パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

アンダー・ザ・スキン 種の捕食★★.5

2015年01月07日 | DVD作品ーあ行
妖艶な容姿を武器に誘惑した男たちを餌食にする美しきエイリアンの運命を描いたSFスリラー。『マッチポイント』などの人気女優スカーレット・ヨハンソンが、初めてフルヌードに挑む体当たり演技を見せる。共演は『天使の分け前』などのポール・プラニガンら。ジャミロクワイの名作「Virtual Insanity」などのミュージックビデオを手掛け、『記憶の棘』で注目を浴びたジョナサン・グレイザー監督によるスタイリッシュかつ緊迫感あふれる映像が印象深い。
あらすじ:スコットランドの街から男たちが次々と行方不明になる事態が発生し、彼らは姿を消す直前、一人の女(スカーレット・ヨハンソン)と会話をしていた。自らの美貌と妖艶さを前面に押し出し獲物となる男たちを誘惑する女の正体は、人間ではなく地球外生命体だった。慈悲のかけらもない冷酷な女だったが、顔に障害のある男性と知り合ったことで、人間らしい感情を抱き始め……。

<感想>劇場で観賞したかったと思っているうちにDVDレンタルしていた。しかし、スカーレット・ヨハンソンのフルヌードを観られると男性諸君は喜んでいたのだろうが、女性から見るとお尻が大きくて人体のパーツのメリハリが凄すぎ。だから縄文時代の土偶のような肢体で、あまり抜群のスタイルではないようだ。どちらかというと、安産型のタイプ。
人間社会にお色気を武器に魔の手を伸ばす侵略者、エイリアンになっても美しいスカヨハのボディとかが気になるのだが、エイリアンということが最後に全て判るようになっていた。
それでも、「スピーシーズ 種の起源」のジルや「メン・イン・ブラック2」のサーリーナなど、男性諸君を虜にしてきたセクシーなエイリアン。

薄暗いスコットランドを舞台にしたSFスリラーで、不気味さに惹かれる。冒頭部分がだいぶジラしながら暗くて青い光が、中央に輝き意味深な感じがして、これは眠くなるかと思った。しかし、スカヨハが死体から衣服を剥ぎ取るシーンは、真っ白な空間で、獲物を貯蔵するシーンでは真っ黒で宇宙のような無重力の闇を表しているように見えた。

自分で運転するライトバンで街を流して、男どもを物色しているスカヨハ。要するにナンパというか、それでもスカヨハのように若い美人ならば、男の方から声をかけて近寄ってくる。
捕食される男たちの浅はかさとか、人情的な面白さはもちろんあるのだが、特に際立っていたのがその映像と音の世界であります。主人公が種を手に入れるシーンでは、真っ黒な空間で全裸の男がまるで底なし沼にハマっていくがごとく、沈んでいくのである。

その下には、深海のような世界があり、過去に捕食された男がペラペラに薄くなって皮だけになったように漂っているのだ。そして、真っ赤な血液のようなドロドロとした液体が帯のように流れて口のようなところへと吸い込まれていく。

驚いたのが、町中でエレファントマンのような顔が醜い男を誘い込むのだが、その男は今までこんな美人に声なんてかけられなかった。だから、本当に嬉しそうで、殺されてもいいと彼女のするがままに裸になって捕食される。
また、荒波のシーンでは、溺れかかった犬を助けようとして波に呑まれる女と、その女を助けようとして溺れてしまう男。また、その男を助けようととして溺れる別の男を、それを無表情に眺めている主人公。浜に上がった男を石で頭を殴るし、近くには火がついたように泣き叫ぶ赤ん坊の声、それは無視するスカヨハ。
このシュールな映像世界に流れるミカ・レヴィの奏でる音楽が不穏さを更に煽るのである。これまで聞いた映画音楽とは全く異質なものであると感じたのだが、新しい表現方法を提示しているようにも感じ取れました。

監督がミュージックビデオを手掛けてきたジョナサン・グレイザー。ニコール・キッドマン演じる未亡人が嘘つきな子供にぶっ壊されていく快作の「記憶の棘」(04)を監督した人。
意外にベッドシーンもあるのだが、まるでコメディのような顛末で笑ってしまった。つまりは、エイリアンが人間に化けてシリコンの皮を被っているような、だから、最後に森の中で男にレイプされるシーンでは、服を剥ぎ取り裸にして暴行しようとするも、男は主人公の体の皮膚が破けて来て中から真っ黒なエイリアンが覗くシーン。そして、怒った男が油をかけて火を付けるという。
このエイリアンが地球に来た目的とか描かれていないので、何をどう理解していいのかが解らない。他にも人間に化けたバイク乗りの男が数人いるのだが、殆どスカヨハのエイリアンが主役で出ている。セリフも少なめで、眼の瞳孔が異様に綺麗に見えた。エイリアンであるスカヨハが、レストランでチョコレートケーキを頼み食べてみるのだが、美味しくないらしく直ぐに吐き捨ててしまうシーンがあるが、人間の食べ物を食べたいと思い、人間らしく生きようと思ったのだろうか?・・・その所は観客の想像に任せているのだ。
全編、スカヨハが頑張っているので観るべきシーンは、その裸体でしょう。後は、何を主張しているのか、物語り自体良く理解できないのが残念。
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