞こえづらいといい、もっと大きな音で演奏してくれと頼むシーン。驚く世界的指揮者が、ピアノはオーケストらに合わせて弾くものだと、強弱は私が指示を出すと言うのだった。そのことで揉めるマサル、若いっていいよね。自分のピアノ演奏にオーケストラが、合わせてくれるものだとばかり思っていたのだろう。

決勝のシーンの3人は、まさに演奏吹き替えによる動きの不自然さなど、あまり感じることなく、清涼感と緊迫感は途切れずに、最後はじんと胸の奥が温かくなった。欲を言えば、長いお休みだった栄伝亜夜に優勝を取らせたかった。

1位は、“信念の貴公子” マサル・カルロス・レヴィ・アナトールが優勝して、2位に栄伝亜夜だった。彼女は母親を亡くしてから心の中の葛藤と、自分が本当にピアノ奏者として今後やっていけるのかが、勝負だったに違いないから。3位は、“祝福の異端児” 風間塵くんが、彼はこれからだって、いくらでもチャンスがあると思うので。

ピアノソロのコンクールの映画は、大好きでよく鑑賞します。今回は、秋の日の初めの、良く晴れた日の木漏れ陽にも、似たようなそんな感じを楽しんだ。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・157  アクション・アドベンチャーランキング

 

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マレフィセント2 ★★★・5

2019年10月21日 | アクション映画ーマ行

ディズニーの名作アニメ「眠れる森の美女」を、悪役“マレフィセント”を主人公にして実写映画化したファンタジー・エンタテインメントの続編。再び勃発する人間界と妖精界の争いの行方を描く。主演は引き続きアンジェリーナ・ジョリーとエル・ファニング。共演にミシェル・ファイファー、ハリス・ディキンソン、サム・ライリー。監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」のヨアヒム・ローニング。

あらすじ:邪悪な妖精マレフィセントの呪いによって16歳のときに永遠の眠りに落ちたオーロラ姫は、マレフィセント自身の真実の愛によって呪いを解かれ、ついに目を醒ます。ムーア国の女王となった彼女は、アルステッド国のフィリップ王子との愛を育み、やがて彼のプロポーズを受け入れる。2人の結婚は、これまで争いの絶えなかった人間と妖精の間に平和をもたらすものと思われた。フィリップ王子の母でアルステッドの王妃イングリスからも温かく迎えられるオーロラ姫だったが…。

<感想>オーロラ姫の婚礼に隠された“秘密”とは…。「眠れる森の美女」から誕生した美しきヴィランの衝撃のその後を追う「マレフィセント2」。悪役=ヴィランでありながら、美貌と強さと共に、複雑で奥深い愛情を持つマレフィセント役を再び演じることになったアンジェリーナ・ジョリーは、このシリーズでは自ら製作にも乗り出す入れ込みよう。

前作で心を繋ぐことができたマレフィセントとオーロラは、お互いを愛する家族になれた。でも今作では、オーロラは成長して、ある危機に直面し、二人は離れ離れになることを強いられるというお話だけど、家族とは何かを語る物語でもあります。それは必ずしも血の繋がりだけではない。アンジーが演じるマレフィセントは、オーロラのために究極の愛を試されることになるとか、ぜひその結末を劇場で確認して下さい。

そして、エル・ファニング演じるオーロラ姫。前作でマレフィセントと心の絆を繋いだ彼女は成長し、映画のオープニングで王子からプロポーズされる。

それに、今回はアンジーだけでなく、王子の母親であるミシェル・ファイファーというもう一人の大女優が加わった。オーロラは自然が大好きで優しい性格。強いけれど同時に女性的で、彼女はそういうことを捨てない。強さにはいろいろあるけれど、ピンクのドレスを着ていても強かったりする。

今回は、マレフィセントが前作と違うところは?・・・前作で絆が芽生えたオーロラのために人間界に身を置くことにするのだけど、それで自分の本質を抑圧しているわけ。そしてあることから仲たがいをして、裏切られた感じ、オーロラとの距離ができてしまう。そんな状況の中でマレフィセントはこの世界のダークな魔物が自分だけではないことを発見する。

オーロラ姫がフィリップ王子からのプロポーズを受け入れ、二人の盛大な結婚式を間近に控えていたが、その婚礼はこれまで争いの絶えなかった妖精と人間の世界に和平をもたらし、誰をも幸せに導くはずだったが、実はその裏には、妖精界を滅ぼそうとする恐るべき罠が仕組まれていたのですね。

それを企んでいるのは、何とフィリップ王子の母親王妃イングリスであり、オーロラにとって未来の義母となる人。そしてオーロラが心を痛める妖精界と人間界の争いがついに勃発してしまう。

その戦いは、真実の愛によって母娘のように結ばれたオーロラ姫とマレフィセントの絆を引き裂こうとするのだった。オーロラ姫とフィリップ王子の結婚式の日に、オーロラに危機が迫っていることを知るマレフィセントは、愛するオーロラを救うために、マレフィセントの究極の愛が試されようとしていた。

それに、王妃イングリスが妖精とマレフィセントを倒すために、発明をしていた毒薬のような爆弾。それを一番先にマレフィセントに投げつけるのだ。すると屈強だったマレフィセントが、その凶弾に倒れて真っ逆さまに湖に落ちてゆく。その傷ついたマレフィセントを助けたのが、同じように翼を持つ人間の集団で、地下の洞窟で暮らしていたのだった。

つまり、アルステッド国の王妃イングリスが、この機会に、オーロラ姫のムーア国を乗っ取って自分の国にしようと策略。その計画を知っていたのがマレフィセントであり、自分と同じ翼のある人間たちが洞窟で暮らしていることを知り、それがアルステッド国の王妃イングリスに戦争を強いられて、負けて洞窟に住んでいるという。その鳥人間たちの力を借りて、アルステッド国の王妃イングリスと闘うことにするわけ。

オーロラ姫は自分の結婚式のことに気を取られて、妖精たちと森の中で楽しく過ごしている。まさか、自分の国が、王子の母親に乗っ取られることなど考えてもいなかった。それに、アルステッド国の王様も、王妃イングリスの呪いにかけられて、眠ったままになる。

マレフィセントが大勢の鳥人間たちを連れてやってくるところと、それに対抗するアルステッド国の王妃イングリスの力も凄いときてる。だが、マレフィセントの力を侮ってはならない。最後には、魔法で王妃イングリスを角の生えた山羊にしてしまうのだから。王様の呪いもマレフィセントが呪いを解いてやり、王子とオーロラ姫の結婚式が、改めて盛大に行われるのだった。

ファンタジーではないと思うのですが、オーロラ姫に対する母性愛が、マレフィセントの方が勝っているようで、さすがでしたね。

2019年劇場鑑賞作品・・・155  アクション・アドベンチャーランキング

 

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マーウェン★★★★

2019年07月25日 | アクション映画ーマ行

暴漢に襲われ記憶障害の後遺症に苦しむ男性が、セラピーの一環として始めた第二次大戦下の架空の村のジオラマ作りを通して少しずつ回復していく姿を追ったジェフ・マルムバーグ監督による2010年の感動ドキュメンタリー「Marwencol」を、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ/一期一会」のロバート・ゼメキス監督が劇映画化したヒューマン・ドラマ。主人公の葛藤と再生の物語を、彼が作り出したミニチュアの村を最新技術で再現したファンタジックな映像を織り交ぜ描き出していく。主演は「フォックスキャッチャー」「ビューティフル・ボーイ」のスティーヴ・カレル、共演にレスリー・マン、ダイアン・クルーガー。

あらすじ:バーからの帰り道に5人の男たちの襲撃を受け、瀕死の重傷を負ったマーク・ホーガンキャンプ。一命は取り留めたものの、脳に障害が残り、記憶を失ってしまう。PTSDに苦しむ彼は、セラピーとして自宅の庭に第二次大戦下の架空の村を作り、“マーウェン”と名付けて、自分や周囲の人々を模したフィギュアを置いて写真を撮り始める。次第にマーウェン作りに没頭していくマーク。そこでは自分の分身であるホーギー大尉と様々な女性たちが、日夜ナチスの兵士たちと過酷な戦いを繰り広げていた。やがて、現実世界でも心身共に少しずつ回復していくマークだったが…。

<感想>実話をもとに描いたヒューマンドラマであるが、ロバート・ゼメキス監督の新たなる挑戦ともいえる実写と、パフォーマンス・キャプチャーの両方を取り入れたヒューマニズムと、壮大なる空想世界が融合する力作である。

5人の男から暴行され、脳に障害をおった実在の男性、マーク・ホーガンキャンプの物語である。マークは、たまに女性のハイヒールを身に着けるクロスドレッサーで、ヘイトクライム(増悪犯罪)の被害者になってしまったのだ。かといって、彼はゲイではない。そういう趣味の男に対しての偏見が、暴力沙汰を起こしたようだ。

昏睡状態から覚めた彼は、大人になってからの記憶が殆ど奪われ、退院後は襲撃のPTSDに悩まされるが、リハビリで始めたフィギュアの撮影で、彼の中の何かが動き出す。

その空想の世界“マーウェン”では、彼はホーギー大尉となり、女性の友人そっくりに作ったバービー人形軍団が、ナチス親衛隊と日々戦いを繰り広げ、彼を絶体絶命の窮地から救うのだ。それを撮影して、写真展を開くことを進める女性にダイアン・クルーガーが扮している。

演じているスティーヴ・カレルは、マークのドキュメンタリーを見てどのような形でも本作に関わりたいと申し出たというのだ。コメディもシリアスもこなすカメレオン俳優であるカレルだが、今回の役は実在しており、しかも尊敬に値する勇気ある人物だということで、責任を伴うと感じたようです。

お迎えに引っ越して来た女性ニコルに恋をして、彼女の人形も作り、ホーギー大尉の恋人のように車の隣に乗せている。それに、本当にニコルに恋をしてしまったマークは、結婚の告白をするのですが、指輪ではなく勲章を彼女に上げて「結婚してください」と申し込むのです。すぐに断られるマーク。

それに、ニコルの元恋人がいつも来ており、マークとニコルが仲良くしてお茶をしていると、意地悪をしてオモチャの人形や、庭の模型を壊してしまう。

それに、暴行した5人の男の加害者との裁判があり、その時も神経が麻痺して頭の中では、ナチとの戦場になり裁判が成り立たなくなるのだ。しかし、最後には、勇気をもって、薬を飲み暴力で自分のような人間が二度と出ないようにと、裁判官に向かって述べるシーンもありました。

やはりカレルは素晴らしい俳優であります。イノセントでアーティスティックな男が、スクリーンに現れ、ゼメキス監督の作るファンタジーの世界と交わりながら、希望を失わず葛藤する姿があった。思わず熱いものが込み上げてくる。

マークの闘いは、勿論自身の再生であるが、また同時にヘイトクライムに屈しないという偏見社会へ向けた戦いでもあります。

戦場はどこか遠くにあるのではなく、人形たちが息づくのは、マークの質素な自宅の庭なのだから。家のすぐ隣に自分で作った箱庭が戦場であり、主人公の家や酒場などが模型で作られてあるのが良かった。

6/1フィギュアが、人生に苦悩する多くの者たちのために、戦い続けているのだ。セクシーで強い美女たちが守ってくれると思うと、ちょっとくすぐったいような不思議な気持ちになるのだが、・・・。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・108  アクション・アドベンチャーランキング

 

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町田くんの世界★★★・5

2019年06月22日 | アクション映画ーマ行

安藤ゆきの人気少女漫画を「舟を編む」の石井裕也監督が、ともに映画初主演となる細田佳央太と関水渚を起用して実写映画化したハートフル青春ストーリー。何事にも不器用で地味でありがら、どこまでもピュアで善意に満ちた町田くんが、その無自覚な優しさで周囲を包み込んでいくさまと、町田くん自身の成長をハートウォーミングに綴る。共演は岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子。

あらすじ:物静かでメガネの男子高校生・町田くんは、その見た目に反して勉強が苦手で、しかも見た目どおり運動はまるでダメ。自分ではまったく取り柄がないと思っている町田くんだったが、人が好きで誰に対しても心の底から優しくできるという最強の才能を持っていた。ある日、授業中にケガをした町田くんは、保健室でサボっていた猪原さんと出会う。“人が嫌い”と言い放つ猪原さんのことが気になり始める町田くん。一方の猪原さんも、いつしか町田くんに恋心を抱くようになるのだったが…。

<感想>この世界は悪意に満ちている。でも――町田くんがいる。「そもそも町田くんって誰?」、そう思う方もいるだろう。町田くんとは、安藤ゆき氏の人気コミックを「舟を編む」の石井裕也監督が映画化した本作の主人公。「全人類を家族だと思っている」ほどの超・親切さんで、困っている人を放っておけないお人好しな男子高校生だ。

この町田くん、“親切”のスケール&熱意が半端じゃない。その規格外の優しさで、出会う人全員を幸せにしてしまう「ヒーロー」なのだ! 「え!? 気になる」と思ったアナタは、以下に記載する体験者の“声”に耳を傾けてほしい!

 “人を愛する才能”と“人から愛される才能”を持つ男子高校生・町田が、“人間嫌い”のクラスメイト・猪原奈々(関水渚)と出会い、生まれて初めての感情と向き合いながら、周囲を取り巻く人々の価値観までも変革していく姿を描いていく。オーディションで抜てきされた細田と関水が主演を務めているのも良かった。

みんなをトリコにする“とにかく今、気になる男”・町田くん。しかし本作の真の実力は、そこにとどまらない! “魅力的なキャラクター”に加え、“常識をぶっ壊す展開”が見た者の間で大きな反響を生み、これほどの“熱狂の渦”に成長しているのだ。

一番気になったのが、モテモテの高校生の氷室を演じた岩田剛典が、町田につかみかかるシーン。自身に好意を寄せる高嶋さくら(高畑充希)からのプレゼントを捨てる氷室に対し、町田は「君はもっと人の気持ちを大事にしなきゃだめだ。これはゴミなんかじゃない。君は自分の気持ちを考えないから、人の気持ちもわからないんだ、もっと自分を大事にしたほうがいい」と“町田語録”をぶつけていく。これって、勇気のいる行動ですよね。

町田につられヒートアップしていく氷室は「なんでおまえはいつも一生懸命なんだよ! そんなに必死こいて生きても意味ねえぞ!」と胸ぐらをつかむ。町田との出会いを通して氷室が変化していく瞬間を切り取った、重要なシーンになっている。

それに、町田くんの家族構成の、母親に松嶋菜々子が扮している。お腹が大きい妊婦役である。父親は北村有起哉が扮していて、家にはいつもいないし、仕事は学者のようだ。兄弟姉妹がたくさんいて、一が長男なので父親が不在の間は、弟や妹たちの面倒を良く観ているのだ。

それだけでも大変なのに、學校でも登校する間にも、みんなに親切にするのだから、こんな人間になってしまったのは、両親の教えか教育のせいなのかもしれませんね。

中でも、町田くんの心の代弁者で語り部的な役割をも担うのが、栄りら役の前田敦子であります。手のかかる主役カップルの成り行きに、いちいち口を添えるスケバン系キャラの怪演である。ひねくれ者の応援団であり、出番は多くないが、ジレったがっての一言が、話の軽い節目となり実に笑える。

もう一人、人物造形に深みを持たせた高畑充希の演技アプローチが秀逸でしたね。純粋でいることが、これほど困難な時代であるという事実に、絶望させられるがゆえに、町田くんの猪突猛進な姿は、みんなに希望を抱かせるのもいい。

善意の天使の町田くんと、人嫌いの女性徒との綱引きドラマは、さして珍しくはないが、緑と水辺のロケ地が、新人コンビの真っ直ぐな演技を、ビジュアル的に支えていて、この映画の余裕にもなっていた。

町田くんがお気にいりの川べりの場所で、ヒロインと追っかけあう遠景のカットとか、こういう画面としての遊びはかつてVシネマ時代の黒沢清映画で、しばしば見たように覚えているが、それが邦画の進歩かどうかは分らないが、変化ではあると思う。

 

週刊誌の記者、吉高洋平(池松壮亮)は世界に絶望していた。したくもない仕事に追われ、妻ともすれ違いの日々です。上司からは次のスクープを獲ってこいとせがまれ、書きたいものが書けなくなっていました。そんな彼の前に“劇的イイ人”な町田君が現れ、彼の心を大きく揺さぶります。町田くんの影響で、生き方をリセットする週刊誌の記者、池松壮亮が嘘っぽく見えた。

氷室に冷たくされ、町田くんに優しく慰められるさくらは、町田君に好意を持ち始める。積極的にさくらに好きだと言われる町田くんは、恋愛について初めて考えます。ただ、さくらの気持ちはまだ氷室のもとにあるのではと、感じています。

やがて、町田くんの心に変化が生じて、猪原という存在によって彼の心の中には、今までにない感情が芽生えていることに気付き、戸惑う彼ですが、その一方でいよいよ臨月を迎えた母親のことも心配で、いつになく頭がいっぱいです。

六人目の弟である六郎の誕生に合わせて、世界中を飛び回っている生物学者の父親が帰ってきます。一は父親に、自分の気持ちについて相談を持ち掛けるのですが、ついに、猪原のへの気持ちが恋だと確信しました。しかし、猪原は海外留学を決めてしまうのです。

空港に向かう電車の中で、猪原は週刊誌の記者・吉高に『町田くんの世界』というタイトルの原稿を渡される。そこには、世界には絶望で溢れている、しかし“町田くんの見る世界は美しいに違いない”と綴られていたのですね。

町田くんの初めての恋、必死になって猪原を追いかける姿に、彼のその背中を前田敦子や最初に恋の相談をした西野。そして、毎日のように彼からの善意を受け取った人たちが、町田くんの背中を押してくれのです。

空港では、『町田くんの世界』を読み終えた猪原が、町田くんに会いたくなったと感想を伝えます。その時、必死に追いかけてきた町田くんの手が、彼女の手を掴むのでした。もう離さない、これからはいつも一緒にね。

 

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マローボーン家の掟★★★

2019年06月20日 | アクション映画ーマ行

「永遠のこどもたち」「インポッシブル」の脚本家セルヒオ・G・サンチェスが、同作の監督J・A・バヨナの製作総指揮の下、記念すべき監督デビューを飾ったサスペンス・ホラー。母を亡くし子どもたちだけになったマローボーン家の4兄妹を待ち受ける哀しくも恐ろしい運命をミステリアスな筆致で描き出す。主演は「わたしは生きていける」のジョージ・マッケイ、共演にアニャ・テイラー=ジョイ、ミア・ゴス、チャーリー・ヒートン。

<感想>マローボーン家の4兄弟が、守る“掟に隠された謎”が打ち破られた時、あなたは衝撃の結末を目撃する!まず本作は登場人物、とくに子どもたちの面々が非常に素晴らしいです。ローズが連れてきたジャック、ジェーン、ビリー、サムの4人。見えない何かに怯える兄弟の対立と愛を描いた作品です。

かなり細かく作られた内容なので、ホラー映画というよりはストーリーの展開を楽しむ映画になっています。特に時系列をよく理解することが大切ですね。母親のローズが亡くなるまえに、長男のジャックに法的に大人になる21歳になるまで、この家のことを頼みます。と遺言します。それが、マロンボーン家の掟、(1)成人になるまでは屋敷を離れてはならない (2)鏡を覗いてはならない (3)屋根裏部屋に近づいてはならない (4)血で汚された箱に触れてはならない (5)“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない の5つ。 

全ては「大人になるまで、屋敷を離れない事」という、母親の遺言でもある第1の掟を守る為に作られた約束事です。中には「鏡を覗かない事」「屋根裏部屋に近づかない事」など、不可解な掟も存在します。しかし、これら全てには意味があり、兄弟たちが屋敷内で安全に暮らすには不可欠なのです。家族は、長男のジャックに長女のジェーン、それに弟のビリーと末っ子のサム。そして、友達になったアリーという少女です。

母親の死後6か月に黒服の男が銃を屋敷に向かって発砲します。恐怖におびえる子供たち、長男のジャックは天井の上や、屋根裏部屋、鏡の中の存在を異常に気にするようになる。この家の弁護士であるポーターが、ジャックたちと友達になった美少女アリーに恋愛感情を抱くのですが、アリーがジャックと恋愛関係になっていくのです。

ポーターが家の手数料の200ドルを請求するのですが、この家にはお金はありません。仕方なく、死んだ父親が遺したあの秘密の古い缶を思い出し、それが海の近くの洞窟の中にあることを想いだし、見つけに行く。古い缶の中にはイギリスの紙幣であるポンドの札束が入ってました。

そのお金を娘のジェーンが綺麗に洗ってアイロンをかけ、兄のジャックはそのお金をポーターに渡すのですが、小切手でくれと言うのですね。そして、母親のサインがいるとのこと。困ったジャックは、ポーターには、母親が病気で部屋で寝ていると嘘をついていたので、困ったジャックは、妹のジェーンに母親のサインを真似るように練習をさせます。

何度も練習をして、母親のローズと言う字に真似て書き、渡すのですが、それが後で、偽物のサインだということが見破られるのです。それでも、ジャックはこれでこの家に安心して住んでいられると大喜びです。その夜は兄弟、妹でパーティを楽しむのです。でも、末っ子のサムが何だか幽霊がいるといい、その存在を感じるのです。

次男のビリーは、父親のお金を使ったから幽霊が出たのだといい、ジャックはその古い缶を屋根裏へ置いてこいとビリーに命令をし、ビリーは怖がりながらも屋根に上り、煙突から屋根裏部屋にその古い缶を落とすのですね。

そのころ、ジャックはアリーと恋仲になり、海岸でデートを楽しみキスをしてお互いの愛を確認するのですが、家へ帰ってみると、下の弟2人と妹たちが、ジャックばかり遊んでと怒り、しまいには兄弟げんかになってしまう。

末っ子のサムは、亡くなった母親の部屋に入り、そこで昔の新聞記事を見て、そこに父親の写真を見て、お化けだといい気を失うわけ。ジャックはそのことを知っており、父親の弔いをしていないので、化けで出てきたのかもと言う。幽霊の正体は、そのせいかもなんて思ってしまう。

それに、弁護士のポーターは、アリーを旅行に誘うのですが、アリーはジャックの事が好きなので、断ります。すると、ポーターは、古い新聞記事に載っていたジャックの父親のことを知り、父親が逃走中だと判り、家の事もまだ母親に会ってないので、何か隠し事をしているのかと疑い始める。

ジェーンが、屋根裏部屋の隙間に動物がいることを知り、それがアライグマだということがわかり安心します。ですが、次にジャックがそのアライグマが隙間から顔を覗かせたと言うのを信じて、自分ものぞくとそこには、人間の手があり、アライグマを捕らえて消えたのです。

弁護士のポーターは、契約書のサインが母親のサインではないことを見抜いて、きっと娘のジェーンによる偽造だと知ってしまう。だが、ポーターは自分が出世をするために、別の弁護士事務所に行くのには、投資金が必要だということで、新聞記事で読んだジャックたちの父親が10,000ポンドの大金を盗んだと言うことがわかる。

そうして投資金の金策に、ポーターはジャックに偽造したサインのことを非難して、その代わりに、1万ポンドの口止め料を支払えと迫るのです。

困ったジャックは、弟のビリーに屋根裏へいって、またあの古い缶を持ってこいと命令するのですが、ビリーは怖くて屋根裏部屋には行きたくないと断るのですが、仕方なく屋根裏部屋へ降りて行くと、死んだと思っていた父親が、やせ細った幽霊のような男が潜んでいて、傍には、アライグマの死骸や鳩などの死骸が散乱していて、どうやら、父親は屋根裏部屋で、動物を食べて生きていたのですね。

ビリーは、その父親と思われる幽霊男に乱暴されて、血だらけになって戻ってくるわけ。長男のジャックは、そのことを知り失神してしまう。

ここからが重要なシーンで、実は母親が亡くなった後に、家に男が銃を持って現れて、家族のみんなを恐怖に陥れます。それからが、実はこういうことだったのね、という結末が想像されます。

だって、家族は、どうやって食べていままで暮らしてきたのか?・・・ジャックにしろ、ビリーとジェーンにして、學校へも行かないで、お金は誰が働いているのか、今までに、食事の風景が映っていなかったし、これって、生きているのは、長男のジャックだけってことなのでは、と思ってしまう。

つまりは、その後に、父親が家の中に入って来て、兄弟妹の3人を殺してしまう。本当は、父親はとんでもない悪党で、子供たちよりも、盗んだ金が欲しくて帰って来たらしい。家族全員を射殺して、金を持ってここで一人で暮らすことを考えたのでしょう。

長男のジャックが失神したのは、そのことを全部思い出して、ポーターは、屋根裏部屋から出てきた父親に殺されてしまい、アリーも父親に見つかり殺されそうになるも、ジャックが勇気を奮い、父親に銃を向けて殺してしまう。結局は、今までアリーの前では、ジャックはビリーやジェーンにサムと3人の兄弟たちと想像の世界でお話をして暮らしてきたのですね。

精神科医の医師が、ジャックの精神病のことを想って、いままでの記憶を忘れてしまう薬をアリーに渡します。これで、ジャックは嫌な思い出を忘れて暮らせると。でも、アリーの優しさが、ジャックがいつまでも兄弟と幻覚の中で暮らすことを選び、薬を飲ませることはしませんでした。

すみませんね、ネタバレですが、何だかこれでは、あまりにも残酷過ぎて、ジャックの思い出の中でこの後も死ぬまで生きていくことになるというのも、悪くないなぁって思いました。

これまでのお話の展開では、少なくとも『永遠のこどもたち』が好きな人は、この映画も大好きな作品となるでしょう。

 

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メン・イン・ブラック:インターナショナル★★★・5

2019年06月19日 | アクション映画ーマ行

ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズが地球に生息するエイリアンの監視と取締りに当たる最高機密機関“メン・イン・ブラック(MIB)”の敏腕エージェントを演じて大ヒットしたSFアクション・シリーズのスピンオフとして、MIBのロンドン支部を舞台に贈るシリーズ第4弾。

主演は新たに「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワースと「クリード チャンプを継ぐ男」のテッサ・トンプソン。共演にリーアム・ニーソンと前作「メン・イン・ブラック3」に続いての登場となるエマ・トンプソン。監督は「ストレイト・アウタ・コンプトン」「ワイルド・スピード ICE BREAK」のF・ゲイリー・グレイ。

あらすじ:ニューヨークに本部を置く最高機密機関“メン・イン・ブラック(MIB)”の女性エリート新人、エージェントMは、ニューヨーク本部を率いるエージェントOに命じられ、危機に直面していたロンドン支部に派遣される。彼女はそこで、イケメンでチャラ男ながら、ロンドン支部でエースを張るエージェントHとコンビを組むことに。そんな2人はやがて、MIB内部に潜伏するスパイの陰謀に巻き込まれ、次第に追い詰められていくのだったが…。

<感想>地球は、ド派手に裏切られる。地球上に生息するエイリアンを取り締まる最高機密機関“MIB”の活躍を、ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズ共演で描き、シリーズ三作品が制作された大ヒットSFアクション「メン・イン・ブラック」の7年ぶりの最新作。

今度はイケメン先輩エージェントと新人エリート女子というMIB初の男女チームが新たなミッションに挑んでいく。主人公の男女コンビに扮するのは「マイティ・ソー バトルロイヤル」でもタッグを組み、「アベンジャーズ/エンドゲーム」に続く再共演が話題の、クリス・ヘムズワース&テッサ・トンプソン。

また、共演にリーアム・ニーソンと前作「メン・イン・ブラック3」に続いての登場となるエマ・トンプソン。監督は「ワイルド・スピード ICE BREAK」のF・ゲイリー・グレイ。

待望の最新作は、豪快さ、ユーモア、スペクタル、そして驚異のビジュアルという「MIB」のあらゆる魅力がアップデートされていた。地球上に暮らすエイリアンが多様化し、彼らを取り締まるMIBも戦力を増強。

ところがそのMIB内部にスパイが潜入するという、あってはならない事態が発生する。そんな危機に立ち向かうのは、優等生タイプの新人エージェントのMと、有能&経験豊富なようで、実は適当なイケメンの先輩エージェントのH。

どうみても息が合わない男女チームの活躍に、興奮と笑いは加速するばかり。お馴染みのガジェットは機能が進化し、エイリアンとのバトルもスケールが拡大。まさに新時代型のエンタメSFアクションがここに誕生。銀河系最大の戦いを繰り広げる快作を堪能せよ!!

新シリーズでも不変のトレードマークである、MIBと言えばブラックスーツとサングラス。本作でもそのスタイルで颯爽と街を駆け抜けるのだ。今回は、ポール・スミスがスーツのデザインを提供。シンプルなスーツをサラリと着こなすエージェントたちの姿はいつ観てもかっこいいのだ。特に際立っていたのが、クリス・ヘムズワースが痩せていて、スタイル抜群なのね、これじゃ、人間の女性だけでなく、エイリアンの女性にもモテモテなのが分かる。

二人が魅せる抜群のコンビネーション。優等生でまじめタイプのMと、腕は確かだがチャラい性格のHはまさに水と油。その場のノリで行動してしまうHに、Mはイライラしてしまう。事あるごとに言い合いになってしまうので、この凸凹コンビにMIBの命運を任せて本当に大丈夫なのか心配です。

思わず欲しくなるスタイリッシュなガジェットの数々。ピカっと光るエイリアンに遭遇した人間の記憶を消す“ニューラライザー”や、スタイリッシュに改良された車や、空を飛ぶ高速バイクなど。

ニューヨークのMIB本部とロンドン支部を繋ぐ地下鉄もMIB仕様であり、地球の国を周るのに、宇宙飛行船のような、ワープをして最短な速度で、見た目も宇宙新幹線みたいでカッコいい。

それにエイリアン戦闘銃“スペースガン”もたくさんあって、愛車ジャガーに隠されてるミラーや、パーツを組み合わせて作るスペースガンなどが、いたるところに隠してある。一つ欲しくなってしまう。青い光線を放ち、エイリアンを倒す新型の“スペースガン”など、かっこいいガジェットに興奮が止まらない。今回は砂漠も吹っ飛ばしてしまう超強力なウェポンが登場する!

特に、エージェントMが、エイリアンのヴァンガスに託される小さい紫色した花ビラの形をしている新兵器は、威力が物凄くて、ほんの少し押しただけでも、もの凄い砂埃と共に、デカイ穴が開きあっと言う間に敵を倒すことが出来るしろもの。

その新兵器を狙って、エイリアンの謎の美女(レベッカ・ファーガソン)。3本の腕を操るクレオパトラのような美女で、冷酷な兵器ディーラーでもある。それが、エージェントHの元恋人なのだ。要塞のような豪華なお城に住み、エイリアンの用心棒タランシアンを傍に置き、敵としてもっとも手強い相手である。その女が、Mからあの紫の花びらのような最大の武器を奪ってしまうのだ。

砂漠の国、そこへエイリアンのヴァンガスを助けにいく2人のエージェントだが、任務の極秘情報が漏れていたことで、MIB内部に裏切りものがいることが判明する。HとMは世界中を飛び回りながら独自捜査を進める。

地球を救った伝説の大物、ハイTのリーアム・ニーソンは聡明であり、歳は取っているが素晴らしい動きでアクションをこなす優れもの。パリのエフェル塔での、エイリアンとの戦いが見ものです。

そして、MIBニューヨーク本部を率いるOのエマ・トンプソン。ロンドン支局の不穏な空気に気づき、Mを送りこむのだが。そのエージェントの中にいるスパイが、意外な人物なので唖然としまうから。どうやら、凶悪なエイリアンに身体を乗っ取られてしまったらしい。

Mが子供のころに、エイリアンのタランシアンと遭遇して、両親はMIBの記憶消去を受けてしまう。しかし、彼女だけが、偶然にもその記憶消却を免れて、ずっと憧れていたMは念願が叶ってMIBの新米エージェントとしてロンドン支局に赴任する。

その時にまだ子供だったエイリアンのタランシアと、モロッコで大人になって強くなったエイリアンのタラアンシアが、謎の美女(レベッカ・ファーガソン)の用心棒になっていた。

だから、本当だったらMはとてもエイリアンとの戦いには勝てないのだが、そのエイリアンのタランシアや、小さいおもちゃみたいなエイリアンの、ポーニィに手助けしてもらい、強くなっていく。そして毎度おなじみタバコとコーヒーが大好物のお調子者エイリアン集団ニーブルたち。

それに、影の主役とも言えるエージェントFことパグ犬エイリアンのフランクが登場する。 可愛い見た目からは想像ができない、厚かましさと皮肉っぽさは今作でも健在ですよ。入り口にいましたね。

やはり「メン・イン・ブラック」というだけあってか、前作の男性2人組の方が魅力があって良かった。女性を入れて悪いというわけではないが、ちょっとイメージが合わないと思う。

地球に潜伏するエイリアンは多種多様。彼らはMIBの施設内だけでなく、人間社会にも変装して溶け込んでいるのだ。殆どは隠れて暮らすだけの無害な存在なのだが、中には人間に危害を及ぼす凶悪なやつらもいるのだ。あなたの近くにも、いるかもしれませんね。ご注意下さいな。

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マイ・ブックショップ★★★

2019年05月30日 | アクション映画ーマ行

ブッカー賞受賞作家ペネロピ・フィッツジェラルドの『ブックショップ』を「死ぬまでにしたい10のこと」「しあわせへのまわり道」のイザベル・コイシェ監督が映画化。保守的な時代のイギリスの田舎町で、激しい妨害に遭いながらも、町で初めての本屋を開こうとした女性の奮闘の物語を丁寧な筆致で綴る。スペインのゴヤ賞では、みごと作品賞・監督賞・脚色賞の3冠に輝いた。主演は「メリー・ポピンズ リターンズ」のエミリー・モーティマー、共演にビル・ナイ、パトリシア・クラークソン。

あらすじ:1959年、イギリスの海辺の小さな町。戦争未亡人のフローレンスは、夫との夢を実現するために動き出す。それは、これまで町に一軒もなかった本屋をオープンさせるというもの。精力的に準備を進めるフローレンスだったが、保守的な町ではそれを快く思わない人も少なくなかった。そして地元の有力者ガマート夫人の執拗な嫌がらせを受けるフローレンス。それでもどうにか開店にはこぎ着けたものの、なおも続くガマート夫人の妨害工作で、次第に経営が立ち行かなくなっていく。そんな中、町外れの邸宅に40年も引きこもっている読書好きの老紳士ブランディッシュ氏が、フローレンスの本屋経営を支援し始めるのだったが…。

<感想>1959年イギリス。まだまだ女性が一人で店を持つなんてことは無理な時代であり、お金があってもどうにもならない地域での嫌がらせや、男女平等の時代ではないので、女性が一人で店を持つことに偏見を持っている時代でもある。だから、主人公のフローレンスが自分の力で、それも知らない土地で店を開くことは並大抵の努力では上手くいかないと思った。

長い間、放置されていた「オールドハウス」を買い取り、夫との夢だった書店を開く。店の看板には、「THE OLD HOUSE BOOKSHOP」と描かれていた。店は小さくても古い家を内装して、地下室もあるのでそこで寝ているようだ。本には湿気が一番の悩みなのだが、それもなんとかクリアしているみたい。始めたばかりの店は、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」など、先進的な作品を精力的に紹介し、書店はもの珍しさもあり多くの村人が詰めかける。

予想以上に賑わいをみせ、それに店の手伝いをしてくれるのが、10歳くらいの村の少女クリスティーン(オナー・ニーフシー)が、安い給料で店の手伝いをしてくれる。

観ていて、やっぱりね、意地悪をしてくる土地の有力者であるガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が、書店を廃業させるべく、さまざまな策謀をめぐらせ、彼女を窮地に追いやっていくのです。どうやら、彼女が店を始めた場所に、芸術センターを構想するのですが、それにしても、どうしてそんな小さな土地を芸術センターにしようとするのか理解できない。本当に嫌がらせとしか思えないのですね。

そして、フローレンスには嬉しい知らせが舞い込んで来る。40年も邸宅に引きこもっている読書家の老紳士ブランディッシュ(ビル・ナイ)が、小さな本屋に目を付けてやってくるのです。それからは、その老紳士とフローレンスとの麗しいまでの書物愛の交友が深まってゆくわけなんですね。

このふたりを、親密に結びつけるきっかけとなるのがレイ・ブラッドベリの「華氏451度」であることは興味深い。それ以外にも、重要な役割を演じているナボコフの問題作「ロリータ」である。彼女が場違いな本を選び、たくさん仕入れてしまい経済的に困難に陥るのです。

老紳士に相談を持ちかけて、彼の屋敷にお菓子を持って通う彼女の嬉しそうなことといったらない。そのことも村の評判になり、妬みや嫉妬から土地の有力者であるガマート夫人の耳にも入ることになる。そしてガマート婦人が、村のプレイボーイを彼女の本屋へと向かわせて、店の様子や営業内容をチクイチ報告させるのですね。

それからほどなくして、ガマート婦人が嫌がらせを始めるのです。自分の屋敷で行われるパーティにフローレンスを招き入れ、客人たちに紹介でするのですが、こういう派手なパーティは苦手の彼女、屋敷の中でうろうろと自分の居場所がないことを知らされます。それに、パーティへ行くために新しくドレスを新調するのに、ガマート婦人に相談をして真っ赤な生地のドレスを仕立てて、いそいそと出かけます。しかし、真っ赤なドレスは、余りにも目立ちすぎて派手であり、場違いの色でありました。

たくさん新書を仕入れた、「ロリータ」という本は少女愛の内容なので、村人たちの反撥を受けて、書店は経営難に陥ります。そして、老紳士のブランディッシュは彼女を救おうとして、心臓が悪いのにガマート夫人の屋敷に行き、抗議を申し込みに行き、その帰り道に心臓発作で亡くなってしまうのです。

結局は、ガマート婦人の策略により、書店は村のためにならない、本屋にするには、湿気が多いなど難癖をつけて、村の役場から立ち退きを命じられ、フローレンスは泣く泣くその土地をカバン一つで立ち去ることになるのです。

ヒロインのフローレンスを演じたのは、最新作「メリーポピンズ リターンズ」(19)のエミリー・モーティマー。意志の強さと柔らかな雰囲気、はにかんだ笑顔をバランスよく配合し、誰もが共感し応援せずにいられないヒロイン像を見事に演じていました。

世の中に、こんなにも理不尽で、悔しくて悲しいことってあるのか、・・・店で働いていた女の子、クリスティーンがフローレンスの仇を見事に果たしてくれる、意表を突く最後でありました。

2019年劇場鑑賞作品・・・81  アクション・アドベンチャーランキング

 

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名探偵ピカチュウ★★★・5

2019年05月11日 | アクション映画ーマ行

日本が世界に誇る大人気コンテンツ“ポケモン”をハリウッドがシリーズ初の実写映画化したミステリー・アドベンチャー大作。同名の人気ゲームソフトを原作に、行方不明になった父を捜すため、父の元相棒だったポケモンの名探偵ピカチュウとコンビを組み、父が巻き込まれた事件の謎に立ち向かっていく青年の姿を、ミステリアスかつ迫力のアクション満載に描き出す。主演は「ジュラシック・ワールド/炎の王国」のジャスティス・スミス、共演にキャスリン・ニュートン、渡辺謙、ビル・ナイ。また見た目はカワイイけれど中身は“おっさん”の名探偵ピカチュウの声を「デッドプール」のライアン・レイノルズが担当。監督は「シャーク・テイル」「グースバンプス モンスターと秘密の書」のロブ・レターマン。

あらすじ:ある日、青年ティムは敏腕刑事だった父ハリーが事故で亡くなったとの知らせを受け、荷物を整理するためライムシティにあるハリーの部屋へと向かう。するとそこでハリーの元相棒だったという名探偵ピカチュウと出会う。彼は事故の衝撃で以前の記憶を失っていたが、ハリーはまだ生きていると確信していた。そこで2人は協力してハリーの行方を追うのだったが…。

<感想>世界中で愛されている日本生まれの“ポケモン”がついにハリウッドで実写映画化された。人間とポケモンが共存する街“ライムシティ”を舞台に、ピカチュウたちが新しい表情を見せる楽しい作品。

主人公はもちろんピカチュウなんですが、ここでは保険会社に勤めるティムと言う青年であり、離れて暮らしている父親が事故死をしたという連絡を受けて駆けつける。荷物を整理するために父親の部屋を訪れたティムの目の前に、父親のパートナーだった名探偵ピカチュウが現れるのだ。

この見た目はふさふさとした毛並みと可愛らしい瞳、ティムにしか聞こえないおっさんの声(ライアン・レイノルズ)で話す言葉にギャップがある。もちろん、コダック、バリヤード、ミュウツー、フシギダネにルンパッパといったポケモンたちが、ストーリーにどう絡むかにも注目であります。

青年ティムとピカチュウは、人間とポケモンたちが共存するライムシティへと向かうのだが、・・・。そこで起きる事件の謎とは?新米記者のルーシーの力も借りて手がかりを追って行く内に、大事件の衝撃的な真相に辿り着くのです。

他にもティムの父親ハリーの同僚だったライムシティの刑事、ヨシダ(渡辺謙)と出会い、彼は残されたティムのことを気に掛けているのだ。ですがあまり出番は少なかったです。それと、悪役にビル・ナイが出ていました。

いやぁ、驚いたのがピカチュウの声が“ピカピカ”というTVアニメなどで慣れ親しんだ声ではなく、おっさんの声であること。TVアニメでしか観たことのないファンには、しょうがないところだが、この設定は本作のベースとなるゲームに則っており、ゲームのピカチュウも中年男性の声なのだそうです。

誰もが夢見たポケモンと人間が共存する世界を現実にするため、ロンドンをメインにして、主にイギリスで撮影を敢行。市街地でカメラを回した場面もあれば、スタジオに建設された街並みを収めたシーンもあり、そのビジュアルは実に多彩です。スコットランドでも行われたロケでは、高原や湖、森の場面も収められ、辺境の様子もリアルに映し出されていた。ライムシティは、バラエティに富んだルックを持っているのだった。

自分の大好きなキャラのポケモンが、いつも傍にいるなんて最高ですよね。それに、事件を調べて行くうちに、父親が最後に行ったポケモンの遺伝子研究施設へと。そこでは、ハワード(ビル・ナイ)が捕まえたミュウツーから、自分の頭に精神を移してミュウツーの頭脳の能力をハワード自身に宿そうとしていた。

その遺伝子研究施設へ行き、ピカチュウが窮地に追い込まれて、体が動かなくなるような、死んでしまうようなシーンもあります。心配しながら、ライムシティへ運び、どうなるかと思っていたら、なんとあの“ミュウツー”が現れて、ピカチュウの身体に電流を流し入れて、無事に元どおりに回復するシーンは、感激でした。

ミュウツーがまたもやハワードの息子ロジャーに捕らえられてしまい、ハワードの頭脳を宿して人間やポケモンたちを襲うシーン。ハワードがライムシティでは、火を吐くラドン型のモンスターを使って、ポケモンたちと戦わせるという決闘シーンもあります。しかし、ティムとルーシーたちが、ハワードの頭のバンドを取ると、操られていたミュウツーが自分を取り戻すのです。

やはり何と言っても“ミュウツー”が強いのなんのって、可愛いモフモフでぬいぐるみのピカチュウが戦うのも見どころですね。

少しずつ強まっていく彼らのバディ感が、父親捜しのミステリーを盛り上げていて、お馴染みのポケモンたちが、次々と登場するライムシティの臨場感やアクションのスケール感は、ハリウッド映画だからこそですね。

5,6歳ころに母親が亡くなり、お婆ちゃんと暮らすか父親と暮らすかの選択に、お婆ちゃんと暮らす方を選んだティム。仕事に没頭していた父への、複雑な想いを抱えるティムの心の旅も描かれており、親子の物語としても見ごたえのある作品になってました。ラストは、ティムが父親へのわだかまりも消えて、仲良くなるのが良かったです。

2019年劇場鑑賞作品・・・73  アクション・アドベンチャーランキング

 

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メアリーの総て★★★・7

2019年02月11日 | アクション映画ーマ行

「マレフィセント」「ネオン・デーモン」のエル・ファニングがわずか18歳で『フランケンシュタイン』を書き上げた女流作家メアリー・シェリーを演じる伝記映画。19世紀のイギリスで、なぜ若い女性が恐ろしい“怪物”の物語を書くことが出来たのか、その傑作誕生に秘められた彼女の波乱の人生を、差別や偏見に立ち向かった一人の女性の物語として描き出す。共演はダグラス・ブース、ベル・パウリー、トム・スターリッジ。監督は「少女は自転車にのって」の女性監督ハイファ・アル=マンスール。

あらすじ:19世紀、イギリス。高名な思想家で小説家のウィリアム・ゴドウィンを父に持ち、自身も小説家を夢見るメアリー。父の再婚相手の連れ子クレアとは本当の姉妹のように仲良かったが、継母とは折り合いが悪く、見かねた父によって友人の家へと預けられる。メアリーはそこで、異端の天才詩人と噂されるパーシー・シェリーと出会う。互いの才能に強く惹かれ合った2人は、たちまち激しい恋に落ちるのだったが…。

<感想>ここでいう「メアリー」とは、19世紀の英国の作家メアリー・シェリーのこと。著名な詩人の妻と言うよりも、あの怪奇小説の古典「フランケンシュタイン」の生みの親と言った方が通りがいいのかもしれない。

それに、作品は少女の成長物語でもあるし、家族の影から外の世界へと踏み出してゆく女の子の物語でもあると思う。彼女の父親は偉大な作家で、彼女の母親はフェミニズムの先駆者。メアリーはそんな偉大な両親の陰に隠れて生きていて、怪奇小説が好きな村の鼻つまみ者として、父親でさえ怪奇小説なんて馬鹿らしいと言われていた。そんな女の子が、いまや誰もが知っている「フランケンシュタイン」を生み出すまでの物語となっていた。

この小説の誕生秘話については文学史上だけでなく、映画でも取り上げられた、ケン・ラッセル監督の「ゴシック」(1986)である。それと同様にここでも「フランケンシュタイン」が生まれるきっかけとなったスイス・ジュネーブの詩人であるバイロンの別荘での出来事が詳細につづられていくが、その一方で映画はメアリーが小説を書くに至った、波乱万丈の人生を丁寧に描いて行っている。

自分が産まれるまさにその瞬間に、文学的な才能豊かな母親が死んだという罪悪感や、妻子のある詩人シェリーと駆け落ちで奪い、その妻を自殺に追い込んだという自責の念、さらには自分の娘の病死や、バイロンの愛人となった義理の妹との奇妙な友情と生活。妹はバイロンの子供を妊娠しているが、バイロンは結婚をするとは言わないし、子供を認知すると言うのだ。そして、妹が出産の後死亡。

主人公のメアリーは、自由な精神を持っているしパワフルで感受性が豊かで、常にアンテナを張り巡らせて、あらゆることを必死にキャッチしようとしている。作家になるために生まれてきたような人だと思う。細部にわたるまで物事をこと細やかに見ようとする好奇心旺盛で、観察力が鋭い、特別な女の子だ。その過酷な人生経験をすべてぶっつけるように書かれたのが「フランケンシュタイン」だったのだ。

逆に言えば、「フランケンシュタイン」という小説の中には、自由への憧れや因習からの解放を目指す女性作家の悩みや苦しみなど、内面の葛藤が込められており、単なる怪奇小説の域を超えていると思います。

きっかけとなったのは、人間を死者から甦らせるという奇術を観た時から発想を得て、幼子を病死させた苦しみを小説に蘇らせようと描き、それが人造人間「フランケンシュタイン」である。

いうなれば、女性解放ののろしは現代人、それもまだまだ男女差別の激しい国や、地域の人々に大いなる刺激となったはずで、この映画の監督にサウジアラビア出身の若手ハイファ・アル=マンスールという女性監督が起用されたのも偶然ではあるまい。

200年前の女性作家と現代の女性監督が心を通わせるのも、時空を超えたこの小説世界だからこそであったと思います。

しかし19世紀初頭が舞台のこの作品に、新鮮な空気を吹き込んだのは、ズバリ21世紀を生きる女優エル・ファニングに違いない。文学的な才能あふれる信念と情熱の少女、これほどメアリーにぴったりなハマリ役のエル・ファニングの存在感に驚くばかりであった。

2019年劇場鑑賞作品・・・19  アクション・アドベンチャーランキング

 

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メリー・ポピンズ リターンズ★★★・5

2019年02月06日 | アクション映画ーマ行

ディズニー製作の1964年の名作ミュージカル「メリー・ポピンズ」の55年ぶりとなる続編。前作から25年後の大恐慌時代のロンドンを舞台に、3人の子どもの父親となったバンクス家の長男マイケルの前に、再びあの美しい魔法使い“メリー・ポピンズ”が現われ、子育てと借金問題に苦しむバンクス家の窮地を救うさまを、実写とアニメを融合した映像と華麗なミュージカル・ナンバーとともに描き出す。主演はエミリー・ブラント、共演にリン=マヌエル・ミランダ、メリル・ストリープ、ジュリー・ウォルターズ、コリン・ファース、ベン・ウィショー、エミリー・モーティマー、ディック・ヴァン・ダイク。監督は「シカゴ」「イントゥ・ザ・ウッズ」のロブ・マーシャル。

あらすじ:不況の嵐が吹き荒れる陰鬱なロンドン。かつてわんぱくな少年だったバンクス家の長男マイケルは、今では3人の子どもを育てる父親となっていた。しかし妻を亡くしたばかりで悲しみに暮れる日々。しかも折からの大恐慌で生活は火の車。追い打ちを掛けるように借金返済の期限が迫り、大切な我が家を失う危機に陥ってしまう。そんな時、魔法使いのメリー・ポピンズが風に乗って舞い降りる。昔と変わらぬ姿に驚きを隠せないマイケルと姉のジェーンに対し、涼しい顔で子どもたちの世話をしにきたと宣言するメリー・ポピンズだったが…。

<感想>1964年に公開された「メリー・ポピンズ」は、ミュージカル映画史に燦然と輝く永遠の名作となっている。劇中に登場した数々の名曲「チム・チム・チムリー」とか、ディズニーの夢と魔法がいっぱい詰まっていて、今の時代に観てもまったく古びていない。観ている間に自分も一緒に歌い出したくなっちゃうのだから。究極のハッピー映画なのである。

本作は、そんなメリーポピンズのその後の物語を描いた「実は55年ぶりの続編映画なのです。舞台は前作の物語から20年後のロンドン。今ではすっかり大人になったマイケルの危機を救うために、魔法使いのメリー・ポピンズが再び空から舞い降りてきたというわけ。

メリー・ポピンズと言うとパラソル片手に舞い降りて来るイメージがありますが、今回は末っ子の男の子が手放した凧を掴んで降りて来るんです。これも、前回のラストが凧あげというシーンだったからで、繋がっているってこと。

この凧が問題の鍵を解くヒントですね。銀行の株券が屋根裏部屋のどこかにあると、必死になって探すも見つからない。借金の返済期限が迫って来るし、家を追い出される家族たちはどうなることやら。

さすがに50年以上経っているから俳優は変わっている。新たな、エリー・ポピンズ役には、ホラーの「クワイエット・プレイス」(18)のエミリー・ブラントが。余りにも有名な役だけにプレッシャーもあったと思いますが、彼女なりにしっかりとメリー像を作り上げていた。ミュージカルは初めてなのに、ダンスと歌も上手いし、役柄にハマっていましたね。

そして、新キャラの街灯点灯夫のジャックには、リン=マヌエル・ミランダが良かったです。その他にも、コリン・ファースに出番は少ないけれど、メルリ・ストリープの歌とキレッキレなダンスもお見逃しなく。

でもマイケルの姉ジェーン、家政婦のエレン、隣の家に住む提督など、演じる役者は違っていても同じキャラクターが出て来るから、前作を知っているとさらに楽しめるようになっていました。

それに前作とは違う役だけれど、ディック・ヴァン・ダイクが特別出演(マイケルの叔父さん役)というファンには嬉しいプレゼントもありますから。父親のマイケルにはベン・ウィショーが扮していました。

監督はミュージカル映画の「シカゴ」や「イントゥ・ザ・ウッズ」のロブ・マーシャルで、本作では振り付けも担当していて、ジャックが仲間たちと街灯を点灯する群舞など、ダイナミックな見せ場はさすがでした。

メリーが子供たちをお風呂へ入れるところで、バスタブから海へと行ったり、絵画の世界へ飛び込んで動物たちと遊んだり、すべてが逆さまの家に入ったりと、豊かなイマジネーションの世界がいっぱい。子供だけじゃなく大人も童心に返って楽しめます。

音楽は、「ヘアースプレー」(07)のマーク・シェイマンが作曲を手掛けた劇中のミュージカルナンバーは、すべて本作のために書き下ろされた新曲。

でも、それらの曲のところどころには、64年版「メリー・ポピンズ」のメロディが織り込まれているから、新しいストーリーを堪能しつつ、旧作の素敵な思いでもフラッシュバック的に甦ってくる。だから懐かしいディズニーと最先端のディズニーを同時に楽しめる、2倍おいしい映画なのですね。

2019年劇場鑑賞作品・・・16  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ミスター・ガラス★★★・5

2019年02月02日 | アクション映画ーマ行

鬼才・M・ナイト・シャマラン監督が「アンブレイカブル」「スプリット」の続編として描く衝撃のサスペンス・スリラー。“スーパーヒーロー”は実在するのか、という問題を研究する精神科医のもとに“特殊な能力を持つ”と自称する3人の男が集められたことから巻き起こる予測不能の物語がスリリングに展開していく。主演はブルース・ウィリス、ジェームズ・マカヴォイ、サミュエル・L・ジャクソン。共演にアニヤ・テイラー=ジョイ、サラ・ポールソン。

あらすじ:フィラデルフィアのとある施設に自分をスーパーヒーローだと信じる男たちが集められ、精神科医のステイプルによってその真偽を確かめる研究が行われようとしていた。集められたのは不死身の肉体と悪を感知する能力を持つデヴィッド・ダン、凶暴で超人的な“ビースト”を含む24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン・ウェンデル・クラム、非凡なIQと生涯で94回骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラスという3人。ステイプルは彼らが精神を患い、あらぬ妄想に取りつかれているのだ、ということを証明しようと試みるのだったが…。

<感想>シャマランの最新作、前作の「スプリット」と怪作「アンブレイカブル」の、その後をまとめて描く奇想天外なサーガの完結編である。ホラーとスリラーのテクニックを自在に操り、観客を惑わしながらも「実は○○でした」と思わぬジャンルに誘導する達人なのだ。

一見怖いシャマラン映画だが、どこでギャグがぶっ込まれるのか分からない。明らかにやりすぎなシチュエーションや、突拍子もないセリフなど常に油断大敵であります。

シャマランはハリウッドで活動せず、ほとんど監督作の舞台を自宅がある米フィラデルフィア近くに設定する。地元への強いこだわりも個性を生む要因の一つ。本作でも3人が集められたのは、米フィラデルフィアにある研究施設です。

「アンブレイカブル」ではミスター・ガラスのシーンで、鏡やガラスの映り込みを巧みに使ったシャマラン。脚本だけでなく、映像演出にも凝りまくるのが彼の特徴なんです。鏡を駆使した演出は本作でも踏襲。不穏なムードを掻き立てるのだ。

それに「シックス・センス」の大成功から、最期に衝撃のどんでん返しというのが、シャマランのお約束と思われがちですが、ここでもどんでん返しを重ね意表を突く裏技を繰り出すこともあります。

物語は過去2作から生まれた3人の“超人”が一つの精神病院に集められる。すべては彼らの妄想だと証明しようとする精神科医ステイブル(サラ・ポールソン)によって“禁断の研究”が始まる。彼女は何を考えているのかさっぱりわからず。極めて不気味です。

果たして勝つのは精神科医ステイブルの理論か、それとも人智を超えた3人のパワーなのか?・・・。寒々とした色調とおかしなカメラアングルが、緊張を否応なく増すなかで、予想の斜め上下をいく物語となっていた。これぞシャマランと言うしかない。

主演は「アンブレイカブル」で運命の宿敵を演じたブルース・ウィリス&サミュエル・L・ジャクソンと、「スプリット」で24の人格をもつケヴィンを怪演したジェームズ・マカヴォイ。

ブルース・ウィリスのデヴィッド・ダンは、パワーを正義のために使うと決意。自身が遭遇した列車事故などがミスター・ガラスの計略だったと見抜き、彼を警察に突き出した。その後、何故か彼らと共に拘留される身に。能力は傷を負ってもすぐに治るなど人間離れした治癒能力と怪力をもち、また触れた相手の悪事を察知する能力も備えている。死んでもしなないスーパーヒーローの誕生物語だった。

 

サミュエル・L・ジャクソンのミスター・ガラスは、極端に身体が弱く、ガラスのように壊れやすいという理由で“ミスター・ガラス”を自称。アメコミに造詣が深く、自分と対立するような力をもつヒーローの存在を妄信している。能力は、ひ弱すぎる身体と引き換えに人並み外れた知能を得たと信じており、IQも非常に高い。手の込んだ陰謀や策略を得意とする。

 

ジェームズ・マカヴォイのケヴィンは悲惨な環境に生まれ育ち、23人の人格を宿すようになった。24番目が“ビースト”という凶暴な人格が覚醒したことで、人類に害をなす恐るべき存在となる。能力は、ビーストが覚醒することで、人格だけでなく体格も変化する。ショットガンの弾も通さない恐るべき肉体をもつモンスターと化すのだ。部屋の壁を這いずり回り、天井にもまるで蜘蛛人間みたいに自由自在に動くモンスターと言っていい。

また「スプリット」で、ケヴィンに監禁された美少女ケイシーのアニヤ・テイラー=ジョイの登場も明らかに。シャマランならではの一筋縄ではいかないサスペンスの全貌に、過去の作品を手掛かりに迫る。

完結編の「ミスター・ガラス」では最小限のヒーローとヴィランの対立の構成。シャマラン的な大風呂敷は控え目だが、それでも胸に迫るものがある。

「アンブレイカブル」ではブルース・ウィリス扮する“壊れない男”と、サミュエル・L・ジャクソン扮する“壊れやすい男”が、それぞれヒーローとヴィランとして設定されていた。ですが、今回の設定はそんなに単純ではないのだ。「スプリット」に登場した24人格者の超人的な人格ビーストの参入により、ある意味三つ巴の戦いにも発展する。もはや善悪の判断を超えた領域にドラマは踏み込んでいく。

誰が真の勝者なのかは観てのお楽しみだが、そこは意外性の王シャマラン。例によってバカらしくもあるのだ。ですが、この世界にキチンとオチを付けるばかりか、必死に行動する弱者の奔走でも夢中にさせるのだ。

アメコミを視野に入れつつも、その王道パターンとは異なる結末のヒネクレぶりも潔いのであります。

2019年劇場鑑賞作品・・・15  アクション・アドベンチャーランキング

 

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