パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

刑事ベラミー ★★★

2012年11月30日 | DVD作品ーか行
実際に起こった保険金詐欺事件を基に、その謎に挑む刑事の姿を描くミステリー。監督は、「引き裂かれた女」のクロード・シャブロル。出演は、「しあわせの雨傘」のジェラール・ドパルデュー、「幸せはシャンソニア劇場から」のクローヴィス・コルニヤック、「レセ・パセ 自由への通行許可証」のジャック・ガンブラン。

あらすじ:セート墓地のそばの海岸で、黒焦げの自動車と焼死体が発見される。休暇中で、妻と毎日のんびり暮らしていたベラミー警視(ジェラール・ドパルデュー)が、家の居間でくつろいでいる。TVでは、エミール・ルレの保険金詐欺事件が報じられている。男(ジャック・ガンブラン)がベラミーを訪ねてきて、名前も名乗らずに電話番号だけ伝えて帰る。
歯科医の友人がベラミーを訪ねてきて、夕食を共にする。エミール・ルレの愛人で、フット・マッサージ店を経営しているナディアの話題になる。その夜、昼間来た怪しい男ノエル・ジャンティから電話が入り、ベラミーは指定されたモーテルに向かう。
そこでノエルはベラミーに1枚の写真を見せ、その人物を殺したと告げる。しかし写真に写っている男は、ノエルに瓜二つだった。ある夜、ベラミーの腹違いの弟で、まともな仕事につかない前科者ジャック(クローヴィス・コルニヤック)が訪ねてくる。ジャックはいつも妙な儲け話を持ち掛け、ベラミーを困らせる。
ノエルのデータは警察に無く、身分証は偽造だった。不審に思ったベラミーは、ノエルの妻のもとを訪れる。家に飾ってある写真を見て、彼女と一緒に映っている男は誰かと尋ねると、エミール・ルレだと答える。ノエルと名乗った男はルレだったのか? 保険金詐欺事件の意外な真相とは? ベラミーと弟ジャックの隠された過去も明らかになり、物語はクライマックスへと進む。 (作品資料より)

<感想>2010年9月に亡くなったヌーヴェル・ヴァーグの旗手、「引き裂かれた女」クロード・シャブロルの遺作となった異色ミステリー・ドラマ。実際に起こった保険金詐欺事件をベースにしている。
2つの事件の意外な接点を突き止めたベラミー、新作のたびにメタボ以上のその巨体っぷりで、しっかりと存在感をアピールしているドパルデュー。この体で犯人を追跡するのは無理やろうに、と思ったわ(苦笑)
ヒッチコックに多大な影響を受け、数多くのミステリー映画を送り出してきたシャブロル監督。しかし、わかりやすい謎解き映画はあまりなく、その多くは主人公や犯人の人間模様、心理劇に趣きを置いていると思う。
本作も例外ではなく、事件はひとりで解決していくし、主人公ベラミーの推理劇よりも、彼が愛妻とやたらとイチャついている他愛のない日常風景や、突然やってきた腹違いの弟との確執ドラマの方が強く印象に残ってしまう。とにかく奥さん役のマリー・ビュネルが妙に艶めかしくて色気がある。

本格ミステリーを期待すると肩透かしをくらった気になるが、複雑に絡んでいく人間模様が、いつの間にか身近の出来事となり、冒頭と同じアングルのような真っ黒なシーンでエンディングという。物語が淡々とした展開で進むのに、その背後に見え隠れする謎ときがとてもユニークで、フランス映画らしいユーモアな語り口も絶妙でよかったですね。
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カラスの親指  ★★★★

2012年11月30日 | アクション映画ーカ行
直木賞作家、道尾秀介のミステリー小説を「テルマエ・ロマエ」の阿部寛主演で映画化。2人のサギ師コンビの元に、3人の若者が転がり込んできたことをきっかけに巻き起こる騒動を、ユーモアを交えて描く。共演は「怪談(07)」の村上ショージ、「貞子3D」の石原さとみ。監督は「楳図かずお恐怖劇場 絶食」の伊藤匡史。

あらすじ:悲しい過去を背負ったままサギ師になったタケ(阿部寛)と、成り行きでコンビを組むことになった新米サギ師のテツ(村上ショージ)。そんな2人の元に、ある日ひょんなことから河合やひろ(石原さとみ)と河合まひろ(能年玲奈)の美人姉妹、それにノッポの石屋貫太郎を加えた3人の若者が転がり込んでくる。彼らもまた、不幸な生い立ちのもと、ギリギリのところで生きてきたという。これをきっかけに始まる他人同士のちょっと奇妙な共同生活。やがて、タケが過去に起こしたある事件が、彼らを一世一代の大勝負へ導くことになるが、この時は誰一人、それを知る由もなかった……。社会のどん底で生きてきた5人の一発逆転劇。そして驚愕の真実が明かされる……。(作品資料より)

<感想>小説は読んでいませんが、阿部ちゃん演じる作品は殆どと言ってくらい観ているので、予告を見て今回はコメディのような詐欺師の内容に興味がありました。しかし、160分は長いですね。最後にどんでん返しとやらがあるのですが、それは全編を通して見ていると、おのずと分かるのであまり期待して驚くほどじゃないです。
主人公タケを演じるのは阿部寛。この俳優さんは幅広い演技で定評のある役者さんで、今年初めから「麒麟の翼」のシリアスな刑事役や、「テルマエ・ロマエ」のコミカルな古代ローマ人までと、なんでも器用に演じる。阿部ちゃんがサラ金から金を借りて返せずがんじがらめになり、ボスに闇金の取り立ての仕事をさせられるわけなんです。しかし、阿部ちゃんって所詮悪役には成りきれない人なんですよ。見た目が正直者ってレッテル貼られているようで、やっぱこういう闇金取り立てはヤクザのような目つきが鋭くて、だみ声を聞かせて相手を威嚇するような風貌じゃないとダメですから。

それは無理としても、結局は闇金の取り立てでその家の奥さんを自殺に追い込み、火事騒ぎを起こした。タケの奥さんは亡くなっていたような、それは内容にはなかったが、一人娘をやはり火事で亡くしたようで、この一連の火事は全部闇金屋の仕業で、それを見て事務所の机にあった裏帳簿を警察に持って行き、闇金屋の幹部たちを一網打尽にしたという。
その後、闇金屋のボスが出所して自分を狙っていることを知らずに、どうやらサギ師のテツが自殺をしようとしているところを助けて、二人で詐欺を働くことになるんですね。最初の馬券売り場から始まる詐欺行為は、何もしらない観客にとっては巧い手口で騙されたと思いました。馬券が裏に貼り付けて2枚あって、後ろの馬券が当たり馬券だということは最後で知りました。その後の600円で買った香炉で質屋のオヤジを騙す手口は、見え見えでしたね。笑いどころはありました。

その後は、財布をする女がテツの娘だということは、一緒に住む前に出会ったときに絶対に分かることなので、最後にテツから明かされるのですが、いくら小さい時に別れた自分の子供たちを見分けることが出来ないはずがない。それに、あしなが小父さんとして姉妹にお金を送っていたタケのことも、タケは姉妹の住所を知っていても、二人の顔を知らなかったってことなの。
二人の姉妹の父親である村上ショージのテツ、この役者さんはいつもお笑い専門でしたが、実にこの映画の中では断トツに巧かったです。美人姉妹にはおっとりの姉に石原さとみと、しっかり者の妹には大型新人の能年玲奈が扮しています。姉の恋人の貫太郎に小柳友が、いい演技してます。それに、闇金屋のボスの鶴見辰吾さん、この俳優さんは眼力が鋭く、机をツメでカリカリという擬音効果が効いていてよかった。
しかしながら、一緒に住むことになった疑似家族なんですが、一軒家に住んでいる内に、次第に家族っていいなぁという気持ちにさせるのはいいと思います。でも、その間は、詐欺とかスリとかして生活費稼いでいたのかなぁ。タイトルの「カラスの親指」にちなんだテツの話に、なるほどと、とてもいい話が聴けたように感じましたね。そうか親指って、家族を見渡す大黒柱だったんですね。
みんなで闇金屋へ押しかけて、盗聴騒ぎを起こして金庫の金を奪う作戦が、そんな簡単に上手くいくとは思ってなかったので、これはコメディのドタバタ騒ぎでした。昔のタケを知っているボスが、みんなの顔を見つめるシーンでバレないかと冷や冷やもんでしたが、さすがの阿部ちゃん見事にその場を切り抜ける作戦に、思わず吹き出してしまう演技には驚いた。そのせしめた金を分け合って皆がバラバラになる。そして気が付くタケが、テツを捜して事情を知るという終わり方。最後のテツを捜す下りも、しんみりとした話になってよかったです。本当は詐欺師の腕は一流だったテツ、全部テツが仕組んだことで、騙されていたのはタケと観客ということ。でも、ノラ猫のトサカが無事で良かったです。
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ロックアウト ★★★.5

2012年11月27日 | アクション映画ーラ行
宇宙に浮かぶ近未来の刑務所を占拠した500人もの囚人に、たった1人で立ち向かうCIAエージェントの活躍を描くSFアクション。出演は「プロメテウス」のガイ・ピアース、「96時間」のマギー・グレイス。製作を担当するリュック・ベッソンに抜擢されたスティーヴン・レジャーとジェイムズ・マザーは本作で長編監督デビュー。

あらすじ:2079年。極限まで高まった人類の安全への欲求は、刑務所の管理体制にまで及んでいた。コールドスリープによる囚人の完全管理、銃火器搭載の自動防衛システム、ソーラーシステムによる半永久稼働の最新設備を備え、500人の凶悪犯を実験的に収容した脱獄成功率0%の刑務所“MS-1”。それは、地上ではなく宇宙に浮かぶ究極の監獄だった。
組織の重要機密漏えい事件を追っていたCIAエージェント、スノー(ガイ・ピアース)は、ホテルの一室で殺害された同僚を発見する。しかし、激しい追撃を受けるうちに、証拠を握る仲間は消え、国家安全保障局に捕えられたスノーは同僚殺しの容疑によってMS-1への収監が決定する。
その頃、MS-1は人道団体を率いる大統領の娘エミリー(マギー・グレイス)の訪問を受けていた。囚人に対する扱いに疑惑を抱く彼女の目的は、聞き取り調査を行なうことだった。早速、囚人の中で最も凶暴と言われるハイデル(ジョセフ・ギリガン)の聴取が始まるが、ハイデルは隙を突いて銃を盗み、瞬く間に囚人たちをコールドスリープから目覚めさせる。(作品資料より)

<感想>時代先取り企画に嗅覚が働くガイ・ピアース主演作である。バイオレンス・アクションの定番である“脱獄”ものに、SF設定を加えたリュック・ベッソン制作による近未来クライムサスペンス。CIAのエージェントであるスノーが、同僚殺しの汚名を着せられ、宇宙空間にある脱出不可能な刑務所MS・1に送り込まれる。
スノーには事件の証拠を握る人物と接触する目的があり、折しも大統領の娘エミリーが視察中のMS・1で、凶悪囚人たちの暴動が発生。スノーは事件の真相究明とエミリー救出というダブルミッションを負うはめになるわけ。
「メメント」「ハート・ロッカー」「アニマル・キングダム」など、エッジの効いた作品に対する嗅覚が冴えるガイ・ピアースが、どん底状態でも軽口を叩く近未来のタフガイを、体重20㎏増やして肉体改造し、イメチェンに成功して楽しげに演じている。
大統領の娘エミリーには、「96時間」の娘役を演じたマギー・グレイスが演じて、気の合わない二人だが、衝突しながらも敵だらけの所内切り抜けて、脱出ポッドを目指す。マギーがこんなに大きくなってと関心しきりだが、なんかもう少し綺麗な女優さん使えなかったのか?・・・ベッソン好みの女優ということで仕方ないか。
新鋭監督コンビのアイデアあふれる近未来の世界。冒頭は“バットポッド”ふうのバイクが登場するチェイスシーンでスタート。
舞台となる宇宙刑務所は、収監された500人が眠る冷凍睡眠装置がズラリと並ぶ見たこともない光景が広がる。
MS・1とは、地球の軌道上にある脱出不可能な“宇宙アルカトラズ”。囚人たちはスリープ状態で収容され、外部の攻撃を受けた場合は、自衛システムが作動し、ミサイルを発射する。
エミリーとの接触から脱出まで、500人もの凶悪犯で埋め尽くされたMS・1での分刻みのミッションはスリル満点で面白い。足に怪我をしたエミリーと共に刑務所内を逃げ回り、彼女を男に変装させるという荒技を使いながらも、襲い掛かる敵を次々と倒していくピアースがかっこいい。
せっかくエミリーを脱出ポッドへ誘導するも、彼女は刑務所に残り、他の人質の救命を望むが、政府は施設の爆破を決定。タイムリミットが迫る中、スノーが刑務所にいる事件のカギを握る男と接触するも、冷凍睡眠装置で頭がアルツハイマーになり、バックの居場所を聞き出せない。ところがエミリーが何度も同じことを言うのを聞きつける。
最後の刑務所を脱出する二人が、レトロフューチャーな宇宙服を着て宇宙船から出るところと、地球へ落下するシーンなど、こんなことってアリ!っと、呆気にとられるシーンにもう少し考えが及ばなかったのが残念。
「フィフス・エレメント」以来となるリュック・ベッソン印のSF映画。監督にはダブリン出身のスティーヴン・レジャーとジェイムズ・マザーを抜擢。ハリウッド映画とは一味違う、宇宙刑務所のダークな雰囲気がいい感じになっているところは良かった。
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30デイズ・ナイト:アポカリプト ★

2012年11月26日 | DVD作品ーさ行
『30デイズ・ナイト』の惨劇に繋がる恐怖の前日譚と続編を収めたサバイバルホラー。『30デイズ・ナイト:ビギニング』『30デイズ・ナイト:ヴァンパイア・インフェルノ』に加え、ゴーストハウス・ピクチャーズが手掛けた『デビルズ・トレード』を収録。
「30デイズ・ナイト:ビギニング」
ヴァンパイア・ハンターへの情報提供を生業としているドラッグ中毒の若者ジョージは、自分のクライアントが次々と死亡する事件が発生していることを知る。やがてジョージ自身も何者かに狙われるはめになり・・・。「30デイズ・ナイト」の惨劇につながる恐怖の前日譚。
出演::アンドリュー・ローリッチ、ダニー・ジョー=オーウェン、TJゼール
監督::ヴィクター・ガルシア(『ミラーズ2』)
製作::スティーヴ・ヘイン(『ブギーマン』)
「30デイズ・ナイト:ヴァンパイア・インフェルノ」
ニックは刑事として引退したその日に、妹サラが看護婦として働く刑務所内で乱闘が起きたという知らせを受ける。
サラはそのまま行方不明になったというのだ。しかしその時、傷を負ったサラは恐ろしいヴァンパイアへと変貌しようとしていた・・・。「30デイズ・ナイト」に続き始まる、新たなる血の抗争を描く。
出演::ショーニー・スミス、ミミ・マイケルズ、クリストファー・ステイプルトン
監督::ベン・キータイ(『30デイズ・ナイト:ダーク・デイズ』)
製作::スティーヴ・ヘイン(『ブギーマン』)
【スペシャル・エピソード】「デビルズ・トレード」
オンラインショッピングで木の十字架を購入したティーンエイジャー3人が、それを手にした瞬間から恐怖の呪いのターゲットとなる。容赦なく迫りくる呪いを解くためには、その十字架を持ち主に返却しなければならない・・・。
出演::エド・カノッサ、ジニー・ウェイリック、マイケル・コンティ、マリナ・レサ
監督::トービー・ウィルキンズ (『呪怨 ザ・グラッジ3』)
製作::ジェイ・チャップマン

<感想>いずれもTV作品のためか、どうしても映像に深みが感じられず、映画版のジョシュ・ハートネット主演のバンパイア・アクション映画、「30デイズ・ナイト」(07)のノリを期待するとがっかりする。映画版の数日前にあたる『30デイズ・ナイト:ビギニング』(約25分)は、ニューオリンズでヴァンパイア・ハンターに情報を提供するドラッグ中毒の若者ジョージが、ヴァンパイアに狙われる話だ。
大変だと警察に通告するも、ジョージが殺人犯と間違われ、ヴァンパイアなんてと信じてもらえず、次から次へと犠牲者が続出する。ヴァンパイアは、首を斬らないと死なないし、太陽光線でも死滅するので夜はなるべく外へ出ないで家の中にいるべし。そんなこといっても、勝手に入って来て襲うし、噛まれた人間がヴァンパイアとなって人間を襲うという。
演出や編集が悪いためか、一度見ただけでは内容を把握しづらいのが難点だ。しかもヴァンパイアが人間社会に紛れ込み、アラスカ州のバロウに集結することが判明する程度なので、前章とあおるほどの面白みはなかった。監督は特殊効果出身で、後に「ミラーズ2」(10)、「ヘルレイザー:レベレーション」(11)を監督したヴィクター・ガルシア。
そして、「~ビギニング」の脚本を務めたベン・ケタイが監督した「~ヴァンパイア・インフェルノ」(25分)は、アラスカ州、バロウ襲撃から3週間後の物語で、「~ビギニング」の続編であり、まだこちらの方がいくらか面白いと思った。
ニックが刑事を引退した日、刑務所で看護師として働く妹サラが、「~ビギニング」で主役のジョージを搬送する時に、ヴァンパイアに襲われて行方不明になる。徐々にサラがヴァンパイア化してゆく妹に対して、兄のニックが葛藤するあたりがドラマの核と言えるが、サラは自分がヴァンパイアとなって人間を襲っていることを自覚しており、最後は太陽光線を浴びて死亡。このシーンは映さないのだ。
ところが、囚人と間違えられたジョージを追う女刑事役で、「ソウ2」のショウニー・スミスがジョージを追い詰めるも、サラを保護した女が、親切に家に入れてくれた女をサラが襲うのだ。それに飼い犬までも餌食に。
そして、その襲われた女に女刑事が襲われるという連鎖反応が、いまいち展開が読めて盛り上がらない。情報屋役の「ゾンビ」のケン・フォリーの出演も見どころの一つです。しかし、ここまで引っ張ってきたジョージもヴァンパイアになってしまうとは、最後に生き残るのはニックだけなの?・・・。
とはいえ、前記の2作よりも、スペシャルエピソードとして収録の「デビルズ・トレード」1話が約4分の全7話構成の方が、オーソドックスな展開ながら楽しめました。ネットの悪魔の取引.comを介して、5ドルで購入した“呪いの十字架”約100年前に人間の首を吊るした木で作ったものだというのだが、それを手にした若者3人が、本当に呪われ始めたことから、その十字架を前の持ち主に返そうとする物語。ネットでは“悪魔の木”として売られていた。
「リング」の“呪いの十字架版”と言ってしまえば身も蓋もないが、呪いから必死に脱出しようとする若者たちの姿が健気に見えた。監督は『呪怨 ザ・グラッジ3』のトービー・ウィルキンズだからなのか、その“呪いの十字架”を持っている者たちや、弟が購入したのだが、姉貴のカードで購入。その姉の彼氏も一緒に呪いの連鎖の巻き添えになるし、弟は幻覚を見て車から出て顔半分ないし、足を木につまずき死亡。
その呪いの木を姉は、モーテルで誘われたデブの男に売りつけるも、幻覚は消えず彼氏も風呂場で溺れ死ぬ寸前を助ける姉。手元にないのに何故呪いは消えないのか?・・・売主の女の家に行くも、彼女はすでに死んでいた。十字架を壊さないとダメだというが、燃やしても弟が首を絞められ宙に浮いたしね。呪い系のホラーとして、これは意外に面白かった。
「30デイズ・ナイト2 ダークデイズ」まだ観てないのでレンタルして見ます。
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人生の特等席 ★★★.5

2012年11月25日 | さ行の映画
監督・主演作『グラン・トリノ』で事実上の俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、4年ぶりに主演を務めたハートウォーミング・ドラマ。『マディソン郡の橋』以来17年にわたりイーストウッドから映画製作を学び、生涯でただ一人の弟子と認められそのDNAを継承するロバート・ロレンツがメガホンをとった。イーストウッドが演じるのは大リーグの伝説的なスカウトマン。その手腕に陰りが見えはじめ苦しい立場に立たされた彼に、長年離れて暮らしていたひとり娘が手を差し伸べる。疎遠だった父娘が仕事を通して絆を取り戻していく様子に、心の底から幸せになれる感動ドラマだ。

あらすじ:長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたガス・ロベル。伝説のスカウトマンとして知られる存在の彼だったが、年齢のせいで視力が弱ってきていた。それでも引退する素振りを微塵も見せない彼に、球団フロントは疑問を抱き始める。
そんな苦しい立場のガスに救いの手を差し伸べたのは、父との間にわだかまりを感じ続けてきたひとり娘のミッキーだった。ガスはスカウトマンの誇りをかけ、父娘二人で最後のスカウトの旅に出る。 (作品資料より)

<感想>2012年5月で82歳になったクリント・イーストウッドの主演作である。「ミステック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」と10年の間の彼の仕事ぶりをみても、高齢になってますます磨きがかかって向かうところ敵なしといった風情が感じられる。
ただし、今回の監督は長年の制作パートナーであるロバート・ロレンツに任せて主演のみだ。たまたま読んだオリジナル脚本の「メジャーリーグのスカウトマン」という役どころに心を動かされて出演を決めたという。昨年はブラピの「マネーボール」で見たコンピューターによるスカウトマンの映画で、それとはまったくもって対照的な作品になっている。

見てみると、パソコンには頼らず、常に現場に立つという老スカウトマンのこだわり、さすがはイーストウッドだと唸らせられる演技。ぴたりと役にハマってさすがの貫録を見せつけ、最後まで飽きさせない。長身に野球帽はもとより、弱弱しいしわがれた声は、球団のお荷物と化した引退間近の老スカウトマンそのものである。
かつてのデーター全盛時代は、目利きで鳴らしたものの、昨今のハイテクの波には付いていけず、心配した弁護士の娘(エーミー・アダムス)が仕事もそこそこに最後のスカウト旅行に同行することに。
この老父と一人娘の旅で描かれるのは、父子のいびつな関係である。娘が幼いころに母親を亡くし、親戚や寄宿舎を転々とした娘と、仕事一筋で娘に寂しい思いをさせた父。互いのわだかまりを解きほぐすように娘は父親に歩み寄り、父も初めて娘の本心を知るといった展開だ。
イーストウッドにとっては、このような役柄は素で演じられるベテラン俳優であり、監督でもあるのだ。その大先輩の役どころを的確につかみ、なお且つ自らの役の複雑な内面を表現する娘役のエーミー・アダムスもさすがだと感心した。この女優さん、かねてから注目していたのだが、特に「ダウト/あるカトリック学校で」を見てからちょっと目が離せない存在になってきている。

幼いころから父親の仕事を見てきた娘が、父を喜ばせたくて弁護士になったのだが、実は自分にもスカウトマンとしての目利きが備わっていたことを気付かされる。だがいいことばかりではない。幼いころに一緒に仕事に付いてきた娘が、ある時納屋に連れられ男に乱暴される寸前を助け、その男をボコボコに殴り警察に捕まったことで、娘を親戚の家や寄宿舎のある学校へ入れたことを、男親としての気遣いからなのだが。それがやっと娘に話すことができ、そのことを映し出されるシーンでは、まさか娘が結婚しないのはそれがトラウマなのかと先走りしてしまった。
旅先で知り合った、元野球選手だったジャスティン・バレークのスカウトマンとの恋愛は、あまり重要ではないが、娘が最後に彼とうまくいくシーンで父親として安心したような、一抹の寂しさを見せるイーストウッドの演技が巧い。ここでも御大イーストウッドと並んでエーミーが劣らない演技を見せていると思う。
最後まで見てふと思ったのだが、イーストウッド監督ならどのように撮ったのだろう?・・・それも観たかったような気がして残念でならない。
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ゲットバック ★★★

2012年11月22日 | アクション映画ーカ行
「コン・エアー」の主演ニコラス・ケイジ&監督サイモン・ウェストのコンビによるサスペンス・アクション。出所した銀行強盗犯が、かつての仲間に誘拐された娘を救出する争奪劇を描く。共演は「J・エドガー」のジョシュ・ルーカス、「キリング・ショット」のマリン・アッカーマン、『デタッチメント』のサミ・ゲイル。

あらすじ:全米屈指の銀行強盗ウィル・モンゴメリー(ニコラス・ケイジ)は、長年チームを組む信頼のおける仲間たち、ヴィンセント(ジョシュ・ルーカス)、ライリー(マリン・アッカーマン)、ホイト(M.C.ゲイニー)らとともに夜の銀行に侵入、鮮やかな手口で金庫を破り、1000万ドルの強奪に成功する。
だが逃走中に仲間割れが起き、ウィルがヴィンセントに発砲、その様子を見て焦ったホイトの裏切りによって、ウィルは1000万ドルとともに一人路上に取り残される。現場に駆け付けたパトカーを奪取し逃走を図るウィルだったが、警察の執拗な追跡によって最後は逃げ場のない倉庫に追い詰められ、FBI捜査官のハーランド(ダニー・ヒューストン)、フレッチャー(マーク・バレー)らの手によって逮捕される。
しかし、盗まれたはずの1000万ドルは跡形もなく消えていた……。8年後。出所したウィルはその足で娘アリソン(サミ・ゲイル)のもとへ向かう。8年ぶりに会う娘に許しを請うウィルだったが、アリソンはひとりタクシーに乗り込み立ち去ってしまう。そんな娘の後ろ姿を茫然と見送るウィル。

その直後、突然かかってきた電話の相手はヴィンセントだった。昔の仲間の声に喜ぶウィルであったが、8年前の仲間割れに恨みを持つヴィンセントは「俺の分け前を寄越せ」と怒りをあらわにする。「あの金は燃やした」とウィルは告白するが、それを信じないヴィンセントはアリソンを誘拐したことを告げ、12時間以内に1000万ドルを引き渡すことを要求する。
窮地に立たされたウィルは、かつて自分を逮捕したハーランドに助けを求めるが、消えた1000万ドルの件で逆に拘束されそうになったため、護衛の捜査官を打ち倒し逃走。ウィルは警察からも追われる身となる。孤立無援の状況で、警察の捜査網をかい潜り、ヴィンセントと娘の行方を必死に追いながら、同時に身代金のための無謀な銀行強盗を計画するウィル。仲間の裏切り、警察からの追跡、誘拐犯との息詰まる心理戦の中、死に物狂いの父親は最後の賭けに出るのだった……。

<感想>ニコラス・ケイジとサイモン ・ウエスト監督の「コン・エアー」コンビが、15年ぶりに復活。娘を誘拐された男のサスペンス・ドラマと強盗映画のクライム・アクションが融合。ぶっ飛んだ奪還作戦や、誘拐犯や警察との駆け引きの面白さと、強盗映画のスリルを融合させているのもいい。

銃撃戦や、カー・チェイスなど多彩なアクションもてんこ盛りサービス。昔の仲間に娘を誘拐され、12時間以内に1000万ドルを渡せと要求されるウィル。旧知のFBI捜査官に助けを求めるも、逆に不審がられ、追われる身になるとは、それにFBIも8年で刑期を終えたウィルをマークしていたのだ。
そのFBI捜査官のハーランド(ダニー・ヒューストン)とフレッチャー(マーク・バレー)たちだが、まるで漫才でもしているような滑稽ぶりを見せてくれる。笑いのシーンというより、FBIたるもの呆れかえるよね。

万策尽きたウィルは、身代金を調達するために、刑務所の中で考えていた銀行強盗を決行する。こんなに簡単に銀行の金塊を盗むことができるのか???マークが付くが、それでも用意周到で、昔の仲間のライリー(マリン・アッカーマン)を助手に地下水道構へと。
だいたい目星を付けていたと見えて、コンクリートの天井を爆破し、焼切ると金の延べ棒が見えた。これには、こんなのありって驚く。あまりにも簡単に延べ棒を焼切って下水溝へ落として、渦巻きのまるで○○こみたいな形の金塊をバックに詰め込んで逃走する。

だが、FBIもウィルを見張っていて、誘拐犯のヴィンセントのところへ行くも、彼は娘がトランクに入っているのに油をかけて車に火をつける。娘の一大事、父親としてここで頑張らねば男がすたる。車を川の中へ入れて火を消し、トランクの中の娘を助けるのにスリル満点。

最後はFBIに捕まるのだが、金塊の1個がまさかライリーのトラックに残っていたとは。それをFBIが知っていて、渡せと言うもそこが傑作でまるでコメディのよう。
かなり年齢的にもアクションシーンに無理があり、特に追いかけて走る、逃げるというシーンのニコちゃんはかなり辛そうに見えた。体は鍛えているが、寄る年波には勝てずか(苦笑)娘役のサミ・ゲイルちゃん、16歳という年齢だが可愛いくて、トランクの中での演技に拍手。
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任侠ヘルパー ★★★★

2012年11月22日 | アクション映画ーナ行
極道者が介護ヘルパーになるという破天荒な設定で人気を博した同名TVドラマの劇場版。老人介護施設を舞台に、福祉事業の利権に群がる政治家や暴力団に立ち向かう男の奮闘を描く。監督は「容疑者Xの献身」の西谷弘。出演は「僕と妻の1778の物語」の草なぎ剛、「HOME 愛しの座敷わらし」の安田成美、「きな子 見習い警察犬の物語」の夏帆。

あらすじ:指定暴力団「隼会」を抜け、堅気となった元極道者・翼彦一(草なぎ剛)はコンビニで働きながら細々と暮らしていた。ある日、金に困って強盗に入ってきた元極道の老人・蔦井雄三(堺正章)を見逃したことから刑務所送りになった彼は、獄中で蔦井と再会。
元極道であることの生きづらさを感じていた彦一は、出所後、その老人のツテを頼って「極鵬会」組長・朝比奈道俊(宇崎竜童)を訪ね、そこで再び裏の仕事に手を染め始める。その仕事は、老人相手の闇金とその闇金で破産した老人たちを「うみねこの家」という老人介護施設に入れ、生活保護や年金をせしめることだった。
なんの設備もなく、悪臭漂う最悪の環境の中で生活する老人たちを見ながら、最初は淡々と仕事をこなしていた彦一だったが、次第に老人を食い物にする状況に苛立ちが募るようになっていく。
そして遂に彦一は「うみねこの家」の立て直しを決意。だが、貧困ビジネスを目の敵にする市議会議員・八代照生(香川照之)と、老人を金づるとしか思わず、施設の改善など意に介さない極鵬会が彦一の前に立ちはだかるのだった……。

<感想>もとは極道だった男が、その素性を隠して老人介護の世界に飛び込む。なんて荒唐無稽な設定なのに、老人介護施設の描写にえらくリアリティがあって評判をとったフジテレビの連続ドラマ「任侠ヘルパー」の映画化である。
お話は、刑務所を出所した主人公の翼彦一を演じる草なぎ剛が、老人相手の闇金と、そこで破産した老人を介護施設にぶち込んで、生活保護や年金をせしめるあくどい仕事に関わることになる、・・・。
という展開なのだが、ドラマ版はかなり笑いの要素も強かったのに、映画版では意外にもガチで笑い一切なしのシリアスな物語になっている。
ヤクザ者を演じる草なぎ剛は、時折不気味な凄みを見せるのが怖く、他も意外性のあるキャスティングが見どころでもあり、「この人がこの役?」というような面白さもあります。
ゴミダメ見たいな老人介護施設の管理人に、老けたリリィさん。介護老人役の品川徹は、往年の天本英世みたいなムードになってるし、上品なお婆さん役の多い草村礼子がボケ老人に、その元夫で、今はヨボヨボの老人となった元極道の入れ墨背中にバッチしの堺マチァアキ。町の市議会議員役で香川照之さんは、相変わらず熱く演じているし、ボケ老人になった母親を、施設に入れることに苦労するシングルマザーの娘に安田成美が。
で、ヤクザの大親分に宇崎竜童、その部下に杉本哲太という配役。なんだかGSから続く不良系のロックバンドの上下関係がそのまんまという感じが笑える。
しかし、最大の驚きは、あのキュートな美少女、夏帆がなんと苦労人のキャバ嬢役で、旅館の宴会場で「渚のシンドバット」を歌う姿など、意外と水商売役がハマっていて好演。
もちろん主人公の草なぎ剛くん、いつもに増して背中に入れ墨して極道を演じるので、気合が入って凄みもあります。老人施設で長谷川和夫とか市川雷蔵とかもてはやされているが、どちらかというと高倉健さんのような風貌。まぁ健さんの演技には程遠いですがね(苦笑)だが、かなり演技の幅は大きく感じましたよ。
介護施設のあまりにも酷い現状、まぁこんな施設があるとは考えられませんがね。
最近は団塊世代の方たちが65歳を超えて、これから老人介護施設を増やさないと追いつかない。見ていて笑いの部分もあるが、深刻な老人福祉問題が頭に残り笑って見てられなかった。
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サニー永遠の仲間たち ★★★

2012年11月22日 | DVD作品ーさ行
「過速スキャンダル」のカン・ヒョンチョル監督によるコメディ。出演は、ユ・ホジョン、「ヘンゼルとグレーテル 」のシム・ウンギョン他。

あらすじ:アラフォー主婦が数十年ぶりに同級生に再会。そこから自分たちが最も輝いていた80年代と女子グループ「サニー」の思い出が次々によみがえる。原色ファッションにポップ音楽、血気盛んな雰囲気など80年代の要素満載の快作コメディ!
あらすじ:夫と高校生の娘と不自由なく暮らす主婦、ナミ。ある日、母親の入院先で高校時代の友人、チュナと再会するが、彼女はガンに冒されていた。ナミに頼まれて彼女は、永遠の友情を誓った高校時代の仲間たち、“サニー”のメンバーを捜すことに。

<感想>本作の中では、“永遠の友情”というものが不変であるように描かれていましたが、しかし、現実には学生の頃の仲間と何十年かぶりに再会した場合に、人生の勝ち負けがはっきりしていて、中々すんなりとは仲良く出来ないんじゃないかという気がしました。
ちょっと前まで、家の稼業を継いでボチボチやっている子とか、会社務めをしている子とか、結婚して子供がいて専業主婦をしている人もいれば、生活が苦しくてパートをしている人だっている。
だから勝ち組って言い切るのはちょっとね、むしろ勝ち組になっている人って少ないのではないかしら。社会的地位もあって、経済的にも余裕のあるように見えても、重い責任を持たされて、それを回避できなくて自殺したりすることさえあるから。
そんな時代だからこそ、この作品の中の“サニー”のメンバーたちの関係が素晴らしく見え、羨ましくさえ思いました。
今は、厳しい格差社会の中で、みんな人生の辛酸をなめている。しかも一番の成功者であるはずのチュナが、ガンを患い、それでも青春時代の輝きを取り戻せたのは、高校時代の友情、その時代が一番自由奔放に過ごせたからなのでは。
仲間を大切にして、悪いことも善いことも共有し、全身全霊で遊びほうけていたからこそ、その仲間たちと、お互いに深く交流をもっていたということがあるからでしょうね。
だから、中には辛い状況で再会することを拒む人も、そんな仲間の立場を思いやって何かしてあげられたら素晴らしい友情が生まれる。でも、みんな自分の生活で勢いっぱいなのだ。私には、小学校からの友達が数人いる。今でも1年に2回ほど会い、昔の話に花が咲く。しかし、思いやりも大切で、相手の心を傷つける話は禁句だ。

この作品の中の“サニー”と敵対するチームの女の子たちは、リーダーが専制君主みたいになってみんなをコントロールしていて、しかも他のメンバーがリーダーを信用していない。これでは長続きしない。
でも“サニー”では、メンバーが落ちこぼれることを許さないチームだった。誰かが大変なことになったら救ってあげる。誰かが行き過ぎていたら、ちょっとやめろよ、って言うようなことも言える仲間なんですね。チームの中にセイフティ・ネットがある。それがとても大事なことで、つまり相互扶助の精神に通じている。
だから、30年経っても関係を復活することができる。主人公がサニーのメンバーの中に、落ちぶれている子に出会っ時も、きっと本人は会いたくないはず。だが、彼女たちは、優しく応援する。
チュナが事業で成功し、ガンに冒され余命幾ばくもなく、その後のことを昔のサニーの仲間たちに、財産を分け与えることには大いに共感した。だが、あまりにも最後が出来すぎたような物語になっているので、サニーのメンバーが集まって踊りながらチュナを送る光景は素敵でしたがね。
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q ★★★★★

2012年11月19日 | アクション映画ーア行
絶大なる人気を誇るアニメシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」をリビルド(再構築)した“新劇場版”シリーズ4部作の第3弾
2009年6月28日に「エヴァンゲリヲン新劇場版:破」から3年経ち、待ちに待っていた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を鑑賞して来ました。その前に16日TVで放映された“エヴァ:破”を見て、感動し、また興奮しきりでした。

ご注意:これから鑑賞する方たちには、文面にネタバレ部分がありますのでご了承下さいませ。

冒頭にジブリの映像で地球、東京壊滅、ニアサードインパクト(サードインパクトに極めて近い現象)」が起こり、エヴァのようなモンスターが地球を襲い、壊滅状態の赤黒い世界が映し出されます。これは特撮短編として「巨神兵東京に現わる 劇場版」として上映され、これも中々素晴らしくて茫然として鑑賞。

そしてシンジが助けだされた様子が映し出され、「もうあんたは何もしなくていい」と首に輪っかをかけられます。これはミサトがシンジが何かをしでかしたときに、シンジを遠隔操作で爆発させ殺してしまう装置のようでした。
「破」の最後に何が起こったのか、「なんでこんなことになったんだろう?」とシンジくんだけが悪いんじゃないのに、と彼は確かに子供のように単純に綾波を助けたいばかりにやってしまったこと、だから達成感のようなものがあってあまり自分がしたことに後悔がないのだ。

自分善がりの考えでエヴァとシンクロさせて、ニアサードインパクトを起こしてしまったことに、世界を滅ぼしたことをあまり悔いていないシンジ。14年経っているのに、いつまでも中学生のままのシンジ。心も頭の中も一直線の馬鹿シンジ。アスカがアイパッチをして登場した時には、やっぱり生きていたんだと嬉しかった。
それに、「破」の最後に月のところにいたカヲルが、ピアノを弾きながら唯一シンジの友達として心を許す相手となる。だが、シンジが見たかった光景をカヲルに連れられて長い階段を踏み外しそうになりながら下りて、雲が切れて見えるサードインパクトの光景に唖然とさせられる。

ところが、カヲルが「13号機に一緒に乗って、あの槍を引っこ抜けば、元に戻るんだ」と言われて、エヴァ13号機(二人乗り)に乗り込むシンジとカヲル。またもやシンジが、よく考えもしないでしでかす一大事。2本の槍を引き抜くのだが、それが罠だったとは?・・・彼は本当に純真で何でも真に受けるタイプ、だからってカヲルが矢を抜けというから抜いたは理由にならないでしょうに。まったくもう腹立つ馬鹿シンジが今回もイライラさせます。

カヲルがシンジの首輪を自分の首にして、身を呈してシンジを守るのだが、シンジの苦悩は、自分のためにカヲルが犠牲になるとは。最後はアスカに助け出されることに。
もちろん旧ネルフは廃墟にあり、この組織に所属するゲンドウ、冬月、綾波レイ=ナンバー9が出演。それに敵対する新組織「ヴィレ」には、葛城ミサトが起ち上げたらしい新組織ですが、ショートカットのリツコとミサトの関係は、ネルフから独立したこともあって、まるで冬月とゲンドウっぽく見えましたね。それに「ヴンダー」=希望という宇宙船、鷹、鷲、の鳥のようなイメージだが、EVA初号機が原動力だというし、「神殺し」って何時作ったの?・・・14年経ってるんだものね。がしかしだ、ヤマトの沖田艦長のようなミサトのいでたちと男っぽさに惚れ惚れです。
脚本、総監督が庵野秀明さんだということなので、劇中は専門用語のオンパレードでよほどの“エヴァ”通でないと意味不明な点が多く置いてけぼりをくらったような、しかしこれがこの“エヴァ”の魅力と言ってしまえばそうなので、もう1回見直しに劇場へ行くつもりです。

ラストに予告が、・・・生き残る気力を失ったまま放浪を続けるシンジ。たどり着いた場所が彼に希望を教える。ついに発動する補完計画。ファイナルインパクト阻止のため、最後の決戦を挑むヴィレ。空を裂くヴンダー!赤い大地を疾走する、エヴァ8+2号機!・・・次回「シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖」へ
となってましたが、
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」前編を「序」、中編を「破」、後編を「急」として製作が進行中ということだった。そして「急」は「Q」として、完結編は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖」としてなのであろうか?・・・釈然としないままに「Q」が公開され、またもや?マークが付いてしまう。


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

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神弓 KAMIYUMI ★★★★

2012年11月19日 | アクション映画ーカ行
17世紀の朝鮮で起きた“丙子の乱”を背景に、結婚式当日に清軍に捕らわれた妹を救うため、たった1人で大軍に戦いを挑む弓の名手の活躍を描いたアクション。出演は「黒く濁る村」のパク・ヘイル、「カエル少年失踪殺人事件」のリュ・スンリョン、『王女の男』のムン・チェウォン。監督は「極楽島殺人事件」のキム・ハンミン。
あらすじ:幼い頃、国家反逆罪で捕えられた父を目の前で殺されたナミ(パク・ヘイル)とジャイン(ムン・チェウォン)の兄妹。何とか追っ手から逃れた2人は、父の友人キムにかくまわれ、ひっそりと逃亡生活を送っていた。兄のナミが生きているたった1つの理由は、妹ジャインを守れという父の最後の願いを全うするためだった。13年の月日が流れ、2人を育てたキムの息子ソグン(キム・ムヨル)がジャインに結婚を申し込む。妹が遂に幸せをつかむことを確信したナミは村を後にするが、結婚式当日、村は清の軍隊の攻撃を受け、捕虜となったジャインとソグンは他の村人たちとともに連れ去られてしまう。
ナミは父の形見である家宝の“神弓”を手にすると、妹を救出するため、追跡の旅に出る。優れた曲射の技術で、清の優秀な兵士たちを1人ずつ倒し、敵陣深くに迫ってゆくナミ。清国のエリート部隊を率いる指揮官で、自身も弓の名手である猛将ジュシンタ(リュ・スンリョン)は、やがてナミの並外れた弓の腕に気づく。自らが仕える王子トルゴンと部下たちを守るため、ナミを執拗に追跡するジュシンタ。発射位置の特定を不可能にする不規則な曲線軌道を描くナミの弓。そして、250グラムもの重量を持つ矢じりを利用した絶大な破壊力を誇るジュシンタの長弓。互いに自らが最も大切にするものを守るため、運命を賭けた2人の対決が刻一刻と近づいていた……。 (作品資料より)

<感想>今年は「アベンジャーズ」「メリダとおそろしの森」「ハンガー・ゲーム」、そして「少年は残酷な弓を射る」と弓の名手が大活躍する作品が目白押しでした。韓国で800万人以上の動員を記録した大ヒット作、原題が「最終兵器・弓」が東北地方でも上映された。
17世紀の李氏朝鮮時代、清国軍の侵略によって50万人の民衆が捕虜として強制連行された「丙子の乱」を背景に、1人の名もなき弓の名手が家族を守るために繰り広げる壮絶な戦いを描いた、韓国初の「弓アクション時代劇」である。弓の名手が、妹と村人を救うべく命がけの追跡を開始する。そこからはひたすら射る、殺す、走るの三拍子。やじりが広くて重い破壊力満点の長弓を用いる敵の軍勢を相手に、機動力と飛距離で勝負する孤高の戦士、ナミの超絶弓テクが全編に炸裂するのだ。
敵が矢を射る寸前に相手の弓の弦を射ち抜いたり、敵の矢を使って武将を2人まとめて串刺しにしたりといったトリッキーな戦闘シーンは鳥肌もんですから。映画の序盤、ナミがいつもの練習用の的をギリギリのところで外していると見せかけて、実は、・・・という場面も、クライマックスの見事な伏線となってグッとくるでしょう。さらに、多勢に無勢の敵陣突破、決死の断崖絶壁ジャンプ、人間VS虎の異種間バトルまで、盛り込むサービスぶりで最後まで飽きさせません。

歴史的悲劇をモチーフに、シンプルな追いつ追われつのドラマが展開する本作は、これは韓国版「アポカリプト」ですね!離れ離れになったミナと妹が織りなす兄妹愛のドラマも作品に奥行を与えていると思う。しかし、侵略者の残虐性や傲慢さを強調し、現在にリンクする大国批判と国の威力を促すプロパガンダ映画的な思惑を感じさせるあたりは、賛否が分かれると思います。
だが、アクション映画としての興奮度では、中々どうして出来が良く、国民的ヒットは嘘じゃないだろうと。主演のポン・ジュノやカン・ウソクといった鬼才監督に鍛えられ、今や人気、実力ともにトップクラスの映画スターとなったパク・ヘイル。今回はいつもの優男ぶりを振り払い、荒々しい自然の中を駆け巡るハードなアクションシーンの数々を、代役なしで挑み、撮影前に特訓を重ねた見事な弓さばきで魅了します。
敵国の武将ジュシンタに扮するリュ・スンリョンのかっこよさも見どころの一つで、本作では満州語のセリフを完璧にマスターして、精鋭部隊のカリスマ隊長を力演。今まで出会ったことのない強敵ナミを執念深く追うあまり、仲間を次々と失う羽目になり、怒りと悲しみの塊と化していく彼の姿は、「アポカリプト」のゼロ・ウルフと重なって見えた。
クライマックスに待ち受けるナミとの最終対決シーンは、まさに手に汗を握る名勝負です。
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パラノーマル・アクティビティ4 ★★

2012年11月17日 | DVD作品ーな行、は行
アメリカ、カリフォルニア州で、88年と06年に起きた「パラノーマル・アクティビティ事件」と呼ばれる3つの未解決事件。その証拠映像として警察が公表したとされる不可解な映像が話題を呼び、世界中に衝撃を与えたホラー・シリーズの第4弾。3つの事件で行方不明となった人々の消息につながる、新たな情報が明らかになる。
あらすじ:1988年9月、カリフォルニア州サンタローザ。閑静な住宅街に幸せに暮らす家族。ある日を境に二人の娘ケイティとクリスティの周辺で次々と奇妙な現象が起こり始める。原因を探るため、両親は監視カメラを設置。その公開された映像のラストには謎の死を遂げる両親の無残なシーン、そして幼い姉妹を連れ去る祖母の姿があった……。
2006年8月、カリフォルニア州カールスバッド。クリスティは夫と静かに暮らしていたが、ある日帰宅すると家が荒らされていたため、部屋中にセキュリティカメラを設置する。だが、その後も不可解な現象が起こり、やがて最後に映った映像には、家族を襲うケイティの姿が。そして、ケイティが幼い男児ハンターを連れ去る様子が捉えられていた……。

2006年9-10月、カリフォルニア州サンディエゴ。恋人のミカと同棲中のケイティは、夜な夜な奇妙な音に悩まされていた。その原因を解明するべく高性能ハンディカメラを購入、昼間の生活風景や夜の寝室を撮影する。その記録映像には、説明不可能な恐ろしい“何か”がケイティに近づき彼女を豹変させる様子が映っており、その後、ケイティは姿を消した……。そして、いまようやくケイティはなぜ消えたのか、その驚愕の真実が明かされる……。
ある一家を巡る一連の事件に関わったとされる女性ケイティが、妹の幼い息子ハンターとともに姿を消してから5年後の2011年11月、ネバダ州ヘンダーソン。
閑静な住宅街に家族と暮らす女子高生のアレックス。彼女は恋人のベンにビデオチャットを通じて、隣に不気味な少年が越してきてから不思議なことが頻発すると不安を訴える。そこで2人はその様子をノートPCやスマートフォンで記録することにするのだが…。(作品資料より)

<感想>低予算で制作されながらも大ヒットを記録したホラー・シリーズの第四弾。第一作の監督オーレン・ペリは制作と共同脚本にあたり、ヘンリー・ジューストとアリエル・シュルマンが監督を担当。出演はケーティー・フェザーストーン、キャスリン・ニュートンら。
しかし、この映画は初めから見ていないと辻褄が合わないでしょうに。今回初めて見る方には何が何だか分からないと思うのだが。私は1、2作目はビデオで、3作目は劇場で見た。これで終わりだと思いながら鑑賞。
だが、今回は今までに関連のないアレックスという可愛い高校生が、事件に巻き込まれるという展開。今までホラー映画ということで、こんなに可愛い女の子出ていなかったので、今回は期待できると思った。
しかしだ、内容は全然前と同じで、怖さも半減です。彼女の彼氏ベンも、アレックスの家の各部屋にホームビデオやモバイルPCを取り付けるので、やはりケイティに首を捻られて殺されるのだが、お迎えに越してきた親子、シングルマザーらしき女と男の子が実はという展開。
問題は3作目の赤ん坊ハンターが大きくなって現れるというお話。その子がまさかアレックスの弟だったとは。つまり養子だったのね。それで迎えのおばさん、ケイティが火事騒ぎで救急車で運ばれ入院。それでその息子をアレックスの家で面倒を見る事になるのだが、夜な夜な弟と出歩くし、その母親もお礼の菓子折りの一つも持って来ないしで、変に思ったアレックスが、お向いの家を訪ねると家の中は空っぽ。家具に白い布が掛かっているだけ。
アレックスの母親もパパと喧嘩しているらしく、一緒に寝ていないし、いくら家の中に不審なことがあると言っても聞き入れてくれない。突然地震かと思うように揺れてシャンデリアが天井から落下するとか、アレックスが寝ているとベットから体が宙に浮きあがるとか。
酷いのは、アレックスが留守番をしていて、ガレージで物音がするので行ってみると、車のエンジンが自動でかかって排気ガスで苦しくなり、車の窓を破って運転して外へ飛び出す。これもパパに信じて貰えなかった。
だからって、お向かいのおばさんケイティが母親と父親を殺して、弟を奪っていくなんて残酷です。確かに養子の弟はハンターだと言うことも分かったのだが、アレックスは処女みたいなので生贄になるのだろうか。
お迎えの家に行かなければいいのに、アレックスの目の前に悪魔の集団が出てくるとは、嫌な終わり方でした。この悪魔のおばさん集団、3作目で見たよね。
超常現象というより、ホラー映画の定番ですね。これって、まだ続編あるのかなぁ。
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シルク・ドゥ・ソレイユ3D ★★★

2012年11月16日 | さ行の映画
6つの大陸、300の都市で公演を行い、世界中の人々を熱狂させるパフォーマンス集団、シルク・ドゥ・ソレイユ。『アバター』のジェームズ・キャメロンが製作を手がけ、その世界観を3Dで映画化。ドキュメンタリーではなく、ラスベガスで行われている“O”“KA”“LOVE”を中心に、7つの世界を旅する女性の物語が展開する。

あらすじ:ふらり田舎町に辿り着いた足取りの重いミア(エリカ・リンツ)は、ピエロに渡されたチラシに導かれ、サーカスが行われるテントへと向かう。やがて空中ブランコを行う寸前の一人の青年(イゴール・ザリポフ)がチラシに載っていた人物であることに気付き、ミアは彼をじっと見つめる。
空中ブランコの青年も見つめ返し、二人が互いに目を離さずにいると、青年はブランコを握り損ねて落下してしまう。驚いたミアは彼を助けようと駆け寄るが、青年は地面に飲み込まれるように姿を消し、追うミアも消えてしまう。やがて彼女は、見たことのない不思議な世界で目を覚まし、その異世界をさまよい歩きながら、消えた運命の青年を探し求めるのだった……。(作品資料より)
<感想>1984年カナダで誕生し、通算観客動員数は一億人を超えるという世界最高峰のパフォーマンス集団“シルク・ドゥ・ソレイユ”。従来のサーカスを大胆にアレンジして、ストーリー性やテーマを加えたショーに、アクロバティックな演目(リングの上での宙返り)に出演するパフォーマーは、その身体能力がオリンピック選手級であることがまず基本。
実際にオリンピック出場経験をもつ人も少なくないのだ。彼らがその技に磨きをかけ、肉体の限界まで挑み続けることで、スリリングな極限のパフォーマンスが生まれているのだ。
それに、独創的、芸術的と言われているシルクのショーだが、誰にでも楽しめるというサーカスの基本は忘れてはいない。極力言葉を使わずに、極限まで曲がった身体能力の凄さ、空中ブランコにしても命綱をつけず高いところで宙返りして、向かい合った相手にくるりと捕まる。
クライマックスでの少女ミア演じるエリカ・リンツとエアリアリスト扮するイゴール・サリポフのお二人さん。リボンのような綱にぶら下がりクルクルと回転して逆さになったり、片手で水平に保ちながら回るパフォーマンスの素晴らしさは、神業級もんです。
クラウンやサーカス・アクターの動きやアクロバット演出でその世界観を表現しているので、楽しめること請け合いです。
映画の背景となっているのは、ラスベガスしか見る事のできない7つのショーが展開。巨大プールで行われる優美なパフォーマンス「O(水)」、燃え上がる魂を巨大車輪でダイナミックに表現する「KA(炎)」、“ビートルズ”の楽曲をBGMに展開する「LOVE(愛)」といった迫力の演目が、ミアの迷い込んだ不思議な世界を表現しています。それも3Dなので幻想的なショーが、びっくりするほどの接近感があり、ダイナミックな臨場感に吸い込まれた。
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そして友よ、静かに死ね ★★★

2012年11月15日 | アクション映画ーサ行
1970年代初頭のギャング、エドモン・ヴィダルの自叙伝『さくらんぼ、ひとつかみで』を基に、当時の事件とフィクションを織り交ぜて描く犯罪サスペンス。監督は、「あるいは裏切りという名の犬」のオリヴィエ・マルシャル。出演は、「この愛のために撃て」のジェラール・ランヴァン。第20回フランス映画祭出品作品。

あらすじ:伝説のギャングとして一時代を築いたエドモン・ヴィダル、通称モモン(ジェラール・ランヴァン)は還暦を迎え、かつての仲間や愛する妻ジャヌー(ヴァレリア・カヴァーリ)、息子、孫たちと静かに暮らし、昔の自分を忘れようとしていた。
しかし、心穏やかな日々を送っていたモモンの元に、かつて一緒に派手な強盗事件を繰り返した親友セルジュ(チェッキー・カリョ)が13年の逃亡の末、暴力団担当刑事ブロナー(パトリック・カタリフォ)に逮捕されたという知らせが届く。
実刑が確定すれば、死ぬまで刑務所暮らしはまぬがれない。モモンは妻との約束を守るため自業自得だと言い放つが、子供時代のセルジュの顔が脳裏に浮かぶ。モモンはロマというジプシー出身でいじめられていたが、それを助けたのがセルジュだった。
1964年、2人は遊び半分でさくらんぼを盗み、一緒に半年の禁固刑になった。モモンは苦悩するが、長年の親友を救う決意する。彼は再び危険な道に足を踏み入れ、衝撃の過去が明らかになっていく。 (作品資料より)

<感想>1970年代に“リヨンの男たち”として名をはせた実在のギャング、エドモン・ヴィダルの半生を描いた実録ギャング映画。『あるいは裏切りという名の犬』で警察組織内部の闇を暴き、フレンチ・フィルムノワールを復活させたオリヴィエ・マルシャル監督が、ヴィダル本人と立会いの元に映像化した燻し銀のような逸品です。
ヴィダルを演じるのは「この愛のために撃て」(10)の悪徳刑事役で強烈な存在感を見せたジェラール・ランヴァン。そしてセルジュを演じるのは国際スターとして活躍中のチェッキー・カリョ。「男の顔は履歴書」という映画があったが、本作に登場する俳優たちの顔が全員筋者のいい顔をした男たちばかりで、そんな彼らと若き血気盛んだったころの彼らがカットバックする構成が心憎いいと思った。
「落とし前に時効はねぇ」というギャングならではの、筋を通したラストにも感動の涙だが、その前に見せるヴィダルのカードを使った必殺シーンの恰好よさに痺れること請け合いですね。
渋いおとこにはいい女が付き物だが、極道の妻や極道の娘の凛とした佇まいも絶妙にこの映画を引き締めていると感じた。実在のギャングの激動の半生と、男の熱き友情を描いている、まるで任侠映画です。
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ラブ&マネー ★★★

2012年11月14日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
ジャネット・イヴァノヴィッチの世界的ベストセラー小説、ステファニー・プラムシリーズを映画化したアクション・コメディ。ひょんなことからバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)となり、元カレを逮捕するはめになったヒロインの姿を描く。主演は、世界累計で1億6,000万ドルの興行成績を上げた大ヒット作『幸せになるための27のドレス』や『キス&キル』などで“新ロマコメの女王”の地位を確立させたキャサリン・ハイグル。本作では、平凡なデパートの売り子から、一転して犯罪者を追うバウンティ・ハンターへと変貌していく主人公を熱演している。監督を務めるのは、『ラスト・ソング』のジュリー・アン・ロビンソン。

<感想>キャサリン・ハイグルが自ら制作・主演した「私が愛したリボルバー」の映画化。ニュージャーシー、デパートの下着売り場の仕事を辞め、半年近く無職&貧乏の生活苦にあえぐステファニー(キャサリン・ハイグル)。借金の肩代わりに愛車を没収された彼女は、うさんくさい従兄が経営する保釈金立替業者で働くことに。

なんの知識もスキルもなく、拳銃を撃ったこともないステファニーのバウンティ・ハンターとしての初仕事は、保釈中に失踪した腕利きの警官ジョーの逮捕だった。ギャラは破格の5万ドル!で、しかもジョーはステファニーの高校時代の恋人だった。
男前の同業者から訓練を受け、賞金稼ぎの世界を学ぶうちに、彼女はジョーが逮捕された殺人事件に不審な点があることに気付くのだが、・・・。
現在までに18作刊行されている大ベストセラー小説で、ステファニー・プラムシリーズ第一弾である。コミカルで軽快、ちょっぴりハードボイルドな女主人公もののクライム・アクションミステリーになっている。
ニュージャージーの下町を舞台に、賞金稼ぎに転身した社会の敗残者ギリギリの、ドジで憎めない三十路女性の成長を、ユニークな登場人物のサポートと洒落たセリフと、さらにツイストの効いたサスペンスで、ぐいぐいと引っ張るB級作品であります。相手役のジェイソン・オマラよりもステファに拳銃の扱いや武術を教えるダニエル・サンジャックの方が私は好感mてましたね。
賞金稼ぎが主人公の作品といえば、スティーヴ・マックイーン主演の「ハンター」やデ・ニーロの「ミッドナイト・ラン」などが挙げられるが、原作者ジャネット・イヴァノヴィッチは、本作を書く上で「ミッドナイト・ラン」にインスパイアされたと言っているそうです。だが、どちらかというと、「バウンティー・ハンター」のジェニファー・アニストンに近い路線になっていると思う。
アニストンよりはハイグルの方がアクション向きですが、所詮女ですから悪党の男を捕まえるのにシッ苦ハ苦するのが関の山。ですが見せ場としてお色気むんむんの、ハイグルのシャワーシーンもありで全裸のハイグルも見られるし、警官のジョーを捕まえるのに二人とも相思相愛の仲なので、見ていていちゃいちゃする場面なんかは、まるでラブコメに近い。とてもサスペンスとは程遠い。
そうそう、ジョン・レグイザモが悪党で出演していますが、最後にステファに撃たれてしまい、トラックの中の売春婦の死体とその殺し屋の死体に、警官ジョーまで捕まえてのお手柄でしたが、こんなに上手く解決したら命がけのバウンティー・ハンターなんて楽しい仕事になってしまいますよね。
本作が全米で1月に封切られ興行的ににあまりパットしなかったが、その理由は映画化するのに遅すぎた(原作刊行は1994年)そして主演のキャサリン・ハイグルが原作の主人公像からかけ離れていた。一時はラブコメ女王に君臨していた彼女も最近では落ち目ですものね。
一昨年に本作と似たようなアクション・コメディ「キス&キル」が公開されたが、不本意な結果になってしまった。本作も劇場未公開だし、ちなみに「私が愛したリボルバー」の映画化権は100万ドルだったそうな。アクション女優に転向するなら、体鍛えて色気を封印しなくては、まだキャメロン・ディアスのアクションの方が見られる。
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悪の教典 ★★★.5

2012年11月13日 | アクション映画ーア行
貴志祐介の同名ベストセラー小説を原作に「十三人の刺客」の三池崇史監督が映画化。生徒から絶大な人気を誇る高校教師が、自身の目的のために殺人を重ねていく狂気を描く。出演は「海猿」シリーズの伊藤英明、「ヒミズ」の染谷将太、二階堂ふみ、「風が強く吹いている」の林遣都、「桐島、部活やめるってよ」の浅香航大、「ランウェイ・ビート」の水野絵梨奈。

あらすじ:蓮実聖司(伊藤英明)は、生徒から“ハスミン”という愛称で呼ばれ、絶大な人気を誇る高校教師。学校やPTAの評価も高く、いわば「教師の鑑」とも呼べる存在だったが、それはすべて仮面に過ぎなかった。
彼は他人への共感能力をまったく持ち合わせていない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)だったのだ。蓮実は自らの目的のためには、たとえ殺人でも厭わない。学校が抱える様々なトラブルや、自分の目的の妨げになる障害を取り除くために、いとも簡単に人を殺していく。
やがていつしか周囲の人間を自由に操り、学校中を支配する存在になっていく蓮実。だがすべてが順調に進んでいた矢先、小さなほころびから自らの失敗が露呈し、それを隠蔽するために蓮実はクラスの生徒全員を惨殺することを決意する……。

これから鑑賞予定の方は、レビューの記事をネタバレで書いているのでご注意ください。

<感想>原作は未読ですし、「悪の教典―序章―」も見ないで鑑賞。だからというわけでもないが、主人公のハスミンを演じた伊藤英明さん、「海猿」のイメージが強すぎて、何だか拍子抜けした感じで、生徒に好かれる善い教師でありながら、サイコパス役との二面性を演じ分けるのには不満が残ります。
絶叫マシーンのようにショットガンを撃ちまくる伊藤さん似合わないって。見ていて悲しくなりましたよ。別の教師が生徒たちをショットガンで撃ち殺すのを、助けにくる正義の味方ってイメージでしょう。それに殺される生徒たちも誰が誰だかわからないうちに、もったいなくもどんどん殺されていく。

そうそう、生徒の中に「ヒミズ」の染谷将太が、ケータイでの集団カンニングの首謀者を演じて、二階堂ふみも作品の世界にハマってふさわしい演技を披露してくれる。それに原作者の貴志祐介が古典の先生役でカメオ出演してます。それがちょい役どころか、殺戮劇の張本人なんだから一番に殺されるべきでしたよ。

それと学校一嫌われ者の釣井教師の吹越満が、蓮実に不信感を抱き始めていく過程の面白さ、この映画の中では割とまともな人間に見えましたが、実際はトンデモないわけというのが「序章」を見るとよく分かるらしい。レンタルして見なくては。
その釣井を電車の中で一撃、吊革で首を吊っていかにも自殺を装ったように見せかける周到さ。美術の先生の男子生徒との肉体関係など、最後にこの美術教師を犯人に仕立て上げるという用意周到さだ。だがツメが甘かったよね。
その他にも、体育教師の山田孝之が万引きした女子生徒に肉体関係を強要するとか、あぁこいつは殺されるなと思いましたね。自分だって女子生徒と肉体関係を持っているのに、邪魔になり学校の屋上で石の入った袋で一撃、靴に遺書を添えて屋上から転落自殺したように見せかける。
殺人の理由はともあれ、地球に人間が生まれて以来、人は人を殺し続けてきたし、文明が発達してきて暴力や殺人が“悪”や“犯罪”だと強く認識されてきても、殺人は連綿と起きてきた。

だが、ハスミンの場合、殺しの意図や思考を理解しようとしても、あまりよく分からない。早朝ジョギングする彼にいつも吠える柴犬、吠えられてウザいと思いながらも決して表情には出さず、挽肉と刻み玉ねぎをこねたハンバーグを毎朝柴犬に与える。タマネギには犬が食べてはいけない成分(毒素)が含まれており、つまり彼は犬を真綿で首をジワジワと締め付けているようなもの。ハスミンが殺しを実行するとき何故か「マック・ザ・ナイフ」の歌が流れる。歌詞に意味があるからか。
それにオンボロ家の庭に現れるカラスにも同じことをする。油断させておいて、邪魔になった時に止まり木に電流を流して殺す。学校に自分の子供がいじめにあっていると怒鳴り込む父親の家に、猫よけペットボトルの中に灯油を詰め替えて、火事を起こして父親を殺す。
ハスミンは、そのために同僚教師や、生徒たちとも緻密で様々な側面から情報を、いかに入手していたかも描かれる。その合間に挿入されるアメリカの投資銀行時代のエピソード、蓮実にとって生きることとは、投資も殺人も同じ線上にある問題処理なのだ。このシーンは、まるで「冷たい熱帯魚」のような死体処理で見ていてエグかった。だからショットガンに悪魔の目がギョロギョロと出て、蓮実に殺戮の快感を促す。

ラストのクライマックスでは蓮実の大量虐殺場面が、まるでゲーム感覚のような生徒たちの死体を量産していくボディ・カウント映画のように映る。本当だったら至近距離で散弾銃で撃てば、おびただしい血肉が飛び散りいくらでも悲惨な場面が映し出されると思ったのだが、そんなにグロイ描写じゃないのが救いです。
といっても、生徒が全員死ぬのじゃなくて、二人が助かるのでこれは続編ありきと思った。やはり捕まったままじゃストーリーにならないので、蓮実が捕まっても司法制度の欠陥とか、いろんなドラマが生み出されるので、なんらかの方法で外に出てくるのを「バトル・ロワイアル」のように、映画のオリジナルの続編が作られるのを期待したい。
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