パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

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2018年10月30日 | アクション映画ーサ行

「スター・トレック」「ハロルド&クマー」シリーズのジョン・チョー主演のサスペンス・ミステリー。行方不明になった一人娘を見つけ出そうと、SNSで手がかりを探っていくうちに浮かび上がってきた娘の思いも寄らぬ実像に混乱していく父親の不安と恐怖を、PC画面の映像のみという斬新なスタイルでスリリングに描き出していく。監督はこれが長編デビューとなるインド系の新鋭、アニーシュ・チャガンティ。

あらすじ:妻に先立たれ、女子高生の娘マーゴットと2人暮らしのデビッド。ある日、勉強会に行ったはずのマーゴットが行方不明なことに気づく。警察に失踪届を出したデビッドは、担当刑事のヴィックとともに、マーゴットのパソコンにログインし、彼女の手がかりを求めてSNSを探り始める。するとそこには、デビッドの知らないもう一人のマーゴットの姿があった。動揺しつつも、さらにマーゴットのSNSを探っていくデビッドだったが…。

<感想>物語がすべてパソコンの画面上を捉えた映像で進行していくサスペンススリラー。娘を検索する――はじめて知る闇、娘が行方不明。唯一の手がかりは24億8千万人のSNSの中にある。

突如姿を消した16歳の愛娘を探す父親が、危険なネットの闇に足を踏み入れ、目にした衝撃の事実とは――。米国最大の批評サイト「Rotten Tomatoes」では93%という高得点を記録し、日本でも“バズる”のは必然。その最先端に位置するのが、本作に代表される“デスクトップ・サスペンス”だ。

Twitter、Facebook、Messengerなど我々が慣れ親しんだサービスが次々と登場し、「今、実際に起こっている」と錯覚するだけでなく「自分の身にも起こりうる」と戦慄させられる生々しさ。「現実と映画の境がなくなる」全く新しい体験が映像で観られる。

娘が突然消えた、連絡も途絶え警察に連絡するも皆目見当がつかない。手がかりを求めて、娘のパソコンにログインするのだが、・・・。シングルファーザーの娘探しを描いた本作出は、一見よくある話のような、ミステリー劇になっている。斬新なまでに大胆なアイディアに貫かれている。

全編パソコンのモニター上だけで物語が展開しているのだ。とすると、動きが乏しい地味なビジュアルを想像するかもしれないが、心配は無用ですから。

SNSに保存されている写真や動画共有のサイトはもちろん、メッセージアプリやメールのテキストなどが、次々と意外な真実を提示していき、二転三転の謎解きを観る者に体感させるのだ。

監視カメラやニュース番組のライブ映像のウィンドウが、めまぐるしく画面に現れて、まさに息もつかせぬサスペンスを生む。27歳の新人監督、アニーシュ・チャガンティによる現代ならではの新しい映画表現に驚かされる。

ユニークな演出手法に目が行きがちな本作だが、劇映画のベースとなる脚本の出来映えも秀逸である。SNSを調べるうちに、自分がまったく知らなかった娘の一面に動揺していく主人公の心理をリアルに描いている。

娘にはあまり友達とよべる人はいなく、いつも一人で昼ごはんを食べている物静かな人物とされていた。それでも愛する娘を必死に捜し続け、時として暴走してしまう父親の姿が観るものの共感を呼び起こします。そして、娘がいつも一人で湖へ出かけてお気に入りの場所があるようだ。それと、父親の知らぬ間にピアノ教室も退会していたのだった。じゃ、今まで娘に渡していたピアノの月謝は、2500$の大金になる。そのお金の行方と、SNSで親し気に交わす亡くなった母親に似た女性。

警察の女捜査官が、親身になって娘の捜索をする。そして、変質者による犯行だと、犯人を捕まえる女捜査官。この女性は、シングルマザーでニートの息子がおり、その息子が良く問題を起こす。そのことを父親のデビッドに、親し気に話しをしては同情をかうような気配がした。そして、父親が見つけたSNSでの一人の女性、その女性がまさか自分の娘を捜査している警察官だったとは?・・・。娘の葬式の日に、教会へと行き警察へ全部知らせた父親が、新たな真犯人を突き止めるのだった。まさか、その女性捜査官の息子が犯人だとは、どう考えても息つかない結末であります。

娘は湖に行き、そこで捜査官の息子と出会い、その息子は以前から娘のことをSNSで調べて好きだったようで、湖に行き、娘ともみ合いになり渓谷の崖下へ落としてしまったと言うのだった。

随所に張り巡らされた伏線が、鮮やかに回収されていくスリリングにゾクゾクしながら、予想を裏切る驚愕の結末を目撃するのでした。映画のエンドロールには、撮影監督とは別に「デスクトップ撮影監督」を表す「Virtual Cinematographer」という、スタッフがクレジットされているのも新しい。

2018年劇場鑑賞作品・・・211  アクション・アドベンチャーランキング

 

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億男★★★・5

2018年10月29日 | アクション映画ーア行

川村元気の同名ベストセラーを「るろうに剣心」「3月のライオン」の大友啓史監督が、主演に佐藤健と高橋一生を迎えて映画化したエンタテインメント・ドラマ。親友に宝くじで当てた3億円を持ち逃げされた男が繰り広げるお金を巡る大冒険を、ユニークなキャラクター満載に描く。共演は黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也。

あらすじ:失踪した兄がつくった3000万円の借金返済に追われ、妻子にも逃げられてしまった図書館司書の一男は、幸運にも宝くじが当たって3億円の大金を手にする。しかしネットの記事で高額当選者たちの悲惨な末路を目の当たりにして恐ろしくなり、大学時代の親友で今は起業して億万長者の九十九に相談することに。ところが、九十九と一緒に豪遊した翌朝、一男が目を覚ますと、九十九は3億円とともに消えていた。途方に暮れた一男は、九十九の手がかりを求めて“億男”と呼ばれる億万長者たちを訪ね歩くのだったが…。

<感想>お金とは?、幸せとは?、と言う人類の永遠のテーマを、重くならずに扱う、期待以上の作品でした。まずは登場人物の名前とかに、必ず数字が付いていることは、意図的ですよね。主人公の一男(佐藤健):借金を抱える図書館司書。宝くじで3億円当たる。

 

九十九(高橋一生):一男の大学の同級生。ITで成功して大金持ちに。落語好き。

 

百々瀬(北村一輝):九十九のかつてのビジネスパートナー。ITエンジニア。北村一輝のうさん臭い関西弁を話すこととか、一見すると本人と分からないほどの人物になり切った演技には驚きました。

 

千住(藤原竜也):九十九のかつてのビジネスパートナー。千住は怪しげなビジネスアドバイザーとなっていて、鬘と付け髭に派手な衣装に身を包んだ千住は、ミリオネアニューワールドという宗教のようなセミナーを主催し、会員からお金を巻き上げていました。

 

十和子(沢尻エリカ):九十九のかつてのビジネスパートナー。公営住宅で慎ましく専業主婦の生活を送っていました。ですが、部屋の壁紙をはがすとそこに札束で溢れていました。押し入れの中にも札束の山が。お金に興味のない夫と結婚したので、今の地味にな生活に満足していると言いながらも、札束を見ては安心できるという思いを語ります。

 

あきら(池田エライザ):男を“億男”と“雑魚”のどちらかに分けるパリピ女子。

 

万左子(黒木華):一男の妻、借金を理由に別居。娘のバレエに熱心。

人間は大金を手にすると浮かれる反面に、あまりの高額に不安を感じてしまう。それで、大学時代の親友で、億万長者の九十九に相談するのだが、彼のアドバイス通りに三億円を銀行から下して、豪遊して酔いつぶれてしまう一男。ところが、翌朝には三億円とともに九十九が姿を消したのだった。

そこから予定調和を許さない一男の、消えた“三億円を巡る冒険”だが、初めに九十九を探す旅が始まる。ですが、その冒険の中で出会う3人の億万長者たちが、いずれも強烈なキャラばかりである。

特筆すべきは俳優陣の怪演、藤原竜也の千住に異様な風体の北村一輝の百々瀬たち。挙動不審な九十九からは、普段の高橋一生の素顔は一切感じられないし、北村一輝や藤原竜也のお二人さん、風貌もガラリと変えて、お金の持つ魔力に踊らされた人間の奇妙さを演じきっているのに驚く。

または、主人公の一雄の佐藤健にしても、牛丼の食べ方ひとつ、自転車の漕ぎ方ひとつであえて凡人に徹した、うだつのあがらない一男という人間を表現しきっているのに感心した。

一男が借金返済にこだわるあまりに、妻の万左子はいつしか、一男はお金にとらわれ過ぎて人が変わってしまったと言います。ところが宝くじで三億円が当たり、目の前に大金が手に入り、人間は今までの生活のこととかを忘れてしまい、お金の価値観が変わってしまうのです。

親友の九十九は、あえてお金を持って姿を消すことで、一男に冷静さを取り戻させ、お金について考える時間を与えたのですね。これはダメな夫が道を踏み外しそうになりそうなったときに、妻が機転を利かせる古典落語の名作『芝浜』にのっとった行動だったと、一男は気が付いたのでした。

ラスト、地下鉄の中での九十九との再会では、『芝浜』は大学時代の落語研究会で、九十九の十八番の演目であり、一男は九十九の想いに礼を言うと、九十九は自分を信じて待っていてくれた一男に礼を言って三億円を返すのでした。

さらには、大学時代の九十九と旅行した広大な砂漠での落語を話すシーンなど。これは監督の大友らしいスケールの大きな演出も随所に光、お金というものの実体の希薄さとか。しかしその存在感の重さが映画ならではの方法でしっかりと表現されていて良かった。

つまりは、九十九の友達のところを訪ねて歩き、お金にまつわるそれぞれの捉え方を聞いて、お金に対する見方を変えていくという話でもあります。

2018年劇場鑑賞作品・・・210  アクション・アドベンチャーランキング

 

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スカイライン-奪還-★★★

2018年10月27日 | アクション映画ーサ行

人類を次々と吸い上げる謎の生命体による地球征服を描いた「スカイライン-征服-」の続編となるSFアクション。内戦が続くラオスを舞台に、反政府組織によるエイリアンへの反撃の行方を描く。主演は「パージ:アナーキー」のフランク・グリロ、共演に「ザ・レイド」のイコ・ウワイス。監督は前作では製作と脚本を務めたリアム・オドネル。本作が記念すべき監督デビューとなる。

あらすじ:突如世界各地の上空に現われた未確認飛行物体によって人々が次々と吸い込まれ、わずか3日間で謎の生命体に征服された地球。息子を追って自らも吸い込まれたLA市警の刑事マークは、宇宙船内部の破壊に成功する。コントロールを失った宇宙船は内戦が続くラオスに墜落する。辛くも脱出したマークは、反政府組織のアジトに身を寄せ、彼らとともに反撃の機会を窺うのだったが…。

<感想>突如として現れた謎の生命体により、刻々と進んでいく地球征服の3日間を冷徹なリアリティと、最新のVFXを駆使して描き、どこまでも無力な人類のすくいのないラストへの衝撃に、賛否両論が巻き起こった「スカイライン-征服-」。7年の時を経て、侵略されるがままだった人類が遂に立ち上がり、地球奪還の激しいバトルを繰り広げる続編となるSFアクションです。

前作では高層マンション内が主な舞台だったが、今回はロス上空に浮かぶ巨大な宇宙船内が戦いの場所となる。前作での侵略SFテイストから血沸き、肉躍るバトルSFへと、驚きの変貌を遂げた本作では、前作で残された疑問を解消しながら、想像を超えるエイリアンとの最終決着が繰り広げられる。

決戦に挑むのは、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」などでタフな存在感を放つフランコ・グリロ、息子のトレンドが宇宙船に吸い込まれてしまい、それを追って宇宙船の中へとLA市警の刑事マークが、人間の心を残したままエイリアンになった前作のジャロッドと遭遇する。

冒頭でのエイリアンの宇宙船に、“青い光”に人々が吸い込まれていく不気味な光景が、実に見事でした。エイリアンの体型も最後のメーキングで種明かしされるが、人間と格闘しやすいようなスーツに工夫されていた。つまり着ぐるみのエイリアンと戦っているシーンもある。

そして、途中で内戦が続くラオスに墜落する宇宙船。その宇宙船の中で、ジャロッドの彼女が妊娠をしており、人間の出産なら1年近くかかるのにあっと言う間に出産。

母親は死んでしまい、マークが子供を取り上げて生まれたばかりの赤ん坊に、ローズと言う名前を付ける。この娘はジャロッドの子供なのか、すくすくと驚異的なスピードで成長するローズの遺伝子から、エイリアンに対抗する手がかりを見つけ出した彼らだったのだが、反政府組織のアジトには大量のエイリアンが押し寄せていた。

反政府ゲリラの、最強格闘術シラットを駆使した「ザ・レイド」の超絶アクションで世界中の度肝を抜いたイコ・ウワイス親爺と、ヤヤン・ルヒアンの2人も交えた大乱闘が勃発する。ところが、エイリアンには赤い目と青い目のエイリアンがいて、人間の脳を移植されたエイリアンが、本来のエイリアンと戦うシーンが観られるのに驚いた。宇宙船の中で捕らわれた人間の、脳だけを移植して作られたエイリアンが、宇宙からやってきたエイリアンとは違う、つまり心のある考えるエイリアンっていうこと。

中盤での宇宙船内シークエンスの演出が、上手くないのが最大の弱点だと思うのだが、その後でも空間のつながりが描けていないせいで、サスペンスを盛り上げ損なっているように見えた。

それに、米軍が災いをもたらした地に宇宙船と共に降り立った米国人が、現地ゲリラと力を合わせて空からの脅威を迎え撃つという図式は、かなり面白かった。ですが、元ベトナム帰還兵である盲目の老人は、すごく意味のある登場人物のはずなのに、ほぼ活用できていない。

さらには、ロスの地下鉄職員の女性が、なんの背景もなしに異様な戦闘能力を発揮してみたりと、地球の支配者の座を賭けて、残されたわずかな武器と肉体を駆使した最終決戦の時が迫っていた。

マークの息子も脳を取られてエイリアンになるも、ジャロッドと同じように父親のマークを認識して人間の味方をするのだ。それに、エイリアンと人類が戦う場面では、格闘技でもってエイリアンの足や首とか、態勢が崩れたら頭を狙うのだ。

だから、反政府ゲリラのイコ・ウワイス親爺と、ヤヤン・ルヒアンの2人が刀を両手に戦うのが、大いに役に立ったわけ。彼らがいなかったら、とてもじゃないが、巨人と化したエイリアンには勝てなかっただろう。

ある意味では、あり得なく乱暴であり、派手なVFXとテンションの高い語り口に乗せられて最後まで観てしまった。

エンドロールの後で、エイリアンの着ぐるみを着た人間との格闘が見られるし、NG集のような感じがした。

2011年「スカイライン 征服

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デス・ウィッシュ★★★

2018年10月25日 | アクション映画ータ行

チャールズ・ブロンソン主演の74年製作アクション「狼よさらば」を「グリーン・インフェルノ」、それに最近では「ルイスと不思議の時計」のイーライ・ロス監督、「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリス主演でリメイクしたリベンジ・アクション。家族を理不尽に奪われた男が、自らの手で壮絶な復讐に乗り出すさまを描く。共演はヴィンセント・ドノフリオ、ポールの妻にエリザベス・シュー。

あらすじ:シカゴで外科医をしているポール・カージー。ある日、彼の留守中に何者かが自宅に侵入、妻は殺され、娘は瀕死の重傷を負って昏睡状態に。悲嘆に暮れるカージーだったが、警察の捜査は一向に進まず、憎き犯人は野放しのまま。ついにカージーの怒りが爆発、自ら拳銃を手にすると、犯人への復讐を誓い、夜の街へと繰り出す。やがて正体を隠した彼の自警活動がネットで拡散し、街の救世主として評判を呼んでいくのだったが…。

<感想>悪人は、俺が始末する。“外科医”で“処刑人”をブルースが、そんなわけがないだろうが、と思っていたら、やっぱりそうだったのだ。頑固一徹のイメージの強いブルース・ウィリスが、ダークヒーローを演じるとどうなるのか。リベンジアクション、俗に言う“ビジランテ”ものもまた、我らファンの大好物ときてるから。このジャンルで必要なものは「容赦のなさ」である。

昼夜問わず、鬼のブルースが拳銃をぶっ放して悪党をやっつける!!「ダイ・ハード」のジョン・マクレーン刑事以来のハマリ役だろうってね。やっぱり、ブルースにはこういう役しか似合わないと思うから、「待ってました!」とばかりに拍手喝さいもの。

主人公の妻と娘が強盗に出くわすまでの部分と、主人公外科医のポールに扮したブルース・ウィリスの喪失感を、念入りに描写している部分。そのあたりの重さや、主人公と弟とのドラマと並べると、結末の不思議なコミカルでさえある軽やかさが不釣り合いに思えたのが惜しい。

いまいち納得がいかないところは多いけれども、ガンアクションつきの復讐劇として気軽に楽しむには悪くはない。車の整備工場に行き、犯人を突き止めてその男を処刑するところが、いかにもな、キツイお仕置きであり、車の下敷きになる男の脳みそが出て来るシーンにゲンナリした。

警察の情けない捜査にイライラし、犯人が見つかるとは到底思えないのだ。自分でやるしか復讐は出来ないと悟ったポールが、初めて拳銃を購入するシーンも可愛いもの。それに、拳銃の練習もしなければならないし、拳銃の弾がなくなったら、すぐに装弾するのが遅いのも仕方がない。

ポールが夜の街へと繰り出し、車上荒らしの強盗を撃ち殺したのを、その一部始終がSNSに上げられ、彼は謎の“死神”として祭り上げられてしまう。

ポールの偉業がメディアで拡散されると、ヒーローを待ち望んでいた犯罪都市シカゴの街は熱狂の嵐で、市民の声に押されるように、ポールは“正体不明の死神”として覚醒していくわけ。すなわち正義の処刑人の誕生だ!!

完全に処刑人として処刑のコツを掴んだポールは、昼は命を救う医師で、夜は悪を抹殺する死神という二つの顔を持つようになったポール。救急救命医となって「正義」のために殺人を犯した後、隠れる場所も安全だし、腹を撃たれたポールが自分で傷の手当をするのも「逃亡者」のハリソン・フォードを思い出しました。

ソーシャルメディアの使い方も新しいし、上流階級の家と犯人たちのいるシカゴの掃き溜めの街との対比も絶妙なり。

そんな時に、家族を恐怖に陥れた犯人の情報入る。それからは、復讐の鬼と化したポールの最終決戦をご覧ください。

この前に「イコライザー2」を鑑賞したので、ワシントンのスキンヘッド頭の強い男と比較してしまう。それに、「96時間」のリーアムの家族を殺された恨みの復讐劇アクションが、高感度アップして良かった。だから前にヒットした、いくつかの復讐劇アクションのストーリーの中でも、ちょっと2番煎じの感もあると思う。

同じ原作をマイケル・ウィナーが監督した「狼よさらば」では主演のチャールズ・ブロンソンに男の哀愁が滲み出ていて敵役だと思ったのですが、どうしたって期待するわけだが、ブルース・ウィリスの熱演でタッチは中道寄り。

ですが、ブルースのスキンヘッドとデンゼルのスキンヘッドでは、好き好きで別れるが、やっぱりこちらのブルースに軍配があがるのだ。スキンヘッドのブルースのコワモテ顔、相変わらずの拳銃の持ち方といい、素早く銃を撃つ姿に惚れ惚れしました。

模倣犯の登場に、原作者の精神がちらりと覗くのも、銃社会としてのアメリカが体感できる映画でもあります。

2018年劇場鑑賞作品・・・208  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ピッチ・パーフェクト ラストステージ★★★・5

2018年10月23日 | アクション映画ーハ行

大学の女子アカペラ部を舞台に描き世界的にヒットしたアナ・ケンドリック主演の学園音楽コメディの第3弾。大学卒業から数年後、再結成することになった“ベラーズ”の面々が再び大騒動を巻き起こすさまを、彼女たちの熱き友情とともに綴る。共演はレベル・ウィルソン、ヘイリー・スタインフェルド、ブリタニー・スノウ、ジョン・マイケル・ヒギンズ、エリザベス・バンクス。監督は「ステップ・アップ5:アルティメット」のトリッシュ・シー。

<感想>「アタシたちは永遠に不滅です!」女子アカペラグループ“ベラーズ”の活躍を描くシリーズの第三弾にして最終作。何てったてアナ・ケンドリックが最高ですが、他にもレベル・ウィルソン、ヘイリー・スタインフェルド、ブリタニー・スノウ、アンナ・キャンプ、そして司会者のジョン・マイケル・ヒギンズとエリザベス・バンクスら、前作までの“ベラーズ”メンバーが全員集合している。

新たに「MEGザ・モンスター」のルビー・ローズ、そして「ザ・コンサルタント」のジョン・リスゴーが、ぽっちゃり娘エイミー(レベル・ウィルソン)の父親として出演している。それに、人気音楽プロデューサーのDJキャレドも本人役で出演している。

監督はミュージックビデオ出身でグラミー賞受賞経験もある新進のトリッシュ・シー。脚本は一作目からのケイ・キャノンとマイク・ホワイトが担当。

大学を卒業してから、社会人になり、理想と現実のギャップに悩み、その厳しさを実感していたみんな。その中でも音楽プロデューサーになったベッカは、二流のアーチストばかり担当される仕事にうんざりして降りてしまう。ルームメイトのぽっちゃりエイミーは、ブロードウェイを目指しているが失敗ばかり。そんなところへ後輩のエミリーから同窓会の招待が舞い込み、元“ベラーズ”の面々は再会を喜び合うのでした。

そこへ、オーブリーが軍人の父親のコネでUSO(米軍慰問団)のツアーに参加しようと提案する。一同は喜んでスペインに旅立つのだが。ツアーで認められればDJキャレドの前座に抜擢されるというのだ。

だが、参加バンドは強敵ばかり。ベラーズのライバルたちが、ガールズ・ロックバンドを筆頭にして、アコースティックギターの爪弾きが耳に心地よい男性ユニットだったするし、活動中のプロが演じているから当然といえばそうなんだけどね。

アカペラで歌う“ベラーズ”に対抗して、フル・ロックバンドのバックで歌う女たちに腹を立てるベッカたちだが、どうしようもなかった。どうみても、音楽バンドの勢いにコーラスとボーカルには敵いっこないからね。どうしても迫力が違うのだ。

なんだかせわしない冒頭から、途中でフランスの沖合に浮かぶクルーザーでの、アクションから始まり、全篇、ド派手な場面が多いのだ。それに、ぽっちゃりエイミーことレベル・ウィルソンの、下ネタ満載の元気な顔と体形も、もう見られなくなるのかと少し寂しい気もするが。ガラスに体当たりするアクションが2回もあるのだから、このオデブちゃんは半端ないって。

派手に爆発する豪華なクルーザーから、海上めがけてジャンプする“ベラーズ”の面々たち。意表を突くオープニングで、犯罪組織なんかも飛び出して趣向を凝らしてはいるのだが、基本的にはノリや展開は前2作と同じですね。

しかしだ、各キャラクターの個性や役割がしっかりと出来上がっているので、そのマンネリ具合が楽しいだけでなく、心地良かったりするのだ。

そこへだ、シリーズを観てきた者ならば、満足のできる「ラストステージ」を用意してくれているので、これといって文句のつけようがなかった。

音楽を通して再結集というストーリーで、今回の監督も女性(トリッシュ・シー)なので、女性の感情の高まりに合わせて、音楽にも律動感があって最高。

そこへ、ぽっちゃりエイミーの父親が姿を見せて、娘に近づき一緒に住もう暮らさないかと持ち掛けるから事態は混迷していく。

それにだ、“べラーズ“ボーカリスト、ベッカの飛びぬけた才能に聞き耳を立てていた、髭ズラのイケメン青年、DJキャレドの仲間に、「うちへ来ないか」という相談を持ち掛けられる。ベッカの後を、何処へでも付いて来るイケメン青年に気が気でないわよね。

やはり極め付きは、ラストでのUSOの晴れ舞台で、ベッカ(アナ・ケンドリック)が、足下のペダルを踏んでリズムを取り、音域が増幅されていくシーンですかね。アカペラなんだけども、最新のマシーンを使って歌うベッカの声が美し響いて、これはもう“ベラーズ”を飛び出すしかないと思えたね。

最後には、あのご夫婦司会者のエリザベス・バンクスと、ジョン・マイケル・ヒギンズのお笑い漫才コンビに拍手です。

最後エンドロールの後で、今までのメイキングが流れるの帰らずにご覧ください。

2018年劇場鑑賞作品・・・207  アクション・アドベンチャーランキング

 

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バーバラと心の巨人★★★

2018年10月21日 | アクション映画ーハ行

ジョー・ケリーとケン・ニイムラによる感動グラフィック・ノベルを「ハリー・ポッターと賢者の石」のクリス・コロンバスのプロデュースで実写映画化したファンタジー・ドラマ。風変わりな思春期の少女を主人公に、人知れず巨人と戦い続ける彼女の心の痛みと再生をイマジネーション溢れるビジュアルとともに描き出す。主演は「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」「死霊館 エンフィールド事件」のマディソン・ウルフ、共演にゾーイ・サルダナ、イモージェン・プーツ。監督は「ヘリウム」で第86回アカデミー賞短実写編賞を受賞し、本作が長編デビューとなるデンマーク出身のアンダース・ウォルター。

あらすじ:いつも頭にウサギの耳を付けている風変わりな少女バーバラ。彼女は誰にも見えない巨人から町を守るために孤独な戦いを続けていた。しかし、そんなバーバラの必死の奮闘は、周囲には単なる奇行にしか見えず、姉のカレンにさえ理解してもらえない。次第に孤立を深めるバーバラだったが、新しく赴任してきたスクールカウンセラーのモル先生にも決して心を開こうとしない。そんな中、巨人の話を真剣に聞いてくれた転校生の少女ソフィアとは少しずつ距離が縮まっていくバーバラだったが…。

<感想>ウサ耳少女はなぜ巨人と“戦う”?“真実”があなたの《心を揺さぶる》。いつか必ず来る“その時”悲しみを勇気に変えてバーバラは巨人に立ち向かう。設定が、何故に少女は巨人と戦うのか?それには理由がある。キャラは、真剣だけれども可愛い、ウサギ耳のヘアーバンドをしている少女。映像は、海、森、闇と少女の視界を感受性豊かに切り取り、想像力を刺激するのだ。

心強い味方がいるわけでも、無敵のパワーを持っているわけでもない。なのになぜ、バーバラは“すべてを破壊する”巨人に立ち向かう? その“真意”を知ったとき、物語は本当の姿をさらし、私たちを驚きと涙で満たしてくれる。劇中にちりばめられた謎の数々に心を奪われつつ、ピュアで勇敢な等身大の少女に共感できる――だけじゃない! その先に待つ、未体験の“真実”を劇場で受け止めて下さい。

バーバラを演じているマディソン・ウルフの素晴らしい演技力が魅力的です。守護霊への敬意を表して、うさぎの耳をつけた少女が見つめる、感受性豊かな世界観と言うのでしょうかね。バーバラが取り巻くハードな環境が彼女を孤立させるほど、世界をとらえる眼差しの透明度は増してゆく。

周囲の誰もが自分の話に耳を傾けてくれない状況、あなたなら果たして耐えられる? 妄想の中の世界観として、みんなを人知れず助けようとするバーバラのいたいけな姿に、その自分が描いた”巨人”退治の話には、あまりにもお子様的で、バーバラの年齢はいくつなのか。幼い男の子が、母親の言うことを聞かずに、自分の絵本の中の怪獣の世界へと飛び込むお話と似ているような。

かいじゅうたちのいるところ」(2010)

それに、家の2階で病気で苦しむ母親の面倒を見ているのは姉だけで、いくら少女といえども母親の世話ぐらいは出来るだろうに。後半で、母親のところへ行き、もうすぐ母親が死への旅立ちであることが分かると、自然に心が優しく溶け合い母親と仲良くなるバーバラ。

始めはバーバラに見えている巨人って何なの?・・・巨人から街を守るってどういうことなの。疑問だらけだと思いますが、物語が進むにつれて徐々にバーバラが何を恐れているのか、何を守ろうとしているのかが明らかになり、気づけば、「バーバラ頑張って、立ち向かって乗り越えるのよ」と応援したくなるはず。巨人の襲来を防ぐために日々奮闘するバーバラを、同級生は変人扱い。みんなのために努力しているのに、イジメの対象にまでなってしまう……。

クラスのいじめっ子たちに学校の帰り道に、虐められるも、くじけない強い少女。転校生のソフィアと仲良くなるも、虐めっ子と間違ってぶってしまう。反省しても、彼女にすぐに謝らないのだ。それに、カウンセラーのモル先生にも攻撃的で、つい先生に乱暴してしまう。もう自分自身が嫌になってしまうのだろう。

次々と襲い掛かる苦難に深く傷つき、ボロボロになりながらも、巨人に立ち向かおうとするバーバラ。つまり巨人とは、巨大台風にハリケーンのことだったのですね。一人で立ち向かおうなんて、自然の脅威に立ち向かうことなんて出来る分けないしね。家の周りを見て、窓や扉に飛ばされないようにするくらいでしょうかね。それにしても、生活苦で姉が働きにでなければ食べていけないのに、その間だけでもバーバラが母親の世話をすることができるのに、何故に今まで母親のことを内緒にしていたのかが分からない。

どうする、バーバラ?・・・怪奇幻想趣味を謳歌するデンマークの新人監督の手腕たるや、風光明媚な田舎のお伽噺かと思いきや、NYの郊外という意外な立地も良かった。最後に明かされるその理由が少し説明不足の感があるようだ。台風となった巨人がバーバラに言う言葉が、「人間は何時か死ぬ、」と。それよりも、彼女が現実へと向かうその過程が、自身が生み出した想像の巨人の一言というところに、違和感を覚えた。

結局は彼女のことを気に掛けていた転校生とカウンセラーのモル先生は、いったいなんだったのだろう?。

誰だって悩みの一つや二つはあるはずです。仕事の悩み、恋愛の悩み、将来への悩みなど、人にはいろんな悩みを抱えて生きているからこそ、映画の中のヒロインが自分と同じ悩みを抱えているのだと、心情的共感を覚えるのだ。それは悩みや境遇が同じではなく、心の奥に響いて来る共感でした。自分自身と向き合おうとする、運命に立ち向かおうとする少女の姿に共感するからですね。

始めはバーバラに見えている巨人って何なの?・・・巨人から街を守るってどういうことなの。疑問だらけだと思いますが、物語が進むにつれて徐々にバーバラが何を恐れているのか、何を守ろうとしているのかが明らかになり、気づけば、「バーバラ頑張って、立ち向かって乗り越えるのよ」と応援したくなるはず。

 

2018年劇場鑑賞作品・・・206  アクション・アドベンチャーランキング

 

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教誨師(きょうかいし★★★★★

2018年10月20日 | アクション映画ーカ行

2018年2月に急逝した名優・大杉漣が自ら初プロデュースも務めて主演したヒューマン・ドラマ。受刑者を教えさとす宗教者“教誨師”という存在にスポットを当て、教誨師を務める牧師を主人公に、彼と6人の死刑囚との対話を通して、様々な反応を見せる死刑囚それぞれの心のありようと、主人公自身の葛藤を静かに見つめていく。6人の死刑囚役には光石研、烏丸せつこ、古舘寛治、玉置玲央、五頭岳夫、小川登。死刑に立ち会う刑務官を描いた大杉漣出演作「休暇」の脚本を手掛けた佐向大が監督・脚本を務める。

<感想>本作のエグゼクティブプロデューサーも務めた大杉さんが演じるのは、受刑者に対して道徳心の育成・心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く存在である教誨師(きょうかいし)。独房で孤独に暮らす6人の死刑囚と対話する主人公の佐伯に扮し、その苦悩や葛藤を描き出す。

ほぼすべての場面が拘置所の教誨室内で、大杉演じる佐伯と死刑囚の1対1の芝居が続く。ある者は威嚇し、ある者はおびえ、それを佐伯が自らも悩みながら誠心誠意、受け止めようとする。

部屋は殺風景でせりふは膨大、カメラもほとんどカット割りをせずに2人のやりとりをじっと見つめるという大胆な作りだが、死刑囚を演じる光石研や古舘寛治らと大杉さんとの真剣勝負がいずれも見事で目が離せなかった。

佐向大(さこう・だい)監督は死刑制度の是非を問うのではなく、生きることの意味を探るというテーマを根底に据える。「人はみな罪を背負いながら、それでも生きていくことが大切だ」と訴える亡き大杉のせりふには、胸を打たれずにはいられない。

死刑制度の廃止が叫ばれる中、今年我が国では13名もの死刑が執行された。生きるとは何か?、そんな答えの出ない大きな問いに、死刑因を描くことで挑んだのがこの「教誨師」であります。

プロテスタントの牧師・佐伯保は、教誨師として月に2回拘置所を訪れていた。一癖も二癖もある死刑因と面会する。最大の難題は教誨師が、死刑因に何を語るかと言う部分だろう。もちろん、主人公の佐伯保は、自分が教誨師になった原点ともいえる少年時代のある不幸な事件を語り始める。

それも兄が殺人者だということで、刑務所で自殺をしたという話が聞かされる。伯父さんが牧師で、両親が亡くなり、伯父さんに引き取られ、自分も自然と牧師の道を歩むことになる。

6人の死刑因には、始めに無言を貫く鈴木を演じているのが、古舘寛治。まるで失語者のような雰囲気でもある。

気のいいヤクザの組長の吉田睦夫には、光石研。牧師・佐伯保に困ったことがあったら、何でも相談しろと言い、電話番号まで書いてくれる。

年老いたホームレスの進藤に扮した、五頭岳夫。本当なら罪を犯すような人ではなく、お人よしで、自分のことをちゃんと説明できなかったために共犯者にそそのかされてしまう。学校にあまり行っていないのか、字が書けないのが悩みであり、牧師・佐伯から読み書きを教えられ、洗礼を受ける進藤。

関西弁の中年女性、野口に扮している烏丸せつこ。彼女は一見親しみやすい関西のおばちゃんで、いつもニコニコしているけど、怒ったら怖い。どこか狂気を感じさせるキャラクターであります。イメージとしては、和歌山の毒物カレー事件の林真須美や首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗のような、凄みの中にもチャーミングな部分がしっかりとある女。だが、一瞬にしてもろいところがある、それは腕の傷跡でリストカットを何度もしており、死を恐れているのだった。

我が子を想い続ける小川には、小川登。息子の幽霊が出て来て、涙ぐむ父親の顔もある。罪の意識を真摯に受け止め反省する男。彼はプロの俳優ではなく、監督の友人であると言うのだ。

自己中心的な若者、高宮真司に玉置玲央。彼は大量殺人を犯した若者で、高宮の犯人像は、相模原の事件をヒントにしている。彼は物凄く極端で、相手の急所をつき尊厳を踏みにじるような言葉を吐き続ける。

生と死にまつわるやり取りで、高宮が咄嗟にある行動をするとてもスリリングな場面がある。リアクションはとても生々しく、ものすごく感情が高ぶって、エネルギーと言うか気みたいなものを感じましたね。映画初出演とは思えない繊細で奔放な演技に驚きました。

高宮に対して誠実に向き合っていた佐伯が、動揺を抑えきれず怒りの感情を堪え切れずに追い詰められるも、佐伯が答える「私は高宮さんが怖いと、何故かと言うとあなたを知らないからだと。でも知ることを理解することではない。私の役目は穴を見つめることです。空いてしまった穴を逃げずに見つめることだと。だから、私はあなたの傍にいます」と。このシーンの大杉さんの存在感は圧倒的でした。

死刑を宣告された人間と対峙していくうちに、どのように対応していくか悩むのだ。彼を使って死刑の延期を画策するもの。関西弁の野口という女性は、想像上の看守をこしらえて、彼に報告するから何て言う。キャラクター一人一人に物語的な仕掛けが凝らされており、それらが会話主体でありながら、ふと映像的に昇華されるのが圧巻でした。

そして初めての死刑執行の日である、洗礼を受けて死刑執行を受ける進藤なのだが、その時に進藤からメモ紙を受け取る。何が書かれているのかは観客には判らないが、佐伯は帰り道に読んでしまい愕然とする顔が印象的でありました。

それは取り返しのつかないことでもあり、もしかして進藤さんが無実の罪で、死刑宣告を受けたのかもしれないと言うこと。

大杉さんが6人の死刑因に対する態度は、それぞれ全く異なりますが、その表情によって死刑因それぞれへの思いが伝わって来るのだ。もちろん死刑因側の演技があってこそですがね、大杉さんって本当に凄い役者さんだなぁと、改めて感じました。計算された演技ではなく、リアクションは生々しく、ものすごく感情が高ぶったシーンでは、エネルギーと言うか気みたいなものを感じました。本当に惜しい俳優さんを亡くしました。人の命の儚さに、ただただ、ご冥福をお祈り申し上げます。

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1987、ある闘いの真実★★★★

2018年10月18日 | アクション映画ーア行

1987年の軍事政権下の韓国で実際に起きた、民主化運動の転換点となった大学生拷問致死事件の真相を、隠蔽に奔走する警察関係者とその動きに疑問を抱いた検事をはじめ、記者や看守、学生など事件に関わる様々な立場の人々の緊迫の人間ドラマを通してサスペンスフルに描き出した衝撃の実録群像劇。出演はキム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、ソル・ギョング。監督は「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナン。

あらすじ:1987年1月14日。軍事政権の圧政に反発する学生の民主化デモが激化する中、ソウル大学の学生が、警察の取り調べ中に死亡する。報せを受けたパク所長は、すぐさま部下に遺体の火葬を命じる。一方、警察からの申請書の内容を不審に思ったチェ検事は、上司の忠告を無視して司法解剖を強行し、やがて拷問致死が裏付けられる。それでも警察上層部は拷問を否定するも、チェ検事に接触した東亜日報のユン記者によって死因が暴露されると、今度はパク所長の部下2人の逮捕で事件の幕引きを図ろうとするのだったが…。

<感想>「ファイ 悪魔に育てられた少年」も面白かったが、そのチャン・ジュナン監督が凄い映画を撮りあげていた。全体に強めの演技を採用して、膨大な数の登場人物の人物像を観客の頭に次々と叩き込むと言う。

ソウル中心部、取調室、新聞社の編集部など主要な舞台の作り込みだけでなく、事件の真相を伝えるメモや速報を報じる新聞、重要なモチーフとなる運動靴に至るまで、考古学的ともいえるほどのこだわりぶりなのだが、そこには表現上の問題だけでない、社会的な理由もあるのだろう。

作品は韓国でも最も権威のある文化賞の一つ「百想芸術大賞」映画部門の最高賞に輝いているが、同時に最優秀男優賞を受賞したキム・ユンソクの存在感は尋常ではない。パク所長として、反体制分子排除のためなら手段を選ばない非情さと暴力性を演じ、典型的な悪役を演じており、しかも「脱北者」で富裕層に生まれながら家族を殺され、反共思想の鬼となったと言う設定も興味深い。

 

監獄から命がけで重要書類を届けようとする看守のユ・ヘジンも良かった。「タクシー運転手」でも高く評価されたが、権力側でありながら民主化に協力しようとする微妙な立場を、持ち前の表情で演じていた。

警察に対峙するチェ検事のハ・ジョンウの飄々たる感じの表面の下にある、鋼のような意志も印象的でした。この3人の役柄が示しているのは、それぞれ現実に翻弄される複雑なパーソナリティである。

それぞれの死闘を通して、紋切り型の勧善懲悪で割り切ることのできない人間を描くことに徹したと言えるだろう。韓国映画界の人気俳優たちは、それをストーリーに自然に溶け込ませる、その実力の高さを示して余すところがない。

エスカレートする警察の暴力と上層部との駆け引きは、まるで暗黒街の抗争を描いたサスペンスのようで、とにかく息もつかせずに展開する。だが、場面ごとに日付と時間と場所が示されて、アクションが史実通りに進んでいることには、驚かざるを得ません。

そこに束の間のラブストーリーが入り込む。看守の姪と抵抗運動に身を投じる大学生との恋は、始めはドラマ的な味付けのようにも感じられたが、実は一番重要な部分を担っていることが最後に分るのが素晴らしい。

姪を演じるキム・テリ、延世大学校の学生イ・ハニョルを演じるカン・ドンウォンは、1987年当時の学生として、その時代に生きた普通の若者がどんな格好をして、どんな音楽を聞き、どんな顔していたかを通して、今日の人々に繋がるからである。

 

実はこの事件にかかわる資料が保存されているからであり、水攻めで拷問死したパク・ジョンチルは記念館があり、遺品とともに当時の写真も展示されている。イ・ハニョルも同様で彼が履いていたスニーカーも大切に保存されている。

彼らは「烈士」と呼ばれる人々を木ねんした施設は、大学はもとより中学生や高校生に、事件と抗争の詳細を伝えるためにも利用されており、社会的記憶の共有の場として機能しているのだ。作品に登場した「その日が来れば」は、知らぬ者のない抵抗歌として受け継がれている。

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スターリンの葬送狂騒曲★★★★

2018年10月18日 | アクション映画ーサ行

 独裁者スターリンの急死を受け、側近たちが最高権力の座を巡って繰り広げる権謀術数渦巻く暗闘の行方を描いたフランスのグラフィック・ノベルを、実力派キャスト陣の共演で映画化したドタバタ政治ブラック・コメディ。出演はスティーヴ・ブシェミ、サイモン・ラッセル・ビール、オルガ・キュリレンコ、アンドレア・ライズブロー、ジェフリー・タンバー。監督は英国のTVを中心に活躍し長編映画は2作目となるアーマンド・イアヌッチ。

あらすじ:1953年、政敵を次々と粛清し、長年にわたって権力をほしいままにしてきたソビエト連邦連邦共産党書記長スターリンが、一人で自室にいるときに発作を起こす。やがて意識不明で倒れているところを発見されるが、集められた側近たちは責任が及ぶことを恐れて右往左往するばかり。そうこうするうちスターリンは後継者を指名することなく息を引き取ってしまう。すると側近たちは国葬の準備もそっちのけで、スターリンの後釜を狙って卑劣で姑息な権力闘争を繰り広げていくのだったが…。

<感想>スターリンが死んだ!厳かなはずの国葬の裏で、絶対権力者の座を巡り、狂気のイス奪りゲームが始まる。物語の始まりは、『The Death of Stalin(スターリンの死)』という原題通りである。原作はフランスのグラフィック・ノベルだから、テンポも快調であり、そっくりさんというわけでもないが、達者な俳優たちは英語で喋り、予想通りロシアでは上映禁止だというから、どうしても見たくなるよね。

ソ連を20年間支配した独裁者スターリンが1953年3月に死去した後、国葬の裏側で側近たちが繰り広げた後継者争いを描くブラックコメディで、基本的には史実に基づいている。

監督がイギリスのアーマンド・イアヌッチなので、イギリス的なユーモアでは定評があるので、全篇を通してドタバタ喜劇に仕上がっていた。セリフはすべてロシア語ではなく、見事に英語化されていたのが、もちろんやたら早口でまくし立てる英語なので、この映画の最大の成功だと思う。

映画の出だしは、ラジオモスクワで女性ピアニストがモーツアルトの曲を弾く。終わるとスターリンから電話があり、「演奏のレコードが欲しい」と言うのだ。生放送だから録音なんてやっていない。仕方なしに再演装をする騒ぎとなり大混乱だ。客はほとんど帰ってしまって客席がガラ空き状態。しょうがなく、道にいるルンペンたちを客席に座らせて取り直す。ピアノ演奏者のオルガ・キュリレンコは、始めは嫌がっていたがしぶしぶ承知して弾き直すのだ。出来上がったレコード届けたが、スターリンは急死。

慌てて駆けつける後継者予備軍たち。スティーヴ・ブシェミのフルシチョフに、サイモン・ラッセル・ビールのベリヤと、不安そうなジェフリー・タンバーのマレンコフ。

スターリンの腹心だったマレンコフがまず書記長代理として名乗りを上げ、秘密警察最高責任者のベリアが彼と手を組む。マレンコフが次期書記長になり、ベリアを第一副議長に任命したのだ。ベリアはさらに軍隊に替えて配下の警備隊をモスクワの警備にあたらせるわけ。

葬儀委員長を押し付けられた中央委員会第一書記のフルシチョフも反撃を開始するも、そして、さっそうと登場するベリアとは犬猿の仲の軍事司令官、ジェイソン・アイザックスのジューコフ元師に相談を持ち掛ける。多数の豪華な芸達者たちによる演技合戦が実に楽しいのだ。

そしていよいよ国葬の日に、スターリンの息子のワシーリーには、ルパート・フレンドが、周囲からは厄介者扱いされているが自意識だけは強いときてる。スターリンの娘のスヴェトラーナに、アンドレア・ライズブローが気丈な女で父親の死後もベリアを利用し影響力を保とうとしているのだ。この二人が出席する中で、フルシチョフの仕掛けた陰謀の幕が切って落とされるのですね。

スターリンが映画の中で脳出血で倒れ、自分の小便にまみれているが、これは歴史的事実だったらしい。警護の兵士が彼を恐れていたために室内に入ろうとしなかったからだとも言われている。

彼らの足の引っ張り合いなど、すべて英語でまくし立てられるのだ。葬儀のため遺体に化粧をしていると「クラーク・ゲイブルみたいにしなくていい」と言う、フルシチョフのセリフについ笑いが。

全編にわたり、やたらと口が悪い役人ばかり揃っている。次の後継者は「俺だ」と言わんばかりの官僚たち。それに息子がいるが、薬中でバカ者なので、みんなはそれとなく蚊帳の外に置いてしまう。娘は結構美人であり、みんな後釜たちが揃ってゴマをすり近寄ってゆくのも面白かった。

そんなやりとりで笑わせながら、劇中ではスターリンの国葬から日を置かずにベリアが処刑されているのだが、実際はもう少し経ってから執行されたのでは、などと思いつつも、史実と想像をごちゃまぜにして、冷やかな笑いをまぶした語り口に乗っかってしまえば占めたものだ。それは「邪魔者は排除せよ」って言うことかも。

 

原作漫画をいかに映画として視覚的に、セリフ的にふくらませるか、というイヌアッチ監督の工夫が、贅沢極まる笑いと冷酷さをめぐる映画体験を与えてくれるのである。期待通りの仕上がりで、フルシチョフやマレンコフの立ち位置とか、スターリンの子供たちの話も面白かった。

2018年劇場鑑賞作品・・・203  アクション・アドベンチャーランキング

 

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音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!★★★

2018年10月15日 | アクション映画ーア行

「転々」「インスタント沼」の三木聡監督が阿部サダヲと吉岡里帆を主演に迎えて贈る痛快ロック・コメディ。共演は千葉雄大、麻生久美子、田中哲司。さらに岩松了、ふせえり、松尾スズキら三木組の常連が脇を固める。

あらすじ:驚異の声量と美声を持つカリスマ・ロックスターのシン。しかしその歌声は“声帯ドーピング”によって作られたものだった。長年の声帯ドーピングでシンの喉は崩壊寸前。そんなある日、シンは声が小さすぎるストリートミュージシャンのふうかと出会う。シンの罵倒にすっかり自信を失うふうか。そんな彼女に対し、シンは“やらない理由を探すな”と容赦なくロック魂を注入していく。一方、シンの所属事務所やレコード会社では、彼の声を巡ってある恐るべき陰謀が秘かに進行していたのだったが…。

<感想>「俺俺」(13)以来となる5年ぶりの新作タイトルが長い。その上、かつてないほどこれでもかの、どストレート。この長編には三木聡の魂の叫びが詰まっていた。一風変わったタイトルはお馴染みのこと。

美声を保つカリスマ・ロックスターのしんこと、阿部サダヲ。悪魔メイクに白塗りで“絶叫する堕天使”の異名の歌声は実は、禁断の手段「声帯ドーピング」で作られたものであった。

方や、何事にも自信が持てず、声が小さすぎる無名の女、ストリートミュージシャンのふうかこと、吉岡里帆の出会いが巻き起こす予測不能のナンセンス・ストーリーを、HYDEやいしわたり淳治、それにあいみょんが曲を提供している。そして、KenKenから八十八ヶ所巡礼までミュージシャン多数出演のロック・コケディであります。だからって言う時点で、相当期待しました。

まるっきり正反対な二人の偶然の出会いから、映画はいっそうエキセントリックにドライブがかかり、三木的なワンダーランドを駆け巡るのです。長年にわたる「声帯ドーピング」の副作用で、シンの喉が崩壊寸前というタイムリミット感を醸し出しながら。

シンのドーピング疑惑がニュースになり、見世物化し、劇中ではシンの事務所の社長によって、「世間は他人の不幸に金を出すんだよ」と、そんなセリフが吐かれるのだが、まぁ、ロックってそういう見世物的な要素だったり、異形の部分があるのでね。

だから、ドーピングで人工的に制定を強化しているシンも、自分が過剰な見世物であることに自覚的で、じゃあ、そこにどんなキャラクターを組み合わせたら弾けるか考えたら、逆に引っ込み思案で声が極端に小さいヤツだろうって。

その二人が交わった時に、どういう化学反応が起こるのか観て見たかったんですね。シンの事務所の社長には田中哲司、ふうかの親戚のデビルおばさん、ザッパおじさんには、ふせえりと松尾スズキが。

さらにロング白髪に眼帯姿の女医には麻生久美子と、三木組の俳優たちが、面妖なキャラクターで映画をショーアップしているのだ。

その中でも、一見普通な容姿で、ニューカマーの千葉雄大が伏兵となる。最初はヘタレな、マネージャー的な立ち位置なんだけど、裏でいろいろと暗躍していて、その変化が物語のサブプロットになっている。だから突飛な設定を節々で着地させてくれたのは、千葉雄大だとも言えており、千葉くんが映画を下から支えてくれていましたね。

予想規模も小さくなさそうだし、一流アーティストが提供する楽曲の数々とともに、ハイテンションかつ小ネタ満載に描き出します。三木監督がその破天荒な才能を、いかにわかりやすいエンターテインメントに収めるのかにも注目しました。

ですので、観て愕然としました。自分が知っている映像の三木作品の中で一番破天荒な映画になっている。何しろ、ロックスターのしんこと、阿部サダヲが「声帯ドーピング」のせいで破滅に追い込まれつつあるカリスマ・ボーカリストと、歌声が異常に小さいアマチュアのシンガーが出会うことから始まるストーリーなのだが。

「何でそうなるの?」と言いたくなる展開だらけだったり、全体にきっぱりとリアリティ無視かと思っていたら、ある部分では執拗にリアルなディテールにこだわっていたり、松尾スズキ&ふせえりの、おもしろさがリミットを超えていたりして、これって30年前くらい前にラジオで一緒にレギュラーでコントをやっていた二人ですからね。

だから、バランスがめちゃくちゃで、凄くイビツだし、しかしそうであればあるほどに面白くなるのが、三木監督なのもまたどうしようもなく事実なのでありました。

この映画でしか見られないコラボレーションが、阿部と吉岡が全力投球&超・躍動して、こんなにたくさんあるとはね。 予測不能・変幻自在の“三木ワールド”全開で、今回が初の組み合わせにもかかわらず、それぞれの限界点を吹き飛ばすキレッキレの演技を叩きつけてくるんですから。阿部ちゃんが突っ走れば、吉岡も負けじと爆走するし。“笑いの相乗効果”が、いたるところで巻き起こっているので、絶対に映画館で思いっきり楽しんでほしいですよね。

さらに、癒し系イケメンの千葉雄大が、シンのマネージャー役で顔面崩壊するところも。それに、麻生久美子、ふせえり、田中哲司、松尾スズキといったベテラン俳優陣が演じる特濃キャラも合わさって、「わかっているのに笑っちゃう」状態に突入! 

 

実は本作の劇中で二人が歌う楽曲を手掛けたのは、実力と人気を兼ね備えた面々であり、シンがシャウトするハードロックなパワーチューン「人類滅亡の歓び」は、作曲をあのHYDE、作詞をチャットモンチーやSuperflyなど600曲を超える楽曲を手がけてきたいしわたり淳治が担当していた。

一方、ふうかが思いを乗せてソロで歌い上げる爽やかなナンバー「体の芯からまだ燃えているんだ」は、若者を中心に絶大な人気を誇る期待のシンガーソングライター・あいみょんが作り上げていたんですよ。 さらに、シン=阿部と共に熱唱するデュエットバージョンでは、シン&ふうかの“声の化学反応”が炸裂! 「耳にタコができる」ほど聞けって、強烈な印象を残す一曲です。

日本から脱出する二人は韓国へと、そこにはふうかの親戚たちが花火の工場を経営していた。そこで暫く二人はのんびりとしていたが、そこへも日本から追っ手がやってきて、ドタバタ騒ぎになる。ふうかだけを日本へ逃がして、シンは薬をやっていることから警察に捕まり、刑務所の中の病院で声帯の手術をしてもらう。

ラストが素晴らしい、ふうかが大声で歌いヒットを飛ばし有名になり、釜山にある刑務所のシンに、ふうかの声が届けとばかりに、大声で歌うのも良かった。ここまでされちゃったら、笑いを我慢するのは正直無理っていうもの。もう、笑ったし、最後には強引に感動させられたし、何だか観てよかったという感じでした。

2018年劇場鑑賞作品・・・202  アクション・アドベンチャーランキング

 

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クレイジー・リッチ!★★★

2018年10月13日 | アクション映画ーカ行

ケヴィン・クワンの世界的ベストセラー『クレイジー・リッチ・アジアンズ』を、主要キャスト全員アジア系俳優というハリウッド映画としては異例のキャスティングで映画化し、里帰りする恋人についてシンガポールへとやって来たニューヨーカーのヒロインが、相手の実家がとんでもない大富豪だったことから、様々なトラブルや試練に見舞われる悪戦苦闘の行方を描く。主演はコンスタンス・ウー、共演にヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ヨー、アウクワフィナ。監督は「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」のジョン・M・チュウ。

あらすじ:中国系アメリカ人で生粋のニューヨーカー、レイチェルは、恋人ニックが親友の結婚式に出席することになり、一緒に彼の故郷シンガポールへと向かう。これまで家族の話を避けていたニックだけに、それなりの心構えをしていたレイチェルだったが、ニックはそんな彼女の予想とは真逆のアジア屈指の不動産王の御曹司だった。こうしていきなりセレブの世界へ足を踏み入れることになったレイチェル。しかしそこには、激しい嫉妬に燃える独身セレブ女子たちや、財産目当てと決めつけるニックの母親が、2人の仲を引き裂こうと待ち構えていた。

<感想>ケタ外れの大富豪の御曹司との恋を描くラブコメです。シンガポールを舞台に、恋人とその裕福な家族との間で揺れる独身女性の葛藤と、成長を描くラブコメディーだ。これって、アメリカでベストセラーになったケヴィンクワンの原作を、「グランド・イリュージョン見破られたトリック」のジョン・M・チュー監督が映画化。全米で三週連続1位の大ヒットを記録し、すでに続編制作も決定しているという。

主演はTV「ファン家のアメリカ開拓記」のコンスタンス・ウーと、これが映画初出演となるヘンリー・ゴールディング。

そして、二人を囲んで大富豪の母親にミシェル・ヨー、成金一家の娘ペクにオークワフィナが、それに、ケン・チョンらオールアジア系のキャストが起用されている。

シングルマザーに育てられ、苦労してニューヨーク大学教授になったレイチェルは、恋人のニックと彼の故郷シンガポールにやってくるのだが、実はニックがアジア屈指の名門富豪、不動産王一族ヤン家の後継者で、御曹司だったというところから大騒動になる。下の花嫁は、金持ちの友達のウェディングシーンです。

観光的に美しく撮影はされているのだけれど、製作者たちはこの国にシニカルであると思う。ロケ地もファッションも豪華に見せながら、登場するセレブたちがみんな拝金主義者であり、同じアジアの者として笑いが凍り付く場面もありましたね。

確かに息子の相手が大学の経済学教授だが、母親は息子の嫁に相応しくないと思っているらしい。さらには、ニックの元カノや社交界のセレブ女子たちは、嫉妬から二人の仲を引き裂こうとするわけ。

大学時代からの親友で成金一家の娘ペク・リンや、ヤン家の異端児であるオリバーらの助けを借りながら、果たしてレイチェルは無事にニックと結ばれるだろうか?・・・。

ですが、母親のミシェル・ヨーは、嫁に来た時にヤン家の嫁に相応しくないと虐められた姑のお婆さんに引き合わせて、自分と比較させて息子の嫁としてどうかと、これも意地悪ですよね。

ヤン家に招かれるのだが、おばさんたちが1年に一晩しか咲かない「月下美人」をお客に披露するパーティももようされ、その花も見事な咲きっぷりでした。

何だか中身自体が格差愛であり、その差が途方もないレベルなのに、それを描いたウェルメイドなラブロマンス。主人公男女の対比的存在として登場する、格差婚夫婦をめぐるドラマも何だか中途半端な感じがした。

アジア系といえば、エキゾチシズムをけばけばしく強調された女性や、セックスアピールをまるで持たないものとして扱われる男性を見せられることが、ハリウッド映画では多く描かれていたけれど、この映画に登場する男女の俳優さんたちは、アジア人観客も憧れるナチュラルなゴージャスさを披露していた。

映画の主人公であるコンスタンス・ウーが、文化や育ちのギャップを“愛のために乗り越えるべき壁”として取り込んだロマコメの王道とも言えるストーリー。

彼女は、ファッションについて何にも知らないから、「プラダを着た悪魔」みたいな感じでもあったと思う。セレブの中に入って、全員がお高くとまった世界に放り出される。すごいプレッシャーをかけられてたくさんの試練を経験する。そして彼女は自分自身に戻ることになるわけ。

 

中でも「オーシャンズ8」では活躍を抑えられていた感のある、オークワフィナが、本領を発揮して強烈な印象を残して良かった。エンドロールで流れる彼女のラップの他、劇中で流れる中国語のジャズやポップスも癖になるカッコ良さが現れているのも最高。

親子役で登場するオークワフィナと、ケン・チョンが、セレブのいがみ合いというか、パーティで喧騒する場をさらってユニークで面白かった。

 

2018年劇場鑑賞作品・・・201  アクション・アドベンチャーランキング

 

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ルイスと不思議の時計★★★★

2018年10月12日 | アクション映画ーラ行

ジョン・ベレアーズのベストセラー“ルイスと魔法使い協会”シリーズの第1作『ルイスと不思議の時計』をイーライ・ロス監督で映画化したファミリー・ファンタジー・アドベンチャー。不慮の事故で両親を亡くした少年ルイスが、二流魔法使いの伯父ジョナサンと、その隣人で魔女のツィマーマン夫人と繰り広げる不思議な大冒険を描く。主演はオーウェン・ヴァカーロ、共演にジャック・ブラックとケイト・ブランシェット。

あらすじ:1955年、ミシガン州のニューゼベディ。両親を事故で亡くした10歳の少年ルイスは、会ったことのない伯父のジョナサンに引き取られ、いたる所に時計が置かれた古い屋敷へとやって来る。そこはいかにも怪しげな雰囲気だったが、なんとジョナサンは魔法使いだった。ただし腕は二流。一方、隣人のツィマーマン夫人も魔法使いだったが、こちらは対照的に超一流。2人は互いに悪態をつきながらも、ルイスを温かく迎えてくれた。そんなジョナサンは屋敷の中で夜な夜な何かを捜し続けていた。それは、世界を滅ぼす力を秘めた魔法の時計だった。ルイスは世界の危機を救うため、ジョナサン、ツィマーマン夫人と力を合わせて時計の謎に挑むのだったが…。

<感想>本国では1973年に出版され、ハリーポッターの原点ともいわれるジョン・ベレアーズの児童小説「ルイスと魔法使い協会」シリーズの1作目「壁の中の時計」を、スティーヴン・スピルバーグのアンフリン・エンターテイメント制作で映画化した冒険ファンタジー。原作者の死後も別作家の執筆によって計12作が出版された長寿作品であり、映画も続編の可能性がありますよね。

両親を車の事故で亡くした10歳の少年ルイスには、オーウェン・ヴァカーロが。伯父さんに引き取られるも、言葉が大好きで、辞書を愛用。スポーツは苦手、転校先ではちょっと浮いた存在でもある。

お調子者のポンコツ魔法使いジョナサンには、ジャック・ブラック。ルイス少年の母親の兄で、その素顔は魔法使いだが、腕はポンコツ。屋敷のどこかに隠された魔法の時計を探している。かなりのお調子者であります。

本作では完全に“憎めない人懐っこいオッサン”そのままであり、名優ジャック・ブラックにしかできないキャラクターを全開にしていましたね。

 

リビングにある、魔法で動き出すたくさんの人形相手に「気持ち悪い」と言っていた彼ですが、まさか「顔だけそのままサイズのジョナサン・ベイビー(身体が赤ちゃん)」という一番の醜態を現すとは、それが一番の見せ場ですかね。可愛いけど、正直いって2018年に見た映画で、一番キモかったかもしれませんね。

そして、魔法使いのエリート魔女であるツィマーマンに、ケイト・ブランシェットが扮していて、ジョナサンの隣の家に住んでいる。パリ生まれのエリート魔女で、戦争中に夫と娘を失くして以来、魔法は封印していたが、とにかく口が悪くていつも伯父さんを喧嘩をしている。

それに、ジョナサンの親友でもある魔法使いだったが、黒魔術に傾倒し、怪しげな実験に没頭して、屋敷の中に謎の時計を隠して亡くなってしまった。彼が死の世界から甦る、恐るべき魔法使い役で、「ツイン・ピークス」のカイル・マクラクランが怪演を見せている。

監督はイーライ・ロスと言えば、若者たちがジャングルで食人族にいただきますされる『グリーン・インフェルノ』、キアヌ・リーヴスが美女に肉体的にも精神的にもズタズタにされる『ノック・ノック』などホラーやサスペンスを手掛けてきた。今回、子供向けのファミリー映画を撮るなんてジョークなの、なんて思いますが、それが全編綺麗なファンタジー色で決めており、面白くて最後まで飽きません。

始めは転校生なので虐められるも、二人から呪文を教わったルイスは、學校で簡単な魔法を使うようになる。だが、彼が禁断の書を開いてしまったことで、闇の魔法使いアイザック(マクラクラン)が復活してしまう。

そのシーンが面白い。ルイスと友達の2人で墓へ行き、闇の魔法使いの墓の前で呪文を唱えていると、墓の蓋があき中から闇の魔法使いが甦ったのであります。伯父さんもエリート魔女であるツィマーマンも、これには驚きどうしようか戸惑ってしまう。

伯父さんの家にその闇の魔法使いがやって来て、大暴れするものだから、屋敷の中に隠してある時計を動かせば、世界は“逆戻り”してしまうのだ。ルイスと二人の魔法使いは、世界を救うために時計をめぐる大冒険を繰り広げるのであります。

エリート魔女であるツィマーマンの紫いろの傘を用いて光線を放出、手から火の玉を発するなど、彼らが操る不思議な魔法に注目でありますからね。

それに、ジョナサンの屋敷に死者が復活してくるし、庭のハロウィンのかぼちゃがお化けになって襲って来るし、リビングにある人形たちが襲い掛かるとか、不気味でちょっと悪趣味な描写は、子供には怖いかもしれません。

それでも伯父さんのジャック・ブラックが頼りないけど根は誠実で憎めないキャラを演じていて、それで中和されている部分もある。

ケイト・ブランシェットは、「オーシャンズ8」に続くカッコいい役で、本当に頼もしい魔法使いって感じで良かったです。ルイスが転校生で学校で虐められ問題も描かれていたりして、、じつは奥が深い作品になっていました。

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イコライザー2★★★★

2018年10月10日 | アクション映画ーア行

デンゼル・ワシントンが弱き者のためには容赦なく悪を退治する凄腕の元CIAエージェントを演じて大ヒットしたクライム・アクションの続編。静かに暮らしていた主人公が、何者かに殺された親友の死の真相を追い、壮絶な復讐に乗り出すさまを描く。共演はメリッサ・レオ、ペドロ・パスカル、ビル・プルマン。監督は引き続きアントワーン・フークア。

あらすじ:今はタクシードライバーとして穏やかな日常を送る元CIAエージェントのロバート・マッコール。しかしひとたび困っている人を見れば、圧倒的戦闘スキルで悪人たちを一瞬で始末する最強の殺人マシンへと変貌する。そんなある日、CIA時代の元上官で、唯一の理解者でもあるスーザンが何者かに惨殺される事件が起きる。怒りに震えるマッコールは自ら真相を突き止めるべく、極秘に捜査を開始。次第に事件の核心へと近づいていくマッコールは、やがて身内であるCIA、しかも自分と同じ特殊訓練を受けたスペシャリストが関与していることを突き止めるのだったが…。

<感想>2014年に世に現れ、瞬く間に人々を魅了した“仕事人”イコライザーこと、ロバートマッコール。昼間は勤勉に紳士的な働く男。だがよるの顔は「19秒で世の不正を完全抹消する[仕事]請負人」元CIAの工作員。現在63歳の名優、デンゼル・ワシントン最大級の当たり役が、大幅に進化を遂げて我々の前に再び姿を見せる。

鑑賞した後、正直恍惚状態になり痺れましたね。意外にもワシントンがシリーズ映画への出演は1本もない。そんな彼が掟を破り、初めて続編の出演を決めたのがこの「イコライザー2」であります。

前作での仕事は、温厚で真面目にホームセンターで働く職員。夜は悪をも震え上がらせる仕事人であり、映画ファンのツボを直撃した“ギャップ”が今回はタクシーの運転手という立場で描かれる。案の定、彼の乗客の殆どが、あまりにヘビーすぎるトラブルに悩まされている人ばかり。そんな人たちが次々と彼のタクシーに乗車します。

そして、困っている人を絶対に放っておけない性分の彼は、乗客に気づかれないように、さりげなくトラブルの元凶を次々と処理するのですからね。当然ながら、時間は正確であり悪い乗客には、ひそかにお仕置きをするということ。

それに今回の主人公マッコールは、何故かヒゲもじゃのメガネ姿で登場し、それはあくまでも変装であるが、トルコを走る列車の中でターゲットに遭遇すると、メガネと付け髭を外して腕時計をセットする。国外逃亡をした悪人を処理するために、はるばるトルコまでやってきた出張イコライザーの仕事を披露するのだ。武器を持った屈強な男たちをたたきのめすのである。冒頭からド肝を抜く食堂車での格闘技に満足でした。

何だか前よりも強くなっていないか?・・・アクションがより鋭く、ダイナミックに、よりシャープに洗練されていた。スピーディな肉弾戦はもちろんのこと、車を運転しながら戦うという、これまでに無いアクロバティックなシーンに痺れてしまうのだ。

愛妻の喪失に苦しむマッコールにとって、心の拠り所となっているのがCIA時代の上官スーザン(メリッサ・レオ)。唯一彼の過去や別の顔を知る理解者である。だが彼女がベルギーのホテルで、捜査中に何者か襲われ命を落としてしまう。犯行は強盗犯によるものとしてかたづけられるが、不審を抱いたマッコールは、独自の調査を開始する。

浮上してきた黒幕は、マッコールと同じイコライザーという衝撃的なものだった。スーザンを殺したのが、CIA時代相棒だった男だということも分かり、怒りに震えるマッコール。もちろん全員が凄い戦闘スキルのイコライザー同士の、究極の戦いの幕がきって落とされる。

そしてクライマックスのシーンでのハリケーンの中での超絶バトルも、身体が吹き飛ばされそうな風や波、その場にある日用品(頭脳プレイ)を駆使して昔の仲間、暗殺のプロ同士を相手に、一人で戦うのだから、もうお見事としか言えない。追い詰められるマッコールの運命は、超ドキドキであり、緊迫感が半端じゃなかった。

謎に包まれたマッコールの過去がついに明かされ、かつて、この男に何があったのか、何故に人知れず人々を助ける道を選んだのか、全てを理解した時に、「マッコールよ、あんたはカッコよすぎるぜ」と叫んでしまう。今回は現在住んでいる住居にある隠し部屋とか、海岸にある昔、妻と暮らしていた自宅も描かれ、仕組まれたサプライズに驚愕すると共に、ライオンの如く悪党を殺す“仕事人”のプライドを見せつけてくれる。

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日日是好日★★★★

2018年10月09日 | アクション映画ーナ行

人気エッセイストの森下典子が、茶道教室に通う日々の中で体験したいくつもの気づきや感動を綴った『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を黒木華、樹木希林、多部未華子の共演で映画化した人生ドラマ。人生に迷っていた主人公が、茶道教室で出会ったお茶の先生との触れ合いを通して、季節を五感で味わうことの素晴らしさや、生きる歓びを少しずつ実感していく姿を瑞々しいタッチで綴る。監督は「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣。

あらすじ:真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょいの二十歳の大学生・典子は、母から勧められて同い年の従姉妹・美智子と一緒にお茶を習うことに。稽古初日、茶道教室にやって来た2人は、“タダモノじゃない”と噂の武田先生に迎えられ、さっそく稽古を始める。しかし、意味も理由も分からない所作の数々に、ただ戸惑うばかり。大学卒業後、就職した美智子がお茶から離れてしまう一方、就職につまずいた典子は出版社でアルバイトをしながらお茶に通い続けるのだったが…。

<感想>先行上映にて鑑賞。私も丁度19歳のころに茶道と華道を習い始めました。近所のお婆さんが教えていた裏千家の茶道でしたが、2年くらいで止めてしまいましたが、一応お道具だけは揃えて置きました。今でも何かあると道具を取り出しては、お点前を立てて無心に帰ります。不思議と作法は覚えているもんですね。

ところでこの作品のいいところはたくさんあります。特に女性たちにお勧めしたいですね。先日亡くなりました樹木希林さんは素晴らしい方でした。どんな役柄でも、その役になり切っていて、観ている私たちに感動を与えてくれる素晴らしい俳優さんでした。一番に思い出すのは、『わが母の記』そして、『あん』それに、『モリのいる場所』ですかね。その他にも、殆ど出演作は鑑賞してます。

この作品での核といいましょうか、習い事というと堅苦しく考えがちですが、自分が出来ないことを師匠と仰ぐ方に習うということは、とてもいいことで、どの先生でも生きてきた道が見えるような、茶道家にはその佇まいに出来ているし、教えを乞うこととは、先生の一言、一言が胸に染みてくるわけで。

武田先生は、「いつやめてもいいのよ、ただ美味しいお茶を飲みにくる、それでいい」と優しく諭すように言うのだ。茶室の掛け軸の「日日是好日」という書に、難しく考えることはない、「今」を大切に生ければ自ずと拓けていくのだと、そう教わった気がしました。

まるで季節のように生きているかのように、庭には四季折々の草花に、茶室には掛け軸とお花がいけてある。そして、出される茶菓子も季節ごとに違うし、自然とお茶を嗜むことが楽しいような、心が清々しくなるような気がする。

樹木希林さんが扮する武田先生は「お茶はね、まず形なのよ。初めに形を作っておいて後から心が入るものなのね」といった茶道の教えのほかに、「わたし、最近思うんですよ。こうして毎年同じことができるってことが幸せなんだなって」など人生の師としても名言多数あります。

ベテラン女優の樹木さんが、茶道の先生で良かったと思う安心感と、映画の中で映し出される茶室の蹲(つくばい)、掛け軸、柄杓(ひしゃく)鉄の茶釜、なつめなどの茶道具も印象的で、茶道の奥深さ、豊かな世界を感じさせる映像となっているのも素晴らしかった。茶碗の中に茶筅で優しく最後にのの字を描くようにと、そういえばコーヒーを淹れる時も、お湯を注ぐ時にのの字でしたね。

共演の黒木華と多部未華子の娘たちが、初めて習う茶道教室に戸惑いながらも、素直に教えを聞きながら覚えていく姿も愛い愛いしくて、着物姿の二人の綺麗なことといったらなかった。

二人の恋愛話に、大学を卒業してからの就職のこととか、黒木華扮する典子が出版社へ就職試験にいき、採用試験に落ちてしまったこと。

帰りに茶道教室へいき、先生に「お茶を頂きに上がりました」と茶室に行くと、そこには、だるまの絵が描かれた掛け軸が、先生は「だるまさんの大きな目で睨んでもらおうと思って」という。その意味は「必勝、七転び八起」とか、先生が典子の気持ちを汲んで掛け軸を選んで掛けていたのですね。

正月の初釜の行事も、みんな他の生徒さんたちと並んで、濃茶を頂く所作も素晴らしかった。つい20歳の自分を思い出してしまう。1月のお茶碗には、その年の干支が描かれた茶碗を使用するという凝りようで、お茶碗や、その他のお道具全てが全部素晴らしくて、あの頃に時間が戻った感じがして、この映画を観て本当に良かったです。

 

ラスト近くで父親が亡くなって、典子は亡き父親にお茶を点ててあげたのでしょうかね。就職のことも、結婚のことも両親は心配していたでしょうに。早速、家に帰って夫に、薄茶でも点てましょう。

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パーフェクトワールド 君といる奇跡★★★・5

2018年10月08日 | アクション映画ーハ行

 有賀リエの同名少女漫画を「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」の岩田剛典と「湯を沸かすほどの熱い愛」の杉咲花の主演で映画化したピュア・ラブストーリー。事故で車イス生活を送る青年と、初恋の相手である彼と運命的に再会したヒロインが、様々な試練を乗り越え愛を育んでいく姿を描く。監督は「流れ星が消えないうちに」の柴山健次。

あらすじ:インテリアコーディネーターとして働く川奈つぐみは、高校時代の憧れの先輩・鮎川樹と偶然の再会を果たす。初恋の相手でもある樹に再び惹かれていくつぐみ。しかし樹は、大学3年の時に事故に遭い、脊髄損傷によって車イス生活を余儀なくされていた。子どもの頃からの夢を実現し一級建築士となり、前向きに生きる樹だったが、事故に遭って以来、恋愛はしないと心に決めていた。それでも、つぐみの一途な思いが伝わり、付き合うことになる2人だったが…。

<感想>高校時代の憧れの先輩の鮎川樹演じる岩田剛典と、最近メキメキと成長して女優業真っ直ぐらの杉咲花が演じている川奈つぐみとの恋愛ドラマ。就職してから偶然に仕事先の飲み会で、出会った岩田剛典にまたもや一目惚れしてしまった杉咲花ちゃんとのラブロマンスもの。どちらかというと大人の岩田剛典と、まだ子供らしい純粋な心の杉咲花ちゃん、車いす生活の彼に驚き、それでも彼が大好きで、ついつい一緒に仕事もして仲良くなってしまう。

 

劇中では、樹とつぐみの出会いは高校時代にさかのぼり、図書委員だったつぐみが図書室の受付をしているところに、樹が本を借りに来たときだった。まとめて本を借りようとした樹に「借りられるのは2冊までです」と話すが、樹は「そんな固いこと言わないで」とおちゃめな笑顔で切り返す。高校時代なので、当然制服姿で演技をする岩ちゃん。杉咲花ちゃんはとても似合っていて違和感がないのだが、制服を着た岩田剛典は、現在29歳であり、ちょっと無理かなぁなんて、でも回想シーンですからね。

 

それに、岩ちゃんは本作で車いすバスケにも挑戦しており、激しく動きながらも、楽しそうにバスケをしているシーンは本作の見どころの一つでもあります。

「先輩のことが好きなんです」とつぐみが言えば、「一生一人で生きていくって決めたんだ」など、切実なセリフがちりばめられており、つぐみは「好き」な気持ちだけでは越えられない壁を乗り越え、樹との恋を成就できるのか…?という、心細いシーンもありますが。

高校時代に付き合っていた彼女・雪村美姫には、大政絢さんが扮しており、事故以来会っていなかった二人が同窓会で再会して、まだ樹の心には彼女がいたみたいなのですが、心変わりをした雪村美姫に樹の恋が砕け散ったようでした。

そんな2人の距離がグッと近づく江ノ島デートの様子が写し出されている。一緒だからこそ楽しむことができる特別な時間を過ごす2人の姿や、樹がサプライズプレゼントとしてつぐみにネックレスを渡す場面では、2人の仲が深まっていくさまが伝わってくるのが分かる。

ラブシーンというか、二人のキスシーンが結構多いと感じたのですが、つぐみがベッドで眠る樹の手に触れたり、背後から抱きしめたり。恋する女性なら胸キュン必至の切ないシーンが満載であります。

或る日の事、つぐみが樹と駅のホームにいる時に、突然意識を失いホームの下の線路へ転落してしまう。慌てた樹は、それを見て車椅子の自分には助けることも出来ず情けない自分に苛立ってしまう。つぐみはそこにいた人たちや駅員に助けられ、病院へ救急車で運ばれるも、原因は過労で貧血を起こしてしまったらしい。

それを見たつぐみの両親が、障害者である彼との結婚を認めておらず、つぐみの父親が樹の前に頭を下げて、「つぐみのことをどうか諦めてくれ」と頼む姿も、娘が障害者との結婚に反対したことは、無理もないと思いました。

つぐみのことを高校時代から好きだった彼・是枝洋貴には、須賀健太が扮していて、彼女のことを見守っているって感じでしたが、最後にはつぐみは樹を愛していたことが分かり、フラれてしまう。

でも、恋愛だけでなく、生涯、樹の傍で一緒に暮らしたいつぐみの気持ちには、お父さんも許さないわけにはいかないですよね。

樹がつぐみを抱きしめながら涙を流す姿はそれは美しく、一方で子猫を抱き少年のような笑みを浮かべる場面もあり、多彩な表情の岩ちゃんの演技を堪能できる映画でもありますね。

エンディングの前に、E-girlsさんの「Perfect World」が流れて来て、二人の結婚式が映し出され、ウェディングドレスの杉咲花ちゃんがとても愛らしくて、きっと初めて着る花嫁衣裳に彼女も感無量だったに違いありません。もちろん、車いすの岩ちゃんのタキシード姿もカッコ良かったです。

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