河口の部屋から見える家並み
3月1日を、河口の部屋で迎える。
3連泊は、初めての経験である。
しかも、月を跨ぐという、珍しい形で。
2月の末日と、3月の初日とは連続しているのに、月が変わるということで、少し気分が改まる。
さて、どんな3月になるのだろう? と。
80歳を過ぎてからは、新しい月を迎えるたびに、これが生涯にとっての最後かもしれないと思ってきた。
その思いは、年を重ねるごとに、強くなる。
河口の部屋での生活に、少し慣れてきた。
が、やはり家との生活と違って、ここは小さな集団である。
知らず知らずのうちに、緊張感を強いられるのだろう。
家に帰ると、たちまち欠伸を連発し、居眠りが出てきたりする。
緊張と弛緩の繰り返しである。
それは、生活のリズムとして、悪くはないのかもしれない。
ただ、もう少し、その揺れ幅を小さくしていきたい。
4階の個室では、私が一番若いらしい。
84歳にして!
(男の方、お2人の年齢は分からない。)
84歳1人・86歳2人・88歳2人・91歳1人・100歳を超えた方が1人、という状況らしい。
2人部屋の方については、全く知らないし、個室でも、最長寿の方には、お会いしていない。
人が交われば、なんらかのドラマが生まれる。
入居の条件として、<自立可能な人>とあったが、加齢により、個人差はかなりあるようだ。
少しずつ状況が分かり、慣れてもきたので、心を平常に保って生活できそうだ。
高齢者同士の会話は、巧まずして、喜劇的コントを演じているかのようである。
今は、観客席にいるつもりの私が、そのうち、主役を演じることになるのかもしれない。
一寸先は闇!