「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20110829

2011-08-29 | 矮小布団圧縮袋
○CNNのニュース特別編成でニューヨークを直撃するハリケーンの実況を、知り合いの英語の先生の実家がそのへんなのを思い出して心配で見てたテレビの前のたれぱんだたち。こっちが夜9時だと向こうは朝8時だったりして明るいけれど、みな避難しているようで、上陸する前から満潮が重なって完全に川岸も水没して、通りも低いところもかなり冠水状態になっていた。災害地の方々は気をつけていただきたいものである。(テレビを見て心配するたれぱんだとキイロイトリとリラックマ)

こちらは一夜明けて月曜で、今日も出勤である。

 本日のBGM:
  手をつなごう~マツケン×仮面ライダーサンバ~ / 松平健 feat.映司&アンク(渡部秀、三浦涼介) (Music on!TV 「M-on countdown 100」 8/29、30)
 日頃ケーブルで時代劇専門チャンネルや特撮や英国ミステリードラマ等をはしごしまくるため、朝の出勤前に留守録のチャンネルを調節するたびに、時専ならば8時台の海岸を馬で疾走する暴れん坊将軍OPが必ず目に入ってしまい、ついテーマの旋律を脳内鼻歌に通過させつつ玄関から駐輪場へ向かう(爆)視聴者としては、異様ながらもストライクゾーンに放たれた球といえないこともない。なにせJACと悪役俳優がやたらつながっていた影の軍団とギャバンの例に留まらず、ヒーローものという様式美において時代劇と特撮のツボは共通なのである。娯楽作品のもっともオーソドックスな鉱脈に気づいた東映はしてやったりであろう。しかし、まだ自分は映画館に行くまでには至ってなかった。 
 昨日の最終回の余韻でもって、巷で噂になっているPVを見たら、こりゃまた凄い。早速音源を入手。これはちょっと気になるぞ。
 イントロとかちょっと初期B’z調か?と思いつつ、ラテンなリズムギターがうねる。今回の出色はアンクのラップだろう(“それにしてもこのアンク、ノリノリである”・爆)。これがサンバというよりヒップホップななかなかの味でかっこよく、そこへ上様と映司の定評あるvocalが明快な旋律をリード、そしてPVにおける、ちょっとした小芝居とダンス(笑)。特撮とのリンク風でいえば山下真司の出てくるGReeeeNの「刹那」PV的なやつ以来な気分でもある。徳川吉宗も21世紀に至ってこんなキャラクターになるとは。享保年間に誰が予想しえたであろうか(><)
 しかし「手をつなごう」PV、なんか辛い時に見ると、ちょっと気持ちが励まされる。この「3人の出オチでどーでもよくなるような」肯定感はなんだろう。近年では珍しいことだが自分の偶然見ることになった特撮ものでテーマ性を感じ、善玉悪玉各々キャラクターに行間の余韻があり、それだけの愛着を覚えるようなドラマだったのだろう、仮面ライダーオーズは。
以前の「Time Judged All」でも感じたことだが、最終回も済んで作品世界も達成されたから、もういいと思うんだ。ここはひとつ上様×映司×アンクで(もちろんコスチューム全員フル装備で)Music Stationに出ませんかね!タモさん(笑) (これをあんたんとこが出さずして他のどこの局で出せるんだテレビ朝日よ!) (20110829)


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20110828

2011-08-28 | 矮小布団圧縮袋

○土曜日も昼間は会社で調査と書類作成作業に励んだ後、夕刻に久しぶりに天神の本屋に来て欲しかった本を買い、ひと風呂浴びに天神・ゆの華で休憩。(キイロイトリも来た。夕飯はとろろそば)忙しいせいなのか、どこか食欲がない。たくさんは食べなくてもいいのだが、食事が簡単すぎると、どこか栄養が足りないような気もする。


本日のBGM:
 仮面ライダーオーズ 最終回第48話「明日のメダルとパンツと掴む腕」(KBC、8/28 8:00~)
 やはり最後においしいところをもっていくアンクw。そういう形で今回トータルで問題だった「欲望」から「希望」のテーマに戻っていくわけですな。ちょっといろいろな要素がまだ回収しきれてないような雑多さも感じたが、兄と後藤ちゃんにも日常が戻ってきたようだからまずよしとしよう。甥の解説から始まって約半年くらい、リアルタイムにそって時々見ながら進行についてきたんだなと、自分にとってはこれも地上波にしては珍しい番組の一つであった。しかし「どうせ9月から新しいのが始まるのにこんなに買わされて来年度は無駄にならないのだろうか全国の保護者のみなさん?」と保護者でない自分までが余計な心配をしてしまうほど、ライダー史上最大の「コンボ量産」で玩具会社の売らんかなな大人の欲望の限界実現に挑戦したみたいな作品なので、鴻上社長の「欲望」演説の画面が番組合間合間のCMに瞬時に切り替わるような相乗効果を見ていると、失笑する瞬間も多々あった。次のライダーはここまでえげつなく増やすのだろうか?ストーリーがそういうちょっと強迫神経症的なわりにドラマ部分は荒唐無稽ながらドラマとして見ていたところもあったので、映司とアンクと仲間たちは記憶には残りそうで、後日、この配役の人々が出演するドラマなどがあるなら見てみるかもしれない。なにせ自分の部屋にも、マクドナルドハッピーセットのおまけの覗き見付きタトバくんがあったり、ちっちゃいけどタトバとタジャドルとサゴーゾがリラックマとまったりくつろいでたりするから。響鬼も電王も特にこういうおまけ玩具は持ってないのに、今回はなぜか持ってる。「アンクの手」があるよ、とか言われたら、「いいな、ほしいな」とちょっと思ってしまうあたり、自分も玩具会社の欲望に踊らされてるようである。甥とたまに話してただけでもこんな按配だから、息子さんのいるお父さんなんか毎週どんなんなってたことやらとお察し申し上げる。(20110828)


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20110825

2011-08-25 | 矮小布団圧縮袋

○ニュースは陰鬱な事件ばかりが続いている。今日も朝から夕方まで作業と打ち合わせに走り、気がつくと精神的にひどくすり減らされていて、疲弊している。帰宅して少しリラックスする必要がある。

本日のBGM:
・青春を打ち鳴らせ / ハニーナイツ 作曲・渡辺岳夫
 (お祭り銀次捕物帳(1972) 第1回「出発の歌」、時代劇専門チャンネル 8/25 11:00~ 23:00~)
  昨日のシャーロックシーズン1ラストと若さま侍最終回の次の日、さっそく始まる第1回。これまたとんでもない番組。もちろんリアルタイム当時は見たことなし(うちもBSNで8時だヨ!全員集合を見ていたはず)。
 配役は豪華なのに全員マイペースというかコントのようだ。そしてチャンバラ…のはずが、太鼓の撥(爆)「仮面ライダー響鬼」を40年前に先取りしとるような勢いで、これからネタとってきたのか?なわきゃない。しかし刀持ってない町人が暴動起こす場合は、案外こんな感じで暴れたのかも。今回のフリーダムは露口茂かな?すっごく仮装?が楽しそう(まるでジェレミー・ブレットのホームズが変装して貧民街に潜入する時みたいな嬉々とした勢い)なのだ。ただしとにかくBGM:渡辺岳夫音楽そのものが自由で秀逸。メインテーマの出動・マーチ的アレンジや、火消し組のギャグシーンのや捜査シーンのちょっとしたモダンなジャズ風とか、しみじみホームドラマ風シーンのちょっと眠狂四郎風のmajorでゆったりした旋律とか、こりゃサントラを作るべきだと思う。一度聞いたら忘れられないフレーズと言えば、数週間前から「若さま侍捕物帳」ED後に毎日聞いていたため、これもちょっとするとすぐ「たたいて~♪なおして~♪」オープニングテーマがなんとなく脳内を流れてしまうという危険さ。もっと危険なのが超カオスなエンディングテーマ(笑)すごすぎる。やっぱしサントラが要るなあ。

・アガサクリスティのフレンチ・ミステリー「無実はさいなむ」(AXNミステリー8/25 12:30~留守録)
 こちらは一年ぶりに再放送で見る。こうしてみると結構伏線が多いな。そしてJulien Baumgartner先生のジャコはやっぱし悪ーい奴な濃度のatmosphereをぷんぷん撒き散らし(しかしメイドにはもてるらしく、ちょっとくらいのセクハラは愛嬌のうちらしい)、奴が奴なら奥さんも奥さんというとぼけた妻役の人もなかなかいやーないい味出してる。事件はひどいけど、そこここにやはりコメディな味をつけてるのかな。しかしカメラもロケも墓地と洋館を贅沢に綺麗に撮るもんだなFrance2。画が綺麗な分、性格が悪い連中の面持ちが余計めだつのかも。それにしてもSherlockといいこれといい、英仏ともテレビドラマのマイノリティギャグネタが結構毒っぽいというか大人の嗜好なのだろうかと思ったり。(20110825  ※写真はどーもくんの天気予報つづき)



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20110823

2011-08-23 | 矮小布団圧縮袋

○気がつくと1.5倍くらいサービス作業が増なのに、自分の担当の仕事の片付けが遅れてるといういつものパターンで疲れている。それにしてもこの天候不順と集中豪雨には参る。帰りたい時間でも、突然スコールの間は十数分から数十分、止むまで待つからだ。だから夕方には帰り支度をしておいて、降雨レーダー予想図を見て晴れ間を狙い、ひどい振りならPCの前で残業しながら待ってて、そして少しでも止んだら、それ!という勢いで脱出する。午後8時からのNHKBSに間に合うよう、意地でも午後7時台には帰ろうという企画だ。(写真はちなみに、NHK新潟の夕方の天気予報。どーもくんが出てくるのだ。)

 本日のBGM:
シャーロック(Sherlock)」 第2話「死を呼ぶ暗号」 (NHKBSプレミアム、8/23 20:00~)
  踊る人形(ロンドンのアンダーグラウンドな落書き文化)?に+這う男?(4階なのに?)+高名の依頼人(骨董陶器?)+赤い輪(組織に?)+三破風館(何を探してる?)…等等、見ているといろんな話の各部のテイストをちょこちょこ思い出すような展開の2回目。1回目より凝ってないのかな?アクション寄りかな?と思いきや、後半からのサスペンスが、実は前半はそういう伏線だったか、そうきたか!という感じ。やっぱりワトソンは女性が好きなのね、でも不運wな感じが二枚目半か。バイトがんばれよ。
 若さま侍捕物帳 第17回「参上!子ども鼠」 (時代劇専門チャンネル、8/23 23:00~)
 子役がかわいい♪そして子役とからむ伊藤雄之助さんがもっとかわいい。親方顔も怖いけどいい人。さすがおとっちゃんだ。このドラマひたすら若さまチームが各メンバー豪華なのになあ。明日は最終回らしい。(20110823)



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20110822

2011-08-22 | 矮小布団圧縮袋

○夕方仕事中、ふとwebニュースで竹脇無我氏の急逝を知る。自分が幼児期3~4歳の物心つき始めた頃、うちの茶の間の白黒テレビにこの人が映るたびに、なぜかくいいるような視線と集中力で見ていたらしい。当時「かっこいいひと、っていうと、どんなひと?」ときかれて、ちびっこの自分はたどたどしく「たけわきむが」と答えたという、そのエピソードを家族はその後、何十年もネタにして、ことあるごとに人を馬鹿にして嗤うのであった。とすれば、「三つ子の魂百まで」というか現在に至る数寄心の原点のようなものか。多分その頃見ていたというと、大岡越前の榊原伊織役の彼のことだろう。思うに自分は幼児期が一番「早熟」で「気が多かった」のかもしれない(クレヨンしんちゃんかワシは)。その反動なのか何なのか、「先輩は自分のこと棚に上げて、理想が高くて面食いすぎるんですよお」という後輩もいたけれど(笑)、学童期以降は今日に至るまで何十年も、全く色恋には無縁の枯淡な人生になってしまった。しかし竹脇さんの場合はとにかくただ顔が綺麗だというだけでなく、品のある落ち着いた物腰で語る「声がかっこ良い」のが、圧倒的だった。天知茂氏のように「大人になってから昔の青年の頃のを見た」のではなく、自分の幼児期にドラマやCMのリアルタイムのテレビで若い時から見ているから、自分の中では、「大人の人」、格好いい青年の時の親戚の叔父さんのようなイメージが、ずっと残っている。残念である。自分もそうして齢を経てきていることをかみしめつつ。この訃報にショックを受けながらも、今日は夜7時には仕事から帰り、晩のドラマの放送の実況に参加してみることにした。三つ子の魂百までというか病膏肓に入るというべきか。

 本日のBGM:
シャーロック(Sherlock)」 第1話「ピンク色の研究」 (NHKBSプレミアム、8/22 20:00~)
 始まりました、衛星放送で宣伝も全然なく、ひっそり始まっているようですが、マニアの間では既に昨年からずっと噂のSherlock。多分「緋色の研究」からいろいろもじって作られているはずなストーリーで、原作思い出して突っ込みどころ満載。
 いや、予想以上にカンバーバッチさんのホームズが「いやな奴」ぶりぶり(爆)で可笑しいし、原作と同じくアフガニスタン帰りの(なんという皮肉)ワトソン役のマーティン・フリーマンが「ホームズにまきこまれて普通の人がお気の毒」なイメージかと思ったら、なんとだんだん…なところが、さすが英国ドラマ風に一筋縄では行かない「曲者」でよかった。英国ドラマはなにげなく「変てこな友情コンビ」が好きなんだな。それに本当に探偵も犯人も病んでる英国ぽく異様な「毒」だらけで変人が多くてキャラが立ってるから、見てしまうんでしょうな。主任警部モースとルイス警部はCSで字幕版で見てしまったので、こうして字幕じゃなくてNHKで日本語吹替から最初に見た、というのはもしかするとグラナダ版のブレット・ホームズや、スーシェのポワロや、BBCのマープル以来かもしれない。
 よくこの面倒くさい英語の台詞を日本語に吹替えたな、と思う(あの、画面にテロップが出るのは、多分BBCだと英単語で出るのだろうけど、吹替版で日本語の文字が出てくるとちょっとびっくりするね→しかも、途中で出てきた地震速報と同じかと勘違いしそうになったよ><)が、時々原作のパロぽいネタも細部にこめられてるし。モースみたいに救いようがない感じの後味悪、というのまでは行かずに、変態ぽいながらも少し希望が持てるように工夫してあるよう。携帯・パソコン・ブログにカーナビなんでもござれなハイテクに限らず、細かいとこでは、原作じゃパイプも煙草も薬もなんでもありのヘビースモーカーのホームズに比べて、21世紀は「ニコチンパッチ」(爆笑)とかが現代らしいといえばらしいw。で、吹替もなんとワトソンの森川智之さんはじめ渋め所が固めててなかなかでした(日本語吹替だと気のせいか、英語字幕よりちょっとウェットな感じになるけどね)。もちろん、字幕版も放送されたら英語台詞が聞きたいので録画しませう。(※写真:上越新幹線で遊ぶキイロイトリたち 20110822)




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20110820

2011-08-20 | 矮小布団圧縮袋

○土曜のNHK福岡「おはようサタデー九州沖縄」の「ねこ」アニメの8月バージョン。海水浴ですいか割り?しかし…「あちゃー」な展開に。あいかわらずあほでほのぼの。 
  
今日も外出(キイロイトリもお出かけ)。昼に会社に資料を取りに行き、図書館で調べ物をした後、野菜他食糧を買って風呂屋に行き、夜7時少し過ぎくらい?に帰宅する直前、バイクで上から「ぱらぱら」と雨粒が降ってきたので、こりゃ急げと思って家に着くと、どーっと轟音とともに叩きつけるような集中豪雨がやってきた。あわや、危機一髪で建物の中に入れてほっとする。今夜は市内でもあちこち夏祭りで露店が出てたのに、大丈夫なんだろうか。

本日のBGM:
 アガサクリスティのフレンチ・ミステリー 「ABC殺人事件」(AXNミステリー、8/20 10:30~の留守録)
ちょうど去年の9月に見たシリーズの最初のを見逃していたので(第2回の「無実はさいなむ」から見始めたのは、昨年9月の経緯のとおりです)、今回初めて第一話の「Les Meurtres ABC」を見た。警視が受勲の予定で、その直前の事件として「犯人に挑戦される」ところなんかも、フランス流にアレンジされてる模様。所謂ストッキング行商人は傷痍軍人で、この役は、原作どおりの英国ドラマ版でも確かにやや「変な感じの人」がやる役どころではあるけど、仏版のこの人もまた、ちょっと怖い…でもうまい。なんか特徴のある、見たことある顔の人だぞ、と思ったら、「ポンヌフの恋人」のドニ・ラヴァンですか!そ、そうだよねポンヌフから20年もたってるのかと気づく。今回のを見て、ランピオンがナイーブでラロジエールが遠慮なく女好きの凸凹コンビなのは最初っからなのね、とわかった。
 そしてなんと、AXNミステリーでは9月から新シリーズ(5~8話)も日本初オンエアで登場だそうである!ちょっとこの警視と助手の設定が無理に一癖二癖ありすぎる感だけど(笑)結構好評なんでしょうかこのシリーズ。あるいはこんな感じで(日本で言うとドラマ横溝正史シリーズみたいなもんで)さりげなくゲストや脇役に渋い配役が見られるからかしら。(20110820)



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20110818

2011-08-18 | 矮小布団圧縮袋

○近代化遺産を歩く@新潟篇 その6 
 …かくして、休みが終わって仕事に戻ってきたのであるが(※ANA機上で夕陽を見るキイロイトリとむすび丸)、思い出すと今回のお盆はやたら「新潟市に生まれ育ったのに全然行ったことがなかった新潟市の近代建築」探訪になっていた。建物自体は、それは自分が生まれた時よりずっと昔にあって、存在していたはずだ。しかし、子供の頃にはそう気軽に出入りできるような場所ではなかったと思う。
 西大畑だの寄居だのってのは、うちの祖父や祖母の時代から引き継がれた家族の認識の感覚でいえば、自分の生まれ育ったところとは身分というか「世界が違う」偉いお屋敷町、って感じだから。こういうところを歩いていると、坂口安吾も野坂昭如も無頼派だ何だと言ったって結局、作家の先生などというのは新潟島の「新潟」の、地方都市の裕福な家の(太宰治みたいに)お坊ちゃんであり、我々庶民とは違うなあ。とすら思う。そんな庶民の自分は、大人になって初めて、まるで異国人のように観光に訪れて、ようやく中に入れたのだ。不思議なものである。こういう複雑な気分になるのは、確かにこの市内で生まれ育ったはずという自分の記憶との時空の歪みの感覚が強く残っているからだろう。日本の他の県や都市の旧跡を訪ねてもある種、そんな拘りはないから、こういう感覚は起こらない。これはしかたあるまい。
 もっと過去をたどれば、今の反対側の川岸に昔の佐渡汽船のりばがあったはずだ、とか、佐久間書店は古町通り4にあったはずだとか、区画によっては建て替わる前の景色しか覚えていないとか、その手のツッコミどころには事欠かない。そして眠っていてたまたま新潟が夢に出てくる時は、その過去の記憶の景色で出てくるのだから厄介だ、多分これからも。

  
    
 まあ、この他にも明らかに渋い民家の建造物が、街中のあちこちに散見するのは、以前も来た時に書いた日記のとおり。これが、門司港だの直方だのにツーリングに行った時の不思議な既視感の原因だったのかも。
 ※そして何度も言うが、こういう近代化遺産みたいな美々しい観光的保存意図の濃厚な建物だのレトロ趣味の町並なんてのは、自分の生まれ育ち今も家のある古くからの地域の景色とも、また違う(爆)。うちの近くにはうちの近くなりの庶民の、別の景観がある。その意味の違いについて語るのは、また別の機会にしよう。
 
   
 別に都市景観学に拘っているわけでもない。ただ、3月の東北地方の大地震と津波で、自分がバイクのツーリングで行ったこともあり、その景色の記憶も(写真も多分押入れに)ある、閖上海岸や深沼や名取の一部が、景観も機能も町ごと一瞬で喪失されたことに思いを馳せる。そしてその景観が、google mapのストリートヴューに残ってたりするということにも。(ちなみに、このgoogleの下世話な機能も不思議なものであり、自分の新潟の実家なんどはこのストリートビューで正面から映っていて、たまに地図上から近所の通りを追って町内の写真を見ていると、何か自分が幽体離脱して魂だけ道路を浮遊して実家の町を訪ねているような異様な幻視の気分に陥ることすらある。)…だから、何でも何かの機会があれば、その時空の記憶は残しておくといいのかもしれない、と思うようになったような気がする。
 ただし自分は、時空や思い出を人と共有するのが本当に下手糞である。社会人になって随分訓練も重なって仕事上は上司や同僚や後輩や友人たちといることに耐えられるようになったものの、プライベートでは緊張の糸が解けて、どうも避けてしまうし、もっと年少の子供の頃はほんっとうに人と居ることが苦手で駄目だった。今もかなりその傾向は強く残っている。それでたれぱんだたちが頻出してしまうのか、と言われると、そうかもしれない。そして浦島太郎かクヌルプかのように街の中を彷徨している。

本日のBGM:
 A Red Letter Day (Trouser Enthusiastes Autoerotic Decapitation Mix) / Pet Shop Boys
 暑い時にはなぜかトランス気味のを聴くと、音色のせいか少し気分が寒い感じがする(自分はこれで激しく踊ったりとか全然しないから。じっと作業用BGMで聴いてるだけで)。「ズボン狂」さんのMixだと、元歌の長調の雰囲気とはぜんっぜん、違う雰囲気の曲になっていて、勢いがRobert Milesみたいになってます。それにしてもトランスは一曲がえんえんと快感原則引っ張ってやたら長い。Neil先生の声の部分をこんなふうに断片的にふわふわに使うと、何か一瞬ブルガリアとかトルコとかの民謡の発声みたいな感じに聞こえたりしますな。(20110818)


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20110817

2011-08-17 | 矮小布団圧縮袋

○近代化遺産を歩く@新潟篇 その5
 新潟市内の(今は、中央区とかいうんだっけか)西大畑方面から、営所通へ
 昔の副県知事公舎〔大正10年(1921)〕を改造して、2006年からオープンして現在カフェレストランになっているという「ネルソンの庭」。こういうのも自分が新潟に住んでた頃にはなかったものだ。
     

 「洋館つき住宅」の奥の大部分は白壁のすっきりしたレストランに改造されていて、昼時なので女性のランチ客のほぼ満席でごったがえしている。中に和室も保存されていたりする。そして洋館の表道路側の一角にBAR空間があり、青い色に中の壁が塗り直されていて、ちょっとした近代文学館風の休憩室のように椅子と解説パネルなどが設えてあるのだった。過去の状態保存というより「活用」の方なのかな?インテリアの配色がちょいとしたモダン。でもよくよく見ると、窓枠もあちこちも古いのである。副知事の息子だった野坂昭如が住んでたことがあるとか、坂口安吾が来たことがあるなどという話が書いてある。歩いてきて、外が気温34度ぐらいだったから、ここで涼んで水分補給できて助かった。キイロイトリとむすび丸「やれやれ」
     
  
 それにしても、この10年ほどで新潟市がこんなに「古いものをとっておく」観光地化の方向に進んでるなんて驚いた。だいたい、県知事公舎だって昔の県庁だって遠慮なくどしどし壊しちゃったじゃん。
 以前、新潟にも地元サッカーチーム(アルビレックス)なるものやらスタジアムなるものができた、って話を風の噂に聞いた時、そんな関東や大阪や南国のようなことがあるものか、だいたい新潟人の気質でもってスポーツで闘争するなんてことがありうるのか?と強い疑念に耐えなかったものである。それと同じように、高度成長と光化学スモッグの名残の昭和後期に新潟のEast Endで育った自分としては、歴史的建築保存などといわれても「昔から緑の少ない殺風景な新潟市らしくないなあ」な気分である。(そういう文化的な雰囲気になるなら、もっと自分が新潟にいた時からそうであってほしかった。そうすりゃ案外、今も住んでたかもしれない・苦笑)
 新潟市が変わってきているとすれば、それは東京だの他県だのから文化的な人が入り込んできて、そういう意識が高まってきているのか、元々昔から新潟の人じゃなくて他所の人の発想なんじゃないの?wなどと一度は疑ってしまうような気分も、帰省するたびに思ったものだ。元々地元の人間の方が生活で手一杯で、つましくしていて、あんまりそういう余裕はない、というのは、例えば東北や九州など自分が「他所から来た人」として各地の史跡や街道を探訪するときに、地元の一般市民に逆に「何があんの?」という目で見られたりするときにも感じたことだ。それが自分の身に返ってくる感覚かもしれない。たいがい、歴史や文化に興味もって大切にしようなんてのは、地元なら大金持ちの坊ちゃまか、悠々自適引退の老人郷土史家とか、所詮「旦那様」なイメージだもんな。しかし今や英国や欧州のごとくそういうものも経済活動の選択肢になる可能性としてまなざしが向けられていったりするのだろうか。
 八一くんや安吾くんは、ゆるキャラにはちとなりにくいんでねの?な気がするが。(でかきもいレルヒさんがいるから、安吾くんだったらちょっとありかな・爆)



 本日のBGM:Love Will Find A Way / Pablo Cruise (「Worlds Away」 )
 この歌も最初に聴いたのは新潟にいた頃のことであるが、その時の「恋の水平線」という邦題はどこからきたのかは謎。
 その頃、「裏日本?いやいや、新潟は日本のウエスト・コーストだよ!」という自虐的?ギャグをみんなが言ってたのを思い出すw。でも、確かに真夏は非常に暑いのでございます。九州の人が北国だからって期待するほど、全然涼しくなんかないもん。  (20110817)




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20110816

2011-08-16 | 矮小布団圧縮袋

○近代化遺産を歩く@新潟篇 その4
 西大畑公園(むすび丸とキイロイトリが遊んでいる)は旧新潟刑務所跡地で、煉瓦塀の跡が残っている。その反対側が料亭など並ぶ塀で(うちの祖父やその代の人々は昭和初期にこのへんで宴会をしていたかもしれない)、ここを「地獄極楽小路」と称するというのは有名だ。ここから行形亭や齋藤家別邸などに続く白壁通となる。同じ新潟なのにうちの近所とはあまりにも違うので当惑するむすび丸「…ここ、どこなんでしょう」
    

 北方文化博物館・新潟分館は會津八一晩年の居宅だった。和風建築とつながって洋風建築があり、そっちが書斎兼応接室。玄関や庭を歩いて休んでる會津八一先生の動画(昭和30年代)が室内で上映されていた。たれぱんだたちもちょっとひとやすみ。
   
       
 この家も和風と洋風の折衷型で、奥には煉瓦の塀が作ってある。こんなに和風の庭なのに、NEXT21ってもんは無粋というかでかすぎて目立つというか、市内のどこからでも拝めるって感じがする。多分昭和30年代にはこの庭の視角にそんな高いビルの景色が入ってくるってことはなかったはず。

本日のBGM:
怪奇大作戦 第8話「光る通り魔」 (チャンネルNECO 8/16 20:00~ ※留守録)
 結構出てくる九州ロケふたたび(><)今回は阿蘇ね。しかし高度成長期には、あのクレイジー無責任男の一方で企業の犠牲、こういう燐光人間みたいなのが発生していたんだな(←ほんとかよ)。彼女のメイクやマスカラづかい、ファッションなんかがわりと今風の若い女の子の風だったりして意外。40年で流行一巡りってやつなんだろうか。(20110816)


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20110815

2011-08-15 | 矮小布団圧縮袋

○終戦記念日に昭和を偲んで近代化遺産を歩く@新潟篇 その3
 のだが、月曜なのであちこち休みなのだ。そこで昨日とかここ数日で行ったところ。
 新潟の街よりちょっと高台にある山の手、高級住宅地の西大畑にある砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)〔昭和8年(1933)〕 

  
     
  表側に洋室があったり、と思うと和風で奥座敷に藤棚があったりと、今回は洋館じゃなくて、折衷的な昭和の近代和風住宅という感じだ。まったりするたれぱんだとキイロイトリとむすび丸。でも昔祖父母も住んでた前の家もそういう折衷の感じだったのを思い出す。2階も細かいところに凝っている。

 このすぐ近くの海岸側の方に、會津八一記念館がある。
 また、坂を北側にちょっと下がると、安吾 風の館(旧新潟市長公舎)〔大正11年竣工〕 がある。以前は歴代市長の公舎だったのを、一昨年から坂口安吾資料館みたいに使っているのだ(「安吾と信長」展示中。覆面作者懸賞つき?新聞連載小説だったのね!)。庭園は平成4年に整備したとか。裏手の竹林をぶらぶらするたれぱんだだちであった。
   
     

 散策中のBGM:
 Don't Stand So Close To Me / The Police (「Zenyatta Mondatta」)
 こういう時突然シャッフル君が奏でるポリスの「高校教師」「銭やったもんだった」(爆)。この曲の頃はまだ自分は新潟に住んでいた。…それにしても、自分が新潟にいた頃には、こういう西大畑みたいな山の手にはほとんど来たことはなかった気がするなあ。新潟市民だった、とかいっても、全然生活圏も文化圏もうちとは違うもんね(爆) (20110815)


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