パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

戦場でワルツを★★★・5

2017年06月27日 | DVD作品ーさ行
『戦場でワルツを』は、アリ・フォルマン監督の実体験を描いたノンフィクションである。ゴールデン・グローブ賞をはじめ各国の映画賞を総なめにし、本年度米国アカデミー外国語映画賞では『おくりびと』の対抗馬として注目を集めた話題作。戦場で体験したあまりの絶望から一度封印した過去の記憶を、今再び取り戻そうと立ち上がるアリの姿を通して、本作は"人間の強さ"を描いた魂の記録である。記憶や幻想が織り成すめくるめく映像は、アニメーションの枠を超え真の芸術の輝きを放っている。
あらすじ:冬のバー。映画監督のアリは、旧友とひさしぶりの再会を果たした。
会話の途中。アリはふいにあることに気付く。ある戦時中の記憶が自分にはまったくないということに...。抜け落ちた過去。なぜ俺は覚えていない―?失った過去を求めて、アリは当時を知る戦友たちを訪ねていく。(作品資料より)

<感想>2008年度の、あの「おくりびと」とアカデミー外国語映画賞を競った話題のアニメーション作品です。どちらかというと、本作の方がオスカー本命だったそうです。ここで扱われている虐殺事件は、1982年9月16日から約3日間、イスラエル軍によるレバノン侵攻が進められ、サブラとシャティーラ地区のパレスチナ難民キャンプで大量虐殺が起きたことを題材にしています。

サブラ・シャティーラ地区はほぼ全滅状態で、本当に酷かった。この時の作戦コードネームが“カサチ”アラビア語で「切り刻む」という意味。もう言葉を失います。サブラ・シャティーラの難民キャンプに攻めて来たのは、レバノンのキリスト教マロン派右派で、ファランヘ党。命令を下して後押ししてやらせていたのが、アリエル・シャロン。当時の国防相アリエル・シャロンは、この虐殺事件で解任され、のちに2001年、イスラエルの首相に就任する。

このサブラ・シャティーラ地区の虐殺の首謀者として、シャロンは国際戦争法廷に告訴されます。彼はメチャクチャで、2000年東エルサレムのイスラム聖地に数百人の武装護衛を伴って訪れ、「エルサレムはすべてイスラエルのもの」と宣言し、和平の機運を壊し、パレスチナ側の抵抗運動を激化させてしまったのです。そのシャロンも2006年に、脳卒中で倒れ、いろいろ病を重ねて、今では政界を引退したそうです。時の流れを感じさせます。(上部の部分は資料より引用しています)
そんな中、本作はアニメーションとドキュメンタリーを融合させた斬新な手法で登場したわけですが、・・・1982年当時、19歳だった監督のアリ・フォルマン自身の実体験が基になっているそうです。従軍したはずなのに、まったくその記憶がないという。実際、そういう記憶の後遺症は有り得るから。
現地で虐殺を受けた人々にとっては、消したくても消えないトラウマが残っただろうし、また、フォルマン監督みたいに思い出したくても思い出せない場合もあるだろう。その悲惨な記憶をドラマや映画にするには、あまりにも難しく、幻想も含めて内省の旅を描いていくのに“アニメーション”という手法を選んだのは良く分かりますね。

レバノンの海岸、海辺に並んでいる建物、海兵隊のあったところなどは、かつては“中東のパリ”と言われた風景が精密に描かれて、もちろん戦闘シーンも印象的でした。ただし、この“アニメーション”で描かれている場面はちょっと踏み込みが足りないような気がした。
戦場から戻って、いつまでも消えずに残る記憶は、視覚的なものよりも、死体が腐っている臭い、焼け焦げている臭い、そういうものを感じ取れれば、なお良かったのでは。実写でも難しいことなので、そこまで望むのは残酷かもしれませんけど、見ているものにそういう刺激的な“五感”に飛びこんでくる戦場の生々しさ、残酷さも描いて欲しかったと思います。
抜けおちた記憶、自分自身の真実を見つけるため、監督はこの映画を作ったのでは、と感じました。イスラエル兵が、鬼畜のごとき存在ではなく、彼らも人間として深く悩んでいる、ということを示したあたりが、作品として評価されたのでしょう。驚くことに、それがアニメでデフォルメされていた戦場の光景が、一気に現実となるラストシーンです。アニメで観ていたのに、油断をすると突然嫌―な感じがして、圧倒的に戦場のシーンが映し出されて、ただただ悲惨な光景が広がっていくのですから。

2017年DVD鑑賞作品・・・11映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

しあわせへのまわり道★★★

2017年03月11日 | DVD作品ーさ行
『ナイト・トーキョー・デイ』などのイサベル・コイシェ監督がメガホンを取り、パトリシア・クラークソンと名優ベン・キングズレーが共演を果たした感動作。性別も人種も宗教も異なる男女が、車の運転を通して少しずつ心を通わせていく様子を描く。原作は The New Yorker に掲載されたエッセイで、パトリシアが映画化を熱望。人生のどん底から少しずつはい上がり、新たなステップを踏み出すヒロインの姿が共感を呼ぶ。
あらすじ:ウェンディ(パトリシア・クラークソン)はニューヨークで書評家としての成功を手にしていたが、長年共に暮らしてきた夫にある日突然捨てられる。一人取り残された彼女は悲嘆に暮れ、さらに自分で車を運転しなければならないことに気付く。ウェンディはインド人タクシードライバーのダルワーン(ベン・キングズレー)の手ほどきを受けることに。

<感想>NYで書評家として成功をした熟年女性が、21年間連れ添った夫の浮気で離婚。夫との別れ際に乗ったタクシーの運転手がインド人のダルワーン。今まで車の運転免許など取ろうとも思わなかった彼女が、離婚をきっかけにインド人の男性に車の運転のレッスンを受け初め、自分自身と向き合うことになる。

演技派のパトリシア・クラークソンのチャーミングで知的な魅力が全開が見どころの一つであり、この主人公を彼女が演じることでリアルな素敵度が上がっていると思う。
タクシーの運転手が車の教官とは、インド人のダルワーンには、ベン・キングズレーが扮しており、すぐに公道を走るので初めての運転じゃ気が気でないし、ハラハラものですから。急停止、急ブレーキは初心者には絶対にあるでしょう。

インドから政治亡命してきたインテリのタクシードライバー兼運転教官の生活も描いており、独身という設定であり、ベン・キングズレーのターバンの色がピンク色からオレンジ色に変わって、愛情表現が鮮やかなターバンの色彩であらわされているような感じもする。

インドにいる妹の世話で見合い写真で即決で結婚が決まり、NYにいる彼のところへお嫁さんが来て、結婚式を挙げるという。これには驚いた。嫁も英語が話せないし、買い物にも行けない。夫は夜もアルバイトで生活費を稼いでいるし、NYに来て毎日一人でTVを見て過ごしている。ところが、思い切って外へ買い物に出かけると、スーパーで生理用品を買おうとするも、何処においてあるのか分からない。店員に聞いても知らないというし、困っていると同じ故郷のインド人の女性に助けられて、家に友達まで呼んで来てパーティを開いているところへ、夫のダルワーンが帰って来る。

ウェンディが免許試験で落ちてしまいがっかりしてやめてしまうというのだ。そんな彼女を好きになっていくインド人のダルワーン。ウェンディの方は、友達が彼女に似合う高学歴の男性との見合いをさせるも、意気投合してベッドインまでいくし、上手くすれば結婚までいきそうな気配。
物語の中で、車の運転を人生の舵取りになぞらえるあたりは、ありがちな感じがするでもないが、成熟した大人の女性の幸せさがしといった展開で描いているのがいいですね。
それに、脚本も演出も洒落ていて、ユーモアたっぷりで大人の男女のしあわせの秘訣は、距離感のセンスかもしれませんね。

2017年DVD鑑賞作品・・・4アクション・アドベンチャーランキング
トラックバック (7)

最高の花婿 ★★★

2016年11月25日 | DVD作品ーさ行
ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲(フランス映画祭2015)2016年3月19日公開
4人の娘たちの結婚相手は、みんな外国人!?こんなありえない家族に、果たして平和は訪れるの?
2014年のフランスで興行成績第1位の大ヒットを記録した痛快風刺コメディ。フランスの伝統的なカトリック教徒の家庭を舞台に、4人の娘たちが揃いも揃って異国の男たちと結婚してしまい、偏見や文化の違いから次々と諍いやトラブルが巻き起こるさまをコミカルに綴る。出演は両親役に「ミッション・クレオパトラ」のクリスチャン・クラヴィエと「ディディエ」のシャンタル・ロビー。監督は脚本家としても活躍するフィリップ・ドゥ・ショーヴロン。
あらすじ:フランスのロワール地方に暮らすクロード(クリスチャン・クラヴィエ)とマリー(シャンタル・ロビー)のヴェルヌイユ夫妻。敬虔なカトリック教徒の2人は、三女の結婚式にもどこか浮かぬ顔。というのも、長女と次女の花婿がアラブ人とユダヤ人で、今度は中国人。決して差別主義者ではないものの、娘の結婚式をカトリックの教会で挙げるというマリーの夢もいまだ叶わぬまま。そんな夫妻にとって、いまや最後の砦となった末娘ロールがついに結婚することに。彼女によると相手はなんとカトリック教徒。それを聞いた夫妻は大喜び。ところがいざ挨拶にやってきた婚約者シャルルは、コートジボワール生まれの黒人だった。これにはクロードばかりか3人の婿たちまでが猛反対するのだったが…。

<感想>多様な人種が混在するフランスを背景に、4姉妹の結婚をめぐる騒動を映し出している。「なんでこうなっちゃうの?」を意味するフランス語の原題どおりのコメディーです。
フランスの白人中流家庭。一家の四人の娘たちが、それぞれアフリカ人、中国人にアラブ人、ユダヤ人など異なる人種の男たちに恋して、結婚式をあげるハメになり、両親はあわてふためく様を面白おかしく喜劇スタイルで描いている。

最初のユダヤ教の婿殿の子供の割礼ネタで、孫の割礼した皮膚を庭の木の下に埋めるという習わしに、庭のないアパート暮らしのユダヤ人の婿殿は、両親の庭に埋めてくれと頼むも、庭で穴を掘っていると、飼っている犬がそこに来て孫の割礼した皮膚を、食べてしまうというハプニングも面白い。

その後は、娘の母親の鬱病に、熟年離婚、文化の違いや、宗教や食べ物など、それに言葉の壁は共通のテーマですが、今作ではフランス語でみな通じるので、娘や花婿や相手の親たちが出会っての会話が、飛び切りはずんでおかしくて楽しめます。

娘たちはそのことにまったくこだわらずに平然としているのに、意地になって見栄を張ったりするのは男たち、婿殿の方である。むしろ多国籍・多人種の方が、今後あるべき家族かもと思えてくるから不思議だ。

末娘には同じカトリック系の婿どのを期待する両親だったが、彼女が選んだのは、同じ宗教を持つ黒人青年だった。両親はフランス人の男を末娘の相手にと、家に招待したのだが、それが背が低いしブス男でがっかりした。

それに、ラストの方で、アフリカから両親が飛んで来て、フランス人の嫁の両親と対面するのだが、母親の方は何とか宗教が同じで教会へいき意気投合する。
ですが、問題は父親同士で、話し合おうとはせずに、娘の父親は釣りに行き末娘の婿殿や父親とも会おうとしないのだ。挙句に両親の離婚騒ぎが勃発して、末娘は結婚を止めようかと悩む。

本国のフランスでは、1200万人が見たというから驚いた。フランスの観客が求めていた語りの形式がここにあったと想像するしかないのだけれど、どれだけベタでご都合主義であろうとも、異人種・異文化という決して容易くないテーマを、このようにした作品に観客が駆けつけて劇場で共に笑い声をあげるということに意味があると思う。
2015年にフランスで不幸なテロ事件があったが、それを思うと、家族的なユートピアで、多様性を語る理想の限界も感じるのだが、とはいえ、異質なる者への意識が低い日本人としては、おおいに勉強になりました。
2016年DVD鑑賞作品・・・64映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (4)

SUPER8/スーパーエイト★★★★

2016年07月15日 | DVD作品ーさ行
「M:i:III」「スター・トレック」のJ・J・エイブラムス監督が、本作の製作を務める巨匠スティーヴン・スピルバーグとの夢のコラボで描くSFジュブナイル・アドベンチャー大作。1979年の田舎町を舞台に、8ミリカメラで自主映画を撮影中に偶然列車事故を目撃した少年少女たちが、やがて不可解な事件に巻き込まれ、思いもよらぬ大冒険を繰り広げるさまを、スピルバーグ作品へのオマージュも盛り込みつつノスタルジック・テイストあふれるタッチで描き出す。
あらすじ:1979年の夏。オハイオの小さな町で父ジャクソンと2人暮らしの少年ジョー。ある夜、親に内緒で家を抜け出し、チャールズやアリスら5人の友達と共に駅舎で8ミリ映画の撮影中、列車の脱線事故に遭遇する。またその混乱の中で、8ミリカメラは横倒しになったまま、大破した列車の一部から飛び出してくる“何か”を偶然映し出していた。ほどなくして現場には軍が到着。そして彼らは、ある極秘情報が何者かに知られてしまったと、大規模な捜索を展開する。現場から逃げ帰り、誰にも言わないと誓い合うジョーたち。しかし、町では不可解な事件が次々と起き始め、次第に極秘情報である“何か”の実態が明らかとなっていく…。

<感想>WOWOWにて鑑賞。監督にTVドラマ「LOST」シリーズ等のヒットメーカー、J.J.エイブラムス、製作に巨匠スティーブン・スピルバーグという最強タッグが生み出した、SF超大作。舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに熱中していた1979年。そんなノスタルジックな空気の中で、ちょっと間が抜けているけれど憎めない少年たちが偶然に秘密を知ってしまい、冒険に出るストーリーは『グーニーズ』を、町にざわざわと異変が起こっていく様子は『未知との遭遇』を、そして作品の根幹には『E.T.』のスピリットを感じさせる。
つまり本作には、J.J.も大好きだったスピルバーグ作品のエッセンスが、山ほど詰まっているのだ。そして『クローバーフィールド/HAKAISHA』で見せた“主役は最後の最後まで見せない”J.J.お得意の恐怖演出も冴え渡り、懐かしさと新しい世代の映画術が融合した、世代を問わずに楽しめるエンターテインメント作品になっている。

映画の舞台は偶然と言ってよいのか、あのスリーマイル事故が起きた頃の約30年前のアメリカ。1079年、例の“スーパー8”というフィルムを使って、子供たちがゾンビ映画を撮るという物語だ。
近くの駅でロケーションをしていたとき、偶然に大規模な列車転覆事件に遭遇したのだ。特殊効果の最新技術を駆使したその映像にまず圧倒される。作りものとはいえ列車が脱線転覆する模様はリアルそのものだ。そして感心していたつかの間、今度はそこに米軍の特殊部隊が到着して映画の本筋に入る。
監督のチャールズ、彼が脚本を書いているらしい。不慮の事故で母親を亡くしたばかりのジョーは特殊メイク係で、美術担当。模型を作ったり、ゾンビと対決する刑事役のマーティン、チャールズのアイディアで、物語をふくらますために後から参加することになった刑事の妻役のアリス。それからやたらに物を爆発させるのが大好きなケアリー、いつも冷静で一歩離れて仲間を見ているプレストンが仲間である。

ただのゾンビもの映画ではなく、刑事とその妻の愛情ドラマも盛り込もうと、監督のチャールズは考えていたのだが、そんな夫婦の愛を確かめるシーンを撮ろうと、真夜中に抜けだして、人気のない駅で撮影を始めた彼らの目の前で、大事故が起きる。まだその時、自分たちが撮影したフィルムに、何かが映っているのかは、知らなかった。
この映画に隠された秘密というのは、はっきりいって他愛のない、それこそ少年の夢、男の子の憧れ以外何ものでもない。制作がスピルバーグだから、あ~やっぱりそっちの話しなんだよね。という展開なのだ。しかし、この映画の凄いのは、少年たちのフィルムに何かが映っている、それがアメリカの国家的秘密らしいということ。軍隊がひとつの街を丸ごと避難させても守り通したい秘密で、と言う事でもない。

それにしても、映画に登場してくる少年の一人一人が、たぶんこの映画そのものを作っている、スタッフの少年時代そのままの姿を映し出したのもに違いないから。
監督のチャールズは、J.J.エイブラムスかスピルバーグ自身に違いないし、特殊メイクや模型作りに夢中なジョーは、きっとこの映画の美術スタッフになっているだろう。ケアリーもそうだ、爆発物を扱い、本物の家を燃やしたりすることが、今の彼にとっての仕事で至福の喜びに違いないのだから。
他愛もない物語を、大真面目に映画として成し遂げ、情熱をかける大人たち。彼らの少年時代が、映画にそのままオーバーラップしてくる見事さに、悔しいけれど感動するしかない。

2016年DVD鑑賞作品・・・48映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (4)

ザ・スナイパー ★★★

2016年05月05日 | DVD作品ーさ行
《5代目ボンド》P・ブロスナンがすご腕の殺し屋を演じたアクションサスペンス。企業間戦争で暗躍する殺し屋と、心に傷を抱えたビジネスマンの奇妙な友情を描く。監督は「ハンティング・パーティ」の リチャード・シェパード。
あらすじ:デンヴァーからメキシコシティーに出張に向かったダニーは、ホテルのバーでジュリアンという男と知り合う。だが、ジュリアンの無礼な態度にダニーは怒りを覚え、バーを後にする。
翌日、ジュリアンは昨夜の埋め合わせをしようと、ダニーを闘牛に誘う。
熱気が渦巻く闘牛場のスタジアムで、ジュリアンはダニーに衝撃の告白をする。(作品資料より)
<感想>劇場未公開の作品。「007」シリーズで5代目ジェームズ・ボンドを演じたピアス・ブロスナンが、すご腕の暗殺者を演じるのだからかなりアクションシーンが多いと期待した。だいぶ年とった感じはありますが、昔の面影は健在でスタイルは抜群です。でも残念ながら下品でスケベなおっさん。コメディふうの神経がイカレているスナイパーなんです。同じタイトルの、モーガン・フリーマン×ジョン・キューザック出演のあちらとは段違いですから。

冒頭から公園で黒い外車を見ているスナイパーの彼、少年が通りかかってあれオジサンの車なのって、聞く。いやって言ってビルから男が出てくるそしてその黒い車に乗ったと思いきや爆発炎上!・・・さすがプロの殺し屋。車に爆弾仕掛けたのだ。
原題が「マタドール」となっているのですが、劇中、メキシコシティーでダニーと知り合い二人で闘牛を見に行くのですが、素晴らしいマタドールの剣さばき、一刺しで牛を死なせてしまう。苦しませない一撃でというのはかなりの熟練者ですね。
で、闘牛のシーンが写りますが、殺し屋としてのブロスナンはマタドールのような素晴らしいスナイパーには見えませんでした。
出張先のメキシコで偶然出会ったビジネスマン役には、「グリーン・ゾーン」のグレッグ・キニアが扮しており、ジュリアンは始終彼を頼りに殆どいつも一緒。本当に各国でロケしたのか微妙で、最初はダニーが住んでいるデンバーから、メキシコ、そして、モスクワ、シドニー、ブタペストと画像だけって安上がりなロケ写真。
凄腕の殺し屋だったのに、年のせいなのか銃を構えるとスコープの目に入るのは少年の頃の自分。もしくは今の自分が標的のマトに写るんですから、どこか頭に以上がきてそうなったのか、ともかく依頼された標的を仕留めることができないのだ。笑えないよね。
そこへ人のいいダニーが目の前に現れ格好の餌食となるわけ。殺しの場所へ連れて行かれ、殺しの手伝いをするハメになる。有り得ない設定なのですが、実はダニーには仕事上のことで殺し屋のジュリアンに貸しがあったのですね。

ダニーの家にまで夜に押しかけてきて、奥さんも良い人なので接待して朝になってしまうんです。殺し屋をしていたのですからお金はたくさん持っているのですが、友達がいないんですね。自分の誕生日も忘れて、組織の男から「誕生日おめでとう!」なんて言われても、祝ってくれるひとなんてゼロですから、孤高の殺し屋なんてカッコいいこと言ってられませんよ、本当に寂しい男なんですから。
ダニーも仕事のことで借りがあるから、実はメキシコで商談が上手くいかなくなり、取引相手のもう一つの会社の社長をジュリアンに殺して貰ったのですから。これでは最後まで付き合うしかないみたいです。
ジュリアンがマニラのフルーツマーケットで標的を殺す計画。ナイフで一刺しだなんていって、いつでも殺せるのにダメだった。ロバの糞の上で気を失った彼、もう失敗すると自分の命が危ない。燃え尽き症候群だと嘆くジュリアン、人は身の危険を感じた時逃げ込む所があるが、俺にはない。だからここへ来たという。この家こそ自分の安らぎの家なんだ。なんて勝手なこと言って、ツーソンの競馬場での仕事は、ダニーも一緒に行き警察を引きつけてジュリアンが警報装置を押し、鳴り響くベルの音。その間に階段を上って上へと、スナイパーとしての仕事だ、いつものようにサングラスと指輪2個置いてと、そしてライフル銃を構えるが目に入るのはまた自分の子供の頃の顔だ。
何とも情けない殺し屋なのだが、ダニーという友人に巡り合えて最期の仕事を終えたようだ。つまり組織のボスを殺したのだ。殺し屋も一人ぼっちは寂しいのかな、なんともトホホな話です。

2016年劇場鑑賞作品・・・33映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

最高の人生をあなたと★★★.5

2016年03月26日 | DVD作品ーさ行
英ロンドンを舞台に、60歳を過ぎて第二の人生を歩み始めた女性が理想の人生を模索しながら奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。ふとしたきっかけで、これまでの人生や夫婦の老後について思いをめぐらせるようになる。メアリーが老いを実感する一方で、アダムは若手スタッフとの共同作業に熱意を燃やし、2人の仲は次第にぎこちなくなっていくが……。監督は、名匠コスタ=ガブラスの娘で「ぜんぶ、フィデルのせい」(2006)で長編デビューしたジュリー・ガブラス。
出演はメアリーにイザベラ・ロッセリニー、夫のアダムにはウィリアム・ハートが演じている。
教職を辞めて主婦となったメアリーと、世界的な名声を得た建築家、夫のアダム。2人の結婚生活は30年に及び、3人の子供たちも独立。孫にも恵まれ豊かな人生を送っていたかに思えたが、鏡で見る自分やスポーツジムでの自分に“老い”を感じるメアリーと、若いスタッフとの新プロジェクトに情熱を燃やすアダムは、徐々にすれ違っていく。

<感想>バス席で席を譲られたり男性からの視線を感じなくなったり、メアリーは社会生活の中で、老いを感じざるを得ないシチュエーションを何度も経験します。でも80歳には程遠い。60歳前後という年齢では、まだまだ現役でありたいという感覚を捨てきれないですよね。
それでもやはり、50歳を過ぎたあたりから“老い”を念頭におかないと。それに日本社会では、そのシステムがうまく機能していると思いますね。管理職っていうのもあって、現役との間に一線が引かれているから。管理職は口だけ出せばいい。そしてその頃から自分たちの経験を伝えて部下を育てるということをするわけです。

現役じゃいられなくなる、心の準備をしておいて。と社会システムに暗に言われる。本作でもメアリーは自分の老いを意識して積極的にそれを受け入れるように見えましたが、「ただ、あなたも私も老いてきたのよ」と、夫に認めさせようとする姿勢は適切とは思えません。一見対等に見えますが、男と女という身体の構造の違いとか、その人それぞれの生き方や考え方でも違ってくる。老いているということを分からせてやると、力づくでなんてダメです。

それより奥さんが忘れっぽくなってダメですね。眼鏡を何処へやったかしらと言えば、旦那さんが「俺も探すよ」と一緒に探して、かがんだ時にあっと、腰が痛い。それでもう、二人ともダメなんですね。つまり自分の欠点をさらすことによって相手と和解することが大事なんです。

お互いの脇の甘さというものを認め合う。老いたということの面白さ、弱さを認め合う。若い時は俺が目立ちたい、俺が勝と自分のことしか考えていませんが、老いていくとそれがなくなっていくのです。代わりに人のためにと考えられるようになれると最高ですね。

相手の弱さを理解出来るようになったから、実は、弱さを認めるように考えをシフトしただけなんですけどね。老いという現実を受け入れることによって、また新しい人生に進むことができると。でもシフトしようとしても実際は、やはりいつまでも若くいたいと思ってしまう。しかし、身体が思うように付いていけませんね。無理しない程度に自分のシフトチェンジをしようではありませんか。その時には、今は幸せかもと思うはず。

2016年DVD鑑賞作品・・・22映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ジェニファーズ・ボディ★★.5

2016年03月11日 | DVD作品ーさ行
小悪魔のような女子高生に隠された衝撃の真実を描くサスペンス・ホラー。脚本・製作総指揮は「JUNO/ジュノ」でアカデミー賞脚本賞受賞のディアブロ・コディ。監督は「イーオン・フラックス」のカリン・クサマ。出演は、「トランスフォーマー」のミーガン・フォックス、「マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド。
あらすじ:アメリカ中西部の田舎町、デヴィルズ・ケトルの高校に通う2人の少女、学校一の美女で自信家のジェニファー・チェック(ミーガン・フォックス)と内気で地味なアニータ・“ニーディ”・レスニキ(アマンダ・セイフライド)は幼馴染だった。ニーディはいつもわがままなジェニファーの言いなりだったが、チップ(ジョニー・シモンズ)という彼氏もいて、それなりに満たされた高校生活を送っていた。
ある夜、ジェニファーとニーディは、インディ・バンド“ローショルダー”のライヴを観に、地元のバーに出かける。会場に着くと、ジェニファーはお目当てのイケメンボーカル、ニコライ(アダム・ブロディ)にアプローチを始める。そんなジェニファーに呆れたニーディは態度を改めるようジェニファーを説得するが、軽くあしらわれる。
ローショルダーのパフォーマンス中、バーで火事が起こる。2人は何とか脱出するが、ジェニファーはショックで放心状態に陥る。同じく難を逃れたニコライがジェニファーを巧妙に誘い、バンドの車に乗せて行ってしまう。ニーディは慌てて家に帰り、チップに助けを求める。
そのころ車中では、男たちに乱暴されるのではないかと不安にさいなまれたジェニファーが、必死に抵抗していた。しかしニコライたちの目的は、それ以上のものだった。バーの火災以降、この町で、若い男の子が無残な死体となって発見される凄絶な事件が相次ぐようになる。それには、日に日に美しさに磨きがかかるジェニファーの秘密が関係していることを、ニーディは知っていた。そしてその魔の手がチップにも伸びていることに気づいたニーディは、町の人々を救うために立ち上がる。(作品資料より)

<感想>ミーガン・フォックスとアマンダ・セイフライドの美女2人が出ているので、WOWOWシネマで鑑賞。これって劇場公開作品です。こうして見比べるとミーガン・フォックスの方がセクシーで奇麗。アマンダはこの間みた「TIME/タイム」で凄く奇麗に洗練されていたけど、この作品ではちょっとメガネっ子でいもっぽい田舎のお姉ちゃんって感じですよね。

物語は、オカルト宗教のような黒魔術に、処女の女を生贄にする儀式で、ミーガンが狙われるのですが、それが処女でなかったがために彼女に悪魔が乗り移るというお話。

それが、ミーガンが悪魔というかドラキュラのようになって、妖艶な色気が漂って男を食いつくし、アマンダの彼氏チップにまで誘惑するということに。
監督が女性なので、どうしてもエロチックなシーンもおざなりだが、アマンダのダサいメガネっ子が初体験をして、次第に大人の女性として奇麗になっていく過程がいいですね。

後半でアマンダが恋人のチップをめぐって、プールの中で行われるジェニファーとニーディとのバトルは、オカルトホラーと古典的な怪奇映画を見ているようで、これは結構見れましたね。このバトルシーンだけでも充分見せ場のシーンになっており、初めは学園ものと思ってたのが、俄然ヴァンパイア映画になって行くのもいいですよね。
ラストは、ニーディが女戦士のようになって悪魔のバンドを地獄に突き落とすため、旅に出るという終わり方も気に入りました。
ラブコメと思って見たのに、悪魔のようなバンパイアになったミーガンに、まだ売れないころの女として磨きがかかってないアマンダの素顔が見れるので、ファンの方にはお薦めです。

2016年DVD鑑賞作品・・・15映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (2)

サマリア  ★★★

2015年12月21日 | DVD作品ーさ行
援助交際を繰り返す2人の少女と、片方の少女の父親の葛藤を描いたドラマ。監督・脚本・編集・美術は「春夏秋冬そして春」のキム・ギドク。撮影はこれが本格的デビューとなるソン・サンジェ。音楽は「春夏秋冬そして春」のパク・ジウン。出演は「純愛中毒」のイ・オル、「狐怪談」のクァク・チミン、新人のハン・ヨルムほか。第54回(2004年)ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞。
あらすじ:ヨジン(クァク・チミン)は、刑事をしている父のヨンギ(イ・オル)と2人暮らしの女子高生。彼女の親友である同級生チェヨン(ハン・ヨルム)は、卒業旅行の旅費を稼ぐために援助交際をしている。ヨジンはそれを嫌いながらも、チェヨンが心配で見張り役として行動を共にする。
そんな矢先、ホテルに警察の取り締まりがあり、逃げようとしたチェヨンは窓から転落死してしまう。それ以来、ヨジンはチェヨンの罪滅ぼしとして、彼女の援助交際の客に会い、彼らに金を返す作業を開始する。
しかしある日、殺人現場に仕事でやってきたヨンギが、向かいのホテルにヨジンが男といるのを目撃。ヨンギは衝撃を受けつつ娘の後を追い、ヨジンが何をしているかを知る。苦悩しながらも何も言えないヨンギは、娘の行動を監視し続け、娘を買った男たちへの制裁を始める。
そしてその行為は次第にエスカレートし、ついにヨンギは殺人を犯す。そのあと、ヨンギは妻の墓参りに行こうと、ヨジンと共にドライブに出掛ける。2人は墓参りを終えたあと、田舎の民家に一泊。そして翌朝、ヨンギは車の試運転をヨジンに提案する。ヨジンは初めての運転に喜ぶが、その間にヨンギは自ら通報し、迎えにきた警察の車に乗り込む。ヨジンは覚えたての運転で、逮捕された父の乗った車を追い掛けるが、ヨジンの車はぬかるみにタイヤを取られて動けなくなってしまうのだった。(作品資料より)

<感想>2人の少女、そして父に降りかかる悲劇、キム・ギドクならではの世界観が暴力的描写も極力影を潜められ、人間と自然の調和を模索するかのような境地に達したのかと思う驚きもあったが。と同時に、あまりにも生真面目すぎたきらいがあり、それがどこか物足りなさを感じさせもしていた。

まるで恋人同士ではないかと思うくらい仲の良い女子高生の、ヨジンとチェヨン。憧れのヨーロッパ旅行のために、2人はこつこつと金を貯める。だが、それは自らの体を使い、男を相手にする売春婦。警察の目を恐れ、見張り役となるチェジン。
良識ある世間からみたら「援助交際」という言葉で、片付けられてしまう行為を続ける2人のピュアな姿を、監督のギドクはまるでかつての大林宣彦映画のようなタッチで見せる。
自分は男たちを仏教徒に変えていくインドの伝説上の娼婦なのだと、屈託のない笑顔で語るチェヨン。だが、無垢なままの彼女と現実社会との折り合いがつかなくなった瞬間、2人の少女に悲劇は起こる。
ヨジンの父親を演じるイ・オルが、娘への深い愛情から人生を破滅させるほどの狂気に走る過程が物語の後半の中心となる。妻を早くに亡くし、男手一つで必死に育てて来た娘の、もう一つの姿を偶然目撃したことから、それまで自身の生きる目標だった理性や論理感をかなぐり捨てる彼。ギドクがこれまで演出してきた人間のもつ内面的な怒りが、見事に描かれる。

親友チェヨンの贖罪に報いようと奔走する娘ヨジンとのすれ違いが、ますます彼を苦悩に追い込み、その苦悩は援助交際の客である男たちにも連鎖する。彼らをただの悪い男と位置づけずに、孤独な人間の弱さの象徴としているのが、いかにもギドクらしい。
湖やボートといった、これまでの作品にもしばしば登場させている小道具も随所に盛り込まれ、辛辣なユーモアとともにギドクの特異な世界観を成り立たせている。
絶望の淵にまで立たされた人間にも、ほのかな希望の光が見出せるのが印象的。それがラストシーンで、我が子の成長を見守らんとする親鳥が、すがりつくひな鳥を突き放して、一人で飛び立たそうとするかのような描写の中に、人生はいくらでもやり直せると、力強くまっとうすべきだという、作り手の確かなメッセージが伝わってくるのが分かるのもいい。
2015年DVD鑑賞作品・・・74映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

スケルトン・キー ★★★

2015年12月15日 | DVD作品ーさ行
ラブコメ界の新女王、ケイト・ハドソンが初めて挑んだミステリーホラー。古い因習が残るアメリカ南部・ルイジアナ州。老夫婦の住む屋敷に住み込みの看護士として働くことになった女性を、古呪術“ブードゥー”の魔力が襲う。
監督・製作:イアン・ソフトリー 製作:ダニエル・ボブカー、マイケル・シャンバーグ 脚本:アーレン・クルーガー 撮影:ダニエル・ミンデル 音楽:エド・シェアマー
編集:ジョー・ハットシングCAST:ケイト・ハドソン「10日間で男を上手にフル方法」「あの頃ペニー・レインと」ジーナ・ローランズ「きみに読む物語」「グロリア」ジョン・ハート「エレファント・マン」ピーター・サースガード「K-19」 ジョイ・ブライアント「ダンス・レボリューション」
あらすじ:ルイジアナ州ニュー・オリンズ。看護士のキャロライン(ケイト・ハドソン)は、新聞の求人広告に載っていた住み込みの看護の職を見つけ、片田舎の屋敷へ。広大な敷地を持ち、30部屋以上もあるその大きな屋敷には、老婦人のヴァイオレット(ジーナ・ローランズ)と脳梗塞で全く身動きができなくなってしまった夫のベン(ジョン・ハート)が2人きりで住んでいた。
南部出身でないキャロラインに難色を示すヴァイオレットたっだが、夫婦の弁護士ルーク(ピーター・サースガード)の説得で、キャロラインは屋敷に迎え入れられることに。
こうしてベンの介護を始めてほどなくして、キャロラインはバイオレットから全ての部屋を開けられる合鍵をもらう。
ある日、ヴァイオレットに頼まれて庭に植える花の種を取りに2階へ登った彼女は偶然、ほこりだらけの屋根裏部屋を見つける。さらに、数々の使わない家具や食器が収納されているその小部屋の奥には合鍵でも開けられない扉が。不信を抱くキャロラインだが、ヴァイオレットは取り合わない。
その後、彼女のまわりで次々と不思議なことが起こり始め、ベンは「この家から逃げたい」とキャロラインに密かに助けを求める。やがて、この地方で古くから言い伝えられている “フードゥー”という呪術の存在と、その使い手で昔この家で働いていた男女が、訳あって家主に殺されていたことを知るキャロライン。信じるものに効力を発揮する“フードゥー”や、この家の秘密が明らかになったとき、キャロラインを待っていた驚愕と恐怖の真実とは・・・?

<感想>今ツタヤで準新作と旧作が100円でかりられます。この機会に前から観たいと思っていた作品をゲットして、ドキュメントに作っておきそれを順次投稿して行きます。
それで借りてきたのが、前から気になっていたこの映画です。 古典的なゴシック・ホラー。フードゥー教の呪術(ブードゥー教ではない)が物語りのキーとなりますが、古い屋敷にある不気味な開かずの間や鏡に映るという幽霊、屋敷に古くから伝わる悲劇的な事件などホラーファンやミステリーファンが楽しめるアイテムが随所にあり、なかなか魅力的な作品です。
キャロラインは、ルイジアナの片隅にある広大な屋敷で、住み込みの看護婦として働くことになるのです。

が、その屋敷には鏡が一つもなく、至るところに魔除けのレンガ屑がまいてあった。その上、屋根裏部屋の奥にある小部屋は、マスターキーを使っても開けることが出来ない。
そんな屋敷と変わり者の老夫婦。主人を不審に思うキャロラインは、ある日のこと好奇心も手伝って小部屋の鍵をこじ開けてしまいます。
開かずの間というのは怪談話の恐怖要素として世界共通なんですね。 この作品に於いても不気味な存在感を発揮しています。開かずの間に対する興味が増す一方で、屋敷に鏡がないことに気づくのですが、何故なら鏡に幽霊が写るらしいって(怖)この展開に興味がある方は見て損が無いと思います。ですが、開かずの間や幽霊は脇役にすぎません。まったく想像もつかない展開になるんですから。

ここからはネタバレでいきます。ジャスティファイとセシールは、高潔な人物だったということなので、その二人がまさか、キャロライン=ケイト・ハドソンを生贄にするなんて思わなかったもの。しかもその儀式が命を奪うのではなく、体の中身を入れ替えることだと言うことだなんて、恐~。
本当に最期まで良い人達だと思っていましたからね、あぁ~、バイオレットの生贄の儀式からキャロラインを救う展開になると思ってたのに、・・・。しかもその儀式は体の中身を入れ替えることだとは。おまけに、ルークの体の中身はジャスティファイだなんて、驚きの連発が続きます。
まさかそんな事とは、ルークは初めから見るからに怪しいと睨んでましたが、どうりでバイオレットに対して献身的だったわけなんですよね。
フードゥー教の呪い術による陰湿な策略が、この作品のメインで、ケイト・ハドソンがマインドコントロールの恐怖に翻弄されるヒロインを、セクシーかつエキサイティングに熱演しています。
2015年DVD鑑賞作品・・・71映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (1)

スノウマゲドン ★★

2015年12月09日 | DVD作品ーさ行
容赦なき天変地異、そして世界に“白い終末”が・・・クリスマスを目前にしたアラスカの街を襲う未曽有の異変地殻変動・氷の隕石・巨大雪崩、次々と発生する天変地異それはすべて呪いのスノードームが引き起こした災厄なのか?そして白い地獄に立ち向かう決死の戦いがはじまる!!
制作国はカナダ 2011年、劇場未公開映画。
監督:シェルドン・ウィルソン原題「SNOWMAGEDON」
出演:デヴィッド・キュービット、マイケル・ホーガン、ローラ・ハリス
あらすじ:クリスマスの準備に忙しい、アラスカの町ノーマル。ミラー家に届いた、差出人不明のプレゼント。それはガラス球の中にノーマルの風景をミニチュアで再現した、美しいスノードームだった。幼いルディは、台座のボタンを何気なく押してしまう。すると、猛烈な地震が発生。異変は続き、隕石のような氷の塊や、巨大雪崩が街に襲いかかる。そのスノードームは、球の中で起きた事がすべて現実になる呪いの玩具だった。伝説によると、呪いを解くにはドームを火山に葬るしかない。父親のジョンはサルバーグ山の火口を目指し、極寒の地獄に踏みこんでゆくが…。(Amazonより)
<感想>スケール満点のパニック・アクション映画である。物語は息子のルディが遊んでいるゲームにヒントが隠されている。自分が送り主が分からないプレゼントを開け、そのスノードームのボタンを押したことで起きる天変地異に恐ろしくなり、両親たちもまさかそんなことが、実際に起きるとは信じていなかった。
だが、スノードームの中の街の時計の針が12時を指すと、同じく現実に街の時計も動き出し12時なる。すると、地割れの次は大きな氷の塊が降り注ぎ、まるで機関銃にでも襲われたように住人たちに襲いかかる。
そして2時には、ルディのベビーシッターが知らずにスノードームのボタンを押してしまう。すると巨大雪崩が街に襲いかかって、それに、地面から尖った木が飛び出してきて、車で逃げ惑う住民たちを襲うのには、悪魔のしわざかこれは?・・・なんて思ってしまった。違うんですねこれは全て、スノードームの中で起きたことが現実となって行くわけなんですね。
始めの地割れでも一人が犠牲になり、次の氷の塊が降り注いだ時には、街ではパニック状態になり多数の犠牲者が続出した。中でも電柱が倒れバスに直撃。バスの中には2人の男がいたが、一人は大怪我をしており、もう一人も助けを呼ぶもバスに電柱のトランスが乗っており、いつでもショートする気配。バスの外に出ると直ちに感電死してしまうというのだ。
それに、ルディの母親がヘリコプターで、若い男の子二人と自分の娘を乗せて雪山へ飛び立つ。スノーボードをするためなのだが、氷の塊が降って来た時には、雪山の天候がまるで嵐のように、空から大きな氷の塊が若者二人に襲いかかる。一人が負傷して山を降りるも、途中で母親と娘の乗ったヘリが落下して、娘のシートベルトが外れない。でも二人は何とか助かったのだが。
街では心配した父親が、雪上車で雪山へと救援に向かう。ヘリを見つけて奥さんと娘を助けたのだが、次に起きた大きな雪崩で傷ついた若者は雪崩に呑みこまれて、もう一人の若者だけが助かったのだ。だが雪上車も雪崩に呑みこまれ動かなくなってしまった。
その後何とかそこを脱出するも、家へ帰るとおもちゃだと思っていたスノードームが、呪いの源と知り、サルバーグ山の火山の中へ投げ込まないと、この事態は治まらないというのだ。スノーモービルで山へと向かうパパ、途中で地割れが起きクレバスの下へ「スノードーム」を投げ込むのに奮闘する父親の勇気に感動。
天変地異の原因がまさか“呪われたスノードーム”という、変に科学的でないのがいい。お伽噺のような世にも不思議な、スノードームが巻き起こす未曾有の異変と、それに立ち向かう家族の戦いを描いているのだが、スケール満点のCGを駆使した怒涛の災害シーンが見ものです。最後に、クリスマスツリーに、またもやスノードームがあるのを見つけたのには、「またかよ!」って思ってしまった。
2015年DVD鑑賞作品・・・67映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

さすらいの女神(ディーバ)たち★★★

2015年11月29日 | DVD作品ーさ行
業界から干されたプロデューサーと、華麗なショーダンサーたち“キャバレー・ニュー・バーレスク”によるフランスツアーを描くロードムービー。現役のダンサーたちによるパフォーマンスも見どころ。監督・主演は、「潜水服は蝶の夢を見る」の主演俳優マチュー・アマルリック。第63回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞。
あらすじ:アメリカで活動しているニュー・バーレスクの一座“キャバレー・ニュー・バーレスク”が、フランス国内でツアーをしている。ダーティ・マティーニ、キトゥン・オン・ザ・キーズ、ジュリー・アトラス・ミュズ、ミミ・ル・ムー、イーヴィ・ラヴェルの女性5人と、男性のロッキー・ルーレットからなる6人組で、連れてきたのは、元TVプロデューサーのフランス人ジョアキム・ザンド(マチュー・アマルリック)。

ツアーはルアーヴルからナント、ラ・ロシェル、トゥーロンへと回る。パリでも興行をするという話もあるが、はっきりしない。そもそもダンサーたちは、ジョアキムがどんな人物なのかよく知らなかった。ルアーヴルのステージのあと、移動の列車の中で、携帯電話でもめていたジョアキムは、パリ公演がなくなったと告げる。

サン=ナゼールで各自パフォーマンスの練習をしていると、ジョアキムがダメ出しをする。しかし、ダンサーは自分のやりたい表現をすると反発する。その夜、ジョアキムは車でパリに向かう。パリに着いたジョアキムはパリ公演を実現するため、昔の仲間フランソワ(ダミアン・オドゥール)に会う。
2人は昔のボスのシャピュイ(ピエール・グランブラ)に会いに行くが、相手にされない。ジョアキムは息子たちと落ち合う。彼らを車に乗せると、急に思いついて病院に行く。入院中の女性ディレクターに相談するが、ジョアキムから受けた仕打ちを思い出した彼女は、怒りをこみ上げさせる。(作品資料より)
<感想>初監督のマチュー・アマルリック。お手並み拝見というところだが、主演はバーレスクの一座ダンサーたちのはずが、マチューが主演となって展開していくのには、ちょいと抵抗があった。確かに「潜水服は蝶の夢を見る」での植物人間状態の演技は絶品でした。

ですが案の定、ダンサーたちといっても中年にさしかかった年増のデブダンサーたちばかりだ。踊りもストリップ専門のようなので、見るに絶えないのだが、そのおばさんたちを引き連れて旅をしていく途中で、いろんなことが起きる物語。問題が起きるといっても、ジョアキムがフランス人ということもあり、アメリカからおばさんダンサーを引き連れてのショータイムなので、花の都パリへ連れて行くと言って連れて来たのに、結局仕事は場末の劇場ばかりなのだ。
その中で一人パリでの興行を奮闘するも、以前テレビ番組のプロデューサーをしてたらしく、そのつてをたよっていくのだが、けんもほろろの扱いでよほど彼は酷い仕事をしたらしい。というのも、番組のスターを手当たり次第に手を付けてポイと捨てるやり方で追い出されクビになったらしいのだ。
主人公のジョアキムは、どうやら同性愛者らしく以前勤めていたテレビ局のフランソワとデキている。それに女ともすぐに寝てしまう悪い癖がある。一座の花形スターのミミとも関係を持つのだから、どうしようもない。

それに、パリでは二人の息子と待ち合わせをしており、たまには父親らしいところを見せるという。でも、息子たちには、ジョアキムの父親の仕事先まで付いて行き、子供にとって父親のしていることがすべてお見通しなんですね。
こんなダメ男のジョアキムに付いていくダンサーたち、宅配のピッツァに嬉しそうに飛びつく様や、旅のホテルで男を物色するなど逞しい彼女たちの姿が垣間見える。
彼女たちはジョアキムの不甲斐なさを知りながらも、一緒に巡業を続けて行く様は、どちらかというと、円熟したおばさんダンサーの方が数段世の中のことを知っているようでしたね。
2015年DVD鑑賞作品・・・64映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (1)

すべては愛のために★★.5

2015年11月10日 | DVD作品ーさ行

エチオピア、カンボジア、チェチェン、イギリスと4ヶ国におよぶ壮大なロケーションの中で、10年に渡って繰り広げられる男女二人の真実の愛の物語。主演は「17歳のカルテ」「トゥームレイダー」のアンジェリーナ・ジョリーと、「ボーン・アイデンティティー」のクライヴ・オーウェン。監督は「007/ゴールデンアイ」のマーティン・キャンベル。
アンジェリーナ・ジョリー紛する英国社交界の美しい人妻・サラは、慈善パーティに飛び込んできた青年医師・ニックと出会う。
「マスク・オブ・ゾロ」のマーティン・キャンベル監督が壮絶なクライマックスを用意し、壮大なスケールで描く救出劇!
あらすじ:裕福なイギリス人の妻となったことで華やかな社交界も経験し、優雅な生活を送るサラ。そんな彼女にある日、人生の転機が訪れる。それは、サラが義父の慈善活動の功績を讃えるパーティに参加した時。この虚飾に満ち溢れた会場に、突然、青年医師が痩せ細ったひとりの少年を連れ飛び込んでくる。その医師ニックは、「世界は今、この瞬間にも命を落とす子供たちがいる」ニックの言葉に心を動かされたサラは、遥かエチオピアへ向かうことを決意する。
翌日あの少年が死亡したことを知った彼女は一大決心、私財を提供するとともに、夫の心配を顧みず援助活動に向かう。過酷な現実を目の当たりにするサラ。銃の鳴り止まぬ内戦地帯で懸命に救援に従事するニックの姿に、熱い想いを抱きはじめたサラ。彼女たちを待ち受ける現実とは…。

<感想>アンジーの大ファンで、だいぶ前に購入したものです。原題が「BEYOND BORDERS」なんですが、邦題の方が内容に相応しい映画でしたね。難民救済とか社会紛争をテーマにした社会派映画だと思っていたら、途中からどんどん個人的な彼女の愛の方に話が変わってしまいました。
この映画の作り手たちは、いったい何を考えていたのでしょうかね。ハリウッド的思考に染まったメロドラマが、お腹をすかせたエチオピアの子供も、カンボジアの難民も、チェンチェンの民族紛争の犠牲者も、長距離恋愛中の二人の苦悩を強調するための小道具としか思えなかったらしい。

結局私たちが目にしたのは、時代錯誤なラブストーリーだったのですね。富豪の妻(アンジェリーナ・ジョリー)は、医師(クライヴ・オーウェン)の熱意にほだされ、難民の救済の活動にのめり込むと言う内容ですが、こうした悲劇を意図的に利用しようとしたわけではないと思うのですが、・・・考えてしまいます。
それでも幼い子供の腕をデジタル技術で、箸ほどの細さにした映像が映し出され、それは単なる背景にでしかない。
エチオピア、カンボジア、チェチェンとあちこちの問題を取り上げようとして、手を広げてしまって取りとめのない物語になってました。結局、どの場所もその後一体どうなったのか、全く触れられてないんですよね。

それと、アンジーが演じた主人公サラの無神経さには感心しませんでした。エチオピアに行くために夫からお金をもらい、難民のいるエチオピアへ行くのに、白い上着に白いロングスカートと白い帽子の姿。場所に不釣り合いな格好で、金持ちの有閑マダムと変わりない。金があるから恵んでやるというそんな風にもとれました。
で、若いクライヴ青年医師に心惹かれながらも、「夫との愛は冷めた」と言い二人は関係をもちサラのお腹には、彼の子供が宿る。お相手が、まだそんなに売れていないクライヴ・オーウェンなので、若くてイケメンだしカッコいいのでラブロマンス映画になっていました。
彼の子供を出産後も、チェチェンに恋人を探しに行く彼女は、もう夫に愛は残っていなかったのですね。“すべては愛のために“自分の情熱と感情の赴くままに生きる。
実際に「トゥームレイダー」の撮影で訪れたカンボジアで難民の実情に衝撃を受け、その後UNHCR親善大使として、難民キャンプへ自費で視察に出かけたり、継続して多額の寄付を約束するなど、積極的な活動をするアンジー。
この作品はまるで彼女のドキュメンタリーを観ているようで、深く深く入り込んでしまいました。作品にはちょっと不満があるけれど、ラストがあまりにショックだったから…放心状態でしばらく呆然としました。アンジーファンの方にはお薦めです。
2015年DVD鑑賞作品・・・60映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


殺人犯 ★★★

2015年10月12日 | DVD作品ーさ行
アジア各国で物議を醸したサスペンス・スリラー。記憶を失っている間に連続殺人の疑いをかけられた刑事が、自ら真相に迫る。監督は、本作が初監督となるロイ・チョウ。出演は、「父子」のアーロン・クォック、「ビバ! 監督人生!!」のチャン・チュンニン。第29回香港電影金像奨主演男優賞、新人監督賞ノミネート。日本ではデジタル上映。
あらすじ:病院で目を覚ました香港警察特捜班主席警部のレン・クォン(アーロン・クォック)は数日間の記憶がなく、彼の傍で同僚のタイ警部(チェン・クアンタイ)が重体で倒れていたことを知らされる。妻ヘイオイ(チャン・チュンニン)、息子チャイチャイと暮らすレンは、被害者の背中に電気ドリルで穴を開けて出血死させるという連続殺人事件を捜査していた。

タイの爪にレンの服の繊維が残っていたため、レンに嫌疑がかかる。レンは捜査から外されるが、同僚で親友のクァイ(チョン・シウファイ)と独自に事件を追う。自分が襲われた現場で浮浪者の記憶を取り戻したレンは、ポンプ室で猿の死骸と血の付いた電気ドリルを見つける。鑑識の結果、ドリルにはタイの血液が付いていた。
これまでの犯行はレンの自宅近くの破辺洲で、彼の休みの日に起きていた。警察はクァイにレンを監視させる。レンは自宅で、ドリルで穴が開けられた人形を見つける。レンが物置を調べるとドリルがなくなっており、血液の付いたドリル穴と血痕があった。レンはその痕跡を消すが、翌日、再び穴と血痕が見つかる。

また、被害者の背中の穴を線で繋ぐと、自宅にあるウサギの絵にそっくりになることがわかる。レンは病院の再検査で、血液中に薬物が検出される。それにより記憶障害が引き起こされていることがわかるが、その間にも破辺洲近くで被害者が出る。ある日レンは、アメリカから帰国した妹マンとクァイを家に招く。そこで幼いレンと妹、友人が写る写真に目が留まる。その裏に書かれた名前が殺人事件の被害者であることに気づいたレンは、写真を隠す。しかしクァイは、ウサギの絵を見つけてしまう。翌日、被害者の遺品に同じ写真が見つかる。クァイはレンを浜辺に連れ出し、問い詰める。しかし揉み合いになり、レンはクァイに手を掛けてしまう。翌日、レンは浜辺で見覚えのある浮浪者を見つける。浮浪者が息子を連れ去ろうとするのを救ったレンは、自分の記憶から消えている人物が写真に写っていることに気づく。(作品資料より)

<感想>これはもう最後まで見るまでもなく、ハリウッド映画の「エスター」とほぼ同じ内容です。連続殺人事件、その被害者は殺人犯人に仕立てたれた警部レンの幼い頃の1枚の写真。つまり被害者は、その写真に映っている子供たちが大人になり殺されてというわけ。
記憶障害となった警部レンが、いかにも犯人のように見えますが、私も中盤ごろまでレンが犯人ではないかと疑っていました。きっとニ重人格で日常は普通の人間で、一歩何らかの瞬間殺人鬼となる。なんて思ってました。
でも、養子のメガネをかけた少年になんとなく違和感を感じて、それからも注意しながら見ていると、やっぱり昔の幼い頃に撮った写真の後ろに見たことのある少年が写っているではないですか。
それに気が付くまでは、連続殺人が起き、その殺された体の背中には、何故か電気ドリルで穴が無数に開いており、それはまるでウサギの絵のようで、地下室に貼られている亡くなった息子のウサギの絵そっくり。
妻ヘイオイとの間に息子が生まれて、その後レンの不始末で池に落ちて溺死。その後に、チャイチャイを養子にもらったのです。その自分たちの息子が描いたウサギの絵、まさにレンが狂ってしまって殺人を犯し、その被害者の背中にウサギの絵を電気ドリルで穴を開けたように思われても仕方がないですよね。

それに、ノイローゼとなったレンが、同僚のクアイと揉み合い崖に落してしまいます。まだ生きていたのに、救急車呼べば助かったのに。
レンはそれから必死に自分の汚名を晴らすべく、昔の子供の頃のことを思い浮かべ、ある事実を突き止めます。でもすでに遅しで、妊娠中の妻ヘイオイに魔の手が迫っていたのです。
妻の死を確認して嘆き悲しむレン、もっと早くに気が付けばこんなことにはならなかったのに。それにしても、レンの家は湖の傍にある豪邸、ベランダから見える景色が素敵です。

息子チャイチャイの本当の年齢は40歳過ぎていたはず、気付かないレン夫婦にも呆れますが、チャイチャイは自分のことがバレると直ぐに違う里親を見つけて引っ越ししていたのです。子供の頃に、写真に映っていた近所の子供たちに虐められた怨みを、こんな形で晴らそうとはレンも思っても見なかったこと。
だが、もう狂ってしまったレンは、チャイチャイに振り回され、電気ドリルを持って追いかけ警察に捕まってしまいます。最後まで電気ドリルで引っ張るサスペンス・ホラー、いやはや観ていて疲れました。
年はとっても身長が伸びずに背が低いままの病気、不老症って、実際にあるんですよ、男と、女と見たことありますもの。でもさすがに女性は化粧して、年をとると皺とかは隠せないし、年相応に見えました。
2015年DVD鑑賞作品・・・58映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
トラックバック (1)

しあわせの法則 ★★

2015年10月12日 | DVD作品ーさ行
音楽プロデューサーとして奔放な生活を送る母親と医者を目指す真面目な息子の葛藤を軸に、周辺の人間模様を描く人生ドラマ。自由奔放な母親と恋人、堅実な息子とその恋人 その関係の行く末」
物語:ハーバードの医学部を優秀な成績で卒業したサム(クリスチャン・ベイル)と、美しい婚約者アレックス(ケイト・ベッキンセイル)。2人は互いの研究を続けるためにLAへ向かい、ハリウッド北西にあるローレル・キャニオンのサムの実家に一時滞在する計画を立てる。
ところが、誰も使っていないはずのその家には、サムの母ジェーン(フランシス・マクドーマンド)と歳の離れたミュージシャンの恋人イアンがいた。音楽プロデューサーである母の奔放な生き方に抵抗を感じ、堅実な道に進んだサム。
久しく会っていなかった母子は思わぬ再会に戸惑い、他に住む場所のないサムとアレックスは仕方なく同居することに。やがて真面目一筋だったアレックスは、自由気ままなジェーンやその仲間たちの生き方に興味を抱き始める。
出演は「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンド、「ダークナイト」のクリスチャン・ベイル、「アンダーワールド」のケイト・ベッキンセイル。監督・脚本は「ハイ・アート」のリサ・チョロデンコ。2002年、アメリカ1時間44分(作品資料より)

<感想> 何らかの理由でどうしてもうまく行かない親子の関係を描いた作品はたくさんある。主要キャストの好演が良い部分とダメな部分の差が激しい物語を救っていると思う。でも何と言っても本作は、フランシス・マクドーマンドがいて初めてこの映画が生きてくる。
あるがままの自分を楽しんでいる中年女性を演じさせたら、このオスカー女優(ファーゴ)の右に出る者はいないのだから。マクドーマンドが扮するのが、40代半ばの音楽プロデューサー、ジェーン。
若くして業界で名を上げ、今もバリバリの現役で活躍中。ちょうどローレル・キャニオンにある自宅のスタジオで、恋人である若いイギリス人のイアンのバンドのレコーディング中だった。もちろん原題は『LAUREL CANYON』という。どうも邦題の付け方が、日本人受けの好みにしている感じがしてならない。

そこへ息子のサム、クリスチャン・ベイルが婚約者のアレックス、ケイト・ベッキンセイルを連れてやってくる。これほど似てない親子も珍しいが設定なので(苦笑)母親のジェーンはだらしなくて節操もなくて、マリファナ好き。型物のサムは、そんな母親をあきらめの眼差しで見つめている。

しかし、すべてに対して開放的なジェーンの生き方にアレックスは好意的に惹かれ、サムはサムで、勤務先の病院の同僚医師に惹かれて行くわけ。
何となく昼メロのような設定だと感じるが、でもチープなメロドラマにならない程度には冒険心もある。人間関係の描写は鮮やかだし、楽しいキャラクターが揃っているのだから。
ロック歌手のイアンは、自分が人の生活をいかにメチャクチャにしているのか、まったく理解していないし、頭でっかちなアレックスは、未知の世界に刺激を受けて夢中になっている。
母親を深く愛しているサムは、彼女の奔放な振る舞いにその愛を試され、そして彼らの中心にはジェーンがいる。マクドーマンドのさりげない演技が秀逸で貫録ある。年はいっていてもジェーンが誰よりもセクシーな人間だと、マクドーマンドは良く分かっているから、彼女の自然な演技が生きてくる。
2015年DVD鑑賞作品・・・57映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ソニー ★★★.5

2015年09月27日 | DVD作品ーさ行
巨匠コッポラの甥としても有名な俳優ニコラス・ケイジが、ついに初メガホンを取ったのが本作。『ソニー』は15年も前に俳優としてアプローチしたこともある、思い入れの深い作品だったとか。時代設定を彼が青春時代を過ごした80年代初頭に、舞台も彼が大好きな街ニューオリンズに変更。室内シーンはそのほとんどを彼の自宅で撮影、とニコラス・ケイジのパーソナルな映画に仕上がった。もちろん彼もチョイ役で出演! お見逃しなく。
あらすじ:1981年。ニューオリンズの歓楽街に、軍を除隊したソニー(ジェームズ・フランコ)が帰ってきた。娼館を営む母親ジュエル(ブレンダ・ブレッシン)のもと、少年時代から男娼として完璧な教育を受けてきたソニーは、その類い稀な容貌と才能で街の伝説になっていた。
以前の生活を望んでいたジュエルは早速彼に仕事復帰を促すが、ソニーはこの世界から足を洗い、普通の人生を手に入れようと決意していた。新しい生活をスタートさせるため、軍隊の友人を頼って家を出るソニー。

しかしそこで堅気の人間たちの乱れた生活を目にした彼は幻滅し、また元の生活へと舞い戻ってしまう。そんな中でソニーは、ジュエルのもとで働く新入り娼婦キャロル(ミーナ・スヴァーリ)と心を通わせる。だが、現状に甘んじているソニーに対し、キャロルは荒んだ境遇からの脱出を願う気持ちが強くなる。
キャロルは一緒に旅立とうと誘い掛けるが、ソニーがどうしても踏み切れないため、プロポーズされた冴えない中年の客との結婚を選択する。孤独に打ち拉がれるソニーに追い打ちをかけるように、年上の友人ヘンリー(ハリー・ディーン・スタントン)が事故死。しかもジュエルから、彼がソニーの父親であるという驚愕の事実を知らされた。そして、いよいよキャロルが町を出て行く時がくる。ソニーは彼女が乗った車を追いかけようかどうか葛藤したまま、家の前のドアから動けないのだった。

<感想>ニコラス・ケイジの初監督作。これが意外な拾い物だった。イーサン・ホークやジョージ・クルーニーのように思い入れにハマることなく、アメリカ南部の異境性とそこに住む「男娼」の疎外感を描いている。
15年前、自らがオファーされたというソニー役には、「スパイダーマン」、「127時間」のジェームズ・ブランコを起用しているが、体も鍛えていいし、中でもソニー役の演技が光っています。
ニューオリンズの歓楽街に娼婦の息子として生まれたソニーは、セックスのプロではあっても愛は知らない。似た境遇の若い娼婦と出会い、過去を断ち切ろうとするが、世間の目や母親との関係が重くのしかかる。
南部独特の閉塞性、「かわいい坊や」と溺愛する母親の呪縛、不意に爆発する暴力、・・・。リンチの「ワイルド・アット・ハート」のごくわずかな部分が随所にちらつくのもニコラスならではなのだろう。
脇を固めるブレンダ・ブレシン、ハリー・ディーン・スタントンらの超熟成チーズのような演技も含めて親密な手作り感のある作品です。それに場面場面で流れるクラシックがとてもいい味を出していますね。残念なのはニコちゃん、監督に徹して出なくても良かったのに、どうしても自分をアピールしたかったのでしょうね。
2015年DVD鑑賞作品・・・55映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング