パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

Red★★★

2020年03月29日 | アクション映画ーラ行

                                 

直木賞作家の島本理生による、センセーショナルな内容が話題を呼んだ小説「Red」を、夏帆と妻夫木聡の共演、「幼な子われらに生まれ」「繕い裁つ人」の三島有紀子監督のメガホンで映画化。主人公の塔子を夏帆、塔子がかつて愛した男・鞍田を妻夫木が演じるほか、塔子に好意を抱く職場の同僚・小鷹淳役で柄本佑、塔子の夫・村主真役で間宮祥太朗が共演する。

あらすじ:誰もがうらやむ夫とかわいい娘を持ち、恵まれた日々を送っているはずの村主塔子だったが、どこか行き場のない思いも抱えていた。そんなある日、塔子は10年ぶりにかつて愛した男・鞍田秋彦と再会。塔子の気持ちを少しずつほどいていく鞍田だったが、彼にはある秘密があった。

<感想>原作は、2017年に行定勲監督が映画化した「ナラタージュ」や、第159回直木賞を獲得した「ファーストラブ」などで知られる島本氏の小説。直木賞作家の島本理生が紡いだ、社会的には許されざる__しかし、当人たちにとっては宿命的な恋を選択していく女と男の物語である。

物語は、豪雪の新潟から鞍田と東京へと帰る、車中の塔子の視点による回想形式がとられているが、冒頭からは、あたかも二人だけの逃避行、〈死〉の気配を濃厚に漂わせる沈鬱なトーンが支配する。

劇中では、大雪の中で立ち寄った食堂で2人が蕎麦を食べる印象的な場面がある。「食べることは生きること」という言葉の通り、数々の食事シーンが挿入されていることは、命を燃やすように愛し合うことで自らの「生」を見つめ直す塔子の思いを伝えているかのようだ。

表向きはラブストーリーながら、生き方と幸せのカタチを問いかける意欲作に挑んだ三島有紀子監督。妻夫木は迷うことなく、妥協を許すことのないストイシズムだった。奇しくも「悪人」の撮影から10年。なんとも不思議な縁である。夏帆が演じる塔子と鞍田が停めた車から降りて、雪の中を食堂へと歩いていくシーンでは、何度も何度も撮り直したそうです。

鞍田は迷うことなく塔子を愛せたというか、塔子と鞍田は、社会的に不徳とされている関係をずっと続けているんですけど、観ていて不思議とあんまりそういう感じがしないんですね。背徳感がないというか、それって何でなのだろうと考えていたが、2人は”宿命の恋”なんだったんですよ。

「ああなるほど」と思う感じがした。だからそうするしかなかった。この2人はそうあるべきだったのだと。いろんなものに縛られているけど、宿命を探っている感じというのが、観る者に納得させる。登場人物のだれだれが悪いわけじゃないけれど、そう思わせるのは監督の手腕だなと。

間宮君の演じた塔子の夫真も、女々しい感じがしたのだが、塔子が鞍田に走るのって、この旦那のせいじゃないかと思ったもの。間宮君の純粋さと真っすぐさがそれを浄化していて、何というか真の言い分も分かるというか、彼も悪くないんだと思えてくる。

鞍田にしてもおなじで、塔子の何が好きで、なんでそこまでして愛するのか__だとか。そういう理由みたいなものはいらないなと思える説得力が最初からあったのだから。

それってなんでなんだろうと考えていたのだが、それは”宿命の恋”「僕はとにかく塔子を愛すだけだった。塔子が全てだったので」と確信に満ちた口調で語る。とにかくこの人と一緒にいたい。ずっと最後まで。

物語が現在と過去が交錯する構成となっているため、妻夫木は、最初は前半と後半で印象を変えるために演じ分けを考えていたそうだが、役づくりを進めるにつれて、アプローチも変化していった。

一貫して塔子を愛す、ということに尽きるんだろうなと。自分の生きる意味を見つけた鞍田の強さは、何にも代えがたいですよね。『もう塔子しかいらない』と気付いてしまったから。

映画の冒頭では、塔子が抱える日々の様々な抑圧や生きづらさが描かれる。経済的には恵まれているが、家族で暮らす瀟洒な一軒家は檻のようで、塔子は自分の意志や考えを押し殺し、空っぽな人形のように日々を過ごしている。そんな塔子は、本当の自分を気付かせ、そして受け入れてくれる鞍田の存在によって、心も身体も解放し、どんどん美しく、そして自由になっていく――。

塔子にとっては、我慢して家を守ってきたことが、実は(本当の自分自身からの)『逃げ』だった。世間から見たら、鞍田と一緒にいることが『逃げ』なのかもしれないけど……。本当の『生』につながることとは、自分に正直になることだと思います。それは幸せの価値観の違いなのかもしれない。自分の心のままに生きた鞍田や、そんな鞍田と出会った塔子は、不幸に見えるかもしれないけど、他の人よりも人生の経験値を得て幸せな人生を送っているような気がするんです。『生きるとは何か』を考えさせる、生命力あふれた映画になったと思います。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・29    アクション・アドベンチャーランキング
 
 
 
 「映画に夢中
 
トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31117534


新春のひな祭り御膳の秋保温泉・伝承の宿佐勘へ

2020年03月29日 | ほっこりゆったり温泉倶楽部

今年も恒例のひな祭り御膳を開催している、秋保温泉佐勘へ行ってまいりました。仙台駅からお宿の送迎バスにて、40分です。新緑の美しい秋保温泉へと。日帰り旅行なので、朝は10時15分出発~帰りは午後3時の送迎バスで仙台駅へ。

2019年のひな祭り御膳の秋保温泉・伝承の宿佐勘はこちらです。

 

お雛様飾りがたくさんあるので、その中から選んでます。

いつも来ても掃除が行き届いており、宿のお迎えの人たちも丁寧なご挨拶、それにエントランスの豪華で美しいくて、塵ひとつ落ちていない広い長い絨毯を踏みしめて、昼食の前にお風呂へと。そこまでは、地下1Fにあるのですが、私が左足が悪いのでエレベーターにて風呂場へと。

今日は、最近世界を騒がせているコロナウィルスによる自粛モードの影響で、温泉場は人が少なくて、従業員たちも半数ぐらいは休んでいるそうです。つまり、食堂、レストランなどのバイトや、掃除係のパートおばさんたちもかなり休んでいるようですね。正社員の従業員たちが、その分多く働くことになるわけですが、それでも、塵ひとつ落ちてなく、いつものように迎えてくれるのは、本当に嬉しいことです。

温泉へ先に行くと、誰も入ってなく、この間に写真を名取の湯と、岩風呂の2枚撮りました。お湯は、中はちょうどいい湯加減の41度くらいで、外の岩風呂は少々熱く42度くらいかな。血圧が高いので、長湯は禁物です、15分くらいで温泉を楽しみました。

そのあとは、温泉の外の体を冷ます全身マッサージ機が置いてあり、そこで15分くらいモミモミと極楽ですよね。無料でした。

そして、お雛様御膳の昼食をお宿の中にある御厨へと。

昨年の食事とはまた違っていて、これは娘が考えてくれて、毎年だと昨年と同じひな御膳なので、変えてくれました。嬉しい配慮に感謝です。

いつもだったら、女将の紅茶をいただくのですが、今回は最後のデザートに甘い桜餅にイチゴと生クリーム付き、それに雛菓子がついていて、おまけにコーヒーまでついてたのです。

今日は、全部娘がお金を払ってくれてありがとう。娘を生んでよかったと感謝の気持ちでいっぱいですね。

お留守番の愛犬、コロンは、今年に入って10歳ということもあり、持病の膵炎がひどくなり、昨年のクリスマスころから病院へ毎日のように、点滴と注射に通いました。食事を食べなくなり、下血や血を吐くことが続いて、病院からのクリーム状の食事だけ。

入院を進められたのですが、前にも何度か入院をして、狭いケージの中でのストレスで食事もしなくなり、あっという間に、体重が1・75㎏になり、やせ細り骨が飛び出して、歩くのもしんどいらしく、寝ているばかりです。元気もなくなり入院はやめましょうという医師の言葉。

私が車で毎日のように、点滴と注射に通ったおかげで、やっと最近は元気を取り戻し、体重も1・85㎏になり、あと少しで2キロ代になることを祈りつつ毎日のコロンの様子を見ています。

我が家の門の前に植えていた、江戸彼岸桜が満開です。それとレンギョウも。

2020年 国内温泉旅行・・・1 アクション・アドベンチャーランキング


ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY★★★・5

2020年03月25日 | アクション映画ーハ行

「スーサイド・スクワッド」に登場して世界的に人気を集めたマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが主役のアクション。マーゴット・ロビーが自身の当たり役となったハーレイ・クインに再び扮し、敵役となるブラックマスクをユアン・マクレガーが演じた。監督は、初長編作「Dead Pigs」がサンダンス映画祭で注目された新鋭女性監督キャシー・ヤン。

あらすじ:悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスクと対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する。

<感想>今年は、ガールズヒーロー映画が大ヒット間違いなし。なにしろ、本作と、5月1日公開の「ブラック・ウィドウ」が控えているのだから。そして、6月公開の「ワンダーウーマン」と、しなやかに力強く、女性たちが生き生きと輝いているガールズヒーロー映画の期待作があるからですね。

スーサイド・スクワッド」(16)で映画初登場するや、いきなり主役を食っちゃう人気キャラクターになってしまった悪カワの、ハーレイ・クイン。キュートでセクシーでハイテンション、天真爛漫なノリで悪の限りを尽くすクレイジー・ガールなのである。正義もモラルもブッ壊して、悪のカリスマ、ジョーカーの恋人としてゴッサムシティの極悪人さえ震え上がらせてきた最恐なヒロインが、再び帰ってきた。

だが、今回の物語ではいきなりハーレイの失恋からスタートする。ジョーカーとの別れ、ボロボロ&ヤケクソになっている彼女に、これまで恨みを溜め込んでいた悪党どもが押し寄せる。そこへ降ってわいた、ダイヤモンド盗難騒動。悪VS悪のカオスな戦いを前に、ハーレイはくせ者だらけの最凶チームを結成する。予測不能なクレイジーバトルが幕を開けるのだった。

「バットマン」などのDC作品の予備知識が一切なくても、本気で楽しむことができる作りになっている。ハーレイ・クインの生い立ちやジョーカーとの関係など、冒頭でポップに説明してくれるため、過去作を見ていなくても話についていけるので最高です。

失恋したハーレイ、ヤケクソでパリピな毎日。いとしのブリンちゃんことジョーカーにフラれてしまったハーレイ・クインことマーゴット。失恋の辛さを忘れるために彼女がしたことは、髪の毛をバッサリと切りました。ペットショップでは、一目惚れしたハイエナをブルースと名付けて飼いました。絡んできたウザったい男の足を折ってやった。ジョーカーとの思い出の工場(エースケミカル)にタンクローリーごと突っ込んで大爆発させてやった。

ジョーカーとの別れをド派手に演出したのはいいけれど、それを知ったゴッサムシティの悪党が、あちこちから現れて、彼女を殺しにやってくるのだ。どんだけ恨みを買っていたわけ、さすがにお手上げ状態です。

結局は、一番ヤバイ極悪人ローマン(ユアン)に捕まってしまったハーレイは、すごい秘密が隠されたダイヤモンドの行方を探すハメになる。ローマンって、拷問大好きな変態サイコ野郎。どうやらダイヤを盗んだ少女が、警察に捕まっているらしい。

警察署に一人で乗り込んで、その少女カサンドラ(エラ・ジェー)を奪還したハーレイだけど、留置所に一人で乗り込むハーレイって、かっこよすぎですからね。だが、ローマンに引き渡したら、殺されてしまうことが判明。当然二人はバックレるわけ。成り行き上、2人の逃走に手を貸すことになったゴッサム市警の女刑事レニー(ロージー)と、ナイトクラブの歌手ブラックキャナリー(ジャーニー)。それを知ったローマンはブちぎれるわけ。逃走を続けるハーレイとカサンドラの2人。ダイヤモンドはカサンドラが飲み込んで腹の中にあるし。

ローマンに狙われる4人の女たちのもとに、ちょっとした事情から謎の殺し屋ハントレス(メーリー)が加わり、クセ者ぞろいの女子たちが最恐のガールズチームを結成!どうせなら、ローマン一味をぶっ潰さないということで、ハーレイ率いる史上最強のガールズチームによる、最高にクレイジーな女子会がスタートする。

謎の殺し屋ハントレスの、クロスボウキラーは、実はもともとダイヤモンドの唯一の持ち主で生き残りで、家族を殺した男たちへの復讐に燃えている危険な殺し屋なのだ。

ユアンが演じている残忍ですぐにキレるゴッサム裏社会の悪党、ローマンシオニス。残忍でサイコなブラックマスクとも言う、巨大ヤヌスコープの会長の御曹司なのだ。ジョーカーの後ろ盾がなくなったハーレイを殺そうとする。父親を見返すためゴッサムシティの裏の支配者になろうと目論む悪党。

2020年代の今、女性が男性と同等に扱われるのは当然のことだし、女性が世界を救うのもいいし、女性のシリアスなドラマがあってもいいわけですよね。とにかく、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインのルックス(スタイルがすごい!)もさることながら、その言動が特に魅力的でした。

序盤こそコメディ的な要素があるものの、後半では身もだえするほどに熱い友愛に包まれる大傑作。これって、シスターフッド映画っていうんでしょう。「女性のバディ映画」女性コンビでもバディはバディだと思うんだけど。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・28    アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

 映画に夢中

 

トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31111363


ペット・セメタリー★★★

2020年03月22日 | アクション映画ーハ行

1989年に映画化されたスティーブン・キングの同名小説を、新たな設定で再映画化したホラー。主人公のルイス役を「猿の惑星:新世紀(ライジペット・セメタリーング)」のジェイソン・クラーク、妻のレイチェル役を「エイリアン コヴェナント」のエイミー・サイメッツ、一家の隣人役を「インターステラー」のジョン・リスゴー、子役のジェテ・ローレンスが娘エリー役をそれぞれ演じる。監督は「セーラ 少女のめざめ」を手がけたケビン・コルシュ&デニス・ウィドマイヤー。

あらすじ:家族ともに田舎に越した医師ルイスの新居の裏には動物の墓地「ペット・セメタリー」があった。ある日、飼い猫が事故で死んでしまったため、ルイスは墓地ではなく、さらに奥深い森に猫を埋葬する。翌日、死んだはずの飼い猫が凶暴に豹変し、ルイス一家の前に姿を現わす。その地は、先住民が語り継ぐ秘密の森だった。誕生日を迎えた娘のエリーが交通事故で亡くなってしまったことから、ルイスはある行動に出るが……。

<感想>この作品は、あまりにも恐ろしく、あまりにも切ないホラーである。キング自ら脚本を書いた「ペット・セメタリー」(1989)は見ていませんが、新たな設定で再映画化している。キングが原体験にインスパイアされた悲しき問題作のホラーが、新たな設定で蘇っている。映画の中では、キングの私的要素が特に強く、違和感を覚える展開の連続だった。主人公一家が住む家は、小さな子供がいるのに、大型トラックがバンバン通る道路の前の家に引っ越すなど。全編にわたって、強引なフリにみえるが、本作では「生と死の狭間の存在」を深化させるために、後半の展開を変えたようだ。

ルイス家が住む新居の裏の森にある、謎めいた動物の墓地”ペット・セメタリー”。さらに奥深くの土地には、「死者が蘇る」と語り継がれている秘密の場所だった。事故で死んだ飼い猫を森の奥に埋めると、再び姿をあらわすが、それは依然のままではなく、毛並みのボロボロで、狂暴で死臭がする。

地を這う霧、十字架の林、動物の仮面の子供たち、夜の窓、恐怖音の演出、そういったものが、こちらの神経を逆なでするのだ。ホラー映画というよりも、もっと昔からある古典的な恐怖映画のような、子供のころに観て、脳裏に住み着いてしまうような怖さがある。

目の前の道路で、息子がトラックに轢かれそうになり、それを助けようと姉のエリーがトラックの前に出る。不慮の交通事故が起き、突然娘のエリーを失ってしまった夫婦。その悲しみに耐えられずに父親はある決断を下すのですね。元気な娘にもう一度会いたいと、強く願う父親のルイスは、死者が蘇る禁じられている土地へと足を運ぶ。

森は、先住民の間に伝わる悪霊“ウェンディゴ”が棲みつく禁断の土地。隣に住む老人のジャドは、父親のルイスを神妙に諭す。「死なせてやれ。時には死のほうがいい」。しかし……禁忌の行動の代償は、想像を絶する惨劇だった。禁慧を犯してしまった家族に、想像を絶する恐怖が降りかかるのです。蘇った娘エリーは、人間ではなく、まるでゾンビのようでもあり、死臭をまき散らし、狂暴となり家族に襲い掛かかってくる。

スティーブン・キングが原作で描こうとしたのは、生理的な恐怖であり、大型トラックの迫力満点ではなく、愛する人を失った悲しみからタブーを犯してしまう人間の究極の恐怖だろう。残念ながらそれは小説以外のメディアでは表現しにくいものなのかもしれませんね。だから、父親の葛藤の欠落、呪われた力で帰ってくる子供のラストなど、原作とは違い、脚色の愛の限界を感じてしまった。

最近のゾンビ映画では、拳銃、こん棒、塔といった男性のメタファーが支配するが、この映画では森の中、沼、家といった女性の性的イメージ群に浸されているようだ。父と娘の絆をより深く描くことで、恐怖を一層増すことに成功しているようですね。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・27    アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31107336


野性の呼び声★★★・8

2020年03月19日 | アクション映画ーヤ行

ジャック・ロンドンの古典的冒険小説を「ヒックとドラゴン」のクリス・サンダース監督が実写映画化。何不自由ない優雅なペット生活から一転、誘拐されて北の大地に送られてしまった大型犬のバックが、過酷な大自然の中で様々な人間たちに利用されていくうち、次第に内なる野性を呼び覚まし、たくましく生き延びていく姿をダイナミックに描き出す。出演はバックと友情を築いていく孤高の男ソーントン役でハリソン・フォード、他にダン・スティーヴンス、カレン・ギラン、オマール・シー。


あらすじ:カリフォルニアにあるミラー判事の豪邸。ここで快適な生活を送っていたのがセント・バーナードとスコットランド牧羊犬の雑種バック。ところが4歳の時、男にさらわれ、ゴールドラッシュに沸くカナダでそり犬として働かされることに。やがてリーダーシップを発揮し、仲間の犬たちとともに郵便を運ぶ仕事に精を出すバックだったが…。

<感想>主演のハリソン・フォードの出世作「スター・ウォーズ」シリーズのハン・ソロや「インディ・ジョーンズ」シリーズのジョーンズ博士など、これまで多くのヒーローを演じてきた名優である。彼の最新作は、地図にない場所を目指す武骨な男と、彼の相棒となった奇跡の名犬が繰りなすアドベンチャー大作。

もともとバックは、カリフォルニア州の判事の飼い犬として穏やかな日常を送っていたが、庭師に誘拐され強制的に犬ぞりを引かせられている。彼はそこで郵便配達員のオマール・シーに買われて、数奇な運命に導かれたバックは、カナダのユーコン準州で犬ぞりの先導犬となる。

また、バックもさることながら、彼の仲間となる犬ぞりチームのワンちゃんたちがとにかく可愛い! ご主人のために頑張る姿に、頬ずりしたくなること間違いなしです!時間との競争である郵便を運ぶ犬ぞりたち。先頭を走る犬はボスであり、食事も寝床も特別扱いで優遇される。そのほかの犬たちは、マイナス15度の厳寒なるユーコン準州で、雪に穴を掘り夜の吹雪を遮って眠るのだ。犬ぞりの先導犬だけが着けられる首輪を装着したバックの顔は、凛として清々しく見える。リーダーとなったバックは、凍てつく雪面に前足を食い込ませ、一気に駆け抜ける。

だから、犬同士の友情も素敵です。最初はバックを認めていなかった犬たちが、先頭犬が、バックを仲間外れにして、それに怒り喧嘩をする。勝ったのはバックである。それからバックをリーダーとして認め、絆を深めていく……そんな様子を見ると、自然と胸が熱くなってくるんです。

この後にソーントンと出会い、やがて2人だけで冒険へと旅立つことになるわけ。ソーントンは息子を失い、絶望から逃れるようにユーコンの地へやってきた。傷を抱える1人と1匹が出会い、友情と絆を育んでいく、というわけだ。雪と氷に閉ざされた地での過酷な旅を続けることになる。

また、ソーントンと星を見上げ肩を寄せ合ったり、叱責されて知らん顔を決め込むなど、表情や仕草が非常に豊かで可愛らしい。フルCGで創出されたからこそ、様々な表情を見せてくれるバック。雪崩に向かって勇猛果敢に突っ込んでいくなど、手に汗握るダイナミックなアクションも、本作の大きな見どころだ。

ある目的を果たすため、誰も見たことのない地上最後の秘境へと旅立つソーントンとバック。ユーコン州での激流下り、雪崩や荒ぶるクマとの闘い、謎めいたオオカミとの遭遇など、容赦なく襲い掛かる大自然の猛威に、彼らは互いを信じる強い心で立ち向かっていく。

それと、ソーントンと出会う前に、金儲けをしようと犬ぞりの先頭犬だったバックを気に入った成金男・貪欲な紳士ダン・スティーブンスが、先に目をつけてバックを買いたいと申し出て、その男とソーントンは話をつけて、やっとの思いでバックを引き取ることなるのだ。

苦しい旅の最後で、川に金色に光る黄金が見つかるのだ。バックにとっては黄金はどうでもいいが、ソーントンにとってはこれからの経済力となる。そこへ、バックを取り合いした男がやってくる。ソーントンに拳銃を発砲して瀕死の重傷を負わすのだ。それに、小屋までも油をかけて燃やしてしまう。バックがその男を、燃える小屋に追い詰めて焼き殺す。だが、ソーントンは瀕死の重傷を負い、死を覚悟していた。バックがその後、その地で白いオオカミと夫婦になり、子供が生まれやっと幸せを掴んだようだった。

主役犬バックの動きは、シルク・ドゥ・ソレイユの元メンバーが生身の体で演じ、それを後からCGに置き換えているというのだ。実写とアニメの線引きを超えたこのハイブリッドな効果が、とにかく絶大。

ソーントンとバックの間に生まれる友情に、グッとくることも必至だが、やはり最後は、息を飲むほどの映像美が素晴らしかった。眼前に広がる雄大な雪山や凍結した川など、実際にそこにあるかのような“実在感”を伴って押し寄せ、観客を物語に深く没入させていくところなど。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・26     アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31102968


バッドボーイズ フォー・ライフ★★★

2020年03月18日 | アクション映画ーハ行

ウィル・スミス&マーティン・ローレンス主演による大ヒットアクション映画「バッドボーイズ」の17年ぶり新作となるシリーズ第3弾。「ギャングスタ」で注目を集め、18年米バラエティ誌による「見るべき10人の監督たち」に選出された新鋭アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーがメガホンをとる。

あらすじ:マイアミ市警の敏腕刑事コンビ、マイク・ローリーとマーカス・バーネット。ブランド物のスーツをスタイリッシュに着こなし、得意のドライビングテクニックでポルシェを飛ばすマイクに対し、マーカスは家族こそが守るべき大切なものと考え、そろそろ引退を考えている。若いエリートたちと組むことになった2人は、自分たちが年寄り扱いされることに我慢できない。そんな中、マイクが何者かに命を狙われ、バッドボーイズ最大にして最後の危機が訪れる。

<感想>だいぶ前に鑑賞したもの。思い出しながら、間違ってる文章があったら、ごめんなさいね。17年ぶりの新作、いきなりマイクが運転する”ポルシェ992”でマイアミの街を大爆走するシーン、景気の良すぎるシーンからスタート。愛車を飛ばすマイク、助手席のマーカスは、ひたすら涙目でオロオロしてるし。そんな2人の17年のブランクを微塵にも感じさせないリアクション。

でもね、相棒のマーティン・ローレンスは、かなりぶよぶよと太って老人に入っている感じ。それでも、まだ若いって感じがするウィル・スミスの筋肉美とびしっと決めたスーツ・スタイルには、今でも現役ですから。

 

それでも、今回も犯罪都市マイアミを舞台に、プレイボーイのマイク(スミス)と家族を大切にするマーカス(ローレンス)の刑事コンビが、型破りな捜査を繰り広げる。

新作ではマイクが何者かに命を狙われ、バッドボーイズに最大の危機が訪れるという物語。人気ラッパーのミーク・ミルの楽曲にのせ、バッドボーイズがマイアミの街をポルシェで疾走する場面。マイクが150キロ以上のスピードで運転をすると、パトカー、バイク、ヘリにボートまでが出動する大騒ぎに。助手席に乗るマーカスと言い争いをするなど、バッドボーイズらしい2人の掛け合いも健在ですよ。

マーカスには初孫が誕生、一方のマイクは、100歳になっても犯罪を追いかけると豪語するのだ。でも、マイクは白髪混じりのヒゲをこっそり染ているのだ。そんな彼が、謎の凄腕ヒットマンに狙撃される事件が勃発する。

マイクが病室で瀕死状態で眠っていると、マーカスが神様にお願いするのです。「もしもマイクの命を助けてくれたら、もう暴力ふるいません」と。その祈りが通じたのか、マイク復活し、マーカスは老人だし、もう暴力は嫌だと神様に誓ったのでソク引退を宣言。その後は、グータラして余生満喫!

しかしそんな彼が、マイクためならばと怒り燃えて、ぶっ飛んで奮起を起こすシーンがある。さすがの相棒、ここぞと言うときには、本シリーズお約束の、本当にマーカスが立ち上がりバッドボーイズを結成するのだ。

でも今回の監督は、「ギャングスタ」などの撮影監督だった、新鋭のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーのコンビである。前2作のマイケル・ベイ監督のアクションの迫力たるや、絶対に負けてはならないのだ。そこは我らのウィル・スミスの、体を張った銃にカーチェイス・アクションなど、いつもの見せ場はファンを裏切らないのだった。

それでも、お約束の見せ場はちゃんとありますよ。2人のコンビが、ハーレイにサイドカー付きで、それもサイドカーに乗せているが三連式の機関銃。武装バイカーズ相手に、繰り広げる「ワイルド7」のようなバイク・チェイスには、ちょっと笑えるしで、いくらなんでもね、これではお笑いコンビで売り出すのか?

それにだ、マイケル・ベイ監督がゲスト出演しているって、何処なの?・・・教えてよ!!

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・25     アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

 

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31101832


Fukushima 50★★★★

2020年03月15日 | アクション映画ーハ行

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、未曾有の事態を防ごうと現場に留まり奮闘し続けた人々の知られざる姿を描いたヒューマンドラマ。現場の最前線で指揮をとる伊崎に佐藤浩市、吉田所長に渡辺謙という日本映画界を代表する2人の俳優を筆頭に、吉岡秀隆、安田成美ら豪華俳優陣が結集。「沈まぬ太陽」「空母いぶき」などの大作を手がけてきた若松節朗監督がメガホンをとった。

あらすじ:2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が起こり、太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波に飲み込まれた福島第一原発は全電源を喪失する。このままでは原子炉の冷却装置が動かず、炉心溶融(メルトダウン)によって想像を絶する被害がもたらされることは明らかで、それを防ごうと、伊崎利夫をはじめとする現場作業員や所長の吉田昌郎らは奔走するが……。

<感想>福島第一原発に残った50人の作業員の真実。東日本大震災で起きた福島第一原発事故で、現場に残って被害を最小限に食い止めようと奮闘した50人の勇敢な行動を描いている実話であります。佐藤浩市を筆頭に、渡辺健・所長を始めとして、吉岡秀隆、安田成美ら豪華キャストが集結し、関係者90人以上への取材をもとに綴られたノンフィクション小説をもとに、「沈まぬ太陽」の若松節朗監督が映画化。

2011年3月11日14時46分、マグニチュード9・0最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が発生。これにより福島第一原子力発電所は、巨大な津波に呑み込まれ、全電源が喪失する。それによって原子炉の冷却が不可能となり、6つある原子炉のうち、3つが爆発を起こすという大事故となった。その結果、大量の放射能が福島県に放出された。

メルトダウンによる想像を絶する被害を懸念した当直長の伊崎(佐藤)ら現場作業員たちは、必死で原子炉の制御に奔走する。だが、所長の吉田(渡辺)も状況を把握できていない東京電力本店や、政府官邸に掛け合いながら現場の指揮を執る。しかし、事態は悪化の一途をたどり、ついには近隣住民の避難へと突き進む。

事故の最前線で何がおこり、どのような対策がとられていたのか、またその時の作業員たちの心情はどんなものだったのか。この映画を観ることで、さまざまなことを知り、感じ、考えるだろう。しかし、その思いはその後の福島、そして現在の福島につながらなくては意味がない。

何故ならば、事故は終わってないし、問題が解決したわけではないのだから。福島第一原発はその後どうなっているのか。廃炉に向けた作業員たちの現実?。これほどの死闘が、あの現場で起こっていたとは。9年という歳月が過ぎて今なお、福島の人々が抱える問題とは何か。余りにも大きな問題ではあるが、絶対に忘れてはいけないことがある。

最前線の作業員たちは、多くが地元で雇用されていて、大部分先輩後輩の仲だったり、旧知のあいだがらだったりするのだ。彼らは、事故対応のマニュアルにさえ書かれていなかった非常事態の中で、原子炉の温度を下げる方法を模索する。

しかし、必死の取り組みにもかかわらず温度は上がり続け、ついには1号機が水素爆発を起こしてしまう。爆発後、中操からも退避が行われ、原子炉の状態を確認するのに必要な最小限の人数だけが残った。そんな危険なところに残った人たちがいるのか?。なぜ、そこに踏みとどまったのか?。

当事者にとってみれば、最初はいろんな思いがあったかもしれないけれど、途中からはそこにいて、できることをしようと、「もう自分たちしかいない」という思いから、自分たちがこの原子力発電所を作ったのだから。そこで働いて、給料をもらい暮らしてきた土地だから。作業員たちは、体中に放射脳を浴びながらも、自己犠牲という、日本人の多くが持っているものが現れたのかもしれませんね。

佐藤が演じた伊崎は、その時、状況をみながら部下たちに指示を出し、必要とあれば緊急対策室にいる吉田所長と電話で話す。自分の判断が人命に直結する大きな意味を持っていることを、十分理解している男である。何をやれるわけではないが、そこにいることが大事なんだと。いろんな思い抱え、逃げ出したいのはみんな一緒だということを。若い作業員たちを帰して、年がいった作業員たちを残すことも。電源落ちた真っ暗な中で、全面マスクをつけ防護服を着て、当時の人たちがそうであったかのように、ライトの明かりでお互いを確認できるという。

政府の対応は、その時の総理大臣の一声で、原子力発電所が廃炉になることを避けたいと、莫大なる被害金額のことしか考えていない。現場に残っていた人たちは、その総理大臣の言葉で冷却をしろ、もうメルトダウンで爆発寸前だというのに、なんという馬鹿のような言葉。

あの時、何が起きたのか。そして、今この瞬間も、事故によって引き起こされた事態を収拾するために働いている人たち、それに強制的に生活を変えられて痛みを抱えている人たちが、たくさんいることを改めて心に刻みたいですね。

結局は、福島全体ではなかったが、原子力発電所のある地域・双葉郡富岡町、他にも帰宅困難区域が、事故から9年過ぎようとしている今でもある。放射能で汚染された土地だから。それでも、その町の桜並木は残り、ラストでは桜が満開で登場する。「絶対に忘れてはいけないこと」と言うメッセージとして伝わっていると、感じました。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・24     アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31097659


ミッドサマー★★★★

2020年03月12日 | アクション映画ーマ行

長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。

あらすじ:不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。

<感想>「一生に一度の体験になるから」と、親友に誘われたら、ついその気になり一緒にはいかないですから。友人が祭りの詳しい内容は教えてくれなかった。どうやら白夜のスウェーデンのある村で、夏至(ミッドサマー)に行われる祝祭らしい。開催ペースは実に90年に1度というから驚いた。これって本当かなぁ。実際は1年に1回というペースで開催されているような。実はアリ・アスター監督の、個人的な経験が基になっているそうです。

1日目:楽園のような村“ホルガ”に到着 祝祭が始まる。フランクフルトを経由しておよそ15時間、ざっと8000キロの旅路を経て、ストックホルム空港に到着した。さらに車で数時間かけ、スウェーデンの中央部ヘルシングランド地方の奥地へと向かった。村は非常に辺鄙なところにあるようだ。

道中では、道行く女性たちに目が留まった。スウェーデン人は皆、美女ばかりだ。なぜだろうと思っていると、友人が「バイキングが世界中から美女をさらってきたからよ」と教えてくれた。男たちはそういうところに興味があるのだ。

ホルガ村に到着した。白い麻のシャツとズボンに身を包んだ白髪の男が、にこやかにこちらに近づいてきた。村の世話役だそうだ。彼の背後には同じような服を身につけた村人たちがぞろぞろと並んでいて、一様に感じの良い笑顔を浮かべていた。彼らは家族のように連帯しながら、静かに生命を育んでいるという。

このホルガ村はクリスチャンの友人で、スウェーデンからの交換留学生ペレの故郷。ここは理想郷といえるほど美しい土地であり、抜けるように青空が広がって、美しい木々と花が咲き乱れる草原。あちこちで色とりどりの花が咲き誇り、白夜の淡い太陽光を受け花びらをほころばせている。奥まった場所には先祖を祀る御神木があり、村の歴史が記された“聖典”を保管する書庫があり、小さな湖があり、そして雄大な山脈を望む形で三角錐の建物がある。

スマホの電波やWi-Fiはつながらないが、スェーデンのホルガ村という自然が好きになった。この辺は何も考えずに、ただ知らない土地に旅行に来て、自然が美しくて、村人たちの歓迎が嬉しくて、ついその気にならざるを得ないのだった。おそろいの白い服を身にまとった住人たちが織り成す白昼夢的な光景が画面を支配する。

しかし、よそ者に対して微笑みを絶やさず優しく接する地元民が、どのように豹変するのかもホラー映画としてのみどころであります。ホラーといえば暗い画面で展開するのが当たり前なのが、ほとんど日が沈まない白夜の地で、どんな恐怖を作り出すのか?・・・不穏さ、不吉さ、邪悪さを匂わせたら右に出るもののいないアスターは、緻密伏線をこれまでのホラー 映画にない斬新な表現で、その期待に見事に応えていた。

特にホルガの一角で行われていた、檻の中にいた熊の使い方には度肝を抜かれてしまった。また、スウェーデンで羽目を外そうと、ボーイズトークに花を咲かせるクリスチャンに対して、友人にペレがかける予言めいた一言にもゾッとさせられた。すべてはこの時から仕組まれていたことなのだ。

また、彼らが宿泊する建物の内部に描かれた壁画や、あるラブストーリーが描かれた布、それに映画の冒頭に映し出された宗教画のような4つのシーンから成る一枚絵からして、プロダクション・デザインも予言的。ダニーたちがホルガで体験することすべてが、それらの絵の中でメッセージとして予兆されていたのだ。

よくよく観察すると、この村にはそんな“伏線を予感させる何か”が、とても多いことに気が付く。それは、白夜なだけに、夜11時にも関わらず昼間みたいに明るい。妙な気分だが、慣れればあまり苦にならない。村や祝祭の内容を口外することは禁じられているのだった。それはこれから行われる奇妙な行事にある。

好奇心のままに、村の様子をスマホで撮影したりメモして回った。檻に閉じ込められた熊がいた。そして書庫には、「ルビーラダー」という持ち出し厳禁の聖典が保管されているらしい。友人のペレに見つかってしまった。やばい。「口外はダメですよ」とやんわり注意されただけで済んだ。そのことを破って、外から来た若者たちが、卒業論文にこのことを書こうと、クリスチャンともう一人の学生が調べ始めるのだ。ダメだと禁じられているのに。

司祭のような女性が祝祭の説明をしているようだが、現地の言葉、スェーデン語のような、よくわからない。太陽の光があたりを儚げに照らし出し、景色は神秘的な美しさを獲得する一方、現実感を喪失していった。

また気になることに、村の1人の女性が、ずっとクリスチャンを見つめている。友人は「あなたに気があるらしいよ」と、いたずらっぽく笑った。そういえば昼間には、「愚か者の皮剥ぎ」「巨人ユミル」という言葉が不意に聞こえてきた。気になることだらけで、「これらは何なのか」と想像をめぐらせるだけでも、胸の高鳴りが止まらない。

幻想的な崖とポールの周囲を踊る女たち。ダニーが女王に選ばれる。それにクリスチャンが、村の女性から惚れられて、三角形の建物の中へ入り、婆さんたちが見ているところで、処女の女とセックスをする。それで、新しい命が生まれるのだ。つまり、村人たちだけで結婚をすると、近親相姦のようになり奇形が生まれるので、新しい血を求めてこの村へと若者たちを呼び寄せる儀式だったのだ。

クリスチャンは、そのあとは用済みの身となり、殺されてしまう。その殺し方もグロかった。とにかく、老人たちも、自然に死を迎えるのではなく、崖の上から飛び降りて、顔面を叩きつける。この辺がもっともえげつなくグロイシーンが多い。そして、火葬してから、墓らしきものはないので、きっと田畑や、原っぱに撒いてしまうのだろう。

 ミッドサマーという共同体では、より大きな家族が描かれる。血の繋がりはなくとも、文字通りすべてを分かち合うことで、個と個の境界線が消滅し、お互いを縛りあい、共感能力を超えた同調圧力により感情すらも一体化する様子に戦慄する。ガンジガラメに五体を締め付けられ、ここから一生出られないように仕組まれているようだった。

うすうす感じてはいたが、この祝祭には、正直いいようのない恐れと不安、まるで体全体に黒いもやがまとわりつき、やがては体全体を包み、すべてを奪い去っていくような、そんな恐怖を感じた。ですが、ダニーにとっては新しい家族ができて、住み心地のいいところとなることでしょう。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・23 アクション・アドベンチャーランキング

 

  映画に夢中

 

トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31093569


グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~★★★

2020年03月08日 | アクション映画ーカ行

太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」をケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点を交えたスクリューボールコメディとして「グッドバイ」のタイトルで戯曲化、演出した舞台を大泉洋、小池栄子主演で映画化。大泉洋が田島役を、小池が舞台版でも演じたキヌ子役をそれぞれ演じるほか、水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、濱田岳、松重豊らが顔をそろえる。監督は「八日目の蝉」「ソロモンの偽証」の成島出。

あらすじ:戦後の復興期、文芸雑誌の編集長・田島周二は何人もの愛人を抱えていた。さすがにこのままではまずいと思った田島は彼女たちと別れる決心を固めるが、愛人たちを前にすると優柔不断な性格が災いし、別れを切り出すことが出来ずにいた。困り果てた田島は、ガサツで金に金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に女房を演じてくれと頼み込む。しかし、泥だらけの顔を洗ったキヌ子は誰もが振り返る美しい女性だった。

<感想>2015年に文豪・太宰治の未完の遺作を脚色したケラリーノ・サンドロヴィッチが、「グッドバイ」を舞台化した恋愛群像劇を、成島出監督で映画化。中でも主人公の大泉洋演じる田島よりも、”マイ・フェア・レディ”的な偽女房で、本領発揮を出している小池栄子の素晴らしさに脱帽。着飾るより、泥まみれで働く大食い、怪力の闇市かつぎ屋女のズタボロ衣装がたまりません。彼女がせりふを”だみ声でしゃべるのには、さすがによく考えたものだと。

戦後の混乱から復興へ向かう昭和の日本を舞台に、水と油のような男女が繰り広げる恋愛狂騒劇。情けないのに、なぜかモテる文芸誌の編集長田島。10人以上もの愛人を持ち、バラ色人生を謳歌していた田島編集長が、そろそろ疎開先の青森から妻と子供を呼び寄せようと決心するのだが。

その愛人たちと別れ話をつけるのには、の至難の業だ。一計を案じた彼は、闇市で稼ぐ貧乏な担ぎ屋のキヌ子に「ニセの妻を演じてくれ」と、始めはイエスと言わずに断るキヌ子が、田島を投げ飛ばし2階の部屋から落とされるのだ。よくも大怪我をしないで生きていて良かった。そして、お金に弱い彼女を、大金で雇いニセの妻役を依頼する。

それが、風呂に入り化粧をすると、キヌ子はもの凄い美人に早変わり、田島の仕事場へ美しく着飾ったキヌ子を見た、社員の浜田岳が一目惚れしてしまう。ところが宝くじに大当たりして一攫千金。成金となった彼は、真っ白いスーツに金歯をキラキラさせながらキヌ子に近づいていく。

舞台版でも同じヒロインのキヌ子を演じた小池栄子は、人生の伴侶はお金といいながらも、恋愛には奥手でウブな一面もみせる。今回では、愛嬌たっぷりで余裕すらあり、貫禄もあった。

一人目の愛人・花屋の戦争未亡人の緒川たまきのところへ行く。美人の妻を連れた田島に、手切れ金を掴まされて別れ話を切り出され、そのまま「グッドバイ」。二番目の愛人・押し絵画家の橋本愛の部屋に行くも、大男で共謀な兄貴がいて上手く話しがつかないのだ。

それに田島は、胃痙攣という持病があり、3番目の愛人でもある内科医・水川あさみのところへ行く。それが、田島はキヌ子ともいい感じになり、まぬけなことで半殺しの目に遭い大騒動になってしまう。

青森の妻・静江のところには、朋友で文士・漆山連行の松重豊を差し向けるも、妻と松重がいい関係になってしまい、田島と離婚すると言い出すのである。大きな屋敷もある小説家の漆山・松重に、娘も懐いてしまい、妻の木村多江も浮気な夫の田島よりも、経済的にも安定するし、夫のように愛人にうつつをぬかすということはない。だから静江も、すっかり漆山との結婚することに、本気になっているのだ。

昭和モダンの洒落っ気をまとい、一目で役の個性がわかる衣装は、ほとんど衣装デザイナー・宮本茉莉によるオリジナル&ハンドメイド。小池栄子の美しさにぞっこんな、成島監督の思いを受け、キヌ子の衣装は8着を用意。グラマーな小池のスタイルを活かしたデザインやヴィンテージアクセサリーにも凝っていて素敵すぎるのだ。

大泉洋演じる田島という男は、ほぼ太宰治の人生でした。たくさんいる愛人と付き合い、八方ふさがりになる男の顛末をユーモラスに描いたもの。かれのコメディセンスの演技で、面白おかしく描かれていて、田島にとっては悲劇だけれど、端からみたら喜劇だという。しかしながら、映画のコメディすぎるドタバタ劇に、少しうんざりしながらもそれなりに成し遂げていた感じでした。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・22 アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31092078


 


ジュディ 虹の彼方に★★★★

2020年03月08日 | アクション映画ーナ行

「オズの魔法使」で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行ったロンドン公演の日々を鮮烈に描いた伝記ドラマ。「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのレニー・ゼルウィガーが、ジュディの奔放で愛すべき女性像と、その圧倒的なカリスマ性で人々を惹きつける姿を見事に演じきり、第92回アカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞など数多くの映画賞で主演女優賞を受賞した。

あらすじ:1968年。かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディは、度重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが途絶え、巡業ショーで生計を立てる日々を送っていた。住む家もなく借金も膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸せな生活のため、起死回生をかけてロンドン公演へと旅立つ。共演に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のフィン・ウィットロック、テレビドラマ「チェルノブイリ」のジェシー・バックリー、「ハリー・ポッター」シリーズのマイケル・ガンボン。「トゥルー・ストーリー」のルパート・グールド監督がメガホンをとった。

<感想>ハリウッドの黄金期に「オズの魔法使い」でドロシーを演じ、一躍スターの座へ駆けあがった女優、ジュディ・ガーランド。スクリーンの歌姫として華々しく活躍していた彼女の姿ではなく、苦悩と向き合った晩年にスポットライトを当てた作品であります。

30年後、映画出演のオファーもなくなったジュディは、まだ幼い二人の子供を連れて、巡業のステージの上に立っていた。薬物やアルコールの依存、5回の結婚に奔放な性生活、ドタキャン連発で仕事を干されなど、ハリウッド黄金期最強のお騒がせな女優であり、同時代のゲイも彼女に熱狂していたそうだ。

劇中でも「当然よ」と、いう顔で、ジュディの大ファンのゲイカップルが出てくるのだ。ジュディがホテル代も無くなり、子供たちをもと亭主のもとへ預けることに。その夜は行き場がなくなった時に助けてくれたゲイカップル。その家に行き、そこで「Get Happy」を歌うシーンは、ゲイの苦難の歴史とジュディの孤独が交差する切ないシーンなのだが、あの二人だってジュディの暴走には狂喜していたに違いない。結局見た目は観客に決定的な印象を与えてしまう。そしてジュディが語るならば、彼女の演じた大半の役が不美人の立ち位置だったと言わざるを得ない。

晩年の物語が挿入されるのは、10代のころにスタジオ側から薬によって睡眠も体重も管理されていた。過去の壮絶なエピソード。孤独な時間を積み重ねて不安定な精神を持て余すことになった、伝説のミュージカル女優ジュディを、しばらくスクリーンから遠ざかっていたレネー・ゼルウィガーが、ジュディをやるなんて絶対に見逃せないと思っていただけに、それがアカデミー主演女優賞まで獲得するとは、なんて嬉しい運に見放されていなかったと、喜んでいる私。美容整形とか、うつ病とか噂があったが、これで彼女もまた第一戦で活躍してくれるでしょう。

レネーはドレスの着こなしが抜群によく、才能豊かな女優だが、「コールドマウンテン」で、アカデミー助演女優賞を獲得して、その後は、「ブリジット・ジョーンズの日記」第3作目(16)で体重増やしたり、減らしたりと女優魂を見せつけた高級テクニックはポイント高い。そういったレネーの有様を「コメディセンス」と言い切った本作の制作陣は偉い。ちなみに本作は、コメディではありませんから。

とはいえ、今回レネーの才能にまた驚かされた。色恋に長けた中年女性の余裕が感じられるなんて初めてではないか。また、スタッフたちとケーキを食べるシーンや、医者に生活習慣をたしなめられシーン、不眠症の描写からは、ジュディの苦しみが伝わってきて、元亭主との子供の親権争にも、自分一人では家すら買えないので、つい男に頼ってしまう弱い女の性がみえてくる。

上の写真が元夫で子供を預けている。それでも、つい寂しくなると優しくしてくれる男、ミッキーと恋仲になりまたもや結婚をしてしまうのだ。若い年下の男との結婚は、ジュディを金儲けでしかみていない、そうずるい男に惹かれてしまうのだ。

それでも話題の歌唱シーンでは、まるで歌に憑依されるように演じたことで、歌えない痛みもひきたったかのように思う。正式なリハーサルの1年前から歌のトレーニングを始め、ステージの上でのパフォーマンスや、話し声もマスターして、キャリアが低迷していたレネーにとっても、久々に演技力を発揮できる役との出会いとなり、華を咲かせたと思う。

とにかく、ラストでは魂を込めた歌声に心を揺さぶられた。まるでジュディが憑依したかのような歌い方に感動してしまった。今後の作品に期待したい。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・21 アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 

 

  トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31087984


嘘八百 京町ロワイヤル★★★

2020年03月05日 | アクション映画ーア行

幻のお宝をめぐり、中井貴一と佐々木蔵之介扮する古物商と陶芸家がだまし合いの大騒動を繰り広げるコメディのシリーズ第2作。古物商の則夫役を中井、陶芸家の佐輔役を佐々木がそれぞれ演じ、志野役で新たに広末涼子が参加。友近、森川葵ら前作からのキャスト陣に加え、加藤雅也、竜雷太、山田裕貴らも新キャストとして顔をそろえる。監督の武正晴、脚本の足立紳と「百円の恋」コンビが前作から続投。

あらすじ:大阪・堺で幻の利休の茶器をめぐって大勝負を仕掛けた古物商の則夫と陶芸家の佐輔が、ひょんなことから京都で再会を果たす。そこで出会った着物美人の志野にほだされた2人は、利休の茶の湯を継承し、天下一と称された武将茶人・古田織部の幻の茶器にまつわる人助けに乗り出すが……。

<感想>「あるかもしれない」と思わせる古田織部の幻の茶碗”はたかけ”を主役にしたことで、破綻しがちなコンゲームが自由かつ無理なく展開していく物語。その”はたかけ”に振り回される人々の人間模様も、鮮やかに浮き上がっていく。特筆すべきは、あの相変わらず冴えない人生を送っている、古物商の小池則夫と陶芸家の野田佐輔。古物商の則夫役を中井貴一、陶芸家の佐輔役を佐々木蔵之介がそれぞれ演じ、志野役で新たに広末涼子が参加している。

本作では、幻の茶器「はたかけ」を騙し取られたという女性・橘志野が則夫の店を訪ねてくる。 彼女のけなげな想いにほだされ、2人は助けに乗り出すことに…。 則夫は陶芸家の佐輔にその贋作を作らせるのだが、それがネットオークションに出品されていることを知り、橘志野を調査することになる。するとこれには、有名古美術店の主人加藤雅也による贋作ビジネスが絡んでいた。お宝コメディ第2弾。

主人公の骨董コンビ。中井貴一と佐々木蔵之介の垢抜けない、やぼったい感じが邦画の喜劇に似合い、親近感がわく。1作目の成功を受けてか、広末涼子を筆頭に新顔の俳優陣も多彩に。主役2人と広末の恋のさや当てで娯楽色が増していた。居酒屋「土竜」に集う贋作師3人組(坂田利夫、木下ほうか、宇野祥平)が今回もいい味を添えて熟練の芸を見せている。

今作では最初から贋作感がいっぱい。広末涼子の和服が似合う美人に騙される男二人。一転して、広末涼子がクラブのホステスを演じているところでは、真っ赤なドレス姿が凄く似合ってました。まぁ、男を騙すのには美人の和服姿も詐欺師っぽい演技の一つだと言われれば、その通りに決まっている。

普通なら手間暇がかかるだけで儲からない依頼は受けないが、はんなりとした京美人となれば話は別。そろいもそろって、美女に弱い骨董コンビが、またまた一発逆転を賭けて悪徳古美術商に挑みます。成功しないのは、人を騙すのが上手いとは思えない国民性によるものか。コンゲームものの要諦は、客を騙すことにあるが、この映画では騙し切れていない。何よりもアイテムが、庶民には馴染みの薄い幻の茶器では、興味がもてないのだ。

危なげない娯楽作品ではあるが、ただし見終わってみると、謎の女にするあまり広末の橘志野なる正体が最後には不明になっていた。国家ぐるみの悪だくみがあれでは、暴かれないままなのではないかと。腑に落ちない点も多々あるが、少なくともTVの生中継だけは本物だったとすべきで、今作では、TV局や国の機関まで巻き込む、大掛かりな勝負にでるのもよかったです。そんな中で、出番は少なかったものの古物商の小池則夫と陶芸家の野田佐輔をだますのには 野田佐輔の息子がメイクアップ・アーティストになっていたところに、映画愛を感じることができます。


2020年劇場公開、鑑賞作品・・・20アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

映画に夢中

 

  トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31085110


スキャンダル★★★・5

2020年03月04日 | アクション映画ーサ行

アメリカの保守系メディアを代表するニュース専門放送局“FOXニュース”で起きたセクシャルハラスメント事件の全貌をシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの豪華共演で映画化した実録ドラマ。全米に絶大な影響力を持つFOXニュースのCEOにしてアメリカTV界の帝王と恐れられるロジャー・エイルズの知られざる実像と、彼に対峙する女性たちの葛藤の行方をスリリングに描き出す。ロジャー・エイルズ役にジョン・リスゴー。監督は「ミート・ザ・ペアレンツ」「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のジェイ・ローチ。また、アカデミー賞にも輝いたカズ・ヒロ(辻一弘)による驚異のメイクアップ技術も話題に。

あらすじ:2016年、FOXニュースのベテラン女性キャスター、グレッチェン・カールソンは、人気番組の担当を降ろされたのを機に、長年セクハラを繰り返してきたロジャー・エイルズCEOを訴える準備を進める。一方、看板キャスターのメーガン・ケリーは、女性蔑視が目に余るドナルド・トランプ大統領候補への対決姿勢を鮮明にしていく。そんな中、メインキャスターの座を狙う野心あふれる若手ケイラ・ポスピシルは、ついにロジャーとの面接のチャンスを得るが・・・。

<感想>女性主人公の実話映画。シャーリーズ・セロンにニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーという美人女優のそろい踏みが目を引く映画です。最初に舞台となるのは、FOXニュースのTV局をもちあげたのは、メディア女王として名高いルパード・マードック。共和党支持者のロジャー・エイルズをCEOに据えて、徹底的な共和党偏向報道で有名になったのだけれど、なぜかトランプが大統領候補になった時には、彼を攻撃していたという。

だから、映画の冒頭では、メーガンVSトランプの対立が描かれている。TV局の内幕がここまでリアルに描かれていて、しかもほとんどの人が実名で登場しているのだ。こういう作品を作って、しかも娯楽作品として成立させてしまうのは、ハリウッドの底力を感じますね。

ちなみに、マーゴットが演じたケイラは、架空の人物で二人の女性の体験を組み合わせているんだとか。ところで、最初にシャーリーズが画面に登場したときには、「あれ、顔が違うような」と思ってしまった。それもそのはず、あれは特殊メイクだから。本物のメーガンに近づけるために細かく作りこんでいるというのだ。メイクを担当したのは、オスカー受賞したカズ・ヒロ(アメリカ国籍を取得したため、辻一弘から改名した)二度目の受賞です。

それに、でっぷりと太ったロジャーを演じたジョン・リスゴーも凄かったですね。まさに名人芸でした。

この映画の脚本は、例の#MeToo運動が起こる前に書かれたそうで、それを読んだシャーリーズ・セロンが制作と主演をかって出たもの。彼女は全米で初めて勝訴したセクハラ訴訟を扱った「スタンドアップ」(05)に出演したこともあるから、こうした問題に対する意識が高いのですね。

セクハラやパワハラがまかり通っている社内で、独裁者のような人物が中核にいたら、と考えるとゾッとしますよね。クビを覚悟に声を上げた女性たちの勇気に、本当に感動しました。

みなさんニュースキャスターなので、そても細身でボディラインの出るスーツやワンピースを着こなして、ファッションも素敵でした。脚本を書いたのは「マネー・ショート華麗なる大逆転」(15)などのチャールズ・ランドルフ。登場人物に心の声を語らせたり、新キャラが出てくるたびに、テロップが出るなどトリッキーな感じは相変わらずでした。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・19  アクション・アドベンチャーランキング

 

 

 

映画に夢中

 

  トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31083686


ハスラーズ ★★・5

2020年03月04日 | アクション映画ーハ行

「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウーと「ザ・セル」のジェニファー・ロペスが実在のストリッパーたちを演じ、リーマンショック後のニューヨークで起きた驚きの実話を映画化した社会派犯罪ドラマ。景気悪化のあおりを受けたストリップクラブで働く4人のダンサーたちが、そもそも原因を作っておきながら今ものうのうと暮らすウォール街の男たちに仕返しをしようと企てた大胆な犯罪計画の行方を描く。共演はジュリア・スタイルズ、キキ・パーマー、リリ・ラインハート、リゾ、カーディ・B。監督は「エンド・オブ・ザ・ワールド」のローリーン・スカファリア。
あらすじ:
祖母に育てられたデスティニーは、年老いた祖母を養うため、ストリップクラブの門を叩く。やがてトップダンサーとして活躍するラモーナと出会い、彼女からストリッパーのイロハを学び、2人は姉妹のような強い絆で結ばれていく。ラモーナのおかげで稼げるようになり、ようやく生活も安定したデスティニーだったが、そこへリーマンショックによる大不況が押し寄せる。ダンサーたちはそれぞれに事情を抱え、コツコツと真面目に働いてきたにもかかわらず、自分たちとは無関係な理由で追い詰められることに。しかも、その張本人であるウォール街の金融マンたちは、誰も責任を取らずにいまだ裕福な暮らしを続けていた。これに納得のいかないラモーナとデスティニーは、他のダンサー仲間とともに、ウォール街の男たちから大金を巻き上げる計画を企てるのだったが…。

<感想>好景気の中で稼いでたストリッパーたちが、リーマン・ショック以降の不況のために苦境に陥り、数年後には人気も若い娘たちにとられ、どん底の生活になる。やがて、ウォール街の裕福な男たちから大金を巻き上げる計画を実行した実話を映画化したもの。

とは言っても、その手口が、バーで男を引っかけて、MDMなどを酒に混ぜて飲ませて酩酊状態にして、暗証番号を聞き出し、クレジットカードで大金を引き出すという、ぼったくりバーそのもののやり方だからね。はっきり言ってえげつない犯罪行為なんだけれど、映画を観ていて彼女たちを憎む気にはならなかった。それはあまりにも男どもがバカばっかりだから。

男社会の倫理で生きてきて、女は金を出せば寄ってくると思っているしね、しかもウォール街の連中は、経済危機を自分たちが招いているのに、多くの人が家や仕事を失ったにもかかわらず、変わらず優雅な生活をしているんだから、ひどい目に遭っても当然のことだと思ってしまう。

実際に被害に遭っても、奥さんや会社の手前、被害届を出して名前を知られるのを恐れて、黙っていた人たちも結構いたみたいだし。コンスタン扮するデスティニーの視点で描かれているから、ジェニファー・ロペスは、時にはアンチヒーロー的な役割も果たす複雑な存在。単なる犯罪映画じゃなくて女性同士の友情を描いた作品にもなっている。それに、ジェニファーの筋肉美というか、素晴らしいボディでポールダンスを踊るのには、さすが演技者と思った。

全編にわたって流れるダンスミュージックや、女性たちのファッションがとてもおしゃれでいい。でも、女性って男性がお金をもっているかを、靴を見て品定めしているのに驚いたね。これからは、私も男を見るときは、よくよく靴を見てからにしょうっと。

 

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・18  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

   トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31082237



ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密★★★・5

2020年03月01日 | アクション映画ーナ行

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督がアガサ・クリスティに捧げたミステリー。ジェームズ・ボンド役で知られるダニエル・クレイグ扮する南部訛りの名探偵が、ワケあり家族相手に名推理を繰り広げる。

一家イチのロクデナシを演じる「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンスを始め、一家の長を演じるクリストファー・ブラマーを始めとし、右から左まで演技はだらけ。抜群のセンスとトリックで観客の裏の裏までをかく展開に興奮必死!

あらすじ:85歳の作家ハーラン(プラマー)が遺体で発見された。事件から1週間後、匿名の人物から依頼を受けたブラン(クレイグ)は、作家の屋敷を訪ねる。

<感想>謎が謎をよぶ事件。全ては誕生日の夜に始まった。85歳の誕生日パーティを開いた翌日、家政婦がハーランの遺体を発見する。彼の専属看護師を務めていたマルタ(デ・アルマス)は、誰にも言えないある秘密を抱えていた。次々と暴かれる家族の問題。亡くなった家長を悲しむ家族だが、その腹の内は別もの。

事件から一週間後、匿名の依頼を受けて屋敷に現れた名探偵ブランは、一族を招集する。当日屋敷にいたのは、ハーランの長女夫妻とその厄介者の息子であるランサム。次男夫婦とその息子のジェーコブ、ハーランの亡き長男の妻とその娘。ハーランの年老いた母親。それにハーランの専属看護師のマルタの10人。

莫大な遺産の行方を気にする全員に、殺人の容疑がかけられる。複雑な過去と隠れた動機__嘘をついているのは誰なのか?・・・。

ハーランの跡を継ぎ出版社を経営するウォルトは遺産、長男の嫁ジョニは義父からもらっていた娘の学費の心配を始める。全員が容疑者となった家族に聞き込みを開始して、抜群のトーク術で真相に近づいていく探偵のブラン。

しかし、あらゆる計算と誤算が入り込み乱れて、事態は思いもよらぬ方向へと転がっていく。一寸先も読めない巧妙なストーリーテリングと豪華キャストで贈る、ネタバレ厳禁の新たな謎解き映画が登場。

揃いも揃ったクセ者家族が、名探偵をほんろうする。ハーランの長女には、ジェミー・リー・カーティスが扮しており、次男のマイケル・シャノンに長男の妻にはトニ・コレット。次男は、父親の跡を継いで、出版社を経営している。出版社は自分のものだと、当然思い込んでいる。

そして、ドン・ジョンソン。長男の娘を、ドラマ「13の理由」のハンナ・ベイカー役でブレイクをしたキャサリン・ラングフォードが演じている。

素晴らしい脚本、監督、演技、演出と、何も言うことはない。死人に口なし文豪のハーラン・スロンビー。「まるでパパの書いた物語の中にいるみたい」という娘。そうなのだ。これはハーランの書いた小説そのものが、家族にふりかかり、駒のごとく動かされる。

劇中メタ小説は、私たちには読書不可能なのだ。それは劇中の世界を完全に予言し支配する。ということは、スロンビー家の人々の人生そのものが、ハーランの壮大な遺作なのだから。

後半部分での遺言状下りも分かりきっているから、探偵のダニエル・クレイグだって、もっとエキセントリックに造形できたはずなのに。変な訛りがあるだけで、名探偵という設定じたいが魅力に乏しいのだ。

この映画の主人公は名探偵のブランではなくて、ハーランの専属看護師のマルタですからね。容疑をかけられる無実の主人公が追いつめられるのだ。ハーランの遺産にたかっていた子供たちが、遺産相続でやきもきする中で、ハーランの死にかかわってしまった看護師のマルタが、一人苦悩する。彼女は善良であるがゆえに、次々ととんでもない計画や謀略に巻き込まれてしまい、おまけに彼女は嘘をつくとゲロを吐いてしまうという、特殊体質の持ち主でもある。だから、探偵の鋭い質問から逃げ回る。

弁護士が、遺産相続の書状を読み上げると、家族たちは莫大なる財産のなかから、自分たちがもらえる金の算段をする。それが、ハーランが唯一信じていた看護師のマルタに全財産を上げるというのだから、マルタの身が危ないことになる。家族たちの冷たい目線と財産分与の争奪戦の、嫌な感じが最後まで残り、マルタが気の毒になってしまう。マルタの母親は移民であり、そのことで彼女をいじめて「もらった財産を放棄せよ」と、全員でよってたかって虐めるのだ。結局はマルタが相続することになるのだが、そうは簡単にはことが運ばないということになる。

2020年劇場公開、鑑賞作品・・・17  アクション・アドベンチャーランキング

 

映画に夢中

 

  トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

 トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/31080772