パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

愛犬コロンの膝蓋骨脱臼症候群、手術経過と退院後、・・・。

2016年03月31日 | 愛犬コロンの日記
早いもので3月も今日でお終いですね。家の江戸彼岸サクラが満開です。

家のワンコ、コロンの後ろ脚、脱臼間接の手術の経過も良く、2週間入院の後に退院しました。


家に帰ると、入院中は慣れないせいか食べものを受け付けず体重が2,2㎏に減ってしまい心配してました。
それも、家に帰ると久しぶりの我が家ということで、匂いをクンクンと嗅ぎ回り、食欲も旺盛で1日3食を食べきるという、嬉しい悲鳴です。

余り食べ過ぎないようにと、茹でたキャベツをみじん切りにして食事に混ぜて工夫してます。
少し歩くのに、片足を上げたまま歩くようで、どうしても4本脚歩行が困難なようです。


やっと、3月16日に抜糸ができ、歩くのに楽なようですが、どうしても傷跡を舐めるのでエリザベスカラーをしてます。
手術から1ケ月後の3月24日には、首のカラーも外して自由に歩けるようになりました。気のせいか、手術をした右後ろ脚の方が短くなった気がするのですが、先生は、そういうことはないと。
それが、右足がつま先で歩いてたようなのが、やっとバランスがとれるような歩きかたをするようになり安心。
後は、4月後半に向けて、左足の手術が控えているので、夏までは後ろ脚が完全に治るようにと願っております。

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黒崎くんの言いなりになんてならない ★★

2016年03月30日 | アクション映画ーカ行
マキノの人気少女コミックスをSexy Zoneの中島健人主演で実写映画化した青春ラブ・ストーリー。悪魔級ドS男子と女子の憧れの美少年との間で揺れるヒロインの恋の行方を描く。共演は小松菜奈、千葉雄大。監督は「この世で俺/僕だけ」の月川翔。
あらすじ:高校2年生の赤羽由宇は地味で冴えない自分を変えるため、“転校デビュー”を夢みて寮のある春美高校に転校する。ところが春美寮への入寮の日、副寮長で“黒悪魔”と恐れられる悪魔級ドS男子・黒崎晴人と最悪の出会いをしてしまい、“絶対服従”を言い渡されてしまう。以来、黒崎くんの無理難題に振り回されっぱなしの由宇。そんな中、寮長で“白王子”と呼ばれる女子生徒の憧れの的・白河タクミが優しく接してくれるようになる。積極的なタクミくんに戸惑い、黒崎くんのドSな命令に反発しながらもなぜか拒絶できず、心揺れ動く由宇だったが…。

<感想>黒悪魔ことドSの黒崎晴人を演じた中島健人と、優しい白王子こと白河タクミに扮した千葉雄大、そんな2人の間で揺れ動くドMのヒロイン、赤羽由宇をコミカルに体現した小松菜奈ちゃん。
「壁ドン」に「顎クイ」をも超える「耳噛み」「首吸い」、これにはまいった。高校生って意外と大人なんだね。キスマーク付けられた由宇が、怒りもせずに頬を赤らめてうっとりするなんて。

さらには「混浴プレイ」これは女の同級生が意地悪して、男風呂に由宇を入れたんだけれど、よくよく考えればあり得ないことなので、この女ってちょっとバカなの?・・・と思ってしまう。でも、お風呂でノボセテしまいダウン。そこを黒崎がお姫様だっこして部屋まで由宇を運ぶのだ。それを見た意地悪同級生たちは、赤っ恥をかくはずだった由宇が、黒崎にお姫様だっこされるなんてと悔しがる。
定番の少女マンガ原作ものだから、「お前は俺の奴隷だ」、「お前は俺の女だ」は、ちょっと言い過ぎで私には嫌なヤツと思った。それにしても、由宇ちゃんは黒崎の言いなりで、奴隷となって食堂や風呂掃除、トイレ掃除と校庭の庭掃除までするんだから。やっぱり、好きなんだ。
それに、出会いがしらに無意味にキスされてもね、ええ~っって絶叫して結局喜ぶヒロインだから、この女にはこれくらい不作法な男でもいいんだよね。
だから、ドSの黒崎晴人の過剰なまでの“エロキュン”が多いのなんの。女の子がちょっとイケメンの男の子にこんなことされたら、スキになっちゃうよね。態度では怒っていても、心ではもう黒崎晴人の虜になっているんだもの。黒崎くんのいいところは、独りでピアノを弾いているところとか、ピアノを弾けない由宇が黒崎の触った鍵盤をなぞるように弾いていると、後ろから来て手を添えて弾いてくれるところなんて優しいんだろう。

そこに、友だちの芽衣子が黒崎くんのこと大好きだと告白される。自分も少しずつ黒崎くんのことを好きになって来ているのに、自分が引いて芽衣子に譲るのか、どうかがね、迷ってしまう由宇ちゃん。

それに対して、おとなしい白王子こと白河タクミに扮した千葉雄大の、由宇に負け自と自分をアピールする態度も素敵です。観覧車に二人でのり、上まで行ってキスをすると恋愛成就するって、本当なのか。その観覧車も黒崎と芽衣子の二人をくっ付けようとしたのに,何故か自分が黒崎と観覧車に乗るハメになり、頂上でキスしちゃうなんて、・・・。

黒崎と白河が幼馴染で、昔の2人の思い出が描かれ、黒崎は本当は由宇のことが大好きになったのに、白河に譲ってしまうことって、ありなのね。病的までに偉そうな男子の黒悪魔とやらも、一向に理解できぬままに本編終了。

一人一人の人物の背景や魅力を一切描かずに、ただただエロキュン場面を羅列するのだ。これは、果たして映画なのだろうか?・・・オバサンには悩んでしまう。
自分の娘がこんなしょうもない男どもと付き合っていたら、もう張り倒したいですからね。ですが、このマンガ映画はB級映画、恋愛ごっこ遊びをして楽しんでいる。これ以上身体の関係なんて進んだら、即、妊娠で慌てるし悩むだろうね。この映画は、恋愛のお手本にはならないよ。
それに、省エネ映画になっていて、同じショットを使いまわして、上手いこと考えたもんだわ。もとが他愛のない話を工夫して、他愛のあるようにするのが映画屋じゃなかったの。
しかし、マンガのヒロインと黒崎と白河の3人が、キャスティングにピッタリと合っていたのでそれは良かったと思った。
それにしても春休みということで、女子高生に男子高生の多いこと。カップルは少ないし、こういう映画を観て恋愛のテクニックを学んでいくのかなぁ~。
そこに混ざって観ているオバサンは、初恋や、女子校時代のことを思いだし懐かしかった~です。
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生★★★★

2016年03月29日 | アクション映画ーハ行
世界的人気を誇るスーパーヒーロー、スーパーマンとバットマンが互いに全力を尽くしてバトルに挑む姿を描くアクション大作。英雄から一転、悪に傾倒したスーパーマン相手に激しい戦いを繰り広げる人類の最後の希望バットマンとの最終対決を映し出す。二大ヒーローを熱演するのは、『マン・オブ・スティール』に続きヘンリー・カヴィルと『アルゴ』などのベン・アフレック。人知を超えた能力を持つ男たちの死闘の行方も見どころ。
あらすじ:バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり……。

<感想>正義(ジャスティス)の意味を問うヒーロー同士の世紀の対決が始まる!物語は、「マン・オブ・スティール」でのスーパーマンとゾッド将軍(マイケル・シャノン)の死闘の18カ月後からスタートする。その空中戦を地上から目撃していたブルース=バットマンは、心に傷を抱えたまま犯罪者を追い続け、ゴッサム市警との関係は悪化している。一方、スーパーマンは、そのパワーゆえに、彼は救世主か?、それとも最大の脅威か、という疑念を人間社会から突きつけられることになる。

ザック・スナイダー監督自らがこうもりと“S”を合わせたエンブレムを発表し、その瞬間から世界中の関心と期待を集めてきた超大作。正義と正義が戦う構図は、単純な勧善懲悪ものを越えたドラマと、桁外れのアクションをもたらすのであります。

スーパーマンの戦いによる損害はあまりにも大きく、たとえその目的が正義のためであろうとも、彼がひとたび戦いを繰り広げれば、ビルや建物が崩れ落ち、爆発が巻き起こる破壊行為が引き起こされる。その規模は戦場での空爆に匹敵するか、それ以上のものになる。宇宙人として人類から疎まれる存在となってしまう。それが政治問題に発展し、批判のほこさきがフィンチ議員(ホリー・ハンター)で、スーパーマンを「偽の神」だと吊し上げる。
そのフィンチ議員に取り入りスーパーマン脅威論をあおるレックス。ジェシー・アイゼンバーグ扮するレックスが、スーパーマンを弱体化させるクリプトナイト(クリプトン星の緑の石)を手に入れ、ゾッド将軍の死体から最大の敵キャラ怪物“ドゥームズデイ”を作り、地球支配を狙う。

そこで立ち上がるのが、かつては闇のヒーローだったバットマン。ベン・アフレックの新バットマンとしての演技にも期待が高まる。スーパーマンの破壊行為を目のあたりにし、ブルースは精神的にダメージを受け、怒りが収まらない彼は、世論にも押されて直接対決を決意する。
日夜、肉体も鍛え直し、高性能の武器も開発。そして、執事のアルフレッドとしてジェレミー・アイアンズが、バットマンの武器やバットモービルなどを整備し蔭で支える。

さらには、両雄の戦いに絡むのが、ワンダーウーマンことダイアナ・プリンス(ガドット)だ。このアマゾン族の女戦士は、どうやら世界平和のために歴史の影で活躍してきたらしいが、詳細は不明。2人の戦いが世界を乱すと判断し彼らを止めるか、もしくは排除しようとする。お馴染みの盾を駆使した戦いっぷりは両雄にも負けない迫力ですから。

ついに2大ヒーローが大激突する。バットモービルが突っ込んできてもビクともしないスーパーマン。スーパーマンのパンチに両者が吹っ飛ぶが、その全力パンチをバットマンが目の前で押さえるシーンもある。パワーは互角と見ていい。

大都市メトロポリスの新聞社には、クラークの恋人のロイスにエイミー・アダムスが扮しているが、彼女が危機に陥ると、どこからともなく素早くやってくるスーパーマンには驚く。愛する彼女は守りたいのだ。その上司の編集長には、ローレンス・フィッシュバーンが、スーパーマンの活躍をスクープとして狙う。

そこへ、ちゃらいバカ社長のレックスが、2人に最強の怪物“ドゥームズデイと戦わせる。スーパーマンの育ての母親、マーサ(ダイアン・レイン)を人質にとり、あれ、バットマンの母親も同じ名前なんだ。スーパーマンが怪物を宇宙まで連れて飛び、クリプトナイトの矢を怪物にとどめを指す。この怪物前に観た「タイタンの逆襲」のタイタンの王クロノスに似ているようだ。あちらは魔界の王悪魔なので、こちらはエイリアンなのか?
そして、スーパーマンと怪物目がけてメトロポリスのミサイルも発射する。効き目はあったようだが、クリプトナイトが彼の身体を弱らせてしまい、スーパーマンが死んでしまう。無敵のスーパーマンが何故に死ぬのか?・・・葬式が行われる。最後に墓場の棺が動くのだが、蘇ったのだろうか?・・・分からない。
DCコミックの映画化なので、これから続々と製作中であり、ヒーロー大集結の「ジャスティス・リーグ」が中心となり、20年までのラインナップを見れば、マーベルと合わせて楽しみが2倍になりますね。

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ディーン、君がいた瞬間(とき)★★★

2016年03月28日 | アクション映画ータ行
デビュー間もないジェームズ・ディーンに密着し、直後に伝説となった彼の貴重なポートレート写真を撮影した若手写真家デニス・ストック。本作は著名な写真家でもある「コントロール」「誰よりも狙われた男」のアントン・コルベイン監督が、そんなデニス・ストックとジェームズ・ディーンの撮影旅行に焦点を当て、2人の友情と知られざる素顔を描いた伝記ドラマ。出演はジェームズ・ディーン役に「クロニクル」「アメイジング・スパイダーマン2」のデイン・デハーン、デニス・ストック役に「トワイライト」シリーズのロバート・パティンソン。

あらすじ:1955年、アメリカ。野心溢れる若手写真家デニス・ストックは、初主演作「エデンの東」の公開を目前にした無名の俳優ジェームズ・ディーンと出会い、意気投合。試写を観て彼がスターになると確信したデニスは、ライフ誌にフォト・エッセイの企画を売り込むと、撮影に乗り気でないディーンを追ってニューヨークへと向い、やがて彼の故郷インディアナへの旅にも同行するのだったが…。

<感想>何だか、デイン・デハーンの容貌はそんなにジェームズ・ディーンには似ているわけではないが、視線の使い方やしゃべり方など、やり過ぎなくらいに似せているのだ。彼、デハーンも演じるためにあらゆる著書やインタビュー映像から仕草とか話方など、ものの考え方などまで徹底的に調べ上げて撮影に臨んだと言うのだ。

それに、3カ月で11キロ以上も体重を増やしたうえで、約2時間に及ぶ特殊メイクで目の色とか、髪の色、耳たぶにいたる細部までビジュアルを再現しているというのだ。だから、デイン・デハーンは芸術家の繊細さと、カントリーボーイの不器用さを兼ね備えたジェームズ・ディーンを巧みに演じているといっていい。
「エデンの東」を撮り終えたばかりの未だ無名のジェームズ・ディーンが、ニコラス・レイのパーティで、写真家デニスと出会うシーンから始まる。

アメリカ映画のファンには、まさに堪らない瞬間である。ピア・アンジェリ、ナタリー・ウッド、アーサー・キット、カザン・ワーナー社長にベン・キングズレーが扮して、周囲を彩る人物には事欠かないのだ。

エデンの東」のプレミア会場には姿を現さずに、デニスの車で故郷インディアナへ帰りたいと言うジミーの要望に応えて車を走らせる。早世の天才が、故郷のイリノイでデニスと過ごしたわずか数日の至福の時間が、この映画の全てなのだが。なんとも切ない。
これまでの映画や、書籍で語られているジェームズ・ディーンの人物像は、あまり語られていない。これはこれで問題なのだが、不明な点はないのだけれど、問題はデニス・ストックの方にある。

まだ無名のディーンを、「LIFE」誌掲載のため彼の写真を撮影するために、2人でディーンの故郷へ2週間の旅に出るのだが、人生に迷ったディーンが「ここにいるのが本物の僕の姿だ」と、故郷を愛し、華やかなハリウッドの映画の世界には無縁な、ディーンの故郷での姿が映し出される。

デニスは自分の才能をどう考えていたのだろうか、自分に苛立っていたのか、環境に苛立っていたのだろうかが解らないので、ジミーとの衝突も盛り上がらず、2人がお互いをどう変えたのかが分からずじまいに終わっている。
本作は死の半年前、ひとりの無名俳優と写真家がほんの一瞬だけ併走する物語になっている。今なお語り継がれるタイムズスクエア前での、伝説的な写真はどのようにして生まれたのだろうか。
カメラマンで映画監督でもあるアントン・コービン監督は、その被写体と撮影者の特殊な距離感をつぶさに描き出す。後に不世出の俳優と名写真家となる二人の回顧に憧れを抱いているのは強く伝わってくるし、その瞬間を俗っぽくせずにピュアに完全再現したいのも理解できるのだが。

しかし、本当に切り取っただけなので両者を知らない者には、この2週間がどれだけ凄いのかは分からないと思う。
エンドロールに映し出される、デニスが撮った写真と、本物のジェームズ・ディーンの写真が同じなので少し戸惑いを受けるが、ディーンはきっと俳優になって、有名になるのを望んではいなかったような気がしてならない。
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スティーブ・ジョブズ★★★

2016年03月27日 | アクション映画ーサ行

「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」のダニー・ボイル監督が、独創的な発想で数々の革新的商品を生み出し、人々の日常生活に革命をもたらしたカリスマ経営者スティーブ・ジョブズの知られざる素顔に迫る異色の伝記ドラマ。主演は「SHAME -シェイム-」のマイケル・ファスベンダー、共演にケイト・ウィンスレット。スティーブ・ジョブズの人生において大きな転換点となる3つの新作発表会に焦点を絞り、それぞれの本番直前の舞台裏を描く斬新なスタイルで、スティーブ・ジョブズの仕事と家族を巡る葛藤と信念を浮き彫りにしていく。

あらすじ:1984年。Macintosh発表会の40分前。“ハロー”と挨拶するはずのマシンが何も言わず、激高するジョブズ。マーケティング担当のジョアンナは、そんなジョブズにいつも振り回されてばかり。するとそこに、ジョブズの元恋人クリスアンが、娘のリサを連れて現われる。いまや公然の秘密である娘の認知を頑なに拒絶するジョブズだったが…。

<感想>アップルの共同創始者であるスティーブ・ジョブズが、映画の題材となりうる魅力を備えていることは間違いありませんが、それにしても題材があまりにも豊富で複雑なため、上映時間に限りのある映画ではその全容を描くのが不可能であるということです。

スティーブの死からわずか1年あまりという驚くべき速度で完成したアシュトン・カッチャー主演版スティーブ・ジョブズでは、スティーブの人生のハイライトのみを繋ぐという平凡なアプローチを選択。出演者や製作陣のレベルを含めてテレビ映画的な仕上がりだったと思う。

ですが、今回のマイケル・ファスベンダー主演版では、緻密に書き込まれた会話劇になっており俳優陣もみな力を発揮している。プレゼン前の緊迫した時間に展開される緊張したやり取りを見ているだけで興奮してしまう。
なにしろ脚色を担当したアーロン・ソーキンは、伝記映画を作ることを拒否しているのだが、ソーキンはジョブズのキャリアで重要な3つの新作発表会を舞台に、彼を取り巻く人々の葛藤を描いている。

5,6人の主要人物と、たった3つの舞台。そして、大量の台詞。舞台劇に作り替えるアプローチは斬新だが、スティーブ・ジョブズを知らない人にはハードルが高いだろう。映画には向かない題材なのかもしれない。
それでも、ベタに少年時代や青年時代から描かず、ジョブズ的にもコンピューター史的にも、エポックな3つの発表会だけで時制を区切る構成が良かった。その中でも、彼の切れ者ぶりと人格破綻者ぶり、出自、人間関係、家族、などなどといった人となりを、全て見る者に伝えてしまう語り口も巧いのだ。

不器用な女性関係、企業内の人間関係、科学者と企業家の対立など、ストーリーは巧みに作られている。その結果、興味深い人間像が浮かび上がるのだが、それは共感し、感銘さえ覚える。ですが、前妻との離婚のいきさつは説明不足で、魅力的な人物とはいささか違うようだ。
“シンク・ディファレント”と大衆にけしかけて世界を変えた男が、自身の偏狭で歪んだ部分を少しだけ変えてゆく物語といったところ。スティーブ・ジョブズに扮したマイケル・ファスベンダーが、風貌が似ていて枯れていて良かった。

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最高の人生をあなたと★★★.5

2016年03月26日 | DVD作品ーさ行
英ロンドンを舞台に、60歳を過ぎて第二の人生を歩み始めた女性が理想の人生を模索しながら奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。ふとしたきっかけで、これまでの人生や夫婦の老後について思いをめぐらせるようになる。メアリーが老いを実感する一方で、アダムは若手スタッフとの共同作業に熱意を燃やし、2人の仲は次第にぎこちなくなっていくが……。監督は、名匠コスタ=ガブラスの娘で「ぜんぶ、フィデルのせい」(2006)で長編デビューしたジュリー・ガブラス。
出演はメアリーにイザベラ・ロッセリニー、夫のアダムにはウィリアム・ハートが演じている。
教職を辞めて主婦となったメアリーと、世界的な名声を得た建築家、夫のアダム。2人の結婚生活は30年に及び、3人の子供たちも独立。孫にも恵まれ豊かな人生を送っていたかに思えたが、鏡で見る自分やスポーツジムでの自分に“老い”を感じるメアリーと、若いスタッフとの新プロジェクトに情熱を燃やすアダムは、徐々にすれ違っていく。

<感想>バス席で席を譲られたり男性からの視線を感じなくなったり、メアリーは社会生活の中で、老いを感じざるを得ないシチュエーションを何度も経験します。でも80歳には程遠い。60歳前後という年齢では、まだまだ現役でありたいという感覚を捨てきれないですよね。
それでもやはり、50歳を過ぎたあたりから“老い”を念頭におかないと。それに日本社会では、そのシステムがうまく機能していると思いますね。管理職っていうのもあって、現役との間に一線が引かれているから。管理職は口だけ出せばいい。そしてその頃から自分たちの経験を伝えて部下を育てるということをするわけです。

現役じゃいられなくなる、心の準備をしておいて。と社会システムに暗に言われる。本作でもメアリーは自分の老いを意識して積極的にそれを受け入れるように見えましたが、「ただ、あなたも私も老いてきたのよ」と、夫に認めさせようとする姿勢は適切とは思えません。一見対等に見えますが、男と女という身体の構造の違いとか、その人それぞれの生き方や考え方でも違ってくる。老いているということを分からせてやると、力づくでなんてダメです。

それより奥さんが忘れっぽくなってダメですね。眼鏡を何処へやったかしらと言えば、旦那さんが「俺も探すよ」と一緒に探して、かがんだ時にあっと、腰が痛い。それでもう、二人ともダメなんですね。つまり自分の欠点をさらすことによって相手と和解することが大事なんです。

お互いの脇の甘さというものを認め合う。老いたということの面白さ、弱さを認め合う。若い時は俺が目立ちたい、俺が勝と自分のことしか考えていませんが、老いていくとそれがなくなっていくのです。代わりに人のためにと考えられるようになれると最高ですね。

相手の弱さを理解出来るようになったから、実は、弱さを認めるように考えをシフトしただけなんですけどね。老いという現実を受け入れることによって、また新しい人生に進むことができると。でもシフトしようとしても実際は、やはりいつまでも若くいたいと思ってしまう。しかし、身体が思うように付いていけませんね。無理しない程度に自分のシフトチェンジをしようではありませんか。その時には、今は幸せかもと思うはず。

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マイ・フレンド・フォーエバー ★★★

2016年03月25日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
HIV感染者の少年と、彼を助けるべく治療法探しに奔走する少年の友情を描いたヒューマン・ドラマ。『チルドレン・オブ・ザ・コーン』(V)「シングルス」などで俳優として活躍するかたわら、テレビドラマの演出を手掛けてきたピーター・ホートンの初監督作。脚本はロバート・クーン、製作はマーク・バーグとエリック・アイスナー。撮影はアンドリュー・ディンテンファス、美術はアーミン・ガンツ。音楽は「トッツィー」「ザ・ファーム法律事務所」のデーヴ・グルーシンが担当。主演は「依頼人」のブラッド・レンフロと「ジュラシック・パーク」「激流」のジョセフ・マゼロ。「最高の恋人」「蜘蛛女」のアナベラ・シオラと「サイコ3 怨霊の囁き」のダイアナ・スカーウィッドが少年たちの母親にふんするほか、やはりエイズを題材にした「ロングタイム・コンパニオン」のブルース・デイヴィソンが医師役で助演している。
あらすじ:12歳の夏休み、エリック(ブラッド・レンフロ)は隣に越してきた11歳のデクスター(ジョセフ・マゼロ)と親友になる。デクスターは幼児のころの輸血が元で、エイズに感染していた。エリックの母親ゲイル(ダイアナ・スカーウィッド)は生活に追われ、息子のことを全く顧みない。デクスターと母親のリンダ(アナベラ・シオラ)に夕食に招かれ、楽しい一時を過ごしたエリックは、親友のためにエイズの治療法を探そうと思いつく。
チョコレートを食べ続ける食餌療法に続いて、「ルイジアナの医師が植物からエイズの特効薬を発見した」という新聞記事から、植物の葉を煎じて飲む方法を試みる。ところがある晩、毒草を飲んだデクスターが病院に担ぎ込まれる事故が発生。幸い命は取り留めたが、エリックは母親から彼との交際を禁じられ、サマーキャンプ行きを命じられる。
エリックはデクスターを説得し、特効薬を分けてもらうためルイジアナの医師の元へ旅立つ。川を下り、2人の冒険旅行が始まった。川岸でテントを張って寝た晩、死の恐怖に怯える胸中を打ち明けたデクスターを、エリックは必死で勇気づける。彼の具合が悪くなっているのに気づき、途中で便乗した船から金を盗み、陸路に変更。たちまち船長たちに見つかって追いつめられた時、デクスターは自らを傷つけ「僕の血は毒だ」と迫って彼らを追い払った。
エリックは親友をバスに乗せて故郷ミネソタに戻り、デクスターはただちに病院に収容された。彼らは病院で看護婦や医師を相手にデクスターが死んだふりをする遊びを繰り返すが、ある日、いつものイタズラの最中に彼は二度と目を覚まさなかった。葬式の日、エリックは棺の中のデクスターの腕に自分のスニーカーを抱かせ、代わりにもらった彼の靴を川に流した。(作品資料より)

<感想>懐かしい映画と出会った。人気と才能に恵まれながら、相次ぐ不祥事でハリウッドの問題児となり、25歳の若さで亡くなったブラッド・レンフローと、天才子役とジョセフ・マッゼロの名演が泣かせる難病もので、ひと夏の友情ドラマである。
母親と暮らす12歳のレンフローが、隣に越してきたエイズ患者の11歳のマッゼロと親しくなり、シングルマザーのアナベラ・シオラにも歓迎される。2人は不治の病というエイズの治療法を探そうと子供の浅知恵でキャンディとか、雑草など試すが案の定、病院に担ぎ込まれる騒動になる。
ダブロイド紙に載った特効薬を発見した医者に会うために、こっそりと川下りの旅に出かける2人。

ミシシッピ川を筏で下る冒険は、まるで「ハックルベリー・フィン」のように楽しく、見上げる夜空は果てしなく、盗み見たエロ本の女はママとは大違いで、女の子のタトゥーのスペルミスを指摘したら嫌われてしまう。
それに、追って来た大人にナイフで手を切り「僕の血は毒だ」と威嚇するシーンは、あまりにも哀しく、病院で看護婦相手に死んだふりをする悪ふざけは、アホで無知なガキらしく、「僕がすぐ傍にいるよ」と抱かせるスニーカーには、涙が止まらなく頬を伝う。
役者出身の監督ピーター・ホートンは、過剰な台詞や音楽を排除して、抑えが効いた演出で、初監督作とは思えないほどセンスがとくて、気丈な母親が階段で声を押し殺して泣くのを、主人公が目撃してしまうシーンなど、印象的なシーンが今でも目に焼き付いている。
テレビ・シリーズ「ザ・パシフィック」に主演していて、今も健在なジョセフ・マッゼロと、2008年に自宅で死亡したブラッド・レンフロー。生きていれば、ハリウッド映画で顔を見られたものをと思うと残念でならない。

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ちはやふる -上の句- ★★★.5

2016年03月24日 | アクション映画ータ行
『海街diary』などの広瀬すずを主演に迎え、末次由紀のコミックを実写化した青春ドラマ。競技かるたをテーマに、主人公と仲間たちのひたむきな情熱や夢を描く。『男子高校生の日常』『日々ロック』などの野村周平と、アクションスター千葉真一の息子である真剣佑がヒロインの幼なじみを好演。人気俳優たちの共演による、きらめく青春の日々に胸がときめく。

あらすじ:小学校時代、転校生の綿谷新(真剣佑)から“競技かるた”を教わり、その魅力の虜になった綾瀬千早(広瀬すず)。幼なじみの真島太一(野村周平)を巻き込み、3人は競技かるたを通して強い絆で結ばれていく。しかし小学校卒業とともにバラバラとなってしまい、家の事情で故郷の福井に戻った新とは遠く離ればなれに。かるたを続けていれば新と再会できると信じる千早は、高校に入るとすぐに“競技かるた部”の創設に乗り出し、高校で再会した太一を再び巻き込み、2人で部員集めに奔走する。やがて古典大好き少女・大江奏、経験者の“肉まんくん”こと西田優征、秀才の“机くん”こと駒野勉の勧誘に成功し、ついに千早悲願の競技かるた部が産声を上げるのだったが…。

<感想>最近多い少女マンガの映画化。それが競技かるた選手権というスポ根映画のように、おもむろに百人一首を読みあげて、スローで取るのかなぁと思っていたら、眼をギラつかせてカルタを手の平で叩き取るというハードなもの。1枚でも相手より速くカルタを取るためには、上の句と下の句の初めを暗記しておき、上の句が読み上げられる寸前に下の句を取るというよりも、乱暴な取り方で相手の手を叩き付けるかのように滑らせたりして取るのだ。

そればかりではなく本作は前編であるが、主人公の広瀬すず演じる千早と、男子生徒、太一(野村周平)、新(真剣佑)の恋物語も絡んでくる。どうも競技かるたの百人一首を絡めた幼馴染同士の三角関係がメインのようでもあり、これまでの部活映画とは方向が違う気もする。部員集めの下りや練習に合宿と、競技も形式的演出が目立っていて、途中ではダレてくる。
その千早に競技かるたを教えたのが新(真剣佑)であり、彼は祖父の看病で実家の福井県に帰っている。近くにいる千早を大好きな太一(野村周平)は、志望校を辞めてまで千早と同じ高校へ入学するのだ。

東京大会で優勝して、全国大会で福井にいる新(真剣佑)と出会い、千早が新と勝負したいと思う女心と、その競技かるたと熱い青春の恋物語とが、この作品の見所です。「千早は誰のもんでもない」という台詞がありますが、この映画で描かれているのは、恋というよりも恋に発展する前の感情という感じですかね。千早が競技かるたに熱中して睡眠不足もあり、試合が終わると目ん玉を白目むきだして寝てしまうのには驚いた。

最大のクライマックス、全国大会は後編だとして、こちらはそこへ向かう前段階としてとりあえず文句なしですね。やはり競技かるたのシーンが一番の見所で、実写ならではの見応えがあり、スポーツのような興奮もあるのです。
千早を巡る太一(野村周平)と、新(真剣佑)のバトルは、過去に太一が新のメガネを隠してズルをして、それまでして勝ちたかったのかと。そのトラウマが、太一には以来ここ一番でのツキに見放された男という細部もいい。

それに、千早も東京大会で対戦する相手の男が、サド男でどこかで見た事あると思っていたら「ソロモンの偽証」の不良生徒で、この俳優の存在感が千早をイラつかせて面白い。

東京大会での彼女たちの出で立ちは、普通は気楽なTシャツにジヤージが一番動けるしいいのだが、何故か部員の中に呉服屋の娘がいて、その娘が「舞子はレディ」(14)の上白石萌音ちゃんだとは、ここでは少し芋娘のような感じで出ていた。だから、5人の部員が着物に袴スタイルで着ていて、これはかっこいいし、いかにも競技かるたの服装では、なんて観ていて感じがよかったです。

部活を描いた映画では「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「桐島、部活辞めるってよ」など、良質な娯楽作品がいくつもあり、部活の種目はさまざまでも、初めはヘナチョコ、途中で迷走、最後は本気でぶつかってと、その結果はどうであれ、やることはやったという達成感があると思う。

それに、ハイテンション演技で頑張る広瀬すずが、屈託のない表情で廊下を突進する姿が魅力的に映っている。その中でもかるた取りの画面がやや単調で、広瀬すずの研ぎ澄まされた聴力がクライマックスまで出てこないのも不満です。何故に必殺の超能力でもある聴力の素晴らしさをもっと前面に出して欲しいところ。でも、それが後編で、千早が発揮して活躍する場が観たいですね。

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僕だけがいない街 ★★★

2016年03月23日 | アクション映画ーハ行
三部けいの大ヒット・コミックスを「カイジ 人生逆転ゲーム」「るろうに剣心 伝説の最期編」の藤原竜也主演で実写映画化したミステリー・サスペンス。“リバイバル”という不思議な現象に巻き込まれた青年が、現在と小学校時代を行き来しながら誘拐殺人事件の回避と真犯人の特定に奔走するさまをスリリングに描く。共演は有村架純、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子。監督は「ROOKIES -卒業-」「ツナグ」の平川雄一朗。

あらすじ:ピザ屋でアルバイトする売れない漫画家の藤沼悟。彼は、事件や事故に遭遇すると、その原因が発生する直前の時点に時間が巻き戻る不思議な能力を持っていた。しかし自ら“リバイバル”と呼ぶその現象はいつ起こるかも分からず、彼にとっては迷惑な能力でしかなかった。ある日、リバイバルのせいでケガをした悟。他人と距離を置いて生きてきた彼だったが、心配して病院に付き添ってくれたバイト仲間の愛梨と思いがけず距離が縮まっていく。そんな中、悟が再びリバイバルに遭遇した時、一緒にいた母・佐知子が何かに気づく。しかしその直後、佐知子は何者かに殺害されてしまう。するとまたしてもリバイバルが起こり、悟の意識は1988年のまだ小学生だった悟自身の頭の中に飛んでしまう。それは、同級生の雛月加代が被害者となった連続誘拐殺人事件が起こる直前だった。全ての鍵はこの事件にあると確信し、雛月を守ってみせると決意する悟だったが…。

<感想>時間が何度も同じ場面に巻き戻るといえば、トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、というSFアクション映画とか、同じことを何度も繰り返す恋愛もので、「恋はデジャヴ」があるが、この作品での主人公、悟は短い時間を逆行して繰り返したあげくに、母親が殺されるという。それに、犯人が息子の自分だと疑い警察が追って来る始末。
警察に追いかけられて、転んでしまい、あれよと言う間に18年前の少年時代に戻ってしまう。それに、その時代では子供が次々と殺されていくという連続誘拐殺人事件が起こっていた。その事件と、母親の殺しが何らかの関係があると睨んだ悟は、少年時代と行ったり来たりしながら、犯人を探し見つけるのだ。それに、同級生の加代と母親も助けるというという大胆な発想。

その当時の子供誘拐殺人事件の犯人が、白鳥という青年が犯人だということで、捕まり刑務所に。しかし、悟はどうしても白鳥が犯人だとは思えないのだ。冤罪で捕まった白鳥、本当の犯人は他にいると、独りで探偵みたいに推理をして見つけ出すのだが、その犯人は頭がいいヤツで、子供の悟が自分を真犯人と気付いた時に、車に乗せて橋から川の中へと落としてしまう。
だが、病院で息を吹き返したのは大人の悟。過去に意識が戻り何度も時間帯を繰り返しつつも、未来を変えるという設定なのだが、心配顔の母親がいるのに安心して、まだ犯人が近くにいると嗅ぎ付ける。

実に、人々の必死さの度合いがケタ外れで、現在と小学生時代を行き来して事件を未然に防ぐという主人公のむちゃぶりに感動してしまう。これは、繰り返す不可思議なタイムループのようにも取れる。

主人公の悟が「リバイバル」と呼ぶほんの数秒単位で過去の繰り返しと、やり直しも面白かった。子役の悟役の“中川翼”ちゃんが余りにも演技が上手いのに感心。
主人公の母親が、悟の小学校の頃に離婚をして、母親一人で育て上げた主人公の優しい心に胸が熱くなります。母親は洞察力に優れた元報道人という設定なのだが、悟の同級生の雛月加代が不登校生で、加代の家まで訪ねていく悟。

すると家の裏の小屋で、まるで乱暴されたようなアザだらけの加代を見つける。母親にも話、担任の先生にも話て、児童相談所に加代を引き取ってもらおうとするも、加代の母親は男を家に入れて、娘を暴力で痛めつける。

この加代との関係がこの物語の「リバイバル」という状態で、大人の悟が小学生の時代と行ったり来たりするのだ。犯人が、担任の先生だと分かるも、幼い悟にはどうすることもできない。川に捨てられて助かったのは、大人の中の悟の妄想の「リバイバル」なのだろうか?。

現代では、アルバイトのピザ屋でアイリという彼女と出会う。有村架純が扮しているのだが、バイト代でカメラマンになりたいと頑張っている。二人は恋人同士にはならない。それに悟が、病院に入院している時に加代が見舞いに来ていた。結婚していて、妊娠しているらしくお腹が大きく幸せそうな加代。どうやら、子供時代に母親からDVの被害を受け児童相談所へ引き取ってもらい、養護施設で成長して結婚したらしいのだ。悟の安堵の顔が見れる。

悟の口癖「正義の味方は死なない」といっていたのに彼は殺されてしまう。幼児誘拐殺人鬼の先生は、その後、現代では養子に入り名前を変えて市議会員を務め、それでもまだ幼児誘拐を続けていた。それを悟の母親が目撃して、殺されるという。しかし、悟の「リバイバル」の機転で、母親は救えたが、自分は犯人の先生に殺されてしまうというラストに、時間と殺人事件をお手玉する、主人公の唐突さもご都合主義的でつまらない。
これまで全ての事件を、マンガで描いて編集者に好評を得るのに、もたいない死に方だと思う。

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リリーのすべて ★★★.5

2016年03月21日 | アクション映画ーラ行
世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話を基に、ふとしたきっかけから男性であることに違和感を抱き始めた主人公の苦悩と、そんな夫を献身的に支え続けた妻の葛藤と感動の愛の物語を描いたドラマ。主演は「レ・ミゼラブル」「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメイン。共演に本作の演技でみごとアカデミー助演女優賞に輝いた「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」「コードネーム U.N.C.L.E.」のアリシア・ヴィカンダー。監督は「英国王のスピーチ」「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー。
あらすじ:1926年、デンマークのコペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナーは結婚して6年目になる肖像画家の妻ゲルダと仲睦まじい日々を送っていた。ある日、ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を引き受けたのがきっかけとなり、自分の中に潜んでいた女性の存在を自覚するようになる。最初は遊びのつもりでアイナーに女装をさせ、“リリー”として外に連れ出し楽しんでいたゲルダも、次第にアイナーが本気だと気づき激しく動揺するが…。

<感想>「博士と彼女のセオリー」で昨年アカデミー賞主演男優賞に輝いたエディ・レッドメインが演じる、世界で初めて性別適合手術に挑んだデンマークの画家に扮して、再びアカデミー賞主演男優賞候補になっていた話題作です。ですが、妻役の「コードネーム U.N.C.L.E.」のアリシア・ヴィカンダーがアカデミー賞助演女優賞を獲得したのですね。アリシアの演技も立派でした。

さすがに芸達者だけあるエディ・レッドメインだから、女性の心を持った男性の役どころを難なく演じて、それが上手いの何の、女性らしさというよりも妖艶な男を惹きつける女性を演じているのだ。その繊細な心の動きや仕草、あとメイクに素敵なドレスにカツラを被って、女よりも女らしさが際立っていた。

実話であり、今で言うところの「トランスジェンダー」なんだけど、映画の舞台は1920年代なので、まだまだ“性同一性障害”なんていう言葉も概念もない時代であったから、もの凄い戸惑いや苦労があったと思う。病院へいけば精神病患者と間違われてしまい、異常者扱いを受ける。

仕事は風景画家のアイナーがそれなりに売れっ子で、画商にも気に入られている。妻のゲルダは肖像画家専門で、あまりパットしない。それが妻の絵のモデルの代役をすることになり、絹の靴下をはきピンクの靴を履く。

それにアンバー・ハード扮しているウラというバレリーナの代役なので、衣裳がオーガンジーの透けているドレス。手に取り、うっとりしてそのドレスを撫で回し、その時のちょっとした表情の動きで、彼の中に何かが目覚めたことを観客に分からせてしまうのがすごい。

それに、あからさまにゲイやオカマ的な演技とも違うんですから。最初のうちのリリーは、女装した男性そのものなんだけど、物語が進行していくうちにつれて、すでに彼の中に女性なのだという自信みたいな、もう引き返せないという感じが読み取れる。彼の告白には、幼い頃の思い出にも、ハンスという男とそういう関係になってしまい、父親に見つかり別れたという過去がある。

妻の絵の個展をパリでやることになり、一緒についていき売春宿みたいなところで、女性が客に自分の裸を見せ色目を使う仕草に、自分も一緒になりやってみる。そういう徹底したリサーチで女性的な動作を学んでおり、エディの成り切りぶりは本当にお見事といっていい。
彼女より男性的な女性は実際にたくさんいる現代。それに、ゲイもオカマも王手を振って町を歩けるし、化粧も派手、派手メイクで女性より綺麗。TVにもいっぱい出ているでしょうに。社会も認めている時代だしね。

しかし、愛する夫が突然「これから女性として生きたい」「女性になる手術をしたい」と妻に言いだしたら、普通は離婚するよね。でも妻のゲルダは、愛する人の願いを聞いて夫の望みを叶えてあげようとするわけ。

これって、“究極の無償の愛“ですよ。ドイツの病院での手術に付き添って、1回目の手術が成功して、デンマークへ戻りベン・ウィショー扮する同じ悩みの“性同一性障害”である彼と出会い、2回目の大手術をすることを誓う。
ですが、その2回目の手術が失敗に終わったのか、それともリリーの体調が悪化したのか、眼を開けることはなかった。本当はリリーの手術が成功して、女性として着飾って街を歩く姿が観たかった。
妻の献身的な愛、彼女にとって何も得ることはないのに、離婚せずに支えつづけるゲルダの愛は本物ですね。

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アーロと少年 ★★★.5

2016年03月20日 | アクション映画ーア行
数々の名作を世に送り出してきたディズニー/ピクサーが、恐竜と少年の出会いを軸に壮大なスケールで描くアニメーション。絶滅せずに生き残った恐竜たちが高度な文明を築いた地球を舞台に、恐竜と人間の子供を待ち受ける大冒険を描く。監督を務めるのは、『モンスターズ・ユニバーシティ』などでボイスキャストを務めてきたピーター・ソーン。まるで別世界の地球で、外見も性格も対照的な彼らが織り成すドラマが感動を呼ぶ。
物語:地球に隕石がぶつからず、恐竜が絶滅を免れて数百万年後のこと。畑を耕しながら暮らす恐竜のアパトサウルスの夫婦に、3匹の可愛い子供たちが生まれた。一番大きな卵だったのに最後に生まれてきた末っ子アーロは、体が小さくて、甘えん坊で、怖がりで臆病で、姉のリピーにやんちゃな兄バックに比べると、両親の仕事も手伝えない。でもパパはそんなアーロを温かく見守り、怖さを乗り越えることで見える世界があると教えるのだった。

ある日のこと、冬のために貯蔵庫に蓄えていたとうもろこしを、何者かに荒らされていると知った父親は、アーロにその生物の退治を命じるのであった。罠を仕掛けてみると捕まったのは人間の少年で、けれども臆病なアーロは、もたもたしている内にその少年を逃がしてしまう。怒ったパパは、アーロを連れて少年を追い掛け、川沿いの山道を駆けのぼっていく。
ところが少年を追う内に天候が急変する。嵐が起こって川が一気に増水をして、そしてパパはアーロを助けようとして激流に飲み込まれて命を落としてしまう。目の前で起きた悲劇のせいで、水と雷に怯えるようになるアーロ。哀しみを必死にこらえながら、やがて母親の手伝いで畑仕事へと出るようになったアーロは、そこで再びあの少年と出会う。

「お前のせいでパパは死んだのだ」と怒りに任せて少年を追いかけるアーロ。けれどもその途中で、誤って川に落ちてしまう。しばらくして目が覚めるとアーロは見知らぬ場所に流されていた。そして意識を失っていたアーロを見守っていたのは、あの少年だった。しかも少年はアーロのために懸命に食糧を調達してくれて傍を離れようとしない。
どうやら少年も家族を失い独りぼっちのよう。次第に心を開くようになったアーロは、少年を“スポット“と名づけて仲良くなっていく。言葉は通じなくても心は通い合う。彼らは家に帰るために川沿いの道を歩き出す。いろいろな動物に出会ったり食べ物を探したりしながら、アーロは父が教えてくれた光り輝く蛍の群れを少年に見せてあげる。

<感想>長篇フルCGアニメーションの先駆者、ピクサースタジオ。そのピクサーとディズニーが生んだ最新作は、もしもの世界を舞台に、体は大きいけれど怖がり屋で弱虫の恐竜アーロと、体は小さいけれど怖いもの知らずの少年スポットの友情を、それぞれの成長と共に描く感動のアドベンチャー・ファンタジー。登場する恐竜一家がトウモロコシ畑を栽培しているという設定にほっこり。ここで、人間の少年が恐竜の子供と出会うのだが、恐竜と人間が共存するという時代はないが、出会った人間の少年が恐竜よりも野性的なのがいい。

そしてもっとも驚いたのは、本当にCGなの?と実写そのもののように美しい自然の描写。アメリカ地質調査所のデーターをもとに、約270種類の木々や植物を配置して、風も15段階に分けて吹かせることで、本物そっくりの自然美をDGで表現したそうです。
それに、リアルな川の様子を演出するために、エフェクトチームは川でラフティングに挑戦。その迫力の体感を映像に取り入れているのだ。さらには製作チームは広大土地での生活を体感するために、実際の牧場も滞在して、そういった体感が映像の世界に生かされているようですね。

それに、恐竜が主人公で文明と言語があるし、人間の子供は四足歩行で話すことができないし、野生で暮らしているという逆転した設定。まるでアーロといるとペットの犬のようなしぐさをする。これも、この映画の特徴であり、言葉なんてなくても心が通じ合えば友情は成り立つという、大きなテーマの一つなんですね。

とにかくアーロと一緒に旅をする少年スポット、途中で赤い木の実が大好きなアーロが、真っ赤な蛇に襲われるシーンとか、サイのような様々な恐竜、肉食系の翼竜プテラノドンに襲われるシーンでは、そこへ肉食でありながらも真面目に牛を飼い育てている、強面だけど心優しいTレックスの親子たちに出会います。盗まれた牛の群れを探す彼らの旅に二人は同行することになります。

ここで、アーロは父親との思い出にひたり、家族の元に帰ろうと決意するのです。それに、少年スポットの悲しい過去の話を知り、仲良く一緒に旅をすることを誓い合う。

Tレックスの家族と共に絆を深めていくアーロとスポット。Tレックスの家長であるブッチが「怖がってもいい、一歩踏み出した時に新しい世界が見えるから」という言葉に励まされたアーロたちは、再びギザギザ山の家へ帰る道を歩み出すのです。

それに、何でもないシーンでも面白く、モグラがポコポコと現れ増えていくところが傑作です。お決まりのギャグながらも完璧であり、さすがですよね。
そして終盤にさしかかると、人間族の姿が見え始める。アーロの家の近くまで来た直に、そこで再び現れた翼竜プテラノドンに襲われ、スポットがさらわれてしまう。天気は荒れて、まるで父親が激流に飲み込まれた時のように雷が轟始める。アーロの試練です、恐怖に打ち勝って少年を助けなくてはと、樹の皮の中に隠れていた少年を見つけ一安心。

ところがまたもや川が増水し始め、少年が流されていく。アーロも川の中に入り一緒に泳いで流され、辿り着いたのがアーロの家の近くであった。そこには、少年の家族らしき人間の一家が見守っていて、アーロは少年スポットとの別れを決めるのです。子供でも誰か一緒に旅をすれば、助け合いながら友だち以上になり成長していく。

自然や世界の厳しさがきちんと描かれていることで、友情や成長のために頑張れるか?という誰もが体験する普遍的なテーマでもあり、愛を感じさせる物語がよりリアルに胸に響きます。
同時上映:短編アニメーション「僕のスーパーチーム」
サンジェイ少年はテレビで特撮ヒーロー番組を見るのが大好き。けれどもお父さんは、お祈りをしなさいとテレビを消されてしまう。すると、お祈りの中に悪霊が現れ、それを倒すためにヒンドゥー教の神々が特撮ヒーローのごとく召喚される。そして、サンジェイは神々の戦いを助けることに。
インド系移民の子であるサンジェー・ペタル監督が、自分の子供の頃の思い出を基に作り上げた作品で、アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた作品。

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ダブルフェイス 秘めた女 ★★★

2016年03月19日 | DVD作品ーた行
ソフィー・マルソー、モニカ・ベルッチというヨーロッパを代表する2大女優が共演したサスペンスドラマ。監督・脚本は「8人の女たち」の脚本を手がけたマリナ・ド・バン。原題:「NE TE RETOURNE PAS/DON'T LOOK BACK」
製作国:2009年・フランス(110分)監督・脚本:マリナ・ドゥ・ヴァン
出演:ソフィー・マルソー/モニカ・ベルッチ/ブリジット・カティヨン/アンドレア・ディ・ステファノ/ティエリー・ヌーヴィック
あらすじ:作家で2人の子供の母親でもあるジャンヌ(ソフィー・マルソー)は、ある日、家の中の様子が少しずつ変化していることに気づく。やがて異変は彼女の顔や体にも表れ、徐々に見知らぬ女(モニカ・ベルッチへ)と変身していった。
信じられない事態にジャンヌは狼狽するが、周囲の誰もが驚く素振りさえみせず、それどころか夫や母親まで別人に変わってしまう。偶然母の家で見つけた古い写真を手がかりに、真相を探るためイタリアへと渡るジャンヌ。だがそこで、思いもかけない真実が彼女を待ち受けていた…。(amazonより)

<感想>だいぶ前にレンタルしたもので、劇場未公開作品です。主演にソフィー・マルソーとモニカ・ベルッチというだけでも見たいという気分にさせてくれます。ソフィーがモニカに変貌するというストーリー。顔だけでなく性格も変わりまったく別人になってしまう。これはジャンヌが大事故の影響で8歳までの記憶がないということ。それを克服したくて小説を書くも出版社から酷評されてしまう。
物語の展開は、突如部屋の配置や、家族に対して妙な違和感を感じ始めた主人公ジャンヌ(ソフィー)に降りかかる過去の謎と、その苦悩を描いた物語。

主人公の内的世界の変化が現実世界に投影され、過去と現在、パリとイタリアと時間と空間が混在するなどパラレルワールドの世界観が感じられます。
実は主人公ジャンヌは、事故で死んでしまったのですね。フランス人のナディアに養女として育てられたローザマリア。そこに彼女と同じ年頃のジャンヌがいて、凄く仲良しだったのですね。それがパリへ向かう途中に車の事故に遭い、ジャンヌは亡くなりローザマリアが生き残り記憶を失くしてしまった。自分をジャンヌだと思っているローザマリアに、養母のナディアはジャンヌとして育てることにしたわけ。周りの人達は、ローザマリアと思って接しているのだが、本人がジェンヌだと思い込んでいるので逆らわないでそう言わせておいたみたいだ。

ところが結婚して子供を産んで、小説を書き始めたことから自分が本当は誰なのか?、という過去の記憶が甦り人格の葛藤が幻覚として見えてくるようになる。
ソフィーとモニカの姿が入れ替わる過程は、何となく不思議な感覚にさせられCG合成のようなモニカとソフィーの顔が半分半分になったり、主人公のジャンヌを二人の女優で演じているのですが、彼女の精神面での世界観の中での物語なわけで、身内からするとローザマリアがジャンヌに成り切って生きているという事実は変わらない。この辺りがちょっとサスペンスタッチですよね。しかし二人の絡みのベッドシーンはいらなかったのでは、モニカはどうしても脱ぎたがるのが好きね。
そのことにやっと気付いたローザマリアの、心の中の不安と苦悩を描いているのだが、見ている側としては何だか理解不能な展開で、主人公ジャンヌの精神面の思わせぶりな演出には、最後の結末のつまらなさと観る者に解釈を委ねるような終わり方には考えさせられます。
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消えたフェルメールを探して★★★

2016年03月19日 | DVD作品ーか行
ボストンの美術館から、フェルメールの作品が盗まれた。人気と希少性で美術史に名をとどろかせる画家である。誰がどこへ持ち去ったのか。盗難絵画探偵が行方を追う。
現存するフェルメールの作品35店。しかし、『合奏』と題された1点だけは、誰も見ることができない…。
あらすじ:1990年春、ボストンにあるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に警察官に扮した二人が侵入し、アメリカの美術品盗難史上最高額5億ドル相当(当時)の美術品13点を盗んだ。レンブラントの『ガリラヤの海の嵐』、そしてフェルメール―遺されているたった35作のうちのひとつ、『合奏』である。
ガードナー美術館は、500万ドルの懸賞金を出した。しかし時が経っても、どれひとつとして戻ったものはない。かつて名作のあった場所には、空の額だけがかけられている。いったい誰が何の目的で盗んだのか。
盗難事件に関わった者として、アイルランド系地下組織の大物や美術品泥棒から米国上院議員、元大統領の名までが挙げられ、日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。
手がかりは些細な情報と、これまでの探偵稼業で培ったコネクションのみ。ハロルド・スミスの捜索とともに、美術品犯罪の全貌が垣間見えてくる。
映画監督のレベッカ・ドレイファスは、少女の頃に『合奏』に出会い、その神秘的な美しさに圧倒された。

『合奏』の盗難を憂いたドレイファス監督は、世界的にも有名な絵画探偵ハロルド・スミスに電話した。彼女の留守電にスミスからの伝言が残っていた。
レベッカ、よく考えてみました。これは絶好の機会だと思います。
あの事件以来、絵の所在が気になって夜中でも目が覚める。この機会に絵の在りかを突き止めましょう。」
そして撮影は始まり、事件の真相に近づいていく。
この映画は、フェルメールの盗まれた絵画を、絵画探偵ハロルド・スミスが生涯をかけて犯人捜索にあたったドキュメンタリーである。(作品資料より)
<感想>絵画を愛する者たちにとって、とりわけフェルメールを愛する者たちにとっては、この損失は自分の悲しみのように感じられた。私には、映画で、あのスカーレット・ヨハンソンが演じた「真珠の耳飾の少女」が一番のお気に入りだが、実のところ「合奏」は知らなかった。左の絵画は、オランダのハーグ、マウリッツハイズ美術館に所蔵されている。
東京美術館で開催されていた「フェルメール展」は、残念ながら観にいけなかった。現在福島美術館で開催されている”フェルメール展”は観に行きたいですね。「合奏」というフェルメールの絵に魅せられた女性監督レベッカ・ドレイファス。少女のころに「合奏」に出会い、ガードナー美術館の小ぢんまりとしたスペースと共に、その神秘的な美しさに圧倒されたという。

そして、映画監督として、また語り手として、彼女はきわめて稀な犯罪物語に登場する17世紀のオランダの巨匠たちから、19世紀の貴婦人、イザベラ・スチュワート・ガードナー、また現代の詐欺師から、この事件にかかわりがあると報道された有罪者にも興味を持ったのでしょう。
ドレファス監督はまず、国際的な美術品窃盗の背景を知るために、絵画探偵のハロルド・スミスに依頼する。彼は常にフェード帽をかぶり、アイパッチをし、皮膚癌に侵された鼻を隠す為に、偽鼻をつけた礼儀正しい紳士である。ドレイファス監督は、スミスがガードナー美術館から盗まれたフェルメールを取り戻すために、犯人に近いとされている連中に迫っていく様子を撮ろうと狙ったのだと思う。

この作品は、絵画探偵ハロルド・スミスが主人公になって、と言うのは、彼は美術品を発見する業界ではきわめて明晰な頭脳を持った人間の一人で、これまでにも、合衆国での巨大な金塊の窃盗を含め、世界の多くの重大な窃盗事件を解決してきた男なのである。
高額の懸賞金が賭けられているにもかかわらず、これまでに誰も解明できずにいたこの事件を、スミスはこの映画をきっかけに新しい調査をすることによって、何らかの結果が出せるのではないかと思っていた。
盗まれた絵画がどうなったのか?・・・自分自身の手で突き止めて、おそらくは取り戻すべき時がきたのだと考えていたのではないかと思う。
スミスの取った戦略は、単純でありながらも経験に基づく的確なものであり、必ずこの事件のことを知るものが存在し、報酬を欲しがる者がいるだろうと、・・・。
スミスは絵画探偵であって、法の遂行者ではない。誰かを牢に入れたいのではなく、絵画を取り戻したいのだった。
様々なテレビや雑誌で、彼の追跡を取り上げられてもらい、ほんの数週間でこの戦略は効果を表わした。彼の24時間ホットラインは、密告の候補者や、フェルメールの絵を見たと主張する者たちの電話が鳴りっぱなしだったのである。
その後はボストンの地下社会のメンバーとの密会や、かつてのスコットランド・ヤードの探偵との会見、ターボチャージャーと呼ばれるしゃべり好きの密告者との面談など、二つの大陸を横断する壮大な旅となった。オスロで起こったムンクの絵画「叫び」盗難事件(2004年)は解決し、スコットランドのお城から2003年に盗まれたダビンチの「糸車の聖母」も戻ってきて、容疑者が逮捕された。
しかし、ボストンのガードナー美術館で1990年に起こった美術品盗難事件には、解決の糸口がまったくなく、盗まれたフェルメールやレンブラントの絵が戻ってくる可能性は極めて低い。

最後に、多くのテレビ番組では”事件現場”としてしか取り扱っていなかった、ガードナー美術館とそれを作り上げたガードナー夫人を、このドキュメンタリー映画は丁寧に追っている。
と言うより、この美術館が映画の陰の主役といってもいいかもしれませんね。
ガードナー美術館は、非常に美しい中庭と超一流のコレクションを持つ素晴らしい邸宅美術館で、レンブラントやフェルメールが盗まれてもその魅力は揺るがないでしょう。
このフェルメールの絵画は、「レースを編む女」パリのルーブル美術館所蔵です。
10年前にパリに観光旅行した時に、ルーブル美術館の5階だったと思いますが鑑賞しました。

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エヴェレスト 神々の山嶺 ★★★★

2016年03月18日 | アクション映画ーア行
第11回柴田錬三郎賞を受賞し、漫画版と共にベストセラーを記録している夢枕獏の小説「神々の山嶺」を実写化したドラマ。あるクラシカルなカメラを手にした写真家が、カメラの逸話を調べるうちに孤高のアルピニストとして名をとどろかせた男の人生に触れていく姿を追い掛ける。出演は岡田准一、阿部寛、尾野真千子ら。メガホンを取るのは、『愛を乞うひと』、『太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−』などの平山秀幸。過酷な自然にぶつかっていく男たちの思いが交錯する熱いドラマに加え、大規模ロケを敢行したヒマラヤの荘厳な風景も見もの。
あらすじ:1993年、ネパール。日本のエヴェレスト遠征チームは二人を滑落事故で失い、登頂を断念する。一行に参加していた山岳カメラマンの深町誠は、予定していた写真集が駄目になり意気消沈してカトマンドゥの町を彷徨っていたとき、ある骨董屋で古いカメラに目を止める。それは20年代に登頂に挑むも消息を絶ったイギリスの登山家ジョージ・マロリーの愛用品の可能性を秘めていた。色めき立つ深町の前に、シェルパの老人は盗品だと告げ、そこへと共に現われたビサル・サルパと名乗る髭面の大男が、自分たちから盗まれたカメラだと持ちかえってしまう。
だが、深町はその大男が日本屈指のクライマーで、行方不明になっている羽生丈二であることに気づく。日本では、彼の帰りを待つ恋人の岸涼子と会って話を聞いた深町は、羽生が前人未踏の挑戦を考えていると睨み、再び現地へと飛ぶ。一緒に恋人の岸涼子も同伴するのだが、現地には羽生の妻と息子がいるのだ。

<感想>大切な人が山で死にました。何故山に登るのですか?・・・その意味を知りたい。「山がそこにあるから」なんて簡単な言葉で言われると腹がたってきます。命を無駄死にしていないかと。山登りの経験は少しありますが、とても辛い思いをしながら、息絶え絶えに登り、足もつって来て頭が朦朧となりもうこの辺でやめようと思うこともありましたが、2000m級の山では死にはしないなんて笑う山岳部の常連さんたち。しかし、苦しい山登りの先には、頂上というテッペンがそれは美しく、制覇したという気持ちと共に心の高揚とでも言うのか、また登りたいと思う自分がいるのですね。
神が宿る“霊山”は日本にもありますが、エヴェレストは「神のいる場所に近い山」なのかと。単純に標高の高さもそうですけど、ヒマラヤの山々の呼称は神々の名前にちなんでいるというのだ。そんな聖域を目指して果敢にチャレンジするも、命を落とした人たちの墓標もあることから、ある種の気高さを山を登りながら感じるという。

ここにそんな山登りに魅せられたアルピニストの、羽生丈二を演じた阿部寛と、カメラマンの深町誠を演じた岡田准一の、ヒマラヤ山脈の最高峰エベレスト登頂に成功したか否かを物語っている。
単に山を登るということだけではなく、役を演じるという命題も課せられて、孤高のクライマー羽生と、彼をファインダー越しに追い続けるカメラマンの深町。それぞれの役に対する視点もまた奥深い。

素晴らしいのは、深町が7900mに辿り着いた時、ブリザードに覆われ前に進めない。その時、羽生の声が聞こえる。まるで亡霊のように「俺はここにいる」目をかっと見開き凍え死んでいる羽生の遺体。「生きて戻りたい死んだらゴミだ」まだ続く羽生の声が「足が動かなくなったら手で歩け。手が動かなくなったら指でで、指が動かなくなれば歯で雪に歯型を立てて登れ、歯がダメになったなら目で睨みながら這え。目もダメになったなら心で想え、ありったけの心で想え」
羽生は、8848mの山頂まで上り詰め雪がやんで晴れ渡る視界、そして、またもやブリザードに襲われる。山の神様に嫌われたらしいと。羽生のリユックの中にイギリス人登山家ジョージ・マロリーのカメラと頂上を制覇した写真があるというのだ。ですが、深町のとった行動は、下山をして羽生の遺体を回収しようと必死に山を降りるのだ。

エヴェレストのロケ、撮影での苦難のお話を雑誌で、インターネットで知り、羽生役の阿部ちゃんは、ロケに行く前はトレーニングをして、低酸素室に通って、山の高さに順応できるようにしていき、実際は想像していたものと次元が違いました。4,500メートルあたりを超えると、空気も違うし、見えてくる風景も変わってくる。エヴェレストにいるからこその壮大な、現実とは思えない空間を体感することができました。

岸壁に宙づりになったりするのもかなり大変でしたね。自分がイメージしていた羽生は屈強な男だから、岩壁もガスンガスンとすごい勢いで登っていく感覚があったんです。ところが、そういうふうに登りたくても1センチも指をかける岩がない。映画の中での岩はゴツゴツしていて手が引っかかりやすいように見えるんですけど、実際は風化していて、雪などで削られているので、つかめるところがほとんどない。イメージと現実は違うと思い知らされました。力づくで登ろうと思っても、いつピッケルが滑り落ちるかわからない状況がリアルでした。阿部ちゃんの本音が聞けたと感じました。
前にハリウッドのエベレスト3Dを観賞した時のことを思い出す。男たちを惹きつけてやまない、世界で一番高い場所「エヴェレスト」最高峰にして聖域を目指す者たちの人間模様。壮大なる山岳ロマン、しかし、何故にこれほどに人はエヴェレストに魅せられるだろうか?・・・。
あの時もたくさんの死人が出た。150万円(現在は130万円)も支払って、自力で登る世界最高峰のエベレスト。山に魅せられた人だけに、達成する喜びと山頂での美しい景色は、何にも変えられないというのだろう。
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ドラゴン・ブレイド★★★★

2016年03月17日 | アクション映画ータ行
紀元前のシルクロードを舞台に、前漢とローマ帝国軍との戦いと国を越えた友情を描いたアクション歴史劇。
 アジアのスーパースター、ジャッキー・チェンが製作・主演を務め、ハリウッド・スターのジョン・キューザックとエイドリアン・ブロディを共演に迎えて贈る歴史スペクタクル・アドベンチャー。紀元前のシルクロードを舞台に、強大なローマ帝国軍と前漢との戦いを壮大なスケールで描き出す。監督は「処刑剣 14 BLADES」「項羽と劉邦」のダニエル・リー。

あらすじ:紀元前50年頃、前漢時代の中国。シルクロードでは、いくつもの部族が互いに衝突を繰り返し、紛争が絶えない混沌の時代を迎えていた。国境防衛と治安維持を担当する西域警備隊の隊長フォ・アンは、陰謀に嵌められ、裏切り者として辺境の関所“雁門関”に送られてしまう。そんな時、雁門関にローマ帝国の将軍ルシウスが自らの軍勢を率いて現われる。その中には、暗殺された執政官クラッススの末息子で、暗殺者に命を狙われているプブリウスもいた。

フォ・アンは一触即発の危機を回避し、やがてルシウスと友情を築いていく。そんな中、父であるクラッススを殺し、弟プブリウスの命も狙うティベリウスが、ローマ帝国最強の軍勢を率いて攻め込んでくるが…。

<感想>2000年前のシルクロードを舞台にした、ローマ帝国軍と中国前漢36部族連合軍の伝説の戦いを実写化で映画化したもの。もともとは、ローマ人の落ち武者伝説をジャッキーが企画して、シルクロードを舞台に平和の大切さを描いたもので、実際に中国の甘粛省で古代の墓が見つかり、ローマ帝国軍の剣や甲冑に遺骨などが見つかったそうです。その墓の近くでは、今も金髪で青い目をしているけれども、中国語を話すローマ人の末裔と思われる人々が300人も住んでいるというのだ。

シルクロードの砦を作っている最中に、ローマ軍のジョン・キューザックが現れ、ジャッキーとキューザックとの指揮官同士の一騎打ちでの対決の見せ場に驚き、2人で血を流しての戦いは止めようと話し合う。そして、不条理な命令による砦の修復作業に、ジョン・キューザック将軍が西方の技術を駆使して援助して、作業を手伝うローマ軍たち。これで、厚い友情を築くことになる。

砂嵐が舞う砂漠での激しい戦いと、熱き友情に、そして、お互いの兵がおおらかに歌い上げ、剣舞ともいえる踊りなども見せ所です。

それに、驚くのはジャッキー・チェンが悲哀に満ちた、眼の周りの黒いメイクを強調した顔で、いかにも年をとったという感じがするが、それでも製作も兼ねたジャッキーが見せるシルクロードを舞台にした映画に熱が入っているのを見た。
もちろんローマ帝国軍と漢を始めとしたアジアの、多民族軍の東西対決という壮大なるフィクションが描かれているのだ。

だが、そこへやってきたローマ軍最強のティベリウス、エイドリアン・ブロディが、中国を制覇しようと目論むのだが、その砦には幼い弟プブリウスの命を守るキューザック将軍がいた。彼は、ティベリウス軍に捕えられ拷問を受け最後だと感じて、ジャッキーに全てを預けるのであった。

異民族との友好や平和の模索など、現代の世界が抱える問題に通じるメッセージが込められている映画でもあります。

国際色豊かで豪華な顔ぶれでもあり、終わってみればただただ、戦っていた印象が強く残ります。それでも成り立っているのは、中心にジャッキーがいるからであり、それに、まだまだジャッキーのアクション全開のシーンが観られる映画でもあり、クライマックスのシーンでは、少人数でローマの大軍勢とどう戦うのかを、観客がいったいどうなるのか予測もつかない展開には、アクションの見せ場でもあります。

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