パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ヴェノム★★★★

2018年11月02日 | アクション映画ーア行

マーベル・コミックスでスパイダーマンの宿敵として人気を博すヴィラン(悪役)の“ヴェノム”を主人公に描く痛快アンチ・ヒーロー・アクション。ひょんなことから凶悪なエイリアン“ヴェノム”に寄生されてしまった男が、その残忍性に振り回されながらも、次第に複雑な共生関係を築き、人類の危機に立ち向かっていく姿を、ユーモアを織り交ぜつつ迫力のアクション満載に描き出す。主演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ダンケルク」のトム・ハーディ、共演にミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド。監督は「ゾンビランド」「L.A. ギャング ストーリー」のルーベン・フライシャー。

あらすじ:正義感溢れるジャーナリストのエディ・ブロックは、危険な人体実験が行われているという“ライフ財団”への執拗な取材がアダとなり、仕事も恋人も失ってしまう。その後、協力者を得て財団内部への侵入に成功したエディだったが、そこではトップのカールトン・ドレイクによって“シンビオート”なる地球外生命体を人間に寄生させる恐るべき実験が行われていた。そして被験者の一人と接触してしまったエディは、シンビオートの一体に寄生されてしまうのだった。やがてエディの身体を乗っ取ったシンビオートはエディの意志にお構いなしに、圧倒的なパワーと残忍さを兼ね備えた怪物“ヴェノム”へと姿を変えるのだったが…。

<感想>今回の作品は、「ヴェノム」スパイダーマンの悪役であるヴィランを主人公にしたスピンオフの映画です。昔、サム・ライミ監督の「スパイダーマン3」に出ていたヴィラン。ですが、今回は設定が一新されていて、あの映画のことは忘れて見て下さい。こちらの方がよりヴェノムの本質により近くなっているので。ですが、悪役で見た目もグロイし、こんなんで主役になれるのかって、ですが、監督が「ゾンビランド」で恐怖と笑いの青春映画を撮ったルーベン・フライシャーなのでね。ダークな雰囲気をまといつつも、ヒーロー映画として成立させているんですから。

正義のジャーナリスト、エディことトム・ハーディが、人体実験をしているとうわさのライフ財団の研究所に潜入して、その結果最悪の生命体“シンビオート”に寄生されてしまう。乗っ取られる、それとも支配するのか、壮絶なるマウントの取り合いが幕を開ける。

最も残虐な悪(ダークヒーロー)が誕生する。地球外生命体に寄生された男は、その悪に支配される――。怪優トム・ハーディのハマリ役といったところだ。

今回の悪役は、ライフ財団のカールトン・ドレイクで、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」で脚光を浴びた英俳優リズ・アーメッドが扮している。ドレイクは一番の悪なんだけど、世界征服やお金儲けを企んでいるわけではない。純粋に地球と人類の未来を心配し、人類が宇宙に進出するにはシンビオートの力が必要だと信じている男。ただしその手段が強引すぎて、とんでもないことになってしまう。

エディの身体に寄生したヴェノムを、ドレイクは取り返そうとするわけ。ライフ財団からの追手が迫るなか、俺の身体から黒い触手が伸び、敵をフルボッコして倒してしまう。さらにはバイクを勝手に操り街中で、ド派手なバトルを繰り広げるのである。奇想天外でかつこのアクロバテックなアクションは、新感覚であり、カッコいいのだ。

ウィリアムズが演じるのは弁護士役で、主人公の恋の相手になっているが、彼がシンビオートに寄生され、化け物になってしまったのを心配して、次の恋人の医者に見せようとする。

それからは、宿主と寄生体との主導権争いが始まるのだった。言葉巧みにエディを我が物にしようとする寄生体のシンビオート、正義と悪の狭間で苦悩するエディ。2人の予測不能の攻防と絶妙なる舌戦が、とにかく最高に面白い。もう2つで一つになるしかないのだろうか?

正義の心を持っていたエディだが、ヴェノムに寄生されてから超人的なパワーを得たことから信条的に微妙な変化が現れるのだ。揺らぐエディの葛藤が超絶スリリングですから。そんな折、今度は警官隊と衝突することになり、2人は初めて共同で戦うことになる。壮絶バトルのスクリーン映えが半端じゃなかった。2つで一つに合体したアクションが凄いすぎる。

ヴェノムとしての能力と引き換えに、生きる決断をするエディは正義を捨てることを意味することで、良心の呵責に悩むエディ。それが頂点に達した時、究極の敵が出現する。それはライフ財団のカールトン・ドレイクが、シンビオートに寄生されて新たなヴェノムとなって現れるのだった。

もう、ヴェノムに寄生して服従するしかなかった。そして壮絶極まりのないドレイクが寄生した、ライオットとのスーパー・バトルが待っていた。ライフ財団のドレイクは、シンビオートをたくさん地球に持って帰ろうとロケットを打ち上げるわけ、その5分前にそれを阻止しようと壮絶なる戦いが始まる。

エディのヴェノムを助けたのが、元恋人のミシェル・ウィリアムズが、ヴェノムの弱点の超音波を流して撃退するのだった。それに、炎にも弱いのだ。

この作品は絶対に見逃せない。ヴェノムの誕生をゼロから描いているので、他の作品とのしがらみがありません。またコミックの設定をうまく使いながら映画オリジナルのストーリーとなっているので、単品としても充分に楽しめる。

ヴェノムは最強のヴィランで、最悪のモンスターですが、その悪の力をもってより邪悪な存在に立ち向かうという、怖いけれどもどこか愛らしい最高のダーク・ヒーローなのです。

エンドロールの後に、ウッディ・ハレルソンが出ているので、キャラクターは不明ですが、ヴェノムの手下になる予定だそうで、お見逃しなきようご注意下さい。

2018年劇場鑑賞作品・・・213  アクション・アドベンチャーランキング

 

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オズランド 笑顔の魔法おしえます。★★★・5

2018年11月01日 | アクション映画ーア行

小森陽一の『オズの世界』を波瑠と西島秀俊の主演で映画化したお仕事エンタテインメント。憧れの超一流ホテルチェーンに就職したはずが、地方の系列遊園地に配属されてしまった新入社員のヒロインが、カリスマ上司や仲間たちに助けられながら、少しずつ仕事にやりがいを見出していく姿を描く。脚本は「ヒロイン失格」の吉田恵里香。監督は「劇場版 SP」二部作の波多野貴文。

あらすじ:念願かなって彼氏と同じ超一流ホテルチェーンに就職できた波平久瑠美。しかし喜びいっぱいの彼女を待っていたのは、系列会社が運営する地方の遊園地“グリーンランド”への配属辞令だった。すっかり不貞腐れる久瑠美は、“魔法使い”の異名を持つカリスマ上司・小塚慶彦からゴミ拾いなどの雑用ばかりを命じられ、不満は募るばかり。それでも小塚をはじめ個性豊かな従業員たちと日々を過ごしていくうちに、いつしか自らの未熟さを痛感する久瑠美だったが…。

<感想>遊園地を舞台にした笑顔の花が咲く、お仕事エンターテイメント。実在する熊本の遊園地、グリーンランドを舞台にした「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」「海猿」などで知られる原作者の小森陽一との対談が実現した。遊園地の裏側を描くお仕事ムービーであり、ヒロインの成長物語でもある。

最初は主人公の先輩である小塚(西島秀俊)を主人公にする予定だったそうで、遊園地が大好きな人をメインにメインに据えても中々広がって行かなくて、東京から派遣されて「何、この田舎?」っていう異物を入れた方が盛り上がるだろうと、苦し紛れに久瑠実(波瑠)を主人公に変えたそうです。

突然配属されたのは、ド田舎の遊園地。不満だらけの毎日を変えたのは、“魔法使い”のような上司との出会い―。

生真面目なキャラクターを演じることが多かった波瑠が、本作では理想と現実のギャップに悩むゆとり世代の新入社員役に挑戦! 不平ばかりだったヒロインがたくましく成長していく姿に、自分を重ねて応援したくなります!

クールなキャラクターのイメージが強かった西島秀俊が、笑顔がまぶしい超ポジティブな上司をのびのびと好演している! そして、お節介であったかい“理想の上司”役で、新たな魅力を放っているところ。今までの映画ではなかなか見られなかった西島の、とびきり優しい笑顔にときめいてしまうよね!

人気爆発中のイケメン俳優・中村が演じるのは、波平(波瑠)の恋人であるエリート社員。遠距離恋愛になった波平を大切に思う誠実な人物だが……。

若き演技派として引っ張りだこの岡山は、波平の不器用な同僚を演じる。1人で黙々と仕事を頑張っていた彼が、徐々に仲間と打ち解け笑顔を見せるようになっていく様子は、癒し効果抜群なんですから!彼は東大卒の実際にモデルがいるそうで、久瑠実が大卒でこんな仕事なんて文句を上司に言う場面では、同じく新入社員ではいった岡田くんは、東大出身で文句の一つも言わずに真面目に仕事をしていることを教えて、彼女を嗜めるんですね。

その他にも橋本愛さん、濱田マリの仲人が大好きなおばちゃん。園長には柄本さんが。その他にもたくさんいますので。

最初の仕事はゴミ拾いと、ゴミ箱の袋を取り換えること。そこで男子トイレで置き忘れた袋を発見する彼女。慌てて事務所へ持っていくも、それが爆弾だったんですね。慌てる久瑠美は、その爆弾を上司の小塚に相談しようと袋を持ってウロウロするも、上司はなんと、遊園地の目玉であるヒーローショーのウルトラマンみたいな、着ぐるみに入って舞台へと、そこで爆弾を手渡すわけにはいかず困ってしまう。その爆弾は、そのショータイムに使う爆弾であり、花火が爆発する仕組みであり、彼女はそんなこととは知らずに、正義の味方のヒーローを合気道で投げてしまうんです。

いやいや、ヒーローが普通の女に投げ飛ばされるなんてことはあり得ないことで、それでも拍手が起きます。

広大な遊園地では子供の迷子が多いですよね、それで、迷子の親を見つけた社員には、男は王子とか王様、女子はお姫様と呼ぶ愉快な発案も小塚のアイデア。

それに、イベントに出演するアイドルたちが、深夜のバスで到着してトラブル寸前になる場面も。そのアイドルたちは、日頃忙しくて遊園地なんて行ったことがない。到着するや、メリーゴーランドに乗りたいとか、無理難題を言うのだ。そこを、上司の小塚が裏側で必死に駆け回ってサポートして、メリーゴーランドを動かすおじさんに連絡していたのだった。

そして遊園地の最大のイベント花火大会なのに、夜になると豆電球をあちこちの木とか花に電球をつけて光らせる企画が、どういうわけか電源がショートして付かない。どうしたらいいの、久瑠実は花火大会が始まるので、真っ暗な中での花火は美しいといい、場内アナウンスで観客を一つに集めて、花火大会の始まりです。そして、花火が終わると、同時に電源も直って豆電球が光とっても綺麗でした。

ラストに、実は小塚さんが遊園地を退社するということを知る久瑠実。小塚がやり遂げたかった、1万個の風船を空から飛ばすことという企画を成し遂げてやらせたいと思う。それをみんなに相談して、爆弾が見つかったと言う設定で、その爆弾を小塚に持たせて、気球に乗せて山の方で爆発させるという提案。

1万個の風船を作り、気球に小塚を乗せる久瑠実、何も知らない小塚が爆弾を持ちバルーンに乗って空高く上がり、そこで爆弾は偽物であることを知り、無線で風船を飛ばしてくださいと言う指令が。新米社員とばかり思っていた久瑠実の計画に、自分の思いが成し遂げられて嬉しい小塚の笑顔が素敵でした。

彼氏の中村倫也が、久瑠実を迎えに来ました。電話でいつも「もうこんな田舎での仕事なんて嫌」と文句を言ってたのに、1年近くするうちに、どんな仕事でも頑張る姿勢を見せる久瑠実がいて、辞めて東京へ帰るなんて言わない。意欲のある強い女性になってました。

どんな仕事でも、環境が人を育てる、そのことの大切さが描かれている作品でもありますね。

2018年劇場鑑賞作品・・・212  アクション・アドベンチャーランキング

 

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億男★★★・5

2018年10月29日 | アクション映画ーア行

川村元気の同名ベストセラーを「るろうに剣心」「3月のライオン」の大友啓史監督が、主演に佐藤健と高橋一生を迎えて映画化したエンタテインメント・ドラマ。親友に宝くじで当てた3億円を持ち逃げされた男が繰り広げるお金を巡る大冒険を、ユニークなキャラクター満載に描く。共演は黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也。

あらすじ:失踪した兄がつくった3000万円の借金返済に追われ、妻子にも逃げられてしまった図書館司書の一男は、幸運にも宝くじが当たって3億円の大金を手にする。しかしネットの記事で高額当選者たちの悲惨な末路を目の当たりにして恐ろしくなり、大学時代の親友で今は起業して億万長者の九十九に相談することに。ところが、九十九と一緒に豪遊した翌朝、一男が目を覚ますと、九十九は3億円とともに消えていた。途方に暮れた一男は、九十九の手がかりを求めて“億男”と呼ばれる億万長者たちを訪ね歩くのだったが…。

<感想>お金とは?、幸せとは?、と言う人類の永遠のテーマを、重くならずに扱う、期待以上の作品でした。まずは登場人物の名前とかに、必ず数字が付いていることは、意図的ですよね。主人公の一男(佐藤健):借金を抱える図書館司書。宝くじで3億円当たる。

 

九十九(高橋一生):一男の大学の同級生。ITで成功して大金持ちに。落語好き。

 

百々瀬(北村一輝):九十九のかつてのビジネスパートナー。ITエンジニア。北村一輝のうさん臭い関西弁を話すこととか、一見すると本人と分からないほどの人物になり切った演技には驚きました。

 

千住(藤原竜也):九十九のかつてのビジネスパートナー。千住は怪しげなビジネスアドバイザーとなっていて、鬘と付け髭に派手な衣装に身を包んだ千住は、ミリオネアニューワールドという宗教のようなセミナーを主催し、会員からお金を巻き上げていました。

 

十和子(沢尻エリカ):九十九のかつてのビジネスパートナー。公営住宅で慎ましく専業主婦の生活を送っていました。ですが、部屋の壁紙をはがすとそこに札束で溢れていました。押し入れの中にも札束の山が。お金に興味のない夫と結婚したので、今の地味にな生活に満足していると言いながらも、札束を見ては安心できるという思いを語ります。

 

あきら(池田エライザ):男を“億男”と“雑魚”のどちらかに分けるパリピ女子。

 

万左子(黒木華):一男の妻、借金を理由に別居。娘のバレエに熱心。

人間は大金を手にすると浮かれる反面に、あまりの高額に不安を感じてしまう。それで、大学時代の親友で、億万長者の九十九に相談するのだが、彼のアドバイス通りに三億円を銀行から下して、豪遊して酔いつぶれてしまう一男。ところが、翌朝には三億円とともに九十九が姿を消したのだった。

そこから予定調和を許さない一男の、消えた“三億円を巡る冒険”だが、初めに九十九を探す旅が始まる。ですが、その冒険の中で出会う3人の億万長者たちが、いずれも強烈なキャラばかりである。

特筆すべきは俳優陣の怪演、藤原竜也の千住に異様な風体の北村一輝の百々瀬たち。挙動不審な九十九からは、普段の高橋一生の素顔は一切感じられないし、北村一輝や藤原竜也のお二人さん、風貌もガラリと変えて、お金の持つ魔力に踊らされた人間の奇妙さを演じきっているのに驚く。

または、主人公の一雄の佐藤健にしても、牛丼の食べ方ひとつ、自転車の漕ぎ方ひとつであえて凡人に徹した、うだつのあがらない一男という人間を表現しきっているのに感心した。

一男が借金返済にこだわるあまりに、妻の万左子はいつしか、一男はお金にとらわれ過ぎて人が変わってしまったと言います。ところが宝くじで三億円が当たり、目の前に大金が手に入り、人間は今までの生活のこととかを忘れてしまい、お金の価値観が変わってしまうのです。

親友の九十九は、あえてお金を持って姿を消すことで、一男に冷静さを取り戻させ、お金について考える時間を与えたのですね。これはダメな夫が道を踏み外しそうになりそうなったときに、妻が機転を利かせる古典落語の名作『芝浜』にのっとった行動だったと、一男は気が付いたのでした。

ラスト、地下鉄の中での九十九との再会では、『芝浜』は大学時代の落語研究会で、九十九の十八番の演目であり、一男は九十九の想いに礼を言うと、九十九は自分を信じて待っていてくれた一男に礼を言って三億円を返すのでした。

さらには、大学時代の九十九と旅行した広大な砂漠での落語を話すシーンなど。これは監督の大友らしいスケールの大きな演出も随所に光、お金というものの実体の希薄さとか。しかしその存在感の重さが映画ならではの方法でしっかりと表現されていて良かった。

つまりは、九十九の友達のところを訪ねて歩き、お金にまつわるそれぞれの捉え方を聞いて、お金に対する見方を変えていくという話でもあります。

2018年劇場鑑賞作品・・・210  アクション・アドベンチャーランキング

 

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1987、ある闘いの真実★★★★

2018年10月18日 | アクション映画ーア行

1987年の軍事政権下の韓国で実際に起きた、民主化運動の転換点となった大学生拷問致死事件の真相を、隠蔽に奔走する警察関係者とその動きに疑問を抱いた検事をはじめ、記者や看守、学生など事件に関わる様々な立場の人々の緊迫の人間ドラマを通してサスペンスフルに描き出した衝撃の実録群像劇。出演はキム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、ソル・ギョング。監督は「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナン。

あらすじ:1987年1月14日。軍事政権の圧政に反発する学生の民主化デモが激化する中、ソウル大学の学生が、警察の取り調べ中に死亡する。報せを受けたパク所長は、すぐさま部下に遺体の火葬を命じる。一方、警察からの申請書の内容を不審に思ったチェ検事は、上司の忠告を無視して司法解剖を強行し、やがて拷問致死が裏付けられる。それでも警察上層部は拷問を否定するも、チェ検事に接触した東亜日報のユン記者によって死因が暴露されると、今度はパク所長の部下2人の逮捕で事件の幕引きを図ろうとするのだったが…。

<感想>「ファイ 悪魔に育てられた少年」も面白かったが、そのチャン・ジュナン監督が凄い映画を撮りあげていた。全体に強めの演技を採用して、膨大な数の登場人物の人物像を観客の頭に次々と叩き込むと言う。

ソウル中心部、取調室、新聞社の編集部など主要な舞台の作り込みだけでなく、事件の真相を伝えるメモや速報を報じる新聞、重要なモチーフとなる運動靴に至るまで、考古学的ともいえるほどのこだわりぶりなのだが、そこには表現上の問題だけでない、社会的な理由もあるのだろう。

作品は韓国でも最も権威のある文化賞の一つ「百想芸術大賞」映画部門の最高賞に輝いているが、同時に最優秀男優賞を受賞したキム・ユンソクの存在感は尋常ではない。パク所長として、反体制分子排除のためなら手段を選ばない非情さと暴力性を演じ、典型的な悪役を演じており、しかも「脱北者」で富裕層に生まれながら家族を殺され、反共思想の鬼となったと言う設定も興味深い。

 

監獄から命がけで重要書類を届けようとする看守のユ・ヘジンも良かった。「タクシー運転手」でも高く評価されたが、権力側でありながら民主化に協力しようとする微妙な立場を、持ち前の表情で演じていた。

警察に対峙するチェ検事のハ・ジョンウの飄々たる感じの表面の下にある、鋼のような意志も印象的でした。この3人の役柄が示しているのは、それぞれ現実に翻弄される複雑なパーソナリティである。

それぞれの死闘を通して、紋切り型の勧善懲悪で割り切ることのできない人間を描くことに徹したと言えるだろう。韓国映画界の人気俳優たちは、それをストーリーに自然に溶け込ませる、その実力の高さを示して余すところがない。

エスカレートする警察の暴力と上層部との駆け引きは、まるで暗黒街の抗争を描いたサスペンスのようで、とにかく息もつかせずに展開する。だが、場面ごとに日付と時間と場所が示されて、アクションが史実通りに進んでいることには、驚かざるを得ません。

そこに束の間のラブストーリーが入り込む。看守の姪と抵抗運動に身を投じる大学生との恋は、始めはドラマ的な味付けのようにも感じられたが、実は一番重要な部分を担っていることが最後に分るのが素晴らしい。

姪を演じるキム・テリ、延世大学校の学生イ・ハニョルを演じるカン・ドンウォンは、1987年当時の学生として、その時代に生きた普通の若者がどんな格好をして、どんな音楽を聞き、どんな顔していたかを通して、今日の人々に繋がるからである。

 

実はこの事件にかかわる資料が保存されているからであり、水攻めで拷問死したパク・ジョンチルは記念館があり、遺品とともに当時の写真も展示されている。イ・ハニョルも同様で彼が履いていたスニーカーも大切に保存されている。

彼らは「烈士」と呼ばれる人々を木ねんした施設は、大学はもとより中学生や高校生に、事件と抗争の詳細を伝えるためにも利用されており、社会的記憶の共有の場として機能しているのだ。作品に登場した「その日が来れば」は、知らぬ者のない抵抗歌として受け継がれている。

2018年劇場鑑賞作品・・・204  アクション・アドベンチャーランキング

 

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音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!★★★

2018年10月15日 | アクション映画ーア行

「転々」「インスタント沼」の三木聡監督が阿部サダヲと吉岡里帆を主演に迎えて贈る痛快ロック・コメディ。共演は千葉雄大、麻生久美子、田中哲司。さらに岩松了、ふせえり、松尾スズキら三木組の常連が脇を固める。

あらすじ:驚異の声量と美声を持つカリスマ・ロックスターのシン。しかしその歌声は“声帯ドーピング”によって作られたものだった。長年の声帯ドーピングでシンの喉は崩壊寸前。そんなある日、シンは声が小さすぎるストリートミュージシャンのふうかと出会う。シンの罵倒にすっかり自信を失うふうか。そんな彼女に対し、シンは“やらない理由を探すな”と容赦なくロック魂を注入していく。一方、シンの所属事務所やレコード会社では、彼の声を巡ってある恐るべき陰謀が秘かに進行していたのだったが…。

<感想>「俺俺」(13)以来となる5年ぶりの新作タイトルが長い。その上、かつてないほどこれでもかの、どストレート。この長編には三木聡の魂の叫びが詰まっていた。一風変わったタイトルはお馴染みのこと。

美声を保つカリスマ・ロックスターのしんこと、阿部サダヲ。悪魔メイクに白塗りで“絶叫する堕天使”の異名の歌声は実は、禁断の手段「声帯ドーピング」で作られたものであった。

方や、何事にも自信が持てず、声が小さすぎる無名の女、ストリートミュージシャンのふうかこと、吉岡里帆の出会いが巻き起こす予測不能のナンセンス・ストーリーを、HYDEやいしわたり淳治、それにあいみょんが曲を提供している。そして、KenKenから八十八ヶ所巡礼までミュージシャン多数出演のロック・コケディであります。だからって言う時点で、相当期待しました。

まるっきり正反対な二人の偶然の出会いから、映画はいっそうエキセントリックにドライブがかかり、三木的なワンダーランドを駆け巡るのです。長年にわたる「声帯ドーピング」の副作用で、シンの喉が崩壊寸前というタイムリミット感を醸し出しながら。

シンのドーピング疑惑がニュースになり、見世物化し、劇中ではシンの事務所の社長によって、「世間は他人の不幸に金を出すんだよ」と、そんなセリフが吐かれるのだが、まぁ、ロックってそういう見世物的な要素だったり、異形の部分があるのでね。

だから、ドーピングで人工的に制定を強化しているシンも、自分が過剰な見世物であることに自覚的で、じゃあ、そこにどんなキャラクターを組み合わせたら弾けるか考えたら、逆に引っ込み思案で声が極端に小さいヤツだろうって。

その二人が交わった時に、どういう化学反応が起こるのか観て見たかったんですね。シンの事務所の社長には田中哲司、ふうかの親戚のデビルおばさん、ザッパおじさんには、ふせえりと松尾スズキが。

さらにロング白髪に眼帯姿の女医には麻生久美子と、三木組の俳優たちが、面妖なキャラクターで映画をショーアップしているのだ。

その中でも、一見普通な容姿で、ニューカマーの千葉雄大が伏兵となる。最初はヘタレな、マネージャー的な立ち位置なんだけど、裏でいろいろと暗躍していて、その変化が物語のサブプロットになっている。だから突飛な設定を節々で着地させてくれたのは、千葉雄大だとも言えており、千葉くんが映画を下から支えてくれていましたね。

予想規模も小さくなさそうだし、一流アーティストが提供する楽曲の数々とともに、ハイテンションかつ小ネタ満載に描き出します。三木監督がその破天荒な才能を、いかにわかりやすいエンターテインメントに収めるのかにも注目しました。

ですので、観て愕然としました。自分が知っている映像の三木作品の中で一番破天荒な映画になっている。何しろ、ロックスターのしんこと、阿部サダヲが「声帯ドーピング」のせいで破滅に追い込まれつつあるカリスマ・ボーカリストと、歌声が異常に小さいアマチュアのシンガーが出会うことから始まるストーリーなのだが。

「何でそうなるの?」と言いたくなる展開だらけだったり、全体にきっぱりとリアリティ無視かと思っていたら、ある部分では執拗にリアルなディテールにこだわっていたり、松尾スズキ&ふせえりの、おもしろさがリミットを超えていたりして、これって30年前くらい前にラジオで一緒にレギュラーでコントをやっていた二人ですからね。

だから、バランスがめちゃくちゃで、凄くイビツだし、しかしそうであればあるほどに面白くなるのが、三木監督なのもまたどうしようもなく事実なのでありました。

この映画でしか見られないコラボレーションが、阿部と吉岡が全力投球&超・躍動して、こんなにたくさんあるとはね。 予測不能・変幻自在の“三木ワールド”全開で、今回が初の組み合わせにもかかわらず、それぞれの限界点を吹き飛ばすキレッキレの演技を叩きつけてくるんですから。阿部ちゃんが突っ走れば、吉岡も負けじと爆走するし。“笑いの相乗効果”が、いたるところで巻き起こっているので、絶対に映画館で思いっきり楽しんでほしいですよね。

さらに、癒し系イケメンの千葉雄大が、シンのマネージャー役で顔面崩壊するところも。それに、麻生久美子、ふせえり、田中哲司、松尾スズキといったベテラン俳優陣が演じる特濃キャラも合わさって、「わかっているのに笑っちゃう」状態に突入! 

 

実は本作の劇中で二人が歌う楽曲を手掛けたのは、実力と人気を兼ね備えた面々であり、シンがシャウトするハードロックなパワーチューン「人類滅亡の歓び」は、作曲をあのHYDE、作詞をチャットモンチーやSuperflyなど600曲を超える楽曲を手がけてきたいしわたり淳治が担当していた。

一方、ふうかが思いを乗せてソロで歌い上げる爽やかなナンバー「体の芯からまだ燃えているんだ」は、若者を中心に絶大な人気を誇る期待のシンガーソングライター・あいみょんが作り上げていたんですよ。 さらに、シン=阿部と共に熱唱するデュエットバージョンでは、シン&ふうかの“声の化学反応”が炸裂! 「耳にタコができる」ほど聞けって、強烈な印象を残す一曲です。

日本から脱出する二人は韓国へと、そこにはふうかの親戚たちが花火の工場を経営していた。そこで暫く二人はのんびりとしていたが、そこへも日本から追っ手がやってきて、ドタバタ騒ぎになる。ふうかだけを日本へ逃がして、シンは薬をやっていることから警察に捕まり、刑務所の中の病院で声帯の手術をしてもらう。

ラストが素晴らしい、ふうかが大声で歌いヒットを飛ばし有名になり、釜山にある刑務所のシンに、ふうかの声が届けとばかりに、大声で歌うのも良かった。ここまでされちゃったら、笑いを我慢するのは正直無理っていうもの。もう、笑ったし、最後には強引に感動させられたし、何だか観てよかったという感じでした。

2018年劇場鑑賞作品・・・202  アクション・アドベンチャーランキング

 

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イコライザー2★★★★

2018年10月10日 | アクション映画ーア行

デンゼル・ワシントンが弱き者のためには容赦なく悪を退治する凄腕の元CIAエージェントを演じて大ヒットしたクライム・アクションの続編。静かに暮らしていた主人公が、何者かに殺された親友の死の真相を追い、壮絶な復讐に乗り出すさまを描く。共演はメリッサ・レオ、ペドロ・パスカル、ビル・プルマン。監督は引き続きアントワーン・フークア。

あらすじ:今はタクシードライバーとして穏やかな日常を送る元CIAエージェントのロバート・マッコール。しかしひとたび困っている人を見れば、圧倒的戦闘スキルで悪人たちを一瞬で始末する最強の殺人マシンへと変貌する。そんなある日、CIA時代の元上官で、唯一の理解者でもあるスーザンが何者かに惨殺される事件が起きる。怒りに震えるマッコールは自ら真相を突き止めるべく、極秘に捜査を開始。次第に事件の核心へと近づいていくマッコールは、やがて身内であるCIA、しかも自分と同じ特殊訓練を受けたスペシャリストが関与していることを突き止めるのだったが…。

<感想>2014年に世に現れ、瞬く間に人々を魅了した“仕事人”イコライザーこと、ロバートマッコール。昼間は勤勉に紳士的な働く男。だがよるの顔は「19秒で世の不正を完全抹消する[仕事]請負人」元CIAの工作員。現在63歳の名優、デンゼル・ワシントン最大級の当たり役が、大幅に進化を遂げて我々の前に再び姿を見せる。

鑑賞した後、正直恍惚状態になり痺れましたね。意外にもワシントンがシリーズ映画への出演は1本もない。そんな彼が掟を破り、初めて続編の出演を決めたのがこの「イコライザー2」であります。

前作での仕事は、温厚で真面目にホームセンターで働く職員。夜は悪をも震え上がらせる仕事人であり、映画ファンのツボを直撃した“ギャップ”が今回はタクシーの運転手という立場で描かれる。案の定、彼の乗客の殆どが、あまりにヘビーすぎるトラブルに悩まされている人ばかり。そんな人たちが次々と彼のタクシーに乗車します。

そして、困っている人を絶対に放っておけない性分の彼は、乗客に気づかれないように、さりげなくトラブルの元凶を次々と処理するのですからね。当然ながら、時間は正確であり悪い乗客には、ひそかにお仕置きをするということ。

それに今回の主人公マッコールは、何故かヒゲもじゃのメガネ姿で登場し、それはあくまでも変装であるが、トルコを走る列車の中でターゲットに遭遇すると、メガネと付け髭を外して腕時計をセットする。国外逃亡をした悪人を処理するために、はるばるトルコまでやってきた出張イコライザーの仕事を披露するのだ。武器を持った屈強な男たちをたたきのめすのである。冒頭からド肝を抜く食堂車での格闘技に満足でした。

何だか前よりも強くなっていないか?・・・アクションがより鋭く、ダイナミックに、よりシャープに洗練されていた。スピーディな肉弾戦はもちろんのこと、車を運転しながら戦うという、これまでに無いアクロバティックなシーンに痺れてしまうのだ。

愛妻の喪失に苦しむマッコールにとって、心の拠り所となっているのがCIA時代の上官スーザン(メリッサ・レオ)。唯一彼の過去や別の顔を知る理解者である。だが彼女がベルギーのホテルで、捜査中に何者か襲われ命を落としてしまう。犯行は強盗犯によるものとしてかたづけられるが、不審を抱いたマッコールは、独自の調査を開始する。

浮上してきた黒幕は、マッコールと同じイコライザーという衝撃的なものだった。スーザンを殺したのが、CIA時代相棒だった男だということも分かり、怒りに震えるマッコール。もちろん全員が凄い戦闘スキルのイコライザー同士の、究極の戦いの幕がきって落とされる。

そしてクライマックスのシーンでのハリケーンの中での超絶バトルも、身体が吹き飛ばされそうな風や波、その場にある日用品(頭脳プレイ)を駆使して昔の仲間、暗殺のプロ同士を相手に、一人で戦うのだから、もうお見事としか言えない。追い詰められるマッコールの運命は、超ドキドキであり、緊迫感が半端じゃなかった。

謎に包まれたマッコールの過去がついに明かされ、かつて、この男に何があったのか、何故に人知れず人々を助ける道を選んだのか、全てを理解した時に、「マッコールよ、あんたはカッコよすぎるぜ」と叫んでしまう。今回は現在住んでいる住居にある隠し部屋とか、海岸にある昔、妻と暮らしていた自宅も描かれ、仕組まれたサプライズに驚愕すると共に、ライオンの如く悪党を殺す“仕事人”のプライドを見せつけてくれる。

2018年劇場鑑賞作品・・・199  アクション・アドベンチャーランキング

 

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英国総督 最後の家★★★

2018年10月06日 | アクション映画ーア行

第二次世界大戦後、イギリスの植民地だったインドが、インドとパキスタンという2つの国に分離して独立するまでの激動の日々を、最後の総督となったマウントバッテン卿とその家族の視点から描いた歴史ヒューマン・ドラマ。主演は「パディントン」、TV「ダウントン・アビー」のヒュー・ボネヴィル。共演にジリアン・アンダーソン、マニーシュ・ダヤール、フーマ・クレシー、マイケル・ガンボン。監督は「ベッカムに恋して」「ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日」のグリンダ・チャーダ。

あらすじ:1947年、植民地インドの統治権の返還を決めたイギリスは、主権委譲の任に当たる最後の総督としてマウントバッテン卿を送り込む。こうして妻エドウィナと娘パメラを連れ立って、首都デリーの総督官邸へとやって来たマウントバッテン卿。そこは500人もの使用人が仕える想像を絶する大邸宅だった。さっそく関係者を招いて独立へ向けた話し合いが行われるが、統一インドとしての独立を望む多数派のヒンドゥー教徒と、分離してパキスタンの建国を目指すイスラム教徒のムスリム連盟との対立は激しさを増していく。そんな中、新総督のもとで働くヒンドゥー教徒の青年ジートはイスラム教徒の娘アーリアとの愛を育んでいくのだったが…。

<感想>二つの国が生まれる時――英国領インド最後の6か月、真実の物語。英国から赴任そうそう、人種や宗教の壁を越えて統一国家を樹立したいネルー率いる国民会議派と、インドから分離してイスラム国家を樹立したいジンナー率いるムスリムとが激しい論戦を交わしており、マウントバッテン卿は意見の違いの仲裁に追われる日々。当初は統一インド案を指示していたが、分離はやむを得ずと判断し、問題は分断をした場合の境界線の線引きであります。

そんな時、チャーチル政権の首席補佐官であるヘイスティングスが持ってきた文書を提示する。それには、英国がソ連に対する利権である重要な港、カラチをパキスタン側に線引きするというもの。それは既に2年前にチャーチル自ら承認していた分割案だった。英国とムスリム連盟との密約を知ったマウントバッテン卿は衝撃を受ける。

ついに、インドと新国家パキスタンは分離し、独立を果たします。しかし、宮殿にいる500人もの使用人たちは、インドに残るのか、パキスタンへ戻るのかの二択の選択を迫られます。そこに、使用人たちの中にアーリアとシードの恋愛中の2人は、アーリアはパキスタンへと婚約中の彼がいるところへ戻ることになるわけ。ジードは宗教の違いもあり、叶わぬ恋とあきらめなければならなかった。

ところが、アーリアの乗った列車が暴徒に襲撃され、乗客全員が虐殺されたという報告を受けたジードは、失意のうえに打ちのめされ官邸の使用人を辞めてしまう。

そのころ、インドの中心地であるデリーは難民であふれかえり、マウントバッテン卿は混乱の責任を取り、独立後も家族と共にインドに残り支援をおこなうことに決めました。難民支援のボランティアに参加していたジードは、重傷を負いながらも生存していたアーリアを見つけ、2人は再会を果たします。

独立前夜のインドで何が起きていたのか、新たな発見を加えて描く、極めて誠実な歴史映画でもありました。基本としては、分離独立をめぐる話し合いを延々と見せる映画なのだが、主要人物の一人であるインド人青年が重要な局面に、必ず居合わせざるを得ない設定になっているのが、良かった。

さまざまな社会層、さまざまな場所を横断しながら語りが展開していき、出番の少ない端役まで人間味が感じられ、いつしか作品世界に引き込まれていく。若者たちの不運な恋の行方も、無駄なく描いておりバランスが絶妙であった。

歴史の中で一応知ってはいたものの、映画の中で詳しく知るということはとても勉強になることでもあり、意外と知られていない気がするインド独立と、それに伴うパキスタン建立のあらましが、しっかりと学べる点では良かった。

分離独立によって生じる宗派対立と内紛を、その状況に置かれたインド人男女の恋を重ねて描こうとするのも良かったけれど、それはそれで別個に完結してしまう。

中でもガンディーやネルーを中心に、インドの英国からの独立をみてきたものには、最後のマウントバッテン総督の視点で描いた作品は新鮮であった。

総督の居住する大邸宅の豪華さにあきれながらも、総督一家を中心に制服を身に着けた使用人たち500人の人間が、記念写真を撮るシーンにも、大英帝国の挽歌を告げる映像として感銘を受けてしまった。ですが、500人もの使用人を束ねる頂点にいるのは妻であるエドウィナであり、それに娘もよく手伝っていた。普通だったら、全部使用人に任せて、客が来れば登場するという役割だと思ったのに、全然違っていたので驚きました。

それに、宗教にまつわるインドとパキスタンの境界の線引きがあまりにも強引であり、多くの難民を作った歴史的事業も、パキスタンからの難民を受け入れる官邸の中庭で、食料を振舞う妻と娘には感心しました。こんなに詳しく描かれているので、映画を通してよく理解できましたね。

インドに骨を埋める覚悟のマウントバッテン総督と、一緒に寄り添う妻と娘が紛争に巻き込まれていくのは耐え難かった。

2018年劇場鑑賞作品・・・196  アクション・アドベンチャーランキング

 

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愛しのアイリーン★★★

2018年09月21日 | アクション映画ーア行

嫁不足の農村で悶々とした人生を送り続けた40過ぎのダメ男を主人公に、人間の剥き出しの愛と業を力強い筆致で描ききった新井英樹のカルト的傑作漫画を「ヒメアノ~ル」「犬猿」の吉田恵輔監督が実写映画化した衝撃のバイオレンス・ラブストーリー。気弱な主人公がフィリピン妻を連れ帰ったことで様々なトラブルが吹き上がる中、次第に暴走していく愛と欲望の行方を妥協のない過激さで描き出す。主演は「俳優 亀岡拓次」「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の安田顕、共演にナッツ・シトイ、伊勢谷友介、木野花。

あらすじ:42歳になる農家の息子・宍戸岩男。いまだ独身の彼は、年老いた母と認知症の父と暮らしながら、パチンコ店で働いていた。女性とまるで縁のなかった岩男は、同僚のシングルマザーを相手に手痛い大失恋を味わったのをきっかけに、コツコツ貯めた300万円をはたいてフィリピンでの嫁探しツアーに参加することを決意する。やがて岩男がそこで見つけたアイリーンを連れて帰郷してみると、父はすでに亡くなっていて、実家はその葬儀の真っ只中だった。母のツルは溺愛していた息子がいきなりフィリピン人を嫁にしたことが我慢ならず、激しい怒りの矛先をアイリーンへと向けるのだったが…。

<感想>二人で歩む、地獄のバージン・ロード。1995年から1996年まで『ビッグコミックスピリッツ』で連載された『愛しのアイリーン』は、吹き溜まりのような寒村に突如現れた外国人妻アイリーンと彼女を取り巻く人々の欲望を描いた新井英樹の作品。映画版では42歳まで恋愛を知らずに生きてきた主人公の宍戸岩男役を安田顕、岩男の母・ツル役を木野花、父親の品川徹、アイリーンを連れ去ろうとするヤクザの男・塩沢役を伊勢谷友介が演じている。メガホンを取ったのは『銀の匙 Silver Spoon』『ヒメアノ~ル』などを実写映画化した吉田恵輔。

日本の嫁探しの遠征ツアーは、高度経済成長期に流行し始めたものであり、少し前の東北の農村では嫁のきてがなく、特にフィリピンは人気国だったことで知られていた。バブル崩壊後、間もない頃に描かれた原作の漫画において、この設定は「満たされない日本人が金という武力でセックスをむさぼる3度目の侵略」という経済大国ニッポンを引きずったものだった。

あれから20年経った今、さすがに今でもあるのかどうかは知りませんが、人身売買というほどではなく、嫁不足で困ってフィリピンでまで行くわけで、やはりお金に困っている子だくさんで貧困の国へと、お金を出して嫁を貰うということになる。

しかし、映画が展開するにつれて、次第に印象が変わっていくわけで、特に岩男とフィリピーナのアイリーンが、愛のあるセックスに至ってから以降は、地獄めぐりがまさに壮絶にして圧巻であった。文字通り暴発の連鎖が止まらない主演の安田顕は、さすがの憑依演技で圧倒させるが、驚くのは、通常のどかな感じの母親役の木野花が、歪んだ母性のお化けを怪演することになるとは。父親の品川徹は、ボケているようで、母親とは対照的な存在感がある。

岩男がフィリピンまで嫁探しに行っていることを知らない両親は、そこで父親が脳梗塞で突然亡くなるし、岩男がアイリーンを連れて帰って来ると、父親の葬式の真っ最中であったわけで、母親がフィリピーナの嫁を連れてきたことで激怒をして猟銃を片手に追い出す始末。

岩男の母親を怪演する木野花の演技の凄まじさといったら、愛する息子を奪った花嫁アイリーンを、露骨に罵倒しながら、ライフル片手に村(ロケ地新潟)を彷徨う殺気だった鬼の形相が凄い。

そこからが、岩男が母親を説得するのだが、肝心の嫁であるアイリーンとの初夜も上手くいかずに手つかずの間柄。妻に娶られるても18歳の彼女には、「好きな相手と結ばれたい」の一点張りで、岩男を受け付けないのだ。

日本語も話せないし、それでもアイリーンは、毎日のようにパチンコ店に一緒に付いて行き、付き纏い、車の中で寝てしまう。夜になると、フィリッピンパブへ行っては同じ故郷の女と遊ぶのだ。そこの女性に日本語を教えて貰い、辞書も貸してもらい、何とかカタコトの日本語を話せるようになる。

岩男もその内に、アイリーンとのセックスも巧くいくと思っていたのだが、働いているパチンコ店の熟女人妻の河井青葉が、エロい演技で場をさらってしまう。岩男と浮気をしてしまい、そのままずるずると続くのであった。それが、吉岡愛子の夫にバレてしまい、その後は相手にしてもらえない。

母親の方は、近所の人に頼んで何とか岩男の嫁探しをするのだが、そこへヤクザの伊勢谷友介がやってきて、アイリーンを金で買い上げてよそへ売り払おうという計画を持ちかけるのだった。

岩男がそのことを聞き、駆けつけてアイリーンを助けて、挙句にヤクザの伊勢谷友介をライフルで撃ち殺してしまう。死体を林の奥に穴を掘り埋めて隠してしまうも、ヤクザが身内の伊勢谷友介を捜しに来るのだが、知らぬ存ぜぬを決める岩男。

ヤクザも岩男に目を付けて、嫌がらせをして「人殺し」の貼り紙やスプレーで落書きをして脅しにかかる。

岩男がアイリーンと身体を交わるのは、何か月も後になるが、ヤクザを殺してくれた後で2人は激しく結ばれるわけ。しかし、アイリーンがお寺の坊さんに、殺した男の弔い方、お経を教えて貰いにお寺に通うようになるも、それが不倫をしていると噂になってしまう。

岩男は、自分も浮気をしているのに、アイリーンを愛するようになり、嫉妬のあまりお寺の裏の林の杉の木に、「アイリーン」とナイフで名前を切り刻み込み、その後謝って転落して死んでしまうのだった。

アイリーンが、岩男を捜しにお寺まで来て、岩男の死体を見つけ、家から布団を持ち出して岩男の上に掛けてやる優しさもある。

最後には、母親が岩男を捜し歩いて衰弱し、アイリーンがお寺の裏まで母親を連れて行くと、息子の亡骸を見て卒倒して倒れ込んでしまう。家へ連れて帰るも、狂った母親は、岩男の傍で自分も死にたいと思ったのか、よろよろと衰弱した体で岩男の亡骸の元へと執念で辿り着くも、アイリーンがその時に「お腹に岩男の子供がいる」と母親に教えると、嬉しそうにアイリーンの背中におぶされて家に帰ろうと心変りをする、その道中に亡くなってしまうのだが。

この母親の回想があまりにも過酷な人生を歩んできたようで、目の前の悲惨な出来事に対する比較対象の度合いが、穏やかな人生を歩んできた人間とは明らかに異なるのだ。本作での冒頭から積み重ねられるように描かれる“過酷さ”は、子を想う<鬼>と化してゆく木野花の入魂の役作りは賞賛に値すると思う。

018年劇場鑑賞作品・・・183  アクション・アドベンチャーランキング

 

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アントマン&ワスプ★★★★

2018年09月04日 | アクション映画ーア行

マーベルの人気キャラクターにして異色の“最小”ヒーロー、アントマンの活躍を描くアクション・アドベンチャー大作のシリーズ第2弾。アントマンの前に、アントマンスーツの開発者ピム博士の研究所を狙う謎の美女“ゴースト”が現われ、アントマンは完璧すぎるヒロイン“ワスプ”とともに世界を守るための戦いに身を投じていく。主演はポール・ラッド、共演にマイケル・ダグラス、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ペーニャ、ミシェル・ファイファー。監督は引き続きペイトン・リード。

あらすじ:バツイチで無職、愛娘のキャシーにもなかなか会えない運に見放された冴えない男スコット。ピム博士が開発した特殊スーツを身にまとうことで、身長1.5cmのヒーロー“アントマン”として活躍するも、ある事件のせいでFBIの監視下に置かれるハメに。そんな中、ピム博士から新たな任務が与えられる。アントマンの秘密が詰まった博士の研究所が、あらゆるものをすり抜ける謎の美女“ゴースト”などに狙われているというのだ。博士の娘で自らも最小最強のヒロイン“ワスプ”となって戦うホープと力を合わせ、研究所を守るべく危険な敵に立ち向かっていくアントマンだったが…。

<感想>「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の衝撃がいまだに消えていないので、アントマンの本作を待っていました。2年前に勝手に「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」に参加したスコットがFBIに逮捕され、司法取引の結果、FBIの監視つきで自宅軟禁生活を送っていた。そこにピム博士とホープのために、消えた妻ジャネットの母親探しを手伝わなくてはいけない任務が。スコットは自宅軟禁中のため、外出したらFBIにすぐ連絡がいくように足に追跡装置をつけて生活しているんですね。

その一方で、拡大・縮小スーツを開発したピム博士は、スーパーパワーの無許可所持利用のかどでお尋ね者となっていたわけ。しかし、博士は娘のホープと共に潜伏しつつ、30年間に極小の別次元「量子世界」へと消えた妻のジャネットを取り戻すための、量子トンネルを開発していたのですね。

あと3日で軟禁生活から解放されるスコットも、罪悪感から彼らに協力することになる。ですが、そこへピム博士の量子技術を横取りする悪いギャングのソニー・バーチが、さらには、同じく横取りを狙って忽然と現れた謎のヴィラン「ゴースト」が、さらにはFBIから追われることに。

三方から敵に狙われる中、果たして彼らは無事母親のジャネットを生還させることが出来るのでしょうか?・・・。

舞台となる西海岸の小さな町の風景や、坂道が多いサンフランシスコでの車とのカーチェイス、アントマンたちは車の下をくぐったり、サイズを様々に変えての活躍は、とてもユーモラスでした。

そして、サンフランシスコの港にスコットが超巨大化して20mをも超す巨人となって現れるなど、SF的な現実離れした設定はあれど、映画の中身はぎゅっと詰まって面白かった。

今回の悪党のバーチにしかり、物質をすり抜ける凶暴な敵ゴーストにも同情せざるを得ない身の上話があるのでした。

前作に続いてスコットと愛娘のキャッシー、スコットの元妻マギーとその現夫らが、理想どおりではなくても充分温かさに満ちた家族愛を見せてくれる。それに、こうした家族の繋がりはなくても、スコットの友人ルイス、カート、デイヴの仲良しコンビや、ヴィランのゴーストとピム博士の友人のなど、形は違えど純粋に相手を思いやる絆が、さまざまな姿で描かれていく。

もちろん目玉は、スコットのスリリングな拡大・縮小能力を使いこなしてのアクションであり、全てのシーンに奇抜なアイデアがてんこ盛り状態でワクワクの連続が止まりません。機知で難所をすり抜けるアントマンと、冷静にして大胆な活躍を見せる女性ヒーロー「ワスプ」となったホープとの、ペアによる戦闘場面は見事なくらいにスカットしますからね。

時には対立しながらも敵に立ち向かうアントマンとワスプ。実は惹かれ合っている2人の絶妙なコンビネーションとバディ感は今作ならでは。彼らが大きくなったり小さくなったりするだけではなく、あらゆる物のサイズを自在に操るトリッキーなアクションに加えて、スコットの悪友たちが織りなすユーモラスなドタバタ劇もあります。悪いやつらに捕まって、自白剤飲まされたりして、これ笑えます。

ラストのゴーストとの戦闘シーンでは、「拡大・縮小」と物質(車や建物)をすり抜ける能力がぶつかり合い、ピム粒子の研究の格段の進歩によって、ミニカーを巨大化して人間が乗れるサイズにしたり、研究所のビルを小さくしてキャリーケースのようにして持ち運ぶことが出来るとは。今までに、観たことのないアクションが展開されますから。

主人公アントマンのポール・ラッドに、2代目ワスプとして本格的始動するホープのエヴァンジェリン・リリー、初代ワスプのジャネットにはミシェル・ファイファーが、未だに量子の世界で生きていると思われる。そして、父親ピム博士のマイケル・ダグラスの、爺様らしからぬ若さに惚れ惚れしますから。

それに、ピム博士の同僚だった優秀な科学者のビル・フォスターに、ローレンス・フィッシュバーンが、物体をすり抜ける「ゴースト」のハンナ・ジョン・カメンを、娘のように可愛がり助けて上げようとする。

で、今回アントマンが戦わなければいけない敵が、ハンナ・ジョン・カメン演じる「ゴースト」という敵。博士がビルという旧友をクビにしたことで、助けられなくなった少女がその正体だったわけです。

2人が奪われた素材とラボを「ゴースト」から奪還し、ピム博士がいざ量子トンネルを解放したけどうまくいかない。困惑するピム博士でしたが、いつの間にかスコットがPCをたたきいじり回す姿が、何とスコットの中身は母親のジャネットではないか。

そして、ピム博士がトンネルをくぐって量子の世界へと、妻を迎えにいくのですが、そこにはまるで未知の宇宙でありクマムシがたくさんいるし、でも、妻と無事再会できるのですからね。行きはヨイヨイで、帰りが大変なんですよ。

夫婦が乗った宇宙船が、量子、粒子、元素の世界とくぐって、現在の世界へと戻って来るのには、現在の世界には、敵がその未知なるラボを奪還すべくの戦いが勃発してました。アントマンとワスプが協力して、何とか無事にラボを手に入れて研究所を大きくしてと、トンネルから両親が無事に生還するという感激シーンもあります。

ラストでは、またもやアントマンがトンネルをくぐって、未知なる世界・量子の世界へと旅立ちますが、それは「ゴースト」を元の身体に戻すための物質を手に入れるためだったのですよ。でもね、帰ってこれるのかが心配です。

018年劇場鑑賞作品・・・171 アクション・アドベンチャーランキング

 

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銀魂2 掟は破るためにこそある★★★★

2018年08月22日 | アクション映画ーア行

空知英秋による人気コミックを小栗旬主演&福田雄一監督のタッグで実写映画化し、2017年の邦画実写でナンバーワンの大ヒットを記録した「銀魂」の続編。原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を融合させたストーリーが展開される。おなじみの“洞爺湖”と彫られた木刀を手に、鋭い眼差しを向ける銀時を中心に構成。新八&神楽も続き、真選組局長・近藤勲(中村勘九郎)、副長・土方十四郎(柳楽優弥)、一番隊隊長・沖田総悟(吉沢亮)が闘志をみなぎらせる。

さらに真選組動乱篇の重要人物・伊東鴨太郎(三浦春馬)や、鬼兵隊の河上万斉(窪田正孝)、爆笑必至の騒動を巻き起こす江戸幕府第14代征夷大将軍・徳川茂茂(勝地涼)、警察組織の頂点に君臨する松平片栗虎(堤真一)、銀時のストーカーくノ一・猿飛あやめ(夏菜)、万事屋の大家・お登勢(キムラ緑子)という映画初登場キャラも集結。そして、銀時のかつての盟友・桂小太郎(岡田将生)、新八の姉・志村妙(長澤まさみ)、発明家・平賀源外(ムロツヨシ)、鬼兵隊頭領・高杉晋助(堂本剛)と、前作を彩ったキャラクターも凛々しく並び立っている。なお佐藤二朗の姿も確認できるが、役どころは未だに不明だ。

<感想>前半の「将軍篇」って本当に老若男女に笑えるものだと思うので、結局やっていることはドリフターズみたいな感じなので、抱腹絶倒でありました。3人揃った「万事屋」は、やっぱりゆる~い掛け合いが似合っているわけで、何でもかんでも喋りすぎな3人の軽妙なトークを特とご堪能あれ。

後篇です。「真選組動乱篇」であり、伊東鴨太郎演じる三浦春馬くんのカッコいいところですかね。サブタイトルの「掟は破るためにこそある」、ここに集まった掟破りな侍たち「いざという時はキラめく」ということであり、土方十四郎役の柳楽優弥くんがメインの映画っていうか、土方十四郎は、ひょんなことから別人格のヘタレオタク“トッシー”をその身に宿してしまう。

日を追うごとにアイドルやフィギュアへの情熱が抑えられなくなり、そのことを機に、真選組と江戸を巻き込む大騒動が巻き起こっていく。

しかし、列車に乗っている真選組局長・近藤勲を助けるために後ろに“トッシー”を乗せ、車で追いかける様は、まるで「マッドマックス/怒りのデス・ロード」のようでもある。車の上に乗り、デッカイ・ロケットランチャーをぶっ放す銀時のカッコ良さは、まるで「トム・ハーディ」のようであった。ですが、途中で銀時は、真選組局長の救出を任せて自分は、鬼兵隊の河上万斉のところへ行く。

新しく出た、窪田くんの鬼兵隊の河上万斉は、表では音楽プロデューサーとして活躍し、裏では高杉晋助(堂本剛)率いる鬼兵隊で暗躍する万斉役を演じている。銀時との戦いでは、見事にハマった窪田くんの河上万斉の華麗なアクションに目が釘付けになりますから。

「銀魂」って、万事屋にせよ真選組にせよ、家族的な関係性が多いと思うので、突如描かれる“男の友情”に凄く惹かれるんですよね。それに、土方と銀時の関係もあるし、だからこそ万事屋と真選組の腐れ縁を深いところまで描くのは難しいところ。最後に銀時が土方を助けようとして、真選組局長・近藤勲のところまで行くところなどは、好きですね。

それにだ、今回は沖田総悟の吉沢亮くんがこれまたかっこいいときてる。列車の中で、局長・近藤勲を助けるところとかね。今回はアクションが盛りだくさんありました。

「銀魂」だからこそ描ける人生の本質のようなものがそこにはある。キャラクターたちの泥臭い戦いや、くだらないギャグの裏側には、そいう生き抜くヒントが滲み出るからこそ、私たちはこの作品に夢中になるわけなんです。

そして、怒涛のシリアスな展開は、ともすれば前半と別作品のようにもなりかねないが、ムロツヨシの猫バスならぬアライグマバスまで登場し、挙句はタケコプターならぬ木製のヘリコプターまで登場させる。ギャグからシリアスまで同じ温度感で全力疾走する「万事屋」がいるからこそ、笑いと涙が共存する「銀魂」ワールドの世界観。

ラストでは真選組の深い絆が一層輝くのは言うまでもないが、物語の最終章の「銀ノ魂篇」に繋がっていくという、これはかなり長篇になるのではないかと思います。絶対に公開されることを、楽しみにしている。

018年劇場鑑賞作品・・・162アクション・アドベンチャーランキング

 

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オーシャンズ8★★★★

2018年08月11日 | アクション映画ーア行

「オーシャンズ11」シリーズの女性版として、ジョージ・クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹デビーを主人公に贈るクライム・エンタテインメント。デビーが結成した女性だけの個性派犯罪ドリーム・チームが、全世界に生中継されている“メットガラ”を舞台に、1億5000万ドルの宝石を盗み出す前代未聞の計画に挑むさまをスリリングに描く。主演はサンドラ・ブロック、共演にケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、リアーナ、ヘレナ・ボナム・カーター。監督は「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロス。

あらすじ:犯罪界のカリスマ、ダニー・オーシャンを兄に持つデビー・オーシャンは、刑務所での務めを終え仮出所を果たすや、5年8ヵ月の服役中に練りに練った計画を実行に移すべく右腕ルーとともにその道のプロたちに声をかけ、最強の犯罪集団、新生“オーシャンズ”を結成する。狙うは世界最大のファッションの祭典“メットガラ”でハリウッド女優ダフネが身につける1億5000万ドルの宝石。しかし会場には防犯カメラが1ミリの隙もなく張り巡らされ、至る所で屈強な男たちが目を光らせている。その上、祭典の模様は全世界に生配信されることになっていた。そんな到底実現不可能と思われる前代未聞の計画に、緻密かつ大胆不敵に挑んでいくデビーとその仲間たちだったが…。

<感想>ジョージ・クルーニーの「オーシャンズ11」の女性版。今回はサンドラ・ブロック主演であり、代々続く犯罪者一家の一員であり、チームのリーダーとして宝石強奪計画を立案。しかし彼女には別の目的もあったという秘密もある。兄妹という設定だから血は争えないということかな。そこであえて似た展開にしたお遊びでした。

オーシャンズ11」で襲ったのがラスベガスのカジノだったけど、今回の標的はNYのメットガラ。そのメットガラって何なの?・・・「ヴォーグ」アメリカ版のアラ・ウィンター編集長の主催で、NYのメトロポリタン美術館で、毎年5月の最初の月曜日に行われる世界最大のファッションの祭典。

錚々たるセレブたちが正体され、その衣装はつねに話題になっている。ちなみに、A・ウィンターは、「プラダを着た悪魔」の編集長のモデルで、今回の映画にもチラッと出てきます。

今回のターゲットは、カルティエ本社の地下金庫に眠る、1億5千万$相当の宝石で飾られた門外不出の首飾り“トゥーサン”なんですね。とにかく物凄いところを狙うんですね。

大女優のダフネの首に掛けてメットガラに参加させるために、それを借り出し、さらにはそのために、トゥーサンに合う彼女のドレスをデザインをするという手間をかけた計画。

カルティエのシーンでは実際に本社の建物内を撮影され、出て来る宝石も本物ばかりなんですからね。12月のホリデーシーズンのかき入れ時のお店を2日間も休んで撮影された前面強力作品ですから。

「ヴォーグ」の編集部でも実際に撮影が行われている。一部はセットを使っているけれど、閉館後のメトロポリタン美術館でも、夜間の数時間だけ撮影が許可されたそうです。

それぞれが騙されたり盗まれたりする設定の映画なのに、ちゃんと協力してくれるなんて、さすが一流どころは懐が深いですよね。

個性豊かなキャストも適材適所で大活躍するし、11人から8人に減っているので、最初は小粒になるのではないかと心配したそうです。実を言うと、以前の作品はメンバーが多すぎて、後の方の作品になると「この人、何のためにいるんだろう?」というメンバーも出て来てしまったような気もしました。だから、このぐらいの規模の方が、それぞれ個性を活かせると思う。

見せ場では、二転三転する状況にハラハラしながら、今どこで何が起こっているのかは、ちゃんと把握できる演出になっている。だから、???になることはない。お宝を奪って目出度し目出度しではなく、その後のひねりが数回あるだけに、良く出来た映画だと感心しました。

 

貫禄のサンドラ・ブロック、男前なケイト・ブランシェット、すっかり大女優なアン・ハサウェイ、天才ハッカーのリアーナ、挙動不審なヘレナ・ボナム・カーターを筆頭に、どのメンバーもしっかりとキャラクターが立っているのだ。

今回の監督・制作を手掛けているのは、ゲイリー・ロス。「ハンガー・ゲーム」の監督として知られているが、もともとは「ビッグ」や「デーヴ」の脚本家としてアカデミー賞にノミネートされたことのある才人。だから、見せ場を散りばめながら最後まで楽しませてくれます。

018年劇場鑑賞作品・・・156アクション・アドベンチャーランキング

 

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エヴァ★★・5

2018年08月09日 | アクション映画ーア行

イザベル・ユペールがギャスパー・ウリエル扮する若き作家を破滅の道へといざなう娼婦を演じる官能ドラマ。かつてジャンヌ・モロー主演で「エヴァの匂い」として映画化されたジェームズ・ハドリー・チェイスの小説「悪女イヴ」を、「マリー・アントワネットに別れをつげて」のブノワ・ジャコー監督のメガホンで再映画化。2018年・第68回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品。

あらすじ:ベルトランは他人の戯曲を盗作して作家デビューを果たし、成功を手に入れた。周囲から2作目を期待されるものの思うように筆が進まないベルトランは執筆の場である別荘に到着した。するとそこには吹雪で立ち往生した男女が勝手に窓ガラスを割って部屋に侵入し、くつろぐ姿があった。怒り心頭のベルトランはバスタブでくつろぐ娼婦エヴァに文句を言うために近づくが、一瞬にして彼女に心を奪われてしまう。

<感想>今最高にのっている2人のフランス俳優イザベル・ユペールと、ギャスパー・ウリエルの顔合わせとなる、ジェームズ・ハドリー・チェイスの推理小説「悪女イヴ」の映画化である。物語の背景を1940年代の映画黄金時代のハリウッドから現代のフランス演劇界に移して、多様な映像解釈を加えた見応えのある心理スリラーに仕上げている。

 

主人公のエヴァをイザベル・ユペールが、新進作家でエヴァに魅了される青年ベルトランをギャスパー・ウリエルが演じている。今人気実力と共に最高の二人、エヴァは娼婦の仕事をしているのだが、それなりに演じてくれているわけですが、本作ではエヴァの抱える矛盾を強調することに焦点があったかと思いますね。エヴァは慎重で控えめで、娼婦のような妖艶な風情をさらす魅惑というのとはちょっと異なっている。

ベルトランを破滅の追い込む謎の女というフランス映画が好む典型的なファム・ファタールではなく、全く異例なファム・ファタールにしょうと考えたという監督。確かに筋書きを前後させたり、原作とは違う空想シーンを加えたり。観る者を困惑させる一方で、推理力をかきたてるという。

ギャスパー・ウリエルが演じるベルトランは、介護をしていた老作家が他界し、その作家の書いた戯曲を盗んで新進作家として成功した男なのだ。介護士というよりは、男妾のような存在である。当然2作目の執筆は進まず、そんな時に謎めいた娼婦エヴァに出会うわけ。

彼の演技の見どころは、何といってもエヴァに訳も分からず魅了され、自分を見失ってしまうところ。それは、彼が、まず彼女に自分の抱える問題の簡単な解決策だと思ったのだろう。彼は劇作家としての壁にぶちあたっていたから。彼女こそが、新作のテーマにもってこいだと思ったのだろう。

それに加えて、彼はエヴァの中に自分と同類の人間の質を感じたんだと思う。二人とも嘘つきで“なりすまし”なんですね。二人は似た者同士なんですよ。鏡を見ているような気持ち。自分の女性版であるような。実際にはもと複雑だとは思うけど。根底にはそういった気持ちがあるんだと思います。

エヴァが住んでいる豪邸も、刑務所に入っているエヴァの夫の存在を隠して、お客は金持ちの人ばかりで固定客のようだ。

 

本当は、ベルトランが彼女の別荘に執筆をしようと行ったのに、知らないカップルがのうのうと住んでいた。そこで怒り狂った彼が、警察を呼ぼうと泥棒の所へ行くと、そこには熟女のエヴァがいたということ。今までに付き合ったことのない、何処か自分と同じ匂いのする女が、それで男を追い出して、そのエヴァと仲良くなるわけ。

しかし、エヴァの家へ行くと、玄関の前の広いエントランスで前金300フランを取られるのだ。高級娼婦の値段であるが、お客がその値段に満足しているからだろう。

彼女とは結婚式を控えており、新婚旅行にはベニスに行こうなんて言っていたのに、好きになったエヴァも「ベニスへ旅行に行きたい」と言い出す。何回か逢瀬を楽しむ内に、彼女と出会った別荘へエヴァを誘う。

そこへ、婚約者の女がやって来たからさあ大変。結局は彼女との結婚はご破算になり、エヴァとの縁も金の切れ目でご破算になってしまうという。おバカな、男の浅ましい物語でした。

彼はすっかり自分を見失い、ベルトランの行動は不可解であり、観る者を不安にする。たとえば、自分の過去を消し去ったはずの新進作家の彼が、電車の中で昔の知り合いから声をかけられるという、危ういシーンなどもある。

ベルトランを演じたギャスパー・ウリエルは、目に見える世界と、見えない世界、現実とキャラクターの創造、リアリティーとファンタジーという境界線を、もてあそんでいるようなそんな感じでした。

エヴァのイザベル・ユペールに関しては、官能と誘惑、すべての男たちが、この女(娼婦)に狂わされると言うには、ちょっと年の行き過ぎた娼婦という感じで、普通だったらこの高値では客は付かないと思う。過去に苦悩する複雑なキャラクターを、何度も演じてきた経験を活かし、そのあたりを巧みな演技で見せているのには感心しました。

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いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち★★★★

2018年08月07日 | アクション映画ーア行

 予算削減で大学を追われた教授が、同じ境遇の元同僚たちとともに犯罪集団を結成して一発逆転を狙うさまを描いて本国イタリアでスマッシュ・ヒットしたコメディ「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の続編。前作でスマート・ドラッグの精製に手を染めて警察に捕まった主人公たちが、今度は罪を帳消しにしてもらうために警察の捜査に協力する中で繰り広げる大騒動をコミカルに描く。主演は引き続きエドアルド・レオ、監督も前作と同じシドニー・シビリア。

<感想>アメリカのドラマ「ブレイキングバット」のイタリア版。高学歴で優秀な頭脳を持つ人々が、能力に合った職を得ることができず、社会の片隅に追いやられ、その能力を使って犯罪に手を染め、リベンジを開始したらどうなるのか?・・・イタリアの気鋭監督シドニー・シビリアが目にとめた記事を基に、脚本も執筆したコメディ・シリーズ第二弾。

「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」

無職の潰しのきかない学者たちが、合法ドラッグを製造して、物騒な道をケミカルに、コミカルに突き進んでいたのが、前作の「いつだってやめられる7人の危ない教授たち」である。2009年のギリシャ危機はイタリアへも飛び火し、研究者など頭のいい人達の食いぶちに影響がでていた。神経性物学者である主人公ピエトロ(エドアルド・レオ)は、生き延びるために、超絶合法ドラッグ精製に手を染めた結果、警察に逮捕された。

皿洗いのバイトをしている計算科学者、ラテン語学者に人類学者、考古学者、経済学者など頭脳明晰なれど、人間としてはポンコツで潰しがきかずに社会の片隅に埋もれてくすぶっている。

面白いのが合法ドラッグを考えるのが神経生物学者、作るのが計算科学者、密売人になるのは人類学者、考古学者は古い地図面が得意なので、逃走ルート指示。財務は経済学者が担当など、それぞれ得意分野を活かしたスペシャリストによるギャング団になっていた。

しかしだ、スペシャルなのは頭脳だけで、人としての行動は劣るポンコツ集団であるのがミソ。おそらくは、キャンプをしたらテントを作ったりバーベキューをする時、何も出来ずにオロオロとぼんやり手伝うだけの役ただずだ。そんな彼らが進む道はどうなるのであろうか。

だが今度は警察がそんな彼らを必要とする事態に。コレッティ警部(グレタ・スカラーノ)は、服役中のピエトロ・ズィンニに、犯罪歴を抹消するかわりに、ドラッグ蔓延を防ぐための特別ミッションを依頼して来た。

これを受けたズィンニ(エドアルド・レオ)の呼びかけで、英知を持ちながら不遇な運命にあったユニークな7人のドラッグ製造チームが再結集。新たに研究者もリクルートして、10人の新チームが結成された。

社会からはじき出された学者たちが、合法薬物で人生の一発逆転を狙う姿を描いた『いつだってやめられる7人の危ない教授たち』の続編であります。

あらすじ:古典考古学者アルトゥーロ(ローマの道路や遺跡を熟知)が、遺跡が発掘されて工事が中断されたトンネルがあることを知っていたので、ピエトロはギャング団の本部をそこに置くことにしました。

メンバーとパオラはそこで会い、コレッティ警部はミッションの説明をします。与えられたミッションは、ローマに蔓延しているスマートドラッグを分析し、その成分を突き止め新たに30種類を違法リストに追加するということでした。

メンバーたちの目が光り、歓声が上がります。メカトロニクス工学者ルーチョ(ナイジェリアのラゴスで新作の武器の開発中)により、武器を手に入れると最初のミッションに取り掛かりました。

ピエトロ・ズィンニたち落ちこぼれインテリたちは、30種類のスマートドラッグ撲滅に向けて数々の任務を遂行していくが、大物“ソボックス”だけにはたどり着けなかった。学者たちは、知性を絞って大物を追跡するが、予期せぬ事態が彼らを待っていた。

後半では、その“ソボックス”のことが分かります。実はピエトロの妻が刑務所に面会に来た時、妊娠している妻と喧嘩になり「こんなことだったら子どもを作らなかった!ピルをいっぱい飲んでいたらよかったわ!」。この言葉で、ピエトロは解明できない“ソボックス”はピルに関係あることに気づきます。

薬を飲んでいたアルバルトが元気になり、過去の自動車事故の記憶も蘇り、対向車の荷台に大きなクラマトグラフィー(物質を分離・精製する機器)が載せてあったことを思い出した。それはまさに大量のソボックスを製造するためのものでした。それを知ったコレッティ警部は、アルベルトの事故の日にクラマトグラフィーが盗まれている事件を見つけます。

ギャング団は、ソボックスを扱う組織が輸送する途中で、強奪すると見込み、コレッティ警部と共に作戦を立てました。ピルの入った荷物のコンテナに侵入しGPSを付け、追跡するというものでした。そのGPSを付ける付けないでおバカチームがトンマなことをやらかし、挙句に列車のコンテナにGPSを付けられず、チームは列車を追うために、ナチから押収したジープとサイドカーを手に入れ、乗って追跡します。

何とかGPSを取り付けることができ、製造所を見つけたのだが、薬物組織のメンバーには逃げられ、彼らを捕まえることはできませんでした。ミッションを終えてピエトロが妻の病院へと急ぎ、子供に逢いにいくのだが、そこへ警察がやってきて逮捕されてしまう。子供に逢えない悔しさが残ります。

刑務所の中で、アルベルトが残したメモを手に取り“ソボックス”の文字を見つめているうちに、ピエトロは大変なことに気づき、その文字からヴァルテルの本当の狙いが、神経ガスによるテロということがわかりました。ピエトロは、再び刑務所の中で仲間とともに、悔しさと衝撃のままどうにもならないことに。

全編がテンポが速くて、ハラハラ、ドキドキ感が凄くて面白いときてる。予測不能な軽快なストーリー展開も素敵でしたね。本作はシリーズ3部作ということで、ラストが気になる展開であり、次に繋がることから、続編の「魅力溢れる研究者たちに会いたい!」が、必ず観たくなりますね。

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インクレディブル・ファミリー★★★・5

2018年08月06日 | アクション映画ーア行

 2004年に世界的大ヒットとなったピクサー・アニメ「Mr.インクレディブル」の14年ぶりの続編。伝説のヒーロー、Mr.インクレディブルことボブ・パーとその家族を主人公に、世界を揺るがす恐るべき陰謀に力を合わせて立ち向かっていくヒーロー一家の活躍を描く。監督は引き続きブラッド・バード。

<感想>トム・クルーズが同作を観てブラッド・バード監督に連絡し、それが「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を監督するきっかけになったという「Mr.インクレディブル」。その14年ぶりの続編は、怒涛のヒーロー・アクションと温かいユーモアに彩られた、家族の絆の物語。

ストーリーは第1作目のラストの直ぐ後のシーンから始まる。驚かされたのが、地下から登場した地底戦車対ヒーロー一家の総力アクションという、一家総出での見せ場から始まるのだから、一気にアニメの世界に巻き込まれていくのだ。

穴掘り戦車の悪党アンダーマイナーに対して、家族全員がスーパーパワーを持つパー一家が立ち向かうのだから、ビル・建物などその破壊力なんて凄いのなんの。彼らは街を破壊した罪で警察に事情聴取されることになるとは。それで、ヒーロー活動禁止法が設定されるわけ。

政府の保護を打ち切られた家族は、ヘレンが外へ働きに行くと言うのだ。この辺から、パパのボブが家で子守をすることになるのね。

そんな一家に救いの手を差し伸べたのは、ヒーローを復活させたいと願う富豪ハイテク企業のデヴテック社の経営者兄妹だった。建物などを壊さないという理由で、兄妹から仕事を任されるたのは、身体がゴムのように伸びるイラスティガールこと、ヘレンだけだった。

かくして、ヘレンがヒーロー活動に充実感を覚えつつも、家のことが気になるヘレン。対して怪力の夫ボブは、家事育児を引き受けることになる。

ですが、彼は慣れない育児に悪戦苦闘し、中学生の娘のヴィオレットは思春期ゆえ悩みが分からず、怒りで口を聞いてくれない。小学生の長男には、宿題の算数も教えられない。

そして、赤ん坊のジャック・ジャックは、文字通り何をしでかすか分からない。眼からレーザー・ビームを出したり、怒ると全身から炎を放ったりして赤鬼に変身。さらには異次元の世界に姿を消すことも出来るし、自分を分身の術を使いたくさんの赤ん坊を作ることも。父親のボブは、パワーの覚醒に喜ぶが、子守でクタクタになる。たとえ世界は救えても、家族の問題に悩むのはヒーローだって同じなのだ。

一方、ヘレンは、イラスティガール専用の特殊バイクが家の前に。ボブが「俺じゃないの」そのバイクかっこいいんですけどと、ジェラシー。

イラスティガールが真っ赤なバイクで街を疾走し、パワーを駆使して人々を救おうとする一連のシーンはド迫力ですからね。イラスティガールの凄かったのが、電車アクションですかね。ゴム人間である彼女は際限なく身体を伸ばせるので、ぺったんこになったり、ビョーンと伸びきったりするシーンとか、単独で高速列車の暴走を食い止めるイラスティガールお見事としか言えない。

そんな旦那ボブの心配をよそに、ド派手な活躍を見せたイラスティガール。そうして身を潜めていた超人たちが続々と集まって来るわけ。「あなたのおかげで、これからは堂々とできるわ」と、今回はヒーロー同士のチーム戦があり、超人パワーを持っている人たちの参加が大きな見どころ。

しかし、今回の敵であるスクリーンスレイヴァーは、TVを通して人々を操る正体不明の敵を追うのだが、そこには思わぬ陰謀が秘められていた。

ママのヘレンの活躍もTVの前で人々が、スクリーンセレイヴァーに画面を通じて催眠をかけて混乱させ操られているのには、太刀打ちできずパパのボブが助けに行くことになるも、姉と弟も一緒に助太刀することになってしまう。赤ん坊の子守は、洋服デザイナーのエドナおばさんに頼んで、ボブは張り切ってスーパーパワー全開ですからね。

そしてクライマックスでは、ボブとヘレンに、そして氷のフロゾンの大活躍に、船の暴走を止めようとする家族たちのパワフルなアクションはお見事だし、テンポの良さは抜群で、緻密な背景やリアルな炎などの描写を含め、映像表現はピクサーならではクオリティであります。

日本語吹替版で鑑賞、前作に引き続きパパに三浦友和、ママには黒木瞳、ヴィオレットに綾瀬はるか、高田延彦らが声を担当している。

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オンネリとアンネリのおうち★★★

2018年08月03日 | アクション映画ーア行

フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの同名児童文学を映画化したファミリー映画。忙しい両親にかまってもらえない仲良しの女の子2人が、ひょんなことから2人だけの秘密の家を手に入れ、自分たちだけで生活していく姿を、近所の不思議な隣人たちとの交流とともにファンタジックかつキュートに綴る。監督は「星の見える家で」のサーラ・カンテル。

あらすじ:女の子のオンネリとアンネリは大の仲良し。オンネリは9人兄弟の真ん中で、アンネリは離婚した両親の間を行ったり来たり。家族にかまってもらえず、いつも2人だけで遊んでいた。そんなある日、2人は“正直者にあげます”と書かれた大金の入った封筒を拾う。その後、バラの木夫人が売りに出していた水色の素敵な家を目にした2人はすっかり心奪われて、その家を買うことに。こうして、ちょっぴり不思議なご近所さんに囲まれながら、2人だけの生活をスタートさせるオンネリとアンネリだったが…。

<感想>ふたりだけの、秘密のおうち。ずっと、一緒。いつも、おそろい。北欧から届いた、ちょっぴりおませな女の子たちの、とってもキュートな独立宣言。事情は違うが、両親に十分に構ってもらえない2人の少女が、自分たちだけの家を買い、暮らすという奇想天外なストーリーである。

こんな作品を観ると、女の子に産まれて良かった。フィンランドの夏休み、親友同士のオンネリとアンネリは、白夜で長い長い一日を好きな物に囲まれて過ごすこと。可愛らしい夏のワンピースに帽子やリボン。未亡人の店で、ブタの貯金箱一つを買うのも冒険だ。

お婆さんから提供される「おうち」は、北欧のおしゃれな家具や小物、お人形やおもちゃで溢れている。たとえ家庭に複雑な事情があっても、女の子には、身近な楽しみがたくさんあるのよね、と羨ましくなる1本でした。

そんな2人の生活に相応しく主人公のオンネリとアンネリを含め、登場人物のキャラクターがバラエティーに富んでいて面白かった。児童文学の良質な映像化であり、現実と非現実の境目が曖昧で、理屈にとらわれない子供独特の世界観を、大人の文法に当てはめることなく描いているのもいい。

これらのキャラが、ひと通りで揃うと話の行方は見えてしまうのだが、カラフルなヴィジュアルと、マジカルな仕掛けで楽しませてくれるのだ。

名前も髪型もそっくりで、色違いや柄違いの双子コーデで共に行動する二人は、自分の存在を肯定するもう一人の自分の姿なのですね。もちろん男の子が憧れてもいい。子供たちがラップ調で歌うエンディングテーマも、かっこいいのだ。

アイスクリーム屋の中年の恋もあり、親子関係の問題もあり、少女の夢の世界に大人の事情も散りばめられていて、家族で安心して観られるのも良かった。

018年劇場鑑賞作品・・・151アクション・アドベンチャーランキング

 

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