昨日、
<ギャラリーうつわ>で開催中の展示会を見てきた。
ひょうたんに
魅せられた
男の手仕事展 田中毅
店内は、さまざまな瓢箪でいっぱい、お祭りのような賑わいだ。
瓢箪の種類が、こんなに沢山あるとは知らなかった。
大小さまざま、長短もさまざま。
赤ちゃんもいれば、長身の大人も混じっている。
しかも、それぞれの瓢箪には、一様でない意匠が施されている。
素のままのもの、柿渋の塗布されたもの、千代紙の衣装を着たもの、彫刻の施されたもの、文字や絵の描かれたもの等など。
苦労の多い作業にちがいない。が、作者はきっと楽しみながら、瓢箪に向きあっておられるのだろう。瓢箪の表情はみな楽しげである。
そして、見る者を楽しませてくれる作品となっている。
上の一葉には、束ねられた小型瓢箪の下に、作者が撮影された写真が入っている。
居並ぶ瓢箪の背景、畑で育てられる様子である。
幸運にも、作者夫妻が来店されており、種蒔きに始まり収穫までのプロセスや、悪臭に耐えながら中身を取り出す大変な作業など、伺わなければ知るよしもないことなど、詳細を教えていただいた。
出来上がった作品からは想像できない過程が潜んでいる。
種蒔きに始まって、作品の完成に至るまでには、膨大な時間や労力が必要だと知る。
温厚そうな作者である。
その雰囲気からは想像し難い忍耐力、体力、精神力を秘めていらっしゃるのだろう。
予想をはるかに超えた作品数と多彩さに、感心するばかりであった。
今日は、よい日取りであったらしい。
<ギャラリーうつわ>で、思いがけない人たちに、たくさんお会いでき、とかく翳りがちな老いの心に、やさしい温もりをいただいた。