〇連休中は前半は普通に平日休日とも出勤で、後半は実家の方に少し寄った程度で、殊に遊山には行けなかった。このところ5月6月に予定の作業が立て込んで気持ちに余裕がない。
せいぜい夕方ちょっと外出したのが、再び映画館で

「けものがいる」(La bete 仏・加 2023)
また久しぶりにグザヴィエ-ドラン先生の声である(以前「トム-アット-ザ-ファーム」の後でインタビュー動画のフランス語音声をDAPに入れて聴いてたから、意外と早口なよくしゃべる声は聴き覚えがあった)。でもそもそもpassionの塊っぽいボネロ監督とかドランさんとかみたいな方々からして「感情の消去」とか言うの、絶対無理に決まっとーやろ(爆)とか思って見始めたら、やっぱし悲劇的に諷刺的でしたな。画面はSF的な色彩でクローネンバーグ的に官能美な感じのところもあるようだったが、あのいかにもこっちをいらつかせてくる「全体的不協和音」「思わせぶり」なのも健在。レア-セドウさんは安定の独特の存在感で美術品のように愛でられている感あり。ジョージ-マッケイ氏は「パレードにようこそ」が初見だったから若手というより既に中堅のプロなはずで、こんな丸々エゲレスな人が何でこげいなおフランスな映画に出とるんやろと不思議だったのだが、仏語圏と英語圏にまたがってるところでだんだん納得し、怖いところもそう来たか、とわかった。取り合わせの妙でしょう。
ボネロ&ドランだからか音楽も様々象徴的に引用される。キーの1960年代曲はともかく、自分的には
BGM: Fade to Grey / Visage
でしょうやっぱり。この「1980年代」の画面と音楽は、出てきた時ちょっと吹いた(笑うとこかい)。このお経みたいな暗いYMOぽい旋律が、映画を見終わってからようやく解禁してパンフレットを読んでる時にも、脳内でリピート再生されるのを禁じ得ず。「わたしはロランス」でも使われてたようだ。(ドランさんなんて生まれる前の歌なんじゃないかと思うのだが)これもちょうど絶妙なとこの選曲を感じた一品(20250504)