パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

チャイルドコール 呼声 ★★★

2013年10月31日 | DVD作品ーた行
元夫のDVから幼い一人息子を守ろうとする女性をヒロインに、恐怖や疑心といった人間の心理を鋭くえぐり出すノルウェー発のサイコ・スリラー。息子への愛ゆえに精神がむしばまれていく母親を、『ミレニアム』シリーズで主要キャラのリスベットを演じたノオミ・ラパスが演じ、『ジャンク・メール』でカンヌ映画祭批評家週間最優秀賞を受賞したこともあるポール・シュレットアウネがメガホンを取る。危うい精神状態の母親を熱演するノオミの迫真の演技に注目。
あらすじ:夫の暴力が原因で、郊外に居住することになったアナ(ノオミ・ラパス)と8歳の息子のアンデシュ(ヴェトレ・オーヴェンニル・ヴァリング)。息子の安全のためアナは電器店で監視用音声モニターを買う。ある晩、モニターの混線により子どもの悲鳴を聞いたアナは、ほかの部屋で子どもが暴行を受けているのではないかと考え始める。

<感想>よく出来ているサイコスリラーです。世界一生活の豊かな国ノルウェーのどこの国にもある家庭内暴力を扱っていて、中々主人公のノオミ・ラパスが見せてくれます。保護監視プログラム、音声監視モニターなどの道具立ても用意周到に、物語はうまく仕組んであると思う。
ポール・シュレットアウネ監督の語り口も妙なケレン味を使ってないのがいい。監督自ら演じている男、主人公の彼女の置かれた状況が自分の母親との生活と似ており、つい同情して彼女の被害妄想にも付きあっていく。それより何よりも主演のノオミ・ラパスの演技が見もので、「ミレニアム」シリーズもそうだったけれど、どこか病的な感じを体の芯から出していて、圧倒的な存在感を示しているのだ。

ノルウェーの建物、青白い色調で、北欧的な無駄のない冷たい感じがする部屋の様子、調度品などを背景に、夫の暴力より逃れてきた母と子が何かに怯えながら暮らしている。しかし、この母親は働いてない様子。何かが変だと気になり始め、勘のいい人はもしや?・・・と気づくはずです。
大人から子供まで誰もがいかにも意味深な様子で、気を許して見ていられる人物が一人も出てこない。それがスリリングな緊張感に繋がっていればいいのだが、ただ重苦しい不快感が募ってゆくのが恐怖を煽って恐ろしくなる。
アナ個人の妄想と真相が入り交る構成は、基本となる事実の語りをおろそかにしがちになっており、本作でも怪しげなカットを断片的に並べておいて、あとは見た人の脳内でつなげて下さいという、うやむやにしているところが多いのが残念ですね。

タイトルの小道具も品質の悪さと店員の不手際をあらわにしたような気がした。チャイルドコールという無線機みたいなもの、ベビーベットの傍に置き、赤ん坊の泣き声とか別の部屋で聴いて、急いで駆け付ける母親。それが、彼女の妄想で現実ではなく、息子はすでに亡くなっており、聞こえてきたのは50メートル四方の虐待を受けている子供の声だったという、そして、アパートの駐車場で寝袋に子供の死体を入れて車で持ち去ったという現実。
森の中で、湖があったと思ったのは駐車場だった。しかし、その傍に子供を埋めていたのは本当のことだったとは、彼女が被害妄想で神経がいかれているといわんばかりに、アパートの管理人も児童福祉の人たちも彼女の精神状態を異常だと思っているから、よけいにややこしくなり、親切にしてくれた男と親しくなったのに、結局は自殺を選んでしまったことが、見ていて悔やまれてならなかった。
2013年DVD鑑賞作品・・・42  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
トラックバック (5)

ノー・ワン・リヴズ ★★★

2013年10月29日 | アクション映画ーナ行
『あずみ』『ゴジラ FINAL WARS』などの北村龍平監督のハリウッド進出2作目となる、冷酷な殺人鬼へと化した男が惨劇を繰り広げるバイオレンス・アクション。恋人を殺されたことをきっかけに恐ろしい本性が目覚めた主人公が、ギャングを次々と血祭りに上げる様子を描いていく。主演は、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』『インモータルズ -神々の戦い-』のルーク・エヴァンス。殺りくシーンをふんだんに盛り込んだ、容赦ないスプラッター描写が見ものだ。

あらすじ:ハイウェイをたまたま通りがかったカップルをギャング・グループが襲撃、拉致監禁し、女性を殺害する。彼らにとってそれはいつも通りの出来事のはずだったが、奪った車のトランクには全米を震撼させている事件の行方不明者エマ(アデレイド・クレメンス)が囚われていた。

高額賞金が掛けられたエマの発見に喜びを隠せないギャングたち。しかし、恋人を殺された男(ルーク・エヴァンス)には、恐ろしい本性が隠されていた。加害者と被害者の立場が逆転し、流血、殺戮のバイオレンスはさらに加速。冷血な殺人鬼へと変貌した男は、ギャングをひとりまたひとりと死に到らしめていくのだった……。
<感想>北村龍平監督のハリウッド進出第二作だそうである。正直なところ、この作品のレビューにどう書こうか迷っているのだ。何ともいただきかねるからで早い話が酷い内容でB級映画といってもいいところ。
シナリオが悪すぎる。殺人鬼が強盗一味に復讐するお話とだけ分かればいいというものではなかろう。演出もあざといし、余りに過剰な暴力と流血に気分が悪くなること請け合い。

おまけに役者が冴えない。でもエマ役の「サイレントヒル:リベレーション」「ヴァンパイア」に出ていたアデレイド・クレメンスがエマ役を演じて頑張っていた。
北村監督だけに映像はエッジが効いており、鮮明でつぶさなスプラッタ描写はもちろんのこと、アクション演出やカット割りのセンスも光っているのだが、いかんせん敵がサイコ殺人鬼のワンテーマで、それをルーク・エヴァンスの一人舞台で引っ張り続けるにはどうも難があるようだ。

対するギャンググループも内部崩壊して仲間割れ、犯人像と被害者のドラマを、脚本の設定以上にふくらませるところまではなかなかいけずで、バランスのゆがみさが惜しいきがした。そしてホラーに於いては、ハイテクに頼った途端にその恐怖が半減してしまっているところもダメ。
田舎街で嫌な感じの強盗団にからまれるカップル、ありがちな導入だが、話の進行につれ被害者的立場のほうが圧倒的な加害者として立ちはだかり、その悪の面々を壊滅してゆくのがこの映画の痛快なところ。

それが血生臭い暴力の祭りであったとしても、その安っぽさ込みで十分エキサイティングには違いない。強盗団の巨漢デブを殺す残虐さ、そのデブの内臓を取り払い、自分がその体の中へ入って敵陣へと乗り込む。それに、強盗団の父親がルークに殺されるところなんて、ミンチの機械のなかへ頭から入れて細切れにするシーンもグロイなんてもんじゃない。
もちろん日本では実現困難な活劇の内容がいっぱい詰まっている。そしてその殺人鬼の誘拐し育てたと思しき別の被害者の女・エマが今度は主人公を襲うという展開。
ラストはけじめはきっちりとね、一人生き残った強盗団の男が病院へと、その病院へ医師の格好をして忍び込み殺す。エマの脇腹に埋め込んだGPSはもう必要ないのかい。警察にはエマは強盗団に捕まったといっていたが、身代金200万ドルはいらないのか。そこんとこハッキリしてよね。金じゃないのか、飼育したかっただけか?ペットじゃないんだから。
2013年DVD鑑賞作品・・・41  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
トラックバック (2)

ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区 ★★

2013年10月28日 | は行の映画
ポルトガルにある世界遺産「ギマランイス」を舞台にした物語を、マノエル・デ・オリヴェイラ監督ら4人のヨーロッパの巨匠が紡ぐオムニバス。孤独なバーの男を主人公にしたアキ・カウリスマキ監督のコメディー「バーテンダー」、1974年のカーネーション革命を背景に黒人と亡霊の会話を描くペドロ・コスタ監督の異色作「命の嘆き」。
閉鎖された繊維工場跡地で元従業員が思い出を語るビクトル・エリセ監督のドキュメンタリー「割れたガラス」、ギマランイス城を舞台に観光客の行動をユーモラスに描くマノエル・デ・オリヴェイラ監督作品「征服者、征服さる」の、4本で構成される。世界でも屈指の歴史的名所で撮影をしながら、どの短編にも監督の独自の世界観が色濃く刻み込まれている。

あらすじ:ギマランイスのとあるバー。男は朝からランチのための仕込みを行い、客を待っていた。しかし、近所のレストランに次々と客が吸い込まれていく様子を男は目にする(『バーテンダー』)。クーデターに参加したアフリカ系移民労働者の青年ヴェントゥーラ。森で倒れてしまい、その後精神病院に収容された彼は過去の亡霊と出会う(『スウィート・エクソシスト』)。

感想>地方でもミニシアターで上映。ポルトガルとその歴史に、特に関心のある人は別にして、一般の映画ファンは、果たしてこの題材とこのタイトルに興味を示すかどうかである。案の定、客席は2人で今週で打ち切りでしょう。
ポルトガル発祥の地を描く企画に、四者四様のアプローチを見せる興味深いオムニバス。長さも、画面サイズも、手法も違うのに、その不均衡が絶妙の調和をかもしだす並びがすごいのかもしれませんね。
まぁ、それはともあれ、ここに名を連ねる4人の監督の顔ぶれは凄い。なんといっても、104歳になるマノエル・デ・オリヴェイラ監督のコメディ調のその迷いと無駄のない偽装された観光映画。無人の広場から観光客の集団がわいてきて、やがて固まりとなって移動し始める。

その一連の現象だけで映画を観ているなぁと実感できる贅沢さ。かつては観光地でカメラを向ける日本人の姿が、揶揄されたけれど、今や誰もがどこかでスマホで静動画を撮影する時代。巨匠のユーモラスな映像に救われます。
異才ペドロ・コスタ監督のカーネーション革命の闘いは今もまだ続いているという政治的メッセージなのだろうが、その突飛な歴史への視線は当然として、ビクトル・エリセ監督の群衆写真の前でのインタビューが労働者階級の悲哀を浮かび上がらせていく迫真性など。

そして、アキ・カウリスマキのさりげない日常描写のコミカルな味わい。なぜフィンランド出身のカウリスマキと思ったら、彼は現在ポルトガル在住なんですね。
ポルトガル最初の王の銅像を通して、見る見られる関係性のアイロニーで締めくくられる。

そして曲者たちの仕事ぶりだが、どうも最高の出来とは思えない。個人的にはエリセの作品にちょっと惹かれたけれど、他は興味が薄れて辛いものがある。
2013年劇場鑑賞作品・・・308 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


人類資金 ★★★

2013年10月27日 | アクション映画ーサ行
『亡国のイージス』『大鹿村騒動記』などの阪本順治が監督を務め、原作の福井晴敏と共に脚本も担当したサスペンス。いまだ、その存在が議論されている旧日本軍の秘密資金、M資金をめぐる陰謀と戦いに巻き込まれていく男の姿を活写する。佐藤浩市、香取慎吾、森山未來をはじめユ・ジテやヴィンセント・ギャロら、海外からのキャスト陣を含む豪華な顔ぶれが結集。彼らが見せる演技合戦はもちろん、壮大で緻密な展開のストーリーも見もの。
<感想>10兆円あれば、世界を変えることができる?・・・途方もなくスケールの大きな冒険に挑む男たちの経済ドラマ。物語の発端は、第二次世界大戦の敗戦間際に日本軍が持ち出したと言い伝えられるM資金。都市伝説化している莫大な額の金塊だが、主人公たちはこの金塊を元手にして行き詰まりを見せる資本主義経済を軌道修正しようとする。

世界最貧国であるカペラ共和国へ、ある物資援助を行うことでグローバル経済の均衡を崩してしまうことが狙いなわけなのだが。しかしだ、この映画大胆なことにM資金ありきで話が進んでいくところ。あるのかないのかなんてサンスペンスは飛ばして、その先の話、そもそもM資金とはいいつつも、舞台は戦中戦後ではなくて「現代もの」なのだ。
通称“M資金”、その都市伝説めいた話を使い詐欺を働き続ける男が、ある財団との出会いで“M資金”強奪の壮大なる計画に巻き込まれることに。「実在するM資金を奪い返して欲しい」と頼まれ、報酬に何と50億円とはおいしい仕事。
ロシアに向かった真舟は、北方領土をエサにM資金を母体とする投資会社に近づく。
やがて防衛省の秘密組織やアメリカの刺客からも命を狙われ追われる身となるが、彼は徐々にM資金の実態に迫っていくのである。

世界規模のマネーゲームの渦中の人物となる詐欺師、真舟には佐藤浩市がなりM資金に翻弄される男の姿を見せつける。そしてM資金の真相のカギを握る謎の男“M”を演じたのは香取慎吾。だいぶ前から英語を習っていたその会話が役に立つ、ミステリアスな役の一面を披露している。

そして、“M”の腹心、石を演じたのは森山未來。真舟と男同士の絆で結ばれてゆく様は骨ぽくて、森山が英語でロングスピーチを行う国連の会場では、流ちょうな英語でインテリジェンスに、若手実力派の力を発揮して迫真の演技で魅了させる。
更には、防衛省秘密組織の工作員(通称・市ヶ谷の工作員)に観月ありさが、身体能力抜群で実は、“M”の恋人である。そしてCIAハリー遠藤を演じる豊川悦司、ハロルドが依頼する暗殺者の遠藤には、韓国俳優のユ・ジテが演じていて、豊川の孫にあたる役どころ。

アメリカから真舟らを監視する欲深き大手投資銀行員のハロルドには、話題となったヴィンセント・ギャロが演じて、日本の俳優さんたちみんな英語が上手いのには感心しました。特に投資顧問会社の代表、笹倉暢彦を演じた仲代達矢さんの円熟味ある演技と流暢な英語にはびっくりですから。

それに、すぐさま殺されるが、海外の貧しい国に支援物資を送り続ける元日銀、現ベンチャー企業代表の本庄を演じた岸部一徳さんも素晴らしい。

その他に、ロシア極東ヘッジファンド代表のオダギリジョー、真舟の相棒、ヤクザの酒田に寺島進が結構役に立つのだ。

そして、日本、ロシア、アメリカ、タイでのロケを敢行。アメリカでは各国から5000人ものエキストラが参加して、マイナス18℃の極寒のロシア、灼熱の太陽が照りつけるタイ、これらの過酷な状況下でのロケを、足掛け2年、撮影実数わずか32日という強行なスケジュールで実行したというのだから。
これまで公になったことのない「M資金」に関するサスペンスフルな展開、そこに複雑に絡んでいく奥深き人間ドラマ。スタッフたちの熱き思い入れ、俳優たちの集中力が、スクリーンを通して緊張感とともに見る者に伝わってきます。
2013年劇場鑑賞作品・・・307  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (12)

ブロークンシティ ★★★

2013年10月26日 | アクション映画ーハ行
『テッド』などのマーク・ウォールバーグと『グラディエーター』などのラッセル・クロウ共演によるクライムサスペンス。ニューヨーク市長から妻の浮気調査を頼まれた私立探偵が、それをきっかけに欲望にまみれた汚職事件に巻き込まれていく姿を追い掛ける。メガホンを取るのは、『フロム・ヘル』『ザ・ウォーカー』のアレン・ヒューズ。『シカゴ』などのキャサリン・ゼタ・ジョーンズが、物語の鍵を握る市長の妻役で共演する。先読み不可能なストーリーはもとより、実力派たちが繰り出す演技合戦にも注目。

<感想>仙台市内のシネコンでは上映していないので、隣町の109まで行って鑑賞。何故かって、ラッセル・クロウにキャサリン・ゼタ・ジョーンズでしょう、それに「テッド」で一躍有名になったマーク・ウォールバーグが出演しているからね。
お話は、善良な仮面の下に裏の顔を隠し持つNY市長の仕組んだ陰謀に、たった一人で立ち向かう私立探偵の戦いを描いたクライム・サスペンスになっている。現役のNY市長にラッセル・クロウが演じて、腹黒い悪を演じていて、その妻にはキャサ・ゼタが、相変わらず美容整形で仮面のようになった美貌でそれなりに美しいです。

そして、市長の悪事を暴く私立探偵にはマーク・ウォールバーグという配役で、実は7年前に少女レイプ事件の犯人を射殺してのだが、それは正当防衛で無罪判決を勝ち取るも、警察署長とNY市長の利害関係から強制的に退職に追い込まれるわけ。それで、現在はしがない探偵稼業に身をやつしている。

そこへ、ホステラー市長から妻の浮気調査をして欲しいと依頼される。NY市長選挙まで後数日なのに、妻のスキャンダルが流出してしまったら自分は相手の対立候補に負けてしまう。
対立候補のヴァリアント(バリー・ペッパー)は、ホステラーが推進する再開発計画に対して、数万人の家を奪う暴挙だと徹底攻撃する。そのホステラーが開発計画の建物が、7年前にその建物で少女レイプ事件がありマークが犯人を射殺してしまったところなのだ。

古い建物で入居者も黒人たちとかで、そのビルを新しく立て直して高い賃料で金儲けをしようと考えていたのだが、・・・実際に居住している人たちの、今後の移転先も考えていなく追い出そうとしている。
それで、市長の奥さんの浮気調査に事件で警察をクビになったマークの所へ仕事を依頼したわけ。それも報酬が5万ドルとは、何かきな臭いウラがあるような気がしたのだが、一応浮気調査をして見ると、なんと選挙の対抗相手ヴァリアントの右腕のアンドリュースだったということを突き止める。
しかし、市長夫妻の仲は仮面夫婦のようで、お互いに夫婦を装っているだけ。ですが、その密会の写真を見て激怒するホステラー、すぐさま殺し屋を仕向けたに違いありません。翌日、アンドリュースは殺され、その背後に開発計画をめぐる利権があることを知ったマークは、ホステラーの企む巨大な陰謀を叩きつぶすべく立ち上がるのです。
それにしても、しがない私立探偵事務所に可愛い美人の秘書がいるんですよ。アロナ・タルという女優さん、てきぱきと動くし、頭の回転も速いしで情報収集の腕もいいし、実にこんな事務所の秘書にはもったいないと思える彼女。

さて、ラッセル・クロウのNY市長役もサマになっていて、びしっとスーツを決め込んで選挙演説も堂々として上手い。対立候補とテレビでの討論会のシーンでも、クロウの方が断然上手いのだ。
そこで、探偵のマークもバカじゃなかった。よくよく考えれば、奥さんは浮気なんてしていなくて、その相手が直ぐに殺され、その場所に自分の友達がいて大事な秘密書類を持っていることを明かす。

その書類を見たマークは、ホステラー市長に会いに行き選挙に勝ち目がないことを話すのですが、反対にマークの7年前の射殺現場のビデオテープ見せつけるんですね。ホステラーにしてみれば、こんな若造どうにでもなると言わんばかりに、金で解決するというふうに。しかしですよ、それでも彼は市長の陰謀を暴くために、自分が犯してしまった犯人の射殺を認めて、刑に服すことに決めるんです。大都会のNYを仕切っている男に、俄然立ち向かっていく正義感丸出しのマークに、軍配が上がる痛快なドラマです。
2013年劇場鑑賞作品・・・306  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (9)

グランド・イリュージョン ★★★★.5

2013年10月25日 | アクション映画ーカ行
ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンら豪華キャスト共演で、大金を盗み出した4人のマジシャンとFBI捜査官らの攻防を描くクライムエンタテインメント。カリスママジシャンのアトラスをリーダーとする4人組スーパーイリュージョニストグループ「フォー・ホースメン」が、ラスベガスでショーをしながら遠く離れたパリの銀行から金を奪うというマジックを披露し、観客を驚かせる。FBI捜査官のディランとインターポールのアルマは、彼らがさらなる強盗を働く前に阻止しようとするが、フォー・ホースメンのイリュージョンを見抜くことができない。捜査陣はマジックの種を暴くことで有名なサディウスという人物に協力を依頼するが……。監督は「トランスポーター」「タイタンの戦い」のルイ・レテリエ。

<感想>スーパーイリュージョンの真っ最中に、トリックで現金を強奪してしまう型破りな奇術師たちが活躍する新感覚エンターテインメント。天才マジシャンのJ.ダニエルには、ジェシー・アイゼンバーグが。

脱出の女王ヘンリーには、アイラ・フィシャー、そして凄腕の催眠術師メリットには、ウッディ・ハレルソンが。

それに最年少のハスラージャックにデイブ・フランコが、という4人が組んだ「ホースメン」は、ラスベガスでのショーの最中にパリの銀行から札束の山を盗み出す。前代未聞のショーに観客は熱狂し、アリバイを崩せない警察はカンカンに。
続くニューオリンズのショーでは、悪徳実業家トレスラー(マイケル・ケイン)から大金を奪い取り、瞬く間に観客の銀行口座に移し替えたのだ。奇跡を呼ぶ4人は人気爆発、義賊としてもてはやされる。

特別捜査官には、ディラン(マーク・ラファロ)とフランスから来たインターポールのアルマ(メラニー・ロラン)を含めたエリートチーム。だが、いつもホースメンに裏をかかれてばかり。コケにされまくった特捜班は、助っ人のサディアス(トリック破りの名人モーガン・フリーマン)を味方に付ける。
NYでのラストショーを予告した4人の真の目的とは?・・・。犯罪ドラマにありがちな暗い描写がまるでなく、4人のトリックはまさに豪華絢爛。もう、最後の最期まで気持ちよく騙されようではないか。

フォー・ホースメンがパリの銀行から金を奪うシーン。ラスベガスでのショーの最中に、ホースメンが観客の一人を瞬間移動させ、パリの銀行から現金を失敬したのは、これは魔法なのか?・・・。やっぱりね、なるほどというような、最後にトリックの謎解きが映し出されます。

VFXを使わずリアルに仕上げたいということで、ジェシー・アイゼンバーグが実際にマジックの技を身につけるために、デビッド・クォンという世界屈指のマジシャンに数週間指導を受け、指先のテクニックだけで演じるから、身体に無線機を装着してイリュージョンを演出する大掛かりなものまで、複雑なトリックを何種類も教わったそうです。その成果は、路上パフォーマンスの場面や、FBIの取り調べ室でディランらをおちょくるシーン、カメラがステージの上を複雑に動き回るラスベガスのシーンなどで発揮されているとのこと。

一芸に秀でた奇術師たちの期間限定のスーパーユニット。4人が組むのはお金儲けのためではなく、意外な目的があった。不可能と思われる犯罪を重ねる大胆不敵なマジシャン集団と、そして、4人に招集をかけた5人目のホースメンが存在するのです。
その5人目のホースメンの存在が明らかになる時、なるほどこんなに身近にいる人物とは、ネタバレになってもいいのですが、一応是非自分の眼でご覧になって下さい。私は完全に騙されてしまいましたけど。
マジックの歴史に関する神秘的なモチーフを絡めた物語が、派手なショー・シーンやルイ・ルテリエ監督らしい躍動感のあるチェイスを挟みながらテンポよく進み、驚くべき結末=種明かしに至るのです。しかし、カギ開け名人のデイブ・フランコが逃走中に車が横転して死んでしまうとは思ってなかったので、最後に出て来て嬉しかった。
主演のジェシー・アイゼンバーグの早口な台詞回しが語るように、本作はいわば「映画全体がトリック」なんですね。観る側に自然とフォー・ホースメンのマジックを見破ろう、事件の黒幕を見つけさせようとして、そして華麗に裏切るわけ。最後まで面白くて飽きない映画で惹きつけられますから。
2013年劇場鑑賞作品・・・305  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (40)

偽りの人生 ★★★

2013年10月24日 | あ行の映画
ビゴ・モーテンセンが一卵性双生児を1人2役で演じたサスペンスドラマ。第82回アカデミー外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」(2009)のプロデューサー陣が製作、同作のヒロインを演じたソレダ・ビジャミルも出演。
<感想>一見シンプルなようでありながら、妙にそそられる意味深な邦題が付けられている。「偽りの人生」=“真実の人生”をもとめて。自分のあるいは、他者の意志を尊重しつつ重ねた選択を経て、今現在の生活を、一切の不安や不満を覚えることなく自信を持って立っていられる人間がどれほどいるのであろうか。

本作の主人公であるアグスティンも、まさにそうした袋小路に陥った人物の一人である。誰からも信頼される医師として毎日を忙しく過ごしながら、輝かしいキャリアを誇る美しくエネルギッシュな妻と共に、ブエノスアイレスの高級マンションで暮らし、傍目には何不自由のない優雅な人生を送っているかのように見える。
しかしながら、その実情は、結婚から8年を経ても未だに子供に恵まれず、夫婦関係にはかげりが見え隠れしているのだ。養子縁組に躍起となる妻を横目に、父親になれる器ではないと自覚しているアグスティンは、眠れぬ夜をアルコールでまぎらしつつも、一人自室に引きこもってばかりいる。

そんなどん底であえいでいた時に、長らく音信不通であった双子の兄貴、ペドロが目の前に突然現れる。末期がんに冒されていて余命いくばくもないと、衝撃の告白をしたのにつづき、殺して楽にして欲しいと弟に懇願するのだ。
思いもよらぬ突然の頼みにひるみつつも、衝動的に風呂に入っている兄貴をバスタオルで窒息死させて殺してしまう。
それからは、その兄のペドロに成りすまし、久方ぶりに故郷へと足をふみいれるのだが、表向きの養蜂家としての肩書の陰で、腐れ縁の昔馴染みらと共に深刻な悪事にも手を染めていた兄の裏人生が、何も事情を知らずにいた弟に重苦しくのしかかってくる。

これは、うり二つの双子がある事情で入れ替わるという設定は、映画的には定番とは言え、これまでも何度か数多く挑んできたと思われる。
今回一人二役で、おなじ外見に正反対の内面を潜ませる特異なキャラクターを演じるのは、幼少のころ過ごしたと言う懐かしい国、アルゼンチンに錦を飾るビゴ・モーテンセン。

対照的な人生を送って来たこの双子の役に対しても、幼少期からの確執の末、アグスティンとペドロが対峙することになる緊迫感あふれるシーンでは、弟のアグスティンの鬱々とした精神状態を反映してか、序盤の清楚な医者とは違い、髭を伸ばし放題のペドロと同じく髭を生やしているため、髭ずら同士という兄弟対決と相成る。
おのずと演技的なハードルも上げられるのを楽しんでいるような、重病とはいえただ者ではないオーラをギラつかせる兄と、いくつになっても兄に頭が上がらない気弱な弟を、内向的な芝居で声色や眼光の微妙な加減で見事に演じ分けているのは、カメレオン俳優であるモーテンセンの真骨頂であると見た。

監督の思いでの地であるというアルゼンチン北部に位置するデルタ地帯が、因縁や宿命に否応なく絡めとられてしまう。物語の舞台として異様な説得力を放っているようでもある。
あらゆる秘密やよからぬ噂話が、ひっきりなしに行き交う船や水の流れに乗って、島全体につつぬけなるかのような剥き出しの無防備さと、行けども行けども霧、もやがかった見とうしの悪い眺めが続く、息の詰まる閉塞感。どうやらペドロは悪友たちと人を誘拐して身代金をふんだくるという悪どい仕事をしている。

劇中でも希望と絶望とが生々しく交錯する場所の名称として用いられている「エル・ドラド=黄金郷」を求め、ここではない何処かへの旅立ちをいつか夢見て、理想と現実との間で葛藤する人々のやるせない心情を、美しくもグロテスクなロケーションが物語っているようでもある。

安定した暮らしを手に入れてもなお、生きることに価値が見いだせずにいた弟のアグスティンが、刹那的だが気の向くままに生きてきた兄のペドロの人生を借りて、新たに生き直すことで、かけがえのない存在にも出会い、自らの殻を打ち破っていく。
人生、一度きりしか生きられないものである以上は、挫折や後悔、嫉妬や憧れをひたすら膨らませて作り上げた、ありもしない真実の人生に思いを馳せたまま、地道に歩んできたはずの“偽り”の人生を未練たっぷりに終えてゆく。
そんなふうに人生の最期を迎えるときに、人は振り返って思うものかなぁ。理解不能な生き方に憤りを感じた。
2013年劇場鑑賞作品・・・304 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (8)

モーターウェイ ★★★.5

2013年10月23日 | アクション映画ーマ行
香港ノワールの巨匠ジョニー・トーが製作に名を連ね、『頭文字[イニシャル]D THE MOVIE』のショーン・ユーとアンソニー・ウォンが共演したアクション。人並み外れた運転テクニックを持つパトカー隊員が裏社会の逃がし屋へ屈辱を晴らすため、定年が間近に迫る元エースドライバーの協力を得て因縁の戦いに挑む姿を描く。監督は、『軍鶏 Shamo』『アクシデント』のソイ・チェン。香港市街で繰り広げられる超高速カーチェイスや、車1台分の道幅を直角ターンするなど超絶テクニックの数々に息をのむ。

あらすじ:覆面パトカーチームに所属する警官ショーン(ショーン・ユー)は、指名手配中の「逃がし屋」ジョン・サン(グオ・シャオドン)を激しいカーチェイスの後、逮捕する。しかし仲間を逃すためわざと捕まったジョン・サンは、すぐにほかの犯罪者を連れて脱獄。打ちのめされたショーンは、定年直前のロー(アンソニー・ウォン)が以前チームで突出したドライバーだったことを知り、リベンジを果たすために彼に協力を求める。

<感想>何だか巨匠ジョニー・トー制作というだけで、レンタルしてきた。しかし、観てみると意外にも大当たりで、ノワール度の高い本格カー・バイオレンス満点の仕上がりになってました。いうに「ワイルド・スピード」のような朝焼けの埠頭で車と車がド突きあう壮絶なラストは、まさに“カー・バイオレンス”という言葉がぴったりでした。
監督は「ドッグ・バイト・ドッグ」(06)以降なんとなくパットしない『軍鶏 Shamo』『アクシデント』のソイ・チェン。主演は浜崎あゆみとの熱愛が噂されたという(古い話)ショーン・ユー。「レイン・オブ・アサシン」とか「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」に出ていたイケメンの兄ちゃんです。それに我らが兄貴アンソニー・ウォンと一緒に組んでの、バディムービーでもあります。

夜は走り屋としてブイブイいわせ、昼間は覆面パトカーの警官として交通違反車両を片っ端から取り締まり、二足のわらじで暮らしているイケメンのショーン・ユー。
そんな若さ溢れるショーンを尻目に、定年退職間近の老警官のアンソニー兄貴。
ところが、彼らの前に突然伝説の「逃がし屋」のジョン・サンが現れるという筋書き。

カー・バイオレンスだけに、一方通行な展開で、車同士がスピードやテクニックを競うだけでなく、カンフー映画なみに激突なんかします。
そして、やる気のない給料泥棒に見えてたアンソニー兄貴は、実は超絶ドライビングテクの持ち主だったなんて、若手のショーンにそのドライビングテクを仕込み、何度も伝説の「逃がし屋」にチャレンジするわけ。
警察のバリケード、剣山のようなものも踏むことなく横滑りして、後ろからきたパトカーがその剣山でパンクして立ち往生するという。何しろ凄腕のドライバーなので、追い掛ける警察も殉職者が続出で適いません。
そのさ中で、アンソニー兄貴もショーンの爆走っぷりに感化されて、再びハンドルを握ったりする熱い物語が展開します。しかし、寄る年波には勝てないっていうか、ジョン・サンの車を追いかけて、車のオイル漏れかなんかで自分の車が横滑りをしてコンクリート壁に激突して殉職してしまうのです。

悔しがるショーンは、兄貴の言っていたドライビングテクニックで、駐車場に入ったジョンの運転する車を追い掛け、狭い駐車場の小回りを兄貴から教えられたテクニックで抜け出し、犯人を追いつめ逮捕するという結末。
派手な音楽は一切使わないというこだわりの演出が、唸りまくるエンジン音を際立たせて、高級車をバンバン出してぶち壊しまくろうぜ。なんて、マイケル・ベイ的な発想ではなく、「ワイルド・スピード」のような硬派なムードが全篇に漂っていいです。
追われる者と追うもの、両方プロフェッショナルな感じがマイケル・マンの映画を思い起こさせますね。淡々としながらもアグレッシュなエンディング曲もカッコよくて、89分と短くて中身の濃い文句なしで面白いですから。
2013年DVD鑑賞作品・・・40  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
トラックバック (1)

クロワッサンで朝食を ★★★.5

2013年10月22日 | か行の映画
『死刑台のエレベーター』や『突然炎のごとく』などで知られる大物女優、ジャンヌ・モローが主役を演じた味わい深い人間ドラマ。年齢や性格や境遇が全く異なる2人の女性が、ぶつかり合いながらも次第に心を通わせていく過程を描き出す。パリで次第に輝きを取り戻していく家政婦を、エストニア出身の女優ライネ・マギが好演。ジャンヌの演技や、生きる喜びを思い出させてくれる物語に魅了される。
あらすじ:エストニアの小さな町で暮らすアンヌ(ライネ・マギ)は、2年間付きっ切りで介護をしていた母親を亡くし放心状態だった。そんな折り、多少フランス語が話せる彼女にパリでの家政婦の仕事が舞い込んでくる。意を決して憧れのパリに向かったアンヌを、しゃれたアパートで待っていたのは、気難しいエストニア出身の老婦人フリーダ(ジャンヌ・モロー)だった。

<感想>だいぶ前に鑑賞したのだが、投稿が遅くなってしまった。老婦人フリーダを演じるのは、85歳になるジャンヌ・モロー。歩く姿がもう年齢を表しているかのような、それでも目いっぱいお洒落して、シャネルのファッションに身を包み、圧巻の演技で魅了する。
そしてこの映画を支える家政婦アンヌ役、ライネ・マギのキラリと光る演技の素晴らしさ。二人の老女優が織りなす老老介護の有り方などを考えさせる作品です。
家政婦なんて雇った覚えなどないと、意地を張って意地悪な言葉を投げつけるフリーダ。自分の老い先が短いことを知っているのに、そんな彼女のことを心配して彼女と同じ故郷のエストニアへ介護士を派遣した若き男ステファン。彼はフリーダの愛人であり、カフェを出してくれたパトロンでもある彼女のことを、年老いても愛しているのだ。

だから、アンヌの給料も前払いでステファンが支払ってくれて、フリーダの世話を頼むのだが、なにせ気難しいお年より。介護施設に入るのは嫌だと自分のアパートで一人で住んでいる。
そのアパートの中は、ココ・シャネル自宅にあったコロマンデル風の屏風や、60年代の手縫いのイヴ・サンローランのカーテンなど優雅なインテリアで埋め尽くされている。もちろん、ジャンヌ・モローの洋服もすべて彼女のシャネルファッションなのだ。

物語は、老いたフリーダが我儘を言っては、次から次へと介護士を取り換えて困り果てたステファンが、彼女の故郷エストニアから呼び寄せたアンヌに希望を託すのだが、・・・何度かアンヌも彼女の意地悪な我儘で居づらくなり出ていくことに。

年をとると確かに自分の思うようにはいかない。それを介護してくれる人に当たり散らすのは言語道断なのだが、一度は睡眠薬を多量に飲み自殺未遂事件を起こした彼女。愛人のステファンにしても、若い時は愛し合いパトロンとして受け入れ、男女関係もあったのだが、こうも老人になると自分の親でも手を焼いてしまうのだ。

フリーダのアパートの近くに店を構えているので、何かあれば直ぐにでも飛んで来る優しいステファン。そんな彼の存在も、お金に不自由のないフリーダの生活にも、少しは羨ましさを感じたこともあったろうに。そんな我儘な老婦人フリーダの心を和らげ仲良く暮らすには、自分と同じ故郷エストニアの友達を呼んでお茶会でもと。それが裏目に出てしまい、喧嘩になり、どうしてかと言うと、呼んだエストニアの友達の旦那と浮気をしたらしいフリーダ。昔はとんでもない破天荒な彼女だったらしいのだ。
それでも、ステファンの店へ二人で着飾ってお茶をしに行く、ルンルンな二人の姿に、年をとってもたまにはお化粧をして着飾って外出するのもいいですよね。
タイトルのフランス人の朝食にかかせないのがクロワッサン。朝早くからパン屋さんで焼き立てを買って食卓へと。もちろんフランスパンもかかせないですよね。それに大きな茶碗でカフェオレを飲む習慣も、パリジャンの1日の始まりですね。

そんな彼女の介護に疲れて、夜のパリ市内を観光するアンヌ。しかし、パリの夜も物騒で女一人では地下鉄も乗れないほど危険極まりないのだ。ここではそんなことは一切断ってませんが、パリへは何度か観光で行ったことがあるので、一人で夜の街を散策なんてことは危険ですから。もちろん、タクシーに乗るのも、日本人とみると遠回りしてホテルへ連れて行きます。(経験ずみです)
2013年劇場鑑賞作品・・・303 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (5)

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.★★★

2013年10月21日 | アクション映画ーカ行
幽霊捜査官コンビの活躍を描いた、異色のバディームービー。現世に潜む成仏できない悪霊たちを逮捕する霊界捜査組織にスカウトされた殉職刑事とベテランの相棒が、世界の存亡を左右する巨大な陰謀と対峙(たいじ)する。幽霊捜査官になってしまった若き刑事ニックに『[リミット]』などのライアン・レイノルズ、19世紀から捜査官を続ける相棒にして大先輩ロイに『クレイジー・ハート』などのジェフ・ブリッジスと、実力派スターが共演。奇抜な設定やコミカルな展開に加えて、迫力のアクションも見もの。
あらすじ: 潜入捜査中に亡くなった刑事ニック(ライアン・レイノルズ)。だが、生前の刑事としての活躍や経歴を見込まれて、成仏できずに現世に紛れ込んでいる悪霊たちを逮捕しては霊界に送還する組織R.I.P.D.のエージェントにスカウトされる。1800年代からエージェントを務めている大ベテランのロイ(ジェフ・ブリッジス)とコンビを組み、次々と悪霊を捕まえていくニック。その後、二人は霊界へと通じているトンネルから悪霊たちを現世に逆流させるという陰謀が進められていることを逮捕者から聞き出す。

<感想>タイプの違う二人の男が、不協和音を奏でながら悪に立ち向かう。バディものはアクション映画の基本であり、数々の傑作を生み出してきた定番。観てみると「メン・イン・ブラック」シリーズみたいな映画、と一言で言いやすいと同時に、どこかで観た感も否めない。無論本作ならではの工夫もある。殉職した若い警官を演じるのがライアン・レイノルズ。スカーレット“あげまん”ジョハンソンと離婚しても売れっ子の彼だが、2011年にはDCコミックの人気ヒーロー「グリーン・ランタン」なんて正義の味方を演じたこともあった。

そんなレイノルズが悪霊を取り締まる極秘組織R.I.P.D.にスカウトされ、コンビを組むハメになった相手がこの道200年、屈強でワイルドな保安官のロイ。西部開拓期から働くベテラン・エージェント。これを演じるのがジェフ・ブリッジスというのが配役の妙である。
現存の著名俳優で、ワイルド・ウェストの匂いを強烈に残す筆頭と言えば彼に他はあるまいて。案の定、カウボーイハットの似合う髭面の仏頂面でクレイジーなガンマン然として登場し、実にチャーミングである。
悪霊どもが企てる現世大混乱の陰謀を阻止せんとする新旧ゴースト刑事という奇想天外な設定にも違和感がないですね。
すでに60代半ばというのに、この手のVFXてんこ盛りSFアクションで、おバカをやってくれるのが嬉しい。もちろんレイノルズとの掛け合いも息がぴったりなのだ。
最も嬉しい設定なのが、彼らが現世で捜査する時には、生前とは似ても似つかぬ別人に変身させられること。

レイノルズは中国人の爺さんで、ジェームズ・ホンが演じて、そしてブリッジスは何と、パツキン美女が彼の姿。とはナイスな設定すぎるではないか。
パツキン美女役には、本作で映画デビューのスーパーモデル、マリサ・ミラー。ロングのパツキンにブリブリのスーパーボディの姉ちゃんの元の姿が、あのむくつけきブリッジスかと思うと笑いが込み上げる。

この中国人の爺さんとパツキン美女のバディぶりを、もっと観ていたいのに意外とそのシーンは少な目なのがチト残念なのだ。是非出番増量で再登場させて欲しいと思っていたら、ラストで中国人爺さんからガールスカウトの可愛い少女に変身させられていた。
何とも奇妙な組み合わせだが、おどおどとした老人と上から目線の金髪美女のキャラは、まるで彼らの内面そのまま。そんな凸凹コンビが立ち向かうのが、地上をゴーストだらけにしようと目論む最強最悪の悪霊たち。

そのゴーストたちを見分けるカギは、何故かインド料理。カレーパウダーの主原料である香辛料クミンの匂いが、悪霊たちの本性を暴きだす特効薬だというのだ。
そのボスになるのが、ニックの同僚だったボビーのケヴィン・ベーコン。捜査中に押収した金塊を巡り相棒のニックを銃殺。それからは金塊を集めてビルの屋上に黄金の塔(ちゃっちいのだ)を立て、ニックの妻を拉致して刺し殺しその血を生贄として、天界のゴーストたちを地上へと招こうとするのだが。
果たしてニックとロイは、彼らを阻止し、成仏させることができるのか?・・・激しい攻防戦はやがて街を破壊する壮大なスペクタルへと展開する。
しかし、すでに死んでいるゴーストたちは、高層ビルから落ちようが車に轢かれようが死なない悪霊たち。そんな彼らのパワーを玉砕するのが「成仏弾」で、成仏しやがれと念じて、金と銀の専用リボルバーから発射する威力たるや、それでも、もう少し頑張って欲しいところだ。
メン・イン・ブラック」に比べると、二人のコンビは物足りない気がした。
バディ・ムービーは、この後も天才詐欺師とFBI捜査官が手を組むクリスチャン・ベイルとブラッドリー・クーパーの「アメリカン・ハッスル」、麻薬捜査官と海軍情報部員が潜入するデンゼル・ワシントンとマーク・ウォールバーグの「2ガンズ」などが待機中です。これからも楽しみですね。
2013年劇場鑑賞作品・・・302 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (17)

ダイアナ ★★

2013年10月20日 | た行の映画
『インポッシブル』などの演技派女優ナオミ・ワッツが主演を務め、1997年に交通事故死した元イギリス皇太子妃ダイアナに迫る感動作。20歳で英国王室に嫁いだ若く魅力的な女性が出産や離婚を経験し、しなやかに変貌と自立を遂げる姿を描き出す。メガホンを取るのは、『ヒトラー ~最期の12日間~』『インベージョン』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督。一人の女性として精いっぱい生き、36歳の若さで逝ったダイアナ妃の愛と苦悩と戦いの日々に心打たれる。
あらすじ:1995年、ダイアナ(ナオミ・ワッツ)が夫のチャールズ皇太子と別居してからすでに3年の月日が過ぎようとしていた。ある日、彼女の良き友であり、治療師でもあるウーナ(ジェラルディン・ジェームズ)の夫が倒れたと連絡が入り、ダイアナは急いで病院に駆け付ける。そこで彼女は、優秀な心臓外科医ハスナット(ナヴィーン・アンドリュース)と出会い……。

<感想>あれは1995年8月31日だった。テレビのニュースで彼女の訃報を聞き、何で、どうしてと、始めは信じられない思いで可愛そうなダイアナ。36歳の若さで他界したダイアナ、不治の病ならともかく車の事故とは、何かしら英国王室の不穏な気配を感じてしまった。
そういえば、ニュースではダイアナがどこそこの男とクルージングしている水着姿がパパラッチされて、彼女のプライバシーもみんなマスコミの餌食になってましたね。これも、ダイアナが元、英国王室の王妃だったのだから。彼女はその自分の名声を背中に背負い、二人の王子の母親として毅然とした態度を取るべきだったのではないかしら。

それにしても、この映画の中でのダイアナは、なんと我儘で自分勝手で、女、女を匂わせて、恋愛に自由奔放さを感じさせる女になっていました。一般庶民の女性ならそれでもいいのですが、一度は英国王室へ嫁ぎ、チャールズ皇太子の王妃として王子を二人産んで母親となった女性。いくら夫であるチャールズ皇太子が年上のカミラ夫人と浮気をしてるといっても、離婚をすべきではなかったのではと思いました。
確かに確執のある王室へ嫁ぎ、不自由な生活を強いられ、挙句に夫となるチャールズに浮気をされ我慢がならないのは良く判りますが、ともかく一応はれっきとした皇太子の王妃であることには間違いなかったので、そのプライドを貫き通して欲しかったと思います。

しかし、彼女は夫であるチャールズ皇太子の振る舞いに憤りを感じ、自殺未遂も起こしたと言っている。それほどまでに悩み苦しんで、誰にも相談をせず鬱病のごとく精神的にも追い詰められていたとは。
だから、離婚してこのような心臓外科医との恋物語も、映画とはいえ私には受け止めることができなくて、所詮ダイアナも普通の一般の女だったのかと、残念でなりません。離婚したのだから、恋愛してもいいのじゃないかなんて、破廉恥なことは差し控えるべきで、もしそんなに再婚したいのならしかるべきお相手と再婚なりすべきだったのではなかろうかと。このような、スキャンダルを起こして、女優じゃあるまいし、頭のいいダイアナらしからぬ男遊びにあきれるばかりです。

映画の初まりから終わりまで、ワイドショーに夢中のおばちゃんと同じ次元で思い続けてしまった。ここまで下世話な気持ちにさせられ、しかも実在の人物を描く映画は数多くあるが、そこで取り上げられたこれまでの人はみな、ただの実在の人だったのに。
身分違いのお姫様の恋物語といえば、映画に「ローマの休日」があるが、それよりも断然こっちがスケールも切実さも上ですよね。ヘプバーン演じるアン王女よりも奔放に、人目をはばからず大胆に恋をして、幸福を手に入れようとするアン王女ほどの気品はないが、健気さは同じ。置かれた立場や大変さのスケールも、桁が違って見える。

ナオミ・ワッツが演じるダイアナは、確かにあんな風に上目遣いに笑顔を見せる彼女だった。地雷除去のパフォーマンスも、その時着用していた透明なゴーグルもTVで見ました。それに、チャールズ皇太子と来日した時の綺麗なこと。気品があって本当に異国のプリンセスなんだと感心したのを覚えている。
「私は50億の人に愛されている、だけど誰一人私のそばにはいてくれない」そんな彼女の心の嘆きを、それも心の底からでたものとして映画は、果たして映画だからこそ生み出せたのだろうか。
元恋人が訃報を聞く場面が、特に印象的に映っている。夜中に鳴る電話を取りに窓際に立つとき、あちこちの窓が次々と明るくなる。恋人ではない国民もまた、ダイアナの訃報の知らせで同時期に起こされた。この映画を観て、またあの日を思い出してしまった。
2013年劇場鑑賞作品・・・301  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (18)

クロニクル ★★★

2013年10月19日 | アクション映画ーカ行
ごく普通の生活を送っていた高校生たちが、突如として超能力者として覚醒したことから思わぬ事態に身を投じていくSF作。メガホンを取るのは、テレビドラマ「キル・ポイント」シリーズの新鋭ジョシュ・トランク。キャストには、『欲望のバージニア』のデイン・デハーン、『キャリー』(2013年)のアレックス・ラッセルなどの若手注目株が顔をそろえている。自動車を次々と跳ねのける超能力の描写に加え、ティーンエイジャーの日常や心情をリアルにすくい取ったドラマ部分も魅力。
あらすじ:平凡で退屈な日常生活を送る3人の高校生アンドリュー、マット、スティーブは、ある日洞窟で奇妙な物体に触れ、特殊な能力に目覚める。手を触れずに女子のスカートをめくったり、雲の上まで飛んでアメフトをしたり、3人は手に入れた力を使って刺激的な遊びに夢中になっていく。
しかし、そんなある時、あおってきた後続車両にいら立ったアンドリューが力を使って事故にあわせたことから、3人は次第に自らの力に翻弄され、事態は予期せぬ方向へと発展していく。

<感想>低予算でありながら、本国アメリカで初登場1位のヒットを記録したSFサスペンス。これはなかなかのトンデモ映画では。全米のティーンの間でセンセーションを巻き起こした作品だそうだが、なるほど呆気にとられるものの新鮮である。

監督は短編動画サイトで1千万回以上の再生回数を記録したという新人で、いかにもユーチュ-ブ・ジェネレーションを象徴するような作品になっている。
お話は、幼稚なお遊びから都市を破壊する暴力へ進展し、思春期の男子高校生の青春ドラマを見せながら、唐突に超能力をブチ込んできて転調するのだから。

しかもその描写たるや、オカルトといったレベルではなく、ガチのミュータントなのだ。始めは女の子のスカートめくりとたわいもない悪ふざけだったが、やがては自分の力を制御できなくなり、3人の友情に亀裂が生じてゆく。
序盤とはあまりにもかけ離れたシュールな映像に、かつての「フォーガットン」で人間が地上から空に吸い込まれるように、豪快に飛ばされるのを見たときと同じくらいの衝撃はあるようだ。

これはCGのない時代だったら、大いに感心したかもしれない。でも、いま超能力を身につけた少年が自在に空を飛んで見せても、それがどうしたとしか言えない。ちょっとした悪ふざけで済んでいるうちが花だったようにもとれる。

新鮮さがあるとしたら、少年が自分を記録するのに、キャメラを空に浮かばせて自動撮影するという1点だが、そのアイディアを生かし切れていないのが惜しい。
つまり、神の眼を手に入れたというのに、自分は登場人物としてヒーローになる道しか見えてこないのだ。映像との対話がなかったのが残念でならない。
3人で空を浮遊している最中に、雷雲に遭遇してアメフト部のスター選手のスティーヴが落雷に当たって死んでしまう。マットは、ルールを決めて人を傷つけないことと言ったのに、アンドリューがお金に困って超能力を使い泥棒をしてしまう。
そんな時に、力の加減が分からずアンドリューはライフルを撃ってくる男を制御するために超能力を使ってしまい大怪我をする。母親は彼の盗んだ薬を待つことなく息を引き取る。病院へ運ばれた彼に向かって、怒りをぶつける父親。
もう、アンドリューの力は制御できなくなり、怒りに任せて病院を爆破し父親を投げ飛ばす。その父親を受け止めるマット。アンドリューの超能力を止めるのは自分しかないと確信したマットが、アンドリューを銅像の槍で刺し殺してしまう。
若者が超能力を手に入れ、スーパーマンのように空を飛び、大きな物体を動かす力が備わったのに、その力をウキウキして悪いことに使ってしまうのには呆れてしまい、悲しくなってしまった。
知っている俳優と言えば、アンドリュー役のデイン・デハーンくんだけ。彼は「欲望のバージニア」で足の不自由な男の子を演じ、ガイ・ピアースに虐められて殺される役を演じた少年。
2013年劇場鑑賞作品・・・300   映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (21)

ラスト・シャンハイ ★★★.5

2013年10月18日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
1930~40年代の激動する上海で裏社会のトップへのぼりつめ、愛する女性との別れと再会を繰り返しながら、やがて戦争の渦に巻き込まれていく男の姿を描いたドラマ。
貧しい家庭に生まれ育ち、果物屋で仕事をして生計を立てるチェン・ダーチーは、愛する女性ジーチウと別れ、ある騒動に巻き込まれた彼は、それをきっかけにして上海マフィアのひとつである青幇へと入会することに。青幇の権力者である黄金栄の妻からの信頼を得て、チェンは次第に上海黒社会で頭角を現す。
持ち前の頭の良さや度胸を武器に上海の裏社会で頭角を現したダーチーは、やがてジーチウと再会を果たすが、自分とは住む世界が違うと悟ったジーチウはダーチーの前から姿を消してしまう。

時は流れ、日本軍が中国侵攻をうかがっていた1937年、ダーチーは地下組織の一員であるチェン・チェイメイの妻になっていたジーチウに近づき、地下組織のリストを手に入れるよう命じられる。製作に「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウ。
マフィアのボスにサモ・ハンが、ダーチーの幼馴染の女ジーチウにヨランダ・ユアン、日本軍の西野少佐には倉田保昭が出演している。

<感想>9月に公開されたチョウ・ユンファのアクション映画、地方では上映されなかったので、早めのDVDレンタルで鑑賞。舞台は1930年~40年代、日本軍が侵攻していた激動の上海。暗黒街のボスに登りつめようとする男の生き様を描いている。主役の若き日を『イップ・マン 葉問』などのホァン・シャオミンが、中年期を『男たちの挽歌』シリーズなどのチョウ・ユンファが、ダブル主演を務めたクライムムービー。監督は「ゴット・ギャンブラー」(89)、「シティハンター」(93)などの作品で一時期、香港のバカ映画の帝王とリスペクトされていたバリー・ウォン。
この監督は何でも撮れる器用な男で、おまけにサービス精神を過剰に持っている人なので、本作でも主人公とヒロインの悲恋や、ハードな裏社会の抗争劇に、日本軍による侵略、そして抵抗と。などの要素をぎっちりと詰め込んだ濃すぎる内容に仕上がっている。

特に日本軍による上海大空襲シーンは圧巻です。そしてクライマックスでは、拳銃・ガバメント片手に修羅場に飛び込んでいくチョウ・ユンファの姿を見ていると、「ガン・アクション映画にぴったりな男」と思わずにはいられません。
身体の動きに、少し年を取っている気配は感じますが、それでも愛する女のためなら、自分の命の一つや二つ投げ出しても構わないというような、男らしさを感じました。
しかし、ダーチーは仲間を大事にするので、右腕の男の凄まじい死にっぷりに唖然とし、もう一人おデブの子分も最後までよく働いてくれたと感心。

若き日のダーチーを演じたホァン・シャオミンも美青年で中々でしたが、後半部分での美味しい役を全部チョウ・ユンファがかっさらってしまったということですかね。

相手のヒロイン、ヨランダ・ユアンも綺麗なんですが、他の男と結婚してしまい、ダーチーは年下の若い女と結婚します。その女性の方がどちらかと言うと、私には綺麗な女優さんだと思い、夫を愛するあまりに敵の男の愛人にまでなって、最後にはその男を拳銃で殺すという。幼なじみの女ジーチウに一途に熱を上げるのもいいのですが、こんな女性の生き方の方が私には好みですね。
クライマックスで、日本軍が侵攻して来る中、敵のマオ将軍を倒して妻の亡骸を抱いて車に乗る。最後の日本軍による銃弾の嵐の中、妻を必死と抱く男の姿に痺れます。
2013年DVD鑑賞作品・・・39  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ

トラックバック (3)

陽だまりの彼女 ★★★

2013年10月17日 | は行の映画
「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」というキャッチコピーが話題を呼び、累計発行部数が60万部を超える越谷オサムの同名人気小説を、松本潤と上野樹里の初共演で映画化。監督は「ソラニン」「僕等がいた」の三木孝浩。新人営業マンの浩介は、仕事先で幼なじみの真緒と10年ぶりに再会する。中学時代は「学年有数のバカ」と呼ばれ、いじめられっ子だった真緒は、見違えるほど美しい大人の女性になっていた。浩介は恋に落ち、やがて結婚を決意するが、真緒には誰にも知られてはいけない不思議な秘密があった。原作にも登場し、物語ともかかわるザ・ビーチ・ボーイズの名曲「素敵じゃないか」がテーマソングとして本編を彩る。

<感想>あり得ない話と思いつつも、心を掴まれる物語がある。そんな感じのする、時おり不思議な物語にハマって心を弾ませたいと思う方におススメです。昔好きだった彼女が綺麗な女性になって目の前に現れ、しかも自分に好意を寄せてくれる。男子なら誰でも舞い上がってしまう状況だが、ことは単純ではなかったのですね。

一生に一度の初恋が起こすかつてない“奇跡”を描いた感動的なファンタジックラブストーリー。有頂天になった後に、男の子がしなければならない“覚悟”とはなにか。甘く爽やかでユーモアも程よい恋愛映画の中に、思いがけない骨太の精神が潜んでいます。

原作は読んでませんが、浩介という男目線の物語なのだが女子にも楽しめるストーリーになっている。それに映画は時制が強制的に進むので、そのため、流れの中で面白く見せるためなのか、真緒がわに共感できるポイント、彼女目線もあります。そういえば、何となくニャンコらしさが、樹里ちゃんはワンコよりも猫のようでした。

察しのいいひとは冒頭で分かってしまうかもしれませんが、最初っからネタバレしているような、ただし、早い段階で気付いていても物語に乗れるような仕組みとして、真緒役の上野樹里ちゃんが明るくてキュートで、でもどこかミステリアスという魅力的なヒロインを演じきっていて、最後まで楽しむことができます。ヒロインが隠し持つ秘密については、だますという意味ではなく、ちょっとしたかわいい女心としてポジティブに受け取って欲しいようですね。

今回の松潤は、女性に奥手なサラリーマンの主人公・浩介を演じて、ちょっと頼りないが、優しくて誠実な青年像を爽やかな演技で見せている。どうも、イケてない感じのキャラクターなのだが、「昔の真緒も今の真緒も、俺にとっては誰よりも大事なんだ」と言い切れば、松潤ヤルじゃないの。だから樹里ちゃん目線になって胸がキュンとなること間違いありません。

それと、原作には登場しない真緒の先輩の玉山鉄二や、浩介の同僚の谷村美月が登場し、二人の周りを生き生きと動き回り、謎の老女を夏木マリが真緒の秘密に関してヒントをもたらし、物語の展開を滑らかにしてくれる。
そして、真緒の父親に塩見三省さんと、母親の木内みどりさんが映画を支えてくれ、あのお父さんの愛情の説得力が、ファンタジーを超えた無垢な、無償の愛情物語に昇華させていると思います。

この映画はラブストーリなのだが、その背後にある真のテーマは、たわいのない会話や誰かと一緒にする食事とか、そうした日常の些細な出来事が、実は何よりもかけがえのないものであり、人生における宝物である、ということなのですね。それは人の死後にしか本当の価値が分からないものだから。
映画の中で流れるビーチボーイズの「素敵じゃないか」があまりにいいので、山下達郎の主題歌が邪魔にも思えてしまった。でも、山下達郎さんの歌声が澄み切ってとても好きなので、よかったです。
2013年劇場鑑賞作品・・・299  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (18)

おしん ★★★★

2013年10月16日 | あ行の映画
NHK連続テレビ小説として放映され、大ブームを巻き起こし、海外でも人気の高い国民的ドラマ「おしん」を映画化。おしんの少女時代に焦点を合わせ、苦しい家計のためにやむなく奉公に出された彼女がさまざまな苦難に見舞われながらも、たくましく生きていく姿を描く。おしん役は、オーディションで選出された新星・濱田ここね、母親役に上戸彩、父親役に稲垣吾郎と多彩な顔ぶれが集結。『星に願いを。 Nights of the Shooting Star』などで知られ山形県出身の冨樫森が監督を務め、極寒の山形県で全てのロケを行った。

あらすじ:明治40年、凶作が原因でひもじい生活を強いられている小作・谷村家は、口減らしのため泣く泣く7歳のおしん(濱田ここね)を奉公に出すことに。奉公先の材木店で朝から晩まで働き通しの毎日を送る彼女は、雪が溶けたら家に帰れると信じてつらい日々を耐え抜く。しかしある時、店の50銭銀貨が紛失してしまいぬれぎぬを着せられたおしんは、雪が吹き荒れる天候の中、自分から店を出ていき……。

<感想>日本中が涙した名作ドラマが30年ぶりに映画でよみがえった。橋田壽賀子が脚本を手がけ、平均視聴率52.6%を記録したNHKの朝ドラをリメイク版。しかし、1983年に放映されたドラマは、私は見ていなかったのだ。だから初めて観る「おしん」に涙を流して観てしまった。
7歳の少女が貧乏な家のために奉公へ出稼ぎに行くというお話。この時代の日本は、まだ暮らしも平均的に平等ではなく、田舎へいくほど毎日食べるのに事欠く有様。どういう分けか、そんな貧乏の家には子だくさんという仕組み。父親は炭焼きをしているというが、冬の仕事のない田舎では父親が出稼ぎに行くのが当たり前だろうに。幼い子供を年季奉公に追いやって、自分らの毎日の米をその幼いわが子に託すという理不尽さに腹が立つ。それに、生まれて間もない我が子を、子供のいない家に売ってしまう。これも腹が立つ。

この時代は封建的な父親が、亭主関白で働きもないくせに子供を作る。妊娠して困った母親は、冬の冷たい川の中へ入ってお腹の子供を流産させるようにする。こんな暮らしをしていた日本、今では考えられない生活と経済状態。

「おしん」の母親を上戸彩、父親を稲垣吾郎が演じて、小林綾子と泉ピン子がドラマ版とは異なる役で、顔を出す配役は、オリジナルへの敬意を表しているそうだ。なかでも、驚嘆するのは、約2500人の応募者から選ばれたおしん役の濱田ここねの存在感である。
実に生き生きとして、健気なおしんを上手に演技していて、ここねちゃんの持っている凄い力で、それが前面に出ていて、辛い時も、嬉しい時も、本当に素直に演じていて心打たれました。こんなに初めての子役で巧いのは、ここねちゃんが初めてだと思います。

特に、筏に乗って母親と別れるシーンですね。それに、奉公先でお金を50銭盗んだと泥棒呼ばわりされて追い出されるシーンでも、絶対に自分は泥棒なんてしないと言い切る毅然とした演技も良かった。

それから、吹雪きの中を自分の家へとトボトボと帰るおしんが、途中で行き倒れのように雪の中で倒れてしまうところ。絶対に誰かが助けてくれると信じて、それが後で脱走兵と判明する猟師の俊作に助けられるシーン。束の間の幸せな時間を過ごすシーンですね。
ここで、俊作に読み書きを教えてもらい、ハーモニカまで教えてもらうおしんは、頭のいい子共だったのですね。
俊作は、おしんに言って利かせる言葉が良いですよ。「おしんのしんは、信じるのしん。真実のしん。辛抱するのもしんだが、神様だってしんと言うのだ」という場面。神様は見ていてくれる。だから、お前がやったことはそれでいいんだ。猟師小屋にはもう一人炭焼きの老人、ガッツ石松がいて、正月と言うことで餅つきをするシーン。「おしんは餅を返すのが上手いな」とガッツ石松に言われて、おしんがデヘヘと笑うシーンの凄くいい笑顔で、観ている側も笑顔が込み上げてきます。
餅なんて貧乏な家では食べたことなんてなかったのでは。毎日大根飯で、それもお粥のような水でどろどろにした食べ物。酒田の加賀屋へ奉公に行き、白いご飯に麦が少しの毎日に、笑顔がこぼれる子供らしいおしん。どんなに貧乏で、辛くても母親の胸に抱かれるのが一番のご褒美なのよね。

おしんに「母ちゃんはいつでも待っているから、耐えられない時はいつでも帰って来い」と、そんな母の存在をおしんは誇らしく思っている。一人の人間として、家族のために健気に尽くす母のように美しく生きたいという憧れが、その後の人生を切り開く大きな原動力となっているのですね。
2013年劇場鑑賞作品・・・298   映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

トラックバック (12)