パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

散り椿★★★・8

2018年09月30日 | アクション映画ータ行

日本を代表する名キャメラマン木村大作が「劔岳 点の記」「春を背負って」に続いて3度目の監督を務め、直木賞作家・葉室麟の同名小説を映画化した本格時代劇。藩の不正を訴えたばかりに、逆に藩を追われた主人公が、亡くなった妻から託された最期の願いを胸に、再び過去の因縁に愚直に立ち向かっていく凛とした姿を、激しい殺陣を織り交ぜつつ美しい映像で描き出す。主演は「海賊とよばれた男」「関ヶ原」の岡田准一。共演に西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、奥田瑛二。

感想>映画の冒頭で、雪の降りしきる中で、三人の男たちに襲われた新兵衛は、鮮やかな太刀さばきで相手を振り払った。未だに彼を脅威に思っている誰かがいて、追いかけてきたらしい。凄腕の新兵衛は、ズバズバと剣を抜き片をつけるが、後に残るのは虚しさばかり。救いを求めるかのように天を仰ぐが、冷たく雪が降るばかりであった。このシーンを始めとして、岡田准一が付けた殺陣を通して新兵衛が豪傑な人間であることが見て取れる。

何故に新兵衛が藩を追放になったのかというと、藩の不正を正そうと告発をしたのだが、反対に新兵衛が罪人の如く追放されるという、藩の家老による理不尽が新兵衛を追放させたのだった。それに、勘定方だった妻・篠の兄にも及び、不正の当事者でもないのに詰め腹を切らされて自害をするという悲劇が。そして、采女の養父が襲われて亡くなったことも、その刀の斬り口から道場の四天王の誰かと疑われ、新兵衛がその犯人と噂をされていたのだ。

藩から逃れて貧乏暮らしが経ったのか、病に倒れて死期の迫る妻、篠からのたのみ、「故郷の藩に戻って采女様を助けてほしい」。それを聞いた新兵衛の胸の内に、嫉妬が走らなかったとしたら嘘になるだろう。彼は新兵衛の妻になる前の篠の婚約者であった。

「頼みを果たせたら、褒めてくれるか」と抱きしめた妻に問う。すると「お褒めいたしますとも」と、篠は答えてかすかに微笑んだ。はっと胸が突かれるほどに新鮮な会話。死が間近に迫る妻の眼差しが語る必死の思いを、そこには新兵衛には気づかないわけがありそうだった。

そのわけを知りたいと見ていると私は思うのだが。このシーンを観ただけで、原作は読んでいませんが、妻の死に際の願いを叶えて上げたいと言う、夫・新兵衛の苦しい胸の内を知る由もない。

かつては、同じ道場で剣の腕を競う友だった采女には、篠との縁談を母に壊された過去があり、篠は采女からの文を大切に持っていたのであった。亡き妻、篠の約束を胸に秘めて故郷へ戻ったのはいいが、藩内では改革の時を迎えていて、勢力争いで揺れており、今も独り身の采女は争いの渦中にいるらしい。新兵衛を迎える篠の妹・坂下里美の表情は、柔らかいが弟の藤吾の心情は複雑であった。それは、新兵衛は自分の出世の邪魔になるからだ。

何のために生きるのか、また虚しい逃亡生活が続くのか。その時、妻が願いを託してくるのは、その願いが何を意味するのか。妻の真意を掴み切れないまま、新兵衛は当面、生きることになる。

坂下の父親を斬ったのは、もしや新兵衛ではという疑いを持っていた皆が、本当の犯人を知り、命を落とす間際にそのことを話す緒形直人扮する篠原三右衛門。家老が若殿を暗殺しようと企み、鉄砲隊で襲撃するも、軽傷で助かって良かった。若殿も自分の身の安全を知り、新兵衛に護衛を頼むのだが、奥田瑛二扮する家老の石田玄蕃家老のことを若殿に告発して、藩の不正を正すように頼むのであった。

藩内の権力闘争や、豪商、田中屋の絡む不正、賄賂の問題を背景にしながら進むドラマは、采女と新兵衛に逃げられない運命をもたらすのであった。

散り椿の前での采女との対峙は、相手にとって不足はないほど両人とも剣がたつ御両人。雪がチラつき、真っ赤な椿の花が地面に散っている。そこでの二人の決闘みたいなシーンでは、お互いの心の中の探り合いみたいな、どちらかが負けて怪我をしてもつまらないことで、仲の良かった友との対峙は、本当は避けたいと思っていたのに。

雪の降る庭で、坂下の義理の弟との剣術の稽古は、二人共揃っていて見応えがあった。それに、刀を文字通りひらめかせるクライマックスの戦い。いずれにしても、岡田准一の太刀捌きといい、低く腰を落としての動きといい、いずれも凄まじい密度で見せてくれる。

そこで迫りくる死を前に篠が夫にした頼みごと、「采女様を助けてほしい」に想いを巡らせば、あれは采女の名前を借りて、新兵衛に自分の気持ちを伝えたい篠の知恵ではなかったのではないかと。長年連れ添い、愛した新兵衛への深い想いに、改めて気づかされ胸が締め付けられるようでした。

篠の妹の里美は、去って行く新兵衛を送りながら「待っている」と心の中で叫ぶのです。それは新兵衛にも内心は、わかっていることで、でも、いつの日か。と言い残して立ち去る新兵衛の心は、晴れやかでもあったに違いない。

2018年劇場鑑賞作品・・・191  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30078649

 


クワイエット・プレイス★★★

2018年09月29日 | アクション映画ーカ行

低予算ながら全米でサプライズ大ヒットとなり大きな話題を集めたサスペンス・ホラー。音を一切出さないように細心の注意を払い、何かに怯えながら生活する一家の戦慄のサバイバルの行方を、緊迫感溢れる筆致でスリリングに描き出す。主演は実生活でも夫婦のジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラント。監督もジョン・クラシンスキーが自ら務めている。

あらすじ:音に反応し人間を襲う“何か”によって壊滅状態となった地球。そんな中、どうにか生き延びていた1組の家族。リーと妻エヴリン、そして子どもたちは手話で会話し、裸足で歩くなど、音を出さずに生活することで、かろうじて“何か”の襲撃を免れてきた。しかしそんな一家には、妊娠中のエヴリンの出産という最大の危機が目前に迫っていたのだったが…。

<感想>音を立てたら襲って来る“何か”のため、人類世界は荒廃している。その中で生き残った家族、アボット一家、出産を迎えようとしている母親のエヴリン、生まれて来る子供の為に酸素吸入器材や、泣き声が漏れない工夫をしているベットとか、出産の時にどうしても苦しくて大声を出してしまうのを、どうやってクリアするのか、とか。その他にもいろいろと疑問があるのだが。

「プロミス・ランド」のジョン・クラシンスキーが出演と監督・脚本・制作総指揮を務め、実生活で彼の妻であるエミリー・ブラントが母親のエヴリンを演じている。二人の子供役では「ワンダー君は太陽」のノアー・ジューブが長男のマーカスに扮して、食料調達のため、父親に連れら回されることに若干不満を抱いているが、後で父親から長男としての役目を言い渡される。

「ワンダーストラック」のミリセント・シモンズは、長女リーガンに扮して、耳が不自由で、家族の中での自分の立場を模索中であり、かつて、末っ子の息子がオモチャのロケットを欲しがり、父親がダメだと言ったのに、長女が末っ子に内緒で持たせてあげて、そのロケットをいじって音を立ててしまい怪物に襲われて死亡するという残酷な結果になる。そのことをいつまでも自分のせいだと、気にしている。

「こうすれば生き延びられる!」って、・・・コミニケーションには手話を使う。周囲に大音響(滝、川の水の流れの音)があれば話をしても大丈夫。食事は手づかみで、皿は葉っぱ。家の中でも外でも、裸足で歩く。だから、外には砂を撒いている。この砂は何処からもってきたの?・・・。

怪物の特徴は、一瞬タコみたいだと思ったが、人間みたいな二本足で、四つん這いで移動するのが素早い。光には反応しない。しかし、人間が出す音には敏感であり、物凄い速さで襲って来る。獲物は絶対に逃がさない。

本作の最も重要なポイントは、“沈黙”こそがサバイバルの絶対条件であり、音を立てたら即死を招いてしまうということ。そのために、一家が暮らす田舎の農場は常に静寂に包まれており、音響効果も控えめというか無音状態。夫婦でイヤホーンで聞く音楽を共有して、ダンスを踊る夫妻。

しかし疑問点がたくさんあるが、あまりここで詮索してもしょうがないので、映画を楽しもう。音を立てずに映像だけで長時間観られるのかって、観客は否応なく耳を研ぎ澄ませ、何処からともなく現れてくる“何か”の気配に身をすくませることになる。

だから、それが怪物が出てくる辺りから、度でかい音量で脅かすので、それが肝を冷やすのだ。最初の方は、家族も音を立てないようにと工夫をして静かに暮らす風景が描かれるも、最初の末っ子がオモチャのロケットをいじり、音を出して怪物に襲われる瞬間を目の当たりにしてから、その時の爆音といったらなかった。

後は、母親が地下室へ洗濯をしに行き、階段を洗濯物の入った麻袋を下げて登る時に、階段の板のクギに袋を引っかけてしまい、釘が3センチくらい出てしまう。その時は、麻袋を必死に持ち上げる母親の形相が怖い。

その後が、まさか階段に釘が出ていることを知らずに降りる母親が、釘を踏んでしまい”ギャア”っと声を張り上げる。血が滴り落ちて急いで階段の下へ潜るのだが、上から怪物が覗き込んで下へとやってくるも、襲われずにすんだ。

それに、母親の出産である、破水がきて子供を出産間近でなので、急いで浴槽の中へと駆け込む。お腹がキリキリと痛むし、声は上げられない。男には分からない痛みなので、出産経験の女性でないと分からない強烈な痛みが伴うのだ。

その出産の時には、父親が長男に花火をあげて怪物をおびき寄せろと計画する。そのれは、家の周りに取り付けた豆電球を照らすこと。家の屋根いっぱいに豆電球が光り、出産の知らせが父親の目に入り、長男に花火を揚げるようにと伝達する。それに間に合うかのように、母親が絶叫をして子供が”オギャー”と産声を挙げ、そして、ふろ場から地下のベットへと赤ん坊を抱き移動。すかさず赤ん坊の口を酸素呼吸器にすり替える母親。赤ん坊は防音装置付きの箱の中へと。

外では、花火をあげた長男の元へ怪物が襲い掛かるし、逃げる逃げる長男がトラックを見つけてその車の中へ。長女は、自分は父親と母親に嫌われているといじけてしまい、末っ子が亡くなった場所へお墓参りみたいに行く。その時に、トウモロコシ畑で、弟と出会い、無事を喜び抱き合うシーン。それからが、花火を挙げるシーンとか、襲って来る怪物とか、トラックへ逃げるも俊敏な速さで襲い掛かる怪物にタジタジしてしまう。

父親がそれをみて、自分が犠牲になると大声を出して怪物の目を自分に向ける勇気、と家族愛。長男には、滝の下で母親と姉、生まれて来る弟のことを頼むと、その時には、もし何かあったら自己犠牲になろうとしていたのだった。

それに、長男がトウモロコシを貯蔵するサイロの中へ落ちてしまう。そこはまるで底無し沼のようで、ズブズブと身体が沈んで首から頭まで窒息してしまう。長女がすかさず扉を落として自分も飛び降りる。そして弟を助ける。しかし、そこにも怪物が現れて、サイロの中で格闘する子供たち。

クライマックですね、それは劇場でご覧ください。とにかく始めは静かに無音で手話でと、それが大爆音でのラストなので、それに長女に補聴器を作って置いた父親の愛、少しは音が聞こえるようにと、その補聴器の「キーン」と鳴る雑音が怪物の弱点になるとは、しかし、怪物は物凄い数であり、とてもその補聴器の「キーン」だけでは追い払えなく、母親のライフル銃が必要。とても家族4人を守ることは出来ないのではと、そして終幕を迎える。極限状態下で寄り添い合う、家族ドラマにも胸を締め付けられるも、“静かなる恐怖”を是非劇場で体験して下さい。

つまり続編があると言うことです。この4人家族の生存は、続編でと。

2018年劇場鑑賞作品・・・190  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30076497

 


マガディーラ 勇者転生★★★

2018年09月27日 | アクション映画ーマ行

インド映画史上歴代最高興収を達成し、日本でもロングランヒットを記録した「バーフバリ」2部作のS・S・ラージャマウリ監督と、「バーフバリ」のスタッフが集結し、2009年に製作されたスペクタクルアドベンチャー。

あらすじ:1609年、ウダイガル王国・国王の娘ミトラ姫と愛し合っていた近衛軍の伝説的戦士バイラヴァは、王国とミトラ姫を手中に収めようとする軍司令官ラナデーヴの陰謀によって、無念の死を遂げる。それから400年後のインド・ハイデラバード。バイクレーサーのハルシャは町で偶然にある女性の手に触れた瞬間、かつての記憶が脳裏に現れ、自身の前世が戦士バイラヴァであることを自覚する。やがてハルシャは、ミトラ姫の生まれ変わりであるインドゥと400年の時を経た再会を果たすが、2人の仲を引き裂いたラナデーヴもまた、インドゥの従兄弟ラグヴィールとして転生していた。

<感想>バーフバリを観たあとだから面白く感じたのかもしれない。もし「マガディーラ」(2009)を先に観てたら、バーフバリを観ようとは思ってなかったと思う。バーフバリあってこそですね。

この映画の軸は、時空を超えた無敵の戦士バイラヴァと、美しき国王の娘ミトラ姫の輪廻転生・ラブストーリーである。これに横恋慕した軍司令官のラナデーヴの策略が、のちに悲劇的な結末を導き出し、舞台は現代へと移ります。バイラヴァはバイクレーサーの若者・ハルシャに変わり、ミトラ姫は女子大生・インドゥに転生する。

顔も合わせたことのなかった2人がハイデラバードの街中で偶然指と指が触れ合うという演出が心をくすぐり、ラブコメディのような展開を見せるのも胸を躍らせてくれる。2人の指が触れ合った瞬間、電気のようなものがビリリと走るというのも、ちょいと古い感じがするでもないが、そこはラージャマウリ監督マジック。

主人公のハルシャがその電流によって前世の記憶が断片的に浮かび上がり、彼が自分の内に秘められた“何か大切なもの”に気づくと同時にインドゥと恋に落ちるという、見せ方はもはや演出の古臭さがと文句を言う気にもならない。

見どころはやはり歌と肉体を駆使した強烈なダンスシーンに尽きます。ミュージカルシーンの始まりがわかるようになっているので、でも、あのブレイクダンスには、ちょっと古いのじゃないかしら。それでも、キレのあるダンスに、ケバイ衣装、ストーカーぎりぎりの純愛ラブストーリーや、チャウ・シンチーも卒倒しそうなギャグとか、目まぐるしく移り変わる展開を見ているうちに、最初は思わず笑ってしまっていたそれが、癖になっていたりして。

それでも後半部分に、古代篇で盛り上げており、ヒロインの姫が可愛いし、北村一輝にちょい似ている軍曹が強いのなんの。意外とイケメンだったりして好みです。常識外れの鬼畜ぶりが衝撃的な悪役のラグヴィール。

ラージャマウリ監督ならではの超現実的離れした演出で、増幅されたテルグ映画の特徴をガッチリと踏まえており、歌と踊り、笑いに暴力満載のマサラ・ムービーとして楽しむのがいいと思いますね。

インド映画の原点みたいな、しつこく踊って歌って、テンポに乗り元気になれるから、そして登場人物たち全員で揃って踊るところも圧巻なり。バーフバリよりも踊りがメインとなっているシーンが多いですし、「このシーンは一体何なの」となる瞬間もあるかもしれません。

『バーフバリ1 伝説誕生』と、少し物語が似ているような印象を受けました。いきなりクライマックスな怒涛の断崖絶壁オープニンから、キャスト&スタッフ総出演による映画史上最も楽しい、カーテンコール風なダンシング、エンドクレジットまで全篇ハイテンションで突っ走るノンストップ・エンタテインメントであります。

2018年劇場鑑賞作品・・・189  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30072753

 


タリーと私の秘密の時間★★★・5

2018年09月26日 | アクション映画ータ行

「JUNO/ジュノ」「ヤング≒アダルト」のディアブロ・コディ(脚本)、ジェイソン・ライトマン(監督)のコンビが、「ヤング≒アダルト」に続いてシャーリーズ・セロンを主演に迎え、子育て中の母親の苛立ちと葛藤をユニークなタッチで描いたコメディ・ドラマ。3人目が生まれて育児疲れで精神的に追い込まれていく母親のもとに、夜だけのベビーシッターとして若くて有能でどこかミステリアスなタリーやってきて、疲れ果てた母親の心を解放していくさまを綴る。共演はそのタリー役で「オデッセイ」「ブレードランナー 2049」のマッケンジー・デイヴィス、他にロン・リヴィングストン、マーク・デュプラス。

あらすじ:2人の幼い子どもの育児に追われるマーロだったが、お腹の中にはもうすぐ生まれてくる3人目の赤ちゃんが。それでも夫のドリューは優しい言葉をかけるだけで、家事も育児もマーロ任せ。元来が真面目で完璧主義のマーロはたった一人で頑張ってきたが、それも3人目が生まれてついに限界に。

抵抗を感じながらも、裕福な兄クレイグに紹介された夜専門のベビーシッターを頼ることを決断する。やって来たのは、意外にも若くて美しい女性タリー。しかし見た目の印象とは裏腹に、その仕事ぶりは完璧。そんなタリーのおかげで肉体的にも精神的にもゆとりを取り戻していくマーロだったが…。

<感想>がんばりすぎる昼間の私が、夜に見つけたホントの私。ベビーシッターのタリーは、イマドキ女子なのに仕事は完璧。だが、何があっても夜明け前に姿を消し、自分のことは絶対に語らない――。とにかく育児と家事が大変であり、息子は情緒障害の疑いがあるし、3人目は生まれたばかりで手がかかるし、夫は何もしない。という訳で追い詰められた母親が、夜だけのベビーシッターを雇うことに。

それが素晴らしいベビーシッターで、家事だけでなくマーロの心まで癒してくれるのだが、夜明け前には帰る彼女は、自分の身の上は決して明かさない。彼女は何者?、という時点で、答えが何パターンか想定されますよね。

実際、その想定したうちの一つのパターンが答えではあったんだけど、ただし「そのパターンだった」だけでなく、「そのパターンにもう一つ重要なファクターを乗っけた」ものだったことに、まずは驚いた。

それで、人物造形や生活の描き方がめったやたらとリアル三児の母親のくたびれて荒み切った感じ、子供の情緒不安定感、夫のデクノボウさなどが、マーロの服装やらちょっとしたしぐさに至るまで徹底的に描かれているのだ。

同じ経験をしたことのある人には、目を背けたくなるのでは、って言いうくらいに心がぐっさりとやられました。後、音楽も素晴らしかったです。

監督が「JUNO/ジュノ」「ヤング≒アダルト」のジェイソン・ライトマン監督、主演は「ヤング≒アダルト」でもタッグを組んだ絶世の美女シャーリーズ・セロン、体重を18キロも増量して、3人目の子供を身ごもっている妊婦の役を成り切りの演技には感服しました。

家事と育児でボロボロになっていく過程の、時間の配分が長かった気がした。このタメがあってこそ、イマドキの女子の夜間ベビーシッターが現れた後での、生活の変化が活きて来るのだから。本作では、表面的な層とは別の物語が底に流れていて、それがラスト近くでふっと浮上する。

ベビーシッターが今夜は来ないのか?と気をもんでいると、遅刻してやってきたのはいいけれど、もうこの仕事を辞めると言い出す始末。夜中なのに「これからハメを外して飲みに行こうよ、踊りに行こう」と誘って来るのだ。彼女の頼みについ自分も日常から解放されたくて、少しの時間ならいいかも、何て思ってしまうのがダメなんですよね。

そして、帰りが車で行ったものだから飲酒運転はダメということで、自転車で帰ろうとするが、やっぱり車で帰ることになり、帰り道でタリーと口論になり、事故ってしまう。彼女は怪我がなくてよかったが、自分の方は大怪我で大変なことになるとは。

自分が若い時には、家事と育児に孤軍奮闘して頑張り過ぎていたのに、自分が想像する若い時に自分の話ではないの。ということは、タリーってベビーシッターは、自分の妄想なのかもしれませんね。

二つのストーリーで人生の再始動を描く技に、一本取られた気分になってしまう。娘に「何、そのぶよぶよとした体は」とからかわれて、夫には「また冷凍ピザか」と無神経な言葉を浴びながらも、主題を活気づけたシャーリーズ・セロンの巧さに拍手。そして、前述のようなストーリーと知った時点で、当たりの匂いがすると思ったが、期待以上でしたね。

2018年劇場鑑賞作品・・・188  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30070273

 


響-HIBIKI-★★★★

2018年09月25日 | アクション映画ーハ行

“マンガ大賞2017”で大賞に輝き話題を集めた柳本光晴のヒット・コミックス『響~小説家になる方法~』を欅坂46の平手友梨奈主演で実写映画化したエンタテインメント・ドラマ。圧倒的な文才を持ちながらも暴力的でエキセントリックな言動を繰り返す天才女子高生・響が、世間の常識を歯牙にもかけず、周囲に巻き起こしていく荒波の行方を描く。共演は北川景子、アヤカ・ウィルソン、小栗旬ほか。監督は「君の膵臓をたべたい」「センセイ君主」の月川翔。

あらすじ:若者の活字離れが進み、出版不況が続く文学界。そこへすい星のように現われたのが、現役女子高生の天才少女・響。文芸誌『木蓮』の編集者・花井ふみとの運命的な出会いによって、一躍脚光を浴びた響だったが、その言動はあまりにも常識離れしていた。相手が誰であろうと、歯に衣着せぬ物言いで思ったままを口にし、時には暴力さえも厭わない。次々と物議を醸しながらも、関わった人々の価値観を揺さぶり続ける響。そんな彼女の処女作は社会現象を巻き起こし、ついには直木賞と芥川賞のダブルノミネートという歴史的快挙にまで発展していくのだったが…。

<感想>欅坂46の平手友梨奈主演と言うことで興味がありました。セリフが棒読み状態でも、どこかミステリアスなイメージのある天才少女響の役は、彼女にはぴったりだと思いましたね。でも、何でも気にいらないと暴力でって、あの子は空手少女なのかと。男相手に、素手でド付いたり、蹴りを入れたりするんですからね。正直驚きでした。

高校1年生の響が、文芸部に入部するところから始まるが、文芸部は名ばかりで不良少年の溜まり場になっていた。それでは自分が文芸部を立ち上げようとするも、もう一人の女子高生の祖父江凛夏のアヤカ・ウィルソンちゃんが美人で可愛いったらない。響がブス女というわけではないが、どう見ても美人ではない。性格もきついし、すぐに暴力で解決する。

だから部員が4人でないと成り立たないと聞くや、あの因縁をつけてきた上級生の塩崎の指を、いきなり折るという荒業で、部員が1人足りないので塩崎に部員になれと言うと、屋上から飛び降りてみろと言う。すかさず響は、屋上から飛び降りてしまい、運よく下にある大きな樹の上に落ちて、体のどこも異常なくすんで良かった。それを見て、驚く塩崎は文芸部員になることに。

物語の始めは、トラブルを起こす嫌な女と見ていた祖父江凛夏だが、響の読書量のすごさと、文才に興味を抱き、少しずつ打ち解けていった。そのころ、文芸誌「木蓮」編集部宛てに新人賞の一篇の応募作品が届く。だが、応募要項を守っていなかったために破棄されるはずだったが、その小説「お伽の庭」をこっそりと盗み、読んだ編集部の花井ふみが、完成度の高さに驚いて、世に出そうと決意するわけ。

作者の響から連絡を待つことに。やがて、作者から電話が掛かって来て、その人物こそが響だった。花井は響がまだ15歳の高校生だと知って、さらなる衝撃を受ける。

最初は、アイドル映画だとばかり思っていた先入観が恥ずかしくなり、主人公の響を演じた平手友梨奈さんが、素で演技をしているような感じさえ受けました。それくらいに、演技が巧いとかじゃなくて、役にハマっていたんだと思います。

それに、売れない小説家の小栗旬は、違う俳優でも良かったのでは。芥川賞もダメで、生きるのに疲れて踏切の前で自殺をしようとする彼を、響きが止めに入るシーン。電車が来るのに、平気で線路に仁王立ちしてびくとも動かない。電車が急ブレーキかけて止まってくれたからいいものを、そのことで、小栗旬がまた生きる力が湧くというか、また小説を書くということになるのですが、それにしても、電車を止めた損害賠償金は、1億4000万円支払うことになるとは。

響きが編集者の花井に電話をして、初版の100万部の印税はいくらと聞き、1億4000万円入ると聞くと、「これで支払える」良かったって、電車が止まってくれたからいいようなものの、響きが轢かれたらどうするつもりだったのだろうね。

勇気があるって言うのか、不思議ちゃんというか、人間的には善き人であり、祖父江凛夏にも友達付き合いしようと念を押す可愛さもある。原作は読んでいませんが、思っていたよりも面白い作品でした。それよりも、小栗旬くんが演じていた山本春平の新作『豚小屋の豚』は読みたくありませんがね、響の書いた「お伽の庭」という小説があったら読みたいですね。

2018年劇場鑑賞作品・・・187  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30069022

 


スカイスクレイパー★★★★

2018年09月24日 | アクション映画ーサ行

「ワイルド・スピード」シリーズや「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」などの大ヒット作で活躍する人気アクション俳優ドウェイン・ジョンソンが、高さ1000メートルを超える超高層ビルを舞台に、犯罪組織が巻き起こした火災から家族を救出するため孤軍奮闘する主人公を演じたアクション大作。監督・脚本は、「セントラル・インテリジェンス」でもジョンソンとタッグを組んだローソン・マーシャル・サーバー。

あらすじ:かつてFBIの人質救出部隊のリーダーとして活躍していたウィルは、ある事件で左脚が義足になる大怪我を負い辞職するが、それから10年を経た今は、愛する家族も得て、危機管理コンサルタントとして働いていた。香港に建設された高さ3500フィート(1066メートル)の史上最大のビル「ザ・パール」の本格開業に向け、ビルのオーナーのジャオから安全管理のチェックを任されたウィルは、家族を伴ってザ・パールに滞在するが、ビルに隠されたある秘密を狙う犯罪組織もまた、ザ・パールに侵入しており……。

<感想>ロック様ことドウェイン・ジョンソンが味方もなく、肉体一つでテロリストと戦う、まさに21世紀の「ダイハード」とも言えるアクションを披露する。香港の超高層ビルがテロリストの攻撃を受けて炎上。元FBI人質救出部隊のリーダーで、危機管理コンサルタントのウィルは、高層ビルに取り残されてしまった妻子を救うために、単身ビルへと乗り込むことに。

だが、簡単には超高層ビルの中へは入れないのだった。それで、近くのビルからクレーンを伸ばして、超高層ビルへ飛び移るという最高難度のアクション。

楽しいのは、ドウェインの不死身なボディが生み出す「ポップな痛快感」のおかげでしょう。ウィルは、片足が義足でありながら鍛え抜かれた肉体とアイデアで難局を乗り切る。ダクトテープは怪我の治療や高所で身体を支えるのに利用する。果てはチタン(鉄でなく軽いもので)で作った義足まで命を救うアイテムに早変わりするのだ。

特に今回は「高さ」との戦いということもあって、腕一本でロープにしがみついたり、命綱なしで外壁をクライミングしたりと、上腕二頭筋&大胸筋マニアには大興奮といえる、なシーンが満載ですからね。

管理システムも画期的な案を採用。責任者の生体認証を組み込んだ特性タブレットで、他者には絶対アクセスできないはずだったが、責任者がまさかの強奪&拉致されたことで大変な事態になってしまう。

セキュリティも24時間体制で監視&300人の警備員が常駐し、アリの這い出るスキもないセキュリティが売りのザ・パール。しかしシステム管理者が謎の組織に制圧され、ビルは超強固な要塞へと変貌を遂げる。この悪党は、元FBIの同僚であり、下の綺麗なお姉ちゃんも悪党の仲間だ。このビルの持ち主が持っている小さな記憶媒体が欲しいために乱入する。

もしも何らかのアクシデントで火災が起こっても、酸素シャットアウト&放水システムでたちどころに消化するのだ。ところが予想外の事態が発生し、万全のシステムが火に油を注ぐ結果になるとは。一体何故なのか?

ザ・パールは入居者募集中であり、今申し込めば誰もがうらやむ最上級の生活を手に入れるはずなのに。だが、一組の家族が特別に宿泊をしていた。それはお試し期間ということで、入居の許可がでた。その日は朝から、動物園にパンダを見に行くはずだったのに、行ったはいいがパンダが見られない。それに息子の喘息が悪化して帰って来ていたのだった。

妻と双子の姉弟。そんな事実を誰も知らないはずで、助けは来ない、自力で逃げ出すしかない。絶対絶命のピンチに陥るウィルの家族たち。下の、妻が手にしているスマホが、最後に活躍しますのでお見逃しなきよう。

映画史上最大級のビルで行われる救出劇は、ロック様ことドウェン・ジョンソン。全篇クライマックスといって過言ではない超ド級のアクションがこれでもかとたたみかけるのだ。最愛の家族が燃え盛るビルに取り残され、父親はどうするのか?・・・命が幾つあっても足りない最強レベルの救出劇に、興奮度も限界突破!命綱ナシのクレーンに登り、隣のビルにジャンプするというその瞬間死が確実と思われるアクション、危険すぎる挑戦に命が縮みあがります。

それに、多くの試練を乗り越えて、やっと妻と息子を見つけたウィル、しかし互いに崩れた橋の両端に取り残されてしまったのだ。合流するためには今にも崩れ落ちそうな橋に幅30センチ、長さ3メートルくらいの板を乗せて、その板を渡るしかない。周りは火の海で、板を渡る妻が息子のいるところへと、そして息子を背負ってまたもやウィルのところへと細い板を渡る。それがなんということか、途中で滑って落ちた。ここからがありえへん展開で、奥さん靴ぬいで渡らないとダメ、ヒールのブーツではあぶないよ!、ここからはスクリーンでご覧ください。絶対に助かりますからね。

そこは滝のある公園のビルの中、そこからエレベーターで下へ降りたいのだが、ワイヤーを切断しなければ途中で止まってしまう。切断しても地面に激突して死んでしまう。残された選択技は、地面衝突寸前にエレベーター内のブレーキをかけることだけ。果たして乗り込んだ妻と息子は無事に下へと、助かるのかが心配。

それに、あり得ない災難がウィルに舞い込む。娘を人質に取られてしまい、巨大タービンの裏に設置されたシステム・ルームへと侵入すること。腰にロープを縛り、窓にブロンズ像を固定して恐る恐ると高回転するタービンに近づき、もし少しでも触れたら真っ二つに引き裂かれてしまう。ですが、家族のために行くしかないのだ。頑張れウィル、ロック様!

96階以上の上が火災が発生しており、消火するのにはパネルのシステムを使うしかないのに、そのパネルは敵の悪人の手元にあるとは。高層ビル火災鎮火というと、昔の映画で、「タワーリング・インフェルノ」があったけれど、あれは、スティーブ・マックイーンがファイアーマンになり活躍したんだっけ。

この下の部屋は最上階にあり、ウィルとCEOの2人が立っているところは、下は強化ガラスで素通しです。その後、直ぐに300以上の鏡状のパネルが立ち並ぶ不思議な部屋になる。

とにかく息つく暇もないほどにアクションてんこ盛り状態なので、見応え十分に作られており、さすがにツッコミと入れたいところだが、まぁこれくらいならご都合主義も目をつぶってあげようではないか。アクション娯楽作のお手本のような作りといえよう。

2018年劇場鑑賞作品・・・186  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30067113 


ブレス しあわせの呼吸★★★・8

2018年09月22日 | アクション映画ーハ行

 「ブリジット・ジョーンズの日記」「エリザベス:ゴールデン・エイジ」などのプロデューサーとして知られるジョナサン・カヴェンディッシュが、自身の両親の感動の実話を自らのプロデュースで映画化。主演は「ハクソー・リッジ」のアンドリュー・ガーフィールドとTV「ザ・クラウン」のクレア・フォイ。共演にトム・ホランダー、ヒュー・ボネヴィル。監督は「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役や「猿の惑星」のシーザー役などパフォーマンス・キャプチャーの演技で活躍し、本作が長編監督デビューとなるアンディ・サーキス。

あらすじ:1958年、28歳のロビン・カヴェンディッシュは、出張先のナイロビでポリオに感染し、首から下が全身マヒとなり、人工呼吸器なしでは息もできくなってしまう。それは、美しい妻ダイアナと結婚してまだ間もないときだった。医師からは余命数ヵ月と宣告され、絶望に打ちひしがれるロビンは、生まれてきた息子ジョナサンを見ることさえ拒んでしまった。それでもダイアナは献身的に夫を支え、彼の望みを叶えるべく、医師の強い反対にもかかわらずロビンを自宅で看病しようと決意する。それはあまりにも危険で無謀なことに思われたが、その決断がやがてロビンの運命を大きく変えていく。

<感想>実話ベースのヒューマンドラマである。世界一幸せに生きた男“ロビン・カヴェンディッシュ”奇跡を地で行くその男と、彼を支え続けた家族や友人たちの愛と絆の物語を、彼の一人息子で「ブリジット・ジョーンズの日記」プロデューサーとして知られるジョナサン・カヴェンディッシュが、自身の両親の感動の実話を自らのプロデュースで映画化。

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラムや「猿の惑星」シリーズのシーザーなど、VFXがふんだんに用いられた超大作でモーションキャプチャー俳優として活躍することの多いサーキスが、長編監督デビュー作に選んだのは、それらとは異なる題材の人間ドラマだった。

心の力で生き抜く壮大な半生を演じたロビン役を「ハクソー・リッジ」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたアンドリュー・ガーフィールド、無償の愛を注ぎ込んだ妻ダイアナ役をドラマシリーズ「ザ・クラウン」で人気のクレア・フォイが演じるほか。

また数々の技術を組み合わせて実現させたトム・ホランダー(「プライドと偏見」)の、一卵性双生児ぶりや、友人のテディにヒュー・ボネビル(「ダウントン・アビー」「パディントン」)らが脇を固める。

そして、「JFK」「アビエイター」「ヒューゴの不思議な発明」で、オスカーに3度輝いた名撮影監督ロバート・リチャードソンが、50~60年代イギリスの上流社会の優雅な暮らしと、のどかな田園地帯から、旅先の雄大なアフリカの風景やスペインの風景まで、多彩なロケーションを観客の目に焼き付けてくれる。中でもアフリカ、ナイロビでの夕陽を捉えたショットは、眼福の極みであります。

寝たきりになったロビンが、いつも口にするのは「死にたい、死にたい」ばかりを漏らす彼を、見かねた妻のダイアナは、医師の反対を押し切って自宅介護に踏み切るのだった。医者が、自宅で介護なんて、2週間と命がもたないと大反対をする中での自宅介護なので、家へ帰ってからのダイアナの苦労は計り知れないほど。ロビンの隣にベッドを並べて、24時間付きっ切りで看病する。

息子の育児はほとんど母親に任せっぱなしで、さらには発明好きな友人ら周囲の尽力によって、車いすを作ってもらいロビンは以前の行動力を取り戻してゆく。そして、自分と同じ境遇の人々のために、病院に車いすを寄付することを考えて、貴族の金持ちの家へいき、車いすの制作費用を出して貰うように懇願する日が続く。

自分たちの生活費はどうしたのだろう?・・・このことはあまり描かれていないが、株取引とか、ダイアナの親からの援助とかで賄っていたように思える。

そして、元気になったロビンが、またアフリカへ行きたいと言うのを、スペイン旅行に誘う妻のダイアナ、車で電池式人口呼吸器を取り付け、もしもの時には、手動の呼吸器も積んでいざ、スペインへと。だが、途中で人口呼吸器の機械がショートしてしまい動かなくなるも、友人に電話をして旅先まで来てもらうという強引な感じがするでもない。

21世紀の今においても重度障害者の権利が十分だとは思いませんが、ここで描かれた1950~1980年代は、かなりひどかったと思われる。それは、ロビンが、障害者の権利を保護する団体の代表に誘われ、1970年代に輸送飛行機でドイツに向かった時のシーンには、かなり衝撃的に映り、ドイツでの病院の重度障害者への扱い方が、まるで棺桶の中に入れられているような、身動きが出来ないとは言えあまりにも人間扱いしていない酷いものだった。

確かに見た目は清潔であり、病院の重度障害者の施設側にしてみれば、患者を診る側も楽であり効率的かもしれない。しかしだ、人間としては扱ってないと言える。

その後は、やはり喉に呼吸器の管を通した場所から、血液が吹き出して肺炎とか、感染症を起こしかねない。余命の宣告がされてるといっていいのだ。ロビンが考えて、友人にたのみ人工呼吸器を少しづつ弱めたのかしらないが、自然に呼吸困難になり死亡という決断をすることになる。

妻の介護も歳を取るにつれて限界に達し、それに人工呼吸器を通している喉の穴から血が吹き出し炎症をおこしていることで、命の保障はないのだ。本当だったら、安楽死でも良かったのだが、法律にふれるということで、そうしたらしいですね。実話なので、エンドロール後に実際の動画や写真が出てましたね。

018年劇場鑑賞作品・・・185  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30063229


愛しのアイリーン★★★

2018年09月21日 | アクション映画ーア行

嫁不足の農村で悶々とした人生を送り続けた40過ぎのダメ男を主人公に、人間の剥き出しの愛と業を力強い筆致で描ききった新井英樹のカルト的傑作漫画を「ヒメアノ~ル」「犬猿」の吉田恵輔監督が実写映画化した衝撃のバイオレンス・ラブストーリー。気弱な主人公がフィリピン妻を連れ帰ったことで様々なトラブルが吹き上がる中、次第に暴走していく愛と欲望の行方を妥協のない過激さで描き出す。主演は「俳優 亀岡拓次」「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の安田顕、共演にナッツ・シトイ、伊勢谷友介、木野花。

あらすじ:42歳になる農家の息子・宍戸岩男。いまだ独身の彼は、年老いた母と認知症の父と暮らしながら、パチンコ店で働いていた。女性とまるで縁のなかった岩男は、同僚のシングルマザーを相手に手痛い大失恋を味わったのをきっかけに、コツコツ貯めた300万円をはたいてフィリピンでの嫁探しツアーに参加することを決意する。やがて岩男がそこで見つけたアイリーンを連れて帰郷してみると、父はすでに亡くなっていて、実家はその葬儀の真っ只中だった。母のツルは溺愛していた息子がいきなりフィリピン人を嫁にしたことが我慢ならず、激しい怒りの矛先をアイリーンへと向けるのだったが…。

<感想>二人で歩む、地獄のバージン・ロード。1995年から1996年まで『ビッグコミックスピリッツ』で連載された『愛しのアイリーン』は、吹き溜まりのような寒村に突如現れた外国人妻アイリーンと彼女を取り巻く人々の欲望を描いた新井英樹の作品。映画版では42歳まで恋愛を知らずに生きてきた主人公の宍戸岩男役を安田顕、岩男の母・ツル役を木野花、父親の品川徹、アイリーンを連れ去ろうとするヤクザの男・塩沢役を伊勢谷友介が演じている。メガホンを取ったのは『銀の匙 Silver Spoon』『ヒメアノ~ル』などを実写映画化した吉田恵輔。

日本の嫁探しの遠征ツアーは、高度経済成長期に流行し始めたものであり、少し前の東北の農村では嫁のきてがなく、特にフィリピンは人気国だったことで知られていた。バブル崩壊後、間もない頃に描かれた原作の漫画において、この設定は「満たされない日本人が金という武力でセックスをむさぼる3度目の侵略」という経済大国ニッポンを引きずったものだった。

あれから20年経った今、さすがに今でもあるのかどうかは知りませんが、人身売買というほどではなく、嫁不足で困ってフィリピンでまで行くわけで、やはりお金に困っている子だくさんで貧困の国へと、お金を出して嫁を貰うということになる。

しかし、映画が展開するにつれて、次第に印象が変わっていくわけで、特に岩男とフィリピーナのアイリーンが、愛のあるセックスに至ってから以降は、地獄めぐりがまさに壮絶にして圧巻であった。文字通り暴発の連鎖が止まらない主演の安田顕は、さすがの憑依演技で圧倒させるが、驚くのは、通常のどかな感じの母親役の木野花が、歪んだ母性のお化けを怪演することになるとは。父親の品川徹は、ボケているようで、母親とは対照的な存在感がある。

岩男がフィリピンまで嫁探しに行っていることを知らない両親は、そこで父親が脳梗塞で突然亡くなるし、岩男がアイリーンを連れて帰って来ると、父親の葬式の真っ最中であったわけで、母親がフィリピーナの嫁を連れてきたことで激怒をして猟銃を片手に追い出す始末。

岩男の母親を怪演する木野花の演技の凄まじさといったら、愛する息子を奪った花嫁アイリーンを、露骨に罵倒しながら、ライフル片手に村(ロケ地新潟)を彷徨う殺気だった鬼の形相が凄い。

そこからが、岩男が母親を説得するのだが、肝心の嫁であるアイリーンとの初夜も上手くいかずに手つかずの間柄。妻に娶られるても18歳の彼女には、「好きな相手と結ばれたい」の一点張りで、岩男を受け付けないのだ。

日本語も話せないし、それでもアイリーンは、毎日のようにパチンコ店に一緒に付いて行き、付き纏い、車の中で寝てしまう。夜になると、フィリッピンパブへ行っては同じ故郷の女と遊ぶのだ。そこの女性に日本語を教えて貰い、辞書も貸してもらい、何とかカタコトの日本語を話せるようになる。

岩男もその内に、アイリーンとのセックスも巧くいくと思っていたのだが、働いているパチンコ店の熟女人妻の河井青葉が、エロい演技で場をさらってしまう。岩男と浮気をしてしまい、そのままずるずると続くのであった。それが、吉岡愛子の夫にバレてしまい、その後は相手にしてもらえない。

母親の方は、近所の人に頼んで何とか岩男の嫁探しをするのだが、そこへヤクザの伊勢谷友介がやってきて、アイリーンを金で買い上げてよそへ売り払おうという計画を持ちかけるのだった。

岩男がそのことを聞き、駆けつけてアイリーンを助けて、挙句にヤクザの伊勢谷友介をライフルで撃ち殺してしまう。死体を林の奥に穴を掘り埋めて隠してしまうも、ヤクザが身内の伊勢谷友介を捜しに来るのだが、知らぬ存ぜぬを決める岩男。

ヤクザも岩男に目を付けて、嫌がらせをして「人殺し」の貼り紙やスプレーで落書きをして脅しにかかる。

岩男がアイリーンと身体を交わるのは、何か月も後になるが、ヤクザを殺してくれた後で2人は激しく結ばれるわけ。しかし、アイリーンがお寺の坊さんに、殺した男の弔い方、お経を教えて貰いにお寺に通うようになるも、それが不倫をしていると噂になってしまう。

岩男は、自分も浮気をしているのに、アイリーンを愛するようになり、嫉妬のあまりお寺の裏の林の杉の木に、「アイリーン」とナイフで名前を切り刻み込み、その後謝って転落して死んでしまうのだった。

アイリーンが、岩男を捜しにお寺まで来て、岩男の死体を見つけ、家から布団を持ち出して岩男の上に掛けてやる優しさもある。

最後には、母親が岩男を捜し歩いて衰弱し、アイリーンがお寺の裏まで母親を連れて行くと、息子の亡骸を見て卒倒して倒れ込んでしまう。家へ連れて帰るも、狂った母親は、岩男の傍で自分も死にたいと思ったのか、よろよろと衰弱した体で岩男の亡骸の元へと執念で辿り着くも、アイリーンがその時に「お腹に岩男の子供がいる」と母親に教えると、嬉しそうにアイリーンの背中におぶされて家に帰ろうと心変りをする、その道中に亡くなってしまうのだが。

この母親の回想があまりにも過酷な人生を歩んできたようで、目の前の悲惨な出来事に対する比較対象の度合いが、穏やかな人生を歩んできた人間とは明らかに異なるのだ。本作での冒頭から積み重ねられるように描かれる“過酷さ”は、子を想う<鬼>と化してゆく木野花の入魂の役作りは賞賛に値すると思う。

018年劇場鑑賞作品・・・183  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30061478

  


追想★★★

2018年09月19日 | アクション映画ータ行

「つぐない」の原作者イアン・マキューアンの傑作恋愛小説『初夜』を、主演に「つぐない」のシアーシャ・ローナンを迎え、マキューアン自ら脚本を手がけて映画化した切なくも心に沁みる感動作。社会的にも文化的にもいまだ保守的な1962年の英国を舞台に、結婚式を無事に終え、新婚旅行先の海辺のホテルで初夜を迎えようとしていた若いカップルが、互いに愛し合いながらも幼さゆえの行き違いへと発展していくまでの揺れる心の軌跡を、回想シーンを織り交ぜつつ緊迫感溢れる筆致で繊細に綴る。共演は「ベロニカとの記憶」のビリー・ハウル。監督は舞台を中心に活躍し、TV「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」でも高い評価を受けたドミニク・クック。本作が長編映画監督デビューとなる。

あらすじ:1962年、夏。バイオリニストとしての野心を秘めたフローレンスと歴史学者を目指すエドワード。偶然の出会いをきっかけに一瞬で恋に落ちた2人は、対照的な家庭環境などさまざまな困難を乗り越え、ついに結婚式の日を迎えた。式を終えた2人が新婚旅行へと向かった先は風光明媚なドーセット州のチェジル・ビーチ。幸せいっぱいでホテルにチェックインした2人の心に、数時間後に迫る初夜を上手く終えられるか、という不安が次第に重くのしかかっていくのだったが…。

<感想>原題が「初夜」で、邦題が「追想」、回想シーンが多いので邦題がぴったりときますね。原作者が「つぐない」のイアン・マキューアンの傑作恋愛小説なので、主演にシアーシャ・ローナンなのが納得でした。だいぶ大人になり演技も巧いし、美しい女優なので、あわよくば将来は大女優のメリル・ストリープのように成ってほしいです。

フローレンスの母親に、エミリー・ワトソンが、シアーシャの恋人のエドワードには、「ベロニカとの記憶」で若き日のトニーを演じていた、ビリー・ハウルが。結婚初夜のホテルでの数時間の物語に、回想シーンを挟みつつも、ラストは数十年後へ。

華奢なシアーシャ・ローナンの今時感がゼロな個性が、1962年の保守的なイギリスの背景と、作品のビタースウィート性を見事に織り上げていた。フローレンスの父親は上流社会の実力者であり、エドワードは庶民の息子。結婚後には、フローレンスの父親の会社で働くことが決まるも、エドワードには納得が出来ないのだ。

それ以上に、ドラマの前提となる社会の保守性と、自尊心が高く皮肉屋で本心を言わない人物らに共感ができないのだ。

結婚をして初夜を迎える本作の若い男女も、英国式の複雑な性格の人たちのようだった。ホテルの一室と浜辺で愛し合う二人の関係が、どんどんと崩れて行き演劇的な場面が多いし、とても観ていられなかった。

核心はホテルでもほんの短い時間だが、回想を織り交ぜながら数十年後を描くこの映画、男女の感情をはっきりと表現する手法が、監督のドミニク・クックがもともと舞台演出家だけあってか演劇的でもあったのが残念。

シアーシャ演じるフローレンスの言動は、エドワードのプライドをズタズタに砕く威力があり、物語を主導するのだ。初夜の性的な問題が、原因で別れた男女。

女性の方が結婚に夢見る夢子さんで、聡明ゆえの潔癖さと融通がきかなさを漂わせるフローレンスと、女心が絶望的にわからない新郎のエドワード、男性の方がどうやら童貞で奥手の男の子なので、キモさと情けなさが胸を打ちます。

彼の母親が事故で頭を打ち、認知症のようになり、裸で平気な日常の状態の母親の世話を、嫁になる上流社会育ちのフローレンスには無理なこと。初々しくも不器用な2人の姿に、不思議な余韻と切なさが込み上げてきます。

離婚後のエドワードは、その後も独身を続けて、小さな中古のレコード店を経営している。未だにきっと、フローレンスを愛している様子が見えるエドワードの姿に、純情青年の後ろ姿が出て気の毒にと思いましたね。

ラストでは、フローレンスが年をとってから念願のホールでの5重奏の演奏会が描かれており、あの若き頃にフローレンスと一緒に演奏していた男が夫になっていたという。その演奏会を観に行くエドワードが、彼女の見事な演奏ぶりに拍手をし、彼女を讃える姿に胸が締め付けられるようで、予想外にも泣けて来きました。

終盤には、母親の誕生日のプレゼントにと、幼い少女がクラシックしか聞かない母親に、大好きなポップな曲のレコードを買いに来るシーン、映画オリジナルのエピソ-ドも見られるが、その翻案の仕方は男性監督ゆえの甘さとしか言いようがない。それでも、若い恋愛時代の2人だけでなく、以後の時代もしっかりと見据える構成が良かった。

018年劇場鑑賞作品・・・183  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30057734

 


寝ても覚めても★★★・5

2018年09月18日 | アクション映画ーナ行

前作「ハッピーアワー」で大いに注目を集めた濱口竜介監督が、芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を主演に東出昌大と唐田えりを起用して映画化した恋愛ドラマ。同じ顔を持つ対照的な2人の男を愛した女性の揺れる心の軌跡を通して、人が人を好きになることの不思議を丁寧かつスリリングな筆致で描き出す。

らすじ:地元の大阪を離れて東京で暮らしていた泉谷朝子。カフェで働く彼女は、コーヒーを届けに行った先である男を見て息をのむ。丸子亮平と名乗ったその男は、2年前、朝子のもとから突然姿を消した恋人・鳥居麦とそっくりな顔をしていた。5年後、朝子は亮平と共に暮らし、満ち足りた穏やかな日々を送っていた。そんなある日、麦がモデルとして売れっ子となっていることを知ってしまう朝子だったが…。

<感想>愛に逆らえない。違う名前、違うぬくもり、でも同じ顔。運命の人は二人いた。新人の唐田えりかが演じている朝子、始めは大阪時代に知り合った麦と言う若者と、次に東京へ出て来て知り合った亮平という2人の若者を愛するようになる。東出昌大が2人の男を演じ分けている。

麦は放浪癖が強くて、散歩中にいい風呂を見つけたといってそこへ入っていく。そして、ある日突然、靴を買いに出たまま姿を消してしまうのだ。

それに対して、亮平は堅実な会社員であり、日本酒のメーカーで働いている。まさに麦がちゃらんぽらんな性格とすれば、亮平は地に足が着いている真面目なタイプ。

麦に捨てられた形となった朝子は、実直な亮平と会って一緒に暮らすようになる。確かに心がときめく様なことは起きないが、平穏な安心感がある。2人は東北大震災の後、被災地にボランティア活動に行くが、恐らくは亮平が誘っての事だろう。その活動も朝市の手伝いなので、特別なことではなく日常の延長になっている。

亮平との平穏な暮らしが続くかと思われた時、姿を消していた麦が現れ、朝子は麦の突然の帰還に動揺する。もともと亮平は麦と瓜二つだったから。朝子は亮平と暮らしながらも、「この人はひょっとして、麦ではないか」と不安といくらかの期待を持っていたはずなのだ。

そして、朝子は麦と再会した後、思いもかけない行動をとる。これは、朝子が我儘であるとか、自分の気持ちに素直であるとかではないと思う。寝ていてた麦への愛が呼び起こされ、そのまま亮平のもとを去って、麦と一緒に逃避行をしてしまうのだ。

誰がどう考えても朝子のとった行動は許されるものではない。若いカップルが付き合い幸せに同棲をしていたところへ、女の方がまだ昔の彼のことを忘れられなくて、そこへ昔の彼が「迎えに来たよ」なんて言われたら、つい動揺してそのまま付いて行くだろうか。あり得ないと誰もが思うだろう。絶対に女の方が卑怯だ、大人のすることか、子供ではないのだからと、怒るだろう。

亮平と一緒に住んでいるところは、川が目の前に流れていて、土手の傍に建っている。雨で増水した川を見て亮平が「水かさが増している」と言うところでは、2人の暮らしの先行きの不安を感じさせるのだ。

一度は朝子を捨てた男、麦に再び夢中になるヒロインの朝子の、理性では割り切れない愛の姿に感情を揺さぶられる。しかし、麦と亮平は双子ではない。確かに顔は似ているが性格も体つきも違うのだから。

北海道へ行こうと言う麦の言葉に、つい衝動的に惹かれて付いて行った朝子は、途中の東北大震災の後地、仙台で目が覚めてふと気が付くのだ。自分は何をしているのだろうと、そして、麦に別れを言い車から降りる。

防波堤の高いガードレールがある東北道、そこで降りて海を見ると、曇り空で波が荒く押し寄せている。つまりは、もしもこのまま麦に付いて行ったら、この海のように荒々しい、波に飲まれて行くかもしれないことを考えたのだろうか。そのまま、無一文の朝子は、震災のボランティアをしていたおじさん(仲本工事)の家へ行き、旅費を貸して貰い東京から大阪へ転勤した亮平の元へと帰るのだ。

しかし、亮平は怒り、決して許さないといい、朝子の飼っていた猫を捨てたと言うのだ。それから、猫を必死に探しに行く朝子。雨が降って来てびしょぬれになりながら、愛猫を探す朝子を見て、亮平は自分のところへ戻って来てくれたことを素直に喜べないも、心の中では赦しているのだ。

主演の東出昌大と唐田えりの他に、友人の瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知など、演技がみなさん上手かったです。

多くの恋愛映画が描くのに、ライバルを始め、家族や会社のしがらみや病気といった障害を設定することで、ドラマを盛り上げようとするのに対して、ここでは、それらを一切排除して、ヒロインの感情の動きのみに沿って描いている、理不尽とも思える言動をヒロインがやってのけるが、それを演出と俳優の力で成立させてしまう、ごく稀な恋愛映画なのだ。

それに、川から海へ、また川へと全篇を繋ぐ水のイメージと共に、観客はその流れに心地よく身を任せていればいい。朝子の取った態度に、賛否両論があれど、こんな女性がいてもいいのじゃないかと、自分にはない女の一面を見た感じがした。

018年劇場鑑賞作品・・・182  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30055741

 


ザ・プレデター★★★

2018年09月17日 | アクション映画ーサ行

87年の初登場以来、SF映画史上屈指の人気キャラクターとなった“プレデター”。本作はその1作目に俳優として出演していた「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」のシェーン・ブラック監督が、同シリーズの続編として撮り上げたSFアクション・アドベンチャー。さらなる進化を遂げた宇宙最凶ハンター“プレデター”と、迎え撃つはみ出し者の元軍人集団の壮絶な闘いの行方を描く。主演は「LOGAN/ローガン」のボイド・ホルブルック、共演にトレヴァンテ・ローズ、ジェイコブ・トレンブレイ、オリヴィア・マン。

あらすじ:元特殊部隊員の傭兵クインの息子ローリーは、父がメキシコで手に入れた謎の装置を起動させてしまう。それは、地球にプレデターを呼び寄せるシグナルを発信するものだった。一方、プレデターの存在を隠蔽したい政府によって監禁されてしまったクインは、“ルーニーズ”と呼ばれるならず者の戦闘スペシャリストたちと脱走を図り、彼らととともに危険が迫る息子を守るためにプレデターへと立ち向かっていくのだったが…。

<感想>87年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演作「プレデター」で初めてスクリーンにお目見えし、その後シリーズ化された人型エイリアンが新たなオリジナル・ストーリーで復活した。傭兵である父親クインがメキシコのジャングルに墜落した宇宙船と、その船に乗っていたプレデターを目撃。プレデターの存在を隠匿しようとする政府に拘束されてしまう。

クインは、墜落現場から持ち帰っていたプレデターのマスクと装置を自宅に送り届けていたが、クインの息子で天才的な頭脳をもつ少年ローリーが、丁度ハロウィンだったもので、マスクを被って外へ出て歩くも、悪ガキたちがローリーをからかうも、それは妬みからだろう。そして、家に帰り装置を起動させてしまうのだ。

装置から発せられるシグナルによって、恐るべき戦闘種族プレデターを呼び寄せてしまい、プレデターがローリーのもとに現れ、さらにそのプレデターを追い、遺伝子レベルでアップグレードした究極のプレデターまでもが姿を現す。

本作の舞台設定は2018年で、第1作と地続きであり、「プレデター2」とのなんらかの繋がりがあることが分かっている。本作は、プレデターが宇宙船で飛来するが、「プレデター2」では宇宙船がクライマックスの舞台だった。果たしてリンクは宇宙船か、登場人物か、劇場で確認をして下さい。

人間だけでなく、全宇宙の凶暴な生物を相手に死闘を繰り広げてきたプレデター。姿を周囲の風景と同化させる光学迷彩や獲物を確実に仕留めるプラズマ・キャノンなど協力な装備を多数持つヤツらが、またもや人類を恐怖に陥れるのである。

地球にやってきて人間狩りを繰り返すプレデターと、息子を守るために元軍人のならず者集団の協力を得て、立ち向かうクインとの激烈なバトルが展開する。

本作の監督、シェーン・ブラックは「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」のヒットメーカーだが、俳優時代にオリジナルの「プレデター」に出演し、最初に殺される兵士を演じていた過去を持つ男。そんな縁のあるプロジェクトに監督として舞い戻り、壮大かつ豪快なアクションシーンと人間味溢れるドラマを融合させた。CGだけに頼らず、実写の臨場感にこだわった演出も見ものですぞ。

主演のクインには、「LOGAN/ローガン」のボイド・ホルブルックと、息子のローリーには、「ワンダー 君は太陽」が記憶に新しい人気子役のジェイコブ・トレンブレイが共演し、父と子の絆のドラマを熱演している。

それに、プレデターの謎に迫る生物学者のケイシーには、「X-MEN:アポカリプス」のオリヴィア・マンが。

それに、特殊部隊ルーニーズ(退役軍人たち)のウィリアムズにはトレヴァンテ・ローズが、コイルにキーガン=マイケル・キー、ネトルにバクスリーにリンチといった戦闘のスペシャリストたちが。彼らがプレデターのことを”ウーピー・ゴールドバーグ”に似ているなんて言うもんだから、観客から笑いが起きたのだが、これって名誉棄損じゃないのかなぁ?

危険にさらされた息子を救おうと奔走する父親の愛情に、そんな彼を支えて共闘する仲間たちのガッツ。そんな熱いスピリットが最凶の敵・プレデターとぶつかった時に、どんな化学反応が起こるのか?・・・。壮絶なるバトルに親子の絆が絡み、凄まじい熱を帯びるのは想像するに難しくはない。

今回登場するプレデターは、様々な種族のDNAを取り込み、遺伝子レベルでパワーアップしている。しかしだ、それをも上回る“アルティメット(究極)”プレデターが登場するのだった。他のプレデターを圧倒する巨大なヤツの実力とは?・・・。宇宙最凶のさらに上をいくその正体とは、・・・もう一つは“ヘルハウンズ”と名付けられたプレデター犬。プレデター同様に俊敏して獰猛な狩猟犬なのだが、人間に懐く習性があるのには安心した。

本作の特徴は、原典への回帰であり、伝統的なスリラーに近いストーリーテリング。さらには、プレデターの造形もできる限り実際に作ることにこだわったというのだ。その際、監督が手本にしたのが「ジュラシック・パーク」なのだ。

一方では、度重なる戦闘により心に傷を負った傭兵たちの苦悩や、プレデターの存在を隠蔽しようとする政府の策略も垣間見えるドラマチックな物語が展開する。

ラストの壮絶なるプレデターとの戦いに勝利するも、研究所では置き土産のプレデターの装置を動かす息子のローリー。所員がその装置から発せられるエネルギーを浴びて新種のプレデターに様変わりするのが見られるも、すぐに元の研究員に戻ってしまう。この装置は、人間が軍事力に悪用すると、飛んでもない戦争になってしまい、地球から人類が滅亡するかもしれない。そして、プレデターの思い通りに、また宇宙からと飛来して来て、地球を乗っ取る作戦なのかもしれない。続編ありきのラストシーンなので、期待したい。

018年劇場鑑賞作品・・・181  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30053719

 


プーと大人になった僕★★★★

2018年09月15日 | アクション映画ーハ行

世界中で愛され続けるA・A・ミルンの児童文学『くまのプーさん』に登場するプーさんの大親友クリストファー・ロビンのその後を映画化したファンタジー・ドラマ。大人になり仕事に追われるクリストファー・ロビンが、プーさんや森の仲間たちと奇跡の再会を果たしたことで、忘れていた大切な何かを思い出していく姿を描く。主演はユアン・マクレガー、共演にヘイリー・アトウェル、ブロンテ・カーマイケル。監督は「ネバーランド」のマーク・フォースター。

あらすじ:少年クリストファー・ロビンは“100エーカーの森”で親友のプーやその仲間たちと楽しい毎日を送っていたが、やがてロンドンの寄宿学校へ転校することに。“きみのことは絶対に忘れない”と固く誓ってプーと別れたクリストファー・ロビン。月日は流れ、大人になった彼は妻のイヴリンと娘マデリンとともにロンドンに暮らしていた。しかし仕事が忙しくて家族とはすれ違いの日々が続いていた。そんなある日、なぜかロンドンで途方に暮れていたかつての親友プーと驚きの再会を果たす。森の仲間たちのもとに戻れなくなったプーの頼みを聞き入れ、一緒に“100エーカーの森”へと向かったクリストファー・ロビン。ピグレットやティガーら森の仲間たちとも再会でき、少年時代の懐かしい日々を思い出すクリストファー・ロビンだったが…。

<感想>あの「くまのプーさん」の後日譚。クリストファー・ロビン少年が、今は大人になり会社の上司から無理難題を命じられ、週末の約束していた家族旅行をキャンセルするハメになり公園で頭を抱えていたクリストファー。そんな彼の背中に懐かしい声が、振り向くとそこにいたのはクリストファー前に、あのプーさんが現れたのですね。大都会のロンドンを舞台に、彼らの新しい物語が繰り広げられる。英国人作家A・A・ミルンが生み出し、ディズニーのアニメーションで世界的人気キャラクターとなったくまのプーさんの初の実写化です。

大人になったクリストファー・ロビンは、仕事に追われるビジネスマン。ウインズロウ商事の旅行カバン部門の能率化部として、毎日オフィスで仕事に没頭している。少年時代に持っていた好奇心や想像力をすっかり忘れてしまっている。彼を演じるのは、ユアン・マクレガー。優しくてしっかりものの専業主婦・妻のイヴリンには「シンデレラ」のヘイリー・アトウェル。想像力豊かな9歳の娘のマデリンには、ブロンテ・カーマイケル。

原題は「クロストファー・ロビン」と、主人公の名前をそのまま。タイトルバックは本の形式を模していて、ページをめくるように始まっていきます。プロローグでは原作の「プー横丁にたった家」のエンディングが再現されていました。この映画では、そこまでが第1部であり、以降が第2部という構成になっている。架空の「クリストファー・ロビン物語」みたいなものがあって、この映画によって彼の成長物語が完結する、という設定になっていた。だから、ラストも本の終わりみたいになっていたのも嬉しい。

その第2部では、本題のストーリーに入るまでの“スリストファー・ロビン物語”が、物凄いペースで描かれていく。短いセットを積み重ねて、余計な説明やセリフも入れずに、短い字幕と俳優の演技だけで見せるのは上手いと思いましたね。

確かに、寄宿学校へ入れられて、突然、両親の死で家長の重責が来て、イヴリンとの出会いと恋、妊娠中の妻を残して戦場へと。そして妻と娘との感動の再会と、就職という出来事の数々までを数分でみせちゃうのだから。

それに、プーさんとの久々の再会、「森の仲間たちが見つからないんだ。一緒に探して」と頼まれるも、自分はもう大人で仕事に行き詰って困っているのに。そんなぬいぐるみのプーと遊んではいられないのだ。仕方なく、彼はプーを抱いて、あの“100エーカーの森”へと向かったクリストファー。

 

真っ赤な風船が欲しいと言うので買ってあげて、列車に飛び乗るのだが、昔と変わらない森の中で、大きな樹の洞穴の中へ入るプーの後を追いかけて、懐かしいあの“100エーカーの森”に出て来る。

そこでは、仲間たちと再会できて喜ぶクリストファーだが、仕事を思い出して慌ててロンドンへと戻るのだが、その時、大切な書類を森へ置き忘れてしまう。プーと仲間たちは、森を飛び出してロンドンへと向かう。その時に、クリストファーの娘のマデリンと出会い、一緒に父親の会社へ書類を届けに行くことに。

母親は、娘がいなくなり慌てて駅まで行くと、ぬいぐるみを抱いた娘が列車に乗っていくのを見つける。母親は車でロンドンへと追いかける。

“100エーカーの森”は、原作者が小説を書く際にモデルにしたイーストサセックスにある本物の「400エーカーの森」に実際行って撮影したそうです。

見どころはリアルに言えば、プーさんやお調子者のティガー(トラ)、心優しい臆病な子ブタのピグレット、おっとりとしてお人よしなロバのイーヨーなど。

なんてったてぬいぐるみたちが、まるで生きているかのように動き回ることかなぁ。これは最先端のコンピューター・アニメーション・テクノロジーの成果なのだそうです。その土台となっている手作りのぬいぐるみたち。アニメとはひと味違うぬいぐるみ感と言うか、存在感が半端ない。

そこには「抱き心地のよさ」など細心の注意が払われており、俳優たちも実際にぬいぐるみと触れ合うことで大きなインスピレーションを得られたそうです。

実際に彼らは実物大のぬいぐるみが作られて、動きや立ち位置を決めるために使用されたそうです。それを忠実に再現したから、たとえCGでも微妙に滑らかな動きを見せることなく“ぬいぐるみ”が動いているように見えているんですね。「100歳になっても君のことは忘れない」と誓ったけれど、クリストファー・ロビンの方は、生きるのに必死で、すっかり忘れている。でも、プーはそのまんまなのよね。というのも切ないです。仕事と人生と家族に関しても、かなりグサッとくるセリフがいっぱい出て来るので、そこにも注目です。

人世で大切なものは何だろう?・・・と考えさせてくれる映画。仕事中毒で家族サービスを忘れているお父さんに観て欲しいですよね。

エンドロールでも、森の仲間が海の保養地の行って、サングラスをかけて太陽に当っている様子が見られるよ。

018年劇場鑑賞作品・・・180  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30050202

 


マイナス21℃ ★★・5

2018年09月13日 | アクション映画ーマ行

ジョシュ・ハートネットが主演を務め、極寒の雪山で8日間にわたる壮絶なサバイバルを繰り広げた、元アイスホッケー選手でスノーボーダーのエリック・ルマルクの実話を映画化。監督は「ネイビーシールズ」「ニード・フォー・スピード」のスコット・ウォー。

あらすじ:元アイスホッケー選手のエリック・ルマルクは、米カリフォルニア州のシエラネバダ山脈でスノーボードをしていた最中に道に迷い、遭難してしまう。水も食糧もなく、山岳装備も持ち合わせていないエリックは、夜には氷点下となる山の中、低体温症や空腹、野生のオオカミ、凍傷、脱水症状など次々と困難に襲われ、絶望的な状況に追い込まれていく。一方、息子と連絡が取れないことに異変を感じた母スーザンが、救助隊に捜索を依頼するのだが……。

<感想>実話であり、若いからか身勝手で元アイスホッケー選手時代でも、コーチーの言うことを聞かずに勝手なプレイをして辞めさせられるのだが、その後が悪い。金持ちみたいで、覚醒剤中毒になり逮捕され、その裁判が控えている。それなのに、雪山の別荘に一人で住んでいて、綺麗な母親ミラ・ソルヴィノだけが、自分の味方をしてくれる。金銭面でも母親に頼っているのだろう。

独りで山へスノーボードをしに行くも、結構上手いので、危険区域なのに中へ入っていき、道に迷ってしまい遭難をしてしまう。

どうみても、同情できない身勝手なお子ちゃまな青年を、最近映画で観ていなかったジョシュ・ハートネットが演じていた。雪山遭難なので、殆どジョシュが一人の映像であり、夜になるとおおかみが数匹出て来て襲い掛かる恐怖。

ゲレンデを探して山を下りるも、吹雪で視野が全然見えなくて、氷の沼か湖みたいなところへ落ちてしまう。普通だったら、そこで凍え死ぬをするかなのに、身体が丈夫なのか、若くて生きる力があったのか、這い上がって生き抜くのだ。

そこからが、やはり見どころといっていい。エリックを探す遭難救助なんてぜんぜん出ていないから、自分で何とか生き抜くしかない。それも濡れた服を乾かすにもマイナス21℃の極寒の中ではどうにもならない。自分が隠れるくらいの穴みたいなところを探し、すぐさま服を脱ぎ全裸になり、たき火をしようと思ってマッチをすっても、湿けっているのかダメ。この全裸になるって、なんか意味があるのだろうか?ブルブルと震えながら、仕方がなく凍り付いた服を着るも、身体が低体温になってくるのが分かる。こんな時のために、ポケットにチョコとか飴玉とか持っていればお腹のたしになるのに。

そして、足に昔の傷があって凍傷になるも、そこから低体温の血のめぐりが悪くなり、だんだんと紫色に変わり腐っていく。何度も靴下が貼りついている足首を見るエリック。靴下に足の皮が貼りついたのが、靴下をめくると一緒に剥がれて激痛が走る。これは痛そう。

腹が減っているし、水はポケットの中に入っていた麻薬のビニール袋を使い、雪を入れて体温で温め水にして飲む。腹の足しにと、木の皮を剥がして食べてみるもマズイ。眠くなるのもアイスホッケーの選手時代に仲間と喧嘩をしたこととか、コーチと口論をしたことなどを思い浮かべては、孤独を感じる。それに、家では母親に反発をして、家具を壊しては暴れるしまつ。そんなことを思い出して後悔するのだ。

携帯電話も電池が切れて使えないし、ラジオも雑音しか入らない。そんな時、母親って有難いですよね。エリックが麻薬で逮捕されその裁判が迫っている。絶対に出廷しなければならないはずなのに、別荘にはいないのだ。山のスキー場へ行き、息子のことを心配して救助のヘリを出してくれるように頼むのですが、吹雪だし、夜は飛ばないという。

遭難してから8日間もの間、脱水症状になり、足は両足が凍傷になるも、空にヘリが飛ぶ音を聞き大声で叫ぶも虚しいばかり。そうだ、山の上まで行けばラジオの無線も入るし、自分の身体も見つけてもらえると、ラジオの電池も切れかかる。それからは動けぬ足を引きずりながらも、頂上を目指してスノボを杖代わりにして登るエリック。

救助隊は、すでにエリックは死亡しているものと決めつけ、遺体の捜索にヘリを飛ばすのです。頂上につき、ラジオの無線を聞く救助隊、もしかして彼は生きているかもと。頂上付近で横たわっているエリックを見つけてくれたのは、運がいいしラッキーでもあった。本当に九死に一生の思いで、自分の命が助かったことを嬉しく思ったに違いない。

B級映画みたいな、予算もなかったのかジョシュの一人芝居が多いなか、しかし、雪山の映像だけはリアルであった。エンドロールでは、本人が出て来て、両足義足で子供たちにアイスホッケーを指導しているところとか、結婚をしていて家族の姿も映し出している。強靭な神経と身体が、彼を生き返らせてくれたのだろう。

018年劇場鑑賞作品・・・179  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30046191

 


クレイジー・フォー・マウンテン★★★・5

2018年09月12日 | アクション映画ーカ行

エベレストやモンブラン、マッターホルンをはじめ世界中の名峰を舞台に、登山のみならずフリークライミングやベースジャンプなど様々なスタイルで山に挑戦する命知らずな冒険者たちの姿を、圧倒的な迫力と美しさで捉えたエクストリームな映像に、オーストラリア室内管弦楽団による荘厳なクラシック音楽を乗せて贈る異色の山岳映像詩。監督は前作「Sherpa」が英国アカデミー賞にノミネートされるなど高い評価を受けた「ソロ ロスト・アット・シー 冒険家アンドリュー・マッコリーの軌跡」のジェニファー・ピーダム。

<感想>冒頭での断崖絶壁をよじ登る男の姿、それにロープを付けずに垂直の岩壁を登頂する天才クライマーのアレックス・オノルドらの姿など、どうやってこのような撮影が出来たのだろうと不思議に思われてなりません。ドローンなどの新技術を駆使して危険で孤独なロッククライミングの撮影があった。

その他にもエベレスト(ネパール)、モンブラン(フランス)、デナリ(アメリカ)、メルー(北インド)など、世界5大陸の難関峰に挑む登山家たちの姿、まさに山を愛する者にとっては最高のドキュメンタリー映画。

詩情あふれるアルプス連峰の遠景に切り変わる瞬間の映像美といい、一見、脈絡のないような編集なのだが、観終わると山岳について楽しく学べたような気分になるから不思議だ。そして、映像と一緒に流れるクラッシックの音楽も良かったです。

そして、グランドキャニオンでマウンテンバイクに乗りながらのスカイダイビング、無事に降りられたのだろうかは描かれてはいない。

時速360キロに達するといわれるウィングスーツでの山頂からの滑空やパラグライダーなど、山を舞台とした危険と隣り合わせのエクストリームスポーツをこなすアスリートたちの勇姿を記録した映画。

普通に暮らしている私には、こんな映像は目にすることのない絶景ばかりである。想像もできない命しらずの行為を、世界中からかき集められた選りすぐりの映像で観ることができた。

観ているこちら側としては、身体のいろんな部分が縮みあがりそうな映像が続くのだが、結局はフッテージの寄せ集めであり、すべてが作品のために撮られたものではないらしい。

別にそれでも構わないのだが、ナレーションでは「何故に、人間は山に惹き付けられのか?」みたいな、講釈を入れて来るあたりが釈然としなかったりする。それでも、人間は山に魅せられ、命の保障などないが、神の住む山へと登り、山頂を極めては誇らしげに佇むのである。そこを探究するために、山の映像を作品として映画化したのだろう。

それに、作曲家トネッティからドキュメンタリー映画監督のジェニファー・ピードンに、コラボレーションを申し込んで出来上がった作品なので、音楽と映像が山々の美しさと残酷さ、最近の有名企業と、ネットユーザーの介入による危険性までよく捉えていると思う。

だからなのか、クラシック交じりの音楽であると同時に、音楽映画にもなっていた。これほどまでに音楽の持つ力が左右するとは、サイレント映画でもいいのだが、ナレーションも名優ウィレム・デフォーの声もやはり良かった。

018年劇場鑑賞作品・・・178  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30044688

 


2重螺旋の恋人★★★・5

2018年09月11日 | アクション映画ーナ行

「8人の女たち」「スイミング・プール」の鬼才フランソワ・オゾン監督が、「17歳」のマリーヌ・ヴァクトを再び主演に起用して贈るエロティック心理サスペンス。優しい精神分析医の男と恋に落ちたヒロインが、対照的な性格の双子の兄弟と出会い、嫌悪を抱きながらも肉体的な欲望に溺れていくさまを、官能的かつミステリアスなタッチでスリリングに描き出す。共演はジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット。

あらすじ:原因不明の腹痛に悩む25歳のクロエは、婦人科医から身体に問題はないと言われ、紹介された精神分析医ポールのカウンセリングを受けることに。温厚で誠実なポールに話を聞いてもらううち、不思議と痛みが和らいでいくクロエ。いつしかポールと恋に落ち、同棲生活を始める。そんなある日、街でポールそっくりの男を見かけ、やがてその男がポールの双子の兄弟ルイと知る。しかもポールと同じ精神分析医だった。ポールがルイの存在を隠していたことを不審に思い、偽名を使ってルイの診察を受けるクロエ。ポールとは正反対の傲慢で支配的な態度に嫌悪感を抱くクロエだったが…。

<感想>冒頭、クロエが美しい長髪をバッサリ切り落とす衝撃シーンから始まる本作。服装も無造作で少年のようだった彼女は、ポールとルイの診察室に通ううちに、におい立つように美しく、そして力強く変貌していく。この“変化”は何に起因するのか?

最近の映画では「婚約者の友人」2017年10月21日「危険なプロット」などが上げられるが、本作では精神科医と恋に落ちた女性の前に現れた「もう1人の彼」。「双子の兄」だと名乗る同じ顔、同じ職業のその男性は、本当は何者なのか!? 果たして、愛してしまったのはどちらなのか?私が愛した男は、何者なのか。容姿は同じで中身は正反対の、双子の男。

2人は職業も同じ、精神分析医だった。クロエが長年悩まされ続けているのが「原因不明の腹痛」。それがポールとの出会いにつながるのだが、肉体的な異常はまったく見られず、婦人科の女性医師に「精神的なものでは?」とカウンセリングを提案されるのだ。普通だったら、女性のカウンセリングをお願いするのに、男性にしてと紹介してもらう。

精神分析医カウンセリングと恋に陥るケースはわりと良くあるそうだ。じぶんの心の中に隠している悩みとか、秘めたる想いを話て相談にのってもらうのだから。自分の思った通りの穏やかな優しい答えに、つい自分をこんなにも愛してくれているのならなんて勘違いをしてしまうのだろう。

ところが、街でポールとそっくりの男が女と立ち話をしているのを見かける。気になって、その男の接触するも、双子の兄のルイだったとは。何故にポールは双子の兄がいることを自分に話をしてくれないのだろう。

そのそっくりなルイは、ポールとは正反対の性格で、すぐにセックスを求める男。すぐに相手のいいなりに身体の関係を持つクロエも変な女性だ。ポールとの刺激のないセックスとは、真逆な激しいセックスに没頭して、ついルイのところへ通ってしまう。もちろん診察料としてお金は取られる。

クロエは、自分がポールを愛しているのか、夜に一人になるとつい双子の兄ルイのことを思い浮かべてしまう。本当はどちらを愛しているのか、両方を愛することで満たされるのか、自分でも分からなりインモラルな性癖に悩まされるのだ。夜にベッドの中まで襲って来るルイの過激なセックスの妄想に取り憑かれる。

そして、妊娠が発覚する。果たしてどちらの子供なのかが分からないクロエは悩む。口ではポールの子供よ、なんて強い口調で言ってはみても、ルイのところへ通い、セックスを何度もしているうちに快感となって関係を続けていることが、ポールにも知れることになる。

ルイは、「お腹の子供は俺の子供だ」といい、きっと双子の子供が生まれる可能性があると。「俺の子供なら奇形児が生まれる可能性がある」なんてことも言う。

それに、クロエには姉がいて、子供の頃に亡くなっていたらしい。産婦人科で診察してもらうも、医師は首をかしげてお腹の子供のことをはっきりとは言わない。

クロエが突然のお腹の痛みで救急病院へ運ばれて、出産ということになるも、お腹の子供は人間の形をしておらずに奇形な物質だった。母親がクロエの妊娠を聞き駆けつけるが、クロエには姉がいたのだが、何故か亡くなっているのだ。もしかして、クロエも双子の片割れなのかもしれない。

それに、ポールの前の妻に会いに行くも、彼女は自分と同じように、兄のルイとも付き合い関係を持ち、神経的に病んでしまいそのまま床に臥せってしまう。その女の母親が、ポールとルイの双子に娘が神経を病んでしまったことを話すも、ベッドの中の彼女はまるで幽霊のような、魂の抜け殻のようだった。

ここでは2カ所で登場する螺旋階段にも、何らかの秘密が隠されているようだ。ポールの働く診療所に、ルイの診察室へ向かうのも同じのように螺旋階段である。その意図とは? 官能的な映像が“螺旋”の世界へと観る者を引きずりこんでいくかのようだ。対照的な性格を持つ双子に惹かれたクロエの困惑を入り口に、潜在意識のさらに奥へと分け入っていくような、心理スリラーだ。

そして、ルイからプレゼントされる「猫のブローチ」にも注目。クロエの住んでいるアパートの隣のおばさんも、同じ猫のブローチをつけていたのだ。

そして、彼女が働いている美術館の展示物を見つめているクロエ。 そこには物語を理解する大きなカギが、クロエは美術館員として働いているが、彼女が見つめる展示物は、現れる度に徐々にグロテスクさも持ち合わせている世界観へと変貌していく。つまり人間の内臓をモチーフとして表しているような、オブジェ。まるでクロエの心の中を反映しているような視覚の変化は、見ているこちら側にもじわじわと暗い不安を投げかけて来る。

それに鏡を象徴的に使い、現実と妄想の境界線が曖昧な世界を生み出していた。これは本作の謎めいたストーリーを象徴するかのようでもある。現実と妄想が交じり合っているクロエの世界。彼女は現実世界に不満を抱いているので、想像の世界で自分の謎の答えを探しているようだ。

女性の本質を描いて来たオゾン監督だが、今作ではエレメントに凝り過ぎて本質が見えにくくなっているのが惜しい。

018年劇場鑑賞作品・・・177  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30042883