パピとママ映画のblog

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外事警察 その男に騙されるな ★★★★

2012年06月02日 | アクション映画ーカ行
待望の劇場版「外事警察 その男に騙されるな」はTVドラマ版から飛躍的なスケールアップを遂げ、日本と韓国にまたがる壮大なストーリーが展開していく。その発端は濃縮ウランが朝鮮半島から流出し、日本での核テロ勃発の危機が急浮上したこと。そこで国益を守るためには手段を選ばない“公安の魔物”こと敏腕捜査官、住本健司が外事警察に復帰し、旧知の精鋭チームを率いてテロ阻止に挑むという物語だ。
絶賛を博したドラマ場なんのスタッフ&キャストが再結集し、3週間の韓国ロケを敢行してスタイリッシュかつノワールな映像世界を構築。さらに真木よう子が新たな協力者(民間人スパイ)となるヒロイン香織に扮し、韓国版「男たちの挽歌」のキム・ガンウなど韓国人キャストも多数参加した。不穏な朝鮮半島情勢を背景にしたその内容は「外事警察」にふさわしいリアルな“危いさ”に満ち、見るものにまたたきさえも許さぬ緊張感が貫かれている。日韓の思惑が錯綜する壮絶な裏切り&騙し合いは、エンドロールが流れる直前まで絶対に気を許してはならない。

あらすじ:濃縮ウランが朝鮮半島から流出したとの情報を日本の内閣情報調査室が入手し、同時に国内の研究施設から核の軍事機密が盗まれる事件が発生。核テロを危惧した上層部は住本健司のチームに特命を下し、韓国の国家情報院(NIS)も日本潜伏中の捜査官に極秘作戦を指示する。
その頃、住本は単身ソウルに渡って在日二世エリート科学者、徐昌義の行方を追っていた。あの国の核開発のすべてを知るこの重要人物とついに対面を果たした住本は、すでに死亡したとされる娘の生存情報をちらつかせ、徐を日本に連れ帰ることに成功する。
住本のチームは入管リストから不審人物を洗い出し、奥田交易という小さな貿易会社に疑いの目を向ける。韓国人として入国した金正秀こと社長の奥田正秀は、2年前に日本人女性の香織と結婚。日韓を往来して密輸を行う彼を、事件のキーマンたる工作員と特定する。
住本は正秀を探るため、妻の香織を協力者として引き込もうと彼女の過去を洗い出す。そしてチームの唯一の女性である松沢が香織に身分を偽りアプローチし、住本は彼女が心の奥底に封印していた“秘密2を暴きだす。あっくして混乱した過去李は、住本の思惑どおりに協力者となった。
住本の下でスパイ行為を働くことは、夫への裏切りにほかならない。その両親の呵責に苦しみながらも、香織は奥田交易の倉庫で核の点火装置の盗撮に成功。だが、どうしてもウランの在処に辿り着きたい住本は、点火装置に発信機をつけるように香織に強要する。
ところが小型核爆弾を起動させる点火装置は、倉庫から消えていた。正秀の側近の安民鉄によれば、装置はすでにソウルに持ち出されたという。しかも日本国内から徐が失踪。もはや後戻りできない極限状態に陥った香織。最後の賭けに出た住本は、韓国に飛ぶのだった。(作品資料より)

<感想>ついに日本にも、見応え十分なポリティカルサスペンス映画が登場した。“裏警察”と呼ばれる、諜報活動を専門とする警視庁公安部外事課の暗躍を描いた本作がそれだ。硬派な金融ドラマ「ハゲタカ」を手掛けたNHKの精鋭スタッフが、渡部篤郎、尾野真千子、真木よう子、内閣情報官の石橋凌に、ジョ・マサヨシの田中泯、内閣官房長官に余貴美子、韓国俳優のイム・ヒョンジュンが奥田正秀に、正秀の部下で韓国の諜報部員のキム・ガンウなど、脇役陣が熱演している。
その中でも田中泯の存在感がとてもこの作品に映えて、主人公渡部の刑事としての演技の上をいっているくらいに思えた。
TV版は見てませんが、核の恐怖、震災のショック、朝鮮半島の情勢といったタブー視されがちな題材を扱っている点も評価したい。
舞台は濃縮ウランが流出した朝鮮半島から震災直後の日本へと展開。被災地に近い研究施設から核に関する機密ファイルが盗み出されたという設定。日本で核兵器によるテロが起きる可能性があるため、外事課きっての危険な男、住本が動き出す。渡部篤郎さんが、厳しい顔つきで流暢な韓国語を話し、アクションこそ少ないが渋みが出ていいですよね。
大きな見所は、民間人を諜報活動の協力者(スパイ)へと引き込む外事警察のダーティな手腕。というか、かなり香織の弱みを握って、他人には触れられたくない心の傷をえぐり、脅すというやり方は酷いですよね。

それも夜半に、夫が寝ている隙に、倉庫のロッカーに隠した点火装置の写真を撮って来いとか、その後それに追跡用の発信機を付けてこいなんて、見つかったら殺されるかもしれないのに。敵も用心していて、ドアのちょうつがいにロウを流し込んでおり、誰がロッカーを開けたのかが分かるようにしていた。
実力派の真木よう子と尾野真千子が、火花を散らしあいドラマにスリリングさを与えて女性の活躍も大きいです。それに肝心なケータイ電話みたいな遠隔装置の存在。これも実は、という香織と正秀は仮の夫婦だったのだが、いつの間にか愛情が芽生えていたという落ち。正秀が香織に託した遠隔装置のことでも、安易な感じがしました。

冒頭の香織がまっ白いシャツを血で真っ赤に染めて、どこからか逃げ出してくるところ。それがどのような事態でそうなったのかが、明かされるラストの展開に注目です。
善人顔した渡部篤郎が、小型核爆弾の点火装置を自分の手で解除するところは、本当に手に汗を握るドキドキ感がありました。解除コードが「キャンセル」とは思いもつかないですよね。
それにしても、一般的には耳慣れないこの組織、彼らの捜査対象は、スパイ天国などと揶揄される日本に海外から潜入したスパイやテロリストたち。そう、外事警察こそ、日本版CIAというべき国際捜査専門の諜報部員なのだ。
しかし、ジェームズ・ボンドや、イーサン・ハントのように華麗でパワフルなヒーローは存在しません。秘密兵器も持たず、知力と体力の限り尽くし、生身の人間が死闘を繰り広げるという。それこそリアルな日本的スパイ・ドラマなのだが、私たちには知られて困る外事警察の実態なのか、これでは物足りなさを感じざるを得なかった。
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2 コメント

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想像以上に良かったです。 (健太郎)
2012-08-12 15:01:57
邦画のこの手の作品は個人的に評価が低いのですが、『外事警察』は原作の小説がしっかりしているだけあってとても楽しめました。

TV版を観ていないので、新人の戸惑いや葛藤を知らないのですが、それでも十分に楽しめました。
渡部さんはじめ、出演陣の演技が皆さんとても素晴らしかったです。
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健太郎さんへ (パピのママ)
2012-08-20 14:57:02
私もTV版は見てないのですが、面白かったです。
実際に、日本の警察にもあるのでしょうが、潜入捜査は危険がつきもので、特に中国は怖いですよね。
映画だからこそ、危険を承知で仲間にして協力してもらう。いつもながら真木よう子の熱演に拍手です。
最後、小型核爆弾が解除されてホットしました。
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