パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

いぬやしき★★★★

2018年04月22日 | アクション映画ーア行

『GANTZ』の奥浩哉による大ヒット・コミックス『GANTZ』の映画版も手がけた佐藤信介監督が、主演に木梨憲武と佐藤健を迎えて実写映画化したSFアクション大作。ある日突然、謎の墜落事故に巻き込まれてそれぞれに超人的なパワーを宿した冴えない初老男性と冷酷な高校生が、人類の命運をかけて繰り広げる壮絶なバトルの行方を迫力のアクション満載に描く。共演は本郷奏多、二階堂ふみ、三吉彩花。

あらすじ:定年を間近に控え、会社にも家庭にも居場所のない冴えないサラリーマンの犬屋敷壱郎。医者から末期ガンで余命僅かと宣告されても家族にも打ち明けられないまま、ただ一人で悲嘆に暮れるだけ。そんな時、謎の事故に巻き込まれ、身体が機械化されたサイボーグとして甦り、超人的な力を宿すことに。高校生の獅子神皓もまた同じ事故で同様のパワーを手に入れるのだった。すると犬屋敷は自らの力に戸惑いつつも、その力を使って人助けに奔走する。一方、やり場のない怒りを抱えた獅子神はやがて己の悪意を人類全体に向け、手にした力で冷徹かつ無慈悲に無差別大量殺戮を実行していくのだったが…。

<感想>これ面白かったです。キレキレの高校生の佐藤健くんが悪役で、冴えないジジイのヒーローに木梨憲武が扮して、『GANTZ』での原作・奥浩哉×監督佐藤信介という二人がタッグを組んだ最新作。

周囲に疎まれながらも人を愛し続けるジジイの犬屋敷壱郎と、どんどん周りから孤立していく獅子神との対立に焦点を当てることで、漫画は未読ですが、10巻の原作がすっきりとまとめられているのも良かった。つまり、犬屋敷はアナログで、獅子神はデジタルという、キャラクターの在り方も対照的でした。

獅子神のクラスメートで、虐められている安堂本郷奏多が扮しているし、獅子神を好きな女子高生のしおんには二階堂ふみが扮していて、初めは気づかなかったくらい演技が上手い。

その他には、刑事に伊勢谷友介が扮していて、これはもったいない使い方でしたね。

獅子神は母親を自殺に追い込んだネットの画面を通じて、ゆび鉄砲で次々と殺戮を始める。PCやスマホの見ている画面から狙って、ゆび鉄砲で殺すなんてこと出来るんだね。さらには、この世界の人々を殺すために様々な画面から人々を殺戮していくわけ。

 獅子神がゆび鉄砲を作り、空に飛んでいる鳥に向かってバンとやると鳥が落ちるシーン、まさか本当にゆび鉄砲で効力があるんだと、それに、そのゆび鉄砲が新宿で無差別殺人で活用する。さらには、学校へ行き、虐められている安堂くんに絡む、生徒の腕を握るだけで怪力を見せるシーンなど。

犬屋敷の父親は、マイホームを建てたのに、そこは奥まったところにある陽の当たらない場所。家族にも文句を言われるし、有難がらないのだ。それも、娘のまりが、新宿にある都庁を社会科見学で訪れて、獅子神に襲われ助けを呼ぶ声が聞こえる父親。

最初は自分の力を知らなくて、病院で死にそうな患者を自分の手で顔を包み込むと、なんと生き返るではないか。自分には蘇生してやる力があることを知る。それからは、困っている人を助けようと奇跡を起こす、善い人間となる犬屋敷の生まれ変わりが出来るのだ。だが、家族を助けようと頑張る犬屋敷なのだが、そこで、獅子神との対決になる。

本当は獅子神だって初めから悪党ではない。母親に引き取られた息子の獅子神が、斎藤由貴扮する母親と貧乏な暮らしをしているのに、父親は家を出て行き、若い女と再婚をして一戸建てで、子供2人と幸せに暮らしている。だから父親を憎んでも憎み切れない。それに、母親が末期がんに冒されて余命宣告を受けるのだ。そして、最後は自殺をして亡くなってしまう。

だから、佐藤健くんの“静”で人を圧する表現力と、高度なCGアクションによる“動”のメリハリが、ラストの新宿上空250メートルでのバトル合戦まで、息をつくのも忘れるくらいの緊張感を一切途切れさせないのもいい。

敵役の佐藤健くんは、筋肉美を見せつける上半身裸のシーンがあり、クランクイン前からストイックに体を鍛えていたそうです。見事な筋肉美を堪能しました。

「アイアム・ヒーロー」の監督、佐藤信介組が作ったのだから、撮影、特殊メイク、CG,格闘アクションが見事に調和したバツグンのチームワークは健在で、ロックダウン並みに全身がパカパカと武器化する映像も超ナチュラルでした。メカごころを押さえた描写で、ジジイの木梨憲武さんをヒーローに仕立て上げたのも良かった。

しかしだ、特筆すべきは、木梨憲武さんが作り上げた冴えないジジイ・犬屋敷壱郎の温かさでした。突然の力に困惑をしてまったく使いこなせない新種のヒーローですが、そんな漫画展開を漫画らしく演じてもまったくシラケさせず、小市民の日常を説得力たっぷりに演じている木梨憲武さんの存在感に拍手。

獅子神に傷つけられた人たちを懸命に救い続ける姿に、人間は救うに足る存在であると信じ続けられる心を持つことこそ、ヒーローの条件であり、その意味で犬屋敷は王道のヒーローなのだと気付かされる。佐藤信介監督、またしても新しいヒーローを誕生させましたね。

2018年劇場鑑賞作品・・・72アクション・アドベンチャーランキング

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悪女/AKUJO★★★★

2018年04月13日 | アクション映画ーア行

スタントマン出身で「殺人の告白」のチョン・ビョンギル監督による革新的な超絶アクションとカメラワークが世界的にセンセーションを巻き起こした衝撃のハード・バイオレンス・アクション。犯罪組織によって殺し屋として育てられたヒロインが辿る壮絶な復讐の旅路を驚異のアクション満載に描き出す。主演は「渇き」のキム・オクビン。共演にシン・ハギュン、ソンジュン。

あらすじ:幼い頃に父を殺されたスクヒはマフィアの男ジュンサンに引き取られ、殺し屋として育てられる。やがて一流の殺し屋に成長した彼女は、ジュンサンと恋に落ち、結婚する。しかしその直後、ジュンサンは敵対する組織に殺されてしまう。激しい怒りのままに敵を殲滅したスクヒは力尽き、国家組織に拘束される。そして国家が運営する暗殺者養成施設に送られ、今度は政府直属の暗殺者として生まれ変わるのだったが…。

<感想>女殺し屋というと、「ニキータ」を思い出すが、それと殆ど同じような物語。韓国の新鋭チョン・ビョンギル監督(兼脚本)が「ニキータ」にオマージュを捧げた本作。主演が「渇き」のキム・オクビンで、美しい肢体と透明感のある美貌、それだけでも売れるのにアクションが凄いときている。殆ど自分でこなしたというから凄い。

そんな外見的なイメージとは裏腹に、彼女には善良さや、優しさ、純真さを感じさせる部分がある。青年諜報部員との韓流チックな恋模様に面食らうも、それが後半で物語と観る者を熱くする燃料としてキッチリ作用するのだから。任務をこなす悪女、恋する乙女、復讐に燃える狂女と、ヒロインの変化を熱演するキム・オクビンの素晴らしさ。

冒頭での廊下の格闘シーンを一人称視点の疑似長回しで見せたかと思えば、深夜の一般道で繰り広げられる逆走バイクチェイス&日本刀ダブルアタックなど。つまり、キム・オクビンと追っ手のヤクザたちが、バイクに乗って日本刀で斬り合うトンデモなバトルを展開。この辺りでは女だてらにと身震いする。一言で言って、狂気の沙汰である。スクヒがたった1人で60人近くの悪党を殺しまくる姿を。

さらに終盤では、スクヒが激走する車のボンネットの上に乗り、後ろ手でハンドル操作するシーンとか。そして、敵一味が乗るバスに後続車から飛び移り、手斧で窓をぶち破って車内に侵入、敵を次々になぎ倒していくのに圧倒される。

このバスの車内で展開するアクションシーンでは、キム・オクビンの顔がずっと映っているので、カメラも俳優も動ける範囲が限られている中での想像以上の撮影がなされていた。

テコンドー黒帯保持者というスクヒ役キム・オクビンのキレのある動きも鮮やかだが、ワンシーン・ワンカットの冒頭7分間を皮切りに、バラエティ豊かな武器とシチュエーションを駆使した驚愕のバトルシーンが随所に展開する。

その中でも、全てを上から仕切る国家情報院の幹部キム・ソヒョンの知的な佇まいが目立っていた。

念願のアクション映画を撮る夢をあきらめなかったチョン・ビョンギル監督の執念、俳優と競演するかのごとく被写体へダイナミックに肉薄するカメラワークは類を見ない。

そして韓国でも女性アクション映画は成立することを身をもって証明した主人公のキム・オクビンの女優魂が火花を散らし、壮絶な傑作が誕生したと思う。「アトミック・ブロンド」も本作の前では色あせたように思えた。

2018年劇場鑑賞作品・・・68アクション・アドベンチャーランキング

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アウトサイダーズ★★★

2018年04月06日 | アクション映画ーア行

社会の規範に縛られることなく、代々犯罪を生業とする流浪のアウトサイダー一族を巡る父親と跡継ぎの確執の行方を、マイケル・ファスベンダーとブレンダン・グリーソンの共演で描いたクライム・ドラマ。監督はケミカル・ブラザーズを中心にミュージックビデオの監督として活躍し、本作が初の長編劇映画となるアダム・スミス。

あらすじ:トレイラーハウスで各地を転々としながら犯罪で生計を立てるカトラー・ファミリー。一家の跡継ぎで優秀なドライバーとして家業での重要な役割も担っていたチャドだったが、幼い2人の子どものことを思い、犯罪からも放浪生活からも抜け出したいと考えていた。そんな中、絶対的な力で一族を支配する父コルビーが、大きな強盗を計画、抵抗するチャドを無理やり手伝わせるのだったが…。

<感想>マイケル・ファスベンダー主演によるクライムアクション。カトラー一族の長男のチャドを演じているが、稼業は窃盗である。凄腕のドライバーで、日本車のデミオを見事なハンドルさばきで、パトカーの追跡を振り切るシーンが良く出て来るのだ。

タイトルの「アウトサイダーズ」=はみ出し者たちのこと。銀行口座もパスポートもなく、国民保険にも入っていないような、徹底的に社会から追いやられた人たちのことであり、彼らの多くは一度も学校に通ったことがない。

彼には妻と小学生の息子と娘がいるが、自分は父親が学校へ通わせないで育てた。そのこともあり、字も書けない自分にコンプレックスを持っている。トレイラーハウスで親父と一緒に住んでいるが、息子にはちゃんと学校へ通わせたいと思っている。

しかし、親父は「学校なんて無意味だ。どんどん遊べ」と孫に言い聞かせる。非常に教育上よろしくない環境での生活を強いられている。だから、親父は孫も学校へは行かせなくてもいいと思っている。しかし、自分が学校へ行きたかったのだろうが、行かせられない事情もあって、不満を持っているわけ。

周りにいるのはチンピラ同然のクズばかりで、中でも知的障害者のゴードンは、たき火に消化器をくべて爆発させて遊ぶ危険行為をする馬鹿ものだ。危険極まりない。近くで自分の息子が子犬と遊んでいたら、その焚火の爆発で子犬が死んでしまい、危うく息子も死ぬかと思うくらい大怪我をする。

だが、問題は、チャド自身がまともな仕事に就いてないないので、トレイラーの中でブラブラして毎日を過ごしている。警察を挑発し、だから警察に目を付けられているのだ。

この盗人家族は、毎晩のように焚火を囲んで酒盛りをし、こんな環境では子供はまともには育たないと思ているのだが、何しろ親離れ出来ないのか、それとも、父親が子離れできないのか、いつも長男のチャドを頼りにして生活をしているのだ。

そんな時に、親父のコルビーから新たな仕事を命じられる。自分は今度こそ足を洗ってまともに稼ぎ、家を建て堅気になろうと考えていたので断るのだが。

しかし、親父の命令に従わなければと思い、怒鳴られながらも渋々引き受ける。

仕事は、SUVとコンパクトカーの2台の車で無尽の豪邸に乗りつけて、SUVでサッシの窓を破って侵入し、金目の物を持ち出しコンパクトカーに運び、SUVにガソリンを撒き燃やしてしまい、コンパクトカーで逃亡するといういつもの手口だ。

ところがであります、この襲った豪邸が、州の総督邸で盗んだ美術品がイギリス史上最大規模の被害額になっていた。だから、全国ニュースになり、州総督は治安判事を任命するトップであるため、警察が本気で犯人を捜すわけ。

その上、チャドは逃亡中に警察犬を絞め殺してしまったために、担当警官が激怒しており、チャドとカトラー一族は追い込まれてしまう。

抜け出したいのに、チャドはコルビーに常に逆らおうとするも、最終的にはいいなりになっている。家族一緒にプールへ行くほど仲がいいのだ。妻がチャドにいつも文句を言われ続けるのも我慢の限界だ。

一方では警察や権力に対する反発もあり、しかし、まともに働いたこともないチャド。それに息子は祖父のコルビーに懐いており、コルビーも孫が可愛い。

凄腕ドライバーであるチャドだが、コンパクトカーを運転して警察のパトカーが追跡してくる中、パトカーを振り切る際にはタバコはかかせないのだ。

だから、わざわざガソリンスタンドに降りて煙草を買い、パトカーを追いつかせるのだ。きっと、煙草はコカインをやらないのでその代用品なのだろう。車を爆走させて、パトカーから逃げ切る快感は、チャドにとっては爽快感この上ない。

親子のしがらみというか、どんなにあがいても切っても切れない親子の絆。それこそが人生そのものといっていいのだろう。だから、自分の息子には、そんなふうになってもらいたくないという願望がある。ラストに警察に逮捕されるチャドが、息子に言う言葉が「自分の道を進め」と。

2018年劇場鑑賞作品・・・63アクション・アドベンチャーランキング

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ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男★★★★

2018年04月01日 | アクション映画ーア行

ゲイリー・オールドマンが第二次世界大戦時に英国首相に就任し、ヒトラーの脅威に敢然と立ち向かったウィンストン・チェーチルを演じてアカデミー賞主演男優賞に輝いた感動の伝記ドラマ。また、そのゲイリー・オールドマンを驚異の技術でチャーチルへと変身させた特殊メーキャップ・アーティスト辻一弘も、みごとアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞し話題に。英国がヒトラーに屈する寸前での首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間に焦点を当て、ヨーロッパのみならず世界の命運を左右する決断が下されるまでの葛藤とその型破りな人物像を描き出す。共演はクリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルソーン。監督は「プライドと偏見」「つぐない」のジョー・ライト。

あらすじ:1940年5月、第二次世界大戦初期。独裁者ヒトラー率いるナチス・ドイツの前にフランスは陥落寸前で、英国にも侵略の脅威が迫る中、新首相に就任した前海軍大臣のウィンストン・チャーチル。国民には人気があったものの、度重なる失策で党内はもちろん国王からも信頼を得られず、弱音を吐く彼を妻のクレメンティーンは優しく叱咤する。就任直後の演説では勝利を目指して徹底抗戦を誓うも、戦況は悪化の一途を辿っていく。そしてドイツ軍に追い込まれた英国軍が、ついにフランス・ダンケルクの海岸で絶体絶命の状況を迎える。英国への上陸もいよいよ現実の脅威となる中、犠牲を回避すべくドイツとの和平交渉を主張する外相ハリファックスの必死の説得を受けるチャーチルだったが…。

<感想>英国一型破りな男が、ダンケルクの戦いを制し、歴史を変えた。そして「嫌われ者」から「伝説のリーダー」となったチャーチルの、真実の物語。

ウィンストン・チェーチルを演じてアカデミー賞主演男優賞に輝いたゲイリー・オールドマンと一緒に、本作品でチャーチルの特殊メイクを担当した辻一弘氏、第90回アカデミー賞においてメイクアップ&ヘアスタイリング賞を日本人として初めて受賞した。本当におめでとう!

1940年5月から6月、フランスに侵攻したドイツ軍に追い詰められた英仏の30万人以上の兵士が、海峡を越えてやって来た多数の民間人の船に救われたダンケルクの戦いは、平たく言えば負け戦であり、撤退の話である。

だから「ダンケルク」は終始、陰鬱な雰囲気に包まれていたし、ダンケルクの逸話を映画化する人々を描く「人生はシネマティック!」にも戦争の悲惨さが描かれている。

しかし、このダンケルクの撤退の後、イギリスが勝利に向かったことは誰でもがしっていること。ダンケルクの映画が示唆するものは、困難な時代に希望を見出そうとする現代人の思いだろうか。

イギリス史上最も偉大な首相とされるチャーチルだが、55年にわたる政治家としてのキャリアの中で、彼が輝いていたのはこの首相就任から第二次世界大戦までの5年間にすぎない。

ですが圧倒されました。何故かと言うと、ナチスドイツに屈するか、それとも戦うかを決めねばならないタイミングで、首相になってしまった。なりたくはあった人なのだが、チャーチルの葛藤や苦悩や決断や行動を映画にしたものであり、ゆえに緒論や演説によって物語が動いていく。

つまり言葉や語りがキモとなっているのに、言葉の映画みたいになっていない。一瞬一瞬の画の力が凄くて、シーンが変わる度にグット目を奪われる映画になっていた。それに、主演のゲイリー・オールドマンのチャーチルの成りきりぶりといったらない。メイクもしかりなのだが、芝居の方はそれ以上であり、実際にチャーチルを知らない人にまで、本物と思わせてしまう怪演ぶりなのだ。

ヒトラーを相手に頑強に戦ったチャーチルについて歴史書にない部分をフィクションに頼りながら映画化したところが魅力でもあります。マクカーテンの脚本もナチス打倒の演説を良くとらえていて、地下鉄内のくさいシーンもあるけれど、チャーチルの国会内の孤立感を描いたあとでは、イギリスならではの戦勝ノスタルジー映画でもある。

とりあえず、ダイナモ作戦における政府側の動向がよく分かる。夫人役のクリスティン・スコット・トーマスと、秘書役のリリー・ジェームズの脇役が効いているのも良かった。

チャーチルはまた、独特のライフスタイルを持つ破天荒な人物としても知られている。映画で描かれてた時期は、チャーチルにとって最も困難な時期であった。ダンケルク撤退のとき、カレーの部隊を犠牲にするという非情な決断をしなければならなかったのだ。ドイツと戦うべきと思っていても、それが本当に正しい決断なのか迷いもあっただろう。だが、それが夜明け前のもっとも暗い時間であり、必ず夜明けが明けて輝ける時間がくるという意味でもあることを。

2018年劇場鑑賞作品・・・60アクション・アドベンチャーランキング

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ヴァレリアン 千の惑星の救世主★★★★

2018年03月31日 | アクション映画ーア行

「LUCY/ルーシー」のリュック・ベッソン監督が、「フィフス・エレメント」にも関わったバンド・デシネの巨匠ジャン=クロード・メジエールの伝説的グラフィック・ノベル『ヴァレリアンとローレリーヌ』シリーズを、長年の悲願を実現させ、ついに実写映画化したSFアドベンチャー超大作。様々な種族が共生する28世紀のアルファ宇宙ステーションを舞台に、宇宙の平和を守る特殊エージェント、ヴァレリアンとローレリーヌの活躍を壮大なスケールで描き出す。主演は「クロニクル」「ディーン、君がいた瞬間(とき)」のデイン・デハーンと「天使が消えた街」「スーサイド・スクワッド」のカーラ・デルヴィーニュ。共演にもクライブ・オーウェン、イーサン・ホーク、ルトガー・ハウアー、歌手のリアーナら豪華メンバーが顔をそろえる。

あらすじ:西暦2740年。宇宙連邦捜査官のヴァレリアンは、平和を守るべく銀河を飛び回りながらも、相棒のローレリーヌを口説くことに余念がない忙しい日々を送っていた。そんな中、“千の惑星の都市”と呼ばれる超巨大宇宙ステーション“アルファ”で銀河を揺るがす恐るべき陰謀が明らかとなり、その解決に乗り出したヴァレリアンとローレリーヌだったが…。

<感想>フランス産伝説的コミックが、ヒットメイカー、リュック・ベッソンの手で完全映画化!ある惑星の消滅と2人の主人公が絡み合うSFアドベンチャーであります。主人公のエージェント、ヴァレリアンには「アメイジング・スパイダーマン2」のデイン・デハーンが、銀河パトロールの任務に就いている。プレイボーイだがローレリーヌにぞっこんですからね。

それに美人で気の強い相棒には、「スーサイド・スクワッド」のデルビーニュが才色兼備のローレリーヌを演じ、屈強な敵もあっと言う間にやっつけてしまう。

どんなものにでも姿を変えられる能力を持つダンサーのバブルには、リアーナが。ステージに登場したリアーナは、黒の踊り子衣装からセクシーなナース服、ツインテールのロリータ風衣装、ファンキーなスパンコールの衣装、メイド服、クレオパトラ風コスチューム、さらにボディラインが際立つ“黒ヒョウ”など何度も変身する。リアーナのアクロバティックなダンスと“七変化”するさまを堪能できる。

エキセントリックな演技を披露するイーサン・ホークといった演技派のレアな表情を楽しめます。

様々な種族が共生する28世紀のアルファ宇宙ステーションを舞台に、宇宙の平和を守る特殊エージェント、ヴァレリアンとローレリーヌの活躍を壮大なスケールで描き出している本作。

デヴィッド・ボウイの歌声で始まる冒頭に魅せられるなか、宇宙ステーションがだんだんと巨大になって、最後は全宇宙の生命体が集まるアルファ宇宙ステーションになっていくのは面白い。

銀河パトロールの任務に就いている連邦捜査官のヴァレリアンとローレリーヌは、砂漠の惑星の闇のマーケットで、不思議な生物の奪還を命じられる。それは莫大なエネルギーを生み出す“ミュール変換器”の最後の1匹なんですね。

それはカメレオンみたいな小さな動物で可愛らしくて、パールを飲ませるとたくさんの小さなパールを生み出す力があるんですよ。

宇宙海賊のボス(グッドマン)まるで「スター・ウォーズ」に出て来るボスのジャバみたいにデブっていてカエルのバケモンのよう。

その海賊のボスから返還器を取り返した二人は、超巨大宇宙ステーション“アルファ”の司令官のクライブ・オーウェンのもとにそれを届けるわけ。

ところが、滅びたはずの幻の惑星ミュールに住んでいたパール人の一団が出現して、司令官をさらっていってしまう。彼を救出するため、“アルファ”の最深部“レッドゾーン”に向かったヴァレリアンとローレリーヌは、そこで全宇宙を揺るがす巨大な陰謀と秘密に直面するのです。この後は、劇場でご覧くださいな。

それにしても、凝りに凝った映像や、多種多様なエイリアンにクリーチャーの造形、リアーナ演じるグラムポッドの変幻自在のポールダンサーなど、お楽しみの場面も多いので目が釘付け状態になりますから。ですが肝心なお話はというと、そんなに目新しい展開ではありません。

色々な異星人や環境が同じの「フィフス・エレメント」を観ている人たちには、この映像美は見事というしかありません。大いに楽しめることでしょう。

2018年劇場鑑賞作品・・・59アクション・アドベンチャーランキング

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アバウト・レイ 16歳の決断★★★・8

2018年03月18日 | アクション映画ーア行

エル・ファニング、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンが母娘三代を演じるヒューマン・ドラマ。性同一性障害に悩み、男として生きることを宣言した娘と、彼女の決断を戸惑いながらも尊重しようとする母と祖母それぞれの人生を、ジェンダーを巡る世代間のギャップとともに描き出す。監督はイギリス出身で、これが長編4作目の女性監督ギャビー・デラル。

あらすじ:ニューヨークに住む16歳の少女ラモーナ。長年、性同一性障害に悩んできた彼女は、トランスジェンダーを公言して自らレイと名乗り、肉体的にも男性になることを決断する。一緒に暮らしているレズビアンの祖母ドリーは“レズビアンじゃダメなの?”と孫の決断がどうしても理解できない。自由奔放な恋愛を重ねてきたシングルマザーのマギーもまた、レイの気持ちに寄り添いつつも戸惑いを隠せない。おまけにレイの治療にはマギーだけでなく父親の同意も必要だった。それでもマギーはレイのためにと、同意書へのサインをもらうため、何年も会っていない別れた夫のもとを訪ねるのだったが…。

<感想>「パーティで女の子に話しかけるには」のエル・ファニングちゃんが主演で、16歳のトランスジェンダーと、その母親と祖母の三世代の家族を描いている。女性の身体で生まれてしまった自分は、本当の自分じゃない。現在の自分に違和感を覚え、強い気持ちで「本当の自分」=男として生きることを選ぶ16歳のレイ。本人にとって一人ではどうすることも出来ないほど繊細で重大なテーマであります。

異様な家族だが、それを興味本位で描くのではなく、また性的少数者を社会派的な視点で描くのでもなく、ごく当たり前の人間の属性としてヒューマンで面白いドラマ仕立てにしているのが見事である。3人の女優の競演は、始終涙と笑いを誘うのだが、完成度は極めて高いと思う。

トランスジェンダーとして、肉体を変えるホルモン治療を始めるには両親の同意が必要だが、母は理解を示しながらも戸惑い、離婚した父親からも強い拒絶を受ける。さあ……どうするの、娘のレイを心から愛している母、けれど理解しきれない……自身が抱く問題にも向き合うことになる。

若いころから恋愛に奔放だった恋多きシングルマザーが、レイの母親マギー役で扮しているのがナオミ・ワッツ。「自慢の子よ」「自慢のママだよ」が合い言葉で、レイの良き理解者だったが、レイの決意に心が今ひとつ追いつけない。さらには元夫にもう一度会わないといけないなんて……。ストレスがたまりまくった彼女は、ついアイスの暴食と、男に走ってしまうなんて奔放すぎる母親!?

お婆ちゃん役のスーザン・サランドンは、破天荒な生き方で家族を騒動に巻き込むことも多いけど、愛するレイのために奔走してくれる。娘を育てた後にレズビアンであることを自覚してカミングアウトして、今では同性のパートナーと暮らし、自由気ままに人生を謳歌している。

孫のレイを応援はしているものの、その気持ちを充分に理解できず、「女性が好きなら、レズビアンと公言すればよくない?」と少々的外れな発言もするのだ。

元夫クレイグには「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のテート・ドノヴァンが。その弟マシューにサム・トラメルが扮して、母親との関係を認めるし、もしかしてレイの本当の父親はマシューなのかもね。

元夫の家には、腹違いの妹たちもいて、姉が出来たと単純に喜んでいるのが良かった。どうしてもテーマに奉仕するというか美化する作品になってしまいがちだが、ディテールがしっかりと描き、丁寧な演技で見せることで、地に足のついた確実で誠実な仕上がりとなっている。

最近のエル・ファニングちゃんは、作品選びが実に良いのだ。若かりし頃のディカプリオみたい雰囲気をまとったファニングちゃんの、ワイルドかつ繊細な身のこなしや、スケボーを操る中性的な姿は、見惚れてしまうレベルの演技力ですね。

2018年劇場鑑賞作品・・・51アクション・アドベンチャーランキング

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生きる街★★★

2018年03月16日 | アクション映画ーア行

2011年の東日本大震災をテーマにしたヒューマンドラマ。震災後すれ違う家族が、韓国人青年との再会を機に変化していく。メガホンを取るのは、『捨てがたき人々』『アリーキャット』などで監督としても活躍する俳優の榊英雄。数多くの出演作を持つ夏木マリ、ロックバンド「CNBLUE」のギター&ボーカル担当のイ・ジョンヒョンらが出演。

あらすじ:漁師の夫、娘の香苗、息子の哲也と一緒に、自身が生まれ育った海沿いの町に暮らす佐藤千恵子(夏木マリ)は、2011年3月11日に起こった東日本大震災で夫を失ってしまう。避難所生活を強いられた彼女は、別荘を借りて民泊の営業に奮闘する。一方、香苗は震災のトラウマによって子供を持つことをためらい、哲也は震災を理由に人生から逃げていた。ある日、以前同じ町に暮らしていた韓国人青年のドヒョン(イ・ジョンヒョン)がやってくる。

<感想>華やかな芸能人という印象が強い夏木マリさんが、地元育ちの普通の中年女性を、ちょっとがに股歩きで演じている。東北の方言もかなり上手で、化粧っけがなくても眉などは、芸能人のそれだし、貫禄が滲み出ていて良かったです。

あの東北大震災で、夫が津波で流され、土台だけが残って建物がそっくり津波に持っていかれた。小高い丘の上に小さな民宿を営んでいる、そんな彼女をメインとした、地元密着型のヒューマンドラマであり、大きな事件やトラブルは起きないが、そのささやかな日常はいい感じに映っている。とにかくよく働く東北の漁師の妻を演じていた。

娘は震災でボランティアで来ていた名古屋の人と結婚をし、それで今は名古屋で暮らしている。そこで、夫が子供を作ろうと妻に言うも、まだ心の傷が癒されていない妻には、将来のことを考えると子供を産むことを拒んでしまう。しかし、まだ若いから、時を重ねて行くうちに、絶対に忘れることは出来ないけれど、自分たちの生活に子供を家族として迎えることはあると思います。

老いた姿をつくり、それを積極的にさらして演じる夏木まりさんの存在感が力強く感じましたね。過酷な状況を自力で生き抜く強さを印象つけるのは、夏木まりさんが自転車で漕ぎ、押す姿を何度も何度も挿入する展開にあると思った。

何度も映し出される自転車での往復や、一人でいる時の孤独な影、その彼女のもとにみんなが集まる。あの引き寄せられ方とその幸福感は映画らしくていいし、そうそう終盤の彼女の食事の食べっぷりがいいのに嬉しくなった。

韓国の青年ドヒョンが、亡くなった父親の手紙を持ってくる。まだ亡くなったと言う実感がわかない妻には、それは悲しみと大事な夫からの手紙なのだ。くよくよしてたって、時はどんどんと過ぎてゆく。毎日のことを元気に、すぐに辛いことを思い出しても、涙をぬぐって海の地平線を見て誓う生き抜くことを。

この映画では、人と人との触れ合いの在り方が、様々な視点で描かれている。例えば、「コミュニケーションが上手くゆかない理由は、言葉に起因するものではない」と、表現するため、外国人の言葉はあえて字幕によって伝えても良かったのではなかろうかと。

東日本大震災を劇化することも、映画に課せられた使命だと思います。取材、仮構、やがて映画として現れる、本当に居る人たちの代理のキャラクターと物語。本作が対象としているのは、もはや震災の直接的な被害よりも、7年経ったところでも消えないトラウマや、生きあぐねであり、そういう現在性にもなるほどと思わせられました。

2018年劇場鑑賞作品・・・49アクション・アドベンチャーランキング

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エターナル★★・5

2018年02月27日 | アクション映画ーア行

韓国を代表する国際派スター、イ・ビョンホンが、これが長編デビューとなる新人監督イ・ジュヨンの才能を高く評価して主演した異色のラブ・ストーリー。ある日突然、すべてを失った男がある秘密を抱えて辿る切ない運命を描く。共演はコン・ヒョジン、アン・ソヒ。

あらすじ:証券会社の支店長カン・ジェフンは、英語教育のために息子と妻スジンをオーストラリアに留学させていた。しかしある日、会社が不良債権を抱えて破綻してしまう。収入はおろか、地位も信用も一瞬にして失い、打ちひしがれるジェフン。失意の中で妻子のことを思い、彼らが暮らすシドニーへと向かうのだったが…。

<感想>久々のイ・ビョンホンのラブストーリー作品。以前は結構好きな部類に入る俳優さんでしたが、最近は結婚してからアクションも派手に動かないし、昔のラブストーリーでは色っぽい顔をしていたと思う。ちょっとは期待をして鑑賞したものの、冒頭から、証券マンのジェフンの会社が、不良債権を抱えて破綻してしまうショッキングな場面から始まる。

土下座をして顧客に謝る姿、これから自分はどうしたらいいのか、戸惑いながらも、息子の教育のために妻と一緒にオーストラリアに留学させていた。その費用も送金できなくなるし、自分はオーストラリアへ行って何か転職に就くかなんて予想も出来ない。

憔悴の男カン・ジェフンをイ・ビョンホンが演じているのだが、仕事も忙しく食事も適当で夜も睡眠不足というアクシデントが続き、その夜は、お寿司を注文して配達させて一人で2つぐらい食べるも、疲労こんぱいに精神状態も普通じゃなく、医者から貰った睡眠薬を多量に飲み机の上で寝てしまったみたいだ。イ監督によれば「実は、そのシーンの当日か前日か翌日がジェフンの誕生日という設定で、お寿司は、誕生日に食べるはずのものだったんです」とのこと。息子からのバースデーカードを見ながら寿司をつまむジェフン。

そこからが突然、夢の中なのか、一人で家族のいるオーストラリアへと飛行機で向かうジェフンの姿が。自宅のPCでシドニーで妻子が住む家の住所をグーグルアースで検索すると、家の中に入ろうとする妻子の姿が映って見えた。今直ぐに会いたい!

そこへ、荷物も持たずに飛行機で会いに行くのだが、この辺から違和感がありありで、タクシーで家まで行くも玄関のベルを押さずに、家の周りをグルグル回っている。そこへ、妻と息子に、オーストラリア人の男が娘と一緒に帰って来る。それは、和気あいあいで妻も笑顔で楽しそうに見えた。自分が一生懸命に韓国で働いて仕送りしているのに、妻は男とまるで家族のように仲良く笑って楽しそうなのを見て、彼には嫉妬心も芽生える。

毎日のように家族のもとを訪れたジェフンが目撃したのは、現地の男性と寄り添う妻の姿。普通なら堂々と玄関から入り、妻の不貞を解明してもよかろうに。

そして、空港の近くで会うワーホリで働く、若い女ヒッチハイカーの女子学生のアン・ソヒが困っているのを見て、つい力になってあげる。お金も渡すし、友達の家まで付いていくし、その友達はどうやらそういう学生の女の子を騙して、金を吸い上げる専門の悪い男たち。この女の子もオーストラリアのカン・ジェフンの家まで来るのだが、家で飼っている子犬が懐いてるのだ。この女子学生には「新感染 ファイナル・エクスプレス」の女優アン・ソヒが扮している。

夫なのにどうして家の中へ入らないのかに不審感が募る。隣のお婆さんがいう、どうして家の周りをうろつくのかと、まるで泥棒みたいだともいう。そのお婆さんもとっくに亡くなっていた近所のお婆さんなのだ。

泊まるのが、オーストラリアで知り合った韓国の女の子と一緒に安宿へ泊まり込むカン・ジェフン。それからは、毎日のように、妻と息子のいる家へと通うのだが、決して家の中には入らないのだ。息子が病気で、近所に住んでいる男が来て病院へと連れて行く。その病院へも一緒について行き、父親のカン・ジェフンが息子に声をかけて話をする。子供の傍にいるのを見て、まさか息子まで死んでしまうのかと心配した。

ラスト近くで明かされる真実に唖然とする。妻も韓国へ一時帰国を考えていたのだが、現地でオーケストラのバイオリン弾きのオーディションを受けたいと願っている。ということは、将来のことも考えて、オーストラリアが好きになり、息子と共に現地で暮らすことを考えていたのだ。

あのヒッチハイクの女の子も、実はお金をだまし取られ、そのトラブルから殺されて庭に埋められていた。だから、カン・ジェフンもすでに韓国で亡くなっており、飼い犬も死んでおり、死んでしまったもの同士が仲良く出会って天国へと。

奥さんが韓国の夫へ電話しても出ない、不思議に思い管理人さんに頼んで玄関の扉を開けてもらい、中にいる主人のことを知らせてくれと頼む。もうすでに亡くなって1週間くらい経っていたのだろう。

大切なものは、失ってから初めて気づく……亡くなってしまってから、悔いと後悔が残るジェフンに対して、オーストラリアまで飛んでいき妻と息子の生活を見せて上げたのは、神様の配慮なのかもしれませんね。

 2018年劇場鑑賞作品・・・36アクション・アドベンチャーランキング

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ダークタワー★★・5

2018年02月01日 | アクション映画ーア行

スティーヴン・キングのライフワークともいわれる一大巨編を「パシフィック・リム」のイドリス・エルバと「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒーの共演で映画化したファンタジー・アクション。主人公の少年ジェイク役には映画初出演のトム・テイラー。監督は「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のニコライ・アーセル。

あらすじ:ニューヨークに暮らす少年ジェイクは、毎夜おなじ悪夢にうなされていた。それは巨大な暗黒の塔を舞台に、それを護る拳銃使い(ガンスリンガー)の戦士と、破壊しようとする黒衣の男の戦いが繰り広げられているというもの。塔の破壊が現実世界の荒廃をもたらしていると気づいたジェイクだったが、誰にも信じてもらえずにいた。そんなある日、ジェイクはこの世界と夢で見た“中間世界”と呼ばれる異界を繋いでいる場所を発見する。そして中間世界で最後のガンスリンガー、ローランドと出会うジェイクだったが…。

<感想>全7部作からなるスティーヴン・キングの連作小説を映画化した話題作であります。次元を超えて世界を守る“塔=ダークタワー”を破壊すべく闇の勢力の、魔道士ウォルターが動き出したとき、孤独な少年ジェイクと、凄腕の拳銃使いのガンスリンガーが立ち上がるという、ファンタジー・アクション。

 

キング原作というと、ホラーのイメージが強いが、この映画は本格派のファンタジー・アクション映画であり、アクロバティックなガン・ファイトや、妖術使いに扮したイドリス・エルバと、妖術を操る悪の魔道士“黒衣の男”を演じたマシュー・マコノヒーの対決も見応え十分でした。中には、妖怪のような人間でないゾンビとは違う怪物がチラっと顔を覗かせたりします。

 

ダークタワー:現実や中間世界を含めたあらゆる世界を結びつけて均衡を保ち、それらを外宇宙の魔物から守り続ける巨大な塔。それが、ある子供の心によって崩れると言われている。

ポータル:現実世界と中間世界を行き来するための装置。NYで暮らすジェイク少年は、街の廃屋でこれを見つけ、悪夢で見ていた中間世界に移動する。

中間世界:現実とは別次元に存在する異世界で、拳銃使い=ガンスリンガーが“塔”の破壊を目論む黒衣の男、ウォルターたちと戦っている世界。

本作の舞台となる“中間世界”はスティーヴン・キングの他の作品とも繋がっていて、ここで異変がそれぞれの作品の怪奇現象の原因という設定になっている。

ジェイクは「シャイニング」の少年と同じ能力を持ち、予知夢にも似た能力を持っている。「ミスト」で霧の中からやってきた怪物、名前だけだが「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のペニーワイズも登場。ファンには見逃せないものになっている。

それにしても、そんな長編を95分でまとめるなんて到底無理なことで、2つの世界のバランスを保つ、巨大な塔ダークタワーの破壊を目論む黒衣の男・ウォルターと、ダークタワーの守護者でガンスリンガーと呼ばれているガンマンの戦いを見せているのに、この1作で完結というのだ。

確かに、ガンスリンガーのイドリス・エルバは、サブマシンガンで武装した特殊部隊を相手に、2丁拳銃でキメキメに戦うという。クールに決めた銃撃シーンは見もので、魔道士ウォルターとの戦いもジェイクの能力の助っとで決着をつけてしまう。

マシュー・マコノヒーが出るというので観たのに、何故かイドリス・エルバの活躍のカッコ良さに惚れてしまいました。

 2018年劇場鑑賞作品・・・20アクション・アドベンチャーランキング

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祈りの幕が下りる時★★★★

2018年01月29日 | アクション映画ーア行

日本橋署に異動してきた新参者の刑事・加賀恭一郎の活躍を描く東野圭吾原作、阿部寛主演の“新参者”シリーズの劇場版第2弾にして“新参者”シリーズとしては完結編となるミステリー・ドラマ。同じ頃に発生した2つの殺人事件の捜査に乗り出した主人公・加賀恭一郎が、事件の真相に迫る中で自らの過去とも向き合っていくさまを、親子の絆を巡る人間ドラマを織り交ぜ描き出す。共演は溝端淳平、田中麗奈、山崎努らレギュラー・キャストのほか、松嶋菜々子、伊藤蘭、キムラ緑子、烏丸せつこ、小日向文世。監督はTV「半沢直樹」「下町ロケット」などの演出を手がけ、映画は「私は貝になりたい」に続いて2作目となる福澤克雄。

あらすじ:ある日、東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は滋賀県在住の押谷道子で、現場アパートの住人・越川睦夫は行方不明となっていた。松宮脩平ら警視庁捜査一課の刑事たちが捜査を進めるが、道子と越川の接点がなかなか見つけられない。やがて捜査線上に舞台演出家の浅居博美が浮上してくるものの、事件の核心はいまだ掴めぬまま。

そんな中、越川の部屋から日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれたカレンダーが発見される。それを知った加賀恭一郎は激しく動揺する。同じメモが、かつて加賀と父を捨てて蒸発した母・百合子の遺品の中にもあったのだった。自らがこの事件の最大のカギであることを悟り戸惑いを隠せない加賀だったが…。

<感想>7年間にも及ぶ「新参者」シリーズのフィナーレとなるこの作品。阿部寛さんの当たり役の一つでもある、加賀恭一郎。クールな洞察力を持ちながら、容疑者に対するスマートな思いやりを欠かさない男。カリスマ刑事でも、人情刑事でもない「加賀」としか呼びようのない人物像を、阿部寛はTVシリーズ、2本のスペシャルドラマ、そして映画「麒麟の翼~劇場版・新参者~」で体現してきた。

その加賀の亡き父親(山崎努)との確執要因である母親の謎が解き明かされるのがこの映画であります。母親には伊藤蘭さんが演じていました。

今回の事件は、日本橋周辺にある12の橋の名前がヒントとなる。そのひとつ、常盤橋で、加賀が亡くなった母親の遺品のカレンダーにも橋の名前があったことを突き止める。ということは、母親は、浅居博美の父親と仙台で暮らしていたことがあるのだと。そのことに気が付くシーンから映画が始まります。

加賀は橋の上で、相棒の松宮(溝端淳平)と再会。松宮の軽口から事件の糸口を掴み、かれに詰め寄っていくのだ。マイペースな大人の男の雰囲気を漂わせながらも、頭脳が回転し始めると途端に獰猛になる加賀なのだ。その豹変ぶりには、人間的なおかしみが溢れている。この演技なんかは、阿部ならではの造形になるほど阿部ちゃんらしさがでていると同時に、松宮を演じる溝端の巧みなリアクション芝居にも舌を巻くのだ。ちょっぴり成長した松宮が、シリーズの年月を感じさせルと同時に、完結編の予兆ともなっていた。

そして、母親の住んでいた仙台へと足を運び、母親がそこのボロアパートの部屋で亡くなったことを知る。冒頭のシーンで、80年代に仙台のスナックで店のママ(烏丸せつこ)に身の上を語る女のシーン。この女性こそが加賀の母親であり、夫と離婚をしてここで働かせて欲しいと頼む女が、蒸発した母・百合子であった。実は、母親は東京での生活の時は、鬱病を患っており自殺を考えていた。それでも、家を出て仙台まで行き、一人暮らしをすることで決着をつけたのだろう。

今回のテーマはあえて言えば、因果な親を持った子供の悲劇ということだろう。母親の遺骨を、生前の父親に預けに行く恭一郎。今でも父親を憎くて溜まらないのだ。その仙台の亡くなった母親がスナックで知り合った電力関係の仕事をしていた男と暮らしていたことなど。その男がまさか、浅居博美の父親だとは、この段階では気づかなかった。

そして、捜査線上に舞台演出家の浅居博美が浮上してくるのだが、浅居博美の幼いころに、母親(キムラ緑子)が借金を作って男と夜逃げをし、残った父親と娘の博美は、母親の作った借金を払えずに夜逃げをする。親子心中を考えての旅路は、松本清張原作の『砂の器』を彷彿とさせてくれ「泣けるミステリー」という宣伝文句にふさわしい作品の出来だと思います。

旅先で親子が出会った、原発で働く男と知り合い、口車にのった中学生くらいの娘・博美が売春まがいのことをして、挙句に男を刺し殺してしまう。そこへ、父親が来て、その原発男に成りすまして、名前を変えて生き延びるという。娘の博美はその後、孤児院にでも入ったのか、学校を出て女優になり、演出家となる。加賀が浅居博美の部屋を訪ねると、壁が不気味な赤部屋のシーンなどは、まるで狂気じみた色であり、とても安心して寝られる部屋ではない。

この親子の逃避行は、泣かせようとしている演出ではあると思っていても、涙が出て止まりませんでした。壮絶なる父子の別れをした父親には、小日向文世さんが扮してましたね。それに、娘役の桜田ひよりさんの熱演は素晴らしかったです。自分が他人に成りすましても、娘の成長を見守るために、自分が生き残るために人を殺す。それに、娘が心を鬼にして父親の首を絞め、焼き払う。

人は社会から突然姿を消すことがある。そのことを我々は“蒸発”と呼んでいるが、決して存在そのものが消えてしまった訳ではないのだ。というのが本作の大前提であり、人は他人から認識されて初めて“存在する”。

この人間の存在証明を命題にしながら、複雑な人間関係を提示してゆくのであります。そして、観客を混乱させないためにも、捜査会議で使用される相関図が何度も映い出されている。ともすれば説明的なのだが、観客も脳裏に相関図を描きながら一緒に謎解きを、楽しむという効果を生んでいるということなのだ。

クライマックスでは、原作でも重要な舞台となる明治座を貸し切っての撮影。女優出身の演出家である浅居博美を演じる松嶋菜々子と加賀恭一郎との場面。

別なシーンでは、真正面から向き合って対峙していた二人だが、ここでは横並びで静かに会話をする。松嶋菜々子の、博美の決意を宿した静かなる覚悟の芝居に胸を打たれます。と同時に、加賀ならではの、彼女をそっと見守る優しさを滲ませる阿部の演技も巧いのだ。

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オレの獲物はビンラディン★★

2018年01月26日 | アクション映画ーア行

祖国を愛するあまりたった一人でオサマ・ビンラディン捕獲に挑み、2010年にパキスタン当局に拘束されたアメリカ人男性の実話に基づくコメディー。ビンラディンを捕まえよと神から啓示を受け使命感に燃える主人公を、ニコラス・ケイジが熱演する。共演は『ベッドタイム・ストーリー』などのラッセル・ブランド、ドラマシリーズ「それいけ!ゴールドバーグ家」などのウェンディ・マクレンドン=コーヴィら。『ブルーノ』などのラリー・チャールズがメガホンを取った。

あらすじ:コロラド州の片田舎。愛国心にあふれた中年男のゲイリーは、友人のピクルスに現場作業の仕事を回してもらいながら、ピクルスの家に泊めてもらったり、作業現場に泊まって生活してます。そして腎臓の病気のため、週3回の人工透析が欠かせません。米同時多発テロ事件の首謀者とされるテロリスト、オサマ・ビンラディンの居場所を政府がいつまでも見つけられないことに業を煮やしていた。ある時、日課の人工透析中にゲイリーは神から啓示を受ける。「パキスタンに行って、オサマ・ビンラディンを捕まえるのだ」アメリカを救えるのは、オレしかいない!使命感と愛国心を燃え立たせ、ゲイリーはビンラディン捕獲作戦を開始する。

慈善活動などに熱心な担当医のロス医師に、千ドル出資してくれと言います。ゲイリーの計画を聞いたロス医師は呆れて、お金は出せないと言います。すると、本当は好きな女性が出来てプロポーズで指輪を渡したいと言い千ドルを借りることに成功します。千ドルでは足りないゲイリーはピクルスとロイとでラスベガスに向かう。最初は大勝ちしていたゲイリーでしたが、最後には全部スッてしまいました。

目的は資金集めだったのに。お金はどうしたのか知りませんが、次にサンディエゴへと飛んで渡航手段のヨットを探し、武器には日本刀を調達する……。突飛な行動続きのゲイリーを周囲は心配するが、当の本人はそんなことなどどこ吹く風。あらゆる波乱を乗り越えて、ようやく辿りついたパキスタン。ところが、そこで彼を待ち受けていたのは、意外にも陽気でフレンドリーな現地の人々だった!見知らぬ土地での異文化交流をついつい楽しんでしまうゲイリー。そうしているうちに、いつしかCIAにも目をつけられてしまって――!?どうなる、独りぼっちのビンラディン捕獲作戦。政府をも悩ますターゲットを探し出し、自身の信じる〈正義〉を達成できるのか?

<感想>ビンラディンを捕まえようとした「愛国者」ゲイリー・フォークナーの実話なんだそうで。こんなニコラス・ケイジは観たことがないという演技をしているのは、もちろん見ものではあるけれど、映画を全部背負わされているこのアクの強い演技を、どう評価するかで作品評価が決まりそうですね。

テレビのワイドショーで観ているぶんには面白いかもしれないけれど、雑な台本の劇映画では、ニコラス・ケイジの怪演ぶりがセリフを喚きたてているばかりで空回り状態でした。

出国するまでの部分は主人公が愛すべき人物だと一応分るし、つまらないとまでは言わないが、アメリカだけが文明だと思っているかのようだったこの男が、図らずもパキスタンの文化に夢中になっていく下りの面白さを見ると、もっと早くこの展開に持ち込んで欲しかったと思わずにはいられない。

ともかく、神の啓示を受けたと言う、主人公の幻想による神、ラッセル・ブランドを頻繁に登場させる演出も軽すぎるようだ。

仕事仲間や、お尻の上に刺青のあるぽっちゃり目の恋人マーサ、ウェンディ・マクレンドン=コーヴィが揃って人柄が良くて、変人のヒーローを愛しているのはおかしいと思うのだが。とにかく、この二人は上手くいっている。

日本も海外も、キー・ビジュアルはドン・キホーテよろしく、ロバに乗った主人公の画であります。人は悪くないものの、頭は悪いキャラや言動、病(人工透析)に倒れて落ち着く展開も含めて、その現代版ではあるが、この監督は『ボラット』や『ブルーノ』など、支離滅裂さを危険な楽しさに転換する名手であるラリー・チャールズ監督なのだが、下品で過激なギャグが売りが無くて寂しい限りでした。

それを補うのが、ニコラス・ケイジのはっちゃけた演技には参ったが、中年太りの身体を揺らして、日本刀を振り回し、ラリってはわめき散らし、何をしゃべっているのかが意味不明な姿を喜々として演じており、そんな彼を眺めているだけで満足感で満腹になってしまう。真面目な映画ではなく、どちらかというとコメディ要素を感じさせる実話の映画化でした。

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嘘を愛する女★★★・5

2018年01月21日 | アクション映画ーア行

長澤まさみと高橋一生の共演で贈るラブストーリー。ある日突然、愛していた恋人の素性がすべて偽りだと知ってしまったヒロインが、絶望に打ちひしがれながらも恋人の真実を追い求めていく旅の行方を描く。共演に吉田鋼太郎。監督は短編映画で数々の受賞歴を持つ人気CMディレクターの中江和仁。


あらすじ:食品メーカーでキャリアウーマンとして活躍する川原由加利は、震災のときに運命的に出会った研究医の小出桔平と同棲5年目を迎えていた。ところがある日、突然現われた警察から、桔平がくも膜下出血で倒れたと告げられる。しかも、彼の運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業はおろか小出桔平という名前すらも嘘だったことが明らかとなる。ショックを受ける由加利だったが、肝心の桔平は意識を失ったまま病院のベッドで眠りつづけていた。彼は何者で、2人が愛し合った日々も嘘だったのか、由加利はその答えを知りたくて私立探偵の海原匠を頼ることに。やがて彼が書き残した未完の小説が見つかり、その内容を手がかりに、彼の秘密を追って瀬戸内海へと向かう由加利だったが…。

<感想>何とこの作品は、2015年に開催された「TSUTAYACREATORS’PROGRAM FILM2015」で初代グランプリに輝いた企画を映画化したそうです。主人公の長澤まさみのキャリアウーマンぶりは、彼女にハマっていて見どころがありましたね。前半の高ピーな川原由加利が、5年間同棲中の彼がくも膜下出血で倒れ意識不明状態。由加利がおろおろしながら病院で彼の手を握り、語り掛けるところとか、アパートへ帰ると郵便受けを開ける若い女がいる。

その女は「AKB48」の元メンバー川栄李奈で、喫茶店で知り合った若い女の心葉(川栄李奈)とは、男女の関係もあったようだ。そのことを知りヤキモチを焼く由加利。

それでいて、警察が来て名前も経歴も嘘と判明する設定自体はいいとして、過去のヒントとなる彼が書き残した小説の出来具合はあまり良くないと言う省略ぶり。ですが、その小説をヒントに探偵の吉田鋼太郎と彼の過去を探し始める珍道中も楽しそうでした。探偵には離婚した妻と娘がいて、妻が浮気をして出来た子供だと誤解していたようで、娘に「お前は俺の子供ではない」と言ってしまい、娘に嫌悪感を抱かれてしまう。娘が自分の本当の子供かどうかをDNA鑑定をする。離婚してから、親子のDNAの結果が分かり、99・999%自分の子供であると証明された。妻にも娘にも自分勝手な態度を詫びて、許しを得ることを望んでいる頑固な探偵。

四国の夕日の灯台の下におもちゃを隠していると、小説に詳しく書かれているのをヒントに、写真を見せては彼の素性を探すのだが、さすがにベテランの探偵だけあってか、彼が仕事をしていたような場所漁業組合とかに行くし、彼女も街の小料理屋で聞き込みをするも、心辺りがあると言えば、その場所へ行ってみる。

その小料理屋のおかみに黒木瞳さんがパーマヘアーのカツラを被って、もったいない役でしたね。それに、探偵事務所の事務員にDAIGOが、ロン毛のカツラを被って違和感がないし、役になり切れていて今後はヅラ俳優として映画に出演するのかもしれません。

ですがね、よく考えると同棲相手の小出桔平が身許を詐称する理由がないと思う。本名は「安田こうへい」で、結婚をしていて外科医であり、妻と息子がいて、奥さんが育児ノイローゼにかかり息子を浴槽で溺れさせて死なせてしまう。そのことを問い詰め、奥さんは外へ飛び出して車に轢かれて死んでしまうという。

それからの彼は、自暴自棄となり自分も死に場所を求めて東京へやってきたというわけ。だから、鬱病ぎみであり、働いてはいないし、川原由加利の誘いに乗り同棲して、好きな小説をPCで書いていたということ。高橋一生が気弱そうな笑みを浮かべ、相手に安心感を与えながらも、何を考えているか分からぬ感じを出している風情も悪くないです。

ヒロインが得たいの知れない男と、暮らしてきたと知った時の生理的な嫌悪感、そのことを受け入れる過程が彼女のあっさりしすぎで、調査中も急ぎ過ぎているようで、感情の揺らぎと言ったら、彼の自宅前で近所の男から「あなたたちは誰?」と聞かれた時、「妻です」と答える由加利の毅然とした態度には、今後のことがハッキリと判ってしまう。

彼が結婚をしていて、仕事が忙しくて妻が育児ノイローゼだったことにも気づかず、二人を死なせてしまったことを後悔し、懺悔している。それなのに自分は、彼に対して生活費を全部負担しているのだからと、威張っていたことを後悔し、思いやりに欠けていたことを悔やんでいる。

彼が入院してからは、自分が騙されていたと思い、あまり病院へは見舞いにいってないのに、彼の素性を知りたいと探偵と調べて行くうちに、彼の全てを知り、愛していると悟る女心が見える、長澤まさみの演技の巧さが映えて美しい。

ラストでは、甲斐甲斐しく彼の介護をする由加利の表情が清々しくて、それがご褒美でもあるかのように奇跡が起きるのも良かったですね。

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劇場版 「進撃の巨人」 Season2~覚醒の咆哮~★★

2018年01月20日 | アクション映画ーア行

諫山創のメガヒット漫画を原作とする大人気TVアニメ、2017年4〜6月に放送された「進撃の巨人」の劇場版第3弾。TV版第2期「進撃の巨人 Season 2」の物語を(第26〜37話)再編集した総集編となっている。荒木哲郎総監督の下、「終わりのセラフ」で副監督などを務めてきた肥塚正史が監督、シリーズ構成は第1期から担当している小林靖子。アニメーション制作も引き続きWIT STUDIOが手がけた。

あらすじ:母親の命を奪った巨人をこの世から駆逐することを誓い、調査兵団の兵士として戦いに身を投じてきたエレン・イェーガーだったが、過酷な戦いの中で自身が巨人へと変貌してしまう。巨人の力を人類の勝利のために使うことを決めたエレンは、強敵である女型の巨人と戦い、辛くも勝利を収めるが、そんなエレンと人類にさらなる試練が訪れる。

激闘の末、女型の巨人に勝利したエレン。しかし、壁の中から発見された巨人の姿にハンジらは動揺を隠せない。そんな中、コニーやサシャら104期生は、ウォール・ローゼに押し寄せた巨人の群れの対応に追われていた。巨人同士の激しい戦闘は、辛くもエレンの勝利となった。しかし安堵もつかの間、ウォール・ローゼに迫り来る巨人に立ち向かうこととなる。

<感想>実写化よりもアニメの方が面白かった。鑑賞している客入りが少ないのにがっかりした。物語は、巨人の餌食となった母を目にした過去を持つエレン・イェーガーは、巨人との戦いの中で自らが巨人の姿になってしまう。それでも人類の自由のために巨人の力を戦いに注ぎ、ウォール・シーナのストヘス区での戦いでは女型の巨人と激突する。さらにウォール・ローゼに巨人の大群が襲来し……。

壁を超えて襲ってくる人喰い巨人に対して、高圧縮ガスでロケッティアよろしく飛翔して戦う調査兵団たち。初期のころはそれでもよかったが、壁の外での巨人との戦い方もリアルで、どちらかというと巨人に圧倒的に負けていると思う。どう見てもかないっこないのだから。結局はエレンやライナー、女性のミカサが巨人化して立ち向かうという。しかし、巨人の数が多すぎてかないっこないのだ。みるみるうちに食われてしまうのを見せつけられてしまう。

それに、今回は獣化した巨人が出現し、人間の言葉を話ているし、この獣が党首となって巨人たちと戦うのはちと、難しい。

それに、ライナーとベルトルの正体が判明し、エレンを背中に乗せてどこへ連れて行くのやら、背中で目覚めたエレンは、自分も巨人化しようとするも、どうしてか小さいままなのだ。

可愛いクリスタの本名が判るのだが、それにしても、ただひたすら人間対巨人の戦いを楽しむアニメ映画なのだから、心して観るべし。それを嫌いだと言う方には観てはダメです。

ですが、ラストの新作カットは、時間の都合で観ないで帰ってしまったので悔やまれます。Season3は必ず観にいくと思います。

2018年劇場鑑賞作品・・・12アクション・アドベンチャーランキング

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伊藤くん A to E ★★

2018年01月18日 | アクション映画ーア行

自意識過剰で無神経などう見てもクズ男のはずの“伊藤くん”に振り回されてしまう5人の女たちの痛すぎる恋愛と成長を綴った柚木麻子の同名ベストセラー連作短編集を「ストロボ・エッジ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の廣木隆一監督で映画化。主演は岡田将生、木村文乃、共演に佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆。

あらすじ:一度はヒットを飛ばしたものの、今は売れないアラサー脚本家の矢崎莉桜は、自身の講演会に参加した4人の女性たち【A】~【D】の恋愛相談を新作のネタにしようと企んでいた。【A】~【D】の話を聞いて、そんな男のどこがいいのかと思いながらも、ネタのためにと彼女たちを巧みにけしかけていく莉桜。そうして取材を重ねていくうちに莉桜の中で相手の人物像が一人の男へと集約されていく。なんとそれは、莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒で、彼女がもっとも見下していた男、伊藤誠二郎だったのだが…。

<感想>TVドラマも原作も読んでいません。ですが、内容がどうってことないのに、だらだらと長かったのが印象に残ります。28歳フリーターで、学歴は大学出で、見た目が容姿端麗、自意識過剰、無神経ときている。確かにその男が岡田くんだからね、イケメンだし、友人として付き合ってても恋人にしたい男ってタイプですからね。それが、何股も女と付き合っていて、誰とも寝ていない童貞くんとはね、情けない男。

観ていて嫌な気分になった。中身はないのに何故か自信過剰で、女性を振り回してばかりの超モンスター級のイタい男なのだが、岡田くんの伊藤くんはユニークに演じていました。クズだけど憎めないんですよね。要所要所で、“何だこいつ“って笑ってしまう。

都合のいい女のAの女・智美に佐々木希、自己防衛の強いBの女・修子に志田未来が、人から愛されたいCの女・聡子には池田エライザが、好きな人に処女を捧げたいDの女・美希には夏帆というメンバーに、アラサー脚本家の矢崎莉桜の木村文乃が取材を重ねるうちに、彼女たちが語るろくでもない“痛い男”が同一人物ではないかと考え始める矢崎莉桜。

そんなある日に、莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒で、自意識過剰の伊藤くんが、A~Dの女を題材にしたドラマの企画を編集部の田村(田中圭)宛に持ち込んできたことを知り、莉桜はあの“イタい男”が自分の生徒だったことに愕然とする。しかも伊藤くんが提出した企画には、Eの女についても書かれていて、そのEの女とは、自分だと判るのが悔しいのだ。それに、編集部の田村が自分の脚本よりも伊藤くんの企画を選んだことにも悔しがる。

伊藤くんがこっぴどくフッた女、夏帆が他の男クズケン(伊藤くんの後輩の男)と一緒にいるラブホの部屋に乗り込んでいく。何て予想外の展開で、さらには血迷った伊藤くんのアクションには笑えた。クズケンに扮していたのが、中村倫也。

どことなくな弱ちい伊藤くんなんですが、スクリーンに映る姿は鼻もちならない男であるにもかかわらず、不思議なほど嫌悪感を抱かせない。実際にこういう人っているかもしれない。

クライマックスで莉桜の木村文乃に、自分の企画の脚本のほうがいいに決まっていると、熱弁をふるう伊藤くんの人生哲学をどうとらえたのだろうか。闘争心だってあるんですから。

伊藤くんを演じた岡田将生の残酷さと誠実さ、クールとキュートなところ、相反するものが自然と同居するところが、俳優岡田将生の魅力なのかもしれない。

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嘘八百★★★・5

2018年01月11日 | アクション映画ーア行

『百円の恋』の武正晴監督と脚本家の足立紳が再び組み、商人の街堺を舞台に描くコメディードラマ。うだつの上がらない古物商と陶芸家を中心に、“幻の利休の茶器”をめぐるだまし合いのバトルをユーモアたっぷりに描き出す。『花戦さ』でも共演している、中井貴一と佐々木蔵之介が出演。海千山千の人々が繰り広げる、だましだまされの応酬に笑みがこぼれる。

あらすじ:鑑識眼はあるが、なかなかお宝に出会えない古物商の則夫(中井貴一)は、娘のいまり(森川葵)を車に乗せて千利休の出生地である大阪府堺市にやってくる。彼はある蔵つきの屋敷へと導かれ、その家の主人らしい佐輔(佐々木蔵之介)と出会う。佐輔は則夫に蔵を見せることにし……。

<感想>じつに面白かった。演技派の二人、流れ者の骨董屋に中井貴一と堺のしがない陶芸家の佐々木蔵之介が、口八兆の言い回しぷりに、初めは騙される者として悔しい思いをしたのだが、その後に、騙す側に回って共通の敵討ちに一泡吹かせようとするお話です。

初めは堺にきて、金持ちの住んでいるようなお屋敷を探し歩き、庭の美しい家に娘を連れて行く。そこには蔵もあり、中にご主人と思う人(陶芸家の佐々木蔵之介)が出て来て、どうぞと見せられる土蔵の中から、譲り書なるものを発見し、それが利休の茶碗ではないかと見る骨董屋の中井貴一が、騙されたと気付かないで土蔵の中の茶碗と譲り書を一緒に買いたいと申し出る。

騙されたと気付いたのが、庭で遊んでいる箱庭作りの息子がいること。その息子がそこにいた陶芸家の佐々木蔵之介の息子で、ご主人は別の年よりであったことなど。

2人が煮え湯を飲まされた古美術店店主・樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士・棚橋(近藤正臣)への仕返しとの戦いに、「本物よりすごい偽物は本物になり得るのか?」・・・自分の腕試しとばかりに茶わんを創作して、騙して売るのは古物商の則夫(中井貴一)であり、二人で一攫千金を狙う一発逆転の大勝負を賭けるというお話。

佐々木蔵之介の妻に友近さんが、その息子には野田誠治が、中井貴一の娘に森川葵が扮して、この息子と娘が最後には仲良くなり結婚式まで挙げるとは、それに、だまし取った1億円を新婚旅行へいくカバンに詰め込み海外へ逃亡するという、ラストは子供にしてやられたという結果になる。

どうしてそうなったのかと言うと、陶芸家の佐輔の家に行くと、奥さんの友近がスキヤキを作っていて、炬燵で家族に混ざって古物商の則夫の娘・いまりが仲良く食べているのを見て、「気色わるい」って言いながらも自分もご馳走になるという、家族が揃って食事風景ってのはいいもんです。

もう口から出まかせで、詐欺の手段に使う「幻の利休の茶碗」が肝になっているんですね。その歴史上の大きな嘘をどのように編み出すのかが問題なんですが、それが利休の茶椀の贋物がどこかから見つかって、すごく高い値段がついたというお話を噂話に広げてゆく、男2人の悪だくみというか。

幻の利休の茶碗とは、どんな物なのか誰も見たことがなかったのですね。正直今のところも良く分かってない。しかし、知らなかったことが幸いしたと思いますねこれは。2人が学芸員や陶芸家に白旗を揚げて「知らないから何でも教えてください」と方々に話を聞いて回ったのです。

登場する古物は偽物であることが前提となっているため、職人の作りだす贋作が役者の演技や演出によって本物らしく“見える”のが素晴らしい。それは職人らしく見える佐々木蔵之介の佇まいの賜物でもあります。

実際にすごくいい緑樂焼きの茶碗を得て、映画に出て来る緑樂という茶碗を堺の陶芸家に作ってもらい焼いて貰ったと言うから凄い。それがとても深い緑色と黒を掛け合わせたような色で上出来のしろものでもあった。

利休をかもめと呼ぶ記述があり、江戸時代の僧侶で茶人でもある江月宗玩の語録集である「欠伸稿」(かんしんこう)における利休のかもめと呼ぶ記述を知っている古物商の則夫が、「茶碗の口こそ小さいですけど、中には大海原が広がっています」と、これで利休とかもめが繋がっていて、頭の回転よく能書きをたれるのであります。

そのことを知っている古物商の則夫が、譲り書なるものを偽ものを書く居酒屋の店主に頼んで、かもめなるものもそこに描いて貰い、作成する居酒屋・土竜のマスターに木下ほうかが扮して、骨董商に塚地武雅が、文化庁文化財部長には桂雀々と寺田農が扮して、愉快痛快なシナリオに芝居の下手な役者が一人もいない役者陣たち。それが作り手と現場の熱で、きっちりと噛みあっている娯楽作になっている。

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